男「国から追い出された…」(5)

※魔物や呪文は様々な作品から使わせて頂く予定です

男「ど、どどどどどどうしよう!助けてスライムゥ…」

スライム『いや、助けてと言われても…いろいろ説明してくれないと助けられないんだが』

男「ああ…、今までサボってたが少し前からまじめに勇者養成所に通うようになったんだ」

男「それでこの前実戦授業があって、本物の魔物と戦って殺さないといけなかったんだ…」

スライム『ほぅ…魔物の私が聞いて心地よいものではないな…』

男「スマン…で、相手の魔物のドラキーが…」

スライム『ドラキーが?』

男「可愛すぎて可愛すぎて攻撃できなかったんだ!」

スライム『…は?』

スライム『そ、それからどうしたんだ?』

男「先ず抱きしめて撫でたんだ、そしたら懐いてくれたから家に持ち帰ることにしたんだ」

男「そしてしばらく一緒に暮らして、十分に鍛えあってから逃がしてあげたんだ」

男「次の日、そのことが養成所の人たちにばれて城の人たちにそのことが伝わって」

男「お偉いさんから」

『お前は国を滅ぼす危険な者になるかもしれない…だから国のため、国民のため出て行ってもらおう』

男「って言われて追い出されたんだ…」

スライム『まぁ、お前の国のことを考えれば仕方ないのかもしれない…』

男「そんな!!」

スライム『でもたった1回でそこまでやるものなのか?』

スライム『…うーん、国にとっていられちゃ困る存在でちょうどいい機会だから追い出されたとか?』

男「さらっとひどいこと言ってるけど、俺は養成所でも成績は中の下だしそんな存在じゃないぞ」

スライム『じゃあただ単にいてもいなくても困らないどうでもいい存在だから追い出されたのか』

男「やめろ!それは本当にひどい言葉だぞお前!」

スライム『でも他に理由が思いつかんぞ?』

男「いや、そんな悲しい理由しか思いつかないんならもう考えなくてもいいよ」

スライム『そうか…』

スライム『で、これからどうするんだ?』

男「この年で放浪者は嫌だからなぁ…どこか雇ってくれる場所で暮らしていきたいな…」

スライム『アテはあるのか?』

男「……ない」

スライム『そうか…じゃあ、頑張れよ』

男「いや、一緒に来てくれよ!一人じゃ寂しいよ!」

スライム『でもなぁ…人間と魔物が一緒にいるとかおかしいだろ』

男「そうなのか?」

スライム「だってお互いに狩って狩られる関係なんだしおかしいだろ」

男「まぁまぁ、そのことは歩きながら話そうか」ヒョイッ

スライム『あっ、ちょっと!降ろせ!離せ!』

男「いやーあてもなく歩くのって初めてだけど、意外と悪くないね」

スライム『おい、そろそろ離してくれないか?』

男「まぁまぁ、ひんやりしてて気持ちいからもう暫く頼むよ」

男「それにいつも見る視点より高いから新鮮でいいだろ?」

スライム『む…そうだな。それじゃあ、もう暫くこのままでいいか』

男「あ、木の実とか探しながら行くか…餓死で死にたくないし」

スライム『それなら私の知識を貸してやろう』

スライム『食べられない木の実を食べて死んでいる人間を何人も見ているからな』

男「あ、ああ…よろしく頼む」

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