何となく書いてた奴うp(103)

今まで書いて渋(pixiv)に上げてたりした奴の感想plz
初スレ立てだけどガンガンレスってくれ いやして下さい

~入店~ 

 「いらっしゃいませー・・・。」

 気だるい挨拶が店内から飛んでくる。
 それもその筈だ、今の時間は夜1時過ぎ。
 普通の個人経営の雑貨屋なんてだいぶ前に店を閉めている。

 「・・・お客さん初めてかな。」
 レジと思われるガラスケースの上にひじをつき、
 だるそうな顔をしながらこちらに話しかけてくる少年が一人。
 何も言ってないのにこの反応、何か嫌な予感がするが気にしないでおこう。

 店の中は一般的な雑貨屋それ相応の細々とした商品が並んでいる。
 そしてガラスケースの前にはテーブルとイスが1セットちょこんと置いて在る。

「座りなよ、立ちっぱなしも疲れるでしょ。 いいよどうせ、夜には普通の客来ないし。」
 客に普通も普通じゃないもあるのか・・・・?
 一応あるといえばあるが面倒なので割愛させて頂く。

 「裏から飲み物持ってくるけど何か飲む? と言ってもコーヒーかお茶ぐらいだけど。」
 そう言い残して少年はのれんの間をくぐって裏に潜っていった。

 「・・・・・・・。」
 ざっと見る限りは普通の店だ・・・。
 しかし、客が普通じゃないとはどういう事だろうか?
 良く分からないまま少年が戻ってくるのを待つ。

「・・・・・。」
 数分して少年がカップを2つ持って裏から出てきた。
 ふわっと店内にコーヒーの香りが広がる。
 
 「待たせてごめん、豆切れちゃってて引いてた。」
 豆からのコーヒーとはブルジョアな・・・。

 「・・・。」
 「・・・。」

 二人ともお互い見合う事も無くただ黙々とコーヒーをすする。

 来た頃には湯気が立ち上るぐらい熱かったコーヒーも少し冷めてきた頃、
 入り口の方からチリンチリンと鈴の音が聞こえた。

「いらっしゃい、なんだまたあんたか。」
 少年の声に釣られ、後ろを振り向くとそこには
 首の無いやけに手足が短い人が立っていた。
 しかし手足の先に指は無く、二の腕と太ももが体にくっついてるような姿だった。

 「すいません、私の頭知りませんか?」
 頭が無いのに声はしっかりと聞き取れた。
 声からするに20代の女性ぐらいかと思われる。

「何度も悪いけどさ、カシマさん ここは広島じゃないんだ。
  カシマさんが首を無くしたのは広島でしょ?
  だったらそっちで探した方がいい気がするんだけど?」
 と少年は相変わらずだるそうに首の無い女性に言い放つ。
 ちょっと意地悪をしているようにも見える・・・。
「・・・ぐすっ。」
 案の定、泣き出してしまった。
 矢継ぎ早に少年は彼女と思われる人を紹介してくれた。

「あの人はカシマさん、広島の地域談話級の幽霊さんだよ。
  死ぬ前にアメリカ兵に暴行されて、その暴行の時に手足に銃弾を撃たれてしまってね、
  手足を切り落とす事になってしまったんだ。 
  それが苦痛で車椅子から駅に飛び降りて自殺してしまったらしい。
  ただ・・・。 バラバラになった手足と体は見つかったの
  に首から上がいつまでも見つからない
  で、自分の頭を探すのに夜な夜な徘徊してるんだが、カシマさん
  が周りを回った人は呪いで死んでしまうっていう話で有名だよ。」

と少年は一通り説明した事に満足したのか、コーヒーをすする。
 すると背後から先ほどの声の主であるカシマさんが声を掛けてきた。

 「ひぐっ・・・ぐすっ・・・わ・・・私の頭知りませんかっ・・・。」
 何だろう、怖い人の筈なのに何か可愛い気がする。
 
 「そうだ、カシマさんは3回名前を呼ばれると逃げてしまうっていうのもあるね。呪いの回避方法として。」

 更に追い討ちを掛けるかのように呪いの回避法を言う少年。
 単にいじめて楽しんでいるようにしか見えない。 無表情だが・・・。

 「でもっ・・・ズズッ・・・だって・・・ひっく・・・私はただ頭を探してるだけなのに・・・偶然だよぉ・
・・人を呪ったりしないもん・・・しくしく・・・。」
 頭が無いのに何か可愛い人が泣きながら弁解してると思うと普通に可愛い女の子なんだなぁと思えた。

「とにかく、ここにカシマさんの頭は無いし、これから入荷する予定も無いよ。どこにあるかも分からないしね。」

 と言うと少年はショーケースの下にあったであろう本を取り出して読み出した。
 随分と自由気ままな店番だな・・・。

 「ふぁぃ・・・分かりました・・・また来ます・・・しくしく・・・。」
 「もう客としては来なくてもいいんだけどね。」
 うわぁ・・・即死するような追い討ち。
 既に死んでるけどこれは酷い気がする。

「ふぇぇぇーーーーーーーぇぇぇん。」
 予想通り号泣してカシマさんは店を飛び出して行ってしまった。

 「普通の客じゃないってあぁいう事。分かったでしょ。うちの店が普通じゃないってのも。」
 あ、はい、とっても分かりました。
 そもそも私も気づいたらこの店の前に居た訳なんだが。

「・・・また迷い人か、最近多いな。 地獄門でも見に来てたんでしょ? 最近あそこら辺の境目が曖昧だから、気をつけないと地元の人でもこっちに来ちゃうからね。」

 地獄門・・・、確かに見に来ていた。
 地獄門とは、弥永町[やながちょう]にある唯一の観光名所である。
 なんでも、昔にはこの近くが黄泉比良坂だったとか。
 その黄泉比良坂と地獄に生きてる人が迷わないように、作られたのが地獄門だったそうで。

 「とりあえず、今日は遅いしうちに泊まりなよ。帰れるまで泊まっててもいいけどさ。どうせ昼間は普通の客が来るけど叔父さんが居るから俺は裏に居るし。」
 どうやらこの店は彼の物ではなく叔父の物であるようだ。

 何か理由がありそうだが、とりあえず夜も更けてきたので彼の好意に甘え休ませてもらおう・・・。

 黄泉ヶ淵商店へようこそ ~入店編~ 終わり

とりあえず1個目の奴うp
連投すまん

>>49
それ思った

でも、決して悪い訳じゃない

>>50
決して悪い訳じゃない(キリッ
だってお(´_ゝ`)

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