坂井「ストライクウィッチーズ?」(27)

昭和17年8月7日
ガ島上空での戦闘で、俺は負傷した。
直進する敵航空機をf4fワイルドキャットだと思って後方から近づいたら、相手はドーントレス。
後部銃座の銃撃を受け、重傷を負った。
フラフラと4時間かけてラバウルの基地に戻った時の話だ。
飛んでいる間、俺は、ある、不思議な体験をした。
今も、我ながら、呆れるぐらいな話だ。
だから、俺はこの話をしても居ないし、話す気もない。

パンツ一丁の女の、しかも、子供が、機関銃担いで戦っていたなんて

ついに頭が可笑しくなったかと笑われるだろう。

「糞、前が見えん……」

頭部の止血はしたものの、血を多く流しすぎた。
視界はぼやけ、左腕も麻痺して動かない。
姿勢を制御するのでいっぱいいっぱいだ。

「油断した」

まさに、その一言に尽きる。
相手を戦闘機と見間違え、不用意に後方から近づきすぎたのだ。
愛機である零戦二一型は損傷は大した事ないが、俺が大した事ある。

『…―この―せん聞こえるか!』

無線で何かが叫んでる。
女の声だ。
しかも、若い。

「いよいよ、俺も極楽浄土へ行く番か?」

天女の声だな、こりゃ…

ルーデル、ヘイへ(未完)ときて今度は
坂井さんとかまじ俺得wwwww

読みたいから続けてくれ。

>>3ルーデルは何故か501の過去ログからも消えてますけどね
もう一度ヘイヘとかハルトマンとかやりたい

『そこの零戦!
応答しろ!!』
「聞こえてる。
こちら台南海軍飛行隊の坂井三郎一飛曹だ。
我、負傷セリ、我負傷セリ」
『了解した。
貴機の4時方向に二式大艇が見えるか?』

首を巡らし、4時方向を見ると、深緑色のデカイ飛行艇が富んでいるのが目に入った。
いつの間に、あんなものが?
と、いうか、アメリカのグラマンやドーントレスには出会わなかったのだろうか?

「どこの所属だ。
アメリカ軍は?」
『は?
一飛曹こそ、何処から飛んできた。
ネウロイにやられたのか?』

どうやら、話が通じないらしい。

日本語を話しているから、日本人だし、あれも我が海軍の飛行艇だ。
アメリカ兵が盗んでいったのか?
飛行機自体は、全く問題ない。
何度か、意識が遠のくが、どうせ死ぬんだ。

「おい、貴様!
所属と階級を名乗れ!
スパイか!!」
『はぁ?
何を言っている!
おい、何をする気だ!!』

操縦桿を引っ張り上げ急上昇。

「ぐぅ…」

傷口がズキズキ痛み、意識が遠のく。

「こんなところで寝てる場合じゃないぞ!」

自分に喝を入れ、二式大艇からさらに500mほど上空に上がり、急降下。
本来なら、駆逐艦や戦艦、できれば空母に突っ込みたかったが、敵の手に落ちた味方機をアメリカに返すわけには行かん。

二式大艇には左右の主翼に2基づつエンジンを乗っけている。
そこを攻撃してやれば、後は勝手に落ちるだろう。

『馬鹿な事は止せ!!』

直後、赤い帯が俺の機と二式大艇の間を抜ける。

「糞、なんだ!?」

慌てて見ると、何やら黒いモノが飛んでいた。

「米軍の新兵器か!!」
『ネウロイだ!
下がれ!!!』
「お前は後で片付けてやる!
そこで待ってろ!!」

操縦桿を左に倒し、黒いデカイ奴へ向かう。

『馬鹿!
そんなものでネウロイに勝てるわけないだろう!!』

うるさい無線を切り、ベルトを締め直す。

「へ、すまんな笹井中尉」

黒い奴はビービーと其処ら中に赤い帯みたいなものを撃ちまくっている。
威力はわからんが、海に当たったものは盛大に爆発している。

「どうにも、生きて帰れそうないぜこりゃ」

急上昇し、黒い奴の上を取る。
米海軍の対空機関銃みたいにビームが飛んでくるが、それを避けつつ、こちらも20mmと7.7mm弾を発射。

「落ちろ、この野郎!!」

本当に戦艦並みに分厚い装甲を持っているらしく、中々火が出ない。
まぁ、動きがトロいし、コクピットが見当たらないのだ。

「何処撃ちゃ落ちるんだァ?」

取り敢えず、胴体っぽい所を撃ってみるが、反応はない。
脇をすり抜け、再び、上に上がる。
戦闘に集中すると、自分が怪我を負っているのを忘れる。
左腕が動かないのが、難点だが、此奴さえ落とせば、米軍の新兵器なんぞ怖くない。

再び、上空に戻り、コクピットがあると考えられる、場所に弾丸を叩き込む。
装甲が剥がれていくのだが、とても分厚い。
そして、すれ違う丁度その時に、なんだか、赤い玉を撃ち抜くと、鉄板を引きちぎったような音がし、黒い奴は爆散した。

「は、ハハ!!
我、敵新兵器撃墜ス!
我、敵新兵器撃墜ス!」

後は、あの二式大艇を落とすだけだ。
首を巡らすと、二式大艇と何かが飛んでいた。
目を凝らすと、少女が飛んでいるではないか。

「こりゃ、愈々ダメか?
へへ、上等だ」

天女が見守ってる中、敵に拿捕された味方機を発見か。
無線を開き、基地と連絡を試みる。

「此方台南海軍飛行隊所属の坂井三郎一飛曹だ!
聞こえてないのか!」
『やっと繋がった!!
とりあえあず、我々に敵意はない!
大人しく、ウィッチの誘導に従い着陸せよ!!』

天女がこっちに近づいてくる。
いや、天女じゃない。
天女は機関銃なんぞ持っていない。
しかも、あれは機関砲だ。
九三式だろう、あれは。
丸い弾倉を下げているが、どう見てもあれはそうだ。
確か、陸軍の方で車載機関銃として装甲車に積んでいた。
あんなものを軽々と、持っている時点で、あれは人間じゃないな。

「へっ、笹井、この光景信じられるか?
靖国の門番ってか?」

おっと、意識が飛びそうだ…

「聞こえますか!
ひどい出血!!」

天女が俺の機体の並び、風防を覗き込んでいる。
15,6の少女で、頭に獣の耳を生やしていた。
なんだ、ありゃ?

「おい、此処は何処だ?
靖国か?」
「え?
違います、ここはベネチアの」

べねちあ?
ベネチアって確か、欧州の方だな。
伊太利亜って国の周りだったか?

今までの台南海軍飛行隊じゃなくて、台南海軍航空隊だった…

「あ、あの、取り敢えず、基地まで飛べますか?」
「ああ、こうなったら、飛ぶしかねぇだろうが。
靖国でもベネッチアでも良いから案内してくれ、計器もあんまり見えねぇんだよ」
「わ、分かりました!?!」

天女は言うと、慌てて俺の前に出る。

「私に着いて来てください!!」

天女の後に着いて空を飛ぶ。

「何か話をしろ。
黙ってると、気絶しちまいそうだ」

無線機で、先ほどの、多分二式大艇にいる女に話しかける。

『分かった。
と、言っても何を話せば良いか?
改めて自己紹介でもして貰おう』
「ああ。
俺は大日本帝国海軍所属坂井三郎一等飛行曹だ…
所属は…台南海軍航空隊だ。
そこで、先任搭乗員をやってた」

『台南航空隊?』
「ああ、ラバウル方面を守ってた…
さ、笹井って奴が居るんだがな……
アイツは少尉だが、俺が鍛え上げたんだ。
良い…腕を持った奴だよ。
俺が見つけて、あいつに落とさせる、んだ…」
『笹井…
私にも、竹井と言う名前の友人がいる。
それと、大日本帝国海軍とは、扶桑皇国海軍とは違うのか?
それは、零戦の二一型に見えたのだが』
「扶桑皇国が何処の国かは知らんが、我が日本は、別名扶桑と言うな…
それと、これは零戦の二一型だ…
糞、意識がヤバイな…
まだ基地にはつかないのか?」
『あと、もうちょっとだ。
頑張ってくれ』
「ああ…」

頑張ろうにも、計器が分からねぇよ。
高度も余り、つかめないし。
取り敢えず、今は、目の前を飛ぶ天女に照準を合わせて飛んでるだけだ。
こんなわけのわからん所でおっ死ぬ訳にも行かねぇ。

フラフラと飛んでいるのは自覚している。

「あともう少しです!
ほら、基地が見てきましたよ!!!」

天女が俺の隣に並び、何かの建物を指差した。
よくわからんが、長い道みたいなのが見える。
あそこが滑走路か…
杭みたいな柱がかすかに見える。
あれを目印に着陸しよう。

「見えた。
着陸する」

脚を出し、スロットルを絞っていく。
杭と同じ高さに来たら、エンジン切って惰性で着陸、チャンスは一度きりだな。

『零戦!
進入速度速すぎる!
もっと、速度を落とせ!!』

別の無線が割り込んできた。
別の少女の声だ。

「無茶言いやがるな!」

よし、高度はok。
エンジン停止。
後は、俺の運と、こいつの頑張りだ!
頼むぜ、相棒!!

『機首を上げろ!!
突っ込むぞ!!!
医療班と消火班!!!
急げよ!』
「ぐっ!!」

ドンとタイヤが地面を蹴り、思いっきり、ブレーキを踏む。
進入角が確かにキツ過ぎて、思わずつんのめる所だった。

「へ、へへ…
終わりよけりゃすべて良しだ」

スピードがズンズン落ちていき、そして、止まった。
車が走ってくる音と叫び声が遠くで聞こえ、俺はそこで気を失う。
靖国に行くにも一苦労だぜ、全く。

全くこういうの知らないけど面白い

次に目を覚ますと、頭と右目に包帯が巻かれていた。

「糞、此処は何処だ?」
「第501統合戦闘航空団の基地です」

声がした方を見ると、一人の外人の少女がたっていた。
独逸の軍服を着て、肩には『中佐』の階級章。
話す言葉は、英語だ。
思わず眉を潜めた。

「何で、ドイツ軍の基地にこんなお嬢ちゃんが居るんだ?
ドイツ軍はよっぽど人手不足なのか?」
「私は、カールスラント空軍所属のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。
貴方の名前は?」
「……俺は、坂井三郎。
大日本帝国海軍所属の飛行機乗りだ。
カールスラントってーと、何処等の田舎の国だ?」

欧州のどっかだろうが、聞いたこともねぇ。

「い、田舎って…
カールスラントですよ?
帝政カールスラント……」
「だから、知らんと言っているだろうが。
ゼロ戦に地図が乗っている。
それを持って来い」

世界地図もあったはずだ。

「わ、分かりました」

嬢ちゃんが脇に控えていた兵士に言うと兵士は敬礼して去っていった。

「で、嬢ちゃん。
カール何とか軍はどちら側なんだ?」

拳銃も刀も取り上げられているから、抵抗はできんな。
まぁ、ドイツ軍の軍服を着ているところを見ると、どうも、俺達枢軸側らしいが。

「じょ、嬢ちゃんって……
どちら側も何も、我々は連合軍です」
「捕虜になっちまったのか、俺は…」

なんてこった。

「ドイツ軍の軍服だと思って油断したが、糞。
俺は何も喋らんぞ!」

「地図持ってきました」

そこにさっきの兵士とは違う、パンツ丸出しの少女が入ってくる。
我が帝国海軍のセーラーを着ているではないか。

「貴様!」
「は、はいぃぃ!?!?!」

少女が驚いて、ミーナとか言う女の後ろに隠れた。

「貴様、何故我が海軍の制服を着ているのだ!」
「な、なぜって、彼女は扶桑海軍のウィッチですし…」

ウィッチ?

「ウィッチとは、魔女のことか?」
「え、ええ、そうですよ。
当たり前でしょう。
あなたこそ、なぜゼロ戦に?
何処の所属なの?」

嬢ちゃんが腰の銃に手を掛ける。

これもうやめちまったのか…

「俺は大日本帝国海軍所属。
今は、台南航空隊に所属している。
先ほどの新兵器はなんだ?」
「質問しているのは私です」

嬢ちゃんは俺を睨みつける。

「おぉ、怖い怖い。
俺は何も喋らんぞ。
貴様等アメ公共に鐚一文と情報を漏らしてたまるか」
「アメ公…先ほどの言っていたアメリカ軍ね」

何を言っているんだこいつは?

「ち、地図を持ってきました」

そこに先ほどの兵士とドイツ系の少女がやって来る。

その少女は俺に言った。

ラウラ「私はラウラ・ヴォーデヴィッヒだ…貴様、名前と所属軍の名称と階級を名乗れ!」ちまっ…

さて…どうしたもんかね。

と思ったら再開したのね
支援

「これで、貴方の国を示してくれるかしら?」

そして、ミーナが地図を広げ、俺の前に置く。

「ああっと……
これだな。
この国だ。
fusouと書かれているが、日本だ。
大日本帝国。
何だこりゃ?
支那が消えちまってるぞ?
何だ、こりゃ?
なんでモンゴルがこんなデカくなっちまってるんだ?
地図がおかしいぞ、こりゃ。
しかも、ソ連がオラーシャに、アメリカがリベリオン?
ここは地球か?」

「この男は何を言っているんだ?
聞いた話では、ゼロ戦でネウロイを撃破したと聞くが」

脇に居たドイツ系、お下げの少女が俺を見る。

「ネウロイ?
ああ、あのお前等の新兵器か。
あんな矢鱈滅多等に対空砲ぶっぱなして当たる方が可笑しいんだ。
と、言うか、そろそろ、聞いていいか?」
「何かしら?」

ミーナは俺を見る。

「なんで、ズボン履いていないんだ?」

ミーナとドイツ系の少女が顔を見合わせて、俺を見る。

「穿いてるじゃないの」

ミーナはパンツの紐を引っ張ってパシンとやった。

「そりゃ、パンツだろうが。
ズボンっツーのは、ああ言うの言うんだ」

脇で銃を持った兵士の下半身指差す。

「あれは男用のズボンだ」

アニメではバルクホルンがパシンとやってたな

お下げの少女が呆れ顔で俺を見る。

「意味が分からん。
ここは遊郭か?
女なら、恥じらいを持て。
全く。
それは、そうと、俺の零戦はどうなった?」
「貴方の乗ってきた零戦はあの着陸で脚部が損傷、コクピット周りも酷い状態です。
修理しようにも部品がないので、どうする事も」

なんてこったい。

「二式大艇が飛んでいたが、この世界にゃ日本軍は居ないのか?」
「いえ、あれは扶桑の二式大艇です」
「つまり、その扶桑って国には零戦もあるんだな?」
「ええ、其の辺は美緒に聞いてください」

誰だ、そりゃ?

なにっ

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