音葉「私たちに……付き合ってみませんか…?」 (132)

※複数P世界、安価スレ
エロ・鬼畜は安価下
ひじりんはラスボス
誤字脱字・駄文・亀注意


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拓海「悪いが…もう付き合ってくれねえでいいんだが…」
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櫂「お正月くらい付き合ってくれるよね?」
櫂「お正月くらい付き合ってくれるよね?」 - SSまとめ速報
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ほたる「私に付き合うと……不幸になっちゃいますから……」
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つかさ「付き合ってやってもいいけど?」
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の続きです
42作目です
メイン不在じゃないんです
だってメインキャラにするから!ドンッ!

長野県山中

老爺「こんな時期に私の山荘に泊まりたいなんて…お客さんぐらいですよ。」
ザクザク

音葉P「雪が呼んでいたのだよ。彼女たちの歌声を聞けば新しいメロディーが浮かびそうなんだ。」ザクザク

老爺「えっと………?」

音葉「すみません……作曲のために…… 冬の雪山が見たかったみたいで……」ザクザク

老爺「ああ、成る程…!」

老爺「まさかお二人の作曲のお手伝いができるなんて…………長生きはするものですね。」ザクザク

音葉「私たちを……知っているんですか…?」ザクザク

音葉P「当然だな。彼からは音楽家の音色がする。」ザクザク

老爺「ええ…名乗るのも烏滸がましいのですが、私アマチュア音楽家でして…音楽に関わる者で音葉さんと音葉Pさんを知らなければ笑われてしまいます。」

音葉「そんな風に言われると……何だか恥ずかしいものですね……」///

音葉P「アマチュア音楽家…ね。君の山荘にピアノはあるかね?」

老爺「一応ありますが…でもそんな大した物では……!」

音葉P「気にしないでくれ給え。しばらく宿を世話になる礼だ、楽曲を一つ君にあげよう。」

老爺「そ、そんな!めっ、滅相も……」

音葉P「僕がそうしたいんだ。いいかね?」

老爺「は、はい……!!」

???「………」ジー

音葉「(こんな雪の中に子どもが……?)」

音葉P「その代わりと言っては難だが…この辺りの伝承などを聞かせてくれ給え。曲の参考にしたい。」

老爺「えっと……でしたら『聖様』、ですかね。」

音葉P「『聖様』か。どのような話なのだね?」

老爺「>>9

冬にだけ現れ、その歌声を聴いたものに幸福をもたらすと言われる伝説の少女です

老爺「冬にだけ現れ、その歌声を聴いたものに幸福をもたらすと言われる伝説の少女です。」

音葉P「伝説の少女……ね。」

老爺「はい。この辺りに伝わる古い伝承で…私も祖母から聞きました。」

音葉P「その幸福をもたらす歌…音楽家として是非一度聴いてみたいものだね。」

老爺「私もです。しかしここで生まれ育ってもう80年になりますがまだ聴けた事がありません……」

音葉「あの………もしかして……その少女は金髪ですか…?」

老爺「確かに金色の髪を持つと伝えられていますが…ひょっとしてご存知でしたか?」

音葉「いえ……あそこに……」

???「…!」スウウ……

音葉「……?……何と無くそう思いました…(今確かに……)」

老爺「一流の音楽家さんは直感も鋭いのですね。驚きました。」

音葉「あの……私たち以外には………?」ヒソヒソ

音葉P「…?君と彼と僕、それ以外には山の木々や生き物、雪の音色しか聞こえないが…どうしたのかね?」

音葉「いえ………ただ聞いてみただけです…」

音葉P「ふふふ……聖様とやらでも見えたかね?」

音葉(やはり…見間違いだったのでしょう……)

山荘

音葉「とても落ち着いていて……素敵な場所ですね……」

老爺「恐縮です。内装は私の個人的な趣味でして。」

音葉P「うん、見えなくても分かるよ。君は趣味がいい。」

老爺「年寄りの数少ない道楽です…息子も都会に行ってしまって他にする事もありませんから……」

老爺「こんな雪ばかりのところは若者には退屈なのでしょうか………寒じたでしょう?温かい飲み物を淹れてきますね。」スタスタ

音葉「ありがとうございます……」

音葉P「…済まないね音葉君。」

音葉「………?…何がでしょうか……?」

音葉P「いや、折角の休日だと言うのに僕の作曲活動なんかに付き合わせてしまって…」

音葉「>>16

音葉Pさんの作る曲を歌うことは私の喜びですから。+↑

音葉「私は…音葉Pさんの目であり手ですから……当然です。それに…音葉Pさんの書いた曲を歌うことは…私の喜びですから…」

音葉P「……愚かな事を聞いてしまったね。音葉君…やはり君は僕にとって最高のパートナーだ。」

音葉「………」///

音葉P「ふふふ……照れているのかね?」

音葉「……もう…」///

老爺「お口に合うかは分かりませんが…コーヒーです。」

音葉「体が温まりそうです……」カチャ スッ

音葉P「ああ。」カチャ

老爺「…口に出されなくても通じ合える御関係なのですね。」

音葉P「僕と音葉君だから出来るのだよ。ふむ…なかなか美味いコーヒーだね。」

音葉「…………熱い…」フーフー

老爺「火傷に気をつけてくださいね。」

音葉P「…どこかで修行を?」

老爺「いえ。せめてコーヒーぐらいはと思い独学で……」

音葉P「成る程ね。正直で温かな味がする。」
音葉「…………美味しい。」

訂正

音葉「…………熱い…」フーフー

老爺「火傷に気をつけてくださいね。」

音葉P「…どこかで修行を?」

老爺「いえ。せめてコーヒーぐらいはと思い独学で……」

音葉P「ふむ……実直な味のするいいコーヒーだ。」

音葉「…………美味しい。」

音葉「……あっ、風の色が…変わりました…」

音葉P「おや、確かにそのようだね。」

老爺「少し吹雪いてきたみたいですね…困りました、吹雪の間は外に出られないのですが…」

音葉P「別に構わないよ。吹雪と言うのもいい音色だ……詩情を引き立てられ………!!音葉君!!」

音葉「>>25

一時中断します

↑+いつでもどうぞ

再開します

音葉「分かっています…すでに用意は出来ています…いつでもどうぞ。」

音葉P「流石は音葉君だ!君、ピアノを貸して貰うよ!ふふふ…最初はカンタービレ…彼女たちは気紛れで気分屋だ……!」

老爺「えっと………?」

音葉「その…曲を思い付くとこうなるんです……」

音葉P「今ならシベリウスのインスピレーションが理解できる……!!ああ、早く彼女たちの音色を表現しなければ!!」

音葉「すみません……ピアノを貸してもらえますか……?」

老爺「とんでもない!まさか音葉Pさんの曲の誕生に立ち会えるなんて!」

音葉P「そうだね、君にも僕の新しい作品の誕生の立会人になってもらわなくては!ああ…待ちきれないよ……!音葉君!」

音葉「………」スッ

音葉P「……」ガシッ

老爺「ピアノの置いてある部屋でしたらこちらです!」

2時間後

音葉P「フィーネ!」

音葉「フィーネ……」サラサラ

音葉P「ふう………こんなところかな…どうだったかね?」

老爺「あ、ありふれた事しか言えなくてすみませんが……その……年甲斐も無く感動しました…!」

音葉P「ありがとう、この曲も喜んでいるよ…」

音葉P「音葉君……後はよろしく……」

音葉「はい……任せてください……」

音葉P「僕は聊か疲れ……」カクッ

老爺「ど、どうされましたか?!」

音葉「心配しなくて大丈夫です……眠っているだけですから……」

音葉P「………」スヤスヤ

老爺「>>32

ベッドまでお運びしましょうか? それともソファのほうがよろしいですか?

老爺「ベッドまでお運びしましょうか? それともソファのほうがよろしいですか?」

音葉「ありがとうございます……でも大丈夫です……」ヒョイ

音葉P「………」スヤスヤ

老爺「何と……」

音葉「いつもベッドまで運んでいたら……慣れてしまって……」

老爺「これは失礼しました……余計なお世話でしたね。」

老爺「ベッドはこの部屋のをお使いください。他の部屋は温まっていませんので…」

音葉「分かりました…そこのベッドですね…?」

老爺「ええ。掛け布団などは後から御用意しますので。」

音葉P「むにゃ………音葉君…」

音葉「……お休みなさい。」ニコ

老爺「お夕飯はどうされますか?」

音葉「そうですね……音葉Pさんは辛い物が苦手なので……出来れば辛くないものが………」

老爺「分かりました。他には何かリクエストなどはありますか?」

音葉「でしたら……お夕飯を手伝わせてもらえませんか…?」

老爺「いえいえ、お客さんを働かせる訳にはいきません!」

音葉「そうですか………音葉Pさんの為に料理も勉強したかったのですが………」シュン

老爺「ああ、成る程…でしたら構いませんよ?」

音葉「…いいんですか……?」

老爺「人様にお教え出来るほどではありませんが…参考程度にはしていただけると思います。本当に音葉Pさんを愛してらっしゃるのですね。」

音葉「>>38

音葉「はい……///私の初恋で…運命の人ですから………」///

老爺「そうですか、そうですか……」
ニコニコ

音葉「とっても優しくて素敵な人で………たまに見せる子どもみたいなところが可愛くて………」///

老爺「いやはや……とても幸せそうに話されますね。」ニコニコ

音葉「あっ…………」//////

音葉「うう………忘れてください………」///

老爺「すみません、若い人を見るとついからかいたくなってしまうのです。私まで温かい気持ちになれましたよ?」

音葉「………」///

老爺「さて、では愛しの音葉Pさんの為にお夕飯を一緒に作りましょうか。」

音葉「………はい…」///

ギイ……バタン

音葉P「………」スヤスヤ

カラカラカラ

???「………」トスッ

カラカラカラ

音葉P「………」スヤスヤ

???「………寝てる…」

???「……人間さんは………久しぶり………」

???「…変わった服……寒くないのかな?」

音葉P「………音葉君?」

???「……?!」ビクッ

音葉P「……済まないね、今回も…………おや………?」

???「………!!」オロオロ

音葉P「妙だ……雪の音色しか聞こえないはずなのに……気配を感じる…誰か居るのかね?」

???「>>44

安価把握

お休みなさい

再開します

???「私が……見えるの……?」

音葉P「ああ、残念ながらその質問に対してはノーだ。生まれつき目が見えないんだ。」

???「そうなんですか………だったらどうして……?」

音葉P「自分が入ってきたのが僕に悟られたのが意外かい?」

???「はい……普通の人間さんは……みんな…私に気付かないから…」

音葉P「それなら答えは簡単だよ、僕が普通じゃないからに決まっている。」

音葉P「目が見えない分他の感覚は鋭くてね、特に耳には自信がある。生き物ならすぐ分かるんだが…君からは音色が聞こえない…何者かね?」

???「…………」

音葉P「まあ無理に答える必要は無いよ。こんな吹雪の中を来る段階で人間などでは無いのは確かだろうがね。」

???「私が……怖くないんですか…?」

音葉P「おや、質問の意味を了承しかねるな。」

???「私……人間さんじゃないのに…」

音葉P「君に害意が無いのは分かる。それで十分ではないかね?」

???「あなたは変わった人ですね………ときどき私に気付いた人は…みんな怖がるのに……」

音葉P「僕には万が一君が世にも恐ろしい姿をしていても分からないのでね。」

???「私……そんな見た目では無い……と思いますけど……」

音葉P「思う?」

???「私の姿が……人間さんにとってどうなのか……分からないから……」

音葉P「…………君、音楽は好きかね?ちなみに僕は大好きだ。」

???「音楽は分かりませんけど……歌うのは……好きです。」

音楽P「…だったら少し聞かせてくれないかね?」

???「>>52

……………………わかりました

???「……………………わかりました。」

音葉P「……」

???「〜〜〜〜♪」

音葉P「?!」

???「あっ……人間さんには………」

音葉P「続けてくれ給え!」

???「えっ……」

音葉P「少し聴いただけで分かる!君の歌は素晴らしい!」

???「そ、そんな事を言われたのは……初めてです……」///

音葉P「ああ、まさかこれ程の歌に巡り合えるなんて……!もっと、もっと僕に聞かせてくれ給え!」

???「……///…じゃあ……」

???「〜〜〜〜〜♪」


約30分後

???「………どうでしたか?」

音葉P「純白の雪を連想させる繊細かつ美しい歌声だったよ!ああ、まだ興奮が冷めない…!君、名前は?名前を聞かせてくれ給え?」

???「えっと………」

音葉P「頼む、これ程までの歌声を持つ人物の名前がどうしても聞きたいのだよ!」

???「……………」

音葉P「見ず知らずの男に名前は教えられないかね?だとしたら失礼した、僕は音葉P、音楽家兼プロデューサーだ。」

???「……プロデューサー?」

音葉P「む、プロデューサーとは…そうだね、端的に言えば多くの人間に笑顔を届ける手伝いをする職業、とでも言うべきかな?」

???「………素敵です……!」

音葉P「そうだろう?……さて、ここまで言えば名前を教えてくれるかな?」

???「……すみません。その……私には……名前がありません………」

音葉P「>>59

君は美しい世界で生きてきたんだね しかしそれだといささか不便ではあるな

音葉P「君は美しい世界で生きてきたのだね。しかし…それだといささか不便ではあるな。」

???「麓の人たちからは……聖様と呼ばれていますが……」

音葉P「では僕が勝手に君に名前を付けさせてもらっても構わないかね?」

???「私に………名前……?」

音葉P「いつまでも『君』と呼ぶ訳にはいかないだろう?」

音葉P「そうだな……僕は他人に様付けはしない主義でね、仮に君の事は聖君とでも名付けさせてもらおう。」

聖「………名前…」

音葉P「いや、聖と言うのは良い字だ。汚れがなく清らか、という意味や特定の分野に大変秀でた人間の意味もある。借り…と言うのは辞めだ。君は今日から聖と名乗り給え。」

聖「………」

音葉「おや、気に入らなかったかな?」

聖「いえ……名前……すごく嬉しくて…………何て言ったらいいか分からないんです………」///

音葉P「ふふふ……そこまで喜んで貰えるとはね。」

聖「聖……聖……私の名前………」///

音葉P「さて、君の呼び方も決まったところで…」

ギィ……

老爺「あっ、お起こししてしまいましたか?お夕飯をお持ちしたのですが…」

音葉P「いや構わないよ。今彼女と………居ない…?!」

老爺「音葉Pさん以外には何方もおられませんが?」

音葉P「僕は確かに………音葉君、誰か出て行くのを見なかったかね?」

音葉「いえ………ここには私たち以外居ないはずですが……」

音葉P「だが………」

老爺「………成る程…」

老爺「もしや……そのお方は大変美しい声の少女ではありませんでしたか…?」

音葉P「ああ、とても綺麗な声の持ち主だった…それに麓では聖様と呼ばれていると………やはり彼女は…」

老爺「信じられませんが……聖様でしょう………」

音葉「…………実は…私もここに来る間に…金髪の少女を見たのですが…」

老爺「>>67

一時中断します

再開します

老爺「なるほど…お二人は本当にお心の綺麗な方ですね。聖様は心の清らかな人間にのみ御姿を現わすとされていますから。」

音葉P「……彼女は、普通の人間には姿が見えない、と憂いていたが?」

音葉「私も……何だか寂しげに見えました……」

老爺「………そうですか……聖様が…………」

音葉P「……………」

老爺「昔は聖様へのお供え物なども多かったのですが………今や聖様の伝承を知っているのは年寄りばかりになってしまいました………」

音葉「…………」

老爺「………音葉Pさん…音葉さん……お頼みしたい事があります。」

音葉P「……何だね?」

老爺「どうか………聖様のお友達になっていただけないでしょうか………」

老爺「聖様は本来………人間がとてもお好きとされています……そんなお方が……孤独を過ごされていたと思うと………」

音葉「………分かりました…私たちでよければ……」

老爺「ありがとうございます……私には御姿を拝見する事さえ叶いませんでしたから………」

音葉P「……………音葉君、明日は少し早起きをしよう。それと……」

音葉「……はい…準備をしておきます…」

深夜

音葉P「………音葉君、起きているかね?」

音葉「……はい。」

音葉P「そうか…………音葉君、彼女は君にはどう見えたかね?」

音葉「……悲しそうで……でも何が悲しいか分からなくて……まるで…音葉Pさんと出会うまでの私みたいでした……」

音葉P「>>74

彼女と話しているときの音色と同じだね。しかし僕に歌を聞かせているときの音色は心なしか愉快そうでもあった。歌が彼女の助けになればいいのだが…

音葉P「彼女と話している時の音色と同じだね。しかし僕に歌を聞かせているときの音色は心なしか愉快そうでもあった…歌が彼女の助けになればいいのだが……」

音葉「…私たちの旋律を……届けましょう……」

音葉P「ああ……彼女…聖君に僕らの音色を聴かせてあげよう。色の付いた世界が見られるように……孤独は辛いからね………」

音葉「きっと……伝わります…だって、私と音葉Pさんですから……」

音葉P「そうだね………僕らなら出来る……!」

翌朝

老爺「おはようございます。…お出掛けになられるのですか?」

音葉P「幸い吹雪は昨日の夜の間に止んだからね。」

老爺「……聖様にお会いに…?」

音葉P「ああ……しかし、君の手助けがいる。」

老爺「私に……ですか……?」

音葉P「君にしか頼めない。」

音葉P「……この山で一番空気の澄んでいる所までぼくらを案内してくれ給え。」

老爺「でしたら……頂上になります。」

音葉P「はあ……頂上ね…全く手の掛かる観客だ…音葉君。」

音葉「………」コクッ

老爺「そのお荷物……何をなさるおつもりで?」

音葉P「…僕らは音楽家だ。」

老爺「……失礼いたしました。」

頂上

老爺「着きました。…ここがこの山の頂上です。」

音葉P「はぁ……はぁ……やっとかね…まさか本格的な登山をする羽目になるとは………」

音葉「…大丈夫ですか……?」

音葉P「…心配無い……休んではいられないからね。」


老爺「この季節の頂上への登山は…本来禁止されているのですが……」

音葉P「無茶を言って済まなかった。しかし妥協は許せないんだ。例の物を。」

音葉「…はい……これですね…」

老爺「…それは……?」

音葉P「本来電子楽器はあまり好まないのだが……亜季君などが居れば兎に角、僕にはピアノを持ち運ぶのは無理だからね。ロールピアノという奴だ。」

音葉P「音葉君とはまた違うジャンルの天才に協力してもらった特別製でね。下手なピアノよりも音はいい。」

老爺「道理で……見た事の無いデザインだと…」

音葉P「この世に二つと無い一品物でね。万が一に備えて持ち歩いていて正解だったようだ。」

音葉「…晶葉さんには……帰ったらお礼が必要ですね。」

音葉P「>>83

素晴らしい土地で、素晴らしい楽器で作る曲。それがアイドルでもある彼女への最高のお礼になると思うんだが、どうかな。

再開します

音葉P「素晴らしい土地で、素晴らしい楽器で作る曲。それがアイドルでもある彼女への最高のお礼になると思うんだが、どうかな?」

音葉「…そうですね。……それと長野ですから……わさび…」

音葉P「いや、それは辞めておこう。辛い物は喉に良くないだろう。だからくれぐれも僕にも結構だからね。」キッパリ

音葉「ふふっ……分かりました。では………始めましょう。」

音葉P「…………行くぞ…」

聖(……何か……聞こえる……)

聖(…昨日音葉Pさんが言ってた………音楽………)

聖(聴いたことがない音………でも…すごく綺麗………)

聖(……もっと近くで聞いてみたいな……)

聖(聞こえるのは……頂上の方かな…?)

聖(…何だろう……この気持ち……………行ってみよう…!)スウウ……



聖(…音葉Pさんと……昨日の女の人と……おじいさん……)

音葉P「……思っていたより早く来てくれたね。」

老爺「聖様が……」

聖「…音楽が……聴こえたから…」
スゥ…

老爺「………!」

音葉「…来てくれると……信じていましたよ…」

音葉P「今演奏している作品はドビュッシーという人間が書いた「雪は踊っている」と言う曲なんだ。君の為に演奏するにはぴったりな曲だと思ってね。」

聖「私の……為に……」

音葉「是非……聴いて欲しかったんです……」

聖「…………」ポロポロ

聖「あれ……何……これ…?」
ポロポロ

音葉「>>90

音葉「良い音楽には……心を動かす力があるんです…」

聖「心………この胸の中にある気持ちが…心なの…?」

音葉P「そうだな……君は僕らの旋律を聴いてどう思ったかね?」

聖「…胸が……ぎゅっとなって……どきどきして……でも嫌じゃありませんでした…」

音葉P「なら…君のそれは間違いなく心だろう。」

聖「これが心………不思議……温かい……」

老爺「本当に……聖様……なのですね……?」

聖「ずっと……見てました……お祭りの時以来ですね…」

老爺「………!……まだ私が子供だった時に……聖様のお祭りで会った………!」

聖「………おじいさんは…歳を取ってしまったのに……私は…………変わりませんね……」

老爺「まさか………一度お会いしていたとは……!」

聖「お祭り……楽しかったです……りんご飴を……買ってもらいました…」

老爺「………すみません…」

聖「……どうして……謝るんですか……?」

老爺「……私たちは……聖様にずっと淋しいお思いをさせてしまっていました………」

聖「…………」

聖「寂しい…………私………寂しかったんですね………」

音葉「………」

聖「私……最初に人間さんに会えた時……すごく嬉しくて………」

聖「ずっと……雪や風に歌っていたから……」

聖「……それから……人間さんが大好きになって………でも………だんだん遊びに来てくれなくなって…………」

音葉P「>>97

君自身が人を集める存在となれば良い

音葉P「ならば簡単な話なのだよ。君自身が人を集める存在となれば良い。」

聖「私が………?」

音葉P「『聖様』では無く聖君としてね。幸い僕には新人をスカウトする権利が与えられていてね。」

聖「…どういう事……ですか…?」

音葉P「君はアイドルになり給え。君の正しく天職では無いかね?」

聖「アイドル……その…アイドルになったら……たくさんの人を…笑顔に出来ますか?」

音葉P「君なら容易い事だろうね。」

音葉「ふふふ…相変わらず………マイペースですね……」

音葉P「自覚はある。さて、聖君答えをくれ給え。」

聖「……私で…いいんですか?この山から降りたこともありませんし………何より……私は…………」

音葉P「そのような事は才能に比べれば些細な問題でしかないよ。」

聖「…………………」

音葉P「さて、聖君は君たちにとっては神聖な存在だろうが……アイドルなどにスカウトしたら困るような事はあるかね?」

老爺「いいえ……聖様は私たちの営みを悠久の間見守ってくださいました……だから……これからは……………失礼……歳をとると涙もろくなってしまっていけませんな………」

聖「…………ありがとう……私……行ってもいいですか……?」

老爺「はい………当然です………」

音葉P「……了承してくれた、と見て構わないね?」

聖「はい………私の歌……たくさんの人に聞いてもらいたいから………」

音葉「……これからよろしくお願いし………!!」

音葉P「何だ……この無気味な音色は?!」

老爺「……雪崩………です……そんな……かなり大きい…………!」

聖「……!!」





突然の雪崩 どうなった?
>>103

安価把握

安価が取りづらくてすみません……

一時中断します

再開します

老爺「このままでは全員飲まれてしまいます!」

音葉P「……なんてタイミングだ…………音葉君!!」

音葉「……」ギュッ

聖「……………少し……跳びます……」

音葉P「何を……?…くっ、君だけならまだ………」

聖「…………、〜〜〜♪」

シュン

シュン

音葉「……音葉Pさん……………!……?」

聖「もう……大丈夫です……」

老爺「ここは………私の山荘……?」

音葉P「……おや……君が助けてくれたのかね?」

聖「…はい…間に合って……良かったです……」

聖「……私は………雪と同じだから大丈夫だけど………人間さんには危ないから………」

音葉P「……そうか………ありがとう、聖君。」

聖「…………」///

音葉「…あなたは………聖さんと言うのですね……」

聖「…音葉Pさんからもらった……私の名前……」///

老爺「……それは……大変良かったですね…………」

音葉「改めて……ありがとうございます……聖さん…」

聖「……はい……」///

音葉P「僕は常々音楽には力があると思っていたが…ふふふ……まさかこのような力まであるとはね。あの事務所にいると常識があやふやになってくる。」

聖「…事務所……どんな場所なんですか…?」

音葉P「君もこれから世話になるから紹介しなくてはね。>>112

↑+いささか騒々しくもあるが、知らず知らずのうちに前向きな気持ちにさせてくれる場所だ

音葉P「Pという男の居るプロダクション……言うなれば僕の仲間たちのいる場所さ。」

聖「仲間…………」

音葉P「些か騒々しくもあるが、知らず知らずのうちに前向きな気持ちにさせてくれる場所だ。いや……少し騒々し過ぎるな……」

音葉「…確かに…少しうるさいですが…でも……それも…まるで心地良いシンフォニーのように感じられる…そんな場所です。」

聖「………聞くだけで分かります……楽しそう……」

聖「私も……一緒に行っていいの んですか…?」

音葉P「勿論だ。来てもらわなくては困る。」

聖「……一つだけお願い……いいですか…?」

音葉P「何かね?ちなみにキャンセルなら受け付けないよ。」

聖「………その……ときどき、ここに帰って来てもいいですか…?」

聖「ここには……おじいさんが居て……みんなが居た場所だから……ここでも歌いたいの……」

老爺「…聖様……………」

聖「だめ……でしょうか……?」

音葉P「……オーケー、契約成立だ!ようこそ我が事務所へ、僕らは君を歓迎するよ!」

聖「………」///

頂上にいるのに雪崩ってどこから来るの?

>>116
連峰の一つのイメージでお願いします
……無理かな……


音葉P「さて…次は僕らとの関係性だ……まず年齢は………」

聖「歳…ですか…?…歳はよく分かりませんが…人間さんが生まれるより前から……この山には居ました…」

音葉P「……分かっては居たが……壮大だな……」

聖「年齢……分からないと……困りますか…?」

音葉P「一応人間には色々あるのでね。音葉君、何かアイディアは無いかね?」

音葉「>>119

安価ミス

>>123

うえ

音葉「美玲ちゃんに…雰囲気が似ていますから…年もそれぐらいでいいかと……」

音葉P「つまり13、4歳と言ったところか……まあ13歳としておこう。………13歳か…………まさかP君と違っていきなり娘が出来たという訳にはいかないしな………」

音葉「でしたら……私のいとこ…ではどうでしょうか?……髪の色も同じなので……」

音葉P「成る程……それで行こう。君は
13歳、海外暮らしが長かったため日本語はまだ良く分からない、箱入り娘のため世間常識にも疎い……いいかね?」

聖「えっと……あの……」

音葉P「苗字は………聖……聖………」

音葉「……望月…というのはどうでしょうか……?」

音葉P「望月………」

音葉「最初に見た時……満月と相まって……とても綺麗でしたから……」

音葉P「……望月聖…どうかね?」

聖「………!!」///

聖「嬉しい………望月聖……望月聖……望月聖………」///

音葉P「こうして喜んでいるのを聞くと……本当に幼い少女のようだね……」

聖「ありがとうございます……こんなに…素敵な名前……!」///

音葉「……家が賑やかになりそうですね……」///

音葉P「はぁ……僕もP君をとやかく言えなくなってしまったか……」

後日

TV「昨日突如として東京の気温が2℃近く下がった件ですが………」

聖「……嬉しくて…つい…………」///

音葉P「……思っていたより色々と大変かもしれないね……」


ひじりん

長野県民の皆様、及び登山愛好家の方……誠にすみませんでした……

どうしても名前を付ける話が書きたくなったんです……

劇中の出来事は全てフィクションです。

しかしこれだけは言わせてください……


ひじりん可愛すぎマジ神様

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