後輩「先輩あったかいです」ギュー 男「(平常心…)」(485)


  ∧,,∧
 ( `・ω・) ようこそid腹筋スレへ!
 / ∽ |
 しー-j

ここはsageずに書き込み、出たidの数字の回数だけ腹筋をするという、
硬派なトレーニングスレです。

例1 id:wwh7km12 の場合 7+12=19 なので19回頑張りましょう。
例2 id:bicycle. の場合 数字がないので今日は一休み。

さあ、存分に腹筋するがよい。(`・ω・´) ↓


後輩「こうしてると落ち着きます。先輩、何かオーラでも出してるんですか?」ギュー

男「出していない(平常心……)」

後輩「絶対でてます。なんかこう……汁が」ムニュ

男「……オーラじゃないのか(あ、いま胸当た……平常心……)」

後輩「先輩ならオーラも汁も似たようなもんです」ムギュ

男「全く違うもののような気がするが(平常心……いやひどくない?)」

後輩「でも臭いがひどいです」クンクン

男「む、そうか(平常……凹むわー)」ピクッ

後輩「ちゃんと毎日お風呂入ってますか?」クンクン

男「入っている(はぁ……これからは朝もシャワー浴びよう)」

後輩「先輩、獣みたいなもんですから体の洗い方知らないでしょう? 私が洗ってあげましょうか?」クンクン ハァハァ

男(……無理! もう泣く!)ピクッ

男「急用を思い出した。また明日」ガタタッ

ツカツカツカ ガラガラ ピシャン

後輩「ちぇ、今日もダメだった……」

後輩「おはようございます先輩」ギュ

男「おはよう(手を握ってきた……平常心)」

後輩「さわやかな朝でしたね。先輩の顔を見るまでは」ニギニギ

男「俺が何かしたのか(相変わらずひどい)」

後輩「ええ、日常に先輩の顔が加わると温度が2~3度上がります」ニギニギ

男「そんなはずはない(俺の顔って暑苦しいのか)」

後輩「それよりも先輩。手が汗ばんでベタベタです」ニギニギ

男(泣きそう)

男「今日は日直だった。先に行く」パッ タタタタタ

後輩「あっ……。先輩の手あったかくて緊張しちゃったなぁ」

ガラガラ

後輩「こんにちは。一人寂しく部室でご飯ですか」ピシャン

男「見ての通りだ(言い方が……)」ムシャムシャ

後輩「すごいにおいですね。気分が悪くなりそうです」トテトテ ストン

男「窓を開けよう(じゃあなんで隣に座るんだ……)」ガラッ

後輩「先輩、もうご飯しか残ってないですね。バランス良く食べれないんですか?」チラッ

男「うむ……」

後輩「仕方ないから恵んであげましょうか。好きなの取っていいですよ」ホレホレ

男「いや、結構だ(そんな小さい弁当から取るわけにはいかないな……)」ガツガツ

男「ご馳走様。じゃあ放課後」ガラガラ ピシャ

後輩「先輩はガードがかたい」ムゥ

友「それで? あの変な先輩とはどうなのよ?」

後輩「先輩は変じゃない。かっこいい」ムッ

友「わかったわかった。あんたも先輩のことになると変になるねぇ。それで? 今日は一緒にご飯食べれた?」

後輩「部室に入ったらもう先輩がいた。おかずの匂いがしてお腹がすきすぎて気分が悪くなりそうだった」

友「腹ペコに緊張も加わったのね」

後輩「気分が悪くなりそうって言ったら先輩が窓を開けてくれた」

友「おお、さりげない優しさ」

後輩「おかずだけ先に食べちゃった先輩はかわいかった」

友「あー、あたしもたまにご飯だけ残る時あるわ」

後輩「でもおかずをあげようとしたら断られた」

友「え」

後輩「それですぐ部室から出て行った」

友「なんと……」

後輩「先輩はガードがかたい」ショボーン

あれ?もういない…?

>>11
需要なさそうだしsageで適当にのんびりやってく。


男友「おーす男。また部室で後輩ちゃんと飯食ってたのか?」

男「ああ。俺はすぐに戻ったが」

男友「なんでだ。後輩ちゃんあんなに可愛いのに勿体ない」

男「どうやら俺は嫌われているらしいからな」

男友(なに言ってんだコイツ……)

男「なんだその目は」

男友「いや、どう見たってお前後輩ちゃんに好か……ゲフンゲフン。どこでそう思った?」

男「昨日は臭い獣だと言われた。今朝は顔が暑苦しいと。先程は臭いで気分が悪くなる……と」

男友「うわあ……」

男「どう考えても嫌われている」ショボーン

はやく

ガラガラッ

後輩「どうも先輩。放課後まで一人で部室ですか」ピシャン

男「部員がいないからな(知ってるだろうに……)」

後輩「まあこんな珍妙な部活に入ろうという人は少ないでしょうね」

男「そういうものか(いいと思ったんだけどなぁ……有閑部)」

後輩「ドアを開けて徒歩数秒にある先輩の顔を恐れないのは私くらいのものでしょう」トテトテ ストン

男「俺の顔は不動産なのか(暑苦しくて恐いのか俺の顔……)」

後輩「今日は読書ですか?」ギュ

男「うむ(そしてなぜ俺の腹をつまむ)」

男「……」ペラッ

後輩「……」ペラッ

男「……」ペラッ

後輩「……先輩は」ペラッ

男「む?(いつまで腹肉をつまんでるんだろう)」チラッ

後輩「好きな食べ物とかありますか?」ペラッ

男「ふむ……。肉、だな(それを聞いてどうするつもりだろう)」

後輩「そうですか。やっぱり見た目どおりですね」ペラッ

男「そうか(やっぱり獣のイメージなのか)」

男「……」ペラッ

後輩「……」ペラッ

男「……」ペラッ

後輩「……明日のお昼」ペラッ

男「む?(そういえば俺臭わないかな。昼に制汗スプレー使っておいたけど)」

後輩「肉、持ってきてあげます」ペラッ

男「そうか(スーパーとかで買った生肉渡されるのかな……)」

後輩「楽しみにしててください」ペラッ

男「うむ(腹痛に効く薬買っておこう)」

男「……」ペラッ

後輩「……」ペラッ

男「……」ペラッ

後輩「……」ギュッ

男「む?(また抱きついてきた)」

後輩「……?」クンクン

男「……(また嗅いでる)」

後輩「先輩、何か使いました?」クンクン

男「制汗スプレーをな(もう臭くないだろう)」

後輩「この臭い、キライです」プイッ

男「む(なんと……)」

後輩「先輩はこういうのつけなくていいです。汗臭い方がマシです」

男「どっちにしろ臭うのか(凹むわー)」

男「そろそろ帰るか」パタン

後輩「お疲れ様です。本読んでただけですけど」パタン

男「家まで送ろうか?」ガラガラ

後輩「お断りします。先輩はついてこないでください」ピシャン

男「わかった。じゃあまた明日(まあこの顔が後ろにいたら恐いか……)」

後輩「ではさようなら」トテトテ

後輩「先輩に送ってもらえるチャンスだったけど、明日のお昼のおかずはナイショにしときたいもの」

プルルルル ガチャ

男友『私だ』

男「なんだそれ」

男友『いや、言ってみただけだけど』

男「少しだけ面白かった」

男友『そ、そうか? じゃあ次からは』

男「一度だけで充分だ」

男友『そうか……。それで、何の用だ』

男「腹痛にいい薬を知ってたら教えて欲しい」

男友『どうした? 腹痛いのか?』

男「明日、生肉を食べることになるかもしれない」

男友『いや、薬の前にそもそも生肉を食うなよ……』

プルルルル ガチャ

友『もしもーし』

後輩「友。私」

友『ういうい、どしたのー?』

後輩「肉料理を教えて欲しい」

友『意味が……わからない……』

後輩「先輩に好きな食べ物を聞いたら肉と」

友『アバウトすぎる……!』

後輩「見た目通り肉食系……先輩かっこいい」

友『あの人どっちかというと草食系に見えるけど……。それで?』

後輩「明日、先輩に肉を持っていってあげる約束をした」

友『字面だけ見たらすごい約束だよねそれ……。その時にどんな料理が好きか聞かなかったの?』

後輩「……うかつ」

後輩「おはようございます先輩」トテトテ ギュ

男「おはよう(もう手を握るのはデフォなのか)」

後輩「先輩のせいで今日は少し寝不足です」

男「俺のせいか(なぜだ……)」

後輩「先輩にどんな肉をたべさせるか試行錯誤してました」

男「そうか(まさか生肉だけでなく、○○や△△な肉を……?)」ゾクリ

男「気持ちは嬉しいがあまり無理はするな(あとせめて食べれる肉を頼む)」

後輩「大丈夫です。私がやりたいことですから」

男「そうか(ドsだこの子……!)」

後輩「先輩のくせにお気遣いありがとうございます」

男「うむ(さり気なく罵倒された……?)」

友「おっはよーぅ」

後輩「友。おはよう」

友「おっ、今朝も仲良く登校してたねー。窓から見えてたよ」

後輩「今日も先輩はかっこよかった」ムフン

友「ぞっこんだねぇ……まだ付き合ってないのが不思議なくらい。それで、作ってきた?」

後輩「ばっちり」コクン

友「ういうい。男は胃袋から掴むのが定石だからね」

後輩「がんばる」

友「でもクマがひどいよ? 寝てないの?」

後輩「大丈夫。先輩が心配してくれたから今日を生きていける」フンス

友「あの先輩が? 珍しいこともあったもんだね」

後輩「私も驚いた。でも嬉しかった」

男友「私だ」

男「顔を見ればわかる」

男友「どうした? なんか浮かない顔だな。朝からあんな可愛い子と登校したくせに」

男「俺は今日を生き延びられないかもしれない」

男友「何があった?」

男「寝不足になるほど俺に食べさせる肉を試行錯誤していたらしい」

男友「なん……だと……(羨ましいことこの上ない!)」

男「無理をするなと言ったら、やりたいことだからと言われた。恐らく彼女はドsだ」

男友(コイツの思考回路ってどうなってんのかな……)

男「そして別れ際に罵倒された」

男友(ぶん殴ったらまともになるかな)

ガラガラ

後輩「こんにちは先輩」ピシャン

男「うむ(審判の時……か……)」

後輩「……? なに持ってるんですか?」

男「ファブリーズだ(これで俺の臭いも消えないかな……)」

後輩「これからご飯ですからしまってください」トテトテ ストン

男「うむ(また俺の臭いで不愉快にさせてもいけない。せめて窓を開けておこう)」ガラッ

後輩「では、これが先輩のぶんです」ゴトリ

男「ありがとう(デカッ! なにこれティッシュ箱2つ分くらいある!)」

後輩「先輩ならこれくらいは軽いと思いまして」

男「そうか(飢えた獣的な意味でだろうか)」

後輩「どうぞ」

男「いただきます(さあ……何が出るか……)」パカッ

男(唐揚げに、鳥の照り焼きに、豚の生姜焼きに、ハンバーグに、サイコロステーキ……。
  見事に肉ばかりが全体の3ぶんの2を占めている)

男(どこにも生肉などは存在しなさそうだな)

後輩「先輩? どうしました? 何かおかしいですか?」ソワソワ

男「いや、見事に好物ばかりだ。いただきます」ヒョイ パクッ

男「うまい」

後輩「よかった。先輩の味覚に合うかどうか心配してたんです」ホッ

男「うまい。うまい。うまい(口に合う、じゃないのか。でもそんなことどうでもいい)」ガツガツ

後輩「獣みたいにがっつかなくても沢山ありますよ」

男「うむ(問題は食べきれるかどうかだ)」ガツガツ

男「ご馳走様(なんとか……食べきれた……)」

後輩「お粗末様です。さすがの先輩でもあの量は食べきれないと思ったのですが」

男「後輩が用意してくれたのに食べきらないわけにはいかないだろう」

男(人様にもらったものは残さず食べるのが俺のポリシーだしな)

後輩「……///」ボッ

男「どうした?」

後輩「なんでもありません。いきなりこっちを見ないでください」

男「すまない(あぁ、俺って顔恐いんだっけ。凹むわー)」

男「お茶がうまいな」ズズッ

後輩「有閑部の唯一の利点は電気ポットがあるところですね」フーフー コクリ

男「そうだな(唯一かぁ……)」

後輩「……」フーフー

男「……」ズズッ

後輩「……」コクリ

男「……」コトッ

サワサワッ

男「おお。いい風だ」

後輩「本当ですね」

男「……」ペラッ

後輩「……」ウトウト

男「……」ペラッ

キーンコーンカーンコーン

男「む」

後輩「スー……スー……」トスッ

男「……(寝ている。……たまにはいいか)」ファサッ

後輩「むにゃ……むにゃ……」

男「昼飯、うまかったよ。ご馳走様」ナデナデ

後輩「うへへぇ……」

男「……」ペラッ

後輩「スー……スー……」

男「……」ペラッ

とりあえず今夜はおわり。
読んでくれた人ありがとう。

のんびりやってくよ


男「……」ペラッ

後輩「……」スースー

男「……」ズズッ コトッ

男(平和だ)

ヴー ヴー ヴー

男「む(メールか……)」

男友『私だ』

男「それはもういい……っと」ペコペコ

男友『授業始まってるぞ。サボりか? それとも本当に生肉食ったのか?』

男「ふむ……(後輩に膝枕してると正直に言ったものか……いや、やめておくか)」

男「自主勉強中だ。後輩の料理はうまかった……と」ペコペコ

アンノヤロオオオオオォォォ……

男「何か聞こえたな」ズズッ

男「正直に言わなくて正解だったようだ」コトッ

昔々とある所にピザと小獣というエロ漫画がありました

>>41
はじめのイメージはあんな感じでやってた


男「……」ウツラウツラ

後輩「……」ムニャムニャ

男「む(……いかん、俺も眠くなってきた)」ウトウト

男(まあいいか、外から誰か来たら起きれるしな)

男「……」zzz

後輩「……」スースー

後輩「……ん」パチッ

男「……」zzz

後輩「……」ボー

男「……」zzz

後輩「!?」ビクッ

後輩「……? ……!? ……!?」

後輩「……///」ボッ

男「……」zzz

後輩「……///」ニヘラ

ヴー ヴー ヴー

後輩「っ!」アワワワ

後輩「友からメール」

友『授業はじまってるけどどしたん? 寝不足で倒れた? 大丈夫?(・ω・`)』

後輩「大丈夫。授業中にメールしない方がいいよ」ポチポチ

友『σ(´艸`;)自分もしてるじゃん!……って、保健室とかで寝てた?』

後輩「部室で寝ちゃったら先輩が膝枕して上着をかけてくれてた。先輩は紳士。カッコイイ」ポチポチ

友『(*゚д゚)ンマッ!!』

後輩「先輩も寝ちゃったみたい。顔が近い。キスしたい」ポチポチ

友『やっちゃえやっちゃえ(≧3≦)b』

後輩「……」ドキドキ

男「……」zzz

後輩「……」ドキドキ

男「……」zzz

後輩「……」ソー

男「……油揚げ」ピクン

後輩「!?」ビクッ

男「……」zzz

後輩「……」ニヘラ

後輩「先輩が寝言で油揚げって言った。かわいい」ポチポチ

友『意味が……わからない……(´д`;)』

後輩「キスはまた今度。先輩が起きてる時に堂々とすることにする」ポチポチ

友『(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ゥィゥィ♪ がんばってね』

後輩「がんばる」ポチポチ

後輩「……」ジー

男「……」zzz

後輩「……」クンクン

後輩「制汗スプレーの臭いがしない」

後輩「先輩のにおい」ニヘラ

後輩「……♪」ギュー

男「……」zzz

ちょっと休憩。

男「……」zzz

後輩「……」スースー

キーンコーンカーンコーン

男「む(5限目が終わったか)」パチッ

後輩「……」スースー

男「ふむ(いま起こせば6限目には間に合うな)」

男「後輩。起きろ」ユサユサ

後輩「むー……」パチッ

後輩「おはようございます先輩」ゴシゴシ

男「起きれるか?」

後輩「先輩の顔を見たら目が覚めました」

男「そうか(そんなに恐いのかな俺の顔。自分じゃわからないもんだな)」

後輩「すみません。先輩の膝をお借りしてしまって」

男「よく寝れたか(普通は嫌ってる人の膝枕なんか嫌だろうに)」

後輩「枕は硬い方が好きなので。私」

男「そうか(やはりいまいちだったみたいだな)」

男「もう夜更かしはするな。あまり人前で寝るものではないだろう」

後輩「先輩の前なら大丈夫です」

男「そうか。では行くか(人じゃなくて獣だしか。凹むわー)」ガラガラ ピシャ

後輩「はい。また放課後に」トテトテ

友「リア充が帰ってきたー」

後輩「ただいま。友」

友「おかえりー。膝枕の感触はどうだったの?」

後輩「最高だった。先輩は思ったより筋肉質。カッコイイ」

友「いいなーあたしも膝枕されてみたいなー」

後輩「先輩は狙っちゃダメ」ムッ

友「いや、それはないから大丈夫。それで他には何かあったの?」

後輩「寝顔を堪能した。寝るときもメガネを外さない先輩かわいい」

友「あんたが膝で寝てたからじゃないの? 普通に寝る時ははずすと思うよ」

後輩「いつか見てみたい」

友「他には他には?」

後輩「あまり人前で寝るなって心配してくれた。先輩の前なら大丈夫ですって答えた」

友「きゃー! 大胆発言!」

後輩「先輩になら何をされても構わない」フンス

友「それで先輩はなんて?」

後輩「『そうか』って」

友「oh……反応薄……」

後輩「先輩はガードがかたい」ショボン

友(ただ単に鈍いんじゃ……)

友「で? 寝てる間に何もされなかったの?」

後輩「寝てたから覚えてないけど、たぶん」

友「そっかぁ。あたしだったらあんなことやこんなことを」ワキワキ

後輩「……」ススス…

友「冗談! 冗談だから無言で引かないで! それくらいあんたが可愛いってことよ!」

後輩「でも先輩は手を出してこない」

友「うーん……男の人が好き……とかじゃないよね?」

後輩「そんな……」ガクガク

男「イッキシ!」クシャミ

男友「どうしたリア充。風邪か」

男「上着を着ずに寝ていたから冷えたかもしれない」

男友「結局サボってたんじゃねーか!」

男「否定はしない」

男友「可愛い後輩にうまい飯食わせてもらって昼寝かよ……幸せ者なんてレベルじゃねえぞ」

男「否定はしない」

男友「もう付き合っちまえばいいのに」

男「それは無理だ。俺は嫌われている」

男友「なに言ってんだコイツ……」

男友(もう後輩ちゃんがコイツを好いてるって言っちまった方が早いよな……。言わないけど)

後輩「あ、でも寝てる間に頭を撫でられたような気がする」

友「おお、やったじゃん!」

後輩「うまかったって言われたような気がする」テレテレ

友「おお、これであんたの料理の腕を見直してもらえるよ」

後輩「初めて会った時のあれはたまたまだってわかってもらえたかな」

友「うんうん。……そういえば先輩へのお弁当って結局なに作ったの?」

後輩「唐揚げと鳥の照り焼きと豚の生姜焼きとハンバーグとサイコロステーキと……」

友「待って。多い。肉多い。むしろ肉しかない」

後輩「先輩は肉が好きって」

友「さすがにバランス悪い! おかずすごく多いんじゃないの?」

後輩「昨日の先輩はご飯だけ残ってたから」

友「あー、そういえば言ってたっけ。でもそれだけ入る弁当箱なんてあるの?」

後輩「うちにあった」ゴトリ

友「デカッ!! これ人が使うデカさなの!?」

後輩「ちょっと多いかなと思ったけど、先輩は全部食べてくれた」

友「あの人もなかなかすごいわね……」

『後輩が用意してくれたのに食べきらないわけにはいかないだろう』

後輩「……///」ボンッ

友「いきなりなにっ!? てか赤っ!! 顔赤っ!!」

放課後

友「とりあえず、先輩が女に興味があるか調べてみよう」

後輩「どうするの?」

友「ふっふーん。これを見よ!」ジャーン

後輩「そ、それは……///」

友「コンビニで買ったエロ本!」

後輩「もうドラえもんの声違う人だよ。しかも似てない」

友「ぐっ……! まあとりあえずコレを部室の机の上に置いて様子を見ます」

後輩「覗き、良くない」

友「まあまあ、あんたのいない時の先輩がどんな感じか見れるかもしれないよ」

後輩「それなら仕方ない」

友「(即答した……)それじゃあ部室の外の茂みに隠れて様子を見るよ」

ガラガラ

友『きたっ!』ヒソヒソ

男「……」スタスタ

男「む?」

友『おっ! さっそく興味を示しましたよ!』

後輩『見慣れないものが置いてあれば当然』

男「……(なんでこんなところにエロ本が)」キョロキョロ

友『あたりを窺ってる』

後輩『露骨な不審物だもの』

男「はぁ(男友のいたずらか……?)」タメイキ

後輩『ため息してるとこ初めて見た。物憂げな先輩カッコイイ』キラキラ

友『お? おもむろに手に取った!』

男「……」

後輩『……? 先輩動かない』

友『目を瞑ってじっとして……瞑想でもしてるのかな?』

男「……!!」バッ

後輩『こっち向いた』

友『バレた? うそっ!?』

スタスタ ガラッ

男「そこだ!」ブンッ

友『窓から投げたー!』

男友「オアゲッ!?」

友『通りがかった人の後頭部を直撃だー!』

後輩『あ、あれよく先輩と一緒にいる人だ』

男「まったく」ガラッ

友『あ、窓閉めた』

後輩『あの人がいたずらで置いたと思ったのかな。早とちりする先輩かわいい』

友『ちょっと心配だから様子みてくる』

後輩『私はもう部室行く』トテトテ

友『らじゃー。またねー』テコテコ

男友「なんだぁいきなり……? ってうお、エロ本だ!」

友「すいませーん。男先輩のお知り合いの方ですか?」

男友「え? ああ、そうだけど」

友「男先輩って女の子に興味ありますかね?」

男友「そりゃあるだろ」

友「男の人が恋愛対象の人じゃないですよね?」

男友「やめて。それだと一番仲いいの俺じゃん」

友「そうですか。よかった」ホッ

男友「あれ? もしかして後輩ちゃんの友達?」

友「あ、はい。ご存知でしたか」

男友「まあ可愛い子2人が並んでるのをよく見るからね」

友「お上手ですねー。でもご存知なら話が早い」

友「男先輩って、あの子のことどう思ってます?」

男友「嫌われてると思ってるよ」

友「え゙」

疲れたから今夜は終わり。
なんだか方向性がずれてるような気がしないでもない。

支援ありがとう。


男友「『臭い』とか『獣』とか『顔が暑苦しい』とか『気分が悪くなる』とか言われたって言ってた」

友「な、なんでそんなことになってるんですか?」

男友「もしかしなくても後輩ちゃんって口下手でしょ」

友「あぁ、そんなところはありますね」

男友「そしてあいつは言葉をそのままの意味で受け止める」

友「つまり……?」ゴクリ

男友「マイナス方向に相性バッチリ」

友「oh……」

男友「たとえば……今日後輩ちゃんがあいつに弁当持ってきたのは知ってる?」

友「はい。肉を持っていく約束をしたから肉料理を教えてくれって電話がありました」

男友「なるほど。それでか。その『肉を持っていく約束』で……あいつは昨日生肉を食べる覚悟をしていた」

友「ひどっ!! でも最初にあの子が男先輩と会った時のことを考えたら……いやそれでもひどいわー」

男友「おそらく前に『獣』と言われたのを覚えていて、『獣に肉→生肉』という考えに至ったんだろう」

友「うわあ……」

友「でも嫌われてると思ってるのに、男先輩はあの子と普通に接してるんですよね?」

男友「普通以上かな」

友「ですよね。生肉を渡されても食べるつもりだったんなら」

男友「たぶん俺の次くらいにあいつと仲いいんじゃないかな。後輩ちゃん」

友「それってすごいんですか?」

男友「基本的にあいつは来るものは拒まず去るものは追わずなんだけど……ほら、あいつ無口じゃん」

友「あー……」

男友「大体あいつの面白さに気付く前に離れて行っちゃうんだよね」

友「友達ができにくいタイプですね」

男友「だからすごいかって言われたらそうでもないかも知れないけど、寄ってきてくれる人間は嬉しいんだよ。あいつ。
   後輩ちゃんのことは好意的に思ってるだろうね」

友「恋愛感情かどうかはおいといて、男先輩の中であの子の印象はいまのところプラスってことですか」

男友「よし、それじゃあ行こうか」

友「え?」

男友「あの二人くっつけたいんでしょ? 手伝うよ」

友「おお、頼りになります先輩!」

男友「とりあえず部室の裏の茂みあたりに移動だな」

友「はい!」

男友『普段どんなことをしてるか興味もあったからな』コソコソ

友『だいぶ前に遊びに行ったことはありますけど、二人っきりの時はどんな感じか気になりますね』コソコソ

ガラガラ

友『きたっ! ……って、さっき別れたはずなのにやけに遅いなぁ』

後輩「こんにちは先輩。将棋盤を見つめてなにしてるんですか?」

男「詰め将棋だ。盤の上でやるほうがわかりやすい」

後輩「そうですか。一人の寂しさに耐えかねて架空の人物を相手に将棋をはじめたのかと思いました」

男「そうか(そんな寂しそうに見えるかな俺)」

男友『おお……あの可愛いルックスから繰り出される毒舌。けっこうダメージありそうだな』

友『そういえばあの子あがり症だった。自分の言葉が毒舌だって考える余裕もないのかも』

後輩「そんな人肌恋しそうな先輩に差し入れです」コトッ

男「ココアか。昼飯といいすまないな(そんな風に見えるのかな)」

友『遅かったのはココアを買ってたのね』

後輩「気にしないでください。先輩のお世話は日課のようなものですから」

男「そうか(俺はペットか何かなのか)」

男友『あがり症で口下手なのを知ってても面と向かって言われたらキそうだな』

友『私もこれは予想外でした。よく耐えれますね男先輩』

男友『あいつは変に鈍いからなぁ』

男「今日はどうする? 将棋をするか?」

後輩「将棋は嫌です。オセロをやりましょう」トテトテ ギュ

男「そうか(隣が定位置になってるな。そして俺の腹がまたつかまれる)」

友『おお、男先輩の提案を却下した。男先輩の提案ならなんでも喜びそうなのに予想外です』

男友『将棋は基本的に向かい合ってやるゲームだからねぇ。隣同士でやれないこともないけどやや距離が空く。
   でもオセロならそれほど向きを気にする必要はないし、距離を空ける必要もない』

友『つまりくっついていたいからオセロを提案したと……やばい、可愛すぎて鼻血でそう』

男友『惜しむらくはあいつがそれに気付いていない』

友『何も知らないしむしろ嫌われてると思ってるなら気付けないでしょうね』

後輩「むっ……」カチカチ

男「……?(ああ、開かないのか)」

男「ほら」ペコッ

後輩「ありがとうございます先輩」

男「うむ」ペコッ

後輩「……」フーフー コクリ

男「……」ゴクッ

後輩「……」パチッ クルッ

男「ふむ」パチッ クルッ

友『ほとんど何も喋らない……』

男友『2人とも無言が苦にならないタイプなんだな』

後輩「……」フーフー

男「……」ジー

後輩「……」コクリ

男「好きなのか。ココア」

後輩「はい。甘いのが好きです」

男「そうか」ゴクッ

男友『明日あいつは粉末ココアを買ってくる。1000円賭けてもいい』

友『部室でいつでも飲めるように? 男先輩優しい』

男「……(強い。もう勝ち目はないな)」パチッ クルッ

後輩「先輩」パチッ クルックルックルッ

男「む?」パチッ クルッ

後輩「負けたら罰ゲームありにしましょう」

男「ふむ(もう俺負け確定なんだが……まあいいか。昼飯とココアの礼だと思えば)」

男「いいだろう」

友『おお、あの子が積極的にいった』

男友『罰ゲームか……』

男「参った。俺の負けだ」

後輩「ありがとうございました」

男「ありがとうございました。それで、罰ゲームは何だ?」

後輩「あの……その……」

男「……?(珍しく口篭ってるな)」

友『こ、これはもしや』

男友『ああ、間違いない』

後輩「今度の週末、遊びに連れてってください」

友・男友『キタ━(ノ゚д゚)八(゚д゚ )ノ━!!!!!』

ちょっと休憩。

男「それは構わないが、他に誰か誘うのか?」

後輩「いえ、私と先輩の2人で行きたいです」

男「そうか。どこに行くんだ?(何で俺と2人なんだろう)」

後輩「先輩が考えてください。それが罰ゲームです」

男「ふむ。わかった(変な罰ゲームもあったもんだ)」

男友『変な罰ゲームもあったもんだ……とか考えてるな。絶対』

友『うそっ!? どう見てもデートのお誘いなのに!?』

男友『それがあいつなんだ……』

翌朝

後輩「……」キョロキョロ

後輩「先輩まだかな……」

後輩「……」キョロキョロ

後輩「……」

キーンコーンカーンコーン

後輩「あ、予鈴……」

後輩「……」キョロキョロ

後輩「はぁ……」トテトテ

昼休み

後輩「部室にいるかも」トテトテ

グッ ガチャ

後輩「鍵がかかってる」

後輩「……」キョロキョロ

後輩「はぁ……」トテトテ

後輩「……」ズーン

友「暗っ! ここだけ暗っ!」

後輩「……友」ズーン

友「どしたん? 男先輩となんかあったの?(デート決まってご機嫌かと思ったのに)」

後輩「先輩……」グスッ

友「えっ? えっ?」

後輩「先輩がいない……」グスッ

友「いないって……休みなんじゃないの?」

後輩「わからない……」グスッ

友「携帯は?」

後輩「番号知らない……」グスッ

友「あー……」

友「というわけで、何か知ってたら教えてください」

男友「多分風邪じゃないかな。昨日くしゃみしてたし。とりあえずメールしてみるよ」ポチポチ

友「ありがとうございます」

ヴー ヴー

男『風邪をひいて寝ていた。まだ熱がある』

男友「だってさ。後輩ちゃんに教えとくぞ……っと」ポチポチ

男『無駄な心配をかける必要はない』

男友「あー……ホントにこいつは……」

友「なんていうか……言葉が出ないですね。怒りで」

男友「だねぇ。とりあえず後輩ちゃんには風邪をひいて休んでるって伝えといて」

友「了解です。それじゃあまた放課後に」

ヴー ヴー ヴー

男「む(男友からメールか)」

男友『私だ』

男「そのブームはいつおわるんだ……と」ペコペコ

男友『見舞いに行ってやるから欲しいものを述べよ』

男「食い物……はいいか。スポーツドリンク……と」ペコペコ

男友『すげーの持ってってやるよ』

男「すげースポーツドリンクってなんだ……」

男「……汗かいたな。拭くか」

ピンポーン

男友「きたぞー」ドンドン

男「いま開ける(予想外に早かったな)」スタスタ ガチャ

後輩「……!?///」

友「……!!///」

男「む……? 男友。なぜこの2人がここにいる」

男友「それよりまずは服を着ろ」

友「男先輩、意外と筋肉質ってほんとだね……///」ヒソヒソ

後輩「あまりにいきなりすぎて写真撮るの忘れた///」ヒソヒソ

男「なぜあの2人を連れてきた」

男友「見舞いに行くって言ったらついてきた」

男「感染ったらどうする」

男友「その時はその時だ」

男「お前……!」

後輩「すみません先輩。自己管理ができない先輩の管理をしに来ました」

友「この子の手伝いにきました」

男「ぐ……(自己管理ができてないのは確かだから言い返せない……が)」

男「帰れ」

後輩「嫌です」

男「男友、友。後輩を連れてお前らも帰れ」

男友「断る」

友「同じく」

男「お前ら……いい加減に」

パンッ

男「っ?」

男友「おぉ」

友「ありゃー」

後輩「いい加減にするのは先輩ですっ!」

男「……!?(叩かれた? 後輩に?)」

後輩「男友先輩から聞きました。なんで私に教えないようにって言ったんですか!」

男「だから、無駄な心配を」

パンッ

後輩「バカ!」

男「バカって……(また叩かれた……)」

後輩「無駄なんかじゃないです! 先輩の心配して何がいけないんですか!」

男「後輩……」

後輩「なんで心配しちゃいけないんですか! なんで心配させてくれないんですか!」ポロポロ

後輩「大事な人の心配くらいさせてくださいよ……!」ポロポロ

友「はいはい。気持ちはわかるけど落ち着こうね。相手は病人だよ」ギュ

後輩「うう~~!」ポロポロ

友「でも男先輩。あたしも大体同じ気持ちです」

男「……」

友「ちょっとこの子落ち着かせてきますね」

男友「ああ、頼むよ」

男友「さて……と」

男「俺はお前らに風邪を感染したくなくて……」

男友「おう」

男「心配かけたくなくて……」

男友「そうだな。でもちょっとだけ考えて見ろよ」

男「……?」

男友「例えば俺や後輩ちゃんが風邪引いて休んで、心配かけたくないからって理由でお前に何も言わなかったら……お前は嬉しいか?」

男「……そういうことか」

男友「そ、俺の言いたいことも大体後輩ちゃんが言ってくれたけど。ひとつだけ」

男「……」

男友「お前だけじゃなくて、みんなもお前と同じように心配するんだよ。ダチの心配くらいさせろバカ」

男「ああ、すまなかった」

男友「後輩ちゃん達にもちゃんと謝れよ?」

男「わかっている」

とりあえず今夜はここまで。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。
いい加減長いよな……そろそろ終わらせるかな。

男友「それにしてもお前が引っ叩かれるとはねぇ」

男「熱で意識が朦朧としていたからな」

男友「嘘つけよ。避けようと思えば簡単だったろ?」

男「……否定はしない(でもあんな泣きそうな顔してたらなぁ……)」

ヴー ヴー

男友「っと、メールか」

友『外に出たついでに何か買ってきます。いるものありますか?』

男友「おい、何か食えるか」

男「大丈夫だ。流しにうどんがある」

男友「どれどれ……どん兵衛じゃねえか。しかも蕎麦だぞこれ」

男「あとのせ……サクサク……」

男友「きつね蕎麦だぞ」

男友「食欲はあるのか」

男「うむ」

男友「そうか。(食欲はあるみたいだから何か作ってあげたら? って後輩ちゃんに言っといて……っと)」ポチポチ

男友「とりあえず2人が戻ってくるまで寝てろよ」

男「うむ」ゴソゴソ

男友「さて……俺は洗い物でもしとくか。また汚ねーなぁこれ……」

男「……」

男友『ダチの心配くらいさせろバカ』

友『あたしも大体同じ気持ちです』

男(友達……か)

男(今まで友達っていたことなかったけど、こいつらは友達だな)

男(気付かせてくれたなら、たまには風邪も悪いものじゃない……)

男(それに……)

後輩『大事な人の心配くらいさせてくださいよ……!』

男(嫌われてるとばかり思ってたが、そうでもなかったみたいだな……)

男「……」zzz

友「食欲はあるって。何か作ってあげたら?」

後輩「じゃ、じゃあ焼肉を」

友「病人に食べさせるには……重すぎる……」

後輩「でも先輩は肉が好き」

友「さすがに風邪の時は無理だと思うよ……あの人なら何だしても残さず食べそうだけど」

後輩「じゃあお粥とか」

友「だねぇ。食欲があるならおじやでもいいかも」

後輩「ネギと卵、油揚げにヒガシマルのうどんスープ」

友「あー、うどんスープに醤油と砂糖足したので油揚げ煮たらどん兵衛のおあげの味になるもんね」

後輩「怒ってないかな。先輩」

友「大丈夫でしょ」

後輩「でももし嫌われたりしたら……」グスッ

友「ちゃんと怒った理由は伝えた。こっちに非はない。考える時間もある。男友先輩のフォロー……は期待できるのかなぁ。
  とにかく、それでまだ怒るようなわからず屋なら、あんたは好きになってないでしょ?」

後輩「……うん」

友「でも叩いたのは謝らなきゃね」

後輩「うん」

カチャッ

男「……」パチッ

男友「おかえりー」

友『ちょっと先輩。声大きいです。男先輩寝てるんでしょ?』ヒソヒソ

男「問題ない」

友「うぇ? 起きてたんですか?」

男友「こいつ外から入ってくる音には敏感だから、外から入ってきたなら何しても絶対起きるよ」

友「この子じゃないけど、ほんとに獣みたいですね。悪い意味じゃなくてこう……野生的というか」

後輩「先輩」トテトテ

男「うむ」

後輩「さっきは叩いてごめんなさい」ペコリ

男「謝るのは俺の方だ。すまなかった。友もすまない」ペコリ

友「許します。それじゃあ私達は今からおじや作りますね」

後輩「楽しみにしててください」グッ

男「ああ。ありがとう2人とも」

男「ご馳走様。うまかった」

後輩「お粗末様です。これ、薬です。市販のですが」

男「うむ」ゴクリ

友「さて、じゃあ私と男友先輩は用事があるので先に帰りますね」

後輩「え?」

男「用事があったのか。わざわざすまなかったな」

男友「気にすんな。どうしてもっていうなら今度ジュースでも奢れ」

男「ああ、わかった」フッ

友(わかってるよね? ちゃんと看病して点数アップだよ!)

後輩(友……ありがとう。がんばる)

友(もし泊まるんなら連絡してね? アリバイ作るの手伝うよ)

後輩(ちゃ、ちゃんと帰るよう///)

友「それじゃあ男先輩、また学校で」

男友「さっさと治せよ」

男「ああ、またな」

男「後輩は帰らなくていいのか?」

後輩「もうちょっといます」

男「感染っても知らないぞ」

後輩「その時は先輩が看病しに来てください」

男「……ああ。わかった」

後輩「……♪」

男「おじや、ありがとうな。昨日の弁当もうまかった」

後輩「はい。あのクッキーはたまたまだってわかってもらえました?」

男「そうだな。菓子と料理は別だとは思うが」フッ

後輩「ふふっ。じゃあ今度はお菓子を作りますよ」

男「楽しみにしておこう」

ちょっと休憩。
今日中に終わりそうにないなコレ。

男「む……」ウトウト

後輩「薬が効いてきたんですね。寝ちゃってください」

男「うむ。もし寝てる間に帰るならそこに鍵があるから……」ウトウト

後輩「はい。ちゃんと戸締りして郵便受けに入れておきますね」

男「頼んだ……」zzz

後輩「……」ペラッ

男「……」zzz

後輩「あ、そろそろタオル変えよう」スッ

ジャバジャバ ギュッ

後輩「これでよし」スッ

男「……」zzz

後輩「……ふふっ」

後輩「……」ペラッ

男「……」zzz

後輩「……」ペラッ

後輩「……先輩?」

男「……」zzz

後輩「寝ちゃってますよね?」

後輩「ほんとはわかってたんです」

後輩「私に言わないようにって……私が気に病むと思ったからなんですよね?」

後輩「昨日のお昼に寝た時、先輩は上着をかけてくれたから」

後輩「それで体を冷やして風邪をひいちゃったんだ……って私が悩んじゃうと思って言ったんですよね?」

後輩「先輩、不器用だけど優しいですから」

後輩「初めて会った時もそうでした」

後輩『うぅ……』ショボーン

友『気にしすぎだってば。みんな許してくれたじゃん』

後輩『でも、みんなあげたい人がいるってあんなに楽しそうに話してたのに』

友『仕方ないよ。失敗くらい誰にでもあるって』

後輩『でも、友だってこんなクッキー食べたくないでしょ』

友『うっ……それは……』

後輩『やっぱりこんなの捨てるしかない……』ショボーン

男『食べ物を捨てるんじゃない』

友『うわっ、びっくりした』

友『……誰? 上級生?』

後輩『わかんない……』

男『勿体ないだろう』

友『でも……』

後輩『こんな失敗したの食べれませんよ……』

男『なら俺がもらう』ヒョイ

後輩・友『あっ……』

男『ふむ……』ボリボリ

友『食べちゃったよこの人』

後輩『あわわわわ』

男『焦げていて苦い。香りも台無しだ。そのくせ中まで火が通っていない』ボリボリ

後輩『だから失敗だって言ったじゃないですか……』ジワッ

友『ちょっと、どういうつもりですか……』

男『だが、食えないことはない』ボリボリ

後輩『え……?』

男『これから少し時間あるか』ボリボリ

友『まあ……あるといえばありますが』

男『ならついてこい。紅茶くらいは出そう』スタスタ

友『ちょ、ちょっと。待ってくださいよ』

男『失敗したのなら、成長できる』

後輩『え……』

男『人は失敗の経験から学ぶ。次に作る時は、同じ失敗や似たような失敗を繰り返さないようになる』

友『……』

男『1つくらい食べておけ。失敗を。紅茶があればマシだろう』

後輩『先輩……』

男『望むなら他の茶菓子も用意する』

友『ホントですか? じゃあお邪魔します!』

後輩『友。そんな現金な』

男『いい友達だな』

後輩『え? あ、もしかして私を元気付けるために』

友『ちょ、ちょっと言わないでくださいよそんな恥ずかしいこと』

男『行くぞ』スタスタ

友『あ、いま無視しましたね! 聞いてくださいよ!』テコテコ

後輩『……』クスッ

後輩「あの後、結局失敗作をみんなでマズイマズイって笑いながら食べちゃいましたよね」

後輩「すごく楽しかったです。失敗して落ち込んでたのが嘘みたいで」

後輩「次の日、先輩1人だった有閑部に入部して」

後輩「たまに友が遊びにきたりしたけど基本的には2人っきりですごして」

男「……」

後輩「……知ってましたか先輩?」





後輩「あの日からずっと、私はそんな優しい先輩のことが好きでした。大好きです、先輩」





えんだああああああああああああああああああああああああああああ

いやああああああああああああ

後輩「なんて、先輩が起きてたら絶対言えませんけどね」

男「……」

後輩「……」スッ

ジャバジャバ ギュッ

後輩「薬が効いたかな……もう熱もなさそう」スッ

後輩「……」カキカキ

後輩(ね、寝ているとは言え先輩に告白してしまった)

後輩「……///」ボンッ

後輩「か、帰ろう///」

後輩「それじゃあ失礼しますね先輩。おやすみなさい」トテトテ

ガチャ バタン カチャカチャ チャリン

男「……」パチッ

男「……」ノソノソ

男「む(置手紙……)」

後輩『遅くなると先輩が心配しそうなので少し早いですが帰ります。
   もし私が出て行くときの音で起こしてしまったらごめんなさい。
   熱はもう無さそうですが大人しく寝ておいてくださいね。
   ぶり返したら大変なのでお風呂も明日の朝までは我慢してください。
   あと、冷蔵庫におじやの残りとゼリーがあります。
   おじやは明日の朝ごはんにでも。ゼリーは小腹がすいたら食べてください。
   私の携帯番号とアドレスも書いておきます。何かあったら連絡してください。
   何もなくても登録してください。』

男「ゼリー……」スタスタ パカッ バタン

男「……」ペリペリッ パクッ

男「甘い」

男「後輩……っと」ペコペコ

男「ふむ……」

とりあえず今夜はここまで。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。

>>148
>>149
まさか10分以内に来るとは思わなかった。

友「おろ?」

男友「どうした?」

友「あそこ歩いてるのあの子だ。もう帰るのかな」

男友「ほんとだ」

友「じゃあ私も一緒に帰りますね。コーヒーご馳走様です」

男友「どういたしまして。1000円賭けるとか言わなきゃよかったね」

友「休むっていう大穴がありましたもんね」

友「でも、このコーヒーじゃまだ1000円には足りないですから、また今度奢ってもらいますよ?」

男友「ちゃっかりしてんなぁ。了解」

友「それじゃ、また……明日?」

男友「なんで疑問系なの。うん、また明日」ヒラヒラ

翌日

後輩「おはようございます先輩」トテトテ ギュ

男「おはよう」

後輩「元気になってよかったです」

男「後輩のおかげだ。ありがとう」

後輩「どういたしまして。……」クンクン

男「どうした?」

後輩「ちゃんと朝お風呂に入ってきたんですね」

男「わかるのか」

後輩「はい。先輩の匂いと、水と石鹸の匂いがします」

男「そういうものか。自分ではわからないな」クンクン

後輩「この匂い、好きです」クンクン

男「そうか」

後輩「はい♪」

男友『珍しく早く登校してると思ったら、なんだあのバカップル……』

友『昨日あたし達が帰った後で何かあったんですかね』

男友『一緒に帰った時に聞かなかったの?』

友『内緒、って言って教えてくれませんでした。終始ニヤニヤしてましたね』

男友『気になるねぇ』

男「おはよう」

男友「おはようリア充。今日も可愛い女の子とくっついて登校とは幸せ者だな」

男「ああ、そうだな」

男友「……?」

男「なんだその顔は」

男友「いや……なんかお前、変わったか?」

男「ふむ……そうだな。お前らの有難みがわかったのかもしれないな」

男友「……」

男「どうした?」

男友「こいつ、何食わぬ顔で嬉しい事言いやが……ちょっと待て、今まで有難いと思われてなかったの俺!?」

男「……」フイッ

男友「目ぇ背けんなよ!?」

男「そうだ。今日の放課後、時間あるか」

男友「お前から俺を誘うとは珍しいね。むしろ初めてだね」

男「昨日の礼に茶とケーキでもと思ったがやめることにする」

男友「待って! 暇! 俺チョー暇!」

男「ならばよし。授業が終わったら部室に来い」

男友「友ちゃんはどうする?」

男「後輩に誘うように言ってある」

男友「了解ー。じゃあ楽しみにしとくぜ」

後輩「おはよう友」

友「おはよー。登校してるとこ見たよ。ラブラブだったねぇ」

後輩「友。今日の放課後、時間ある?」

友「あるよー。一緒に遊ぶ?」

後輩「うん。先輩が部室に来て欲しいって。昨日のお礼がしたいって言ってた」

友「……へ?」

後輩「どうしたの?」

友「あの男先輩が?」

後輩「そう」

友「はぁー……人は変わるもんだねぇ」

後輩「そう?」

友「うん。変えたのはあんただね」

後輩「それでも、先輩は先輩のまま。優しくて、カッコイイ、私の大好きな先輩のまま」

友「うわー、ノロケだよー。ノロケなのに可愛いなぁもう」

少し休憩。

友「ところで、男先輩との仲はどうなの? 詳しく教えてよ」

後輩「今日は緊張せずに話せた」

友「お、急接近!? 結局教えてくれなかったけど、昨日あの後なにがあったの?」

後輩「えへ、内緒///」テレッ

友「……」

後輩「どうしたの?」

友「……あんたも変わったね」ニコッ

後輩「そう?」

友「うん。お互いにいい影響があったのね。いいなー、あたしもそんな相手欲しいなぁ」

ガラガラ

後輩「こんにちは、先輩」ピシャ

男「うむ」

後輩「……? 机の上に何もないですけど、もうお昼食べ終わっちゃいましたか?」

男「いや、今日は後輩と一緒に食べようと思ってな」

後輩「……」

男「後輩が来るのを待っていた」

後輩「先輩……」

男「嫌か?」

後輩「嬉しいです。一緒に食べましょう」トテトテ ストン

男「うむ。では」

男・後輩「いただきます」(´人`)

後輩「先輩、その油揚げの煮物ください」

男「む、ならばそのウズラのゆで卵と交換だ」

後輩「肉じゃなくていいんですか? 先輩のために焼肉入れてきたんですよ」

男「ほう、ならばさらにこのアスパラの豚バラ巻きをやろう」

後輩「やった」

男「……」モグモグ

後輩「……」パクパク

男「うむ、うまい」

後輩「先輩のもおいしいです」

男「そうか。良かった」

後輩「先輩は何気に料理上手ですよね」

男「これでも最初は失敗ばかりだった」

後輩「そうなんですか?」

男「うむ。失敗して学び、上手くなった」

後輩「あ……(あの時のこと、覚えてくれてるのかな)」

後輩「先輩、こんど料理教えてください」

男「構わないが、俺が教えれることはそう多くないぞ」

後輩「じゃあ、一緒に勉強しましょう。二人で上手くなりましょう」

男「そうだな」

後輩「約束ですよ?」

男「うむ」

男「ご馳走様でした」

後輩「ご馳走様でした」

後輩「先輩、お茶淹れますね」

男「うむ。そうだ、これを」ゴソゴソ

後輩「あ、ココアですか」

男「うむ。食後には合わないかもしれないが」

後輩「いただきます。ココア大好きです」

男「そうか」

後輩「はいっ♪ 先輩もココアでいいですか?」

男「ああ、頼む」

男「……」ゴクッ

後輩「……」フーフー コクリ

男「甘いな」

後輩「はい、おいしいです」

男「……」ペラッ

後輩「……」ジー

男「……」ペラッ

後輩「……///」ニヘラ

男「……む? どうした?」

後輩「いいいいえ、なんでもありまひぇん」フイッ

後輩(昨日寝てる先輩に告白しちゃったせいか、いつもより緊張しなくなってる)

後輩(思ったことをちゃんと話せるようになってる気がする)

後輩「……」フーフー

男「……」ペラッ

後輩(それに先輩もいつもより優しい気がする)

後輩(なんか嬉しいな)

後輩「……♪」コクリ

キーンコーンカーンコーン

男「む、予鈴だな」パタン

後輩「ええ。では先輩、また放課後に」ガラガラ

男「うむ」ピシャン

放課後

ガラガラ ピシャン

男「待たせたな」

後輩「お帰りなさい先輩。ケーキ買って来てくれてありがとうございます」

男「うむ。2人の相手をしてもらってすまないな」

後輩「いえ、お安い御用です」

男「ところで2人はなぜ机に突っ伏している」

友「2面指しで負けた……」

男友「後輩ちゃん強えぇ……」

男「少しは手加減してやれ」

後輩「2枚落ちでした」

男「それはお前らが弱すぎる……」

後輩「飲み物は何にしますか?」

友「紅茶とコーヒーがあるんだっけ?」

後輩「先輩が今日買ってきてくれたココアもあるよ」

男友「言ったとおりでしょ?」

友「ほんとですねぇ」

男「何の話だ?」

男友「こっちの話だよ。俺はコーヒーで」

友「あたしもコーヒー!」

後輩「私はココアにします。先輩はどうします?」

男「俺もココアでいい」

後輩「はい」ニコッ

男友『……』

友『……』

男友『……もう夫婦じゃね?』

友『あたしも思いました』

男友『しかしなんかこう……和むな』

友『ここまで微笑ましいと妬ましさなんて沸きませんね』

男「どうした?」

男友「いや、なんでもない」

後輩「仲いいね、2人とも」

友「あんた達には負けるわよ」

男「後輩はチョコケーキか」

後輩「はい。甘くておいしいです」アム

男「それはよかった」

友「んまいっ! やっぱりケーキはショートケーキですね」ハムハム

男「そういうものか」

友「あたしは王道好きですからねー。使い古されても王道は王道なんですよ」

男「なるほどな、覚えておこう。男友は抹茶が好きなのか」

男友「おう。甘さの中にあるほんの少しの苦味と香りがうまいな」ムシャムシャ

男「ふむ……」

男友「どうした?」

男「いや、みんなの好きな味を知っておくのも悪くないと思ってな」フッ

後輩「先輩……」

男友「……」

友「……」

男「どうした?」

男友「デレ期だな」

友「意外と破壊力ありますね。まさか男先輩が萌えキャラだったとは」

後輩「私は前から知ってた」フンス

男友「よっしゃ! ドロー2! ウノ!」

友「ドロー2、ウノ」

後輩「ドロー2、ウノ」

男「ワイルド・ドロー4、ウノ」

男友「ちょっ……」

男「む、もうこんな時間か」

友「そろそろお開きにしますか。男先輩、ご馳走様でした」

男友「うまかったよ」

後輩「ご馳走様でした、先輩」

男「昨日の礼だ。気にするな」

ガラガラ ピシャ

友「じゃーまた月曜日に」

男友「風邪ぶり返すとかマヌケするんじゃねーぞ」

男「ああ、大丈夫だ。また来週」

後輩「それじゃあ先輩。明日楽しみにしてます」

男「うむ。明日の朝、駅前で」

友『デートですよコレ!』

男友『これは付いていくしかないな』

友『男友先輩、お金用意しといてくださいね』

男友『うそっ!? 俺のオゴリ!? どこいくかもわかんないのに!?』

友『ほら、1000円まだですからその利子です』

男友『oh……』

キリが良いので今夜はここまで。読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。
そろそろ終わらせると言いながらこの体たらく、まこと申し訳ない。
もう少しだけ付き合ってやってくれ。

翌日

後輩「お待たせしました先輩」トテトテ

男「いや、今来たところだ」

後輩「先輩の私服、初めて見ます」

男「後輩の私服も初めてだな。よく似合っている」

後輩「ありがとうございます」ニコッ

男「では行くか」

後輩「はい。あ、もう切符買ってくれてたんですか? ありがとうございます」

男「うむ」

友『先輩、切符買ってきて♪』

男友『どこまでかわかんねえよ! pitapa持ってないのか?』

友『ありますけど、それじゃあたしが払わなきゃいけないじゃないですか』

男友『それぐらい払えよ……』

友『なんのために男先輩は切符を買ったと思ってるんですか』

男友『後輩ちゃんにお金払わせないようにだろうけど……え? 俺にそれを要求するの?』

友『1000円の利子です』

男友『利子でっけえぇー!!』

友『先輩うるさい。見つかっちゃいます。あ、ほら早くしないとあの2人行っちゃいますよ!』

男友『くそう……後で出してやるからとりあえず自分のpitapa使っといて』

友『言いましたね? 後で絶対請求しますからね』

男友『はいはい……』

後輩「けっこう混んでますね」

男「休日だからな。出かける人が多いのだろう」

ガタンッ

後輩「きゃっ」フラッ

男「大丈夫か。しっかり掴まっておけ」ギュ

後輩「はい、ありがとうございます(先輩が近い……)」

友『あ、すみません足踏みました』

男友『いや、今のはわざとだろ。狙い澄ましてただろ』

男「よし、降りるぞ」

後輩「ここは……」トテトテ

男「来たことがあったか?」

後輩「はい。小学生の頃に、遠足で」

男「ふむ。ならば別の場所にしてもよかったな」

後輩「いえ、ここがいいです。先輩が考えてくれたんですから」

男「そうか」

後輩「はい」ニコッ

男「あれが世界最大級の観覧車か。すごい存在感だな」

後輩「大きいですねぇ」キラキラ

男「うむ」

後輩「……」ソワソワ

男「……」

後輩「……」ソワソワ

男「……週末にしては思ったより並んでいないな。乗ってみるか?」

後輩「いいんですか?」パァッ

男「うむ。乗ったことがないので一度乗ってみたいと思っていた」

後輩「い、いきましょう! さあ行きましょう」グイグイ

男「焦らなくても観覧車は逃げないぞ」

友『先輩! ほらあたし達も並ばなきゃ!』グイグイ

男友『並ばなくても観察できる! っていうかあんなもん並んだら普通に見つかるって!』

後輩「いい眺めですね」ウキウキ

男「うむ。さすがだな」

後輩「あのあたり、私達の学校のあたりですかね?」

男「どうだろうな。俺はそれほど方向感覚が良くないからな」

後輩「遠くまで良く見えますねー。晴れててよかったです」ニコッ

男「そうだな」フッ


男友『結局乗ってるし……金出したの俺だし……』

友『先輩! あれあたし達の学校ですか?』

男友『それは別の学校だよ。俺達の学校は逆』

男「ゲームセンターは久しぶりだな」

後輩「前はよく来てたんですか?」

男「それほどでもないな。たまに親に連れて来てもらっていたくらいだ」

後輩「へぇー」キョロキョロ

男「何かやってみるか?」

後輩「はい! あの可愛いのなんですか?」ワクワク

男「おお、まさかこんなところにすくすく犬福があるとは」

友『先輩、緋蜂出せなかったらご飯も奢ってください』

男友『無茶振りすぎだろ……っていうかなんで緋蜂とか知ってんの』

男「相変わらず鬼畜なゲームだった」

後輩「見た目は可愛いのに難しかったですね」

男「ufoキャッチャーはどうだ?」

後輩「あ、これ可愛いですね」

男「やってみるか」チャリン

後輩「先輩がんばってください!」

後輩「ありがとうございます先輩」ホクホク

男「うむ。喜んでもらえてなによりだ」

後輩「このぬいぐるみは宝物にします」

男「そんな大層なものでもないだろう」

後輩「いえ、先輩からのプレゼントですから」

男「……そういえば後輩に何かをプレゼントするのは初めてだったか」

後輩「いつもお茶やお菓子をご馳走になってますけどね」クスッ

男「そうだな」フッ

後輩「さあ先輩、次はどうしますか?」

男「わざわざここまで来たんだ。次は当然、あそこだ」

後輩「先輩先輩! カワウソですよ! 可愛いですよ!」キラキラ

男「ゴイサギにオシドリ……鳥もいるんだな。こういうところにいるのは魚類だけだと思っていた」

後輩「水辺の生き物って感じですね」


男「……ほう、ラッコはカワウソの仲間なのか」

後輩「水の中にいるのにイタチ科なんですねぇ」


男「デカッ!」

後輩「ピラルクにアロワナ……このあたりはちょっと恐いです」


友『先輩、ペンギンですよペンギン』

男友『ラッコと並んで子供に大人気の動物だねぇ』

後輩「先輩、イルカです」

男「うむ。こうして泳いでいるところを見ると感じ入るものがあるな」

後輩「わわわ、こっちに来ましたよ」

男「好かれているな」


後輩「先輩、海のギャングですよ」

男「厳ついな」


男「ジンベエザメ……」

後輩「すごい……としか言葉が出てこないですね」

男「うむ。巨大な生き物への恐怖だな」


男友『オジサン……』

後輩『すごい名前の魚ですね』

男友『これが人間だったらイジメだよな……』

男「土産物屋か」

後輩「友に何か買って帰ろうかなぁ」

男「その必要はないだろうな」

後輩「え?」

男「いや、それよりこの携帯ストラップはどうだ?」

後輩「あ、可愛いです」

男「そうか。ならこれを2つ買おう」

後輩「先輩、もしかしてお揃いでつけてくれるんですか?」

男「記念にこういうのもいいだろう」

後輩「はい!」ニコッ

少し休憩してきます。

後輩「もう空が赤くなってますね」

男「時が経つのは早いな」

後輩「そろそろ帰りますか?」

男「その前にもう一度観覧車に乗らないか。さすがに人が増えているから少し待たなければならないが」

後輩「はい、いいですよ」

後輩「並んでる間に暗くなってきましたね」

男「ああ、ちょうどいい時間になった」

後輩「え? ……わあ、イルミネーションもあるんですね」キラキラ

男「どうせなら見てみたいと思ってな。……ちょうど良く俺達の番が来た」

後輩「乗りましょう先輩」

男「うむ」

後輩「これは……お昼もすごかったけど、夜景はもっとすごいですね」

男「ああ。ここまで綺麗だとは思わなかった」

後輩「……先輩。今日はありがとうございます」

男「礼を言うのは俺の方だ」

後輩「え……?」

男「そっちに座っていいか」

後輩「ははは、はい。どうぞ」

男「夜景を見ながらでいいから聞いてくれ」

後輩「はい」

男「俺は今まで他人にそれほど興味を持てなかった」

後輩「……」

男「寄って来たなら話して、去っていくならそれで終わり。それ以上の人間関係を作ったことがなかった」

後輩「……」

男「別にそれで構わないと思っていたし、変えるつもりもなかった」

後輩「でも、変わったんですね?」

男「ああ。お前と会って共に時を過ごしていくうちに、少しずつだが変わっていった」

男「そして一昨日。お前達が見舞いに来た時に、大事なことに気付かせてくれた」

男「俺はお前達が好きだ。そのことに気付かせてくれてありがとう」

後輩「先輩……」

男「そして一昨日、お前の気持ちを聞いてからずっと考えていた」

後輩「え……先輩、もももしかしてあの時……お、おおおおお起きて……///」ボンッ

男「うむ。偶然目が覚めてしまってな」

後輩「あうあうあうあう///」

男「ずっとそのことを考えていた」

後輩「……///」

男「俺はたぶん、俺を少しずつ変えてくれるお前のことをいつからか好きになっていたんだと思う」

後輩「え……?」




男「俺はお前のことが好きだ。俺のそばにいて欲しい」




後輩「ほ……ほんとですか?」

男「本当だ」

後輩「嘘じゃないですよね?」

男「嘘じゃない」

後輩「夢じゃ……」

男「夢でもない。信じれないというのなら」スッ

後輩「え……? ん……」チュ

男「これで信じるか?」

後輩「先輩……」

男「俺と付き合ってくれ」

後輩「はい……。わ、私……も……先輩が好き……です」ポロポロ

男「ありがとう」ギュ

男「観覧車に乗る前に撮ってもらった写真を買ってしまった」

後輩「まさかあれを買う日が来ることになるとは思ってもみませんでした」

男「浮かれていた。まあ、記念だしな」フフッ

後輩「そうですね」クスッ

男「さて、そろそろ帰るか。……その前に」

後輩「どうしたんですか?」

男「そろそろ観覧車から降りてくるぞ」

後輩「え?」クルッ

男友「げ」

友「あ」

男友「お、おーおまえらー。ここに遊びに来てたのかー」

友「ぐぐぐ、偶然ねー」

男「1日中つけまわすのは偶然とは言わないな」

後輩「気付いてたんですか?」

男「邪魔をするつもりはなさそうだったし、俺達の会話も聞こえないような距離にいたから放っておいたが……」

後輩「友……」ジトー

友「うっ……ごめんなさい」

男友「悪かった! 許してくれ!」

男「まあいいだろう。お前達がいなかったら俺達は付き合っていなかっただろうからな。感謝している」

後輩「先輩がそう言うなら……」

友「え? ってことは」

男友「俺達の知らない間に!?」

後輩「……///」コクン

男友「おお! おめでとう!」

友「よかったねぇ!」

後輩「ありがと……」テレッ

男「だから晩飯で手を打とうと思う」

後輩「先輩、何が食べたいですか? 私焼き肉がいいです」

男「寿司もいいな」

友「うそっ!?」

男友「まじでか!? もう今月は金欠確定だ……トホホ……」トボトボ

男「……やれやれ、後でワリカンにしといてやるか」

後輩「先輩は優しいですね。そんな先輩が大好きです」

男「うむ。行こうか」スッ

後輩「もう恋人ですから、腕組んでもいいですか?」

男「望むところだ」

後輩「えいっ♪」ギュッ

後輩「先輩あったかいです♪」ギュー

                               おわり

終わりです。
読んでくれた人、支援してくれた人、長い間付き合ってくれてありがとう。

ガラガラ

後輩「どうも先輩」ピシャン

男「うむ、ちょうど飲み物を淹れるところだった。ココアでいいか?」

後輩「はい。ありがとうございます」トテトテ

友「やっほーう」

男友「お邪魔してるよ」

後輩「いらっしゃい」

男「ほら、ココア。お前達はコーヒーだな」コトッ

友「いただきまーす」

後輩「今日は何しましょうか」フーフー コクリ

男「トランプでもするか」

注意
ここから先は完全に蛇足。
見なくても問題ないし、見ても得しないかもしれない。
でもやりたいからやる。

友「そういえば男先輩ってご家族はいるんですか?」

男友「あぁ。ちゃんといるよ。おじさんが海外出張に行ってるらしい。おばさんは専業主婦だな」

友「あたし達がお見舞いに行ったときに男先輩だけだったのは?」

男友「いまだに両親がラブラブで、おばさんはよくおじさんの所に行っているらしい」

男「俺が目の前にいるのに俺抜きで俺の話をするのかお前らは」

友「へぇー……ネグレクト気味なんですね」

男「おい悪意を感じるぞ」

後輩「先輩、大丈夫です。先輩は私が愛をもって育てます」グッ

男「何かがおかしい。いや、何もかもがおかしい」

友「前に男先輩が鈍いって話してましたけど」

男友「ああ、鈍いしエグいな」

男「ただの悪口だ」

友「具体例とかあるんですか?」

男友「あれはそう、俺達が1年の時だった……」

友「あたし達がこの学校に入る前のことですね」

後輩「私の知らない先輩の話……」ワクワク

男友「当時、こいつはイジメを受けていた」

後輩「えっ!?」

友「嘘っ!?」

男「マジか」

友「えぇっ!?」

男友『おーい、一緒に帰ろうぜー』

男『途中で文房具屋に寄りたいが構わないか』

男友『文房具屋? いいけど何買うんだ?』

男『知らないうちに落書きをされて千切れて使えなくなったので、新しいノートを1冊な』ピッ

男友『千切れるって。おいおい、いったいどんだけ派手な落書きを……』ペラッ

男友『……おい、何だこれ。冗談で済まされるレベルじゃねえぞ!』

男『落ち着け』

男友『これが落ち着いていられるか! これやったのどこのどいつだ!』

男『落ち着け。犯人はわかっている』

男友『なら話ははええ! 今すぐそいつをぶちのめすぞ!』

男『落ち着けと言っている』デコピン

男友『アヴッ!?』

男友「基本的に無口でおとなしいこいつはそういう標的にいいかもしれないと思われたんだろうな」

男「なるほど。あれはイジメだったのか。気付かなかった」

後輩「先輩かわいそう……。大丈夫、私が守ってあげます」ナデナデ

友「……鈍いってそういうことですか」

男友「あの時のデコピンで俺の額には穴が空いた」

男「嘘をつけ」

友「言われてみれば額にアヴドゥルみたいな傷跡が」

男「あるわけがない」

後輩「先輩はno.2じゃなくて1番です」

男友「俺はこいつのデコピンにスターフィンガーと名付けた」

友「死にますよそれ」

友「結局、その後どうなったんですか?」

男「結論から言うと、犯人は学校をやめた」

友「……男先輩、なにやったんですか」

男「何もしていない」

男友「それがエグいんだよ……」

後輩「……? どういうことですか?」

男友「その話をしたとき、俺の真後ろに犯人いたらしいんだ」

友「うわぁ……」

友「つまりネクラだと思ってる相手に面と向かって『お前がやったことは知っている』と言われた上に」

男「悪意を感じる」

後輩「血の気のおおい不良っぽい友人が激昂していて」

男友「あれ、俺も悪意を感じる」

友「さらにその友人を一撃で沈める力を見せ付けられた……と」

男友「それなのにいつまで経っても何かをしてくる気配がない。……エグいだろ?」

友「水面下で何かが進んでるかもしれないと思ったら疑心暗鬼になりますね」

男友「元々隠れてノートに色々するような奴だからな。メンタルが強いわけがない」

友「仕返しが怖くなってノイローゼになり学校をやめた……と」

男「狙ってやったわけでもないし、結局何もしていないんだがな」

パラッ

後輩「先輩、罰ゲームありにしましょうか」ワクワク

男「お前はよく勝利が確定してから罰ゲームを提案するが、それをするのは相手が俺だけの時にしろ」

後輩「2人きりの時なら好きにしていいなんて……。先輩、大胆///」ポッ

男「お前は耳掃除をした方がいい」

後輩「先輩の膝枕でしてくれますか?」ニコッ

男友「そういえば後輩ちゃんのことお前って呼ぶようになったんな」

友「仲良くなったら呼び方も変わるもんでしょー。もう、お熱いわぁ」

後輩「えへへぇ」テレッ

男「うむ(友が男友を呼ぶときにただ「先輩」と呼ぶようになってるのには気づいてないのか)」

後輩「……」ジー

男「……どうした?」

後輩「その顔、久しぶりに見ました」

男「何か変な顔をしていたか」

後輩「変というか……何か言いたそうな顔です。最近はしてませんでしたけど」

男「そうか。自分では気付かないものだな」

友「でも、最近はしてないってことは言いたいことを言えるようになったってことだよね」

男友「いいことじゃねーの」

後輩「なに考えてたんですか?」

男「……」ゴニョゴニョ

後輩「あぁ、そういえばそうですね」

友「なになに? 気になる」

後輩「……」ゴニョゴニョ

友「え……あ……///」ボンッ

男友「なになに、俺にも教えて」

友「ダメですっ!」

男友「なんでっ!?」

友「たとえ世界中のみんなに教えたとしても、先輩にだけは絶対に教えません!」

男友「なにその壮大すぎるイジメ!?」

男「どちらかというとイジメではなく……」

友「男先輩は黙ってください!」

男友「なんだよ、教えろよ」

友「先輩は一生口をきかないでください!」

男友「ひどすぎるっ!?」

後輩「気付かないのもどうかと……」

友「そういえば男先輩は筋トレか何かしてるんですか? やけにいい体してましたけど」

男「いや、今は何もしていないな」

後輩「今は?」

男「昔、忍空をやっていた」

友「嘘っ!?」

男友「嘘に決まってるだろ……」

男「まあな。だが憧れて体を鍛えていた時期があった」

後輩「漫画の真似する先輩かわいい」ナデナデ

男「さすがに中学に入ってやめたがな」

友「小6までやってたんですか……」

男「寝ていても外の物音で起きるようになったのもその頃だな」

男友「あー、格闘技とかやるとそういうのに敏感になるってどっかで聞いたことあるな」

男友「そういえば友ちゃんはゲーム好きなの?」

友「兄ちゃんがやってるのをたまにやらせてもらってます」

男友「たまにやるくらいで緋蜂なんて単語が出るとは思えないんだけど」

後輩「よく『兄ちゃん弱すぎる』って言ってるよね」

友「言ってないよ! ゲームそんなに好きじゃないし!」

男友「そっか……一緒にゲームできる友達できたと思ったんだけどな」ショボーン

友「嘘です! ゲーム大好きです!」

男友「どっちなの!?」

後輩「友。かわいい」フフッ

男友「じゃあ今度うちで一緒にやらない? こたつに入りながらドリームキャストでも」

友「はい! 今度と言わず今からでも! 何やりましょうか! 斑鳩ですか? ギガウイングですか?」

男友「シューティング限定!? っていうか詳しいな!!」

友「さあいきますよ! さあ!」グイグイ

男友「ちょっ、わかったから押すなって。悪い、そういうわけで帰る。また明日な!」ガラガラ ピシャン

男「……あいつら、くっつくと思うか?」

後輩「男友先輩が気付かないことにはなんとも……」

男「そうだな」

後輩「でも時間の問題だと思います」

男「ふむ」

後輩「それよりも先輩。もう2人だけになったので罰ゲームありでいいんですよね?」

男「やれやれ。何をすればいい?」

後輩「先輩の膝枕で耳掃除して欲しいです」ニコッ

男「いいぞ。おいで」ポンポン

後輩「失礼します……///」コテッ

男「耳掃除するほど汚れていないな」

後輩「それでもやってください」ギュ

男「わかった」

後輩「……」

男「……」カキカキ

後輩「……」クンクン

男「……」カキカキ

後輩「……」ニヘラ

男「気持ちいいか?」

後輩「はいっ♪」

男「よし、終わりだな」

後輩「ありがとうございます先輩。よいしょっ……って、え?」ギュ

男「耳掃除だけでいいのか?」ボソッ

後輩「ひゃんっ。せん……ぱい……ん///」チュッ

男「じゃあ帰るか」

後輩「もう、いじわるなんですから」

ガラガラ ピシャン

男「晩飯はどうするかな……」

後輩「作りに行ってあげましょうか」

男「じゃあ2人で作るか」

後輩「先輩、今日泊まってもいいですか?」

男「俺は構わないが、お前の母さんの許可が下りるか?」

後輩「大丈夫です。このまえ挨拶に来てくれた時、母さん先輩のことすごく気に入ってましたから」

男「そうなのか」

後輩「はい。孫はまだかって毎日のように言われてます」

男「そういうのはまだ早いだろう」

後輩「先輩がそうやって私のことをちゃんと想ってくれてるから、母さんも心配してないんだと思います」

男「そうか。なら連絡するのを忘れないようにな」

後輩「はい。先輩、大好きです♪」ギュー

男「ああ。俺もお前が大好きだよ」ギュ

蛇足おわり。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。

>>250から

カチャカチャ ガチャ

男「ただいま」

後輩「お邪魔します、先輩」バタン

男「うむ。部屋に荷物を置いて着替えてくる」スタスタ

後輩「じゃあ私もそうします」トテトテ

男「うむ」

数分後。

後輩「あ、お茶なら私が淹れますよ」トテトテ

男「気を遣わなくていい。くつろいでくれ」

後輩「はい、ありがとうございます先輩」ニコッ

男「何か飲みたいものはあるか?」

後輩「先輩は何を飲むんですか?」

男「ふむ、緑茶でも飲もうかと思っている」

後輩「じゃあ私も同じのでお願いします」

男「ココアじゃなくていいのか?」

後輩「先輩と同じのがいいです」

男「そうか。わかった」

男「できたぞ」コトッ

後輩「いただきます」

男「うむ」

後輩「……」フーフー

男「……」ズズッ

後輩「……」コクリ

男「……」フゥ

後輩「おいしいです」ニコッ

男「それはよかった」コトッ

後輩「ふふっ」

~♪~♪

後輩「これはなんていう曲ですか?」

男「schroeder-headzの『newdays』だな」
http://www.youtube.com/watch?v=jgkroiwnniu

後輩「先輩の好きなバンドですか?」

男「実は詳しくは知らないんだ」

後輩「そうなんですか?」フーフー

男「ああ。でもいい曲だ」ズズッ

後輩「すごく綺麗な音ですね」コクリ

男「うむ。初めて聞いた時は涙が出てしまった」

後輩「なんとなくわかります」

男「そうか」

後輩「……♪」

男「……」ズズッ


後輩「そういえば、本当によかったんですか? 私の部屋なんか用意してもらって」

男「あの2人が決めたことだから問題ないだろう」

後輩「先輩のお父さんとお母さんですね」

男「ああ。あの2人は滅多に家にいないし、それを抜きにしても部屋は余っていたからな」

後輩「また今度お2人がいる時にちゃんとご挨拶しに来ますね」

男「それは……」

後輩「迷惑ですか?」

男「そういうわけではないが、あの2人のテンションがな」

後輩「あー……凄かったですもんね」

男『ただいま』ガチャ

母『おかえりー。そしてひさしぶ……り……』

父『久しぶりだな我が息……子よ……』

男『帰っていたのか。……なぜ固まっている?』

後輩『あ、あの……』チョコン

母『あんた、後ろにいるその可愛い子はどうしたの』

父『くっ……! まさか自分の息子が誘拐犯になる日が来ようとは……!』

男『息子を信用しないにもほどがある』

母『ああっ! 私が旦那のところへ行ってこの子をネグレクトしていたばっかりに!』

男『自分でネグレクトとか言うな』

父『そう自分を責めるものじゃない。わたしにも責任はある』ポンポン

男『……はぁ』タメイキ

母『でもあなた! 女の子を誘拐しておいて悪びれもしないこの顔を見て!』

男『自分の遺伝子を継いだ実の息子に言う言葉か』

父『世紀の大物の面構えか……。犯罪者になってさえいなければ喜んだものを』

男『ぶん殴るぞ』

男『これは学校の後輩だ』

父・母『ダウト! お前(あんた)に友達ができるわけがない』

男『よし、そこに正座しろ。順番に殴る』

後輩『あ……、あの……お邪魔します』チョコン

父『君、名前は?』

後輩『後輩といいます』

母『もう大丈夫よ後輩ちゃん。この野獣は私達が責任をもって始末するわ』

男『息子のことを野獣とか始末するとか言うな』

後輩『あの、違うんです。先輩は何も……』

母『なんですって……?』

父『脅されてもいないのか?』

男『息子をなんだと思っている』

母『後輩ちゃんは息子とどんな関係なの?』

後輩『その……お、お付き合いをさせていただいてます///』

父『なんだって!? それは本当なのか!?』

男『本当だ』

父『母さん!』

母『任せて! 特上4人前ね!』

父『駅前のは駄目だぞ! 値段の割に鮮度がイマイチだ!』

母『わかったわ! 後輩ちゃんは苦手な食べ物とかアレルギーとかある?』

後輩『え? あ、ありません……』

母『なら大丈夫ね! あ、もしもし? 特上4人前お願いしたいんですけど……はい、じゃあお願いね』

父『よーしパパとっておきのビールあけちゃうぞー』カシュッ

母『あらあらまあまあ、それは缶の発泡酒よ』ウフフ

後輩『あの……いったい何が……?』

男『疲れる……』

男「またあのテンションに付き合わないといけないのかと思うとな」

後輩「もう2回目だしあそこまではならないんじゃないでしょうか」

男「どうかな。あの2人は祭り好きだからな……」

後輩「そうなんですか?」

男「うむ。基本的に帰ってきた時は一晩中騒いでいる。海外であまり俺の面倒を見れないのを気にしてるんだろうな……」

後輩(先輩……)

後輩「……」ギュ

男「ん?」

後輩「じゃあ……たまにはいいんじゃないですか? そういうのも」

男「……そうだな」フッ

後輩「はい」ニコッ

男「ありがとう」ギュッ

後輩「……はい///」

とりあえず今夜はここまで。
読んでくれた人ありがとう。

男「さて、そろそろ晩飯の用意をするか」

後輩「何を作りますか?」

男「ふむ……」

スタスタ ガチャ

男「冷蔵庫に油揚げしかないな。買出しに行くか」

後輩「はい」

男「何か作ってみたい料理はあるか?」

後輩「煮物を教えて欲しいです。まだ作ったことないので」

男「ふむ。では行くか」ガチャ

後輩「はいっ」バタン

カチャカチャ

商店街

男「煮物だったか。そうだな……肉じゃがでもやってみるか?」

後輩「男性が喜びそうな手料理ランキング上位ですね」

男「うむ。かく言う俺も大好物だ」

後輩「頑張って覚えます。でも難しそうです」

男「やってみるまではそう思うのも仕方ないな」

後輩「簡単なんですか?」

男「ああ。詳しくは後で教えよう」

男「とりあえず献立は……肉じゃがと焼き魚、あと味噌汁にでもするか」

後輩「はい」

八百屋「お、男ちゃんじゃねぇの! えらいべっぴんな子連れちゃって!」

後輩「ど、どうも///」ペコリ

八百屋「もしかして男ちゃんの彼女かい? なんつってなー!」ガハハ

男「そうです」

八百屋「」

男「なぜ真顔に」

八百屋「かかか、かーちゃん! 男ちゃんに彼女ができたってよ! しかもべっぴんの!」アワワワ

八百屋妻「あらやだ! それが本当なら商店街の連絡網で回さなきゃ!」

男「何故に……?」

八百屋妻「あんた! いつも贔屓にしてくれてる子の吉事だよ! たっぷりサービスしてやんな!」

八百屋「わかってらぁ!」

男「疲れる……」ゲンナリ

後輩「まあまあ、みんな先輩のことを思ってくれてるんですよ」

男「本気で連絡網で回していた……。俺は見世物か何かか」ドンヨリ

後輩「いっぱいサービスしてくれましたね。みなさんいい人達です」

男「それは否定しないが、あのテンションはな……。それにサービスしすぎだ」ズッシリ

後輩「やっぱり私も少し持ちますよ」

男「大丈夫だ」

後輩「だめです。持たせてください」

男「……わかった。じゃあこっちの軽いのを頼む」

後輩「はいっ♪」

カチャカチャ ガチャ

男「ただいま」

後輩「またお邪魔します」バタン

男「やれやれ、冷蔵庫に入りきらないぞ」ドサドサ

後輩「家を出る前は空っぽだったのにすごいですね」

男「ふむ。予定とは違うが、男友と友でも呼んで鍋にするか」

後輩「いいですね。メールしてみましょうか」

男「うむ」

ヴー ヴー

友「おろ? メールだ」パカッ

後輩『もし暇なら先輩の家でみんなでお鍋しない? 買い物に行ったら商店街の人がいっぱいくれたから』

友「お鍋かぁ……」ジュルリ

友(でも……)

男友「
  ∧,,∧
 (;`・ω・)  。・゚・⌒)
 /   o━ヽニニフ))
 しー-j
                         」

友(せっかく先輩が料理作ってくれてるし……2人っきりだし……)

友「σ(・´ω`・)ンーちょっと今日は都合悪いかも。明日なら大丈夫だよー……っと」ポチポチ

後輩『わかった。じゃあ明日。楽しみにしとくね』

友「("`д´)ゞ ラジャ!!……っと」ポチポチ


後輩「友。今日は都合が悪いみたいです。明日なら大丈夫だそうです」

男「そうか。この時間だと……あぁ、そういうことか」

後輩「どうかしたんですか?」

男「男友の家はそろそろ飯を作ってる時間だからな」

後輩「あぁ、なるほど」

男「そっとしておいてやるか。さすがに材料は1日で腐りはしないだろう」ポチポチ

後輩「そうですね」

ヴー ヴー

友「あ、先輩の携帯もだ。せんぱーい、携帯なってますよー。メールですよー」

男友「んー、誰からー?」

友「男先輩からでーす」

男友「いま手が離せないから見ちゃってー」

友「え、い、いいのかな……」ポチッ

男『鍋は明日。うちに集合』

友(あ、後輩から聞いたんだ……ってあたしがまだ先輩の家にいるってわかってるの!?)

男友「あいつ、なんだってー?」

友「明日は鍋をするから男先輩の家に集合だそうですー」

男友「わかったって送っといてー」

友「はーい」ポチポチ

ヴー ヴー ヴー

男「む」

後輩「返事はやいですね」

男「うむ」パカッ

男友『了━d(*´ェ`*)━解☆』

男「……」

後輩「……」

男「隠す気、ゼロだな。別に構わないが」

後輩「友に『頑張れ』って送っておきますね」

男「うむ」

とりあえず今夜はここまで。
読んでくれた人ありがとう。

じゃあ過去ログ倉庫も近いし1度あげさせてもらいます。

男「鍋は明日になったから当初の予定通り肉じゃがを作るとしよう」

後輩「頑張ります」グッ

男「うむ。用意する材料はジャガイモ4~5個、タマネギ1個、ニンジン1個、
  しいたけ2~4個、糸こんにゃく1パック、肉200グラム~300グラムだ」

後輩「結構多いですね」

男「うむ。どうせなら明日の弁当にも入れてしまおうと思ってな」

後輩「しいたけを使うんですか?」

男「うちではな。ダシが出てうまくなる」

後輩「ふむふむ」メモメモ

男「俺は野菜の皮を剥くからお前は切っていってくれ」

後輩「わかりました」

後輩「先輩はピーラーを使うんですね」

男「うむ。包丁で剥けないことはないが、こっちの方が早くてな」シュッシュッ

後輩(ちょっと恥ずかしそうに言う先輩かわいいなぁ///)

男「ジャガイモが剥けたぞ」

後輩「どれくらいの大きさに切ればいいですか?」

男「食べやすい大きさでいい。小さすぎると煮ている内に溶けてしまうから気をつけろ」

後輩「わかりました」トントントン

男「次はニンジンだ。これは銀杏切りでいいだろう」

後輩「はい」トントン

男「タマネギは煮込んでいる内に溶けやすい。食感を楽しみたいなら大きめにするといい」

後輩「先輩はいつもどうしてますか?」

男「俺は縦に薄切りだな」

後輩「じゃあそうします。先輩の家の味を覚えたいですから」サクサク

男「そうか」

後輩「しいたけも1口サイズでいいですか?」

男「うむ。4~6分割にすればいいだろう」

男「肉は鶏のモモ肉を使う」

後輩「牛や豚じゃないんですね」

男「うむ。これは好みで変えればいいだろう」

後輩「先輩は鶏肉が好きなんですか?」

男「なかったら豚を使うが、基本的に肉じゃがには鶏肉を使っているな」

後輩「おいしそうです」

男「鶏肉も1口サイズに切ろう」

後輩「はい」グッ

後輩「む……なかなか切れないです」グニグニ

男「あんまり力を入れると滑るぞ」

後輩「え? あっ」ツルッ ピッ

男「おい、大丈夫か!?」

後輩「痛みはないですけど、ちょっとだけ指の先が切れちゃいました」エヘヘ

男「見せてみろ。……少し出血しているな」

後輩「これくらいなら全然なんてこと……あっ」

男「……」チュッ

後輩「先輩……///」

男「ん、深くはないな。消毒液と絆創膏を持ってくる」スタスタ

後輩「はぁ……失敗しちゃったなぁ」

後輩「心配もかけちゃったし……」

後輩「……はぁ」

後輩「……」

後輩(先輩が口をつけた指……///)

後輩「……」チュッ

後輩「……えへへ///」

男「待たせたな」スタスタ

後輩「おおおお帰りなさいっ!」サッ

男「……? ああ、ただいま」

男「消毒しよう。指を出せ」

後輩「はい」スッ

男「……」シュッシュッ

後輩「……っ」

男「染みるか?」

後輩「大丈夫です。ちょっとくすぐったくて」

男「そうか。絆創膏を貼るぞ」フッ

後輩「はい。先輩、すみません。手当てしてもらって」

男「次から気をつければいい」ピトッ クルクル

後輩「でも、心配もかけちゃって」ショボーン

男「大事な人の心配くらいさせろ。……いつだったかお前が俺に言った言葉だな」ポンポン

後輩「……はい///」

とりあえず今夜はここまでにします。
読んでくれた人ありがとう。

男「今日のところは俺が包丁を使おう。と言ってももうほとんど終わりだがな」トントン

後輩「ありがとうございます。私は何をすればいいですか?」

男「ふむ。今までに切った材料を鍋に入れるから、そこに水を入れてくれ」ゴロゴロ

後輩「わかりました。どれくらいですか?」ジャー

男「材料が顔を出す程度でいい」

後輩「はい」

男「それでは火をつけようか」

後輩「今更ですけど、先に材料を炒めなくていいんですか?」

男「ああ、今回はいいだろう」

男「沸騰したら灰汁をとって、粉末出汁とみりんと醤油を入れる。これで材料が浸りきるくらいだな。
  煮詰まれば味が濃くなるから、味見をして少し薄いと思うくらいがいいだろう」

後輩「ふむふむ」トポトポ

男「砂糖も入れる。大さじで2杯~3杯だな。これも味見をしながらがいいだろう」

後輩「いい匂いがしてきました」

男「うむ。調味料を入れた後にまた沸騰したら、中火~弱火にして鍋に蓋をする」

後輩「はい」カパッ

男「これで10分ほど、具に火が通るまで待とう」

後輩「カレーより簡単かもしれませんね。煮物はもっと難しいものだと思ってました」

男「うむ。その思い込みを払拭するために今回は簡単なやり方でやった」

後輩「ありがとうございます」

男「まずは煮物に慣れて、より味を求めるようになったらもっと手間をかけることにしよう」

男「さて、煮込んでいる間に味噌汁の準備もしてしまうか」

後輩「何の味噌汁にしますか?」

男「冷蔵庫に油揚げがあるからな。ワカメと豆腐、そして油揚げの味噌汁にしよう」

後輩「はいっ♪」

男「俺は豆腐と油揚げを切ろう。ワカメは棚の中に乾燥のがあるからそれを使ってくれ」

後輩「えっと……これですか?」ゴソゴソ

男「うむ。あと、味噌は出汁入りのものだから出汁は使わなくていいぞ」

後輩「わかりました」

男「よし、そろそろ肉じゃがの蓋を開けてもいいな」カパッ

後輩「わぁ、おいしそうですねぇ」ニコッ

男「うむ。後はこのまま強火にして汁気を飛ばしてしまう」

後輩「先輩の家の肉じゃがは煮汁がないタイプなんですね」

男「ああ。煮汁がないタイプは食べたことないか?」

後輩「はい。楽しみです」

男「そうか」フッ

男「よし、あとは鮭の切り身を焼くか」

後輩「任せてください。何度も焼いたことがあります」エッヘン

男「それは頼もしいな」ナデナデ

後輩「えへへ///」

男「じゃあそっちは任せることにしよう。俺は使った器具の洗い物を済ませてしまう」

後輩「はいっ」

男「……」ジャー

後輩「……♪」

男「……」キュッキュッ

後輩「……」ジー

男「……ん? どうした?」ジャー

後輩「いえ、なんかこういうのいいなぁって」

男「そうだな」フッ

ちょっと休憩してきます。

男「そろそろ肉じゃががいい頃合だな」

後輩「まだちょっと煮汁が残ってる気がしますけど」

男「1度火を止めてみろ」

後輩「……?」カチッ

後輩「わわわ、一気に引いちゃいました」

男「うむ。火がついていると煮汁が多く見えるんだ。煮物で失敗をするのはここが多いな」

後輩「気をつけます」メモメモ

男「うむ」

後輩「……よし、と。鮭ももう焼きあがりです」

男「うむ。では盛り付けるか」

後輩「準備できました」

男「うむ。それでは」

男・後輩「いただきます」(´人`)

後輩「あふ、あふ……」ハフハフ

男「慌てて食べるから……ほら、冷たいお茶だ」

後輩「んくっ……んくっ……ありがとうございます」フゥ

男「急いで食べなくてもまだまだあるぞ」

後輩「はい」パクパク

男「自分で作ってみた肉じゃがはどうだ?」

後輩「ジャガイモがほくほくで口の中で溶けるように崩れて、味が染みてておいしいです」ハフゥ

男「ほう……」ヒョイ パク

後輩「……」ドキドキ

男「うむ。うまい」ゴクン

後輩「えへへ///」

男「魚も良く焼けているし、味噌汁もいい感じだ」

後輩「ありがとうございます」

男「……」モグモグ

後輩(自分の料理を食べておいしいって言ってくれる人がいるって、すごく幸せ///)パクパク

男「……」モグモグ

後輩(そういえば、友はどうしてるかな)

友「んー! このチャーハンおいしーぃ!」モフモフ

男友「そうだろうそうだろう? 俺特製挽き肉チャーハンだ」

友「油揚げって意外と合いますねー」

男友「炒めると食感が変わってうまいんだよ」サクッ

友「玉ねぎのみじん切りも入ってるんですね。切ってるようには見えませんでしたけど」

男友「にんじん、いんげん、玉ねぎ、コーンが入ってるミックスベジタブルがあってね。
   それを使ったんだ。炒め物とかに便利だよ」

友「へー。味付けは醤油だけなんですか?」

男友「材料を炒めるときに塩コショウをちょっと。あと、味覇も少し使ってるよ」

友「なるほどー。味覇おいしいですよねー」

男友「味覇があれば大抵のことはなんとかなるよねぇ」

友「先輩、食べ終わったら対戦の続きしましょう」ハムハム

男友「まだやるの!?」

友「む、いいじゃないですか。緋蜂出せなかったんですから」

男友「俺シューティングそこまで得意じゃないんだから、首領蜂も火蜂も緋蜂も無理だって」

友「えぇー」プクー

男友「可愛らしくほっぺ膨らませてもできないよ」

友「え、か、かわ……かわ……///」

男友「それにもう暗いし、遅くなったら親御さんも心配するんじゃない?」

友「あー……まぁ……」

男友「家まで送ってくから、今日はもう終わりにしような」

友「はぁーい……」ムスー

男友「……友ちゃんが良かったら、また来ていいからさ。そん時にまた対戦しよう」

友「わかりました!」

後輩「ふぅ……ご馳走様でした」

男「ご馳走様でした」

後輩「片付けちゃいますね」

男「ありがとう。後で洗うから水につけて置くだけでいい」

後輩「わかりました。何か温かいもの飲みますか?」

男「そうだな……ココアでも飲もうか」

後輩「はい。そうしましょう♪」ニコッ

とりあえず今夜はここまで。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。

ピーピー ピーピー

男「む、風呂が沸いたな」

後輩「先輩が先に入っちゃってください」

男「いいのか?」

後輩「はい。洗濯機をお借りしたいので先輩のと一緒に洗濯しようと思って」

男「気を遣わなくても、別々でかまわないぞ?」

後輩「いえ、お借りするのですからそれくらいは。1回で済む方が効率もいいでしょうし」

男「そうか? わかった。では先に入らせてもらおう」

後輩「はい。いってらっしゃい」

男「うむ」スタスタ

後輩「あ、お母さんに連絡するの忘れてた」

後輩「今日は先輩の家に泊まります……っと」ポチポチ

ヴー ヴー ヴー

後輩「友からメール」

友『先輩が家まで送ってくれたよ。先輩優しい(*´ω`*)』

後輩「良かったね」ポチポチ

友『(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ゥィゥィ♪ そっちは男先輩と仲良くやってるの?』

後輩「先輩と一緒に晩ご飯を作って食べたよ。おいしかった。先輩はいまお風呂に行ってる」ポチポチ

友『(*゚д゚)ンマッ!! 後から乗り込んでお背中お流し致しますチャンス!?』

後輩「やりたいけど、それはまだ早いと思う///」ポチポチ

友『いいなぁ……あたしもイチャイチャしたい(´д`;)』

後輩「がんばって」ポチポチ

友『勝ち組の余裕かー!ゥヮ―。゚゚(pд`q゚*)゚。―ン』

後輩「そういうつもりで言ったんじゃ……」ポチポチ

友『わかってるわかってる。それじゃ頑張ってね。(・д・)お(・д・)や(・ε・)す・・・(-ε-)zzz・*。*゜。』

後輩「おやすみ」ポチポチ

後輩「ふぅ……」

後輩「友もうまくいけばいいな……」

ヴー ヴー ヴー

後輩「今度はお母さんからメール」

後輩母『頑張ってきなさい。お財布の中にコンドーム入れておいたからね。針で穴開けたやつ』

後輩「ちょっ」

後輩「……」ガサゴソ

後輩「……ほんとに入ってた」ズーン

後輩「娘の財布に何してるの! 使わないからね!」ポチポチ

後輩母『あら、やっぱり? そうよねー初めては生がいいわよねー』

後輩「そういうことじゃなくて!」ポチポチ

後輩母『あぁ、二人ともいつ出来てもオッケーって思ってるってことね?』

後輩「もうやだこの母」ポチポチ

後輩母『冗談よ。穴は開けてないから安心して使いなさい』

後輩「ほんとは?」ポチポチ

後輩母『開けたけど』

後輩「もう……この……母は……」プルプル

男「出たぞ」スタスタ

後輩「うひゃあ!」ビクッ

男「……? どうした?」

後輩「何でもありまひぇん!」サッ

男「何か後ろに隠したか?」

後輩「かかかかか隠してないですヨ?」アセアセ

ちょっと休憩してきます。

男「本当か?」

後輩「ほ、本当だヨ?」

男「……」ジー

後輩「……う」タジ

男「……」ジー

後輩「……」タラー

男「……」ジー

後輩「……」フイッ

男「……」スッ

後輩「……!(顔に手を……って顔が近い)」

後輩「そうだ。お風呂入ってきますね!」スック

男「うむ」スッ

後輩「あれ……案外あっさりですね」

男「嫌ならやらないさ」

後輩「先輩……」

男「それとも続けて欲しかったか?」

後輩「……いじわる///」フイッ

男「すまん。ほら、行っておいで」フフッ

後輩「はい、行ってきます」トテトテ

ヴー ヴー ヴー

男「む、男友からメールか」

男友『私だ。xbox 360は持っていないから当然]-[/34<#!も出せない』

男「再三言うがそれは流行らないし、後半は意味がわからない……と」ペコペコ

男友『マジか……。そうそう、明日の鍋ってなんか持ってくか?』

男「友から聞いていなかったのか。特に必要ないぞ」ペコペコ

男友『鍋するって言われただけだったなぁ。まあいいや。1度家に帰ってから集合でいいのか?』

男「うむ」ペコペコ

男友『まあみんなで集まるならジュースとお菓子くらいは出させろよ』

男「それは助かる。好きなタレがあればそれも持ってきていいぞ……と」ペコペコ

男友『ゆずポンあるか?』

男「味ポンとゆずポンは常備だ」ペコペコ

男友『なら、もみじおろしとごまダレ持ってくわ。色んな味あった方が面白いだろ』

男「なるほど。その発想はなかった」ペコペコ

男友『他に何かないか明日の放課後までにまた考えとく。そんじゃあな』

男「うむ。安らかに眠れ」ペコペコ

男友『俺が死ぬみたいな言い方やめて!』

男「善処しよう」ペコペコ

男友『そう言って善処したやつ見たことねえよ……』

とりあえず今夜は安らかに眠ります。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。

体調があれなので今夜はお休みします。

prrrrr

男「……? 後輩の母さんから電話? もしもし」

後輩母『こんばんはー。うちの子が急にごめんね。迷惑かけてないかしら』

男「いえ、夕飯を作るのも手伝ってもらえましたし」

後輩母『あらそうなの。夕飯の後は娘もおいしくいただいちゃってね』

男「なに言ってんですか……」

後輩母『ちゃんとコンドームも持たせたから』

男(さっき後輩が隠してたのはそれか……)ハァ

男「自分の娘になに持たせてんですか。使いませんよ」

後輩母『あの子も同じこと言ってたわね。二人とも生派なのかしら……』

男「そういうことじゃないです」

後輩母『もしかしてあの子には女としての魅力を感じないとか?』

男「そんなことはありません」

後輩母『じゃあなんで抱かないのかしら』

男「以前にも言いましたけど、俺と後輩は学生ですし、まだ責任を取れるような年ではありません。
  だからその可能性があることをするべきではないと思ってます」

後輩母『まあその考えは立派だと思うけれど……』

男「なんですか?」

後輩母『あの子もそう思ってるのかしら』

男「以前に言った事があります。その時に納得していました」

後輩母『納得してた……ねぇ。それってつまり、あの子はそう思ってなかったってことじゃないかしら』

男「……っ?」

後輩母『あの子の気持ちは聞いたのかしら?』

男「それは……でも後輩もそう思うって」

後輩母『好きだから、嫌われたくないから、自分の意見を隠して相手に賛同する。
    そういうことって少なくないわよ。昔ならともかく、いまのあなたならわかるでしょう?』

男「……はい。1度をきちんと後輩の気持ちを聞こうと思います」

後輩母『ごめんね。こんな話しちゃって。でも一緒にいるのに手を出してもらえないのって、不安になる子もいるのよ』

男「不安……ですか」

後輩母『自分に魅力がないんじゃないか。自分が何かしちゃったんじゃないか。
    自分は本当に好かれているのか。自分は必要ないんじゃないか。そんな風に考えちゃう子もいるの』

男「はぁ」

後輩母『だからもしあの子が不安になってるんだったら、あなたが安心させてあげて』

男「わかりました」

後輩母『だからって絶対にセックスしろってわけじゃないのよ?
    体を重ねるのもひとつの方法ではあるけれど、他に方法がないわけじゃないしねぇ』

男「肝に銘じておきます。それでは」

後輩母『うん。またねー』ピッ

男「ふぅ」

男「後輩の気持ち……か」

男「……」

男「……とりあえず、洗い物をするか」

男「……」スタスタ

男「ふむ……」ジャー カチャカチャ

とりあえず今夜はここまでにします。
読んでくれた人ありがとう。

後輩「先輩、お風呂いただきました」トテトテ

男「うむ。冷蔵庫に冷やしたココアがあるぞ」

後輩「嬉しいです。いただきます」トテトテ ガチャ

後輩「……」ゴクゴク

男「うまいか?」

後輩「甘くておいしいです」プハー

男「そうか」トントン

後輩「……? 先輩、なにしてるんですか?」

男「商店街でもらったもので明日の弁当のおかずを作ろうと思ってな」

後輩「手伝いましょうか?」

男「いや、大丈夫だ。それよりも髪を乾かした方がいい。風邪をひくぞ」

後輩「はい、わかりました。ドライヤーお借りしますね」

男「うむ」トントン

後輩「先輩、洗濯物も干し終わりました」トテトテ

男「すまないな。俺の分まで」ジュージュー

後輩「いえ、私がやりたかったので。……いい匂いですね。揚げ物ですか?」クンクン

男「うむ。冷ます時間も考えたら朝に揚げるわけにはいかないからな」ジュージュー

後輩「なにを揚げてるんですか?」

男「山芋のフライだ」ヒョイ

後輩「山芋って、とろろのアレですか?」

男「うむ。切って衣を付けて揚げるだけだ。とろろ以外で食べたことはないか?」

後輩「はい、初めて知りました」

男「1つ塩をかけて食べてみるといい。熱いから気をつけろ」パラパラ

後輩「はい。いただきます」フーフー パクッ

後輩「わ、衣はサクサク、中はシャキシャキなのにホクホクしてて不思議な感じです」ハフハフ

男「うまいだろう?」

後輩「はい。山芋ってとろろだけじゃないんですね」ハフハフ

男「他にも山芋を短冊切りにして醤油と酒に漬ける醤油漬けなんかもあるな」

後輩「それもおいしそうです」

男「じゃあそれも作っておこう」フッ

後輩「先輩、長芋のフライもう1つ食べていいですか?」

男「気にいったか? かまわないが、食べ過ぎると太るぞ」

後輩「うぅ……先輩のいじわる///」

男「肉じゃがはそのまま入れるのとコロッケにするのとどっちがいい?」

後輩「どっちも食べたいです」キラキラ

男「俺は構わないが、弁当が肉じゃがだらけになるぞ」

後輩「むぅ……」

男「どうする?」

後輩「ううぅ……そのまま……いや、コロッケも……うぅ……」オロオロ

男「仕方ない、どっちも持っていくか」フゥ

後輩「いいんですか?」

男「ああ。男友や友と分ければいいだろう」

後輩「ありがとうございます先輩。大好きです」キラキラ

男「ふむ……」パチッ

後輩「……」パチッ

男「……」スッ パチッ

後輩「……」パチッ

男「む」スッ パチッ

後輩「王手です」パチッ

男「なんの」パチッ

後輩「うーん……」パチッ

男「……」パチッ

後輩「……」パチッ

男「王手だ」パチッ

後輩「……先輩」スッ パチッ

男「何だ?」パチッ

後輩「罰ゲームありにしましょうか」パチッ

男「……つまりもう詰んでるのか」スッ パチッ

後輩「9手詰めです。王手」パチッ

男「なんと……」パチッ

後輩「王手」パチッ

男「ふむ」パチッ

後輩「王手」パチッ

男「く……」スッ パチッ

後輩「王手」パチッ

男「むむ」スッ パチッ

後輩「王手」パチッ

男「oh……参りました」

後輩「ありがとうございました」ペコリ

男「ありがとうございました」ペコリ

後輩「将棋では久しぶりに勝ちました」

男「今日は打ち方を変えていたな。いつもの癖で打ってしまったのが敗因か」

後輩「えへへ……あ」

男「絆創膏が取れかかっているな。どれ」ペリペリ

後輩「あっ」

男「もう血は止まっているな。痛みがないならもう取っておいていいだろう」

後輩「……」ギュッ

男「どうした?」

後輩「なんだかこのまま先輩の手を握ってたくて」

男「そうか」

後輩「いいですか?」

男「当たり前だ。好きなだけ握っているといい」フッ

後輩「はい……///」

とりあえず今夜はここまでにします。
読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。

後輩「ふぁあ……」

男「そろそろいい時間だな。寝ようか」

後輩「先輩、罰ゲームですけど」

男「もう眠そうだし明日でもいいんじゃないか?」

後輩「いえ、すぐにできるものなので」

男「そうか。なら言ってみるといい」

後輩「今夜、一緒に寝てください」

男「それは……」

後輩「ダメ……ですか?」

男「……」

後輩「……」ギュッ

男「……」

後輩「……」

男「……」

後輩「……」プルプル

男(震えて……いるのか?)

――好きだから、嫌われたくないから、自分の意見を隠して……。

男「……」フゥ

男「俺の部屋にいこう」

後輩「あ……。はいっ♪」パァッ

男「一緒に……やはり同じベッドか?」

後輩「はい」

男「ふむ。おいで」ポンポン

後輩「ししし、失礼します」ポスン

男「うむ。電気を消すぞ」

後輩「は、はい」

ピッ ピッ ピッ

男「じゃあおやすみ」

後輩「お、おやすみなさい///」

後輩「せ、先輩」

男「どうした?」

後輩「そ、その……腕枕とか……して欲しいです」

男「む、これでいいのか?」スッ

後輩「ありがとうございます」

男「うむ」

後輩「……」ドキドキ

男(後輩の顔が近いな)

後輩(先輩の顔がこんな近くに……)ドキドキ

男「寝れそうか?」

後輩「ひゃ、ひゃい!」

男「……」ジー

後輩「……」ドキドキ

男「……」チュッ

後輩「ふぇっ!?」

男「いや、なんとなく」

後輩「先輩///」

男「寝ようか」

後輩「……」

男「後輩?」

後輩「……いやです」ギュ

後輩「先輩はいつもしようとしませんよね。キス以上のこと」

男「……」

後輩「わかってるんです。私のためを思ってそうしてるって」

男「……」

後輩「でも、たまに考えちゃうんです。私に魅力がないんじゃないかって。私に興味がないんじゃないかって。
   私じゃダメなんじゃないかって。私はいらないんじゃないかって」

男「……」

後輩「ごめんなさい……先輩のこと信じてるのに……なんか色々考えちゃって」ポロポロ

男「……」

後輩「ごめんなさい……面倒くさい女でごめんなさい……」ポロポロ

男「……」

後輩「やっぱり私、部屋に戻りますね……」グスッ

男「待て」ガシッ

後輩「……」

男「こっちに来い。ここにいろ」

後輩「いやです」グスッ

男「……」グイッ

後輩「きゃっ?」トスッ

男「聞こえるか。俺の心臓の音」ギュッ

後輩「先輩……」

男「どうだ?」

後輩「すごく早い……です」

男「お前のせいだ。お前といるからだ」

後輩「……」

男「魅力のない奴といて、興味のない奴といて、こうなると思うか」

後輩「先輩……」

男「……」ギュッ

後輩「あああの先輩、何か熱くて固いのが///」

男「それも、お前のせいだ」

後輩「はうぅ……///」

男「この際だから言っておこう」

後輩「え?」

男「俺は、お前が思っているよりもお前のことが好きだ///」

後輩「えっ……」ポロッ

男「お前のことを考えるだけで、お前がそばにいるだけで、俺の鼓動が速くなる」

後輩「せん……ぱい……」ポロポロ

男「正直、いまだってお前を押し倒してしまいたくてしょうがない。ここで我慢できているのが信じられないくらいだ」

後輩「……///」グスッ

男「前に『俺達はまだ学生だから……』と言ったのは覚えているか?」

後輩「……はい」

男「あれは本心だが、いますぐにでもお前を抱きたいとも思っている。それが俺の気持ちだ」

後輩「……はい」

男「お前の気持ちを聞かせて欲しい」

後輩「私の気持ち……?」

男「あぁ。俺がどう思っているかは関係なく、お前自身がどう思っているか。どうしたいかを教えて欲しい」

後輩「でも……」

男「安心しろ。お前が何を思っていても、俺はお前を嫌いになんかならない」ポンポン

後輩「はい……。先輩、私は先輩に抱いてほしいと思ってます。……思ってました」

男「うむ」

後輩「でも、それはまだ先でいいです」

男「そうか」

後輩「先輩がこんなにも私を想ってくれてる。改めてわかっただけで、私は幸せです」ギュッ

男「ああ……俺もお前の気持ちが聞けて嬉しいよ」ギュ

後輩「先輩、また腕枕してもらってもいいですか?」

男「もちろん。喜んで」

後輩「えへへ///」

男「今度こそ寝れそうか?」

後輩「はい。いい夢を見れそうです」

男「それはよかった」

後輩「お休みなさい先輩」チュッ

男「ああ、お休み」チュッ

男「……」zzz

後輩「……」スースー

男「……」zzz

後輩「……」パチッ

男「……」zzz

後輩「……」ジー

男「……」zzz

後輩「……えへへ///」ニヘラ

男「……」zzz

後輩「先輩あったかいです」ギュー

お泊りパート終わりです。エロを期待した人は申し訳ない。
読んでくれた人、支援してくれた人、長い間ありがとうございました。

しばらく考えてから男友と友の話を書こうと思うんだけど、ここでやって上げたほうがいいのかな。
それとも別でスレ立てたほうがいいんだろうか。

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