結城理「セイバーとして召喚された」人修羅「アーチャーとして召喚された」 (331)

凛「あなたが私のサーヴァント?」

人修羅「…………」

凛「そう、あら貴方剣を持ってないのね」

人修羅「…」

凛「ってことはアーチャーか。ドジったな、アレだけ宝石を使ってセイバーじゃないなんて」

人修羅「……」

凛「ああ、それは私のミスだから、貴方が気に病むことじゃないわ、アーチャー」

凛「それより戦いの作戦をたてましょ。まず、貴方どこの英霊なの?」

人修羅「…」

凛「英雄じゃなくて悪魔?でも人修羅なんて悪魔聞いた事ないわよ」

凛「まずは貴方の事を調べないといけないわね」


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凛「人修羅…堕天使ルシファーが唯一神の軍勢に対抗する尖兵として世界を丸ごと一つ生け贄にして人間を生まれ変わらせた悪魔…か」

凛「とりあえずどんなサーヴァントかは解ったわ。あとはどんな宝具が使えるかだけど」

人修羅「……」

凛「マガタマを飲み込んで性質と使える能力を変える?つまりそのマガタマってのが宝具ってこと?」

人修羅「…」コクリ

凛「(マガタマって言うくらいだし宝石みたいなものかしら…)」

人修羅「…」スッ

凛「へーこれがマガタ……虫じゃない!?」

凛「それを……飲み込むの?」

人修羅「……」コクリ

凛「(これはなかなか大変な聖杯戦争になりそうだわ……)」

ランサー「なんだよ消しちまうのかよ、勿体ねぇ」

凛「この結界はあんたの仕業?」

ランサー「いや?小細工を労するのは魔術師の仕事だ。俺達はただ命じられたまま戦うだけだ、なぁそこの兄さんよぉ」

凛「アーチャーが見えてるってことは…サーヴァントね」

ランサー「それがわかるお嬢ちゃんは、俺の敵ってことでいいのかな?」

凛「(屋上じゃ部が悪い…)アーチャー、一旦引くわよ……Es ist gros, 」

人修羅「!」バッ

凛「ちょっと、なにするの!?」

【トラフーリ】

ランサー「なんだ!この光は!?」

【戦闘から離脱した】

凛「ここは、校庭…?」

人修羅「……」

凛「そうね、ここなら迎え撃つにはちょうどいいわね」

ランサー「ほぅ、逃げたわけじゃなかったのか、いいねぇそう来なくちゃ」

凛「あの持ってる槍、ランサーのサーヴァントね」

人修羅「……」


ランサー「そう言うあんたのサーヴァントはセイバーって感じじゃあねぇな、何者だテメェ」

ランサー「真っ当な一騎討ちをするようなタイプには見えねぇしな、てことはアーチャーか」

人修羅「……」

ランサー「そら、弓を出せよアーチャー、それくらいは待ってやる」

人修羅「……」

凛「(アーチャーのヤツ、私の言葉を待ってるって訳?)」

凛「アーチャー、手助けはしないわ。貴方の力ここで見せて」

人修羅「…」コクリ

【気合い】

【アーチャーは力を溜めた】

凛「(とんでもない魔翌力の量、いきなり宝具を使う気!?)」

ランサー「なんの真似だ魔翌力を集めて剣なんか作りやがって…」

人修羅「……」スチャ

【ヒートウェイブ】ジャッ!

ランサー「チィ…やるじゃねぇか」ガキィン

人修羅「……」ブンッ

【死亡遊戯】

ランサー「くっ…」サッ

ランサー「やるじゃねぇか。いいぜ!聞いてやる。てめぇ何処の英霊だ。そんな戦いかたの英霊なんざ聞いた事がねぇ」

人修羅「……」

凛「アンタはそうでもアーチャーはアンタの事知ってるみたいよクランの猛犬さん」

ランサー「ほう、ならば受けてみるか?わが必殺の一撃を」

人修羅「……」

凛「(あの尋常じゃない魔翌力、宝具を使おうとしてる)」

凛「アーチャー!!」

???「」ガサッ

ランサー「誰だ!!」ザザザッ


凛「アーチャー!ランサーは?」

人修羅「……」

凛「今の足音の主を追った?ランサーを追って!私もすぐ行くから」

人修羅「……」ダダダダ

凛「(迂闊だった、こんな日にまだ学校に残ってる生徒がいるなんて!)」




人修羅「……」

凛「アーチャー、ランサーは…」

人修羅「……」

凛「追って!せめてマスターの顔を拝ませて貰わないと割りに合わないわ」

人修羅「……」スウッ



凛「ランサーの槍で一突き…心臓をやられてちゃ助からないわ」

凛「ごめんね、看取るくらいはしてあげるから…」

凛「そんな、やめてよね、どうしてアンタがこんな日に、こんな時間に……」

凛「……まだ、手はある…」チャラ




人修羅「……」

凛「ランサーを見失った?そう、相当用心深いやつみたいね」

凛「別に貴方の責任じゃないわよ」

凛「ってちょっと待って、口封じした人間が死に損なったって知ったら……」

凛「そこの交差点を挟んで反対側の大きいお屋敷よ」

人修羅「……」

凛「余計な苦労を買おうとしてるって?せっかく助けたのに結局死なれたら寝覚めが悪いじゃない!」

凛「あの塀の上、ランサーだわ」

人修羅「…!!」

凛「え!サーヴァントの気配がもう一つする!?」

士郎「うぅ……」ゴロリ

士郎「あの青い男と刺青の男……」

士郎「なんなんだアレ。マトモじゃなかったぞ」

士郎「誰だったんだ、俺を助けてくれたのは。礼くらい言わせてほし」チャラチャランチャラン

士郎「親父の結界!?」バッ

ランサー「あーあ、見えてれば痛いだろうって言う俺なりの配慮だったんだが…」

ランサー「一日に同じ人間を二度[ピーーー]ことになるとはな…」


ランサー「もしかしたらお前が七人目だったのかもな。だとしてもこれで終わりなんだが」

士郎「ふざけるな…助けてもらったんだ、助けてもらったからには簡単には[ピーーー]ない」

士郎「俺は生きて義務を果たさなければいけないのに死んでは義務が果たせない」ギリッ

士郎「こんなところで…平気で人を[ピーーー]、お前みたいなやつに!!」

ランサー「七人目のサーヴァントだと!?」ギィン

セイバー「ねぇ、……死ぬってそんなに怖いこと?」

士郎「…」

セイバー「えーっと、セイバーのサーヴァントとして召喚に応じました」

士郎「セイバー?サーヴァント?なんのことだよ」

セイバー「……ああ、君はちゃんと説明を受けたマスターじゃないんだ、まぁ、どうでもいいや」

セイバー「まず外の敵を追い払っちゃうよ」

士郎「なんなんだ、アイツ…」

士郎「年も背も俺と同じくらいなのに、あの青い槍使いに一人で挑むのかよ…」

ランサー「まさか本当に七人目のマスターだったとはな」

セイバー「…」

ランサー「しかし、その素人同然の構え。お前本当にセイバーのサーヴァントか?」

ランサー「それとも、他になんかタネがあるのか…」

セイバー「…」チャキ

ランサー「あぁん?銃なんか持ってやがるのか」

セイバー「ペルソナ…」パァン

士郎「なっ!あいつ自分を撃ったぞ!?」

ランサー「おいおい、いきなり自害たぁ拍子抜けだ……いや、なんだこの魔翌力は」

士郎「あいつの後ろにもう一つ人影が……」

セイバー「……オルフェウス!」

オルフェウス「我は汝…、汝は我…。汝、新たなる絆を見出だしたり…。絆とは即ちまことを知る一歩なり…」

【ニブルヘイム】

ランサー「ぬぉぉ!」

士郎「これは……氷?こんな大規模な魔術初めて見たぞ」

ランサー「くっ、危ねー危ねー」

セイバー「躱した!?」


ランサー「いいぜ、本気のお礼にはこっちも本気で答えねぇとなぁ」ギュイン‼

      ゲイ
ランサー「刺し穿つーーー」

セイバー「!?、ヴィシュヌ!」パァン

【インフィニティ】

      ボルク
ランサー「死棘の槍ーーー!!!!」

セイバー「!?」グサッ

ランサー「……我が必殺の一撃を受けて生きているか」

【ホムンクルスが身代わりになった】

セイバー「ミックスレイドを突き抜けた…」

セイバーランサー「「(こいつ何者だ……?)」」

ランサー「チィ、俺の雇い主は臆病者でな、槍が外れたなら帰ってこいなんて抜かしやがる」

セイバー「逃げるのか」

ランサー「追ってくるなら構わんぞ、ただしその時は決死の覚悟で来い」シュバッ

士郎「アイツ逃げたのか…って言うか君は一体…」

セイバー「結城理…です、よろしく」

士郎「え、ああ。俺は衛宮士郎。士郎でいいよ」

理「士郎、詳しい話は後で、近くにまだサーヴァントが居る」

士郎「サーヴァントってさっきの青いヤツみたいなのか」

理「こっちに向かってる。迎え撃つにはこの庭がいいと思うけど…」

凛「ランサーは行ったみたいね。でも中にもう一つサーヴァントの気配か」

凛「とりあえず衛宮君の無事を確認しましょう。もう一人の方に襲われてるのかもしれないし」

人修羅「……」シュバッ

凛「あ、こら!一人で塀を越えていくんじゃないわよ、まったく」

理「来た、あそこの塀の上」

士郎「アイツ、学校で青いのと戦ってた刺青の」

人修羅「……」

理「……」チャキ

人修羅「…」

理「オロバス!」パァン

【ガルーラ】シュバッ クルッ

人修羅「…!」グッ

【竜巻】

凛「やめなさいアーチャー!」

人修羅「!?」

理「…誰?」

士郎「遠阪!?」

凛「まったく、一人で先に行っちゃうなんて」

人修羅「…」

凛「言い訳しないの、今は衛宮君の無事を確認するのが目的だったんだから余計な先頭は回避するって方針でしょ!」

士郎「今あの男……アーチャーだっけ?喋ってなかったよな?」

理「なんで意志の疎通出来てるんだろ?」



凛「で、そっちのあなた!」

理「……僕?」

凛「そう。貴方、衛宮君のサーヴァントで間違いない?」

理「そうだけど…」

凛「マスターを守るためにやったことだろうから先に手を出して来たことは不問にするわ。でもその代わり、今私たちに敵意がないってこと信じてくれる?」

理「うんまぁ」

凛「よし、じゃあ立ち話もなんだし中に入りましょ」

士郎「おい遠阪。俺を置いて話を進めるなよ」

凛「衛宮君に説明するために言ってるんじゃない、あ、私紅茶ね」

理「コーヒーで」

人修羅「……」

凛「アーチャーはマッスルドリンコだって」

士郎「全員我が物顔かよ」

凛「それじゃあ説明を始めるけど、衛宮君、自分の立場わかってないでしょう?」

士郎「ああ」

凛「やっぱり。簡単に言うと衛宮君はマスターに選ばれたの。聖杯戦争って言う七人のマスター同士で行われる魔術師同士の殺し合いに」

凛「サーヴァントってのはその聖杯戦争専用の使い魔みたいなものよ」

士郎「でも使い魔って普通は動物とか幽霊を使うものだろ」

凛「そういうのとは格が違うわ。聖杯の力を借りて過去や現代の英霊を呼び出してるんだから」

士郎「じゃあここにいる二人も英霊……」

人修羅「……」

理「……」シャカシャカ

士郎「MP3プレイヤーをもった英雄なんて聞いた事ないけど…」

凛「私も…」

士郎「あれ、たしか年末に発売したばっかりの新型じゃないか?」

凛「私はそう言うのよくわからないわ」

凛「それにしても、セイバーって言うくらいだからもっと剣豪って感じの英霊が出てくると思ったけど…」

理「……」シャカシャカ

凛「何て言うか、現代っ子な英霊ね」

凛「ねぇ、セイバー。あなた、万全な状態じゃないでしょう?」

理「ん、そうなの?」

凛「だってこんな半人前に呼び出されてなにも弊害なしってこともないでしょ」

士郎「なんだその言い方。まるで俺が相応しくないみたいに」

凛「当たり前でしょ、へっぽこ」

士郎「……」

理「…」

凛「とにかく、あなたはもう巻き込まれて、逃げられない立場だって自覚しなさい」

士郎「理解はしたけど納得はしてないぞ」

凛「私が言えるのはそれだけよ。後はこの聖杯戦争の監督役に聞きなさい」

士郎「監督役?」

凛「いくわよ、新都の外れの教会に居るわ」

凛「衛宮君、セイバーを霊体化させないの?」

士郎理「「霊体化?」」

凛「そんなことも知らなかったのね、呆れた」

凛「まぁ衛宮君の魔翌力じゃ霊体化させたら実体化出来ないかもしれないしそのままでいいんじゃない」



凛「着いたわ。アーチャー、外を見張ってて」

人修羅「…」

士郎「今更なんだけど、魔術師同士の殺し合いなのに監督役が教会にいるのか?」

凛「そう、聖堂教会から派遣されてるくせに自分は魔術師っていう似非神父だから」

言峰「凛、再三の呼び出しにも応じないと思えばこんな時間に…。もしやそいつらが七人目のマスターとセイバーのサーヴァントか」

凛「そうよ」

言峰「……でどっちがマスターだ?」

士郎「遠阪…この人大丈夫か?」


言峰「喜べ少年、君の願いはようやく叶う」

理「願い?」

言峰「正義の味方には倒されるべき悪が必要だ」

理「…」

凛「お待たせアーチャー。戻るわよ」

人修羅「…」コクリ

理「…」

士郎「どうかしたか?理」

理「あの神父、気を付けた方がいいと思う」

凛「そりゃ食わせものだからね、アイツ」

理「いやもっと奥深くの所が、なんて言うか理事長に似てる気がするんだ」

士郎「理事長ってどこのだよ」

理「…」

凛「というか衛宮君、今セイバーの事何て?」

士郎「え?結城理って名乗ったから」

凛「あのねぇ、サーヴァントにとって真名がバレるのは命取りなの。名前がわかったら弱点も解っちゃうんだから。セイバーからもこのへっぽこマスターになんか言ってやりなさい」

理「え?呼び方なんてどうでもいいよ?」

凛「はぁ…マスターが半人前な上、サーヴァントも変わり者なのね」

イリヤ「ホントね、面白いわ」


凛「いつの間に!?」

イリヤ「こんばんわリン、シロウ。私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

凛「アインツベルン…やっぱりマスターね」

イリヤ「そうよ、じゃあ[ピーーー]ね」

バーサーカー「ーーー■■■■■!!」

イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー」

凛「アーチャー!!」

人修羅「…」

凛「衛宮君、逃げるか戦うかは自由だけど出来れば逃げて!」

士郎「なんで遠坂がそんなこと決めるんだ」

凛「アンタをここに連れ出したのは私なんだから、ここで死なれたら寝覚めが悪いじゃない」

凛「セイバー!マスターを死なせたくないならそのバカ引っ張って逃げなさい!」

理「死ぬ……」バッ

士郎「どうした!?理!おい!引っ張るなって」

凛「さて、アーチャー。行くわよ」

人修羅「…」

バーサーカー「ーーーー■■■■■!」ブンッ

人修羅「…!」グッ

【螺旋の蛇】

バーサーカー「■■■■■!」

凛「アーチャーの攻撃を受けても平然としてるなんて…」

イリヤ「もうおしまい?じゃあ殺っちゃいなさい、バーサーカー」

士郎「おい理、遠坂をおいて逃げるのか」

理「あの人とアーチャーなら、僕らより持つよ」

士郎「そうじゃなくて、俺達も加われば勝てるかもしれないだろ」

理「僕の役目はマスターである士郎を聖杯戦争に勝たせること。その為にはまず士郎を死なせないことが第一だ」

士郎「だからって遠坂達を見殺しにしていい事にはならないだろ」

理「あのバーサーカーのマスター、凛よりも士郎に向ける殺意の方が大きかった。戻ればまずサクッと殺しにかかられるよ」

ランサー「いや、戻るまでもなくここで倒れて貰うぜ、セイバーとそのマスターよぉ」

士郎「またお前か!」

ランサー「今度は手加減抜きだ。セイバー、さっきの決着をつけようぜ」

士郎「前門の虎で後門の狼ってわけか」

理「下がってて」

士郎「そんな、あっちは凛達に任せきりでこっちでは理にばかり戦わせられるなんてできるかよ」

理「いいから、なんの力もない士郎じゃあの槍一突きでおしまいだって」

士郎「例えそうだとしても、一緒に聖杯戦争を戦うって決めたんだ。仲間が戦ってるのに指をくわえて見てるだけなんて出来ない!」

ランサー「話し合いは済んだか?」

ランサー「早くしないと雇い主の気が変わっちまうかもしれないんでね、最初からクライマックスでいかせて貰うぜ」グッ

      ゲイ
ランサー「突き穿つーーーーー」

理「仲間…」

士郎「そうだ、まだ聖杯戦争なんてものには納得がいってないけど、理が俺を守るって言うなら俺だって理のためにできることがあるはずだ!」

理「そうだった…仲間ってそういうものだったね」ニコッ

【我は汝、汝は我、汝、ついに真実の絆を得たりーーー】
【ここに愚者の力はその最奥を開かれたり】

      ボルク
ランサー 「死翔の槍ーーーーーーー!!!」

理「スサノオ!!」パァン

【ブレイブザッパー】ガキィン

ランサー「ゲイボルクを真っ向から受け止めただと!!?」

理「オルフェウス!!」パァン

【真理の雷】ズガーン

ランサー「なんだよ、俺が最初の脱落者か…」

ランサー「だが、アンタと全力でやり合えて良かったぜ、セイバー…」スウゥ

士郎「消えた…倒したのか?」

理「…」バタッ

士郎「おいどうした!?理!」

理「……多分、魔力を使いすぎたんだと思う…」

使い魔「……」


凛「Gewicht, um zu Verdoppelungーーーー!」バッ

人修羅「…!」グッ

【破邪の光弾】

バーサーカー「ーーー■■■■■!!」グラッ

凛「これでも倒れないの!?ほんっっとに化け物ね」

イリヤ「もういいわ、バーサーカー。帰るわよ」

凛「な、帰るって何言ってるの!?」

イリヤ「面倒なことは最初に済まそうと思ったけど、面白そうだから後に回って意味よ」

イリヤ「漁夫の利を狙った狗も倒されたみたいだし、また出直すわ」

凛「なんとか生き延びはしたけど、問題は山積みね…」

人修羅「……」

士郎「あ、遠坂!無事か?」

凛「衛宮君、逃げなさいって言ったのになんで戻ってくるのよ」

士郎「理が大変なんだ、魔力の使いすぎって言ってたんだけど…」

遠坂「魔力の使いすぎって、逃げてたんじゃないの?」

士郎「ランサーに襲われたんだ。ランサーは理が倒したんだけどそのあとすぐ倒れて…」

凛「とりあえず、衛宮君の家まで運びましょう」

理「…?」ムクッ

士郎「おっ、目が覚めたか理」

理「あれ、ここは…」

士郎「家の中だよ、ランサーと戦った後、倒れたから運んできたんだ」

理「ごめん…」

士郎「謝るなって、俺だって二回もランサーから守ってもらったんだし」

理「…そうだね、士郎」

凛「あ、セイバー気がついたのね?」

理「あれ、凛も居るの?」

士郎「その事なんだが…」

凛「バーサーカーを倒すまで同盟を組もうって話なの」

士郎「俺と遠坂と、あとアーチャーも同意したから後は理がどう思うかだけど」

理「いいんじゃない」

士郎「さっぱりしてるなぁ」

凛「決まりね、バーサーカーを倒すまでの間よろしくね。衛宮君、セイバー」

理「結城理」

凛「へ?」

理「確かに聖杯戦争中はセイバーだけど、僕の真名は結城理だから」

凛「…そう、じゃあ改めて、よろしく、結城君」

【我は汝、汝は我、汝、新たなる絆を見出だしたり】
【絆はすなわち、まことを知る一歩なり】
【汝、魔術師のペルソナを使役せし時、我ら、汝に更なる祝福を与えん】

凛「それにしても……変ね、魔力の使いすぎで倒れたってわりには、セイバーの中の魔力はあまり減ってない…」

理「多分、元々魔力じゃなくて精神力を使うやり方だからだと思う」

凛「成る程、魔力は現界し続けるための消費だけで、あとは結城君自信が別のエネルギーで戦ってるのね。良かったじゃない衛宮君」

士郎「何が?」

凛「半人前の魔術師がマスターになったとき一番苦労するのは英霊を維持し続けるための魔力を出せるかどうかってことなんだけど、そういう意味ではエコロジーなサーヴァントで良かったわねって意味よ」

翌日

電話「ジリリリリン」ガチャ

大河「はーいもしもーし!藤村でーす!」

大河「…というわけで、お弁当つくって至急弓道場まで届けられたし!」

士郎「…は?」

士郎「なぁ、理が来てる制服ってどこの学校の制服なんだ?」

理「月光館学園のだけど…なんで?」

士郎「いやうちの学校学ランだから、その制服で中に入ると目立つかなって思ったんだ」

理「ふぅん」ドウデモイイ

美綴「いやぁー助かった。藤村先生空腹でテンション高くて困ってたんだよ」

士郎「藤村の弁当の有無くらい確認しとけよ」

美綴「私も疲れててさ」

士郎「慎二のことか、アイツ今日は?」

美綴「サボり。新しい女でも出来たかーと思ったけど、それにしちゃ昨日は大人しかったと言うか、げっそりしてる感じだったけどね」

士郎「げっそり?」

美綴「それより、表に居る子だれ?うちの制服じゃないよね?」

士郎「ああ、えーと。何て言うか」

理「…」

美綴「弓道に興味あるの?」

理「少し…知り合いに弓道部が居るけど、そう言えば弓道場には行ったことなかったなって思って」

美綴「へぇー、なんか雰囲気あるけど武道とかやってないの?」

理「学校では剣道部を」

美綴「どう?ちょっと見学してく?」

理「見てく…」ワレハナンジナンジハワレ

士郎「まいった、こりゃ長くなりそうだ…」



士郎「まさか部活終了まで居るとは…」

理「ごめん、つい」

士郎「ああ、いや、別に責めてるわけじゃないんだ、ただ…」

大河桜「「……」」



大河「ちょっと士郎、あの子誰なの?」

士郎「えーと、オヤジの知り合いでさ。しばらく泊まることになったんだ」

大河「切嗣さんの?んーじゃあ仕方ないか」

桜「あの、結城さんは剣道をなさってるんですよね?」

理「そうだけど?」

桜「藤村先生も剣道が得意なんです」

大河「五段よ五段。ふふーん」

士郎「理は剣道ってどれくらいやってるんだ?」

理「えーと、明王杯って大会で2位になったことがあるけど」

大河「嘘ぉー!?明王杯2位ってことは全国大会準優勝ってことじゃない!」

士郎「そうなのか?凄いんだな理」

大河「これは、帰ったら道場で腕試しと行きたいわねー」

大河「うーん、流石に全国大会レベルの子は強いなぁー、士郎とは大違い」

士郎「悪かったな、俺じゃ相手にならなくて」

桜「でも結城さん本当に強いですね。藤村先生とここまで渡り合える人はなかなかいないですよ」

大河「うちの学校じゃないのがもったいないなぁ」

大河「あ、そーだ。いいこと考えた!結城くん明日の予定は?」

理「特に決まってないけど…」

大河「そっかー、じゃあ明日の朝迎えに来るね」


凛「このところ、新都で頻発してる集団昏倒事件…」

ゴーレム「グガァァァァ!!」

人修羅「…!」バキィ

凛「ニュースではガス漏れ事故になってるけど、明らかにサーヴァントの仕業よね」ビシュゥ

ゴーレム「ギャイン!!」シュウウ…

凛「ご丁寧にゴーレムまで設置しちゃって」

人修羅「…!」バッ

【デスバウンド】ジャッ!

凛「片付いたわね…それにしてもこの人たちから吸われた魔力の行き先…」

凛「アーチャー、明日の夜は単独で柳洞寺を偵察してきて貰うわ」

大河「というわけで、転校生の結城理君でーす!はい拍手」

士郎「はぁあ!?なに考えてんだ藤姉ぇ」

大河「はい、自己紹介して」

理「結城理…です」ミリョクロクカリスマ

女子「クールでカッコいい……」

慎二「……ケッ」

一成「衛宮、昼飯に行くぞ」

士郎「ああ、すまない一成。今日は理の世話をしなきゃならないから食堂で済ませるんだ」

一成「転校生の?そう言えばお前の家に下宿してるんだってな」

士郎「それで校内の案内とか昼休みにするから、今日はちょっと」

一成「わかった」

葛木「柳洞はいるか?」

一成「あ、はい」

士郎「じゃあ行くか理」

士郎「で、この階段の先は屋上。この季節じゃ誰も居ないだろうけどな」ガチャ

凛「あら?衛宮君と結城君。なんで屋上に?というか、なんで学校に?」

士郎「そりゃ、学生なんだし学校くらい来るだろ。理は藤ね、…藤村先生が引っ張り込んだんだよ」

凛「あのねぇ、今あなたは聖杯戦争のマスターなのよ、学校なんか休みなさい。まあ、結城君と一緒なのは悪くないけど。これで結城君を置いて一人でのうのうと学校に来てたら私があなたを仕留めてたわよ」

士郎「そんなに言うなら、遠坂はなんで学校に来てるんだ?」

凛「学校内に私達以外のマスターが居る可能性が高いからよ」

士郎「学校内に!?」

凛「だからそいつを炙り出すために、そいつが仕掛けたらしい結界にちょっかいだして回ってるの」

凛「もうそろそろ痺れを切らすと思うんだけど」

士郎「一人で戦う気なのか?」

凛「アーチャーも居るし大丈夫よ」

凛「衛宮君こそ、バーサーカーとの戦う前にあっさり殺されちゃわないでね」

士郎「…」

夜中

???「おいで、おいで、おいで、おいで、おいで、」

士郎「ハッ、ここは、……柳洞寺?」

キャスター「目が覚めたかしら?」

士郎「誰だお前は!?」




理「…」ムクリ

理「…」ガラッ

理「士郎?」キョロキョロ

理「魔力の糸…あの山から」ダッ

士郎「キャスターのサーヴァントか…」

キャスター「そうよ、セイバーのマスターさん」

士郎「俺を殺す気か?」

キャスター「殺すなんて勿体ない。死んだら魔力を吸い上げられないじゃない」

キャスター「それよりも、その令呪。貰ってあげるわ」




理「士郎…」ダダダダダ

泣き黒子の少年『このままだと皆、死ぬよ』

ニット帽にPコートの男『…これでいい…』

上半身裸の男『死はもう避けられない…お分かりでしょう?』

理「……石段以外には結界がある」ダダダダ

アサシン「……」ザッ

理「誰だ」

アサシン「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎」

理「立ち塞がるってことは、そういう意味か」

アサシン「その通り、ここを通りたくば、押し通れ」

理「……タナトス」パァン

結城理コミュニティ取得状況

0愚者:セイバー陣営(MAX)
1魔術師:遠坂凛
2女教皇:藤村大河
3女帝:
4皇帝:柳洞一成
5法王:
6恋愛:間桐桜
7戦車:
8剛毅:美綴綾子
9隠者:
10運命:
11正義:衛宮士郎
12:刑死者:
13死神:
14節制:
15悪魔:アーチャー
16塔:
17星:(対象者死亡)
18月:
19太陽:
20審判:

人修羅
混沌・中庸
筋力B
耐久B
敏捷B
魔力C
幸運C
宝具B

宝具
二十五のマガタマ
ヤヒモノヒモロギ
王国のメノラー



結城理
中立・善
筋力C
耐久B
敏捷B
魔力A
幸運A
宝具B

宝具
聖杯ルシファー
召喚器

士郎「令呪を奪うだと?」

キャスター「そう、令呪を私のマスターに移植する。そしてセイバーには目障りなバーサーカーを倒して貰うとしましょう」

キャスター「令呪を剥がすと言うことは、あなたから魔術回路を引き抜くと言うことでもあるわ」クイッ

士郎「ぬうぅ」

キャスター「あら、以外と頑張る…」ヒュンヒュン

【ジャベリンレイン】ズガガガガ

キャスター「なっ、何事!?」

人修羅「……」

キャスター「アーチャーですって!?ええい、アサシンはなにをやっているの、使えないわね」

士郎「あ、動ける」

人修羅「……」ガッ ダッ

士郎「あ、おい。抱えなくたって自分で走れるって」

キャスター「くっ、忌々しい」シュビビビ

人修羅「……」サッサッサッ ポイッ

士郎「痛った、あ…山門。出口まで運んでくれたのか?」

人修羅「……」

士郎「そこまでまこ…セイバーが来てるから後はさっさと帰れって、お前はどうするんだ」

人修羅「……」

キャスター「逃がさないわ!!」シュビビビビビビビ

士郎「さっきの何倍も、あれじゃ避けきれない!」

人修羅「…………」

人修羅【ーーーー死の安らぎは等しく訪れる】

【血のアンダルシア】ズバババババババ

士郎「全部打ち消した!?」

アサシン「なんだ!?この威圧感は。この感覚、恐怖というよりもむしろ…」

タナトス「グガアアアア」

【五月雨斬り】ズバババババ

【ブレイブザッパー】ザァン

【亡者の嘆き】

アサシン「そんな、まさか、こうも簡単にやられるとは……」スウゥ…

理「…」ダッ

人修羅「……」

キャスター「いくらあなたでも、空間ごと固定されては動けないでしょう?」

人修羅「……」

キャスター「あら、なにか言ったのかしら?聞こえないわ」

???「死はふいに来る狩人にあらず」ヌッ

マタドール「もとより誰もが知る、生なるは死出の旅」

キャスター「いつの間に背後に!?」

マタドール「聖杯戦争とは最強たるものを決める戦い。貴殿はいささか力不足のようだ」チョウハツ

キャスター「なんですって」 コウゲキリョクガアガッタガボウギョリョクガオオハバニサガッタ

キャスター「食らえ、この骸骨人形が」ボバババ

マタドール「おや、これは失礼」ヒラリ

【赤のカポーテ】

マタドール「先ほどは急に喚ばれたので不完全な物を見せてしまった」カイヒトメイチュウガサイダイマデアガッタ

マタドール「今度こそ本物の死をお見せしよう」

【血のアンダルシア】

キャスター「キャアアアアアア!!」

マタドール「存外に狡猾な奴のようだ、今倒したのは影か…」

人修羅「……」

マタドール「また何かあれば喚ぶがよい」スウゥ

士郎「あ、理。本当に来てたんだな」

理「士郎、……良かった」

士郎「それより、上でアーチャーがキャスターと戦ってるんだ、手助けできないか?」

理「アーチャーが?」

人修羅「……」テクテク

士郎「あ、アーチャー。そっちも終わったのか?」

人修羅「……」

理「逃げられた?」

士郎「とにかく戻ろう。薄着で連れ出されたからめちゃくちゃ寒い」

理「見た目が一番寒そうなのはアーチャーだけど…」

人修羅「……」

臓硯「なんと、此度のセイバーは”死そのもの”を操るのか…」

臓硯「やはり今回の聖杯戦争には関わらん方がいいの」

臓硯「出来の悪い孫が参加しとるのが不安じゃが、アレが死んだところでどうと言うことはない」

臓硯「それにしても、死を操るなんて真似が出来るとはあのセイバー、一体真名はなんなのかのう」スゥ…


人修羅「……」


士郎「ああ、そうだ理」

理「何?」

士郎「ありがとな、すぐ助けに来てくれて」

理「結局良いところはアーチャーに持っていかれたけどね……」

士郎「でもアサシンを倒したんだろ、すごいじゃないか!」

理「あの時は夢中だったから、なんのペルソナを使ったかもよく覚えてないんだ……」

士郎「ペルソナかぁ、それって魔術とは違うんだろ?もしかしたら俺にも使えるかな?」

理「適正がない人を無理矢理覚醒させる研究があったみたいだけど、あんまり詳しいことは聞かない方がいいと思う」

士郎「そ、そうか。じゃあ、おやすみ、理」

理「おやすみ。あ、そうだ部屋の前にマジックミラーを置いておくけど気にしないで」

士郎「マジックミラー?鏡か?」

理「魔力を反射する鏡だから、もう今日みたいに外から魔力で干渉されることはなくなるはず」

士郎「そうなのか、ありがとな、色々と」

理「……じゃあ、おやすみ」

凛「アーチャー、戻ったの?」

人修羅「……」

凛「予定より時間もかかってるし、魔力も結構大きいの使ったでしょ?報告して貰うわよ」

人修羅「………………」

凛「柳洞寺はキャスターの神殿、山門を守っていたアサシンは結城君が既に倒して、キャスターのマスターは顔を見せなかった。魔力の消費はキャスターに殺されかけてた衛宮君を助けるため、か」

凛「キャスターのやつもバーサーカーを倒せる戦力を欲してるってわけね…」

凛「いずれにせよ、今日はたまたまアーチャーが行ったからよかったものの、衛宮君を放っておくと勝手に死なれかねないわね」

凛「しばらく拠点を移すことになりそうだわ」

人修羅「……」

凛「何よ!?ホントにそれだけの意味だってば、え?口許が緩んでる?嘘言わないでよ!!」

人修羅「……」

凛「もういい、明日は学校のマスター探しするんだから、寝るわ!!」

『ここからは自分で決めたことに責任をもって貰うってだけさ』

『時は全てのものを終わりへと運んでいく…たとえ耳と目を塞いでいても』

『死ぬってそんなに怖いこと?』

『我々は、特別課外活動部』

『タルタロスこそが、影時間を解き明かす鍵だ』

『あなた方は分かっていない。影時間を消すと言うことの意味を』

士郎「(これは夢……いや理の記憶か……)」

『12体のシャドウを倒すのは終わりじゃない、始まりなんだ。滅びのね』

『ニュクスが現れてすべては『滅び』を迎える、滅びは避けられないしニュクスを倒すことも出来ない…』

……………
…………
………
……

士郎「……はっ!?」

鼻の長い老人「ようこそ、ベルベットルームへ」

士郎「ベルベット…ルーム?」

老人「私の名はイゴール。以後お見知りおきを」

イゴール「ここは夢と現実、精神と物質の狭間にある場所」

イゴール「本来ならばなんらかの形で契約を果たされた方のみがいらっしゃる場所」

士郎「契約?した覚えないぞ、そんなの」

イゴール「ふむ、どうやらこの部屋の昔のお客人と交わした契約が貴方をここに導いたようだ」

イゴール「貴方は今、運命の節目にあり、選択を誤れば貴方の未来は閉ざされてしまうやもしれない」

イゴール「本来ならばそうならないように我々がお手伝いをさせていただくのですが、貴方はまだ力に目覚めるかどうかも不確定な様子」

イゴール「もしも再びお目にかかることがあれば力を呼び覚ますお手伝いをさせていただきます」

士郎「力ってのはペルソナの事か?」

イゴール「左様」

士郎「ってことは理もここに来てたのか」

イゴール「あのお客人は素晴らしい方でした。ベルベットルームへ訪れ、見事『命の答え』にたどり着いたのです」

士郎「命の答え?」

イゴール「あなた方魔術師の言葉で言うと『根源へ至った』といった風でしょうな」

士郎「まっとうな魔術師じゃないからそう言われてもピンと来ないな…」

イゴール「そして命の答えへと至った後、あの方の魂は大いなる封印にてニュクスを封印する楔となりました」

イゴール「こちらもまた、貴方がた魔術師の方々の言い方をしますと抑止力の一部となった。と言えますな」

士郎「それもわからないな…」

イゴール「貴方が魔術師として修練を積んでいけばわかるはずです」

イゴール「さて、あまりお引き留めするわけにもいきませんな」

士郎「はっ」ガバッ

士郎「夢……か?」

士郎「げ、9時!?遅刻だ!」

士郎「結局一時間目は間に合わなかったな」

士郎「理は待ってないで先に行ってよかったのに」

理「ワタシノイチバンノタイセツハアナタノソバニイルコトデアリマス」

士郎「ははっ、なんだそれ」

『私の一番の大切は、貴方の傍に居ること、であります』

士郎「(昨日の夢にも出てきたセリフ…やっぱり昔の仲間が懐かしかったりするのかなな)」

後藤「お、衛宮に結城。重役出勤だな。藤村先生怒ってたでござるよ」

士郎「あちゃー、やっぱりか」

後藤「葛木先生が休みで自習だったのに、藤村先生がきて、ほとんど課題のプリントが解けなかったでござる」

慎二「来てくれてウレシいよ、衛宮」ゲッソリ

士郎「慎二…」

慎二「やっぱりお前がいないとつまらないもんなぁ、ははへへははははは」

理「…」

士郎「あれ、どうした?食堂行かないのか?」

後藤「行きたくても行けんのだ、廊下を見てみるでござる」

凛「……」

後藤「待ち人来たらずというか、コミュニティが出来たのに放置しすぎてリバースしてる顔でござる」

凛「……」ツカツカツカ

士郎「へ?」ガシィ

理「なに?」ガシィ

凛「……」ズルズルズル

一成「何事だ?」

後藤「衛宮と結城が遠坂に拉致されたでござる…」

一成「なんだと!?」

士郎「おいどうしたんだ遠坂、屋上まで引っ張ってきて」

凛「アンタ遅刻とはいい度胸してるじゃない」

士郎「おいおい、休めとまで言ったのは遠坂じゃないか」

凛「今日は話があったから朝待ってたのに来なかったからよ」

士郎「あぁ、それは悪かった」

凛「なんで今日に限って遅刻なの?」

士郎「いやちょっと寝坊して…変な夢を見たせいと言うか…」

凛「変な夢?」

士郎「えーと、何て言えばいいのかな」グイッ

凛「ちょっと何すんのよ!?」

士郎「なぁ、サーヴァントの記憶を夢て見るってこと、あると思うか?」ヒソヒソ

凛「え、ああ。そう言うことね」チラッ

理「…?」ポツネン

凛「あるわよ、勿論。衛宮君と結城君は魔力の提供とかで繋がってるから」ヒソヒソ

士郎「そうか…」

凛「なに?なんか変なもの見ちゃったの?」

士郎「いや、普通に理が命の答え…魔術師の言葉で言うと根源へ至るまでの記憶っていうのか?その一部を」

凛「は!?根源に?」

士郎「なに驚いてるんだ?」

凛「そりゃ驚くわよ。いい?魔術師にとって根源へ至るって言うのはね、何代にも渡って魔術を継承して、進歩させて、それでも片手で数えられるほどの魔術師しか到達しえない神秘中の神秘なのよ?」

士郎「そうだったのか…」

凛「セイバーのサーヴァント、結城理。一体何者なの?」

理「…?」シャカシャカ

凛「で、衛宮君。ここまで呼んだ理由なんだけどね」

士郎「ああ、そうだったな」

凛「私、今日から貴方の家に厄介になるから」

士郎「はあぁ!?なんで?」

凛「危なっかし過ぎるんだもの。衛宮君、アーチャーから昨日の事しっかり聞いたからね」

士郎「な、なんの事かな…?」

凛「とぼけないの、まんまとキャスターの魔術にかかって、あっさり柳洞寺まで連れ出されたの知ってるんだから」

士郎「いや、それは理に対策してもらったし…」

凛「だめよ、キャスターの魔術だけじゃなくて他にも結界とか張らなきゃまたいつどのサーヴァントが侵入するかわからないでしょ」

凛「とにかく、放課後荷物をもって行くから、分かったわね?」

士郎「おいおい、理もなんかいってやってくれよ」

理「良いんじゃない?」

士郎「そんな」

理「S.E.E.Sも女子はいたけど全員同じ寮で生活してたし」

士郎「あー、もうわかったよ俺に拒否権はないんだろ、この流れは…」

凛「あとはキャスターのマスターの特定が課題ね」

士郎「キャスターの?」

凛「アーチャーが言うにはキャスター自身を倒すよりもマスターを消す方が簡単だって」

士郎「消すってちょっと待てよ、キャスターのマスターはキャスターがやってることを知らないかもしれないだろ。話し合う余地もあるかもしれないじゃないか」

凛「聖杯戦争に参加してる時点で問答無用よ」

士郎「いや、でもホラ。キャスターの事だしもしかしたらマスターを逆に操ってるとか」

凛「確かに、その可能性もあるわね」

士郎「そうだろ」

凛「とにかく、キャスターのマスターを特定しないとね」

士郎「心当たりとかあるのか?」

凛「無いから困ってるのよ」

理「今日教室で笑ってた人は?」

士郎「慎二の事か?」

凛「間桐君?うーん、マスターではあるみたいだけど…。アイツはプライド高そうだし、キャスターと相性悪そうよね」

士郎「ちょっと待て、慎二がマスターってどういうことだよ」

凛「今朝ね、衛宮君を待ってるときに話しかけてきて、『やぁ遠坂、僕もマスターなんだ、協力しないか?』って」

士郎「成り行きはわかったよ、でもアイツが魔術師なんて…」

凛「ああ、衛宮君は知らないんだっけ。間桐の家は元々魔術師の家系なの」

士郎「そうだったのか」

凛「何代も前から魔術師としての力を失いつつあって、慎二も魔術師としての才能はゼロだって話だから、聖杯戦争に参加してくるわけないと踏んでたんだけど、外れたわ」

士郎「それで、慎二にはなんて答えたんだよ?」

凛「あら?そこが気になる?」ニヤァ

士郎「な、なんだよ…そりゃ、同盟相手が他からも誘われてたら気になるだろ」シドロモドロ

凛「へぇー、衛宮君は私が衛宮君を捨てて間桐君を取るかもーとか考えて焦ってるのね」ニタニタ

慎二「ライダー、結界を使うぞ」

ライダー「ヘッ、ようやく大暴れ出来るな、待ちかねたぞ慎二」

ライダー「今日はどういうわけかあの目障りなキャスターの監視がねぇからな。魂を思いっきり喰らってこんな戦いあっという間に終わらせてやらぁ」

凛「安心しなさい、間桐君の誘いは断ったから」

士郎「そうなのか」ホッ

凛「私にはもう衛宮君がいるから、間桐君は要らないのー。ってね」

士郎「あー、それでアイツ、様子がおかしかったのか」

士郎「って、ちょっと待てよ。キャスターのマスターじゃないにしろ、慎二が逆上して無茶をやるかもしれないじゃないか」

バァォァァァ!!!!

凛「これは!?学校に仕掛けられてた魂食いの結界。キャスターのじゃなかったの!?」

士郎「今朝の様子と今の話じゃ、慎二の可能性が高いな」

凛「とにかく、結界を止めに行かないと」ダッ

士郎「大丈夫、気を失って衰弱もしてるけどまだみんな息はある」

凛「衛宮君、冷静なのね」

士郎「冷静なもんか、慎二を殴ってでも止めさせないと」

理「…!?サーヴァントの気配が近づいてる」

凛「アーチャー!」

人修羅「…」バァァ

理「アーチャー…居たの?」

凛「そりゃ連れてきてないわけないでしょ」

ライダー「ほぅ、俺様のために二人も集まってくれるとは」

凛「ライダーのサーヴァント!」

ライダー「おう!俺様がライダーのサーヴァント、斉天大聖様だ!」

士郎「斉天大聖?なんだそれ」

ライダー「おうおう、小僧!俺様を知らねぇとは言わせねぇぜ!!」

凛「斉天大聖ってのは孫悟空の別名よ」

士郎「孫悟空って、西遊記のか!?」

ライダー「どうだ!驚いたか!」

凛「どっちかっていうと初めて対峙する相手にいきなり真名を名乗ることに驚いたわ」

人修羅「…」

凛「そうね、どんなヤツが相手だろうと倒して進まなきゃ、みんなの命が掛かってるんだから」

ライダー「俺様を倒すだと?そいつは無理だな」

理「やってみなきゃわからないよ」チャキ

理「ナタタイシ!」

【金剛発破】バァン

ライダー「無駄無駄ぁ!」[BLOCK]

理「傷一つつかない…」

人修羅「…!」

【万里の望遠鏡】

人修羅「……」

凛「…そう、わかった。セイバー!アーチャーがそいつは物理攻撃を無効化するスキルがあるって!」

理「物理攻撃が?なら」チャキ

ライダー「物理がだめなら魔術、まあ、そうだよな」ニタニタ

理「ランダ!」パァン

【アギダイン】プスン

理「あれ?」

ライダー「フハハハハハハハハ、物理がだめなら魔術。そう考えるやつばかりだからな、この結界を慎二に準備させたのさ」

凛「魂食いの結界にまだ秘密があるっての?」

ライダー「フフフ、魔力を吸い上げ続けるこの血の要塞の中ならば攻撃のために術者のからだから放たれた魔力を、到達する前に吸い尽くす。俺様を傷つけることは出来ないのさ」

理「パールヴァティ!」パァン!

【ブフダイン】プスン

理「ダメだ、届かない」

ライダー「どうした?今度はこっちから行くぞ!!」ブンッッ

【八相発破】バシィ

理「ぐぅ」ビタン

士郎「理!!」

凛「くっ、この!!」ガンドバシバシ

ライダー「ハハッハハ、効かない効かない。そんな攻撃では俺様は傷つかないぜ」

凛「士郎、セイバー!ここでライダーを抑えてて貰えない?」

士郎「なんか手があるのか?遠坂」

凛「一階に回り込んで慎二に結界を止めさせれば攻撃できるでしょ」

士郎「そういう事か。わかった!!」

凛「先に結界を止めれば…」ダッ

ライダー「させるかよ!!」

【八相発破】バシィ

人修羅「……!」ガキィ

凛「アーチャー!?」

人修羅「……」[マロガレを飲み込んだ]

ライダー「ハハッ、アーチャーだと?弓兵が前に出てくるとはいい度胸じゃねえか」

人修羅「…!」グッ

【アイアンクロウ】ズシャ!

凛「そいつに直接攻撃は効かな…」

【貫通】

ライダー「なんだと!!この俺様が傷を…!?」

人修羅「……」

凛「…わかった、アーチャー。士郎!ここは私とアーチャーが引き受けるから二人は間桐君を!」

士郎「分かった!」ダッ

理「うん」ダッ

ライダー「おめぇ、傷をつけたくらいで俺に勝った気でいるんじゃねえだろうな?」

人修羅「……」

凛「なら望み通り、アンタをブッ倒した後で勝った気にならせてもらうわ」

凛「Gewicht, um zu Verdoppelung!」バッ

ライダー「そんな魔術…何ぃ!」

凛「宝石に込めてある濃密な魔力なら、吸い尽くされる前にアンタに届く!」

人修羅「…!」

【ゼロス・ビート】[貫通]

ライダー「ぐふぅ!!?」

凛「効いてるわ!」

ライダー「このままじゃヤバイな…」

理「結界の出所はあそこのはず!」

士郎「化学実験室か」バァン

慎二「な、衛宮!なんでここに。クソッ、ライダーのやつ何をやってるんだ」

士郎「慎二!結界を止めろ」

慎二「ふざけるな!そんなことしたら殺されるだろ!ライダー!どうした、ライダー!どこにいる!!戻ってきて僕を守れ!!」キュイイイイン

理「…令呪だ!」

ライダー「ふぅ、ナイスタイミングだ慎二。こっちもヤバイところだったぜ」

理「ライダー!」

ライダー「こっちはセイバーか、とにかくあのアーチャーはやべぇ、合流される前にやっちまわねぇとな」

慎二「ああそうだライダー!士郎とそのサーヴァントなんかやっちまえ!!」キュイイイイイン

士郎「あいつ、また令呪を!」

ライダー「お、こいつぁいい魔力供給だ。今日は冴えてるじゃねえか慎二。行くぜオラァ!!」バァン

【八相発破】

理「くっ」スンゼデカワシタ

ライダー「ハハッ、いつまで避けてられるかな?」

士郎「理!」

理「…士郎」ゴニョゴニョ

慎二「ははハハッハハ、どんな作戦を立てたってむだ無駄だぁ!殺れ、ライダー!」

理「行くよ!」ダッ

士郎「おう」ダッ

ライダー「逃げた?いや、アーチャーとそのマスターと合流する気か。そうはさせねーぜ」フッ ボワワワン

ライダー「分身たちよ!セイバーを追い詰めろ!」

理「分身して追ってきてる」

士郎「まずい、反対からも来てる」

理「窓から外にでよう!」

ライダー「ほう、校庭に追い立てたか、よくやった我が分身たち。あとはアーチャーに向かって時間を稼げ」

慎二「衛宮が袋の鼠かいい気味だ。ハハハ」

ライダー「じゃあ、ちょっくら行ってくるから、ここで待ってな。筋斗雲!」ビューン

理「来た!」

士郎「あれは筋斗雲か、それでライダーのサーヴァントってわけだ」

ライダー「よぉ。残念だったな、アーチャーと合流できなくて」

理「いいや、予定通りだよ」

ライダー「ああん!?」

士郎「衛宮士郎の名の下に令呪を以って結城理に命ずる、全力の一撃でライダーを撃破しろ!」キュイイイイン

理「サタン!」パァン

【ハルマゲドン】ズゴゴゴゴゴゴ

ライダー「何だ!?この圧力!」バリバリバリバリ





凛「ええいもう!分身だらけで先に進めないじゃない!」

人修羅「……」ドカッバキッ

バリバリバリバリ

凛「何!?この衝撃!」

分身ライダー「ぬわーーーーーーー!」スウゥ…

凛「消えた…本体が倒されたってこと?」

ライダー「おいおい、せっかく現世で大暴れ出来る機会だってのに、…もう、終わりかよ……」スウゥ…

パァアアアアアアア

士郎「結界が消えてく」

理「マスターじゃなくてライダーの方が結界の維持を担ってたのか」




凛「結界が消えたわね」ガラガラ

慎二「うぁ!と、遠坂…」

凛「さぁて、間桐君?随分好き勝手暴れてくれたわね」ニコォ

慎二「ひ、ひぃい!」ダット

凛「呆れた、逃げ足は早いのね」

士郎「遠坂、慎二はどうした」

凛「逃げてったわ。もうサーヴァントは居ないし、アイツ自身は欠片も才能はないし、放っといていいんじゃない?」

士郎「そうか、でこれどこに連絡すればいいんだろうな、消防とか救急とか?」

凛「教会に連絡すれば綺麗が揉み消しも含めてやってくれるわ。たまには仕事させないと」

士郎「そうか、なら職員室の電話を借りよう」テクテク

救急隊員「君達三人は特に体がだるいとかそう言うことは無いんだね?」

士郎「はい、平気です」

救急隊員「なら、後は我々に任せて家に帰りなさい。なにか体に異常があったら、すぐに病院に行くんだよ」

凛「じゃあ衛宮君、準備したらあなたの家に行くから、それまではしっかりほかのサーヴァントに警戒するのよ」

士郎「そういえばそんな話になってたな…」

凛「残るサーヴァントは四騎、その中でマスターが別格に弱い上に毎日律儀に学校に行ってるんだから、もっと狙われておかしくないんだからね」

理「バーサーカーのマスターは士郎に特別に敵意があるみたいだし、いつきてもおかしくはないね」

士郎「ああ。そういえば理、さっきあれだけの魔術を使ったのに平気なんだな。この間はデカイ魔術を使ったあと倒れたのに」

理「さっきは令呪でブーストしてもらったから思ったより消費してないよ」

士郎「そうか、よかった」

士郎「さて、遠坂が来るなら冷蔵庫の食材を買い足しておかないとな」

理「買い物?」

士郎「ああ、ちょっと商店街まで」

理「じゃあ護衛を…」

士郎「いや、今日は戦いの後で疲れてるだろ?休んでろって」

理「それを言うなら士郎だって疲れてるよ」

士郎「いや、さっきの戦いでもほとんど理が戦っただろ、食事の準備くらいさせてくれよ」

理「……わかった、何かあったら令呪を使ってた呼んで」

士郎「ちょっと多目に買ってくか、理のやつ見かけによらず結構食えるみたいだし」

士郎「主菜は魚だから...」クイクイ

士郎「ん?」

イリヤ「へへー」ニパッ

士郎「ば、バーサーカーのマスター!?」

イリヤ「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよ、イリヤでいいわシロウ」

士郎「なんで俺の名前を...それより、こんな街中でやりあう気か?」

イリヤ「いいえ、そんな無作法な真似をするには三流以下のクズだけよ。三流程度でもそんなことをしないだけのプライドはあるわよ」

士郎「じゃあ何しに...」

イリヤ「あなたに会いに来たのよシロウ。殺す前にね」

士郎「殺すって、聖杯戦争はそこまですることじゃないはずだろ」

イリヤ「いいえ、私はマスターとしてシロウを殺すために来たのよ。もういないキリツグの分も一緒にね」

イリヤ「でも、実際に話してみてちょっと気が変わったわ。私のものになればシロウの命だけは助けてあげるよ?」

士郎「なにいってるんだよ…」

イリヤ「あ、バーサーカーが起きちゃったみたい、戻らないと。じゃあねシロウ」

士郎「あ、おい。…行っちまった。何だったんだ?」

士郎「ただいま」

理「おかえり」

士郎「遠坂達はまだ来てないのか?じゃあ先に夕飯の支度をするか」ピンポーン

士郎「お、噂をすればだな」




凛「お邪魔するわ」ドサッ

士郎「大荷物だな、持とうか?」

凛「いいわよ、それよりどこの部屋を使えばいいの?」

士郎「ああ、離れを一部屋掃除しておいたから、そこを使ってくれ」

士郎「はぁ、まさか遠坂が家に泊まる日が来るなんてなぁ…」トントングツグツ

理「士郎、顔赤いよ?」ヒョコ

士郎「うわっ!?きっ、気のせいだって」

理「ふぅん」

士郎「遠坂ー、夕飯出来たぞー」

凛「わかった、すぐ行くわ」


理「いただきます」モグモグ

凛「いただきます」モグモグ

凛「嘘っ!?衛宮君ってこんなに料理上手だったの?」

士郎「そりゃ、ずっと自分で作ってるからな」

大河「たっだいまー!士郎、夕飯出来てるの!?」

士郎「お帰り―、出来てるぞ」

大河「いっただきまーす!」

士郎「藤姉ぇも今日病院行ったんだろ?大丈夫なのか?」

大河「それがさぁ、『藤村先生は極めて健康ですから、献血でもしていったらどうですか?』だって、失礼しちゃうわ」

凛「面白いことを言う先生ですね」ニコォ

士郎「それで原因とかってわかったのか?」

大河「それがー、化学実験室の薬品がどうとかで、ハッキリとは説明しないのよね。校庭にも変な穴が開いてたのに…」

凛「でも、大事に至った生徒がいないのが幸いですね」

大河「まあ、それがなによりだけどー…」

大河「な」

士郎「どうした?藤姉ぇ」

大河「な…」

理「…?」

大河「ってなんで遠坂さんがいるのーーーーー!!!!!!!!?」

士郎「なんでって、そりゃあ…」

理「…」

士郎「えーっと…」

凛「お邪魔してまーす」

大河「お邪魔してますじゃないわよ!こんな時間に何やってるの」

凛「私の家が水道の工事でしばらくホテル暮らしになるところだったのを衛宮君が泊めてくれるって言うので」

大河「士郎!女の子をホイホイ拾ってきちゃダメよ」

士郎「いや、そんな犬みたいな感じじゃないし…」

凛「藤村先生の意見もごもっともです。ですが考えてもみてください……」アカイアクマノモウコウ

慎二「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、…ここか、脱落したマスターを保護する教会ってのは…」ギイィ

言峰「戦いが始まってから、ここに足を運んだのは君が初めてだ」

言峰「では少年、君は戦いを放棄するんだな?」

慎二「当たり前だろ!サーヴァントが居なきゃ一方的に殺られるだけだ。何だよ!何か文句があるのか!?」

言峰「いや、君は聖杯戦争始まって以来の教会の利用者だ。丁重にもてなそう」

慎二「何だよそれ…リタイアしたのは俺一人ってか、ああぁ、こんなこと爺さんに知られたらなんていわれるか…」

慎二「そうだ!サーヴァントが悪いんだ。ライダーなんてカスを押しつけやがって!」

言峰「ではライダーは役に立たなかったか?」

慎二「そうだ。サーヴァントの質の問題なんだ!それをあいつら勝ち誇りやがって!しかもニ対一だぞ!」

慎二「くそ!くそ!くそ!くそぉおおおおおお!」

言峰「つまり、まだ君には戦う意思があるんだな?」

慎二「は?」

言峰「君は運がいい。丁度今、暇を持て余してるサーヴァントが居てね…」

士郎「藤姉ぇも泊まってくのかよ…」

大河「士郎今日寝坊したでしょ?明日は私がちゃーんと起こすからね!!」プンスコ

士郎「はいはい、じゃあおやすみ」

凛「じゃあ私も寝るわ、おやすみなさい衛宮君」


士郎「さて、皆寝たし日課の鍛錬を」カチッ カチッ カチッ パリン ゴーン

士郎「え…?なんだこれ?」

士郎「電気も点かないし、時計も止まってる…」

士郎「他のマスターからの攻撃か!?」

士郎「遠坂っ!」ダッ


士郎「これは、棺桶?どうなってんだ、一体…」

士郎「なんか空も月も変な色だし…なんなんだ…」

理「これは影時間だよ」

士郎「理!?知ってるのか?これ、おかしいだろ」

理「おかしくはないよ。影時間は昨日までも普通にあったし」

士郎「その影時間ってのはなんだ…?」

理「一日と一日の間にある隠された時間…かな。普通の人間は棺桶見たいな形に象徴化して、この時間があることを知らない」

士郎「この時間は世界中皆こうなってるってのか?」

理「昨日までは士郎もね」

士郎「なんで理はそうなってないんだ?」

理「詳しいことは自分でもわからないけどペルソナ能力がある人は影時間を見ることができる…あれ?影時間を見ることが出来る人の一部がペルソナ能力に覚醒するんだったかな?」

士郎「どっちにしろペルソナ能力のおかげってことか…ん?じゃあ俺はなんで…」

理「適性が有るんじゃないの?詳しい調べ方とかはわからないけど」


理「順平に聞いた話だと、初めての影時間はもっと記憶の混乱とかが起こるはずなんだけど、まあ順平の話だし」

士郎「なぁ、理。そう言えば聞いてなかったよな」

理「なにを?」

士郎「理が聖杯に喚ばれて聖杯戦争に参加した理由を」

理「今聞くの?」

士郎「味方とはいえ、遠坂達には聞かれたくないかなって思って」

理「あんまり気にしないけど…そう言えば士郎はどうして聖杯を?」

士郎「俺はただ悪いマスターに聖杯がわたらないように戦いに参加しただけだよ、特に願うことなんかない」

理「…僕は」ニャモモモモ

士郎「おい!庭になんか居るぞ!?」

理「シャドウだ!」

士郎「あれがシャドウ…」

理「とりあえず倒しておこう」

士郎「どうやって?」

理「いつも通り。ジャックフロスト!」パァン

ジャックフロスト「ヒーホー!」

【ブフ】

シャドウ「ギャース」[weak]

シャドウ「…」スウゥ

士郎「消えた?」

理「はい、終わり」

士郎「あっけないな」

理「聖杯戦争みたいに一戦一戦が命懸けってほどじゃないからね。いいトレーニングになるって言ってる先輩もいたし」

理「そろそろ影時間が空けるかな」

士郎「理はいつもこの時間を一人で過ごしてるのか?」

士郎「誰もいない世界で一人って辛いだろ…」

理「普通に寝てるよ?」

士郎「そうか…」

凛「…zzz」スースー



『今のまま老いた世界を生きながらえさせてもやがて力を失ってしまう…世界はまた生まれてくるため、死んでいかなければならない』

『お前の心には何もない。コトワリの芽生えすら無いそれでは世界を創造するものとは成り得ない』

『貴方は悪魔となったのです、坊ちゃまはいつも見ておられます』

『“東京受胎”…本当に起きたのかもしれん』

『あたしが仲魔になって、一緒に探してあげようか?』

『人は安易なぬくもりに依存し、全てを灰に帰す破壊者の本能に目を背けてきた』

『世界はもう不要な存在を求めてないのよ。私は創ろうと思う、強いもの優秀なものだけによって築かれた楽園を』

『数多の力が己が世界を創らんとしておる。それを知らずして汝の世界は在らず』

『俺以上に世界を知ってる奴はいないんだ!だから俺がやるべきなんだよ、世界を創りだすのは俺なんだ!』

『これが俺の神だ、すげぇだろ。もうすぐムスビの世界が出来るんだ。誰も干渉しあわない新しい幸せの世界がね』

『私にはできなかったけど、あなたなら、自分の意志で進めると思う、創世のための最後の場所へ。あなたの望む自由な世界もできるはずよ』

凛「夢…?これは…アーチャーの記憶…?」

『あの御方は光と闇の勢力の無限の戦いを終わらせることをその名に誓いました』

『己が意を継ぐ混沌の悪魔を創り出し、光の勢力との終の戦いに挑む決意をなされたのです』

『死に挑み、死を超えることで悪魔の滅ぼし滅ぶ力の結晶となることが出来る』

凛「…...なにこれ?創世って言うのはどうなったの?」

『我はあの堕天使の企みを、新たな悪魔の誕生を見過ごすことはできない。人に非ず闇に傾き生きるものよ、今こそ神の怒りを受けよ!!』

『最強の光の刺客すら跳ね除けた貴方は、まさにわれらが待ち望んだ悪魔』

『創世を企む人間や、創世の源たるカグツチを討ち、その身に更なる力を宿しなさい』

『今、その心も悪魔へと生まれ変わるのです』

『そういえばあんた、そこの病室で生まれたっけなぁ。二度目の誕生だな』

凛「…二度生まれた悪魔って、そういう事なのね」

『新たなる世界への道は潰えた…一匹の悪魔の手にかかって。我は恨みをおくぞ。世界を死に至らしめたお前の存在を』

『全ての闇が裁かれる決戦の時、お前もその裁きの炎から逃れるすべはない。お前は永遠に呪われる道を選んだのだ!!』

凛「…世界の死」

『創り変えられるはずだった世界と引き換えに生まれたのは、混沌を支配し死の上に死を築いてきた闇の力』

『時が来たのだ!集え、そして行こう!我らが真の敵の所へ』




凛「…」ガバッ

凛「夢…じゃなくてやっぱり。アーチャーの過去」

凛「…ってもうお昼じゃない!」


凛「衛宮君ー!あれ……居ない?」

大河「じゃあ、臨時休校だからって、ふらふら遊び回ったりしないこと。最近物騒なんだからね。じゃ、いってきまーす」ブォン

士郎「遊び回るなとは言われたけど、昨日藤姉ぇが荒れたせいで冷蔵庫空だしな…まぁ、買い物くらいいいか」



士郎「理、ちょっと買い物行ってくるな」ガラガラ


理「……zzz」ウトウト

士郎「今日の夕飯はどうしようか…」クイクイ

士郎「…ん?」

イリヤ「ふふふ」ニパァ

士郎「イリヤか」

イリヤ「イリヤか、じゃないわよ。シロウったらーオンナゴコロがわからないんだから」

士郎「じゃあ、何て言えばよかったんだよ?」

イリヤ「そうね、“ずーっと一緒にいて”とか」

士郎「え、...か、体が動かな……」

イリヤ「“じゃあ私の家に招待してあげるね”」

士郎「あ…れ……」バタッ

愚者:セイバー陣営(max)
魔術師:遠坂凛
女教皇:藤村大河
女帝:(出会ってはいるが敵対関係のため未発生)
皇帝:柳洞一成
法皇:氷室鐘
恋愛:間桐桜
戦車:蒔寺楓
剛毅:美綴綾子
隠者:(未発生のまま対象者死亡)
運命:(登場してはいるが理と面識がないため未発生)
正義:衛宮士郎(max)
刑死者:(出会ってはいるが敵対関係のため未発生)
死神:(登場してはいるが面識がないため未発生)
節制:三枝由紀香
悪魔:アーチャー
塔:(未発生のまま対象者死亡)
星:(未発生のまま対象者死亡)
月:(出会ってはいるが敵対関係のため未発生)
太陽:(登場してはいるが面識がないため未発生)
審判:(出会ってはいるが友好的な関係でないため未発生)

士郎「(あれ、ここは。何が起きてどうなったんだっけ…)」

イリヤ「あ、シロウ起きた。…まだ体動かない?そろそろ声くらい出せるでしょ」

士郎「ああ、喋れるな。ついでに自分が縛られて椅子に座らせられてるってのもわかるくらい意識もはっきりしてる」

イリヤ「不満なの?本当なら捕まえた敵は地下牢に入れるんだけど、特別に私の部屋に入れてあげてるんだから」

士郎「なんで連れてきたんだ?俺をやるならあの時すぐに出来ただろ」

イリヤ「私はシロウを殺す気なんかないよ?他のマスターはともかく、シロウは特別」

イリヤ「だから、もう一度だけ聞いてあげるね?シロウ、私のものになりなさい」


士郎「それは出来ない。俺は理と最後まで戦うって決めたんだ」

イリヤ「そう。…貴方まで私を裏切るのね、シロウ」

イリヤ「まってなさい、すぐに用を済ませてくるわ」

士郎「何を…」

イリヤ「セイバーと凛を殺しにいくの。二人が居なくなればシロウも少しは後悔するでしょ」スタスタ

士郎「何とか縄は解けたな」フラフラ

士郎「足音!?見張りか…」ギイィ

理「動くな!…って士郎」

士郎「理、どうしてここに」

凛「助けにきたに決まってるでしょ」

士郎「遠坂!?どうして俺が捕まってるって」

凛「どうしてもこうしてもないわよ。聖杯戦争も佳境なのに一人で出歩くなんて何考えてるの?」

理「凛、処刑は後回しにしてあげて。バーサーカーのマスターが戻る前に撤退しよう」

凛「そうね、急ぎましょう」

凛「出口よ、城から出たら一気に森を抜けて」

「なぁんだ、もう帰っちゃうの?」

凛「イリヤス…フィール……」

イリヤ「来てくれてうれしいわリン」

バーサーカー「■■■■■■!!!」

イリヤ「それじゃはじめよっか、バーサーカー」

人修羅「……」

凛「アーチャー!?」

人修羅「…!」

【地母の晩餐】ゴゴゴゴゴゴ

士郎「フロアが割れた!?」

イリヤ「攻撃と見せかけて、貴方とリンたちを分断したのね…それで?貴方は囮ってわけ」

人修羅「……」

凛「アーチャー、どういうつもり!?」

人修羅「……」

凛「そう、わかった。行くわよ衛宮君、セイバー」

士郎「遠坂…」

凛「いいから走る!時間を無駄にしたら死ぬわよ!」ダッ

人修羅「……」

イリヤ「捨て駒なんて無意味なことをするのね、やっちゃいなさい、バーサーカー」

バーサーカー「ーーーーー■■■■■■!!!」

人修羅「……」

イリヤ「最後に何か命乞いの言葉があれば聞いてあげるわ」

人修羅【―――――漠たる死に安らぎなし 曲折の果てに某は訪れん】

イリヤ「…ただで死ぬ気はないってわけ?」

人修羅【―――――人に非ずとも、悪魔に非ずとも】

人修羅【―――――我が意思の赴くまま】フォオオオオオオオオン

イリヤ「これは…固有結界!?」

マタドール「如何にも。ここは結界の中」

イリヤ「アーチャーはどこへ行ったの?」

マタドール「九重に張られた結界のさらに外側に」

イリヤ「なら通してもらおうかしら」

バーサーカー「-----■■■■■■■■■■!!」

マタドール「只で通す訳には行かぬ。一つの結界から出る度に、あなた方の命を一つ頂く」

イリヤ「やってみなさいよ!バーサーカー、返り討ちにしなさい」

人修羅「……」

イリヤ「捨て駒なんて無意味なことをするのね、やっちゃいなさい、バーサーカー」

バーサーカー「ーーーーー■■■■■■!!!」

人修羅「……」

イリヤ「最後に何か命乞いの言葉があれば聞いてあげるわ」

人修羅【―――――漠たる死に安らぎなし 曲折の果てに某は訪れん】[王国のメノラーの火が激しく揺れている]

イリヤ「…ただで死ぬ気はないってわけ?」

人修羅【―――――人に非ずとも、悪魔に非ずとも】[とてつもなく恐ろしい悪魔の気配がする]

人修羅【―――――我が意思の赴くまま】フォオオオオオオオオン

士郎「なあ遠坂、アーチャー大丈夫なのか?」

凛「そんなわけないでしょ。とにかく森の外に向かって走って、追いつかれたらそれでアーチャーの犠牲は無駄になるんだから」

理「…」

バーサーカー「-----■■■■■■■■■■!!!!!!」

だいそうじょう「受け取られい、我が死の救いを」

【煩悩即菩提】

バーサーカー「■■■」ゴバァ

イリヤ「バーサーカー!?」

士郎「うわっ」ズザザ

理「士郎!?」

凛「やっぱり誘拐された時の魔術の影響で動きづらいのね」

士郎「大丈夫だ、まだ走れる」

凛「来るとき、この先に廃墟があるのを見たわ、そこでちょっと休みなさい」

士郎「そんなことしてたら追いつかれるだろ」

凛「足手まといになられるよりマシよ」

トランぺッター「聞けい!黄泉がやって来たわっ!!」

【魔録のラッパ】

バーサーカー「■■■■!!」

バーサーカー「■■■」フッカツ

イリヤ「結界がようやく消えた…」パアァ

イリヤ「あんなやつの結界で九個も消費するなんて。手を抜いてたんじゃ無いでしょうね!?」

凛「私とセイバーで交代で見張るから、衛宮君は…」カチッ カチッ カチッ パリン ゴーン

士郎「影時間…もうそんなに夜遅かったのか」

理「初めて影時間をありがたいと思ったよ。とりあえず休んでて」

士郎「なぁ、理。ペルソナ能力ってどうやって発動させてるんだ?」

理「どうやってって…僕はもう当たり前のように使ってるけど…。初めてペルソナを発見する時は、その人のトラウマを元に発見するって聞いたかな」

士郎「トラウマ…」

理「あと、召喚器がピストル型なのは、死をイメージしてトラウマを想起しやすくさせるためだって」

『良かった…一人でも助けられて……ありがとう』

士郎「…」

理「そろそろ影時間が空ける。士郎、動ける?」

士郎「ああ、もう大丈夫だ」スウゥ パアァ

凛「…休んでて、動けるようになっても夜のうちは体力回復に努めてちょうだい」

士郎「いや、大丈夫。十分休んだから」

凛「は?何言ってるの」

理「大丈夫、士郎は十分回復してるよ。先を急ごう」

凛「結城君まで…まあいいわ。そのかわり、ちょっと作戦を立てましょう」

士郎「作戦?」

凛「イリヤスフィールがこのまま森を出してくれるわけがないわ、だからもしバーサーカーと戦闘になったときのことを考えておいた方がいいと思うの」

凛「バーサーカー相手なら、溜め込んでた宝石の魔力を全部使っても惜しくないわ」

理「ライダーとやった時の令呪でブーストしたハルマゲドンをもう一回使うのもいいかもしれない」

凛「そうね、森の中で戦闘になったらまず結城君にバーサーカーを相手してもらって、隙をついて私が宝石を使うわ。それで怯ませることが出来ればその間に衛宮君が令呪を使うの」

士郎「…」

理「その作戦で行こう」

凛「じゃあ、少しでも先に進んで…でも戦闘に向いた場所くらいは見繕った方がいいかもね」ガチャ

理「士郎、また辛くなったらすぐ知らせてね」ガチャ

士郎「ああ…」ガチャ

イゴール「ようこそ、ベルベットルームへ」

士郎「あれ、俺今廃墟のドアを開けたはず…」

イゴール「急にお呼びして申し訳ありませんが、どうやら一刻を争うようなので」

士郎「一刻を争う?それって…」

イゴール「ペルソナに目覚めなければ、あなたの未来が閉ざされてしまうという事です」

士郎「でもペルソナに目覚めるったってどうしたら…」

イゴール「そこで、わたくしめがお手伝いをさせて頂こうとお呼びしたわけです」シャッ

士郎「これは…タロットカード?」

イゴール「まずは、あなたの性質を見させていただきましょう」

士郎「……選べばいいのか」ペラッ

イゴール「ほぉ“正義”の正位置。問題の解決を暗示しておりますな」

士郎「これで何がわかるんだ」

イゴール「貴方のペルソナの性質です。あとはイメージするのです。あなたの根源にある、もう一人のあなた自身のを…」

士郎「(俺の…根源にある……もう一人の自分…)」パァア

『問おう、貴方が私の半身か?』

士郎「!?」

『私はアーサー・ペンドラゴン』

『これより我が剣は貴方と共にあり、あなたの命運は私と共にある』

イゴール「これは興味深い力にお目覚めになられたようだ」

士郎「これが、俺の…ペルソナ?」

士郎「っは!」

凛「衛宮君、どうかした?やっぱりここで休んだ方がいいんじゃないかしら。足手まといを戦闘に引っ張り出すわけにもいかないし」

士郎「大丈夫だ、行こう」

「■■■■■■■■■!!!!!!!!!!」

凛「この声!バーサーカー!?もう追いついてきたの?」

理「この先に広場みたいになってるところがある」

凛「そこで迎え撃つしかなさそうね」

イリヤ「あら、鬼ごっこはお終いかしら?」

士郎「ああ、ここで決着をつける」

イリヤ「リンはどうしたの?」

士郎「アーチャーが居ないんじゃ戦いにならないからな、先に行かせた」

イリヤ「そう、じゃあシロウとセイバーの後でゆっくりとね」

理「いくよ、士郎!」チャキ

バーサーカー「―――――――――■■■■■!!!!」

理「スルト!!」パァン

【ラグナロク】ゴオオオオオォォォォォォ

バーサーカー「――――■■■!!」

イリヤ「なんて火炎!?でもバーサーカーの命を削るには至ってな…」

凛「Neun, Acht, Sieben――――!」

凛「Sril, schiesst ErschieBung――――!」

イリヤ「ダメ!!避けなさいバーサーカー!!」

凛「取った!!…え?」

バーサーカー「■■ーーー■■■■■!!!!」ブゥン

凛「っ…!」ボテゥ ガッ

士郎「そんな、確かに遠坂の氷が頭に刺さったのに…」

イリヤ「あーあ、また一つ減っちゃった」

凛「あれは…蘇生魔術の重ねがけ…!?」

イリヤ「そうよ。狂化したバーサーカーに唯一使える宝具、それによって12個の命のストックがあるの」

イリヤ「一回殺せただけでも大したものだけどね、リン」

イリヤ「バーサーカーは一度受けた攻撃では死ななくなる。どう?貴方たちは後何度バーサーカーを殺せるかしら?」

士郎「バーサーカーの命のストックってのは……あと何個なんだ?」

イリヤ「そんなこと聞いてなんになるのかしら?シロウには一回だってバーサーカーを殺せやしないのに…」

イリヤ「いいわ、特別に教えてあげる。アーチャーに随分と手こずったからね、あと二個よ。でも貴方たちにあと二回殺せる力が残ってるかしら?」

士郎「やってみせるさ!」

士郎「令呪を以って命ず、バーサーカーの命を吹き飛ばす一撃を!!」キュイイイイイイイイン

理「サタン!」パァン

【ハルマゲドン】バリバリバリバリ

バーサーカー「■■■!!」

イリヤ「何!?この桁違いの魔力!!」

理「あと一回!」

士郎「……」ザッ

理「士郎?」

凛「衛宮君?何やってるの!あなた自身には戦う力は無いでしょう!?」

士郎「(イメージするんだ。もう一度、ベルベットルームで発現した俺のペルソナを!あの剣士を!!)」

士郎「来いっ!ペルソナぁぁっ!」カッ

  エクス
【約束された―――――】

凛「これは…?」

理「士郎が…ペルソナを!?」

  カリバー
【勝利の剣―――――】ズバアアアアァァァァァァァン

バーサーカー「その力、神造宝具の力を投影するとは…」スウゥ

イリヤ「う、ウソ…バーサーカー。死んじゃったの…?」

イリヤ「ぁ…………ん…」バタリ

理「士郎…」

士郎「理、やったな、バーサーカーを…」ガクッ

理「士郎!?」

士郎「大丈夫、ちょっと眩暈がしただけだ。それより…」

凛「……」キゼツシテル

イリヤ「……」キヲウシナッテル

士郎「帰れるかな…」


慎二「なんだぁ、ここに居たのか」

金髪のサーヴァント「悪趣味な蟲蔵だな」

慎二「それよりよ、言峰のヤツ、俺たちのやることには目をつぶるってよ。話の分かるやつだよなー」

金髪「…」

慎二「聖杯を手に入れた暁には、礼の一つでもしてやろうか」

慎二「でもやっぱりその前に衛宮と遠坂にお礼参りにいかないとな」

金髪「シンジよ、なぜそんなに聖杯を欲する?」

慎二「そりゃ願いがかなう聖杯が欲しくないなんて奴の方が珍しいだろ」

金髪「聖杯が欲しいなら先に押さえておくものが二つある。そんな奴ら放っておけ」

士郎「朝…いやもう昼か」ムクリ

理「おはよう、士郎」

士郎「ああ、おはよう理。あの二人は?」

理「まだ目を覚まさない。それより士郎、いきなりペルソナを発現したけど大丈夫?」

士郎「特に異常はないけど、そんなに心配することか?」

理「ペルソナ使うのって結構疲れる上に、いろいろあった直後だったから」

士郎「そういうことか、まあ遠坂とイリヤが起きるまではゆっくり休ませて貰うか」

凛「で、バーサーカーを倒した今。目下の敵は柳洞寺に陣取るキャスターだけど…」

イリヤ「へー」ニコニコ

理「……」

士郎「えーっと、イリヤ?もうちょっと離れてくれないかな?」

イリヤ「なんで?」

士郎「ほら、なんというか、遠坂の視線がヤバイ。刺さりそう」

凛「別に衛宮君が倒したマスターを連れ込んでいちゃいちゃしてても気にしませんけど?」ジトォ

イリヤ「ほらぁ、リンも気にしないって」

士郎「いやだから……理もなんか言ってやってくれって」

理「やるじゃん士郎」

士郎「はぁ……」

凛「キャスターは柳洞寺に神殿を作ってるから正面から攻め込むのは不利よね」

理「でも山道以外はサーヴァントが通れないように結界が張ってあるし」

士郎「真正面からキャスターとやりあわなきゃいけなくなるか...」

イリヤ「逆にキャスターが攻め込んでくるのまで待って迎え撃つのは?」

凛「籠城ね、無い手じゃないけど、ここにサーヴァントも護衛につけずに買い物にいくマスターが居るからねぇ......」

士郎「悪かったって…」

凛「でもキャスターだって絶対有利な場所をそう簡単に離れるとは…」シャランシャランシャラン

士郎「結界の音!?」

骨のゴーレム「カラカラカラカラ」

凛「屋敷中に居るみたいね」

理「外、庭にキャスターが居る」

士郎「俺たちが庭に出る。遠坂、イリヤを頼む」バッ


士郎「居たぞ!キャスターだ」

キャスター「出てきたわね」

理「オルフェウス!」パァン

【アギダイン】ゴォオ

キャスター「セイバーのくせに魔術なんて生意気ね」

キャスター「でも貴方達には私の魔術は魔術どころか魔法に見え…」ズガガガガガガガガゴザガガガゴギ

士郎「なんだ!?雨…?剣の雨?」

理「ゴーレムが全滅してる…」

キャスター「な、なんでお前がここに…」

金髪のサーヴァント「………」

キャスター「私にとどめを刺しに来たというの!?」

金髪「…貴様は先程も寺にいた雑種か。目障りだ、失せろ」

キャスター「この私にそんなことを言うなん」ズガガガボギィギガガガガザク

キャスター「嘘よ………この私が…、こんな死にかた…」スウゥ

金髪「英雄王たる我が失せろと言っているのだ。疾くに自害すぺきであろうが」

士郎「なんだアイツ。あれ、サーヴァントなのか?」

凛「士郎!ゴーレムが消えたけどなにが…」

金髪「来たか、聖杯の器よ」

イリヤ「……貴方、反則のサーヴァントね」

金髪「さて、どうかな。反則かもしれんが、前回の優勝者特権とも言える」

士郎「前回の?」

金髪「今回の聖杯戦争も終盤。そろそろ聖杯の準備をせねばならぬ。来てもらうぞ器よ」

イリヤ「私がおとなしくついていけば、シロウたちはここは見逃してもらえるのかしら?」スタスタ

金髪「いいだろう」ガッ ビューン

士郎「イリヤが…」

凛「アイツ、前回のサーヴァントとか言ってたわね」

理「前ってことは十年前の…」

凛「そうだ!」

士郎「どうした遠坂」

凛「父さんの書斎になにか資料になるものが有るかも」



凛「この部屋を聖杯戦争の時の拠点にしてたみたい」

士郎「なんだ、この箱?」

凛「それは父さんの遺言だったの。壊れた触媒らしきものが入ってたはずだけど」

士郎「これは…蛇の脱け殻か?」

理「凛のお父さんはこれでなんの英霊を召喚したんだろう」

凛「秘密を守るために資料とかは燃やしちゃってるのかしら?」

理「あ、これは日記と言うか記録みたいだけど」

凛「読んでみて」

『言峰氏が、聖杯戦争の監督役が聖杯戦争中に殺害されるとは。
この聖杯戦争、ここまでは思惑通りに事を運ぶことが出来たが、ここに来て暗雲が立ち込めてきた
万が一のため、アインツベルンとの会合の前に凜に家督を譲る話をしておこうと思う』

士郎「聖杯戦争中の事が書いてあるんだな」

『アインツベルンと休戦協定を結ぶことになった。
他のマスターを倒すまでの期限付きな上、サーヴァントを失った綺礼を国に帰さねばならないという条件を提示されたが、収穫としては上々だ
だがアインツベルンが雇ったという魔術師殺し、衛宮切嗣が会合の場にも姿を現さなかったのは不気味だ
休戦協定中とはいえ、警戒は怠らないようにしなければ』

凛「魔術師殺し、衛宮切嗣…衛宮って」

士郎「親父の名前だ」

理「この人、衛宮切嗣をすごく警戒してるんだね、こっちには色々調べた形跡があるよ」

凛「驚いたわ、衛宮君のお父さんがアインツベルンに雇われてたなんて」

士郎「今はそれどころじゃないだろ。あのサーヴァントについて調べないと」

理「そうだったね」

『英雄王は会談以降また姿が見えない
単独行動のスキルを付与されるアーチャーのクラスで現界してしまったのは不味かった
ゲートオブバビロンから射出する無尽蔵の宝具がある限り、単独行動中に撃破されることはないだろうが…』

凛「無尽蔵に宝具を射出…これってさっきの金髪の能力そのままじゃない」

理「このサーヴァントの事をもっと調べればいいんだね…」

理「この本…これだけ魔術の本じゃないよ?」

凛「ギルガメッシュ叙事詩?」

士郎「……不老不死の葉を蛇に横取りされて蛇は脱皮するようになり、ギルガメッシュは死を克服できなかった...この下り」

理「触媒の残骸...蛇の脱け殻だよね」

凛「じゃあアイツの正体は父さんが召喚したギルガメッシュってこと?」

士郎「そうなるな」

凛「でもおかしいわ、アイツは自分で前回の優勝者って言ってるけど、父さんは聖杯戦争の途中で……」

理「主を失ったサーヴァントと、サーヴァントを失ったマスターが揃えば聖杯戦争の戦線に復活できる……」

士郎「少し前に書いてる"サーヴァントを失った綺礼"ってことはつまり...」

凛「今のギルガメッシュのマスターは……綺礼なのね」

士郎「あいつ、イリヤを攫ってどこへ消えたんだろうな」

凛「目的は聖杯みたいだし、降霊場所に行った可能性が高いわね」

士郎「降霊場所?」

凛「聖杯戦争か霊体で、聖杯戦争は降霊術だって話は前したわよね」

士郎「ああ」

凛「だから聖杯を降ろすものをそれなりの霊地に持っていく必要があるわ」

理「この辺りで一番の霊地はここと…」

凛「柳洞寺よ」

士郎「キャスターのやつが、寺を教われたらしいことを言ってたな」

凛「やっぱり、霊地を確保してからイリヤスフィールの持ってる聖杯の器を奪いに来たのね」

士郎「イリヤが心配だ、はやく柳洞寺に行こう」


凛「参道には何もなかったわね」

理「前来たときはアサシンがいたけど」

士郎「取り敢えず突入したらイリヤの奪還が最優先だ」

凛「ギルガメッシュが来たら?」

士郎「理に抑えて貰う」

士郎「行くぞ!」ギィイ

慎二「ようやく来たか。待ちかねたよ衛宮」

士郎「慎二!?なんでお前がここに」

慎二「なんでって、マスターがサーヴァントの傍にいるのは当然だろ」

凛「じゃあ、ギルガメッシュのマスターって…」

慎二「そうだ!僕が最強のサーヴァントのマスター!つまり最強のマスターなんだ!遠坂でも衛宮でもない。僕が最強なんだ!」

慎二「やれぇ!アーチャー!!衛宮と遠坂を八つ裂きにしろぉ!!」

ギルガメッシュ「まあ待てシンジ。お前が戦場に居ては俺とて巻き込まないか心配で全力が出せん。シンジは綺礼の所で聖杯の降霊を眺めてるがいい」

慎二「そうか、じゃあそいつらを片付けてお前も来いよ」スタスタ

ギルガメッシュ「フンッ、我が道化をおだてる役なんぞをする羽目になるとはな」

ギルガメッシュ「そこの雑種共、聖杯降臨のための贄としてやろう」

理「アイツは僕が引き受ける。二人は慎二を追って」

士郎「わかった」ダダダ

ギルガメッシュ「我を一人で引き受けるだと?身の程を知れ!雑種がっ!!」ズガガガガ

理「くっ...ガルーダ!」パァン

【マハガルダイン】ッブフォォ

ギルガメッシュ「弾いたか...」

理「ユルング!」パァン

【ニブルヘイム】

ギルガメッシュ「ぐぅ…蛇だと!?」

慎二「なんだ、そのガキは?」

言峰「これは聖杯の器だ、今から大聖杯を起動し、聖杯を降臨させる」

慎二「ふーんまぁちゃっちゃとやってくれよ。優勝者である僕のための聖杯を」

言峰「ーーーーーーーーーー」スウゥ

慎二「お、空間に穴が……おい、なんだよこれ!?やめろ!離せ!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

言峰「これで聖杯は君の物だ」ニヤリ

凛「居た!綺礼、アンタなにやってるのよ」

言峰「凛か、これは聖杯の召喚の儀式だ。今、聖杯の器に聖杯を降ろす所だ」

士郎「器って、イリヤのことを言ってるのか!!?」

言峰「如何にも。聖杯をこの娘が持ってるとでも思ったか?アインツベルンは前回の聖杯戦争からこうして、マスター自身を聖杯の器とし、事を有利に運ぼうとしてきた」

凛「あんた前回の聖杯戦争に参加してたんでしょ?まだ聖杯が欲しいわけ?」

言峰「いや、私は見届けたいのだ。この聖杯から生ま出でようとしてるものを」

士郎「生まれ出る?」

言峰「知る必要はない。お前たちよ聖杯戦争はここで終わりだ」

凛「勝手に終わりに…するな!」バシン

言峰「凛、悪足掻きか。らしくもない…」

凛「悪あがきなんて決めつけないでよね」ザッ

言峰「その八極拳は私が教えたものだが?」

凛「stark-----Gross zwei!」バキィ ドゴォ

言峰「ほう、強化による身体能力の上昇か、私が同じことをしても君程の効果は得られないだろうな」

凛「易々と捌きながら言われても嬉しくないっての!」ビシバシ

言峰「そうか、ならば叩きつぶしてやろう」ズバァ

凛「黒鍵!?」

士郎「遠坂!」

ギルガメッシュ「おのれ雑種が!この我に蛇の使い魔など…」

理「サタン!」パァン

【漆黒の蛇】

ギルガメッシュ「…くっ、我がこんなものに…負けるとでも思ったかぁ!!」ガッ

ギルガメッシュ「消し飛べぇ!雑種がぁ!」

エヌマ
ギルガメッシュ「ーーーーー天地乖離す!」

理「!?ヴィシュヌ!」パァン

【インフィニティ】

エリシュ
ギルガメッシュ「ーーーーーー開闢の星!!」ズバアアアアアアアアアアアア

士郎「!?なんだあの光!」

凛「くっ、このぉ!」

士郎「遠坂!まずい…」ダッ

凛「士郎!?ちょっとなにしてんの。割り込んだら…」

士郎「ペルソナ!!」カッ

アヴァロン
【全て遠き理想郷】ピィィィィィン

ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

凛「今のはなに!?」

士郎「わからない、多分ギルガメッシュの宝具じゃないか」

凛「それもあるけど今の魔術よ、完全にあの光を完全に遮断するなんて…バーサーカーを倒したときもそうだけど、一体どうしたの?」

士郎「理と同じペルソナ能力ってのが使えるようになっただけだよ」

凛「だけって!英霊と同じ能力が使えることがそんな簡単なことのはずないでしょ」

士郎「それより、イリヤは?あと言峰もどうなった?」

凛「砂埃が酷くてまだなにも見えないわよ…」

士郎「あ!イリヤは無事みたいだ」

凛「綺麗はどこに…」

言峰「英雄王め、余程癪に障ることでもされたか…」ボロッ

凛「味方の攻撃にやられるなんて、鈍ってるんじゃない?」

言峰「余計なお世話だ。英雄王が乖離剣を抜いた以上、彼方の決着は近い。此方もそろそろ終わらせなければな」ジャキン

士郎「何処にあんな本数持ってたんだ…」

理「…」

ギルガメッシュ「驚いて声も出ないか。これが我が至宝、エアの威力だ」

理「(…切り札を出してきたなら、あっちも余裕がなくなってきてるはず…)」

ギルガメッシュ「今の防御は貴様の宝具か?果たしてそれで何度防げるかな?」

              エヌマ
ギルガメッシュ「ーーーーーー天地乖離す!!!」

理「(インフィニティは使えてあと四回…このまま連発されればジリ貧…)」

【至高の魔弾】ズビャーン

ギルガメッシュ「…な、貴様……いつの間に……」スウゥ


凛「……っく」ヨロッ

言峰「……あれだけ啖呵を切ってこの様だ。凛、お前では私を倒せない」ボロボロ

士郎「おい遠坂、いい加減一人で戦おうとするのは……」

凛「これは私の意地の問題なの、こいつは私がブッ飛ばすって」

言峰「やはりお前はまだ聖杯戦争に参加すべきではなかったようだ」ジャッ

【原色の舞踏】

言峰「なにぃ!?」フラッ

凛「取った!!」ブンッ

言峰「ぐっ、この剣は……」

         レスト
凛「ーーーーーlast!!!」ドジャアアアアアン

言峰「……」バタリ

凛「そうよ、あんたがあの日寄越したアゾット剣よ。十年間魔力を注いできたんだから」


人修羅「……」

凛「遅いっての……」

凛「……あっ」フラッ

士郎「遠坂っ!」

凛「大丈夫、ちょっと疲れただけだから」

凛「それより、イリヤと聖杯の繋がりを絶たないと……」

士郎「わかった、どうすればいい」

理「あの空中に空いた穴だよ」

士郎「理、ギルガメッシュは?」

理「美味しいところはアーチャーに持っていかれたよ」

理「だからこっちは士郎が決めなきゃ」

士郎「おう」


凛「いい?士郎。あの穴そのものが降臨しようとしている聖杯よ。アレを壊せばいいの」

士郎「わかった」

凛「わかってる?聖杯を壊すってことは、聖杯戦争を終わらせるってことよ」

士郎「どういう事だ?」

凛「つまり、聖杯によってこの世に呼び出されたサーヴァントも消えるって事よ」

士郎「……」

理「士郎、僕たちサーヴァントは消えても完全に消滅する訳じゃない。でもあの子は早く助けないと…」

士郎「ああ、わかった」

士郎「ペルソナッ!!」カッ

       エクス
【ーーーーー約束された】

凛「最後、来てくれてありがとね、アーチャー」

人修羅「……」

理「なんでかな、士郎とはまた会う気がするよ」

士郎「無理して励まそうとしなくっていいよ…」

      カリバー
【ーーーーー勝利の剣】ズバーーーーン

result
撃破数
1セイバー→ランサー、アサシン、ライダー、
2アーチャー→ギルガメッシュ
2衛宮士郎→バーサーカー
2ギルガメッシュ→キャスター

帰結
セイバー、アーチャーが生存した状態で聖杯が破壊され優勝者なし

結城理コミュニティ

愚者:セイバー陣営(max)
魔術師:遠坂凛(max)
女教皇:藤村大河(max)
女帝:イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
法皇:氷室鐘
皇帝:柳洞一成
恋愛:間桐桜(max)
戦車:蒔寺楓
剛毅:美綴綾子
隠者:未発生のまま対象者死亡
運命:未発生のまま対象者死亡
正義:衛宮士郎(max)
刑死者:出会ってはいるが敵対関係のため未発生
死神:登場してはいるが理と面識がないため未発生
節制:三枝悠紀香
悪魔:アーチャー
塔:未発生のまま対象者死亡
星:未発生のまま対象者死亡
月:未発生のまま対象者死亡
太陽:未発生のまま対象者死亡
審判:未発生のまま対象者死亡


一成「こら、起きんかたわけ。もうみんな集会に向かったぞ」

士郎「あれ?一成がいるんだ?」

一成「なぜじゃない!ここは教室で、今日は二年最後の日で、時刻は終業式の十分前だ!」

士郎「居眠りしてたのか、ヤバイな。急ぐか」

士郎「(聖杯戦争から一ヶ月。あっという間に過ぎた気がする)」

士郎「(聖杯戦争の爪痕は教会の手で事なきを得た。言峰神父の代行としてやってきた女性は事を納めつつ、公園で平和を満喫してる男性を釣り上げるなどまた厄介な人物だった)」

士郎「(聖杯を破壊した後、イリヤを介抱している時に、聖杯の穴が開いていたところに慎二が倒れていた。今は魔術協会ゆかりの病院に入院している)」

士郎「(理とアーチャーは聖杯が破壊された時点で退場した。藤姉ぇに理が帰っていった事を告げると『もう一回剣道で勝負したかった』と言っていた)」

一斉「げ……遠坂」

凛「あら生徒会長。こんなギリギリまで校舎の見回り?相変わらずマメね」

一斉「お前はこんな時間になぜこんなところに居る」

凛「ちょっと人を待っててね。でも、もういいわ。行きましょ、衛宮君」スタスタ

士郎「え?ああ」

一斉「衛宮!?なぜだ!!?」

凛「衛宮君、これからどうするか決めたの?」

士郎「これからって、進路ってことか?そう言う遠坂はどうなんだ」

凛「私?私は、留学かな」

士郎「留学!?」

凛「そう。聖杯戦争の事が協会に伝わって、来ないかって言われてるの」

士郎「そうなのか……」

凛「あら、私が行っちゃうと寂しい?」

士郎「…ば、馬鹿言うな!」

凛「ふふふ、衛宮君はからかい甲斐があ、るから、一緒に行ってくれたら退屈しないと思ってね」

士郎「一緒にって…」

凛「世話役を連れていっていいことになってるの」

士郎「俺は……」

桜「ええー!!!?先輩が遠くへって、どういう事ですか、藤村先生!」

大河「それがねー、遠くの学校の理事長さんが『衛宮君には素晴らしい才能がある!是非一年間だけでも我が校に』って、大声で言うもんだから校長先生の耳にも入っちゃってー」

桜「遠坂先輩だけじゃなくて先輩まで…」

大河「以外なのがね、士郎はその話に乗り気なのよ」

桜「遠坂先輩と先輩が同時に…まさか二人で!?」

士郎「ただいまー」

桜「先輩っ!!遠坂先輩と駆け落ちする気なんですか!?」ダッ ガッ ユサユサユサ

士郎「お、落ち着け桜!」ガクガクガク

桜「だって先輩と遠坂先輩が一緒に遠くへ行っちゃうって…」

士郎「誤解だって。遠坂と一緒にじゃないよ」

桜「一緒にじゃないって、遠くへ行っちゃうって言うのは…」

士郎「あー、藤姉ぇから聞いたのか…」

藤村「私だって納得はしてないわよ、保護者としては」

士郎「向こうも最長で一年って言ってるんだから、それに長期休暇には帰ってくるし」

藤村「うーーんでも士郎自分から言い出すなんて…」

桜「先輩!遠くの学校に行っても私の事忘れないで下さいね!」

士郎「大袈裟だって、夏休みとかには帰ってくるから」

大河「いつからそっちの学校へ行くの?」

士郎「転入手続きが今からじゃ新学期に間に合わないから、新学期が始まってちょっとしたらだな」

イリヤ「どこに行ったってシロウは私のものなんだから、あんまり他の女と仲良くしちゃダメよ」

士郎「わかったって、イリヤ。俺がいない間、藤姉ぇの世話を頼んだぞ」

イリヤ「うん」

桜「先輩、次に帰って来るのは...」

士郎「多分夏休みだな。日付とかが決まったら連絡するよ」



ーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー

車椅子の老人「もうよいのか?」

人修羅「……」

車椅子の老人「人だった頃にやり残したことをやり遂げる機会は二度は無いぞ」

人修羅「……」

車椅子の老人「では、再び黙示録の獣として戦いの日々を始めるとしよう。サーヴァントとしてではなく本物のな」

喪服の淑女「あなた、結局最後まで自分の本当のクラスを明かさなかったわね」

車椅子の老人「ビーストのサーヴァントとして人修羅を呼び寄せるとはあの人の子もただ者ではないな」

人修羅「……」

心の海

理「……」

理「……」

理「……」





群青色のエレベーターガール「ベールベルベール、ベルベット~」

エレベーターガール「この私が無意識になにかを恐れ、目を背けていたとは……」

エレベーターガール「今は倒せぬあの怪物を、真に消し去る力も、手に出きるかもしれませんね」ピコーン

エレベーターガール「これは、よもや、客人ではなく自らのアルカナを目にする日がやってこようとは……愚者、"旅路の始まり"」

エレベーターガール「私の旅は、今ようやく始まったと言うことなのかもしれませんね」

エレベーターガール「待っていてください。必ずやいつの日か、願いを果たしてご覧にいれます」

エレベーターガール「ベールベルベール、ベルベット~。わーがー、あるじ、長い鼻ー」


理「……ありがとう」

エリザベス「!?……気のせいでしょうか……」

幾月「今日からこの寮に新しいメンバーが来るよ」

美鶴「理事長、それはつまり…」

幾月「新たなペルソナ使いと言うことだ」

順平「女の子ですか!?」

明彦「いや、男だ」

幾月「真田君のクラスに転入してくる形だったね」

ゆかり「転入ってことは、ウチの生徒じゃないんですか?」

幾月「実は前に、学園外でペルソナの反応が検知されてね」

美鶴「それがその転入生だと?」

幾月「そう、入ってきて」

ガチャ

士郎「初めまして、衛宮士郎です」

ゆかり「衛宮先輩ですね。こっちも自己紹介しなきゃ、ほら。リーダーから」

リーダー「えーと、結城理…です。よろしく」

士郎「ああ、よろしくな、理」

凛「日本の夏は暑いわね…」テクテク

ピンポーン

桜「あ、遠坂先輩!お久し振りです!!」

凛「桜、元気にしてた?」

桜「はい。先輩ももう帰ってきてますよ」

士郎「遠坂、おかえり」

順平「えー、衛宮先輩、桜ちゃんだけじゃなくてこんな美人ともお知り合いなんすか!?」

イリヤ「ちょっとジュンペー、私を美人のカテゴリーに入れないってどういうことよ!」

順平「痛い痛い!イリヤちゃん、もみあげ引っ張らないで!」

ゆかり「自業自得でしょ」

明彦「だな」

美鶴「ブリリアント!」

凛「ずいぶん賑やかね…」

桜「そちらの学校では先輩はどうですか?」

美鶴「衛宮の様子か…私はクラスが違うからな」

明彦「寮で士郎が作ってくれる飯は美味いぞ。シンジの手料理に引けを取らない」

桜「シンジ…兄さん?」

士郎「違うぞ桜。明彦にもシンジって友達がいるんだってさ」

順平「そんなことより聞いてくれよ桜ちゃん。衛宮先輩、真田さんのファンの一部を掻っ攫うくらいモテてるんだぜ」

士郎「おい!?順平!」

桜「へぇ、…先輩、あとでちょっとお話が…」

イリヤ「そうね。私もちょっとシロウに話があるわ」

凜「偶然ね、私もよ」

士郎「…順平。恨むぞ」

順平「あはは、まさかここまでとは…」

理「……」ヒヤアセタラリ

美鶴「結城はどこへ行った?」

順平「さっき藤村さんが道場に連れていきましたよ」



大河「結城君?前にやったときより鈍い気がするけど、もしかしてサボってた?」バシッ バシッ

理「だから前って何時のことですか?」バシッ バシッ

大河「もぅ、またとぼけてる!」バシーン

理「痛っ!」

大河「よしっ。一本取った!リベンジ達成!」

理「?」




時は、待たない
すべてを等しく、終わりへと運んでいく

限りある未来の輝きを、守らんとする者達よ

与えられた時を往くがいい

己が心の信ずるまま
緩やかなる日々にも、揺るぎなく進むのだ



Fin

おまけ

魔術師の場合

凛「ねえ結城君...」

理「ドウシタノ?凛」

凛「ちょっと、衛宮君の事について聞きたいことがあって...」

1:「士郎の好きな料理とか?」
2:「士郎の得意な料理とか?」
3:「士郎の好きな人とか?」




安価下3

3
凛「そ、そんなわけないでしょ!なんで私が…」

理「あれ?違うの。士郎もそんな感じだからてっきり…」

凛「ちょっと、待ってその先を聞くにはまだ心の準備が…」ダッ

テロテロリン ♪♪



こんな感じでコミュニティ編です。
一周だけ、好感度上昇が♪~♪♪♪まであります。
凛のクラスの三人と美綴は残念ですが氷室の天地を読んでない&ホロウをまだやってないで、キャラが掴めてないのでありません。

女教皇の場合

大河「はーい、じゃあ昨日の小テストの結果を返しまーす」

大河「結城君、満点よ。すごいわー」

1「天才ですから」
2「日々の積み重ねです」
3「どうでもいい」


安価下3

3
大河「むむむ、じゃあこの特別課題を…」テロテロリン ♪♪

クラス一同「マジか」




女帝の場合

イリヤ「シロウが買い物から帰ってくるまで暇だなー」

イリヤ「ねえマコト、何か話をしてよ」

1「凛の事」
2「士郎の事」
3「順平の事」


安価下3

2
「へー、シロウったらそんなことマコトには相談するんだー。かわいいとこあるのね」テロテロテロリン ♪♪♪



皇帝の場合

一成「こら結城。ポケットに手を突っ込んで歩くのは行儀が悪いぞ」

1「これには事情が」
2「あ、士郎」
3「ポケット大好き」


安価下3

2
一成「なにっ!?」

理「…」ダッ

一成「あ、逃げたな」テロテロリン ♪♪



恋愛の場合

桜「あの、結城さん…。兄さんが学校でご迷惑をかけてませんか?」


1「兄さんって誰?」
2「慎二のこと?」
3「あのワカメの?」


安価下3

2
桜「そうです。ちょっと先輩と弓道部でいろいろあって棘があるんですが、本当は先輩の事嫌ってなんかないんですよ」クスッ
テロリン ♪

隠者の場合


アサシン「貴殿の剣は変わっているな、どこで手に入れたのだ?」

1「タルタロスで拾った」
2「悪魔と合体した剣なんだ」
3「アサシンの剣も変わってるよね」


安価下3

1
アサシン「なんと、そのような業物が落ちている塔が…この山門に縛られてなければ是非行ってみたいものだ…」テロテロテロリン ♪♪♪


運命の場合

キャスター「貴方、私の弟子になって魔術を学ばない?」

1「どうでもいい」
2「そっとしておこう」
3「テレッテッテー」


安価下3

1
キャスター「そ、そんなこと言わないで…。ホラ、今ならアサシンに言う事聞かせる券も付けるから」テロテロリン ♪♪

すいません。風邪を引いてしまい腹痛がひどいので今日は休みます

腹痛代行サービスとか無いっすかね…

正義の場合

士郎「理、今日の夕飯は何がいい?」

1「なんでもいい」
2「どうでもいい」
3「士郎の腕ならはがくれのラーメンを再現できるかな?」

安価下3

3
士郎「はがくれ?聞いたことない店名だな…どんな感じのラーメンなんだ?」テロテロリン ♪♪


刑死者の場合

慎二「フンッ。今日は衛宮は一緒じゃないのか」

1「慎二は士郎の事が好きなんだな」
2「一成と機械の修理に行ってるよ」
3「あ!、桜のお兄さんって慎二の事だったのか」

1
慎二「ば、馬鹿言うなっ!あいつが居ないと静かで良いと思っただけだ!」テロテロテロリン ♪♪♪


死神の場合

臓硯「死を操るという事はお主は死を克服したという事か?」

1「操ってるわけじゃない」
2「タナトス!」パァン
3「死を乗り越えることは出来ない…」


安価下3

2
臓硯「おお、これが…死の神か…」テロテロリン ♪♪



悪魔の場合

アーチャー「…」

1「悪魔召喚?」
2「固有結界?」
3「人修羅?」


安価下3

3
アーチャー「…」

理「人修羅も通称で本当はさらに真の名前があるのか」テロテロテロリン ♪♪♪


塔の場合

ライダー「小僧、腕試しに俺と勝負しないか?」

1「カラオケで勝負だ」
2「じゃんけんで勝負だ」
3「ナンパ勝負だ」

安価下3

3
ライダー「ナンパぁ?……おっと、慎二と約束があったんだ、じゃあな!」テロテロリン ♪♪


星の場合

ランサ-「お、セイバーの坊主じゃねぇか、なにしてんだ?こんなとこで」

1「そっちは釣り?」
2「犬の散歩を」
3「自害せよ、ランサー」

忘れてました

安価下3

1
ランサー「ああ、周りの連中がうるせえから、唯一の癒しの時間だ」テロテロテロリン ♪♪♪


月の場合

バーサーカー「――――■■■■■!!」


1「何言ってるかわからない」
2「イリヤ放って何してるの?」
3「どうでもいい」

安価下3

2
バーサーカー「―――――■■■■■■!?」ガンッ

テロリン ♪


太陽の場合

ギルガメッシュ「…なんというか、運命的な再開の気配がしたのだが…」


1「…ごめん」
2「誰との?」
3「僕との出会いより?」

3
ギル「そう言うな。お前も掛け替えのない友人だ」テロテロテロリン ♪♪♪

審判の場合

言峰「なんだ、お前も食うか?」

1「(逃げる)」
2「(一口だけ食べてみる)」
3「(覚悟を決めてかっ込む)」


安価下3

3
言峰「なんだ、そんなに気に入ったか。よし、ここは奢ってやる。店主、こいつにもう一皿麻婆豆腐を」テロテロテロリン ♪♪♪




以上になります。

お疲れ様でした

明日にでもHTML化依頼出しておきます

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