・設定が二つの原作と違うことあり
・キャラの性格と変わることあり
・ストーリーがかなり改変されることあり
・雑談は気軽に
ゆったりとやってくのでお願いします
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巧「グールねぇ……。オルフェノクといい、物騒な世の中だぜ」
真理「寝てる暇あるなら配達の一つくらいしたらどうなの?」
啓太郎「そうだよたっくん! この時期は特に注文が多いんだから! 少しでも早くお客様のところへ届けないと!」
巧「二人そろって……行けばいいんだろ! 行けばよ!」
真理「全く……」
啓太郎「まぁまぁ、たっくんだって最近はちゃんと仕事してるんだし、ね?」
カネキ「そ、それで今度デートに行くことになったんです……」
草加「へえ、よかったじゃないか」
カネキ「いえ、これも草加さんのアドバイスのおかげです! ありがとうございました!」タッタッタ
草加「……なるほどねえ」ニヤッ
海堂「グールねえ? よく知らねえわ」
木場「よく知らないじゃすまされないよ。彼らは人間を捕食対象としてるんだ。僕たちだって食べられないという保証はないんだ。だから……」
海堂「んなもんぶっ飛ばしちまえばいいだろ! ちょちょいのちょいだぜ!」ドヤァ
木場「……はぁ」
せめてファイズと東京喰種がどこまで進んだ辺りかも
結花「か、海堂さん……」
木場(さすがの長田さんもこれには反論するみたいだ……)
結花「か、かっこいいです!」キラキラ
木場「……、」
>>6 喰種は1話から555は社長まだだけど草加はいるんで結構適当です
「きょ、今日はありがとうございました。とても楽しかった、です」
金木は頬をあからめながら、そう言った。
こういう時、草加さんなら気の利いた言葉がすらすら言えるんだろうか。そんなことを考え、自分と比べると急にみじめになる。
(ダメだ……男らしく、決めるところは決める! 草加さんだってそう言ってたじゃないか!)
覚悟を決めるように金木は一瞬だけ口を一文字に結んだ。
「よかったら、また会ってもらえませんか?」
これだけの言葉を言うのに自分はどれだけ苦労したか。情けない自分の今までをほんの少し彩るくらいのことはできたのか。
背中を冷たい汗がつたうのがわかる。
女性は照れ臭そうに眼鏡を直した。
「ええ……いいですよ」
(や、やった!)
漏れそうになる自分の感情を必死に押さえつける。
どちらも、口元はほころんでいた。
「あ、ええと……」
「私たちって共通点多いですよね。好きな本とか、年齢とか」
「へ? あ、ええ……」
ゆっくりとリゼは金木の胸へと身を預けていく。
自分の鼓動が異常に速まっていく。
(き、聞こえて……るよね)
「私……気付いてたんです。カネキさんが私のこと見てたの」
リゼの手が金木の背中へ回っていく。その手は金木を離さないように。
そして――――
「芝居はその辺にしておいた方がいいんじゃないかな?」
金木にとっては聞きなれた声が響いた。
「草加、さん?」
「全く……君は人を疑うということを覚えた方がいい。夜中に女性が、たとえ一人でなくともこんな人気のない場所を通るのかな?」
「え……?」
考えてみればおかしい。自分が非力なのは彼女だって察しているはず。家が近いにしても人のいる道を通るのはセオリーというより人として自然な行動だ。
人としては、の話だが。
「く、草加さん……いくらなんでも失礼ですよ。何なんですか、急に出てきたと思ったら……あはは」
さっきまで火照っていた体が急速に冷たくなっていくのを感じた。全く気にもしなかったことを気にしてみると、違和感が大きなしこりになって胸をふさぐ。
「全く……グールといいオルフェノクといい。化け物は人に化けることしか能がないのかな?」
草加は金木から強引にリゼを引き離すと長い髪の根元を乱暴に掴んで顔を突き合わせた。
「フフ……」
リゼは肩を少し震わせて笑った。
「う、嘘だ……リゼ、さんが」
その眼は赤く、眼窩は黒く染まっていた。
「……変身」
草加はあらかじめ装着していたカイザギアにカイザフォンをセットした。
変身音とともに草加の身が仮面ライダーカイザへと変わっていく。
オルフェノクを倒す力がグールに通じるかどうか。
草加さえも不安だった。
今日は実験的な意味もこめてここまでです。
時系列は書き忘れましたが結構適当です。特に555は気にしなくともいいです。
それと地の文と台本形式を混ぜるのはどちらかに統一した方がいいですか? 変化のリズムが不規則になると思うので読みにくいのならやめます
乙ー
面白いし、>>1がやり易いやり方で進めればいいと思うよ
>>14
ありがとうございます。自分のリズムでやっていきます
投下
「フフ……なかなか面白いわね、それ。どういう仕組み?」
「さぁな。俺にもよくわからない、ね!」
草加は軽く首を回すと、あいさつ代わりと言わんばかりに拳を一つ振るった。
リゼはそれを自身の背中から伸びる大きな爪で受け止める。
「……ずいぶんと力強いわね」
受け止めた爪はわずかにひび割れのような亀裂が入っていた。しかし、その程度のダメージなど彼女にはあってないようなものだ。
「へぇ、グールにはそんな再生能力もあるのかな?」
「……、」
悠々とした草加に対し、リゼの表情には曇りがある。
(さっきのパンチ……明らかに人間の出せる力じゃない、というか私たちでもあそこまでは……)
何か秘密があるとすればあの思わせぶりな装甲くらいだろう。
ならば力づくで引きはがすまで。
「私、あなたみたいな人は結構好きよ? ……食べてしまいたいくらい!」
四本の爪がとてつもない速度で草加へと迫る。普通の人間では反応できてもよけることで精いっぱいだろう。
だが、草加は今普通の人間ではない。カイザには一〇〇mを六・三秒で走る素早さがある。
四本の爪をいなすようによけきると、草加は「次は俺の番だ」と少し悪戯っぽくつぶやき、セットされたカイザフォンとカイザブレイガンを素早く操作する。
鈍い音声とともに電子音がこだました。
「!? う、動けな――――」
放たれた黄色い光線がリゼを完全に拘束する。
ブレードを手にした草加の右腕が後ろでしっかりと構えをとっていた。
「やば――――」
言葉は続かなかった。目の前のカイザのフォルムが黄色い閃光となって、リゼの体へと貫くように飛び込んできた。
「――――舐め、るなぁぁぁぁああああ!!」
ほんの一瞬だけリゼの爪と草加のブレードが交錯した。
だが、それはわずかな間だけだった。リゼの体は容赦なく貫かれる。
「な……に、これ」
リゼの爪は砂となってもろく崩れ去り、体からは嫌な電子音が響いた。
「……くそっ!」
リゼは吐き捨てるように叫ぶと、路地裏へ消えていった。
草加はそれをあえて追わずに見送ると、変身をゆっくり解除した。
カネキ「あの……追いかけなくていいんですか?」
草加「その間に君がまた襲われたら意味がないだろう」
カネキ「そ、それもそうですね……ははは」
草加「とりあえず今日は家に帰った方がいい。俺もついていくよ」
カネキ「あ、ありがとうございます!」
草加「ああ……」
カネキ「……?」
草加(グール、か。ヤツらが変な動きを見せなければいいが……)
琢磨「なんですか、村上さん。僕一人を呼び出して」
村上「ええ、ぜひともあなたに頼みたいことがあるのです」
琢磨「……北崎さんはともかく、冴子さんも呼ばずにですか?」
村上「いえ、彼女は都合があわなかったようです。別に秘密にする必要はありませんよ」
琢磨「それで頼みごととは?」
村上「グール、という者の存在は知ってますね?」
琢磨「何を突然……知ってはいますが?」
村上「二〇区に『あんていく』という喫茶店があります。……そこはグールの経営する喫茶店です。同時に二〇区におけるグールの食い場などを管理しているようです。彼らのような秩序を持った集団に協力を頂ければベルトの奪還もしやすくなると思いませんか?」
琢磨「なるほど……。しかし、それで効果があるのは二〇区限定なのではないですか?」
村上「厳密に言えば、戦闘の際にグールの力を貸していただく確約が欲しい。こちらからはどんな条件も惜しみません。全てあなたがた『ラッキークローバー』にお任せします」
琢磨「わかりました。……グールですか、面白くなりそうですね」スタスタ
リゼ「く、そ……」フラフラ
トーカ「リゼ!? そのケガ……誰にやられたの?」
リゼ「うるさい……。それより店長はどこ?」
トーカ「……奥にいるわよ」
リゼ「……そ、う」フラフラ
トーカ(リゼがあそこまでやられるなんて……いったい誰が?)
芳村「装甲型の『クインケ』?」
リゼ「ええ……あるの、かしら」ゼェゼェ
芳村「……聞いたことはないが、十一区のジェイソンが嚇子を似たような使い方で戦うという話は聞いたことがある」
リゼ「嘘は……ついてないみたいね」
芳村「こちらも驚いている。君ほどの力を持ったグールがそんな深手を負うとはね。……食べるといい」スッ
リゼ「……こんなんじゃ気休めにもならないわ」モグモグ
芳村(……この程度の傷、彼女なら再生はたやすいはず。もしかすると体内のRc細胞に異常をきたしているのかもしれんな)
巧「草加? お前、こんなところで何してんだよ」
草加「それはこっちのセリフだ。なぜ君がここにいるのかなぁ?」
巧「……道に迷ったんだよ。それより、こいつは?」
カネキ「ぼ、僕は草加さんの大学の後輩で金木研っていいます!」ペコリ
巧「おう、よろしくな! ……それより草加、何かあったのか? まさかオルフェ――――」グイ
草加「(困るなぁ……不用意な発言は)」
巧「(……? でも襲われたんだろ?)」
草加「(はぁ……察しの悪さは相変わらずだね。とりあえず今は話を合わせてもらおうか)」
巧「(なんだよ、それ)」
カネキ「あの……どうかしたんですか?」
草加「いや、なんでもない。彼の仕事ぶりがあまりにも情けないから注意しただけさ」
カネキ「は、はあ……」
草加「それより乾くん。さっきこのカネキくんがグールに襲われてね。僕が駆けつけて事なきを得たけど君も気をつけてほしい」
巧「あ、ああ……」
カネキ(乾さんも草加さんみたいに戦ってるのかな……)
草加「全く……君のせいで余計な苦労をかけられたよ」
巧「……悪かったな」
草加「ああ、オルフェノクはグールとは違い存在が一般に知られてはいないんだ。口に出すときは考えた方がいい」
巧「……、」
草加「それより危険なのはスマートブレインだ。……もしもベルトの奪還のためにグールと手を組まれたら……」
巧「確かに……そうかもな」
草加「君が心配するには及ばないよ。そっちは僕が対処する。……君に任せたってろくな結果にならないだろうからね」
巧「一言余計だ、バカ野郎」
今日はここまで
ニコ生でブレイドの一挙放送をしてますね
クリスマスは忙しかった……
投下
――――二〇区 喫茶店『あんていく』
芳村「……つまりそのベルトとやらを奪還し、君たちに引き渡せばいいんだな?」
琢磨「ええ。そのかわりにスマートブレインはあなた方が有事の際は支援を惜しみません」
トーカ(……こいつ。普通の人間と匂いが違う?)
芳村「わかった。もし君たちの言う『仮面ライダー』を発見した場合はできるかぎり協力するようにする」
琢磨「ありがとうございます。今度は一人の客としてお邪魔させていただきます。それでは……」
芳村「トーカちゃん。送ってあげなさい」
トーカ「は、はい」
琢磨「おや、わざわざ送ってくださるのですか」
トーカ「この辺は私たちが管理しているとはいえ、人が一人で通るには危険な場合もありますから……」
琢磨「フフ……大丈夫ですよ。私はよほどのことがなければグールに食われたりはしない」
トーカ「……?」
琢磨「わからないならいいのです。とにかく私は一人でも大丈夫ですからお店の仕事に戻ってはいかがですか?」
トーカ「は、はあ……(やっぱり変なにおい……)」
リゼ「……」フラフラ
海堂「おい! 大丈夫か!? めちゃくちゃ具合悪そうだぞ!?」
リゼ(人間……? フフ、ちょうどいい……)
海堂「と、とにかくな? ほら、こっちにこい! そんで寝てな? よしじっとしてろよ。すぐ救急車を……ん?」ガシッ
リゼ「大丈夫……少し休めばよくなりますから」
海堂「そ、そうかぁ?」
リゼ「はい……その代り、少しだけ介抱してくれませんか?」ギュッ
海堂「お、おおおおおおおおう! 任しとけ!!」テレテレ
結花「海堂さん……どこにいったんだろう?」キョロキョロ
木場「まあ、海堂のことだからひょっこり戻ってくるさ」
結花「それもそうですね……ってあれ?」
木場「? どうかしたのかい?」
結花「今……海堂さんと女の人が路地の方に……」
木場(……なぜか嫌な予感がする)
結花「木場さん?」
木場「あ、なんでもない。とりあえず行ってみよう」
結花「は、はい」
海堂「お、おい……まだつかねえのか? こんな路地裏まできちまって……」
リゼ「も、もう少しですから……」
海堂(なんか変だな……美人だからいいけど)
リゼ「……」ニヤッ
海堂「? どうかしたか――――」ドスッ
リゼ「フフ……」
海堂「マジかよ……アンタ、まさか――――」ドサッ
リゼ「ホント……男って単純ね」ペロリ
海堂「くそ、グールってマジかよ……(やべえ、意識が……)」
リゼ「ごめんなさいね。久しぶりの食事だから遊ぶ余裕はないの……大丈夫よ。血の一滴まで飲み干してあげるから」
海堂(き、木場……)
木場「待て!」
リゼ「……?」
結花「海堂さんを解放してください!」
リゼ「ふーん、人間が私に勝てるとでも?」
木場「……」スゥー
結花「海堂さん、今助けます」スゥー
(何……あれ)
リゼは昨日のこともあってか動揺を表情に表した。
二人の顔に何か紋様のようなものが現れたかと思えば、二人とも灰色の怪物に姿を変えたのだ。
あの装甲型の人間とは全く違う。いうなれば自分の嚇子に似たようなもう一つの姿というほうがしっくりきた。
(……、)
今、リゼは満足に戦える状態ではない。嚇子を出すことすらできないほど疲弊している。それでも普通の人間を喰らうことくらいはたやすくできるが、目の前の怪物がどれほどの力を持っているかわからない。
(……仕方ないわね)
リゼは身をひるがえすと、路地裏の奥へ消えていった。
木場「海堂! 大丈夫か!?」
海堂「イテテ……動かすなバカ!」
結花「思ったより浅いです。とりあえず出血を止めないと……」
海堂「いいって! こんなもん唾つけりゃ楽勝……う、」
結花「木場さん! 救急車を!」
木場「あ、ああ!」
リゼ「く……」ドサ
芳村「……どうやら二度も失敗したようだね」
リゼ「フフ……笑いに来たのかしら?」
芳村「まさか……、見舞いに来ただけだ。食事は置いておくよ」
リゼ(……私がこんな粗食に甘んじるなんて)
芳村「それとね……君がであった怪物はおそらくオルフェノクと呼ばれる人間の進化した存在だ」
リゼ「なーに……それ、」
芳村「死んだ人間は稀にそういった存在としてよみがえるらしい。その力は我々グールにも勝るとも劣らない」
リゼ「フフ……人間って面白いわね」
芳村「そこで、だ。君にうってつけの話があるんだが―――」
啓太郎「ふんふふんふふ~ん♪」ブロロ
啓太郎「ん? あれは……」
モブオルフェノク「お嬢ちゃ~ん」
トーカ(くそ……こんな人目に付きそうな場所で! これじゃあ戦うわけにも……)
啓太郎「たっくん! おおおお、オルフェノクが!」
トーカ(あいつどっか行ってくんねーかな)イライラ
今日はここまで
このスレのリゼはかませ(確信)
カネキはモブではない(釈明)
投下
巧「啓太郎!」
啓太郎「たっくん! 急いで! 女の子が……」
トーカ(またなんか来た……ん? まさか――――)
巧「変身!」コンプリート
巧「おらぁ!」ドカッ
モブオルフェノク「うう……!」ヨロヨロ
トーカ(あれが……仮面ライダー。いや、というよりあいつの匂い……店に来たやつと同じような……?)
巧「……」レディー、エクシードチャージ
巧「はぁ! やぁぁぁぁああああ!!」
モブオルフェノク「ぐわぁぁぁぁああああ!!」サァァァ
巧「ふぅ……大丈夫か?」
トーカ「あ、あの……ありがとうございました!」
巧「おう、近頃はグールとかで物騒だから気をつけろよ」
トーカ「は、はい……」
啓太郎「そうだよ! それにさっき君を襲ったのはオルフェ……」
巧「バカ! 余計なこと言うんじゃねえ!」ゴチン
啓太郎「痛た……殴ることないじゃないのさ!」
トーカ「あの……さっきのは?」
巧「あ、ああ。さっきのはよくわかんねえけどこいつオルフェ―ブルって言おうとしてたんだよ。競馬好きみたいでさ」
トーカ(あれ? オルフェ―ブルって引退したんじゃ……)
啓太郎「そ、そうだ! 君名前は?」
トーカ「董香……霧嶋、董香です」
啓太郎「じゃあ董香ちゃん! 家まで送るよ!」
トーカ「え、でも悪いですよ……」
啓太郎「何言ってるのさ! また襲われたらどうするのさ!?」
トーカ「は、はあ……」
巧(またこいつは……)ハァ
啓太郎「へぇ~、それじゃあトーカちゃん下宿してバイトしてるんだ。えらいね!」
トーカ「そんなことないですよ……あ、そこ右に曲がってください」
啓太郎「まだ高校生なのにね~、たっくんとは大違いだよ!」
トーカ「たっくん……?」
啓太郎「後ろからバイクでついてきてる人だよ。本当は優しいのに全然、素直じゃないんだ!」
トーカ「は、はぁ……(さっきの仮面ライダーのやつか)」
啓太郎「全く……たっくんは」ブツブツ
トーカ(……うぜぇ)
トーカ「今日はありがとうがざいました」ペコリ
啓太郎「うん! あ、そうだ……僕クリーニング屋をやってるんだ! ここからそんなに遠くないし、よかったら来てよ!」
トーカ「は、はい」
啓太郎「今日はこれから仕事だけど、今度トーカちゃんのお店に遊びにくるね!」
巧「じゃあな!」
トーカ(やっと帰った……ん? あれは……)
カネキ「や、やぁ」
トーカ(こいつ……前にリゼが喰うの失敗したやつ! どうしてここに……)
草加「どうして彼がここにいるか……わかるよね?」
トーカ「……奥へどうぞ。店長はいると思うので」
草加「話が早くて助かるよ……グールさん」
草加「それにしても驚きだよ。まさかグールの経営している喫茶店があるなんてね。……客もやはりグールなのかな?」
トーカ「……」
草加「ふん、だんまりか。……まあいいけど?」
芳村「トーカちゃん、遅くなったね。……こちらがお客さんかい?」
トーカ「……はい」
芳村「うん、トーカちゃんは仕事に戻ってなさい。私が話しておくから」
トーカ「わかりました」スタスタ
芳村「それで……草加くん、だったかな? 要件は何かな?」
草加「ここにいるカネキ君がこの店の客であるグールに襲われた。……どう考えたってお前たちが糸を引いていたとしか思えない」
芳村「……そもそも私たちがグールであるという証拠は?」
草加「カネキを襲ったグールはここの常連客だった。彼女が世間を騒がしている『大食い』だかなんだかというグールなら同じ店に通い続ける理由がない。相手が人間で自分の正体がばれれば当然、CCGに通報されてしまう。さらにカネキに何のためらいもなく顔を見せている。……考えられる可能性は一つ。この店は彼女に協力しないまでも積極的に妨害するような店でもない。つまりグールが経営している可能性だ」
芳村「……なるほど」
草加「それに二十区は他の区に比べてグールの行動が穏やかだ。秩序ある集団がこの区におけるグールの行動を管理、統制していると考えれば合点がいく」
カネキ(すごい……僕が襲われた経緯だけでここまで推測できるなんて)
芳村「……君の言うとおりだ。私やトーカちゃん、ほかの店員もグールだし、客もグールの比率は高い」
草加「ふん……やはりなぁ。しかし滑稽だ、人を食らうグールがこんな喫茶店を経営しているなんて。これも人間を食べるための作戦なのかなぁ?」
芳村「……違う。我々が食するのは自殺した者などの肉だけだ。不必要に人を襲うようなことはしない」
草加「どうかなぁ? 現にカネキは恋心を利用され食べかけている」
カネキ「そ、そうだ! そんな言葉を信用しろなんて無理ですよ!」
芳村「……」ジロ
カネキ「ひ……」ビクッ
草加「安心しろ。ここでこいつらは派手な行動を起こせない。起こせば居場所がなくなるからな」
芳村(ふむ……彼が例の仮面ライダーか、なるほど……)
草加「……?」
芳村「それで君たちは我々に何を望むのかね?」
草加「……今はないさ、今は……ね。ただ必要があれば協力してもらう。……それからもしもまたカネキが襲われるようなことがあれば……」
芳村「わかった。君たちの条件はできるかぎり受けよう」
草加「話が早くて助かるよ」ニコッ
カネキ「草加さん! すごいですね、グール相手にあんな……」
草加「……あの男。何を考えている」
カネキ「え?」
草加「いや、なんでもない。それより君はできるだけ一人になることは避けた方がいい。またあのグールが来る可能性があるからな」
カネキ「は、はあ……」
亜門「大食いと思わしきグールに襲われた?」
真戸「ええ、どうやら生き残った方がいるようです。これは二つの意味で運がいい。すでに事情聴取の許可はとってあります。……さっそく行ってみましょう。面白い話が聞けるかもしれない」
亜門「わかりました。それで……その被害者は?」
真戸「海堂直也、という青年ですよ」
亜門「……海堂、直也」
今日はここまで。
そして草加無双、始まる(劇場版)
遅ればせながらあけましておめでとうございます
投下
真戸「失礼します。私、CCG上等捜査官の真戸と申します」
亜門「同じく一等捜査官の亜門です」
木場「は、はあ……」
真戸「今回の事件について少々お聞きしたいことがありましてね。……あなた方を襲ったグールの特徴を教えていただきたいのですが」
木場「えっと……女性? でしたね。あと髪が特徴的な赤系統で長髪でした。後は……」
結花「眼鏡もかけていませんでした?」
真戸「なるほど……どのような状況で襲われたのですか?」
木場「連れの海堂が具合の悪そうにしていた彼女を見つけて介抱しようとしたところを不意打ちしたみたいです」
真戸「なるほど……それを偶然見かけ、不審に思ったあなた方が見たところそのような状況だった、と」
木場「ええ」
亜門「あの二人、気になるんですか?」
真戸「ええ……どうも不自然だ。大食いにとって一般人などただの捕食対象のはず……一人だろうが三人だろうが……仮に百人きてもそれは同じのはず」
亜門「まさか……彼らもグール?」
真戸「それはないでしょう。医者から直接渡されたカルテでRc細胞の数値が正常であると証明されている……だが、何か引っかかる」
亜門「……運だけではない、と」
真戸「ええ、もしかすると私たちの知らないところで全く別の思惑が動いているのかもしれない……」
嘉納「もしもし……村上社長でしょうか。すべて指示通りにしましたよ。彼の細胞サンプルもそちらに届くよう手筈しておきました」
村上『ありがとうございます。こちらも約束通り、あなたの実験の協力を行います』
嘉納「それはありがたい……ところで村上社長。一つだけお伺いしたいのですが」
村上『なんでしょうか?』
嘉納「前社長の花形さんはなぜ解任されたのですか?」
村上『……それはお話できません。しかし、あの方はあなたの実験を否定的にとらえていた。私が社長では不服なのですか?』
嘉納「……まさか。私としてはありがたい限りですよ。それで実験の素体となる人間は?」
村上『それに関しては慎重な吟味が必要でしたが……一人、的確な人物を見つけました』
嘉納「……ほう」
村上『オルフェノクではなく純粋な人間でありながらベルト、グールいずれにも近しい人間……一人、いましたよ』
嘉納「その者の名は?」
村上『金木……金木、研』
カネキ「はぁぁぁぁああああ……」
ヒデ「どうしたんだよ。そんな溜息ついて」
カネキ「……なんでもない。最近、寝不足で」
ヒデ「ふーん……、まあいいや。それよりまたあの喫茶店行こうぜ! 次こそトーカちゃんに――――」
カネキ(草加さん……リゼさんと、グールと戦ってた。それにあの店の店員もみんなグールだったなんて……。気付くべきだった、グールが自分にとってもっと近い存在であることに……)
ヒデ「おい聞いてんのか!」
カネキ「あ、ごめん……きょ、今日はちょっと用事があるから」
ヒデ「なんだよ……全く」
カネキ「はぁ……」トボトボ
冴子「お悩み事……かしら?」
カネキ「え……?」
冴子「フフ……こんなかわいい坊やがこれから化け物になっちゃうなんて。少し同情するわ」
カネキ(な、なんだこの人……)
琢磨「しかし村上さんも人使いが荒い……特別手当でも要求しましょうかね」
カネキ(う、後ろにも!? なんかやばそう……く、草加さんに連絡を)ポチポチ
琢磨「させませんよ!」ドスッ
カネキ「うっ……!」バタリ
琢磨「さあ、早く連れて行きましょう……人目に付くと面倒ですからね」
冴子「ええ……そうね」ナデナデ
カネキ「……」
今日はここまで。
よし! これでカネキ君もモブじゃないな!
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