にこ「追われる女」穂乃果「追う女」 (14)

ほのにこ
たぶん短い


深夜――コンビニ前

にこ「あー、お腹空いた。財布バックに入ってたっけ」

ゴソゴソ

にこ「……から揚げくらいなら買えるか」

ウイーン

にこ「……やっぱりちょっと食べてこれば良かったかしら……あいたッ」

ヒリヒリ

にこ「たく、穂乃果のせいで……膝もすりむいちゃったじゃない」

にこ(……ま、勝手にこけただけだけど)

にこ「あの、からあげ一つお願いします」

店員「はい」


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ウイーン

店員「ありがとうございましたー」

にこ「こんなの5個も食べたら、絶対太るわ……」モグモグ

にこ「あいつ、まだにこん家にいるかしら……」

にこ「もしかして追いかけて来てるかな……」

ピローン

にこ「……着信。穂乃果か。私も少し大人気なかったし……」

ピッ

にこ「もしもし」

穂乃果『……にこちゃん』

にこ「……その、悪かったわ」

穂乃果『……どこ?』

にこ「あー、駅前のコンビニよ」

穂乃果『あ……いた』

にこ「え?」クル

穂乃果「……ごめんなさい」

にこ「私に弱音吐くなんて……リーダー失格よ」

穂乃果「……だって、にこちゃん達がもうすぐ卒業しちゃうって思ったら……」

にこ「思ったらなんだって言うの……仕方がないじゃない」

穂乃果「そうだよ……でも、私、にこちゃんみたいに割り切れないよ」

にこ「……」

穂乃果の頭が、にこの肩に置かれる。

穂乃果「どうやって乗り越えたらいいのかな……」

にこ「今生の別れでもあるまいし……」

穂乃果「部長がいなきゃ、リーダーは……背中が寂しいんだもん」

にこはふっと息を吐いた。
こんな甘えん坊がリーダーなわけがない。

にこ「あんた一人じゃリーダーになんてなれないってことくらい、みんな分かってる」

穂乃果「そのみんなの中に、にこちゃんがいるんだよ……?」

にこ「もうすぐいなくなる奴のことを数に入れないの」

穂乃果の声が肩を揺らす。

にこ「μ’sはもうおしまい。それを決めたのはあんた達じゃない」

穂乃果「でも、でもッ……にこちゃんが、遠くに行っちゃうのはいやだよッ」

にこ「私だって、それなりに覚悟していくわけ……穂乃果、欠けることはアイドルにはよくあるのよ」

穂乃果「にこちゃんはアイドルだけど、アイドルの前に……私の大好きなにこちゃんだもんッ」

にこ「穂乃果……」

穂乃果「私も、一緒に……」

にこ「ばーか」

べしッ

穂乃果「いたッ」

にこ「あんたは高校生活満喫しなさいよ」

穂乃果「……どうして……みんな一緒になれないのかな」

にこ「子どもみたいに駄々こねない」

穂乃果「にこちゃん……置いて行かないでよお……ッ」

にこ「どうして、こんなに弱虫になっちゃったのか……あんた」

穂乃果「にこちゃんが、私にたくさんたくさん……色んなものをくれたからだよ。手放せないものが多すぎるんだよ……」

にこ「……穂乃果」

穂乃果「……なあに?」

にこ「少し、距離を取るのもお互いのため……だと思う」

穂乃果「……それ、どういう」

にこ「別れるってこと」

穂乃果「……ッ」ポロ

にこ「遠距離で苦しいのは、もちろん互いを強くするかもしれない……でも、今のあんた見てると、辛いかな」

穂乃果「別れちゃうの……ッ……もっと辛いよ」ポロポロ

にこ「そうかもね……」

穂乃果「にこちゃん……やだッ……やだよおッ」

にこ「……」

スポットライトの似合う少女は、
街灯の明かりの下で泣きじゃくっていた。
私は涙を拭うことはしなかった。
彼女を抱きしめてあげることもしなかった。

穂乃果「ひどいよッ……」

このまま、彼女と一緒になるのもいいと思ったけど。
それじゃあ、二人何も変わらないから。

にこ「うん……」

分かってる。
でも、
穂乃果なら、
またきっと――。



終わり

ごめんただのネタ帳みたいになった

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