桂馬「僕が織斑一夏に彼女を作らせる件」(211)





桂馬「舞島高校から来た桂木桂馬です・・・・他に紹介は特にない」



「きゃー!二人目の男子よー!」

「かわいいー」

「私達の時代来たわー!」



女性にしか反応しない世界最強の兵器『インフィニット・ストラトス』


『女性にしか反応しない』と言われている


言われているはずなんだ




一夏「同じ男同士仲良くしようぜ」


桂馬「僕は必要以上に人と仲良くしたくない」


一夏「そんなつれないこと言うなって」


桂馬「僕は嫌なんだよ。馴れ合いとか・・・メリットを感じない。それこそ現実は裏切りなんて頻繁に行われる」


一夏「そんなことないと思うぜ」


桂馬「それはお前の意見だ。・・・僕とお前とじゃ仲良くなれない。だから必要以上に馴れ合わないでくれ」


一夏「・・・・そ、そうか。悪かったよ」




僕はある秋の涼しい日にゲームの即売会に出向いた


体感型の試作品のゲームが出来るという噂を耳にし、我ながら気分が上がり冷静さが欠け、間違えてISの展示会場へ足を踏み入れてしまってた


そこで、試作品と勘違いして触ってしまい、ISは起動した


そこからはトントン拍子に事は進み、僕は意見反論認められず、無理矢理にIS学園へと転入させられた


エルシィは地獄の記憶操作を利用し、僕について来た。ついてこなくては、僕の首も飛びかねないからだけど




エルシィ「にいさまってば、なんであんな友好的にしてくださってる人の言葉を直ぐに踏み躙るんですかー」


桂馬「知らん。というか、僕はあいつが気にくわない・・・・」


エルシィ「どうしてです?普通に良い人じゃないですか」


桂馬「あのなぁ・・・見てて分からないのか?あいつはここでハーレム作っているのに誰一人として、あいつは誰の好意にも気付いてないんだぞ?」


エルシィ「え?あの人、モテモテなんですか!?」



桂馬「見てて正直気持ち悪い。こんな現実離れしてる僕でさえ周りが可哀想に思えてくる」


エルシィ「それは相当ですね・・・」


桂馬「・・・・・なにより、事ある毎に五月蝿いんだよ・・・イヤホンしてるのに落ち着いてゲームが出来ない」


エルシィ「さて、今までの会話はなんでしょう。本音はただ落ち着いてゲームしたいが為じゃないですかー!」


桂馬「あいつが誰かと付き合えば良いんだよな・・・」


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ーー




翌日



セシリア「・・・・・あら、手紙ですわね。えっと・・・桂木・・桂馬さん?」


セシリア「なんでしょう?ま、まさか・・・これは日本で昔から愛されてる告白手段の・・・・ラブレターなるものでしょうか!?」


セシリア「でも私には一夏さんがいますわ!桂木さん、申し訳ありませんわ・・・」


セシリア「えっと・・・訓練後、庭園へ来い・・・・と。うふふ・・・モテる女は辛い。という事ですわね」


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訓練後



セシリア「あらあら、私より早く足を運んでいらっしゃるとは良い心掛けですわね」


桂馬「御託はいい。早急に話だけは済ますぞ」


セシリア「そうですわね。私も答えはもう決まってますから」


桂馬「単刀直入に言う」


セシリア「はい。・・・・・・・・面を合わせて言われると少し照れくさいですわね・・・」


桂馬「織斑一夏と付き合ってくれ」


セシリア「申し訳ありませ・・・・・・ふぇ!?」



桂馬「お前に拒否権はない。好きなんだろ?」


セシリア「ま、まま待ってくださいまし!どういう事なのですの!?」


桂馬「僕は優しいんだ。お前を見てて可哀想に思ってな・・・僕が手を回して、あの織斑一夏と付き合わせてやろうと思うんだ」


セシリア「ほ、ほんとですの!?」


桂馬「僕が嘘を吐くような人間に見えるか?」


セシリア「見えませんの!とても・・・とーっても心優しい人にしか見えませんわ!!」コクコク


桂馬「そうか、それなら良かった」



セシリア「し、しかし!どうして私が一夏さんの事を好きって・・・」


桂馬「見てれば分かるわ。エルシィと同じでアホか、こいつ・・・」


セシリア「へ?今、なんと?」


桂馬「ん、いいや。何も?なんだか二人を見てたら、もしかしたらそうなのか?って思ってな」


セシリア「そうなのですか。うぅ~・・・改めて言われると恥ずかしいですわね」


桂馬「で、どうだ?織斑一夏と付き合ってくれるか?」


セシリア「は、はい!もちろんですの!」


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桂馬「取り敢えず情報を教えろ」


エルシィ「えーっとですね。地獄に申請して送られてきた情報によるとですね、織斑一夏さんの両親に幼き頃に捨てられて姉の・・・あっ!織斑先生と2人暮らしをしていたそうです」


桂馬「僕が今までやってきた中では似たような設定は17作品くらいあるな。まぁ姓が同じだったから何となくは想像してたが」


エルシィ「過去の話としましては、同じクラスの篠ノ之箒さんと他クラスの凰鈴音と深い関わりがありますね。幼い頃からの関係だそうです」


桂馬「幼馴染み・・・か。セシリアはそういった関係の話は?」


エルシィ「セシリア・オルコットさんは・・・・つい最近の話になってしまいますね。クラス代表を賭けて専用機で戦ったというのがデータにあります」



桂馬「・・・・・で?」


エルシィ「以上です」


桂馬「・・・・は?」


エルシィ「ここからは私が集めた情報をお伝えしますね。その勝負をする前、お二人は嫌悪な関係だったそうです。ですが、その勝負を終えた後、セシリア・オルコットさんが織斑一夏さんのことを好意的に接し始めた、と・・・」


桂馬「・・・・・・なんだ、そのちょろ過ぎる展開は。入学初日で恋した少女漫画の主人公か、このセシリアという女は」


エルシィ「いえいえ、にいさま!世界は恋に落ちているんですよ!それが青い春です!」


桂馬「ギャルゲーじゃまず有り得んな。ヒロインがそんなんじゃ直ぐクソゲー扱いされるぞ、そんな作品」



エルシィ「あと私が得た情報によりますと、この織斑一夏さんのタイプは『歳上』だそうです。姉に甲斐甲斐しく世話をし、山田先生に優しくされ照れる一面があったそうです」


桂馬「・・・・・歳上ルートか」


エルシィ「シスコン疑惑ですね」ニコッ


桂馬「なんでお前はそんな嬉しそうな顔してるんだよ・・・気持ち悪いな」


エルシィ「女性に興味ない素振りをする人は、シスコン疑惑が持たれるらしいんですよ?ソースはIS学園です」


桂馬「だからどうしたって言うんだよ。別に織斑一夏がシスコン疑惑持たれてたって、僕としてはそんな支障は無いんだが」


エルシィ「そーですねぇ・・・」



桂馬「織斑一夏が本当にシスコンだったとしても、あいつの目線はセシリアだけに向かわせてやるさ」


セシリア「あの・・・桂木さん?」


エルシィ「わわっ!?」


セシリア「突然声をかけて申し訳ありませんわ。あなたは桂木さんの妹の・・・」


エルシィ「桂木エルシィですっ」


セシリア「そうですか。桂木さんとは違い、少し柔らかい面持ちですわね」


桂馬「お前が僕とエルシィに対する評価なんてどうでもいい。てか、お前はまた情報収集に徹してろ。あと何かイベントが起きたら僕に伝えろ」


エルシィ「分かりました!にいさまっ」タッタッタッ



セシリア「なんだか妙に冷たいですわね」


桂馬「そうか?それよりも、お前は織斑一夏になにかアプローチとかしてるのか?」


セシリア「い、言わなきゃまずいですか・・・?///」


桂馬「だからお前に拒否権はないんだよ」


セシリア「ま、毎日朝昼夜の挨拶は欠かさず行っていますわ。そして、食事の際は腕を組んで食堂まで向かったり、同じ席で食事したり・・・・」


桂馬「それは、お前だけが行っている特別な事なのか?」


セシリア「い、いえ・・・そうではありませんわ」



桂馬「ならその行為は無意味だ。プラマイゼロ。いや、どちらかというとマイナスポイントだ」


セシリア「な、なんですって!?」


桂馬「お前だけしか出来ない特権ならそれは続けるに越したことはない。幼馴染みが毎朝主人公を部屋まで来て起こすイベントとなんら変わりはない」


セシリア「幼馴染みが毎朝起こすイベント???」


桂馬「だが、複数の人間がやっているイベントなんだろ?じゃあお前は飽く迄、サブヒロイン若しくはモブキャラの部類に判別される」


セシリア「それはどういう・・・」


桂馬「いいか、よく聞け。例えばツーマンセルの訓練の際に、織斑一夏の白式はお前の専用機ブルーティアーズとしかパートナーを組めない設定だったらどうだろう?」


セシリア「それはこの上なく嬉しいですわね!」



桂馬「だが、実際は誰とでもペアは組める」


セシリア「・・・・・」


桂馬「セシリアは、順番にパートナーを組むのを待つ大多数の一人に過ぎないんだ」


セシリア「そう・・・ですわね。私が逆に一夏さんの立場なら、皆同等に考えてしまいますわね。ましてや、あの鈍感で定評のある一夏さんなら尚更ですわ」


桂馬「やっとその低い恋愛脳でも理解できたか。いくらお前が努力したって、みんなやってる事じゃなんの進歩も無いんだよ。機械工学の技術と一緒さ」


セシリア「ならばどうすれば良いのでしょうか!?」


桂馬「僕に良い考えがある」


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翌日、一夏の部屋



こんこんっ


一夏「んー・・・はーい、どちら様で」ガチャ


セシリア「おはようございますわ、一夏さん。本日も良い朝ですわね」


一夏「だな。天気もいいし、いい目覚めだぜ」


セシリア「そんな一夏さんに差し入れなんですが・・・・」


一夏「お?なんだ?」



セシリア「温かい紅茶ですの。目も覚めて、1日の元気が生まれますわ。それに紅茶には手足の指の冷えの解消にもなりますわ」


一夏「おおっ・・・紅茶ってセシリアらしいけど・・・・・・珍しいな」


セシリア「うふふ・・・美味しいですから、ぜひ飲んでくださいまし」


一夏「おう。いただくな」ゴクッ


セシリア「どう・・・ですの?」


一夏「んん~っ・・・うまいな!」


セシリア「時間と茶葉の量を調整して美味しくいただけるよう考えて作ってみましたの」


一夏「・・・・・・・え、セシリアが作ったのか?これ」



セシリア「はい!・・・・やっぱり、まずかったのでしょうか?」


一夏「い、いや!セシリアが作ったのか・・・そうか・・・・・。こんな特技があったなんて驚きだな」


セシリア「麗しき女性として当然の嗜みですわ」


一夏「ははっ!そうか、これ貰っていいか?今日の訓練後に魔法瓶ごと返すからよ」


セシリア「うふふ・・・気に入ってくださったのですね。良かったですわ」


一夏「おう。あっ、箒に誘われてたんだけど今から朝ご飯食べるんだけどセシリアも」


セシリア「いえ・・・残念ですが、私は先約がいらっしゃるのです。誠に申し訳ありません。また今度お誘いくださいますか?」


一夏「んー・・・そうか。わかった、じゃまた後でな」


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庭園



セシリア「うぅ・・・一夏さんからのお誘いを断ってしまいましたわ!無性に胸が苦しいですのぉ・・・・・」


桂馬「そうか、それは辛いだろうな。でも夢かけの真奈美ちゃんはそれ以上に辛かったんだ。主人公に過去にフラれた経験持ちだ」


セシリア「真奈美ちゃんって誰ですの?それよりも紅茶の件は好印象でしたわ」


桂馬「そうか。まぁ良いんだよ、断っとけば。あいつは寧ろ今セシリアのこと気になってる頃さ」


セシリア「どうしてそう思うのです?」


桂馬「あいつは現状に慣れているんだよ。言い方変えれば、この現状に甘えている」


セシリア「はい?」



桂馬「全てがそうなると仮定して物事を進めているんだよ」


セシリア「そんな支配者のような理解を一夏さんがしているわけないでしょう」


桂馬「いいや、お前ら女共がその現状を作り上げたんだよ。多分、発端はセシリアみたいな積極的に行動を起こす奴らのせいだろうな」


セシリア「わ、私が?」


桂馬「織斑一夏は『俺が誘えば釣れる』という考えを持っているんだよ」


セシリア「そんなわけありませんわ!」


桂馬「言い方が悪かったな。あいつは、自分が誘って断わられるというのを久々に体験したのだろうな」


セシリア「何故ですか」



桂馬「あいつが誘って、NOを出す奴を見たことあるか?」


セシリア「・・・・・思い返してみれば」


桂馬「織斑一夏が優しいのは分かる。だから、あいつを慕い、尊敬までする奴がいる。好意もあり、断ろうにも断れない。あいつが優先事項の上位に属してるんだ」


セシリア「よくもまあ転校して数日でそこまで・・・」


桂馬「なら後は簡単だ。あいつの固まりきった理解を裏切ればいいんだ」


セシリア「誘いやすい雰囲気を作っといて、誘いには乗らない・・・という事ですわね」


桂馬「それも毎日欠かさず行っていたイベントに誘ったが故にだ。そんな偶然や頻度の低い出来事なんじゃない。頻繁に起こす出来事での断りだ」


セシリア「気になって当然ですわね!なんだか胸のもやもやも晴れましたわ!」


桂馬「だからお前が胸を痛める必要はなかったんだよ。まだ花を咲かすための種まきに過ぎないんだから・・・咲かない花の種なら、まだ他の種を蒔けるチャンスがある」


セシリア「はい!」



桂馬「覚えておけ。結末はいつでも1つなんだ。僕に誤算はない・・・ゲーマーの名にかけて!」キリッ


セシリア「頼もしいですわ」


桂馬「んじゃ、朝食は適当に織斑一夏に会わないようにとっていけ。絶対に会うなよ?会ったら、お前は状況が状況だけに断れない。寧ろ断ったら好感度が落ちる。それ以前に、理由もなくお前は織斑一夏の誘いを断ったことになるしな」


セシリア「それでしたら、問題ありませんわ」


桂馬「なんだ。策はもう考えていたのか」


セシリア「今朝、サンドウィッチを作ったのですわ。どうぞ、今朝は美味しい紅茶を作って用意してくださったお礼で、ここで一緒に食べましょう」


桂馬「お礼なんかいらないんだが・・・うちは喫茶店だから、あれくらい普通だし」


セシリア「私が嫌なのですわ。借りた貸しはしっかり返さなくてはオルコット家の名に恥じますので」


桂馬「・・・・・お前、そこそこめんどくさいな」



セシリア「むっ・・・レディに向かってそれは失礼ですわよ?」


桂馬「それは所謂ありがた迷惑だぞ」


セシリア「私の場合だと、ありがたしか残りませんことよ」


桂馬「なんだよ・・・はぁ。じゃあありがたくいただいとくな」


ーーー
ーー




エルシィ「目が覚めましたか・・・?」


桂馬「・・・・エルシィ、か・・・・・・・ここはどこだ?」


エルシィ「保健室ですよ。にいさま、今朝突然倒れたらしいんです」


桂馬「そうなのか・・・」


エルシィ「転入とかメディア取材とかで疲労が溜まっていたのでしょう・・・心配しましたよぉ・・・・うぅー!」


桂馬「い、いや・・・・僕は寧ろゲームが出来てきていない日常が続いていないから疲労は溜まってないはずだが」


エルシィ「それは溜まる一方ですよ!もう、心配させないでください・・・」ギュゥ


桂馬「痛い痛い・・・」




がらがらっ!



セシリア「桂木さんっ!」


桂馬「頭に響くからそんな甲高い声出さないでくれ」


セシリア「地声ですの!」


桂馬「うるさい・・・それよりもお前達授業はどうしたんだよ・・・・」


エルシィ「今は放課中です」


セシリア「桂木さん・・・・きっと昨晩は私のことで悩んでくださって、そのせいで」


桂馬「お前のことなんて5分も使ってないぞ・・・昨晩は秋の新作で時間を使ってたんだよ」



セシリア「新作??」


エルシィ「とにかく!にいさまは寝てなくちゃダメですぅ!」ギュゥ


桂馬「冗談抜きで痛い。というか、ゲームしたい。よっきゅんに会わせてくれ。彼女の笑顔があれば僕はいくらでも元気が出る、ふはははっ・・・」


セシリア「えと、つねづね思っていたのですが・・・桂木さんはいつも何を言っているのですか?ゲームとは?」


エルシィ「あ、あのですね・・・にいさまは日本ではポピュラーなゲームのギャルゲーというのにハマっていまして」


セシリア「ぎゃるげー・・・ですか。椅子取りゲームとかハンカチゲームとかとはまた違うものなのでしょうか?」


エルシィ「え、えぇ・・・違いますね。えと・・・・・・・女の子の友達のいない人間程楽しめるゲームでしょうかね!あはっ、あははは・・・」


セシリア「えと?文化の違いですかね、私には漸く理解し難いです」


エルシィ「理解しなくて良いですよ。しちゃまずいですからっ」


セシリア「そうですの?」



エルシィ「はいぃ・・・」


セシリア「あの、エルシィさん?少し桂木さんとお話がしたいので席を外して貰えないでしょうか?」


エルシィ「え、ええ?良いですけど・・・様態が悪くなったら直ぐ呼んでくださいね?」


セシリア「分かりましたわ」



がらがらっ・・・・



セシリア「あの・・・桂木さん、大丈夫ですか?会話はしっかりできますの?」


桂馬「大丈夫だ。なんだか腹がゴロゴロ鳴ってる程度だしな」


セシリア「そうですの?なら安心ですわね」



桂馬「それよりも今日のお前の織斑一夏との接触はどんな感じだ?」


セシリア「朝は言われた通り会いませんでしたの。授業は私語禁止ですし・・・訓練の際は、飛行について少し会話をしましたわ」


桂馬「いつもよりか接触は少ない・・・という結果でいいのか?」


セシリア「ですわね。放課中も基本はお喋りしてますし」


桂馬「あー・・・なんだ・・・・・・。これは織斑一夏攻略に関係無く言うけどな」


セシリア「なんですの?」


桂馬「・・・・・・・・・悪いな・・・今だって織斑一夏と話したかっただろ」


セシリア「・・・・・・はい?」


桂馬「だから、悪い・・・って」


セシリア「それは本気で言ってますの?」



桂馬「は?お前は好きな奴といたいんじゃないのか?」


セシリア「例えば、桂木さんの欲しいゲームが今の時間しか買えないとして・・・・そして、そのちょうどの時間桂木さんのお母様が倒れたとして・・・・・・それでも桂木さんはゲームを買いに行きますか?」


桂馬「そうだな・・・行かない率が高いな」


セシリア「ごめんなさい、不謹慎な話をして・・・・ですが分かって欲しくて」


桂馬「でもな、それは親密度が違うんだよ。僕はお前が倒れたとしてもゲームを買いに行くぞ」


セシリア「そうなのですか。そうですわね、私も優先事項が狂っていたようですわ」


桂馬「そうだぞ・・・さっさと織斑一夏のとこ行って来い。今なら話しても良いぞ。だけど話す内容としては恋愛関係と僕の話題は無しだぞ」


セシリア「あっ、はい・・・」


桂馬「周りの奴らがその話題を出した時は急遽変えるんだぞ。取り敢えず、お前は織斑一夏と恋愛関係の話題は出さないようにするんだ」


セシリア「それはどうしてですの?」



桂馬「鈍感な奴に告白するなんて僕のプライドが許さん。あいつからセシリアに告白させるプランにする。その為にあいつには突然恋愛感情を持たせるための布石としてその話題はNGにさせる」


セシリア「告白させるプランですの!?それはまた難題ですわね・・・」


桂馬「僕はあんまり女の気持ちなんて分からない、いや理解したくないが・・・・・」


セシリア「・・・・?」


桂馬「好きな奴からは告白するより・・・告白されたいだろ?」


セシリア「は、はいぃ!」


桂馬「ましてや、セシリアの性格だ」


セシリア「私の性格をご存知で?」



桂馬「はぁ・・・お前は責められたら簡単に堕ちるタイプだ。逆に責めて失敗したら違う意味で堕ちるタイプでもある」


セシリア「い、今なんとおっしゃいましたの!?それは私に対する侮辱ですわよ!」


桂馬「打たれ弱いお前の為にも僕は最善を尽くしたいんだ。だから、お前には無理させると思うが・・・頑張ってくれ」


セシリア「桂木さん・・・」


桂馬「じゃ、そういうことで・・・」


セシリア「待ってくださいまし!」


桂馬「なんだよ。僕はゲームしたいんだが」


セシリア「先程の話で何故桂木さんの話題は一夏さんの前ではNGなんですの?」



桂馬「あー・・・・そうだな。強いて言うならば、織斑一夏に僕のことは考えさせたくないからだな」


セシリア「・・・仲がお悪いので?」


桂馬「僕が一方的に嫌なだけだ」


セシリア「ふーんですの・・・」


桂馬「おい、早く出てけよ。放課が終わるぞ」


セシリア「はっ・・・そうですわね!時間を無駄にするわけにはいきませんの!」


桂馬「そんなこと言っている時間も無駄だがな」


セシリア「減らず口ですわね・・・」


桂馬「価値観に対しては現実的なんでな」


セシリア「初対面でそんな態度されてたら、桂木さんとは仲良く出来なかったと思いますわ」



桂馬「僕は今でも仲良く出来てるつもりはないが」


セシリア「そう?あら、残念ですわ。私は仲良く出来てるつもりでしたのに・・・」


桂馬「それは本当に残念だな」


セシリア「それでは一夏さんのとこに行ってきますわ」


桂馬「早く行け」




がらっ・・・・



セシリア「あっ、あの・・・」


桂馬「なんだよ・・・」


セシリア「美味しい紅茶を私の為に作っていただき・・・・・ありがとう・・・ですわ」


桂馬「そりゃどうも。というか2回も礼はいらない」


セシリア「そうでしたわね!では、お大事にっ!」



がらがら~・・・ぴしゃんっ



ーーー
ーー




一夏「なぁ桂馬?」


桂馬「・・・・・・なんだ?業務連絡以外受け付けないが」


一夏「おいおい、そりゃねえぜ」


桂馬「何の用だ?」


一夏「明後日、筆記テストがあるだろ?俺のが一応長く勉強しているわけだし、一緒に勉強会でも」


桂馬「拒否する。僕を誘うくらいなら他の女子でも誘ってやれ。お前が言えば喜んで来るからな」


一夏「いや!俺はお前と親睦を深めたくてな・・・このままじゃダメだと思うんだ。来週にはお前にも専用機が来るらしいし、もしかしたら共闘する場合も有り得る」


桂馬「有り得ないな」



一夏「って、おい!即答かよ」


桂馬「勉強のほうなら大丈夫」


一夏「はははっ、冗談が上手いな!ISの教科書と資料だけでも読んで理解するのに1ヶ月は必要だぜ?桂馬はまだ来て数日だぞ」


桂馬「はぁ・・・・ならいい。テストで一般常識含めISの筆記問題、全科目100点じゃなかったらお前と仲良くしてやる」


一夏「別に良いけど、そんな超難関な賭けで良いのか?」


桂馬「良いんだよ」


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ーーーー
ーーー
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庭園



セシリア「聞きましたわよ!一夏さんVS桂木さんの賭け勝負を!」


桂馬「勝負って程じゃないだろ」


セシリア「オール100点なんて、この学園じゃ未だに出たことないのですけど・・・・今の生徒会長が全科目合計2点落としたというのが、この学園の最高点数です」


桂馬「そうか。現会長は凄い人なのか?」


セシリア「そうですわね!それよりも桂木さんって本当に素直じゃないのですわね」


桂馬「は?」



セシリア「うふふ・・・・ツンデレで可愛いと学校中の噂ですわよ?」


桂馬「・・・・・待てよ?何の話だ!?」


セシリア「一夏さんと仲良くなりたいが為の口実って・・・誰がどう聞いても、そうにしか聞こえませんが」


桂馬「・・・・・・・」


セシリア「まぁ仲良くさせたくないというわけではありませんが、学園初心者の転校生さんには私が直々に勉強を教えてあげますわ?」


桂馬「いい。結構だ」


セシリア「いえいえ、一夏さんと付き合えた時の為の恩返しを先払いしておきまの。だから、私から山田先生にお願いして空き教室を借りてありますの」


桂馬「どうして現実は勝手に物事を進めるんだよ!僕にボタンを押させてから進めてくれ!」


セシリア「ボタンとは?」


桂馬「ちくしょう・・・・それより昼食をとるぞ。勉強はその後だ」



セシリア「あっ!そうでしたわね、なら先に食堂へ・・・」


桂馬「食堂まで行って食事ができるのを待つのは面倒だ。ここに購買で買ったパンがあるからそれを食べるぞ」


セシリア「購買で買ったパンですか!私初めてです!」


桂馬「メロンパンとロールケーキがあるんだが、どっちが」


セシリア「半分子ですわ」


桂馬「いや、どっちがいいのか」


セシリア「どっちも食べたいのですわ!」


桂馬「・・・・・・・はぁ・・・」


ーーー
ーー




教室



桂馬「だからな、機械構造としてはイギリス特有のと日本で生産されてるのじゃ高度な精密さじゃ全然違うんだよ」


セシリア「そうなんですの!?ですが記載されてる情報によると・・・」


桂馬「はぁ・・・教科書が間違っているんだよ。あの眼鏡の教師の話聞いてれば時事問題なんて簡単だ」


セシリア「え、あなた先生の会話聞いてましたの?ずっとゲームをいじってませんでしたっけ?」


桂馬「いじってるからどうなるんだ?てか、お前の席から僕の席は見えな」


セシリア「いえ、なんでもありませんわ!」



桂馬「そういやお前の話を聞いてて分かった。お前は勉強は出来るほうだ。だけど、教科書通りが出来るテンプレートタイプだ」


セシリア「それ以前になんでこの人は私より勉強が出来ているのですの!?そして私の勉強へのレベルも測定していますし!」


桂馬「だが、それは飽く迄基本に忠実なだけ。ギャルゲーも基本に忠実にやって成功するのはレトロだけ。最近のは聞きなれない台詞や展開が待ち受けてる」


セシリア「またゲームの話ですの・・・」


桂馬「セシリアは、織斑一夏と手を繋いだだけで付き合えると思うか?」


セシリア「って、いきなりですの!?それだけじゃ無理かと・・・」



桂馬「一昔前ならまだ有り得たかもしれない。でも時代は動いてる。そんな展開は小説や漫画、ドラマで見飽きている。なら、より奇抜に大胆で・・・・」


セシリア「・・・・・」


桂馬「確かにセシリアは大胆で強引なところがあるが、あんまり奇抜とは言えない。狙い目も展開もあるある過ぎて織斑一夏も驚かない・・・・」


セシリア「・・・・・」


桂馬「まず、織斑一夏の弱点から攻めていくべきだ。あいつの情報でシスコンや歳上というのがあがっている。つまりは、織斑千冬が織斑一夏の理想なのだと仮定はできる・・・」


セシリア「・・・・・」


桂馬「なにやら積極的に動く連中として、凰鈴音、篠ノ之箒の幼馴染み二人を含め、シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒがいるとエルシィから聞い・・・・・おい、セシリア?」


セシリア「・・・・・」


桂馬「セシリア聞いているのか?」ペチッ


セシリア「あわっ!ふぇ?」



桂馬「お前・・・僕が折角アドバイスと作戦指示を出しているのに上の空って顔して・・・・」


セシリア「い、いえ!そんなことありませんわ!しっかりかっちり聞いていましたわよ!」


桂馬「嘘つけ」


セシリア「聞いていました!ただ・・・」


桂馬「ただ?」


セシリア「会って指折り数えるくらいしかない間柄の私の為にもよくここまでしてくださるなんて・・・」


桂馬「今頃かよ」


セシリア「私が悩み続けていたことをあっさり見抜いたりして・・・桂木さんってなんだか凄い人なのかもしれませんね」


桂馬「知るか」


セシリア「あっ、それより勉強を・・・」



桂馬「勉強なんていい。僕は全科目100点くらいギャルゲーの今季全作品制覇より楽だ。それよりも今はお前が織斑一夏とのフラグをだな・・・・」


セシリア「ふふっ・・・わかりました」


桂馬「何笑ってんだ。気持ち悪いな・・・」


セシリア「なんでもないですの!続けてください」


ーーー
ーー




数週間後



シャル「あのさ・・・桂木君?」


桂馬「誰だ、お前?」


シャル「あははー、お前呼ばわりかぁ・・・。クラスメイトの名前も覚えてもらってなかったのかぁ。ショックだな~」


桂馬「ヒロインの名前だったら、誕生日から身長体重趣味特技好きな食べ物まで簡単に覚えれるのにな・・・。所詮お前みたいなパセリはそこまでの存在なんだよ」


シャル「まぁいいや、名乗る必要もないし」


桂馬「妙な言い方だな。ちょっと気に障る・・・でもまぁ名前は聞くつもりはないけど」


シャル「あはは、桂木君って面白いね」



桂馬「御託はいい、早く言え」


シャル「キミさ、一夏に何かした?」


桂馬「どうしてそう思う?」


シャル「んー?最近、女の子への優しさの仕方が変わってきたかなって・・・あとは、態度も少し遠慮がちになってるし」


桂馬「いい目を持ってるな。探偵にでもなればいいんじゃないか?」


シャル「ボクはキミに将来の相談をしに来たんじゃない。一夏の変化にキミが関わっているんでしょ?」


桂馬「ふーん・・・」



シャル「キミが来てから一夏はだんだんと変わりだした・・・皆、平等じゃなくなって、悩み出して・・・・・それなのに幸せそうだった」


桂馬「残念だがお前の期待した答えは出せないな」


シャル「どうしてさ!」


桂馬「だって、僕は織斑一夏には直接的には何も関与してない。あいつが僕に関わろうとはしてきたが、僕は全力で全てを振り払った」


シャル「ならどうして一夏が変わったんだよ!・・・・・・ボクには分からないんだ。証拠も痕跡も何も見つからない・・・探偵には程遠いんだ」


桂馬「そうか。ならお前は探偵には向かないようだな」


シャル「でもボクが見つけたの1つしかない。桂木桂馬・・・キミの転入からなんだ!」


桂馬「もしかしたら・・・」


シャル「・・・・もしかしたら・・・?」



桂馬「もしかしたら、お前を織斑一夏と付き合わせる事の出来た未来があったのかもな。悪く思わないでくれ」


シャル「え?なんでキミが謝ってるの。キミと言う未来って・・・・」


桂馬「そうだな。例えば僕がシャルロット・デュノアを織斑一夏と付き合わせようとした世界があったかもな」


シャル「・・・・・・・」


桂馬「僕が与えれるヒントこんなもんだ」


シャル「・・・・・・・へぇ~・・・そういうことか」


桂馬「分かったか?」


シャル「誰がって言うのは分からないけどさ・・・・・キミにはそれ程の実力があるのかな?って」


桂馬「人は見た目じゃないって学校で習わなかったか?」



シャル「生憎、ボクはキミ等みたいな何不自由無い生活というのを体験してきてないんだよ」


桂馬「あぁ、だからそんな長けた目を持ってるのか。僕もお前を過小評価し過ぎてたな」


シャル「今の一言でキミはボクの何が理解出来たのか計れないけど・・・」


桂馬「計れないな。だってお前はただの三次元の賜物に過ぎない。お前と僕とじゃ住んでる世界が違うんだよ」


シャル「え、もしかして・・・ゲームの話してるの?」


桂馬「・・・・・・なんで分かったんだ・・・・?」


シャル「あはっ!ホントだ・・・ホントなんだ・・・・・」


桂馬「僕はお前と話すのは愚か目を合わすのさせ初めてだぞ。・・・・・エルシィか?」


シャル「残念だね。ボクはキミの妹さんとは話したことないんだよね」クスクス


桂馬「・・・・・・何笑ってんだよ・・・」



シャル「キミの言葉を借りるとしたら・・・三次元の賜物を過小評価し過ぎているんだよ。友達のいない人間は、情報交換の術はネットや雑誌にしかないと思ってるのかな?」


桂馬「・・・・・なんだよ、僕がゲームしてるとこを盗み見でもしてるのか?気色悪い趣味してるんだな」


シャル「なんでそうなるのさ!?」


桂馬「だったらなんなんだよ・・・早く言え。僕はお前なんかに時間を費やすほど人生暇じゃないんだ」


シャル「酷い言い草だね・・・・・まぁアレだよ。・・・・・・キミの周りには、エルシィさんだっけ?彼女しかいないのかなぁ~ってね♪」


桂馬「・・・・・??」


シャル「それは態となの?それとも・・・キミも一夏と同じ境遇なの?」



桂馬「は?僕には友達は愚か、快く仲良くしてくれる人物なんていないぞ。それともなんだ・・・山田か?」


シャル「言ってて悲しくない?悲しくないか、自分で言い切ってるんだし・・・というか、山田先生だよ。先生付けなきゃ」


桂馬「お前は誰だよ。なんの権限があって僕に強要が出来るんだよ」


シャル「それはボクの台詞だよ。キミはなんの権限があって、ボクの恋愛の邪魔をしてくれちゃったのかな?」


桂馬「はぁ・・・・・・これだから現実は・・・」


シャル「そうだよ。これが現実だよ?失望した?」


桂馬「もう失望してるよ」


シャル「そう言えば、キミは僕の名前知ってたんだね。どうして知らないふりなんかしてたのかな」


桂馬「お前は攻略の際の抵抗になる存在だったからな。知らないふりしてた方が僕には都合が良かった」



シャル「やっぱりツンデレって噂も本当だったんだね!」


桂馬「おい、ふざけるな」


シャル「怒ってる?」


桂馬「怒ってない。ただ気に食わないだけだ」


シャル「日本語は難しいね。ボクには怒ってるようにしか聞こえないな」


桂馬「知るか」


シャル「あっ!そう言えば、まだ答えを言ってなかったね」


桂馬「それは、こっちもだな」



シャル「じゃあ桂木君を怒らしながら言ってあげるよ」


桂馬「は?」


シャル「へへーん!ヒミツだよーだ!」ヤーイヤーイ


桂馬「・・・・・・・おまえなぁ・・・」


シャル「ぷぷっ・・・桂木君って可愛いなぁ」


桂馬「煽るのもその辺にしとけよ!僕はお前が大ッ嫌いだ!!」


シャル「怒ってる?」


桂馬「怒ってない!!ふんっ・・・」


シャル「怒ってるよね」プークスクス

また明日続きだします

それでは

ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




一夏「セシリア!次の授業なんだけどペア組もうぜ」


セシリア「ふぇ!?本当ですの!?ぜひお願いいたしますわ!」


シャル「えー、セシリアばっかりずるーい!ボクも一夏とペア組みたいよー」


一夏「でも俺はセシリアとやりたくてだな・・・今度な、今度!」


シャル「うー、絶対だよ?」


ーーー
ーー



一夏「この前の紅茶また作ってくれないか?」


セシリア「え?分かりましたわ!一夏さんの為に丹精込めて作りますわっ!!」


シャル「紅茶って何?」


一夏「少し前にセシリアが作ってくれた紅茶が美味しくてな。また飲みたくなったんだ」


シャル「へ、へー・・・そんなやりとりしてたんだぁ」


一夏「この前なんか、手編みのマフラーとか作ってくれたんだぜ?セシリアって、凄いんだよなぁ」


セシリア「やだっ・・・一夏さんったら///」



シャル「て、てあみ・・・?なにそれ・・・・・」


一夏「1から自力で糸を縫って作った衣類だよ。あったかいから毎日使ってるんだぜ?ありがとな!助かってるよ」


セシリア「いえいえ、それほどでもありませんことよ」


シャル「・・・・・・。へぇ・・・・・凄いなぁ」


ーーー
ーー




シャル「一夏!この後、一緒に自主練にしよ?」


一夏「悪いな。この後はセシリアに買い物に誘われててな・・・」


シャル「へ、へぇー・・・あっ!じゃあボクも一緒に行っていいかな?」


一夏「え?・・・・あ・・・そのな・・・・・・・・」


シャル「・・・・え?」


一夏「ええっと・・・だな・・・・・・」


シャル「・・・・・・・」



一夏「この後は。その・・・」


シャル「ああーっ!忘れてた!今日はどうしても外せない用事があるんだった!えへへ、ボクとした事が・・・」


一夏「お、おお?そうなのか。じゃあ買い物に行くのはまた今度だな」


シャル「うん!また今度にするよ!ごめんね、一夏!」


ーーー
ーー




庭園



桂馬「ふふっ・・・血が・・・・・・血が滾る!データの更新でまさかよっきゅんとのお家デートが出来るなんて!!照れ顔可愛いよ、よっきゅんんん!!」


シャル「やっほー♪血が滾ってきたかい?」ニコニコ


桂馬「・・・・・・くそ」


シャル「おーい?」ニコニコ


桂馬「・・・・・・・・どうした?もしかして此処はお前の生息地なのか?なら、僕はエンカウントを避けるため場所を移動するが」


シャル「いーや?違うねぇ・・・」ニコニコ


桂馬「だったらなんなんだよ。僕をイラつかせる研究でもしてるのか?」



シャル「・・・・・うーん、それはいい提案かな。よっと・・・」


桂馬「隣座るなよ・・・お前には地べたがお似合いだ」


シャル「・・・とことん酷いね・・・・・はぁ・・・・・」


桂馬「・・・・・・・。・・・・・まぁ・・・僕のゲームの邪魔さえしなきゃ別に良いけど」


シャル「そうなんだ。じゃあ邪魔だけはしないから、ちょっとゆっくりさせてもらうね」


桂馬「誰にもここにいつもいる事言うなよ?クラスの奴ら何かと執拗い・・・・男に飢え過ぎなんだよ・・・・・。最低だよな。今まで織斑一夏しか目に映っていなかったくせにな」


シャル「・・・・・・。そういうキミはゲームの女の子に飢え過ぎだよ?現実のキミに恋心抱いてる女の子達に対して最低だよ」


桂馬「僕は直接被害を受けてるけど、ゲームの女の子は何も被害を受けていない。ボクの気持ちを知らない女なんてもっと論外」


シャル「ああ言えばこう言うんだから」


桂馬「違うな。お前が薄っぺらい言葉を言うから、僕は反論しているだけだ」



シャル「そっかぁ・・・ボクって薄っぺらく見える?」


桂馬「見えるな。砂からは守れても小石から守れないガラスレベル」


シャル「・・・・・・」


桂馬「黙るなよ。話を続けろ」


シャル「ふぇ・・・」


桂馬「僕はお前の構ってムードに仕方無く付き合ってあげてるんだぞ。だがしかし僕はお前とそんな仲になった覚えはないがな」


シャル「・・・・・・ボクもなった覚えはないよ」


桂馬「じゃあなんで来るんだよ・・・鬱陶しいな」


シャル「キミが僕に似ているからだよ」


桂馬「それは聞き捨てならないな。訂正しろ、今すぐにだ。それは侮辱にも程がある」



シャル「みんなバカばっかりだもん・・・だから、いくら賢い行動だって・・・・安易な空回りになっちゃう」


桂馬「僕もお前も計算高いとでも言いたいのか?」


シャル「そう言いたいの」


桂馬「僕はお前を見て賢いだなんて思えないんだが。今度こそお前は自分を過剰評」


シャル「わかってるよ!ボクは桂木君よりも・・・全然計算高くない。頭の回転も遅い・・・・・次元が違ったみたい」


桂馬「うわべだけのボクっ娘と訓練されたゲーマーじゃ当然だろ。何を当たり前なことを言っているんだ」


シャル「ボクはキミみたいにはなりたくないけど、キミみたいな味方がほしかったな」


桂馬「蛇足だ。いらない」


シャル「あはは・・・ツンデレったの?」


桂馬「本音だ。お前なんかいらない。お前みたいな人間こそ・・・裏切りを常識と思っているから」



シャル「ボクはわりとキミとは相性が良いと思っているけど」


桂馬「気色悪い。つか本題を話せ。まぁ大体は想像つくけどさ」


シャル「一夏とセシリアのことさ・・・・・・。ごめんね・・・でもなんだか・・・・もう、辛いんだ。一生のお願いだ・・・ボクの味方になってよ」


桂馬「だからな・・・僕はお前とは違うんだよ」


シャル「セシリアを裏切るんじゃない・・・ボクを助けると思ってさ」


桂馬「じゃあ僕がセシリアにする事は何になるんだよ・・・?それが正当なものなら僕はお前を助けるが?」


シャル「・・・・・・。・・・・・はぁ・・・ボクの負けですよー・・・そうですねー・・・・・助けるなんて言えば聞こえは良いのにねー・・・」


桂馬「お前の腹黒さには程々引くんだが」



シャル「きっと一夏なら二人を助ける方法を考えたと思うよ」


桂馬「それが良いと思っているのならお前の脳内はバグだらけだな。再修正が必要だよ」


シャル「・・・・は?」


桂馬「それは優柔不断なだけだ。綺麗事なんて絵空事なんだよ。勝負で対戦者同士2人共が勝つ方法なんてない・・・・当たり前だろ?」


シャル「・・・でも、一夏なら」


桂馬「もしかして、お前は織斑一夏が幾つもの人間と結婚できるとでも思っていたのか?」


シャル「思って・・・ないけど・・・・・」


桂馬「矛盾してるんだよ、お前の戯言は・・・。だから、薄っぺらいって僕は言うんだ」



シャル「だって・・・だってさ!」


桂馬「セシリアが幸せになったら、ボクは幸せになれない。しかしボクは幸せになりたい。一夏なら、きっとどうにかしてくれる。ボクが幸せになる為に、どうにかしてくれる・・・・って思ってたり」


シャル「・・・・・・」


桂馬「・・・・・・ハーレムエンドほど難しいゲームはない。ましてや織斑一夏の場合は逆パターン。周りの女の方が勝手に好感度を上げていくランダムシステムだ。主人公が周りの女をバランスよく、そしてイベントを積み重ねていくのならばハーレムエンドならそこまでシビアにならず難しくない展開にできるがな。しかし言っておこう。これはゲームの話だ」


シャル「複雑さはゲームも現実も同じなんだね」


桂馬「同じにするな。お前達には簡単に揺らぐ感情があるんだぞ?だがゲームは裏切らない」


シャル「ボクは一夏の気持ちを裏切りなんて思わないよ!セシリアに好意を抱いてる感情を・・・ボクへの裏切りだなんて」


桂馬「嘘つけ」


シャル「え・・・」



桂馬「思っているだろ。分かっているだろ」


シャル「な、なんで・・・。思ってないよっ」


桂馬「『傷付いた』『胸が苦しい』そんなのを感じないのか?織斑一夏がお前の痛みの元凶だ。感じないとしたら僕はお前を尊敬する。寧ろ僕はそんなお前を好意的に思うだろう。だって簡単に揺るがないゲームのヒロインのようだから」


シャル「そんなの裏切りじゃない!でも感じてたよ!今日は買い物に誘って苦笑いされて、セシリアを優先して、ボクの知らない関係もあって・・・泣きそうになったさ」


桂馬「なんだ・・・諦めたのか」


シャル「あ、あき・・・らめた・・・?」


桂馬「だってそうだろ。粘れよ、アホだな」


シャル「なっなっ!!諦めてないよ!そんなわけないじゃないか!」


桂馬「ほら、こんな言葉でも揺らいだ」



シャル「あのさっ!!さっきから桂木君は何を・・・」


桂馬「織斑一夏が好きだからデートに誘ったが、セシリアが優先されてしまった・・・まぁ仕方ないかって思ってみたり。それを相談してみたら、諦めたって言われて、傷付いて、逆ギレしてしまったり・・・・じゃあ、なんで後一押し出来なかった自分を責めてないんだろうって思ってみたり」


シャル「・・・っ!?」


桂馬「自分がした事に自信が有るのか無いのか自分で判断出来てない。だから、他人の意見を聞いて答えを求めたけど、自分の意見に反する回答だったから正当化が出来なかった」


シャル「そ、それは・・・」


桂馬「ゲームの女の子はいつも言葉が決まっていて、進むルートも決まっている。失敗すれば失敗のルートへ。成功すれば成功のルートへ・・・」


シャル「ボクは失敗のルートを選択しちゃったってこと・・・?」


桂馬「ゲームならそこでバッドエンドだ。だけど違う。お前は現実だ」


シャル「で、でも気付いたら一夏はセシリアの事が!」


桂馬「好きも言えないヘタレが何を言っているのか僕には皆目見当も付かない。何に対してお前が失敗ルートなのかも分からない」



シャル「・・・・・・」


桂馬「僕はセシリアが織斑一夏と付き合えるルートしか考えてないんだよ。だからお前がどうなろうと知ったこっちゃない。お前が今ミスルートなのかも主観が違うから微塵も分からない」


シャル「・・・・なんで、そんな酷いことを・・・・・・」


桂馬「話は最後まで聞けって学校で習わなかったのか?いいか、よく聞け」


シャル「・・・・・」



桂馬「勝手に告白して勝手にフラれてこい。織斑一夏はもう無理だ」



シャル「・・・・・どうしてそういうこと言っちゃうかなぁ・・・単なるオーバーキルだよ」


桂馬「これが僕なりの優しさと捉えてもいい」



シャル「・・・・・もう確定されてしまったミスルートなら、桂木君もどうしようないって事かな」


桂馬「・・・・・・悪かったな」


シャル「謝るくらいなら一夏と付き合わせてよ」


桂馬「・・・・・すまない」


シャル「・・・・・うぅっ・・・・ヒグッ・・・!」ポロッ


桂馬「・・・・・・」



シャル「・・・・・・そう思うのなら、ボクを元気にさせてよ。もう・・・グズッ・・・・・胸が痛くて・・・・目に映るものが嫌に思えてくるよ・・・」ポロポロ


桂馬「・・・・・はぁ・・・・・・現実にはつくづく失望させられる・・・」



ぎゅっ・・・



シャル「一夏から悲しい言葉なんてもらいたくないよぉ・・・・なんでこんな事にならなきゃいけないのぉ・・・」ギュゥ


桂馬「知らんわ・・・好きになった奴の負けなんだよ、そんなの。そもそもハードルが高いんだよ、選別してからルートに定じろ。お前の目は節穴か」


シャル「こんなに好きになっていたなんて・・・改めて思い知らされたよぉ・・・・・」


桂馬「日本にはそんなお前にぴったりな四字熟語がある。自業自得だ、ばか」


シャル「・・・・・ンクッ・・・ヒグッ・・・」


桂馬「おい、なんとか言えよ」



シャル「・・・・・ありがと」


桂馬「は?なんの話だ?」


シャル「ヒック・・・・・ふふっ・・・この後はどうしようかなングッ・・・ヘタレ卒業でもしようかな・・・・・でもフラれたって事実は残したくないなぁ」


桂馬「そんなこと僕に言われてもな。どうだ?世の中には乙ゲーというのがあって、その世界に・・・」


シャル「やだ。桂馬と一緒なのは嫌だ・・・」


桂馬「お前は僕の母さんか!勝手に僕の下の名前を呼ぶな」


シャル「あのさ・・・・・このまま少し胸貸してよ。ゲームの邪魔だけはしないから」


桂馬「・・・・・邪魔しないなら、別に良いけどさ・・・」


シャル「今、ツンデレったの?」


桂馬「ツンデレってない。つか、ツンデレったってどういう言葉の使い用だよ!」



シャル「いーや、ツンデレったでしょ・・・」クスクス


桂馬「・・・・ないってば」


シャル「今ね・・・へへっ・・・・可愛い桂馬を見て元気出た」ニコッ


桂馬「お前はいつまで僕を煽るつもりだよ」


シャル「えへへ・・・桂馬の照れ顔見て血が滾ってきたよ!」ニコニコ


桂馬「僕は照れてないぞ!というか、真似するな!」


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




数日後



一夏「今度の日曜日映画でも見に行かないか?」


セシリア「ふぇ!?そ、そそっそそそれは本気ですの!?」


一夏「本気だぞ。最近、セシリアといると楽しくてな。休日も一緒にいたいし・・・ダメか?」


セシリア「ダメじゃないです!ぜひっぜひ!一緒に行かさせてもらいます!!」


一夏「確かめたい事もあるし・・・」


セシリア「!!」


ーーー
ーー




教室



桂馬「エンドを映画館でやろうっていうのか!?あいつ人間をやめるつもりか!?」


セシリア「それは度を超えたゲーム脳の桂木さんが言えたことじゃないんですの」


桂馬「今時、告白イベントを映画館でするなんて少女漫画でも有り得ないぞ」


セシリア「雛形はですね、それなりの評価されてるから雛形になるのですのよ。たい焼きにチョコやカスタードのが人気なのに、あんこがずっと残ってるのと同様ですの。それなりに安定したものがあるのですわ」


桂馬「だが、ゲーマーのプライドが許さん」


セシリア「私はゲームヒロインじゃありませんわ!」



桂馬「仕方ない・・・・はぁ、甘んじて受け入れよう。よし、じゃあ映画館イベントについてだがー・・・」



「桂馬くーん!ご飯一緒に食べよーよ」

「オール満点様のお勉強話聞きたいな~♪」

「私達と話しましょー!」



桂馬「・・・・なんだよ、大事な話の途中で」


セシリア「桂木さん。行っていいですのよ。いえ、行ってあげなさい」


桂馬「は?これはお前のことなのに」


セシリア「良いのですわ。最後くらい自分でケリをつけますわ!桂木さんのゲーム論からすると一夏さんの私への好感度はカウントストップ寸前なのでしょう?」


桂馬「あぁ、あとは素振りと口振りで誘って気付かせて告白させるだけだ・・・・けど」



セシリア「ありがとうございます。最後の そこまで考えてくださっているのですわね」


桂馬「・・・・・・」


セシリア「本当に大丈夫ですって!99%勝利確定の勝負で負けるほど、私は低脳じゃありませんわ!」


桂馬「・・・・・はぁ・・・いいよ。そこまで言うんだったらお前に任せる」


セシリア「はいっ!ですから、あちらの方々の元へどうぞ」グイグイ


桂馬「いや、だからと言って僕が行くわけじゃ!」


セシリア「ほらほらですわっ!」グィッ


桂馬「おわっ!?おい!セシリアっ!!」


「桂馬君って、ご飯は食堂でいつも食べてないけどどこで食べてるの?」

「あっ!気になるー!知りたい知りたーい!!」

「それといつも何食べてるの?」


桂馬「お前らそんなたくさん質問をぶつけるな。僕は聖徳太子じゃないんだ。お前らもボタンを押すまで待て」


「じゃあ招待してよー!いつも食べてるご飯と場所込みでー」

「おー、いいねー!」

「桂馬くんプロデュースだね!楽しそー!皆のものいくぞー!」

「わー!私も行きたーい!」

「「私も私もっ!!」」



セシリア「・・・・・・・・一夏さん好きの人が桂木さんのとこに行ってくれて、ラッキーですわ!・・・・・・・・本当に・・・ラッキーです・・・・」

今回ここまでっす

書き溜めできたら明日出しますので

ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




庭園



セシリア「あら、桂木さ・・・」


シャル「ねー、良いよねー!専用機あるんだし、ボクが調整も兼ねて訓練手伝ってあげるって!」


桂馬「執拗い・・・僕はもう操作方法は分かってる。お前の力を借りるまでもない」


シャル「じゃあ、ボクと模擬戦でもしようよー!」グィグィ


桂馬「お前は愛しのワンサマーとでも仲良く闘っとけ・・・・僕は溜まったギャルゲーの処理に忙しいんだ」



シャル「それも良いけどさ・・・ボクがこうして直々に頼んでいるのは一夏じゃなくて桂馬なんだよ?」


桂馬「それがどうしたんだ。僕は直々にお前に拒否の意識を見せているんだ。遠回しじゃない辺り感謝してくれ」


シャル「そうやって逃げたってダメなんだからね?もしかしてボクに負けるのが怖いの?」


桂馬「そんな安い挑発に僕は乗らないからな」


シャル「あはは、だーめっ!」腕ギュゥ


桂馬「お、おい!?」



セシリア「・・・・・・・え・・・シャルロット・・・・さん・・・・・?」コソッ



シャル「じゃあ今日の模擬戦でボクが勝ったら、放課後はボクとお買い物だからね!」


桂馬「僕が勝ったら何になるんだよ・・・。そうだな、これ以上僕に関わらな」


シャル「午後にゲームショップ行くの手伝ってあげる!もちろん、荷物持ちしてあげるからっ!ふふっ・・・どっちにしろデートだね」


セシリア「・・・・・・・え・・・」


桂馬「なんでお前が条件を提示してるんだよ!勝手すぎるぞ。やってられるか・・・」


シャル「やらないって事はボクの不戦勝って事で良いんだね?やった、デートだ!デート!」



セシリア「・・・・・・っ・・!」タッタッタッ



桂馬「はぁ・・・・僕がゲームで負けるわけないだろ」


シャル「ISはゲームじゃないよ」


桂馬「こんなの体感型ゲームで考えれば・・・・余裕だ。『恋してシューティー』という戦闘機に乗り、ヒロインを助けて強くなるというシューティング型ギャルゲーがあってな・・・あれの攻略法は酷かった。敵船を落とすのにその敵船の中にヒロインがいてさ、ヒロインを殺してしまわないように敵船を落とすんだよ。綺麗にヒロインのいる牢獄型緊急テレポートマシンだけを残して撃ち落とすんだ。初見殺しも良いところさ」


シャル「わわっ・・・ちょっとは自重してよ・・・・・」


桂馬「僕は負けることはない。けど、模擬戦は行わない!何故なら時間の無駄だからだ」


シャル「あーぁ・・・数日前の栄光はもう見えないんだね。学園きっての秀才から負け犬ゲーマーのレッテルが貼られちゃうんだね」


桂馬「僕が馬鹿にされてもいい!だが、ゲーマーということは関係無いだろ!ゲームは悪くないだろ」


シャル「そんなのボクも関係無いかもよ?だって噂を言い始めた人なんて・・・どうせ分からないんだから。ふふっ・・・」


桂馬「お前の腹黒加減はどうにかならないのか!?」



シャル「どうする?」


桂馬「付き合えば良いんだろ。僕が勝って物語はハッピーエンドだ。そうさ、現実なんてこんな簡単に終止符を打てるんだ」


シャル「ボクが勝ってハッピーエンドだよ。知らないの?ISには自己進化が設定されてて、戦闘経験を積む事で進化していくんだよ?僕は既に乗り越して戦闘も数え切れないくらい経験しているよ」


桂馬「それくらい知ってる」


シャル「ふふふ・・・桂馬じゃボクには勝てないよ」


桂馬「あんまり強がりな言葉は言わない方がいいぞ。それは負けフラグだからな」



エルシィ「あー!にいさま!にいさま!大変です!はぁはぁ・・・」


桂馬「どうした。息なんかきらして・・・」


エルシィ「とにかく来てください!」


桂馬「!!・・・・・・悪いな、シャルル。いや、シャルロット。僕は用事ができた」


シャル「だーめっ!そんなわけにはいかな・・・・・・って、待って?ん、え、いやいや・・・なんでボクの黒歴史を知ってるわけ!?」


桂馬「ワー、モウ。ソンナニ引ッ張ルナヨー。エルシィー」


シャル「ほ、ほんとに待って!どこで聞いたのさ!?」



ーーー
ーー




桂馬「よし、上手く撒いたか・・・初めてお前がいて良かったなんて感じたよ。ありがとな」


エルシィ「褒めるなら、もっと言葉を選んでくださいよぉ」


桂馬「で、大変な事ってのは・・・」


エルシィ「あっ。そうなんです!にいさま!大変なんです!」


桂馬「言わなくていい。わかってる・・・僕も気付いてるさ」


エルシィ「そうなのですか・・・さすが神にいさまです!」


桂馬「飛鳥空が帰ってくるんだ・・・」


エルシィ「ええっ!?あの悪夢が・・・」



桂馬「安心しろ。キャラクターデザインとストーリー設定を他のゲーム会社がリメイクして作り直されたんだ」


エルシィ「ほっ・・・なら安心です」


桂馬「悪魔が悪夢を恐れるなんて地獄も末だな」


エルシィ「仕方無いですよー!人間の最も恐れるものが人間みたいなものです!」


桂馬「まぁいいや。それより経営側の人間があのゲームの結末を知ることが出来たのかは不明だが、しかしそこは問題ではな」


エルシィ「ってぇ!!違いますよぉ!」


桂馬「うるさいな・・・」


エルシィ「違うんです!取り敢えず、その問題の元に行きますから!」





どろどろどろ・・・




桂馬「・・・・・僕のこの世で最も聴きたくない音な気がするんだが・・・気のせいだよな・・・・」


エルシィ「ええっと・・・レーダーによるとこの辺りに・・・・・」


桂馬「今はセシリアのことで忙しいのに・・・なんで現実は邪魔ばっかり・・・・・」



「あら?エルシィさん。携帯が鳴ってますわよ?織斑先生に見つかったら大変ですわよ」



桂馬「!?」


エルシィ「にいさま・・・」



桂馬「おい、こいつ・・・・・なのか・・・?」


エルシィ「・・・・・・」コクン



「はい?お二人で何をコソコソと話しているのですか?私も混ぜてくださいまし」



桂馬「なんで、だ・・・・なんで今の時期に・・・」


「鳩が豆鉄砲を受けたような顔されてどうされたのですか?私の顔に何か付いてますの?」



桂馬「・・・・・・・セシリアの心に隙間が・・・・」



セシリア「心に隙間??ふふっ・・・桂木さんにしては珍しいメルヘンチックな言葉ですね」クスクス



今回ここまでっです

無計画で短くて申しわけない
休日になったら書き溜めますので

ーーー
ーー




桂馬「くそ・・・織斑一夏、か・・・・・あいつがセシリアに何かしやがったな・・・・誤算だったな」


エルシィ「そうですかね・・・」


桂馬「何か心当たりでもあるのかのような口ぶりだな」


エルシィ「・・・・・にいさまも程々に鈍いですよね」


桂馬「聞いてやる、言ってみろ」


エルシィ「女の子の気持ちは少しの事でも揺れます。氷細工のようにやわくて、繊細なのですよ・・・・」


桂馬「・・・・?」


エルシィ「優しくされたい、話しかけて欲しい、見て欲しい・・・女の子の心は、そんな欲しいこと尽くしなのですよ」

エルシィ「・・・私だって、誰が相手だろうと素敵な姿を見せて、自分を輝かせようとか自分の魅力で惚れさせたい、自分の望んだ理想の世界にしたい・・・そんなこと思います」


エルシィ「セシリアさんは、きっとこう思っているのですよ・・・・」


桂馬「それは・・・なんだよ」


エルシィ「きっと・・・お洒落が苦手過ぎて相当困って心に隙間が空いてしまったのです。女の子はそんな小さな事でも心に迷いが生じてしまうのです・・・・」


桂馬「・・・・・・」


エルシィ「お母様も三者面談での服装でとても頭を抱えていました。私もにいさまとデートする時、歩美さんやちひろさんに格好について熱く語られました」


桂馬「エルシィ・・・・」


エルシィ「考えてあげてください。セシリアさんは困っています・・・迷っています。きっと・・・・・泣いてますよ」


桂馬「・・・・・お前、何を真面目な顔で阿呆な事語ってるんだ?」


ーーー
ーー




まぁ・・・エルシィの言葉も一概にも否定は出来ない


胸が小さい

顔が可愛くない

身長が高い


そんな、小さなコンプレックスでも自殺やら殺人を試みる人間だって世の中には少なくともいる


だってラーメンの味に悩んで心に隙間を開ける奴だっているのだから


ましてや、それが自分からしたら大きなコンプレックスになったりしている


作品数で表すなら68作品+論外1人


だから心に隙間を作るのなんて容易い



・・・・・。




どうする・・・。こんなことになるなんて思いもしなかった


現状の理解としては、このままセシリアには織斑一夏攻略を続けてもらえばいい


エンディングは、2人でハッピーエンドして恋を実らせればセシリアからは駆け魂が出る


現状維持が僕としても駆け魂出しにしても万々歳な方向だ



さて、ならば原因はなんだ?


織斑一夏の奇行・・・?

相変わらず何を考えているか分からない

それ故、何を起こすかも不明

僕からも距離を置いているため、あまり情報はない




ならば、セシリアの悩みの膨張か

あいつには僕が色々と指示を出していただけで何も考えさせてやらなかったからな・・・

僕の指示以外の行動によって悩みを作ったのか?



二人の関係性、関連性、共通点・・・


インフィニット・ストラトス・・・・

専用機持ち・・・

友人関係か・・・?

シャルロット・・・・



シャルロット・デュノア。そうだ、あいつだ・・・

あいつも気付いたら変わっていた



あいつがセシリアか織斑一夏に何か手を施したのか?

性格の悪さは僕が保証するレベルだしな・・・

織斑一夏を自らのモノにする為に、セシリアを嗾けたか、織斑一夏に託けたか



織斑一夏が奇行を起こしたのなら、セシリアは僕に説明するはずだ

あいつは、僕の攻略を信じきっている節もある。何故そこまで信用出来るか知らないが


なら、セシリアの悩みの増幅

それは僕が無関係、もしくは僕には話せない内容となる。

話さなかったということは織斑一夏とは関係ない・・・となるか

じゃあ、セシリアが悩むというのは限りなく白に近いな



最も不安要素なのがシャルロットなんだがな・・・



なんか知らんが・・・もの凄く嫌な予感がする


ーーー
ーー




シャル「セシリア?ちょっと良いかな・・・?」


セシリア「なんですの?・・・・随分、真面目な顔ですわね」


シャル「うん、まぁね・・・直ぐ終わるから。セシリアが二つ返事で了解すれば万事解決だし」


セシリア「そうですか。なら早く教えてくださいまし」



シャル「あのさ、あんまり桂馬に近付かないでくれるかな」



セシリア「はっ・・・・はい?・・・薮から棒にどうしたのでしょうか」


シャル「自分が迷惑をかけてる事に気付いてないのかな・・・・分からないよね?」



セシリア「迷惑?なんのことですの?私はただ桂木さんに勉強等を教えたり、教えてもらったりしてくらいで・・・」


シャル「違うよ?一夏の方が迷惑してるんだよ」


セシリア「?」


シャル「そうだなぁ・・・私は実際に見たことないから分からないけどさ、セシリアって桂馬を初対面で目の敵にしたんだよね?」


セシリア「そ、それは・・・。それが今関係ありますの!?」


シャル「・・・ラウラが転校して挨拶した直後、ラウラが一夏の頬を叩いたよね?どう思った?無関心だった?」


セシリア「それは・・・私も少々頭に来ましたわ」


シャル「なのに、その数日後には一夏を最も近い位置にいた。私やセシリアは、ラウラと同じように常に意識して傍にいようとしてた位置だから、あんまり理解出来ないと思うけどさ・・・」


セシリア「・・・・・」


シャル「相当腹立たしいんじゃない?一夏に想いを寄せてた人はさ、セシリアの感じた怒りより遥かにさ・・・・まるで掌を返したようで」



セシリア「それは・・・積極的に動かなかった人達の問題でもありますし、別に他人に責められる事じゃありません。私が一夏さんに謝罪の言葉を述べれば済む話です。そして私は謝罪しました」


シャル「例えば、どうだろう。飼っていた犬が他人に蹴飛ばされた。蹴飛ばした相手はその後謝ってきた。でも、それは何かの手違いやミスというわけではなく、判断して行った故の暴力でした。飼い主は、どう思うかな?『謝ったなら良いや』って思えるかな?」


セシリア「それは・・・その・・・・」


シャル「『誠心誠意謝った』自分はそれでスッキリ解決したと思うよ?でも他はどう思うかな?きっと・・・・許さないだろうね」


セシリア「!!」


シャル「セシリアはさ、何か勘違いしているよ?私はクラスメイトの一員、専用機持ちで頼られて、私は皆さんと蟠りのない仲良し。・・・・・・なーんて、思ってる?」


セシリア「それはどういう事ですの・・・?」


シャル「理解出来てない時点で勘違いだよ・・・セシリアは、ボク達箒や鈴以上に周りから嫌悪されてるよ」


セシリア「っ!?」


シャル「一夏の傍にいるだけでも、周りから嫌われてる面でも・・・既にセシリアは迷惑だったんだよ」



セシリア「そんなっ・・・そんなこと誰もっ!!」


シャル「セシリアって本当に幸せ者だね。誰が庇ってくれてたと思ってるの?収めてくれてたのは、一夏だよ」


セシリア「一夏・・・さんが・・・・?」


シャル「優しいよね。皆の味方だよね。皆が愚痴っている中に入って止めてたんだよ・・・・・・・・・なのに、何してくれてるのかな?セシリアはさ」


セシリア「桂木さんですか・・・」


シャル「分かってるなら、なんで?知ってる筈だよ、桂馬が一夏を良く思ってないこと、一夏が桂馬と距離を置いてること」


セシリア「そ、それくらい知っていますわ」


シャル「言うなれば『共有財産』だよ。一夏が唐変木で揺るがないのなら、桂馬は完全拒否だよ。なのに、セシリアは桂馬の完全拒否の範囲内に侵入しているプラス・・・一夏に好意を抱かれつつある」


セシリア「・・・・・・」


シャル「『何様?』って言葉が似合うよね。皆思ってるよ。業後とか桂馬がセシリア連れて何処かに消えちゃう姿に苛つきを覚えてるよ」



セシリア「・・・・・・」


シャル「・・・そうだよね。だって派閥が2つあるのに2つともセシリアが占拠している。それが許されると思ってるの?」


セシリア「私は一夏さんは好きです・・・けど、桂木さんとはただの友達で・・・・・」


シャル「こういうの言うのは嫌だけどさ・・・本当に、何様なの?」


セシリア「!?」


シャル「立場分かってるの?桂馬がこの学校では、ただの男とでしか認識されてないと思ってるの?」


セシリア「わ、分かってますわ・・・・・・ですが、私と桂木さんは誰にも言えない関係がありますの」


シャル「じゃあ何?桂馬に対して生まれた嫉妬も、一夏が解決しなきゃいけないわけ?桂馬は一夏みたいに庇う程優しくないよ」


セシリア「それは・・・私自身が抱える苦しみであって、それは・・・その・・・・・」


シャル「正直、うざいよ・・・そういうの」



セシリア「考えた事がなかったのです・・・私は、一夏さんが好きで付き合えれば良い、桂木さんと話し合えることお茶を交わすことが出来ればいい、と」


シャル「・・・・・それをしたいって人がセシリアだけだと思ってるのかな」


セシリア「有り得ない・・・ですわ」


シャル「認めたくないけど・・・多分、皆気付いてる。一夏はセシリアが好きだよ・・・・諦めてる人もちらほらいるんだ」


シャル「なら、もう答えは見つかってるよね?」


セシリア「・・・・・はい」


シャル「・・・・じゃあ、この話はここまでだよ。これからは行動に気をつけてよね」


セシリア「・・・・・・」


ーーーー
ーーー
ーー




なんですの・・・


この言い表せない敗北感は・・・・・


なんですの・・・


私が近付いたのではなく、桂木さんから近付いてきましたのに・・・


なんですの・・・


桂木さんとは何でもありませんのに・・・


なんですの・・・


本当になんですの・・・・


シャルロットさんの言葉も

私の気持ちの動揺も



すべてが気持ち悪いのですわ・・・


何もかもが上手くいっているのに、上手くいっている事が私は嫌なのですか?私。


周りなんて関係ないですの・・・


迷惑なんて一夏さんの御好意に過ぎませんことよ・・・


一夏さんは、迷惑と思っているのでしょうか


一夏さんは、面倒と思っているのでしょうか


一夏さんは、私が桂木さんといて、どう思っているのでしょうか


もし本当に好きならば、そちらのほうが寧ろ迷惑なのではないでしょうか







桂木さん・・・・




桂木さんは、どう思っているのでしょうか





ーーー
ーー




業後



桂馬「セシリア、ちょっと来い」


セシリア「・・・・・・」


桂馬「セシリア。この前の紅茶の淹れ方を教えてやるから僕の部屋に来い」


セシリア「・・・・・・」


桂馬「聞いてるのか?お前には拒否権は無いんだぞ。時間がない・・・課題あるなら後で手伝ってやるから、早く」


セシリア「・・・・ヤですの」


桂馬「準備を・・・は?今、なんて言ったんだ?」


セシリア「ヤなのですわ・・・」



桂馬「はぁ・・・・確かに日曜日のは手出ししないって言ったが、お前のヘボい家庭科力に手助けはしないなんて一言も言ってない」


セシリア「違うのですわ!!」



ざわざわ・・・ざわざわ・・・・・



『なになに?喧嘩?』

『えー・・・セシリア、キレてるみたいだし』

『なにこれ、やばくない・・・?』



桂馬「大声出すなよ。何が違うんだ?言ってみろ」


セシリア「私がいつ桂木さんに頼みましたの!?」


桂馬「・・・・・・頼んだ頼んでないとか言う話じゃない。パロメーターを上げる行為に、イベント時のような選択肢はないんだよ。能力を上げることの決定した以上は、僕が主導権だ」





パシンっ!!




セシリア「私は・・・・セシリア・オルコットは、桂木さんのモノじゃないのですわ」


桂馬「・・・・・・」


セシリア「頭は覚めましたの?私が嫌と言ったら嫌なのですわ」


桂馬「・・・・・・」


セシリア「・・・確かに今までは助かって来ました。ですが、恩を売らせたつもりはありませんの」


桂馬「・・・・・・そうか、悪かったな」


セシリア「・・・・・そう、ですわ」



桂馬「・・・・・・おい、エルシィ。部屋に戻るぞ」スタスタ


エルシィ「へ?あ、は、はーい!・・・・・何やらセシリアさん機嫌悪そうですね」アタフタ


桂馬「・・・・・知るか。あんな奴・・・」


セシリア「・・・・・」






シャル「・・・・・わー・・・桂馬痛そう・・・」


ーーー
ーー




教室



癒子「皆の者!であえ、であえー!拘束じゃーい!」


本音「御用だ、御用だぁ~」ムギュッ


ラウラ「暫し力を抜け」ガシッ


桂馬「は?ちょっ、いきなりなんだ!待て!!離せ離せっ!」


癒子「言い訳無用だー!」


本音「ごっはん♪ごっはん♪けーまとごっはん♪」


ーーー
ーー




食堂



桂馬「なんでお前がいるんだよ」


一夏「ははっ、俺ってそんなに嫌われてんのか」


桂馬「当たり前だろ?自覚なかったのか」


一夏「なんだよー!もっと男同士仲良くしよーぜ、な?」


桂馬「さ、触んな!肩組むな!僕は馴れ合いが嫌って言っただろ」ペシッ


一夏「俺だって嬉しかったんだ。学園で男一人ってのはかなり寂しいんだぞ?」


桂馬「そーかい・・・そりゃ結構なもんで。僕はお前が居ようが居まいが特別支障は無い」


一夏「ははは、それよりご飯食べようぜ!桂馬ってさ、いつも食堂来てないから知らないだろうけど、ここのご飯美味いんだぜ」



癒子「ほれほーれ、おじちゃんが食べさせてあげるぞー♪あーんって、あーん」


桂馬「や、やめっむぐ」


本音「おりむーとばっかり話してさー、私はもっとけーまのこと知りたいなぁ~」ギュゥ


桂馬「ごくっ・・・はぁ!真面目な方で暑苦しい!離せ!なんなんだっ!」


一夏「あははっ!楽しそうだな」


本音「ほほーう・・・女の子みたいな身体してますなぁ~」ワサワサ


癒子「なんだとーっ!けしからん!誠にけしからんな!」


鈴「あんた、本当に女みたいな骨格してるわねぇ・・・男のくせにちゃんと鍛えてるわけ?」


ラウラ「軟弱だな!全く・・・一夏を見習え!」


桂馬「ゲーマーが身体を鍛える必要ないだろ・・・あのさ、僕はもう行っていいか?」



癒子「もうちょっと食べていきなよ。私の奢りだからね」


鈴「一夏!ほら、私が食べさせてあげるから口を開けなさいよ!」


一夏「いいよ、俺はもうお腹いっぱいだし」


本音「あー・・・そうだそうだぁ。げーまに聞きたかった事があるんだけどねー」


桂馬「さっき呼び方変わってないか?」


本音「けーまって、セシーと付き合ってるのかな~って?」


桂馬「呼び方統一しろよ」


一夏「は?」


鈴「えっ、まじ!?」


ラウラ「そうなのか!?」



癒子「いやいやぁ~、私も気になってたけどさ~・・・・・さっきだって、セシリアを部屋に誘ってたし」


一夏「ほ、ほんとなのか?」


桂馬「・・・・・・・。そんなのさっきのセシリアの言動を見てれば分かるだろ?」


本音「まーねぇ・・・セシーちょっといつもよりも怖かったよね~」


鈴「は?何があったわけ?」


ラウラ「この男がセシリアを部屋に呼んで、セシリアが憤怒してビンタしたのだ」


鈴「え?なにそれ、当たり前じゃないの。というか、あんたそういうタイプの奴の!?」


癒子「いやいや~・・・2人はいつも放課とか業後になると一緒にいなくなるズルい関係ですからなぁ・・・・だから、私達も少し疑惑を感じてたんですよ」


鈴「あぁ、それで最近は付き合い悪いわけね・・・・って、あんたとセシリア付き合ってるの!?」


桂馬「なんだよ・・・この出来の悪いRPGみたいな展開は・・・・・・この中国人の脳内構造はどうなってる。さすが中国人」



一夏「あぁ、それなら山田先生から聞いたんだけど、よく空き教室とかで勉強とかISの基本操作とか教えてもらってたりしているそうなんだよ」


ラウラ「そうなのか・・・こいつは一夏と同じで無知識でこの学園に来た身だからな」


本音「でもでもぉー・・・ホントはどうなのかなぁって~・・・」


桂馬「あんな性悪女と誰が付き合う・・・?」


癒子「うわぁ~・・・露骨な嫌な顔してますなぁ」


一夏「・・・・・」


鈴「セシリアには気に食わないところあるけど、それは勝手なんじゃない!?あんたちょっと言い過ぎよ!」


桂馬「それはお前の意見だろ?僕が嫌なのを嫌と言ったって、そんなのお前には関係ないだろ?」


ラウラ「それもそうだが、仲間を馬鹿にされるのは私とて聞き捨てならないな」


桂馬「だから、僕に関係あるのか?」



ラウラ「貴様っ・・・」


桂馬「これは、僕の妹の友達から聞いた話なんだけどな・・・・・・ある女には好きな奴がいて、その好きな奴は他の女と仲良くしてるところを見た。たったそれだけ」


一夏「・・・・・?」


桂馬「それだけで暴力を振るう奴だったらしいんだ。酷い話だよなー・・・まぁ妹の友達の話だから気にしないでいいから」


ラウラ「なっ・・・」


鈴「ぐっ・・・・」


一夏「??」


本音「こらこらぁ!喧嘩はダメだぞぉ~」


癒子「そんな意地悪言っちゃ『めっ』だかんな~?」


本音「げーまは今夜は私がお持ち帰りなのだぁ~!ちょーきょーだよー」



癒子「おほぉ・・・良いですなぁ・・・・・」ワキワキ


桂馬「は?僕は今日はゲームを」


本音「だめだめーっ!今日はけーまとの初めてご飯記念日だから、お部屋でたくさんお喋りするのー!」


桂馬「さっきと話違わないか?」


本音「おっもちかえりぃ~♪」ギュゥ



桂馬「いや、お前さ!そんなのあの織斑千冬にバレたら罰則じゃ済まないぞ!だから、行かない!行かないって!」


本音「ラウラン!部屋まで運ぶの手伝ってー」


ラウラ「む?良いが・・・・ほいっ」ヨイショ


桂馬「わわっ!またか、こいつ!!離せ!」ジタバタ

桂馬「物騒なこと言うな!降ろせっ!」


癒子「・・・・んじゃ、ちょっくら連れてくから、元気取り戻しといてね。だいじょぶだいじょぶ!気にしない事が一番だって」ボソッ


鈴「・・・・・反論出来なかった・・・・・・・・・・」


ラウラ「まぁ気にしても仕方無いだろう。悔い改めようではないか」


桂馬「肩に担ぐなっ!お前のその細い腕からどうやってそんな力が出せるんだよ!?」ジタバタ


癒子「ふへへ・・・このジャリボーイにはお灸を据えなければなりませんなぁ!のぅ、本音よ?」


本音「ですなですなぁ~」


桂馬「待て!まだ僕はご飯を食べて!!」


ーーー
ーー




エルシィ「昨晩はどうされたんですか?」


桂馬「まぁ散々な目には会ったが・・・・織斑一夏の意思は少し変わっただろうな」


エルシィ「もうー!織斑先生を誤魔化すの大変でした」


桂馬「まぁあいつにしては・・・・動揺してた方だな・・・」


エルシィ「もうー!聞いているんですかー!」プンスカ



ぶーぶー!ぴーちくぱーちく!



桂馬「あー・・・もう!うるさいうるさい!」


ーーーー
ーーー
ーー




~翌日~



一夏「あのさ、セシリア・・・?」


セシリア「は、はい!?一夏さん!なんですの!?」


一夏「なんだか昨日から元気なさそうだけど何かあったのか?」


セシリア「ふぇ!?あ、いいえ!特にそのようなことは・・・」


一夏「何か悩み事があるなら何でも言ってくれ。力になってやる」


セシリア「あの・・・・・・・はい・・・」




なんでしょうか・・・この感覚は・・・・・



一夏さんなら、なんとかしてくれると頭は思っているのに・・・信用出来てない私がいる


でも、きっと桂木さんなら突拍子もない事で解決してくれる筈・・・・・


一夏さんが助けてくれるのを素直に受け入れれない


嬉しい筈なのに罪悪感が強いのは何故ですの


桂木さんならどうにかしてくれる・・・


この胸の苦しみも分かってくれる、無くしてくれる



・・・・・・。


いいえ、違います



それはきっと桂木さんが一夏さんより、物知りで頭が良くて、回転も早くて有能で・・・・・そう。それだけですわ



講師なら頭の良い人に質問する。というのと何ら変わりないことですわ


・・・・・・違う?


いいえ、違わなくないのですわ


桂木さんは本当に頭が良いだけなのですの



・・・・・なぜ、私は一夏さんが好きで助けて欲しいのに、どうしてここまで



桂木さんのことを考えて・・・・頼りたがっていますの・・・?


変ですわね



一夏さんと違って言葉の当たりも強くて、


私をこき使って、


直ぐに威張り散らして、


小言も愚痴も私の前で言いますし、


簡単に怒りますし、



だけど・・・一夏さんと違って


私にだけ優しくて、


私の為に動いてくれて、


私のことだけ考えてくれ・・・・



昨日だって、私のこと考えてくれてましたのに・・・・




わたくしは・・・わたくしは・・・・・



この右手で・・・



・・・・おかしいですわね・・・



目元が無性に熱くて、

胸が痛くて、

息をするのも・・・辛いですわ・・・・・・



なんなのですかっ・・・・もう・・・


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




庭園



セシリア「・・・・・ここなら、きっと桂木さんがいますわ・・・」



セシリア「いつもみたいに・・・足を組んで、ゲームをしていますわ・・・・・そして私が来たら『遅い、何分待たせるんだ』と」



セシリア「・・・・怒ってくれるのですわ・・・・・・・・そして、謝りましょう・・・・昨日のことも、遅れてしまったことも」



セシリア「いつもみたいに。そして・・・2人で、ご飯を食べながら、話し合いましょう・・・・・」



セシリア「2人だけの秘密にしましょう・・・それなら誰だって何も思いませんわ・・・・・」



セシリア「・・・・・そして言ってみましょう・・・シャルロットさんみたいに、私も・・・」




シャル『ボクの手作り料理は美味しいかな?』

桂馬『・・・・・美味いけど』

シャル『そっかぁ・・・えへへ』

桂馬『なんだよ』

シャル『知ってる。あはぁ、桂馬は優しいなぁ~』

桂馬『だから!抱きつくなっ!』



アハハハ ウルサイ!ハナレロ・・・・



セシリア「・・・・・・」




「あは」


「・・・・・あははっ」


「・・・・・・・・」



ぽたっ・・・ぽたぽた・・・・・



「・・・・・・・・・なんで」


「・・・・・・・ェグッ・・・」



「・・・・・・なっ・・・ング・・なんで、私は泣いているのっ・・・ですかぁ・・・・教えて・・・ヒグッくださいよぉ・・・・」



「・・・・・・・・・けいま、さん・・・・・」


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




日曜日



一夏「よっ、セシリア。待たせたな」


セシリア「いえいえ、全然待ってないですわ!」


一夏「よし、なら行くか」


セシリア「はいっ!」



私は、いつ人を好きになる気持ちを覚えたのでしょうか


親を好きになれなかった私にはその気持ちはなかったのでしょうか



いいえ、それはおかしいのですわ


だって、私が今一夏さんといる心持ちがお母様と一緒にいたと時と同じなんて有り得ませんから


本心ではきっと好きだったのですわ


この感情はそうなのですわ


好意を抱いている一夏さんを『無関心』だなんて有り得ませんの


これは違いますの、絶対に



ーーー
ーー


セシリア「一夏さん、こちらの紅茶はフランスでも有名な大手企業が扱っている茶葉でしてーーー」


ニコッ


セシリア「一夏さんの好きな食べ物くらい、私は知っていますわ!え?えと・・・それは織斑先生から聞いていましたのでーーー」


ニコッ


セシリア「ふふっ、ほっぺたにご飯粒つけるなんて・・・・可愛いですわーーー」


ニコッ


セシリア「一夏さんはクレーンゲームも得意なのですか!かっこいいですわーーー」


ニコッ


セシリア「え?顔色が悪い?・・・・そんなわけありません事よ。ちょっと疲れたのだと思います」



なんで、なんで、なんで、なんで・・・・





私は、大好きな一夏さんに作り笑顔なんてしているのですか・・・?




あのお父様と話す時のような、あのお母様と話す時のような・・・業務的な笑顔を


好きなのですわ、決して違うのですわ


違わないなんて有り得ませんわ



それに・・・・・なんで一夏さんとのデートですのに、頭に桂木さんの顔が思い出されるのですか


あなたはもう関係ないじゃないですか


縁を切ったのですわ



あなたにはシャルロットさんがいるじゃないですか


もう私の前からいなくなってください


だって、あなたの前には私はもういないんですから


私が思い出す必要なんてないんですの!



一夏「あのさ・・・セシリア・・・・・」


セシリア「・・・・はい、なんですの」


一夏「気付いたんだ・・・この気持ちに」



ズキッ・・・


え、なにこれ・・・




一夏「俺さ、セシリアのことが好きなんだ。付き合ってくれ」


セシリア「・・・うれ・・・・しいです・・・わ」



苦しい・・・



一夏「え・・・?」


セシリア「嬉しいですわ・・・・私も」



やめて・・・



セシリア「一夏さんのことが・・・」




痛い・・・



セシリア「好きなのですわ」



痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い




セシリア「っ・・・・ぉえ」


一夏「!!セ、セシリア!?ふ、袋か何か!!」


セシリア「い、一夏さん・・・・・ごめんなさい・・・わたくしはーーー」


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




「気分はどうだ?」



一夏・・・さん・・・・?



セシリア「・・・・・・・ここは」


「医務室だ。で、気分は?」


セシリア「大丈夫・・・ですわ」


「本音は?」


セシリア「・・・・・・・・最低ですわ」


「それはここにいるのが僕だから、か?」


セシリア「桂木さん・・・」



桂馬「結果はどうだった?」


セシリア「・・・・・・フって・・・いいえ、フラれてしまいましたわ」


桂馬「残念だったな」


セシリア「それは私主観としてですの?それとも桂木さん主観としてですの?」


桂馬「お前はどっちの答えが欲しい?」


セシリア「・・・・・・・」


桂馬「早くしろ」


セシリア「わたくし・・・主観」


桂馬「・・・・僕がお前の悲しみを共感するようなたまに見えるか?」


セシリア「・・・・・・・いいえ」



桂馬「人間って本当に残酷な生き物だよな。簡単に人を切り捨てることができる。言葉たった1つで」


セシリア「・・・・・・」


桂馬「この前のお前みたいに」


セシリア「ご、ごめんなっ・・・さい」


桂馬「今の話のどこに泣く要素があったんだよ・・・」


セシリア「私は・・・・どうしたら良いのでしょうか」


桂馬「知らん」


セシリア「・・・・・・シャルロットさんのこと・・・・桂木さんはどう思ってますか?」


桂馬「さぁな。好きなんじゃないか?」


セシリア「・・・・・・・・」



桂馬「嘘だ、嘘。僕はそう簡単に人は好きにならない」


セシリア「・・・・・そう、ですか・・・安心しました」


桂馬「なんでお前が安心してるんだよ」


セシリア「・・・・・・・・私って、最低ですわ」


桂馬「知ってる」


セシリア「シャルロットさんが・・・・桂木さんに近くて、少しイライラしてしまったのです」


桂馬「それも知ってる」


セシリア「そして私は、ひぐっ・・・桂木さんの優しさに甘えてたのに簡単に桂木さんを」


桂馬「裏切った。そう言いたいのか?そう言いたいのなら、それはお前の思い上がりだ」


セシリア「・・・・・・・え」



桂馬「自分がどれだけ価値ある人間だと思ってんだよ。あれで裏切りなんて言うのなら、僕のしているゲームの大半が殺人気並みのイベントに発達するわ」


セシリア「・・・・だって、だって」


桂馬「確かにムカついた。でも、ムカついただけだ。それだけだ。だから、何になるって言うんだ?よくあるだろ?宿題忘れた人間にグチグチ怒る先生に対して、なんでそこまで怒るんだって。『反省した。次はしません』で済む話なのにさ・・・」


セシリア「・・・・・・・・」


桂馬「時間の無駄だ。つまりは、そういうこと。だから、僕はお前に謝られる筋合いは無い。お前が無駄に対して謝りたいという特殊な趣味なのか?としか捉えれない、正直気持ち悪い」


桂馬「だから、謝るな」


セシリア「・・・・・っ」


桂馬「なんだよ。言いたいことがあるなら言えよ。別に聞くくらいなら耳を傾けてやる」


セシリア「・・・・・ぷっ」


桂馬「・・・・は?」



セシリア「ぷっ!あははは!!!なんですの、なんですの!それはっ!!」


桂馬「突然笑い出すな、気色悪いな・・・」


セシリア「ふふっ・・・・・・ふぅ、本当に・・・・歪んでますわね」


桂馬「歪んでいるからこそ、世界は別視点から見下ろせるんだ。それとも、セシリアが歪んでいるから、僕が歪んで見えてるのかもしれないな。案外、僕は正常かもしれない」


セシリア「・・・・・どうして、ですかね・・・」


桂馬「・・・何がだ?」


セシリア「桂木さんの方が・・・わたくし・・・・・安心して話せますわ」ニコッ


桂馬「そうかい・・・」


セシリア「どうしてだと思います?」



桂馬「知らん。僕が今何を思ってるか、セシリアには分かるか?分からないよな。そういう質問をセシリアは今してい」

セシリア「分かりますわ」


桂馬「は?」


セシリア「困っている。焦っている。不安だ・・・・・とても動揺していますわ」


桂馬「そんな訳ないだろ」


セシリア「そうに決まってますわ」


桂馬「はっ。デタラメを・・・」


セシリア「なら・・・・・・私なんかの前なのですから、ゲームくらいしてくださいよ」


桂馬「残念ながら僕はもう手持ちのは全クリア済みなんだよ」


セシリア「嘘ですわ」



桂馬「嘘なんて分からないだろ」


セシリア「私といる時は絶対にゲームは手放さなかったですわ」


桂馬「・・・知ったかぶりだ」


セシリア「じゃあ・・・どうして」



「どうして・・・」



「・・・・・・・」



「私なんかの様子を見に来てくれたのです?」



セシリア「桂木さん言ってくれたじゃないですか。私が倒れたとしてもゲームを買いに行くって」



桂馬「・・・・・・」


セシリア「手持ちのゲームは全クリアしたのですわよね?なら早く新しく違うゲーム買いに行ったら良いじゃないですか」


桂馬「・・・・それもそうか」


セシリア「っ!!・・・・・・そう、ですわ・・・ヒグッ・・・・グズ・・優先事項を・・・お間違いにッ・・・・・・なられてます、の・・・・」


桂馬「・・・・・だから、今のどこに泣く理由が・・・」


セシリア「わたくし・・・ずっと思い上がってヒグッ・・・・いましたの。本当に・・・バカみたいですっ・・・わ」


セシリア「・・・桂木さんが、ずっと私の傍にいてくれるって・・・・・思い上がっていましたの」


桂馬「それは・・・違うな」


セシリア「・・・え・・・・・・」


桂馬「そんなの僕の勝手だ。分かってない・・・・分かってないんだよ、お前は何も」



セシリア「・・・・・・」


桂馬「僕がここに来たのは心配や不安なんかじゃない。ゲームをやらないのも動揺なんかじゃない」


セシリア「じゃあ何が違いますの!?わ、わたっ私は!思い上がっていた!それの何処が間違いなのですの!」



桂馬「セシリアが喜んでくれると思ったから・・・それだけの話だ」



セシリア「なっ///」キュゥ



桂馬「それよりさ、セシリア・・・・化粧が崩れて汚い、女が鼻水垂らすな、目を真っ赤にするな、顔を強ばらせるな」


セシリア「ぁ、・・え・・・・・申し訳・・・ありませんわっ・・・私としたことが・・・・」


桂馬「ゲームの女の子なら、こんな場面で可愛い顔を作って見せる。さすが現実だ・・・失望させられる」


セシリア「だって・・・だって・・・・・」



桂馬「だってもクソもない・・・僕の目的を聞いても、まだその顔を僕は見せ付けられなきゃならんのか?」


セシリア「ご、ごめんなさいですわ・・・」


桂馬「はぁ・・・そんなんだから、織斑一夏にフラれるんだよ。精一杯なんて言葉だけ、実際汗臭いし見てて暑苦しい。精一杯やったからなんだって言うんだ。成功したなら良いが、失敗したら何も言えない」


セシリア「・・・・・・」


桂馬「『精一杯やりました』なんて言っても結局のとこ駄目なんだよ。努力の結晶なんて見せつけられても、実績を残す結果を出さなきゃ何の意味もない。だから、お前がフラれたら、それは言い訳無用の『失敗』の一言なんだよ」


セシリア「くすっ・・・それで、私を喜ばしてくれようとしたのですわね」


桂馬「・・・・・・・嬉しかったか?」


セシリア「いいえ。罵倒されて最低の気分ですの」


桂馬「そうか。残念だ」


セシリア「だから・・・もっと私に精一杯を見せてください」



桂馬「は?」


セシリア「私がもっと喜ぶようなことを精一杯考えてください」


桂馬「お前なぁ・・・・何を急に上から目線に・・・・・」


セシリア「出来ないのですか?」


桂馬「僕が出来るのはここまでだ。誰がお前なんかの為に精一杯を尽くさなきゃならなっ」



ちゅっ・・・・



桂馬「っんむ!?」


セシリア「んっ・・・・」


桂馬「んぁ・・・な、なななっ!?」




「ふふっ・・・・分かったでしょう?」




「お願いします。桂木さん・・・いや、桂馬さん。私の最も喜ぶことを・・・・」






「桂馬さんから・・・・してください」






ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー




ゲームはゲーム。現実は現実


それくらい誰にだって見分けはつく


ゲームのセカイはただの空想の産物


僕はそんなセカイがあると思わない、ないって信じている


だからこそ、高望みもするし、理想を追いかける


世の中にいるゲームクリエイターとかは信じていないからこそ、作る意欲が生まれる


でも、そんなセカイは有り得ない。空想の女の子と話なんて出来るわけない、机上の空論って、絵空事なんだって・・・


全てが否定できてしまう


それと同じように人間だって思うことがある



僕はこんな可愛い女性と付き合いたい。でも絶対に付き合える見込みはない


でも付き合う為の努力や意欲が生まれ、理想に向かって駆け出せる


結果、結婚して幸せになるんだって思ったりもする


つまりゲームに命をかける人間と恋愛に一生懸命な人間は同じなんだ


理想を追いかける事がどんだけ無様でカッコ悪くて馬鹿にされる事なのか



セシリアが恋愛に失敗した姿は本当に無様であった



でも、嫌いじゃない。恥ずかしいなんて思わない




だって僕はゲーマーだから





桂馬「悪かったな。・・・・・・嫌な役をやらせて」



シャル「・・・・・え?・・か、桂木・・・桂馬君?だったっけ・・・・・ボクが何か・・・・」



桂馬「・・・・ありがとな」



シャル「っ///」ドキッ




シャル「・・・・・って、え?あ、あれ、あれれ?・・・なに、これ・・・・か、桂木く」



しーん・・・・



シャル「あれ?・・・どこに・・・・」

ーーー
ーー




庭園



エルシィ「またそうやって女の子から逃げてばっかり・・・・折角の学園ライフルを楽しまなくちゃいけませんよ!」


桂馬「物騒な生活なこった。防弾チョッキは必須だな」


エルシィ「それよりも見てください!昨日街でハシゴ車を見たのですよ!ちょうどペンとノートがあったので書いたのですぅ!」


桂馬「あー・・・はいはい。上手上手」


エルシィ「ハシゴ車って、ここの鉄の骨組みのとこがグイーンって伸びましてね!」


桂馬「へぇ・・・ほう・・・・・ふーん・・・・」


エルシィ「一度あれに乗ってみたいです!」



桂馬「とことんお前は物騒だな。ここをそんなに火事にしたいのか・・・そうかそうか」



「あら・・・先客がいまして・・・・・」



桂馬「・・・・・・」


エルシィ「申し訳ありません・・・ここ座りますか?」



「いえ・・・ただ訓練も終わって・・・・・なぜか足が自然とここに・・・・」



エルシィ「そうですか」



「来たことない筈なのに・・・・どうしてでしょう・・・私、ここがとっても好きなようです」



エルシィ「・・・・・不思議なことがあるものなんですね・・・ね、にいさま」



桂馬「・・・・・・そうだな・・・」



「・・・・あの、どうでしょう。私、紅茶を入れるのが得意でして・・・・・・・一緒にどうですか?」



桂馬「いらん」


エルシィ「もうー、にいさまー!」


桂馬「いらないものは、いらないんだよ。強要は悪だ」


エルシィ「またそんな・・・」



「そう言わず、飲んでくださいまし!」



「桂馬さん!」



「えっ、あえ・・・・!?」



「あらっ・・・私とした事が・・・・・」



「申し訳ありません。急に馴れ馴れしく・・・」




「でも・・・・おかしいですわ。なんだかその名前・・・懐かしくて、とてもあたたかいですわ」




おわり


更新遅くてごめんなさいです
誤字脱字や前後の話の繋がりが変な点は温かい目で見てスルーしてくださいな

では、ありがとうございました

えっシャルなんだったん!?

そういや一夏に彼女作らせてなかった、すまん

鈴やラウラもISのレギュラーキャラなんで一応間に合わせみたいに出させた。だから口調とかが変だったら、すまん

>>196

シャルは、桂馬の協力の元、セシリアを煽った
セシリアを桂馬から遠けたり、桂馬の近しい存在というアピールをすることで、セシリアの中での桂馬への想いをより大きくさせた

それで最後シャルは桂馬に協力したイコール駆け魂狩りに協力したから、記憶は消されちゃったみたいな

すまん、シャルのは最後でネタバレみたいにしたかったが、書き方が悪かったな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年12月25日 (木) 23:31:53   ID: pnN9WRyQ

これはいいかもしれんぞ

2 :  SS好きの774さん   2015年07月31日 (金) 20:01:54   ID: Rf7iQ2Bw

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