【安価】アルカナロワイヤル【完全オリジナル】 (742)


これから始まるのはいつも通りの日常ではない

世界の常識から大分逸れた、非日常の幕開け

札を与えられた其々の者達の命を懸けた〝戦い〟


それが今。
ここで幕を開けようとしていた――――



※完全オリジナル。版権要素は無いです
※皆さんの安価だけが物語を進めてくれます!
※どうぞご参加ください!



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417178699

このスレはタロットをモチーフにした能力物です
タロットは大アルカナ+小アルカナの72枚で行います

それでは安価を

先ず

主人公の性別と名前>>6

性格>>8

所有するアルカナ>>10

バイサー ショッカー 男

内気で気弱

滅のアルカナ

>>10
すまない!実在するタロットで選んでくれ!


バイサー・ショッカー 男

気弱で内気な性格

所有するアルカナ(タロット)は【運命の輪】


運命の輪の能力(下記から選んでください) >>14

1位置転換(テレポート)
2変身能力
3未来予知+簡単な魔術

2

何に変身するか(その際武器などを持っているなら明記)

>>18

相手のトラウマ

バイサー・ショッカー 男

気弱で内気な性格

所有するアルカナは【運命の輪】

正位置能力は『変化』

相手のトラウマに変身する。
トラウマが人ならばそれと同じスペックになる為比較的強い
だけどもしゴキブリとかなら悲しい事に…
さらにトラウマが無い場合変身が出来なくなってしまったり…


逆位置の能力(以下から選んでください) >>22
1 切断(物質的な)
2 すり抜け(物質的な)
3 物を急降下させる能力

主人公 完成!

バイサー・ショッカー 男

気弱で内気な性格

所有するアルカナは【運命の輪】

正位置能力は『変化』

相手のトラウマに変身する。
トラウマが人ならばそれと同じスペックになる為比較的強い
だけどもしゴキブリとかなら悲しい事に…
さらにトラウマが無い場合変身が出来なくなってしまったり…

逆位置能力は『透過(スルー)』

物質的な物をすり抜ける能力
持続時間は気の持ちようによってころころ変わる
すり抜け途中に雑念が入って能力が止まればまあ大変。壁の中に取り残されてしまう
また銃弾や物理攻撃から身を守ることも可能

よし。じゃあ気弱な主人公一人で行かせるのもかわいそうなので仲間を一人

仲間の名前と性別>>26

性格>>28

アルカナ(タロット※世界以外で)>>30

真田幸村 男

アドラ☆めるく

超熱血漢

どこかで見た事のある人が出来上がりましたね。
大丈夫なのコレは…

正義の正位置能力(下記から選んでください)>>35
1均衡(パラメーター操作能力)
2公平(物質強化能力)
3善行(回復能力)

逆位置能力(下記から選択)>>40
1不正(先制攻撃系スキル)
2別離(分離系スキル)
3悪徳(強化系スキル)

3



真田 幸村 男

超熱血漢

所有するアルカナは【正義】

正位置能力は『善行(ラブ)』
良い事をすればするほどゲージが溜まる
そしてそれを消費することで対象を回復させることが可能
だが悪い事をすればゲージは減ってしまう
何が良い事で何が悪い事なのかあやふやだが、戦闘で能力者を倒す分にはゲージは減らない

逆位置能力は『悪徳(バット)』

悪い事をすればするほどゲージがたまる
そしてそれを消費することで対象を強化することが可能
だが良い事をすればゲージは減ってしまう
何が良い事で何が悪い事なのかあやふやだが、戦闘で能力者を倒してもゲージは増えない

ある日バイサーに通知が届きました。
それは日常を非日常へ変える魔の誘い

それはいったいどんな形で届いた? >>44

1手紙
2メール

1

【世界創造委員会 お知らせ】

【皆様 ご機嫌いかがお過ごしでしょうか?】
【このたび 急ではありますが 神はこの世界にお嘆きになりました】
【神はもうこの世界を見たくない と そこまで嘆いています】
【そこで 私たち 世界創造委員会 は 神に敬意を払い】
【新たな神 を 愚かな 貴様たち から 選定することにいたしました】
【選ばれた 人間には それぞれ お前たちに合った能力 アルカナ を 配布しております】


――――――――以下ルール説明―――――――――――――

・アルカナ所持者は能力を持って同アルカナ所持者と戦闘を行わなければならない
・戦闘の勝ち負けは生死によって区別される
・派閥を組む事が可能。だがリーダーが死亡すると派閥全員も死亡となる(人数が多ければ多いほど神になった際の恩恵は減る)
・能力の使用は自己責任
・最後の一人or生き残った派閥が新しい神
・一日の終わりにその日の生存アルカナ所持者が全参加者に通知される(残り22名を切った時点で全員実名公表)
・もし一週間戦闘が起きなければ全員破棄。死んでもらう


※ルールは不定期に更新される

バイサー「……む…無理だよ。な…何なんだよこれ」

ある日僕の元へ届いたのは不思議な手紙 

バイサー「意味わかんないよ…。てか何?能力?」

バイサー「マンガじゃあるまいし……」

手紙の中に入ってたのは古びたタロットカード
そして【能力説明】と書かれた紙

バイサー「と…とりあえずこんな物騒な事母さんには言えない…」

バイサー「し…心配させちゃうし……」

バイサー「で…でもこんな事って……」

混乱するボクの頭。
まるで悪質なスパムメールが来たみたい

バイサー「そうだ…こういう時って」

1能力を使ってみる
2友達(真田)に電話してみる


下2

ロックフェラー「なあ、お前の能力って何でも切る能力なんだろ?」

次郎「な、ソレがどうした!!」

ロックフェラー「いやさ、何でお前手で斬る事しか出来ないのかなって」

ロックフェラー「だから頭良い俺様は考えた」

ロックフェラー「――――お前、能力使いこなせてないだろ?」

―――直後、突き刺さった腕を、強引に引き抜いた。

痛みを通り越して快楽を覚える俺は最早駄目なのかもしれない。

しかし、快楽は何よりも美しく人を惑わす。次郎の指先を俺様の頬に当てる。

ガリガリガリガリガリガリ!!!!!

肉を引き裂き、歯を削る音がする。

未だに彼の能力は尽きることなく健在の様だ。

ならば俺様は、力の限り、彼の右腕を彼の額に突き刺した。

軽快なリズムの様に引き裂かれる音は、どの様な音楽よりも俺様の脳を溶かした。

残念な事に、次郎、と言う青年は未だ生きているらしい。

しょうがなく、俺様は彼の生命力を吸い取ることにした。

速度は雷光。何よりも速く、どんなものよりも早く、彼を楽にさせるべく、俺様は能力を使用する。

ミイラのように枯れた青年に、優しく口付けをして、俺様はいった。

ロックフェラー「初めては……お前だ」

卵を置くように、死体をゆっくりと置いて、俺様は新たな一手を仕込む。

それは、 安価下2 。

すいません、間違えました

バイサー「こういう時って…幸村に電話だよね」

バイサー「なんだかんだ幸村の言う事ってアテになる子と多いし」

『プルルルルルルルル』

『ガチャンッ』

真田「ん?どした?」

バイサー「あのね。ボクの家に変な手紙が届いて……」

バイサー「どうしようかって…」

真田「ん?もしかしてアレか?新世界がなんちゃらってやつか?」

バイサー「な…なんで知ってるんだよ!?。もしかして幸村の悪戯!?」

真田「俺もそこまで暇じゃねえよ」

バイサー「じゃあ幸村も悪戯されたの?」

真田「ああ?どうも悪戯じゃねえっぽいんだよな」

真田「今『能力』ってやつ使ってんだけどよ。すげぇんだよ」

真田「なんか胸にゲージみたいな模様浮かんできてよ」

幸村。いったい何を言っているんだい?
もしかして運動のし過ぎで頭がどうにかなっちゃったのか?

真田「とりあえず今から見せに行くからよ!バイサーも使ってみろって!」

『ガチャンッ』

『ツーツーツー』

バイサー「僕の唯一の友達が…」

頭に浮かんでくるのはまだ健全だった幸村の事
確かにボクよりバカだったけど、変な奴ではなかった……

それなのに……

バイサー「…『変身』と『透過』か……」

『ゴトンッ』

その瞬間ボクが持ってたはずの携帯が音を立てて床に落ちた
急いで拾いなおそうとしたけど―――――


バイサー「な…なんでつかめないんだよ!!」

バイサー「ま…まさか…まさか」

腕を見ると淡く発光している。そしてどこはかとなく透けている

バイサー「もしかして…え?え?」

その時頭の中に浮かんだのはあの手紙の一文
アルカナ持ち達は簡潔に言う所、殺し合わなければならない……

バイサー「ど…どうしよう…もしかして幸村が…」

バイサー「いや…幸村はそんな事…」

1怖いから外に逃げる
2幸村が来るまで待つ
3幸村を迎え撃つ準備をする

下2

よく考えてみよう。
幸村はボクの友達だ。そう大親友だ
だけど…だけどもし幸村がボクを殺そうとしてるなら

ボクは生きるために戦わないといけない
いや違う。
人殺しなんて言う事に手を染めようとしてる親友を止めなければ……

バイサー「幸村。ごめんよ」

バイサー「ボクは君が過ちを犯さないように」

戦うよ。




――――――――――数分後


幸村「おい!おい見てくれよ!!」

ボクの部屋に入ってきた幸村。
ああ…成程な、こう油断させる気か……
意外と幸村も賢い所があるんだな

バイサー「その手には乗らない!」

バイサー「ボクは親友として幸村を止めて見せるっ!」


きっと神様はとっても残酷なんだ。
僕たちを――――戦わせようなんて

バイサー「『変身』っ!!」

ボクの体、視界が光の渦に飲み込まれていく。

幸村「おい…おいお前何やってんだ?」

幸村「……バイサー?」

光の渦から解放された時、ボクが目にしたのは――――
なんと巨大化した幸村。

もしかして先手を打たれてしまったのか!?

頼む…思い直してくれ……幸村。
ボクの知ってる幸村はそんな事しないはず…

幸村「なんでお前…牡蠣に?」

幸村「それがお前の『能力』か?おもしれえな!」

ん?牡蠣?ん?
あの冬になると美味しい牡蠣?それとも果物の方?
あれ?ボクの『変身』って…人のトラウマになるんじゃ?


『ボワァン』

幸村「お。元に戻った」

バイサー「あれ?というか幸村はボクを襲わないの?」

幸村「……は?」

バイサー「え?能力を持ってボクを襲いに…」

幸村「考えすぎだっての!バカ!」

幸村「なんで俺がお前にそんな事しなきゃなんねえんだよ?」

幸村「つか、どっちかと言うと組みに来たんだよ!」

バイサー「そしてもう一つ聞きたいんだけど。幸村のトラウマって何?」

幸村「それはキレた姉ちゃんだな」

バイサー「ふぅん…他には?」

幸村「最近ので言うと牡蠣だな。この前大当たり引いちまってよ…出るわ出るわの大参事…」


理解した。
ボクの能力は人のトラウマに変化すること……だけどそれは多分直近のもの
それか他に条件があるのか……

幸村「とにかく組むぞ」

バイサー「うん。だけど組むってどうするの?」

幸村「わかんねえ。けど気合いとかなんかでどうにかなるだろう……」

『シュン』

幸村「って…なんだこれ?」

バイサー「ん?なに?」

幸村「いや…俺の腕」

言われて見て見るとそこに書かれているのは不思議な紋章

バイサー「うわぁぁぁ。ボクの爪にも…」

そしてよくよく見ればボクの爪にも小さく、しかも色付きで……

幸村「これが…」

バイサー「仲間のしるしってやつ?」

幸村「だろうな…」


下2何をする?

1街に出る
2同じような境遇の人をSNSで探す
3自由に決めてOK

下2

それではチュートリアルシナリオ終了です
次回投下は明日の20時位です
こんなにたくさん参加して貰えて正直驚きです!

それではまたあした!

因みにここで見た目のイメージを

バイサー:魔女の宅急便のトンボ+ハリーポッターを足した感じ
真田:名前通りのあの人が金髪になった感じ、言わば2pカラー

早めに投下できそうなんでしてもいいでしょうか?
人が居なさそうですが…

もしいればちょっと時間を繰り上げて投下開始します

二人いるんでしたら何とか回りそうですね…
よし、投下していきます

それに人も増えそうですし…

幸村「とりあえず腹減ってねえか?」

バイサー「この状況でお腹なんて減るはずないだろ…」

正直お腹は減ってる、減ってるけど外に出るのは物凄く怖い
だってもしかしたら『アルカナ持ち』とやらに襲われるかも……
そう、最初にあったのが幸村だから良かったものの……


幸村「もしかして…お前。今日は宅配ピザの気分なのか?」

バイサー「だーかーら!お腹減ってないっていってるだろ!それに外に出て襲われでもしたらどうするんだよ!」

幸村「いやいやいや…考えすぎだっての!」

幸村「それに俺らは二人なんだぜ?少々のことでは負けねえって!」

バイサー「ボクが死んだら幸村も死ぬけど?」

幸村「…それは。俺が守ってやるから気にすんな」

幸村はこう言う所が頼もしい、昔から変わってないな。

まあ半ば強引にだけど、ボクは幸村に推されて外へと駆り出された

――――大公園

連れ出されたのは何故か公園。
たしか出かける際にはご飯を食べに行くって聞いたはずなんだけど

なんでだろう?もしかしてここに美味しい屋台でもくるのか?

バイサー「ねえ、ここに何が来るの?」

幸村「来る?なんも来ねえよ?」

バイサー「え?じゃあなんでここに来たの?」

幸村「そりゃ…アレだ。特訓だ!」

バイサー「もしかして…ハメられた?」

やられた…。まんまとしてやられた……
競争事とかトップ争いとかが関わってくると幸村は一気に燃え上がる性分
それがすっかり頭から抜け落ちてしまっていた

バイサー「帰りたい……」

幸村「そうはさせねえぞ!オメェがリーダーなんだから!」

そう言ってグイッと腕を掴もうとしてくる幸村

バイサー「『透過(スルー)』」

幸村「うおっ!?」

だけど幸村はボクを掴めない。だってこれもボクの能力なんだから

幸村「…お前……牡蠣に変身する以外にもまともな能力持ってたんだな!」

バイサー「あれは人のトラウマに変身する能力であって……」

幸村「分かった分かった」

バイサー「難しい話になりそうだからってスルーするのはよくないよ」

幸村「で?今の能力はどういうのなんだ?」

完全にスルーされてるよ…。まあ不服だけど仕方ない
幸村に難しい話は本当にご法度だからね…


バイサー「簡単に言うとすり抜ける能力」

バイサー「壁とか銃弾とか何でもいいらしいけど…」

バイサー「能力がもし途中で切れちゃったりすると壁の中に取り残されたり……」

バイサー「まあうん。攻撃は出来ないよ…」

幸村「ふぅん。なんか俺には難しそうな能力だな」

バイサー「ボクにとっては普通だけど…」

ああ、これがあの手紙に書いてあった『自分たちに合った』能力の意味か…
ボクにとっては簡単で使い勝手が良くても、幸村には理解できない
そしてボクも幸村の能力をうまく使役することは出来ない…
まあ幸村のが何なのか、ボクはまだ教えてもらってないけれど…


バイサー「で?幸村の能力は何なの?」

バイサー「ボクまだ教えてもらってないんだけど……」

幸村「お?えーとな。良い事したら元気になる!」

バイサー「えー…と。あと一つは?」

幸村「悪い事したら強くなる!」

バイサー「あー…うん。はい」

聞いたボクがバカだった、幸村があの手紙の中身を覚えてるはずない
三行以上の文章を覚えるなんてのは幸村にとってはほぼ不可能に近かったのを忘れてた…


『さてさて いい感じに二人が仲良くしてますが』

『そんなところに 現れる影が一人』

『それが 善人なのか 悪人なのか』

『さーて これから どうなるの??』 


安価

二人の前に現れる人物の名前と性別>>77

性格>>79

吉川里奈(よしかわ・りな) 女

ksk

次のキャラ決めからもうちょっと性格を深く安価取っていきますね!
そっちの方がキャラ濃くなると思うので

アルカナ持ちかそうでないか>>84

奪われた身

すまない、奪われた身ってのもおもしろそうだけど
今は持ってるか持ってないか…なんだ。申し訳ない

アルカナ(大アルカナと小アルカナの中から一つ※世界以外で)>>89

吊された男

つるされた男の正位置能力(下記から選んでください)>>92
1犠牲(等価交換能力)
2障害(生成能力)
3忍耐(防御力強化能力)

つるされた男の逆位置能力(下記から選んでください)>>95
1盲目(視界制御能力)
2失敗(確立操作能力能力)
3疲労(衰弱系能力)

3

吉川里奈 女

狡猾

所有するアルカナは【吊るされた男】

正位置能力は『障害(バリア)』
見えない壁を作り出す能力
よくオープンワールド系のゲームとかであるここから先へは進め無い的な物
厚さや強度は本人の魔力依存
まあ一番低い魔力でも銃弾位なら軽々防げる

逆位置能力は『疲労(タイアード)』
魔力の弾を生成射出する能力
これに当たるとダメージは無い物の、物凄く疲れる
精神的な物なのか肉体的な物なのかはよくわかっていないけど、とにかく疲れる
勿論能力にも影響するので厄介

吉川「わぁっ…二人とも何だかとっても楽しそうだねっ!」

バイサー「え…あ……え?」

真田「誰だっけ?お前?」

幸村は分かってないみたいだけど、ボクはこの子を知っている
同じ学校で同じ学年、クラスは違うけどね

吉川「なんかぁ…里奈ねぇ。今ねぇ」

吉川「バイサー君が透けてたみたいに見えるんだけどぉ…」

吉川「気のせいかなぁ?」

うわぁ…最悪だ。見られてた、ばっちり見られてた……
しかもそこまで親しくもない子に、きっと言いふらされる…

真田「なんだよ…。てか今思い出した!」

真田「お前隣のクラスの…――――」

吉川「吉川里奈だよっ!こーんにちわ☆」

しかも強烈だ、どうして今までこんな子がいた事に気が付かなかったんだ?
だけど逆に考えればこんな性格…だからこそ何を言っても「また言ってる」レベルでみんな済ませてくれないかな?

吉川『アルカナ持ち二人発見』

吉川『厄介なのはあの筋肉バカ…片付けるとしたらまずそっち』

吉川『ただ…バイサーとかいうチキン眼鏡…コイツの能力が判明しない分厄介』

吉川『私の能力で片付けきれるか?』

真田「急に黙って…どうしたんだ?」

吉川「あ☆別になんでもなーい」

バイサー「あ…因みに今の吉川さんが見たのってボクのマジックだよ!」

真田「何言ってんだ?」

バイサー「幸村は黙ってて、ね?」

バイサー「今マジックの練習をしてたんだ!」

吉川「わぁ…すごぉい☆もっとみたぁい」

吉川『んだよその言い訳、フォローにもなってねえわバァカ』

吉川『さて、どうするか?』

『さてさて 現れたのは アルカナ持ち の 吉川さん』

『これまた すごい 個性 の お方ですね』

『バイサー 君 に とって 悪い結果にならなければいいですが…』

『さて どうなるのでしょう』

吉川がとる行動 >>102

1二人を襲う

2二人を分断してから襲う

3自由安価

2


吉川『『障害(バリア)』』

吉川「じゃあまずはぁ…そこの眼鏡君に!」

吉川「『疲労(タイアード)』」

『バシュン』

本当に一瞬だった、一瞬僕に何かが飛んできて直撃した
不思議と痛くはない、感覚的には水風船が体に当たって破裂したみたいな――――

吉川「ツイてるわ!今私めっちゃツイてる!」

吉川「アルカナ持ち二人一気に処分できんでしょ!?」

吉川「やばい…笑いが止まらないんだけど…」

真田「…お前!、おい!大丈夫――――」

『ガキンッ』

吉川「そっちはちょっと待ってて、後で片付けるから」

吉川「とりあえず今から眼鏡の方を片付ける」

吉川「脳筋は黙ってそこで見てて☆」

吉川「ほれ『疲労(タイアード)』

『バシュン』

バイサー『『透過(スルー』』

吉川「んあ!?すり抜けた?」

バイサー「幸村!だから言っただろ!外に出るのはやだって!」

吉川「ちっ…面倒な能力」

バイサー「君がその気なら僕もその気で行くからね…」

落ち着け…落ち着くんだ自分……。
じゃないと本当にこの目の前の子に殺されてしまう……

吉川「もう一回行くよ!」

『バシュン』

吉川「…すり抜ける。こっちからの攻撃が効かない…?」

まずボクたちは二つの能力を持ってる…。それはボクが知ってる
となると…当然あの子も持ってるって事。
そしてそれは今のよくわからない弾、当たっても痛くないってことは別の何かがある?

残るもう一つは幸村を捕まえてる何か…

幸村が攻撃を受けてないところを見ると、それに直接的な攻撃性は無い?

吉川「当たらなかったら意味が…――――」

『ドババババババババババ』

連射される謎の弾
目の前が見えなくなるほどの量の弾がボクに迫る

バイサー「『変化(チェンジ)』」

心に雑念が生じたのか、数発当たってしまったけど不思議と痛くはない。ちょっと眠いだけ
それよりもあの量の弾を殆ど避けれたことにボクはびっくりしている

吉川「なんでっ!?ほとんど当たってない!?」


『キュイイイン』

この能力を使うのは二回目。
ボクを大きな光の渦が包んで、ボクをボクでは無くさせる

吉川「こんなんだったらあの脳筋から――――」

吉川「って…いやぁぁぁぁぁっ!」


変身後の姿がどうなってるのか分からない。
だけどあの子がこんなに大きく見えるなんて、またロクでもない物に変身してるのだろう

『バリィンッ』

真田「なんだ!?急に割れたぞ?」

真田「つうかバイサー…お前なんて恰好……」

音から察するに幸村は自由に動けるようになったみたい……
それは良い事なんだけど……いったいボクは何になってるんだ?

とりあえずあの子に迫ってみよう

バイサー『って…浮いた!?』

僕もこれにはビックリ、あの子に近づこうとしたらボクの体が浮いた
耳障りな羽音を響かせながらも凄い速さで

バイサー『とりあえず近寄ろう……』

吉川「いやぁぁぁぁぁ!マジでこっち来ないで!!」

そんなの聞こえない、と言うより襲ってきたのはキミじゃないか!
心を鬼にしてやる、ボクだって大変な目にあわされかけたんだから……

バイサー『あ…肩に乗った……』

吉川「――――――――」

『バタン!!』

その瞬間吉川さんが大きく後ろに倒れこむ

『ボワァン』

巻き込まれまいとボクは変身を解除して元に戻る


バイサー「ねえ幸村。ボクは何になってたの?」

幸村「ゴキブリだな、それもでっけえの」

バイサー「……聞かなきゃよかったよ」

本来トラウマに変身するって言うのはもっと強い能力のはず…
例えばジェイソ○とかフ○ディとかチャッ○ーとか。それなのに…それなのに
今日僕が変身したのは牡蠣とゴキブリ

一体何のあてつけなんだよ………

バイサー「で…この子……どうする?」

幸村「こんなとこに置いて行くのも何だしな…」

幸村「救急車…呼んでやるか?」

バイサー「…病院に運んだ方がいいと思うけど……」


【はい 予想に反して しょぼい終わり方を見せた初戦】

【ほんとう 若い子って こわいです】

【しかも 私たちの 定めた ルール に 従わず】

【とどめ を ささないという この 体たらく】

【この先 やっていけるのでしょう か?】

倒れた吉川にする対処 >>109

1 救急車を呼んで運ばれるのを待つ
2 病院まで運ぶ
3 起きるまで待つ

3、幸村がイタズラとか介護とか能力の試し

幸村「起きるまで待つか」

バイサー「良いけど……」

バイサー「起きるまで何するの?」

幸村「俺の能力説明?」

バイサー「それはちょっと聞きたい」

幸村「まず俺の能力は―――』

『バサァッ』

おもむろに上半身のシャツをめくる幸村
みぞおちよりちょっと上、両胸の間あたりに長方形の紋章が浮き出ていた

バイサー「…なにそれ?」

幸村「よく見ろ、ちょっと白く色ついてるだろ?」

バイサー「言われてみれば…」

幸村「これは俺が良い事をしたって証なんだ」

バイサー「良い事?」

幸村「お前を助けようとした」

バイサー「結局無理だったけどね」

幸村「まあまあ、そんなこと言うなって」

幸村「んで、これを消費すれば対象を回復させれる」

バイサー「ふぅん」

幸村「逆に悪い事をしたら」

バイサー「したら?」

幸村「対象を強化できる」

バイサー「つまりは行動によって変わる能力なんだ?」

幸村「そう言う事だな」

成程、確かに幸村っぽい能力だ
まあ幸村の性格からすると回復特化になりそうだけど…

バイサー「じゃあさ、この子幸村の能力で回復させてあげてよ」

幸村「だな」

幸村「でも…その前に」

そう言って幸村がポケットから取り出したのは黒いマジックペン
一体これで何をしようと?

――――――――数分後

吉川「わぁっ!ゴキブリ眼鏡!」

バイサー「ひ…酷いな。そっちが襲ってきたんじゃないか…」

吉川「それに脳筋!」

真田「おう」

この子が起きたのは良い。
起きたのは良いけど、誰も顔を合わせようとしない

吉川「な…なによ!寝てる間に変な事しなかったでしょうね!」

真田「してないよ…してない」

バイサー「ププッ……」

吉川「何笑ってんのよ!!バカ!!」

吉川「次会ったときはもうボコボコのベコベコにしてやるんだから!!!」

そう捨て台詞を吐いて公園から急いで出ていくその子
可哀そうに…。幸村の手によって眉毛をつながれてることに気付けないなんて……

吉川「覚えてなさいよ!このバカぁっ!!!」


視点切り替えタイム>>114

1バイサー
2吉川里奈

バイサー「女の子の眉毛つなげるってのはちょっとやり過ぎなんじゃ?」

真田「バカ!殺されかけたんだぞ?」

真田「まだ優しい方だ」

まあ確かに言ってることは理解できるけど……
眉毛をつなげた上に鼻毛まで書くなんて。
しかも鼻の穴の淵を黒く塗って鼻の穴を大きく見せるなんて…

なんだかんだで眉毛以外全部ボクがやったんだけど…


バイサー「で…どうする?」

真田「どうするって何が?」

バイサー「結構いるみたいだよ?アルカナ持ち」

真田「運悪くあいつに会ったってだけだろ?」

バイサー「72人での殺し合いだよ?」

バイサー「それにさ、どこにどれだけの人物がいるか分からないんだよ?」

バイサー「家に帰ろう」

真田「えー…マジかよ」

真田「と言うよりお前が俺の家来いよ」

バイサー「え…なんで?」

真田「いや、俺の家だったらまだ安全じゃね?」

真田「お前んち基本親居ねえじゃん」

バイサー「…確かにそうだけど」

真田「それに今姉ちゃんウチに帰って来てんだよな」

バイサー「ああ、あのお姉さん……」

バイサー「幸村を入院させた張本人だったっけ?」

真田「ああ」

バイサー「もしかしてお姉さんが家にいるのが怖いから?」

真田「それもあるな」

バイサー「それしかないでしょ…」

幸村の家は4人家族。
物凄くおしとやかなお母さんに、アスリートのお父さん。
それに幸村と、件の起こると物凄く怖いお姉さん

まあいつも聞くのは噂だけで実際会ったことは無いけど……

――――真田邸

真田「姉ちゃん!姉ちゃん!!」

バイサー「あ…お邪魔します。」

真田の家は結構大きな一軒家だ。
世間一般的にはお金持ちって言うのかな?


安価

姉の名前>>119

性格>>121
>>123
>>125

稲姫(いなひめ)

>>116で既に色々決めてるんだし
姉ぐらい設定安価なしでもいいと思うんだが

安価の内容変えます


姉の職業>>123

>>120
把握しました

議員

稲姫「おかえりなさいまし」

幸村のお姉さん。幸村曰く羅刹の様なお姉さん……
それは―――それは――――

物凄く着物の似合う和装美人だった

バイザー「え?え?」

幸村「姉ちゃんだ」

バイザー「……うん。噂とは全然違うけど―――」

稲姫「あら?噂ってなぁに?」

ニコッとほほ笑むお姉さん、に見えない様に足を踏んづけてくる幸村
正直骨にヒビが入ったのではないか…と言うほど痛い

幸村「じゃ!俺ら部屋行くから!入ってくんなよ!」

稲姫「あらぁ…お姉ちゃんもご一緒したいなあ」

稲姫「この子でしょ?バイサー君って」

バイサー「え?なんで知ってるんですか?」

稲姫「だって幸村の話にいつも出てくるもの」

幸村「姉ちゃん!!」

稲姫「ごめんなさいね」

口に手を当ててにこやかにほほ笑むお姉さんと、いつものペースを崩されてる幸村
新鮮な光景だ、このまま暫く観察しておきたい


稲姫「でもちょうど今クッキーが焼けたところだから、ご一緒しない?」

幸村「お?クッキー?」

稲姫「ええ、久しぶりに帰ってきたからねえ」

クッキーと聞いて目の色を変えた幸村。
この反応は美味しい物を目の前にしたときの反応だ。

幸村「どうする?」

バイザー「いや。ボクは食べたいです…はい」

稲姫「別に敬語じゃなくていいわよ?話しやすいように…で」

バイザー「食べたい…です」

稲姫「ふふっ…話通りの子ねえ。可愛い」

うわぁ…どうしよう、今絶対にボクの顔は赤い……
幸村の奴…いつもいつも怖いしか言わないから、もっと女子プロレスラーみたいなのを想像していたじゃないか!
またしても騙された…

―――――――客室


お皿に並べられて出てきたのは色とりどりのクッキー
それも、どこかのショップで売っているような出来栄えだ

稲姫「遠慮せずにいっぱい食べてね」

バイザー「あ…はい。」

稲姫「でも日本語が上手なのね」

バイザー「あ…はい。その…えっと」

稲姫「何処の国から?」

バイザー「えーと…その。」

幸村「やめてやれよな!コイツ困ってるだろ!」

稲姫「あらあら…ごめんなさい。」

稲姫「ついつい話し込んじゃうのよぉ…」

稲姫「だって幸村が家にお友達を連れてくるなんて…久しぶりじゃない」

幸村「それは姉ちゃんが仕事でこの町に居ないからだろ!」

バイザー「お仕事って?」

幸村「ちっちゃい村で議員してんだ」

バイザー「議員!?」

稲姫「うふふ。今は一週間のお休みを頂いたから帰ってきたの」

バイザー「なんか…凄いです…」

幸村「ほら!んなことは良いからクッキー食えよ!」

そう言ってボクの口にクッキーを放り込んでくる幸村
これがまたとんでもなくおいしくて、ボクの動きは一瞬止まった


バイザー「…おいしい」

稲姫「まぁ…嬉しい。あんまり人に振舞う機会が無いから」

稲姫「バイザー君が良かったら…だけど。ご夕飯もご一緒しない?」

バイザー「えっと…――――」

ボクは良いんだ、むしろ喜んで誘いに乗るけど……
幸村はどうだろう?
ボクはお姉さんに察せれないように、チラッと幸村を見る

幸村「良いぞ。好きにしろよな」

バイザー「じゃあ…お言葉に甘えて……」

稲姫「腕によりをかけて作っちゃうぞ」

稲姫「バイザー君は何が食べたい?」

バイザー「あ…じゃあ、そのお姉さんの得意な物で…」

稲姫「じゃあハンバーグね。あとお姉さんじゃなくて稲さんで良いわよ?」

稲姫「呼びにくいでしょ?」

バイザー「あ…じゃあ。その…えっと…稲さん」

付き合い始めのカップルみたいな自分が恥ずかしい……
出来る事なら消えてしまいたい…というより、もう半分消えてる気がする…

稲姫「あ…そうそう。」

稲姫「ちょっと相談があるんだけど…」

幸村「なんだよ?改まって?」

稲姫「実は……」


相談の内容
1自分に変な能力が宿った
2議員をしている村の高校生たちに流行りはじめた謎の都市伝説
3村の一部で見つかった謎の遺体の話

>>130

3

ちと休憩!
夕飯食べたら戻ってきます!

一乙。主人公側以外の行動はコンマのほうがいいのでは?
安価にしちゃうと読者が有利なほうに偏るだろうし。余計なことだったらすまん

>>132
そうですね!そうします!
ありがとうございまし

稲姫「うん…それがね。今さっき電話がかかって来て」

稲姫「でね、聞く話によると」

稲姫「村の林で人が死んでたみたいなの」

稲姫「自殺の可能性もあるから…って。私はまだ帰らなくていいんだけど…」

稲姫「でもね…ちょっと気になるの」

幸村「気になるって何が?」

稲姫「体にね、変なマークが刻まれてたんだって」

幸村「んで?なんでそんな話を俺らに?」

稲姫「幸村の腕にもマークがあったから…かな?」

稲姫「危ないことしてない?」

幸村「してねえよ!」

稲姫「だったらいいんだけどね…」

稲姫「バイサー君も。幸村が変な事しそうになってたら止めてあげて」

稲姫「この子頭は悪いけど…良い子だと思うから」

バイサー「…はい」


ちょっと不安そうな表情を浮かべながらお姉さん。稲さんは飲み物を入れに客室を出た。
紋章が刻まれている人が死んだと言う事、それは即ち


幸村「…おい。これって」

バイサー「うん…多分、公園でのことみたいなのが始まったのかな」

幸村「どうする?」

バイサー「どうするって何が?」

幸村「行くか?」

バイサー「村に?」

幸村「ああ…」

バイサー「でも…」

幸村「もしかしたら姉ちゃんが危なくなるかもしれねえし」

幸村「それによ、こういうの黙って見てるのもどうかと思う」

バイサー「自分たちで止めれるとでも」

幸村「行ってみよう」

真っ直ぐボクの事をみる幸村は本気で。
覚悟とか意思とか何て言えばいいか分からないけど、そう言うのがひしひしと伝わってくる

バイサー「うん。行こう」

だからボクも『友達』としてそれに付き合うことにした

稲姫「あ…ごめんなさいね。えっとバイサー君が梨ソーダで幸村がリンゴジュース」

戻ってきた稲姫さんはお盆から三人分の飲み物を並べていく。

幸村「なあ。姉ちゃんが働いてる村ってどこだっけ?」

稲姫「瑠璃山村だけど、どうして?」

幸村「ううん。ちょっと聞いてみただけ」

稲姫「ふぅん」

稲姫「あ…もうこんな時間だわ」

稲姫「ちょっと夕飯の買い出しに行ってくるから…待ってて」

幸村「おう」

バイサー「あ…はい気を付けて」

部屋を出ていく稲さん。
もしかしたら幸村が何か隠しているのに気が付いているかもしれない…

出ていく間際の表情はそんな風だった


―――――――――夕飯後

稲さんは何事もなく帰って来て、何事もなく夕飯の準備を始めた。
それを尻目にボク達が話勧めるのは瑠璃山村の事

学校はどうするか…とか
お姉さんはどう誤魔化すかとか
家に帰らない理由はとか

行く前から物凄く難航していたけど、結果は一つにまとまった

幸村「姉ちゃん、あのさ。暫く俺コイツんち泊まるわ」

稲姫「え?どうして?」

食器を洗う音が一瞬だけ止まった

幸村「あー…テスト前の勉強合宿?的な」

バイサー「うんうん。幸村は二週間前から勉強しないとだからね」

稲姫「そう…それなら私から母さんに言っておくけど」

稲姫「無礼は無いようにね」

これで嘘はほとんど完璧。
後はボクが仕事で帰ってこない両親に幸村の家で泊まるってメールをすればいい

学校は忌引きと言うことにでもしておこう






【一日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 77名』

『脱落者 一名』

【ペースが遅いです 心配です】


【それでは また 明日】










幸村曰く出発は今日。
行動は早い方がいい!が幸村の方針で……

それに稲さんが村に戻るまでに片しておきたいらしく


―――――――――バス停

幸村「おはよ」

バイサー「凄い眠たそうだね。おはよう」

吉川「ちょっと!ハキハキしなさいよ!」

バス停に行くとそこに居たのは眠たそうな幸村と――――

―――――えっと…吉川さん?

バイサー「え?なんで?」

吉川「こっちこそなんで!?よ!」

幸村「なんかよ、こいつんちの婆ちゃんがよぶっ倒れたらしくて」

幸村「んで、なんか食堂の人出が足りなくなったとか何とかで手伝いに行くんだってよ」

吉川「全部言わないでよ!!」

吉川「で?あんたたちは戦いに行くんだってね?」

吉川「案外アンタ等もやるじゃない」

到着するバスに乗り込む僕たち三人。
瑠璃山村までは片道40分。乗り継ぎは無し
噂によるととんでもないド田舎


吉川「なんで私がこの暑苦しいのと一緒なのよ!」

幸村「うるせーぞ、眉毛繋がり」

吉川「やっぱあんたらがやったのね!!!」

幸村「襲ってくる方が悪い」

ボクの前に幸村と吉川さん
そしてボクはその後ろの窓側の席に座っている
因みに隣は空席だ


【おっと なんだかんだで 仲のよさそうな三人】
【意外と面白くないですね こういうの】

【まあそんなことは置いておいて どうやら次のバス停で誰か乗ってくるみたいですよ?】

【いったい誰が乗ってきたのでしょうか?】

乗ってきた人の名前と性別>>142

※コンマの末尾が奇数ならアルカナ持ち 偶数なら一般人

悪乃はぁと(あくのはぁと) 女

悪乃はぁとかぁ…すっげぇ悪そうですな

それでは性格か特徴
>>145
>>146
>>147

燃えるような真っ赤な髪の毛

常に笑顔

知恵遅れ

どうしよう。ちびまる子ちゃんの山田しか思い浮かばない…

それではアルカナを決めていきます

アルカナ(タロットの大・小アルカナの内から一つ※世界を除く)>>150

洗車

じゃあ職業>>153

高校生

なんかとんでもない奴が出来そうですな

戦車の正位置能力(下記から選んでください)>>156
1征服(物質支配能力)
2勝利(相殺能力)
3直進(物質強化能力)

戦車の正位置能力(下記から選んでください)>>159
1暴走(暴走能力)
2維持(キープ能力)
3暴露(情報察知能力)

1

悪乃はぁと(あくのはぁと) 女 17

燃えるような真っ赤な髪の毛
常に笑顔
知恵おくれ(凄いバカ)

正位置能力
『勝利(ウィン)』
打消しの能力
火炎が飛んできた場合は同じ威力の冷気を
大音量の音楽が流れればそれを打ち消す音を
ただし攻撃能力には乏しい

逆位置能力
『暴走(クラッシュ)』
触れた物を暴走させる能力
機械ならオーバーヒートしたり止まらなくなったりクラッシュしたり
能力者に触れたら能力が暴走したり…
まあ発動する本人が常に暴走しているようなものなのは触れないでおいてください

悪乃「うふふ~。お隣良いかな?」

もうすぐ瑠璃山村と言う所で乗ってきたのは真っ赤な髪の毛の女の子
何故か満面の笑みを浮かべている

バイサー「あ…はい。良いですけど」

悪乃「うふふ~、お隣なの~」

なんだろう、なんかものすごいほんわかしている…。
何がおかしくてずっと笑っているんだ?

吉川「とんでもないの乗ってきたわよ…」

真田「他人のふり…他人のふり…」

前からのひそひそ声も聞こえてきている。
こんな時だけ結託するなんて…本当に都合のいい…

悪乃「どこいくの~?うふふ~」

バイサー「えっと。瑠璃山村です…」

悪乃「わー。私と一緒だァ~」

バイサー「あ…そうなんですか……」

悪乃「でもでもでもでも…ど~して?」

バイサー「えっと…ちょっとしたことで…」

悪乃「もしかして犯人捜しとか?うふふ~」

彼女の言葉にボク達三人が固まった。
どうして?どうしてそんなことを?
もしかして…何か知ってる?いやいや…でも変わってる子みたいだし…

もしかすると口から出まかせ?


悪乃「私はそうだよ~。うふふ~」

吉川「犯人ってなにの?」

固まっていた僕達を助けるように、吉川さんが後ろを向く

悪乃「しらないのぉ~?神様になるんだよぉ~」

吉川「え?」

悪乃「これは秘密の秘密の秘密なんだけどぉ」

悪乃「私たちのね。友達がねぇ」

悪乃「悪い奴らに―――――」

吉川「悪い奴らに?」

悪乃「うふふふ。秘密」

一つここで分かったこと。
それはこの少女がアルカナ持ちであるって言う事
あとは、昨日殺されたであろう人物のグループの一人

吉川「神様になるってどうするの?」

悪乃「他の候補を滅多打ち!」

吉川「ふぅん…へぇ…」

多分この子も昨日の吉川さんと同じく危ない人だ
ボクらが能力者と言う事は知らせてはいけない

運転手『次はー瑠璃山村。瑠璃山村―』

幸か不幸か、到着するバス
開く扉。下りていくボク達

悪乃「あ!こっちこっち!!!」

吉川さんは泊まるところが決定してるからまだいいとして…
ボク達はいったいどうすれば?

悪乃「おばちゃーん!お世話になります~。うふふ~」

吉川「あっ!おばちゃま☆こんにちはっ!」

あれあれ…気のせいかな?吉川さんとあの子が喋ってるおばさん…どう考えても同一人物……

おばちゃん「よくきたねえ。はぁとちゃんと里奈ちゃん」

吉川『おい…おい待て。どーして私がこのアホと?ん?』

吉川『あ…もしかして他の所からくる手伝いって…』

吉川『…チッ。でもこういう時は』

吉川「もぅ!ゆっくんとサー君遅いよぉっ!」

幸村「…ゆっくん?」

バイサー「サー君?」

この状態の吉川さん。きっとこれは何かをたくらんでる時……
それは昨日のアレでもう凄く察している

バイサー「とりあえず怖いから行こう」

幸村「だな」

吉川「おばちゃま☆こちらはりなぴょんのお友達だよ☆」

悪乃「私は一人だよ☆」

ここに来ての深刻なキャラ被りだ
どうしよう…二人を見てるだけで胃もたれしそう…

悪乃「で…なにをするのかなぁ?」

吉川「食堂のお手伝いだよね☆」

おばちゃん「それがねぇ…ちょっと物騒なことがあってねぇ」

おばちゃん「お店開けるのは午後からなんだよぉ」

吉川「じゃあ何しようかっ!?」

おばちゃん「悪いけど。村でも散策して頂戴な」

吉川「うん☆じゃあ二人ともいこっ」

悪乃「あー。うふふー。わたしもー」

おばちゃん「みんな仲良くねえ~」

村をどうやって回る?>>167

1みんなで仲良く回る
2詳しい人に案内をお願いする

村のどこに行く?>>170

1事件があった場所
2観光協会
3神社

じゃあ今日はココまでで!
明日もまた更新します!良かったら参加して下さい!

おつおつ

今日は日曜日だし12時くらいから投下してもいいですかね?
とりあえず人がどれくらいいるか確認させてください

一応いるが安価は直下多めがいいと思われ

二人いたら何とかなるべさ!
んなわけで12時から投下していきます!

あ。因みに今回はアドバイスを生かしてコンマでの戦闘行ってみます!

吉川「で?どうやって村を回るのよ?」

幸村「事件のあった場所…とかでいいんじゃねえの?」

バイサー「というより…その。吉川さん…」

吉川「何よ?」

悪乃「今さっきの吉川さん私みたいだったねぇ~。うふふ~」

吉川「やめて!一緒にしないで!」

吉川「あれはジジババ連中に受けがいいからああしてるだけで!可愛いなんて思ってないわよ!」

言わないでおこう。僕達と初めて会ったときもあんなんだったっていうことは…

悪乃「うふふ~。そうそう事件があった場所まで案内してあげるよー」

吉川「なんでアンタも一緒についてくるのよ!」

悪乃「だって私が付いて行かないと場所…分からないでしょ~?」

吉川「……わか…分かるわよ!ね?」

幸村「すまん。知らん」

バイサー「右に同じ」

吉川「この役立たず!!!」

悪乃「じゃ。事件現場にーレッツゴ~」






CHAPTER1-2【神の足元。仏の手元】










――――――瑠璃山村――林

一人でずんずん進んでいく『はぁと』と言うらしい子に付いていくボク達一行
意外と機敏に動くので追いかけるのが精一杯
案内と言うよりはただ付いて行ってるだけにも思える。

悪乃「ここでお友達がねぇ……しょんぼり…」

吉川「はぁ…はぁ…もっとゆっくり歩きなさいよ!」

はぁとさんが立ち止って、指さしたのは林の入り口
整備されてないので林と言うよりは山のようにも見える

幸村「…で?どの辺で?」

悪乃「ちょうどリナちゃんが立ってるあたりかなぁ…」

吉川「ちょ!やめなさいよ!!」

急いで飛び退く吉川さん。
よく見ると地面に赤黒いしみの様な物が付いている用に見えなくもない

悪乃「で…えーとぉ。うふふー」

悪乃「どうして…どうして君たちはここに居るの?」

幸村「ああ?だから俺らは食堂の手伝い」

悪乃「違うよね?」

バイサー「というより観――――」

悪乃「違うよね?」

吉川『『障害(バリア)』』

悪乃「バスに乗ったときからね~。気になってたんだあ」

悪乃「その子の腕の紋章。」

悪乃「でも色付きじゃないってことはぁ…リーダーは眼鏡君かリナちゃんのどっちか…」

空気が一気に凍り付いた、いや…張りつめた。
こんなにふわふわとしているのにひしひしと伝わってくるピリピリしたなにか
きっとこれを殺意…とかって言うのだろうか?

数ではこっちの方が勝ってる筈なのに、それなのに――――


悪乃「犯人は貴方たちなの~?」

吉川「はぁっ!?違うわよっ!」

悪乃「犯人でもそう言うよ~?」

幸村「何言っても信じてくれないみてえだな」

幸村の言う通り多分そうなのだろう。
はぁとさんはスカートのポケットから銀に輝く鋭いナイフを取り出した

悪乃「疑わしきを罰す。しかたないよねー」

そのままにじり寄ってくるはぁとさん、笑っているのに怒っている
平然としているのに殺そうとしている

悪乃「じゃ。ばーいばーい!」

殺気と場の空気に縛られて動けないボクめがけて振り上げられるナイフ
吉川さんは唖然とナイフの刃先を見つめ、幸村は多分唖然としているだろう。
だけど…もう何をしても手遅れ―――――


『ガキンッ』

悪乃「……」

目を開けるとボクの寸での所でナイフが静止している
…違う、何かに阻まれてる?

吉川「ちょっと…ちょっと待ちなさい!」

吉川「ちゃんと話を聞きなさいよ!!」

悪乃「ふーん。へぇ~」

悪乃「『勝利(ウィン)』

静止した状態のナイフが少し光る。
まるで理科の授業で使った豆電球みたいに

『バリイイイン!!』

その直後、ナイフは静止を止めてボクの顔めがけて急降下
一体…いったい何が起こったんだ?

バイサー「ひっ…『透過(スルー)』」

間一髪、能力を発動してナイフを受け流すボク
右目をするりと抜けていくナイフがもし当たっていたら――――

だめだ。そんなこと考えると能力が弱くなってしまう……

幸村「下がってろ!バイサー」

吉川「『疲労連射!!(タイアードマシンガン)』」

『ズババババババババババ』

ボクが下がるよりも先にボクの前に飛び出る二人。
幸村は拳を構え、吉川さんはこの前僕に使った技をいち早く繰り出す

悪乃「わぁ!二対一だね!」

悪乃「……でも。ぜーんぜん無駄なんだけどね!」

相変わらず笑顔を崩さずに飛来してくる弾を見つめるはぁとさん。
もう避けれないといった距離に弾が迫ってくるのを見て、静かに両手を前に出した

悪乃「うーちーけーしー!」

ナイフの時みたいにはぁとさんの両腕が淡く発光
そしてそのまま飛来してくる弾を腕で受けた

吉川「…何やってんのアイツ!?さすがに全弾命中したら―――」

吉川「衰弱死もあり得るわよっ!?」

真田「バカ!手加減しろ!!俺らが人殺してどうすんだ!!」



悪乃が被弾した数
下1のコンマ末尾で決めます

そい

『ズダダダダダダ』

悪乃「あ……」

あれほどすごい数だったのに実質命中したのは数発
一体はぁとさんはどんな能力なんだ?

悪乃「あ…あれあれ…なんかちょっと眩暈がー」

真田「何発当たった?」

吉川「軽く100発はぶち込んだのに…多分あの状態で留まってるってことは…」

吉川「10発前後」

真田「…効果的には?」

吉川「わかんないわよっ!」

悪乃「あー…もう知らないー。頭がふらふらふら~」

まるで酔っぱらってるみたいになる悪乃さん
徐に右手を自分の頭に当てて――――――――


悪乃「『暴走(クラッシュ)』

悪乃「――――――」

おかしい、何かがおかしい……
今さっきのあの殺気も怖かったけど、今の悪乃さんから発せられてるのはもっと恐ろしい何か

いや…まるで、はぁとさんがはぁとさんじゃ無くなったみたいで――――


真田「お…おい。様子おかしいぞ!何したんだよ!!」

吉川「何もしてないわよ!」

逆立つ髪の毛、真っ赤に充血する目
そして今までとは段違いの獣の様な眼光。

吉川「もう一発!『疲労連射(タイアードマシンガン)』!!!」

『ズババババババババババ』


悪乃「――――――――――――」

『ズドォォォォォォン!!!』

吉川「…っ!?」

吉川さんが放った無数の弾、悪乃さんはそれらをすべて飲み込むような大きな弾を放つ
そしてそれは吉川さんに命中して―――

吉川「きゃああああああああ!!!」

『ドサッ』


一気に傷だらけになって地面に倒れこむ吉川さん
息をしているから生きてるみたいだけど……。目は閉じられてる

真田「…何だよ!?なんでコイツこんなに強くなって――――」

悪乃「……」

無言のままナイフを携えて幸村に突撃していくはぁとさん
その速さは人間離れしている…と言うより、人間じゃないみたいだ

真田「――――――ヤベェっ…」


『おやおや 窮地に 陥ってしまった 三人一行』

『甘く見すぎですよね 世の中を』

『わたくしたち 的 には 喜ばしい事なのですが』

『どうも 邪魔 が 入ってきたみたいですよ』


邪魔に入ってきた人物>>188

1悪乃派閥の誰か
2悪乃派閥以外の誰か

1

???「…」

幸村にナイフが命中する―――その直前
ナイフをどこからともなく現れた水が包み込む

『バリン』

そして水越しに突き刺さるナイフは脆く砕け散って


真田「…は?」

バイサー「……え?」

悪乃「!!!」

???「やめなさい。はぁと」

唖然とする僕たちの目の前、はぁとさんの後ろから現れたのは一人の女性
顔全体を覆う半透明のベールと腰まである黒髪がすごく神秘的な女性

???「まあ…この状態になってしまってるから声は聞こえないでしょうけど…」

そう言って女性ははぁとさんに手のひらを向けて、そこから噴水のように水を射出
悪乃さんは瞬く間にそれに飲み込まれてしまった

???「静まりなさいっ!!!」

その後に女性ははぁとさんに一喝。
雷を受けたかのようにビクッと震えるはぁとさんの体、それと同時にはぁとさんの雰囲気が元に戻った

悪乃「あ…あ…天音様ー?」

???「…この者たちは犯人ではないわ。」

???「それなのに早とちりして…こんな被害まで出すなんて」

???「嘆かわしい…」

悪乃「え?本当に本当に犯人じゃないんですかー?」

???「この村の議員、稲姫さんの弟さんに食堂のタミさんの血縁。それにお友達」

???「客人にこのような無礼…」

???「はぁとに変わってご無礼をお詫び申し上げます…」

真田「え…あ。え…?」

バイサー「その…貴方は?」

愛目寺「私は愛目寺 天音 (あいもくじ あまね)。近くの寺で巫女をさせていただいております…」

愛目寺「とにかくその子の治療が先です…。お前たち、寺まで運びなさい」

そう言うと、天音と言う女性の後ろから神主姿の男の人たちが現れて吉川さんを取り囲む
そしてそのまま神輿を担ぐみたいに数人で担ぎ上げると、そのまま林の奥へと進んでいった

愛目寺「とにかくここでは何です…どうぞ寺までお越しくださいな」

愛目寺「おもてなし致します」

そう言って天音さんも林の奥へとゆっくり入っていった。
どうもこうも、吉川さんが連れていかれた、付いて行かないわけには行かない

愛目寺「…はぁと。貴方には罰として食堂の手伝いをすべて一人でやっていただきます」

悪乃「…はぁい」

真田「え?俺らも…」

愛目寺「いいえ。少しお話ししたいことがございます」

愛目寺「お付き合いいただけますか?」

物腰柔らかなのに否と言わせないこの圧力。
ボク達は無言で首を縦に振るしかなかった

愛目寺「それでは行きましょう。少し道が険しいのでお気をつけて―――」

良い所ですが少し休憩を
お昼ご飯食べたらすぐに戻ってきます!
十数分位待っててくださいませ

一乙

――――――――――瑠璃山村―――相愛寺

暫く林を進んでいくと立派な門が見えてきて
ボク達は誘われるがままにその中に入る。

中は林とは違い、物凄く整備されていて広い
そして何よりどこからともなく良い匂いが漂ってきていた

愛目寺「それでは中に……」

愛目寺「あ…でもその前に」

愛目寺「私も急に襲われたりすると対処ができなくなってしまうものですので、護衛を付けさせていただきますね?」

愛目寺「よろしいですか?」

どうやら天音さんは僕たちの事を殺人事件の犯人だとは思ってないみたいだけど
能力者として信用はしていないみたいで

真田「好きにしろ」

バイサー「あ…うん。ボクも多分一緒の事するだろうし…」

愛目寺の護衛の名と性別>>195

七瀬 棗(ななせなつめ)  女

性格とか特徴とか
>>197
>>198
>>199

連取りなってしまうが ポニテ黒髪

生真面目な武人肌

軍人口調で目つきが悪い

所有アルカナ(大・小アルカナの中から一つ※世界以外)

>>201

愚者

愚者の正位置能力>>203

1変幻(テレポート能力)
2直感(攻撃能力)
3展開(予知能力)

愚者の逆位置能力>>206

1惰性(時差攻撃能力)
2愚行(幻術系能力)
3幻滅(真実捜査系能力)

七瀬棗 22 相愛寺 巫女/護衛長

ポニテ黒髪
生真面目な武人肌
軍人口調で目つきが悪い

所有するアルカナは【愚者】

正位置能力は『直感(インスピレーション)』
純粋な攻撃能力
何も考えずに無の状態に陥ることで、何でも切り付けることができる能力
邪念が発生すれば能力は発動されない

逆位置能力は『愚行(フォーリー)』
自分に隙が出来た、自分が失敗したかのように見せかける幻術能力
一瞬隙が出来たと思い相手が踏み込んできたところを切りつけたり、失敗したと思い突撃してきた相手を迎撃する

つよい(確信)

七瀬「来客でありますか。天音殿」

愛目寺「あら…ちょうど良かったわ。貴方を呼ぼうと思ってたの」

七瀬「護衛…と言う事は。この者たちは」

愛目寺「私達とは別のアルカナ持ち」

七瀬「ならば」

愛目寺「気の早い事はしないで、先ほどはぁとがご無礼を働いたばかりだから」

やってきた護衛の女性は、一言で言うと怖かった
目つきは悪いし、背中には大きな薙刀を持ってるし、それになんか威圧感がある

愛目寺「とりあえず奥の部屋に入りましょう」

天音さんがそう言うとすかさず護衛の女性が襖を開けて、膝をつく。
僕と幸村は天音さんの後に続いてその中へ入った

真田「それで?話って?」

愛目寺「私たちの同朋を殺した者。を倒す手伝いをして頂きたいのです」

真田「犯人は誰か分かってるのか?」

愛目寺「ええ。はぁとにはまだ伝えていませんが」

バイサー「で…えっと。その犯人って?」

愛目寺「大寺医院の院長。この町の診療所の者です」

バイサー「…でも。えっと…どうやって分かったんですか?」

愛目寺「私がこの寺の者に御触れを出したんです」

愛目寺「怪しい者を探せと」

愛目寺「すると意外と早く見つかりました…が」

バイサー「が?」

愛目寺「それが少し」

バイサー「何があったんですか?」

愛目寺「診療所に行った信者の報告ですが」

愛目寺「どうも大寺の脇腹に奇妙な刺青が入っていたらしく」

バイサー「…それって」

愛目寺「向こうも組んでいると言う事です」

バイサー「でもどうしてその人が犯人だって?」

愛目寺「私達相愛寺の者、そして大寺医院の者」

愛目寺「この村はその二つの派閥に分かれています」

愛目寺「実際この村の議員もそのどちらかの派閥から生むはずだったのですが」

愛目寺「今年は大寺家が部外者を入れて来てお流れ」

愛目寺「選挙になるといつも負けそうになった派閥の者が外部から誰かを連れてくるのです」

愛目寺「そしてその間に二つの派閥の潰し合い」

愛目寺「どちらかが覇権を握るにはどちらかが滅びなければならない」

愛目寺「そんな時に始まったのがこの『アルカナ戦』」

愛目寺「私たちを初日で狙ってくる、そんな芸当をしてのけるはあの者達以外考えられません」

バイサー「で…でも。そこまで分かってるならどうして迎撃しないんですか?」

愛目寺「私たちはあくまで仏に慕える身。こちらからの殺生は許されない」

バイサー「だから僕たちに手を汚せと?」

愛目寺「…ええ。」

真田「あ?んなの拒否に決まってるだろ!」

愛目寺「こちらには人質がいる事…お忘れですか?」

バイサー「吉川さんの事?」

愛目寺「ええ。」

そこまで言われて初めて気が付いた。
ボク達の背後に仁王立ちして薙刀を構えている護衛の姿に

愛目寺「責め立てるのはいつでも構いません。ですがそれまではここで寝食を共にして頂きます」

愛目寺「それにもしここから出る際も、棗に付いて行かせます」

バイサー「もし責め立てて…その…失敗したら?」

愛目寺「死にますね」

バイサー「もし途中で逃げたら?」

愛目寺「その際は私達も敵にまわります」

真田「すなわち逃がしては貰えないってことだな?」

愛目寺「物分かりが宜しいようで」

いけしゃあしゃあとこの寺についてきたボク達だったけど…
ここはお寺なんかじゃない。大きな牢獄だ
だけどそれに気づいても時すでに遅しで…


愛目寺「それではもうこんな時間です」

愛目寺「ご夕飯の支度を致しましょう」

棗「…客人達。食えぬものは?」

バイサー「無い…です。」

夕飯まで何をする?>>214

1吉川の様子を見に行く
2棗さんと行動を共にする
3診療所に行ってみる
4自由

バイサー「あ…あの。吉川さんの様子を見に行きたいんですけど…」

バイサー「良いですか?」

愛目寺「ええ。もう目を覚ましているころかと」

七瀬「…」

愛目寺「付いて行かなくていいわ」

愛目寺「敷地内ですもの。好きにさせてあげなさい」

七瀬「御意」

真田「…部屋は?」

七瀬「そこまで案内する」

廊下を直進する天音さんと別れて、ボク達三人は吉川さんの居る部屋に向かった。
どうやら意外とさっきの部屋と近かったらしく

七瀬「ここだ」

歩いて数秒、すぐにその部屋の前に付いた

七瀬「くれぐれも不審な動きは起こさぬよう」

真田「わーってるよ」

バイサー「…」

あそこまでボロボロになったんだ、きっと重症だ
こうなったのはボク達のせいでもある。
罪悪感が湧き上がる中。襖をゆっくりと開けると――――


吉川「あら?何やってんのアンタ達?」

布団の上に座り込んでファーストフードを食らう吉川さん。
あれ?ん?今さっきの吉川さんは確か全身ボロボロだったはずじゃ…

吉川「アンタ等も食べるー?」

真田「おい。怪我は?」

吉川「それが不思議なもんでさ、なんかね。ベール被った女の人が部屋に来るとね」

吉川「女の人がパッと光って私の傷がポッと無くなって」

吉川「じゃあお腹すいちゃってさ」

バイサー「は…ははは」

凄い拍子抜け、いや。怪我をしてなかったのは良い事だけど…
いやいやいや…だけど今さっきボクの中に湧き上がってきた罪悪感は?覚悟は?
あれ、なんかちょっと凄い微妙な気分に陥る…

バイサー「あ…そうだ。吉川さん、ちょっと大事な話が」

吉川「あ。私アンタに興味は無いから」

バイサー「そうじゃなくて…」

なんか怪我もしてないボクの方がドッと疲れた。
きっとそれは幸村も一緒だろう

バイサー「実は―――――」

気を取り直して今さっき天音さんに言われたことを説明
とにかく聞いたままを説明した


吉川「はぁ!?何勝手に決めてんのよ!」

吉川「バッカじゃないの!?」

吉川「よく考えなさいよ!私達利用されてんのよ?」

バイサー「…え?」

吉川「だーかーら!その天音とかいう奴は漁夫の利を狙ってんのよ」

真田「ぎょぎょぎょ?」

吉川「ぎょぎょぎょじゃなくて!漁夫の利!」

吉川「つまりは私達に邪魔者始末させて、私達も始末しようってわけ!」

バイサー「あ…」

吉川「「あ…」じゃないわよ!このアホ!」

バイサー「え…どうしよう」

真田「吉川も無事だし逃げるか?姉ちゃんに関してはこの村に帰さなければいいだけだし…」

吉川「底抜けのアホね!私たちの能力であいつらに勝てるの!?」

真田「多分…」

バイサー「無理」

手の付けられなくなった赤髪の少女にどういう原理か知らないがナイフを砕け散らせた天音さん
あと見るからに強そうな護衛の人。
ボクの能力は攻撃系ではないし、幸村も意外と使い勝手が悪そう。吉川さんに至ってはよく知らない

そう…勝ち目はない


吉川「とりあえず組むわよ」

真田「ん?」

バイサー「…え?」

吉川「仲間に入れなさいって言ってんのよ!このアホ共!」

バイサー「…別に……良いけど」

そう言うわけで何故か仲間になってくれた吉川さん。
紋章は右の足の親指に発現していた

吉川「はい。じゃあまず能力の説明よ」

吉川「私が使えるのは『障害(バリア)』と『疲労(タイアード)』」

吉川「脳筋を動けなくさせたりナイフを防いだのが前者で私が良く撃ってるのが後者」

物凄くわかりやすい簡潔な説明だった。
これならきっと幸村も理解してるだろう

吉川「で?あんたらは?」

バイサー「えっとボクは人のトラウマに変身する『変化(チェンジ)』と物質を透過する『透過(スルー)』

吉川「ふぅん…厄介ね」

真田「俺はえっとなー。良い事したら回復できて悪い事したら強くなる!」

吉川「まあ脳筋らしい説明ね。何となく理解は出来たわ」

吉川「で?これからどうするの?」

仲間が一人増えたところでこれからどうするのかはまだ定まってない。
というよりそこまで頭が回らない

真田「とりあえず動くのは夕飯後だな、俺は腹が減った」

バイサー「ボクは今日一日じっとしてたいけど…」

吉川「はぁ…なんかもう呆れてきたわ」

『いがいと まとまる この三人』

『まあ 喜ばしい のかな?』

『それでは この後 何が起こるのか』

この後の行動>>

1とりあえず夕飯を食べてから決める
2今日は何もしない
3とりあえず敵陣視察(視点変更『吉川里奈』)
4自由

>>222

3

またしても十数分の休憩をくださいまし
そのあとすぐに安価を取りますので、よかったらご参加お願いします!

現状の勝ち筋は悪徳をつかって疲労を強化し発射、行動不能にするぐらい
・・・変身は相手によるし透過も相手の人体に潜り込んで~とかえぐいのはあるが

思ったんだが、安価で決定した能力の解説は戦闘が終わるまでしない方がいいかも。
そっちの方が戦略を考えたり能力の予想とかできたりするし。
差し出がましい真似すまん。

能力の解説は戦闘終了時、主人公サイドが分かってる事だけを書いていきます
またその能力者が死亡した場合や仲間サイドに回った場合、すべての能力を明記します

このような形でよろしいでしょうか?
>>226
それもそうですな。安価か出した時点で大まかな系統は書いていますし…

あ、それがいいと思います。
すみません、なんかわがままいっちゃったみたいになって…

>>228
いえいえそっちの方が燃えそうで感謝です!

吉川「そう。じゃあアンタ等はアホみたいにご飯渇食らってなさい」

真田「ん?お前は?」

吉川「ハンバーガーでお腹いっぱい。」

吉川「これ以上食べたら太るわ」

本当にバカね、もし食べるご飯に毒でも入ってたらどうするのよ。
私はそれを見越して未開封のファーストフードを頼んだのよ
ま、眼鏡の言う通りに話が進んでるんだったら私たちはまだ死なないと思うけど


吉川「私は敵陣視察に行くわ」

バイサー「え…危ないよ……」

吉川「護衛が付くんでしょ?」

バイサー「ま…そうだけど…大丈夫?」

吉川「大丈夫よ」

はぁ…こいつらと組んだの間違いだった?
ま。過ぎたことを悔いてもよね……

―――――――――病院前

吉川「ふぅん。微妙な所」

目の前にあるのは一軒家かと思うくらいのちゃちさ
この村には時々来るけど…病院なんかあったんだ

吉川「で…とりあえず。どうしようか」

吉川「突撃?いやいやいや…分が悪いわ」

七瀬「…何を一人でぶつぶつ言っている?」

吉川「あ…突撃しよっかなって」

七瀬「…早計」

吉川「よね」

はぁ…中に入るまでの用があればいいけど、生憎ない
あー…あの時の怪我のまま来れてたらなー…

吉川「…あ。」

木陰に隠れるように観察していた私達。
暫くすると目の前の医院から誰かが出てきた

吉川「んー…誰よ」

七瀬「…あやつは…」


『はいはーい 突然現れた 人物』

『どうやら 医院の 前 の お掃除に来た見たい』

『どうも 委員長では ない みたいだけど』


現れたのはいったい誰?>>234

1看護師(女)
2看護師(男)
3医者
4女医

4

女医の名前>>236

剣咲桜

性格とか特徴とか
>>238
>>239
>>240

セクハラ魔なガチレズ

眼鏡、巨乳、二十代後半

ゆるいウェーブの金髪で小悪魔系

所有アルカナ(大・小アルカナの中から一つ※世界以外)
>>242

使用されてるアルカナ
戦車
運命の輪
正義
吊るされた男
愚者
杯の女王
剣の8

皇帝

皇帝の正位置能力>>245

1威厳(物質支配能力)
2父(召喚系能力)
3決断(未来操作系能力)

1

皇帝の逆位置能力>>248

1無力(ダメージレス系能力)
2頑固(シールド系能力)
3過剰(増幅系能力)

剣咲 桜 (けんざき さくら) 26 女医

セクハラ魔なガチレズ
眼鏡、巨乳、二十代後半
ゆるいウェーブの金髪で小悪魔系

所有するアルカナは【皇帝】

正位置能力は『威厳(ディクニティ)』

逆位置能力『過剰(エクセス)』

七瀬「女医の剣咲桜(けんざき さくら)だな」

吉川「あのゆるふわビッチみたいな見た目の奴が!?女医!?」

七瀬「声がでかい…」

吉川「…能力者なの?」

七瀬「知らん」

七瀬「だが…多分そうだろうな」

吉川「どして?」

七瀬「あいつが院長の右腕だから…だな」

吉川「アルカナってそう都合よく与えられるもの?」

七瀬「さあな。で?どうするんだ?」

吉川「とりあえず声かけてみる!」

敵は金髪の眼鏡+巨乳の女医
ルックスも収入も全てに置いてランクの高い奴
なんか…悔しい

吉川「棗さんはちょっと黙って見てて!」

木陰の裏から飛び出した私。
ゆっくりとその女医の元ににじり寄っていく

剣咲「あらぁ?どうかしましたぁん?」

声まで色っぽい…。これは…小悪魔系ってやつね!?

いいわ…私だって負けてられない…

吉川「あ…あのぉ☆道に迷っちゃったっ!テヘリンッ」

剣咲「やだぁ。それは大変ねェ…どこに行きたいのかしらァ?」

さらっと私の手を握って自分の胸を押し当ててくる女医
なによ…この感触。パッドとか無しで…この大きさなの!?

吉川「あ…えっとぉ。泊まれる場所を探してるんだけどぉ~☆」

剣咲「んぁ…じゃあお姉さんのおうちに来るゥ?」

握った手をスライドさせて下腹部へとゆっくりと下ろしてくる
……え?もしかしてこの人……レズとかなの!?

吉川「え…ええ……えー」

剣咲「…忘れられない思い出…作ってあ・げ・る」

吉川「ごめんなさいっ!急用が!!」

駄目だこの人駄目な奴よ!私の貞操が危ないわ!!
急いで戻らないと…!大切な物いろいろ失うわ!!








剣咲「あら…ざ・ん・ね・ん」








七瀬「どうだった?」

吉川「どうもこうもないわ!能力以前に危険よアイツ!」

七瀬「…ほう」

吉川「さっさと帰るわよ!」

七瀬「帰る前に一つ疑問を」

七瀬「あの。語尾に星が付くような甘ったるい声はどうやれば出るのだ?」

七瀬「はぁともやっているが…私には真似できん…」

吉川「女子力よ!」

クッソ…なによ!恥しかかいてないわ!
レズに絡まれ、女子力のかけらもない奴に恥ずかしいところ見られ…

あーもう!本当に来るんじゃなかったわ!!

―――――――――――相愛寺 食堂

バイサー「吉川さん。帰ってきたんだ?」

幸村「んあ?みたいだな」

巫女A「どうぞ、たーんとお召し上がりませ」

長机に並べられていく豪華絢爛な料理の数々
お刺身にステーキになんか見た事も無い煮物

見てるだけでお腹が鳴ってくるよ…

巫女B「……来客C。何故か泣いている」

神主A「何ゆえ?」

巫女B「…女として負けたとか何とか」

愛目寺「コラ。お前たち…お客様の前で私語をするでありません」

神主A「はっ…申し訳ない…」

巫女B「……不覚」

愛目寺「どうぞ、遠慮せずに…」

そう言ってボク達に料理を進める天音さん。
今さっきの雰囲気とは打って変わって、今はすごく優しそう

愛目寺「ふふふ。それとも心配なら毒見をつけましょうか?」

幸村「いらん!早速食らう!」

がっつく幸村、ボクはその横で静かに煮物をつつく。
遠慮はいらないからって…、がっつくのはマナー違反だよ…幸村…

幸村「おい!ウメェ!この肉うめぇ!」

幸村「オメェも食ってみろ!」

バイサー「あ…うん。うん」

バイサー「幸村…そんながっつくのはお行儀悪いよ?」

愛目寺「うふふ。賑やかで楽しい夕飯だわ」

がっつく幸村を見ている天音さんはどうやら笑ってるみたいだ
食事中もベールで顔が覆われてるから表情はよく見えないけど…
透けて見える口元は薄ら笑ってる

バイサー「あ…ボクはもうお腹いっぱいです」

幸村「俺はもうちょっと食う!」

愛目寺「私ももうお部屋に戻る事にします」

愛目寺「小里。小虎。幸村様が食べ終えたらお部屋に案内して頂戴」

愛目寺「小梅と小柚はその後の片づけを」

巫女A「かしこまりました」

巫女B「…小虎と案内。把握」

神主A・B「御意」


【一日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 77名』

『脱落者 0』

【一般人と派閥を組んでも 得 無い よ? あと 一般人 殺し過ぎ】


【それでは また 明日】


ごめんなさい。またしても十数分休憩をいただきます
はい休憩多くてごめんなさい。

あ…あと間違いが
最後の【一日目】は【二日目】です






CHAPTER1-3【ゲリラ奇襲警報】









三日目の朝。ううん、昼
ボクはとんでもない悲鳴で目が覚めた

悪乃「おきて~。うふふ~」

真田「おい!起きろ!なんかやばいぞ!」


あちらこちらで聞こえてくる悲鳴
ただならぬ事態だと察知したのか、ボクはすぐに飛び起きた

七瀬「とりあえず建物の中に入れ!」

縁側では護衛の人が薙刀を振り回しながら何かを切り落としている
そしてその後ろを逃げ惑う神主や巫女の人達

愛目寺「…奇襲とは。小癪な……」

七瀬「負傷者多数!死亡者10名を超えました!」

吉川「ちょ…ちょ!何これ!?」

ボクより後に飛び起きてきた吉川さん。
状況を飲み込めないらしく、暫く唖然としていた

真田「なんかよく分かんねえけどメスが飛んできてんだよ!」

悪乃「うふふ!いっぱーい」

はぁとさんが対なる物を作って応戦しても、護衛の人が切りつけても一向に数は減らない
むしろ増えている――――――

バイサー「ど…どうするの!?」

愛目寺「このままだと建物内も安全とは言えません…」

吉川「『ロングバリア』!」

やっと状況が呑み込めたのか、吉川さんが「障害」を発動させたらしい
結構な範囲のメスを弾けてはいるが、やっぱり寺全体をカバーするのは無理らしく

愛目寺「能力者が近くにいるはずです!探しなさいお前たち!」

巫女達「ハイ!」

神主達「御意!!」

真田「俺らはどうする!?」

吉川「じっとしてても無駄なだけよ!探しに行って!」

愛目寺「寺の防衛は私と吉川さんに任せて、他のみなさんも皆の者と一緒に探しに行ってくれませんか」

悪乃「え~。うふふ~。いいよぉ」

七瀬「御意であります!」

真田「…仕方ねえ」

バイサー「とりあえず外に出よう!」

メスの雨はどうやらお寺内部に向けて放たれているらしく…
お寺から一歩出ると、中の事が嘘のように静まり返っている

真田「で…敵はどこに!?」

七瀬「それが…居そうな場所が二つ」

真田「…は!?」

悪乃「右の愛泉~左の洞窟前~」

七瀬「ここらで開けてる場所と言えばそこ…」

真田「…と言う事は」

七瀬「二手に分かれる事になる」

ここに来て二手に分かれなければいけないという事実…
でももたもたしてると中の人たちが…


誰と一緒に行く?>>262
1真田
2七瀬
3悪乃

どっちに行く?>>264

1愛泉方向
2洞窟方向

ボクが選んだのは七瀬さん。
そりゃ僕も幸村と一緒に行きたいけど、能力の事を考えれば相性が悪い
だからここは一人で何でもできそうな七瀬さんを選んだ

バイサー「じゃ。七瀬さん案内してくれる?」

七瀬「把握した。悪乃は愛泉の方向へ行け」

悪乃「うん。わかったよぉー」

二手に分かれて駆け出すボク等。

もしも滅茶苦茶強い能力者がいたらどうしようか…
色んな不安はあるけど…。もう始まったんだ逃げれない

それにボクより遥かに強そうな七瀬さんもいる

大丈夫。なんとななる

――――――――――瑠璃山村―――洞窟前


僕たちが走り始めてから数分。
前方に洞窟の入り口が見えてきたころ――――


村人A「来たぞ!相愛寺の奴らだ!」

村人B「撃っちまえ撃っちまえ!」

入り口前に横一列になって銃を構えているのは村の人たち

一人はよく見ると顔に紋章が浮かんでいる


『バン!!』

『バン!!!』

一斉に放たれる銃。これは…マズい

バイサー「『透過(スルー』」

すり抜ける銃弾、痛くも痒くもないけど―――――――
七瀬さんはどうだ?あの人はどうなってる?


七瀬が被弾したかしてないか 下1のコンマで判定
奇数 回避
偶数 被弾

七瀬「…くっ」

凄い速さで飛来してくる銃弾の数々を切り捨てていた七瀬さん、だけど――――
ボクの体からすり抜けた銃弾が運悪く右肩に直撃して…

バイサー「だ…大丈夫ですか?」

七瀬「バカ者!敵に背後を向けるでない!!!」

バイサー「…あ!?」

『バスン』

七瀬さんの怪我を見て動揺してしまった……。
「透過」の効果が途中で切れて、腕の中ごろまで銃弾が差し掛かっているのにもかかわらず腕が元に戻る

バイザー「うわぁぁっ――――」

貫通とまでは行かなかったけど、腕の中心から腕の反対側を銃弾が抜けていく
物凄い激痛に声が漏れて足が震える

七瀬「…ああ!もう!何をしている!!」

七瀬「『愚行(フォーリー)』!!!!」

痛みで蹲るボク。後ろで聞こえてくるのは七瀬さんの怒号

村人A「おい!あの不愛想な女が転びよったぞ!」

村人C「殺せ殺せ!!」

村人B「一発で仕留めるんじゃ!!」

え?転んだ!?それって…大分マズくないか!?

『バン』

『バン』

『バン』

『バン』

聞こえる四発の銃声、後ろの方に着弾したらしく地面が軽く震える。
ああ…ボクはここで殺されてしまうんだな。

本当に…こんなことになるんだったら、家でじっとしてるんだった。

こみあげてくる悔しさに唇をかみしめて前を向くと―――





村人A「…――――――――」

『ズルゥッ』

『ドサッ』

今まで銃を構えていた村人の一人が、ボクと同じく地面に倒れた
それも――――縦二つに分かれて


村人B「ひぃぃぃっ!!!」

村人C「なんぞ!これはなんぞいうこと!!!」

村人D「…あの女はどこに行った!?」

ボクの目の前にあるのはキレイに両断された一人の村人の遺体…
そして戸惑う他の村人たち

村人B「確かに撃ったぞ!!」

村人D「でも居ない!」

慌てふためく村人の背後、そこに佇む七瀬さん

村人C「おい―――にげ」


『ゴトッ』

次は鼻から上のパーツが綺麗にスライスされて地面に落ちた
…鉄臭いにおいがボクの鼻を突く

バイサー「…ウッ……」

村人B「こんのバケモンが!!!」

村人D「この人殺し!!!」

七瀬「利き腕をつかえないんだ。手加減するような器用なことは出来ない」

凄い速さで薙刀を横に振るう七瀬さん。
纏めて二人の胴体が横一直線に凪がれ、分離する

七瀬「ふん…外れか」

バイサー「オエエエッ…」

七瀬「みっともない。ほら、立て」

血と土と胃の中の物の臭い。
耐え切れずにボクは昨日食べてたものを戻してしまった

七瀬「負傷か…。仕方ない帰るぞ」

バイサー「…立てないです」

七瀬「おぶってやる。」

地面に突っ伏しているボクを強制的に立たせると、七瀬さんはひょいと背負う

バイサー「す…すみません……」

七瀬「話すな。傷が開く」

情けない事に、ボクは安心してしまったのかそのまま意識を失ってしまう。

『本当に 情け 無いですね』

『でも ここでの 戦闘は 一段落 の ようです』

『でもでも 気になるのはもう一つのペアの方』

『メスを投げてる 張本人 が いるって ことですね』

『それでは 視点 を 移して みましょう』


――――――――――瑠璃山村 愛泉

俺らが二人で来たのは愛泉とか何とかいう場所。
結構きれいな湖だけど……

剣咲「あらぁん…可愛い女の子に。男が一匹」

夥しく天に放たれるメスの数々。
寺に奇襲をかけてきているのはこいつか!

悪乃「……いっくよぉー」

真田「行くってどうするんだよ!?」

剣咲「はぁ…どうするのぉん?」

握りしめた一本のメスの切っ先をこっちに向ける白衣の女…
あー…もったいねえ、すげえ美人なのに…

悪乃「どうするって戦うんでしょ~?うふふー」

戦うって…またコイツがあの手の付けられない状態に!?
いやいやいや…それは俺も危険だろうが!

でも、俺のゲージは全くたまってねえ
機能の暴飲暴食が祟ったのかちょっと黒くなってるけどよ
あの夥しいメスをどうにかするのは到底無理だぞ!


どの能力を使用する?>>274

1真田の『悪徳』を自分自身に
2悪乃の『暴走』を自分自身に
3真田の『悪徳』を悪乃に
4悪乃の『暴走』を真田に
5自由

安価把握です
ちと夕飯渇食らってきますわ。しばしお待ちを

剣咲「はぁ…可愛い子だから残念だけどぉん…」

『シュババババババババババ』

迫ってくる夥しい数のメス、当たったら死ぬな

真田「『悪徳(バット)』!!!」

黒いゲージ全てを使って悪乃の奴を強化
俺の予想じゃコイツの能力は手数が多い、それを強化してやれば…

悪乃「あ…あれあれあれ?なんかおかしいぞ~。うふふ~」

悪乃「『勝利(ウィン)』二倍パワ~☆」

『ズガガガガガガガガ』

夥しいメスを迎撃するのは悪乃の魔弾。
バカな俺でもわかる、数は悪乃の奴の魔弾の方が勝っている

悪乃「相殺~じゃなくなってるぅ…」

剣咲「へぇ…やだぁ。やるじゃない」

よし、質量では優ってる!あとはあの美人をぶっ倒せば!

剣咲「でぇもぉ。ざんねんだけどぉ」

剣咲「今日は余興。かんちがいしないでぇ」

突如現れた謎の白い紐によって、美人に向かってる魔弾がすべて動きを止めた。
今までそこになかったのにそこに有ったかのように現れ、魔弾をすべて止めている

悪乃「ふ…ふぇ?なぁに~これ?」

だよな、お前もそうなるよな、だって俺も訳が分かんねえ
普通この展開だったら勝つよな?お約束ってやつだよな?

悪乃「『勝利(ウィン)』」

って!?おい!これはどういうことだ?
何であいつまで固まってんだよ!!

悪乃「って?あれ?あれ?」

魔弾の時みたいに現れた白い紐に絡められる悪乃と俺
てかいつの間に俺まで拘束されてんだ!?



剣咲「じゃ。ある程度人数は減らせたしぃ」

剣咲「あったしは帰りまーす!じゃね」

真田「おい!待てよ!!」

去っていく白衣の女を追いかけようにも体が動かない。
動かないのは体だけじゃない、能力も使えない

悪乃「うーちーけーし!!」

悪乃も一緒か…
なんだよこの紐。能力が一切使えねえ…





―――――――――『シュルルルルル』


拘束が解けたのは女が完全に去ってからで、見渡しても変な奴はどこにも居ない
クソ…完全にしてやられた…


真田「…どうする?」

悪乃「とりあえずお寺にれっつらご~」

―――――――――――――相愛寺

ようやくメスの雨が止んだ。平和になったと思ったのに…
帰ってきた四人は結構ボロボロ。

真田と悪乃はまだ無傷だけど…

問題は七瀬さんと眼鏡。
こいつら二人はどうなってんのか分かんないけど血だらけ…
しかも眼鏡に至ってはぐったりしてる…


吉川「ちょ…ちょ!何事よ!?」

七瀬「武装した村人たちに撃たれた。私は右肩を負傷。こいつは腕を負傷」

七瀬「命に別条はないが…」

真田「じゃあなんで起きねえんだよ!!」

七瀬「ショックによるもの…だろうな」

吉川「え?は…はぁっ!?どうすんの?」

七瀬「落ち着け…」

真田「落ち着けるかよ!!」

巫女B「とりあえず愛目寺様を…」

七瀬「呼んできてくれ。」

巫女たちはこぞって愛目寺さんを呼びに行った。
あの人は今さっきのメスで腕を切ったらしく、それを治療しに別室にいるみたい

吉川「で?真田は何と戦ったの?」

悪乃「ふわふわー」

吉川「はぁ!?」

真田「…白衣の美人」

七瀬・吉川『あいつか…』


どうもこいつらが戦ったのは女医と一般人。
てか…武装した一般人まで敵に居るとか…聞いてないわよ


愛目寺「…あらあら…まあまあ…」


暫くしてからやってきた愛目寺さん
怪我した傷は予想以上に浅かったみたいで綺麗に治ってた

愛目寺「それじゃ。二人とも目を瞑って」

傷だらけの二人を見てほほ笑むと、愛目寺さんは二人に手をかざした
あ…これあの時と一緒だ

愛目寺「――――」

数秒。ほんの数秒手をかざしてただけなのに
それだけなのに二人の傷…正確に言うと出血が収まってる


愛目寺「―――――っ」

少しだけ愛目寺さんが顔を歪めた気もするけど…どうかしたの?


愛目寺「これで二人は安心です。」

愛目寺「小柚。部屋に連れて行ってくれる?」

すっと現れた愛目寺さんは巫女の肩を借りてそのまま私たちの居る広間を後にした

バイサー「あ…あれ?あれ?」

真田「目ェ覚めたか!!」

バイサー「痛い痛い…何?」

あれ?どうしてボクはここで寝てるんだろう?
もしかして…今さっきの全部夢?そっか夢か。
撃たれたところも全く痛くないし……

真田「お前銃で撃たれて気絶してたんだぞ!」

バイサー「え…でも。」

夢じゃないとしても、撃たれたところが痛くない
それに傷もないじゃないか

真田「あの偉い巫女さんが一瞬で治してくれたんだよ」

バイサー「…凄い」

あ、そう言えば吉川さんも言ってたな…そんな事。
でもボクがそれを使われる身になるなんて…



真田「それで…だけどよ。俺は今日乗り込もうと思う」


バイサー「…は?」

真田「病院に」

バイサー「単独で?」

真田「ああ…誰も付いて来ないんだったらな」


さて…どうする?>>285

1とりあえず真田を止める
2自分も行くと賛同してみる
3自由

3 とりあえず急にそんななぜ気分になったか聞く

バイサー「なんで急にそんなこと言うのさ」

真田「だってオメェ!人が滅茶苦茶死んだんだぞ!?」

真田「それに下手すりゃお前まで…」

真田「我慢ならねえんだよ!!」

そっか。そうだった。幸村はボクが近所のいじめられっ子に虐められた時も真っ先に助けてくれたんだった…
今回もきっと皆が傷ついたから…怒ってるんだろうな


バイサー「でも…落ち着こう。幸村一人で行っても勝ち目ないよ」

真田「だったらあいつ等を誘う!」


『ススーッ』

そんな時突然襖が開いた


七瀬「君が行くというなら私も付いて行こう」

開けたのは護衛の七瀬さん。
なんだかいつもより怖い顔をしてる気がする…

真田「でもよ、無益な殺生っつうの?」

七瀬「ああ。こちらから手を出すなが天音様のお言葉だ」

バイサー「約束…破っちゃうことになる」

七瀬「仕方あるまい。犠牲者がここまで出ている」

七瀬「それに考えても見ろ。このままでは天音様が危ない」

完全に本気だ。この目嘘を言っている目じゃない気がする

七瀬「私の使命は天音様を守る事、神に仕える事ではない」

七瀬「天音様をお守りするためなら私は独自で動こう」

真田「一時的同盟ってやつか?」

七瀬「そう言う事になるな。それにお前たちが外出する際は私が付いて行くのが決まりだ」

吉川さんが言ってた…。漁夫の利ってやつ
あの医院の人たちを倒せばボク達が狙われるって言う事

今のボクには俄かに信じがたい…

七瀬「で?どうする?今日乗り込むのか?」

そんな時現れたのはお風呂上がりの吉川さん。
頭から湯気がもくもくと上っている

吉川「…え?バカなのあんたら?」

七瀬「…?」

吉川「仮に今日乗り込んだとしましょう。勝てる見込みは?」

七瀬「無い事は無い」

吉川「はい。じゃあ考えて」

吉川「もし乗り込んで死人が出ました。どうなる?」

バイサー「戦力が…減る?」

吉川「そうよね。今日で結構減ってるってのに、能力者がまたしても減るなんて最悪」

吉川「その後は敵がここに乗り込んで一気に制圧されるのが目に見えてる」

真田「じ…じゃあ…勝ったらどうすんだよ?」

吉川「多分この七瀬さんに殺されるんじゃない?」

七瀬「…っ」

吉川「狙いは両勢力の殲滅。上手い事私達を利用しようとしたって無駄」

七瀬「…そんなつもりはないぞ」

吉川「…はぁ。あのさ、こいつらはバカだけど私はそんなバカじゃないの。」

吉川「さっきの話聞いてたけどさ、「天音様を守るなら独断で動く?」うん。それが引っかかるの」

吉川「それってさ、天音様のためなら何人でも殺しますって事よね?」

吉川「まあ愛目寺さんはこんな見え見えの策を張ってこないと思うから、本当に独断なのね」

吉川「でも残念。私がいる限りそんな浅知恵通用しない」

七瀬「……」

怒ったのかそれとも図星を付かれたからなのか…
七瀬さんは何を言うでもなく部屋から出て行ってしまった


吉川「…で?あんたらはまんまと引っかかりかけたわけだけど…」

吉川「どうするの?」

バイサー「どうするって…」

真田「つかよ!お前は一体どう考えてんだよ!」

吉川「私?私は、ここの敵対勢力を利用するつもりよ」

吉川「ある程度今日みたいに人を減らさせて、戦力を下げていく」

吉川「ある程度下がった所で私たちがここを襲う」

吉川「タイミングとしてはもう一つの勢力が乗り込んできたとき、それがベスト」

そんな事ボクには全く思いつかなかった、と言うより…こんな事をずっと考えてたなんて…
吉川さんっていったい…何なんだろう

吉川「で?これからどうするの?」

バイサー「ど…どうするのって?」

吉川「アンタがリーダーでしょ?決めなさいよ」


今後の戦略>>291
(試験的に今回は自由安価で取ってみたいと思います!)
(とんでもないのが来たりしたら、安価取りなおすかもですが…)

まず聞き込みでより深く天音達の狙いを探り今後も手を組めるか見定める
その結果協力して敵を襲撃するにしても、現存の襲撃に使える戦力について七瀬達に確認し相談して作戦を決める

バイサー「とりあえず天音さんたちが何を考えてるか…探ろう」

真田「探るって…どうやって?」

吉川「悪乃?」

真田「話が通じねえ…」

真田「やっぱ七瀬?」

吉川「あいつこそ危険よ」

バイサー「あ…。天音さん?」

吉川「バカじゃないの!」

うん…無理だ。そんなの出来っこない
だって能力持ちは全員曲者ばっかりだし…

ん?能力持ち…ん?じゃあ能力持ちじゃない人は?


バイサー「能力持ちじゃない…普通の巫女さんとかは?」

吉川「あ…そうだ!そうよね!」

真田「普通の奴…確かにこの寺は余るほど人が居るよな!」

バイサー「でも…誰に聞く?」


誰に聞く?>>294
1夕飯の際ご飯を盛ってくれた、優しそうな感じの小里さん(巫女A)
2影の薄いが忠誠心の強そうな小虎さん(神主A)
3やたらクールな印象の小梅さん(巫女B)
4一番幼そうな小柚君(神主B)

吉川「ここは私がひと肌脱いで…あの小虎とかいう奴に」

真田「あー…あの真面目そうな」

バイサー「一番難易度高くない?」

吉川「任せて!!」


――――――――――――廊下


吉川「きゃあ☆」

小虎「あ…どうしました?」

吉川「あのぉ…スカートの中にハエが…」


物陰から見ている僕たちは噴き出すのをこらえるのに必死だ。
というよりあんなに頭が回るんだから、もっとマシな方法がなかったのかな?


小虎「あ…そういう時は激しく回ると――――」

吉川「こうですかー?くるくるー」

吉川さんの可愛い…って言うのは人とずれてる…
完全に人選ミスだ…


吉川「あ。目が回っちゃった」

小虎「あ…大丈夫ですか?!」

よろめく吉川さんを支える小虎さん。
吉川さんは密かに僕たちに親指を立てていた

吉川「あのねぇ…ききたいんだけどぉ」

吉川「あのー…えっと…天音さんって神様になる―とか言ってない?」

小虎「神様になる?ですか?」

吉川「ほら…さいきんさぁ。なんか不思議な力が使えるようになってるでしょ?」

小虎「あ…ああ。でもそれは貴方たちも」

吉川「んー。そうじゃなくて、天音さんはその力をどう言う風に使おうとしてるのー?☆」

吉川「りなんなん知りたーい☆」

小虎「…私も詳しくは知らないんですが……」

吉川「え?なになに?お・し・え・て?」

小虎「神になる人を見定めたい…らしいです」

吉川「え?神様になる…じゃなくて?」

小虎「天音様…はそんなおこがましい事考えて居ないのではないでしょうか…」

吉川『ふぅん…。それが事実なら…私たちは殺されない?』

小虎「あ…そうそう。確か皆さんが来た日の夜…――――」

吉川「えぇ?しりたぁぃ」

小梅「…何をしている」

小虎「ああ…小梅さん」

小梅「…遅刻するぞ。報告会に」

小虎「あ…ごめんなさい!」

吉川「聞いてたわね。アンタ達」

バイサー「あ…うん」

真田「りなんなんて…りなんなんて…」

吉川「ウルサイ!笑うな!」

吉川「で…どう思った?」

バイサー「どうって?」

真田「小虎ってやつ相当飢えてるな。」

吉川「いや…そうじゃなくて」

吉川「愛目寺の目的よ」

バイサー「神様になる人を見定める?」

吉川「そう!それが真なら!」

真田「真なら?」

吉川「私たちがそれを演じればいいのよ。良い神様候補をね」

真田「それをして何になる?」

吉川「本当にアホね。もしそれで愛目寺に認められてみなさい」

吉川「私たちは狙われない」

バイサー「確かに…そうかもだけど。良い神様候補って?」

吉川「無殺生。従順」

バイサー「それをしている限り狙われることはない…」

確かにボク達が従順にしている限り狙われることは無いかもしれない
そしてその中で神様候補として認められたなら―――

ここを出る事も夢ではない


真田「じゃああの巫女さんは人を殺す気はないのか?」

吉川「あそこまで襲われて襲いに行かないんだから、多分ないわね」

バイサー「でも…七瀬さんは」

吉川「そうね。となれば今危ないのは七瀬」

吉川「悪乃も危険だけど…。能力が読めない分…ね」

バイサー「でもさ…じゃあ人殺しが嫌な人がどうして僕たちに人を襲わせようと?」

吉川「それは…悪い神様候補だから?」

一日付き合ってもらってありがとうございます!
今日はココまでにしたいと思います。

また明日人が居るなら更新しますね!良かったら参加してあげてください。

見返してて思った
剣の8と杯の女王って誰だ?

敵のリーダーと回復の人じゃないかな。
回復の人は安価半ていなかったし。

多分明日まで本編更新ないと思いますので、考察とかあれば自由にここでどうぞです
まあ殆どの能力が今のところ出てる+分かりやすい…のでバレバレかもしれませんが…

>>304
あ…それは安価取ってないので。
すみません混乱させてしまって!

>>305
どちらがどちらのアルカナかは明言しませんがそうです


小アルカナ持ちはもっといてもいいわなあ

小アルカナと大アルカナでなんか性能とかに違いあるのかな
これから明かされる感じか?

>>308
そこは皆さんの安価にお任せです

>>309
今のところそれは無いです
その人に合ったアルカナが渡されてるだけなので

今日も用事が夜からなので更新は出来るうちに
と言うことで人居ますかね?

とりあえず12時まで待とうと思ったんですが
一人の場合はどうすればよいのか…

18時前にはいったん中断すると思いますが投下していきます…
人が居ないと思うのでゆっくり進めるところまで進んでいきますね

バイサー「だからって…ボク達が殺してしまったら?」

真田「俺らが悪い神様候補っつう事か?」

吉川「そこが分からないのよね…あの人たちの都合のいいように動くのが正解なのか…」

整理して考えてみよう。
まず天音さんは神様になるつもりは無く、神様になる人を見定めたい
敵のチームは悪い神様候補。だけど自分たちが手を下す気もない

そこで登場したのがボク達?
都合よく利用するだけ利用して始末するつもりか、それとも良い神様候補として認められるか

一体どうすればいいんだろう…


吉川「で…考えたんだけど。私…敵の事を知っておくべきだとも思うの」

真田「どうやって?」

吉川「直接話を聞く?」

バイサー「でも…ボク達顔が割れてないかな?」

吉川「そこでアンタの出番よ」

バイサー「え?」

吉川「『変化』を使って別の人のトラウマになるのよ」

バイサー「…え?」

吉川「そうすればアンタは完全な別人になれるでしょ?」

バイサー「でも…誰がどんなトラウマを持ってるかなんて…」

吉川「アンタのトラウマって何よ?」

バイサー「えっと…。沢山あるかな…」

吉川「…私はゴキブリだし」

真田「オレは牡蠣だったぞ…」

確かに良い案だとは思うけど、ボクの能力は何になるのかが分からない
吉川さんはゴキブリになったし、幸村は牡蠣。

この寺の人のトラウマを使ってもいいけど、それは賭けだし……

吉川「それか最悪私が突撃ね」

真田「いやいや…顔割れてるぞ?」

吉川「残念だけど、私はまだ割れてないわ」

吉川「女医と面識はあるけど、こっちの人間だってことまではバレてないでしょ」

吉川さんが発案したのも一種の賭け……
というより敵の事を調べる必要なんてあるのか?

…どうしようか。ボクは一体どうするべきなんだろう

どうしていく?>>317
1寺の人に『変化(チェンジ)』を使う
2吉川さんの顔が割れてない事を祈って突撃してもらう
3やっぱりそんなことしない

1

寺の誰に使う?>>320
1七瀬
2悪乃
3愛目寺
4巫女&神主の誰か(小里 小虎 小梅 小柚 の中から指定)
5真田
6吉川
7自分自身

2

バイサー「ボクがやる。」

吉川さん単独で行かせてしまってもしもの事があれば…
そんなのは絶対に嫌だ。

バイサー「『変化(チェンジ)』」

だからボクは皆の意見も聞かずに、通りかかった悪乃さんに能力を使った


バイサー「…あれ。視界が変わらない」

吉川「…女の人?」

真田「キャバ嬢か?」

どうやら偶然通りかかった悪乃さんのトラウマ。
それは人間だったらしく、ボクは今女の人になっているらしい

バイサー「えっと…。美人?」

真田「どことなく悪乃に似てるな……」

吉川「言われてみれば…」

吉川「でも悔しい事に美人よ、胸も大きい」


成程、ボクは美人のキャバ嬢…的な人になっているんだな?
よし、じゃあこの姿のままで医院に行ってみよう


――――――――――――瑠璃山村 大寺診療所


バイサー「あ…あの…え…あ」

目の前にいるのは白衣の女の人。すごく美人
そして吉川さんから聞いてた能力者の特徴とも一致する。

バイサー「こ…こ…こ」

どうしよう…バレたら、どうしよう…すごく怖い

剣咲「あ…えっ!?美子さん!?」

目の前の女医さん、その人はボクの姿を見て目を丸くして駆け寄ってくる
そしてガッとボクの両腕をつかむと、今にも泣きそうな目でじっと見つめてきた

剣咲「今までどこに行っていたんです…」

剣咲「と…とにかく中に入ってください!先生もすぐに呼んできますので!」


あれ?もしかして…上手くいきそう?

――――――――――――大寺医院 内部


通された客間。大きいソファーが向かい合って置かれていて、その間にガラス製の大きな机がある。
女医さんはボクをこの部屋に通すと、急いで「先生」を呼びにこの部屋を出ていった


大寺「…美子さん?」

暫くして部屋にやってきたのは眼鏡をかけた白衣の男の人。
背は高くて色は白い、顔も整っているから俳優さんみたいだ

バイサー「あ…はい。美子です」

大寺「……でもどうして?」

バイサー「どうして?」

大寺「いや…美子さんは…」

バイサー「美子さん…じゃなかった。私が?」

大寺「いえ…何でもありません。無事なら」

美子さんって…どういう人だったんだ?
あの二人の反応からするに物凄い人ってのは分かるけど…

バイサー「え…無事よ」

大寺「はぁとちゃんなら相愛寺ですよ」

バイサー「あ…そうなの」

大寺「ええ、あの子が選んだことですので」

大寺「私は引き留めませんでした」

バイサー「……えっと。」

最初はもっと難航すると思ってたのに…
なんかすごいとんとん拍子で話が進んでいる。

これなら何でも聞き出せるんじゃないか?


バイサー「あのね。えっと…聞きたいことがあるん…のよ」

何を聞く?>>327
1はぁとと美子の関係
2いま大寺達が何をしようとしているか
3自由

2

バイサー「今、あなたたちは何をしようとしているの?」

大寺「ええ…信じてはもらえないでしょうが…」

大寺「神になるつもりです」

バイサー「…神?どうして?」

大寺「救いたいんです。多くの人を」

大寺「神になればどんなに苦しむ人々でも助けてあげれる」

大寺「生かしてあげる事が出来るんです」

バイサー「そ…そう。でも…聞いたわよ」

バイサー「貴方お寺を襲った…んですって?」

大寺「ええ…。でもあれは仕方のない事」

大寺「私たちは死せるものを長らえさせることが目的」

大寺「死せるものに安らぎを与える愛目寺派閥とはどう妥協しても…」

バイサー「だからって殺すの?」

大寺「それは私たちが先に動いただけ、あちらも何らかの策を練っているのは間違いないでしょう」

大寺「それに実力者もあちら側の方が多い」

大寺「手早く行動しなければ、こちらの敗北までは秒読み」

大寺「だから仕方のない事」

大寺「私は何としてでも苦しむ命を助けなければならない…」

…この人は色んな人を助けてあげたいんだ、きっとそうなんだ……
愛目寺さん達とは考え方が合わないだけで…もしかしたら悪い人じゃないのか?
いや…でも人の事は殺してるし、悪くないことは無いよね


バイサー「そ…そう」

大寺「今回ばかりは美子さんが止めても無駄です」

大寺「私はどんな手を使ってでも神になって見せます」

バイサー「え…ええ」

眼鏡の奥から除く鋭い眼光、それを否定する勇気なんてボクには無くて――――

――――――――相愛寺


あの後、ボクは結局特にこれと言ったことは聞き出せずに一人でここまで戻ってきた
能力はお寺に入る前に解いているので、悪乃さんのトラウマを刺激することもない

吉川「おかえり。で?」

門前に立っているのは吉川さん
ボクが外に出ている間、七瀬さんを引き付けてくれてたらしい


バイサー「あ…うん」

吉川「相手の目的は?」

バイサー「幸村も居た方がいいから、部屋行こう」

なんかやっぱりボクは大寺さん達も悪い人に思えない
してることは悪い事だけど、考えて居る事はきっと悪い事じゃない

どうすればいいんだろう…

そのためにもボクは皆の意見を聞いておきたかった


吉川「で?何を聞いてきたの?」

真田「おう、早く聞かせろよな」

バイサー「あ…うん。でも、なんかそんな悪い人じゃ…」

吉川「上手い事丸め込まれてるわね…」

バイサー「だって―――――――」

ボクはあの時話していたことを全部二人に伝えた。
美子さんが凄い人な事、大寺さんは皆を助けたいこと
でも愛目寺さんとは相いれない事



吉川「へぇ、成程ね」

真田「ケンカしてるわけだな!」

吉川「安らぎの愛目寺派と延命の大寺派、そりゃケンカも起こるわ」

真田「…なんでだ?」

吉川「えーとね、安楽死推薦派が愛目寺で何としてでも手を尽くすってのが大寺派なわけ」

真田「んー…よく分かんねえ」

吉川「つまり油と水!サッカーと野球!分かる?」

真田「成程な!」

吉川「本当に分かってんの!?」

吉川「で…どうするの?」

バイサー「え?」

吉川「このままだと攻め込まれるのも時間の問題よ?」

バイサー「…うん」

吉川「あー!もうはっきりして!」

吉川「七瀬の案に乗るの!?それとも攻め込まれるのを迎撃するの?」

吉川さんが提示してきた二択、それは両方とも問題がある。
まず乗り込むって言うのは、七瀬さんが裏切るかもだし…大寺さんの話を聞いた後じゃ何とも気が進まない…
でも迎撃するとなれば、また多くの犠牲者が出るかもしれない…

どうするのが…いいんだろう

どうする?>>334
1大寺医院に乗り込む
2攻め込んでくるところを迎撃
3第三の案を提案(自由)

1

バイサー「乗り込もう」

ボクが出した答え。色んな事を考えて出した答え
それはやっぱり乗り込むってことで―――


バイサー「言ってることは正しいかもしれないけど、やってることは間違ってるよ」

真田「……」

バイサー「それにこれ以上ここの人たちが死ぬのも嫌だ」

吉川「もし七瀬に利用されてたら?」

バイサー「七瀬さんを信じよう。それに僕たちは三人居るんだよ?」

真田「そうだよな!俺ら三人だったら何とかなるって!」

吉川「…はぁ」

吉川「ま…良いわ。七瀬には私が言ってくる」

さすがに今日乗り込むのは無理だから…。早く動いたとしても明日かな
それに稲姫さんの事もあるから、ゆっくりもしてられないしね…

【三日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 77名』

『脱落者 0』

【皆 様子見 し過ぎ まあ 水面下 では いろいろ 進んでるけど】

【それでは また 明日】










CHAPTER1-4 【善+善=善滅】











四日目



その日起きたのはお昼過ぎ。
昨日みたいな騒動も無くて、ゆっくり眠っていられた。


七瀬「起きろ」

まだ夢うつつだと言うのに…ボクの顔を覗き込んでくる七瀬さん
正直心臓が止まりそうなほど怖い…


バイサー「…なんですか?」

七瀬「乗り込むぞ」

バイサー「まだ…お昼ですよ?」

七瀬「何事も早い方がいいだろう」

バイサー「いや…え?本気なんですか?」


何を言っているんだろう七瀬さん、本当に今から乗り込む気か?
でも吉川さんは?幸村は?一体なんて言ってるんだ?

バイサー「えっと。他の二人は?」

七瀬「お前に任せると」

バイサー「…吉川さんも?」

七瀬「あいつは夜を指定していたな」


あー…もう。どうしてボクなんかにキャスティングボートを握らせるんだよ…
吉川さんが決めてくれればいいじゃないか



いつ乗り込む?>>341

1今すぐ
2夜まで待つ

2 昼だと周りに被害でそうだし

安価把握!
すみませんが時間がそろそろヤバイので一時中断。22時過ぎころには更新再開します!

それまで戦略練るなり能力考察なりして下さって大丈夫です
もしかしたら書かれてる戦略とか使用させていただくかもです!


おお…凄い考察…嬉しくてニヤニヤしてしまいます
それでは投下再開します!お待たせいたしました!

バイサー「お昼だったら周りの人に被害が出るかもしれないし…」

バイサー「夜にしましょう」

七瀬「…御意」


夜までにしておきたいことは戦力の確保…なんだけど
正直全員連れていくって言うのはボク的に不安だ

悪乃さんを連れて行って七瀬さんと共に裏切られたら辛い
それにここの護衛も手薄になってしまう


夜まで何をする?>>353

1時が過ぎるのを待つ
2その他(自由)

―――――――――――――数時間後


夜まで特に何もせず、ボクはただただ今日の事を考えて居た。
もしかしたら死んでしまうかもしれないな…とか、人を殺すのかな?とか
考えれば考えるほど湧いてくるそう言う考えは、ずっと頭の中をもやもや蠢いていて


真田「行くぞ」

一人部屋にいたボクを幸村が迎えに来た。


バイサー「…うん」

怖い、怖い、怖い。
正直言って今から逃げ出してしまいたい、誰もいない場所に。

そんな思いは時間の経過と共にボクの心を圧縮して


バイサー「皆は?」

真田「門前…だ」


でも逃げれないんだ。もうここまで来ちゃったんだ


――――――――行こう

七瀬「遅かったな」

バイサー「うん。ごめんね」

吉川「何?今頃怖気づいてるわけ?」

バイサー「恥ずかしいけど…そうみたい」

真田「…お前だけじゃねえ」

憮然としている七瀬さん、強気な吉川さん、隣に立っている幸村
やっぱりだけど皆どこかピリピリしている

ああ、そうか。ボクと一緒なんだ


吉川「防御面は任せなさい。」

バイサー「う…うん」

吉川「ああもう!リーダーでしょ!しゃきっとして!」

バイサー「…ごめん」

七瀬「攻撃面は私に任せろ」

真田「…回復は任せとけ、この前の寺の護衛で『善行』が大分たまってる」

攻撃の七瀬さん。防御の吉川さん、そして回復の幸村
一人じゃないってここまで心強いんだ

バイサー「じゃあ」

七瀬「――――――」

吉川「………」

真田「――――……」




バイサー「行こう」

――――――――大寺診療所


寺からの抜け道を使うとすぐに診療所の前に付いた。
行きは平和でこの前みたいに農家の人が襲ってくる事も無かった


バイサー「人…居るかな?」

七瀬「違いない。居るはずだ」

吉川「敵にとっての本部…だからね」


だけど診療所は真っ暗。中に人が居る気配なんて――――――


『シュッ』


バイサー「え?」

突如突き上げてくるつむじ風。
下から上に吹きあげた風はボクの頬をスパリと切り裂いて

吉川「――――――っ!!『障害(バリア)』」

『シュッ』

『シュシュッ』

吉川「…!?地面??」

吉川さんの能力を使っても意味が無かった。
だってこの風は前から吹いているのではない、地面から突き上げてきているのだ


七瀬「なんだ…なんだこれは!?」

真田「これ…風じゃねえ!メスだ!!」

夜だから気づかなかった、いや…見えなかった。
地面に撒かれている夥しいほどのメスの数々に―――――――――


吉川「もう一回!!『障害(バリア)』」

吉川さんの咄嗟の能力の使用で何とかダメージは最小に抑えられた。
だけど戦況は物凄く不利だ

だってここはもうすでに敵の能力者の手中


吉川「……あー。もうっ!!」

七瀬「…敵は。どこにいる!!」


吉川さんの能力があるうちはダメージは殆ど通らない
メス位ならきっと何とか遣って退けてくれる


だけど…どうすればいいんだ?


視点変更>>360

1バイサー
2真田
3吉川
4七瀬

4

…状況は把握した、そしていま自分が行う事も

『スパァッ』

バイサー「え?何やって!?」

吉川「バカ!!戻ってきなさい!!」

敵の狙いはあの三人のうちの誰か。
それは何故か?あの中の一人を消しそれがリーダーだった場合は芋づる式に戦力が減る
きっとそれを狙うつもりだろう

それならば自分は多少なりとも自由に行動ができる


七瀬「視界が悪い…『輪切り』」

薙刀を両手に構えて一回転。
薙刀の刃の届く範囲の木をすべて切り倒す、これで視界は良くなる


『シュンッ』

『スパァッ』

メスが的確に飛んできた…。
ほう。敵は自分の姿を黙認できる位置に居るのか?


七瀬「聞け三人よ!敵は近くにいる!!」

吉川「…近くに?」

七瀬「だが視界が悪い!!木を切り倒すぞ!」

吉川「効率が悪いわ!。七瀬さん高い所は平気!?」

七瀬「平気だが―――――」

吉川「じゃあちょっと足場を上げるわ」

『ズゥゥゥゥン』

不可視の足場が自分を空へと押し上げる。
成程…あの少女の能力、このような使い道もあるのか…


七瀬「――――――」

居た。自分達から数m離れた木々の合間にあの女医を発見
たった数m足場が上がるだけでここまで違うとはな…

七瀬「右方向おおよそ5mの位置の木の影!そこに敵はいる!」

吉川「下ろすわよ、デカイの作り続けてたら体力が持たない!」

不可視の足場の感触は雲のように消えて
自分は地面に落ちる。

それと同時に他の三人は自分の言った方に駆けて行った

剣咲「あらぁ…やだぁ。囲まれちゃったわぁん」

三人の後を追うと、もうそこには少女の能力で拘束されたらしい剣咲がそこに居た

剣咲「でも…これっていつまで続くのかしらぁん?」

剣咲は少女をじっと見つめる。
先ほどの少女の様子とは違い、息を切らして中腰になっている
体力が底をつきかけているのか…


七瀬「おい!そこの男!回復は得意だと言ったな!」

七瀬「そこの女を回復させて防御を持続させろ!!」

真田「おう!」

七瀬「そしてそこの―――…バイサーとか言ったな!」

七瀬「お前はとにかく能力を使ってどんな攻撃もかわせる状態に置いておけ!」

真田「『善行(ラブ)』!!」

『キュイイイイイン』

吉川「…やるじゃない。何とか持ち直せそうだわ」

バイサー「ううっ…『透過(スルー』」

剣咲「でも…皆がここに来てくれてよかったわぁん」

剣咲「やっと本気が出せる」

『ブィィィィィン』

照らされる林、光源は―――――――


バイサー「ば…ば…バイク!?」

自分たちを取り囲むかのように出現したのは無数の数のバイク
それも誰も載っていない無人の

真田「…すげぇ……どこから…」

剣咲「ぺっしゃんこにしてあげる」

全方位から迫ってくる無数の数のバイク

吉川「ちょっと待って!全方位…しかも走ってくるバイク止めるなんて…」

吉川「無理よ!無理無理!」

真田「はぁっ!?銃弾でも止めれるとか何とかいってただろ!!」

吉川「誰がバカでかい範囲でそれが出来るって言ったのよ!!」

吉川「強度と厚さは比例するのよ!それくらい言わなくても分かりなさいよ!!」

あの不可視の壁…意外と制限があるのか。把握した
だが…この数は流石にさばき切れんぞ…どうする?


さてさて。今日はココまでまた明日
はい主人公チーム&七瀬VS小悪魔女医の結末は如何に!?
明日はさっそく安価から始めていくつもりです

とりあえず戦闘では主人公サイドの行動を決めてもらうことが増えると思うので
敵の能力、じっくり考えてみてくださいな

もうすぐ更新しようと思います!
こんな時間ですが、人はいますでしょうか…

バイサー「『透過(スルー』!!!」

吉川「あー!!もうっ!『障害(バリア』」

まずは自己の保身に移るバイサーとダメもとで能力を使用する少女
自分もできる事はやって見せるが…。

七瀬「重いな!」

木を切ったときの要領で薙刀を持ち回転。
紙細工のように両断されたバイクは音を立てて――――――――



七瀬「…消えた?!」

切ったバイクは雲散霧消。霧のように粉になって天に立ち上った

吉川「…はぁ?」


剣咲「さぁて…じゃあツインで攻撃」

『ザザザザザザザザザザザ』

『ブイイイイイイイイイイイイイン』

またしてもどこからか現れたバイク。そして天から雨のように降りそそがんとするメス


吉川「…七瀬さん。防げる?」

七瀬「バイクの方は…いや。全部は無理だ」

バイクは霧となり消えた…と言う事はバイクに実態は無い?幻か?
いや…でも確かに手ごたえはあった

七瀬「…考えろ」


何かタネがあるはず、何かタネがあるはずだ…


吉川「…『ロングバリア』!!」

真田「無茶すんな!『善行(ラブ』!!」


『カキンカキンカキンカキン』

吉川「…っ!!!」

真田「クソ…ゲージの消費が早すぎるっ!!」


『バキィッ』

降り注ぐメスの雨。遂に能力の一点に穴が開いた
そんな状況なのに迫りくるのはバイク…

何としてでも能力のタネを明かさなければ…。埒があかない



能力のタネとは?>>375

1バイクは能力により大量生産されている
2バイクは生産されているが、親となる物質が存在し、それが本体
3バイクはやっぱり仕込まれたもの

バイクはやはり仕込み…霧のように消えたのは――――

バイサー「七瀬さんっ!!」

七瀬「っ!」

『シュッ』

考えすぎていて背後を取られるとは不覚である…
間一髪、何とか両断することは出来たが

吉川「―――っ…ごめんっ!もう無理!!」


『バリィンッッ!!!』

『ザザザザザザザザザザ』


降り注ぐメス。どうすることもできない自分達
まあ良い、死んでも何も変わることは無い。天音様が困る事は無い

吉川「――――――っ」

真田「――――――」

『パリィンッ』

『ボワァッ』

剣咲「……きゃあっ!」

もうそこまでメスが迫ってきたとき、消えた何もかもが。
それも先ほどのように細かな霧となり

吉川「…え?何で?」

皆が戸惑うのもそのはずだ、先ほどまで剣咲が居た場所から炎が上がっているのだから
断言する、これは自分の能力ではない


バイサー「火?」

真田「…誰が?」


小虎「成功だ!!」

小柚「やったね!!」


小虎に小柚?なぜこいつらがここに?
突撃することは誰にも…ここにいる三人以外には言ってないはずだが…


小虎「火炎瓶を!」

小柚「ああ!」

吉川「…ん?ん?ん?」

吉川「どういう原理?なんで全部なくなってるの!?」

剣咲「はぁっ!?」

七瀬「どうして貴様らがここにいるっ!?」

小虎「小梅さんに聞いたんだよ!」

小柚「今日乗り込むって!」

いや…待て……。どうして小梅が知っているんだ?
この話を持ち掛けた時部屋には確かにこの三人以外の奴はいなかった……
それに声が聞こえないように最大限の注意は払ったはず……


それなのにどうして一端の巫女如きが…!?

剣咲「どうして…。親はこれだったはず…よね?」

剣咲「なんで全部消えている…の?」

真田「おい!何ぼーっとしてんだ!!」

いや…選挙区が有利に傾いたのには違いない。細かい事は気にしないでおこう
それよりも今は…あの者を倒さなければ―――

少ないですが今日はココまでです。申し訳ない
明日は昼頃から更新できそうなので、よければお付き合いください


敵の能力のタネは>>1が決めるかコンマに任せるかした方がいいんじゃないかな

>>381
あの選択がたまたま正解だったんでね?
多分別の選択肢選んでたらゲームオーバーか致命的なペナルティがあったんじゃないかな。

今回の投稿でCHAPTER1 終わらせます
ちょっとばかし安価が無い所がございますが、どうぞ我慢して下さったらうれしいです
それでは12時目安に投下いたします、どうぞご残価下さい

>>381>>382
あの安価は実はダメージを決めるための物です
別にあれを選ぶことによって結末が変わるとかじゃないです、過程は変わりますが…

混乱させてしまって申し訳ない

剣咲「……『アローペン』!」

『シュンッ』

メスもバイクも無くなった。相手はもう攻撃する術はない……
そう思っていたが、それは大きな間違いらしく

小虎「あ―――――」


小虎の右目目がけて射出された一本のボールペン。
それは豆腐を貫くかのように小虎の眼球を貫通して―――――


小柚「っ!」

吉川「…はっ!?」

バイサー「……ペンで」

『ドサッ』

急所をペンで射抜かれた小虎がどうなったかなんて全員分かっている。
死んだのだ、焼き石に水をかけたかのように一瞬で



剣咲「何かよくわからなぁい小細工してるみたいだけれど…。それで勝てると思ってるの?」

ペンを指揮棒のように構える剣咲
シュッと一振りするとペンは瞬く間に増えて

吉川「…また増えた!?」

あいつの能力……。いや…まだ断言するには早すぎる


『シュンッ』

『ズバァッ』

無数と飛んでくるペンを自分は軽く切り落とす。
ペンは――――ペンはやはり霧のように雲散霧消した


七瀬「ほう…やはりな」

読めたぞ、あいつの能力が、あいつのカラクリが。
ペンやメスやバイク…それらは無限に増えていたわけでは―――無い


七瀬『『愚直(フォーリー)』』


剣咲「ふんっ!気を抜いたわねェ!」

アイツの目に自分がどう映っているのか、それを知る術はない
だが一点に集中してペンが放たれたのは事実

七瀬「見切った!!」

一点に集中して飛来するペンを避けるのは容易
体を少し捩じって動けば面白いように攻撃をかわせる


七瀬「―――――――そこォっ!!!」


『シュンッ』


そして手薄になった相手の懐に飛び込み、相手の懐に飛び込む


剣咲「……ウソ。」

剣咲「でも――――時間稼ぎには…」


『ズルゥッ』


離れる頭と体、最後に口にされた言葉の意味――――――



―――――――――――――


終わった。ボクは何もしていないけど、終わったんだ

血濡れの薙刀と、真っ赤な白衣

バイサー「……あ。…え?」

死んだ女医さんの体は細かな光の粒になって天に上る
血も首も体も服も何もかも残さずに


『パサンッ』

そしてその代わりにそこに落ちていたのは一枚の古ぼけたカード


吉川「……」

真田「……―――」


七瀬「これがどういう物かは分からんが、お前たちにくれてやる」


投げられたカードに書いてあるのは『皇帝』
凛とした顔で椅子に座っている『皇帝』の札







七瀬「寺に戻るぞ」

―――――――――――――――三人が出ていった直後の相愛寺


愛目寺「来ましたか。遂に」

悪乃「うふふー。ほんとだぁ」

今の相愛寺、巫女や神主は居ない
居るのは愛目寺に悪乃…そして大寺の三人


大寺「二人だけ…ですか?」


愛目寺「そうみたいです」

大寺「他の奴らはどこへ?背後を狙わせているのですか?」

愛目寺「いいえ、巫女や神主達は別室に閉じ込めています」

愛目寺「これ以上死んで欲しくないですので」

大寺「では…客人達は?」

愛目寺「今頃あなたの右腕と剣を交えているのでは?」


愛目寺はこれ以上犠牲が出ないように、と巫女や神主を自らの手で蔵に閉じ込めた。
それにバイサー達が行動を起こすのも気が付いていなかったわけではい


最初から大寺をあの客人達に始末させようとは思ってなかったのだから

悪乃「じゃあ早速フルパワー☆『暴走(クラッシュ)』」

人差し指を頭に突き付け、いつものように脳のリミッターを解除する悪乃
完全に殺す気なのは誰が見ても一目瞭然で


大寺「二対一ですか?『拘束(リストレイント)』」


飛び掛かろうとする悪乃は突如現れた白い紐によって動きを止められる。
余裕綽々と言った表情の大寺は白衣から取り出した大ぶりの鉈を愛目寺に向ける


大寺「これで一対一ですね」

愛目寺「…ええ、ですが。あの程度私が何ともできないとでも?」

大寺「思ってはいません。ですが貴方にとっても好都合なはずだ」

大寺「これで私を殺せるのだから」

愛目寺「……ええ、手加減は致しません」

愛目寺「『繊細(デリケート)』

両腕を突き出した愛目寺の腕から放たれる大量の水
だけどそれも白い紐に雁字搦めにされて―――――――


大寺「その程度…ですか?」

愛目寺「いいえ?」

愛目寺は地面に敷いてある小石を白い紐に投擲

『パリン』

紐は石に当たるとガラスのように砕け散った

悪乃「離せよっ!!このっ!!!愛目寺さまっ!!」


愛目寺「大丈夫よ。はぁと」

愛目寺「邪魔はしないで?ね?」


大寺「不思議な力だ。まるで神」

愛目寺「私は神ではありません、人です」

大寺「どうしてそこまで人でいようとする?」

愛目寺「ならあなたはどうしてそこまで神に固執するのです?」

大寺「…神になれば平等に命を救うことができる」

愛目寺「ですが人を癒せるのは人。心に安らぎを与えるのは人であり神ではない」

大寺・愛目寺「「独善ですね」」

相反する二人の思考、だがそれは方向が違うだけで――――


大寺「安らぎ?それを与えるあなたが私を殺すのか?」

愛目寺「水掛け論ですね、人を救いたい貴方が私を殺すのですか?」

だけどそれが交わることは永久にない。
二人は天と地。水と油。全く別の存在だから


愛目寺「『繊細(デリケート)』

不意に撃たれる水。それは大寺に命中するが


大寺「…攻撃手段が無い?」

そこで大寺は気づく、相手に攻撃手段が無い事に
そう、愛目寺の発する水は人体に影響がないと言う事に

大寺「攻撃手段が無い?それなのに俺を殺そう…だと?」

愛目寺「ええ、殺すつもりです。今のあなたを」

大寺「ふっ…ば…馬鹿馬鹿しい」

愛目寺「馬鹿馬鹿しいですか?あなた…怖くてたまらないと思いますよ?」

愛目寺は余裕綽々としているが、対する大寺はどこか挙動不審
いや…怯えている?


愛目寺「私たちがいがみ合い始めたのはいつからでしたっけ…」

愛目寺「村人たちがいがみ合っていても、私たちはそれを諌めるだけだった」

愛目寺「いつからでしたか?ここまで考えに差が出たのは」

大寺「…黙れっ!!!『束縛(リストレイント)』

白い紐が愛目寺を雁字搦めにするけど―――
それも一瞬にして砕け散って


愛目寺「貴方も私も意固地になっているだけ」

愛目寺「私はこの村が好きです、悪乃さんの事も七瀬さんの事も――――――


―――――――――――貴方も」

愛目寺「でもやっぱり村を率いるものが二人もいたらうまくいかないんです」

愛目寺「ここで決着をつけましょう。」

大寺「……っ!」

大寺は大ぶりの鉈を前に構えると―――――――


『ズブッ』

『ブシャァァァァァァ』




溢れ出る鮮血―――――





――――――――――――――

バイサー「…え?」

ボク達がお寺に戻ったとき、そこで目にしたのは―――

吉川「…大寺が」

真田「死んでる?」


白い砂利を真っ赤に染める大寺さん
そして悪乃さんとベールを外した愛目寺さん


七瀬「これは一体…」

愛目寺「貴方たちが攻め込むのと同時にこの者も攻めてきました」

愛目寺「だから私が手を下した、それだけ」


バイサー「…ま……まだ生きてる!」

出血こそは酷いけど、大寺さん…まだ生きてる。
僅かにだけど息をしている


愛目寺「七瀬、私の命を破った罰を」

愛目寺「『独善を持って独善を打ち消せたか』それを見届けなさい」

七瀬「…どういう事です!?」

愛目寺「はぁとちゃんは…どうする?」

七瀬さんの疑問も、ボクの驚きも。今の天音さんには届いていない

悪乃「私は…私は…」

これから愛目寺さんが何をしようとしているのか分からない
分からないけど―――――――


悪乃「一緒に行きます」

悪乃「一緒に行かせてください」

天音さんは笑って、涙を流していた

愛目寺「…良いのね?」

悪乃「…一人は嫌です」


何をしようとしているか分からない
分からないから―――

愛目寺「『自虐(セルフペイン)』

天音さんは腕をキラキラと輝かせながら、大寺さんの首元に触れる
すると見る見るうちに出血が収まって――――


愛目寺「客人達。お疲れ様でした」

愛目寺「これにて醜い派閥争いはお仕舞です、どうぞ帰って」


七瀬「――――天音様っ!?」

天音さんの体が―――――消えていく。
今さっきの女医さんと同じような現象だ


そしてそれと一緒に悪乃さんの体も


愛目寺「忘れていました。七瀬棗。貴方は破門です」

消えかけていた七瀬さんの体、それは愛目寺さんの言葉がかけられると同時にその場に留まり―――――








残ったのは『杯の女王』と『戦車』のカード










【四日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 74名』

『脱落者 3』

【一つのチーム 壊滅 猛者 現る 】


【それでは また 明日】

五日目



あの後、ボクは…ボク達はその場で一晩を過ごした。
寝れるはずがない、寝れるわけがない


真田「……終わったんだな」

吉川「胸糞悪いわ」


大寺さんの傷は回復したけど、意識は結局戻らない
七瀬さんは何も言わず一人寺を後にした



バイサー「……」


不思議な事だけど、寺のどこにも人は居なかった
もしかすると天音さんが逃がしたのかもしれないし―――

一緒に消えたのかもしれない



バイサー「バス…来たよ」


もしかしたら天音さんは最初から死ぬつもりだったのかもしれない
独善を善に変えるために――――

だけど結局ボクにそれが分かるはずもなくて―――――――――――

【Epilogue】




バイサー達が居なくなった後の村
そこに一台のタクシーが止まった


???「久しぶりだわ」

開くドア、そこから出てくる派手な女性


???「怒ってるわよね…あの子。はぁと…」


美子「…男に逃げた母親だもの…」

美子「仕方ないわ」

彼女の名前は 悪乃 美子
数年前まで対立する派閥の中間に立ち、村の均衡を保っていた女

そして何も言わずに村から姿を消した女


美子「一目見るだけ…一目見るだけよ」






美子「――――――あの子元気にしてるかしら―――」


CHAPTER1終了です。はい
それでは今からCHAPTER1で出てきたキャラの説明落としていきます

【愛目寺派閥】

愛目寺 天音 (あいもくじ あまね) 24 巫女

顔全体を覆う半透明のベール
腰まである黒髪
神秘的

所有するアルカナは【杯の女王】

正位置能力
『繊細(デリケート)』
対象物を繊細にさせる水を生成する能力
繊細になった物はガラス細工のように脆くなって壊れやすくなる
人の場合は心が繊細になってしまい、何かにつけてすぐ動揺したり慌てたりする

逆位置能力
『自虐(セルフペイン)』
全てのダメージの身代わりになる能力
本体が生きている限りは無制限に使える
ダメージは物質的なものでも精神的な物でもなんでもござれ



相愛寺の長であり派閥のリーダー
神になる物を見定めるという名目でバイサー達を手元に置く
最初からバイサーに大寺を殺させる意思は無かった

大寺を生き残らせたのはどちらかの独善が居なくなれば独善が善に変わるかもと言う希望を持ったため
村人の崇拝をどちらかに向ければ村の均衡を保てると思ったため
それも確信のない彼女の独善である

因みに蔵に従者たちを閉じ込めたというのは大嘘、七瀬達が攻め入った後に全員チームから外し逃がしている

【死亡】

七瀬棗 22 相愛寺 巫女/護衛長

ポニテ黒髪
生真面目な武人肌
軍人口調で目つきが悪い

所有するアルカナは【愚者】

正位置能力は『直感(インスピレーション)』
純粋な攻撃能力
何も考えずに無の状態に陥ることで、何でも切り付けることができる能力
邪念が発生すれば能力は発動されない

逆位置能力は『愚行(フォーリー)』
自分に隙が出来た、自分が失敗したかのように見せかける幻術能力
一瞬隙が出来たと思い相手が踏み込んできたところを切りつけたり、失敗したと思い突撃してきた相手を迎撃する



愛目寺に盲信を向けている信者(護衛)
神にしようと色々と暗躍するが、すべてバレていた

最終的には命を破ったとのことでチームを外される
ただそこには自分のやったことが正しい道に導けるのかと言う愛目寺の意図があるが、気づいているかは不明
酷くショックを受けており村から姿を消した

消息は不明

【生存】

悪乃はぁと(あくのはぁと) 女17 高校生

燃えるような真っ赤な髪の毛
常に笑顔
知恵おくれ(凄いバカ)

所有するアルカナは【戦車】

正位置能力
『勝利(ウィン)』
打消しの能力
火炎が飛んできた場合は同じ威力の冷気を
大音量の音楽が流れればそれを打ち消す音を
ただし攻撃能力には乏しい

逆位置能力
『暴走(クラッシュ)』
触れた物を暴走させる能力
機械ならオーバーヒートしたり止まらなくなったりクラッシュしたり
能力者に触れたら能力が暴走したり…
まあ発動する本人が常に暴走しているようなものなのは触れないでおいてください

男に逃げた母親がトラウマ、一人が嫌い
母が居なくなった後は愛目寺と大寺、二人が引き取り手として名を挙げたが
はぁとは結局人が多いからと理由で愛目寺を選んだ

常に母親の影を愛目寺に重ね、辛い日々をずっと過ごしてきた

最期は天音と共に死亡。最後まで天音に母の幻想を重ねていた
それを口にする事は無かったが。

戦闘方法としては自分のリミッターを外して暴走したり、攻撃を完全に打ち消したり
また自分を暴走させて『勝利』の力を底上げして攻撃に転じる事も得意

【死亡】

【大寺派閥】


大寺 鶴来 (おおでら つるぎ) 32 医者

利己主義
策士
インテリ男子

所有するアルカナは【剣の8】

正位置能力は『拘束(リストレイント)』
対象物を拘束する能力
発動条件は、拘束対象が視界に入っている事
拘束する力は『障害(バリア)』とは違って可視でき、人の目には真っ白な紐として映る。
解除するには使用者の意思か、対象物から5秒目をそらさせる必要がある


この村の唯一の医者、派閥のリーダー
彼もまたどちらかの独善に村が傾けば均衡が保てると思っていた
愛目寺にそこを感づかれて能力を使用され、繊細になった所を説かれる

最終的に自分自身に自信を持てなくなり愛目寺に全てを放棄したが、愛目寺の能力により生還
その後は明らかにはなっていない

今回逆位置能力は明らかになっていない

剣咲 桜 (けんざき さくら) 26 女医

セクハラ魔なガチレズ
眼鏡、巨乳、二十代後半
ゆるいウェーブの金髪で小悪魔系

所有するアルカナは【皇帝】

正位置能力は『威厳(ディクニティ)』
自分が使いこなせる機械や物質を自由自在に操る能力
この本体ならばメスやオペ道具。はたまた車など
だが、制御が難しいらしく複雑な動きを刺せるのは不可

逆位置能力『過剰(エクセス)』
触れた物を増やす能力
分身ではなくすべてに実態がある
だが、大本の物質が壊されれば子となる物質も消える


大寺のもとで働く女医、大寺の考えにはある程度賛同
だが彼女が神になってしたい事は人助けではない
本編では明かされなかったが自分だけのハーレムを作る事だ

林では四人を追い詰めるものの何故か親のメスが子のメスと入れ替えられており
親のメスを何者かに壊され、親のバイクも何者かに破壊される
ペンを操り何とか立て直そうとするが、七瀬の能力に引っかかり一閃

【死亡】

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
正直安価が付くほど人が付くのか心配でしたが…
なんとか皆さんのおかげでここまで完走できました

第二章の方もある程度構想は出来上がってます

少し休憩を挟んでから
投下していきたいと思います!

また安価が多くなると思いますので!
是非ご参加ください!

9日目


あの日から暫く経った。
正直あの時の事は引きずっているし、思い出してしまう

だけど安心できることも一つ。

ルールであった一週間以内に人が死なない場合全員死亡という欄
そこが廃止されたっていうお知らせが皆に届いた


これでボク…いや。アルカナ持ちの皆が平和に暮らすことができるはずなんだ



――――――――――――学校


バイサー「幸村…また遅刻か」

やっと戻ってきた平和な日常、今まさにそれを満喫している最中

担任「えー。それでは出席を取る…前に」

担任「転校生を紹介する」

こんな時期に転校生?
なんだか聞いたことないけど…珍しいな



やってきた転校生の名前>>411

御船 凪

転校生の性別>>413


性格とか特徴とか
>>415
>>416
>>417

聖女

才色兼備

銀髪ロング

所有するアルカナ>>420

聖杯のクイーン

>>420
スマン聖杯のクイーンもう出てもうてる…

再安価>>423

戦車
運命の輪
正義
吊るされた男
愚者
皇帝
杯の女王
剣の8

今まで使用してきたアルカナ

星の正位置能力>>235
1希望(固有結界系能力)
2約束(契約系能力)
3将来(生贄系能力)

安価ミス!!
安価はこのレスから下1でお願いします!

星の逆位置能力>>428

1盲信(視界操作系能力)
2消極(弱体化能力)
3失望(破壊系能力)

安価把握です

えー。ちと中断します
22時過ぎほどに戻ってきます

固有結界って、型月的なあれかな。
だとしたら世界そのものを作るわけか。
プラス破壊系能力ときたら、ラスボス感MAXだなぁ。

なあなあ一章で生き残ったメンツってまた出てくる?

あの医者あっさりやられたけど普通に強いよな?
もう出てこないのか?

今から投下しても人居ますかね?

>>430
それはお楽しみにです
敵に回るか味方に回るか…

>>431
ええ!出てきますとも

担任「転校生の 御船 凪(みふね なぎ)さんだ」

担任「彼女はあの月光夜間高校から転校してきた、いわばサラブレッドだ」

御船「皆様。只今ご紹介に預かりました御船 凪 でございます」

御船「どうぞ慣れないお昼の学校と言う事もありますが、何卒よろしくお願い仕ります」

いやいやいや…どうしてあの月光高校から転入してきてるんだ?
あの学校はエリート養成夜間高等学校。
夜間は学力が低いと言う常識を大きく覆した、夜間専門の高校

どうしてそこの人がこんな学校に?


担任「それじゃあ一番後ろの席に座ってくれー」

御船「…失礼いたします」



バイサー「…理解できない」

真田「んで?その月光高校ってすげえのか?」

吉川「凄いも何も…東大生養成所とまで言われてんのよ!」

バイサー「しかも学費も安い」

休み時間、ボク達は他のクラスメイトと同じく転校生の話題で持ち切り
それほどあの高校はすごいのだ


御船「あの…申し訳ございません」

そんな凄い高校の凄い人物にいきなり話しかけられるボク

バイサー「ん…ん?なに…?」

御船「お恥ずかしながら…自習室を探しているのでございますが」

御船「どこにも見当たらなくて困っているんです」

いやいやいや…たった10分の休憩時間に自習?しかも授業と授業の合間に?
それにこの高校に自習室なんてないよ…


バイサー「あ…えっと…自習室は無いかな?」

御船「…驚きです、それでは大図書館は?」

バイサー「大ではないけど図書館はあるかな」

御船「そうですか…」

吉川「案内してあげてもいいけど?」

御船「いえ大丈夫です」

吉川「え?」

御船「皆様のご歓談をお邪魔するわけにもいかないので、私は地図を探します」

御船「それにもう時間が来てしまいます」

言われてみれば…確かに時間がもう無い
次はボクが大嫌いな先生の授業…か、何だか滅入っちゃうな


御船「親切にして頂きありがとうございます」

御船「良ければなんですが、お昼休みご一緒していただけませんか?」

御船「一人は少し心細いので」

御船「あ…もちろんご迷惑でなければですが…」

どうしようどうしよう…凄い人に声をかけられた……
勿論断るはずないじゃないか

―――――――――昼休み


ボク達は御船さんに群がるクラスメイト達をかき分けながらなんとか人の少ない中庭までやってきた。
ここは中庭と言っても少し校舎から離れていて、景色もきれい
ボクと幸村の秘密の場所である


御船「ボディーガードのようなことまでして頂いて申し訳ございません…」

御船「良ければ…」

そう言って広げたお弁当箱に入っているのは意外と質素な物
エリートはもっと豪勢な物食べてると思ってたけど…
どうやらボクの思い違いらしい

真田「じゃあいっただきー!!」

幸村…人のお弁当に飛びつくのはやめてよ…恥ずかしい



真田「うんめぇぇぇ!!」

御船「良ければどうぞ」

幸村…人のお弁当にがっつくのはもっとやめてほしいかな…

吉川「って!この脳筋バカ!人のお弁当全部食べてどうするのよ!」

がっつく幸村、ものの数分で御船さんのお弁当は空になる
ごめん…御船さん


真田「あ…」

真田「スマン!良かったらこれ食ってくれ!」

そう言って幸村が差し出すのはコンビニのおにぎり
しかもよく見ると賞味期限が過ぎている


御船「いえいえ…それは貴方の物です」

わぁ…。幸村に気を使う人を初めて見た気がする……
頭だけじゃなくて人柄もいいなんて…いったいどこまで出来た学校なんだ…月光高校



『仲良く お弁当 良いけど』

『不良 の たむろ と 勘違い されて 先生が来たよ』

『お昼休みなのに 見回り この学校の 品位が知れるね』

来た先生は?>>440

1 国語科の小崎先生

2 数学科の松ヶ谷先生

3 用務員の????

4 非常勤保険医の????

3


???「何をしている」

突如声をかけられて、後ろを向くと―――
そこに居たのは






バイサー「七瀬さんっ!?」


なぜか上下ジャージに身を包んだ七瀬さんが居て


真田「なんで…?」

吉川「どうやって入ってきたのよっ!?」

理解できない…いや。頭の処理が追いつかない
もしかしたら七瀬さんによく似た別人と言う事もあるし


七瀬「…久しぶりだな」


あ…この人。本当に七瀬さんだ
薙刀も巫女服も着てないけど…七瀬さんだ

今日はココまで!
またお昼に更新しますね!

まあ章が始まったばかりで考察することもないと思いますが…
一章の感想や批判、なにか聞きたいことがあるならどうぞお書きくださいませ


一章はちょっと急展開だったかな

犠牲者が少ない気がしました。全員が[ピーーー]つもりで戦っている感じがしないかなと。

乙っす。
アホの子退場は残念だったなぁ。
何気にあのキャラ好きだった。
そして考察とくればやっぱあのカードだよな。
まさか敵を倒した証ってだけじゃないだろうし。
集めたら新たな能力が! とかかね。


一章は怒濤の展開だったな
途中で理解が追いつかなくなったからもう少しゆっくりめに進めてくれたらありがたいかも
愛目寺とかと自由安価でもっとコミュってれば主人公側も色々分かったのかな

ともあれ七瀬仲間フラグが嬉しい!

>>443
置いてけぼり感強かったですね…
次から気を付けます

>>444
物語的に言うと全員が全員誰かを殺すという目的で動いていないのもあるかも…。神になりたいという目的はあったとしても…
そしてメタ的に言うと出来るだけ全アルカナを物語に登場させたいから…。
すまない

>>445
あのカードはアルカナ持ちの生きた証です
死んだらみんなカードになります
新たな能力?なぜ分かりましたし…

>>446
今章からもっとゆっくり進めていきます
そうか…コミュればいいのか…

あ。七瀬さんはやっぱり強いです

今から投下開始します!
参加できるひとは居るのでしょうか…?

居なかったら時間もう少し繰り下げます

よし…ゆっくりまったり進めていきますか
人もそのうち来るでしょう

七瀬「昨日付けでこの学校の用務員をしている」

真田「…お…おう」

御船「お知合いですか?」

七瀬「まあ…な」

知り合いも何も…一緒に死線を潜り抜けた人だ

七瀬「…御船よ。先ほど図書館司書が呼んでいたぞ」

七瀬「なにやら渡したいものがあるとか何とか」

御船「あ…わざわざありがとうございます…」

あー…七瀬さんはわざわざこの場所に伝言を伝えに来たんだ
それにしてもジャージ姿の七瀬さん、新鮮だ

御船さんが一人職員室方面に向かっていったあと。

七瀬「おい。少し聞きたいことがある」

バイサー「…え?」

七瀬「御船は…もう居ないな」

吉川「御船さんが居たらまずい話?」

七瀬「ああ…。だから少しここを離れてもらった」

真田「で?マズい話って?」

七瀬「このカードの話だ」

そう言ってポケットから七瀬さんが出したのは『愚者』のカード
それをくるっと裏に向ける。

真田「ん?なんだ?」

ボクはすぐに気が付いた。七瀬さんのカード
裏面に描かれた大きな円。
その中にボク達の物にはない魔方陣が書かれていることに

バイサー「ま…魔方陣?」

真田「…確かに俺のには描いてねえ」

吉川「あたしもよ」

七瀬「…自分も偶然発見したんだがな、天音様達が消えた時に出てきたカード」

七瀬「それを自分のカードに当てた…するとだな」

七瀬「こういう状況に…」

バイサー「何か変わりとかある…の?」

七瀬「ああ…アルカナが増えてる」

吉川「…増えるぅ!?」

真田「じ…自分のがか?」

七瀬「ああ」

見た方がいいと言わんばかりに、七瀬さんが取り出した手紙
ボクの元に届いた手紙と一緒だけど、中身には文字が増えていて

【サブアルカナ】杯の女王

『脆刃の剣』
ガラスで出来た剣を生成する技
切れ味良だが耐久度は弱い
切られたものが脆くなるとかはないです

まあ、薙刀とは使い勝手違うけれど。頑張って

『身代わり』
名の通りの技、身代わりになる…それだけ
ご使用は自己責任


吉川「さ…サブアルカナ!?」

真田「こんなの聞いてねえぞ…」

今僕の手元にあるカードは二枚
皇帝に戦車。即ちボクと幸村と吉川さん。そのうち二人がこの様に恩恵を受けることができる
それって…これからにたいしての凄い強み…


バイサー「ぼ…ボク今持ってる」

ポケットをまさぐって――――――

――――――あった!


ちょっとよれよれだけど二枚のカードは確かにあった。
お守り代わりとして持ってただけだけど…良かった。

吉川「じゃ…これを七瀬さんに」

七瀬「ありがたく頂戴する、そしてこれからは七瀬ではなく棗と呼んでくれ」

真田「じゃ、棗に」

幸村がボクの手の中にある戦車のカードを七瀬さん…じゃなくて、棗さんに渡す

七瀬「よし…」

『カツン』

『カスッカスッ』

なにも起こらない…ん?どうしてだ?
もしかして七瀬さんの天音さんに対する思いが―――とかで…サブアルカナって言うのは特例?


七瀬「何故…?」

七瀬「自分じゃダメみたいだ…。だれか頼む」



七瀬が戦車のカードを渡したのは?>>457
1バイサー
2真田
3吉川






2

真田「じゃあ俺が」

受け取ったカードを棗さんの見よう見まねでカードにくっ付ける

『カツン』

『パァァァァァッ』

すると突如として光りはじめるカード
花火が炸裂したみたいに周りが明るくなった

真田「うぉっ!?カードが消えたぞ!?」

無くなった「戦車」のカード、残ったのは幸村の「正義」だけ
裏面には棗さんと同じく大きく魔方陣が描かれている


真田「でも…何ができるようになったんだ?」

手紙がこの場にないと技の確認は出来ない
というより幸村は手紙をまだ持っているのか?

『ピリリリリン』

そんな疑問が浮かんだとき、幸村の携帯が音を奏でる

真田「…お……おう」


顔に驚愕の色が出る幸村…
気になってボクが覗き込むと…そこには―――――

世界創造委員会

サブアルカナ追加のお知らせ

【サブアルカナ】戦車

『沈の指(デリート・フィンガー)』
指で五秒間触れていたものを打ち消す技

『轟の拳(チャリオット・パンチ)』
自分の拳撃の威力を著しく上げる技


へぇ…手紙がその場にない場合はこういう形でくるんだ……


吉川「成程ね…。サブアルカナってのは一人一つなんだ」

ボクと同じく覗き込んでた吉川さんがそう口を開く。
だから棗さんのは反応しなかったのか…

吉川「…あと一枚。どうすんのよ?」

残った一枚の『皇帝』のカード
これを使用できるのは…ボクと吉川さん


どっちに使用する?>>461
1自分
2吉川

バイサー

やっぱりここはボクが…。
だってボクには攻撃手段が悲しいほどにない

だから希望をもって――――

『カチンッ』


―――――――――


『ピロリロリー』

届いた…ボクの新しい技……
一体どんなに強いんだろうか


サブアルカナ【皇帝】

『変化(物質支配)』
人のトラウマがもし無機物だった場合
その変身した物質になって自由に動き回る事が出来る
往来ならエンジンの付いた車などは動き回れたが、漬物石などは不可能だった
だがこの技により漬物石でもある程度浮けるし動けるようになった

『変化(分身)』
変身したモノの分身を作り出す能力
親の能力とは違い、分身に攻撃能力は無い
たが、分身を動かすことは出来る



え……
なんだよ…これ…全然強くないじゃないか!!

吉川「うっわ…これだったらまだ私使ってた方が…」

真田「空飛ぶ漬物石って何だよ…」

七瀬「いや…考えようによると分身ができるぞ」

真田「無数に増える牡蠣」

吉川「食べれないけどね…」

目に見えて分かる皆の落胆
必死でフォローしてくれる棗さんが天使に思える

バイサー「いいよ…良いよ別に!」

もういい。一回のチャンスがこんなのに化けるなんて…
何だかすごい損をした気分だ

七瀬「それに暫く争いは起きん」

真田「え?なんでだ?」

七瀬「七日の期間が撤廃された今、何もなくても人は死なん」

七瀬「余程神になりたいという奴が居れば別だが…」

バイサー「居るんじゃないかな?そう言う人…」

七瀬「…不運続きだ、暫く自分たちの前には現れんよ」

吉川「そうだったらいいけど」


『キーンコーンカーンコーン』

お昼休みの終了を告げるチャイムが鳴る。
ああ…憂鬱な午後がまた始まるんだ――――



―――――――――――――――時間は遡って
―――――――――誰もいない用具倉庫にて


御船「はい…。早速捜索します」

御船「ですが、まだ目的を知らされたわけでは……」

御船「ええ…そうしていただけると信じてはいますが……」

御船「それは…脅しているのですか?…でも、まあ私にも非はありますし…」



『おやおやおや ? なんだか サスペーンス な雰囲気 ネ』

『いったい誰に 電話 しているの ?』

『もしかして エリート JK の 闇 ってやつ?』

『さてさて お電話 している あいては どーなた?』


電話している相手の名前と性別>>466

真城隼斗(ましろはやと)

性格とか特徴とか
>>468
>>469
>>470

モヒカン

真面目

サディストな変態紳士

頭の中でキャラが混線してる…

それでは職業>>472

弁護士

所持アルカナ>>475
下記以外から


運命の輪

正義

戦車

吊るされた男

愚者

皇帝



世界

杯の女王

剣の8

節制

節制の正位置能力>>477

1調節(時間操作系能力)
2判断(アナライズ系能力)
3管理(監視系能力)

逆位置能力>>479

1傲慢(重力操作系能力)
2焦燥(精神系能力)
3予想外(視覚操作系能力)

2

―――――――――放課後

御船「あ…あの。よければご一緒に帰りませんか?」

突然声をかけられるボク。
幸村や吉川さんは今この場所には居ない


バイサー「あ…えっと…うん」

御船「あれ?ええと…吉川様と真田様は…どちらに?」

御船「もしかしてつかぬ事を聞いてしまいましたでしょうか…」

バイサー「あ…ううん。幸村はお腹が減ったから先に帰っただけで吉川さんは来客があるとかで…」

御船「あら…そうなのですか」

バイサー「ボク一人だけど…いい?」

御船「はい!この学校の事よく教えてくださいませ!」

バイサー「はは…うん」


何だか物凄い…緊張する。
女の子と一緒に変えるのって初めてだから…かな?


バイサー「――――――なんだよ」

御船「へぇ…この学校にはそんな行事が…」

バイサー「あ…因みに今日御船さんを呼びに来てくれたのは、七瀬さん」

御船「あの用務員様ですね。何やらお親し気でしたが…お知合いですか?」

バイサー「うーん…まあ。そう言う事になるかな?」

御船「まあ…プライベートなお話題でしたね」

バイサー「いや…別にそう言うわけじゃないけど…」


うーん…御船さんはボクと七瀬さんの関係が気になってるんだ…
でもどう説明しよう?そんなありのままを伝えたらボクは絶対に痛い子認定…
いや…寧ろ興味を持たれるかもだけど…

バイサー「んー…あの三人で旅行に行ったとき、偶然宿で一緒になった人だよ」

我ながらすっごい嘘をついた…。はぁ…

御船「そうなのですか…」

バイサー「う…うん」

会話終了…どうしよう。他に何か話す話題……
話す話題…無いな。

こういう時幸村たちがいてくれたらいいのに…

暫く歩いて――――――
他愛もない話をとぎれとぎれに話して――――


御船「私の学校は夜でしたので…。そのこう言う風に制服を着て帰るというのは…」

御船「それでその―――お願いがあるのですが…」

バイサー「お…お願い?」

御船「よ…よ…寄り道をしてみたいのですっ…」

顔を真っ赤に染めながら言う事でもないと思うけど…
というより、今まで寄り道とかしたことないの?

バイサー「え?今まで…したことないの?」


御船「学校が終わるのは夜ですので…お店が閉まってしまい…」

バイサー「あ…そっか」

御船「だから私は―――」


御船さんが行きたい場所とは?>>484

1牛丼屋さん
2文房具店
3本屋さん
4ゲームセンター


安価把握です!
ちと休憩させていただきますね!

休憩とか言っておきながら出かけることに…
更新はまた22時過ぎになりそうです…ごめんなさい

因みに今回から登場した【サブアルカナ】制度
ローゼンメイデンのローザミスティカ…でしたっけ?そんな感じを想定してください
その人が使ってた力が別の誰かに受け継がれる…
色々変われど性質はほぼ同じ…みたいな?

すいません!
ちと更新明日になります!

11時程に来ますので!

申し訳ない

そろそろ投下いたします!
どうぞご参加くださいませ

御船「本屋に行きたいのです…」

バイサー「…いいけど」

本屋?うん…寄り道にしては凄い平和な気もするけど…
まあボクもゲーセンとか不良が多そうだから嫌なんだけど……
本屋に何しに行くんだ?

バイサー「なに…買うの?」

御船「見るだけです」

御船「見るのが楽しいのです…」

いやいやいや、服とかだったらまだしも…
本を眺めるって…楽しいのか?

御船「立ち読みなんてはしたない事はしませんよ」

御船「背表紙を…」

本当に背表紙眺めるだけ!?

―――――――書店

バイサー「…本屋だよ」

御船「まぁ!制服で本屋さん…初めてです!」

別に制服じゃなくとも制服でも本やなんていっしょだとおもうんだけど…
やっぱり頭のいい人は理解できないかもしれないや

御船「見てください!この本」

バイサー「うん、これが…何?」

御船「この本の作者、私の学校に居たんです」

御船「とってもとっても懐かしい…」

この本。なんかいろいろ受賞して映画とかドラマとかになった有名作品…
何でもありなんだな…月光高校


バイサー「あのさ…どうして御船さんはこの学校に来たの?」

御船「…え?」

御船「えーっと…それは」

御船「…友達が欲しかったから…ですかね?」

友達が欲しい?そんなの月光高校でも作れると思うんだけどな…
もしかしてボクは触れちゃいけない部分に触れちゃった!?

バイサー「えっと…なんかゴメン」

御船「ど…どうしてですか!?え?私何か暗くなるような事…」

バイサー「なんか聞いちゃ駄目だったかな…なんて」

御船「いえいえいえ…そんな想像するようなこと御座いませんでしたよ?」

御船「月光高校の人もいい人ばかりですよ?」

きっと幸村が居たら考えすぎ!なんて言われるんだろうな…
現に御船さんも物凄い勢いで否定している

バイサー「月光高校って夜間でしょ?どんな人が居るの?」

ここは何とか話題を変えてこの雰囲気をどうにかしよう。
咄嗟に口から出た言葉は酷くありきたりだったけど

御船「いろんな職業の人が居ますね…」

バイサー「いろんな職業?」

御船「たとえば弁護士、小説家に軍人、私みたいな普通の高校生もいますが…」

いやいやいや…弁護士!?軍人!?どういう学校だよ!?
ていうかなんでそこまで幅広いんだよ…


バイサー「べ…弁護士?」

御船「はい、東大卒の」

バイサー「えっと…どうして大学から高校に?」

御船「青春をやり直したい…とかですかね?」

バイサー「へぇ…」

ボクは早く高校も大学も出て大人になりたいから、高校をやり直したい人の事なんて分かんない
けどやっぱり世界にはいろんな人が居るんだな


御船「本屋…長いこと居てしまいましたね」

バイサー「帰る?」


御船「そうですね」

――――――――――――――――――月光高校

真城「…どうしましょうか」

???「さぁ?べつによろしいんやない?」

真城「いえ…今回動くのは私たち三人ですよ?」

???「三人?あのぺっぴんさんもチームにはいっとるん?」

真城「いいえ」

真城「―――――――です」

???「ほんま。リーダーも他人任せな人やねんから…」

???「――――とアンタとウチで三人」

???「他の人らはどうしとるん?」

真城「さあ…」

???「まあええわ、で?誰から潰していくんや?」

真城「一番手近に居て、尚且つ手近に接近できるのは御船から連絡のあった四人」

???「個別撃破が…宜しいやろうな」


敵チームが最初に狙うのは?>>495

1バイサー
2真田
3吉川
4七瀬

2

安価把握です

次の更新は23時ころに…


えーと、ここでお知らせなんですが
私情なんですがちと長い休みが終わりまして…
更新ペースがちと遅くなるかもです
一応毎日顔を出して少しでも更新するようにはしますが…

楽しみにしている方がいるのならば申し訳ない限りでございます


やっと安定したので投下していきます!長らくお待たせして本当にごめんなさい!
先ず一番最初に安価を取らせていただきます

新キャラの名前と性別>>498

野々村 紗夜(ののむら さや) 女

性格とか特徴
>>500
>>501
>>502

泣き虫

ドジっ子

空想上の友達がいる

所有するアルカナ>>504

運命の輪

正義

戦車

吊るされた男

愚者

皇帝



節制

世界

ワンドの3

杯の女王

剣の8

上記以外で

杯の2

正位置能力>>506

1相愛(テレパス系能力)
2友情(召喚系能力)
3性(魅了系能力)

2

逆位置能力>>508

1別離(分身系能力)
2険悪(物質反発系能力)
3重圧(重量増加系能力)

2

十日目

―――――――――――公園

今日は一日休みだ、んなわけで俺は今公園に居る
なんでか?それはもちろん決まってる。
昨日手に入れた新しい力を試すためだ



真田「……『轟の拳(チャリオット・パンチ)』…か」

正直言ってまだ信用できないっつうのはある。
だって俺の能力は正直言って使い勝手が悪い、それだからこそあまり俺は能力を使ったことが無い

だからそんな非現実的な感覚、まだ信じれねえ


真田「…行くぞ!!」

思いっきり腰を落として、前方の樹木にパンチを繰り出す

『バゴンッ』

真田「…マジかよ」


俺が殴った木は大きく拳の形にえぐれて、あたりに木くずをまき散らしている
それに俺の腕は全然痛くねえ…
す…すげえ、バケモンじゃねえか

????「―――――――」


『シュンッ』

真田「…!?」

俺の真横、抉れた木に突き刺さる包丁と…小人?
とにかく尋常じゃねえぞ


真田「んだ…これ…」

木に突き刺さった小人?を引き抜いて観察してみる
顔はすげえ気持ち悪いし半透明の羽はなんか薄汚れてる

妖精ってやつなのか?いや…でもこんな可愛くない…
俺でもこれは流石にないぞ?


真田「…能力…か?」


そこで俺は新しい技を試してみることにした

真田「『沈の指(デリート・フィンガー)』」

もしこれが能力ならば…きっと今の技で打ち消すことができる
どうなるか分からねえけど―――――

『プチンッ』

真田「きえ…た」

手にしていた妖精?小人?は光の粒になって天に消えた
なんだよ…これ、もしかしてまた―――


真田「そんなわけねえか」

でも突き刺さった包丁、それは俺に対する殺意の様な物を示してる

真田「…『悪徳(バッド)』

今木を殴ったおかげで俺の胸の悪徳ゲージは10分の3ほど溜まっている
何か来るならかかって来い…。今だったら俺一人でも渡り合える


そう思って辺りを見回してみたが――――――


真田の前に現れたのは?>>513
1敵
2吉川
3御船
4バイサー

――――――――

ボクが公園に行ってみると、そこに居たのは幸村だった
なんだろう…ちょっといつもと雰囲気違うけど

バイサー「また修行?」


真田「…おう」

バイサー「そっか…」

胸の方からわずかに黒い光が漏れてる
幸村ってやっぱりこう言う所で努力家だよね…


真田「なあ、ここ来るときに怪しい奴とか見てねえか?」

バイサー「どうして?見てないけど…」

なんか変だ…なんかおかしいぞ
そんな時、幸村の右腕に握られている包丁に目が行った


バイサー「…なにこれ?」

真田「…さっき俺んとこに飛んできた」


脳裏をよぎったのは能力者の文字…でもまさか…
いや、最近は平和だったし…そんなことないと思うけど

真田「しかも能力だ」


幸村はそれすらも淡く打ち砕いてくれて――――

バイサー「じゃ…じゃあ、幸村を狙ってる能力者がいるって事?」

真田「…いや。まだそうと決まったわけじゃねえけど」

真田「能力者が狙われたってのは間違いじゃねえだろうな」

またしてもボク達に渡されそうになる非日常への切符
受け取りは全力で拒否したいけど


バイサー「大丈夫だった?」

真田「怪我はねえ」

もしかしたらまだ能力者が狙っているかもしれない…
いや、その可能性は大いにある―――


バイサー「『透過(スルー)』

だからやっぱり敏感になってしまうのは当然で

バイサー「一緒に探す?」

真田「バカ…ここ公園だぞ?」

バイサー「怪しい人が居るかも…」

真田「何処にどれだけの人が居るか分かんねえだろ」

真田「それに巻き込んじまったらどうする?」

バイサー「そ…そっか…そうだね」

ボクが傷つけられたときはあれほど取り乱すのに、自分の時は冷静な幸村
…危機管理能力が欠けてるとか言ってやりたいけど、これが幸村のいい所って言うのはよくわかってる


御船「あ…皆さん」

バイサー「あ…御船さん」

そんな時僕たちの前に出てきたのは御船さん
黒と白のツートーンでまとめた私服が良く似合っていた

御船「どうしたんですか?何だか…お二人とも悩んでいるようですけど…」

バイサー「あ…ちょっとね」

真田「ああ…ちょっとな」

御船「包丁…ですか?」

御船さんは幸村の腕に握られている包丁を見て顔を険しくする
そりゃそうだよね…こんな物騒な物持ってたら

御船「危ない…怪我とかしてませんか?」


真田「お…おう。落ちてたのを拾ったんだよ」

御船「そう…ですか」

バイサー「そうだ…御船さんはどうしてここに?」

御船「お休みなので…街を歩こうかと」

バイサー「ぼ…ボクも退屈で――――」

真田「俺も暇…だな」

これからどうする?
1三人でどこかに行く
2公園に留まる
3自由安価

安価>>520

1

バイサー「どこか…行く?」

この場に留まっていても良い事なんて絶対にない
寧ろ御船さんに危害が加わって――なんてことも考えられるし

とりあえずどこかに場所を移さないと


真田「…どこ行くんだ?」

バイサー「え?そりゃ…えっと…」

御船「私はどこでもいいですよ?」

決めてなかった……。
この前は御船さんと二人だったから本屋に行けたけど…今日は幸村もいる
だけど幸村が好みそうな場所は御船さんとは正反対の場所だし…

バイサー「とりあえず皆が好みそうな場所に行こう!」

真田「公園とかか?」

御船「ここは公園ですが…」

皆が好みそうな場所…とは言ってみたけど。
そこが全く思い浮かばない

こういう時…どうすればいいんだろう


どこに行く?>>522

1雑貨屋『ハイプリ』
2カラオケ店『歌皇帝』
3ゲームセンター『フール』
4釣堀『月ヶ池』

1

そうだこういう時は今クラスの子に流行ってる雑貨屋さんに行ってみよう
女の子にも人気らしいし…

それに幸村も物珍しいものは好きだから多分大丈夫だよね…?


――――――――――雑貨屋『ハイプリ』


御船「わぁ…凄い…すごいですよ!」

お店の中は想像以上に可愛くて…男のボクが居るのは何だか恥ずかしい

真田「うわっ…甘…なんだこの臭い…」


幸村の言う通りお店には凄い甘いにおいが充満している…
女の子はこれが良い匂いなのかな?
正直言うと匂ってるだけで虫歯になっちゃいそうだけど…


???「あ…凪ちゃん?」

御船「沙夜さん?」


ボク達の背後から聞こえたお店と同じくらい甘い声

どうやら御船さんを知ってるらしく

???「えっと!真田君にバイサー君だよね!」

???「はじめまして!こんにちわっ」

ん?どうして?初対面なのにどうしてボクの事を知っているんだろう?
どこかで会ったこと合ったっけ…

御船「…沙夜さん?」

???「…あ」

真田「どうかしたか?」

???「なんでもない…かな」


一気におとなしくなる『沙夜さん』
視線は何故か下を向いていて、ボク達と目を合わせようとしてくれない

御船「彼女は月光高校で一緒だった、野々村沙夜さんです」

御船「私たちはすごく仲が良いので、お二人の事もよくお話ししてるんです」

野々村「そ…そうなのっ!てへへー、よく聞くよ!」

野々村「そっちがリー――――」

御船「…沙夜さん?」

野々村「―――あ。なんでもない!」

なんだか…二人は世界観が通じ合ってるみたいだな
ボクには理解できないけど――――

野々村「で?皆はなにしてるのかなー」

御船「街を案内していただいてるんですよ」

野々村「へぇ…男の子なのに可愛いお店知ってるんだぁ」

御船「沙夜さんは?」

野々村「私は『テッコちゃん』と一緒にお買い物だよ」

野々村さんが「ね!」と相槌を打った方向…そこには誰もいないんだけど…。
そんなときこっそり御船さんが耳打ちしてきた


御船「「気にしないでください。彼女…見えない友達がいるんです」」

ああ…痛い子か。
正直慣れてきてるけど…これは強烈だな


野々村「テッコちゃん!何が欲しい?」

野々村『アテクシはカップが欲しい!』

野々村「じゃあカップを買おう!」

『ガシャン』

野々村さんがカップを持ったのはいいけど、そのカップはすぐに地面に落下
音を立てて四方に飛び散る

野々村「あ…あ…どうしよう…」

声が震えはじめる野々村さん。
顔を見なくても分かる、これって今にも泣きだしそうなんだ…

野々村「わ…私ってほんとドジ…」

言葉の節々に嗚咽が挟まる
大号泣までのカウントダウンは5秒を切った所…だろうか?


御船「―――――泣いてはいけませんッ!!」


御船さんが声を張り上げた。
怒ってるとか嫌悪感とかそんなんじゃない、焦りの色を言葉に込めて――――


真田「ど…どうしたんだよ?」

バイサー「お…落ち着いて?」

御船「あ…。ご…ごめんなさい」

御船「ほ…ほら、カップの弁償なら私がしてあげますから」

御船「それにほら。失敗くらい誰にだってありますし…ね?」

同意を求められて首を縦に振ってしまうボクら
野々村さんもそんな様子を見て涙を引っ込めてくれた

野々村「あ…このカップ可愛い…けどお金が―――」

野々村「でも欲しいなぁ…」

カップを眺めながらまたしても泣きそうになる野々村さん。
どうやらお金が足りないらしくて

御船「良いですよ良いです。自分が買います」

野々村「え…良いよぉ…悪いし」

御船「ううん、大丈夫ですよ?」

野々村「ほんとに?」

野々村「じゃあテッコちゃんの分も合わせて二つ買おうっと」

傍から見ればその様子は母親と駄々っ子
なんだか御船さんも友達付き合いで苦労してるんだな…


野々村「あ…これ可愛い!バイサー君に似合うよ!」

バイサー「え?あ…うん」

そう言って野々村さんが持ってきたのは十字架のアクセサリーとよくわからない腕輪。
値札の0の数は4つ…到底手の届きそうな代物ではない…


バイサー「で…でもお金が…」

野々村「え?凪ちゃん買ってくれるよ?」

バイサー「いや…それは…え…」

野々村「それとも…だ…ダサかったから…いや?」

またしても泣きそうになっている野々村さん
あ…いや…でもボクは悪い事をしたわけじゃないし…

野々村「うっ…うっ…」

御船「遠慮なさらないでください、お金ならありますから」

バイサー「え…でも…悪い」

御船「そうですか?じゃあどちらか気に行った方を買いましょう」

御船「…沙夜ちゃんもそれでいい?」


野々村「…う…うん。ごめんなさい」


十字架のアクセサリーと変な腕輪…
正直どっちも趣味じゃないけど……。ここで買ってもらわないと――――


どっちを買ってもらう?>>529
1十字架のアクセサリー
2変な腕輪
3前から欲しかった眼鏡ケース

3

バイサー「じゃあこの眼鏡ケースが欲しいかな」

バイサー「ちょうど今持ってる眼鏡ケース…壊れちゃったばっかで」

ボクが眼鏡ケースをチョイスした理由…。
それにはきちんと訳があるんだ
まず一つ目、これは他の二つに比べて安い
二つ目、デザインがボク好み
三つ目、本当に眼鏡ケースが欲しかった


御船「いいですけど…沙夜さんは?」

野々村「うん!こっちも可愛い!」

御船「じゃあ買ってしまいましょう」


でもなんだか背徳感…。
親と幸村以外から物をプレゼントしてもらえるなんて……

と言うより、ボクちょっと図々しい事しちゃったな…
お金は後できっちり返しておこうっと

野々村「ありがとね!凪ちゃん!」

御船「いえいえ、大丈夫です」

一通り買い物を済ませたボク達は雑貨屋の外に出た
時間も良い位に経ってる

野々村「凪ちゃんもこれから頑張ってね!」

御船「はい、ありがとうございます」


真田「んで?どうするんだ?解散か?」

バイサー「…さあ?」

真田「でももう行くところねえだろ」

バイサー「だね…」

御船「では、私は少し早いですが帰らせていただきます…また明日」

一足先にその場を去る御船さん。
どうやら流れは解散に向かってるみたい

真田「じゃ、オレも帰るわ」

正直まだボクは暇なんだけど――――どうしようか?


今から何する?>>533
1御船さんに眼鏡ケース代を返しに行く
2幸村と一緒に変える
3まだ暇なので吉川さんに電話してみる

2

バイサー「あ…ちょっと待ってよ!」

真田「んだよ?お前も帰んのか?」

バイサー「だってすることないし」

真田「だな…。あー…金があったらなー」

バイサー「だね…」

バイサー「でも御船さん大変そうだったね」」

真田「ああいう友達って大変だからな」

真田「まあ…俺はそう言うの良く分かんねえけど?」

女同士の友情、それはボクにも理解しがたい…
吉川さんが居たら、何か分かってたのかな?

真田「ラーメンでも食いに行くか」

バイサー「どこの?」

真田「道路沿いんとこ」

バイサー「ボクも行く!」


【十日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 74名』

『脱落者 0』

【ここで ネタバレ 一週間の期限撤廃 期限を 設けたのが ミス だった】

【それでは また 明日】

十一日目

――――――――――――――学校

今日は遅れる事も無く学校に付いた幸村とボク。
それなのに―――何故か指導室に呼び出されて


真田「なんだよ…話って」

バイサー「さ…さあ?でも話があるって言ってたよね?」

ボク達を呼び出したのは怖い生活指導の先生
何も悪い事はしてない筈…なのに…


『ガラッ』


吉川「って…アンタ達も?なにやってんの!?」

次に入ってきたのは吉川さん、どうやら吉川さんも理解できていないらしい

吉川「どーせしょうもない事やらかしたんでしょ!?」

そんな事を言うけど…心当たりがない
むしろ吉川さんに聞きたいけど。逆上されるのが目に見えているのでやめておこう



『ガラッ』



七瀬「すまない、朝の早くから呼び出して」

次に入ってきたのは棗さん。
手には茶色い封筒が握りしめられてる


七瀬「昨夜から今日の朝にかけて…自宅のアパートにこのような手紙が投函されていた」

机にドンッと置かれる封筒。
開封した後があると言う事は、棗さんはもうすでにこれを見ている?


吉川「なによ…これ?」

真田「さあ?」

バイサー「見てみようよ…」


中身は一枚の紙。
可愛い兎とか星とかが書かれた便箋に書かれてるのは物騒な文





『死ぬぞ

アルカナ持ちのお前らは狙われている

月光高校の者が、真田幸村を狙っている

心当たりはあるな?あるんだろう?

まあ良い、せいぜい抗え

お前たちは死ぬ、殺される

                   月光の使者』

すいません!今日はココまで!
なんかちまちま更新遅れてごめんなさい!

もうそろそろ物語が動いていきますよー

今から投下して行こうと思います!
人居ますかね?

真田「…なんだよ。これ…」

バイサー「で…でも。これって」

吉川「狂言じゃないの?」

七瀬「狂言にしては的を得ている…」

いや…これは狂言じゃない…幸村は確かに昨日襲われてる
でも…でもどうやってボク達がアルカナ持ちだって?


真田「確かにオレ…襲われた」

吉川「はぁっ!?そんなの聞いてないけど?」

バイサー「ごめん…言ってない」


七瀬「でも…私たちがアルカナ持ちだと知っているのは…他に誰がいる?」

吉川「私に…バイサーそれに真田に棗さん」

吉川「まあもっとも真田がアホみたいにいろんなところで能力使ってるみたいだから、不特定多数に知れ渡ってる可能性はあるけど?」

真田「…スマン」

吉川「まあ、仕方ないわよ…」

バイサー「…でも月光高校って――――」

そこでボクの頭の中に浮かんできたのは御船さんだった。
確かに彼女は月光高校出身で、ボク達とも関わりが深い
いや…だからって疑うのはどうだろう、それに『月光高校』の件だけ出鱈目ってことも


バイサー「ボク達に恨みがある人とか?」

七瀬「……いな――――」

七瀬「大寺か?」

吉川「それは大いにあり得るわ」

真田「直接会いに行くか?」

吉川「いつ?」

真田「今から」

バイサー「また学校抜け出すの…?」

真田「仕方ねえ。こっちは命掛かってんだ」


うん、ボク達三人に七瀬さん…
この四人だからよっぽどのことが無い限り。大丈夫だよね?

―――――――――――――瑠璃山村

七瀬「気を抜くな、奴が敵ならもう何か仕掛けてくるはずだ」

バイサー「こ…怖い事言わないで下さいよ」

吉川「…でも、前来た時よりなんか活気があるわね」

確かにこの前来た時より村全体が活気づいた気がするけど……
今はそんな事全く気にしている暇はない


真田「…なあ。あいつ…」


バス停から診療所に向かって暫くすると
白衣の男性がボク達の目の前を古ぼけた自転車で駆け抜けていく


バイサー「あ…あの人」

七瀬「大寺だな」


大寺さんもボク達に気付いたのか、自転車を止めてボク達のところへやってきた

大寺「君達は…。それに七瀬まで」

大寺「私を始末しに来たのかい?まあ…それも仕方ないと思うが」

七瀬「…そうではない」

大寺「では何だい?」

七瀬「単刀直入に聞こう、昨日真田を襲ったのは貴様か?」

棗さんの眼光がナイフみたいに鋭くなるけど、大寺さんもそれに屈せずじっと見つめる
まさに一触即発、今にも何かが起こりそうだった


大寺「どうして私が?」

大寺「それに狙うならそこの眼鏡の子を狙うよ」

不意に指さされてビクッとしてしまう…
どうしてボクを狙うんだよ?

バイサー「え?」

大寺「だってリーダーみたいだし…ね?」

大寺さんは自らの人差指を立てて爪をこっちに向けてくる。
あ…成程、ボクの爪の紋章で判断したんだ…

大寺「で…だ。私は何も知らないわけだけど…どうする?」

七瀬「…どうするも」

大寺「はぁ…本当にそこまで考えてない様だね」

大寺「呆れてしまうよ」


吉川「…アンタが敵じゃないってなら……今ここで組みなさいよ」

大寺「ほう…確かにそれは妙案だね」

吉川「それをすることで私はアンタを信じれる」

大寺「でも…それでいいのかな?」

そう言って大寺さんは眼鏡の奥の鋭い眼光をボクに向けた
確かに…吉川さんの言ってることは理解できるけど…

今まで敵だった人と組むって言うのも……

どのような行動を取る?>>549

1とりあえず組んでみる
2断る
3七瀬に組んでもらい、信用できるようであれば合併する

ちと休憩させてください
15時には戻ってきます

バイサー「分かった…組もう」

大寺「これで私の動きは封じられたね」

七瀬「…ちょっと待て、私も組もう」

これでボクの率いるチームは二人増えて五人
正直言って大寺さんの事はまだ信用できないし、考えも読めない

だからこそ、七瀬さんも一緒に組む…何て言ってくれたのだろう


吉川「で…?チームが増えたわけだけど…」

大寺「これからどうするか…を決めた方がいいと思うんだが?」

七瀬「…これから?乗り込むのか?」

真田「俺はそれに賛成だぞ!!」

大寺「はぁ…君たちは。もう少し考えたまえ」

吉川「そうよ、敵の本拠地に乗り込んでどうするのよ」

今までは吉川さんがチームの頭脳だったけど、大寺さんも意外と頭回る?
って…それもそうか、この人医者だった…それに元チームのリーダーだし…

大寺「私はこの村にずっといたから分からないけど。怪しい人…はいないのか?」

バイサー「…い…居ません」

言えない…御船さんの名前を言えない…
怪しいんだ、怪しいんだけど…そんな事する人には見えない

吉川「……」

吉川「居るわよ」

よ…吉川さん。お願い…まだ御船さんの名前を上げないで…
もしかしたら御船さんが転入してきたのは本当に偶然の可能性だって――――


吉川「―――――御船 凪。月光高校からの転入生」


言ってしまった…

大寺「で?その御船凪…と君たちはどのような関係なんだ?」

バイサー「友達…かな?」

吉川「まあ、周りから見ればそうね」

大寺「君達と関わりがあり、且つ手紙に書かれていた組織の元一員」

大寺「疑うべきはそこしかない」

真田「でもよ、疑った所で…何になる?」

吉川「向こうが私たちを調べてるとしたら私達も同じことをすればいい」

大寺「深淵を覗くものは深淵からも覗かれている」

…気が進まないけど、今は御船さんを見張る…で話は進んでいくみたいだ
きっと御船さんはそんな事してないと思うけど…

もしそうだったら
もし御船さんが敵だったら。ボクはいったいどうすればいいんだろう…

―――――――――そのころ学校では

???「で?あんたはちゃんとやれるんやろね?」

御船「…はい」

???「まあ分かってると思うけど、裏切ったりしたら――――」

御船「分かっています」

???「まあええわ。ウチもあの人の考えに全面的に賛成とはちゃうねん」

???「だーかーら。アンタの気持ちもよう分かる」

???「でも…。な?分かるやろ?」

御船「仕掛けます。近々」

御船「それでいいんでしょう?」

???「嫌やわぁ…そない物騒な事」

???「言うとくけど強要はしてへん。あんたが決めたんやで?」

次は23時程に更新しますん
しばしお待ちをー

――――――――――吉川の自宅

あれから私は家に帰ってきた、もう学校に行く気なんてない
まあ御船の監視をあのバイサー達に任せたのはちょっと心配だけど、棗さんがいるし大丈夫よね


それより――――今私がしなければならない事



それはどうやって月光高校に乗り込むか…
頭をくるくる巡っているのはその事


吉川「正面突破…――――」

吉川「いや…無いな」

吉川「変装して―――」

吉川「あの真田(バカ)がなんかやらかしそー」

吉川「女の魅力ってやつを――――」

吉川「私と棗さんにそこまで魅力は無いわ」

駄目だ…駄目すぎる…完全にスランプよ
いつもならこんな時パッとしてポッと良い作戦が浮かんでくるのに…

気分転換に出かけてみようかしら…
うん、そうしましょ

吉川「ママー!ちょっと出てくるね!」

早速外出用の服を着てスタンバイ


…だけどもいったいどこに行こうか

吉川「あ…お金ないんだった」

それに今は金欠、この前友達が来た時に使いすぎちゃった…
はぁ…これじゃ靴下も買えない

吉川「とりあえず散歩…ね」

家に居てもいい案が浮かびそうにない…だから外に出るのよ
決して買い物に行くとかそう言うわけじゃない
だから別に散歩でも全然OKじゃない!

あわよくばナンパされるかも…なーんて



吉川「どこ行ってみようかしら」


散歩場所>>558

1噴水のある大きな公園
2駅周りの繁華街
3ちょっと外れにある登山道
4夏は有名な心霊スポットの廃墟

2

――――――――――繁華街

やってきたのは駅周りの繁華街。
朝の通学の時とは違ってそこそこ賑やかしい


吉川「…お腹減ったわ」

そう…今はちょうどランチタイム
そこかしこから空腹を誘う臭いが私の心をつかんで離さない

吉川「…でもねぇ……」

吉川「200円で何ができるってのかしら」

つくづく惨めだわ…お金が無いって。
でもまあ…気ばらしよ気晴らし


臭いから逃げるように繁華街を進んでいくと
そこにはヴィジュアル的に物凄い怪しい…占い師?が露店を出していた


吉川「…なによ。あれ?」

占い師「―――」

占い師が私に向かって手招きをする。
当たりを見回して他に誰かいないか確認するけど、手招きの相手は私

…いったい何よ


吉川「なんですか?」

占い師「占われて見んかね?」

吉川「お金ないんで……」

占い師「お金なぞいらん」


タダって事?怪しいキャッチとかじゃないでしょうね?


占い師「よく当たるぞえ?」

吉川「…ふぅん」

占われてみる?>>561
1はい
2いいえ

1

吉川「タダなんだったら――――」


占い師「では―――」

占い師「まず…私に見えるのは、一人の男がすべてを終わらせる姿」

占い師「その男は酷く後悔をしている」

占い師「…おかしい、君の事を占っているのに君の事が出ない」

占い師「ああ…ああ…成程」

占い師「その男は。か―――――」


そこまで言って占い師が黙り込む
ん?え?いったい何なの?

てかすべてを終わらせる男って何よ!私は女よ?

占い師「…ありゃ?お嬢さん。いったいどうしたんだね?」

占い師「……自分はいったい何を…」

良い所まで言ってたのに急に何よ?もしかしてからかわれた!?
それって超ムカつく…


吉川「もういい!帰ります!!」

今日はココまで
明日はやっとこさ戦闘に入る予定です!

強者揃いの敵チームから最初に送り込まれるのは誰なんでしょうか!
全然わかりませんね。うん…分かってると思いますが…


それではお楽しみに

結局何もわからなかったじゃない
まあ、べつにそこまで期待はしてなかったんだけど

吉川「はぁ…帰ろ」

なんかもう馬鹿馬鹿しくなってきちゃった…


と言うか、こんな賑やかしい所で良い案なんて浮かぶはずないわよ
家にかえってココアでも飲んでもう一回考え直すことにしよう


―――――――――――その頃

真城「君が協力してくれるなんて珍しい」

???「特別な事情…がある物で」

真城「だが…君はもう――――」

???「大丈夫。そこはもう考えている」

真城「ふふっ…心強い」

真城「じゃあ動いてくれ、明日ウチの者も一人動くつもりらしい」

またしても訪れる非日常。
そんな足音にまだバイサー達は気づく筈もなく―――――

【十一日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 74名』

『脱落者 0』

【もうさ この メールも 止めたい。 でも 感づかれても 厄介 まあ がんばるよ】

【それでは また 明日】











CHAPTER2-2【希望の星。絶望の日】











十二日目


その日―――ボクが学校に行くと。
ううん、教室のドアを開けると、なぜかそこはお花畑で――――――――


バイサー「…な…なんで?」

室内に入ったはずなのに、なぜか満天の星空が広がってる
絵文字でよく見るような黄色い星が光る夜空
そして所々にある色とりどりの花。
もしかするとボクはまだ眠っててこれは夢?なんて思いたくなるほどここは非現実的な場所で


バイサー「で…出よう」


『パァァァァァァンッ』

ドアのあった場所に向かう途中、夜空の星が音を立てて炸裂した

迫りくる星の破片。

バイサー「『透過(スルー)』」

身の危険を感じて咄嗟に能力を使用する。
すると破片は地面に鋭く突き立てられる。当たっていたら…いったいどうなってただろう

バイサー「……ま…マズい」

咄嗟に回避活動をしたのは良かった、だけど激しく動き過ぎてどこか出口なのか分からなくなっちゃったよ…
四方を見回してもあるのは同じような花に赤い薔薇?に無数の星

バイサー「…ど……どうしよう」

『シュンシュンシュンッ』

考えている暇もなく、次は手裏剣のように飛んでくる星
今さっきの破裂でこの星に殺傷能力がある事は嫌と言うほどわかっている

バイサー「『透過(スルー)』


だけどやっぱり物理攻撃、ボクにはあまり通用しないわけで
別に避け続けてればいいんだけど、致命的なことが一つ
それはボクに攻撃手段が無いってことで。

相手がもし姿を見せてくれたのだったら、戦う術もあるんだけど…


バイサー「で…で…出て来いよ!卑怯だぞ!」

星「ムハハハハ。私はここに居るじゃないか」

バイサー「…ウソだろ………」


声の聞こえた方向を見ると、そこには何故か真っ赤な唇の付いた星が一つ
変声機を使ったような声は確かにそこから聞こえていて――――

どう戦う?>>571

(この前試験的に取ったのが上手く行ったので…)
(今回は戦闘で自由安価を取ってみます!)

相手のトラウマに変化

一か八か…あの星のトラウマに

バイサー『『変化(チェンジ)』』

体が光の渦に包まれて別の何かに変わっていく
そこまではもう慣れた感覚だけど、変身後に何になるか…それは全然慣れてない
と言うより使うたびに変わる能力…慣れるはずがない


バイサー「何に変わったんだろう……」

喋る星のトラウマ…そんなの分かるわけない
それに鏡もないんだし、自分が変身したのが何かなんて――――

星「って…あれ?バイサー君が消えた」

星「あれ…えっと…。とりあえず別の星に視覚を繋いで」


ん?なんだなんだ?喋る星がボクを見失った…?

星「感覚共有できる星の数と…今ここに展開してる星の数が合わない…」

星「一個多い?…どういう事?」

もしかしてボク―――今。星になってる!?

続きはまた23時ころに!
この戦闘は意外と長く続きそうですが、どうぞお付き合いください

ボクが星になってると仮定しよう
でも…どうして星になってるんだ?しかも瓜二つの

まず考えられるのはこの星のトラウマが星だと言う事
いや…でも、そんなのは変すぎるから…あり得ない

だとすれば星を見たから星になった?でも。それもおかしい
だってボクの能力はトラウマに変身するだけで、見た無機物に変身するなんて技は無かったはず
勿論サブアルカナでもない

となれば何らかの要因で星になった?
いや…まずトラウマに変身できるって言うのは人限定だから
この星は人?…いやいやいや…それは無い

だとすれば中途半端、生と死が曖昧
だけど変身できるってことはこの星は生物

バイサー『分かんない…』


とにかく無駄に考えることを止めよう、要素は分からないけど今は安全だ


???「見失ってしまった―――」

数多に浮かぶ星の中に紛れ込んで宙に浮くボクが見た物
それは―――――

星のお面を被ったジャージ姿の人物

???「……隠れているならよく聞いてくださ…よく聞け!」

???「我が名はスターマン!君たちを倒さなければならない!」

スターマン「…君が現れないなら―――わた…僕は君の仲間に危害を加えよう!」

スターマン「5秒待つ!さあ…出て来い!」

スターマン「5――――4――――3―――」

いや…出れない、ボク一人では何もできないから
それにボクの失敗が皆の命にかかわる事だって――――

スターマン「2――――」

それに皆はボクより強いから―――――

スターマン「1――――――」

きっと大丈夫だ

『キーンコーンカーンコーン』

カウントがゼロになると同時に一限目終了のベルが鳴る
そしてそれと同時に満天の星空は消えて、仮面の人物も廊下に飛び出していった――――

真田「おい!一限目は移動教室だったぞ?なんで来ねえんだよ」

変身を解いてぼーっとしているボクの元にやってきた幸村。
良かった…本当に今さっきの変な場所から解放されたんだ―――

バイサー「いや…あの…えっと」

正直言ってボクも頭の整理がついてない。
教室開けたらメルヘンな夜空広がるお花畑で、そこでお星さまに襲われました―――なんて
誰が聞いてもボクがおかしくなったって思うだろう


バイサー「実は―――――」

だけどありのままを話した、だって幸村だし
それに幸村にも注意を喚起しとかないと

真田「え…マジかよ!?」

真田「怪我は!?」

バイサー「うん…怪我はないけどね」

真田「敵はどんな奴だった?」

バイサー「星のお面…被ってたんだ。だからよく分からない」

真田「星のお面!?なんだよそれ!」

バイサー「怒っても意味ないよ…。敵はもう居ないんだし」

『ガラッ』

そんな時教室に入ってきたのは御船さん
御船さんも今来たばかりらしく、鞄を肩にかけてボク達の方によって来る


御船「…おはようございます」

真田「…」

バイサー「あ…おはよう」

幸村はあからさまに顔を背けて目を合わせない
まるで御船さんが敵だと確定したみたいに

御船「あ…あの…」

バイサー「ん?なに?」

御船「喧嘩でもあったんですか?この教室」

バイサー「え?どうして?」

確かに同じ類の事は今体験したばかりだけど…
一体どうして急にそんな事を?

御船「えっと…あそこ。血が付いてます」

そう言って御船さんが指さすのは、入り口から見て真正面の場所
教室の角に当たる部分に赤黒い何かが付着している


御船「…それにあそこも」

次に指さすのはその角を北に直進した角、一番右後ろの席の斜め後ろの角にも血が…
よく見ると教室の四隅に血が付いている

真田「…確かに血だな」

バイサー「で…でもどうしてこんなきれいに?」

御船「…まるで何かのメッセージ……みたいですね」

真田「メッセージ?」

御船「…本で読んだことがあります。詳しい内容は忘れましたが―――」

そこまで言って御船さんは黙り込む。
きっとその本の内容を詳しく思い出そうとでもしてくれてるのだろう

バイサー「でも…確かにこの血痕。気になるよ」

そこまで気にならない量の血痕だけど、それが規則的に四隅に有れば気になってしまう
これって偶然?でも昨日までは――――どうだったっけ…?

安価はとっていませんが今日はここまでです。申し訳ない
因みに今回からちょくちょく自由安価で戦闘を行っていこうと考えて居ます
読者のみなさんvs筆者…的な?

コンマや選択肢提示もしていきますが、今後はあのような感じの自由安価も出てくると思います
まどろっこしくてすいません、お付き合いください

因みに明日はお昼に投下するつもりです、もし投下が無かったら23時ころに
はい、それまでどうぞ考察なりなんなりお好きにお過ごしくださいませ

昨日は更新できなくて申し訳ないです!
今から更新しようと思いますが、人はいらっしゃいますか?

それから普通に授業が始まって、二時間目三時間目四時間目と順々に過ぎていった。
その間は特に何も起こらない、一時間目の事が嘘だったみたいな日常だった
それだから、急にやってくる非日常に体を強張らせてるわけで

『キーンコーンカーンコーン』


お昼休みの始まりを告げるチャイム

それと同時に隣のクラスの吉川さんが教室に来た


吉川「ちょ!なになに?チラッと聞いたんだけど襲われたんだって!?」

バイサー「こ…声が大きいよ」

吉川「あの女…とっちめるわよ!」

バイサー「いや…まだ御船さんが犯人だって決まったわけじゃ」

吉川「じゃあ誰に?」

バイサー「スターマン?」

吉川「何よそれ?バカなの?」

『苦し紛れの嘘をつくな』と視線で語りながらボクを見つめる吉川さん
だけどホントなんだ、本当なんだよ…

吉川「じゃあそれでいいわ、スターマンはどんな能力を?」

バイサー「えーと…お花畑があって…星が飛んだり話したり破裂したり…」

吉川「ん?ん?ん?はぁ!?」

バイサー「ほ…本当なんだって!!」

吉川「じゃあ何?教室入ったらお花畑でそこでお星さまに襲われたってわけ!?」

バイサー「う…うん」


そんな顔をされたって…。だって本当の事なんだ
と言うより僕だってまだ理解しきれてないのに…説明なんてできるはずないじゃないか

真田「そんな責め立てんなよ、こいつだってまだ理解できてないんだし」

吉川「はぁ…能天気ね。こっちはもう敵に攻められてるって言うのに…」

吉川「対策の一つも練れてないじゃないの!!」


真田「とりあえずは他の二人にも報告だな」

吉川「報告って…今のを?」

吉川「何の手掛かりもない今のを?」

バイサー「いや…その…」

吉川「それとも何!?手掛かりがあるっての?」

手掛かり…。いや、あると言えばあるんだけど…
もしかしたら偶然かもしれないし――――
でも今ここで言っとかないと、後々吉川さんが怒りそうだし


バイサー「教室の四隅」

吉川「それが何よ?」

真田「あー…御船の言ってたやつか」

吉川「御船の言ってたやつ?何それ?」

真田「いや…四隅に血が付いてて気持ちわりーなって」

吉川「四隅に血?うん。それが何?」

バイサー「…なんか不思議だなーって」

吉川「それだけ…?」

どうしよう…あからさまに吉川さんの顔が不愉快極まりない無い表情を浮かべる
…言うべきじゃなかった



放課後は何する?>>589
1とりあえず七瀬のところに行く
2三人で御船のところに行ってみる
3大寺のところに行く
4自由

2

―――――――――――放課後

放課後、ボク達は御船さんを呼び止めた
御船さんはボク達三人をみるなり、笑顔で「寄り道ですか?」なんてニッコリ聞いてきた
心のどこかで疑っていたのが少し恥ずかしい…かもしれない


―――――モスドナルド(ファーストフード店)


御船「まぁ…私こういう場所に来るのは初めてなんです」

吉川「……そ」

真田「―――――」

空気が突き刺さるほどに痛い、こんなに二人があからさまな態度を取るなんて
まあ、ボクも口を開けないでいるんだけど


吉川「なんか食べる?」

真田「俺コレ」

バイサー「御船さんは?」

御船「よくわからないので、皆さんにお任せします」

バイサー「じゃあボクと御船さんはこれで」


メニューを見て注文をして、それから――――――

暫くの沈黙。


バイサー「あの…さ。えーと…」

御船「どうしたんですか?みなさん?」

御船「なんだかすごく神妙なお顔ですが…何かございましたか?」

バイサー「いやっ…あの…何でもない―――」

御船「そう―――ですか?」

店員「お待たせいたしましたー」

不思議そうな表情の御船さんをやってきた店員さんの腕が遮る。
その隙にボクは視線を下に落として、目を合わせないようにした

御船「ドリンクまでついてこのお値段なんて、お得ですね」

吉川「そーねー」

やっぱり皆どことなくよそよそしい…けど。多分ボクもそう。

御船「…えっと。その…」

御船「もしかして…皆さん怒ってらっしゃいます?」

もう何度目かも忘れた沈黙が訪れた後。
それをぶち壊したのは御船さんの言葉だった

御船「なんだか…最近。おかしいような気がするのですが」

御船「いえ…その…勘違いだったらごめんなさい」

御船「でも…知らず知らずのうちに不愉快にさせてしまってたら申し訳ないなと…」

御船「みなさんとっても良い人ですし。私…謝罪をするべきなのかな…と」

やっぱり気づくよね、そうだよね…
ボク達の反応がどれだけ御船さんを不安にさせてるか……
しかも不確定な情報だけで……

ここまで御船さんの事を追い詰めているのは紛れもないボク達。
いったいどうすれば―――――


御船に対する行動>>593

(自由安価)

御船を励まして場の雰囲気を取り繕う
その後隠れて御船のトラウマに変化

安価把握です!

次の投下は23時程に!
しばしお待ちを…

お昼から更新再開します!

すいませんお待たせして

バイサー「そ…そんな事無いよっ」

バイサー「そ…そうだよねっ?みんな?」

真田「…あー。うん」

吉川「え…ええそうね」

御船「そうですか。思い違いなのですか…」

微妙な雰囲気なのは仕方ないけど、なんとか重苦しいのは打破出来たかな…
うん、まあよくやった方だよね


吉川「…ねえ」

吉川さんがそっと紙くずをボクに渡してきた
なんだろう…。机の下でその紙を広げてみる



『トラウマに変化しろ』

殴り書かれたその文字。
いやいやいや…今からここで!?

バイサー「吉川さん?…んー……」

御船さんに気付かれない様に吉川さんにジェスチャーを送る。
物凄い適当で雑なジェスチャーだけど…。気づいてくれるかな?


バイサー「うーん…トイレ。トイレに行ってくるよ!」

ボクのジェスチャーを見た吉川さんが指さしたのはトイレ
とりあえずそこに行けってことだな?


真田「お…おう。って、なにそわそわしてんだ?」

御船「我慢は体に毒ですよ?」


バイサー「…行ってくる!」

――――――――――――トイレ


さて…さてさて…トイレにやってきたけど…
どうしようか、と言うよりここでどうやって能力を使うって言うんだ?
本人が居ないじゃないか…


『ピロリロリン』

そんな時携帯のメール通信アプリが音を鳴らした

バイサー「ん?吉川さんから?」

開いてみるとファイルが一つ添付されている
なんだろう?とりあえず開いてみよう

バイサー「…?これで変身しろと?」

送られてきたのは御船さんの写真。
いや、ボクの能力は生物限定だし…写真で変身なんて


バイサー「『変化(チェンジ)』

ダメもとでやってみる、するといつもとは違う光の渦に僕は包まれて――――


バイサー「うわ…なんだこれ」

トイレの鏡に映っているボクの姿は『誰か』の姿
だけどその姿は酷くノイズがかかっていて誰かは分からない
やっぱり本人を見ないとダメなんだ…

『ボワァン』

バイサー「わっ…」

バイサー「って…元に戻ってる」

ボクの能力…まだまだよくわからないな
写真でも変身できるみたいだし…それに時間制限?もあるみたいだし…

バイサー「でも…ん…」

一つ気づいたことがある、それはあの空間内にある星が生物だったと言う事
いや…まあ喋ってたし…仕方ないと思うけど


『ガシャーン』


トイレから出よう
ドアに手をかけた時に、大きな音がお店の方から鳴り響いた―――――

店員「きゃあぁぁぁぁぁ!」

バイサー「ど…どうしたの皆っ!?」

急いで皆の居る場所に駆けよって、状況を聞いてみる。
別に誰かが攻めてきた…とかではないらしいけど。
急にフライヤーが崩れて、流れ出た高温の油で店員さんが火傷をしたらしい


『グラァッ』

『ボトォンッ』

バイサー「えっ!?」

どこかでまた、何かが壊れる音がした
音が下方向、それはボク達のすぐ前の机からで


吉川「ちょ…ちょっと何よ!」

音と共に机はボロボロと木くずのように崩れ去る

真田「おい…これマズくねえか!?」

御船「な…なんですか…誰ですかっ!?」

『グダンッ』

客「なに!?」

『ボロォッ』

店員「落ち着いて避難してください!!」

『ブシャァァァァ』

あっという間にお店の中は地獄絵図と化した
間欠泉のように溢れ出る水とドリンク
どこかから引火して燃え上るキッチン、そして壊れて作動しなくなったスプリンクラー

吉川「『障害(バリア)』

バイサー「幸村!!」

真田「俺にも分かんねえ!!」

何とかほとんどのお客さんは避難したみたいだけど…
まだキッチンの方から声が聞こえる

助けないと…――――

ちと急用で離席いたします
もしかしたら明日まで更新できんかもです…

バイサー「い…行ってくる!『透過(スルー)』」

吉川「ちょ…ちょっと待ちなさい!もしも敵がそっちに居たらどうするの!」

バイサー「で…でも助けないと!」

こうしている間にもお店の色々な物がボロボロと壊れていく
一体どうして?いや…能力なのは間違いないけど―――

御船「そ…そうです!私達も避難しないと!」

吉川「あー…アンタは一人で逃げなさい!」

御船「ですが皆さんは!?」

吉川「ちょっとやる事があんのよ!」

バイサー「そ…そうなんだ!やる事があるんだ」

御船「そう…ですか」

急遽御船さんを外に避難させてボク達で中の人を救出することにした
でもいったいどうしてこんなことが?

吉川「行くわよ!」

御船さんの姿が完全に見えなくなってからボク達は行動を開始した
まず吉川さんが能力で炎を遮って、ボクがそこを能力で通過する
そしてその間に幸村が壁を崩してそこから非難させる寸法

バイサー「行ってくる!!」

炎を通過していくボク、声の聞こえる方に一目散。
早くしないと皆が危ない―――


『シュウンッ』

バイサー「え?」

人の影が見えた、だから声をかけたのに影は一瞬で消えた

バイサー「ど…どういう事!?」

お面「えらい簡単に嵌ってくれましたなぁ」

バイサー「―――――!?」

消えた人影、それに驚いているボクの前に現れた新たな人影
何もない場所から現れたお面の人物、それは今までの経験上から察するに非日常の誘い手

お面「さてさて…どないしましょ?」

バイサー「――――『変―――」

お面「そないな事させません」

『シュンッ』

能力をお面の人物に使おうとした時にお面の人物がボクの視界から外れる

バイサー「…え?」

次にその人物の声が聞こえてきたのは真後ろから
―――いつの間に?


お面「ちょっと来てもらいたいところがあるんやけど――――」

バイサー「―――『透過(スルー)』」

相手が腕を伸ばしてきたとき、触られまいとボクは能力を使う

お面「―――は?なんでなん?能力が…」

お面「ま…まあええわ、いつまでこの熱に耐えれるんや?」

確かに…確かに熱い
物理的な影響を受けずとも熱気はひしひしとボクに伝わる

――――――――――真田サイド


遅い…遅すぎる。
いくらなんでも遅すぎるだろ

吉川「ね…ねえ、只事じゃないんじゃない?」

崩壊した壁からは冷たい外の風が吹いてくる
けど俺らの背中が冷たいのはそのせいじゃねえ

心配なんだ。

真田「乗り込むぞ!!」

吉川「火の回りがすごいわよ!?」

確かに吉川の能力で火は防げてるが、さっきより勢いは増している
それに俺らのどちらかが乗り込んだとしても、吉川は能力の継続使用で体力を消費
実質乗り込めるのは俺一人

真田「行ってくる!!」

考えてる時間が無駄だ、俺は一人炎の中へと飛び込んだ

バイサー「…っ…」

お面「さ…どないしましょか?ウチもそろそろ限界が来てるんやけど―――」

真田「…おい!」

『悪徳』で自分を騙し騙し強化しながら炎の中を進んだ。
結構あいつは近いとこにいたが…どうも吉川の読み通り只事じゃねえな

お面「部外者かいな…。分が悪い」

お面「信用できんけど……まあアイツにまかせまひょ」

真田「おい!おい待て―――」

お面「おさらばえ」

『シュンッ』

消えたお面の奴、追いかけてえけど…どこに行ったか分かんねえ…
それに今はぐったりしてるコイツを何とか外に出さねえと


真田「おい!!しっかりしろ!出るぞ」

――――――――モスドナルド前(吉川視点)

二人は何とか戻ってきた、やっぱり中にはバイサー以外の奴がいたみたい
真田が何とかしてくれたみたいだけど

真田「俺とりあえずコイツと病院行ってくる!」

吉川「私も」

真田「お前はソッチ送ってやれ!」

「ソッチ」即ち、私の横で不安げにしている御船の事
どうも逃げずに外でおとなしく待ってたみたいだけど?

御船「い…いえ…私は一人でも」

御船「それか一緒に―――」

吉川「あ…良いわ。私が送る」

もしも御船が敵だった場合、もし襲ってきた場合
その場合は真田がバイサーを庇いながら戦う羽目になる
それなら今ここで真田とバイサー二人を救急車に乗せた方がいい

それにこれだけの事故、救急車は多数
どの救急車に誰が乗り込んでるか、それが敵にわかる事も無いでしょうし

襲われることはまず少ないわね

吉川「じゃ、御船さん。私たちは帰りましょう」

御船「…はい」

吉川「怪我は?」

御船「無いので…その…大丈夫です」

まあお互い怪我は無いみたいだし、監視ついでに家まで送ってあげよう

吉川「…先歩いて」

御船「え?」

吉川「御船さんの家が分からないわ」

吉川『『障害(バリア)』』

何があってもいいように私は自分を能力で包む
まあ余程の事が無い限りは大丈夫でしょうね


御船「…でもあんなこと…酷いですね」

御船「いったい誰が…」

吉川「そうね、でも死人が出なかった分マシよ」

御船「そうでしょうか…」

吉川「不幸中の幸いってやつじゃない?」

同棲の友達は多い方でも少ない方でもない私だけど、どうも御船さんとは話が発展しない
まあ…疑ってかかってるからってのもあるからかもだけどね

御船「でも…バイサーさんは大丈夫なのですか?」

吉川「軽い脱水症状だってさ」

吉川「それにあいつ、意外とタフだし大丈夫よ」

様子を見るに結構本気で心配してる?
いや…でもこれが敵だった場合は怖いわね

御船「あ…あのマンションが私の家なので…もう―――」

近くに見えてきたマンション、コイツはもうここで良いなんていう
だったら私も病院に行くだけだけど―――


吉川「あのさ―――」

能力者であること、今回の事件の事、バイサーが襲われた時の事、それらを追及する?>>612

1する
2しない

1

吉川「あんたさ…何考えてるわけ?」

御船「――――え?」

吉川「いや、だからさ」

吉川「アルカナ持ちじゃないの?」

固まりつく空気、凍る雰囲気
いきなり過ぎたわよね、ええ…そうよね
どっちにしても何言ってるんだて思うよね…


御船「…よくわかりません」

吉川「だーかーら、今回の火事もバイサー襲ったのもアンタかって聞いてるの」

御船「ど…どうしてです?それにアルカナ持ちなんて…」

吉川「ふぅん…そ」

御船「どうしてそう思うのか、どうして私がそんなひどい事をするのか…」

御船「根拠がありません…」


根拠…ね

根拠を突き付けろ(実はシナリオ内にちょくちょくヒントあります)>>614
(自由安価)

>>600での反応
超常現象が起きてるのに人為的なものだと普通判断できるわけがない

吉川「…あるわよ。根拠」

御船「え?どういう…ことですか?」

吉川「犯人の存在よ」

御船「だからその犯人だって…私がやったって証拠を教えてください」

御船「私がやった確たる証拠は…あるんですよね?」

吉川「どうして…どうしてアンタは誰かが手を引いてるって分かるわけ?」

御船「…?」

吉川「最初に私たちの前で机が壊れた時、「どうして?」じゃなくて「誰?」って言ったわよね」

吉川「その後もアンタは度々「誰が」なんて発言をしてる」

吉川「どうしてあんなあり得ない現象が「誰か」によって引き寄せられたって断言できるの?」

御船「………え?」

御船「そうですか…そうですよね」

御船「吉川さんは頭がよろしいんでしたね、すっかり忘れていました」

御船「そうですよ?私です、私がやりました」

凍り付いた雰囲気の中で、御船の表情からも温度が消え去る
いや…顔だけじゃない、言葉もしぐさも何もかもよ。
化けの皮がはがれたって…きっとこうこう言う事なのね

吉川「バイサーが襲われた時は?」

御船「え?何ですかそれ?」

御船「私はしりませーん」

御船「それともその現場を見ていて、吉川さんは怪しいと思った所でもありましたか?」

御船「あれ?おかしいですねぇ?」

吉川「アンタの仲間って事?」

御船「はいそうです。私の仲間がやりましたー」

吉川「脅迫状は?」

御船「え?え?え?そんなもの送られてきたんですかー?やーだー」

御船「だからみなさん冷たくなっちゃったんですねー?凪的に納得ですー」

ぶっ飛んでるわ、完全にコイツ…ぶっ飛んでる
ニコニコしながら今までも悪事を露呈していくコイツには正直震えてくる
怒りとか憎しみとかじゃなくて、ただ単に怖い


御船「他にもいろいろやってきましたけどー…。あとは秘密です」

御船「じゃあまた明日。学校で」


そう言って去っていく御船凪。
驚きと恐怖に支配された私の脳内は完全にフリーズしていた











――――――――――――御船家 凪の部屋








御船「………これで、これで良いんです―――――」






















――――――――――――御船家 凪の部屋








御船「………これで、これで良いんです―――――」






















【十二日目 終了】

【みなさん 激動 の 一日 お疲れ サマです】
【それでは今日の生き残り】

『残り 74名』

『脱落者 0』

【どーせ 誰も 死なない 知ってるでしょ? あ…知らないか お口チャックマンですね はい】

【それでは また 明日】









『十三日目』


その日は念のため学校を休むようにと言われて、休むことにしたボク
何がどうなってるのか詳しくは教えてもらってないけど、なぜか今ボクの部屋に護衛と言う形で七瀬さんがいる


バイサー「どうしてですか?」

七瀬「どうしてもこうしてもない、護衛は護衛である」

バイサー「えーと…はい」

バイサー「昨日の一件ですか?」

七瀬「まあそれもあるな」

どうしようか…会話が悲しいほどに持たない
味方になってくれたからと言ってそこまで打ち解けてくれるわけでもないのか


バイサー「お腹減りませんか?」

七瀬「別に…」

七瀬「何か作ってやろうか?」

バイサー「あ…いえ、出前でもとります?」

七瀬「それは任せる」


朝ごはんをどうする?>>621
1頼む
2作ってもらう

2

すいません!私生活が色々とあわあわしてて遅れました!
今日の22時~23時に投下いたします!

用が早めに済みましたので21時に投下します
皆様大丈夫でしょうか?

ん?今何か作ってやろうかって…
棗さんって料理できるんだ…一回食べてみたいかも

バイサー「じ…じゃあ、その…えっと…作ってください」

七瀬「御意」

機械のように立ち上がった七瀬さんは台所に向かっていく
けど…冷蔵庫の中、そんなに入ってなかったと思うんだけど
一体何を作るつもりなんだろう…


バイサー「…一人か」

暇だ。なんかものすごい暇だ
体は元気なのに自由に動けないってこんなにも暇なんだ…
今すぐ学校に行きたいけど…
棗さんの監視の目を潜り抜けるのは多分無理


七瀬「『脆刃の剣』!!」

『シュピィィィンッ』

七瀬「ふんっ!!!」

『ドッシャーン』

どうして台所で技を使ってるんだろう…棗さん

七瀬「おい、出来たぞ」

棗さんはお盆にお味噌汁とお浸し的な物とおにぎりを乗せてこっちにくる
意外と…意外とおいしそうだ


バイサー「えっと…いただきます」

臭いや見た目は問題ない、問題は味
こういうのって最後に大きなどんでん返しが合ったりするもので


『パクッ』


バイサー「あ…あ。美味しい」

普通においしい、いや…正確に言うと不味くない
美味しいか不味いかで聞かれれば美味しいけど、美味しいか普通かで聞かれれば断然普通
いや…うん…普通。
だけど身構えてたボクはついそんな事を言ってしまって


七瀬「ふっ…そうか」

チラッと棗さんを見ると、心なしか笑っているようにも見えた――――

――――――――――学校

時間はちょうど昼休み、俺は抜け出してバイサーの家に行きたいが…
そんな俺の進路を邪魔する奴が一人


スターマン「とおっ!」

真田「『悪徳(バッド)』

スターマン「まあ…まあ待ちたまえ!敵ではない!」

真田「あ?バイサーの事襲っといて敵じゃねえ?」

スターマン「あれは助けたのだ!」

スターマン「あれをしなければ凶悪な天使にあいつは全身穴だらけにされていただろう!」

スターマン「だから我が空間に―――」

中庭に現れるお面の…男か?
声からして野太い、年末の特番でやってる警察24時の万引き犯並に野太い
ボイスチェンジャーっつうんだっけ?


真田「『轟の――――』」

スターマン「まあ待て!話を聞け!」

真田「んだよ!話って!」

スターマン「近々だな――――。いや…今日だな」

スターマン「残酷な天使がバイサー君を責める!」

なんだよ残酷な天使って…テーゼかよ…
つかアイツを責めるってどういうことだ!?

真田「おい…待て」

スターマン「――――」

真田「その天使って?」

スターマン「君を襲った奴…」

スターマン「さらば!!」

そう言うと明後日の方向に逃げ出すお面の奴
…とりあえずこれ、吉川の奴に報告だな




―――――――――――

バイサー「…棗さん。誰か来たみたいです」

チャイムが鳴った。
この時間だ、きっと幸村と吉村さんがお見舞いに来てくれたのだろう
時間帯的にもちょうど学校が終わったころだし


七瀬「私が出てこよう」

起き上がるボクを制して七瀬さんは一人、玄関の方へと向かっていった



コンマ判定:玄関の向こうに居たのは?
奇数:敵
偶数:幸村たち

下1のレスで判定

0の場合を決めてなかった…
とりあえずそれの左の数字で話を書いていきますね!
次からは気を付けよう

真田「おーい!来たぞ!!」

吉村「意外ときれいじゃない。むかつく」

棗さんが僕の元に連れてきたのはやっぱり幸村たち
相変わらず好き勝手やってるな

真田「…で。急にだけど話がある」

吉村「ええ…そうね」

七瀬「話とは?」

一気に真剣になる二人、なんだろう?
棗さんの反応からして、棗さんも知らないみたいだし…


真田「…今日お前が襲われるらしい」

バイサー「は…はあ!?」

吉村「私も一緒の反応よ」

七瀬「誰から聞いた?」

真田「スターマン…」

スターマン?だれ?ん?ふざけてるの
え…って…あ!スターマンってまさかあの!?

吉村「ここに来たのはただ単にお見舞いってわけでもないの」

真田「迎撃って言うわけだ」

一気に気が遠くなる、正直言ってもう嫌だ…
でも冗談ってわけでもないし…

七瀬「で…?どうするつもりだ?」

真田「大丈夫だ!俺ら四人居る!」

真田「それに攻撃面じゃ俺ら二人の火力は――――」

吉村「精神的な能力で攻めてこられたら?」

吉村「相手も多数だったら?」

真田「それは――――」

七瀬「ふん、まあ仕方あるまい」

バイサー「せ…攻めてくるんだ」

と…とりあえずここで戦ったらダメだと思う
家だし、マンションだし、住人居るし……

そうだ。場所を移そう

それにボクたちが移動したことに敵が気づかなかったら引き上げてくれるかもしれない――――

何処に避難する?>>635
1河川敷
2公園
3心霊スポットと名高い廃屋
4自由

――――――――――公園

と言うわけでボク達が避難してきたのは公園
ここなら広いし、今の時間帯人も少ない
それにボク達が選んだ場所だ、小細工なんて一切ない


バイサー「大丈夫…だよね?」

七瀬「…守り抜いて見せる」

吉川「一応…大寺さんにも言っといた」

真田「何処からでも来い!」

いや…来てほしくないんだけど…
うん、来られたら困るかな


バイサー「もしかしたらスターマンの狂――――」


???「テッコちゃん!テッコちゃん!」

『ドゥルルルルルルルルルル』

狂言じゃなかった
そう理解させる為の無数の弾丸がボク達に放たれた

吉川「『障害(バリア)』」

『カキィンッ』

『カキィンッ』

『バリィインッ』

吉川「うそでしょ!?」

バイサー「『透過(スルー)』」

後ろを見るとピンク色のハートが木に突き刺さっている
幸村…棗さん…はどうにか怪我は無いみたいだけど

テッコちゃん「こんばんわっ!!」

野々村「はわわっ…駄目だよテッコちゃん!」

ボク達の目の前に現れたのは3mもある巨大な天使…の白い像?と雑貨屋さんであった女の子


テッコちゃん「抹殺!滅殺!」

野々村「だめだめっ!殺すのはバイサー君だけでしょ!」

巨大なミニガンを両手に一つづつ引っさげた天使像の様な何かと女の子
まずい…。予想以上にまずい…

だけど――――戦わないと

技セレクト+戦法(一人を選んで動かしてください)>>639

【能力+技リスト】
バイサー>>23>>462  真田>>41>>459  吉川>>97 七瀬>>404>>455

真田の悪徳で七瀬を強化

真田「七瀬!切り込めるか!?」

七瀬「…弾幕を張られている。貴様らを守りながら…切り込むのは不可能だ」

バイサー「そ…そうだ!幸村の能力で強化してあげれば…」

吉川「どっちをよ!?」

バイサー「え?どっちって…」

そっか…確かに言われてみれば、防御面の吉川さんを強化するのか…それとも攻撃面の棗さんか…
どうしてボクに決定権を握らせるんだ…


バイサー「吉川さん!吉川さんはボクを守らなくていいからその分能力を狭くして!」

吉川「確かに強度は上がるけど…」

吉川「それじゃアンタが!」

バイサー「ボクは平気だよ、「透過」がある!」

吉川「それもそうね」

バイサー「幸村は棗さんを強化して、それから吉川さんの後ろに下がって」

我ながら的確な指示を出せたかな、なんて思う
ボクには絶対に攻撃が当たらない、それに全員の能力を把握している
だからか冷静に戦局を立てる事が出来た


真田「おら!『悪徳(バッド)』」

七瀬「恩に着る!」

七瀬「脆刃の剣!」

野々村「無駄だよ!全部切るなんて出来っこない!」

雑貨屋さんであった女の子が右腕を高らかにあげた
するとそれを合図みたいに白い像は七瀬さん目がけて銃弾を発射した

吉川「ちょ…あの量はヤバイわよ!本当にアンタの言う通りにしていいの!?」

心配そうに喚く吉川さん、だけどボクも実際心配だ…
もしあの量が命中すれば、間違いなく棗さんは穴だらけに……

素直に防御に徹するべきだったかな


七瀬「ふん…遅い!」

野々村「…う…う…うそ!?」

ボクも目を疑った。
棗さんはガラスで出来た剣を二刀流にして目にも見えぬ速さで飛来する弾丸を切り落としている


野々村「テッコちゃん!次!次だよ!」

テッコ「御意」

ミニガンから次に飛び出てきたのは羽の生えた小人。
幸村が襲われたって言うの…。もしかしてアレ?


小妖精達「ピギギギギギギギギギギ」

真田「あ…アイツ!」

バイサー「幸村を襲ったのって?アレ?」

真田「…あんなに量はいなかったけどな……確かにあいつだ」

一匹でも可愛くないのに、それが数百匹。
それぞれ多種多様な凶器を片手に棗さんに向かっている


七瀬「…今の自分に勝てると思うな」

小妖精「ピギィッ!!」

『ズシャァァァァッ』

一瞬、本当に一瞬で小妖精達の数が半分に減った。
ただでさえ強い棗さんが幸村のせいでもっと強くなっている…

負けることは無い…。そんな安心感がこの場を包み込んでいた

野々村「ふぇぇ…どうしよう。このまんまだったら!負けちゃう!」

七瀬「もう遅い、王手だ」

一気に残り半分を片付けて女の子に迫る棗さん。

このままだと―――――あの子が―――――



バイサー「殺しちゃ駄目だ!!」


野々村「やだぁぁぁ!負けたくない!!!」

公園内に響く鳴き声、走りながら迫っていく棗さん
そして振り上げられた刃は


無慈悲に振り下ろされて―――――






『ザクゥッ』



――――――――――――――真田「…は?」

振り下ろされた刃が捕えたのは、女の子じゃなくて

―――――幸村。


吉川「え…!?ちょ…ちょっと!?」


バイサー「幸村!?なんで!!」

七瀬「――――――ッ!?」


敵に向かっていたはずの七瀬さんはいつの間にかボク達と対峙する形になっていて
手にしている剣からは鮮血が滴り落ちている


吉川「棗さん!どう言う事よ!?」

七瀬「分からん!分かるはずがないだろう!!」

ボクにも分からない、どうして棗さんが幸村を切ったのか
だって最後に見た棗さんは確かにあの女の子に剣を向けていて

それなのに…気が付いたら棗さんは幸村を切りつけて


野々村「もー!!やだぁぁぁ!!私帰る!!!」

癇癪を起して帰っていく女の子を追いかける…暇もなく。
今は瀕死の状況の幸村をどうにかしないと…

吉川「―――ごめん。『障壁(バリア)』」

七瀬「―――。いや、その判断は正しい」

どうやら吉川さんは能力で棗さんを拘束したらしい…
棗さんは剣を消滅させて、誰にも危害を加える事が無い状況を作った


バイサー「ゆ…幸村!」

真田「……バカ…生きてる」

バイサー「喋っちゃ駄目だよ!!」

喋るたびに切り口から溢れる血。
流れ出る寿命はボク達を焦燥させて


七瀬「とりあえず大寺に連絡を」

吉川「そうね!あの人だったら訳も分かってるだろうし!」


拘束された棗さんが吉川さんに指示を出して、吉川さんはすぐに大寺さんを呼びつける。
ボクは幸村の傷口を押さえて止血しているけど、ボクの腕では覆えないほどに傷口は大きい
まさに焼け石に水状態だった

―――――――――――――――――大寺診療所


電話をかけて数分後、すぐに大寺さんが車を飛ばしてやってきてくれて
焦る事も無く、すぐに幸村を車の後ろに寝かせて診療所まで運んでくれた



大寺「出血量が危なかったけど、何とか止血して今は無事だよ」

七瀬「そうか…」

大寺「でもどうしてこんなことに?あと数センチ深かったら…」


首の皮一枚でつながった幸村の命。
心強かった棗さんが一気に不安要素に変貌した


七瀬「自分でも分からん、敵に向かっていたと思ったら――――」

大寺「手札が分からない分厄介だね」

バイサー「えっと…幸村はいつ家に帰れるんですか?」

大寺「暫くはここで安静にしてもらわないと…」

七瀬「学校側には連絡しておこう」

バイサー「分かった。じゃあボクが幸村の家行って適当にごまかしとく」

吉川「多分お姉さん…この村に居るんだよね?どうするの?」

大寺「暫く病院に近づけないようにしておくよ…」

バイサー「ボクもここに暫く泊まっちゃ…」

大寺「いつここが割れるか分からない、それに敵が攻めてきたときに私は真田君を守らなければならない」

大寺「リーダーを守る余裕はないんだよ」

吉川「真田が治るまで暫く寄り付かない方が…良さそうね」

言ってることは分かるけど、やっぱり幸村が心配だ
だけどこれ以上迷惑をかけれないって言うのも分かる


吉川「帰るわよ。」

吉川「無事だって事が分かっただけいいじゃない」

吉川「これ以上ここに居て敵に場所が割れたらマズいわ」

吉川「頼りの棗さんも今は…だし」

こんなことを言っている吉川さんだけど、何となく強がってるってわかる…
きっと皆心配だけど、冷静に考えてるんだな…


バイサー「うん…分かった」


バイサー「じゃあ…幸村の事。頼みます」


日も落ちてきた
ボク達は幸村を託して薄暗くなった診療所を後にした。

―――――――――――――――大寺診療所

誰もいなくなった診療所。
奥の個室で眠る真田と大寺、そのほかには誰もいない診療所


大寺「手札は揃ったよ」

???「そう…ですか」

大寺「後は君の考えた台本通りに動くだけさ」

???「いえ、ここで少し訂正案が」


大寺「?」

???「私が人質を確保します」

大寺「どういうことかな?」


???「単に一つの可能性が上がるので、その方法を選びました」

大寺「可能性とは?」

???「バイサー君は貴方より私の方が殺しにくい。それだけです」

大寺「確かに…」




???「単独の方があなたも動きやすいでしょうし」

???「人質は私が確保しておきます」


診療所に居るのは三人。
真田と、大寺と、後は――――――


大寺「頭の回る君が味方になってくれてうれしいよ」







大寺「――――――――――――――御船 凪 君」



御船「…裏切り者同士。利害は一致していますから」





『十三日目 終』

だいぶ遅れましたが今日はココまで!

えっとですね不定期に更新して皆様を待たせるのも悪いと思いましたので
このSSの更新を毎週木曜と日曜の週二回更新にしていきたいと思います

また、今までの様に同じ日に休憩を挟んで投下する場合は休憩の際に報告いたします。

因みに今日は更新ここまででございます
それではまた次回

『14日目』


バイサー「どういう…事?」

その日のお昼、ボクはとある人物に呼び出されて屋上に居た


吉川「そう言う事よ、御船は確定」

バイサー「…ウソだよ」

吉川「嘘ついてなんになるってのよ…」

誰もいないことを確認してからの吉川さんの密告。
それは今までの疑念を確信に変える内容で

バイサー「でも、昨日襲ってきた子は…」

吉川「そうね…敵もチームを組んでる」

バイサー「…何人居るんだろ」

吉川「三人…以上」

昨日の子に御船さんに…後はモスドナルドの人…それと月光仮面だっけ?
…色々と辛い


吉川「私の所は真田を抜いて四人」

バイサー「そうだね」

バイサー「でも真田の看病をしてる大寺さんを抜いたら3人だよ」

バイサー「それにまともに戦えるのって棗さんくらいだし」

相手があそこまで動いてきたんだったら、ボク達もじっとしているわけには行かない
戦わないと…もっと酷い事になってしまう

だからと言って戦う手段を持たないボクは誰かに頼る事しかできなくて

吉川「四対一じゃさすがに分が悪いし…。今まで御船が私たちをスパイしてた分、状況的には不利…」

バイサー「…月光高校に潜り込むとか?」

吉川「バカ、顔が割れてる」

バイサー「ボクの能力で誰かに変身して――――」

吉川「体力持つ?」

バイサー「どうしよう…」


『おっと ここで なにやら 吉川 サン が 思い出したみたい』
『その口から でる 一言は 救いの 一手 になるの でしょう か?』


吉川「>>655

1「あ…思い出した。アイツ確か月光高校に通ってたはず…」
2「親戚に教師居るから…聞いてみよっか?」
3「二進も三進もいかないわね…」

2

教師の名前と性別>>657

波風 黄菜子(なみかぜ きなこ) 女

性格とか特徴とか
>>659
>>660
>>661

kskst

仕事はできるけど生活力は皆無

代々、忍の家系

安価把握!
小休止はさんで次の投下は19時からとなります

吉川「…あ!!」

バイサー「え!?なに?」

吉川「親戚に一人教師が…」

バイサー「なんでそんな肝心なこと忘れてるんだよ…」

吉川「だって月光高校の先生じゃないし…」

吉川「でも教師づてだったら何か知れるかも!」

バイサー「確かに…」


吉川「そうと決まれば…調べないと!」

バイサー「でも巻き込んじゃって大丈夫かな?」

吉川「ちょっと聞くだけよ、感付かれることはまずないんじゃない?」

まあ…ちょっと不安だけど、これしか方法が無いんだったら
それにアルカナ持ちじゃない人がアルカナ持ちの標的になる事なんて――――

まあ、あるっちゃあるけど、大丈夫だよね?

バイサー「えっと…じゃあ。その」

吉川「早速連絡とってみる。キナちゃんとは結構仲良いし」

バイサー「キナちゃん?」

吉川さんが人の事をあだ名で呼んでいる、しかも普通の
きっとこれは物凄く二人が仲のいい証拠なんだろう


吉川「よし、これであとは返信来るのを待つだけ」

バイサー「でも、これで何か分かったとしてどうするの?」

吉川「もちろん、目には目を歯には歯をよ」

吉川「私たちがやられたみたいに誰かを襲いに行くわ」

バイサー「多数対一人って事?」

吉川「多数って言っても二人よ」

バイサー「あれ?棗さんは?」

吉川「今回は外す。真田の事もあったし…」

バイサー「でも棗さんが裏切るわけ…」

吉川「それは分かってるわよ。だけど相手の能力でもし敵に回った場合とかそう言うのをいろいろ考慮して」

吉川「それに今回はそんな感じの能力者がいるのは分かってるし」

吉川「だったらまずは私とアンタで行動した方がいいと思う」

バイサー「でも…戦えるの?」

吉川「戦えないわね」

吉川「だからって真田叩き起こす?」

バイサー「いや…それは」

バイサー「でもさ、ボク一つ思ったんだけど」

バイサー「棗さんを外すのはあの女の子の時だけでいいんじゃないかな?」

バイサー「棗さんがおかしくなったのってあの女の子…のせいだよね?多分」

こういうのを「慣れ」って言うのかな…
今では過酷な戦闘を思い出して、そこから冷静に考えれるようになってる
…昔、この戦いが始まったころでは想像できない

吉川「ふぅん、考えたわね」

吉川「じゃあそれでいいんじゃない?それに一応拘束もできるし」

―――――――――――数十分後

お昼休みももうすぐ終わりと言った時間帯に吉川さんの携帯が鳴る

吉川「キナちゃんからだ…」

携帯の光を浴びて視線を左右に動かしていく吉川さん。
とある何かを目にした瞬間動きが止まった

吉川「ふぅん…成程ね」

ニヤッと笑ってボクに携帯を突き出してくる

送られてきた内容――――

それを見てボクは吉川さん以上に目を丸くした




『月光高校 生徒会役員 名簿』                           
               <<最新版>>

会長:真城隼人

副会長:三本松 紅子

会計:野々村 沙夜

庶務:御船 凪


            生徒会顧問(発行者):暗城 辰巳




庶務の御船さんは今と変わらない

会計の野々村さんは雑貨屋さんであった女の子

副会長の三本松さんはモスドナルドであった人

会長は…見た事が無いけど


吉川「これで分かったわ」

吉川・バイサー「「敵は生徒会の人間」」

吉川「ちょっと!被せてこないでよ!」

バイサー「じゃあ…えっと、リーダーは…」

吉川「そんなの会長に決まってるでしょ」

バイサー「じゃあ…リーダーを」

吉川「それが出来たらいいんだけど」

吉川「多分それって難しいわね」

バイサー「じゃあ一人ずつ確実に潰してって事?」

吉川「んまあ、野々村以外は棗さんも参加させてあげれるし」

吉川「それでいいんじゃない?」

今日はココまで!
次回らへんから怒涛の銭湯ラッシュ入ります!

えー。因みに昨日提示した週二回更新ですが
時間が開いているとき、または投下できる見込みがある日はバンバン透過していきます
いわば今まで通りと言う事ですね

最低週二回透過するという制約が付いただけです

吉川「とりあえず潰すんなら会長か野々村以外」

バイサー「…選択肢って実質一つだよね」

吉川「…気づいてるんじゃないの」

バイサー「ボク達が仕掛けられるのは、行動をつかめてる御船さんだけ」

バイサー「そうだよね?」

傍にいて、仲良くしてて、一緒に放課後も過ごして。
そんな友達を狙うことになるなんて、正直…ボクは嫌だ

だけど…「誰を狙うか」そう考えた時に真っ先に出てきたのは御船さんの姿で

吉川「棗さんにも声…かけとくわ」

バイサー「うん…。ありがとう」

吉川「…無理なんだったら……辞めてもいいわよ」

吉川「私と棗さんで何とかするし」

珍しい吉川さんの気遣いの言葉に、ボクは一瞬ビックリした

バイサー「…え?」

吉川「足手まといにはなるなって事よっ。勘ぐるんじゃないわよ、このバカ」

バイサー「ありがと…」

――――――――――――教室

御船「あ!バイサーさん!お昼何処に行ってらっしゃったんですか?」

バイサー「あ…ちょっとね」

御船「一緒にお昼を食べれなくてとっても残念でした」

信じたくない…御船さんが…敵だなんて。
でも吉川さんが嘘をつく筈なんて…嘘をつく筈なんて…


バイサー「あのさ…えっと…さ。何か隠してる事とかって」

御船「…?」

ここで「君は敵なの?」って聞ければどんなに楽だろう…
だけどそんなこと言えない…言えないよ


御船「どうしたんですか?何か変ですよ?」

バイサー「ちょ…ちょっと具合悪くてね」


御船「大変ですね…。あの時の事故で精神的に堪えてらっしゃったり…」

バイサー「…そうかもね」

御船「安静にしてくださ―――」


七瀬「話は聞いたぞ。貴様…」

御船さんの背後に突如現れた棗さん
他の生徒からは見えない様に、小さなガラスの剣を御船さんに押し付けている

御船「…何の事ですか?」

七瀬「何の事?だと?白々しいな…」

七瀬「貴様が今回の襲撃事件…糸を引いているのは貴様だろう」


ボクの聞きたかったことをすらすら聞いてくれる棗さん…
だけど辛そうな御船さんの顔…見てられないよ


御船「…やめてくださいっ……」

七瀬「答えによっては貴様を殺す」

七瀬「貴様らの目的は何だ?」


駄目だ…棗さんは本気だ。本気でここで御船さんを殺すつもりなんだ…


御船「…」

『スッ』

御船さんは黙って携帯を取り出して、棗さんに手渡す

七瀬「なんだ?」

七瀬「―――――んっ!?」

『ガタン』

棗さんの手からスルリと落ちた携帯。
何が写っているのか、気になったボクはそれを拾い上げた


バイサー「――――――――幸村!?」


写っていたのは入院してる筈の幸村。
ベッドに鎖でぎちぎちに縛られて、見るも苦しそうな…

とにかく酷い姿だった


御船「あー…ウザいです。そういうの」

御船「私に手出したらこのバカ殺しちゃいますけど?良いんですか?」


七瀬「貴様ッ!!!」

御船「怖いですよー?やめてくださいよ、ただでさえ目つき悪いのに」

バイサー「…ど…どうして…」

御船「それは私が敵だからでーす。微妙に優しいのとか…キモイからやめてほしかったんですが」

目の前にいた御船さんは笑っていた。
いつもとは違う…真っ黒な感情を込めて――――――――

御船「あ…そうそうそうそう…。大寺さん…でしたっけ?」

御船「あの人。ウチの構成員に殺されましたよ」

御船「でー…因みになんですけどー。どんな手を使っても私は殺されないのです」

携帯をボクから取り上げて、御船さんは画像を切り替える

移された画像は幸村の手のアップ。
そこにはボクのチームだという紋章が刻まれている―――

はずだった



御船「はい。どう言う事でしょうか…。なんと真田君は今や私の可愛い配下の一人なんですね」

腕に刻まれていたのは見た事のない紋章。

七瀬「…どういう事だッ!?!?」

御船「どう言う事なんでしょうかぁ?」

御船「でも…ここで一つ。チームのリーダーが殺されたら―――どうなるんでした?」

チームのリーダーが殺されたらどうなるか、そんなの知ってる。
チームの構成員ごと…消えてしまう…死んでしまうんだ

御船「はい。と言うことで」

御船「もう一人人質をこっちによこしてください」

バイサー「…え?」

御船「二度言わせないで、人質の命がどうなってもいいんですかぁ?」

バイサー「…」

七瀬「自分が行く。バイサー。自分をチームから外せ」

こんなの酷い…こんなのってあんまりだ。
でも、今は言われた通りにするしか…それしか行動はとれない…


バイサー「棗さんを…チームから。除籍します」

御船「はーい。いらっしゃい!七瀬さん!これからは私のチームでーす」

御船「吉川さんも欲しいけど…。仕方ないよねー」

…もうダメだ。どうしようもない…
せめて…。ボクの道連れにならない様に。吉川さんをチームから外そう

――――――――――――――


バイサー「――――と言う事なんだ」

吉川「それは賢明な判断ね。あんたの方から言ってくるってのが予想外だけど」

吉川「良いわ。外れる…でもそれをしたら私たちは敵同士よ?」

吉川「外した瞬間私はあんたを潰しにかかるから」

バイサー「それでもいいよ。もうボクは一人なんだ」

幸村も吉川さんも棗さんも大寺さんもいなくなった。
だったらもう一人で…。背負う物なんてないんだ、何も怖くない


吉川「あーっ!もうっ!!何いじけてんのよ!このクソチキンゴミメガネ!!」

吉川「私があんたを潰しにかかるわけないでしょ!」

バイサー「でも…ボクは狙われるんだよ?ボク達二人で…」

吉川「私をチームから外すって…その選択まで行き着いてことは褒めてあげるわ」

吉川「でも…チームじゃないなら敵同士って考えどうにかならない?」

吉川「別に……チームじゃなくても――――」







吉川「私たちは―――――仲間よ―――――」

とりあえず書き溜め分投下。多分今日はココまでなはず
はい、えー…安価無くてごめんなさい。
あと銭湯ラッシュ→戦闘ラッシュなんだぜ!女性陣のお風呂シーンとか無いんだぜ!

まあ。番外編で書くかもしれないですが

――――――――――――吉川の家:里奈の部屋

さて…あんなこと言ったけど、正直よくよく考えればリスキーよね
まずバイサーがリーダーじゃなくなったって事は、バイサーが狙われなくなるって事
それで別に良いの、良いんだけど。

裏を返せば狙われる標的に私も入ったって事よね…

吉川「一般人もチームに入れるんだったわよね。だったらいっその事キナちゃんを――――」

いや…駄目。駄目よそんなの。キナちゃんに迷惑はかけられないわ


吉川「今はバイサー側と…御船側…そして私…」

冷静に考えてみた、敵は一体どこにいるのか…
まず御船。だけど…御船がリーダーなのよね?それっておかしくない?
普通こういうのって会長がなる物じゃない?



――――待って、もしかして月光高校にはチームが複数存在してる?

一つは野々村が居た所。もう一つは御船が率いるところ

…その場合は最悪ね…二つのチームから狙われるって事になるんだから…

いや…ちょっと待って。でも…でもさ、生徒会サイドはリーダーがバイサーって把握してたでしょ
それは御船も一緒のはずよね。
だとしたらどうしてバイサーをリーダーから降ろすような事?

部分的に協力してバイサーを落としたほうが…楽じゃない?


分からない。御船の目的がよくわからないわ…

私は今から私が率いるチームを結成してバイサーをサポートするつもり…
てっきり御船もそうだと思ってたけど…

戦力を分散させて何の得になるの?


吉川「あー…一人で考えてても埒があかない…」

家で一人…。うん。とりあえず今は仲間を探そう


一人じゃ攻め込むにも攻め込めないしね

――――――――――バイサーの部屋


本格的に一人ぼっちになってしまった。
唯一の友達って言える存在の幸村は行方不明…
吉川さんも自分から切り離してしまった…

あんなこと言ってたけど、吉川さんだって危ないのは変わりないんだ


バイサー「どうしよう…」

こうなると頼れる存在はいない…
両親は家にいないし、親戚は…居るっちゃ居るけど…外国だし



バイサー「はぁ…一人か。一人なのか…」


『ピロロロロロロロ』

家の電話が鳴った

一体…誰だろう、と言うより家の電話が鳴るなんて珍しいな


バイサー「はい。」

バイサー母「あ。もしもし?元気?」

バイサー「か…あ…母さんっ!?!?」

電話の向こうの相手はボクのお母さん
久しぶりに声を聞いたけど…いったいどうして電話なんて?


バイサー「どうしたの急に…?帰ってくるの?」

バイサー母「んな訳ないでしょ~。パパとお仕事忙しいんだから、当分帰れないわよ」

バイサー「じゃあどうして?ボクの事が心配―…て事も」

バイサー母「うん。それね…ママさ、すっごい長い間家開けるでしょ?」

バイサー母「でね、今までずっと何か忘れてるなーって。思ってたんだけど」

バイサー母「今思い出した」

バイサー「…何?」

バイサー母「アンタよ!!」

バイサー母「かっわいい一人息子放り出して…って思い出したら、もう居てもたっても居られなくて」

バイサー母「そりゃ幸村君とかもいるけどさ、人様のおうちに迷惑かけっぱなしってのもダメじゃない」

遅いよ母さん…
気づくのに一年弱かかってるじゃないか…

バイサー母「と言うわけで、君の親戚に当たる人をね、当分の間家にお招きすることにしたから」


親戚…。
それが国内の人なのか国外の人なのか、それも分からないまま母さんは電話を切った

バイサー「親戚って…従兄にすら会ったことないのに…」

ボクが言うのもアレだが、ボクの一族は全員変わってる。変人だらけだ
いや…ボクも多分変人だと思う所があるけど、母さんや父さんはそれの数十倍変だ…
そして話に聞く色んな親戚の人たちも全員変だ


バイサー「どうしよう…」

バイサー「いや…どうしようもないか…」


いっつも母さんたちは急に行動を起こすから怖い…。
そしてもっと怖いのはそれを回避する方法が無いって事だ



『ピーンポーン』

ほら、タイミングよくチャイムが鳴った…
もう外に誰が居るのかは大体予想が付く…〝親戚〟だ




親戚の名前と性別>>686


林檎 雨友里(りんご あめゆうり) 女

性格とか特徴とか
>>688
>>689
>>690

大きくて温厚

八重歯

オカン気質

職業
>>692

写真家

所有アルカナ>>694

1カップの10
2ペンタクルのA
3ソードの2
4ワンドの9

3

正位置能力>>696

1均衡 限定的未来位置能力
2共感 テレパス系能力
3安全 察知系能力

逆位置能力>>698

1表裏 反転系能力
2発覚 VS幻術能力
3虚実 偽物作成能力

2

バイサー「あ…はい」

『ガチャッ』

ドアを開けると……―――――

林檎「貴方がバイサー君ね。聞いてたより小さいねぇー…ちゃんとご飯食べてるぅ?」

そう言ってずかずか入っていくカチューシャを付けた長い髪の女の人。
ボクはその人の体を見て唖然としてしまった

林檎「ちょうどお昼だしお昼作ってあげるねぇ」

デカイ…デカイんだ…この人。
目測で身長は180cm強はあるし、その…えっと…胸も…


林檎「どうしたの?何かあったぁ?」

バイサー「え…え…いや…」

初対面の人にデカイですね…なんて言えるはずもなくて――――

林檎「食べれない物とか…ある?」

バイサー「いや…無いです」

――――――――――――

林檎「はい。特性ランチだよ」

バイサー「あ…ありがとうございます」

母さんはやっぱりおかしい。
いくら親戚とはいえ、女の人と二人で生活させるなんて…

林檎「あ…自己紹介がまだだったね」

バイサー「あ…えっと…ボクは」

林檎「あ…聞いてるから大丈夫。」

林檎「でもバイサー君は私の事…知らないよね?」

バイサー「あ…はい。」

母さんの紹介…なんかちょっと気になるけどまあいいや
この人は一体どんな人なんだろう

林檎「私は林檎 雨友里。ここに来たのはお仕事の都合なの」

林檎「仕事って言うのは、写真家なんだけど…。出版社を移動になってね」

「林檎 雨友里」?変わった名前だな…

林檎「で…ここで。暫くはバイサー君の保護者替わりを務めながら、お仕事をさせてもらいます」

林檎「よろしくね」

林檎「でね。ここからちょっとおかしなこと言うけど…引かないでね」

バイサー「え?」

林檎「私ね。えっと…俗にいうエスパーでね。いろいろあって今戦ってるんだけど」

林檎「もしかしたらバイサー君を巻き込んじゃうかもしれない、だから。その時は真っ先に逃げてほしいな」

林檎「以上。ごめんね変なこと言って、心の隅に留めておいてくれたらいいから」

ん?え?もしかして…もしかすると…林檎さん。
よし、聞いてみよう

バイサー「アルカナ持ち…ですか?」

林檎「―――――!!」

林檎「バイサー君…」

バイサー「はい、そうです…その…ボクも」

林檎「そっか…そうなんだ…」

林檎「チームは?」

バイサー「訳あって…その。今は…。林檎さんは?」

林檎「私の周りは…穏便な人居なかったから…。正直ここに逃げてきた感じかな」

林檎「私は…神様になるとかそんなつもりないし、バイサー君襲う気もないから…」

バイサー「ボクも一緒です。襲うつもりは無いです…」

林檎「そっか…そうだね…なんか。びっくりだね」

どうしよう…。正直言って信用できない。
こういう時ってどうすればいいんだろう


林檎「あ…。あのね」

バイサー「なんですか?」

林檎「一時的に…チーム組まない?」

林檎「これから一緒に暮らしていくわけだし…。お互い不信抱えていくのも…ね」

バイサー「えっと…良いですよ」

林檎「じゃあ…よろしくね?」

吉川さんと別れて林檎さんとチームを組んだボク……
まだ能力も知らない人と組むのは少し怖いけれど…。一人よりかは安心…。


これから、どうなるのだろうか――――――

多分今年の更新はこれが最後です。
因みにアルカナ決定の方法を変えてみましたがどちらがよろしいでしょうか?

今回の章でチームがころころ構築されたり分解されたりしててややこしい事になってますが
これが今回のミソだったり…

それでは年明けまで自由に使ってくださいな

分かりにくいかもしれませんが
相関図作ってみました、良ければご参考に

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org81189.png

―――――――――――???

真田「…どこだよ……ここ。」

スターマン「はっはっは!目が覚めたな少年よ!」

覚えてるのは棗に切られたこと、バイサー達が心配そうな顔をしてたこと
後は―――――


真田「…何やって」

スターマン「駄目だ!動くんじゃない!」

よくよく見ると俺の体はベルトか何かで台の上に括り付けられている
一体…何なんだよ


真田「…どういうつもりだ、コラ」

スターマン「私は君を悪しき魔の手から救ってやっただけさ!」

真田「…はぁ?」

スターマン「悪しき…そして憎き月光高校…」

スターマン「私はそれから君を守らなければ…」

おいおい…コイツって…月光高校の回し者じゃねえのか?
何だよ…起き抜けざまに訳わかんねえよ

スターマン「と言うことで、だ」

真田「どういうことで…だよ」

スターマン「君が回復したあかつきには、御船凪。野々村沙夜。真城隼斗。を殺害してもらう」

真田「おうおうおう…何どさくさに紛れて御船を仲間に入れてんだ」

スターマン「君は知らなかったのかね!?御船も敵だ」

スターマン「そして君をここに閉じ込めている張本人だ!」

真田「冗談もほどほどにしろよ?」

スターマン「ふっ、信じなくとも良い…。嫌でもその時が来るさ」

はぁ…何なんだよコイツ。訳わかんねえよ
てか、味方なら俺の拘束解いてくれよな…クソが…

スターマン「因みに私はもう一人討ち取っている!」

真田「…オメェ」

スターマン「はっはっは!もちろん御船君ではない!」

スターマン「御船君は化けの皮がはがれたところを君に見られて、君に打ち取られる運命なのだからね!」

真田「じゃあ…」

スターマン「ははははは!!!なんだその顔は!嘘だ」

スターマン「今から行くところだ!」

なんだ。本当になんだよコイツ…何が目的なんだ?

スターマン「おっと。私が話し相手をできるのもココまでのようだ」

スターマン「では!また会おうじゃないか!!」


―――――――――――――

『ドンッ』

ドアが開く音と同時に投げ入れられる誰か。
拘束されてるせいで上手く頭が動かせねえ


御船「じゃ、暫くそこでいてください」

御船「また必要になったら、出して差し上げますので」


この声…御船か!?
でもなんでこんな場所に!?


七瀬「クッ…」

それに…この声棗も居る?
一体どういう状況だよ……

真田「おい…七瀬か?」

七瀬「…真田か!?」

真田「やっぱりか!でもなんで?状況が分かんねえ!」

目が覚めたらここにいた、と。俺は出来る限り分かりやすく説明した…
起きたのがさっきだから話せる内容は大分薄い…けどな


七瀬「実はだな―――――」


そう言って今まであったことを説明してくれる棗。
正直耳を疑うような内容ばっかで、頭ん中パンクしそうだ


真田「つまり…大寺の能力でチームが解散させられて。大寺は今真城ってやつと組んでんだな?」

七瀬「ああ…それだけならまだしも…。」

真田「バイサーと吉川が人質に取られたって事か…」

七瀬「ああ…自分が居ながら不覚…」

真田「ん?じゃあ御船は…」

七瀬「謀反を企てている…だから自分たちを拉致監禁している」

七瀬「それにまだ月光高校の者は気づいていない、あいつの一声でバイサーの生死が決まる」

真田「従えって事だな…」

――――――――――――――

とりあえずバイサーの命が惜しい…。バイサーはリーダーだ。俺の親友だ
そんな奴を人質に取られて、それをうまい事利用されて…
正直言って今すぐあいつら全員ぶん殴りてえ


『ガチャンッ』

御船「…はい。じゃあ…真田に七瀬。仕事です」

御船「真城隼斗…を殺害しなさい。」


入って来て開口一番このセリフ……

人を何だと思ってやがんだ。


御船「ちょうど真城は今一人。それにあいつは攻撃能力を持ち合わせていない」

御船「後は殺すだけ、猿でもできますよね?」

御船「それに裏切ったりしたら――――」


真田「分かってる!早く拘束をはずせ!」

御船「七瀬。外してあげて」

七瀬「…御意」


七瀬によって外される拘束、自由の身になる体。
まだ体はいてえ…けど。俺の能力である程度回復は出来るはずだ…

御船「そうそう…。一つ良い事を」

御船「私の能力。いいえ…アルカナは監視の能力」

御船「貴方たちが何をしようと能力ですぐに御見通し」

御船「もう一度釘を刺しておきますが」

御船「裏切ったら――――」

裏切ったら―――。
裏切ったら、バイサーを殺される

何て卑怯な奴なんだ…


七瀬「真田。お前は体を回復させてから上がって来い」

七瀬「自分は水を飲んでくる」

先に扉から出た棗は、一つの扉を開けてその中に入っていった
俺も早い事回復して、真城とかいう奴ぶっ飛ばさねえと…

あけましておめでとうございます
えー…新年初投下。
どうぞ今年もこの拙いSSをよろしくお願い申し上げます

それでは御機嫌よう

―――――――――――廃墟

俺らが連れ出されたのは廃墟。
どうしてここにターゲットが居るか、どうして場所が分かったのか。
それを御船は話そうとしない、つか、聞いても答えてくれねえ


真田「おい!御船!」

七瀬「少し黙ってろ。さっきから煩いぞ」

御船「……――――」


なんか棗は御船の肩持ってるみたいだしよ、なんなんだよ
つか棗だったら剣でバサっていけば。やれんだろ

御船「…つきました」

そんなこと思いながら暫く廃墟を歩いた。
元はなんかの施設みたいで、所々によく分かんねえ器具が散らばってる。

そんな荒れてる廃墟の中で唯一綺麗な状態のドア。

御船はそれを指さした

『ガチャッ』


真城「御船さん。お話とは?」

御船「…ええ。少し」

ドアの影に隠れているように指示された俺達
頃合いを見て襲い掛かれって事か?


真城「まあいいでしょう。私からもあなたに話したいことがある」

御船「…何でしょうか?」

真城「いえ、最初に其方からお話ししていただけると…。」

真城「私を呼び出したのだ、何かよっぽどのご用があるのでしょう?」

御船「…ええ。計画実行人数が私に知らされずに変更されていたことです」

真城「野々村…の事ですか?」

御船「当初は計画外…でしたよね?そして…あの子は戦闘には不向き」

真城「あの方の指示で変わったのでしょう」

真城「もともと野々村は否定的…でしたからね。」

真城「本来なら君も…」

御船「……私はあいつらを殺す意思がある」

真城「バレる嘘は付かない方がいい。私の能力は知っていますね?」

真城「君は…いったい何をしに来たんですか?」

真城「上手い事仕事も出来ていない。スターマンなどと言った珍妙な物に変装し内情をばらしていく始末」

真城「今分かったばかりだから報告は出来ないが、どうも君がチームのためにしている…とは思えない」

御船「――――!?」

真城「私たちはクラスメイトであり仲間だ。今見ただけですべてが流れ込んできたよ」

御船「…――――」

真城「一気に心を閉じても無駄だ。今までの動き」

真城「それから推測するに―――――」

御船「――――今です!!!」





―――――――――『スチャッ』


凄い速さで飛び出した棗はモヒカン男の首に剣を突き立てた




真城「…ここまでは。読めなかったよ」

七瀬「当然だ。」

御船「頭のいい真城さんの事です。これから何をするのかわかっていますね?」

真城「ふっ…君が裏切るとは。」

真城「君を潜入させた時から疑うべきだったね。姿が見えなければ私の能力も――――」

『クイッ』

七瀬「早く話せ。喉をかき切るぞ?」

真城「…ふっ……何が聞きたい?」

御船「…別に私は貴方を確保することが目的ですので」

御船「棗様。何かあれば」

七瀬「まずボスは誰だ?貴様か?」

真城「そうだと答えたら殺すか?それをするとお前らの友人の御船も亡くすことになるぞ?」

御船「ごめんなさい。私、もうチームを抜けてるの」

真城「抜けてる?………」

御船「能力を使用すれば?私が嘘をついてないか嘘をついてるか…。それくらい分かるでしょ」

真城「…っ。でもどうやって抜けた!?」

真城「自ら抜けるなんて不可能なはずだぞ!!」

御船「裏道が存在する…とだけ」

真城「お前ェッ!!本気で裏切る気かァッ!?」

真城「恩を忘れたかァッ!?!!!」

御船「……――――」

御船がチームじゃない?なんか付いていけねえけど…
一気にあのモヒカンスーツの表情が変わったのは事実

『ツゥッ』

真城「!?」

七瀬「吠えるな。聞かれたことだけ答えろ」

真城「ボスは…ボスは…」

真城「―――――殺せ。それだけは絶対に言わない」

『ブン―――――』

振り上げられる剣。
ヤバイ…棗本気で殺す気だ

御船「待って棗様。殺してはいけない」

御船「私が話した通りコイツさえ捕まえれば私は何でも話せる。」

御船「だからダメ…。殺さないで」

七瀬「―――――甘いな」

真田「おい!おい!ちょっと待て。お前ら二人…グルだったのか!?」

七瀬「グル?」

真田「組んでたのかって事だよ!!」

七瀬「あ…ああ」

七瀬「正確に説明するとだな―――――」


―――――――――――――――――――――――七瀬が真田と会う少し前の事


七瀬「…話とは何だ?拘束をせずに真っ向から向き合ったことは褒めてやろう。」

御船「殺気立たないでください。話しにくいです」

七瀬「敵を目前に手を出してない、それを評価してくれないか」

御船「…単刀直入に言います。大寺は裏切っています。」

七瀬「ほう…面白い事を言うのだな、次はそうやって洗脳でも――――」

御船「大寺の能力で私は月光学院チームを抜けた。真田さんも写真を撮るときにだけチームに加えただけ、今は違う」

御船「地下で眠っているから気になるなら見てきてください」

七瀬「ふ…そこまで作り話をするなんて」

御船「どうやったら信じてくれますか?」

七瀬「…お前らのボスを捧げろ、いや…貴様の論理だと『元・ボス』になるのか?」

御船「それはまだできない。私のチームにも厄介な奴がいる」

御船「そいつを捕まえた後…だったら自由に話はできますが」

七瀬「…つまりそいつを襲えと?」

御船「ええ、それには真田さんも同行させます」

御船「私一人では監視できないので」

七瀬「その後に貴様は全て話すと…そう言う事か?」

御船「ええ…」

七瀬「ウソだったら?」

御船「殺せばいいです。」

七瀬「何か担保によこせ、貴様が嘘をついていた場合、自分は一気に不利になる」

御船「そう言う事――――」

御船「だったら担保は自分です。言った通り私はフリー」

御船「棗様が一時的に私と組み、私を下に置けば…」

御船「棗様は人質を確保できるし、私も下手な動きは出来ない」

七瀬「ふ…まあ良い。」

――――――――――――――そして今

七瀬「そう言う段取りで自分は姿を地下に現したと言う事だ」

真田「だから七瀬は水がどこにあるか分かってたのか…」

なんか悪質なドッキリを仕掛けられた見てえだな…
すっげぇ…複雑

御船「では約束通り、まずボスを」

御船「ボスは私たちの教師。『暗城 辰巳』」

御船「貴方たちが狙われたのは、偶然真城が貴方たちを街で見て能力者だと気づいたからです」

真田「だからあんなスルスルうちの学校にも潜り込めたわけだな」

真田「でもよ、それだったらホントの事はなして皆で真城捕まえに行った方がよくねえか?」

御船「まず貴方たちを分散しないと、真城の能力で何をするかが全て筒抜けになります」

御船「彼の能力は心を読む能力、詳しくは知りませんが嘘は通用しません」

御船「だから私は敵のふりをして、貴方たちをバラバラにした」

御船「そしてもう一つ。バイサー君を標的から外すため」

真田「…どういう事だ?」

御船「バイサー君がリーダーだというのは筒抜けでした、だからチームを分散させた」

御船「いずれは私のしてることもバレてしまう。だけどチームが分散した…そうとなれば狙いはバイサー君以外になる」

真田「…なんか……頭いいことしてるんだな」

七瀬「そうか…ある程度筋は通っているな」

七瀬「だか気になることが一つ」

七瀬「どうしてだ?どうしてそこまでして…バイサー達を守ろうとする?」



御船「3つ理由があります」



御船「まず一つは。間違ってるから」

御船「人と人が傷つけあうなんて、貶め合うなんて…おかしいじゃないですか」

御船「それに…誰かを殺す…。そんな話をしているのになぜかみんな楽しそうだったから……――――」




御船「二つ目は…こっちの方が勝率的に高いと踏んだからです」

御船「私は生き残って神になる。そして今まで死んだ人たちすべてを甦らせて、今まで通りの普通を手に入れる」

御船「神になった私がその普通の中に居なくても、私は皆が普通に笑って暮らしているだけで――――。それで幸せ」




御船「そして三つ目は―――――――」




御船「―――――――――だからです」

御船の目的がある程度分かってきたところで
今日はココまでです

今回は前回みたいに敵チームがバンバン減っていくと言う事は無い…と思います

※本編では死んだ人物がポンポン出てきます
※これは番外編です
※多分本編に関わってくることは無いでしょう

悪乃「あーけーまーしーてー!おーでーめーとーう!」

七瀬「どこのバカ姫様だ…。もっと節度を持った挨拶が出来ないのか…」

愛目寺「まあまあ、いいじゃない。」

愛目寺「はぁとちゃんおでめとう」

七瀬「ですが…」

愛目寺「良いのよ良いの。おめでたい日なんだから」

剣咲「そうよぉ…。分かったら固いこと言ってないでお酒持ってきなさい」

七瀬「何故貴様がここにいる!?」

悪乃「ぶれーこー!」

剣咲「そう言う事。正月まで白衣着た男と過ごすなんて…耐えられない」

愛目寺「敵味方入り混じっての…新年会ってのも乙な物ではございませんか…?」

悪乃「おつぽよ!!」

七瀬「……はぁ。そうでありますか?」

剣咲「で…女の子同士がぁ…集まってする事と言えばぁ…」

七瀬「…不貞な事を抜かしたら叩き切るからな」

剣咲「やだぁ…アタシガチレズだけどアンタ等に興味は無いわよぉん」

七瀬「…で?何をするんだ?」

剣咲「きまってるじゃなぁい。こ・い・バ・ナ・よぉん」

七瀬「濃いバナナ?」

愛目寺「主に同性同士が意中の人を語ったり、理想を語ったりする恋の話…の事ですね」

悪乃「濃いバナナ!」

愛目寺「でも…私達全員彼氏はいませんし…。それに好きな人も…」

愛目寺「剣咲さんは経験が豊富そうですが…どうなんですか?」

剣咲「アタシもレズだからねぇ…出会いが少ないのよぉ」

剣咲「ゲイバーがあってレズバーが無いのはもう一種の差別ね」

七瀬「一つ疑問なのだが、女のどこに魅力を感じるのだ?」

剣咲「え?そんなの全てよぉ…。え?もしかして七瀬さんノンケ?」

七瀬「ノンケ?」

剣咲「男しか行けないのってきいてるのよぉん」

七瀬「……」

剣咲「何照れてるのよぉ」

七瀬「まあ…そうだな。…男しか無理だな」

悪乃「うそっ!?私棗さんはてっきりガチレズだと…」

七瀬「なっ!?」

愛目寺「恋愛に興味があったなんて…それは少し意外です」

七瀬「天音様までっ!?」

剣咲「え?じゃぁ…元カレとかぁ…」

七瀬「…ま…まあ居なかったわけではない」

剣咲「え…ちょっとそれは聞いてみたぁい」

悪乃「私もっ!すんご~い気になる!」

七瀬「いや…。え…いや…その」

七瀬「話さない!絶対に――――愛目寺「お話しなさい」


七瀬「いや…その。昔…ケン君と言う…人が…だな」

悪乃「名前とかどうでもいい~。どこまでしたの~?」

七瀬「んなっ!?そんな…そんな破廉恥な!」

剣咲「うそぉっ!?しっぽりやっちゃった感じなのぉ?」

七瀬「て…て…手をつないだだけだ!!!」

愛目寺「まあ…ウブ…」

愛目寺「…で?そのケン君と別れてから?」

七瀬「ケン君以外には…居ませんな」

剣咲「へぇぇ…じゃあ彼氏いない歴何年よぉん?」

七瀬「今は22だから…えーっと。大体18年前か?」

剣咲「ん?じゃあ七瀬さんの元カレって…4歳?」

七瀬「…パンダさん組のケン君だ」

悪乃「それ付き合ったって言うの~?」

七瀬「手をつないだんだぞ!?付き合っていないならそんな事…」

七瀬「それにケン君は会うたびに大好きだと!」

剣咲「あんたさぁ…もしかしてキスしたら子供が出来ちゃう…なーんて思ってたタイプ?」

七瀬「そんなわけないだろ!そんなのは高校三年生で終わっておる!」

悪乃「…いや…それもどうかな~って思うんだけど…」

七瀬「逆に貴様らはどうなんだ!?」

剣咲「私はぁん…話してもいいけどぉ」

剣咲「聞きたぁい?」

悪乃「ふぇぇ…なんかものすっごい危険なカオリっ!」

愛目寺「ですが…女同士の世界。少し興味が…」

七瀬「いったいどんな世界なんだ?話してみろ!」

剣咲「じゃあ…私のいちばぁん濃くて深ぁい体験をぉん…―――――」




    (割愛)


七瀬「お…お…おう…」

愛目寺「はぁっ…そんな…そんな所にそんな物をっ」

悪乃「恐るべきレズの世界!」

七瀬「深い…な」

剣咲「え?まだ序の口の段階だけどぉ…」

七・愛・悪「もうやめてっ!!!!!」

愛目寺「じゃあ…次は私が。」

愛目寺「と言っても私は生まれも育ちもこの村ですし…」

愛目寺「元カレもこの村なのですが」

悪乃「ダレソレー?」

七瀬「初めて聞くな」

剣咲「私たちの知ってるひとぉ?」

愛目寺「ええ…まあ。はい」


悪乃「何処の人なのー?」

愛目寺「その…。まあ」

剣咲「私たちの知ってるひとぉ?」

愛目寺「まあそうなりますね」

悪乃「じゃあこの中で一番かかわりが深いのはっ!?」

愛目寺「…剣咲さんでしょうか」

剣咲「え?私が村で関わり持ってる男って言ったらぁん…大寺先生位だけど」

愛目寺「大寺です」

剣・悪・七「はぁぁぁぁぁぁっ!?!?」


愛目寺「いや、その、だいぶ…遥か遥か昔ですよ?」

七瀬「いやいやいや…それはかなり拙いのでは!?」

悪乃「うん!殺し合ってたよねっ!」

愛目寺「まあ…若気の至りと言いますか…ロミオとジュリエットと言いますか」

剣咲「いや…いや…アンタ…言葉をなくすわ」

悪乃「でも逆にどうして別れたのー?」

愛目寺「まあまあまあ…それはまあ。家柄で引き裂かれたと言いますか…」

剣咲「悲劇ねぇ」

愛目寺「まあ…頑固ですけど、素敵な人でしたよ?」

剣咲「……うわぁ。なんかもう…うわぁ…」

七瀬「動揺を隠せん…」

愛目寺「ま…まあ、私の話は置いておいて、次はぁとちゃん」

悪乃「えー…私?」

剣咲「元カレの話聞かせなさいよぉん」

悪乃「いません!」

七瀬「ん?まさかの交際人数0…か?」

悪乃「七瀬には言われたくないのだっ!」

悪乃「それに交際人数は一人なのです!」

剣咲「えっとぉ…それってもしやの?」

悪乃「はいっ!現在進行なうです!」

愛目寺「え…聞いていませんが?」

悪乃「コンプライバシーなのです!」

七瀬「コンプライアンスとプライバシー混ざってるぞ」

剣咲「で…どんなひとなのぉ?」

悪乃「普通の高校生的な―?」

愛目寺「きっかけは?」

悪乃「告白されちゃった…的なー?」

七瀬「で?どこまでしたんだ?言ってみろ!」

悪乃「えーっとねぇ。ひーみーつー!」

剣咲「私と同じくらいのレベルまで到達してるのぉ?」

悪乃「あんなハードな事は一生ない!」

七瀬「自分と同じくらいか?」

悪乃「んー…それもない!」

悪乃「手をつなぐよりちょっと上のレベル…かな?」

愛目寺「気になりますね…」

愛目寺「巫女達!お酒をもっと持ってきなさい!!」

七瀬「なっ!?まだ飲むんですか?」

愛目寺「まだ夜は更けてませんよ!じゃんじゃんやりましょう!」

剣咲「意外と…蟒蛇なのねぇ…」
















『ド田舎女子会 完』










リクエストにお答えしまして番外編。

まだまだリクエストはお待ちしておりますので
どうぞ何かございましたら

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