キョン子「妹ちゃんとは呼ばれなくなった」(2)

「……はぁ」


悪夢のように伸びる坂道を眺めて、私は思わず溜め息をついた。……これから三年間、ハイキングを強制されるのかと思うと、口からは際限なく溜め息が漏れそうだ。


かつて、私の兄もこんな気分だったのだろうか。兄は気怠い雰囲気を常に纏っていたけれど、それはこの坂道に依るところもあるのではなかろうか。さもありなん。


兄が通っていたという理由だけで、安易に進学先を決めてしまったけれど、この坂道を見ていると失敗だったように思えて仕方がない。


……やれやれ。


まぁ、後悔先に立たず、である。気にすると疲れが溜まる一方だし、ここはさっさと乗り切ってしまうのが得策だろう。


私は兄が通っていた高校――北高まで、せかせかと歩を進めていった。

続きはどうした、まだなのか!

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