あずさ「ん・・・、プロデューサーさん・・・？」

あずさ「・・・いいんです。私なんかでよければ・・・」

あずさ「こんなことくらいしか、出来ないから・・・」

あずさ「あ、帰っちゃうんですか？」

あずさ「・・・泊まっていけば・・・」

あずさ「そうですか・・・。そうですね」

あずさ「はい、また明日・・・。おやすみなさい」

　ガチャン　キィー　バタン

あずさ「・・・プロデューサーさん・・・」

あずさ「・・・わたし、先月から・・・きてないんです・・・」

あずさ「きてないんですよ。プロデューサーさん・・・」

あずさ「・・・あら？これは・・・プロデューサーさんのマフラー？」

あずさ「大変。忘れてっちゃったんだわ。届けてあげないと」

あずさ「今なら走ればもしかしたら・・・」

　ガチャン　キィー　バタン

あずさ「雪・・・？プロデューサーさん、寒がってなければいいんだけど・・・」

あずさ「えっと、きっと駅前からタクシーだろうから、こっちに・・・」

あずさ「うふふ、いくらわたしでも駅前までなら・・・あら？」

あずさ「美希ちゃん？どうしたのこんな時間に」

あずさ「駄目よ、美希ちゃん。美希ちゃんはもう売れっ子なんだか――」

　ドン

あずさ「・・・美希ちゃん・・・？」

あずさ「走っていっちゃった・・・」

あずさ「・・・美希ちゃんも心配だけど、プロデューサーさんを追わないと・・・」

　ガクッ

あずさ「あら・・・？変ね、足に力が・・・」

　パサッ

あずさ「あ、プロデューサーさんのマフラー・・・」

　ポタッ　ポタッ

あずさ「いけない、プロデューサーさんのマフラー汚れちゃう・・・」

　ポタッ　ポタッ

あずさ「プロデューサーさんのマフラーが・・・」

あずさ「・・・どうして・・・」

あずさ「早く・・・追いかけないと・・・」

　ズルッ

あずさ「・・・ふふっ、駅までなら、わたし、いけるんですよ・・・」

　ドサッ

あずさ「プロ・・・デュ・・・」