※この話はnarutoの世界にまどマギの人物を成り変わらせています。例)暁美ほむら→うちはサスケ
※人物や背景をできるだけ統一するため、少々narutoの原作通りではありません
――うちは邸――
うちは ほむら「兄さん、手裏剣術のお稽古につきあって…ほしいの…」モジモジ
うちは イタチ「俺は忙しいんだ。父上にでも見てもらえばいいだろう」
ほむら「だ…だって、手裏剣術なら兄さんの方が上手だって…子供のわたしでも分かるもの」
イタチ「・・・ほむら、」チョイチョイ
ほむら「・・・!」パァァ! トテトテッ…
イタチ「許せほむら、また今度だ」トンッ
ほむら「いたっ!…もぅ!」ホムーッ
イタチ「それじゃ、行ってくるな」ナデナデ
ほむら「…いってらっしゃい!」
最近、兄さんはいつもこうだ
前までは任務があっても時間をみつけて遊んでくれたり、一緒に忍術のお稽古もしてくれたのに最近ではいつも優しく手招きされて「許せほむら、また今度だ」って、おでこをつついてくる。
ほむら「“ 暗部 ”って、そんなに大変なのかなぁ」
兄さんが暗部入りした時のことはよく覚えている。
―
―――
――――うちは家 台所――
ほむら「ねえ、おかあさん!どうして今日はお赤飯なの?何かいいことがあったの~?」
ミコト(うちは母)「フフッ、何でしょう~?当ててみて?」
ほむら「う~ん…わたしのアカデミーの入学のお祝い?」ホムン!
ミコト「それはこの間やったでしょ~」
ほむら「そっか!う~ん、それじゃあ…やっぱり分からない!」テヘペロ
ミコト「しかたないわね~フフッ!正解は…兄さんの出世のお祝いよ」
ほむら「…! 兄さん偉い人になるの!?」ホムッ
ミコト「う~ん(笑)偉い人って言うと、ちょっと違うかしら?兄さんはね、“暗部”っていうところに入ることになったの」
ほむら「 あんぶ? 」
ミコト「そう!…ほむらが分かるにはまだ早いかもしれないけれど、簡単に言うと火影さまに仕える優秀な忍のことよ!」
ほむら「優秀な…忍」
ガラッ
フガク(うちは父)「…なんだ、もう出来ていたのか」
ほむら「…お父さん!おかえりなさい」
ミコト「あら、あなたおかえりなさい。早かったんですね」
フガク「今日はイタチのお祝いをやるから早めに帰ってこいと言ったのはお前だろう。それより、肝心のイタチはまだなのか?」
ミコト「ええ、予定ではもう帰ってきてるはずなんですけど、手続きが押しているみたいね」
フガク「…そうか。おそらく火影様からのお話もあるのだろう」
ほむら「…あ、あの!お父さん」
フガク「なんだ、ほむら」
ほむら「暗部って、お父さんのいる警務部隊よりもすごいところ?」
フガク「…そうだな、警務部隊も木の葉の安全を守るためにうちは一族が火影様から任されたものではあるが、火影様との距離は暗部が近いな。おそらく、里の中で最も」
ほむら「そうなんだ・・・わたしにはよく分からないけど、兄さんはすごいんだなぁ」
フガク「ああ、あいつはうちは一族きっての秀才だ…親の俺から見ても頼もしい奴だ」
ほむら「・・・(お父さん、兄さんのことになると活き活きしてるなぁ)」
フガク「お前もアカデミーで頑張って兄さんのような立派な忍になりなさい」
ほむら「…はい」
イタチ「ただいま――――」
ミコト「あら、やっと主役が帰ってきたわね!」
ほむら「!! わたし、玄関までいってくる! ―――兄さーん!おかえりなさーいっ!!」パタパタッ
フガク「…フッ、」ホコロビ
ミコト「フフッ…やっぱり、あなたはほむらに甘いわね!その顔、素直に見せてあげればほむらも懐くのに・・・」
フガク「・・・!くだらんことを言ってないで早く食事の支度をせんか!」
ミコト「はいはい」フフッ
――玄関――
ほむら「兄さん!おめでとう!」
イタチ「…?あ、あぁ、父さんと母さんから聞いたのか」
ほむら「うん!兄さんすごいね!私も将来兄さんみたいな忍になれるように頑張る!」
イタチ「・・・。ほむら、最近忙しかったし久しぶりに遊ぼう!」
ほむら「…ほんと!?」ホムホムッ
イタチ「あぁ、ままごとでもお人形遊びでも何でもいいぞ」ナデナデ
ほむら「やったー!おままごと~!・・・やっぱり、修行にする」
イタチ「どうしたんだ?」
ほむら「だって早く兄さんに追いつきたいから!それに私もうアカデミー生だもの」
イタチ「…そうか。だが、お前はあまり急ぎすぎるな」
ほむら「え?それってどういう…」
ミコト「あなたたち~!何やってるの~?早くきなさーい!」
イタチ「さぁ、手を洗いにいこう」
ほむら「…うん」
・・・・・
――アカデミー(忍者学校)――
イルカ「それでは今から上期の成績表を返すぞ。名簿順に呼ぶので名前を呼ばれた者から受け取りに来るように!」
生徒たち「えー!やだ~!!」ワイワイ ガヤガヤ
ほむら「・・・・」ドキドキ
イルカ「こら!静かにしなさい!!それでは・・・・秋道チョウジ!」
チョウジ「はーい」
―――――
イルカ「えー、次!うちはほむら!」
ほむら「はっ、はい!」オドオド
ほむら「・・・」トコトコ
女子1「わぁ~うちはさんかわいいなぁ!」
女子2「眼鏡とったら絶対美人だよね~!」
男子1「どうせあいつが一番だろ~つまんねー」
男子2「だよなー地味でガリ勉だもんな~」
女子3「ちょっと!男子たちうるさいわよ!!」
男子3「なんだよ!うぜ~」
イルカ「よくがんばったな、この調子でがんばれよ!」
ほむら「は、はい!//」
ペラッ
ほむら(体術は苦手だけど、総合1位かぁ・・・お父さん、誉めてくれるかな!)ホムーン
――うちは邸――
ほむら「あの、お父さん、」
フガク「なんだ」
ほむら「今日、成績表が返ってきたの…」スッ
フガク「そうか、どれ」
ほむら「・・・・」ドキドキ
フガク「体術が悪いじゃないか。兄さんのように立派になれるよう努力しなさい」
ほむら「!…はい、」ショボーン
ミコト「・・・・」
――ほむらの部屋――
ほむら「(兄さんのように、かぁ…)」ホム
コンコン
ミコト「ほむら、入るわよ?」
ほむら「・・・はい」
ガチャリ
ミコト「父さん、さっきはあんなこと言ってたけど、本当はあなたのこと誰よりも気にかけてるのよ?」
ほむら「…! そんなの…嘘だよ」ショボーン
ミコト「どうして?」
ほむら「だって、お父さんはいつも兄さんのことばっかりだもの。兄さんと違って私は出来が悪いから」
ミコト「あら、そんなことないじゃない!母さんアカデミーの先生たちにいつも誉められて鼻が高いわよ?」
ほむら「…それは私がうちは一族の子だから。先生たちやクラスのみんなはできて当たり前って・・・」
ミコト「うーん…確かに、ほむらはちょっと恥ずかしがり屋さんだし、努力を周りに見せないから、あなたのことをよく知らない人は勘違いしちゃうかもしれないわね」
ミコト「でも母さんはちゃんと分かってる。もちろん父さんもね!あなたが夜遅くまで勉強したり、傷をつくりながら修行してること知ってるから…」
ほむら「お母さん…」ウルル
ミコト「それに父さんね、ああ見えて私と二人の時はあなたの話しかしないのよ?」クス
ほむら「・・・!お父さんが!?」ホムッ
ミコト「ええ、あなたのこと話すときは眉間のしわもとれるの!きっと、女の子だから甘やかしたいのを必死で隠してるのね」フフッ
ほむら「信じられない…」
ミコト「そのセリフ、ぜひ父さんに聴かせたいわ!」
ほむら「それでもやっぱり私、兄さんにいつまでたっても追いつけない」
ミコト「ほむら…」
ほむら「兄さんは7歳でアカデミー卒業したよね」
ほむら「8歳で写輪眼を開眼、10歳で中忍になったら半年で暗部入り。それなのに私は兄さんが卒業した年にまだアカデミー生だもん…」
ミコト「あの頃と今では時代がちがうもの。戦後まもなくて忍の数が不足していたから、補充にアカデミーの子供たちも多くが下忍になっていったの」
ミコト「確かにイタチは特別だったけれど、そんな世の中だったから仕方がなかったのよ」
ほむら「でも…」
ミコト「兄さんと比べなくていい。あなたはあなたのままでいいのよ、ほむら」ギュゥ
ほむら「お母さん…」ギュウウ
ミコト「さ、今日はゆっくり寝なさい」
ほむら「えへへっ!うん」
ミコト「おやすみ、ほむら」ナデナデ
ほむら「お母さん、おやすみなさい」
―――その深夜
ほむら「ん~、なんだかノドが渇いちゃった…」パチリ
ほむら 階段を下りて一階へ
ほむら(・・・?なんでこんな遅くに居間の電気がついてるんだろう」
「――――!・・・・?―――、――――」
「~~~!!―――――。」
ほむら「(だれかが話してる…?)」
――――
イタチ「俺は明日任務に就く」
フガク「何の任務だ…?」
イタチ「それは言えない…極秘任務だ」
ミコト「イタチ…」
ほむら(お父さんとお母さん、それに兄さん…?)
ほむら(お父さんがあんなに怖い顔で話してるの初めて見た…それに相手が兄さんなんて)」
ほむら(…極秘任務ってなんだろう?)
フガク「お前は一族と里をつなぐパイプ役でもあるのだぞ。それをよく肝に銘じておけ。そして明日の会合には来い」
イタチ「・・・・。ほむら、寝れないのか?」
ほむら「!!」ビクッ
フガク「!・・・こんな遅くまで何をしてるんだ!」
ミコト「!!」
ほむら「えっと…あの、喉がかわいちゃって」
ミコト「あ、あらちょっと待ってね、麦茶でいいかしら?」
ほむら「う、うん」
フガク「飲んだら早く部屋へ行って寝なさい」
ほむら「…はい」
イタチ「よし、兄さんが部屋まで送ろう。階段を踏み外すといけないからな…父上、続きはまた今度」
フガク「おい、まだ話は終わってないぞ!」
・・・数日後
―――縁側―――
ほむら「お父さんはいつも兄さんのことばっかり」
イタチ「…俺がうとましいか?」
ほむら「・・・!」
イタチ「別にいいさ…忍ってのは、人に憎まれて生きていくのが道理ってもんだからな」
ほむら「そ、そんなこと…!」
イタチ「フッ…優秀ってのも考えものさ。力を持てば孤立するし、傲慢にもなってくる。最初は求められていたとしても、だ」
イタチ「ただお前と俺は、唯一無二の兄妹だ。お前の超えるべき壁として、俺はお前と共にあり続けるさ」
イタチ「たとえ、憎まれようともな。それが兄貴ってもんだ」
ほむら「・・・」
ガララッ
うちは1「イタチはいるか?出てこい、話がある!」
イタチ「…何です?皆さんお揃いで」
うちは2「昨日の会合に出なかった者が二人いる…お前はなぜ来なかった?」
イタチ「・・・」
ほむら(やっぱり兄さん、夕べお父さんが言っていた会合には行かなかったんだ…)
うちは3「暗部に入り、色々な面倒事に駆り出されるのは分かる。父上もそう言い、何かと庇ってはいる」
うちは1「しかし、我々はお前を特別扱いする気はない!」
イタチ「・・・分かりました、以後気を付けましょう。そろそろお引き取りを」
うちは1「そうだな。だが、その前に少しだけ訊きたいことがあってあってな…夕べ南賀ノ川に身投げしたうちはシスイについてだ」
イタチ「・・・・」
うちは2「確かお前はシスイを、実の兄のように慕っていたな」
イタチ「…そうですか。最近では全く会ってなかったが…残念です」
うちは2「で、我々警務部隊は全力で捜査に乗り出すことに決定した」
うちは1「これがシスイの書いた遺書だ。筆跡の鑑定は済んでいる。間違いなく、本人が書いたものだ」
イタチ「他殺の線がないなら、何の捜査ですか?」
うちは3「写輪眼を使える者なら、筆跡のコピーなど容易いがな」
うちは2「うちは一の手練れ、瞬身のシスイと恐れられた男だ。一族の為なら、どんな任務でも先だってやる男だった…」
うちは3「そんな男がこんなものを残して死ぬなんて考えづらい」
イタチ「…見た目や思い込みだけで、人を判断しない方がいいですよ」
うちは3「とりあえずその遺書をお前に預ける。それを持って、お前から暗部にも捜査協力を要請しろ!」
イタチ「了解しました」
うちは1「手がかりが出てくるといいがなぁ?」
イタチ「もっと直接的に言ったらどうです」
うちは123「・・・」ギロリ
イタチ「俺を疑ってるってわけか」ギロッ
うちは2「ああ、そうだ…クソガキ」
バキッ バキッ バキッ
うちは2「…うッ、」
イタチ「さっきも言ったはずだ。見た目や思い込みだけで人を判断しない方がいい…
イタチ「俺の気が長いと勝手に判断し、鷹をくくるからだ」
イタチ「一族…一族…そういうあんたらはその器を量り違い」
イタチ「俺の器の深さを知らぬから、今そこに這いつくばっている」
ほむら(こんな兄さん今まで見たこと…)
うちは1「シスイは…最近のお前を監視していた…」
うちは1「暗部に入って半年、最近のお前の言動のおかしさは目に余る…お前は一体何を考えて…」
イタチ「組織に執着し、一族に執着し、名にも執着する…」
イタチ「それは、己を制約し、己の器を決める忌むべきこと…」
イタチ「そして、未だ見ぬ知らぬものを恐れ憎しむ愚かしきこと…!」
フガク「やめろ!イタチ」
イタチ「・・・」チラッ
フガク「いいかげんにしろ…どうしたというのだ一体。イタチ、お前最近少し変だぞ」
イタチ「何もおかしくはない。自分の役割を果たしているだけ…それだけだ」
フガク「じゃあなぜ昨晩は来なかった?」
イタチ「…高みに近づくため」
フガク「…?何の話だ」
イタチ(クナイ投げる)シュッ
―――カッッ
フガク「!!!」
イタチ「俺の器は…このくだらん一族に絶望している」
イタチ「一族などとちっぽけなものに執着していれば、本当に大切なものを見失う…」
イタチ「本当の変化とは、犠牲や制約、予感や想像の枠に収まりきっていては…できない」
フガク「傲慢なことを…!!」
うちは1「ッもういい、それ以上くだらぬ戯言を言うなら牢につなぐ!」
うちは3「さぁ、どうするんだ」
うちは2「もう我慢できません…隊長!拘束の命令を!」
フガク「・・・」
イタチ「・・・」ジッ
ほむら「…ッ兄さん!もうやめて!」
イタチ「…!」シャリンガンカイジョ
イタチ「…シスイを殺したのは俺じゃない」
イタチ「けれど、数々の失言は謝ります…申し訳ありません」ドゲザ
フガク「最近、暗部での任務に忙殺されて疲れていたようだな」
うちは1「…!隊長!」
フガク「暗部は火影様の直轄部隊。いくら我々でも捕捉状がないと拘束できない」
フガク「それにイタチのことはこの俺が責任を持って監視する…頼む」
うちは1「…分かりました」
フガク「…入るぞ。イタチ」
ほむら「・・・?」
イタチ(万華鏡写輪眼!)ギロッ
ほむら「・・・・!!」
あれからずいぶん経つけれど、お父さんと兄さんの間は未だにぎくしゃくしてる。
いつもなら兄さんのことを誉めていたお父さんも、今は兄さんの話題を口にも出さない…
ほむら(なんだか、家の中がピリピリしていていやだなぁ…)テクテク
ほむら「!…お父さん、おはようございます…」
フガク「おはよう。ほむら、最近学校はどうなんだ?」
ほむら「えっ?」
フガク「うまくやっているのか?」
ほむら「えっと…頑張って、ます。みんなうちはの子だからって期待してるから…」
フガク「そうか…今日は俺が修行をつけよう」
ほむら「!!本当に…!?」パァァ
フガク「あぁ、だがアカデミーで習うものより高度だぞ。覚悟しろよ」
ほむら「はい!」
――河原――
フガク「今日教えるのはうちは一族の基礎忍術、火遁・豪火球の術だ。まず、手本を見せる」ババババッ
ほむら「はい」
フガク「火遁、豪火球の術!」ゴォォォォ
ほむら「すごい…」
フガク「印はさっき教えた通りだ」
フガク「チャクラを練り上げ、口から胸のあたりで一旦止め、その後一気に吐き出すようにする」
ほむら「わかりました」
フガク「よし、やってみろ」
ほむら(私もやっとお父さんに認められるようになったんだもの…)バッバッバッ
ほむら「(期待にこたえなきゃ…!)火遁・豪火球の術っ!」ボッ
フガク「やはりイタチの時のようにはいかないか…」
ほむら「…」シュン
フガク「お前にはまだ早すぎたのかもしれんな」スタスタ
ほむら(うちは一族は火遁が使えて初めて一人前って認められる…)
ほむら(やらなきゃ…!)
・・・・
ほむら「お父さん」
フガク「!」チラッ
ほむら「もう一度、付き合ってください」
フガク「お前にはまだ早すぎたんだ、一週間やそこらでまた教えても同じことだ」
ほむら「違うの!技…会得したの。だから見てほしいなって」
――河原――
フガク「・・・」
ほむら(失敗は許されない…)バッバッ
ほむら「火遁!豪火球の術…!」ゴゴゴゴ
フガク「・・・!!」
ほむら「フー…」
フガク「・・・」スタスタ
ほむら(やっぱり、これじゃまだ認めてもらえないのかな…)シュン
フガク「さすが俺の子だ…」
ほむら「!!」
フガク「よくやった…これからは背中の家紋と」
フガク「火遁の‘焔’のように燃え上がる意思をもつ…その名に恥じぬよう、己を磨きなさい」
ほむら「はい!」
フガク「それと一つだけ言っておく…もう兄さんの後は追うな」
ほむら「・・・!」
――――――――数日後、夜
ほむら「(居残って手裏剣の練習してたらだいぶ遅くなっちゃったわ…)」タッタッタッ
ほむら「・・・?今、何かいたような気が…」
ほむら「!!!な…何な……の…これ……」ビクッ
(道端に無数の死体)
ほむら「何…ッ!?どうなってるの!?……どうしてみんな…ッ!」
ほむら「っそうだ…!お父さん…お母さん……兄さん…!!」タッタタタ
ほむら「どうか…!どうか無事でいて…っ!!!」
ほむら「、ッお父さんッッ!!お母さんッ!!!」
タッタッ――――ガラッ・・・
イタチ「・・・」ギロッ
ほむら「!兄さん!!いま外で…」
ほむら「えっ… 嘘だよね…?お父さん…お母さん…!」ガタガタ
ほむら「どうして…!?一体だれがこんなこと…!!」
イタチ(クナイ投げる)シュパッ
ほむら「…いたっ!え…?」ツー
イタチ「愚かなる妹よ…(万華鏡写輪眼!!)」
ほむら「!!!」ドクンッ
――――ぎゃああああああ
――――ザシュッッ
―――ブシャアアアアアッッ
――――に、逃げろ・・・!!!
―――――うわあああああああああああ
――――ドサッ
―――――さすが俺の子だ
――――あなたはあなたのままでいいのよ、ほむら
―――――――――
ほむら「いやあああああああああああ!!!!やめてええええええええそんなの見せないでえええええええぇぇ」ドサッ
イタチ「・・・」
ほむら「はぁ…はぁ……どうして…どうして…兄さんが…」
イタチ「己の器を量るためだ」
ほむら「……器を…量る…?それだけ…?」
ほむら「それだけのために…お父さんを…お母さんを…みんなを殺したっていうの…?」
イタチ「それが重要なのだ」
イタチ「それが重要なのだ」
ほむら「…うぅっ……!う、うそだよね?こんなの…兄さんじゃない…だって…!」ジワァ
イタチ「お前が望むような兄を演じ続けてきたのは…お前の器を確かめるためだ」
ほむら「…えっ?」ガタガタ
イタチ「お前は俺の器を確かめるための相手になる。そういう可能性を秘めている」
イタチ「お前は俺を疎ましく思い、憎んでいた」
イタチ「…だからこそ生かしてやる」
イタチ「お前は、俺と同じ万華鏡写輪眼を開眼しうる者だ。ただし、それには条件がある」
イタチ「…最も親しい友を、殺すことだ」
ほむら「・・・!!」
イタチ「…この俺のようにな」
ほむら「……兄さんが…シスイさんを…」ガタガタ
イタチ「そのおかげでこの眼を手に入れた」
イタチ「南賀ノ神社本堂。その右奥から七枚目の畳の下に一族秘密の集会場がある」
イタチ「そこには、うちは一族の瞳術が本来なんのために存在するか、その本当の秘密が記されている」
イタチ「お前が開眼すれば、俺を含めて万華鏡写輪眼を扱う者は、三人になる」
イタチ「そうなれば…ッフフ、お前を生かしておく意味もある」
ほむら「…ひっ!い、いやっ…!!」ガタガタ
イタチ「今のお前など、殺す価値もない」
イタチ「愚かなる妹よ…この俺を殺したくば怨め、憎め…」
イタチ「そして、醜く生き延びるがいい…」
イタチ「逃げて…逃げて…生にしがみつくがいい」
イタチ「そしていつか俺と同じ眼を持って、俺のところへ来い!」
ほむら「…うっ……う…、~ッ……に…い……さん…」ポロポロ
――――――
―――
「――――ねぇ、―――どうしたの?」
ほむら「・・・・」
「―――ねぇ、起きて?」
ほむら「、っ・・・あなた…は…?」パチ
「やっと気が付いたみたいだね」
ほむら「……猫?…」
「猫、かあ…まあ、否定はできないかな」
ほむら「……」
「大丈夫?その様子じゃ、どうやら君には万華鏡写輪眼による幻術がかけられているみたいだね」
ほむら「…!!あなたは…一体……うっ…!」ズキッ
「あ、無理に体を動かさない方がいいよ」
「身体的外傷は目立たないにしても、体のダメージはすさまじいからね」
「僕の名前はキュウべぇ!うちは一族専属の忍猫だよ!」
「きみは…うちはほむらだよね?」
ほむら「…!どうして、私の名前を……」
qb「僕たちの間では君と君のお兄さんのイタチは有名だからね!
qb「二人に捕まったら肉球ハンコを取られるって!」
ほむら「そ…その名前は言わないで…!!」ビクビク
qb「…やっぱりそうかぁ。じゃあ、この有様も全部彼の仕業なんだね?」
―――愚かなる妹よ…
ほむら「うっ…!~~~~~~ッ」ゴホゴホッ
qb「君のお兄さんも酷いことをするね、こんな幼い」
qb「しかも女の子にあの術をかけるなんて」
ほむら「全部…消えちゃった……大切なもの…全部…なくなっちゃったよぉ……」ポロポロ
ほむら「いつも通りにアカデミーから帰って…」
ほむら「お母さんがおかえりって、今日は遅かったのねって言ってくれるはずだったのに……」
ほむら「廊下を歩くとご飯のにおいがして…早く食べたいなって」
ほむら「わくわくしながら手を洗って……」
ほむら「台所に立ってるお母さんがお皿、運んでっていうからお手伝いして…」グスッ
ほむら「お皿運んだらそこにお父さんが……いつもみたいに胡坐かいて…新聞読んでて…」
ほむら「何読んでるの?って聞いたら難しそうな顔で…でもどこか和やかな顔で…」
ほむら「お前にはまだわからんだろう、って……」
ほむら「……そのうち…兄さんも……帰って、きて…みんなで…食べながら…」
ほむら「今日あったこと…お話しするはずだったのに……!」
ほむら「そういえば…最近、みんなでご飯食べてなかったなぁ……」
ほむら「だんだん笑顔もへって……みんなで、食べたかった…」
ほむら「みんなで笑ってるだけで幸せだったのに…!」
ほむら「お父さんにもっと褒めてもらいたかった…!」
ほむら「お母さんといっしょに女の子だけのお話してみたかったなぁ……」
ほむら「兄さんとも…もっと……っ、」ポロポロ
ほむら「お父さんも…お母さんも……うちはのみんな…いなくなって」
ほむら「私…これからどうやって…生きていけばいいの……?いっそ私も…」フルフル
qb「…本当に、そう思うかい?」
ほむら「え…?」
qb「大切なものを失ってもなお生きていくのは辛いことだ」
qb「でも君はこうして生きている。それは死とこれからの未来を天秤にかけ」
qb「少しでも未来に希望を感じたからだろう?直感的に」
ほむら「・・・」
qb「なんのつもりで彼が君を殺さなかったのかは分からないけど」
qb「この状況なら彼に死を乞うことも、自ら死を選ぶという選択もできたはずだ」
qb「それでも君は生きるという選択をした」
qbこれからはいつも今日のことに囚われながら生きていかなければならない」
qb「おそらく絶望に等しいだろうね」
qb「まぁ、君の兄を憎み、復讐を誓えば辛さからも逃れられるだろう」
ほむら「・・・」ビクッ
qb「しかしそれは一時的なものだ」
qb「復讐を果たしたとしても、君の望んだものは返ってこない」
qb「その先にあるのはさらなる絶望だけだ。もっとも、今の君には無理だろうけどね」
qb「君からは恐怖しか感じられない」
ほむら「・・・っ」
qb「僕に君を止める資格も義務もない。好きにすればいい」
qb「だけど君がこの先少しでも生きやすいよう、おまじないをかけてあげよう」
ほむら「・・・おまじない?」
qb「うん。これから君が今まで以上の幸せを手にできるように」ペロペロッ
ほむら「…ッいた!いつの間にこんな傷…」
qb「大丈夫だ、浅いクナイ傷だから。この傷が消えても僕のこと、忘れないで」
ほむら「・・・?あれ?あなたも写輪…眼……」スゥー
qb「…おやすみ、ほむら」
―――――――
ほむら「・・・・!」ガバッ
医療忍者「よかった…!このまま目を覚まさないかと…」
ほむら「あ、あの…ここは…」
医療忍者「木の葉病院よ」
ほむら「じゃあ…やっぱり、現実だったんだ…」
医療忍者「・・・・ごめんなさい…あなたが発見された時にはもう・・・」
ほむら「…いえ、助けてくれてありがとうございました…」
医療忍者(あんなことがあってもこの子は現実を受け止めてる)
医療忍者(術による身体ショックは時を経ると治るけど)
医療忍者(精神的ショックは一生かけても治らない恐れがある)
医療忍者(おそらく時間はかかるわね…)
医療忍者「それじゃ、また後でくるわね」
ほむら「・・・」ペコリ
ほむら「――――っ、」ギュッ
―――――愚かなる妹よ…
ほむら「ハッ…!」ビクッ
―――――逃げて…逃げて…生にしがみつくがいい。
ほむら「い…いやっ…!」ガタガタ
――――そしていつか俺と同じ眼を持って、俺のところへ来い!
ほむら「~~~~~~っ!!」ハァハァ
――――これからはいつも今日のことに囚われながら生きていかなければならない
ほむら「そうよ…生きるって決めたんだから……」ギュッ
数カ月後・・・
イルカ「ほむら、もう大丈夫なのか?」
ほむら「はい…大丈夫です」
イルカ「無理をしなくても、復学ならいつでもいいんだぞ?」
ほむら「早く…一人前になりたいんです…その方が、両親も喜んで、くれると思うので」
イルカ「そうか…あまり無理をするなよ?」
ほむら「…ありがとう、ございます」
イルカ「そうだ!お前が休学している間にクラス替えをしたんだ」
イルカ「まぁ、見知った者もいるが仲良くしてやってくれ」
ほむら「…はい」
――教室――
ザワ ザワ
チョウジ「ねえシカマル、今日帰りに駄菓子屋寄って帰ろうよ~」
シカマル「めんどくせーまだ授業始まってもないんだぞ」グダー
いの「まどか~あんたそのリボンかわいいじゃないの~」
まどか「ウェヒヒッ そ、そうかな~?ママが選んでくれたんだけど」
まどか「ちょっと派手すぎるかなって…」サワサワ
いの「なーに言ってんのよ~ちゃんと似合ってるわ!女は目立ったもん勝ちよ!」
まどか「いのちゃんらしいね」ティヒッ
ガララッ
イルカ「席につけー。授業を始める前に今日からこのクラスの仲間になる友達を紹介する!…入っていいぞ」
ほむら「…う、うちは…ほむらです。よろしく…お願い、します」ペコリ
ザワザワ…
イルカ「ほむらは事情があってしばらく休学していた」
イルカ「元同じクラスの者もいると思うが久しぶりの学校だから、色々と助けてやってくれ!」
イルカ「それじゃあ…、まどかの隣についてくれ。春野まどか!」
まどか「へ?は、はい!」スッ
イルカ「ハハッ、別に立たなくても良かったんだが…ほむら、あそこだ」
ほむら「…はい」テクテク
男子1「…なぁ、うちは一族って全滅したんだろ?」コソコソ
男子2「…ああ、うちの父ちゃんも言ってた。あいつ残して皆殺しされたって」コソコソ
男子3「まじかよ」コソコソ
ほむら「・・・・」スタッ
イルカ「それでは授業はじめるぞー。教科書の…」
まどか「えっと、私、春野まどか!よろしくね!」ティヒヒッ
ほむら「…よろしくお願いします」
まどか「・・・」ショボーン
いの「・・・」トントン
まどか「なに?いのちゃん」コソコソ
いの「ねぇ、あんたの隣の三つ編みメガネちゃん、感じ悪くない?」コソコソ
まどか「…そうかなぁ?緊張してるだけじゃないかなぁ?」コソコソ
いの「…それにあの子うちは一族でしょ?休学前っていつも学年一番でがり勉だったんだって~」コソコソ
まどか「へぇ~!学年一番!?すごーい!私も勉強教えてもらおうっと!」コソコソ
いの「もう!まったく、あんたってホントお人よしよね~」コソコソ
イルカ「コラ!そこ!喋らない!!」
まどか いの「「 ご、ごめんなさい…」」
ほむら「・・・(おもしろい人…)」ジッ
まどか「・・・!(目があった!)」ティヒッ
ほむら「!(見つめすぎたかな…)」フイッ
まどか「!(逸らされちゃった)」ショック
―――キーンコーンカーン
イルカ「お、じゃあここまでだな。午後の実習は分身の術をするからグラウンドに集合だ!」
生徒「起立~礼~」
生徒「ありがとうございました~」
チョウジ「はぁ~やっとお昼ご飯だよ~腹へったー」
シカマル「お前朝から菓子すげえ食ってたじゃねーか」メンドクセー
ほむら「(お昼…どこで食べよう…)」
女子1「…ねえねぇ、あの子でしょ?」コソコソ
女子2「さっきの態度見た~?超愛想悪くない?」コソコソ
女子3「言えてる~!なんかすごい暗いし~」コソコソ
女子4「私、前同じクラスだったけどガリ勉ですっごい根暗だったよ~!」
女子4「友達もいなかったし」コソコソ
女子5「ホントに~!?しかもあの子、家族皆殺しにされたんでしょ?」コソコソ
女子2「気味悪いよね~。一緒にいたらなんか憑かれそう!」コソコソ
女子1「やだ~!亡霊とか?」コソコソ
女子345「こわ~い!」コソコソ
まどか「・・・」ジッ
いの「ねぇ!まどか、今日はどこで食べる?」
まどか「!いのちゃん」
いの「今日はデザートにチーズケーキ入れてもらったのよ!まどかにも分けてあげる」
まどか「…あの、いのちゃん!うちはさんも一緒でもいいかな?」
いの「まどか…あんたあの子のことそんなに気になるの?」
まどか「…えっと、何て言ったらいいのか分かんないんだけど…」
まどか「初めて会った気がしなくて」
いの「なにそれ~?漫画みたい」フフッ
まどか「えへへ、自分でもよく分からなくて…でも、放っておけないの!」
いの「…はぁ~分かったわ、なら私今日はアケミ達と食べるから、あの子と一緒に食べてきなよ」
まどか「えっ、でもいのちゃんは…?」
いの「きっとあの子もまどかと一緒の方がいいと思うしさ!」
まどか「いのちゃん…ありがとう!いってくるね!」タッタッタッ
ほむら「(教室にはなんだか居づらいな…)」テクテク
まどか「…っ、ねぇ!うちはさん!」ポン
ほむら「!…な、なんですか…?」ビクッ
まどか「あっ、驚かせちゃってごめんね?よかったら、お昼一緒にどうかなぁって思って」ウェヒヒ
ほむら「あ、の…」
まどか「あっ!もしかして、先客がいたかな?」
ほむら「い、いえ…そういうわけではなくて…」
まどか「じゃあ決まりっ!私、いい場所知ってるんだ~いこっ!」ギュッ
ほむら「あ、はい…」パタパタ
――裏庭――
まどか「ここ、素敵でしょ~?お花がいっぱいあって」ティヒヒッ
ほむら「ほんと…綺麗…あの、春野さんは…よく来るん、ですか?」
まどか「うん!色んなお花が咲いてて、私のお気に入りの場所なんだ~!」
まどか「…それと、そんなに緊張しなくていいよ~クラスメイトなんだから!」
まどか「まどかって呼んで!」
ほむら「あっ、えっと、その…」モジモジ
まどか「いいって~!だから、私もほむらちゃんって呼んでいいかな?」
ほむら「私…その…あんまり名前で呼ばれたこと、無くって…」
ほむら「名字の方が目立っちゃって…」
まどか「え~!せっかく素敵な名前なのに…」
まどか「なんかさぁ、燃え上がれ~って感じで私、すっごくカッコいい名前だと思うなぁ!」
ほむら「名前負け、してます…」
まどか「そんなのもったいないよ~!せっかく素敵な名前なんだから」
まどか「ほむらちゃんもかっこよくなっちゃえばいいんだよ!」
ほむら「えっ……そ、そんな///」ホムホム
まどか「きっとそうだよ~!」ティヒヒッ
ほむら(優しくて…明るい人…私もこんな人になりたいなぁ…)
・・・・・
ほむら「そういえば…ま、まどかさんはどうして私なんかに声をかけてくれたんですか?」
まどか「へ? ティヒッ そうだなぁ…」モグモグ
ほむら「・・・」ゴクン
まどか「なんだか、初めて会った気がしなくて…自分でもよく分からないんだけど」ティヒヒ
ほむら「もしかしたら、同じ学校だから…どこかで会ったこと、あるのかも…」
まどか「うーん…やっぱりそうなのかなぁ」
まどか「なんかもっと、夢の中で、会った、ような…」モグモグ
ほむら「ふふっ」
まどか「!!」パァァ
ほむら「?え、えっと…どうか…しました?」オドオド
まどか「やっと笑ったね!!」キラキラ
ほむら「えっ?えっと…その…まどかさんが、面白いことを…言うから////」
まどか「ほむらちゃん、笑った顔かわいい~!!」ダキッ
ほむら「キャッ…!ま、まどかさんっ!く、くるし」ポンポン
まどか「あっ、ごめんごめん!あまりにもかわいくてつい…//」
まどか「ほむらちゃんは笑った顔の方がかわいいよ!」
ほむら「ま、まどかさんの方がかわいいですっ!」ホムッ
まどか「え~!ほむらちゃんの方がこーんなにかわいいもん!」手をのばして
ほむら「そんなっ!まどかさんはずっと、ずっとかわいいです!」
まどか「てぃひひっ!あはははっ」ケラケラ
ほむら「ふふふふっ!!」クスクス
ほむら(そういえば、こんなに笑ったの久しぶりだなぁ…)
しばらく経って・・・
――夕方
――アカデミー演習場――
まどか「居残って練習してたら遅くなっちゃったね!」
ほむら「そうだね!もうこんな時間…まどかさん、早く帰ろう」
まどか「うん!それにしてもさっき見せてくれた術、すごいかっこよかったよ!」
ほむら「そ、そうかなぁ!あの術、あんまり得意な方ではなかったんだけど…」
まどか「全然そうは見えないよ!まさに燃え上がれ~って感じで」
まどか「ほむらちゃんの為の術っていうか…」
ほむら「そんな、私なんてまだまだ…」
まどか「やっぱりほむらちゃんはすごいなぁ…」
まどか「忍術はもちろん得意だし、勉強も遅れをあっという間に取り戻して」
まどか「トップに立っちゃうんだもん!」
ほむら「それは、まどかさんが毎日しっかり教えてくれたから!まどかさんのおかげだよ?」
まどか「そんな~私はただほむらちゃんと宿題やってただけで…」
まどか「ほむらちゃんだって、こうやって私に忍術教えてくれてるし、私こそお礼言わなきゃ!」
ほむら「そう言われると…照れちゃう…」
まどか「ティヒヒッ ホントのことだもん!」
まどか「私なんて、ほむらちゃんみたいに忍術もあんまりできないし、」
まどか「体術も苦手だから…頑張らないと卒業試験受からないかもしれない…」シュン
ほむら「そんなことない!まどかさんは私よりずっとチャクラコントロール上手だし」
ほむら「知識もすごいし、ちゃんと卒業できるよ!」
まどか「そうかなぁ?…私、卒業して、ほむらちゃんと同じ班になりたいなぁ」
ほむら「…!私も、まどかさんと同じ班がいい!卒業試験、がんばろうね!」
まどか「うん!」ティヒヒッ
「ねぇ、あんたたち、ちょっと待ちなさいよ」
ほむら「・・・!」クルッ
まどか「・・・アケミちゃん?」
アケミ「あんたたち、最近調子のってんじゃないの?」
女子1「そうよ!いっつも二人で行動してさー、きもちわる~い」キャハハ
ほむら「な、なんですか…」
女子2「なに~?ビビってんの?根暗ちゃん」
まどか「ちょ、ちょっとやめようよ!私たち何かしたかな…?」
女子3「あんたは黙っててよ、まどか」ドンッ
まどか「キャッ!」ズサッ
ほむら「ま、まどかさん!」
アケミ「地味なくせにほーんとうざいメガネちゃんだわ~」
アケミ「二人でつるんで強くでもなったつもりなわけ?」
ほむら「私に文句があるなら…まどかさんは関係ないでしょう!」
アケミ「そういうとこが…調子に乗ってるって言ってんのよッ!!」ドンッ
ほむら「うっ…!」ズサァァ
まどか「ほむらちゃん!!!」ウルウル
アケミ「はぁ~!きっもちい~!!トップを見下すこの感覚、たまんな~い!」グイッ
ほむら「いっ…!」
まどか「っ…ほむらちゃん!!」立ち上がってかけよろうとする
女子2「あんたはこっち」グイッ
まどか「やっ…!はなして!」
ほむら「まどかさ…っ!」
ほむら(どうしよう…さっきまでの練習でチャクラがもう…)
アケミ「むだむだ~さすがのあんたでもチャクラが無くなっちゃったら怖くないもんね~!」ドスッ
ほむら「うっ…」
まどか「もうやめて…こんなの絶対おかしいよ…」ポロポロ
アケミ「はぁ?何言ってんの?いのがやれって言ったのよ?これ」
まどか「…!どういう…こと…?」
アケミ「あんたがいのを裏切ってそいつと一緒にいるからでしょ?」
まどか「そ…そんなの、嘘だよ…!いのちゃんはそんなことしない!!」
女子1「へぇ~?よく言うわよねぇ~いのがせっかく忠告してくれたのに」
女子1「そんな女とつるむからこんなことになんのよ!」
まどか「ほむらちゃんもいのちゃんも私の大切な友達だもん…!」
アケミ「ねぇ、あんたの一族って皆殺しされたんでしょう?ひとりぼっちなんだってねぇ?」
ほむら「・・・」グッ
まどか「え…っ」
アケミ「それまではトップだからって友達もつくらず周りのこと見下してたのにさぁ」
ほむら「私、見下してなんか…!」
アケミ「ひとりぼっちになって寂しいからって急に慣れあい出すなんて調子いいよねぇ?」
アケミ「やっぱ親がいないやつって何考えてるか分かんないわ~」
女子1「ほんと好き放題ばっかやってさぁ~」
女子3「あたしなんか好き放題にしたら親に怒られちゃうし~!」
まどか「あなたたちが…ほむらちゃんの何を知ってるっていうの?」
アケミ「はぁ?あんたこそ何も知らないじゃない
アケミ「こいつの過去に目を向けようとしないじゃない!」
まどか「…過去に何があったかなんて関係ない!」
まどか「今のほむらちゃんが私が知ってるありのままのほむらちゃんだから!」
まどか「私の前でほむらちゃんのこと悪く言ったら…許さない!!」ポロポロ
ほむら「まどか…さん…」
女子3「う、うるさい!!それ以上何か言ったら刺すよ…!」ジャキッ
ほむら「まどかさん!!」
まどか「同じ里の忍びにクナイを向けるなんて…意味を分かっててやってるんだよね?」
女子2「ふふ、挑発してると痛い目にあうわよ…」
ほむら(助けなきゃ…!)ダッ アケミの隙を見つけて逃れる
アケミ「イタッ…!ちょっと…待ちなさい!」ドタッ
ほむら「まどかさんは…傷つけさせない…!」まどかの前に立つ
女子3「だかーらー、調子にのんじゃないわよって…!」クナイを振り上げる
まどか「ほむらちゃん危ない!」
ザシュッ
ほむら「え…なんで…まどかさん…!」
まどか「よかった…間に合って…ッ」
女子2「え…どうして!?捕まえておいたのに…!」
まどか「変わり身の術だよ、実はちょっとだけチャクラ残しておいたんだ、…っ」ズキッ
女子2「っ!」
ほむら(まどかさん…私をかばって…)グッ
「何やってんの!?あんた達ッ!」
アケミ「っ!!いの…」
まどか「、いのちゃん?」
女子3(思わずクナイを落とす)カキン
いの「大丈夫…!?まどか!」
まどか「あはは…ちょっと腕かすっただけだよ、大丈夫!…ッ、」ズキ
いの「血がこんなに出て…大丈夫じゃないじゃない!」
いの「ほむら、まどかのこと頼んだわよ!」
ほむら「うん…!」
いの「あんたたち、どういうつもり…?」ギロッ
アケミ「…っ!だ、だってあんたが言ったんじゃない!」
アケミ「あんたがまどかとほむらがいつも一緒にいるからって…」アセアセ
いの「だからって、こんなことしろなんて言ってない!」
アケミ「私はただ、いののことを思って…」
いの「誰もそんなこと頼んでないッ!」キッ
アケミ「な、何よ…!あんただってほむらのことよく思ってなかったじゃない!」
いの「…そうね。正直最初は苦手だった」
いの「でもまどかと一緒にいるにつれて、だんだん笑うようになったし…」
いの「この子も私たちと同じなんだなって安心したの」
ほむら「山中さん…」
いの「まどかの隣が私じゃなくなって少し嫉妬しちゃったけど…」
いの「でも同じくらい、これでいいんだって嬉しかったのよ!」
いの「あんたたちを誤解させちゃったのなら謝るわ。ごめんなさい…」
いの「でも、二人をここまでしたことなら私、許さないわよ」
アケミ「ご…めんなさい…」オドオド
女子1「い、いこ…」
――木の葉病院――
ほむら「まどかさん…私のせいでこんな…本当に…ごめんなさい」
まどか「もう~謝らないで!ケガだって大したことなかったんだし!」
ほむら「でも…」
まどか「私、ほむらちゃんのこと守れて本当に良かった!」ティヒヒ
いの「まったく、まどかは人のことになるとすぐ無茶しちゃうんだから…」
まどか「ウェヒヒッ ごめんごめん!」
ほむら「まどかさん…!」ギュッ
まどか「わわっ…!ほむらちゃんくるし…」ギュ
ほむら「ありがとう…!」ギュ―
まどか「あはは、ほむらちゃん、大げさだよ~!」
まどか「でも、いのちゃんが来てくれてよかった!ありがとう、いのちゃん」
いの「まどか…ほむら…本当にごめんなさい!」ペコリ
まどか「いのちゃん…」
ほむら「そんな…山中さんのせいじゃないです…」アセアセ
いの「私のせいで二人を巻き込んじゃった…二人とも…そんなに傷ついて…私…」ポロポロ
まどか「何言ってるの?いのちゃん。いのちゃんは何も悪くないよ…」
まどか「それに、いのちゃんが来てくれなかったら」
まどか「私もほむらちゃんもどうなってたか分からないもん」
いの「まどか…」
ほむら「私のせいで…」グッ
いの「…えっ?」
ほむら「もう少しで…また失うところだった…!」ポロポロ
ほむら「一族を…家族を失って…一度私の世界は終わったんです」
ほむら「私にとっては家族が全てだったから…」
ほむら「この眼に映る世界が真っ黒に塗りつぶされて」
ほむら「何気ない日が希望から絶望に変わって…」
ほむら「そんなときまどかさんが助けてくれた」
まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「まどかさんが私に笑顔を取り戻してくれた…」
ほむら「まどかさんが人の温もりを思い出させてくれた…」
ほむらまどかさんが私の、大切な初めての…友達になってくれた」
ほむら「もう…失いたくないの…やっと見つけたつながりを守りたいから…」
まどか「…」ポロポロ
いの「ほむら…」ギュッ
ほむら「ひゃっ…」
いの「あんたのつながり、私にも守らせて?」
ほむら「山中さん…」
いの「いの、でいいわよ!」
ほむら「はい!いのさん…!」
―――幼少期編 完―――
ありがとうございます。続き投下します
下忍説明会当日
ほむら(今日から私も忍者…あの子を守れるよう、強く…強くならなくちゃ!)グッ
[額あてを縛る]
ほむら(お父さん、お母さん…行ってきます)
――アカデミー教室――
ガヤガヤ
ほむら(まだまどかさんもいのさんも来てないみたい…)キョロキョロ
ほむら(…!きれいな髪…でも、アカデミーにあんな人いたかな…?)
ほむら(金髪なら目立つはずなのに…)
ほむら「あっ…あの…」
「なにかしら…?」
ほむら(綺麗なひと…)
ほむら「えっと…お隣、いいですか…?」オドオド
「え?…えぇ、かまわないわよ」ニコッ
ほむら「あ、ありがとうございます…」
「フフッ すてきな三つ編みね…毎日編むの、大変じゃない?」
ほむら「へっ…?あ、いえ、もう慣れたので…あなたの髪も…素敵です!」
「!ありがとう…!」ウルウル
ほむら「ごめんなさい、私なにか気に障ること…」
「ううん、そうじゃないの…!私、人にほめられたことないから…うれしくって」
ほむら「…?」
マミ「私はうずまきマミ。よろしくね!」
ほむら「う、うちはほむらです…!よろしくお願いします」ペコリ
マミ「フフッ 緊張しないで?同期になるんだし」
ほむら「あの…マミさんって、アカデミーではどこのクラスでした…?」
マミ「私、事情があってアカデミーには通ってないの。
実をいうと齢もあなたたちより一個上なのよ」フフッ
ほむら(だから見たことない顔だと…)
まどか「ほむらちゃーん!!」ブンブン
ほむら「まどかさん!」
まどか「おはよっ、ほむらちゃん!私たちも今日からいよいよ下忍だね!」
ほむら「そうね…!がんばろう!」
まどか「う~班編成が気になるなぁ」ドキドキ
ほむら「ふふっ」
まどか「あれっ?ほむらちゃんの知り合い?」
ほむら「えっと今知り合ったの、あのマミさん…私の友達のまどかさんです」
マミ「うずまきマミよ、よろしくね」フフッ
まどか「私、春野まどかです!よろしく!」ウェヒヒ
ほむら「マミさんはね、私たちより1歳上なんだって」
まどか「あっ!ごめんなさい!先輩だったなんて…」アセアセ
マミ「そんな、いいのよ~私、みんなみたいにアカデミー通ってないし、
今日からみんなと同じ下忍なんだから!」
・・・その日の午後
――アカデミー屋上――
カカシ「あ、この班は全員女の子なのね。じゃ、一人ずつ自己紹介してもらおう」
マミ「その前に、先生の自己紹介をしてください」フフッ
カカシ「ん~なんていうか、かわいくないね~ ま、いいか。
俺の名前は、はたけカカシ。好き嫌いをお前らに教える気はない!
将来の夢って言われてもなぁ~趣味はまぁ~色々だ」
まどか(分かったのって結局名前だけのような…)苦笑
カカシ「じゃ、次はそこの金髪ちゃんから」
マミ「うずまきマミです。好きなものは紅茶とケーキで、趣味はティータイムです。
将来の夢というか…今の希望は…友達をたくさんつくること、かしら?フフッ
よろしくお願いします」
カカシ(この子が例の九尾の…)
――――・・・・
――火影邸――
火影「カカシ、お前の班にうずまきマミを編成させることにした」
カカシ「…!では、九尾のチャクラコントロールが安定したということですか!?」
火影「まだ完全には安定してはおらん。
じゃが、これ以上修行を行ったところでそもそも
今のマミの力ではまだ九尾の力は操れん」
火影「あとはマミ次第じゃ。もともとマミは繊細じゃから、
精神世界で九尾と対立すると怯えきったり、
あるいは孤独から負のエネルギーが高まり、封印が緩まってしまいがちだった」
火影「里を離れ、妙木山での修行も、九尾のチャクラコントロールというよりも
そういった精神修行が主じゃった」
カカシ「ですが、里の者はみんな妹の杏子の方に封印されていると思い込んでいます。
そのあと暗部によって処理された、と。
事実上、九尾の存在は消えたと思われているのに、なぜ…」
火影「お前の言うとおりじゃ、
12年前の九尾の事件で生まれたばかりの杏子に封印されたと思いこまれておるが、
当時1歳だった姉のマミの方が九尾チャクラにたえうるチャクラを宿し、
九尾の器には適していた」
火影「四代目はマミに八卦封印を施し、二人の娘の将来を案じながら死んでいった…
わしらは杏子とマミの安全を第一に考え、杏子を暗部に処理させたように見せて、
当時同盟国でもあった草隠れの里に杏子の身柄を預けたんじゃ。
あの事件は里にあまりにも大きな傷を残した。
あの夜を知る大人たちがもし、九尾の人柱力の存在を知ったら…
おそらく迫害だけでは済まされん。
ただでさえ不安定なマミの心に深い傷を残し、
それが九尾の封印を緩めることに繋がりかねんからのう」
カカシ「・・・」
火影「このことは里の上層部や、元暗部のお前を含む暗部のごく一部しか知らん。
マミももう13歳じゃ。
妙木山での修行で暗部の監視はあったものの、ずっと一人ぼっちじゃった。
任務を通じ、仲間の大切さを知るにはふさわしい時期じゃと思っとる」
カカシ「ですが…」
火影「その反面、初めての人との触れ合いに戸惑いや不安もあるじゃろう…
支えてやってほしい。
それに、同じ班にはあのうちはほむらもおる。
お前には何かと縁のある班だと思うがのう」
カカシ「分かりました…ですが、甘くはしませんよ三代目」
火影「分かっておる。じゃ、頼むぞ」
―――――
カカシ(このやけに大人びた子がねぇ…そう心配はいらないような気もするが)ハァー
カカシ「はい、次ピンクの子」
まどか「はいっ!えっと、名前は春野まどかです!
好きなものはいろいろあるんですけど、嫌いなものは怖いもの、かなぁ…
趣味はお絵きで、将来の夢は…誰かの役にたちたいなって…」ウェヒヒ
ほむら(まどかさん、すてき!)
カカシ(変わった子だな…ま、この中じゃ一番平凡な子、か)
カカシ「はーい、ありがと、じゃあ最後」
ほむら「え、えっと、うちは…ほむらです。好きなもの…というか
好きなのは…友達で、将来の夢は…大切な人を守ることです」モジモジ
カカシ(拍子抜けだな…あれだけのことがあったのに
この子からは復讐心を感じられない)
カカシ(よほどこの子を動かす何かがあったか…)
カカシ(それにしても、この班は忍になるには大人しすぎるな…)
カカシ「はい、ごくろう、じゃあ、明日お前らには試験を受けてもらう」
・・・・・
カカシの試験にも3人のチームワークで果敢に挑戦し見事、合格。
3人は晴れて下忍になり、着々と任務を重ねていった。
マミ「カカシ先生遅いわね~」
まどか「いつものことだとしてもこんなに暑い日だといやになっちゃうね~」
ほむら「そうだね、まだかな…」フゥ
シュタッ
カカシ「やぁ!おはよう諸君!」
マミ「まったく先生は相変わらずですね」ハァ
カカシ「マミは相変わらず手厳しいね、」
カカシ「ま、いきなりだが…お前達を中忍選抜試験に推薦しちゃったから」
まどか「えっ!」
マミ「ふう…」
カカシ「志願書だ」
ほむら「あの…どういうことですか?」
カカシ「…と言っても強制じゃない。
受けたい者だけその志願書にサインして明日の午後4時までに
アカデミーの301号室にくること…以上」
…それと今日の任務は中忍試験のこともあって中止だから、それじゃ!」サッ
ほむら(中忍試験かぁ…そんなこと言われても私達まだ下忍になったばかりだし)
ほむら(波の国の任務だって、こうして帰って来れたのが奇跡なのに…
いくらなんでも早すぎるわ…)
マミ「二人はどうするの?」
ほむら「えっ?」
マミ「中忍試験、受けるの?」
ほむら「!それは…」
まどか「え…っと…どうしようかなぁ…」
マミ「二人とも乗り気じゃないみたいね」
ほむら「…マミさんは受けるんですか?」
マミ「えぇ、そのつもりだけど…正直、あなた達がいないと不安かな」
まどか「マミさんなら大丈夫だよ!強いもん!ほむらちゃんだって」
ほむら「私は…」
マミ「でもカカシ先生が推薦するくらいだし、
私達は3人とも試験を受けるだけの実力があるってことよね!」
マミ「だって私達、過酷な任務をやり遂げたんだから…良い力試しになるかも」
まどか「そ、そうだね!」
マミ「とりあえず、それぞれ帰ってから考えましょう」
ほむら(力試しかぁ…)テクテク
qb「やぁ、久しぶりだね…ほむら!」
ほむら「あなたは…」
qb「覚えててくれたんだ?光栄だなぁ!」
ほむら「あの日からあなたの姿見てないけど、どこにいたの?」
qb「猫バァのところや里の外や…色々ね。
僕は他の猫とは慣れあわないタイプだから」
qb「それより、なんだか悩んでいたみたいだけどどうしたんだい?」
ほむら「…中忍試験があるの。それで受けるかどうか迷ってて」
qb「へぇ、ルーキーなのに推薦されるなんてさすがだね。何を迷うことがあるの?」
ほむら「私、この間の任務で…写輪眼を開眼したの」
qb「…」
ほむら「初めて戦いであんなに動くことができて…これがうちはの血なんだなって思った
でも、同時に怖くなったの…いつの間にか戦いを楽しんでる自分がいて
うちはの血が‘純粋に’戦いを欲しているのが分かったの…
それから記憶がなくなって、気付いたら倒れてて…」
qb「それで?」
ほむら「私は守る力がほしいのに…
いつかこの力で仲間を傷つけちゃうんじゃないかって…怖いの」
qb「君は不思議だね。僕は今まで写輪眼を開眼した人間を何人も見てきた…
…が、君のような反応をした人はいなかったよ」
ほむら「・・・」
qb「みんなうちはの血に従順だった。
うちは一族は戦いの中でしか生きれないと思ってたんだけど
…君は極めて異例だね」
ほむら「私は戦いは嫌い。だけど
大切な人を守るためだったらなんだってやるつもりだよ」
qb「へぇ…これまた意外だ。君にそんな存在ができてたとはね」
qb「でもそれはあまりにも矛盾しているよ」
ほむら「どうして…?」
qb「君は大切な人を守るためだったら何でもやると言ったね
そのためには力がいる…なのに君は戦いや、力を得ることさえも拒絶している」
ほむら「それは…」
qb「君には何かを守る覚悟っていうものがない。
君はあの時から何も変わっていないじゃないか」
ほむら「!!」
qb「何かを守るためには違う何かを犠牲にしなくちゃいけないんだよ、ほむら」
ほむら「・・・」グッ
qb「…ま、君はなにかと面白いからこれからも見守っていくことにするよ。
またね、ほむら」スッ
ほむら(守る…犠牲…力…)
――翌日――
マミ「おはよう、二人ならくると思ってたわ!」フフッ
まどか「えへへ…マミさんはお見通しだなぁ」
ほむら「一緒に頑張りましょう!」
マミ「(ほむらさん、迷いが消えたようね)ええ!」
カカシ「よし…三人とも来たな。これで正式に中忍試験に申込みできる…」
まどか「カカシ先生!」
マミ「どういうこと…?」
ほむら「?」
カカシ「実のところ、この試験は初めから
スリーマンセルでしか受験できないことになってる…」
ほむら「でも、受験するのは自由って言っていませんでした…?」
カカシ「もしそのことを言ってたら、試験に乗り気でない
ほむらとまどかをマミが誘うだろう」
マミ「!」
カカシ「マミに誘われれば二人とも断れないだろうからな。
マミのため…と。結果いい加減な気持ちで試験を受けることになる」
まどか「…じゃあ、一人でも欠けていたら?」
カカシ「ここで試験は中止にして、向こうへは行かす気はなかった」
…だがお前らは自分の意志でここにきた。
俺の自慢のチームだ…さぁ、行ってこい!」
ほむら「はい!」
まどか「えへへ!」
マミ「さぁ、行きましょう!」
ギィ・・・
ほむら「!!」
まどか「すごい…」
マミ「な…何て人数なの…」
ほむら(みんな強そうな人ばっかり…)
いの「遅かったじゃな~い!あんたたち」タタッ
ほむら「いのさん!」
まどか「いのちゃん、久しぶりだね!」
マミ「…ということは、10班も受けるの?」
いの「ええ!というより、今年のルーキーみんな受けるみたい」
シカマル「あーめんどくせー」
チョウジ「・・・」バリバリ
いの「ちょっとあんたたち!今から試験って時にやる気なさそうにしないでよ!」
シカマル「お前が張り切りすぎだろ」
いの「なんですって~!」
チョウジ「シカマルもいのもやめなよー」バリバリ
まどか「相変わらずだね、3人とも」ハハハ
キバ「ひゃっほ~!みーっけ」
シノ「・・・」
ヒナタ「こ、こんにちは…」モジモジ
マミ「久しぶりね、8班も」フフッ
キバ「く~!なるほどねぇ…今年の新人全員受験ってわけか…
さて、どこまで行けますかね~、俺たち。ねェ、ほむらちゃんよぉ」
ほむら「(この人苦手なんだよね…)さ、さぁ…?それよりとても余裕みたいだね、キバ君」
キバ「どっかの女子だけのチームとは違って俺達はかなり修行したからな~!
お前達には負けねーぜ」
マミ「あら、女子だけのチームだと思って舐めないでほしいわね」イラッ
ヒナタ「ご…ごめんなさい、マミさん…そんなつもりでキバ君も言ったんじゃ…」モジモジ
「おい君たち、もう少し静かにした方がいいな…」
ほむら(誰だろう…?)
「君たちがアカデミー出たての新人だろ。
キャッキャと騒いで…まったく、ここは遠足じゃないんだよ?」
まどか「あの…誰ですか?」
カブト「僕はカブト。それより周りを見てごらん」
ほむら(…!睨まれてる…すごい威圧感)ゴクッ
カブト「ここにいる連中は気が短い上に、試験前でみんなピリピリしている
…どつかれる前に注意しておこうと思ってね」
カブト「やれやれ…昔の自分を思い出すよ」フゥ
ほむら「あの…カブトさん、でしたよね?あなたはこの試験、何回か受けてるんですか…?」
カブト「ああ。今回で7回目…この試験は年に2回しか行われないから、
今年で4年目になる」
マミ「じゃあこの試験について色々ご存知なのね?」
カブト「まあね」
まどか「へぇー!カブトさんってすごいんですね」
カブト「へへ…じゃあ、ちょっとだけ君たちに情報を見せようかな
…この認識カードでね」スッ
ほむら「…認識カード?」
カブト「見た目は何の変哲もない白いカードだけど、
僕のチャクラに反応して情報が見れるんだ…こうやってね」ボンッ
いの「うわぁ!すごい見やすい図…これ、何の情報?」
カブト「今回の中忍試験の受験者数を各国別にグラフで表している」
マミ「このカードの中に個人情報も入っているものはあるのかしら?」
カブト「もちろん、今回の受験者のものは完璧とまではいかないが保存してあるよ…
君らのも含めてね。だれか気になる人がいるのかい?」
マミ「いえ、特にはないんですけど…」
カブト「なら、この中から僕が注意したいやつを一つ、特別に見せよう…」シュッ
パラッ
まどか「あっ…1枚落ちましたよ?」
カブト「ああ、ありがとう…まぁ、これは特には気にならないけど見せてもいいか」
ペラッ
カブト「じゃ、まず…木の葉のロック・リーだ。齢は君たちより1個上だな。
任務経験はc,dランクのみ。体術がここ一年で異常に伸びてる…他はてんでダメ。
昨年実力のある新人下忍として注目されたが、中忍試験には出てこなかった」
マミ「体術、ね…」
カブト「次は砂隠れ…砂漠の我愛羅。
任務経験は…下忍でbランクをこなしてる実力の持ち主だ。
他国の忍びで新人だから詳しい情報はないが、ただ注意したいのは…」
まどか「ただ?」
カブト「…任務は全て無傷で帰ってきたそうだ」
ほむら「無傷…!?」
カブト「この他にも各国から選りすぐりの下忍が集まっている…
そんなに甘いもんじゃないよ」
ほむら(これが中忍試験なの…)
ドドンッ
「待たせたな…」
ほむら「!!」
カブト「さぁ、始まりだ…君たちの検討を祈るよ」
イビキ「中忍選抜第一試験、試験官の森野イビキだ。これから第一試験を始める」
・・・・・
ついに始まった中忍試験。
第一試験は筆記テスト。
厳格なルールが設定され、それを破った者は即退場という絶対絶命の空間の中で
受験者は「忍らしく」挑んでいった。
結果26チーム78人が合格し、第7班含む木の葉の新人チーム全員が残った。
アンコ「第二試験官のみたらしアンコよ!
今回の第一試験は甘くてこんなに残っちゃったけど…
第二試験ではその半分以下にしてあげるわ!」
まどか(は…半分以下…!?)
アンコ「ここが第二試験の会場よ。第44演習場…別名‘死の森’」
ほむら「死の森…」ゴクッ
マミ「なんだか気味が悪いわね…」
アンコ「それじゃ、この試験の説明を始めるわね…
簡単に言うとあなた達にはこの演習場で極限のサバイバルをしてもらうわ」
シカマル(サバイバルかよ…めんどくせー)
アンコ「今私がもっている2種類の巻物…
それぞれ‘天’と‘地’という違う文字が書かれている。
ここには26チームいるからその半分の13チームに天の書、もう半分に地の書を与えるわ
合格条件は5日間以内に天地両方の書を持って中央の塔まで3人で来ること」
まどか「それで半分以下になるってこと…」ボソッ
アンコ「要は…何でもアリの巻物争奪戦ってわけ!ただし、失格条件がある
まず1つ目、時間以内に巻物を3人そろって持って来れなかったチーム。
二つ目、班員を失ったチームまたは再起不能を出したチーム
ルールとして、途中のギブアップは一切なし!
あと、巻物の中身は塔にたどり着くまで絶対に見ないこと…説明は以上!」
マミ(…結構厳しい条件ね)ゴクッ
アンコ「同意書3枚と巻物1つを交換するから
その後ゲート入口を決めて一斉にスタートよ!」
ほむら(なるほど…各チームが渡された巻物の種類
そして誰が持っているかも分からない…ってことなんだ。
この試験では情報の奪い合いが命がけで行われる…
それに、ここにいる人たちの結束は固いから…
最悪、殺し合いにもなる…)ゾクッ
まどか「ほむらちゃん、私、不安になってきちゃった…」
ほむら「まどかさん…大丈夫だよ、あなたは私が守るから…!」ギュッ
マミ「ふたりとも、同意書は書けた?」
ほむら「…はい!」
マミ「それじゃぁ、行きましょう!」
ほむら(こんな時でもマミさん、冷静だなぁ…)
―――第二試験開始―――
うわああああああああああ
ほむら「!」ビクッ
まどか「い、今の悲鳴…!?」
マミ「どうやらもう動き出しているようね…」
ほむら「私たちも作戦を練って動き出さないと!」
マミ「そうね。まずは作戦を決めなきゃね…」
まどか「作戦って敵を捕らえるためにトラップをしかけたり?」
マミ「ええ、もちろんそれもあるけど…これはサバイバル。
巻物を得るだけじゃなくて、私達が生き残ることを一番に考えなきゃ」
ほむら「そのためにはまず、状況把握と構えからってことですね」
マミ「そういうこと!」
まどか「なるほど…じゃあ役割分担を決めないといけないよね」
マミ「私達は今まで任務でほとんど3人一緒だったでしょう?
でも今回はカカシ先生がいない分、やることも増えるから
基本一人ずつで行動してもらうことになるわ」
マミ「まず基本的に使う私たちのアジトはここね。
ここは大木の根が張り廻らされているから根と根の間に空間ができて
そこに入り込めば敵に気づかれにくい」
まどか「あっ、ここなら木と木の間にトラップも仕掛けやすいね!」
マミ「次に役割分担だけど、大きく分けて3つ。
まずは情報収集係。半径3~5キロの広範囲を目安に地形の特徴、敵の動きを観察する…
これは私がやるわ
影分身を使って分散させたら効率よく調べられるし
何かあったら術を解いてあなた達のところにもすぐに加勢できるから
ほむら「それがいいですね!」
マミ「次に見張り係…これはまどかさんに任せるわね。
あなたは幻術タイプだから、この辺りに幻術をかければまず大抵の忍には見つからない。
仮に見つかったとしてもトラップや幻術で足止めできるわ、頼んだわよ」
まどか「頑張ります…!」グッ
マミ「あと、ケガをした場合の軽い治療もお願いね。
巻物とそれぞれの医療パックはまどかさんに預けるようにして…」
ほむら「よろしくね、まどかさん」
まどか「二人の医療パック、預かるね!」
マミ「そして最後に戦闘係。
これは班の中で一番の戦力のほむらさんにやってもらうわ」
ほむら「…はい」
マミ「あなたには写輪眼と近中距離戦で使える火遁がある。
写輪眼で相手の動きが読めるし
相手の技もコピーできる万能タイプのあなただから
アジトにもすぐ駆けつけることのできる半径1キロ以内で行動して」
ほむら「他にはありますか…?」
マミ「あなたには積極的に攻撃に回ってほしい
敵を見つけ次第に巻物を取りに行ってもかまわないわ。
あと、写輪眼での敵情視察もお願いね」
ほむら「分かりました」
マミ「積極的に活動するのは今から3時間…
1時間ごとにここに集合して報告すること。
一応ここの近くに私の影分身を一体待機させておくから
何かあったら必ず報告してちょうだい」
ほむら「了解です」
マミ「それじゃあ…いくわよ!散ッ」シュタッ
・・・・・・・
ほむら(攻撃か…あんまり自信ないけど、そんなことも言ってられないよね)ザッ
ほむら(あの二人を守らなきゃ……何としてでも!)ザッ
ほむら(…?何、なんか違和感が………写輪眼!!
あっ、トラップ…!でも、幻術はかかってないみたい…
となると、そんなに強くないのかも)
ほむら(幸い、ここからアジトまでそう遠くはない…
アジトの近くでやったほうが何かとやりやすいよね
このまま誘い込もう…)ザッ
ザザッ
ほむら(…のってきた!)ザッ
ほむら「巻物狙いにしては…一人なんて珍しいですね」スタッ
まどか(あれ…?ほむらちゃん!)
「フフ…さすがうちは一族。やはり気づかれていましたか」
ほむら「…だれですか?」クルッ
リー「僕の名前はロック・リーです。あなたと闘いたい…うちはほむらさん」
ほむら「(確かこの人カードにのってた人…)どうして私の名前を…」
リー「僕は女の人には手は出さない主義なのですが、あなたは違う…
あの天才忍者とうたわれたうちは一族の末裔に
僕の技がどこまで通用するのか試したい…それに、」
ほむら「?」
リー「あなたのチームのピンクの髪の女の子…」
まどか「へ?わたし…?」
ほむら「…!まどかさんっ!」
リー「まどかさん…なるほど、幻術をかけていたんですね!」
まどか「あっ!ごめなさい!!」
リー「心配しないでください。僕は巻物には興味はありませんから」
ほむら「アジトを知られた以上、戦わないわけにはいきません…よね」
リー(ついてる…早速№1ルーキーと対決できるなんてな!)
まどか「ほむらちゃん、待ってマミさんに…!」
ほむら「大丈夫、ちょっとで終わらせるから…」シュタッ
リー(…来た!)
ほむら(あの情報が正しければこの人は体術を使う…なら、距離を取って)バッバッ
リー(ガイ先生、ごめんなさい。あの術を使うことになるかもしれません…)フッ
ほむら「火遁・豪火球の…(消えた!?)」
リー「木ノ葉旋風!!」ブンッ
ほむら(早い…!印を結ぶ時間もない!)ザザッ
リー「・・・」ドガッッ
ほむら「うっ…!!」ドサッッ
ほむら(ど、どういうこと…!?今確かにガードしたはずなのに!)フラッ
リー(…やはり立ってきますか)ゾク
ほむら(もうアレを使うしか…ない!)カッ
まどか「あれは…写輪眼!」
リー「ムダですよ…たとえ写輪眼で動きを見切れたとしても」ドガッッ
スッ…
まどか「ほむらちゃん…!!」
ほむら「…影舞葉!?」ハッ
リー「あなたの体は僕の体術に反応できるスピードを備えていない…」パラッ
ほむら「!!」
リー「あなたの写輪眼が天才型なら、僕はただ…体術だけを極めた努力型です」
そしてこの技で証明しましょう。努力が天才を上回ることを…」
ほむら(何をする気なの…!?)
カッ!! [手裏剣がリーの包帯を木に固定]
リー「あれは!」ググッ
ほむら「!?」
まどか「何…?」
「リー!何やってんのよ!!」
リー「くっ…テンテン!」ガクッ
まどか「ほむらちゃん!」ダッ
ほむら「・・・!」ドサッ(まどかに受け止められる)
まどか「キャッ!…大丈夫?ほむらちゃん!」ザザッ
ほむら「う、うん…ありがとう」
リー「…っ」スタッ
まどか(ほむらちゃんが受け身を取れないなんて…)
テンテン「まったく!一人で偵察なんて勝手に行って
やっぱりあの子のところに戦いに行ってたのね!」
リー「すみません、つい…」
テンテン「もう、ネジも怒ってたわよ!」
リー「反省してます…」シュン
テンテン「ごめんね、あなた達…リーの勝手につき合わせちゃって」
ほむら「い、いえ…」
テンテン「ほら!リーも謝って!」
リー「ほむらさん、もう一度闘ってください!今度は決着をつけましょう」
テンテン「バカっ!謝るのが先でしょう!もう、行くわよ」スタスタ
ほむら「・・・」ジッ
まどか「ほむらちゃん、傷の手当するからこっちにきて?」
ほむら「ありがとう…」
ほむら(もっと、強くならなきゃ…!)グッ
・・・・少し前
マミ「結構、遠くまできたわね…」ザッ
マミ(この辺は川もあって木の実も豊富だし、猛獣も少なそうね)ザッ
マミ(今のところ敵には遭遇してないし
一度アジトに帰ったら食べ物と水を確保しに来なきゃ!)ザッ
マミ「それにしても、やけに静かよね…他のところには動物や猛獣が沢山いたのに」ザッ
マミ(…?何、この気配…)シュタッ
マミ「上…?・・・・!!!」
マミ「何!?この大きな蛇…!」ゾクッ
マミ(こいつがいたから他の猛獣がいなかったのね…)
マミ(それにしてもこの蛇、口寄せレベルのじゃない…!)ザザッ
シュルッ…
マミ「…来る…っ!」バッ
マミ(ここは一旦、起爆札で目くらましさせて逃げるしかない…!)シュシュッ
ドゴオオオオ
マミ「よし…!巻けたわ!」ザッ
マミ(できるだけ距離を取らなきゃ!)
シュルルル・・・・
マミ「もう追いついてきた…!? でもこれで終わりよ…」バババッ
マミ「ティロ・フィナーレ!!!」ドンッッ
ドガアアアアアアア
蛇「シャアアアア!!!」
マミ「やった!」
シュルルルルルルルル!!
マミ「何で…前ッ!?」
ググググ…
マミ(まずい…!巻き取られた!)クッ
[マミを尻尾で巻き込み、口を開ける大蛇]
マミ「え…?」
・・・・・・
まどか「遅いね、マミさん」
ほむら「もうすぐ一時間なのにね…」
まどか「まさか、何かあったとか…?」フルフル
ほむら「き、きっと大丈夫だよ!マミさんは強いもん!」
まどか「でも、さっきからマミさんの影分身見当たらないよ?」
ほむら「…きっと、状況把握のために一旦術を解いたんだよ!」
まどか「うーん…だといいんだけど」
ガサッ
まどか「!!」
ほむら「…まどかさん、幻術はかけてあるんだよね?」ヒソヒソ
まどか「うん、今度はばっちりかけてるよ」ヒソヒソ
ほむら「念のため、ちょっと覗いてくるね…」ヒソヒソ
まどか「うん、お願い」ヒソヒソ
ほむら(女の人?が…一人…?)
「まったく…バレバレの幻術ね…」
ほむら(…!?気づかれてる…!!)ビクッ
「隠れてないで出てきなさい…」
ほむら(すごい…殺気!)ゾクゾク
大蛇丸「…私達の地の書、欲しいでしょ?君たちは天の書だものねぇ…」ズズ
ほむら「!!」ビクッ
大蛇丸「さぁ始めようじゃない。巻物の奪い合いを…」ペロ
まどか「っ…!」ガタガタ
大蛇丸「…命懸けで」
ドクンッ!!!
ほむら「!!!」ザクッッ
まどか「!!!」ザクッッ
ほむら(…幻術……!?)ハァハァ
ほむら「うっ!!~~~~~~~っ」ドサッ
大蛇丸「・・・・」ジッ
ほむら(いや…これは殺気……
何なの…!?あの人の目を見ただけで死をイメージさせられた…)ハアハア
ほむら「まどかさん…」キョロ
ほむら「…!!」ドキ
まどか「…あ…、……」ガクガク
ほむら(完全に殺気に飲み込まれてる…!まずい…早く逃げないと…殺される!)ビクビク
大蛇丸「クク…もう動けないわよね」シュパッ [クナイを投げる]
ほむら(私が…何としても守らなきゃ…!!!)ザザッ [とっさにまどかを担いで逃げる]
ザクッ カッ カッッ
ほむら「はぁ…はぁ…っ、」
まどか「ほむらちゃ…足…!」ビクビク
ほむら「はぁ…はぁ……大丈…夫…、ぐッ!!」ズボッ
大蛇丸(恐怖を痛みで消し去るためにわざとクナイを受けるとはね…
…やっぱり只者じゃないわ)フフ
ほむら(早く逃げなきゃ…ここも見つかっちゃう…ッ…、どうすれば…)ブツブツ
まどか「ほむらちゃん…大丈…!」ハッ
ほむら(どうすれば…どうしよう…)ブツブツ
まどか「後ろッ!!!」
ギロッ
ほむら「…!!」
ほむら(追い込まれて気づくのが…!)ザザッ
まどか「…!」スタッ
大蛇丸「……お前達獲物は一瞬でも気を抜いちゃダメでしょう
…捕食者の前ではね」 シュルルルルルッ
ほむら「いやあああああ来ないでぇぇええええ!!!」シュシュシュッ
大蛇丸「甘い…!」ガキンッッ
ガガガガッ…!! [どこからかクナイが飛んでくる]
大蛇丸「!!」ピタッ
ほむら「マ…マミさん…!」ジワッ
マミ「ごめんね…遅くなって!」シュタッ
まどか「~っ!マミさん!!」ホッ
大蛇丸「フフ…あの大蛇を見事倒してきたようね、マミちゃん」
マミ「どこの誰か知りませんけど…あなたがあの大蛇を、ね」
大蛇丸「その根性だけは…誉めてあげるわ…」ギロッ
マミ「…!」ゾクッ
ほむら「マミさん、その人は次元が違いすぎます…!」
マミ「そうみたいね…ッ、」
まどか「このままじゃ私達三人とも…!」ヒック
ほむら「もう巻物を渡しましょう!そうすれば生き残れます…!」
マミ「…っ」グッ
大蛇丸「なるほど…さすがセンスがいいわね
絶対に敵わない相手を前にするときには命乞いも厭わない…
例え他に犠牲が伴ったとしても」ニヤリ
まどか「こ、れ…巻物…です……これで私達を…」ビクビク
マミ「ダメよッ!!」キッ
ほむら「マミさんッッ!」
マミ「絶対に渡しちゃダメ…!巻き物を渡しても私たちを見逃す保証はないでしょう!」
大蛇丸「フフフ…さすがね、正解よ…巻物なんて殺して奪えばいいんだから…!」サッ
大蛇丸「…口寄せの術!!」ズズンッ
ほむら「な、何…!?この蛇…!」ガタッ
マミ「…やっぱり、ね!」ダダダッ
まどか「マミさんッ…!!」
[蛇、マミを薙ぎ払う]
ドガッッ
マミ「か……は…ッ!」ヒュウッ
大蛇丸「とりあえず喰らっときなさい…フフ」
マミ「…ッ!!」ギロッ
大蛇丸(あの眼は…っまさかこのガキ…!)ゾクッ
マミ「はああああああああ!!!」ドゴオオオッ
蛇「シャアアアアアアアアアア」ズルズルッ
まどか「え…ッ!マミさん…どうしちゃったの…!?」オロオロ
ほむら(いつものマミさんじゃない…!何このチャクラ…!!)ゾクッ
マミ「!?」ギッ
ゴゴゴゴゴゴゴッ
ドンッッ [大蛇丸の術で吹き飛ばされる]
マミ「グア……ッ!!」ドザザザッ
シュルルルッ [蛇に憑依して近づく大蛇丸]
マミ「ウッ……放せ…ッ!」バタバタ
大蛇丸「フフ…まさかあの九尾のガキが生きてたとはね……」バッ
マミ「グッ…!」キッ
大蛇丸「感情が高まって九尾の力が漏れ出すとは…面白い成長をしたもんだわ」バッ
マミ「!!」
大蛇丸「ほら…封印が浮き出てるじゃない」ボッボボッ
大蛇丸「五行封印…ッ!!」ドッ
マミ「…ヴッッ!」ドクンッ…ガクッ
大蛇丸(封印から12年…この子の精神と九尾のチャクラが呼応し始めているのね…
マミの精神も安定感がないから少しのことで九尾を出やすくなってる
…面白い)フフッ
大蛇丸(でも今はアナタは邪魔…)ポイッ
まどか「(このままじゃ落ちる!)危ないッ!!」シュッ
カッ!! [クナイでマミを木に固定する]
まどか「うっ……うっ…マミさんが…」ポロポロ
ほむら(あのマミさんが…一体どうなってるの…)ガタガタ
ほむら(逃げなきゃ…、いや、違う…このままじゃあの時と何も変わらないじゃない…!
力を…少しでいいから…守れる力を……!!)スッ
ほむら「私が…守る……!」ギンッ
大蛇丸「…フフ、一族の血が騒ぎ始めたようね……」
まどか「ほむらちゃ…ん?」ツー
大蛇丸(ゆっくりと実力を試させてもらおうじゃない…)ニヤ
ほむら「……」ガチャ シュシュシュッ
ザザッ!! ザクッ ザクッザクッ
ほむら( 見える…!)ブンッ
大蛇丸(影風車… まずまずね
私の動きを先読みして確実に急所を狙ってくる
…だけどまだまだ)ザザッ
大蛇丸「甘い!」ガキンッ
ほむら(…かかった!)フッ
大蛇丸「…!!これは…糸を!?」クルッ
まどか「やったぁ!!」
[手裏剣を捕らえる大蛇丸]
ほむら「…く、」ジリッ
大蛇丸「フフ、残念だった…、…っ!?」
ほむら「フフ…」ピンッ
大蛇丸(糸を歯で固定して…!それにあれは寅の印!?)
ほむら(火遁 龍火の術ッ!!)ゴゴゴゴゴゴッ
[炎が糸を伝って大蛇丸の顔を襲う]
ほむら「はぁ…はぁ……」ジッ
大蛇丸「その齢で写輪眼をここまで使いこなせるとは…
女の子とはいえ、さすがうちはの名を継ぐ子ね」
まどか「ほむらちゃん…!」ダッ
大蛇丸「…色々と君たちの力が見れてうれしかったわ」スッ
まどか「!」ガッ
ほむら(金縛り…!)ガッ
大蛇丸「やっぱり兄妹だわね…あのイタチ以上の能力を秘めた目をしてる」
ほむら「!!…あなたは一体何者なの!?」
大蛇丸「私の名は大蛇丸…もしあなたが私に再び出会いたいと思うなら
この試験を駆け上がっておいで…」ボウッ
まどか「あっ 巻き物が…!」
ほむら「どうしてあなたは私に固執するの…?」キッ
大蛇丸「私ならあなたの力になれると思って」
ほむら「…どういうこと?」
大蛇丸「あなたがお兄さんと闘うための手助けをしようとね…」
ほむら「…!!あの人は関係ない…私はあの人とやりあうつもりはないわ…!」
大蛇丸「あら?実の兄に一族を皆殺しされたって言うのに恨みもないなんて
とんだお人よしね」フフッ
ほむら「っ…!」グッ
まどか「えっ…」
大蛇丸「もし、もう一度イタチがあなたの大事なものを奪うとしたら…
あなたはどうするの?ほむらちゃん」
ほむら「…!なんですって…」
大蛇丸「私とイタチは数年前同じ組織にいてね…彼のことなら色々知ってるわ」スッ
ほむら「!?」
大蛇丸「もちろん…彼の狙いも」ズオオオオオ
[たちまち首がのびて、ほむらの首筋に噛みつく]
まどか「いや…!」ガタガタ
ほむら「い”…ッ!!」
大蛇丸「…春野…まどか」ボソッ
ほむら「…ッ!?」
大蛇丸「ほむらちゃんは必ず私を求める…力を求めてね」
ほむら「ぐっ…なに……ッ、くるし…!」ズキンッ
まどか「!!…あなた、ほむらちゃんに何をしたの…ッ!?」
大蛇丸「…別れのプレゼントをあげたのよ」ズズズ
パキ パキ…
ドクンッ・・・!
ほむら「うあああああああああああああああ!!!」 ズギズギ
まどか「ほむらちゃ…!し…しっかりして!ほむらちゃん…!!」 ポロポロ
ほむら「う…ぐ……ッッ、」ドサッ
まどか「い…いや…!いやだよぉ…ほむらちゃん……ッッ!!」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
ほむら「ここは…どこ…?私、死んじゃったの…?」
「お父さんも、お母さんも死なずに済んだのに…」
ほむら「…!誰!?」バッ
「私に力がなかったから…一族は滅んだの……」
ほむら「昔の私…?」
「あなたが見殺しにしたのよ……ただ見ているだけだった…」ペリッ
ほむら「な…何…!?」ビクビク
大蛇丸「力があれば…」
ほむら「いや…ッやめてえええええええ!!!!」
・・・・・
ほむら「…ッ!」パチッ
ほむら(さっきのは…夢?)
ネジ「マイナーの音忍風情が…そんな二線級をいじめて勝者気取りか」
ほむら(何…?一体どうなってるの…!?まさか私が倒れている間に敵が…!)
リー「う…ッ」
ほむら(あれは…最初戦ったリーさん!……それに8班のみんなも…)
ネジ「ヘマしたな」
テンテン「リー…」
ネジ「そこに倒れてるオカッパ君は俺のチームなんだが…よくも好き勝手やってくれたな」ギロッ
ほむら(まどかさんとマミさんは…!?)キョロキョロ
ほむら(マミさんはまだ目を…
まどかさん!?どうしてそんなに…ボロボロなの!!)グッ
ネジ「これ以上やるようだったら全力で行く」
ネジ(ん、このチャクラは…)
音忍1「フフ…気に入らないのなら…格好つけないでここに降りてきたらいい」
ネジ「いや、その必要はないようだ…」スッ
ほむら(…許さないッ!!)ムクッ
まどか「ほむらちゃん!!目が覚め…」
まどか(…え?ほむらちゃんの様子が…)ビクッ
いの(!!ほむら…どうしちゃったの!?)
シカマル(なんだ…ありゃ…!)ゾクッ
チョウジ(かなりヤバそう…)
ほむら「まどかさん……誰なの…。あなたをそんなに…傷つけたのは……」ギロッ
まどか「ほ…ほむら…ちゃん?」
音忍1(呪印が…体を取り巻いている!?)ゾクッ
ほむら「誰…」
音忍2「俺らだよ!!」
ほむら「…あなたなのね」 ゴゴゴ
音忍1(チャクラがでかすぎる…!)
音忍2「おい!こんな死にぞこないにビビるこたぁねェぞ!!」バッ
ほむら(力が湧いてくる…これがあの人が言っていたチカラなのね)
音忍1「よせ…!分からないのかッ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・
ほむら「・・・・」
バキボキボキッ [両腕を粉砕される]
音忍2「ぐあああああああああッ」
ほむら「…残るは、あなただけね」ギロッ
ほむら「あなたはもっと楽しませてちょうだい…」フフッ
音忍1「や…やめてくれ…!!」ガクガク
まどか(や…ッ……こんなのほむらちゃんじゃないよ…!!) ガクガク
まどか「やめて…ッ」ダキッ
ほむら「…!」
まどか「お願い…もうやめて…」ポロポロ
ほむら「くっ…」ドサッ
まどか「ほむらちゃん!!」
音忍1(呪印が引いていく…とりあえずは助かったか)
音忍1「君は強い…今の僕たちじゃ到底敵わない…」
ほむら「!!」
音忍1「手打ち料です…ここは一旦引かせてください」スッ
[地の書を差し出す]
まどか「待って…!大蛇丸って人、ほむらちゃんに何をしたの!?」
…何でほむらちゃんに!!」キッ
音忍1「分からない…僕たちはただほむらさんを殺るように命令されただけだ」スタスタ
シカマル「…オイッ!大丈夫かよお前ら!!」
ほむら「私は…いったい…」フルフル
まどか(ほむらちゃん…)
・・・・・・・・・・・・・・
――第二試験 4日目―――
マミ「私が気を失っている間にそんなことが…本当に、ごめんなさい」
まどか「謝らないで、マミさん!」
まどか「こうやってマミさんもほむらちゃんも目を覚ましたんだし」
マミ「いいえ…あの時私が感情だけで動いてしまったから
大蛇丸ってやつを挑発してしまって、結果的に返り討ちにあった…
リーダーとして失格よ」
ほむら(まどかさん…呪印のことはマミさんには言わないで)ヒソヒソ
まどか(でも…!)ヒソ
ほむら(お願い…)ヒソヒソ
まどか(…分かった)ヒソ
ほむら「それより巻物のことについて考えましょう」
マミ「そうね…この試験が始まって4日が経つし
かなりのチームが合格してるかもしれないわね」
まどか「さっきも言ったように、大蛇丸が私たちの天の書を燃やしちゃって
音忍が地の書を置いて行ったの」
ほむら「つまり、天の書を燃やした時点で合格チームは一組減ったってことです」
まどか「それに木の葉の人達と別れて傷の治癒の2日当てたから
移動距離も伸ばさなきゃ…」
マミ「…いずれにしても次の敵がラストチャンスってことね!」
カブト「…おや?君たちは…!」
ほむら「…!」
まどか「カブトさん…?」
マミ「…どうしてここに?」
カブト「ちょっと仲間とはぐれちゃってね、ちょうど探してたところなんだ」
ほむら「あの…カブトさんたちはもう巻物はそろってるんですか?」
カブト「ああ、だから塔へ行きながら探そうと思ってね」
マミ「…そうですか」
カブト「その様子じゃ、まだそろってないみたいだね」
まどか「…ッ、」
マミ「じゃあ…勝負をしましょう」
ほむら「マ…マミさんッ!」
カブト「フッ…本気かい?」
マミ「冗談に見える、と…?」
カブト「うそだね」
マミ「…ッ、何ですって!?」
カブト「君は自分で言っているほど心を徹しきれてないな…」
カブト「もし君がこの試験にシビアになりきれるのなら
・・・なぜ僕に勝負を挑む必要がある?」
マミ「!!」
カブト「わざわざそんな宣言をせずに、僕が油断している隙に襲えばいいのに…
それが忍者だ」
マミ「…」ギリッ
カブト「まぁ、僕はそんな君たちが嫌いじゃないよ
だから教えよう…君たちの進むべき道を」
ほむら「えっ…!」
まどか「本当に…!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほむら達の前に現れたカブトのアドバイスによって、
第7班は天地両書を手に入れ、無事に中忍試験第2試験を通過。
通過者は7チーム計21名。通過者多数の為、
5年ぶりに中忍試験第3試験の予選が執り行われることとなった。
マミ(26チーム中7チームしか残らないなんてね…)
まどか(木の葉の新人みんな受かったんだ…よかった)
ほむら(あんまりいい予感はしないなぁ…、ッ!)ズキッ
ハヤテ「ゴホ…第三試験官の月光ハヤテです…」
試験の前に、体調の悪い方や辞退したい方は…手をあげてください」
カブト「あのー…僕はやめときます」スッ
マミ「えっ!?」
まどか「そんな…!」
ほむら「カ、カブトさん…!」
ハヤテ「えーと…木の葉の薬師カブトくんですね
…では、下がっていいですよ ゴホッ
他に辞退者はいませんか?言い忘れていたんですが
ここから先は個人戦ですので自分自身の判断で手を挙げてくださいね…」ゴホッ
まどか「カブトさん…!どうしてやめちゃうんですか!?」
カブト「すまない…だけど、僕の体はもうボロボロなんだよ…
それに命懸けの戦いになるとまで言われたら僕にはとても…」
まどか「そんな…」
カブト(これでもスパイなんでね…本当の顔を晒すわけにはいかない
それに…あなたがご覧になるのなら
僕の情報収集役も用済みですね…大蛇丸様)ニヤリ
音上忍(大蛇丸)「・・・」フフッ
ほむら「…ッ!!」ズキン
ほむら(うっ…痛みの波が…だんだん短くなってきた…ッ)ズキズキ
まどか「…!ほむらちゃん、この予選、やめた方がいいよ!!」ヒソヒソ
ほむら「大丈夫…ッ、心配はいらない、よ」ヒソヒソ
まどか「だってほむらちゃん変だよ…!あの痣をつけられてからずっと…
今でも痛むんでしょ?その痣…ッ」ヒソヒソ
マミ(…アザ?)
まどか「お願いほむらちゃん…無理、しないでっ…!」ジワッ
ほむら「私は…、平気よッ…」ヒソヒソ
まどか「ほむらちゃん…!私、怖いの…ッ」フルフル
―――――私にもう一度会いたければ…この中忍試験を勝ち上がってきなさい
ほむら (もう一度あの人に会って、確かめなきゃ……あの男の狙いを…!)
ほむら「私は…この試験勝ち上がらなきゃいけないのっ…」
まどか「どうしてっ…そこまでしてっ…」
まどか「私、もうほむらちゃんの苦しむところ…見たくないよ…!」ポロポロ
ほむら「ごめん、まどかさん…」 ギュッ
マミ「ほむらさん…あなた、何か隠してるんじゃ…」
ほむら「なんでもないです、平気…」
マミ「・・・・」
ほむら「くっ…!」ズキンッ
火影「…やはりな」ボソッ
アンコ「やはり彼女は試験から降ろし…暗部の護衛を付けて隔離すべきです…!」コソコソ
カカシ「いやぁ~、そう素直じゃないよ、あいつは…」
アンコ「…!?」
カカシ「一見大人しそうに見えて頑固だからねー
…なんせあのーうちは一族ですからぁ」 ハハッ
アンコ「何バカ言ってんのよ!力づくでもやめさせるわ…!」
アンコ「チャクラ練りこんだだけでも呪印が反応して無理に力を引き出させるのよ!
あの子が耐えてるだけでも不思議よ…
ホントならもうとっくに死んでるわ!」
火影「大蛇丸の言ったことも気にかかる…
ほむらはこのままやらせ様子を見ていく」
アンコ「ほ、火影様…ッ!」
火影「ただし呪印が開き力が少しでも暴走したら止めに入れ」
イビキ「はい」
ハヤテ「えー、これから第三試験を始めます。ルールは一切なしです
どちらか一方が死ぬか倒れるか、あるいは負けを認めたら終了です… ゴホッ
対戦者はあちらのボードに表示されます
…ではこれより第一回戦を始めます」
{ ウチハ・ホムラ vs アカドウ・ヨロイ }
ほむら(…ッ!いきなりなんて…)ゴクッ
まどか「そんな…!なんでほむらちゃんが…ッ!」
ハヤテ「では両者前へ…」
マミ (ほむらさん…頑張ってね…!)ギュッ
カカシ「・・・」テクテク
カカシ「ほむら…写輪眼は使うな」ボソッ
ほむら「…!知っていたんですね」コソッ
カカシ「その呪印が発動すれば…お前の命に関わる…」ボソッ
ほむら「…分かってます」コソ
カカシ「ま、その時は試合中止…俺がお前を止めに入るから…よろしく」
ほむら (…中止ッ!?
この呪印は私のチャクラに反応する…術も使えない…)
写輪眼はもちろん使えない…どうすれば…)
ハヤテ「それでは…始めてください…」ゴホッ
ヨロイ「行こうか」
ほむら「ええ」
ヨロイ「・・・」ブゥン
ほむら「っ…!」シュシュシュ [手裏剣を投げる]
ほむら「いっ…!」ズギッ
ヨロイ「・・・」ザッ [手裏剣をよける]
ヨロイ「決まりだ!」ドゴッ
ほむら「うっ…!」 ズサッッ
ヨロイ「・・・・」ブゥンン
ほむら「あれ…?力が…」ヨタッ
ヨロイ(チャクラを吸い続ければkoだ)ククッ
ほむら「フッ…!」 ドカッッ
ヨロイ「グアッ…!」 ズサァァァッ
ヨロイ (馬鹿なっ…!まだ動けるだと…!?)
ほむら(危なかった…全部吸い取られるところだった…)ハァハァ
まどか「・・・ほむらちゃんッ!」グスッ
マミ「いつものほむらさんらしくないわね…」
我愛羅 (うちはほむら…この程度か)
リー(ほむらさん…!)
ほむら(…あの人は!そっか…もうこれしかないッ!)グッ
ヨロイ「よそ見している暇なんてないだろうッ!」 ダダダダッ
ほむら「…ッ!」ドガッッ
リー(あれは僕の…!!)
ほむら「ここからは私のオリジナルです…」フッ
ヨロイ「影舞葉…だとッ!?」
ほむら「!!」ズキンッ
ほむら(そんな…ッ、チャクラを使ってないのに反応するなんて…!!)ゴホッ
音上忍(大蛇丸)「・・・」ニヤッ
火影「!!」
カカシ(…ここまでか)
ほむら(もうあの子に…心配かけちゃいけない!!)スッ―
音上忍(大蛇丸)「!!」
カカシ「!!」
アンコ「!!」
火影(呪印が引いた…!)
ほむら「…いきます、」ガシッ
ヨロイ「!!」
ほむら「ッ!!」ドゴッ
ヨロイ「甘いなッ!!」
ほむら「まだまだ…!」 ドゴォッ
ヨロイ「グハッ…!」 ズガガッ
まどか「…!ほむらちゃ」
ほむら「はぁ…はぁ…」ヨロッ
ヨロイ「・・・」
ハヤテ「…勝者、うちはほむら」
マミ「やったわね…!」
カカシ「ま、よくやったな!」
ほむら「…カカシ先生」ホッ
まどか「よかった…!」ジワッ
カカシ(しかし何て奴だ…
開眼後、間もないのに写輪眼をここまで使いこなせるとは…)
音上忍(大蛇丸)「素晴らしい…」ペロッ
カカシ「ほむら、これから奥に連れて行ってお前の呪印を封印する」
ほむら「!
…はい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カカシ「よし、少しの辛抱だ…」
ほむら「・・・」ギュッ
カカシ「封邪法印!!」バッバッバッ
ほむら「!!」ズキンッ
ほむら「う、ぐ……あッ!!」 ズズズズ
ほむら「くっ!」 ズズッ
カカシ「今度もしその呪印が動き出そうとしても
この力がそれを抑え込むだろう、ただし…」
ほむら「はぁ…はぁ…」
カカシ「この封印術はほむら…お前の意志の力を礎にしている」
カカシ「もしお前が己の力を信じずその力が揺らぐようなことがあれば
…呪印は再び暴れ出す」
ほむら「・・・・」フラッ ドサッ
・・・・一カ月後
――第三試験本戦――
まどか「ほむらちゃん…どうしたんだろう」ソワソワ
マミ「まどかさん!」
まどか「マミさん! 一回戦突破おめでとう」
マミ「ありがとう!なかなかキツイ戦いだったけど、なんとかね…
それよりほむらさんはまだ着いてないの?」
まどか「うん…ほむらちゃんってカカシ先生と一緒に修行してるんだよね?」
マミ「ええ、私が先生と会ったときはそう聞いたけど…
このままじゃ彼女、失格になるわよ」
まどか「えっ…そんな!」
ヒュゥ…
まどか「…?」
マミ「フフ、来たみたいね」
ザザッ
まどか「ほむらちゃん……!!」
カカシ「いやぁ~お待たせしちゃって!」
ほむら「すみません…あの、時間は?」
ゲンマ「ギリギリだな」
ほむら「よかった」ホッ
カカシ「…千鳥は2回まで
それ以上はチャクラ切れで死ぬぞ」ボソッ
ほむら「分かりました…」
我愛羅「・・・」ジッ
ゲンマ(第三試験官)「皆様、おまたせして申し訳ありません
これより、木の葉・うちはほむらと砂・我愛羅の試合を開始します」
・・・・・
ほむら「はぁ…はぁ…」バチバチ
ほむら(千鳥でやっとまともな攻撃を当てられたけど…この術もあと一回)
我愛羅「グアアアアアアアアッ」ズズ
[砂の球体の中に身を潜める]
ほむら(それまでにあの砂の絶対防御をどう崩せるか…)ズボッ
[我愛羅の砂から引き抜いたほむらの腕に絡みつく異様な腕]
ほむら「ッ、何!?」ブンッ
ほむら(あ…あの眼は…なんなの!?)ゾクッ
我愛羅「グググ……」
――――― シュタッ
ほむら「!?」
テマリ 「我愛羅ッ!」
カンクロウ「まさか…ヤツが目覚めようとして…!」
バキ(砂上忍)「作戦は中止だ、お前たちは我愛羅を連れて一旦退け!」
テマリ「でも…!」
バキ「いいから行け!」
カンクロウ「分かった…」
我愛羅「う…ぐ…」
ザザッ [テマリとカンクロウが我愛羅を連れて逃げる]
ほむら「!?」
ゲンマ「…中忍試験はここで終わりだ、とりあえずお前は我愛羅を追え」
ほむら「でも…っ!」
ゲンマ「お前はすでに中忍レベルだ
これは木の葉と砂の戦争…
お前も木の葉の忍なら里の役にたて!」
ほむら「…はい」ザッ
――里外れ雑木林――
ほむら (一体何が起こってるの…!?どうして砂が…
それに会場に結界を張っていたのは音忍だった…
まさか… 砂と音が組んで木の葉を崩そうとしてる…!?
7班のみんなは… まどかさんは…無事なの…!?
いや、今は目の前の任務に集中しないと…
…みんなはきっと大丈夫!)ザッ
・・・・・
ほむら「はぁ…はぁ……追いついた…」 スタッ
テマリ「うちはほむら…!」 スタッ
カンクロウ「くそっ…もう追いつかれたか!」 スタッ
ほむら「あなたたち、一体何が目的なの…?」
カンクロウ「そんなん言う訳ないジャン!」
テマリ「とっとと退きなよ、今のこの状況…
あんたの方が圧倒的に不利なんだからさ」
ほむら「…ッ」 ジリッ
「それは分からないな。なぜなら…」
ほむら「あなたは…!」
シノ「うちはほむら、お前の服に俺の蟲を一匹仕込ませてもらった」
ほむら「…ありがとう、助かったよ」
テマリ「チッ…めんどくさいのがちょこちょこと…!」
カンクロウ「我愛羅を連れて先に行け!ここは俺が足止めする」
テマリ「カンクロウ…!」
カンクロウ「こいつをやったらすぐに追う」
テマリ「すぐに来いよ…!」シュタッ
シノ「ほむら、お前はやつらを追え。すぐに追いつく」
ほむら「シノくん…!お願い!」シュタッ
・・・・・・
我愛羅「テマリ…降ろせ」
テマリ「が…我愛羅!でも今は…」
我愛羅「…いいからおろせ!」バキッ
テマリ「グッ…!!」ズザザザッ
ほむら (仲間にあんなことを平気で…)スタッ
我愛羅「グ…アッ…」ズキン
ガクッ [我愛羅、崩れ落ちる]
ほむら ( どうして頭を抱えて…
試合ではそんなにダメージは与えられてないはずなのに
それにさっき見せたあの‘眼’は…ッ)ゴクリ
我愛羅「・・・・」ズズッ
[砂の守鶴の腕が出始める]
ほむら(あれは…!)バババッ
ほむら「…千鳥っ!」ダダダダダッ
ズガガガガッ
我愛羅「グオオオオオオオ!!!」
ほむら「当たった!……ッ!?」ザザッ
ほむら(今度は尻尾…!?)
我愛羅「ウガアアアアアアアア」
ほむら(千鳥が…効いてない!)
我愛羅「アアアアアアアア!!」ビュン
ほむら「早い!!」ザザッ
ほむら(千鳥ももう2回使ってしまった…千鳥以外となれば…)ババババッ
ほむら「火遁・豪華球の術ッ!!」ゴオオオオオ
我愛羅「・・・・」ズズズッ
ほむら(やっぱり効かない、か…)クッ
―――…千鳥の限界は二度までだな。それ以上はチャクラ切れで死ぬぞ
ほむら(幸いチャクラはまだあるけど…これ以上は私の体が持ちそうにない。でも…!)
ほむら「・・・・」ババババッ
ほむら「千鳥ッッ!!」チチチチチッ
ズガアアアアアッ
我愛羅「・・・!」ズルッ
[守鶴の右腕が落ちる]
ほむら「やった…」ザザッ
ズキンッ
ほむら(…ッ、こんな時に…呪印が!!)ガクッ
我愛羅「」ザザッ
ほむら(やられる…ッ!)ギュッ
ドガッッ!!
我愛羅「!?」
マミ「おまたせ!」ザザッ
まどか「大丈夫!?ほむらちゃん!」ザザッ
ほむら「うッ…二人とも…ここは危ないから早く逃げて…!」
マミ「何言ってるの!あなたを置いて逃げられるわけないでしょ」
我愛羅「ッ・・・!」ザザザザッ
カチャッ [ほむらを庇うようにクナイを構えるまどか]
まどか「ほむらちゃんは私が…!!」ザッ
我愛羅「グアアアアアアアア!!!」 頭を抱えて痛がる
ドガッッ [巨大な砂の手で木に抑え込まれるまどか]
まどか「きゃッ…!!」グタッ
ほむら「まどかさんッッ!」
我愛羅「…ッ…こいつらは…お前にとって何だ…!!」ズキン
マミ「大切な仲間よ!!」
ザラッ [まどかを押さえつけながら砂の腕を切り離す]
まどか「ウッ…」
我愛羅「時が経つごとに腕はあいつを締め付ける…」
ほむら「まどかさんを離して…ッ」ジワッ
我愛羅「…目障りだ」ギロッ
マミ ( なんて寂しい目なの…本当の孤独を知る眼…)
マミ(幼い頃の私と同じなのね…一人ぼっちで…恐れられて
私は7班のみんなが…仲間が出来たからもう一人じゃないけど
あの子はずっと一人で…)ギュッ
マミ「…ほむらさん、まどかさんをお願いね」
ほむら「マミさん…?」ビクッ
マミ「あいつは私が止めるわ」
ほむら「そ、そんな…無理です!マミさん死んじゃいますよ!
あの人は…化け物なんですよ!?」
マミ「化け物、ね…だからなのよ」
ほむら「…?」
マミ「…化け物を止めるには‘同じ’化け物じゃないと、ダメでしょう?」
ほむら「えっ…」
マミ「私も生まれつき‘この中に’化け物飼ってるの」バババババッ
ほむら「!?」ビクッ
マミ「…多重影分身の術ッ!」ドドンッ
我愛羅「クク…」ズズズ
マミ「これで終わりよおおおおおおおおおおおッ!!」ダダダダダッ
ドガガガガガガガッ
我愛羅「…甘い」ククッ
ズガアアアアアアアアアアン!!
ボフッ ボッ ボフッ
マミ「…ッ!?」ザザザザッ
我愛羅「…狸寝入りの術」ボソッ
マミ(何かしら…)
我愛羅「ハァハハハハハハハハッ!!!」ズズズズ
[守鶴完全体]
マミ「あれは…ッ!こうなったらあの術を…」バババババッ
マミ「口寄せの術ッ!!」
ドドンッ
ガマブン太「なんじゃぁ…また小娘が呼び出したんかー?」
マミ「もう…小娘じゃないって言ってるでしょう、ガマ親分!」
ほむら「何…あれ…」
ほむら (マミさん、いつの間にあんなに力を…!
私はまた…守れなかったのに……
私は…弱い……
弱い……)
・・・・数日後
――木の葉繁華街――
ほむら(まさか大蛇丸の狙いが木の葉崩しだったなんて…)テクテク
―――…イタチの狙いは 春野まどか
ほむら(あの時の言葉は私をけしかけるための罠だったのかな
でもあの人が私の写輪眼をねらっているっていうことは事実だし…もっと強くならないと!
三代目も亡くなって里が混乱状態で、
カカシ先生達は毎日任務に追われてる…
そんな先生がやっと時間を作って修行を見てくれるんだから、頑張ろう!)テクテク
ザワザワ…ソワソワ…
ほむら(…?どうしたんだろう、いつもより様子が変…
上忍達が立ち回ってるなんて、何かあったのかな?)
ほむら「あ…あの、何かあったんですか?」
上忍1「ッ!君は…カカシのとこの…」オドオド
ほむら「…?カカシ先生に何か…?」
上忍1「あ、あぁ…ちょっとな、体調くずしたみたいで…病院に…」
ほむら「 !?
…今も病院にいるんですか?」
上忍1「い、いや…あの、多分そこまで重い症状じゃないみたいだったから…家じゃ…」
ほむら「ッ、ありがとうございます!」タタタタッ
上忍1「あっ!ちょっと君ッ…」
ほむら(カカシ先生大丈夫かな…
症状は重くないって言ってたけど病院に運ばれたってことは
今日の修行は出来そうもないよね…)タタタタタッ
――カカシの家――
アスマ「カカシがここまでやられるとはな…」
ガイ「あいつらの目的は一体何なんだ!!!」
紅「ちょっとガイ!病人がいるのよ、静かにして」シー
ガイ「す、すまん」
アスマ「時期火影様がまだ決まってない時期にこれじゃ…」
…トントン
アスマ「!」
紅「私、出るわ」
ガチャッ
ほむら「カカシ先生、大丈夫で…ッ…!」
紅「ほむら…」
ほむら「どうして紅先生が…それに上忍の先生がこんなに集まって…」
紅「…あなた、今日はとりあえず帰りなさい」
ほむら「?」
ダダダダダッ
上忍2「オイ!カカシがイタチにやられて寝込んでる本当か!?
それにうずまきマミを追ってるって…」
ほむら「!?」
アスマ「あー…」
紅「バカッ!」
ほむら「・・・・」ダダダダッ
紅「ほむらッ!」
ほむら(何で…ッ何で!
どうしてあの人が…!
それにマミさんを追ってるってどういう事…!?
そういえば…!)ザッ
―――… マミ 「私、明日からしばらく師匠と修行に出るの!」
ほむら「…ッ 里外か!」ザッ
―――木の葉隠れの里・大門―――
ほむら「すみませんッ!!」ダダッ
門番「…何だ?」
ほむら「あの、今日…マミさん…
えっと金髪の巻髪の女の子が誰かと里を出ませんでしたか!?」ハァハァ
門番「金髪の女の子と、ねぇ……
あぁ!ひょっとして自来也様と一緒の女の子のことかい?」
ほむら「自来也、様…?」
門番「伝説の三忍の一人だよ。
白髪で‘油’と書いた額当てをしている50歳位の男の人さ」
ほむら「その自来也様達、どこに行くか知ってますか?」
門番「さぁ?詳しくは聞いてないけど、確か宿場町方面に歩いて行ったなぁ…」
ほむら「宿場町…ありがとうございます!!」ザッ
ほむら(早く…探さなきゃ…!!)ザッ
―――宿場町―――
ほむら「こんなに宿があるなんて…!」ハァハァ
ほむら(仕方ないけどこれを虱潰しに探していくしかなさそう…!)ダッ
ガラッ
ほむら「あのッ…すみません!」
・・・・・
マミ「…まったく、自来也先生ったらすぐ女の人に釣られるんだから!
これじゃあ新術も完成はいつになることやら…」ヤレヤレ
――トントン
マミ「!」
マミ(自来也先生、財布でも忘れたのかしら?)
マミ「はーい、今出ます!先生、財布を忘れるなんて何やって…」
ガチャリ
マミ「!!」
イタチ「・・・」ジッ
マミ(誰…?ほむらさんと同じ…写輪眼…!)ビクッ
鬼鮫「しかしこんなお子さんに九尾がねぇ…」
マミ「ッ!」ジリッ
マミ(どうして九尾のことを知ってるの…!?)
イタチ「うずまきマミ、一緒に来てもらおう」
マミ「!?」
・・・・・・・・・・・・・
ほむら「マミさん…!!」
ガラッ
金髪少女「!!」ビクッ
老人「!!」
ほむら(ここも違う…)クッ
ほむら「すみませんッ」ダッ
ほむら(一体どこなの…!?)ダダダッ
―――…愚かなる妹よ
ほむら(…近くにあの人がいる!!)ギリッ
マミ「~~の!…――!?」
ほむら「!!」スタッ
ほむら(マミさんの声…!)ダダダダッ
ほむら(…いた!!)
イタチ「・・・」
鬼鮫「じゃぁ…」 [刀を振り上げる]
マミ「…!」ビクッ
ほむら「・・・」ザッザッ
イタチ「久しぶりだな…ほむら」
鬼鮫「!」チラッ
ほむら「うちは…イタチ……」
マミ「ほむらさん!?」
鬼鮫「おやおや、今日は珍しい日ですねェ…
二度も他の写輪眼が見れるとは」
ほむら「…この人に手は出させない!」ギロッ
マミ(うちは…イタチ…?)
ほむら「・・・」ギリッ
イタチ「・・・」
鬼鮫「しかもあなたによく似ている…何者なんです?イタチさん」
イタチ「俺の…妹だ」
マミ「!!」
鬼鮫「うちは一族は皆殺しにされたと聞きましたが…あなたに」
ほむら「…ッ」ビクッ
マミ(皆殺し…!?いったいどういうことなの…!)
イタチ「恐れがあるな……あの時言ったことを忘れたか」
―――…俺を殺したくば憎め…恨め…そして醜く生き延びるがいい
ほむら「・・・」カタカタ
ほむら「私は…自分の大切なものを守る…それだけよ」ギュッ
イタチ「・・・」ギロッ
マミ(この威圧感…まずいわ)ゴクリ
ほむら「今度こそ必ず…あなたから守ってみせる!!」バチバチ
イタチ「…千鳥?」
ほむら「はあああああああ!!!」ダダダダダッ
ズガッ
イタチ「・・・」シュッ
バシッ!! [ほむらの腕を掴む]
ほむら「!?」バチチッ
マミ(千鳥をいとも簡単によけるなんて…!)
ほむら「…ッ」ジッ
イタチ「・・・」
マミ(私がなんとかしないと…!)ブゥゥゥン
ゾゾゾゾッ
鬼鮫「!」
鬼鮫(チャクラが空間を埋め尽くしていく…ここまですさまじいものとは!)
イタチ(これが九尾のチャクラか…)
ほむら「くっ…離し」グイッ
イタチ「…邪魔だ」ボキッ
ほむら「い゛…ああああッ!!」ドサッ
マミ「ほむらさん!!」
マミ(くっ…!忍法口寄せの…)バッ
鬼鮫「遅い!」シュッ
マミ(あれ…っ?チャクラを感じない!?)
鬼鮫「私の鮫肌はチャクラを削り…喰らう」
マミ「ッ!」
鬼鮫「ちょこまかやられると面倒なんですよ、
まずはその腕から斬り落としましょうか…」カチャッ
マミ「!!」ギュッ
ボフンッ [気絶した女を担いで自来也登場]
自来也「お前らワシのことを知らなさすぎだのう…」
鬼鮫「!!」
マミ「自来也先生っ!」
イタチ「…ッ」
自来也「この男 自来也!女の色香にホイホイついていくよーにゃできとらんのう!」カッ
マミ「…女の人のウインクなんてベタなお色気にはしゃいでたくせに!」ボソッ
自来也「な、何おう!?ワシくらいになれば己の色香で女がはしゃぐんじゃ!」
イタチ「…」
鬼鮫「さすが伝説の三忍…あなたがいくら無類の女好きといえ
そう簡単に足止めできるとは思いませんでしたが…
どうやらその女にかけていた幻術も解いたようですね」
自来也「ワシとマミを引き離すために女を利用するたァ…
男の風上にも置けな奴らじゃのう」
マミ(引き離すって…どういう事!?)
自来也「目当てはやはりマミか」
イタチ「…道理でカカシさんも知っていたはずだ。
なるほど、情報源はあなたか
うずまきマミを連れて行くのが…
わが組織‘暁’から下された我々への至上命令」
マミ(私を…!?)
自来也「…マミはやれんのう
ちょうどいい。お前ら二人はワシがここで始末する!」
ほむら「…手を、出さないでください」フラッ
自来也「!」
ほむら「それだけじゃ、ないんでしょう…」
イタチ「…?」
ほむら「あなたの狙いは…!」ギロッ
イタチ「…気づいたようだな。情報源は…大蛇丸といったところか」
自来也「・・・」
ほむら「…ッ、今度こそ…絶対に…」ギリッ
マミ(ほむらさん…)
イタチ「…今のお前などに興味はない」
ほむら「はぁ…はぁ……させない!」ジリッ
イタチ「・・・」ドガッ [ほむらの腹を蹴飛ばす]
ほむら「ぐ……はっ…」ダンッ
マミ「ほむらさん…!」タタタッ
ほむら「マミさん!手を出さないでって言ってるでしょう!!」プルプル
イタチ(もはや印も結べぬ分際が…)
ほむら「これは…私の戦い…!」
イタチ「・・・」ザッザッ
自来也(復讐…か)
ほむら「はぁ…はぁ……」ヨロッ
イタチ「・・・」ドスッッ
ほむら「かはっ…!」
ほむら(…何で…何で)ガタガタ
イタチ「」ガッ
ほむら「ぐはっ!!」
ほむら(あの日から何も縮まらないこの差はなんなの…!)ガクガク
鬼鮫「…容赦ないですね」
マミ「…ッ!」フルフル
ほむら(私は…今まで何を…)ガクッ
イタチ「・・・」ガッ
ズズズズ [ほむらの首を締め上げる]
ほむら「ぐっ…」
イタチ「・・・」スッ
イタチ(…月読)
ほむら「!!」ドクンッ
――月読世界――
ほむら「どこっ…!ここは!?」キョロ
イタチ「・・・」
ほむら「!!」
イタチ「守る力などと甘い戯言をのたまっているから本当の力を得られないのだ」
ほむら「!?」
イタチ「本当の力とは憎しみからしか生まれない…
家族を失った憎しみを忘れる時点で
お前にとって家族とはそれだけの価値だったのだ」
ほむら「違うッ!!私にとって家族は…」ジワッ
イタチ「今から24時間…‘あの日’を彷徨え」シュッ
―――…「さすが俺の子だ」
ほむら「お父さん…?」
―――…「ほむら、あなたはあなたのままでいいのよ」
ほむら「お母さん…!」
――――ザシュッッ!!
ほむら「いやあああああああああああああああああああああ」
・・・・・・・
ほむら (お父さん……お母さん……
守れなくて…ごめんなさい……
ごめんなさい…ッ)
―――ん、……ちゃん!
ほむら(…?)
――…らちゃん!
ほむら(光が…)テクテク
―――ほむらちゃん!
ほむら「…!」パチッ
まどか「ほむら、ちゃん…!」ウルウル
ほむら「…まどかさん?」
まどか「ほむらちゃん…!私…ヒック、倒れたって聞いて…
ほむらちゃん、何日も…っ目を覚まさなくて…グス
このまま…ほむらちゃん……目を覚まさなかったらどうしようって……!」
ほむら「まどか、さん…」
まどか「でもっ…よかっ、た……!うわあああああ」 ポロポロ
ほむら(私は……いったい…)
まどか「やっぱり、綱手様だね…!」グスン
ほむら「綱手…様?」
まどか「うん!マミさんが綱手様を連れて帰ってきてくれて
ほむらちゃんもカカシ先生も治してくれたんだよ!」
ほむら「そうなんだ…」
まどか「それに、五代目火影様になるんだって!」
・・・・数日後、夜
――ほむらの部屋――
ほむら(あの人の狙いはあの二人…
マミさんは組織が狙っているって言ってたけど…まどかさんはなぜ…?
どうしてまどかさんなの…?
マミさんが狙われていることは里の上層部も知っている…
でもまどかさんが狙われていることは?
仮にまどかさんが狙われていることを言っても
まどかさんの何が狙いなのかも分からないから里も信じてはくれない…)
ほむら「やっぱり私一人でどうにかするしか…!」
ガタッ
ほむら「!!…誰?」ビクッ
「気づかれちまったか…」
「まあいい、どうせこれから着いてきてもらうんだからなァ」
ほむら「何なの!?あなた達は…!」
鬼童丸「俺達は音忍四人衆…大蛇丸様の命令でお前を音隠れの里に連れ帰る」
ほむら「大蛇丸…!?」
左近「まぁ、ここで騒いじゃあ邪魔が入る…少し付き合ってもらおうか」
ほむら「!?」
多由也「…大人しくしてれば悪いようにはしない」
次郎坊「行くぞ」
・・・・・・・・・・・・
左近「この辺でいいだろう」
ほむら「いったいどういうつもりなの…!?」ジリッ
鬼童丸「そう焦らんでもいいぜよ、何も殺すわけじゃあるまいし」
ほむら「大蛇丸が今更何を…」
左近「大蛇丸様はチカラを与えて下さるんだよ、お前が今欲しがっている力をな」
ほむら「それってこの呪印のこと?…私はそんな力ほしくない!」
多由也「うっせーなこの雌豚!」
次郎坊「おい多由也、女がそんな言葉づかい…」
多由也「黙ってろデブ!」
次郎坊「・・・」
ほむら「私は私の力で強くなる…呪印なんて関係ないわ」
左近「あの生ぬるい里の中でお仲間とワイワイ修行する、と?」
ほむら「・・・・」
左近「そんなんじゃ強さなんか身につかねーよ」
ほむら「…ッ、やってみなければ分からないでしょう?」バチバチ
ダッ
ほむら「千鳥ッ!!」バチチッ
ドガガガッ
左近「…お前の骨はいい音鳴るんだろうなァ?」ドゴォッ
ほむら「ぐはっ……!!」ザザッ
鬼童丸「なんだァ…こいつ弱いぜよ」
左近「一週間後の夜にここで待つ。力が欲しければ来い」ザザッ
[音忍四人衆、去る]
ほむら「・・・・」
ほむら(ちから……
あの人達についていけばあの子の側にいて守ることはできない
でも、今のままではイタチに敵うはずがない…
大蛇丸についていけば暁の動きも見張れる…
大蛇丸がまた里を襲おうとしても私がいることで牽制になる)
ほむら(そのために私が大蛇丸に利用されようとかまわない…
…それであの子を守れるなら!)
・・・一週間後、夜
――ほむらの部屋――
ほむら「・・・・」 [写真立てを手に取って]
―――…生ぬるい里の中で仲間とわいわい修行する、と?
ほむら(マミさん……カカシ先生…)
―――…そんなんじゃ強さなんか身につかねーよ
ほむら(まどかさん……
…ごめんなさい)
カサッ [眼鏡とリボンを置く]
バタンッ
ほむら(あの子を守れる力が欲しい
…あの子の側にいれなくても)テクテク
まどか「ほむらちゃん…!」
ほむら「!・・・」
まどか(背中の荷物…やっぱり里を出るつもりなんだ!)
ほむら「夜中に…なぜこんな所でうろついてるの?」
まどか「里を出るにはこの道を通るから…いつもここに」
ほむら「…帰って寝なさい」スタスタ
まどか「…ッ」フルフル
まどか「ほむらちゃん…どうして?
ほむらちゃん、大蛇丸に騙されてるよ…!!」ポロポロ
ほむら「・・・」スタスタ
まどか「このままじゃほむらちゃん、大蛇丸に利用されて…それで…
…うっ…!……こ…殺されちゃうんだよ…!!?」ヒック
まどか「こんなの大蛇丸の思うつぼだってどうして気づかないの…ぉ!」ポロポロ
ほむら「まどか…あなたには関係ないわ」スタッ
まどか「!!」ビクッ
まどか「関係あるよ…!!ほむらちゃんは…ほむらちゃんは……
私の一番大切な友達だもん……!!!」
ほむら「・・・・・」フルフル
ほむら(ごめんなさい…私も…あなたが一番の…
だからこそ……)
ほむら「これは私の問題よ。私はあの男を倒さなきゃいけない…
あなたには分からないわ……家族も、友達もいるあなたには…」
まどか「!!」ズキンッ
まどか「その人って…ほむらちゃんのお兄さんなんだよね…?」
ほむら「…そうよ」
ほむら「家族を…一族を奪ったあいつに…復讐をしなければならない
そのためにはこんな里で…
平和に浸かってぬくぬくと暮らしてる暇はないの」
まどか「私…ほむらちゃんのこと信じたいのに…
ほむらちゃんのことうそつきだなんて思いたくないのに…
なんでだろう…ほむらちゃんが言っていること…本当だって思えない…!」
ほむら「・・・」グッ
まどか「大切な人を守りたいって言ってたよね…?
ほむらちゃん、昔…『私にとってまどかさんは大切な初めての友達』
…って言ってくれたよね?
今でもそれが変わらないでいてくれるなら…私も連れてって…っ」
ほむら「…!」
まどか「ほむらちゃん、一人で大丈夫なんて思えない…
私…っ、復讐だって手伝う!ほむらちゃんの力になれるように…
絶対、なんとかしてみせるから!だから…っ」
ほむら「まどか…あなたはどこまで愚かなの?」ファサッ
まどか「ほむらちゃ…」ツー
ほむら「・・・・」スタスタ
まどか「行かないで…!こんなの絶対おかしいよ!!」
まどか「どうして…ほむらちゃんが木の葉を…抜けなくちゃいけないの…っ」ギュッ
フッ [まどかの背後に立つ]
ほむら「まどか…」
まどか「!!」
ほむら「ありがとう……ごめんなさい」
フワッ・・・
まどか「ほむ…ら……ちゃ……ん」フラッ
ほむら(まどか…必ずあなたを守ってみせるわ……)
見ている人いるか分かりませんが、今日はここで終わります。
続きは明日投下します
再開します
――木の葉隠れの里郊外―――
左近「お待ちしておりました、ほむら様」
ほむら「…どういう風の吹き回し?」
左近「里を抜けられたときをもって
あなたは私どもの頭になることに決まっておりました
今までのご無礼をお許しください」
ほむら「…そんなことはどうだっていいわ、行きましょう」ファサッ
・・・・・・
左近「ほむら様、この辺りでいいでしょう…もう木の葉隠れの里は抜けました」
ほむら「…何?」
左近「実は大蛇丸様から仰せつかったことが一つあります…」
ほむら「…?」
左近「あなたに一度死んでもらわなきゃなりません」ニヤッ
ほむら「 !!
一度…死ぬ、ですって?」
左近「この…醒心丸を飲んでもらいます」
ほむら「セイシンガン…?」
多由也「あなたの呪印レベルは‘状態1’
それを‘状態2’に無理やり覚醒させるもの」
左近「そうすると我々と同じ力を手にすることができます…しかし」
次郎坊「覚醒すれば数分ともたず死ぬ」
ほむら「ッ!」
左近「心配はいりません、そのために我々がいるんです」
鬼童丸「我々の結界忍術で副作用を抑え込み、
永久の死から仮死状態へと段階を和らげる」
ほむら「…信用できるのね?」
左近「我々は大蛇丸様の護衛役として存在しています」
ほむら(私はこんな所で死ぬわけにはいかない…)
ほむら「…頼んだわよ」ゴクッ
ほむら「うっ…!」フラッ
ザッ
左近「オイ!ちんたらしてっとほむら様にコロッと逝かれちまう」ボンッ
シュルルッ ボンッ! [巻き物から大きな桶が登場]
次郎坊「・・・」ゴソッ [ほむらを桶に入れる]
左近「位置に付けッ!」ダッ
左近「始めろ!!」バッ
多由也「・・・」バッ
次郎坊「・・・」バッ
鬼童丸「・・・」バッ
ズオオオオオオオオ
『四黒霧陣!!』
ガコンッ!
ススッ…
左近「・・・」カリッ
シュッ
左近「封黒法印!!」
――終末の谷――
ほむら「・・・」ムクッ
ほむら「ここは…」
ズズズ…
ほむら(これが大蛇丸の言っていた力ね…)
ズキンッ
ほむら「くっ!」
ほむら(力が湧いてくる!)
スーッ
ほむら(しかもだんだんと力が馴染んでくるわ…!)
ザッザッ
ほむら「・・・」クルッ
マミ「ほむらさん…!」
ほむら(マミさん、ね)
ほむら「・・・・」スタスタ
マミ「…私から逃げるの!?」
ほむら「今度はあなたなの…マミ」
マミ「ッ!!」
マミ(これが…あのほむらさん?)
―――…まどか「私じゃほむらちゃんを止めることができなかった…
マミさん……お願い…ほむらちゃんを…ほむらちゃんを連れ戻して……!」
マミ「どうしてそうなったの…ほむらさん!」
ほむら「木の葉の生ぬるい中でじゃれあうのはもう終わりよ」
マミ「なんですって…?
チョウジ君…ネジさん…シカマル君…キバ君…リーさん…
…それにまどかさんだって!
みんな命懸けであなたを追ってきたのよ!?」キッ
ほむら「…だからどうしたの」
マミ「あなたは…木の葉の仲間をなんだと思ってるの!!」グッ
ダダダダッ
サッ
マミ(消えた…!?)ハッ
ほむら「やめておいた方がいいわ
今の私とあなたじゃ、やるだけ無駄だから」
マミ「…ふざけないで」ギリッ
マミ「私が絶対に止めてみせる…!」
ほむら「…あなたとは戦いたくないんだけど
…邪魔をするなら仕方ないわね」ファサッ
ザッ ザッ
バババババッ
マミ(影分身の術!!)ボボボンッ
ほむら(空中で影分身なんて意味のないことを)ビュンッ
カッ [クナイを岩に繋ぎ止める]
ほむら「!?」
ほむら(まさか分身を繋げるなんて…!)
ドガッ
ほむら「ぐっ…!」ズサササッ
ボフンッ
マミ「…いい加減目は覚めた?」ハァハァ
ほむら「目ならとっくに覚めてるわ…」フラッ
マミ「!?」
ほむら「平和ボケしたあなた達との未来を夢見る…バカな私から」ドガッ
マミ「ぐはっ!!」
ザバアアアン
マミ「は……っ!…ごほっ…ごほっ!!」ザバッ
ほむら「・・・」
マミ「…今のは本気だったわね」バシャッ
ほむら「…ええ、殺すつもりでね」
マミ「!!」
マミ「!!」
マミ「私…ずっと一人ぼっちだったから…
あなたや…7班のみんなに出会えて本当に幸せだった…
なのに
あなたにとって、私はもう…仲間でも何でもないの…!?」ポロポロ
ほむら(マミ…ごめんなさい)
ほむら「どうかしら」
マミ「…ッ」ツー
ほむら(私のことはもう忘れて…
追いかけないで
そうじゃないと…私は…!)ギュッ
マミ「う…」フルフル
ゾゾゾゾゾ
ほむら「!!」
ほむら(このチャクラは…!!)ゾクッ
マミ「影分身の術!」ボフン
マミ「はぁぁぁぁ!!」バババババッ
ほむら(何なの…この術は!?
私も…!)ババババッ
サザザッ
マミ「螺旋丸…!!」キィィィイン
ほむら「千鳥…!!」バチチチチッ
ドゴオオオオオオオオオッ!!!!
ギュイイイイイイイ
ほむら(くっ…威力が…!)バチチチ
ドバァ [二人とも弾き飛ばされる]
ドドドドドドドドドッ
ほむら「はぁ…はぁ……」ザバァ
ほむら(さっきの千鳥は今までで一番の力だったはずなのに…!)
ほむら(あの術…)
プカ… [水の中から浮かんでくるマミ]
マミ(ほむらさん…)チャポ
マミ(螺旋丸で確かめたかった…
わたしとほむらさんの繋がり…
もう……間違いないじゃない…
あなたは本気で…私を…)フラッ
ほむら(あなたは本気で私を止めようとしてくれてる…
だからこそ私も本気で向かわせてもらうわ
…これ以上巻き込むわけにはいかないから)ズズズ
ほむら「・・・」バババッ
マミ(あぁ…もうこの子の中には私を殺すことしかないのね…)
ほむら「千鳥!」ダダダダダッ
マミ(結局…友達だって思ってたのは私だけなのね
ほむらさん…)
ドシュッ!!
ほむら「ッ!」バチチッ
ほむら「どうして…」
マミ「…ゴフッ!」
ほむら「どうしてよけないの…っ!」フルフル
マミ「ふ…あなただって…急所…外してる…じゃない……」ドクドク
ほむら「くっ…」ズボッ
マミ「・・・・」ゾゾゾゾゾ
ほむら「!!」
ほむら(この威圧感…!)ゾクッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
[九尾チャクラが取り巻く]
ほむら「これは…!」
ほむら(これが暁の狙い……!)
マミ「・・・!」ツー
ほむら「!?」
ほむら(傷が…みるみる治癒していく……そんな!?)
ほむら「あなたは一体…なんなの?」
マミ「…友達よ
だから、あなたを絶対止めるって言ってるの…!
大蛇丸なんかにあなたは渡さない!!」ダダダダッ
ドガッ!!
ほむら「ぐぅっ…!」
バシャ シャ シャ シャッ
ほむら(…重い!)ザッ
ヒュン
マミ「・・・」
ほむら「!」バババッ
ほむら「火遁・豪火球の術!!!」ゴオオオオオッ
マミ「はぁっ!!」ブワッ
ドシャァァァ
ほむら(何…!?チャクラだけでこんな…!)ゴボボッ
ほむら「!!」
ズゴゴッゴゴ!!!
ほむら(早いっ!)
ドバッ!! [水から投げ出されて岩に直撃する]
ほむら「ぐはっ…!」ドカッッ
カッ
マミ「いい加減に目、覚めたかしら…
まだ覚めないって言うのなら…手足折ってでもあなたを止めるわ!」
ほむら「―――……のよ」
マミ「…!」
ほむら「最初から独りだったあなたに…私の何が分かるって言うのよっ!!!」ドガッ
マミ「ぐっ…!」ガガガガッ
ほむら「繋がりがあるから苦しいの… 守れなくて…
それを失うことがどんなものか、あなたなんかに…っ!」
マミ「 ・・・・
本当の親子とか…兄弟とか…私にはよく分からない
でも…」
―――…あの、お隣、いいですか…?
マミ「私にとってはあなたが初めての…っ」
―――…あなたの髪も素敵です!
マミ「…やっとできた繋がりなの!」
ほむら「…ッ!」
ほむら(あの夜…断ち切ったはずなのに…私は結局…っ)
ほむら「…だったら私は」
ほむら(今度こそ…
自分の甘さも、弱さも、感情も)
ほむら「その繋がりを…」
ほむら(…未練も)ギンッ
ほむら「断ち切るだけよ」
マミ「…もう、何を言ってもダメみたいね」
ほむら「…行きましょう」ズズズズ
マミ「・・・・」ゴゴゴゴ
ザッ!!!!
・・・・・・・・
シュル… [額当てを外す]
ほむら「マミ…」
カラン [気絶しているマミの横に額当てを落とす]
ほむら「私は……」
―第一部・完―
~2年後~
――大蛇丸の寝室――
大蛇丸「ゲホッ…ゲホッ」
カブト「もう…限界ですね」
大蛇丸「ゼェ……ゼェ…」ジッ
カブト「これだとランク10の薬を投与しないと体が…」
大蛇丸「そう……フフフ…」ゼェゼェ
カブト「薬を取り換えてきます、少しお待ちください」ギィ…
バタン
大蛇丸「やっとほむらちゃんが……うちはの体が私のものに…!
クク…クハハハハハハハ!!!」
バチッ…
ガガガッ [雷遁の槍が大蛇丸に向かう]
大蛇丸「!!」 [寸前のところで腕を十文字にして防ぐ]
大蛇丸(このチャクラ性質は…だがこんな形態変化は見たことがない)
大蛇丸「…誰なの?」
―――ズバババババッ [雷の槍で扉がバラバラになる]
ガラガラ
大蛇丸「やっぱり…そう来たわね」クッ
ほむら「もうあなたに教わることは何もないわ…」バチチッ
ほむら「大蛇丸…あなたは私より弱い」ズズズ
ほむら「もうあなたに私の体をくれてやる必要もなくなったわ」
大蛇丸「言うわね…うちはのひよっこが!」ギロッ
ほむら「ひよっこじゃなきゃ手に入りそうもなかったんでしょ?
イタチが無理だったから私を狙った…そうでしょ?」
大蛇丸「クッ…」
ほむら「あなたのやり方は好きじゃないわ…目的はなんなの?」
大蛇丸「・・・」
ほむら「この世の道理を解き明かすと言いながら
くだらない利己的な理由で他人を弄び続ける…
…反吐が出るわ」ギンッ
大蛇丸 [口を開け、白い大蛇を出す]ガパァ
ズシャアアア
ほむら「!!
白いウロコの大蛇…それがあなたの正体だったなんてね」
ほむら「体から体へと乗り換えるために実験を繰り返した…
なれの果てがその姿、ね」
大蛇丸「さぁ…ほむらちゃん、その体を…
私にちょうだァァァイ!!!」ズオオオオ
ほむら「・・・」ヒュンッ
ザシュゥゥゥゥ!! [大蛇丸(大蛇)を刀で斬る]
大蛇丸「シャアアアアアア」
ドサッ・・・
大蛇丸「・・・」
ほむら「…あっけない終わり方だったわね」
ほむら「!? くっ…」クラッ
大蛇丸「…そろそろ効いてきたみたいね」
ほむら「ッ!」
大蛇丸「この大白蛇の体液は空気に触れると気化するしびれ毒なのよ
私は不滅…あなたごときの術では殺せぬ
さぁ…いただくわ…」
シャアアアアア
ほむら「!!」
――大蛇丸の中――
ほむら「何なの…ここは…」
大蛇丸「ここは私の中にある異空間
ここで転生の儀式を行うのよ」
ほむら「・・・」
大蛇丸「始めるわ…」ズズッ
ほむら「!」
ほむら(蛇が…私を取り込もうとしている?
いや、これは幻術の一種…何かトリックがあるはずよ)ギンッ
ズズズ… [蛇に呪印が絡みつく]
ほむら(いけるわ…!)ジワァ
ススーッ・・・ [取り巻いていた蛇が次第に退いていく]
大蛇丸「ば…馬鹿な…!
ここは私が作り出した異空間よ!ありえない!
ありえない…ありえないわ…!!」
ほむら「大蛇丸…あなたのいかなる術も
この眼の前では…何の効力ももたない」
大蛇丸「ぐっ…こんな…
こんなことがあってたまるかァ!!
私は不死の大蛇丸だぞ!こんな所でこの私がァ!!」
ほむら「・・・」
大蛇丸「私は…この世を解き明かす者…!
…全てを…手にする者な…」
ほむら「…終わりよ」ギンッ
・・・・・・・
――大蛇丸アジト・実験室――
[実験水槽が所狭しと並んでいる]
ザッ ザッ
ピチャ…
「…やっぱり、あんたね」
ほむら「…さやか」
さやか「…なら大蛇丸は倒したんだ?」
ほむら「ええ、そんなことよりここから出してあげるわ」ヒュッ
ドドドドドド・・・
ザザァ
さやか「やっと出られた…ありがとね、ほむら」ズズッ
ほむら「まずはあなたからよ…さやか
私と一緒に来てもらうわ」
さやか「へぇ…その言いぶりじゃ、他にもいるの?」
ほむら「あと二人…南アジトの杏子と、北アジトの重吾をつれて行くわ」
さやか「えぇー、ホントに~?」
ほむら「…何?」
さやか「いやぁ、好きじゃないから…あいつら
仲良くはできないだろうなーって思ってね」
ほむら「特別仲良くしなくてもいいけど、協力はしなさい」
さやか「そりゃぁね、助けてもらったわけだし~
あんたがそう言うんならしょうがないけどさぁ…
あの二人を選ぶなんて、あんた趣味悪いんじゃない?」
ほむら「…ぐだぐだうるさいわね、さっさと服を着なさい」
さやか「はっ…えらく上から口調だね」フッ
[ほむらの背後に回り込む]
さやか「あんたとあたしの関係、はっきりさせとこうか?」スッ
ほむら「・・・」
さやか「大蛇丸を倒したからって、あんたが上ってわけじゃない…
みんな狙ってた…遅かれ早かれ誰かがやることになってたの
大蛇丸のお気に入りだったあんたが
たまたま殺れるチャンスが多かっただけ」
ほむら「…だからどうしたの」
さやか「今、この状況…あたしの方が有利だよ」
ほむら「・・・」
さやか「なんてね…冗談」スッ
さやか「この状況で心拍一つ乱れない…やっぱマグレじゃなさそうだね
あんたが強いのは昔から噂で聞いてたし…
あたしの大先輩・桃地再不斬を倒したのも、あんたがいた小隊だったんでしょ?」
ほむら「…そうね」
さやか「しっかたないな~ここはチームの要として
このさやかちゃんが一肌脱いじゃいますか~!!」
ほむら「…心強いわ」ヤレヤレ
さやか「あ、二人を連れていく途中にちょっと寄りたいとこあるんだけど
…いいかな?」
ほむら「かまわないわ…」
―――波の国―――
ほむら「・・・」[マミ大橋を見上げる]
ほむら(懐かしいわね…)
さやか「・・・ゴクッ、ゴクッ
ぷはぁ…!蘇った~…ってあれ?どうしたのよ」
ほむら「ふふ…」
さやか「…ほむら?」
ほむら「…なんでもないわ、行きましょう」
――再不斬、白の墓――
ほむら「ここよ、さやか」
さやか「! こんなところにあったとはね~」
さやか「…再不斬先輩、これはあたしがいただいていくよ!」ズボッ
さやか「ん…しょっと!重い…」ズシリ
さやか「これが血霧の里…鬼人・再不斬の首切り包丁か~!」
ほむら「あなたの力で扱えるの?」
さやか「まっかせなさ~い!これでも里では昔
‘人魚の魔女’って呼ばれてたんだから!」
ほむら(それとこれでは何の関係があるのかしら…)
さやか「‘忍刀七人衆’の刀は代々受け継がれていくシステムだったの
七人衆に憧れて修行を積んできたからね、あたしは。
…この大剣があればあんたにも負けないかもね」ニヤッ
ほむら「ふっ…」
さやか「それに重吾を仲間に加えるなら、この刀は役に立つと思うしね」
・・・・・・
――南アジト――
男「ぐああああああ」ドサッ
「大蛇丸が死んだからって、勝手されちゃ困るんだよねぇ」
ザッ ザッ
「!」
「このチャクラの感じ…まさか…!」
ほむら「…杏子」
杏子「やっぱりあんた達か…」
杏子「ほむら、あんたが一人でここに来たってことは
あの噂は本当だったんだな」
さやか「ちょっと!あたしもここにいるんだけど…!」ムカッ
杏子「知ってるよ!…で、何の用?」
ほむら「杏子、私についてきて。あなたの力が必要なの」
杏子「ハァ?あたしはここを任されてんだ!」
ほむら「大蛇丸はもういないわ」
杏子「ここの捕まえてるやつらはどうするんだよ!?」
ほむら「全員解放する」
杏子「勝手なことすんじゃねーよ!」
ほむら「これで監視役も必要なくなるわね…どうするの?」
杏子「お断りだね!
大体あんたらについていく義理はないだろ!!」
ほむら「…そう、じゃあ他を当たるわ」スッ
さやか「あ~あ、バカだよね~!
ほむらについて来ればずっと自由だし…
おいしいものも食べ放題なのにさぁ~」チラッ
杏子「!!」
杏子(おいしいもの…食べ放題!?)ジュルッ
杏子(でも…あれだけ強く着いてかないって言っちゃったしなぁ…)
ほむら「行くわよ、さやか」ファサッ
さやか「はーい」ニヤニヤ
杏子「ちょ…ちょっと待ちなよ!」
杏子「や…やっぱり、しょうがないから…あたしもついてってやるよ…っ!!」モジモジ
さやか(…かかった!)ニヤリ
ほむら(さやか、よくやったわ…)フッ
――南アジト下の海(岩場)――
ザパーン
さやか「また歩くの~?もうヘトヘトなんだけど~
ねぇほむら~あたしだけ泳がせてくんない?」
ほむら「好きにしなさい」
杏子「ヘっ…今からそんなんじゃ北アジト着いた途端に殺されるぞ」
さやか「ちょっとアンタなんなの!鼻で笑うとかあたしのことナメてるわけ?」
杏子「あんたこそなんなのさ、こっちはわざわざ忠告してやってんのに」
ほむら「無駄なケンカはやめなさい」
さやか「はぁー、分かったよ…
で、北アジトってそんなにヤバイとこなの?」
杏子「ああ、北アジトはただのアジトじゃない…」
さやか「?」
杏子「人体実験場だ
そこには手の付けられない化け物ばかりが収容されてる」
ほむら「・・・」
さやか「へえ…」
杏子「その中で重吾は特に厄介で…
奴は自分から大蛇丸に捕まりに来たらしいんだよ」
さやか「…何で?」
杏子「更生するために」
さやか「更生?何から?」
ほむら「・・・」ジッ
杏子「…自分ではどうにもできない殺人衝動を抑えるため、だよ」
さやか「!!
それってただの人殺し好きなイカれヤローじゃん!」
杏子「普段はその衝動は抑えられてる
…が、限界が来たときに我をも忘れる殺人鬼に変貌するんだ」
さやか「あいつ、そんな奴だったなんてね…
前やりあった時には別の能力を使ってたんだけど」
杏子「大蛇丸は重吾の能力に目をつけ…
重吾の体液から他の忍にも同じ状態を引き起こす酵素を作り上げた」
ほむら「…それが呪印、ね」
さやか「!!」
杏子「ああ、あいつはそのオリジナルさ」
・・・・・
――北アジト、重吾の牢屋――
重吾「次に入ってくるやつが女だったら殺す…」ボソボソ
ザッ ザッ ザッ
重吾「いや…男か…」ボソボソ
ザッ…
重吾「やっぱり女にしよう…」ボソッ
ガチャ…
ほむら「・・・」
重吾「ビンゴオオオオ!!!」バッ
杏子「来たッ!!」
さやか「!!」ゾクッ
ドゴォォ!!
さやか「…ほむら!」
杏子(ほむらのチャクラが…!)
重吾「ゲハハハハハ!!まだまだァ!!」ドゴォッ
パラパラ… [ほむら、呪印モードで防ぐ]
ほむら「…重吾、あなたと争う気はないわ」
重吾「また俺のコピーかぁ!?しかし部分変化ができるとは大したやつだぜェ!!
お前、呪印扱うのうめーなァ!!」
ほむら「あなたに話があるだけよ」
重吾「こいつは強ェ!君麻呂以来のコピーだぜェ!!」バッ
ドガッ [さやかが刀で防ぐ]
重吾「何だァ?」
さやか「やっぱり前とは違う能力を使ってるね、重吾
ほむら、ここはあたしにやらせてよ!」カチャッ
ほむら「やめなさい、さやか。私たちは争いに来たんじゃないわ
…私が話す」
さやか「話して言葉が通じる奴じゃないじゃん!
力づくで連れて行くまでよ…」ニヤッ
重吾「そうか…!てめーはさやか!思い出したぜェ!」ズズ
バッ
杏子「あのバカっ…!」
さやか「はぁぁあああああ!!」ブンッ
ギンッ
ほむら「ふたりともやめなさい」
重吾「オラーッ!!」ブンッ
さやか「はああああああああああ!」ブンッ
ドッ ズズズズ [ほむらの蛇が二人に巻きつく]
さやか「!」
重吾「!」
ほむら「…あなたたち、私に殺されたいの?」ギンッ
さやか(今の…本気の殺意だったじゃん)ゴクッ
重吾「・・・」ズズズ [呪印が引いていく]
重吾「ハッ!」ビクッ
重吾「うわああああああああああ」ダッ
バタン
重吾「は、早く鍵をかけてよォ…!!」ブルブル
ほむら「重吾…私はあなたを連れ出しにきただけよ
私と一緒に来てほしいの…」
さやか「ビビりすぎでしょ」
杏子「そうじゃない…重吾は衝動を制御できないだけ」
本当は殺人なんてしたくないのさ」
重吾「俺はまたいつ人を殺したくなるか分からない!さっさと鍵をかけてくれよォ!」
ほむら「大蛇丸は死んだ…このアジトも崩壊するわ
ここにいたらあなたも終わりよ」
重吾「それでいい…おれはもう殺したくない…!」
ほむら「安心して…そのときは私がとめるわ
私があなたの檻になってあげる…」
重吾「お前に何ができる…この衝動を俺意外に抑えられるのは
…君麻呂だけだ」
さやか「君麻呂って確かかぐや一族の…」
杏子「ああ、重吾と君麻呂はこのアジトでずっと一緒だったんだ」
ほむら「…重吾、君麻呂は私の為に死んだわ」
重吾「お前のために死んだ…!?じゃあお前が」
…うちはほむらか?」
ほむら「…そうよ」
――…君麻呂「うちはほむら…僕の代わりに大蛇丸様の器になる人だ
僕は命を懸けて彼女を連れ戻す」
重吾(そういうことか…重吾)
ガチャ
―――北アジト、外――
ほむら「これで私の思いつく小隊のメンバーは揃ったわ…
私の目的は、暁のうちはイタチの抹殺…そして
暁を始めとした全ての脅威から、木の葉の春野まどかを守ること」
さやか「!
ちょっとまって!うちはイタチは分かるけど…」
杏子「春野まどかって…だれだよ?」
ほむら「…私の親友よ」
さやか「只の忍でしょ?何で…」
ほむら「うちはイタチの狙いが彼女だから」
杏子「へぇ~、だからうちはイタチの抹殺ねぇ…
奴を殺せばとりあえずそいつも助けられるってことか」
ほむら「ええ…」
重吾「だがそれなら木の葉に要請を頼んだ方がいいんじゃないか?」
ほむら「木の葉はうずまきマミの保護で手一杯なの」
杏子「うずまきマミ…九尾の人柱力か」
ほむら「その中で特筆すべき点が見当たらないごく一般的な彼女が
狙われてるなんて誰も信じない
ましてや私は抜け忍だから」
さやか「つまり、木の葉に接触せずに影からそいつを守るってこと?」
ほむら「そうね…それと木の葉には手を出さないこと」
重吾「・・・」
ほむら「これより我ら小隊は‘蛇’と名乗る
蛇の当面の目的は一つ…
うちはイタチよ」
・・・・・・・
小隊・蛇は四人バラバラとなり、暁やイタチの情報収集に励んだ。
ほむらが暁のトビ、デイダラと遭遇して戦闘となり見事デイダラに勝利。
(トビは途中で逃亡)
その後イタチの居場所を突き止め、蛇一行はイタチの元へと向かう
タタタタタ…ッ
杏子「すごいチャクラ…それに速い!来るぞ!」
ザザッ
ほむら「!」スゥ…
さやか「あんたは…!」
鬼鮫「…ここからはほむらさん一人で行ってください」
重吾「…?」
鬼鮫「イタチさんの命令でしてね…
他の方々はここで待っていてもらいましょうか」スッ
ほむら「分かったわ…」
杏子「ほむら!!」
ほむら「小隊で動いていたのは元々一対一に邪魔が入らないようにするためだったから
あなたたちはここで待ってて、これは私の闘いよ」ザッ
さやか「干柿鬼鮫…大刀、鮫肌」
鬼鮫「!」
さやか「忘れたの?鬼灯兄妹…鬼灯さやかだよ」
鬼鮫「おお…見違えましたよ!…大きくなりましたね、さやか」
さやか「ここでほむらの帰りをじっと待つのも退屈だし、少し遊ばない?
…鬼鮫センパイ」カチャッ
鬼鮫「お兄さんと違いやんちゃですね
少し削ってあげましょう…」スッ
重吾「さやか、ほむらの言いつけを守らなくていいのか?」
杏子(何のんきなこと言ってんだよ!)
――うちはのアジト――
ザッ ザッ…
イタチ「その写輪眼…お前はどこまで視えている?」
ほむら「どこまで視えてるですって…?」
ザッ ザッ ザッ
ほむら「今の私に視えているのは…」
イタチ…あなたの死に様よ」 ギン
イタチ「俺の死に様か…では…」
スッ
ほむら「・・・」
イタチ「・・・再現してみろ」サッ
・・・・・
ほむら(分かってはいたけど…こう幻術の掛け合いじゃ埒があかないわ)ハァハァ
イタチ「小芝居に付き合うのはこの辺でいいだろう
だがほむら…お前はまだ俺と同じ眼を持っていないようだな」
―――…そしていつか、俺と同じ‘眼’を持って俺の前に来い
ほむら「…ならさっさと万華鏡写輪眼を使ってみたらどうなの?」
イタチ「大した自信だ…」
ほむら「・・・」
イタチ「この眼は特別…開眼したその時からその眼は闇へと向かう…
万華鏡写輪眼はいずれ光を失う」
ほむら「失明…それが九尾をコントロールする力を得るための代償ね」
ほむら(だからマミの捕獲係がこの男だった、ってわけ…)
イタチ「フッ…俺の言った通り集会場の石板を読んだようだな」
ほむら「うちはマダラ…一体何者なの?」
イタチ「その眼で九尾を手懐けた最初の男…そして
俺の師であり、相棒であり、不滅の男…」
ほむら「ッ…」キッ
ほむら(おそらく一族惨殺の協力者…!)ギリッ
イタチ「マダラは万華鏡写輪眼のもう一つの秘密を暴いた…」ククッ
ほむら「…どういうこと?」
イタチ「元来うちは一族は万華鏡写輪眼のために友と殺し合い…
永遠の瞳力を得るために親兄弟で殺し合い
力を誇示してきた汚れた一族なのだ…!」
イタチ「ほむらァ!お前は俺にとっての新たな光だ!!」
ほむら「!!」
イタチ「お前は俺のスペアだ…!!」
ほむら(まさか…こいつの狙いは!)
ギュルルルルルル
ほむら(ッ!!巻き取られた…!)クッ
イタチ「うちは一族に生まれ落ちた時からお前も
この血塗られた運命に巻き込まれている!」ズズッ
ほむら(まずい!このままじゃ奪われる…!!)ダラッ
イタチ「さあ来い!妹よ!!
俺はお前を殺し、一族の宿命から解放され本当の変化を手にする!
お前がまだ万華鏡写輪眼ではないのなら眼を奪ってからでも遅くはない…ククッ
その眼を奪い、お前の最も親しき者を殺すことで…
俺は永遠の光を…新たな世界を手にするのだ!!!」
ほむら(これが…こいつの目的だったの…)ガタガタ
ほむら(私の目が奪われれば…まどかは確実に殺される…!!)ギュッ
イタチ「光をもらうぞ…」ズズッ
ほむら「い゛ああああああああああああああ」
ほむら(眼が…っ!!)
イタチ「所詮お前の眼では俺の万華鏡写輪眼には敵わない…」
ズチャッ
イタチ「もう片方ももらうぞ…」ズズッ
ほむら「!!」ズズズッ
イタチ「!」
イタチ(これは…大蛇丸の呪印…!)
ほむら「うわあああああああああ」ズズズズ
ピシッ ピシッ…
バラバラ [イタチの幻術が解ける]
ほむら「はぁ…はぁ……」ガクッ
イタチ「お前…俺の月読を…!」
ほむら「言ったでしょう…私に視えているのはあなたの死に様だと…、ハァ…ハァ…
あの子をやらせるわけにはいかないわ…!」
イタチ「その台詞…とりあえず受け取っておこう」スッ
ほむら(さっきの反動で月読はしばらく使えないはず
恐らくこれからは物理攻撃になる…)カチャッ
ギンギンギンギンッ!! [お互いが手裏剣を高速で投げ合う]
バッ [お互い遠のく]
イタチ「・・・」バッバッ
ほむら(あの印は天照…!させないわ!!)ボンッ [巨大手裏剣を取り出す]
ブンッ
イタチ「影手裏剣か…幼稚なッ、」サッ
ほむら「・・・」ピンッ
イタチ(…仕込み手裏剣!?)
ガガッ …ザクッ!!
イタチ「クッ…!」
イタチ(脚をやられたか…)
ほむら(最後の手裏剣でうまくいったわね…)
イタチ「…ッ、」ズボッ
ボヤッ・・・
イタチ(くっ…さっきの月読で眼が…)ズキン
ほむら「さっきの月読の反動ね…ここで終わらせてもらうわ」ババババッ
ほむら「火遁・豪火球の術!」
ゴオオオオオオオ
イタチ「・・・」ザッ
バチチチチチチ
イタチ「!」
イタチ(千鳥…だと!?)
ほむら「はああああああああああッ」
ドッ!!! [天井を突き破る]
イタチ(火遁・豪火球の術!!)ボウッ
ゴゴゴゴゴゴッ
シュウゥゥゥゥ [ほむら、呪印の翼で防ぐ]
ほむら(この程度の傷じゃまだまだね…)
バババババッ
イタチ、ほむら「「火遁・豪火球!!」」
ゴゴゴゴオオオオオオオオ!!
ほむら(圧してる…いけるわ…!)
イタチ「・・・・」スゥ…
イタチ(天照ッ!!)カッ
ドゴオオオオオ [黒い炎がほむらの火を飲み込む]
ほむら「!?」
ゴゴゴゴゴゴ [炎がほむらの翼に移る]
ほむら「ッうあ゛あああ」
ボロッ [ほむらを燃やし尽くす]
イタチ「!」
イタチ(変わり身…下か…)
ズッ
ガガガガガッ [天井から下へほむらが降りてくる]
ほむら(天照を出すまではこの変わり身は使えなかった…
これを待っていたのよ…!)ズズズズ…
イタチ「ゴホッ…ゴホッ!!」ガクッ
ほむら「火遁・豪龍火…!」
ゴオオオオオオオオオオオ
イタチ「くっ…!」 [炎の龍がイタチの腕に取り巻く]
ドゴゴゴゴゴ
イタチ「ハァ…ハァ……」ズキン
ほむら「さっきの天照…相当の負担がかかったようね」ハァ…ハァ…
ほむら「くっ…」
ほむら(とはいえ、私ももう体力が…)
ほむら「次が最後の術よ…」ズズッ
イタチ「強がりはよせ…もうお前にはほとんどチャクラが残っていない
天照を回避した大蛇丸流の変わり身の術…
バレにくくよくできた変わり身だが、あれには大量のチャクラを使う
ほむら「確かに…今の私にはチャクラはない
さっきの火遁で全部使い切ってしまったから…でも
あなたを殺すのに、何もせずここに来たと思うの?」
ゴロゴロ…ザァァァァ……
ほむら「一瞬よ…この術は天照と同じく絶対にかわすことはできない
ご希望通り再現してあげるわ…あなたの死に様を」
バチチチチチッッ [雷が轟く]
イタチ(なるほど…さっき火遁をわざと空に打ち上げたのは雷雲を作るためか…)
ジュウウゥゥゥ・・・
イタチ(それに天照の熱をも利用するためにわざと外へ誘いこんだ…)
イタチ「雷をも利用するか…」
ゴッゴゴゴゴゴゴゴ
ほむら「この術は天からの裁き…雷鳴と共に散りなさい」バチチチチッ
ほむら「…麒麟!」
ガゴオオオオオオオオオ!!!!
ガラガラ…
イタチ「・・・・」 [倒れている]
ほむら「はぁ…はぁ……終わった…
終わったわ……!」
イタチ「…これがお前の再現したかった死に様か?」ムク…
ほむら「!?」
ほむら(どうして…!あれだけの技を受けたのにどうして…!?)ギリッ
イタチ「…これがなければやられていたな…」スゥー
ほむら「な…なんなの…あれは……!」
イタチ「本当に強くなったな…ほむら…
今度は…俺の最後の切り札を見せてやろう…」
ゴゴ…
ほむら「!?」
イタチ「…須佐能乎だ」
ほむら「スサノオ…?」ハァハァ
イタチ「月読と天照…二つの能力を開眼した時にこの眼に宿ったもう一つの術だ」
ほむら「・・・・」
イタチ「ほむら…お前の術はこれで…終わりか?
隠している力があれば出し惜しみしなくてもいいぞ…
ここからが本番だ…」
ほむら(…っ、空が…晴れていく…!)
ズキンッ
『あげるわ…』
ほむら「!」
『私の力を貸してあげるわ…』
ほむら「くっ…!」
『私が必要なんでしょ…ほむらちゃん…』
ほむら「うっ…」ガクッ
『イタチを倒すんじゃなかったの?』
ほむら「ぐ…」
『さぁ…解き放ちなさい』
ズオオオオ [呪印からいくつもの大蛇が顔を出す]
ほむら「ぐああああああああああ」
蛇「シャアアアアアアアアア」
イタチ「大蛇丸の八岐の術か…」
ズズズ…
シャ――――!!!
ザンッ ドッ ザシュッ [須佐能乎が蛇を次々と斬っていく]
蛇「ガパッ…」
ズズズズ…
イタチ「‘出るモノ’が出たな…」
イタチ「‘出るモノ’が出たな…」
大蛇丸「アハハハーーーー!!
これよ!これを待ってたのよ…!
あなたのおかげでほむらちゃんの抑えのチャクラが消えてくれたわ!」
イタチ「・・・・」
大蛇丸「これを機にあの子の体は私が頂く!そして…」
ドシュッ
大蛇丸「え…」
イタチ「‘出るモノ’が出たな…」
大蛇丸「アハハハーーーー!!
これよ!これを待ってたのよ…!
あなたのおかげでほむらちゃんの抑えのチャクラが消えてくれたわ!」
イタチ「・・・・」
大蛇丸「これを機にあの子の体は私が頂く!そして…」
ドシュッ
大蛇丸「え…」
イタチ「さてほむら…次はどうする気だ…?」
大蛇丸「こ…この剣はまさか…十拳剣(とつかのつるぎ)…!?
イタチ…あなたが隠し持って…くっ!」ズズズズズ
ズズズッ [大蛇丸、須佐能乎に取り込まれる]
ほむら「うっ……はぁ……はぁ…」
イタチ「……ゲホッ…ゲホッ……」ヨロッ
イタチ「これでお前の眼は…俺のものだ…」
ほむら「……」
イタチ「ゆっくり頂くとしよう……」
ほむら「ひっ…!」カチャッ
ヒュッ……ボンッ!! [起爆札付きクナイを投げる]
スゥ―――…
ほむら「何でッ…!攻撃が効かないなんて……!!」
イタチ「ゲホッ!!…ゲホッ…!」
ほむら「!!」
イタチ「…」ギロッ
ほむら「やっ…」ビクッ
ほむら(なんとか…しなきゃ…!)カタカタ
イタチ「俺の眼だ…俺の…」フラッ
ほむら(そうだわ…!)カチャッ
ほむら「うわああああああああああ!!!」
[刀を構えて飛び上がる]
「ほむらちゃん…!待って!」
ほむら「まどか…!?」
ほむら(どうしてこんなところに…!?
くっ…勢いを殺せない…!!)
ほむら「まどか!逃げてえええええ!!!」
ドスッ!!!
ほむら「あ……っ………あ……」カタカタ
イタチ「…!」
まどか「ゴフッ…」
ほむら「そん…な……私が……っ」ガタガタ
まどか「ほむ……ら…ちゃ………」
ドサッ
ほむら「いやあああああああああああああああああ!!」
まどか「・・・・」
ほむら「うっ……まどか…まどか………ぁ……!!」
ほむら「あなたに生きててほしかった…ただ…それだけなのに………!!」ギュウッ
「その言葉は本当かい?」
イタチ(このチャクラは…うちはマダラか…!)
ほむら「…!あ…あなたは……」
qb「ほむら、久しぶりだね
君は春野まどかが死ぬ結末を、変えたいと思うかい?」
ほむら「!!」
ほむら「できるの…そんなことが…」
qb「うん、ぼくなら君の力になってあげられると思ってね」
ほむら「私は……この出会いをやり直したい…!
こんな結末にならないよう…彼女を絶対に守りぬく…!!」
qb「…君の願いを叶えよう
これから君に術をかける…」
ほむら「!?」
qb「運命を変える術……」
…イザナギだ」トコトコ
イタチ「ほむら…!そいつに騙され…ゴホッゴホッ」 ドサッ
ほむら「イザ…ナギ…」
qb「さぁ、君の運命を変えてごらん…」ペロッ
ほむら「!!」スゥー――…
ドサッ
>>390すみません、酉つけ忘れです
qb「うん、ぼくなら君の力になってあげられると思ってね」
ほむら「私は……この出会いをやり直したい…!
こんな結末にならないよう…彼女を絶対に守りぬく…!!」
qb「…君の願いを叶えよう
これから君に術をかける…」
ほむら「!?」
qb「運命を変える術……
…イザナギだ」トコトコ
イタチ「ほむら…!そいつに騙され…ゴホッゴホッ」ドサッ
ほむら「イザ…ナギ…」
qb「さぁ、君の運命を変えてごらん…」ペロッ
ほむら「!!」スゥー――…
ドサッ
*******
――木の葉病院――
ガバッ
ほむら「はぁ…はぁ…」
ほむら「ここは…」キョロキョロ
ほむら「!!」
ほむら(身体が…小さくなっている…まさか!)
[鏡の前に立つ]
ほむら「間違いない…」
ほむら(うちは惨殺後の私に戻ってる…)
ズキンッ
ほむら「くっ…眼が……!」ツー
ほむら「!!
これは…万華鏡写輪眼!?」
ほむら「・・・・っ、」ギンッ
ピタッ
ほむら(何なの…私以外のもの全てが静止してる…
そういえば、万華鏡写輪眼は発現者ごとに能力が
異なっていると聞いたことがあるわ…
時間停止…これが、私の万華鏡写輪眼の能力なの…?)
ほむら「うっ」ズキン
グラッ…
――パッ
[いきなり景色が死の森へと変わる]
ほむら(ここは…!)
大蛇丸「さぁ、巻物の奪い合いを始めようじゃない…命懸けで」
ほむら(大蛇丸…?一体どうなってるの…!?)
ほむら(とりあえず…!)
ギンッ
大蛇丸「ッ!これは…幻術!!」
ほむら「大蛇丸…あなたに用はないわ…消えなさい」バチチチ
大蛇丸「何ッ…!?」
ほむら「…千鳥流し」
大蛇丸「ぐああああああああああ」
大蛇丸「ハァ……ハァ……ッ」
まどか「えっ?あの人…いきなり苦しみだしてどうしたの…!?」
ほむら「…幻術をかけただけよ、さぁ、まどか行きましょう」ファサッ
まどか「ほむらちゃん…?う、うん……」
大蛇丸「ぐっ…なぜこれほどまでに…」
ますます欲しくなってきたわ…!」
シュルルルルルルルルルル
まどか「ほむらちゃん危ないッ!!」
ザシュッッ
大蛇丸「うア゛アアアアアア!!!」
ほむら「言ったでしょう、あなたには用はないって」カチャッ
大蛇丸「おのれェ…!!」
ほむら「・・・・」スタスタ
グラッ
ほむら「うっ…!」フラッ
まどか「ほむらちゃん!?」
―――パッ
ほむら「ここは…」
――火影室――
綱手「修行のため、2年ほど抜けることとなるマミの代わりに
この班に新たな班員を入れることにした」
まどか「はい!師匠!」
ほむら「…」チラッ
ほむら(呪印がない…!
あのとき、大蛇丸が呪印を付けなかったから
私も里を抜けることはなくなったのね…
だから結果的に未来が変わったってこと…!?)
ほむら「あの…大蛇丸は…」
綱手「ああ、そのこともこれから話すつもりだった
3代目の封印により両腕を使えなくなったために転生の術を繰り返しているようだ
以前は私のところにも腕を治療しろと来たのだが…
依然として、うちはの血を継ぐお前を狙っている
…気を付けておけよ」
ほむら「…分かりました」
ほむら(マミも暁に狙われて私も大蛇丸に狙われている…
ということはこの里は緊張状態なのね)
カカシ「…ほむら、どうかしたか?」
ほむら「いえ、なんでもありません…失礼します」
ガチャ…
ほむら(やっぱり私が狙われているならまどかも巻き込まれるかもしれない
頃合いを見計らって一人で…)
グラッ
ほむら(この眩暈は…次はどの時に飛ばされるのかしら)
―――パッ
ほむら「…はッ!」キョロキョロ
イタチ「俺の死に様か…では再現してみろ」
ほむら「!」
ほむら(今度はあの時のようにはしない…!)
ザッ
・・・・・・・
ほむら「どうして……」
まどか「ほむらちゃ……」ドサッ
ほむら(今度こそ助けるって思ったのに…!!)
スゥー―――…
*******
――木の葉病院―――
ガバッ
ほむら「はぁ…はぁ……」
ほむら「今度こそ……!」
グラッ
―――パッ
――死の森――
大蛇丸「さぁ始めましょう、巻物の奪い合いを…命懸けでね」
ほむら「あなたにはここで死んでもらうわ…」バババババッ
大蛇丸「何ッ…!」
ほむら「火遁・豪火球の術…!!」
ゴオオオオオオオオオオ
大蛇丸「フフッ…恐怖で技が狂ったかしらァ?」
ほむら「火遁・豪龍火の術!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
大蛇丸「ぐああああああ」
ほむら「まだまだよ…」
ザァァァァァァァ
まどか「なに…?いきなり雨……」
ほむら「まどか!できるだけ遠くの場所に離れて…!」
まどか「うっ、うん…!」ザザッ
大蛇丸「な、んな…の……」
ピシャッ! ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…・
ほむら「終わりよ…麒麟ッ!!」バチバチ
ドガガガガッガガガガガッガガガ
大蛇丸「ぐあああああああああああああああああ」
グラッ・・・
ほむら「くっ…」
―――パッ
――火影室――
綱手「マミが暁に狙われていることは知っているな?」
まどか「はい」
ほむら「はい」
ほむら(あのとき私が大蛇丸を倒したのだとしたら
ここには3代目が座っているべきなのにどうして…)
綱手「そのためお前達には暁の動きに注意してもらいたい
マミも修行を積んで敵と対抗する力は備えてはいるが…
チームメイトであるお前たちの協力がなければ戦いを乗り切れないだろう
よろしく頼むぞ!」
カカシ まどか ほむら「はい!」
綱手「では解散!」
まどか「ほむらちゃん、いこっ!」
ほむら「あ、私、ちょっと綱手様に話しがあるから先に行ってて」
まどか「?分かった!」
ほむら「…あの、綱手様、少しお時間よろしいですか?」
綱手「ほむら…何だ?」
ほむら「実は…まどかがうちはイタチに狙われているんです!」
綱手「!!
それはどこの情報だ?」
ほむら「…うちはイタチ本人です」
綱手「以前、自来也たちの前でお前とやりあったというあれか」
ほむら「はい、早急に対策をお願いします」
綱手「だがそんな動きは見られないし情報も入ってきていない
…デマを掴まされたんじゃないか?」
ほむら「違います!!私は…っ」
綱手「それが事実だとしても今はマミが優先だ」
ほむら「そんな…っ!まどかに犠牲になれと言うんですか!!
それとも…人柱力がそんなに大事だからですか?」ギリッ
綱手「ッ!!」
ガチャッ
「二人とも冷静に話をするんじゃ…」
ほむら「!!」
綱手「三代目…!」
三代目「綱手、ほむらに話を詳しく聞くんじゃ、判断はそれからじゃのう…」
綱手「しかしそれではマミの方は…!」
三代目「暁の情報は自来也や里の上層部が調べておる…
あやつに任せておけば心配はいらん」
綱手「だが…!」
三代目「まどかの件はほむらしか知らん…信じることが大切じゃ
マミもまどかも…この里の者は全員、平等に大切な命じゃ
一人一人が欠けてはならん…そうじゃろ?ほむら」
ほむら「ありがとうございます!!」
グラッ・・・
―――パッ
ほむら「…!」
マミ「まどかさん…!しっかりして…!!」
まどか「……」ガクッ
イタチ「お前の大事な者は殺した…その眼をよこせ…ほむら……」
ほむら「いや……っ……!まど…か………!」
マミ「おのれ…うちはイタチ……!」コポコポ
イタチ「九尾も手に入るとは…今日はついているな…」フッ
コポ……コポ…
マミ「ぐぁああああああああああ」
ほむら「どうして……なの……ぉ!!!」
*********
――木の葉病院――
ガバッ
ほむら(誰も未来を信じない…誰も未来を受け止められない…)
ほむら(だったら…私は!)ギンッ
・・・・・・・・・・・・・・・
イタチ「イザナギ…だと…?これは…」
イタチ「…イザナミだ」
qb「そうだ、君の言うとおり僕は彼女にイザナミをかけた」
イタチ「クッ…いつ仕掛けた…!」
qb「きみが一族を惨殺した夜……君が去った後に、ね
君がつけた肩のクナイ傷を舐めて…」
イタチ「あれか…ッ」
qb「しかしこうも簡単に同じような状況が作れるなんてね
肩のクナイ傷に、大事な者を失った直後のこの状況…
…まるで神様に仕組まれてるみたいだ!」
イタチ「ゴホッ…ゴホッ…」ギロッ
qb「イタチ…いつだって君はほむらのことを案じ、
全てのことから遠ざけてきた
…が、邪魔だった君も今はこうして死にかけている…
僕はこの時をずっと待っていたんだ!
まぁ、そこに春野まどかの死が伴ったのは予想外の幸運だったけどね」
イタチ「・・・」
qb「君はほむらをずっと騙してきた
復讐には向かないほむらに、芝居までうって自分に憎しみの矛先を向けさせて…
見事に哀れな生き様だね」
イタチ「クク……」
qb「?」
イタチ「…哀れなのはお前の方だ」
qb「君はほむらをずっと騙してきた
復讐には向かないほむらに、芝居までうって自分に憎しみの矛先を向けさせて…
見事に哀れな生き様だね」
イタチ「クク……」
qb「?」
イタチ「…哀れなのはお前の方だ」
**************
~イタチとの決闘前夜~
――ほむらの部屋――
ほむら(何度繰り返すことになっても必ず…
必ずあの子を救ってみせる……!)スッ
ガラッ
ほむら(今度こそ…!!)スタスタ
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「…まどか、こんな夜中にこんなところで何してるの?」
まどか「その言葉…初めてあなたが里を出たときも言ったよね?」
ほむら「!!
あなた…まどかじゃないわね……
一体何者なの…!」バチチッ
まどか「ううん…私はまどかだよ
ただし、ほむらちゃんがこの世界で出会った私とは違うけど…」
ほむら「!?」
まどか「私ね…過去から来たんだ」
ほむら「何ですって…」
まどか「私、ほむらちゃんと同じ時間軸の人間なの」
ほむら「嘘言わないで…!!あの時間のまどかはもう…っ」グッ
まどか「そうなんだけど…ちょっと複雑で…
これを見せれば信じてくれるかな…?」
スゥー―――――
ほむら(これは…幻術!?)
まどか「違うよ、これは私の記憶の中…
ほむらちゃんとイタチさんが戦う前の私の記憶…」
::::::::
――森の中――
まどか(ほむらちゃん…どこなの…!?)シュタッ
まどか「!!」
まどか「あなたは…うちはイタチ!」
まどか(この人がほむらちゃんを苦しめてる男…)ギリッ
イタチ「君は…春野まどか、だったか?」
まどか「はい…、こんな所で何をしているんですか?」キッ
イタチ「…そう睨まなくても君を殺す気はない」
まどか「でもあなたがほむらちゃんを苦しめていることは事実でしょ…?」
イタチ「君に訊きたいことがある」
まどか「答えられる範囲なら、」
イタチ「君はほむらにどうしてもらいたいんだ…?」
まどか「それをあなたに言ってどうなるんですか」
イタチ「ただの興味だ…どうもしない」
まどか「ほむらちゃんは今復讐に取りつかれてる…だから私が止めさせて
以前の優しいほむらちゃんに戻ってもらいたい…!」
イタチ「優しい…か…」
まどか「…はい」
イタチ「ほむらは純粋だ…まだ何色にも染まる
もし何かに騙されて、君や、木の葉の仲間を平気で傷つける日が来るかもしれない
それでも君はほむらを止めるのか?」
まどか「・・・・・
私は…小隊の中じゃいつも鈍くさくて
何かとほむらちゃんや仲間に守られてきました…」
まどか「ほむらちゃんが里を抜けて、ほむらちゃんを追うために私もいっぱい修行して
前よりは強くなったけど、やっぱり足手まといで…
…そんな私でも、唯一ほむらちゃんを守る方法を見つけたんです」
イタチ「 !! 君は…」
まどか「ほむらちゃんがどうしても闇から抜け出せなくなったら…その時は…」
私の命に代えてでも、ほむらちゃんを助け出します!」ティヒッ
まどか「やっぱりほむらちゃんには笑っててほしいから…!」
イタチ(この子ならほむらを…)
イタチ「そうか…」
―――…シスイ「イタチ…うちはを、守り抜いてくれ…!」
イタチ(シスイ…お前の力、使わせてもらうぞ…)
スゥ―――…
イタチ(…別天神{ことあまつのかみ})ギンッ
バササッ [無数のカラスが舞う]
ガッ [まどかの中に入っていく]
まどか「!?」
イタチ「俺の力を分け与えた…
その力を使う日が来なければいいがな…」
サッ
まどか「あ、あの…!どこに行くんですか!?」
イタチ「これから妹に会いに行く…」
まどか「ほむらちゃん…!?
あの…!待って下さ」
スゥー―――――――
イタチ(そういえば、最後にほむらの笑顔を見たのはいつだったか…?)ザッ
まどか「…こうやって、イタチさんは私に力を与えてくれたの」
ほむら「どうして…」
まどか「この力のおかげで、あの時、ほむらちゃんのところに行くことができたし、
いくつもの並行世界で残されたほむらちゃんのチャラの痕跡を追って
ほむらちゃんを見つけることができたんだよ」
まどか「そして、うちは一族のことイタチさんのことを知ることができたの…」
ほむら「あの人の…」
まどか「イタチさんはね…ほむらちゃんのことずっと守ってくれたんだよ?」
ほむら「そんな…ッ嘘よ…!あの人はお父さんとお母さんを…
一族を殺して暁に染まった犯罪者…!!」
まどか「任務だったの…幼い頃から有能だったイタチさんは
里とうちは一族の二重スパイだった」
ほむら「!!」
―――…イタチ、お前は里と一族を繋ぐパイプ役でもあるんだぞ!!
ほむら「まさか…」
まどか「里からの扱いからクーデターを企んでいたうちは一族を見張る…
それがイタチさんの役目だったの」
ほむら「でもっ…!」
まどか「うちは一族の中ではクーデターの動きが活発化して手をつけられなかったとき
イタチさんへ里から極秘任務が言い渡された…」
まどか「それが…うちは一族全員の抹殺」
ほむら「!!」
まどか「うちは一族ほどの力をもつ一族がクーデターを起こしたら
里には重大な被害が出てそれを機に他国も攻め入ってくる…」
4歳にして戦争を経験したイタチさんは平和を愛する人になったの」
ほむら「・・・」
まどか「里側もうちはにはうちはを…とイタチさんを向かわせたの…
唯一話し合いで解決しよう反対した三代目様以外は、
みんなうちは惨殺に積極的だった」
ほむら「そんな…」
まどか「でも、ほむらちゃんは…妹だけは、殺せなかった…」
ほむら「!!」
まどか「里の上層部のダンゾウという人がそこに目を付けて、
うちは一族を殺せば、
何も知らないほむらちゃんは生かしてあげると、提案して…」
そしてあの夜につながった…」
ほむら「・・・・」
まどか「イタチさんの記憶も引き継いでいるからほむらちゃんに見てほしいの…」
ほむら「・・・・」ガタガタ
まどか「大丈夫、私がそばにいるから…」ギュウッ
ほむら「兄さん……ッ、」
まどか「イタチさんはね、ほむらちゃんが復讐なんてできない
優しい子だって分かってたから
わざと私を狙うふりをして、自分に矛先を向けさせたの
眼を奪う芝居をしてほむらちゃんを追い込んだのは呪印からの解放…
そしてほむらちゃんの手で殺され、
自分の眼をほむらちゃんに移植することを願った…」
まどか「イタチさんは病におかされ、延命してまでも、
ほむらちゃんと闘って死ぬことを選んだんだよ」
ほむら「…にい…さ…ん……!」
まどか「…最愛の妹のために」
ほむら「わ…私は……っ」
まどか「誰もほむらちゃんのこと恨んだりしない…
イタチさんは誰よりもほむらちゃんの幸せを願ってる」
まどか「私ね、ほむらちゃんのことも今では全部分かるの…
ほむらちゃん、ずっと私のこと…守ってくれてたんだよね…」ギュゥッ
ほむら「まどか…!」ギュッ
まどか「でも、もういいの…もういいんだよ、ほむらちゃん」ナデナデ
まどか「何も知らなかった私は…あなたのことをたくさん…たくさん傷つけた」
ほむら「そんなことない…!私はまどかがいれば…それで…!!」
まどか「ほむらちゃんが今かけられている術はね、運命を変える術なんかじゃないの」
ほむら「!!」
まどか「…そうでしょ?…インキュベータ!!」キッ
qb「やれやれ、気付かれてたとはね…」
ほむら「 !!」
qb「ほむら…君にかけたのは確かにイザナギじゃない」
ほむら「なんですって…?」
qb「運命を操る術…イザナミだ」
ほむら「え…どういうこと…」
qb「君が運命を受け入れずに、まどかを救おうとすればするほど
このループから逃れることはできない」
ほむら「そんな…」ガクッ
ほむら(だからどの時間のまどかも結局は助からなかったっていうの…?)
qb「まどかが死ぬ未来は変えようがない、運命なのさ」
まどか「ほむらちゃんをここまで苦しめて…っ
あなたの目的は一体何なの…?」
qb「勘違いしないでほしいんだが、僕らは何も君たちに対して悪意を持っているわけじゃない
全てはこの宇宙の寿命を延ばすためにやっているんだ」
ほむら「宇宙の…寿命……」
qb「君たちはエントロピーという言葉を知っているかい?」
まどか「エントロピー?」
qb「簡単に言えば…たき火で得られる熱エネルギーは
木を育てる能力と釣り合わないってことさ」
まどか「・・・・」
qb「それはこの宇宙にも言えることで
宇宙全体のエネルギーは減少していく一方なんだ
そこで僕たちは知的生命体の感情をエネルギーに変換するシステムを開発した
だが、肝心の僕たちが感情と言うものを持ち合わせてなかったんだ」
まどか「今日はどうしよっか?」
さやか「しばらくは大人しくしとこうよ、まどか」
さやか「それに……あたし今日、用事あるし」
まどか(あ……そっか。 今日は病院の日だったね)
まどか(交通事故で左半身に大怪我を負った上条 恭介くん……)
まどか(さやかちゃん、幼馴染だったし……すっごく心配してたな)
まどか(でも、今は順調に回復してきたって聞いてる)
まどか(良かったよね、さやかちゃん……)
qb「それでこの宇宙のあらゆる種族を調べて、君たち人類を見出したのさ」
ほむら「私たちを…?」
qb「人類の個体数と繁殖能力を考えれば一人が生み出す感情エネルギーは
その人間が誕生し、成長するまでのエネルギーを凌駕する
それにこの忍世界というシステムは僕たちにとって実に便利なものでね」
まどか「どうして…」
qb「戦いの中で得られる憎しみや悲しみなどの感情エネルギーは膨大だし
尾獣から得られるモノも大きい利益だったからね」
>>443
スマソ! 誤爆しました!
qb「その中でも特に強い憎しみと能力をもっている、うちは一族に目をつけた」
ほむら「!!」
qb「利害の一致ということでうちはマダラに寄生し、九尾復活の手助けもした」
まどか「あなたが…!」
qb「あれで大方のノルマは達成できたし、尾獣ってやっぱり偉大だよね」
まどか「あなたはそうして人々の苦しむ姿を見続けて…本当に何とも思わなかったの?」
qb「それが分かれば苦労はしないよ」
qb「そして数年後、マダラがイタチと接触し、
うちは惨殺の手引きのため僕が動いた
そこでほむら、きみと出会い、あの夜にイザナミを仕掛けさせてもらったんだ」
――…おやすみ、ほむら
ほむら「やはりあの時の眼は…!」
qb「イザナミは相手と自分の動きをはめることによって発動する
あの時きみの肩にはクナイ傷があった…それを僕がなめて、イタチとの戦闘…
つまり、まどか死亡時に繋がる」
ほむら「どういうことなの…」
qb「つまり、時を越えて全く同じ状況が誕生し、それがループ期間となったわけだ」
まどか「でもイザナミは術をかけられた側が無意識にループする術でしょ?
もちろん術中はまったく同じ過程をたどって結果に結びつく…
当然未来も変わらないはず…なのにほむらちゃんはどうして…」
qb「それはほむらの万華鏡写輪眼の能力によるものだろうね」
ほむら「万華鏡写輪眼の能力?」
qb「万華鏡写輪眼は最も親しい者の死を体験することで開眼するんだ。
ほむらはまどかを事故とはいえ殺すことによって開眼した
キミに発現した能力は時間に関するものだ…そうだろう?」
ほむら「…!」
qb「ある時は時間停止…ある時はワープ…
そうして知らない内に能力を使い、やがてこの術を改竄するかのように
ほむら自身が時間遡行者になってしまった」
qb「その結果ほむらはイザナミの中でも自我を保つことができ、
結末こそ変えられないが、その過程に干渉してきた」
まどか「つまり、ほむらちゃんがループすることで
いくつもの並行世界ができた、ってこと?」
qb「まぁ、そう捉えられても間違いはないかな
現に、いま、この世界にはこの世界のまどかと、
ここにいるまどかの2人が存在することになっているけど…
ほむらは‘この’ほむらしか存在しない」
ほむら「なら他の時間の私はどうなってるの?
私がループする前と後の世界は…」
qb「そこが問題なんだ
この世界はほむらを中心に作られている世界…
ループ前の君は確かに存在するが、君が来た時点で存在が成り変わっている
そして、まどかが死んだ時点で君が他の時間軸に移ってるから
君の存在そこで消えていることになる
その矛盾が何度も繰り返されて時空の歪みになり…かなりの穢れをため込んでしまった
qb「結果的にイザナミでほむら自身の
大きな感情エネルギーはノルマ通り回収できたけど
ほむらが時間遡行者になったことによって厄介な問題が出来てしまったんだ」
ほむら「何なの…」
qb「いくつもの並行世界の穢れが尾獣と比べられないほどの
…化け物を生み出してしまった」
まどか「!!」
ほむら「私が運命を受け入れて…この術が解けたらどうなるの?」
qb「恐らく君たちがいた世界に現れ、この星を3日ほどで破壊しつくすだろうね」
ほむら「そんな……」
qb「やがて、この宇宙も崩壊する」
ほむら「何か…何か方法はないの!?」
qb「ないことはないんだけど」
ほむら「私の眼が見えなくなってもかまわない!
この瞳力で…どうにかできないの…!?」
qb「残念ながら君にはなにもできないよ、ほむら
感情と因果は深く繋がりあっているんだ
もし、この状況をどうにかできるとしたら…
恐らく、因果の中心になっている…」
まどか「…私だけ、だよね」
ほむら「!!」
ほむら「どうして……!何でまどかが犠牲にならなければいけないの…!なん…で…っ」グッ
まどか「ほむらちゃん…ごめんね」ギュッ
ほむら「まどか……っ…!」
まどか「今まで守ってくれて、本当にありがとう…」
ほむら「私……っ…まどかを守るって決めたのに…、
あなただけは巻き込みたくないって……思ってきた…のに…っ!」
まどか「うん…分かってる」
ほむら「…いつだって私は守るって言いながら……
あなたを傷つけてばかりで……っ」
まどか「ほむらちゃんがやってきたことは全部、全部…大切で…
私はそれをむだにはししたくない…」
ほむら「私はまどかに犠牲になってほしくない…!
あなたがいない世界なんて…壊れてしまってもかまわない…!」
まどか「ううん、ほむらちゃんそれは違うよ…」
ほむら「まどか…」
まどか「ねぇ…、7班で一番最初に集まったこと…覚えてる?
あの時、自己紹介で…ほむらちゃん、
大切な人を守りたいって言ってくれたよね…?」
ほむら「…!」
まどか「今、こうして私はほむらちゃんにいっぱい…いっぱい守ってもらった…
…だから今度は、私が叶える番なの」
――――…将来の夢は…誰かの役に立ちたいなって…!
ほむら「いや…嫌よ…まどか…っ」ギュウッ
まどか「昔から何の取り柄もなくて、みんなの足手まといだった私だから…」
ほむら「違う!まどかは…私にとってまどかは…いつだってヒーローだった…!」
アカデミーでからまれた時も庇ってくれた…!
中忍試験の時も、ボロボロになるまで戦ってくれた!」
まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「あなたが私に笑顔を取り戻してくれた…
それなのに私は……あなたから笑顔を奪ってばっかりで……っ、」
ほむら「いつだってあなたは…明るくて!前向きで…!
私に持ってないもの たくさん持ってて…ずっと、ずっと憧れて……
本当に…大切だったの…!」
まどか「ありがとう…ほむらちゃん、
私もほむらちゃんが一番の…最高の友達だよ…!」ギュウッ
ほむら「まど……か…っ」
まどか「だから…ほむらちゃんや、木の葉のみんなが住む世界を守りたいの!」
qb「まどか、君がしようとしていることは成功するかも分からない
成功しても、君はただの概念として永遠に時空の狭間を彷徨うことになる」
ほむら「そんなの…っ 死ぬより…もっと残酷、……」ウッ
まどか「うん、かまわないよ」
ほむら「みんなあなたのことを忘れてしまうのに…?
わたしも……あなたを…忘れてしまうかもしれないのに……っ」
まどか「ほむらちゃん、泣かないで
私、ほむらちゃんの笑ってる顔が大好きなの」ティヒヒッ
ほむら「・・・・っ」
まどか「ほむらちゃんなら…きっと大丈夫だ、って思えるんだ」
シュルッ [リボンをほどいてほむらに手渡す]
ほむら「これは…」
まどか「少しくらいなら…神様も奇跡を起こしてくれるかもしれないね」ティヒヒッ
qb「まどか、そろそろだよ」
スゥーッ… [しだいにまどかの体が消えていく]
まどか「ばいばい、ほむらちゃん」
ほむら「まどか…ぁ……!!」
ガクッ
~~現実~~
ほむら「…!」
スゥ―――… [まどかの亡骸が消えていく]
イタチ(そうか…まどかがやってくれたのか…)
ほむら「うっ……まどか……ッ」ギュッ
イタチ「ありがとう、まどか…これで安心して逝ける」
ほむら「にい…さん……」
イタチ「ほむら…すまなかった、」スッ
ほむら「…!」
イタチ「許せ、ほむら…これで最後だ……」フッ
トン・・・[幼い頃にやってくれたようにほむらの額に指をおく]
ほむら「兄さん…っ!!」
ドサッ
・・・・・・・・・・・・・
――1年後――
あれから私は駆けつけた木の葉の部隊に保護され、里抜けの尋問を受けたが
マミを始めとする木の葉の仲間の助けがあり、再びに木の葉の忍として復帰した。
その後、ペインによる木の葉崩しや五影会談などを経て第四次忍大戦がはじまった
カカシ「お前の写輪眼があればマダラを相手にしても渡り合っていけるぞ…!」
ほむら「はい…」
マミ「もう!先生、私のこと忘れてません?」
カカシ「お前のことは一番頼りにしている!マミ!」
マミ「私と九喇嘛の力を合わせればすぐよ…!」
ほむら(何としてでもこの世界を守ってみせる…)
ほむら「まどか…」ギュッ
マミ「どうしたの?まどかって…?」
ほむら「…いえ、何でもないわ」
ほむら(二人が遺してくれた世界だから…)
カカシ「さぁ…もうすぐだ!」ザザッ
マミ「いくわよ…九喇嘛……!」ザザッ
九喇嘛『オウッ!』
―――頑張って!
ほむら「 …うん」
――おしまい――
ご覧頂きありがとうございました。
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