侍「ここはどこでござるか……?」 (285)

注意

安価スレ

細かいことは気にしない人で

あんまりにも酷い安価は↓で


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スクランブル交差点

侍(見慣れぬ着物を着た者たち……)

侍(拙者は確か合戦の最中であった)

侍(……思案しても仕方がない)

侍(とりあえずなにか行動を起こさねば)


どうする? >>↓2


侍(とりあえずは人影のない場所に移動しよう)

侍(もしや刺客がいるかもしれぬ……)

侍(それに拙者の頭の整理も必要だ)タッタッタ

人影のない場所 >>↓1


侍「ここなら何奴もおらぬな」キョロキョロ

侍「しかし、ここは一体どこだ?」

侍「見られぬ土地。見られぬ者達……」

侍「もしや異国ではあるまいな」

>>↓1「あの……」

侍「何奴だ!」抜刀

修道女「す、すみません……!」

侍(随分と怪しいおなごだな……)

侍「……貴様、名を名乗れ」

修道女「は、はい。私は修道女です」

侍「拙者は侍だ。貴様、なぜ拙者に声を掛けた」

修道女「>>↓1だったからです」

侍「……ほう」

修道女「なにか悩んでおられるのですか?」

侍「ふむ。そうだな。悩んでおるな」

修道女「やはりそうですか! ではこちらに来てください!」ガシ

侍「ど、どこに連れて行くつもりだ!?」ズルズル

修道女「>>↓1です!」


教会前

侍「な、なんだこの城は!?」

修道女「城、ですか?」

侍「ああ、そうだ。こんな城、一発で落とされるぞ」

修道女「落とされると申されましても……」

侍「……貴様はここの城の主なのか?」

修道女「ええ、そうですよ。私の、教会です」

侍「たわけが。そんなはずがないであろう」

侍「貴様のような華奢なおなごが城の主であるわけがなかろう」

修道女「それはよく言われますけど……」

侍「それになんだこのヘンテコな造りは」

修道女「ふふ、そう申さないでください。古いですけど、私にとっては立派な教会です」

侍「まぁ、いい。城の中の者に聞けばわかることだ」

修道女「ああ、待ってください! 教会の中は↓1なんです!」

侍「……何奴もおらぬな」

修道女「お、お恥ずかしながら……」

侍「貴様、これでは攻め込まれたときにどうするのだ!」

修道女「うう、なにも申されないでください。私だって気にしているんです」オヨヨ

修道女「こんな閑散とした教会、教会なんて呼べません!」

修道女「……」シュン

侍「どうした」

修道女「ちょっと、自分で言って、勝手に傷ついてしまっただけです。お気になさらずに」

修道女「でも、今日は違います! あなた様が来てくれました!」

侍「連れてこられたの間違いではなかろうか」

修道女「さぁ、懺悔室で悩みを打ち明けましょう!」

懺悔室

侍「なんだここは。随分と狭苦しいな」

修道女「ふふ、さぁ、存分に私に悩みを打ち明けでください」

修道女「ここに聞いたこと、知ったことは全て私の中だけに留めておきます」

修道女「なんなりとおっしゃってください」

侍「なんでもか」

修道女「それはもうなんでもでございます!」

侍(……怪しい奴だが、一応色々と聞いてみるか)

侍(まずはなにを聞こうか↓1)


修道女「日本ですけど……?」

侍「なに? 日の本と書いて日本か?」

修道女「ええ、そうです」

侍「たわけ。拙者の知っている日の本とは全然違うぞ」

修道女「そう申されましても、私は嘘は吐いておりませんよ?」

侍「馬鹿を申すな! 貴様、拙者を愚弄するのも大概にしろ!」ジャキ

修道女「ああ! 懺悔室で暴れないでください!」

侍「拙者のいた日の本では戦乱の世であった!」

侍「このように見られぬ着物を着た人間たちが無防備で歩いている世ではなかったぞ!」

修道女「戦乱?」

侍「ああ、そうだ」

修道女「……ってことは、戦国時代から来たその……お方ですかね?」

侍「どういう意味だ?」

修道女「あの、その刀は本物ですか?」

侍「本物もなにもこれは列記とした刀だ」

修道女(ど、どうしましょう)

修道女(このお方は間違いなく嘘は吐いていない顔をしておられます)

修道女(もしや噂に聞く、タイムスリップというものでしょうか?)

修道女(ああ、初めて会ったときは少し変わった格好が好きな男性なのだと思ったのですが……)

修道女(主よ。私はどうすればいいのでしょうか)


どうする? ↓1

修道女「!」

侍「なんだ。どうしたというのだ」

修道女「主のお導きがありました」

侍「主? どこにおるのだ?」

修道女「私と一緒に暮らしましょう!」

侍「な、なに故そうなった!?」

修道女「私は迷える子羊助けます!」

侍「な、なにを申すか貴様は! 夫婦でもないおのことおなごが一緒に暮らせるわけなかろう!」

修道女「しかし、これは主のお導き。私は引けません」

侍(とりあえず断るぞ)

侍(いくら状況が不明瞭だとは申してもおなごと一緒になど暮らせるか)

侍(なにかいい断り方はあらぬか)

侍「↓1なので無理だ」

侍「拙者には銭がない」

侍「そんな者を置いてはおけぬだろう」

修道女「お金はどうとでもなります! どうか私にあなた様を助けさせてください!」

侍「はぁ……なぜそこまでするのだ」

修道女「なぜって……主のお導きだから、ですかね?」

侍「貴様は少々人が良すぎるのではないか?」

侍「見知らぬ者、それにおのこ。拙者が乱暴者であったらどうするつもりだ」

修道女「その時は……その時です」


侍「……」スタ

修道女「ま、待ってください!」

侍「何度も言わせるな。拙者は一文無しのおのこ。貴様とは住めぬ」

侍「……ありがたい申し出だったがな」

修道女「お金は↓1をしているのでなんとかなります!」

修道女「男の人に関してはその……なんとも言えませんが」

侍「が、がい……なんだそれは」

修道女「えと、私はドイツ人と日本人のハーフなんです! ドイツ語はもちろん、スペイン語とか英語とか出来てその……」

修道女「とにかくお願いします。それに一人ぼっちじゃ淋しいじゃないですか」

侍(……拙者はどうするべきなのだ)

侍「↓1」

修道女「本当ですか!?」

侍「ああ、そこまで申されては断れまい」

侍「それに、先刻までは警戒しておったが……」

侍「お主は心の清らかな人間のようだ」

侍「先程までの無礼。どうか許してくだされ」

修道女「そ、そんな! 頭をあげてください!」

侍「かたじけない」

修道女「あ……そうです。あなた様に言わなければならないことがありました」

侍「む?」

修道女「あなた様の置かれている状況についてです」

修道女「詳しくはわかりませんけど、おおまかなことなら伝えられます」

――

修道女 家 和室

侍「……」

修道女(どうしましょう)

修道女(あの後、侍様がタイムスリップしたかもしれない)

修道女(もしかしたら元の時代に戻れないかもしれない。そのことを伝えたら酷く落ち込んでしまいました)

修道女(主よ。私は侍様を元気づけるためになにをすればよろしいのでしょうか)

↓2

修道女「!」

修道女「主よ、感謝します!」タッタッタ

修道女(誰かのためにご飯ですか……)

修道女(ふふ、腕がなります!)

数時間後

どーん

修道女「……」

侍「……」

修道女「い、色々と作りすぎてしまいましたね。申し訳ございません……」

修道女「食べきれなくても大丈夫なのでその……」

侍「拙者、考えたのだが」

修道女「はい?」

侍「↓1」

修道女「働かせてもらいたいですか」

侍「もうこうなってしまったことは仕方がない」

侍「そして、どのくらいここにお世話になるのかもわからぬ」

侍「故にお主に仕えたいのだ」

修道女「つ、仕えたいと言われましても私も仕えの身なので……」

侍「お願いだ!」ジャパニーズドゲザ

修道女「わ、わかりました! ですのでそのお顔を上げてください!」

侍「まことか!?」

修道女「はい。じゃあ、なにをやってもらいましょうかね」

修道女(うーん、どんな仕事が侍様には似合うのでしょう)

修道女(主よ。私をお導きください)

↓1

修道女「!」

修道女「雑巾がけ……主に掃除をやってもらいたいですね」

侍「なるほど」

修道女「この家もあの教会も私一人ではなかなか掃除するのは厳しいんです」

修道女「あとは私がいないときに教会にいてもらいたいですね」

侍「その程度ならお安い御用! 精一杯頑張らせてもらう」

修道女「そうと決まりましたらご飯を食べましょう!」

侍「御意」

侍「む……」

修道女「どうかしましたか?」

侍「白米が……」

修道女「お気に召しませんか? えっと、昔の方ですと、粟とかのほうがお好みでしたか?」

侍「いや、拙者気分が高揚して仕方がない!」

修道女「本当ですか!」

修道女「おかわりもいっぱいありますよ!」パカ

侍「おお! しかし、米は高価。いいのか?」

修道女「この時代はお米が有り余っているんでそんなに高価ではないですよ」

侍「米が有り余る!? そ、そうなのか。いい時代だな」

修道女「はい」ニコ

侍「では、遠慮なく頂くぞ」

……

修道女「お、男の人って凄いのですね……」

侍「少しだけ……食べ過ぎた……」

侍「すまぬ。厠はあるか?」

修道女「ああ、それだったらあちらに」

侍「かたじけない」

トイレ

侍「変わった形の厠だ」

侍「いや、早く用を足してしまおう」

……

侍「ふぅ……」

侍「む? なんだこの紙は」

侍「この手触りは!? い、今までに感じたことのない紙の感触」

侍「きっとただでさえ紙は高価なのにさらに値が張るものに違いない」

侍「しかし、厠にあるということは尻を拭うためのもののはず」

侍「いやいや、だからと言って拙者のような居候が使っていいものではないはずだ!」

侍「ど、どうするか」

侍「他に尻を拭うためのものはない」

侍「なんということだ」

どうする? ↓1

侍「……」ゴクリ



フキフキ

侍「!」

侍「なんだこの……優しい肌触り、いや尻触りは!」

侍「これは間違いなく高価な紙に違いない」

侍「謝らねばならぬな」

……

修道女「そういえば使い方を教えるのを忘れていました」

侍「……」スタスタ

修道女「あ、侍様? 使い方は大丈夫でした?」

侍「すまぬ、トイレにあった紙を使ってしまった」

修道女「トイレットペーパーのことですか?」

修道女「別に平気ですよ? あれはそのためにあるものですし」

侍「まことか!? あれを何度も使ってもよいのか!?」

修道女「え、ええ。もちろんです」

侍「まっこと……まっこと良き時代だ……」 

修道女「大袈裟ですよ」アハハ

修道女「さて、今日はもう寝ましょうか」

侍「そうだな。とっくに日はくれている」

修道女「はい。布団用意しますね」

侍「かたじけない」

……



チュンチュン

侍「……」ムク

侍「ふわぁ。いい朝だな」

侍「む? 置き手紙か?」

『すみません。今日は早い時間から用事が出来てしまいました。私が帰ってくるまで自由にしててください」

侍「ふむ。まだ日が昇って間もないはずなのに、出かけたか」

侍「しかし自由にしろ、と申されてもな」

侍「とりあえず↓1でもするか」

侍「仕事はしっかりこなさなくてはな」

侍「とりあえず家の掃除から」

侍「その後に教会? の掃除だな」


……

侍「とは、言ったもののどうするべきか」

侍「道具が見当たらぬ」

侍「む? なんだこれは?」

↓1

侍「鎧?」

侍「いや、しかし拙者の物とは少しだけ形状が違うな」

侍「なんなのだ本当にこれは……」

侍(着てみたいな)

侍「いやいや、無闇やたらに触るべきではないな」

侍「よし、次こそは道具を見つけるぞ」

侍「む? これは?」

↓1

侍「なんなのだこれは」

侍「なにやら紐が伸びていて壁とくっついているが……」

イジイジ

ウィーン

侍「!」

侍「き、貴様何奴だ!?」

掃除機「……」ウィーン

侍「こ、答えろ! 叩き切るぞ!」

掃除機「……」ウィーン

侍「貴様!」

トゥルルルルル!

侍「こ、今度はなんだ!?」

ウィーン

侍「うるさい少し黙れ!」

トゥルルル!

侍「敵襲か!?」

ピンポーン ピンポーン

侍「う、うわぁぁぁぁ!」

侍「……」

↓2「……」

侍「助けてもらってすまぬ」

侍「拙者とあろう者がつい、気が動転してしまった」

数分後

侍「……」

↓2「……」

侍「助けてもらってすまぬ」

侍「拙者とあろう者がつい、気が動転してしまった」

イケメン女「別に気にしなくていいよ」

イケメン女「機械音痴なくせに機会なんて触るもんじゃないよ」

侍「御意」

イケメン女「ところでさ。アンタ誰?」ギロ

侍「拙者は侍。今はこの家に居候中のみだ」

イケメン女「あんたが昨日の夜あいつが喋ってた男か……」

侍「む? 誰がだ?」

イケメン女「ふーん」

イケメン女「ねぇ、話しておきたいことがあるんだけど」

侍「なんだ」

イケメン女「↓1」

侍「そうか?」

イケメン女「おう。思ったよりかイケメンだった」

イケメン女「それに真面目そうだなお前」

侍「ふむ。そうでもないがな」

イケメン女「そういえりゃ、合格だよ」

イケメン女「うん。安心した」

イケメン女「あいつもついにねぇ……」ニヤニヤ

侍「どうしたんだ?」

イケメン女「いやいや、あたしは失礼するね」スタスタ

侍「なんだったのだ今の男は……」

修道女 家前

イケメン女「ふん♪ ふん♪」ガラガラ

修道女「あ、イケメン女さん!」

イケメン女「おーう」

修道女「もう、どうしてあんな朝早く呼び出しておいてこんなところにいるんですか……」

イケメン女「あははわりぃわりぃ」

イケメン女「でも、お前の彼氏がみたくってよ」

修道女「彼氏ですか?」

イケメン女「おう。いやー、子供っぽくて、けど真面目で堅物なお前には縁がないことだと思ってたけど……」

修道女(んー、私に彼氏なんていないはずですけど……)

イケメン女「まぁ、なにはともわれよかったじゃん」

イケメン女「あいついれば寂しくないだろ」ニコ

修道女「寂しい?」

イケメン女「んじゃ、あたしはいくぜーい」

修道女「あ、はい! またお越し下さい」

修道女「……寂しい」

ガラガラ

修道女「帰りました」

侍「む。早いな」

修道女「はい。用事ではなかったみたいですから」

侍「どういう意味だ?」

修道女「……」ジー

侍「どうした?」

修道女「失礼します」ギュ

侍「急に手を握られても困るのだが……」

修道女「……」

修道女「そうですね。確かに寂しくないです」ボソ

侍「?」

……

昼過ぎ

教会

侍「ふーむ。暇だな」

侍「やることは全てやってしまった」

侍「修道女殿は稼ぎに出かけ……」

侍「いやいや、気を抜いてはいかぬ」

侍「いつ敵が襲ってくるかもわからぬ今、弛んではならぬ」

ガチャ

侍「敵か!?」

>>↓2「え!?」

バイク便女「神父……さん?」

バイク便女「ちょんまげの……」

侍(敵ではなさそうだな)

侍「要件はなんだ」

バイク便女「う、うぇぇぇぇぇん!」

侍「な、何事だ!?」

……

バイク便女「ぐすん……それでですね。ちゃんまげ神父さん」

侍「なんだ」

バイク便女「うちの彼氏がね? そのことがきっかけで別れるって言ってきたんですよ」

侍「ふむふむ」

バイク便女「酷くないですか?」

侍「いや、拙者にはわからぬが……」

侍「だが、お主が間違ってないことは確かだな」

バイク便女「ううう、ちょんまげ神父さんは優しいですねぇ」

バイク便女「すいません。ありがとうございました」

侍「拙者は役に立ったのか?」

バイク便女「いいんですいいんです。話を聞いてもらっただけでも」

侍「そうか……」

バイク便女「ふふ、ふらっと仕事中に立ち寄った甲斐がありました」

侍「うむ。ならばよかった」

バイク便女「じゃあ、私は仕事に戻りますね。またなにかあったら来ますから!」

侍「御意」

侍「ふむ。全く人が来ないわけではないのだな」

侍「拙者はとりあえず……話を聞けばいいのか?」

侍「いればいいとだけ申していたが、そういうことも必要なのだろう」

ガチャ

↓2「」

侍「何奴か来たな」

小学生男子「おわ! 変なのいた!」

侍「変なのとは無礼だな」

小学生男子「まぁ、いいや。お前、暇そうだな」

侍「……うむ」

小学生男子「俺と一緒に↓1しようぜ」

侍「やきう?」

小学生男子「野球だよ」

小学生男子「お前は運動できなさそうだけど、俺が相手してやるよ」

侍「しかし、ここから離れるのはな……」

小学生男子「ちょっとくらいいいだろ!」

小学生男子「おら、公園行くぞ!」

侍「う、うむ」

……

公園

カキーン

侍「うむ。なかなかいい鍛錬になるな」

小学生男子「な、なんでだよ! 野球初めてじゃなかったのかよ!」

侍「初めてだ。しかし、しっかりと拙者の体を狙え。出なきゃ拙者は殺れぬぞ」

小学生男子「野球はそういうのじゃねーから!」

小学生男子「おら、もう1球行くぞ!」

侍「次は殺す気でくるのだぞ」

小学生男子「おう、じゃあそのつもりでいってやらぁ!」

……

小学生男子「くそ……三振所か空振りすら取れないってどういうことだよ……」

侍「鍛錬が足りぬ」

小学生男子「俺は毎日しっかり練習してるぞ!」

侍「じゃあ、足りぬのだろう。敗北したのはそこが原因だ」

小学生男子「ああ、わかったよ! じゃあ次は絶対勝ってやるからな」タッタッタ

侍「ふむ。仕事に戻るとするか」

教会

侍「いい鍛錬にはなったな」

侍「しかし、あの野球というのはなかなか興味深いものであった」

侍「ふむ。もう一度やってみたいな」

ガチャ

>>↓2「」

侍「何奴か来たな」

BBA「あらやだイケメン!」

侍「む?」

BBA「まぁまぁ、修道女ちゃんのお父さんもイケメンだったけど、日本男児って感じで素敵だわぁ」

侍「いや、あの拙者は……」

BBA「あー、これこれ! 昨日うちで採れた大根よー」

BBA「味噌汁なんかに入れてねぇ」

侍「は、はぁ……」

BBA「あなた若いんだから、いっぱい食べなきゃだめよ」

侍「そ、そうだな」

BBA「あ、それから聞いてよ。このまえうちの旦那がねぇ?」

一時間後

BBA「ってなわけだったのよ」

侍「……」コクコク

BBA「あらやだ。もうこんな時間だわ」

BBA「もう、ごめんなさいね。私ったらついつい話し込んじゃって」

侍「ああ……」

BBA「それじゃあ、またね」

BBA「それから、修道女ちゃんのこと頼んだわよ」

侍「む?」

BBA「ここに来る人数が少なくなっちゃったの、自分のせいだって感じちゃっているからね」

BBA「あなたがしっかりフォローしてあげて支えてあげなさいよ」

侍「ああわかった」

……

教会

侍「ふぅ……疲れたな」

侍「あの老婆はなかなかに興味深いことを言っていたな」

侍「しかし、修道女殿に聞けるようなことでもなさそうだな」

ガチャ

侍「む?」

修道女「すみません。ちょっと長引いてしまって」

修道女「どんな感じでした今日は?」

侍「今日は三人ほど人が来たな」

侍「それでかくかくしかじかで」

修道女「す、凄いじゃないですか!」ニコニコ

侍「拙者はなにもしていないぞ」

修道女「ここの理念としては信仰を増やすよりも、迷える子羊を助ける、誰かに幸福な時を与える。です」

修道女「侍様はそれを今日見事に達成しました!」

修道女「これはなにかご褒美が必要ですね」ニコニコ

修道女「なにがいいですか?」

侍「拙者は衣食住があればなにもいらぬ」

修道女「そう言わずに」

修道女「じゃあ、↓1にしましょう」

修道女「じゃあ、このケーキを食べましょうか」

修道女「仕事先の人にもらったんですよ」

修道女「二人で家に帰って食べましょうか」

侍「けーき?」



修道女「では、どうぞ」

修道女「気に入っていただけるといいんですけどね」

侍「ふむ。では頂く」

パクリ

侍「……」

修道女「どうですか?」

侍「……」

修道女「侍様?」

侍「は!? あまりの美味しさに意識が!?」

修道女「お、大げさですよ」アハハ

侍「いやー、今日の疲れも一日で吹き飛ぶ味だ!」

侍「気に入った!」

修道女「だったらよかったです」ニコ

今日はここまで

明日時間があれば夜か朝に


次の日

修道女「こちらがスーパーで......」

侍「すーぱー?」

修道女「食品の販売、商いって言うんですかね」

修道女「それを行っているところです」

修道女「後は日用品とか売っていますね」

侍「なるほど。市場というわけか」


修道女「とりあえずこちらで最後ですね」

侍「わざわざ案内してもらってかたじけない」

修道女「いえいえ。これでこのあたりでしたら自由に歩けるようになりましたね」

侍「そうだな。しかし本当にこの世は平和なのだな」

修道女「全部が全部出はないですけどね」

修道女「いままで紹介してきた場所でどこか行ってみたい場所はありますか」


侍「そうだな。じゃあ下1にでも行ってみようか」


ユニクロ

侍「なかなかにこの時代の着物は興味深いな」

修道女「着物じゃなくて洋服って言うんですよ」

侍「洋服......」

修道女「試しに来てみますか?」

侍「いいのか?」

修道女「試着くらい大丈夫ですよ」


......

「ど、どうだ?」

修道女「似合ってますよ!」

侍「うーむしかし洋服というものは窮屈だな」

修道女「おきに召されませんでしたか?」

侍「見るだけに留めていたほうが良さそうだ」

修道女「そうですか.......」

侍「すまぬ」


修道女「まぁ仕方がないですね」

修道女「他に行ってみたい場所はありますか?」

侍「下1」


修道女「侍ですか?」

侍「うむ。身なりは違えど、この世に侍はいるだろう」

修道女「そ、そうですね」

修道女(どうしましょう。いないと言ったら侍様はショックを受けてしまうかもしれません)

修道女「そうです! ここの近くに剣道場がありました!」

修道女「侍様ついてきてください!」

侍「御意」


剣道場

メーン テイヤー

ガラガラ

修道女「すみませーん」

師範「どうしました?」

修道女「見学したいのですがよろしいですか?」

師範「大歓迎ですよ! では、こちらに」

修道女「はい!」


侍「ここは?」

修道女「剣道場です」

侍「剣道?

修道女「やったことないんですか?」

侍「うむ。そのような名前ではなかったし、もっと実践形式だった」

侍「しかし、しっかりと鍛練している光景が見れて安心したぞ」

修道女「でしたら連れてきた甲斐がありました」ニコニコ

修道女(優しい嘘も必要ですよね。主よ)

門下生A「おい、見てみろよ。すげー可愛い人きたぞ」

門下生B「うわ、ほんとだ。なんだ? もしかして入門してくれるのか?」

門下生C「ばっか、どうせあの隣の奴の付き添いだろ」

門下生A「くそぅ。やっぱりイケメンがモテる世の中なのか……」

門下生C「でも、やっぱ面白くないよな」

門下生B「ああ、確かにそうだな?」

門下生A「お? なんか悪戯でもしちゃうか?」

門下生C「そうだな。↓1をしよう」

門下生A「パンチラ?」

門下生C「ああ、あの可愛い女の人のパンチラを拝むんだよ」

門下生B「で、でもどうやって」

門下生C「↓1」

門下A「事故を装ってとは?」

門下生C「バカ、適当につまづいた振りして竹刀でスカートめくればちょちょちょいよ」

門下生B「うは! お前天才!」

門下生A「おっしゃ! じゃあ、早速やってみるか!」

門下生A「……」ソワソワ

修道女「掛声が凄いんですね」

侍「ああ、しかしまだまだ気迫は足りぬな」

門下生A(よし、今だ!)

門下生B(俺たちに夢を見せてくれ!)

門下生C(いけ、A!)


門下生A「ウワー、アシクビクジキマシタァ」

門下生B(なんて下手くそな演技!)

門下生C(だが、このままいけば確実にめくれそうだ!)

修道女「あ、そういえば」ヒラリ

門下生A「あ」

ピト

門下生A(こ、この顔に当たる馴染みのある感触は……自分のそれではないが間違いなく……)

侍「痛いではないか」

B・C(Aーーー!)

門下生A「う、うわぁぁぁ!」

修道女「だ、大丈夫ですか?」

侍「どうしたのだ急に」

門下生A「そりゃ、騒ぐだろ! 男のナニが衣服越しだとはいえ顔にあったたんだぞ!」

門下生A「もういい! 俺は切れたぜ! 剣道で勝負だ!」

門下生B「お、おいおい。やめておけよ」

門下生C「そ、そうだぜ。元はといえばあんな馬鹿なことをしたお前が悪いんだ」

門下生A「お前が発案者だろ!」

侍「剣道で?」

門下生A「ああ! 見た目からして剣道やってたんだろ!」

侍「つまりは決闘だな」

門下生A「そうだ! 彼女の前でコテンパンに叩きのめしてやる!」

師範「こらこら、お前らなにをやっているんだ」

門下生A「ハゲ! 審判やれ!」

師範「は、ハゲ!? うぅ、最近門下生達の口が悪くて困りますよぉ」

一時間後

修道女「す、凄い……」

修道女「侍様はこんなにもお強かったんですね!」

門下生A「……」

門下生B「な、なんで俺たちまで……」

門下生C「くそ……」

侍「貴様らはなにをやっている!」

侍「ひと振りひと振りに殺気が感じられぬぞ!」

侍「一から学び直せ! 拙者が稽古をつけてやる!」

師範「いや、それ私の役目なんですが……」

……

道路

侍「拙者も学ぶことが多い時間であった」

修道女「なんだか楽しそうでしたね」

侍「ああ、まっこと良き時間であった」

修道女(ふふ、侍様が喜んでくださって本当によかったです)

次の日

侍「今日は休養日だと?」

修道女「はい。今日は私、仕事がない日なんです」

修道女「ですので、今日は朝から教会にずっといます!」

侍「ならば、拙者も」

修道女「いえいえ、侍様は今日は自由にしててください」

修道女「色々と過去と現代の違いのせいでストレスも溜まっていると思いますので」

侍「す、すとれす」

修道女「今日はゆっくりと羽を伸ばしてください」

修道女「それじゃ失礼します」スタスタ

侍「自由にしていてもいいと申されてもな」

侍「なにをするか」

↓2

軒下

侍「……」

侍(そういえばここに来てからというものずっと気が張っていたな)

侍(たまにはこういった時も必要か)

侍(いかんいかん。雑念を捨てて集中せねば)

↓2「……」ジー

侍「む?」

猫「にゃーん」

侍「猫か……」

侍「すまぬ。今は相手にしてやれぬ」

猫「にゃーん」

侍「ふむ。構って欲しいのか」

猫「にゃん」

侍「ではこっちへ来い」

ナデナデ

猫「……」

侍「愛いやつだな。気に入ったぞ」

侍「しかし、今日はまっこと天気が良いな」

侍「散歩に出るのも良いな」

侍「よし、行くかな」

道路

侍「わざわざついてこなくてもいいだろう」

猫「にゃーん」

侍「どうやらお主も拙者を気に入ったようだな」

侍「お互いいい関係を築けそうだな」

侍「む? ここはなんだ? 昨日説明になかった場所だ」

↓1

侍「ここは……」

BBA「あらやだ! 最近ぶりね!」

侍「お主は教会で会った……」

BBA「なになにどうしたの? 今日は遊びに来てくれたの?」

BBA「可愛いお友達連れてまぁ、いい組み合わせだわ」

侍「ここはなんなのだ」

BBA「知らないの? 遊園地よ。あ、そうだ遊んでく?」

BBA「入園料はおばちゃんが出してあげるから!」

侍「いいのか?」

BBA「いいのよいいのよ。楽しんでいってね」

侍「かたじけない」

園内

侍「お、おお! 様々なからくりが動いているぞ!」

猫「にゃーん」

侍「ここは夢の世界のようだな!」

侍「拙者の時代にはこの様なものはなかったぞ!」

キャー

侍「な、なんだあの人が乗っているからくりは!?」

侍「凄い早さが出ているぞ!」

侍「あっちのからくりは回りながらあんなに高い位置まで人を乗せている!」

侍「しかし、あんなものに乗って平気なのか?」

侍「乗っている人間も少ない」

侍「それ以前にこの場所に人があまりいないな」

侍「ここはそういう人を寄せ付けないところ……」

侍「は!? まさかここは処断場か!?」

侍「あのからくりも、あそこのからくりも! 人を殺めるためのものではないのか!?」

侍「とんでもない悪夢の世界ではないか!」

侍「あの老婆よくも拙者をこんなところに!」

↓1「あの……」

侍「なんだ貴様は!?」

着ぐるみ「僕はこの遊園地のマスコットだよ!(裏声)」

侍「ますこっと?」

侍「なるほど……貴様が処刑人というわけか」

着ぐるみ「しょ、処刑人?(女性声)」

侍「勘違いするな。拙者は罪人ではないぞ」

着ぐるみ「あの言っている意味がよくわからないんですけど……」

……

侍「……」

女子高生「お待たせしましたー」

侍「何奴だ貴様は」

女子高生「ひ、ひどいですね! さっきの着ぐるみの人間です!」

侍「いや、拙者は貴様のような身長の低いおなごは知らぬ」

女子高生「身長小さいことは触れないでください! まぁ、そのおかげでぬいぐるみのバイト受かれたんですけど……」

侍「すまぬ。今拙者はとある人? と待ち合わせしているのだ」

女子高生「だからそれが私です! さっきの中身は私なんです!」

侍「む? そうなのか?」

女子高生「全く折角人が大切な休み時間をあなたのために使っていると言うのに」

侍「かたじけない」

女子高生「それで。あなたは本当にここがどういうところか知らないんですか?」

侍「処断場ではないのか?」

女子高生「ち・が・い・ます! そんな物騒なところじゃありません!」

女子高生「ここは遊園地って場所です。そのくらいなんでわからないんですか」

侍「ゆうえんち?」

女子高生「そうです。娯楽施設なんですよ。みんなに夢と希望を与える素敵な場所です」

侍「おお、そうであったか」

訂正

女子高生「そうです。娯楽施設なんですよ。みんなに夢と喜びを与える素敵な場所です」


今日はここまで

明日の朝か昼にまたやります


女子高生「あの、本当にわからなかったんですか?」

女子高生「わたしをからかってるだけじゃないんですか?」

侍「何故拙者がそのようなことをせねばならぬ」

女子高生(この人一体なんなの? 遊園地のそんざいは)


女子高生(この人一体なんなの? 遊園地の存在はしらないし格好も変だし)

女子高生(ああ変な人相手にしちゃったかな)

女子高生(でもだったらなおのことここの良さを知ってもらはないと!)

猫「にゃーん」

女子高生「あ」

侍「どうしたのだ?」

女子高生「下1」


侍「ぱれーど?」

女子高生「ほら、今始まったぬいぐるみたちが踊ってるやつです!」

侍「......」

女子高生「って、パレードって言っても地味ですよね」

女子高生「なんか、すいません」

侍「すごいぞ!」

女子高生「え!?」

無いことも無いが輿もないし、スピードも速いからかなり見た目違うと想うぞ。
大名行列は割と近いところだと遊園地のパレード並みの速さだったらしいけど。

侍「いやはや、なかなかにぱれーどなるものはいいな!」

侍「まるで宴の中に迷い込んでしまったようだ」

侍「気分が高揚する」

女子高生「あの……このクオリティですよ?」

侍「くお……? よくわからぬが、とりあえず見ていて楽しいものだ」

女子高生「そ、そうですか」

侍「どうした?」

女子高生「いえ、この遊園地のパレードを褒めてくれる人がいるんだと思いまして」

女子高生「ちょっと嬉しくなっただけです」

侍「左様か」

女子高生「……」

侍「む?」

女子高生「私決めました」

侍「ほう」

女子高生「↓1」

侍「楽しさを?」

女子高生「ええ! 遊園地、いやここの楽しさを知らないなんて勿体ないですよ!」

女子高生「しょうがないので、この私があなたにここの良さを教えてあげます!」

侍「う、うむ。そうか。ならば頼むかな」

女子高生「まかせてください!」

女子高生(とは、言ったものの……)

女子高生(どこに連れて行こうかな?)

女子高生(うーん、どうしよう)

↓1

……

観覧車内

女子高生「お、落ち着いてください!」

侍「落ち着いていられるか! う、浮いているのだぞ!」

女子高生「浮いてないです! 運ばれてるだけです!」

侍「どうするのだ! なにかあってこのまま落ちたりしたら!」

女子高生「失礼ですね! そりゃ、見た目はおんぼろですけど整備はしっかりしてます!」

侍「うわぁ! 揺れておる! 揺れておるぞ!」

女子高生「あなたが揺らしているからそうなっているんでしょう!?」

侍「く……無心。無心だ。拙者の心よ静まれ」

女子高生「あなたって忙しい人ですよね……」

侍「む?」

女子高生「あ、頂上につきましたね」

女子高生「どうですか? いい眺めでしょう」

侍「そうか……こういう景色だったのか」

女子高生「はい?」

侍「いや、城の天辺からの景色はこのようなものだったのだな、と思っただけだ」

侍「無念だな。この景色は城で見たかったのだが」

侍「今、それを申しても致し方がないことか」

女子高生「話が見えないんですけど……」

女子高生(とりあえず喜んでくれたんだよね?)

……

侍「……」

女子高生(や、やった! 満足そうな顔してる!)

女子高生(ふふ、このままこの遊園地を好きになってもらえればいいなぁ)

侍「なにを笑っておるのだ?」

女子高生「な、なんでもありません」

女子高生「次は↓2に連れて行きます!」

……

ステージ マスコット達が踊っている

侍「……」

女子高生(わぁ、どうしよう。凄い真顔になってる!)アワアワ

女子高生(チョイス間違えたかな……?)アワアワ

女子高生(そ、そうだよね。見るからに硬派な人だし)

女子高生(で、でもさっきのパレードは喜んでくれたし!)

侍「ふ……なかなかに愛いな」

侍「次に行くぞ」

女子高生「え……?」

女子高生(た、楽しんでくれたのかな?)

女子高生「あ、そろそろ休憩時間が……」

女子高生「次で最後にしなきゃ」

女子高生「次は↓2です!」

侍「ほう」

……

お化け屋敷前

女子高生「こ、ここがお化け屋敷です」オドオド

侍「おばけやしき? なんだ。拙者に妖怪退治でも願いたいのか?」

女子高生「違いますよ!」

女子高生「とにかく入りますよ!」

侍「うむ」

……

女子高生「……」

侍「どうしたのだ? 早く歩け」

女子高生「わ、わかってますよ」

女子高生「……」

侍「お主、もしかして怖いのか?」

女子高生「違います!」

侍「しかし、足が……」

女子高生「……ああ、もうそうですよ! 怖いんですよ!」

女子高生「でも、うちの遊園地の目玉はこれなんですよ。だからしょうがなく……」

侍「拙者のために怖いのにしょうがなく……か」

侍「ほれ」

女子高生「……なんですかこの手は?」

侍「掴まれ。目を閉じて歩けば怖くなかろう」

女子高生「そ、そんなこと出来るわけないですよ!」

女子高生「あ、あなたはもしかして、女子校生と手をつなぎたい変態さんなんですか!?」

侍「よくわからぬが、怖いのだろう? 早く」

女子高生「……」

侍「安心しろ。人ならば苦手なモノのひとつくらいある」

女子高生「……」ギュ

侍「行くぞ」



女子高生「あの……」スタスタ

侍「どうした」スタスタ

女子高生「幽霊とか怖くないんですか?」

侍「出てくれば叩き切ればよかろう。今日は刀がない故己の肉体でどうにかするがな」

侍「それに幽霊よりも怖いのは人だ。そして、その心だ」

侍「幽霊如きにおびえる必要はない」

侍「故に、安心しろ。幽霊が出たとしてもお主を守ってやる」

女子高生「は、恥ずかしいこと言わないでくださいよ!」

侍「すまぬ」

女子高生「まったくもうあなたはなんなんですか!」

侍「何奴と申されれば侍だ」

女子高生「そういうのを聴いてるんじゃないです!」

バ!

侍「む!?」

女子高生「キャ!」

なにかが飛び出してきた

↓1

首なし鎧「……」ヨロヨロ

首なし鎧(あ! この子ぬいぐるみの中で働いてる子じゃん!)

首なし鎧(うわぁ、今日も可愛いなぁ)

女子高生「あ……」ヘナヘナ

侍「見た目から察するに……」

侍「ふ、なるほどな。貴様、拙者が切った者の亡霊かなにかだな?」

侍「この時代まで追ってくるとはいい度胸だ」

侍「相手をしてやるぞ」

首なし鎧(え? なんでこの人殺る気まんまんの目をしてるの?)

侍「いざ、参らん!」

首なし鎧「え!? ちょっと待って!?」

首なし鎧「う、うわぁぁぁ!」

……

女子高生「あなたはなにをやっているんですか!」

侍「すまぬ。あれの中身が普通の人だとは思わなんだ」

女子高生「全く……たまたまスタッフの人がいい人だったから良かったものの……」

侍「しかし、実際拙者達に危害を加えようと」

女子高生「してないです!」

侍「すまぬ」

女子高生「はぁ……。それで、今日は楽しんでくれましたか」ムス

侍「ふむ。なかなかに有意義だった」

女子高生「……ならよかったです」

猫「にゃーん」

侍「む。突然消えたと思ったらまた出てきたな。そろそろ帰るぞ」

女子高生「あ、私もそろそろ休憩上がりなんで」

侍「そうか。今日は楽しい時間を頂きかたじけない」

女子高生「べつにいいですよ。私だって好きでやったんですから」

女子高生「それに……」

侍「どうかしたのか?」

女子高生「な、なんでもないです!」

侍「それでは拙者はもう行くぞ」

女子高生「あ、ちょ、ちょっと待ってください」

侍「どうしたのだ」

女子高生「あの、また会えますかね?」

侍「ふむ。その問いに対する答えは難しいのだが……」

侍「お主が思えばまた会えるだろう」

侍「それではな」スタスタ

女子高生「……」

女子高生「私のバカ。なに言ってるのよ」

……



食事中

修道女「へー、そうなんですか」

侍「ああ、遊園地という場所はまっこと楽しかった」

侍「今度、一緒に行こうぞ」

修道女「ふふ、そうですね。私も久しぶりに行きたいです」

侍「それに、拙者に現代で初めて友ができたぞ」

修道女「それは凄いですね! 早速ですか!」

侍「ああ、猫なのだがな。なかなか愛いやつでな」

修道女(ね、猫は友人と呼べるのでしょうか……)

一週間後

教会

修道女「なんだかんだで二人で教会にいるのは二回目なんですよね」

侍「一週間も時が経っているのに意外だな」

修道女「本当ですよ。私はもっと侍様と一緒にいたいのですけどね」

侍「うむ。拙者も同じ気持ちだ」

修道女「はい! さぁ、今日はばりばり迷える子羊達を助けちゃいますよ!」

侍「御意」

↓2「……」

修道女「早速誰か来られましたね」

チワー、893でーす


侍「お主は!?」

師範「あなた達はこの前の……!」

修道女「どうかされたのですか?」

師範「は、はい……」

師範「実は悩みがありまして」

修道女「悩みですか! どんな、どんなですか!」

師範「↓1」

剣道娘が家出

師範「最近そう思っているんです」

修道女「それはまぁ、難儀な悩みですね」

師範「自分でも薄々気づいているんです」

師範「威厳はかけらもないし、門下生達には舐められる」

師範「嫁には尻にひかれ、娘には臭いと罵られる」

師範「最近はどんどん髪も薄くなっている」

師範「そんな私に師範が向いているのでしょうか?」

侍(後半は全く関係ない話だったがな)

修道女「それはそれはお辛かったですね」

修道女(こういうときはどんなお言葉を授ければいいのでしょうか)

修道女(ああ、主よ。私をお導きください)

↓1

嘆くばかりでは何も変わりません。
まずは日頃の態度から改めるのです。

師範「私が侍さんの……」

侍「拙者が?」

修道女「ええ。侍様の強さは師範様も知っての通りです」

修道女「それに侍様は威厳たっぷりです。弟子入りしてみればどうですか?」

師範「は、はい! そうしてみます!」

侍「しかし、拙者の弟子になる以上、弱音は聞けんぞ」

師範「はい!」

侍「一週間でお主を立派な師範に育ててみるぞ」

一週間後

剣道場

門下生A「おい、師範全然来なくなったぞ」

門下生B「ああ、ちょっとやばくねーか?」

門下生C「確かにな。このままだと練習にもならないし」

門下生A「そうだな。頼りない人だったけど指導は上手かったし……」

門下生B「早く戻ってこねーかな」

ガラガラ

師範「……」ゴゴゴゴ

門下生達『し、師範!?』

門下生A(な、なんだこのオーラは!?)

門下生B(てか、体ふた回りくらい大きくなってないか!?)

門下生C(髪の毛もなんか増えてる気がするぜ!?)

師範「お前達……待たせたな」

師範「先に侘びを入れさせてくれ。今までいたらぬ師範で悪かったな」

門下生A「い、いやそんなこと――」

師範「貴様は敬語が使えんのか!」

門下生A「は、はい! すみません師範!」

師範「安心しろ。これからお前たちをみっちりしごいてやるからな」

門下生達(この一週間に一体なにがあった――!)

教会

修道女「師範様凄い変貌っぷりでしたね」

侍「拙者も驚いておる」

侍「もしかしたら今では拙者と五分で渡り合えるかも知れぬ」

侍「とんでもない師範を育てあげてしまったな」

↓2「……」

修道女「あ、次の迷える子羊が来られましたよ」

バイク便女「ちゃんまげ神父さーん!」ウワァァァン

侍「お主は!?」

バイク便女「ぎいでぐだざーい」ダキ

侍「え、ええい! 離れろ!」

修道女「ど、どうされたのですか?」

バイク便女「ううぅ、実はうちの彼氏がカレーに納豆を入れたんです……」

修道女「カレーに納豆を、ですか?」

バイク便女「はいぃ……私としてはそんな愚行は考えられなくて相手を責め立てたんですよ」

バイク便女「そしたら別れるって……」

バイク便女「酷くないでずが!? そう思いますよね、ちゃんまげ神父ざん!」

侍「せ、拙者はよくわからないぞ」

修道女(ああ主よ。私はどうすれば良いのでしょうか)

↓1

……

修道女「そういうわけで用意しました」

侍「これを拙者が食べ比べれば良いのだな?」

バイク便女「ちょんまげ神父さん! 納豆のほうは絶対にまずいですよ!」

侍「では、こちらのほうから頂くとするか」

パク

侍「む!」

修道女「さ、侍様!?」

侍「し、舌がやける!」

……

修道女「だ、大丈夫ですか?」

侍「へ、平気だ」

バイク便女「ちょ、ちょんまげ神父さん! 納豆のほうはもっとやばいんですよ!」

侍「う……まだ食べるのか」

修道女「迷える子羊のためです……」

侍「致し方ないのか」

パク

侍「む! 先程のものより食べやすいぞ!」

バイク便女「え!?」

侍「うむ。これなら美味しく食べられるな」

海上自衛隊「でそでそ」
帝国海軍「おいしーよね」

バイク便女「うぅ、そんなの絶対邪道なのに」

修道女「バイク便女様」

バイク便女「なんですか?」

修道女「どんな人間にも趣味趣向はあります」

修道女「あなたの彼氏様も、あたなも、そして侍様も、そして私も」

修道女「好きならばそれを受け入れてあげるのも、一つの愛情表現なのではないのですか?」

バイク便女「しゅ、修道女さん!」

バイク便女「私、彼氏にあやまりに行ってきます!」

修道女「はい。頑張ってきてくださいね」

……

侍「ふむ。お腹がいっぱいだ」

修道女「それはよかったです」ニコニコ

修道女「さぁ、この調子ですよ!」

侍「うむ。拙者はあまり役に立っている気がしないがな」

↓2「……」

修道女「来られましたね」

侍「ふむ」

修道女「……」

ヤクザ「↓1」

ヤクザ「久しぶりだな」

修道女「あなた様は!」

侍「知り合いか?」

修道女「え、ええ。父がいた頃に訪ねてきた怖い顔の人たちが集まる職場に勤めていた人です」

ヤクザ「おいおい。もうその職はやめたんだよ」

ヤクザ「↓1を理由にな」

修道女「持病ですか?」

ヤクザ「ああ、実は↓1だったんだよ」

侍「それはまことか?」

侍「かびんせいいちょうえん?」

侍「一体どういう病気なのだ?」

ヤクザ「ストレスや不安を感じるとお腹が痛くなるんだよ」

ヤクザ「朝の通勤電車、車内、会議中、etc」

ヤクザ「とにかく辛い病気なんだぜ」

修道女「それは大変でしたね……」

ヤクザ「大変なんてものじゃなかったぜ」

ヤクザ「カチコミに行く直前に腹痛に襲われるわ」

ヤクザ「貸した金を回収する時に突然お腹が痛くなって」

ヤクザ「回収しに行った人間の家のドアを猛烈にノックしたりと」

ヤクザ「とりあえず仕事にならなかったんだ」

ヤクザ「んで、今日は仕事をやめちまったから新たな職をどこにしたらいいか相談しに来たんだよ」

ヤクザ「こんな持病を持ってても働けそうなものをな」

ヤクザ「……つってもあいつはもういないんだよな」

修道女「はい。すみません」

ヤクザ「まぁ、お嬢さんでもいいや」

ヤクザ「主の言葉ってやつで俺を導いてくれよ」

修道女「わかりました!」」

修道女(主よ。私をお導きください)

↓1

ヤクザ「なるほど……そいつはいい案だぜ!」

ヤクザ「ヤクザものの小説を書いて一花咲かせてやるぜ!」

ヤクザ「ありがとうな。お嬢さん!」

修道女「いえいえ、人を助けるのが私の仕事ですから」

ヤクザ「なにか進展があったらまたくるぜ! それじゃ!」

教会

修道女「次は侍さんが子羊たちを助けてみますか?」

侍「拙者が?」

修道女「はい。どんな感じなのか私は大変興味がございます」

侍「ふむ。ならばやってみるとするかな」

↓2「……」

侍「早速何奴か来たな」

眠いんでここまでで。また明日の朝に

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