ラハール「よく来たな」 番長「えっ」【P4G×ディスガイアD2 EXTRA】 (153)

ラハール「よく来たな」 番長「えっ」【P4G×ディスガイアD2 EXTRA】

・前置き
 このSSは 陽介「は?魔王?」 ラハール「そうだ」【P4G×ディスガイアD2】 の直接的な続きというか、終了後の話です。
 ディスガイアは、ストーリーが終わってからが本番。ディスガイアを愛する方にはこの意味がわかると思います。
・前置き終わり

番長「・・・えっ、ここは・・・どこ?」

ラハール「俺様の城だ」

番長「えっと・・・俺帰りの電車に乗って、うたた寝して・・・」

ラハール「ありがたく思え、まずは貴様がいないと話にならんと思ってな。呼び出してやったぞ」

番長「・・・・・・」

エトナ「うぃーす、番長」

番長「あ、どうも・・・」

ラハール「魔界では、貴様は俺様の家来として使ってやる!光栄に思っていいぞ」

番長「そうか、意味がわからない」

フロン「どうもすみません番長さん。ど~~うしても素直に、もっと一緒にいたいと言えないようでして・・・」

ラハール「おいコラ」

フロン「お帰りになられる時には、番長さんをお呼びしたところと同じ場所、同じ時間にお返ししますので、これからしばらく魔界で暮らしてみませんか?」

番長「・・・わかりました」

フロン「えぇ?い、良いんですか?私から言っておいて何ですけど、随分と決断が早いですねぇ・・・」

番長「ラハール達がいたところには前から興味があったので、機会があったらきてみたいと思っていましたから」

ラハール「お、おい、俺様を置いて話を進めるな」

番長「・・・これからもよろしく」

ラハール「う・・・うむ。く、くるしゅうないぞ」

エトナ「殿下~、慣れない喋り方しても、それじゃすぐにボロでますよ?」

ラハール「う、うるさい!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415988349

番長「それで・・・家来って言っても、何をすればいいんだ?」

エトナ「まずはアタシのパシリね。とりあえず魔界のめぼしいスイーツ屋の場所書いてる地図あげるから、五分で覚えて」

番長「わかりました」

ラハール「いや、そんなとこはしなくていい」

エトナ「何言ってんですか?こいつ有能なんだから、しっかり活用しないと」

ラハール「そんなことはプリニー達にやらせろ!いいからあっち行け」

エトナ「ちぇー、わかりましたよ~」

番長「あ、待って下さいエトナさん」

エトナ「あぁ?何よ?」

番長「ラハールも、良いか?」

ラハール「な、なんだ?そう改まって・・・」

番長「どうして皆に何も言わずにいなくなったりしたんだ?」

ラハール「い、良いだろ別に・・・どうせまた会うし・・・」

番長「いや、駄目だろ」

ラハール「・・・」

番長「皆凄く悲しんでたぞ・・・二人が何も言わずにいなくなったことに」

エトナ「ごめんね~。アタシは殿下にそうしろって言われたから仕方なくさ~」

ラハール「き、貴様・・・!」

番長「もう、皆をあんな風に悲しませないでくれ」

ラハール「・・・・・」

番長「ラハール」

ラハール「わ、わかったわかった。俺様が・・・悪かった」

番長「・・・そっか」

ラハール「だ、大体貴様、家来のクセに生意気だぞ!」

番長「いくら主従でも、正しいと思ったことは上申させてもらうぞ」

ラハール「む・・・・・・ま、まあ良いだろう」

エトナ「それじゃ今までの関係と特に変わらないんじゃ・・・」

フロン「まあ良いじゃないですか。魔界に来た以上、素直に友達とは言えないラハールさんの気持ち、汲み取ってあげましょう」

ラハール「おい、何か言ったか?」

フロン「いえいえ、なんでも」

ラハール「・・・フン」

番長「・・・・・・あ、それで、家来と言っても・・・何をすれば?」

ラハール「そうだな。暗黒議会を開く時は出席して貰う。それ以外は・・・特に何もないから、魔界観光でもしていろ」

番長「・・・・・・暗黒議会?」

>-・・・・・・

番長「それでは、第一回特別捜査隊暗黒議会~~!」

フロン「わ~~~」どんどん ぱふぱふ

ラハール「・・・・・・」

シシリー「特別捜査隊?」

ラハール「奴等のチーム名だな」

エトナ「殿下も入ってたでしょ」

ラハール「俺様は別に入ってた訳じゃない!手を貸してやってただけだ!」

エトナ「はいはい」

議題1【宇宙最凶のキタローに会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【宇宙最凶の若女将に会いたい】

議題4【菜々子に会いたい】

番長「得票数が多かったものを採用します。複数の議題が同じ票数の最大票となった場合は上の議題から消化していきましょう」

ラハール「>>4

フロン「>>5

シシリー「>>6

エトナ「議題1で」

番長「議題4で」

議題1

3

3

番長「じゃあ議題1と議題3を順に消化していくということで」

ラハール「その前に一つ良いか?」

番長「何だ?」

ラハール「このなんのひねりもないどころか直球すぎる議題4を挙げたのはどこのどいつだ?」

番長「俺だ」

ラハール「・・・・・・」

番長「・・・・・・」

【宇宙最凶のキタローに会いたい】

キタロー「・・・?」

ラハール「(ゲゲゲじゃないのか・・・)」

番長「(・・・誰?)」

フロン「(誰でしょうか・・・)」

シシリー「(え、誰?)」

エトナ「よ」

キタロー「エトナさん・・・?それに、番長君に、ラハール君」

ラハール「・・・エトナ、知り合いか?いや、それ以前に貴様、何故俺様の名を知っている?」

キタロー「そうか・・・君たちには、あの時の記憶が無いんだね・・・」

番長「あの時?」

キタロー「あの・・・エトナさん、ここどこですか?」

エトナ「魔界よ、ついでにいうと殿下の城」

キタロー「・・・そっか・・・・・・ここが・・・・・・」

ラハール「おいエトナ、何だこの暗い男は?」

エトナ「まあまあ、後でご説明しますんで、今はちょっと待って下さい」

キタロー「・・・・・・あ、そうだ。あの、エトナさん・・・どうして僕は・・・ここにいるんですか?」

エトナ「アタシ達が呼んだの。アンタにはしばらく、魔界で殿下の家来をやって貰うわよ」

キタロー「そんなこと言われても・・・僕はニュクスのところに帰らなくちゃ」

エトナ「ああ、それは大丈夫。帰る時はアンタを連れてきた時間軸に返すから、気が済むまでここにいりゃいいのよ」

キタロー「え・・・・・・」

>-一週間後

キタロー「はい、マベちゃん。相変わらず元気そうだね!」

フロン「・・・ばすこ!!」ぐぬぬ

キタロー「昔から言ってるでしょ?何かを得るには、何かを捨てなきゃ!」

ラハール「・・・・・・おいエトナ」

エトナ「・・・何ですか?」

ラハール「・・・・・・何だあの明るい男は」

エトナ「自由になったのがよっぽど嬉しいんでしょうね・・・」

フロン「ごーかいちぇぇんじ!」

ラハール「・・・奴等のあれは何だ?」

エトナ「ゴーカイジャーごっこらしいですよ。徹夜でDVD見てたみたいですね」

ラハール「・・・害は無いから放っておくか・・・」

番長「声がかっこいいな」

シシリー「声がかっこいいよね」

ラハール「・・・それで、奴を縛り付けているニュクスとかいう奴は何とかならんのか?何なら月の一つや二つぐらい消し飛ばしても・・・」

番長「月が無くなったら、地球に今いるほとんどの生物は死に絶えるんじゃないか?」

ラハール「・・・」

エトナ「問題は結局そこなんですよね。今アタシ等に出来ることは、アイツの気が済むまで、ここにいさせてあげることぐらいなんじゃないですか?」

ラハール「・・・・・・そうだな・・・」

>-三日後

フロン「キタローさ~ん。一緒にウルトラマンレオ見ましょうよ」

キタロー「あ、今行きま~す」

ラハール「・・・・・・」

>-さらに三日後

フロン「きしゃあああああ!」

キタロー「出たな大怪獣フロン!」

ラハール「・・・・・・」


>-翌日

番長「最近、なんだかラハールの機嫌が悪いような気がするんです」

エトナ「・・・」

シシリー「・・・」

エトナ「でさあ、こないだ出来たあんみつ屋行った?」

シシリー「行った行った~」

番長「スルーしないで下さい」

エトナ「何よ~もう殿下なんて放っときなさいよ。フロンちゃんがキタローにべたべたしてるからイラついてんでしょ」

シシリー「フロンさんの趣味にあそこまで付き合ってくれる人って今までいなかったもんね」

>-・・・・・・

キタロー「う~る~と~らの父がいる~」

フロン「う~る~と~らの母がいる~」

キタロー&フロン「そ~しぃてぇた~ろ~う~が~こ~こ~に~い~る~♪」

エトナ「・・・何なのアンタ等。殿下じゃなくてもこりゃイラつくわ」

キタロー「何だか見るもの全てが輝いて見えるんですよね」

エトナ「ああそう・・・」

フロン「エトナさんも一緒に歌いましょう!」

エトナ「絶対嫌」

フロン「しょんなこと言わずにぃ~」

エトナ「(こいつ等は放っといて・・・殿下殿下・・・あ、いた)」

ラハール「・・・・・・」

>-・・・・・・

エトナ「ちょっと番長、どういうことよ?」

番長「え?」

エトナ「殿下、別に機嫌悪そうでもなかったわよ」

番長「けどしかめっつらで・・・」

エトナ「気難しい顔してんのは元からでしょ。ありゃフロンちゃんが楽しそうなのを見てニヤニヤするのを堪えてる顔よ」

番長「・・・じゃあ、あれは喜んでるんですか?」

エトナ「そういうこと」

番長「奥が深い」

シシリー「深くない深くない」

【宇宙最凶の若女将に会いたい】

天城「え・・・あ、あれ・・・?」

キタロー「やあ」

天城「えっ誰?」

キタロー「・・・そうか、そうだったね・・・」

天城「・・・?」

エトナ「はぁい、元気してた~?」

天城「エトナさん!?」

ラハール「・・・」

天城「ラハール君も・・・じゃあ、ここは」

>-・・・・・・

天城「事情は、わかったけど・・・」

番長「・・・どうした?」

天城「二人とも、どうして帰るって一言いってくれなかったの?」

ラハール「・・・またそれか・・・」

エトナ「アタシはお別れぐらい言おうと思ってたんだけどさ~、殿下が恥ずかしがるから・・・」

ラハール「おいエトナ貴様」

天城「・・・どうして?」

ラハール「いや、その・・・」

フロン「たじたじですねラハールさん」

キタロー「彼は随分逆境に弱いんだね」

番長「そうだな」

シシリー「番長は人のこと言えないよね」

番長「・・・」

キタロー「君も逆境に弱いの?」

番長「・・・どちらかといえば・・・そうかな」

エトナ「とりあえずチャッチャとりせちゃんとマリーちゃん呼ぼうよ」

番長「・・・出来れば二人は後回しに・・・」

シシリー「さいてー」

フロン「最低ですね。愛が足りません」

ラハール「最低だな」

天城「うわぁ・・・」

番長「何この一斉攻撃・・・俺別にDOWNしてた訳でもないのに・・・」

キタロー「・・・何か良くわかんないけど最低だね」

番長「何故か君にだけは言われたくない」

>-翌日

天城「人(?)は凄い見た目の人(?)が多いけど、意外と魔界って普通なんだね」

エトナ「そりゃ城から出てないから言える台詞ね~」

ラハール「・・・人数がそろったら、そのうち全員で観光に行くか」

【暗黒議会】

キタロー「第二回!特別捜査隊暗黒議会!」

フロン「わ~~~」ぱちぱちぱち

キタロー「って、僕特捜隊じゃないんだけど・・・」

エトナ「細かいことは気にしない。っていうかアンタその・・・気がつくとテンション低くなってるのどうにかなんないの?」

キタロー「いや別にテンション低いとかじゃなくて・・・元々・・・」

議題1【母性溢れるプリニーに会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【菜々子に会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

キタロー「(母性溢れるって言われると、あの人しか思い浮かばないけど・・・まさかね)」

キタロー「>>15

ラハール「>>16

フロン「>>17

シシリー「>>18

エトナ「>>19

番長「議題4で!!」

シシリー「・・・そんなに叫ばなくても聞こえるって」

4

議題2で

4

1

3

【菜々子に会いたい】

キタロー「・・・え、誰?」

番長「俺の妹だ」

キタロー「へえ・・・妹とかいたんだ?」

番長「うん、実の妹じゃないけど」

キタロー「・・・そっか・・・・・・」

番長「ちょっと、なんで距離をとるんだ?」

キタロー「深い意味はないよ・・・」

菜々子「・・・・・・ん、あれ?お兄ちゃん?」

番長「菜々子・・・なんでパジャマ?」

菜々子「ん・・・菜々子寝てたから・・・あれ!?お兄ちゃん!?どうしてお兄ちゃんがいるの!?」

キタロー「(かわいい)」

番長「かわいい」

キタロー「・・・せめて心に秘めておこうよ。そういう気持ちは」

番長「どうしてだ?やましいことはないぞ?」

キタロー「・・・君がそれでいいなら、僕もそれでいいと思うよ」

エトナ「菜々子ちゃん・・・」

菜々子「・・・エトナさん・・・?」

エトナ「菜々子ちゃ~ん!」

菜々子「エトナさ~ん!」

ひしっ

キタロー「・・・なんか良いねこういうの」

番長「興奮してきた」

シシリー「(凄い馬鹿が二人・・・)」

番長「あれ?ラハールは?」

フロン「逃げましたよ?きっと菜々子さんに会うのは照れるのでしょう」

番長「とっ捕まえよう」

キタロー「手伝うよ」

シシリー「(徒党を組んだ・・・)」

>-・・・・・・

ラハール「放せ貴様等!家来の分際で何をする!」

キタロー「いいからいいから」

菜々子「・・・ラハールさん・・・」

ラハール「・・・・・・・・・」

菜々子「どうして・・・急にいなくなっちゃったの・・・?」

ラハール「・・・い、いや・・・その・・・だから、こうしてお前を呼び出してやってるだろ」

菜々子「・・・お別れ会しようねって・・・言ってたのに・・・」

ラハール「・・・いや・・・あの・・・な・・・」

エトナ「殿下、さっさと謝っちゃったほうが・・・」

ラハール「うるさい!」

菜々子「・・・」

ラハール「・・・悪かったな」

菜々子「ラハールさん・・・」

ラハール「もうしないから・・・許せ」

菜々子「寂しかった・・・」

ラハール「・・・わ、悪かったって言ってるだろ」

菜々子「ん・・・」

シシリー「・・・・・・なんか凄くイライラする」

雪子「落ち着いて。穏便にいこう」

番長「俺もイライラする」

キタロー「君は・・・うん、そのままでいいと思うよ」

雪子「良くないでしょ」

>-・・・・・・

菜々子「・・・眠い・・・」

エトナ「あ、そっかそっか。眠ってるところ呼び出しちゃったんだっけ」

番長「お兄ちゃんと一緒に寝よう」

キタロー「・・・」

エトナ「お布団いこっか。連れてってあげる」

菜々子「ん・・・」

番長「・・・・・・スルーされた」

キタロー「・・・そうだね」

>-翌日

プリニーA「エトナ様~」

菜々子「わ」

プリニーA「あれ、エトナ様知らないッスか?」

菜々子「エトナさん?・・・わかんない」

プリニーA「そッスか。どこ行ったんッスかね~」

菜々子「・・・ペンギンさん?なの?」

プリニーA「ペンギンじゃないッスよ。プリニーって言います」

菜々子「プリニーさんっていうの?かわいいね」

プリニーA「か、かわいい?そんなことはじめて言われたッス・・・」

>-・・・・・・

プリニーA「あの~・・・」

キタロー「わ、びっくりした・・・・・・なに?」

プリニーA「俺って、かわいいッスかね」

キタロー「・・・さ、さあ・・・?」

>-・・・・・・

雪子「あれ、菜々子ちゃん?」

エトナ「何してんの?」

菜々子「一人でお城の探検してるの!」

エトナ「探検・・・」

雪子「一人で?大丈夫?」

菜々子「大丈夫。菜々子小さい子じゃないもん」

雪子「そっか。気をつけてね」

菜々子「うん!」

エトナ「よ~し、無事に帰れることを願って暗黒まんじゅうをあげるわ」

菜々子「おまんじゅう?」

エトナ「そそ、喉に詰まらせちゃ駄目よ~」

菜々子「??は~い」

>-・・・・・・
:::【フロンの部屋】:::

菜々子「おじゃましま・・・~す」

フロン「ふぐう!」

菜々子「」びくっ

ラハール「・・・」

フロン「ばすこさん・・・あなたは、最後まで・・・愛を理解出来なかったのですね・・・!」

菜々子「・・・何してるの?」

フロン「あ、菜々子さん。DVDを見てたんですよ」

ラハール「俺様はこいつに無理矢理付き合わされた」

菜々子「・・・お外で遊んだりしないの?」

フロン「お外で・・・あ、そうだ。お城中使ってかくれんぼしませんか?」

ラハール「何をいきなり・・・それ以前に、それ外じゃないだろ外じゃ」

菜々子「かくれんぼ?する!」

ラハール「・・・」

菜々子「ラハールさんも、行こ」

ラハール「わかったわかった」

【かくれんぼ】

雪子「第一回、特別捜査隊かくれんぼ大会!」

フロン「わ~~!!」どんどん ぱふぱふ

エトナ「雪子ちゃん何でそんなテンション高いの?」

雪子「私こういうの大好きだから!」

エトナ「そ、そっか」

シシリー「どこに隠れよっかなあ・・・」

フロン「異世界や城壁の外とかは駄目ですからね~、あくまでお城の中のどこかに隠れて下さい」

菜々子「は~い」

フロン「ラハールさんには鬼をお願いします」

ラハール「何故俺様が・・・」

キタロー「僕・・・影の薄さには自信があるんだ。きっと隠れ通せる」

ラハール「・・・そうか」

キタロー「・・・自分で言ってて悲しくなってきたんだけど」

ラハール「知るか・・・」

>-・・・・・・

でかいプリニー(?)「・・・」

ラハール「・・・お前番長だろ」

でかいプリニー(?)「な、何のことッスか?ただのプリニーッスよ」

ラハール「じゃあ生のイワシを丸呑みしてみろ」

でかいプリニー(?)「・・・・・・・・・」だっ

ラハール「ま、待て!逃げるな!これはかくれんぼだぞ!」

>-・・・・・・

しろいプリニー(?)「・・・」

ラハール「・・・お前フロンだろ」

しろいプリニー(?)「な、何のことでしょう?・・・ッス」

ラハール「それでバレないと本気で思ってるのか?」

しろいプリニー(?)「ラハールさんならイケるかなーって思ってました・・・ッス」

ラハール「ふざけるな!」

>-・・・・・・

あかいプリニー(?)「・・・」

ラハール「貴様等は俺様をなめてるのか?」

あかいプリニー(?)「・・・」

ラハール「おい天城。お前だろ」

あかいプリニー(?)「ど、どうしてわかったの!?・・・ッス」

ラハール「そんなにでかいプリニーがいてたまるか!!」

>-・・・・・・
:::【ラハールの部屋】:::

ラハール「一人はこの棺おけに隠れるだろうと思っていたが・・・お前か」

シシリー「お兄ちゃんのにおいがいっぱい・・・!」

ラハール「さっさと出ろ!!」

>-・・・・・・

ラハール「後はエトナと菜々子か・・・奴等は小さいから、隠れるところはいくらでもありそうだな」

番長「菜々子の気配なら探れるけど」

ラハール「気持ち悪いからやめろ」

あかいプリニー(?)「見つかった私達ってどうしてればいいの?・・・ッス」

ラハール「とりあえずお前はそれを脱げ」

シシリー「ぬ、脱げなんてそんな!私ならお兄ちゃんのためにいつでも脱いで」

ラハール「お前は部屋に帰れ」

>-・・・・・・

菜々子「見つかっちゃったね」

エトナ「一緒に隠れたのは失敗だったわね」

菜々子「でも楽しかった」

エトナ「うん」

フロン「ですねえ」

ラハール「・・・これで全員か。今日はこのへんにしとくぞ。そろそろ会議の時間だ」


【暗黒会議】

番長「第三回・・・・・・」

ラハール「どうした?」

番長「何か忘れてるような・・・」

ラハール「気のせいだろ」

議題1【母性溢れるプリニーに会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【クマさんに会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】


ラハール「>>27

フロン「>>28

シシリー「>>29

エトナ「>>30

番長「>>31

雪子「>>32

菜々子「議題4!」

>-・・・・・・

キタロー「(ふふ・・・ここなら絶対見つからないぞっ!)」

2

1

1

1

1



キタロー…

【母性溢れるプリニーに会いたい】

荒垣プリニー「放しやがれてめえ!」

ヴァルバトーゼ「そんなわけにはいかん!」

ラハール「・・・何で貴様が?」

ヴァルバトーゼ「おお、ラハール。久しぶりだな」

ラハール「俺様達はそっちのプリニーを召喚したのだが・・・」

ヴァルバトーゼ「ならん!こいつはまだ語尾に【ッス】すら付けようとしないプリニーのクズだ!まだまだプリニー教育係の俺の手を離れて良いプリニーではない!」

エトナ「いやいいから、こっちでやっとくから」

ヴァルバトーゼ「・・・そうか?エトナになら任せても良いか・・・」

>-・・・・・・

荒垣プリニー「一体何なんだよこれは」

エトナ「・・・アンタ、荒垣さんでしょ?」

荒垣プリニー「あ、ああ・・・そうだぜ」

エトナ「アンタは・・・・・・もう、死んでるのよ」

荒垣プリニー「・・・んなこた解ってるけどよ・・・この格好は何なんだ?なんでこんなペンギンみたいな格好しなきゃならねえんだよ」

フロン「生前の罪を償うためですね」

荒垣プリニー「何だと・・・?」

フロン「生前に罪を犯した魂は、プリニーになって、魔界や天界で、その罪を償うために働かなければなりません」

荒垣プリニー「・・・な・・・!」

>-翌日

荒垣プリニー「ゆっくり食え。誰も取りゃしねえよ」

ラハール「・・・わかっておる。しかし貴様、本当に料理がうまいな・・・うむ、これならずっとここで働かせてやっても良いぐらいだ」

エトナ「プリニーの管理はアタシの仕事ですよ~~」

ラハール「それもわかっておる。だが、こんなに美味い料理ははじめてだ。こいつならプリニーということを抜きにして、エトナではなく俺様の家来にしてやってもいい」

エトナ「だめですよ。アタシの部下です」

ラハール「・・・」

番長「・・・それより今、こんなに美味い料理ははじめてって言ったけど・・・フロンさんやエトナさんの手料理より良いってことか?」

ラハール「なっ、いや・・・良い悪いとか、そういう問題ではなくてだな・・・」

菜々子「?」

フロン「悲しいですねえ。いつもラハールさんへのお料理には愛を込めていたのですが・・・私の愛は届いていなかったということ何ですね」

ラハール「き、気色悪いことを言うな!」

フロン「ひどいですよラハールさぁん・・・」

荒垣プリニー「おいおい、気色悪いってこたねえだろ」

ラハール「む・・・し、しかし、こいつが愛とかそういう、気色悪いことをいうから」

荒垣プリニー「言い方ってもんがあるだろ?」

ラハール「・・・・・・そうだな。今のは悪かった」

フロン「ラハールさん・・・ラハールさんに私の愛が通じました!」

エトナ「はいはい」

ラハール「あ、愛が通じるとか、そういう話じゃないだろ!」

シシリー「何この茶番」

雪子「シシリーちゃんって結構容赦ないよね」

>-・・・・・・
:::【エトナの部屋】:::

エトナ「ねえ」

荒垣プリニー「何だ?」

エトナ「アンタって・・・何で死んだの?」

荒垣プリニー「随分聞きにくいこと聞いてくるな・・・」

エトナ「ちょっと気になってね」

荒垣プリニー「・・・・・・ドジっちまっただけだよ」

エトナ「・・・ふ~ん・・・アンタがねえ・・・」

荒垣プリニー「・・・そ、それより、何か仕事ねえのか?働かないと成仏出来ねーんだろ?俺は」

エトナ「成仏したいの?」

荒垣プリニー「したいわけじゃねえよ」

エトナ「じゃ良いじゃん別に」

荒垣プリニー「そういう訳にいくかよ。俺は死んだんだ。だから、潔くしねえとな」

エトナ「・・・プリニーになっても好き勝手やってる奴等はいるけどね~・・・」

荒垣プリニー「?」

エトナ「まいいや、しばらくはご飯作ってくれれば良いわよ。なんかあったら頼むけど、ウチにはプリニーが投げて爆発させるほど余ってるからね。新入りのアンタまで回すような仕事は、そんなにないわ」

荒垣プリニー「・・・そうか。わかった」

>-・・・・・・

菜々子「出来た!」

荒垣プリニー「よしよし、次からは一人でも出来そうだな。けど、危ないから、包丁使う時は誰かに付き添って貰えよ?」

菜々子「うん」

番長「すいません荒垣さん・・・俺にまで教えて貰っちゃって」

荒垣プリニー「気にすんな。それよりお前、俺に教わる必要なんか無かったんじゃねーのか?偉く慣れた手付きじゃねーか」

番長「そんな・・・」

菜々子「お兄ちゃんはお料理上手だよ」

荒垣プリニー「だな」

>-・・・・・・

番長「前菜は俺と菜々子で作ったんだ」

雪子「・・・お~、これは」

エトナ「んまいわね。やるじゃん菜々子ちゃん」

菜々子「荒垣さんに作り方教わった」

エトナ「・・・そっか」

>-一週間後

荒垣プリニー「・・・あ、先輩」

プリニーA「どしたんッスか?何か元気ないッスね?これ、差し入れのイワシッス」

荒垣プリニー「ども・・・なんか、自分が死んだってことは受け入れたつもりだったのに・・・ここにいると、そのことを忘れちまいそうになる」

プリニーA「まあ、エトナ様も殿下も、他の皆も、ここにいる方達は皆さん元気で明るいッスからね~」

荒垣プリニー「・・・どいつもこいつも楽しそうでよ、俺まで楽しくなってきちまうんだ」

プリニーA「それで良いんだと思うッスよ。今を楽しめるなら今を楽しむ。プリニーとしてやってくコツッス」

プリニーB「お悩み相談ッスか?」

プリニーA「まあそんなとこッス」

しろいプリニー(?)「楽しくても良いじゃないですか・・・ッス」

荒垣プリニー「え?」

しろいプリニー(?)「人間界での貴方が亡くなったからといって、プリニーになってまで人間界でのことを背負おうと気負う必要はありませんよ・・・ッス」

荒垣プリニー「・・・」

しろいプリニー(?)「良くも悪くも、プリニーとして存在している今を大事にするべきです・・・ッス。きっと、貴方の人間界でのご友人達も、そうあることを願ってくれるはず・・・ッス」

荒垣プリニー「・・・そういうもんかねえ・・・」

プリニーA「俺もその意見に同感ッスね」

プリニーB「・・・ところでフロンさん、何してるんスか?プリニーみたいな格好して」

しろいプリニー(?)「へっ!?いや、私はただの通りすがりの白いプリニーですよ!?・・・ッス。では、用事があるので失礼します!・・・ッス!!」

プリニーB「何だったんスかね?」

プリニーA「さあ・・・あの方の妙な行動は未だによくわかんないッスね」

荒垣プリニー「・・・・・・っし、ウジウジしてんのも性にあわねーし、開き直ってみることにするぜ。今がおもしれぇ。今はそれでいいや」

プリニーA「何かあったら話はいつでも聞くッスよ~。次からは相談料取るッスけどね」

荒垣プリニー「おう、頼むぜ先輩」

エトナ「(・・・うまくやってけそうじゃん。けど・・・最近、な~んか忘れてるような・・・?)」

【暗黒会議】

番長「第四回、特別捜査隊暗黒会議!」

荒垣プリニー「・・・俺ここにいて良いのか?」

エトナ「何よ急に」

荒垣プリニー「いや、だって他のプリニー達は参加してねーみたいだし・・・」

エトナ「事情が事情だしね・・・まあ、アンタも特捜隊の一員ってわけじゃないけど、とにかくアンタはおっけー。つか、アタシが良いって言ったら良いのよ」

荒垣プリニー「・・・わかった」

議題1【ちょっとまぬけなアンドロイドに会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【クマさんに会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

ラハール「>>38

フロン「>>39

シシリー「>>40

エトナ「>>41

番長「>>42

雪子「>>43

荒垣プリニー「議題1で頼むわ」

菜々子「議題4!」

>-・・・・・・

キタロー「(きっとまだ探してるんだよね・・・僕のこと、忘れたりなんかしてないよね・・・)」

1!圧倒的1!

一週間以上放置されたままのキタローェ…
1で

4
前作の全員召喚しちまおう

1

1

1

もうストーリーはなくてずっと雑談小ネタ系?

【ちょっとまぬけなアンドロイドに会いたい】

あ~る「やあ」

全員「(・・・・・・誰?)」

ラハール「貴様はなんだ?誰だ?」

あ~る「R・田中一郎君だよ」

ラハール「・・・おい荒垣、呼びたかったのはこいつか?」

荒垣プリニー「いや・・・」

あ~る「あっしに何か御用で?」

ラハール「用はない。帰れ」

あ~る「まあまあそう言わずに」

ラハール「いいから帰れ!」

あ~る「怒ると胃に悪いぞ」

ラハール「・・・」

あ~る「胃が悪いとご飯が食べられなくなるんだ」

ラハール「・・・?」

あ~る「ご飯を食べないとお腹がすくじゃないか」

番長「なるほど」

ラハール「・・・何がなるほどなんだ?」

番長&あ~る「お腹がすくと怒りっぽくなる!」

ラハール「さっさと帰れ!!」

>-・・・・・・おにぎりをあげたら素直に帰っていきました。

ラハール「議題が曖昧だったのが良くないのだ。もっと呼びたい奴のことを明確に示す必要があるな」

荒垣プリニー「・・・じゃあこうだな」【対シャドウ特別制圧兵装七式アイギスに会いたい】

エトナ「まんまだわね」

ラハール「もういいだろそれで。じゃあ行くぞ」

【対シャドウ特別制圧兵装七式アイギスに会いたい】

アイギス「ここは・・・」

荒垣プリニー「アイギス、俺だ。荒垣だ」

アイギス「荒垣さん・・・そのニット帽は、確かに荒垣さんであります!ど、どうして生きているのですか!?」

ラハール「残念だが、生きている訳ではない」

アイギス「一体どういうことでありますか?説明を要求するであります!」

ラハール「番長、貴様の出番だ」

>-溢れる"伝達力"で全てを話した。

アイギス「ほー・・・なるほどなー・・・」

ラハール「・・・便利だな。これからは全部こいつに説明させよう」

>-・・・・・・

アイギス「荒垣さんは、罪を償うために労働をしていると伺いました」

荒垣プリニー「・・・まあな」

アイギス「その責務が終われば、やはり成仏なさるおつもりなのですか?」

荒垣プリニー「さあな。そん時考えるさ」

アイギス「・・・そうですか」

荒垣プリニー「・・・なんでそんなこと気にしてんだ?」

アイギス「私が気にするのはおかしいでしょうか?」

荒垣プリニー「別にそうは言ってねーけど・・・」

アイギス「・・・・・・死とは何なのでしょうか?」

荒垣プリニー「難しいな」

アイギス「・・・あのひとは、肉体的には死亡しているのですが」

荒垣プリニー「あのひと?あのひとって・・・誰のことだ?」

アイギス「・・・?・・・誰の・・・ことでしょう?」

荒垣プリニー「ど、どうした?泣いてんのか?」

アイギス「いえ、これはただの潤滑油です・・・しかし、何故でしょうか。こんなところから潤滑油が漏出するはずは・・・」

荒垣プリニー「・・・?」

アイギス「何か大切なことを・・・忘れているような気がするのです」

シシリー「あれ?アイギスちゃん泣いてるの?」

アイギス「・・・」

シシリー「荒垣さん泣かせたの?駄目だよ女の子泣かせちゃ」

荒垣プリニー「い、いや、俺のせいじゃねーよ

アイギス「確かに荒垣さんは女泣かせでありますが、私は泣いているわけではありません。何故か目元から潤滑油が漏出しているだけです」

シシリー「大丈夫?」

アイギス「はい。潤滑油の漏出を除き、ボディに異常は見られません」

-一週間後

アイギス「何をしているのでありますか?」

ラハール「・・・暗黒議会の議題の見直しをな。目当て意外の変なものを召喚してしまうと面倒だ」

雪子「これで大丈夫だと思うんだけどなあ」【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

ラハール「わけのわからん獣が出てきても知らんぞ」

アイギス「肉食獣でありますか。宇宙最凶ともなれば、それはそれは巨大な獣なのでしょうね」

雪子「うーん・・・ある意味そうかも」

>--・・・・・・

フロン「んむう・・・」

アイギス「何をうなっているのですか?」

フロン「あ、アイギスさん。誰かと怪獣ごっこやヒーローごっこをしていた気がするんですけど、一体誰だったのかわからなくて・・・不思議な気分なんですよねえ」

アイギス「ごっこ遊び・・・ですか」

フロン「はい。確か二~三週間前のことだった気がするんですけど・・・アイギスさんじゃないですよね?」

アイギス「私がこのお城に招かれたのは先週の話であるため、フロンさんがごっこ遊びをしていた相手が私であるということはありえないと思われます」

フロン「ですよねえ・・・でもなんだかその方、アイギスさんに似てらしたような・・・」

アイギス「・・・」

フロン「あ、ラハールさん。ラハールさんじゃないですよね?」

ラハール「な、なんだ急に・・・」

>-・・・説明した。

ラハール「俺様がそんなことするはず無いだろ。付き合いの良い番長や天城あたりじゃないのか?」

フロン「既にお二人には聞いてみたんですけど、違うって」

ラハール「・・・なんか妙な話だな。大体貴様、自分のことなのに覚えていないというのはおかしいと思わんのか?」

フロン「そうなんですよねえ・・・」

【暗黒会議】

番長「第五回、特別捜査隊暗黒会議を開催します」

議題1【テレッテッテー♪】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【クマさんに会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

ラハール「>>53

フロン「>>54

シシリー「>>55

エトナ「>>56

番長「>>57

雪子「>>58

荒垣プリニー「>>59

アイギス「>>60

菜々子「議題4!」

【???】

>-・・・ここは、どこだっけ?

>-何だか、とても楽しいことがあったような・・・。

>-・・・・・・わからない。

>-どうでもいい。

>-僕はただ、ニュクスを止めるだけだ。

>>46 SEESが揃うか特捜隊が揃うかすると、それぞれで何かが起きるかもしれません。

3

1

4

4

1

1

1

番長「では議題1を可決ということで」

荒垣プリニー「その前にちょっと良いか、アイギス。話がある」

>-・・・・・・

アイギス「話とは何ですか?」

荒垣プリニー「SEESの連中には、俺の正体を黙ってて欲しいんだ」

アイギス「皆さんには、荒垣さんが荒垣さんであることを秘密にするということですか?」

荒垣プリニー「ああ・・・ニット帽を取っちまえば、俺はただの目つきの悪いプリニーだ。喋らなきゃバレやしない」

アイギス「・・・しかし、どうしてそのようなことを?」

荒垣プリニー「もう死んでる俺が、まだ生きてるあいつらと顔を合わせてしんみりしたくねえ。最初にお前を呼んだのは、いずれ全員呼ぶなら、他の奴等には俺がここにいるってことを知ってほしくなかったからだ。アキや美鶴にこんなこと言うと怒るだろうから、引き受けてくれそうなお前を最初に呼んだ」

アイギス「・・・了解したであります」

【テレッテッテー♪】

順平「ん・・・あら?何じゃこりゃ」

アイギス「順平さん。お久しぶりであります」

順平「アイギス?」

エトナ「(正直、こいつにはあんまり良い印象ないわね・・・けど、なんか雰囲気変わってない?落ち着いてるっつーか・・・)」

>-溢れる"伝達力"と"根気"で全てを説明した。
>-・・・しかし・・・。

順平「そ、そうか・・・ふ~ん」

>-・・・順平は訝しげだ。
>-何か思うところがあるのだろうか。

順平「ここは魔界で、あんたが魔王様ねえ・・・」

ラハール「・・・何だ?何か文句でもあるのか?」

順平「いや、別に・・・ま事情はわかりましたよ。そういうことならオレっちもしばらくのんびりさせてもらいますんで」


>-・・・・・・

順平「ここの奴等、信用ならねえ」

アイギス「急にどうしたのですか?」

順平「いやいやオレからしてみりゃ、むしろお前のほうこそどうしちまったの?って話なわけよ。あんな妙なこと言ってる怪しい奴等、何企んでるのかわかりゃしねえと思わないか?」

アイギス「・・・そうでしょうか。何だか信頼出来そうな方達だと思いますが」

順平「おいおい正気かよ。しっかりしろって」

アイギス「・・・ですが・・・」

順平「あの・・・番長だっけ?アイツの言ってたことが全部事実だとして、何で気を許せる特別捜査隊の連中を先に全部呼ばずに、お前やオレっちが呼ばれるわけ?どう考えてもおかしな話だろ」

アイギス「・・・・・・」

順平「オレっち達の記憶にないところで会ったことがあるとか言われてもなあ・・・とにかく、他の奴等に気を許すな。お前が信用しなきゃならないのは、オレっちと、後から来るSEESのメンバーだけだ」

アイギス「・・・しかし・・・」

順平「もちろんこんなこと、他言無用だからな。オレ達はあいつ等が何企んでるのか探って、悪いことなら止める。いいな?」

アイギス「・・・・・・了解したであります」

>-一週間後
:::【フロンの部屋】:::

ラハール「何の話だ?」

エトナ「ちゃっちゃと済ましてよね~。アタシこれから雪子ちゃんと菜々子ちゃん連れて食べ歩きに出かけるんだから」

フロン「伊織さんのことでちょっと・・・」

エトナ「伊織?ああ、順平?あいつがどうかしたの?」

フロン「どう思われますか?」

エトナ「どうって言われても・・・」

ラハール「・・・中々面白い奴だと思うぞ。クマや陽介に少し似ているところがある。だが・・・どうも俺様達に気を許していないようだな」

フロン「やはりラハールさんもそう思われますか・・・」

エトナ「気を、許してない?そうですかね?雪子ちゃん口説いてあしらわれたり、菜々子ちゃんが大きくなったら仲良くしよーとか言って番長にシメられたり・・・しょうもない奴だけど、一緒にバカやってるイメージありますよ?」

ラハール「表面上はな・・・だが、常に腹の内を見せようとしていない感じだ」

エトナ「・・・」

フロン「何だか伊織さんは私達の言っていることを信用していないような気がします」

エトナ「・・・なるほど。けどまあ、しょうがないんじゃない?いきなり魔界まで連れて来られて、実は会ったことあるんだよ~なんて言われても・・・」

フロン「・・・そうなんですよね」

ラハール「奴が信用出来ないと思っているなら、それは俺様達にどうこう出来ることではないだろう」

エトナ「時間の問題のような気はしますけどね。これから人が増えていくことで、順平の奴がアタシ等をどう思うのか・・・増える人にもよりそうですけど」


>-・・・・・・

荒垣プリニー「順平の奴、何かこそこそかぎまわってるみてえだけど・・・何か、あったのか?」

アイギス「・・・申し訳ありません。荒垣さんにお教えすることは出来ないのであります」

荒垣プリニー「そ、そうか・・・お前、俺のことは、順平に言ったりしてないよな?」

アイギス「はい。約束ですので」

荒垣プリニー「そうか・・・なら、いいんだ」


>-・・・・・・

順平「とりあえず調査結果だけど、確かにここは俺達がいた世界とは全然違うところみたいだな」

アイギス「私も同意見です」

順平「ちょっと遠出もしてみたけど、どう考えても、少なくともこの星は地球じゃない。あと、あいつ等自称悪魔達の力も、地球にありえるようなもんじゃないな」

アイギス「・・・はい」

順平「あいつ等の目的についてはまだ何もわかんねえ。出来ればさっさとSEESのメンバーをそろえて、あいつ等に対抗出来るような戦力を整えたいな」

アイギス「・・・」

順平「まずは俺達を引っ張ってくれるリーダーが必要だ。次の会議では何としても桐条先輩を呼ぼう」

アイギス「・・・了解であります」

【暗黒会議】

番長「第六回、特別捜査隊暗黒会議を開催します」

議題1【女王様に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【クマさんに会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

ラハール「(誰を呼ぶかが重要になってきそうだな・・・波風立てそうにない奴を呼ぶか)・・・議題4だ」

フロン「(未だに選択肢の中に花村さんがいない理由はおそらく・・・)・・・議題2をお願いします」

シシリー「>>65

エトナ「(下手に人数増やすより、順平が皆に溶け込めるような時間が必要な気がするわね)・・・議題5」

番長「>>66

雪子「>>67

荒垣プリニー「>>68

アイギス「議題1を要求するであります」

順平「議題1」

菜々子「議題4!」

1

3

4

2

番長「じゃあ議題1と議題4を順に消化していくということで」

順平「(よっしゃ。桐条先輩さえ来てくれりゃ、随分やりやすくなるぜ)」

ラハール「(・・・クマを呼べはしたが・・・)」

エトナ「(SEESと特捜隊、それぞれに一人ずつ増えるってのは・・・対立を煽っちゃう最悪のパターンなんじゃ・・・)」

【女王様に会いたい】

美鶴「ここは・・・?ってアイギス?それに、伊織も・・・」

順平「どーもどーも桐条先輩」

ラハール「番長、とりあえず事情の説明を頼む」

番長「ああ」

>-溢れる"伝達力"で全てを説明した。

エトナ「(美鶴ちゃんの性格的に、いくら的確な説明でも、記憶の上では初対面な番長の話を信用しない気がするけど・・・)」

美鶴「・・・そうか。事情は解った。解りやすい説明、感謝するぞ」

エトナ「(・・・本気で信用してるっぽい・・・?・・・これなら大丈夫・・・なのかなあ)」

>-・・・・・・

美鶴「伊織、我々だけで話しておきたいこととは、何だ?」

順平「その前に先輩、まさかさっきの話、普通に鵜呑みにしたわけじゃないですよね」

美鶴「・・・いけないのか?番長はなんだか、彼に似ていて信頼出来そうだと思ったのだが」

順平「彼?彼って・・・誰ですか?」

美鶴「あ、あれ・・・誰だ・・・?」

順平「しっかりして下さい先輩」

美鶴「あ、ああ・・・すまない」

順平「オレは全然、あいつ等の言ってる事を信用してないですよ。何から何までが本当のことか、わかったもんじゃない」

アイギス「順平さんと私は、彼等が何らかの悪事を企んでいる可能性を考慮し、状況の調査と対策のために行動しているであります」

美鶴「・・・なるほど。ではとりあえず、私も先ほど説明されたことは一度忘れよう。現時点でお前達が知っている情報を連携してくれ。それを聞いて、今後我々がどう行動するか判断したい」

順平「うっす」

>-一週間後
:::【フロンの部屋】:::

フロン「SEESの皆さんの動向はいかがですか?」

エトナ「よくわかんない。美鶴ちゃんは誰にも気を許してない感じがあるけど、あの子は元々ああいう性格だからね。案外・・・素のままなのかも」

ラハール「順平のほうは相変わらずのようだな。何やら裏で色々調べているようだが・・・表面上は番長達と仲良くなりつつあることを装っている」

フロン「・・・そうですか」

エトナ「番長や雪子ちゃんにも、このこと、相談しといたほうがいいんじゃ・・・?」

ラハール「せっかく魔界にきてのんびりしているのだぞ?特捜隊のメンバーだけが来ているのならともかく、菜々子まで来ているのだ。まだ疑念に過ぎんような段階で、妙なことを吹き込んで水を刺したくはない」

エトナ「・・・」

フロン「・・・一度、私がSEESの皆さんに面と向かって話をしてみます」

ラハール「・・・・・・それもやめろ。本当にこちらの言い分を信用していないなら、信用されていない側にある貴様が、何を言っても逆効果だ」

フロン「ですが・・・本当は仲間なのに、わかりあえないというのは寂しいですよ」

ラハール「・・・・・・気味の悪いことを言うな」

フロン「ラハールさん・・・」

ラハール「とはいえ、確かに面倒事は避けたいな」

フロン「・・・はい・・・」

ラハール「・・・・・・だが、止むをえんな。今回空いた議題4では、直斗を呼ぶぞ」

エトナ「直斗ちゃんを?どうしてです?」

ラハール「夢の世界で一緒に戦っただか何だか知らんが、俺様はそのことを覚えておらん。もしSEESと特捜隊がわかりあえないのであれば・・・俺様は特捜隊の連中に危害が及ばないに動くぞ」

エトナ「・・・殿下・・・・・・・」

ラハール「一刻も早く、特捜隊の頭脳である直斗を呼んでおき、今の状況を肌で感じさせておいてやりたい」

エトナ「それは・・・」

ラハール「・・・・・・何も起きないのが一番だがな。俺様とて、SEESの奴等を力付くで追い返すような真似を・・・したいわけではない」

エトナ「じゃあ、直斗ちゃんを呼ぶって話、ちょっと待って下さい。アタシに一つ考えがあります」

ラハール「何・・・?」

>-・・・・・・

シシリー「美鶴さ~ん。買い出し行ってきますけど、何かいりますか?」

美鶴「いや、構わないでくれ」

シシリー「順平は?」

順平「オレっちも別にいいかな」

シシリー「・・・そっか。じゃ行こっか」

雪子「うん」

番長「ああ」

>-・・・・・・

シシリー「なんかさー。最近ピリピリしてない?空気が張り詰めてるっていうか・・・」

番長「・・・桐条先輩、随分気難しい人だからな・・・」

雪子「ちょっと・・・わかるかも。こう、話のきっかけを切り出したりすると、ばっさり切られちゃうんだよね。私何か嫌われるようなことしちゃったのかなあ・・・」

番長「・・・」

シシリー「ふ~ん・・・早く仲良くなりたいね」

雪子「うん」

>-・・・・・・

美鶴「誰にもつけられていないだろうな?」

順平「任せて下さい」

アイギス「周囲に生命反応は認められないであります」

美鶴「・・・そうか。お前達の報告を受け、私もこの一週間、自分の足であちこちを見て回ったが・・・何とも驚きだな。確かに、間違いなくここは異世界だ」

順平「オレっちのほうは特に進展なしっすね。新しくわかったのは、フロンって奴の趣味が結構子供っぽいっていうことぐらいで」

美鶴「・・・アイギスはどうだ?」

アイギス「ご報告すべき新しい情報は特に見受けられませんでした」

美鶴「わかった。しかし・・・何か悪巧みをしていて、我々をそれに巻き込もうとしている可能性は否定できない・・・もし彼等と一戦交えるとしたら・・・現状では厳しいな」

順平「そっすね。ここには武器も何も持ってきてないし。剣買ってきて~~とか頼むのもちょっとなあ」

美鶴「アイギスだけは武装が内臓型だから良かったが・・・素手でも戦力になり得る人員を追加したいな」

順平「となると、真田先輩ですか?」

美鶴「そうだな。次回以降の会議では、明彦を呼べるよう、我々は票を動かすとしよう」

順平「了解っす」

美鶴「それと、今後は彼等の真意の調査を継続することはもちろんだが、彼等の保有する戦力についても調査をしてくれ」

順平「おいーっす」

美鶴「無論、くれぐれもこのことは、ここにいるメンバー以外に知られてはならないぞ」

アイギス「・・・了解しました・・・・・・」

【クマさんに会いたい】

クマ「ん、んふっ、クマ~・・・ん」

菜々子「クマさんだ!」

番長「寝てるな」

ラハール「ああ、寝てるな。調度良い、エトナ、何か書くものをもってこい」

エトナ「りょ~かい」

番長「・・・どうするんだ?」

ラハール「落書きしまくってやる!人間界では散っ々やられたからな!」

菜々子「だ、だめだよそんなの・・・」

ラハール「何?・・・しかし、コイツが先にやってきたんだぞ」

菜々子「やられたからってやり返しちゃ駄目なんだよ?学校の先生が言ってたもん・・・」

フロン「そのっとぅ~~~り!」

ラハール「・・・・・・何だ貴様急に」

フロン「菜々子さんはしゅ晴らしい!それに比べてラハールさん!私は悲しいですよ!」

ラハール「・・・?」

フロン「やられたからやり返す・・・!そんなことでは憎しみが憎しみを生み、それが悲しみに繋がる・・・!何も良い事はありません!」

ラハール「いや、でも、コイツが先に・・・」

菜々子「だめ」

フロン「だめです」

ラハール「ぐ・・・・・・!」

エトナ「こりゃもう書くものはいらないわね。フロンちゃんと菜々子ちゃんのタッグじゃ、殿下に勝ち目ないわ」

番長「弱い殿下は見たくないもんですね~」

エトナ「・・・番長君、後でアタシの部屋においで。一人でね」

番長「いや、あの・・・」

エトナ「一人でね」

番長「はい」

シシリー「私はこんなお兄ちゃんも良いと思うけどなあ」

>-二日後

クマ「はぁ~い、ミッチャン。今日もプリチークマね~~」

美鶴「・・・ああ・・・」

クマ「ああ、そのトゲトゲした視線!クマのカラダに突き刺さるその視線が、何だかカ・イ・カ・ン!?」

美鶴「・・・・・・」

>-・・・・・・

美鶴「何なのだ"奴"は!?危ないぞ!」

順平「奴?・・・奴って、あれですか?新しくきた特捜隊の・・・クマ?」

美鶴「名前を口にするなおぞましい!・・・最早私は、彼等に好感をもてそうにないぞ・・・!」

アイギス「好感をもてそうにないと決め付けしまうのは、少し早計なのでは?」

美鶴「・・・それはそうかもしれん。何か企みがあるのかもしれないというのも、現段階では推測に過ぎないわけだからな。とはいえ、あくまでも個人的に、"奴"だけは無理だな」

アイギス「・・・そうですか・・・・・・」

>-・・・・・・

荒垣プリニー「なあ、桐条の奴・・・あんまり他の奴と仲良くやってないみたいだけど・・・何かあったのか?」

アイギス「申し訳ありません。そのことを荒垣さんにお伝えすることは、出来ないのです」

荒垣プリニー「・・・・・・お前ちょっと変だぞ。どうした?」

アイギス「・・・申し訳ありません。それも、理由をお伝えすることは出来ません」

荒垣プリニー「お、おい!」

アイギス「(・・・私は、どうしてしまったのでしょうか・・・?)」

【暗黒議会】

番長「第7回、特別捜査隊暗黒議会を開催します」

議題1【タルンダ先輩に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【殺人料理人に会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

美鶴「(抜けた議題4に我々SEES側の人間が入っている?どういうつもりだ・・・?とはいえ、我々の票は予定通りだ。わかってるな?)」

順平「(もちろんっすよ)」

アイギス「(殺人料理人・・・ということは・・・)」

ラハール「(エトナの奴、本当に大丈夫なのだろうな?とはいえ・・・)議題4だ」

フロン「議題4をお願いします」

シシリー「>>75

エトナ「議題4」

番長「>>76

雪子「>>77

荒垣プリニー「>>78

アイギス「議題4を要求するであります」

順平「(ア、アイギス!?なんで・・・)・・・議題1」

美鶴「(何故だアイギス・・・とはいえ、この場で問い詰めるわけにもいかんか・・・)・・・議題1で頼む」

菜々子「>>79

クマ「>>80

2

4

4

2

4

キタローってどうなったの?

【殺人料理人に会いたい】

風花「・・・・・・・・・・・・あ、あれ?」

美鶴「(・・・来たか)」

風花「き、桐条先輩・・・これは・・・一体・・・?私、今の今まで・・・自分の部屋で」

ラハール「番長、出番だ」

番長「任せろ」

美鶴「いや、待ってくれ」

ラハール「む・・・」

美鶴「急に多量の情報を与えても混乱するかもしれない。山岸には私のほうからゆっくりと事情を説明させて貰う」

ラハール「・・・どうする?」

エトナ「・・・いんじゃないですか?言ってることは最もですし」


>-・・・・・・
:::【美鶴達の部屋】:::

美鶴「・・・アイギス、盗聴などの心配は?」

アイギス「問題ありません」

美鶴「そうか・・・よし、山岸、まず第一に認識して欲しいのは、我々が今いるこの場所は、地球ではない」

風花「え・・・?」

美鶴「我々は、異世界に召喚された立場にある」

風花「異世界・・・」

美鶴「我々をここに召喚した者達は、この世界を魔界と呼称している」

風花「・・・・・・」

美鶴「いきなりこんなことを言われても戸惑うかもしれないが、早急に理解して欲しい」

風花「・・・・・・はい・・・」

>-・・・・・・

美鶴「以上が、我々を召喚した者達の表向きの主張と、我々が現在置かれている立場だ」

風花「・・・・・・」

美鶴「とりあえず、頭の中を整理する時間を設けよう。私とアイギスは外すから、しばらくはここでゆっくりしていてくれ。この部屋は今、私とアイギスに与えられている部屋なのだが、今後は山岸も共同で生活することになる手筈だ。幸いにも広さは申し分無いし、寝床は有り余っているからな」

風花「せ、先輩達と一緒に寝泊りするんですか?」

美鶴「え・・・イヤだったか?」

風花「あ、いえ・・・別に・・・」

アイギス「(・・・何だか風花さんの元気がないような気がするのは、果たして"今の状況に対する戸惑い"だけが理由なのでしょうか・・・?)」

>-・・・・・・

順平「っかー、強ぇ~。つかお前、色んなペルソナとっかえひっかえするなんて卑怯だろ!」

番長「・・・どうして急に、戦ってみようなんて言い出したんだ?」

順平「え?学校とかでよくやるだろ?チャンバラごっことかさ。そういうのの延長だよ」

番長「・・・やらないかな」

順平「あ、マジ?この年でそういうことしちゃうオレってちょっと子供っぽい?」

番長「・・・・・・」

順平「あ、お前今ニヤってしたろ!?オレっちのこと馬鹿にしちゃっただろ!」

番長「いや、別に・・・」

順平「(風花とアイギスのことはとりあえず桐条先輩に任せとくとして、オレっちはとりあえずこいつらの力を見極めようと思ったけど・・・こりゃちょっとキツイぞ・・・)」


>-・・・・・・

美鶴「さてアイギス、どうして事前の打ち合わせ通り、明彦を呼ぶように票を動かさなかった?」

アイギス「・・・わかりません」

美鶴「わ、わからないだと?」

アイギス「申し訳ありません。わからないのであります」

美鶴「・・・・・・」

アイギス「ですが、以後このようなことが無いように約束致します。今回は申し訳ありませんでした」

美鶴「そ、そうか・・・」

アイギス「(ここにきてからそれなりに時間が経っていますが・・・私にはまだ、ここにくる前のことが、まるで昨日のことのように思える・・・これは、思考回路に何らかの不具合が生じているのでしょうか?)」

>-・・・・・・
:::【美鶴達の部屋】:::

風花「(・・・桐条先輩がここにきてから、何週間か経ってる。けど、私達それぞれが呼ばれた時間は同じ・・・)」

風花「(今私達が置かれてる状況が大変だっていうのはわかるけど・・・)」

風花「(本当に、たった何週間か経っちゃっただけで、桐条先輩はあんなにしっかりと吹っ切れているのかな・・・)」

風花「(・・・それに、桐条先輩にとっては何週間か前の話でも、私にとっては昨日のことなのに・・・急にこんな・・・)」

風花「(・・・・・・ううん、だからこそ先輩は、私がこうして一人で考えられる時間を作ってくれたんだよね・・・?)」

>-・・・どうして?

風花「(・・・この声・・・違う、声が聞こえているんじゃない)」

>-・・・どうして私を置いて死んじゃったの?

風花「(私の力が、感じてるんだ。強い・・・強い気持ちを)」

>-・・・私なら大丈夫だって貴方は言ってたけど、私はそんなに強くないよ・・・。

風花「(・・・間違いない。違う世界の私にまで届いてくる、この強い気持ち)」

>-・・・荒垣先輩・・・。

風花「ハム子ちゃんだ・・・!」

>-・・・・・・
:::【エトナの部屋】:::

ラハール「おいエトナ、あれで大丈夫なのか?」

エトナ「風花ちゃんの、なんかこう・・・人と人とのギスギスした感じをどうにかしちゃう力は確かなんで、美鶴ちゃん達が何吹き込んでも、しっかり自分で色々考えてくれる子だとは思います。けど・・・」

ラハール「・・・」

エトナ「ちょっと気になるのは、あの子の態度ですね」

ラハール「態度?」

エトナ「殿下も見たでしょ?さっきの・・・自分が見ず知らずのところに召喚されてるってことを自覚するまでの・・・凄く落ち込んでた感じ」

ラハール「落ち込んでた感じも何も、俺様の記憶の上では奴とは初対面なのだ。表情一つでそんなことまで解るか」

エトナ「そりゃそうか・・・」

ラハール「・・・まあいい。貴様が大丈夫だというなら、とりあえず事態を静観してみるか

>-・・・・・・
:::【美鶴達の部屋】:::

美鶴「現状の理解は出来たか?」

風花「桐条先輩!ハム子ちゃんもすぐここに呼んであげて下さい!私ハム子ちゃんに---」

美鶴「ハム子?誰のことだ?」

風花「だ、誰って・・・私達特別課外活動部のリーダーですよ!主人ハム子ちゃんです!」

美鶴「何を言っているんだ?・・・お前が混乱するのも解るが、妙な妄言に付き合えるほど、今の私に余裕はないぞ」

風花「そんな・・・!」

>-六日後 深夜
:::【ラハールの部屋】:::

ラハール「・・・?」

謎の少年「ようやく君に語りかけることが出来たよ」

ラハール「・・・・・・っ!な、なんだ貴様!?一体どうやってこの部屋に忍び込んだ!見張りのプリニー共は何をやってたんだ!」

謎の少年「どうやってって言われても・・・僕は元々、君とはずっと一緒にいるよ?」

ラハール「(やはりプリニー共はすぐサボるから駄目だな・・・天城や菜々子がいる部屋には、そこそこ使えるコゼニスキーやランサローテ達に警備を任せているから大丈夫だろうが・・・)」

謎の少年「何をブツブツ言ってるの?」

ラハール「・・・貴様は何者だ?何が目的でここまで来た?まさか、この魔王様を暗殺しにきたとでも言うつもりか?」

謎の少年「暗殺?どうして僕がそんな・・・って、あれ?もう時間がないみたい。話しかけるのは明日にしとけば良かったなあ」

ラハール「おい、何をワケのわから---」

>-・・・・・・

ラハール「(な、なんだ・・・?何の気配もない)」

ラハール「(ただの夢だったのか?)」

ラハール「(思えばさっきの奴が見えていた間は、部屋中が妙な色になっていたし・・・現実味もなかったな)」

ラハール「(・・・ただの夢なら、気にすることもないか)」

>-翌日 昼過ぎ

風花「(順平君もアイギスちゃんも、ハム子ちゃんなんて知らないって言うし・・・どうなってるんだろう)」

風花「(・・・とりあえず、特捜隊の人たちと少しでも仲良くなろう)」

風花「(桐条先輩達は、何か良くないことを企んでペルソナ使いを集めているのかもしれないって言ってたけど・・・何だかそんなに悪い人達には見えないし)」

風花「(先輩達の記憶がおかしい理由も、あの人達なら何かわかるのかもしれない)」

風花「(何より、いつも美味しいご飯を食べさせて貰っているだけじゃ駄目だよね)」

風花「(私だってお料理同好会で鍛えてるんだし、お料理の手伝いが出来るはず)」

クマ「ガッキ~!何か食べたいクマ~!」

シシリー「荒垣さ~ん、おなかすいた~」

風花「え・・・・・・・・・・・・?」

荒垣プリニー「お前等っ・・・だから名前で呼ぶなっつってんだろ!桐条達に聞かれたらどうすんだ!」

シシリー「そんなこと言ったって、この城にはプリニー溢れてるんだから、プリニーって呼んでも誰のことかわかんないじゃん」

クマ「そうクマよ~!いいから何か作って~!」

シシリー「そーだそーだ!なんか作れ~!」

荒垣プリニー「ったくこの馬鹿ガキ共・・・しょうがねえ。ケーキでも焼いてやっから、ちょっと待ってろ」

風花「(荒垣さん・・・・・・・・・・・・?)」

【暗黒議会】

番長「何人か来てないみたいだけど・・・時間なので、第8回、特別捜査隊暗黒議会を開催します」

議題1【タルンダ先輩に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【宇宙最凶の女探偵に会いたい】

議題5【今いるメンバーの日常が見たい】

美鶴「(あの三人は一体何をいているのだ・・・!?)」

ラハール「>>88

フロン「>>89

シシリー「>>90

エトナ「>>91

番長「>>92

雪子「>>93

菜々子「>>94

クマ「>>95

美鶴「・・・・・・議題1だ」

番長「(何だか桐条先輩、いつにも増してピリピリしてるな・・・)」

3の話ってどこかに書いてる?
5

4

4

5

5

4

2

5

>>86 安価先減らしてみます。
>>87 キタローがどうなっているかという質問にお答えすると、ひどいネタバレになってしまうため控えさせて頂きます。キタローファンの方には申し訳ない。

番長「では議題5を可決ということで」

【今いるメンバーの日常が見たい】

ラハール「・・・じゃあ、一旦解散だな」

>-・・・・・・

美鶴「・・・いた。お前達、一体何故会議に出席しなかった?」

順平「桐条先輩・・・いや、このプリニーが実は荒垣先輩だっていうんで」

美鶴「荒垣・・・荒垣だと!?」

荒垣プリニー「・・・」

風花「私、聞いたんです。シシリーちゃんが、貴方のことを荒垣さんって呼んでいるのを」

荒垣プリニー「(・・・そういうことだったのかよ)」

順平「言われてみりゃこの目付きや声・・・確かに荒垣さんっぽい感じはあるし、他にもプリニーってのは大勢いるのに、このプリニーだけ今までの会議に出てたのは、何か特別な意味があるのかも・・・っつーことで、三人で問い詰めてたんですよ」

アイギス「・・・」

美鶴「し、しかしプリニーというのは・・・いや、そうか。仕入れた情報では、生前に罪を犯した人間の魂が、中に縫い付けられている存在だとあったな」

順平「そうなんですよ。確かに荒垣さんは生前、事故とはいえ人を死なせてしまってる。プリニーってのにされてしまう基準は満たしてるわけなんです」

荒垣プリニー「(・・・マズったな・・・)」

順平「あなたさっき言ってましたよね。"アイギス、お前バラしやがったのか!?"って」

荒垣プリニー「い、言ってねーよそんなこと・・・」

順平「いーや、確かに聞きましたよ」

美鶴「本当なのか?荒垣・・・荒垣なのか?」

荒垣プリニー「・・・俺はただのプリニーだ」

順平「アイギス、お前このプリニーの正体知ってんのか?」

アイギス「はい」

順平「荒垣さんなのか?」

アイギス「正体については黙っていて欲しいと頼まれているため、お教え出来ません」

荒垣プリニー「て、てめえ・・・!」

アイギス「"黙っていて欲しいと頼まれたこと"を黙っていて欲しいとは言われていませんので」

荒垣プリニー「げ・・・良い性格になったじゃねえか。そんな人間っぽい表情、お前がするようになるとは思わなかったな」

美鶴「お前なのか?荒垣・・・」

荒垣プリニー「・・・仕方ねえか。そうだよ。俺は荒垣真二郎だ。つっても、今はただのプリニーになっちまってるってのも、嘘じゃねえ」

美鶴「な、何故!何故今までそのことを黙っていた!?」

荒垣プリニー「しょうがねえだろ・・・お前等は生きてる。けど、俺はもう死んじまってるんだ。お前等には俺が死んだってことを、さっさと受け入れて貰いてえ」

美鶴「・・・・・・馬鹿者!処刑してやる!!」

荒垣プリニー「だからもう死んでんだって」

美鶴「貴様っ・・・!」

アイギス「一度お約束してしまった以上、貴方の正体を皆さんに伝えることはしませんでしたが・・・私はずっと疑問に思っていました」

荒垣プリニー「・・・何をだよ」

アイギス「確かに貴方は一度、人として死にました。しかし、貴方はここで、魔界の皆さんや特捜隊の皆さんと共に、笑ったり、知識や技術を教えあったり、寝食を共にして生活を共有しています」

荒垣プリニー「・・・」

アイギス「それらは全て、生きているからこそ出来ることであります。もう人ではなくなったとはいえ、貴方はプリニーとして、生きているのであります。なら、たとえここにいる間だけでも、また私達と共に、生きることが出来るのではないでしょうか?」

順平「・・・だな」

風花「うん」

美鶴「アイギスの言う通りだ」

荒垣プリニー「・・・・・そう言ったってよ・・・」

美鶴「ウジウジするな!やはり貴様は一度処刑してやる!!」

>-・・・・・・

雪子「・・・なんか今、爆発音みたいなのが聞こえなかった?」

ラハール「大方どこかのプリニーが、何かドジったのだろう。奴等はふとした衝撃で簡単に爆発するからな」

雪子「そ、そっか・・・」

ラハール「それより貴様、昨日夜中の十二時ごろに、妙な景色を見たりしなかったか?」

雪子「景色?・・・私、菜々子ちゃんが一緒の部屋になってからは、菜々子ちゃんが寝る時間にあわせてるから、遅くてもいつも十一時頃には寝ちゃうんだ」

ラハール「・・・ならいい。番長はどうだ?」

番長「俺も十一時には寝ちゃうから・・・」

ラハール「・・・そうか」

番長「何かあったのか?」

ラハール「いや・・・・・・気にするな。大したことではない」

>-翌日
【荒垣プリニーのお料理教室】

荒垣プリニー「菜々子は随分レパートリーが増えてきたな」

菜々子「れ、れぱー?」

荒垣プリニー「あ~・・・一人でも作れる料理が増えてきたな」

菜々子「うん!」

シシリー「私はなかなか増えないんだけど」

荒垣プリニー「そりゃお前が贅沢なことばっか言ってるからだろが」

シシリー「だって!すっごい料理じゃなきゃお兄ちゃんに喜んで貰えないじゃん!荒垣さん簡単な料理ばっかり教えようとするし・・・」

荒垣プリニー「だからそれが贅沢だっつってんだ。いきなり小難しいもん作ろうとして出来たら、料理人なんかいらねーんだよ」

シシリー「む~」

風花「あの~・・・」

荒垣プリニー「ん?・・・・・・・・・どうした?」

風花「わ、私も一緒に・・・料理教えて欲しいんですけど」

荒垣プリニー「・・・・・・」

シシリー「どしたの?荒垣さん」

荒垣プリニー「だから名前で・・・いや、もういいのか」

シシリー「?」

菜々子「・・・何だか元気ないね」

シシリー「うん・・・どしたんだろ」

荒垣プリニー「・・・いいぜ山岸。お前にも教えてやる」

風花「よ、良かった・・・」

アイギス「・・・」

クマ「・・・」

荒垣プリニー「・・・・・・おい、なんだ?入り口からじーっとこっち見やがって・・・お前等も教えて欲しいのか?」

アイギス「私は食べるの専門であります!」

クマ「クマも同じく!」

荒垣プリニ「そ、そうか・・・」

>-三日後
【殺人料理人とは】

風花「出来ました!」

どんっ

フロン「・・・あの~・・・一つ質問してもよろしいですか?」

風花「は、はい・・・?」

フロン「私確か、風花さんがスイーツを作られるということで味見役として来たんですけど・・・ど~して食卓にレンガを置くんですか?」

風花「レンガ・・・一応、これがケーキなんです・・・」

フロン「そ、そ~でしたか・・・それは失礼しました」

風花「あ、いえ・・・」

番長「ケーキ・・・?」

ラハール「・・・」

雪子「今・・・机に置く時に【どんっ】って音してたよね?」

ラハール「・・・そうだな」

番長「さすがは殺人料理人ってことか・・・」

ラハール「昔の貴様を思い出すな」

雪子「・・・うん、あの時はごめんね」

風花「え・・・殺人・・・?」

フロン「ちょっと失礼ですよ三人共!結果はどーあれ、精一杯愛を込めて作ってくれたことには変わりないんですから、私はちゃんと頂きます!」

ラハール「・・・・・・まあ、好きにしろ」

がりっ

フロン「お、おぅ・・・にがしょっぱいです・・・!」

風花「え?そ、そんな・・・もしかして、お砂糖と塩間違えちゃったのかな?」

番長「それ以前に今、噛んだ時に凄い音が・・・」

雪子「・・・荒垣さんと一緒に作ったんじゃないの?」

風花「い、いえ、その・・・昨日作り方を教わったので、今日は一人で作ってみようかなーって・・・」

番長「なるほど」

フロン「・・・かぉかぉ・・・!」

ラハール「おいフロン、貴様すごい声出てるぞ。もうやめておけ」

フロン「い~え!せっかく出された物ですから、私は何としても最後まで食べきりますよ!」

ラハール「・・・」

雪子「どこ行くの?ラハール君」

ラハール「一応、魔界病院をここに連れて来ておく」

風花「あの、フロンさん、ほんとに・・・無理して食べなくても・・・」

フロン「む、無理なんかしてませんよ~・・・!」

>-翌日

エトナ「フロンちゃん寝込んじゃったらしいじゃん。変なもんの拾い食いでもしたの?」

雪子「う~ん・・・近いような遠いような・・・」

:::【フロンの部屋】:::

風花「ごめんなさい、フロンさん・・・」

フロン「謝るようなことではありませんよ」

風花「でも・・・」

フロン「風花さんは風花さんなりに頑張ってケーキを作ってくれたんですから。失敗してもそれで良いんです。次頑張れば良いじゃないですか」

風花「・・・」

フロン「とはいえ食べ物を粗末にするわけにはいきませんからねえ。誰かが食べないと!」

風花「フロンさん・・・」

フロン「それで私が倒れちゃったのは風花さんの責任じゃありませんよ。私がひよわだからいけないんです」

風花「違うんです・・・」

フロン「へ?」

風花「私、何やっても駄目で・・・本当にトロくって・・・」

フロン「・・・・・・」

風花「女の子なのに、料理のひとつもまともに作れなくて・・・それが嫌で、学校ではお料理同好会に入ってたりするんです」

フロン「・・・良いことじゃないですか。出来ないことに立ち向かう、そうやって頑張っていれば、きっといつかうまくいく時がきますよ」

風花「違うんです」

フロン「風花さん・・・?」

風花「私、何やってても・・・どうせ駄目だろうって、最初から投げやりな気持ちになっちゃって・・・昨日のケーキ作りだって、私、うまくいかないとだろうって思いながら作って、それで当然のように失敗しちゃったから・・・フロンさんもきっと、一口食べたらもう食べるのやめるだろうって思ってました・・・」

フロン「あはは・・・」

風花「・・・フロンさんが無理してケーキを全部食べようとしてくれてる時、私・・・何だか胸のあたりが冷たくなってきちゃって」

フロン「まあ結局半分ぐらいで力尽きてしまったのですが・・・」

風花「私・・・頑張ってなかったんです!もっと慎重にやるとか、やっぱりまだ荒垣先輩についててもらうとか・・・ちょっと考えれば、もっと頑張る方法なんていくらでもあったのに・・・!」

フロン「・・・そうですか」

風花「だから・・・だから・・・!」

フロン「思い悩む必要はありませんよ。ご自分でそれが解っているのなら、次からはもっと頑張れば良いじゃないですか」

風花「フロンさん・・・」

フロン「私も料理はそこそこ出来ますし、教えて差し上げられることもあると思います。だから・・・一緒に頑張りましょう?」

風花「はいっ・・・!」

>-・・・・・・
:::【シシリーの部屋】:::

ラハール「(フン・・・お人よしめ)」

シシリー「壁に耳あてながらニヤニヤして・・・盗み聞き?」

ラハール「だ、誰がニヤニヤしてるか!」

シシリー「あー、そっか。隣はフロンさんの部屋だもんね。そりゃニヤけちゃうよね~」

ラハール「違う!ニヤけとらん!」

シシリー「どうでもいいけど、盗み聞きは流石に趣味悪いと思うよ?」

ラハール「・・・今回は仕方無いだろ。あの山岸とかいう女が、フロンの毒殺を目論んでいたのかと思ったからな」

シシリー「え・・・まさかフロンさん、風花ちゃんが作ったもの食べちゃったの?」

ラハール「ああ。奴が力のある天使だったから良かったものの、そこらの悪魔や普通の人間なら死んでいたところだぞ」

シシリー「風花ちゃんの料理は凄いからなあ・・・」

>-二日後

荒垣プリニー「先輩・・・どうしたんだよ先輩!」

エトナ「朝っからうるさいわね~・・・どうしたのよ?」

荒垣プリニー「先輩が、先輩がおかしいんだ」

プリニーA「う・・・うぅ・・・うぁあ・・・」

エトナ「げっ、マジでヤバイ感じじゃん」

プリニーA「ぁぁ・・・ぁー・・・」

荒垣プリニー「何なんだよこれは!プリニーってのは、こんな風になっちまうもんなのかよ!」

エトナ「いや、こんなの始めてみたわね・・・目は真っ白だけど、寝てるわけじゃないし・・・」

荒垣プリニー「・・・どうすんだ?」

エトナ「とりあえず魔界病院に置いてこよっか。そろそろ会議始まっちゃうし」


>-・・・・・・

順平「桐条先輩~。荒垣先輩のこと、どうするんすか?」

美鶴「どうもこうもあるか。私はもう、あんな薄情者のことは知らん」

順平「そんな~・・・」

美鶴「だがまあ、明彦が今の荒垣を見れば、手を上げてでも荒垣の目を覚まそうとするだろう」

アイギス「・・・つまり、荒垣さんのために真田さんを呼ぼうということでしょうか?」

美鶴「い、いや・・・荒垣のことなど知らんが、我々の戦力の補強をするために、明彦の力が必要だ」

順平「へいへい、素直じゃないっすねえ」

美鶴「なっ、何がだ!」

風花「(・・・本当に、桐条先輩や順平君がいうみたいに、フロンさん達が悪い人たちなのかな・・・?私には、どうしてもそうは思えない・・・)」

【暗黒議会】

番長「第9回、特別捜査隊暗黒議会を開催します」

議題1【タルンダ先輩に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【宇宙最凶の女探偵に会いたい】


ラハール「>>107

フロン「>>107

シシリー「>>107

エトナ「>>107

番長「>>108

雪子「>>108

菜々子「>>108

クマ「>>108

荒垣プリニー「>>109

美鶴「議題1だ」

順平「議題1で頼むぜ」

アイギス「議題1を要求するであります」

風花「議題1でお願いします」

4

4

2

更新ないなぁ

>>112 P3Pをやりかえしてみたところ、凄く凹んで更新出来る気分になれなかったです。遅くなりましたが更新します。

【宇宙最凶の女探偵に会いたい】

>-・・・・・・

直斗「番長先輩のお話で、事情は大体わかりましたが・・・・・・」

番長「どうかしたのか?」

直斗「・・・いえ、聞いた感じだと、どうもラハール先輩の好意で我々はここに呼ばれているんですよね?」

ラハール「こ、好意だと!?気味の悪い言い方をするな!」

番長「落ち着け」

ラハール「おっ・・・・・・もういい」

番長「直斗、続けてくれ」

直斗「ええ。SEESの皆さんは、会議が終わり次第部屋を出て行かれましたよね?ご挨拶でも・・・と思ったのですが、どうも、皆さんで魔界観光を楽しむというような空気ではないような気がしまして」

番長「・・・・・・」

ラハール「・・・」

直斗「エトナさんもすぐに出て行かれましたし」

ラハール「・・・奴は何か用事があると言っていたな」

:::【魔界病院】:::

エトナ「あのプリニーの具合は?」

魔界病院「何ともいえませんね。話しかけても反応はありませんし、白目をむいたまま小さい声でうなり続けています。このような病気や状態異常はみたことがありません」

荒垣プリニー「先輩!おい先輩!」

プリニーA「うぅ・・・あぁ・・・」

エトナ「治せないの?」

魔界病院「エスポワールもヒールも試してみましたが、特に効果はないようです。魔力もHPも減っているわけじゃありませんし、今のところこの症状が生命維持を阻害しているということはないのですが」

エトナ「んなこと言ったって、何の反応もないんじゃ、そのうち死んじゃうでしょ。ずっとこのままってんじゃ、そう遠くないうちに飢え死にするわよ?」

魔界病院「飲食物を口からねじこんでやれば摂取はするようです。プリニーの体内構造は単純ですから、喉を通るサイズの食べ物さえ強引に詰め込んでしまえば死に至るようなことはないでしょう。ただ、その・・・能動的に何かをしようとする意思そのものがこのプリニーから欠落しているように見受けられます」

エトナ「・・・」

荒垣プリニー「これはまさか・・・いや、でも、そんな馬鹿な・・・」

エトナ「どしたの?」

荒垣プリニー「影人間・・・いや、影プリニー!」

エトナ「ちょっと、一人でぶつぶつ言ってないで説明しなさいよ!」

ラハール「おい、うるさいぞ。今直斗に城の案内をしているんだ。騒がしくするな」

エトナ「・・・殿下」

ラハール「・・・・・・何かあったのか?」

直斗「?」

荒垣プリニー「おい・・・お前等は、俺達特別課外活動部(SEES)のやってきたことについて、どれぐらい知ってる?」

ラハール「は?たいして知らんぞ。なんかこう・・・戦ってた、ぐらいしか」

エトナ「アタシもそうね。興味無かったからあんまり聞いてなかったし」

直斗「・・・あ、僕もですか?僕は興味はありますけど、何分今ここに来たばかりですので・・・僕達と同じペルソナ使いであるということぐらいしか伺っていません」

荒垣プリニー「ったく・・・まあいい、一から説明してやる」

:::【道具屋】:::

番長「たいやき二つ下さい」

道具屋「はいよ」

番長「どうも。美鶴さん、お一つどうぞ」

美鶴「う、うむ・・・な・・・なあ、これは一体どういうふうに食べればいいんだ?」

番長「普通にそのままかぶりついてください」

美鶴「そ、そうか・・・・・・うむ、悪くない」

番長「初めてですよ。たいやきの食べ方なんて聞かれたのは」

美鶴「すまない・・・どうも私は、一般的な常識がまだまだ欠けているようでな。ところで、折り入って話というのは一体何だ?」

番長「そう警戒しないで下さい。ただ俺は、美鶴さんと仲良くなりたいだけなんです」

美鶴「なっ何を・・・!」

番長「俺、前から年上の人に興味があったんです」

美鶴「きょっ・・・興味・・・!?」

番長「あ、変な意味じゃないですよ?」

美鶴「解っている!き、君は私をからかっているのか!?」

番長「違います。ただ・・・俺達ってあまりにも、お互いのことを知らなさ過ぎる。そう思ってるんです」

美鶴「・・・」

番長「考えてみれば、俺は美鶴さん達がどんな戦いをしてきたのか・・・そんなことすら知らない。美鶴さん達も、俺達の戦いのこと、知りませんよね?」

美鶴「あ、ああ・・・」

番長「だから、まずはそこから、お互いを知り合いたいんです。聞かせて貰えませんか?SEESの皆の、戦いのこと」

美鶴「・・・いいだろう」

:::【魔界病院】:::

荒垣プリニー「俺達にとって、一日は二十四時間じゃなかったんだ」

ラハール「は?」

エトナ「・・・何?頭おかしくなっちゃった?まあ調度良いわね、ここ病院だし」

魔界病院「出番でしょうか?」

エトナ「そうみたい」

荒垣プリニー「茶々入れてねーで聞け!」

風花「影時間、私達は"二十四時間外"の時間のことを、そう呼んでいます」

荒垣プリニ「山岸・・・」

風花「すいません。話・・・聞こえちゃって」

荒垣プリニー「・・・いや、お前も話をしてけ。今この魔界で、何かが起きてるかもしれねえ」

:::【道具屋】:::

番長「影時間?」

美鶴「ああ。君達が影時間を知らないのは当然だ。私は調度、君達の2年前の時間軸から呼ばれているようだからな。君達の時代には影時間はなくなっている」

番長「・・・」

美鶴「影時間は、調度夜中の十二時に始まる。世界の景色は一辺し、影時間に適正がない人間達の時間が停止し、町にはシャドウが出没する」

番長「・・・その、影時間への適正っていうのは?」

美鶴「適正に関する詳しいメカニズムの解明は結局なされなかったが、とにかく"適正"がない人間は象徴化するんだ」

番長「象徴化?」

美鶴「魔王の寝床の、棺を見たか?」

番長「・・・はい」

美鶴「ああいう風体の棺に姿を変え、影時間中に全く活動しなくなる。さっきも言ったが、ようは止まるというとこだな」

番長「・・・想像がつかないですね」

美鶴「それはそうかもしれないな。しかし、とにかくそういう事なんだ。人だけではない。電車も、車も、ありとあらゆる現実時間の物体が停止し、動きを止める」

番長「・・・」

美鶴「そのため、我々は影時間中でも動かせるような特製の機器や乗り物を開発し、活動していた。その機器のうちの一つが、対シャドウ特別制圧兵装七式・・・アイギスだな」

番長「・・・なるほど」

:::【魔界病院】:::

荒垣プリニー「影時間に適正がある人間・・・つまり、影時間中にも行動できる人間の中には、ペルソナ能力に目覚める奴がいる」

ラハール「・・・それが貴様等か」

荒垣プリニー「そういうこった。ま・・・そのペルソナを、自力でちゃんと扱えるかどうかは、また話が違うんだけどな・・・」

風花「先輩・・・・・・」

>-・・・特捜隊とは随分と事情が違うようだな。
>-・・・まあいい。

ラハール「続けろ」

:::【道具屋】:::

美鶴「我々の目的は、満月の日にだけ出没する大型のシャドウ・・・十二体の殲滅。だった」

番長「・・・だった?過去形、ですね」

美鶴「我々の通う月光館学園は、影時間になると、我々がタルタロスと呼称していた巨大な塔に姿を変える。その中には数多くのシャドウ達がひしめいていた」

番長「・・・」

美鶴「影時間中、町に時折出没するシャドウ。学校がタルタロスに変貌してしまう不可思議な現象・・・それら全ては、十二体の大型シャドウを殲滅すれば止められ、影時間もなくなると・・・そういう話に、我々は騙されて行動していた」

:::【魔界病院】:::

荒垣プリニー「影時間中にシャドウに襲われちまった人間は、何に対しても無気力になって、まともに行動出来なくなる。それが無気力症患者・・・影人間だ」

:::【道具屋】:::

番長「・・・あれ、でもさっき、適正がない人間の時間は止まるって」

美鶴「適正があっても、ペルソナ能力に目覚める者のほうが圧倒的に少ない。適正があって、影時間中の行動を可能にしてしまったが故に、町やタルタロスでシャドウに襲われ、影人間と化してしまうんだ。我々のようなペルソナ使いが、助けたりしない限りはな」

番長「・・・なるほど」

:::【魔界病院】:::

ラハール「その無気力症とやらに、このプリニーの症状が似ているというのか?」

プリニーA「うぅ・・・」

荒垣プリニー「似てるっつうより、ほとんどそのまんまだ」

直斗「もしこの症状が、荒垣さんの仰っている無気力症と同一であるとしたら、一体何故・・・」

ラハール「・・・いや、直斗、考えるのは後にしろ。荒垣、まずは貴様等のやってきたことを全て話せ」

荒垣プリニー「・・・ああ」

:::【道具屋】:::

美鶴「全てのはじまりは、私の祖父の悪しき研究だったんだ」

番長「・・・研究、ですか」

美鶴「研究というより、問題だったのはその考え方そのものだろう。何故祖父がそのようなことをするに至ったのか・・・今となっては知る術もないが、影時間中に出没する十二体の大型シャドウを集め、ニュクスという存在を呼び寄せること。祖父が行っていたのはそのような研究だった」

番長「・・・その、ニュクスっていうのを呼び寄せると、どうなるんですか?」

美鶴「地球人類が絶滅する」

番長「・・・・・・え?」

美鶴「・・・君は、人間が生きているというのは、どういうことだと思う?」

番長「難しい、質問ですね・・・・・・そうだな、俺は・・・自分で考えて、何かのために前向きに行動出来ることだと思います」

美鶴「・・・君は凄いな。難しい問いに対して、いきなりそんなことが口から出てくるとは」

番長「・・・・・・」

美鶴「前向き云々は置いておいて、私もほぼその意見に同感だ。思考や行動を放棄させられた影人間は、生きているとはいえない」

番長「じゃあ、もしかして・・・ニュクスが呼び寄せられると・・・」

美鶴「おそらくは君の考えている通りだ。ニュクスは全人類を影人間にしてしまうんだ。世界に絶望し、人類の絶滅を願った祖父は・・・ニュクスを呼び寄せるための研究をした。我々の戦いがあった一年間の、十年ほど前のことだ」

>-・・・・・・いきなり話の規模が大きくなってきたな。

美鶴「あ、あれ・・・?」

番長「・・・どうかしましたか?」

美鶴「い、いや・・・何・・・だ?我々はニュクスを倒した・・・のだが、一体どうやって・・・?そもそも、十二体のシャドウは、何かに呼び寄せられてきたはずだが、一体何に・・・?」

:::【魔界病院】:::

風花「ちょ、ちょっと待って下さい」

荒垣プリニー「どうしたんだよ?」

風花「今、私達の戦いは終わったって・・・言いましたか?」

荒垣プリニー「ああ。それがどうかしたのか?」

風花「終わってなんかないですよ。そもそもまだ十月だし・・・卒業式がある三月って、随分先のような・・・」

荒垣プリニー「あ?何だと?桐条達とお前の、ここに呼ばれた時間軸ってのは、一緒じゃねえってことか?桐条達は確かに、今は三月だと・・・」

ラハール「・・・?」

>-・・・・・・

【暗黒議会】

番長「第10回、特別捜査隊暗黒議会を開催します」

フロン「あの~・・・・・・その前にちょっとよろしいですか?」

番長「はい、フロンさん」

ラハール「・・・何故わざわざ手を挙げて発言権を求める」

番長「何かそのほうが会議っぽいかなーって」

ラハール「・・・」

フロン「なんだか急に呼ばれたので集まりましたが、次の議会はまだ来週の予定だったような・・・」

番長「ええ、全員で一度、話しておきたいことが出来てしまって」

クマ「全員?全員って、ナナチャンはココに呼んでないクマよ?今から呼んでクル?」

番長「ちょっと難しい話だから、菜々子には待ってて貰おう」

ラハール「・・・難しい話なら、クマもいなくて良いんじゃないか?どうせ話についてこれないだろう」

クマ「シツレークマね!クマだってムツカシイ話できるクマよ!」

ラハール「難しい、な」

順平「で、何で俺等まで・・・」

美鶴「すまないな。一度認識を合わせたいことが出来てしまった」

順平「ああ、いや、先輩に言ったんじゃ・・・」

美鶴「伊織、君は我々が一体どうやってニュクスを討ったか、覚えているか?」

順平「え?ニュクスって、あのニュクスですか?そりゃもちろん・・・あれ?どうやって・・・でしたっけ」

アイギス「しっかりしてください順平さん」

美鶴「そういうアイギスは、どうなんだ?」

アイギス「・・・・・・?・・・思い出せません。このようなことは、ありえません・・・どうして・・・?」

順平「お前まで・・・?」

美鶴「我々は何かを忘れている・・・とても大切な何かを。そして、私はそれを思い出したい」

順平「・・・」

美鶴「ここにいる皆に協力を求めてな。というよりそれ以前に、どうもこの魔界でも何かが起き始めているようなのだ」

順平「(・・・この胡散臭い奴等を信用するっつーことですか?)」

美鶴「(するかどうかは、これから考える。我々は盲目的に彼等を信じようとしてこなかったが、まずは信ずるに値するかどうかを見極めるんだ)」

議題【違和感について】

直斗「まずは皆さんが感じている違和感について挙げて貰います。何かおかしい、妙だと感じていることがあったら一つ一つ挙げていって下さい」

美鶴「その前に、提案があるんだが・・・」

直斗「はい、何でしょうか?」

美鶴「思えば、我々は碌に自己紹介もしていない。個々で知り合っていることはもちろんあると思うが、一度それを忘れ、まず自分のことを皆に紹介する機会を設けないか?今、この場で」

直斗「・・・ふむ、どうでしょうか?最もな意見かと思いますが」

ラハール「・・・何故俺様に聞く。俺様は貴様等に力を貸してやっているだけ・・・って、ここはもう魔界だったな。ああ、そうしよう」


【魔王ラハール】

ラハール「俺様が魔王ラハール様だ」

順平「(さっき違和感なんて話題があったけど、魔界なんてところも魔王なんて存在も、違和感バリバリなんスけど?)」

美鶴「(ここは一旦、それは置いておこう)」

フロン「・・・え、それだけですか?」

ラハール「は?他に何を言えば良いのだ?」

フロン「まあその・・・趣味とか、得意なこととか、こう、自己アピールをしてみてはいかがかと」

ラハール「・・・あー・・・俺様がこの城で一番偉い。だから貴様等は俺様の命令を聞け。以上だ」

フロン「えっ~と・・・まあ、こういう方です。でもそんなに悪い方じゃないので、ご安心下さい」

アイギス「なるほどなー」

ラハール「ま、魔王が悪くない奴でいてたまるか!ふざけるな!」

【天使長フロン】

フロン「えー、天界で天使長をやっているフロンと申します。今は天界も落ち着いているんですけど、仕事がある時は時々天界に行っているので、その時何か御用のある方はエトナさんを通じてご連絡下さい」

ラハール「天使長?大天使になったんじゃなかったのか?」

フロン「先代様・・・ああ、いえ、今はもう当代ですね。現大天使様がお仕事に復帰されましたので、天使長に戻りました」

エトナ「とまあ、こんな感じで、この二人はほっとくと二人でイチャつきだすから、そういう時は生暖かい目で見守ってやって」

アイギス「なるほどなー」

ラハール「アホか!誰が誰とイチャついてる!」

フロン「愛ですね~」

ラハール「黙れ!」

フロン「あ、ちなみに好物はスイーツとヒーローものの特撮やアニメです。ロボットものでもいいです」

順平「へえ・・・良い趣味じゃん」

ラハール「普通に話を進めるな!おい!」

【魔神エトナ】

エトナ「で、アタシがエトナ。よろしくね~」

アイギス「よろしくであります」

エトナ「いっちおーーー殿下の部下をやってあげてる」

ラハール「上からものを言うな。大体、一応ってなんだ」

フロン「とまあこういう風にラハールさんに憎まれ口を叩きますけれど、"らしくないのは殿下のほうですよ"とか、"アタシは弱い殿下になんか興味ないですから"とか、そういうクールなことを言って、私の"一度は言ってみたい台詞ランキング"を何度も書き換えてくれる凄いお方です」

風花「・・・?」

番長「なつかしい」

エトナ「フロンちゃ~ん、番長く~ん、ちょっとあっち行って三人ではなしあおっか?」

ラハール「後にしろ後に」

エトナ「へいへい。じゃあ後でね」

番長「・・・え、何で俺まで・・・」

エトナ「後でね」

番長「いや、その・・・はい」

エトナ「好物はフロンちゃんと同じでスイーツかしら。あとなんか言っとくことありますかね?」

ラハール「知るか」

エトナ「・・・あ、そうだ。魔王城にいるプリニーは皆アタシ直属の部下だけど、やらせたい雑用とかあるんなら遠慮なくやらせちゃっていいからね。好きにコキ使ってあげて」

美鶴「プリニー・・・というと」

順平「え、荒垣先輩も?」

荒垣プリニー「ああ。エトナの下で働いてるっつーことになってる」

美鶴「・・・」

アイギス「なるほどなー」

【天使シシリー】

シシリー「私はシシリー。ラハールお兄ちゃんの妹で、天使です。好きなものはお兄ちゃん!」

順平「い、妹?天使なのに、悪魔の妹なのか?」

シシリー「うん」

風花「お兄さんが好きなんだ?」

シシリー「うん!」

順平「お、おお・・・元気良いな」

>-・・・菜々子にもこれぐらい積極性が欲しい。
>-・・・いや、でも・・・。
>-・・・恥じらいがあってこその菜々子か?
>-・・・積極的な菜々子。

 好きなものはお兄ちゃん!

>-・・・。
>-・・・ありだな。

雪子「(番長君さっきから難しい顔してるけど、何か考え事かな・・・?)」

【番長】

番長「番長です。一応特捜隊のリーダーをやっていました」

順平「なあ・・・気になってたんだけど、番長っての本名?あだ名?」

番長「本名」

順平「そ、そっか」

番長「・・・あとは何を言えば良いんだっけ?」

ラハール「・・・・・・趣味とか得意なこととか、だそうだ。というか俺様に聞くな」

番長「趣味は釣りと読書とテレビ観賞と家庭菜園、得意なことは学業全般と料理と裁縫と運動です」

風花「えぇ・・・すごい」

美鶴「随分と多彩なのだな・・・」

番長「まあ、色々ありまして」

シシリー「ようやくまともな自己紹介になってきたね」

番長「あと、女たらしなので女性陣は注意して下さい」

アイギス「なるほどなー」

エトナ「それ自分で言う?」

シシリー「前言撤回」

【宇宙最凶の若女将】

雪子「天城雪子です。好きな色は赤」

エトナ「・・・・・・え、それだけ?」

雪子「んー、私、趣味といえるようなものが・・・あ、皆と一緒にいるのは好きです。よろしくお願いします」

ラハール「特技は馬鹿笑いだ」

雪子「ちょ、ちょっと・・・!」

順平「ば、ばか笑い?天城さんが?見てえぇ・・・!」

雪子「やりません!」

ラハール「そのうち嫌でも見ることになるだろ」

番長「そうだな」

雪子「もう、やめてよ二人とも・・・」

フロン「照れてぎこちない天城さんも良いですねえ」

エトナ「そうね。これはこれで」

雪子「もう・・・!」

【クマさん】

クマ「クマはー、クマクマ!」

順平「え、あー・・・クマクマ君?」

クマ「違うクマ!クマクマ!」

順平「・・・だからクマクマ君だろ?」

クマ「だから違うクマ!クマクマ!」

ラハール「いい加減にしろ。コイツはクマ、ただのアホだ」

アイギス「なるほどなー」

クマ「アホじゃないクマ!クマクマ!」

フロン「ゲシュタルト崩壊してきました」

シシリー「え、耳で?」

【母性溢れるプリニー】

荒垣プリニー「あー・・・俺は荒垣真次郎。死ぬ前はSEESの一員だったが、今はプリニーとしてここで働いてる」

エトナ「うん、知ってる」

雪子「うん」

荒垣プリニー「あー・・・もういいだろ。俺のことは大体知ってるはずだ」

直斗「え・・・」

番長「あの、今日来たばかりの者もいますので」

荒垣プリニー「そういやそうか・・・得意なことも趣味も特にねえが、強いて言うなら料理なら作ってやれる。腹が減ったら俺を呼べ」

クマ「呼んでるクマ」

シシリー「いつもお世話になってます」

荒垣プリニー「お前等は俺に頼りすぎだ。お菓子ぐらい少しは自分等で何とかしろ」

クマ「だってガッキーの作ってくれるものおいしいクマ~」

シシリー「お店で売ってるものにも負けないよね」

荒垣プリニー「・・・まあこんな感じだ。もういいか?」

直斗「あ・・・はい」

【対シャドウ特別制圧兵装七式アイギス】

アイギス「対シャドウ特別制圧兵装七式、アイギスであります」

番長「・・・なるほどなー」

アイギス「・・・真似しないでください」

番長「・・・すいません」

直斗「ちょ、ちょっと待って下さい。アイギスさんは、我々の世界の方ですよね?」

ラハール「そうだぞ」

直斗「なのに・・・これほどまでに精巧なロボットということですか?」

アイギス「はい」

直斗「驚きました・・・ずっと未来の方、というわけではないのですよね?」

ラハール「ああ。何かおかしいのか?」

直斗「おかしいというか、こんな技術が・・・」

美鶴「アイギスには桐条グループの技術の粋が結集されているからな。製造自体は君達がいた時間軸の十二年ほど前のことだぞ」

直斗「十二年前・・・・・・」

アイギス「私の一番の大切は」

番長「・・・」

アイギス「・・・・・・何でしたっけ?」

番長「いや、聞かれても・・・」

アイギス「・・・・・・・・・?」

【テレッテッテー♪】

順平「伊織順平です。超人揃いのSEESでは、あんまり目立たないほうかな。部屋の片付けとか嫌いなんで、ここでは荒垣さんと同室で楽させてもらってます」

荒垣プリニー「少しはてめえで片付けろよ」

順平「ど、どーもすんません」

荒垣プリニー「・・・で、あれだ」

順平「え、なんすか?」

荒垣プリニ「・・・趣味とか、そういうのだ」

順平「趣味かー。ゲーセンとか行ったりするのは好きですね。漫画とかもよく読みます。あ、空気とかは読めるタイプなんて、そこらへんは安心してね」

番長「なんと言うか・・・お調子者?」

シシリー「なんかクマに似てる~」

クマ「シツレークマね!」

順平「失礼ってのが俺に失礼だろ!」

【女王様】

美鶴「桐条美鶴。月光館学園の三年生だ」

直斗「桐条というと・・・さきほど話にあった桐条グループの?」

美鶴「その桐条だ。自信をもって得意と断言出来るようなことはないが、何事からも苦手と言って逃げたりしないことを心がけている。よろしく頼む」

番長「はい。ところで・・・」

美鶴「何だ?」

番長「女王様なんですか?」

美鶴「な・・・え?」

番長「いや、順平が言ってたんですよ。女王様を呼べば、SEESのメンバーが一人増えるって」

順平「ちょ、ちょっと番長!それは言うな!」

美鶴「伊織、貴様・・・!」

順平「先輩、待って下さい!」

美鶴「処刑してやる!」

>-カッ

順平「ああああ!!」

荒垣プリニー「・・・まあ、ああいう奴だ。ちょっとお堅い奴だが、話の通じる奴だ。悪い奴じゃないぜ」

直斗「な、なるほど・・・?」

順平「」

クマ「ジュンペーの氷漬けクマ」

エトナ「城に飾っとくには品がないわね~」

フロン「エトナさん酷すぎます・・・」

番長「いいから早く溶かしましょう」

美鶴「見ての通り氷結属性の魔法を取り扱う。後、回復も可能だ」

クマ「コオリとカイフク・・・クマとお揃いクマ!!」

美鶴「何!?」

クマ「お揃いって良いクマね~、なんだか運命を感じるクマ!」

美鶴「や、やめろっ!寄るな!」

番長「いいから溶かそう。ラハール、火」

ラハール「何で俺様が・・・」

【殺人料理人】

風花「山岸風花、月光館学園の二年生です。SEESでは主に情報収集やナビゲーションを担当しています」

ラハール「・・・ほう」

番長「うちのりせと同じか」

美鶴「SEESでははじめ、私がその役割についていたのだが、元々私のペルソナは戦える力を持っていてな。山岸の加入と同時に、私が戦闘に加入出来るようになったんだ」

番長「・・・ということは美鶴さん、うちのクマと同じですね」

美鶴「え?」

クマ「クマも最初ナビしてたんだけどー、りせちゃんがきてから戦うようになったクマ!おそろいクマね!」

美鶴「う・・・何か嫌だな」

風花「あ、あのー・・・」

クマ「嫌なんて言わないで欲しいクマ!仲良くしようミッチャン!」

美鶴「う、うーむ・・・」

風花「・・・・・・・・・(私の自己紹介だったのに・・・話題が・・・)」

直斗「得意なこととか、何かありますか?」

風花「え、あ、はい。そうですね。機械をいじったりとか、好きです」

直斗「・・・なるほど」

風花「あと・・・得意とは違うんですけど。最近お料理にこってます」

直斗「お料理ですか。良いですね」

風花「はい。今度作りますから、是非食べて下さいね」

直斗「はい」

フロン「・・・・・・」

【宇宙最凶の女探偵】

直斗「では、僕の番ですね。白鐘直斗、探偵です」

風花「探偵さんって、私はじめて見ました」

順平「すげー珍しいよな」

美鶴「確かに、なかなかお目にかかる機会のない職業だな」

アイギス「なるほどなー」


議題【違和感について】

>-・・・・・・

直斗「以上でよろしいですか?中々、なんというか・・・多いですね」

ラハール「一つ一つ解決していくしかなかろう」

直斗「一つの違和感を解決することで、他の違和感もまとめて解決してくれれば良いのですが・・・」

ラハール「・・・暗黒議会で、解決していく違和感を決めるというのはどうだ?」

エトナ「え?」

ラハール「・・・そもそも、俺様が貴様等を呼んだのは、面倒事を押し付けるためではない。貴様等に魔界を見せてやろうと思っただけなのだ」

番長「・・・」

ラハール「厄介事に関わるのを嫌わない奴もいるだろうが、そうでない奴もいるだろう。それに、早急に解決を迫られるほど、事態は逼迫しとらんはずだ」

エトナ「既にプリニーが一匹駄目になっちゃってるんですけど?」

ラハール「確かにな。とはいえ、そのことはどの違和感とも今のところ関連がないはずだ」

荒垣プリニー「・・・」

エトナ「・・・まあ、そうですけど」

ラハール「新しい奴を呼ぶことと、違和感をどれか一つ解決すること。今後の議会では二つの議題を処理していくぞ。いいな」

エトナ「・・・はーい。けど、殿下が人の気持ちを考えてそんなことを言うとは・・・」

フロン「愛ですね!」

ラハール「やかましい」

アイギス「なるほどなー。愛ですね」

ラハール「違うぞ」

番長「なるほどなー」

ラハール「たたきのめすぞ」

>-一週間後

【暗黒議会】

番長「第11回、特別捜査隊暗黒議会を開催します」

【違和感について】

ラハールの違和感【エトナがSEESを呼んだ理由】

風花の違和感【ハム子ちゃんについて】

荒垣プリニーの違和感【今はいつ?】

美鶴の違和感【忘れていること】

番長の違和感【菜々子ともっと遊びたい】

クマの違和感【女の子達が冷たい】

直斗の違和感【ラハールはフロンを許したのか】

>>135

【召喚】

議題1【タルンダ先輩に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【老け顔の高校一年生に会いたい】

議題4【りせちーに会いたい】

>>136

荒垣

3

おつお

>>137 乙ありです。
更新します。頻度落ちてましたが、少し上げていきます。

【今はいつ?】


直斗「随分と妙な議題ですが、荒垣さん、これは一体?」

荒垣プリニー「どうも、桐条達と山岸の"今"が噛み合ってねえみたいなんだ」

美鶴「・・・何?」

荒垣プリニー「アイギス、お前魔界に来る前の日にちは解るか?」

アイギス「三月六日です」

荒垣プリニー「・・・」

風花「私は・・・十月五日からきました」

美鶴「何?十月?」

順平「それマジか?つか、十月五日ってそれ・・・」

アイギス「荒垣さんが亡くなられた日の、翌日ですね」

美鶴「・・・!」

ラハール「おいフロン、どういうことだ?」

フロン「・・・変ですね」

ラハール「変ですねじゃない。SEESはSEES、特捜隊は特捜隊で、それぞれ同じ時間軸から召喚してるんじゃなかったのか?」

フロン「・・・そのはずなんですが」

番長「現に、俺達は皆同じぐらいの時間から呼ばれているぞ」

雪子「うん。そう・・・ラハール君とエトナさんが、私達に何も言わずにいなくなった日の翌日」

ラハール「だ、だからそのことは悪かったと・・・って、今は貴様等のことはどうでもいいのだ」

クマ「どうでもいいなんて酷いクマ。クマ達がどれほど哀しんだが・・・オヨヨ・・・」

ラハール「黙れ!話が進まん」

直斗「まあラハール先輩の過失は"とりあえず"置いておくことにして・・・」

ラハール「・・・なんだその言い方は?貴様も怒ってるのか?」

直斗「怒ってないわけがないじゃないですか」

ラハール「ぐ・・・」

番長「・・・順平も美鶴さんも、アイギスと同じ日から呼ばれているんですか?」

美鶴「あ、ああ・・・」

順平「おう。けど、なんで風花だけ・・・?」

番長「山岸さんだけが違う時間から来ているというのが確かだとして・・・何かそうなってしまう原因に心当たりはありませんか?」

フロン「ん~・・・・」

ラハール「おいコラ、俺様を置いて話を進めるな」

フロン「そ、そういわれましても・・・」

エトナ「フロンちゃんにあたるのはみっともないですよ」

ラハール「な・・・」

エトナ「話を進めよ~」

フロン「・・・"違っている"のは、山岸さんお一人なんですよね?」

風花「は、はい・・・」

フロン「だとすれば、原因はこれにあると思います」
【殺人料理人に会いたい】

風花「え?」

エトナ「ん?これの何が悪いっつーの?」

フロン「これは山岸さんを呼ぶためにエトナさんが設定した議題ですが・・・」

風花「・・・・・・(私そんなふうに思われてたんだ・・・?)」

フロン「何らかの理由で、アイギスさん達の世界の山岸さんが既に殺人料理人ではなくなっているのかもしれません」

ラハール「・・・その理由とやらは、具体的にはなんだ?」

フロン「いえ、それはわかりません・・・ただ、召喚は、人と人との存在の繋がりを利用して、言葉でその存在を手繰り寄せて行っています」

ラハール「・・・となると」

番長「ここにいるのは、アイギス達のきた時間から、さらに過去の山岸さん?」

フロン「・・・もしくは、全く別世界の山岸さんかもしれません」

ラハール「は?」

フロン「・・・ラハールさんの認識が、番長さんや天城さん、クマさんに白鐘さん、それに菜々子さん。それぞれ、ラハールさんが知る特捜隊の方々を召喚したように、SEESの皆さんも、元は荒垣さんやエトナさんの認識から、お二人が知るSEESの皆さんを召喚したわけですが・・・」

荒垣プリニー「・・・」

フロン「本来、世界というものは、いくらでも分岐しえます。たとえば、この中の誰かが亡くなっていたり、逆に、私達が知っている故人が生きていたり・・・そういった世界の可能性が、無限に広がっているんです。山岸さんは、アイギスさん達の世界と似たような状態にある、別の世界から来られたのではないかと・・・」

ラハール「どうしてそう思う?」

フロン「山岸さんお一人だけが、さらに過去の時間から呼ばれてしまったということのほうが考えにくいからです」

ラハール「・・・そうか」

風花「・・・え?」

ラハール「どうすればそれを確認出来る?似たような世界から来たんだとしたら・・・」

直斗「・・・話が食い違っている点を確認して頂ければ、明らかになるかと」

ラハール「・・・」

直斗「山岸さん、何でも構いません、ここにいる他のSEESの皆さんと、元の世界の話で何か噛み合わないと感じたことはありませんか?」

風花「・・・あ」

ラハール「何かあるのか?」

風花「・・・ハム子ちゃん」

ラハール「は?」

風花「・・・私達のSEESには、頼れるリーダーが居たんです。主人ハム子ちゃんっていう・・・」

美鶴「以前にもそんなことを言っていたような気がするが、それは確かなのか?」

順平「風花・・・」

風花「確かも何も・・・!アイギスなんかは、ハム子ちゃんの傍にいることが、私にとって一番の大切であります!なんて言って・・・」

アイギス「ハム子という方は、私の記憶上に存在していません」

風花「・・・!」

ラハール「・・・エトナ」

エトナ「さっぱりですね。そんな子、いませんでしたよ」

ラハール「・・・・・・決まりだな」

風花「・・・・・・あっ、荒垣先輩。荒垣先輩は、どうなんですか?あんなにハム子ちゃんのことを・・・」

荒垣プリニー「・・・悪ぃな。ハム子って名前は、今はじめて聞いたぜ?」

風花「そ、そんな・・・・・・」

>-・・・山岸さんが泣きだしそうだ。

番長「今日のところはここまでにしておこう。違う世界から来てしまったということは、どうも確かみたいだし・・・皆それぞれ気持ちの整理をする時間を作った方が良い・・・特に、SEESの皆さんは」

ラハール「・・・そうだな」

>-・・・・・・

美鶴「山岸、これから皆で少し話すんだが・・・」

風花「・・・すいません。一人にしてもらってもいいですか?」

美鶴「あ、ああ・・・そうか。そうだな・・・お前は、我々の知っている山岸ではないらしいからな」

風花「・・・はい・・・」


:::【美鶴達の部屋】:::

美鶴「・・・・・・」

順平「・・・・・・」

アイギス「・・・」

美鶴「別世界、あまりピンとこないのだが、つまりはその世界にも私がいて、アイギスがいて、伊織がいて、あの・・・あの山岸がいた。ハム子という人物のことは何とも言えないが、あの山岸は我々の知る山岸ではないということか?」

順平「全然そんな気はしないんですけどね」

美鶴「・・・そうだな。あの山岸は、あまりにも山岸らしすぎる。言われてみれば少し幼い感じはあるが・・・」

順平「そりゃ単に、戦いの後半部分や終わりを経験してないからじゃ・・・」

美鶴「そう考えるのが自然だという意見には、私も賛成だ。私にはどうも、あの山岸が単に過去から来てしまったとしか思えない」

アイギス「ですが、フロンさんはその説のほうが考えにくいと仰っていました」

美鶴「・・・そうだな」

順平「へっ。どこまで信用出来たもんだか」

美鶴「・・・」

アイギス「ハム子さんという人物は、どのような方なのでしょうか?」

美鶴「・・・何とも言えんな。山岸はその人物が我々のリーダーだと言っていたが・・・」

順平「リーダーねえ。確かに、そういう立場の奴がいたほうが色々気楽に・・・って、何で俺達には、明確なリーダーがいないんですかね?」

アイギス「何を仰っているのですか?リーダーはリーダーです」

順平「や、誰だよ?」

アイギス「・・・?・・・誰・・・でしょうか?」

順平「しっかりしろって。ま、頭ん中こんがらがる気持ちはわかるけど・・・って、そういや肝心の風花はどこいったんですか?」

美鶴「彼女もこの場に来て貰おうと思っていたのだが・・・一人にして欲しいと言われてしまってな」

順平「そ、それ大丈夫なんですか?」

美鶴「・・・何がだ?」

順平「何がって先輩、いきなりお前は別世界から来ちまったなんて言われて・・・あいつがどういう気持ちになってるか!」

美鶴「・・・し、しかし・・・それが確かだとすれば、彼女は我々の知る山岸ではなく・・・」

順平「ったく・・・」

美鶴「どこへ行く?伊織」

順平「風花のとこですよ。過去から来たのか別の世界から来たのか、そんなのどっちでも良いですけど、どっちだろうと風花は風花でしょ」

:::【魔界病院】:::

プリニーA「・・・うぅ・・・」

荒垣プリニー「先輩・・・」

風花「ここにいたんですね。荒垣先輩」

荒垣プリニー「・・・山岸?」

風花「・・・」

荒垣プリニー「んだよ、どうした?」

風花「その子が、噂の陰人間みたいになっちゃったプリニーさんですか?」

荒垣プリニー「・・・ああ」

風花「・・・・・・すいません、こんな大変な時に私・・・」

荒垣プリニー「・・・なんだ?」

風花「元の世界に、帰ろうかなって」

【老け顔の高校一年生に会いたい】

直斗「---というわけで、色々と事情が複雑化していまして」

完二「・・・SEES・・・ねえ。記憶にゃねえけど、エトナさんが言ってることなら間違いねえか」

直斗「ええ」

完二「・・・・・・」

直斗「それで、その・・・SEESの方々はどうも、我々の存在を訝しげに思っているようでして・・・」

完二「あ?い、いぶかし・・・?」

直斗「え~・・・怪しい奴等だと、思われているようでして」

完二「あぁ!?んだそりゃ・・・って、いや、まあ、そりゃそうか。いきなりこんなとこに連れて来られて・・・」

直斗「SEESの皆さんからすると、我々は得体の知れない存在というわけです。訝しげに思う気持ちは解りますし、そういう連中を軽率に信用しない彼等に、僕はむしろ個人的には好感を抱いていますよ」

完二「・・・そうか」

直斗「ですので、くれぐれもSEESの皆さんと揉め事を起こさないようにお願いしますね」

完二「んなの言われなくても解ってるっての。ガキじゃねえんだ」

直斗「果たしてそうでしょうか?」

完二「あぁ?」

直斗「ラハール先輩や番長先輩に快くない態度を取られて、巽君が黙っているとは思えませんけど?」

完二「う・・・そ、そりゃ・・・ってそうだ!ラハール先輩!黙って帰りやがって・・・今どこにいんだ?文句言ってやらねえと」

直斗「あ。その件なら僕もご一緒させて下さい。天城先輩や菜々子ちゃんには謝罪をしたようですが、僕は聞いていませんので」

完二「そうか・・・っておい、菜々子ちゃんも来てんのかよ!?またなんか妙なことが起きてるかもしれねーってのにか!?」

直斗「それがどうも・・・菜々子ちゃんをここに呼んでしまったのは、事が置き始める前だったようで・・・具体的に危険があるわけでもないのに、今更一人だけ送り返すというのも・・・というところらしいです」

完二「・・・・・・まあいいや。ラハール先輩んとこ行こうぜ」

直斗「はい」

:::【魔界病院】:::

菜々子「プリニーさん・・・」

プリニーA「・・・・・・ぅぅ・・・」

荒垣プリニー「っと菜々子。また見舞いに来てくれたのか?」

菜々子「・・・うん。はやく良くなるといいね」

荒垣プリニー「ああ」

風花「・・・」

荒垣プリニー「・・・で?いきなりどうしたよ?山岸」

風花「・・・」

荒垣プリニー「まあ、俺が死んだ次の日から来たってんじゃ、気が気じゃねえのはわかるけど・・・急いで帰んなくても、ここで学んでいけることがある。そう思ってたから、お前は今までここにで過ごしてたんじゃねえのか?」

風花「・・・だけど、私は、荒垣先輩や、他の皆が知ってる山岸風花じゃなくて・・・」

荒垣プリニー「・・・」

風花「・・・それなのに・・・この世界で、笑ったり、荒垣先輩に料理を教わったり、フロンさんに迷惑をかけたり・・・ためになる話を、してもらったり・・・私には、そんな資格ないのに」

荒垣プリニー「・・・資格なあ」

菜々子「・・・けんか、してるの?」

荒垣プリニー「そう見えたか?安心しろ。そうじゃねえよ」

風花「・・・」

荒垣プリニー「なあ山岸。俺はな・・・俺はもう死んでんだから、今更SEESの奴等と一緒に、何かをやろうってつもりはなかった」

風花「・・・?」

荒垣プリニー「死んじまった・・・いや、死ぬことを選んだ俺には、またあいつらと関わる資格なんて無いと思ったからだ」

風花「・・・それは・・・でも・・・」

荒垣プリニー「けどそれを決めるのは、俺じゃねえんだよな」

風花「荒垣先輩じゃ・・・ない・・・?」

荒垣プリニー「俺と一緒にいることを、あいつらが許すんなら、俺はあいつらと一緒にいてやることが出来る。誰かがそこにいていい意味なんてのは、そいつが決めることじゃねえ。そいつの周りにいる奴等が決めることだ」

風花「・・・はい」

荒垣プリニー「お前は、俺達の知ってる山岸風花じゃない。それが確かだとしても、少なくとも、ここで俺に料理を教わったり、フロンを殺しかけたのは、今ここにいるお前だ。ここに来る前から知ってる山岸風花じゃなく、ここにいる山岸風花を、俺はもう知ってる。俺は、それでいい」

風花「荒垣先輩・・・」

>-・・・・・・

????「ね、ねえ、風花ちゃんのあとをつけてきたのはいいけど・・・私達いつ出て行けばいいの?」

??「ムム・・・言いたかったこと全部ガッキーに言われちゃったクマよ」

????「もう・・・」

>-・・・・・・

ラハール「だ、だからそれはもう・・・」

完二「もうって何スかもうって。俺は何も聞いてねえスよ?」

直斗「僕も何も聞いていませんね。直接は」

ラハール「・・・悪かった」

完二「え、何スか?聞こえないんスけど」

ラハール「俺様が悪かった!・・・・・・その・・・だから・・・照れくさかったのだ。別れの挨拶とか、そういう・・・」

直斗「ふふっ」

完二「ぶふっ。何スかそれ」

ラハール「わ、笑うな!」

直斗「すいません。レアだなあと思いまして。素直なラハール先輩」

ラハール「か、からかうな!全く・・・!」

順平「あっ。おい、風花見なかったか!?」

ラハール「山岸?いや・・・何かあったのか?」

順平「何かって、お前等が妙なこと言い出すからアイツは!」

がっ

完二「おい待てやコラ。何があったか知んねえけど、ラハール先輩の胸倉なんか掴んでどうしようってんだテメ?」

順平「な、何だよお前・・・!」

直斗「巽君。落ち着いて下さい」

完二「・・・けどよ」

ラハール「・・・伊織、まずは放せ。俺様の機嫌が悪ければ八つ裂きにしているところだぞ」

順平「あ、ああ・・・わかったよ」

ラハール「・・・・・・何かあったのは山岸自身にではなく、貴様等SEESの連中にではないのか?」

順平「・・・何?」

ラハール「誰も知らないハム子とかいう人間の話からして、奴が貴様等とは違う世界から来てしまったというのは、事実だろう。そのことで山岸自身に思うところがあるのも事実だろうが・・・」

直斗「・・・」

ラハール「その事実を踏まえた、貴様等SEESの連中の反応や、顔に出てしまう気まずさ・・・この魔王城に来てからの、山岸を含む貴様等が共に過ごした時間まで否定するような態度。そういうものこそが、山岸に何かを感じさせてしまうはずだ」

順平「そ、それは・・・」

ラハール「だから俺様は聞いたのだ。何かあったのか?とな。貴様等の知る山岸風花がどういう人間なのかは知らんし、ここいる山岸風花が別の人間であろうとも、少なくともここに来てから貴様等が一緒にいたのは、ここにいる山岸風花なのだぞ」

順平「そんなこと、お前何かに言われなくたって解ってる!けど、桐条先輩は・・・」

ラハール「桐条が、山岸に何かを言ったのか?」

順平「や、はっきりとそれを確認したわけじゃねえけど・・・あの態度だと・・・多分・・・」

ラハール「・・・」

順平「・・・・・・お前等見てっとさ、なんか・・・うらやましいって、思うんだよな」

ラハール「は?」

順平「何か、皆仲良くてさ、仲間って感じがする」

ラハール「な、仲間だと!?ふざけるな!他の特捜隊の連中はそうかもしれんが、俺様は・・・!」

直斗「まあまあ、良いじゃないですか。今は話を伺いましょう」

完二「先輩、落ち着いたほうが良いスよ」

ラハール「貴様には言われたくない!」

順平「・・・はは。そういうとこだよな。なんか、何でも言い合えて、仲良さそうに見える」

ラハール「な、なにを・・・!」

順平「俺達は違うんだ」

ラハール「・・・」

順平「なんつーか・・・仲間とか友達とか、そういうんじゃなくて・・・同じ目的のために、集まっちまった連中って感じでさ。見る方向は一緒でも、立ってる場所は皆それぞれ違うんだ」

直斗「・・・」

順平「俺等の仲って・・・何気ない会話とかでもさ、常に腹ん中隠しながらやらなきゃいけない空気が出来上がっちまってて・・・まあ、色々あってちょっとはマシになった感じすっけど、それでも・・・やっぱお前等とは違うんだよな」

完二「・・・」

順平「・・・そんでさ、十月っつーと、マシになる前なんだわ」

ラハール「前?」

順平「今よりずっと・・・なんつったら良いか・・・皆と一緒にいることが気まずかった時期?っつか・・・」

ラハール「・・・」

順平「ここにきてる風花は、そんな頃の風花なんだ。違う世界から来た、過去から来た、そのどっちだとしても・・・この城に来てからの風花は、まだそんな気まずい頃の気持ちのまんま・・・この数週間、俺達と一緒にいたんだ。キツいぜ。きっと」

ラハール「・・・フン」

順平「な、なんだよ!笑うとこじゃないだろ!」

ラハール「別に笑ったわけじゃない。貴様等のことが少し解った。そんな気がしただけだ」

順平「・・・」

ラハール「魔界病院に行け。山岸は今、そこにいる」

順平「お、おう。わかった」

>-・・・・・・

直斗「・・・先輩、どうして山岸さんの居所を?」

ラハール「知らなかったのか?魔王様は地獄耳なのだ」

:::【魔界病院】:::

順平「風花!」

風花「・・・順平君?」

順平「桐条先輩に何言われたか知んねーけど、お前が俺達の知ってる風花じゃなくたって、ここに来てから、俺達と一緒にいたのは、お前だから・・・だから、ここにはお前が知ってるものは何も無いだなんて思うな!」

風花「・・・ふふっ」

順平「え、な・・・え?笑うとこじゃない・・・よね?」

荒垣プリニー「あ~・・・悪ぃ伊織。その話、さっき俺がしたわ」

風花「・・・ごめん。荒垣先輩にも同じこと言われてたから、何だか変な気分になっちゃって・・・」

荒垣プリニー「・・・」

順平「え、えぇ~・・・?何これ、俺完全にタイミング外しちゃってる?」

荒垣プリニー「んなことねえよ。な?」

風花「はい」

>-・・・・・・

??「オヨヨ~・・・良かったクマね~・・・!」

????「本当にタイミング外しちゃってるのは私達だよね~」

??「それは言わないで欲しいクマ。一件落着すればそれでヨシクマよ」

>-・・・・・・

荒垣プリニー「・・・とりあえず飯にすっか。おい、そこに隠れてる二人も出て来い」

シシリー「げ、ばれてる?」

クマ「さっすがガッキー・・・」

風花「クマ君?シシリーちゃんも・・・」

シシリー「えへへ」

クマ「フーチャンがチョット心配で、見てたクマ」

風花「あ・・・そっか。ありがとう」

荒垣プリニー「お前等、何でも好きなもん作ってやっから、何が食いたいか言え」

順平「え、いんですか!?じゃあドーンとステーキとか!」

クマ「クマも~!」

シシリー「じゃー私はねえ」

荒垣プリニー「わかったわかった。おい山岸、お前にも手伝ってもらうからな」

風花「・・・はい」

>-・・・・・・

>-一週間後

【暗黒議会】

番長「第12回、特別捜査隊暗黒議会を開催します。とりあえず完二、自己紹介」

完二「ウス。巽完二、一年ッス!挨拶遅れましたけど、よろしく」

順平「よろしくが夜露死苦に聞こえたような・・・その金髪って、やっぱ染めてんの?」

完二「あ?んだよ、染めてちゃ悪ぃかよ?」

順平「や、いやいやいや、別にそういう・・・」

直斗「巽君」

完二「あ~・・・染めてちゃ・・・悪いスか?」

順平「え、いや、だから別に・・・」

完二「(・・・黒染めすっかなあ)」

【違和感について】

ラハール「では、山岸は今後も、魔界に滞在するということで良いか?」

風花「あ、はい・・・すいません。図々しくて」

ラハール「別に謝る必要は・・・」

フロン「そうですよ~。おいしいお料理作れるようになるまで、一緒にいましょう」

風花「はい」

美鶴「・・・」

直斗「では、荒垣さんの違和感を解決したことで、それに伴って解決された違和感を取り下げて・・・こうですね」

ラハールの違和感【エトナがSEESを呼んだ理由】

美鶴の違和感【忘れていること】

番長の違和感【菜々子ともっと遊びたい】

クマの違和感【女の子達が冷たい】

直斗の違和感【ラハールはフロンを許したのか】

>>150

【召喚】

議題1【タルンダ先輩に会いたい】

議題2【宇宙最凶の肉食獣に会いたい】

議題3【マリーちゃんに会いたい】

議題4【りせちーに会いたい】

>>151

番長の違和感

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