C.C.「んー、ルル……スキ……」(37)

c.c.「んー、ルル……スキ……」

ルル「んなっ! おおおお前……え、寝てる?」

c.c.「むにゃむにゃ……」

ルル(寝ている……これ以上ないというほど緩みきった表情。そして口元に光るよだれ。幸せそうな寝顔だなしかし……)

ルル「……おい」

c.c.「んむぅ……」

ルル(コイツ……自分がどれだけ恥ずかしいことを言ったのか分かっているのか? えぇ? ルル好き? なにそれ、俺? まじ? いかん、テンパってきた。)

ルル「……おいっ」ゲシッ

c.c.「んー……」

ルル「起きない……熟睡か」

ルル(はっ、いや待てルルーシュ。起こしてどうする? c.c.に『お前、俺のこと好きなのか?』って聞くのか? いや、無理だろ。どう考えても『は? 頭に蛆でも湧いたか? それとも童貞こじらせすぎたか?』という流れになるに違いない)

ルル「ふぅ! 危ないところだった……」

c.c.「むにゃ……」

ルル「制裁だ」

鼻を指で押して、豚鼻にしてやった。

c.c.「ん……んぐ……」

ルル「うわはははー、ゼロの力を思い知るがいいー」

c.c.「ん……やめ、れ……」

ルル「すごいんだぞー、ゼロはつよいんだぞー」

c.c.「む……んや……」

ルル「ふははははー、やめぬぞ、ほらほらー」

c.c.「ぐぬ……ぬ……」

ルル(嫌がってる……でもこれはおしおきだからな。異なる世界線で俺に暴言を吐いたお前へのおしおきだ。っていうか……)

ルル「ぶさ可愛い、とはこういうのを言うのか……」

c.c.「んー……」

ルル(面白い……。いつもはスカした面で、どこか眠たげな眼差しの共犯者。それがどうだ。眠っている間はこんなにも無防備で、まぬけ面で、どこか愛おしい……)

c.c.「そいう……プレーは……ちょ……」

ルル「!?」

c.c.「……好かん……」

ルル「……」

ルル(プレーってなんだよ!? 一体お前はどういう夢を……? しかし、俺にはそういう経験は……くっ! 魔女め!)

c.c.「ルル……好き……」

ルル(うぉおおおい! また言ったよコイツ! まじか!? まじか!? うわぁあああなんかもう痒いよぉおお!? は、はずかしっ!? なんで言われた俺が恥ずかしがらないといけないんだよお前寝てるしさぁあああ)

c.c.「スキ……大きさ……? ……ん」

ルル「……」

カレン「続けて」

c.c.「……ん……ピザくらい……」

ルル「ってピザかよ! 俺はピザと同レベルかよ!」

c.c.「んん……?」

ルル(まずい! 思わず突っ込んでしまった!)

c.c.「うそ……ばーか……ん……」

ルル(……あれ、やばい。不本意ながら今ものすごくかわいいと思ってしまったぞ? いかん。惑わされるなルルーシュよ。)

c.c.「ルル……」

ルル(だってコイツは魔女だぞ。こうしてる今も狸寝入りして俺をからかっているに違いない。いや、そうだ。きっとそうだ)

c.c.「……スキ」

ルル(そそそそうに違いない。からかっているんだな? お前、俺をからかっているんだな?)

c.c.「ルル……」

ルル(よーし、そっちがその気なら……こっちにも考えがある。コイツは人をからかうのは良いが、自分がからかわれることには慣れていないタイプだ。意趣返しをしてやる……くらえっ!)

c.c.「だーい……好き……」

ルル「お、俺も……」

ルル「大好きだよ、c.c.」カレン「失礼しまー……え?」

c.c.「むにゃむにゃ……」

カレン「え?」

ルル「え?」

ルル(カレンどうして……このタイミングで? まずい、聞かれた……!? っていうかc.c.ガチで寝てる?)

カレン「……え?」

ルル「……え? なにが?」

ルル(あかん! あくまでもシラを切り通すしかない! やるっきゃないでこれまじで!)

カレン「……え? いや、今」

ルル「……え? 今? なんのこと? 全然わかんない。いやもうマジで全然。全然だから」

カレン「……え? いや、ルルーシュ」

ルル「……え? なに? 俺?」

ルル(まずいぞ……! 俺はカレンの気持ちに薄々気が付いている……! だからこそ、このヤバさが分かる……! 下手なことをすれば黒の騎士団はカレンという戦力を失うことにも……)

カレン「……うん、いや、だからc.c.に今さ」

ルル「え? あー、この寝てるやつね? ピザ女ね? うん」

ルル(くっそぉおお! c.c.がそもそも変な寝言を口にしなければ……! いや、しかし軽はずみだった! 軽率だった! なぜこのパターンを想定できなかった!? 自分のホームなら安心できるとでも油断したか? 緩みきっている! 緩みきっているぞ、ルルーシュ!)

カレン「……c.c.のこと」

ルル「え? あー、うんうん。なに? ディートハルト。あー、まじで? ごめんカレンちょっと席外すわ。私用できたから。あと2~3時間したら戻るわ。うん。ゼロとしての務めがちょっとね、あるから、ねっ」

ルル(よし、これで戦線離脱っ。一時退却して戦略を……)

カレン「ルルーシュ、ふざけないで」
ルル「はい」

ルル(でっきるわけねぇええー!!!)

カレン「で? もう一度聞くけど、ルルーシュ、あなたc.c.のこと、好き……なの?」

ルル(……まぁずい! 非常にまずい! ディ・モールトまずい状況だ! ここで素直に『うん実は俺ずっと前から、具体的には共犯者になったあたりからc.c.のこと好きだったんだ』と言ったとしたらカレンはなんて答える? ……ていうか、そうなの? 俺、そうなの? 素直な気持ちそれなの? もう心底あのピザ女にメロメロなの? うっわぁー、自分でも気づかなかったや! びっくりだね!)

カレン「返答次第では……グスッ」

ルル「ままままてカレン! 誤解だ! いたずらだったんだよ! いたずら! 狸寝入りしてる魔女の耳元でそっと愛の言葉をささやいたらどうなるかと言う実験だったんだよ! ほんの出来心だったんだよ! いやこれ本当! マジだから! マジなやつだから!」

ルル(そう、ここではこの切り返しがベスト! のはず! あえて本当に起こったことを虚飾せずにありのままを伝えることによって、相手に訴えかける!)

カレン「うそ……。ルルーシュは優しいから……ほら、本当のことを言って?」

ルル(逆効果やったー! ごっつ逆効果やで! どうする? 下手な良い訳をしたせいで、より真実味がましたぞ!?)

ルル「うぐ……! 本当だ……!」

ルル(そう、ここではこの切り返しがベスト! のはず! あえて本当に起こったことを虚飾せずにありのままを伝えることによって、相手に訴えかける!)

カレン「うそ……。ルルーシュは優しいから……ほら、本当のことを言って?」

ルル(逆効果やったー! ごっつ逆効果やで! どうする? 下手な良い訳をしたせいで、より真実味がましたぞ!?)

ルル「うぐ……! 本当だ……!」

重複すまぬ

カレン「うそっ! もうやめて……これ以上、私をみじめにするのは……」

ルル「本当だって!」

カレン「うそよっ!」

ルル「本当だって!」

カレン「うそよっ!」

ルル「本当だっ……これいつまで続くの!?」

カレン「じゃあ、いったい誰が好きなのよ!?」

ルル「誰が好きなのって……ええ!?」

カレン「私は……私は! ルルーシュ、貴方が好き……」

ルル「んなっ」

カレン「これが私の偽らざる気持ち……。さぁ! 私は想いを伝えたわ。貴方の返事は?」

ルル「……うっ」

ルル(あぁ、これは……詰んだ……?)

ルル「俺は……」

ルル(どうしろっていうんだ……。)

ルル「俺は……」

ルル(黒の騎士団結成以来の最大のピンチ……。)

ルル「好きなのは……」

ルル(それが皮肉にもホームで起こり得るとは……。)

カレン「好きなのは……?」

ルル「……好きなのは……」

ルル(カレン……ごめん……! 俺は卑怯者だ……っ!)

ルル「だぁあーいすきなのはぁああー!! ひぃいーまわりのたねぇええー!!」

カレン「!!!?」

ルル「とぉっとこぉー! 走るよ○ム太郎ー! すみぃっこぉおお、走るよハ○太郎ー!!!」

カレン「な、なに!? ルルーシュ、どうしたの!?」

ルル「だーいすきなのはー!! ひーまわりのたねぇー!!!」

カレン「どういう状況!? なんでハ○太郎なの!?」

ルル「とっとこぉおお!!! 回るよハ○太郎ぉおお!!!」

カレン「なぜ頑なに熱唱!!?」

ルル「だーいすきなのはー!! ひーまわりのたねぇー!!!」

カレン「だからなんでハ○太郎!!?」

ルル「とっとこぉおお!!! 眠るよハ○太郎ぉおお!!!」

カレン「ちょ、ほんとに今どういう状況なの!!?」

ルル「とっとこぉおお!!! 嬉しいハ○太郎ぉおお!!!」

カレン「もういやぁあああ!!」

~それから~

c.c.「……ふふ、ずいぶんと騒がしかったな」

ルル「なんだc.c.……お前、やっぱり起きてたのか」

c.c.「んー、なんのことだ? それより、男前になったじゃないか」

c.c.は俺のほっぺについた赤い手形を見て笑う。ケラケラと。無垢な少女のように。

ルル「仕方ないだろう」

c.c.「まったく……さすがは童貞ぼーやと言ったところか。黒の騎士団のトップに立ち、組織を顎で使うお前でも、女性の扱いに関してはまるで駄目だな」

ルル「うるさいっ。人のことを童貞童貞と……。そ、そういうお前は何なんだ……」

c.c.「んー? レディに一体何を聞いてるんだか……やれやれ、これだから旺盛な年頃のぼうやは」

ルル「おっ、旺盛とかお前なぁ」

c.c.「ふふっ、確かめてみるか?」

ルル「はっ、はぁああ!?」

c.c.「ふふふ、何を本気にしているんだ。冗談だよ冗談」

ルル「くっ……! 魔女め! こっちは疲れてるんだよ、無駄な策謀を巡らせていたせいでな。ほっぺたも痛いし……」

c.c.「どれ、見てやろう。……ほら、近くにこい」

ルル「む、お前がこい」

c.c.「ふっ、そんなにカリカリするなよ。なぁに、ほっぺたの腫れくらい……」

チュッ。

ルル「なっ……!」

c.c.「なめときゃ治る。あ、そうそう……」

とびっきりの笑顔で魔女は俺をあざ笑う。妖艶に。無邪気に。

どんなに策謀を巡らしたって、この女に俺が勝てる日は来ない。
そう思わせるくらいに、犯罪的な笑顔。
俺の、共犯者。

c.c.「私も……大好きだよ、ルルーシュ」

~end~

おつかれ

乙!

これはいいルルcc、乙!

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