吉良「都市伝説?」(21)

踏切

カラーンカラーンカラーン…

吉良「チッ……タイミングの悪い…」チラッ

吉良(現在19:45……まあ会話を楽しまなければいつもの時間に帰宅できるな)

吉良「クックッ…この遮断機が上がったらすぐに君の元へ行くからね」

カラーンカラーン ゴオオオォォ カラーンカラーン……

吉良「さあ、私の物に…!?」

グザァ グザァッ バギバキッ メシャァァ

女性「……アガ…グギィ…タスケ……」

テケテケ「ウフフフフ♪」

吉良(コイツ……何している!?女性の体を真っ二つにしているのか!?刃物を持っているようには見えないが……いや、そんなことより……)

吉良(コイツ自体も体が上半身しかないぞ……!!)

ブシュュュゥゥゥ

女性「あっ…………」

テケテケ「アハハハハハ」クルッ

テケテケ「…………見たね?」

吉良(コイツ……ヤバい!!)クルッ ダダダダダダッ

テケテケ「ウフフ♪追いかけっこだね?」

吉良(私の足は決して遅くはない、あんな体の奴に追いつかれることはないだろう……)

吉良(しかしアイツは何者だ?)

テケテケテケテケ…

吉良(? 何だこの音は?)クルッ

テケテケ「遅い♪遅い♪遅いよオジサン♪」

吉良「なっ!?」

吉良(手だけであのスピードなのか!?不味い!追いつかれる!!)

テケテケ(私の踏切に手が綺麗な女の人がやってきた♪あまりに綺麗だったから殺しちゃった♪)

テケテケ(でもオジサンに見られちゃった、仕方ないからオジサンも殺すことにしたの♪)

テケテケ(逃げてくオジサン♪遅い遅い♪捕まえてバラバラにしてあげるね♪私みたいに♪)

吉良「……」ザッ

テケテケ「アレレ?オジサン諦メチャッタノ?ジャア死ンデネッーーー!!!」バッ

吉良「キラークイーン!」ドン ドドドド…

吉良「しばッ!」ドバッ

テケテケ「………えっ?」ドゴッ   ドザァァッ

吉良「『女性に触れていたことから私のほうから触れることも可能』という予想はあっていたみたいだな」ザッザッザッ

テケテケ「え?え?」

吉良「ああ、今、君の右腕を砕いたからしばらく動けないと思うよ」チラッ

吉良「本当は君にいくつか質問したいことがあるんだが……もう家に帰らなければいけない時間なのでね」クルッ スタッスタッスタッ

吉良「すでに君の髪の毛には触っている……」カチッ

ドグオオォォン

吉良「……逃げ回るなんて私らしくなかったな、最初からこうすればよかった」





吉良「私の能力は無敵なんだから」

良いな
はよ

wktk

吉良宅

吉良「……親父、いるか?」

親父「お前のほうから話かけてくるなんて珍しいな、吉影」スゥ…

吉良「少し質問したいことがあってな……」




親父「ふむ……、ソイツは都市伝説でよく聞く『テケテケ』っていう奴かもな…」

吉良「都市伝説?」

親父「現代の怪談みたいなものことだ、テケテケの話はかなり有名だな」

吉良「アイツもあんたと同じ幽霊なのか?」

親父「それは分からんなあ……しかしお前の能力で消してしまったんだろう?だったら今更あれこれ考える必要はないさ」

吉良「……確かにそうだな」

翌日 踏切

吉良(ここは昨日の踏切か……まあ奴はすでにいないから安心して渡れるがな)スタッスタッスタッ  グイッ

吉良「? 何かズボンの裾にひっかけたかな?」チラッ

テケテケ「ねぇ、オジサン昨日私を殺し 吉良「キラークイーン!!」ボゴォッ

テケテケ「グァッ!!」

吉良「やはりまた現れたか……念の為にコイツについて調べておいてよかったな」メキメキャッ

テケテケ「腕がぁ!!?」グシャァッ

吉良「念縛霊、人の恐怖の気持ちに縛られて成仏できないんだろ?お前」メギャァッ

テケテケ「ガアアアアァァァッ!!!???」

吉良「だから消しても消してもまた出てくるわけか……はぁ、面倒だな」

テケテケ「ガ……アァ…」

吉良「ここは会社から私の家への一番の近道なんだよ、そこで毎回君に襲われて時間を失うのはもったいない」

吉良「かと言って別の踏切をわざわざ渡るのは私のストレスとなる、それは私にとって非常に困ることだ……どうしたものかね…」

テケテケ「私は……ただ死にたかっただけなのに…どうして死んだ後にも苦しまなきゃいけないの…?」

吉良「……」

テケテケ「私は…もう消えたいのに…消えれない……殺したくもない…人を…殺してしまう……」

テケテケ「私は…化け物……なんか…じゃ…ないのに……!!」ポロポロ

吉良「……実験を一つしてみようか」

吉良「君の手……這いずり回っていたせいでボロボロだけど、私には分かる、君の手は本当は美しい手だ」スッ

吉良「私は女性の手が好きでね、美しい手の女性を見つけると愛せずにはいられないんだよ」カチッ

吉良「恐怖に縛られる念縛霊に愛を与えたら一体どうなると思うかい?」

シュウゥゥ……

吉良「って、もう答えられないか……」ブラァッ

吉良「さあ、私の家へ案内しよう、心配しないで私は愛すると決めた女性はとことん愛するから……例え人間じゃなくても」スタッスタッスタッ



第一話『テケテケ』 おしまい

あれ?この吉良さんなら人類には人畜有害な程度ですむんじゃね?下手すれば霊媒師とやってること同じだし

吉良さんマジかっこいい

霊の手をずっとペロペロしてくれてたら実害もないしな

まあ人間ではなく幽霊の手だったら平穏で穏やかな心落ち着ける生活を手にすることも可能だろ。
荒木曰わく殺人癖がなければ吉良はスーパーマンのような理想のヒーローらしいしな。

デパート

吉良「……」スタッスタッ チラッ

幼女「……」トコトコトコ

吉良(なぜ私がこんなガキの面倒をみなきゃいけないんだ……)

遡ること数分前

吉良(確かこの辺に防腐材が売ってたはずなんだがな……)キョロキョロ グイッ

吉良「うん?」チラッ

幼女「……」ジッ

吉良「……どうかしたかい?お嬢さん」

幼女「わたしをまいごセンターまでつれてってもらえますか?」

吉良「…あのねお嬢さん、そういうのはお店の人に頼むものなんだよ?分かったね?」

幼女「おじさんはてんいんさんじゃないんですか?」

吉良「ああ、違うね」(スーツを着ているからか?ガキの思考はよく分からんな…)

幼女「そうですか……」シュンッ

吉良「分かったくれたね?そしたらこの手を放してもらえないかな?私も暇じゃないんだ」

幼女「……」ウルッ

吉良(不味いなぁ……ここで泣かれると非常に面倒だぞ…、近くに店員もいなさそうだし……仕様がない)

吉良「お嬢さん、近くに店員さんがいないようなら私が連れていってあげるよ?」ニコッ

幼女「…おねがいしましゅ」グスッ

吉良(迷子センターに引き渡すだけだ、うるさく泣き叫ばれるよりは目立たないだろう)




吉良(……と、思ったものの……)キョロキョロ

幼女「どうかしましたか?」

吉良「……いや、何でもない」(この場所は明らかにおかしい)

吉良(さっきから同じところをグルグルと回らされてる気がする……それに人が一人もいない…)

吉良(何者かが攻撃をしかけているか?……私と同じ能力を持つ者か、それともこの間の件のような奴か……)

幼女「おじさん……まだまいごセンターにつかないの?」

吉良(このガキも何となく察しているようだな……全くどこの誰だか知らないがこの吉良吉影を狙うとはいい度胸じゃないか、私の予定を狂わせた罪は重いぞ)

吉良「……そう言えば、今何時だ?」チラッ

am 2:30

吉良「? 時計が故障したかな?」フッ チラッ

吉良「!?」

吉良(ガキが消えた!?一瞬目を離しただけだぞ!?)

吉良「……落ち着け、私は自分が助かることだけを考えればいいんだ…」

吉良(もしかすると……最初からガキが標的だったのかもしれないな、直感だが私の勘は結構当たるしな、もしそうなら今なら脱出できるんじゃないか?)

吉良(……でも待てよ、ここはデパート…私とあのガキが接触している場面が防犯カメラに映っている可能性が高い…そしてもしあのガキがあのまま行方不明にでもなったら……)

吉良「ハァ…ついてないな……」ゴゴゴゴゴゴゴ

いいや限界だ!ageるね!

つ④

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