士郎「君は…」さくら「初めまして、真宮寺さくらと申します」(56)

fatesnと、サクラ大戦のクロスです。

まったり書きます。

さくら「此度、セイバーのクラスで召喚に応じました」

さくら「貴方が、私のマスターさんですね?」

士郎「セイバー?マスター?何の話だ?」

さくら「おや、ご存知ないのですか」

さくら「でも、先ずは外の方をどうにかする必要がありますね」

さくら「マスター、貴方のお名前、お聞かせ願えますか?」

士郎「…俺は士郎、衞宮士郎だ」

さくら「衞宮さん、これからよろしくお願いしますね」

ランサー「おいおい、敵を目の前におしゃべりたぁ、随分舐めたことしてくれるな」

さくら「あら、もう少し待ってくださるかと思ってましたのに」

ランサー「ま、俺も美人のお願いは聞いてやりたい所だけどよ」

ランサー「残念ながら、これも仕事でね」

さくら「それでは、尋常に果たし合いましょう」スラッ

ランサー「サムライソードか、相手にすんのは初めてだぜ」スチャ

ランサー「楽しませてくれよ?」

さくら「はい、頑張ります」

士郎「お、おい!」

ランサー「んだよ、水差しやがって」

さくら「見た所、ランサーさんですよね?」

ランサー「おう」

さくら「すみません、あと少しお待ちいただけますか?」

さくら「逃げるつもりはありませんので」

ランサー「…少しだけな」

さくら「ありがとうございます」

さくら「マスター、何でしょうか」

士郎「君は女の子だろう?」

さくら「…そう見えませんか?」

士郎「いや、そうとしか見えないけどさ」

士郎「女の子が戦うなんてダメだ」

さくら「おや、何故ですか?」

士郎「そ、そりゃあ…」

さくら「私のいた時代では、むしろ戦うのは女の仕事でしたよ?」

士郎「そ、そんな訳が…」

さくら「申し訳ありませんが、今このお話を続けても意味がありません」

さくら「私が戦わなければ、ここでランサーさんに二人とも殺されてしまいます」

さくら「お話は、生き残ってからではいけませんか?」

士郎「でも…」

さくら「ランサーさん、構えて下さい」

さくら「マスターの説得は失敗です」

ランサー「の、ようだな」

ランサー「同情するぜ、変なマスター引き当ててよ」

さくら「…いえ、素敵なマスターです」

さくら「昔を、思い出させてくれます」

ランサー「ま、長引かせるのは俺も趣味じゃねぇ」

ランサー「一撃で決めさせて貰うぜ」

さくら「必殺の一撃、結構ですね」

さくら「…どうぞ」

ランサー「さすがサムライ、潔いじゃねぇか」

ランサー「じゃあ食らいな!ゲイ・ボルク!!」

さくら「…」スッ

さくら「てやぁっ!!」キィンッ

ランサー「!?」ザッ

さくら「その宝具、あなたの真名はクー・フーリンですか」

ランサー「…っ驚いたぜ」

ランサー「まさか完全にいなされるとはな…」

さくら「この刃は、呪いや神格には無類の強さを誇りますので」

ランサー「なるほど、こりゃ分が悪い」

さくら「どうしますか?こちらの技を受けてみますか?」

ランサー「…いや、真名を明かした時点で、俺の不利は明らか」

ランサー「今は引かせてもらうぜ」

さくら「こちらもマスターとの連携がとれませんので」

さくら「また相見える時は、全力でお相手いたしましょう」

ランサー「オーケーサムライ、また会おう」シュッ

さくら「…ふぅ」

士郎「逃げたのか…?」

さくら「戦士として、引き際というのは肝心です」

さくら「彼は正しい判断をしたということですよ」

さくら「マスター、立てますか?」

士郎「あ、ああ」

さくら「マスターは、聖杯戦争というものを、どの位知っていますか?」

士郎「…何も」

さくら「なるほど、分かりました」

さくら「ところで、あの方はお友達ですか?」

士郎「?誰のことだ?」

さくら「出て来て下さいますか?お話がしたいだけです」

アーチャー「ほう、我々を察知するか」

凛「ちょっと、アーチャー!」

士郎「遠坂!」

さくら「アーチャーのマスターさん、お話、出来ますか?」

凛「ええ、敵意は無いようだし」

凛「何も知らない奴を倒しても、私の力を示すことにはなりそうもないからね」

~衞宮邸~

士郎「そんな…」

凛「これが聖杯戦争というものよ」

凛「万能の願望器たる聖杯を賭けて、魔術師が命を奪い合う」

凛「衞宮くん、あなたも少しは魔術の心得があるんでしょ?」

士郎「俺が使えるのは、簡単な強化くらいだけど…」

凛「はあ?」

凛「それでよく、セイバーなんて呼び出せたわね」

凛「それも、ゲイ・ボルクを受け切るレベルの」

士郎「?さっきの青タイツが使っていた?」

凛「あれはゲイ・ボルク、クー・フーリンの宝具よ」

凛「因果律の逆転を起こし、心臓を貫くという結果を押し付ける」

士郎「どういうことなんだ?」

さくら「つまり、どうやっても心臓に刺さります」

さくら「刺さった、という結果が先に起こるんですよ」

士郎「?じゃあ、なんで君は平気なんだ?」

凛「それだけ、そのサーヴァントが規格外ってこと」

凛「真名を伺いたいところね」

さくら「すみません、それは出来ないんです」

凛「…フン、知ってるわよ」

凛「で?衞宮くんはどうするの?」

士郎「どうするって?」

凛「聖杯戦争に参加するかってこと」

凛「サーヴァントは居るわけだし、あとは貴方の意志次第」

凛「どうするにせよ、ここまで来たら最後まで面倒みてあげるわ」

士郎「…なんか、イメージと違うな」

凛「学校では猫被ってるからね、こっちが本当の私」

凛「で?今決めなさいな」

士郎「参加しないとどうなるんだ?」

凛「どうもしないわ、平穏な日常に戻れる」

凛「もっとも、聖杯戦争自体は貴方の知らないところで行われるけどね」

士郎「…」

さくら「マスター」

士郎「ん?なんだい?」

さくら「マスターは、方法はどうあれ私を呼び出し、聖杯から令呪を受けています」

士郎「令呪?」

凛「手のひらのそれよ」

凛「全部で三画、三回だけどんな命令でもサーヴァントを従わせることができる」

凛「それこそ、物理法則なんか無視させてもね」

凛「その令呪が無くなれば、マスターはサーヴァントを従えることが出来なくなる」

凛「そういう代物よ」

士郎「これが…」

さくら「おほん、お話を戻しますけど」

さくら「それがあるということは、貴方にも聖杯に望む程の願いがある、ということです」

さくら「違いますか?」

士郎「…俺に、願いが?」

さくら「私はサーヴァント、マスターの命令には逆らえません」

さくら「ですが、現界した以上、聖杯を手にする事を望んでいます」

さくら「私から言えるのは、それだけです」

士郎「…」

凛「さあ、決めなさい」

凛「引き返すも飛び込むも、貴方次第なんだから」

士郎「俺は…」

士郎「…俺には、叶えたい望みなんてない」

士郎「でも、聖杯戦争なんてものを、野放しにしたくもない」

士郎「聖杯は、君が好きに使ったらいいよ」

士郎「俺は、ただ終わらせたいだけだ」

さくら「まあ…」

凛「何とも青臭い意見ね」

凛「ま、理由なんてどうでもいいわ」

凛「参加するというなら、付いて来なさいな」

士郎「?どこへ?」

凛「教会、聖杯戦争を取り仕切ってる奴のところ」

細かい事言う様で悪いが、手のひらじゃなくて手の甲な

アーチャー(どういうことだ?)

アーチャー(呼び出されたのはセイバーだが、セイバーではない)

アーチャー(何かが変わっている、未来である私に変調をきたさない、小さな何かが)

凛「アーチャー、行くわよ」

アーチャー「…話は終わったのか?」

凛「ええ」

凛「さあ、ついて来なさい」

さくら「マスター、行きましょう」

士郎「ああ」

アーチャー(…一体何が…)

>>15あは、やっちまったぜ☆パラレルだし、手のひらにしましょうかね…

さくら「マスター、あまり私から離れないで下さいね」

さくら「どこから襲われるか分かりませんから」

士郎「あ、うん」

士郎「てかさ、そのマスターってのやめてくれよ」

さくら「はい?」

士郎「士郎でいいからさ」

さくら「ああ、そういうことですか」

さくら「それでは…衞宮さんでは?」

士郎「うーん、じゃあそれでもいいや」

さくら「それでは、衞宮さん、改めてよろしくお願いしますね」

士郎「ああ、よろしく」

凛「ほら!くっちゃべってないで、早く歩きなさい」

士郎「わ、分かってるよ」

~教会~

綺礼「おや、何か用かね凛」

凛「新しいマスターを連れて来たわ」

凛「クラスはセイバー、登録してあげて」

綺礼「ほう、これで全てのマスターが出揃ったな」

綺礼「君がそのマスターか、衞宮士郎」

士郎「どうして、俺の名前を…」

綺礼「ある程度、魔術関係者は把握して居るのでね」

綺礼「ようこそ教会へ、私は君たちを歓迎しよう」

さくら(なんて禍々しい霊力、この方、何かある…)

綺礼「サーヴァント、警戒する必要はない」

綺礼「私は聖杯戦争が恙無く行われるようにする、言わば調整者だ」

さくら「…いえ、警戒なんて」

綺礼「来たまえ、こちらだ」

綺礼「これで、全ての登録は完了した」

綺礼「精々頑張りたまえ、セイバーのマスターよ」

士郎「…ああ」

綺礼「良かったではないか」

綺礼「衞宮士郎、聖杯戦争によって、君の望みはようやく叶う」

士郎「なんだと?」

綺礼「私はこれで失礼するよ」

綺礼「凛、また何かあれば、いつでも来るがいい」

凛「お生憎様、もうあんたに用はないわ」

綺礼「ふふふ、そうだろうな」コツコツ

士郎「…気に食わないな、あいつ」

凛「あいつを好きになれるのは、悪魔か死神くらいのもんよ」

凛「それじゃ、私にしてあげられるのはここまで」

士郎「いろいろありがとう、遠坂」

凛「お礼なんて、言うものじゃないわ」

凛「これからは、お互い聖杯を取り合う敵同士なんだから」

士郎「…そうだったな」

凛「ま、すぐに負けちゃわないように、頑張りなさい」

凛「行くわよ、アーチャー」

アーチャー「…待て、何かいる」

凛「何かって?」

さくら「!衞宮さん、下がって!」バッ

士郎「わっ、何だ!?」

???「へー、なかなか優秀なサーヴァントを連れているのね」

凛「あんたは!」

イリヤ「初めまして、セイバーのマスター」

イリヤ「わたしはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」

イリヤ「イリヤって呼んでね」

イリヤ「そして、この子はバーサーカー」

士郎「子供?それに…」

バーサーカー「……………」

凛「あーらイリヤスフィール、お早いご登場ね」

イリヤ「リン、ズルいじゃない先にお兄ちゃんとお話するなんて」

凛「私は、衞宮くんをここに連れてきただけよ」

イリヤ「ふーん」

イリヤ「ま、関係ないわ」

イリヤ「せっかくこうして、マスター同士出会ったんだもの」

イリヤ「早めに潰しておいた方が、後で楽になるわよね」

凛「…私たちに戦う意思はないわ」

イリヤ「リンになくても、わたしにはあるの」

イリヤ「バーサーカー、やっちゃって」

バーサーカー「うおおおおおおおおおお!!」

凛「!アーチャー!」

アーチャー「ああ、今は戦うべき時ではない」

さくら「皆さん、下がって」

凛「セイバー?」

さくら「見た所、バーサーカーは神族の類」

イリヤ「あら、いい勘をお持ちのようね」

イリヤ「わたしのサーヴァントは最強なんだから」

イリヤ「真名はヘラクレス、それだけ聞けば分かるでしょう?」

凛「そんな!」

士郎「ヘラクレスって…」

凛「セイバー、やめなさい!」

凛「いくらあなたが優秀でも、そいつには…」

さくら「…いいえ、確かに厳しい相手ですが」

さくら「負けるつもりはありませんよ」

イリヤ「あら、勇気と無謀は別物よ?」

さくら「ええ」

さくら「あなたが私を侮る限り、私は負けません」

イリヤ「…こいつ、ムカつく」

イリヤ「いいわ、死にたいと言うのなら止めることもないもの」

イリヤ「バーサーカー、やってしまいなさい」

アーチャー「凛、我々は退くぞ」

凛「でも!」

アーチャー「セイバーとバーサーカーが潰しあってくれると言っている」

アーチャー「どちらにしても、好都合だろう」

凛「…っ私は、そんな勝ち方…」

アーチャー「凛!冷静に判断しろ」

凛「!」

凛「…ええ、分かったわ」

ちょい休憩。

また書きます。

片方のは知らんが 期待

アンタ3つも書いて大丈夫なのか(笑)

>>27残念5つだ…

ちゃんと完結させます、問題はありません。ありません。

薔薇組きたら呼んで

さくら「衛宮さんも早く逃げて下さい」ジリッ

士郎「そんなこと出来ない!」

さくら「貴方がここで死ねば、わたしも消えてしまいます」

さくら「どうか」

凛「衛宮くん!」

イリヤ「わたしは、一人たりとも逃がす気は無いんだけど?」

さくら「早く!」

イリヤ「バーサーカー、まずはその煩いピンクから叩き潰しなさい」

バーサーカー「ぐおおおおおおおおお!!!」

さくら「………」スッ

ぎいぃぃぃいん

イリヤ「…何?」

バーサーカー「ぐおおおん」

士郎「攻撃が…弾かれてる?」

さくら「わたしなら大丈夫です」

さくら「お願いですから、今は…」

士郎「でも…」

さくら「…今の貴方が居ても、足手まといです!」

さくら「早く逃げなさい!バーサーカーの前に貴方を斬り伏せますよ!」ギンッ

士郎「……っ!」

イリヤ「バーサーカー、そんな訳の分からない壁、壊しちゃいなさい」

バーサーカー「うおおおおおお!!」

凛「……ああもう!見てらんないわ!」

アーチャー「凛!」

凛「来なさい!この馬鹿!」

士郎「ま、待ってくれ、さくらが…」

凛「さくら?こんな時に何言ってんのよ」

凛「アーチャー飛ばしなさい、ここから離脱するわ」

アーチャー「…私は知らんぞ、どうなっても」

凛「いいから!令呪を使われたいの!?」

アーチャー「…了解だ、マスター」

さくら「…よし」

イリヤ「フン、お仲間は行ってしまったようね」

イリヤ「一人でさぞ心細いでしょう?」

さくら「ふふ、話を聞かないお嬢様は、私にも馴染みがあります」

さくら「もっとも、あの人はあなたよりずっとずっと」

さくら「素敵なレディでしたけど」

イリヤ「……あなた、人を不快にさせる才能があるわよ」

さくら「そうですか?」

さくら「私は、楽しませる方が得意なんですけどね」

イリヤ「…じゃあ、やってみなさいよ」

さくら「いいでしょう」スーッ カチン

さくら「……構えなさい、バーサーカー」

さくら「木の葉の如く千切れ飛びたく無いのなら」

バーサーカー「うおおおおおおおおん」

イリヤ「あなたこそ、カタナを仕舞ってどういうつもり?」

さくら「本来、北辰一刀流には居合い型はありませんが」

さくら「私個人としては、こちらもなかなか得意な分野なんですよ」

さくら「立合いも居合いも、我が剣術に死角なし」

さくら「…」チンッ

イリヤ「っ!!」

イリヤ「バーサーカー!」

さくら「遅い!!」

しゅぱぁぁぁん

バーサーカー「……ぐお」ドシィン

さくら「手応えが浅い…マスターの命なく、自力で筋を外したんですか」

さくら「狂戦士ながらその判断、天晴れです」

イリヤ「バーサーカー?なんでゴッド・ハンドが発動しないの…」

さくら「この刀、霊剣・荒鷹は神仏呪仙を斬り裂きます」チンッ

さくら「お逃げなさい、死にたくは無いでしょう」

イリヤ「…っ!わたしに情けをかけるつもり!?」

さくら「いいえ」

さくら「あなた方程度なら、いつでも斃せる」

さくら「そう思ったからです」

イリヤ「!行くわよバーサーカー!」

イリヤ「あなた、必ず後悔させてあげるわ!」

さくら「…乗り切った、のね」ドサッ

さくら「ダメ…ここで倒れては意味が無い」

さくら(どうやら、衛宮さんとの契約が上手くいっていないみたいね)

さくら(それにしても、荒鷹を使うだけでここまで消耗してしまうとなれば…)

さくら(全てのサーヴァントを相手にするのはまず不可能)

さくら(…うふふ、まさか霊体にすらなれないなんて…)

さくら(やむを得ません、遠坂さんとアーチャーさんに働いて貰いましょう…)

さくら(とにかく、まずは帰らなくては…)ズリッ

~衛宮邸~

士郎「遠坂!何故俺を!」

凛「何言ってんのよ!」

凛「あのままあそこに居たって、直ぐに殺されるのがオチでしょ!」

士郎「でもさくらが!」

凛「さくら?もしかしてあのサーヴァントの名前?」

士郎「ああそうだよ!」

士郎「あんな化け物相手に、勝てる訳がない!」

凛「そりゃ、確かにそうだけど…」

凛「そうだ、令呪はどうなってる?」

士郎「は?」

凛「令呪はマスターとサーヴァントを繋ぐ証」

凛「令呪があるなら、あの子…さくらは生きている可能性が高いわ」

士郎「令呪…ある、まだあるぞ」

凛「それなら、まだ生きているわよ」

士郎「それじゃ、すぐ呼び出せば…」

アーチャー「…どうやら、その必要はなさそうだぞ」

士郎「え?」

さくら「ただいま戻りました」

士郎「さくら…!!」

凛(見たところ無傷…)

凛(あのバーサーカー相手に何事もないなんて、この子の方が化け物じゃないの…?)

凛「それじゃ、あなたは見逃されたのね?」

さくら「はい」

さくら「何やら別の用件を思いついた様子でした」

さくら「もしかしたら、本来の目的である衛宮さんや遠坂さんがいらっしゃらなかったから、かもしれませんが」

遠坂「なるほど…」

士郎「とにかく、無事で良かった」

さくら「うふふ、ありがとうございます」

さくら「あ、そうでした」

凛「ん?どうしたのよ」

さくら「あのバーサーカーの件で、提案があるんです」

凛「提案?」

さくら「はい」

さくら「恐らく、バーサーカーのマスターさんはまた私たちを狙って来るでしょう」

さくら「それは、お互いあまり好ましいことでは無いはずです」

凛「…なるほど、言いたいことはなんとなく分かったわ」

凛「つまり、あいつを倒すまで共闘しようってことでしょ?」

さくら「はい」

さくら「あのサーヴァントは非常に強力です」

さくら「逆に考えれば、バーサーカーさえ倒してしまえば…」

凛「一気に聖杯が近付く、その通りだわ」

さくら「衛宮さんは、まだまだ魔術師としては未熟です」

士郎「うっ…結構キツイこと言うなぁ」

さくら「恥じることではありません、誰しも初めから全て完璧というわけではありません」

さくら「如何でしょう?私の力は、あなた方にも役立つはずです」

凛「……少し考えさせてもらってもいいかしら?」

さくら「はい、よろしくお願いします」

士郎「…なあ、どういうつもりなんだ?」

さくら「はい?」

士郎「いきなり同盟組もうって話だろ?」

士郎「やっぱり、それだけヤバい相手なのか?」

さくら「…ええ、今の私たちでは、勝ち目がありません」

士郎「もしかして、俺のせいで?」

さくら「いえ、単純にランクの問題です」

さくら「サーヴァントの強さには、その英霊がどのくらい知名度のあるものなのかが大切なんです」

さくら「その点で言えば、ヘラクレスというのはまさに破格でしょう」

士郎「確かに、俺でも知ってる名前だからな…」

さくら「ともかく、正面から戦いを挑んでは分が悪すぎます」

さくら「正々堂々戦う方が、私の性には合っていますが」

さくら「変に意地を張っては、勝てる戦いを落としかねません」

アーチャー「凛、私は反対だ」

アーチャー「奴の魂胆はうすうす気付いているのだろう?」

凛「…ええ」

凛「現状、衛宮くんは誰と戦うにも実力不足」

凛「セイバーがいくら優秀でも、マスターを叩かれればそれまでだもの」

凛「恐らく、バーサーカーを口実に私たちを隠れ蓑にするつもりね」

アーチャー「バーサーカーから無傷で逃れたことも気にかかる」

アーチャー「あの娘、何か底知れぬ実力を持っているのではないか?」

凛「サーヴァントは見かけで判断できないからね」

凛「可愛らしい見た目でも、その力は分からない」

アーチャー「それでは…」

凛「けど、今の私たちにとってもバーサーカーは厳しい相手だわ」

凛「貴方が自分の真名を覚えていない以上」

凛「あの子よりもこちらの実力は未知数なのよ」

凛「…この私が呼んだのだから、弱いとは思っていないけどね」

アーチャー「それは光栄なことだが」

凛「ともかく、どの道他のサーヴァントとは戦わなくてはならないのだし」

凛「隠れ蓑にされるくらい上等よ」

凛「バーサーカー戦になったら、その分働いてもらえばいいだけの話だわ」

アーチャー「…凛、こんなことを君に言いたくは無いが」

アーチャー「衛宮士郎を特別扱いしていないか?」

凛「何の話よ」

アーチャー「確かに奴は、魔術のまの字も理解していないド素人だが」

アーチャー「自ら聖杯戦争に参加すると決めた以上、正式な魔術師として認められたということだ」

アーチャー「慈悲などかける必要は無いし、まして守ってやる義理も無い」

アーチャー「ここで死ぬなら、それが奴の運命だったということだ」

アーチャー「分かっているのか?」

凛「…当然でしょ」

凛「別に衛宮くんは関係無いわ、あくまで私たちの利になるかどうかの話よ」

凛「方法はどうあれ、バーサーカーの前から生きて帰ってきたセイバーの力は」

凛「必ず役に立つわ」

アーチャー「…ふむ」

アーチャー「私は忠告したぞ、凛」

アーチャー「だが、その上でなお同盟を結ぶなら」

アーチャー「マスターの動向にとやかく口出しはすまいよ」

凛「さっきまでさんざん口出ししたじゃない」

アーチャー「私はまた周囲の警戒にあたる」

アーチャー「交渉は任せたぞ、凛」

凛「はいはい、分かってるわよ」

とりあえずここまで。

また書きます。

おもろー

凛「決まったわ」

凛「いいでしょう、同盟の件乗ってあげるわ」

さくら「ありがとうございます」

凛「言っておくけど、足でまといにしかならないようだったら速攻で破棄するからね」

凛「せいぜい役に立ちなさい」

さくら「はい!」

凛「…なんか調子狂うなぁ」

士郎「でも、同盟って言っても、一体どうするんだ?」

凛「そうね…」

凛「衛宮くん、この屋敷部屋は空いているかしら?」

士郎「え?まあ離れとかは使ってないけど」

凛「よし、今日からそこ借りるわ」

士郎「ここに住むってことか」

凛「今、ちょっと屋敷に問題があってね」

凛「ちょうどいいわ、あなたにも魔術師としての基本くらいは教授してあげる」

凛「あまりに未熟すぎても、私が苦労することになりそうだし」

士郎「俺にとっては願ってもないことだけどさ」

士郎「いいのか?いずれは俺たち…」

凛「あまり私を舐めないでいただけるかしら」

凛「そんな付け焼刃、私に通用するはずないでしょう」

凛「あなたも、ある程度は能力を明かしてもらうわよ」

さくら「そうですね、連携も取らなければならないでしょうし」

凛「こっちは、あまり良くわからなくてね」

凛「なにせ、あいつ記憶喪失らしいから」

さくら「サーヴァントが、記憶喪失?」

凛「あー…まあ召喚の時にいろいろ不都合というか、不慮の事故があって…」

凛「ともかく、私が呼んだのだから弱いとは思えないわ」

凛「一方的になってしまう代わりに、私はあなたのマスターを育てる、どう?」

さくら「…ええ、妥当な取引ですね」

士郎(なんだか、ちょっと似ている感じするな…この二人)

士郎(どこだろう)

凛「とりあえず、必要な荷物を持ってくるわ」

凛「あなたたちも話し合う時間くらい欲しいでしょう?」

さくら「はい、ありがとうございます」

士郎「…と、まあ遠坂は行ってしまったけど」

士郎「君のことを教えてくれるかい?」

さくら「はい」

さくら「初めに申しました通り、私の名前は真宮寺さくら」

さくら「帝国華撃団に所属していました」

士郎「帝国華撃団?なんだか聞き覚えがあるような…」

士郎「まあいいや、呼び方は今まで通りセイバーでいいかい?」

さくら「はい、もしも私の正体を知るマスターがいた場合、不利になってしまいますからね」

士郎「それもあるけど…」

さくら「?ほかに何か?」

士郎「ああ、こっちの話」

士郎(さくらって、同じ名前だもんなぁ)

士郎(呼び分けていかないと)

士郎「そうえば、サーヴァントには何か力があるんだろう?」

さくら「宝具のことですか?」

士郎「ああそうそう、そう言う奴」

士郎「…できれば、俺としては君に戦って欲しくないんだけどな」

さくら「…衛宮さん、お気持ちは嬉しいのですが」

さくら「私には戦うための力があるのです」

さくら「私を守るためにあなたが傷付くのは、見たくありません」

さくら「衛宮さんが私に戦って欲しくないように、私もまたマスターには健やかでいてほしい」

さくら「…ですから、私が戦わない方法を模索するより、協力して早くこの戦争を終わらせる方法を探しましょう」

士郎「……そうだな」

士郎「だけど、無用な戦闘は避ける、それはいいよな?」

さくら「はい、私としても無理に戦いたいとは思いません」

さくら「結果として聖杯を手に出来るなら、無理に攻める必要もないでしょう」

さくら「私の能力は、防衛の方が向いていますし」

士郎「能力?」

ya

さくら「…衛宮さんがもう少しマスターとして立派になれば」

さくら「見えるようになると思いますよ」

士郎「うげ、結構キツい言い方するなぁ」

さくら「うふふ、冗談ですよ」

さくら「とにかく、私たちが聖杯を得るには、まだまだいろんなものが足りませんから」

さくら「一緒に、強くなりましょうね」

士郎「ああ、俺頑張るよ」

士郎「どうして呼べたのか分からないけど、君はかなり強いサーヴァントらしいし」

さくら「そうですか?普通ですよ」

さくら「ですが、死力を尽くす覚悟はあります」

さくら「この刀にかけて、聖杯をもたらしましょう」

士郎「よし、なんだかやる気が出てきたな」

士郎「…それじゃ、セイバーはこの部屋を使ってくれ」

士郎「何か必要なものがあれば、明日揃えてくるよ」

さくら「あ、それならお風呂をお借りできますか?」

士郎「風呂?」

さくら「…サーヴァントは、性質上汚れたりはしませんが」

さくら「気分の問題というか、その…」

士郎「あはは、いいよ好きに使ってくれ」

さくら「あ、ありがとうございます」

士郎「先に使っていいよ、俺はシャワーで十分だから」

さくら「それでは、お言葉に甘えます」

士郎「…変だな」

士郎「今、セイバーが風呂に入っている」

士郎「そう、俺が先に入っていいと言ったんだ、当然だろう」

士郎「でも、…そう、言うなれば」

士郎「…体が勝手に…」

さくら「てい」ビシッ

士郎「あでっ…」

さくら「いけませんよ、婦女子の入浴を覗くなんて」

士郎「いや、これは違うんだ…」

さくら「もう、まさかとは思いましたけど、本当にするなんて」

さくら「とにかく、出たらお呼びしますから、居間で待っていてくださいな」

士郎「うう…分かった、ごめん」

さくら「…いえ、気にしてませんよ」

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