レッド「ポケソナ?」(23)
>頭が、痛い。
>久しぶりにシロガネやまから下山して、近くのポケモンセンター(以下、pc)に入るまではどうともなかったのに。
>・・・・・・。
>ポケモン達もちゃんと預けたし、少し休むとしよう。
>瞼が、重い。
>・・・・・・?
>ここは、どこだ?
>俺はたしか、変な頭痛がして、pcの宿泊室で寝ていたはずだ。
>それなのに俺は今、目を開いていかにも高そうな椅子に座っている。
「ようこそ、ベルベットルームへ」
>・・・・!
>ゴマゾウの様に長い鼻をした老人と白い髪の女性が、俺と一つの小さなテーブルを囲む形に座っている。
「私の名は、イゴール」
イゴール「以後、お見知り置きを」
>イゴールと名乗った老人の手元にはタロットカードが置いてある。
イゴール「そして、こちらに座っているのが・・・」
「マーガレットと申します」
>エリカの海外版というイメージだろうか。
>不思議な雰囲気を纏った女性だ。
イゴール「ここは、何らかの形で契約を果たされた方が訪れる部屋でございます」
イゴール「まずは、ここにお名前を・・・」
>目の前に大きな本が差し出された。
ーーーレッドは、自分の名前を記入した!
イゴール「貴方には、これから一つの大きな謎が立ちはだかるでしょう」
>・・・謎?
イゴール「そして、その謎を解き明かす事が出来なければ貴方は一生ーーー」
ーーー夢と現実の狭間から抜け出す事は出来ないかもしれません・・・。
>・・・夢と、現実の狭間?
>意識が遠のいて行く・・・
イゴール「では、ごきげんよう・・・」
>・・・!
>なんだか、不思議な夢を見ていた気がする・・・
>だが、休む事は出来た様だ。
>頭痛も消えて、心なしか身体も軽い。
>そろそろ八十稲葉駅に着く様だ。
>・・・?
>何か違和感を感じる。
>とりあえず電車を降りる準備をしよう。
~八十稲葉(やそいなば)駅~
>田舎、という言葉がしっくりくる所だ。
>携帯電話には迎えが来ると、メールが来ている。
「おーい!」
>・・・噂をすれば、という事か。
「もうこっちに着いたのか」
>所謂、ダンディーと言われる容姿をした男が近づいて来た。
「ふむ、写真よりは男前な顔をしているな」
>・・・男の態度はまるで初対面では無い様な感じがする。
「・・・おいおい、妙によそよそしいな」
>!、男の影に女の子がかくれている。
「ようこそ八十稲葉へ」
「今日からお前を預かる事になった、堂島遼太郎だ」
堂島「よろしく頼む」
>・・・よろしくお願いします。
堂島「一応、お前のオムツを変えた事もあるんだがな・・・」
>堂島は少し困った顔をしている。
堂島「そして、コイツが娘の菜々子だ」
堂島「ほれ、挨拶しろ」
>堂島に背中を押され、小さな女の子が堂島の後ろから恥ずかしそうに出てきた。
菜々子「こん・・・・にちは」
>・・・可愛い。
堂島「なんだコイツ、照れてんのか?」
菜々子「んー!」
>図星だったのか、菜々子は堂島を叩いた。
>仲睦まじい家族、という言葉が似合う二人だ。
>これから、仲良くやっていけそうだ。
堂島「じゃあ、そろそろ行こうか」
>そう言うと、堂島は自分の車に向かって歩きだした。
ーーご主人、ご主人!
>・・・?
>何かの声が聞こえたような気がする。
>気のせいだろうか?
菜々子「・・・どうしたの?」
>二人を待たせる事はしたく無い。
>とりあえず、車に向かおう。
~八十稲葉 中央通り~
>菜々子がトイレに行きたいと行ったため、ガソリンスタンドに寄る事になった。
店員「らっしゃっせー!」
>威勢の良い店員だ。
>中性的な顔立ちをしている。
菜々子「トイレ、行ってくる」
店員「場所分かる?」
店員「建物入って左ね、お箸持たない方」
>なんだか、嫌な感じの言い方だ。
堂島「満タンで頼む、・・・あ、レギュラーでな」
店員「あぁ、はい、かしこまりましたっ!」
>・・・つかみ所のない人だ。
堂島「一服、吸ってくるか」
>堂島はタバコを吸いに行くようだ。
店員「・・・あれ、君は?」
>とりあえず、転校してきた事を話した。
店員「へぇ、都会からねぇ」
店員「ここ、何も無いからさぁ・・・」
>どうやら自分をアルバイトに誘いたいようだ。
>とりあえず、当たり障りの無い解答をしておいた。
ーーーご主人、ご主人!
ーーー後は任せた!
>・・・!?
>また声が聞こえた・・・?
>それに、二つ目は俺の声だった気がする・・・
菜々子「大丈夫?」
>!、ぼーっとしていたせいか、目の前に菜々子がいた事に気づかなかった。
菜々子「車、よっちゃったの?」
>・・・今日は早く休もう。
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