男「少女を誘拐してしまった…」(10)

男「つい、つい魔が差したんだ」

女「そんなこと言っても誘拐しちゃったんだからしょうがないんじゃない?」

女「あーあ、一回目に誘拐したときは黙ってあげてたのに~」

女「これであたしの仲間入り、かな♪」ニコッ

男「く…」

女「こどもってちょろいもんよね~」

女「ちょっとすごんだらすーぐ態度変えちゃうんだから」

女「これだから誘拐ってやめらんない♪」

男「お、お前…」

男「そういえばニュースで取り上げられてたよな、今朝」

女「そうだけど?」

男「連続児童誘拐事件、これで被害者4人目…」

男「こええよ、お前…」ドンビキ

女「だって、しょうがないじゃない」

女「私、定期的に誘拐しなきゃイライラしちゃうんだもん」

男「だからって…」

女「だからって、何?」

女「君が言えるセリフじゃないよね?」チャキッ

男「ぐっ…」

女「そりゃあ私が目の前で誘拐した子の様子とか見せちゃったのも悪いけどさ」

女「でも、これはあくまでそーだん、のつもりで見せてたんだよ?」

女「どうしたら警察に怪しまれずに開放できるかなっていう相談のつもりでね」

女「真似しろってことじゃ、ないんだよ?」

男「うぅ…」

女「君が一回目に誘拐した子を開放するとき、ばれそうになっちゃったよね?」

女「その時から君はこーいうの、向いてないって思ってたんだけどなあ?」

女「私みたいに、きちんとばれないように、そして満足したら返してあげること、できるのかな??」

男「う…」

女「とりあえず、もう2回目になっちゃった時点で、有罪の犯罪者確定よ」

女「私、なんか仲間意識みたいなのもたれちゃってるみたいで、困るわあ…」

女「私は絶対逮捕なんかされない。証拠も全部キレイサッパリ消して、終わるわ」

男「え…」

女「だから、言ってることわかる?」

女「もう誘拐ごっこはおーしまい♪」パッ

少年「!?」ガバッ

女「君、長いことお疲れ様♪さー、おかあさんとこ帰っていいよ♪」

少年「いいのっ?」

女「えぇ、どうぞ」ニコッ

女「ただし、ぼくの家族や友達、ううん、周りの人に話しちゃったら…」

女「ぼく、わかってるよね?」ニコッ

少年「ひっ…」ビク

女「だーいじょうぶ、ぼくがなあんにもお話しなかったら、全部済むことなんだから」

女「しゃべっちゃダメだよ?」

女「ぼくが平和に暮らすには、こうするしかないんだから」

少年「は、はい…」

女「だったら、帰っていいよ♪ばいば~い♪」

少年「……」ゾゾーッ

少年 ダダッ



女「ふう、おーわりっと」スクッ

男「お、お前…」

女「今からこのマンションを引き払うわ」

男「えぇっ!?」

女「あったりまえじゃない、こんな証拠がいっぱいの部屋にいつまでもいるなんて、
  馬鹿しかしないことなんだから♪」

男「じゃあ俺、どうすれば…」

女「さあ、勝手にしたら?」

               こと
女「あたし、いつまでもおんなじ犯罪繰り返すのって、好きじゃないんだあ」

女「次のターゲットは、コレ…かな♪」スッ

男「ま…まやッ…」モガ

女「おおっと、何大声出そうとしちゃってるのかな?」

女「ばれたら終わり、ってこと分かってるよね??」

女「私のこと、喋ったら君のこと全部警察に言うよ?」

男「ふぐぐ…」

女「この大麻ちゃん、育てるの大変だったんだあ♪」ウットリ

男(こりゃ本物の犯罪者だ…こええ…)

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