ゴテンクス「見滝原の平和は…この俺が守ってやるぜ!」(383)

魔導師バビディが復活させてしまった邪悪なる化身、魔人ブウ…

しかし、魔人ブウは世界のヒーロー…ミスターサタンの活躍によって

もう殺戮…及び破壊行為をしないと約束した

しかし、遊びのために罪なき者たちを殺していた二人の悪人が原因で

「善」と「純粋悪」に分離してしまう魔人ブウ

魔人ブウ善は純粋悪に戦いを挑むが

分離した際、パワーをほとんど純粋悪に持ってかれた為、魔人ブウ善は全く歯が立たず

結果…善は純粋悪に吸収されてしまう

そうして生まれた魔人ブウ「悪」 

魔人ブウ悪は気を探知する能力を身に着けており、天界にいるピッコロ達の気を探知し、天界に現れた

ト、トリップまちがえたぁ… 

>>1で言い忘れましたが世界観崩壊、ツッコミ所ありまくりなので注意


魔人ブウはかつて悟空に言われた「ブウを超える戦士」を要求する

現在の実力ではどうあがいてもブウに勝てないと判断したピッコロは

悟天とトランクスを精神と時の部屋で修業させ

ブウと共に神殿の中を歩き回り時間を稼いだ

ある程度時間が経ったことを確認すると、ピッコロはブウと共に精神の時の部屋へ

そこには精神と時の部屋で修業し、大幅なパワーアップを遂げた悟天とトランクスの姿が

悟天とトランクスはフュージョンし、ゴテンクスへと姿を変える

これでブウを倒せると確信したピッコロであったが…

ゴテンクスが自分の戦法で遊び半分に闘ったために、勝負は劣勢となってしまう

そして気を消耗したー!、もう限界だー! などと発言したゴテンクスから

勝機がないと見たピッコロは驚くべき行動を取るのであった…

ドガアアアアアン

ピッコロ「貴様もこれまでだ…魔人ブウ」

ブウ「…ん?」

ピッコロ「貴様や我々のいた世界と、この世界とのたった1つの出入り口を破壊した」

ブウ「!?」

超ゴテンクス「いぃ!?」

ピッコロ「貴様はもうここから一生外へは出られん…残念だったな」

ブウ「あぁ…ぁぁ…」

ピッコロ「さあ、俺達を殺し…永遠にここで孤独に暮らすがいい」

ピッコロ「この…何もない世界でな」ニヤッ

ブウ「あぁぁぁ…ぁぁぁぁぁ…」プルプル

超ゴテンクス「か、完全に壊れちゃってる…」

超ゴテンクス「ピッコロさん…俺達も…ここから出られないの?」

ピッコロ「ああ、残念だがな」

ピッコロ「もはや完全に入口は壊された、誰もこの空間から外へ出る事はできないのだ」

ブウ「俺の好きなお菓子は…? ケーキは…?」

ピッコロ「ない! ある訳がないだろう…」

ブウ「クッキーも…! ソフトクリームも…! キャンディーもか!!」

ピッコロ「ない………何もない!!」

ブウ「チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

超ゴテンクス「もう!! ピッコロさん! 何で勝手な事しちゃうの!! まだとっておきの策があったのに!!」

ピッコロ「なっ…! お前もう限界とか言ってたじゃないか!」

超ゴテンクス「あれは戦いを盛り上げる為に言ったんだぁ! 可愛い嘘って奴なんだよぉ!!」

超ゴテンクス「絶対に絶対に魔人ブウを仕留められる技がマジであったんだよぉ!! もー!」

ピッコロ「アホかー!! こんな時に何が可愛い嘘だこの馬鹿たれ!! この馬鹿! 馬鹿! 馬鹿!」

超ゴテンクス「馬鹿はそっちだよ! バーカバーカ!! 元の世界に帰りたいよぉ! 入口元に戻してよぉ!!」

ピッコロ「ぶっ壊しちまったんだ! 二度と元に戻せるか! 馬鹿!」

ブウ「お菓子欲しい…お菓子ぃ…」フラフラ

超ゴテンクス「ん?」

ピッコロ「?」

ブウ「お菓子が二度と食べられないだなんて…そんなのイヤだあああああああああああああああ!!!」ゴゴゴゴゴ

そこまでお菓子が食べたいのか……

なんと、ブウは鼓膜が破れそうになるほどの大声を出し…次元に穴を開けた!

その穴からまんまと外の世界へ脱出する魔人ブウ

そして閉鎖された精神と時の部屋に取り残されるピッコロとゴテンクス…

何とかブウのように次元に穴を開けようと奮闘する2人であったがまるで穴が開く様子はない

それに見かねたゴテンクスはとっておきの場面で使おうと取って置いた究極の策を発動!

究極の策とは…何と悟空が変身した超サイヤ人3にゴテンクスも変身することであった!

ゴテンクス3「イエーイ!!」シュインシュイン

ピッコロ「お、お前…! そ、それは超サイヤ人3!?」

ゴテンクス3「へっへーん! ビビったでしょ! これが究極の策って奴さ!」

ゴテンクス3「でもこれになってられる時間すっごく短いんだよね…」

ゴテンクス3「だから早いとここっから脱出して、魔人ブウの奴を叩きのめさないとね」

そう言ってブウのように大声を出し、次元に穴を開けたゴテンクスだったが…

ピッコロ「や、やった! 穴が開いたぞ!!」

ゴテンクス3「? あ…あれ? 穴から見える向こうの景色が神殿じゃないんだけど…どうなってんの?」ジロッ

と、穴に顔を近づけるゴテンクス…すると突然

次元の穴がゴテンクスを吸い込み始めた!!

ゴテンクス3「!? わっ! わああああ! す、吸い込まれるうううう!!」

ピッコロ「ゴ、ゴテンクス!?」

ゴテンクス3「す、すごいパワーだ…! 超サイヤ人3なのにどんどん吸い込まれちゃうよ! ピッコロさん助けてぇ!!」

ピッコロ「ま、待ってろ!! 今助ける!!」

そう言って手を伸ばすピッコロであったが…

ゴテンクス3「わああああああああああああああああああああああ!!!」

悲痛な叫び声を残し、ゴテンクスは次元の穴に吸い込まれてしまった

ピッコロ「ゴテンクスウウウウウウウウウウウ!!!」

ゴテンクスを吸い込んだ途端、吸い込む力は止み…

穴から見える向こうの景色が神殿へと変わった

ピッコロ「ゴ…ゴテンクスが吸い込まれてしまった…な、何が起こったと言うのだ…!」

そう言ってる間にも次元の穴はどんどん小さくなっていく

ピッコロ「と、とりあえずここから脱出しなくては…!!」ダッ

そう言って次元の穴に飛び込むピッコロ…穴は神殿へ繋がっていた

バリバリッ ブウウウウウン

ピッコロ「くっ…!」ドサッ

ピッコロ「ハア…ハア……な、何とか脱出できたようだな…」

ピッコロ「……ゴ、ゴテンクスは…」キョロキョロ

ゴテンクスを探そうと辺りを見渡すピッコロ

神殿は滅茶苦茶に壊され、皆の気配も無い…

感じる気配と言えば…

ブウ「よく出て来れたな…」ニヤァ

こいつの気配だけである

ピッコロ「き…貴様…! ここにいた人達をどこへやった!!」

ブウ「ヘヘ…ここ、だ」パンパン

そう言って自分のお腹を叩く魔人ブウ

ピッコロ「っ!! 皆食べられてしまったのか…!」

ブウ「ああ、うまかったぞぉ…ゲップ」

ブウ「…ん? おいお前、あいつはどうした」

ピッコロ「き…貴様が食べたのではないのか…!?」

ブウ「違う、あいつは食べていない…食べたのはここにいた奴らだけ」

ピッコロ「こ…ここに来ていない…!? だ、だとしたらゴテンクスの奴…いったいどこに…!?」

ブウ「あいつはいないのか…つまらない、ならお前を殺して…とっととケーキでも食べに行くかぁ!!」ニヤァ

ピッコロ「くっ…! ゴテンクス…! どこへ行ってしまったんだ…!」

一方ゴテンクスは―

ゴテンクス3「……いっててててて」

ゴテンクス3「…あ、あれ? ど、どこだ? ここ…」

ゴテンクス3「えーっと…確か…次元に穴を開けたはいいけど…吸い込まれちゃって…」

ゴテンクス3「そうだ! 吸い込まれちゃったんだ!! って事は…ここはその吸い込まれた先って事!?」

ゴテンクス3「ど、どうしよう…全く身に覚えのない場所だ…! どこかにワープでもしちゃったのかな…?」

ゴテンクス3「も、もう一回次元に穴を開ければ戻れるか…? よし、とりあえずやってみよう!」

ゴテンクス3「スゥゥゥゥゥゥ…」

ドオオオオオオオオン

ゴテンクス3「ブッ!! な、何だ今の音…何か大砲ぶっ放したみたいな音が…」

ゴテンクス3「こっちからだ」ビューン

今日はここまでにしときます

まどか「やったあマミさん!!」

マミ「フフ…」

ゴテンクス3「…な、何だあれ…人間だよね?」ヒョコッ

恵方巻き「ニヤァ」

マミ「!!」

まどか「あ!」

ゴテンクス3「ハッ、危ない!!」ビューン

ゴテンクス3「ダイナマイトキーーーーーック!!」ドゴォォ

恵方巻き「!?」

ゴテンクスの強烈なキックを浴び、壁に叩きつけられるシャルロッテ


ゴテンクス3「大丈夫お姉ちゃん! 怪我とかしてない!?」スタッ

マミ「え、ええ…」

さやか「ねえねえまどか…今あの子…どっから飛び出してきたの?」

まどか「わ、分かんない…」

恵方巻き「…」ピクピク

ゴテンクス3「へっへーん! あいつ俺のキックを受けて満身創痍でいやがるな! よーし止めだ!」バッ

マミ「え!? と、飛んだ!?」


ゴテンクス3(本気でやるとあそこのお姉ちゃん達まで巻き込んじゃうな…ここはかるーく…)

ゴテンクス3「連続死ね死ねミサイル!」ドドドド

ドガーン ドガーン ドガーン ドガーン ドガーン

マミ「きゃっ!!」

まどか「きゃああああああああああ!」

さやか「わああああああ!! あたしは戦争でも見てるのかあああああああ!?」

QB「…!?」

ゴテンクスの猛攻(本人は軽気のつもり)を受けてシャルロッテがやられた事により

結界が解け…元の景色へと戻った

ゴテンクス3「ふうー、いっちょあーがり! って景色が変わった…? どうなってんの?」スタッ

マミ「…」ポカーン

まどか「…」ポカーン

さやか「…」ポカーン

QB「……」

ゴテンクス3(ん!? あの顔…もしかしてあのお姉ちゃん達…俺のあまりのかっこよさに唖然としているな…!)

ゴテンクス3(よーし! だったら…ここはかっこよーく決めるぞ!!)

ゴテンクス3「ナーハーッハッハッハッハ! 怪我はないかい! お姉ちゃん達!」

マミ「あなたいったい何者なの…?」

ゴテンクス3「俺か! 俺は…! 悪はぜーったいに許さない! 正義の味方…」

ゴテンクス3「超スーパーグレート…! ゴテンクスだぁぁぁぁぁ!」ビシィィィッ

ゴテンクス3(き、決まったぁ…ポーズも名乗りもバッチリ…!)

まどか「超…スーパー?」

さやか「グレート……?」

マミ「ゴテンクス…?」

QB「…?」

ゴテンクス3「あ、あれ?」

ゴテンクス3(おかしいな…反応がいまいちだぞ? セリフとポーズも合わさって…かなーりかっこよかったはずなんだけど…)

ゴテンクス3(も、もしかして………失敗した!?)

ゴテンクス3(こんないい場面でしくじっちゃうなんて…! あーもう! 俺の馬鹿! 馬鹿! 馬鹿!)

そして自分の頭をポカポカと殴るゴテンクス 

彼の心情が分からないまどか達にとってはもはや行動が意味不明である

ゴテンクス3(こんな事ならもっと戦隊モノのアニメを見て勉強しておくんだったなあ…)

ほむら「あなた達…」

まどか「あ、ほむらちゃん…」

結界が消えた事により、縛られているほむらを発見するまどか達

さやか「転校生…あんた何でマミさんのリボンに縛られてるの?」

ほむら「色々あったのよ…で、巴マミ…結界も解けたし…早くこれを解いて欲しいんだけど」

ほむら「人目についたら…偉い事になるわよ?」

マミ「そ、そうね」

ゴテンクス(…何だありゃ)

ほむら「やっと自由になれたわ…でもまさか…あなたがあの魔女に勝つなんて…」

さやか「何だよ転校生、あんたはマミさんに負けて欲しかったの?」

ほむら「いいえ、そういう訳ではないわ…ただ純粋に驚いただけ」

さやか「ふん、マミさんが負ける訳ないじゃん!」

マミ「いえ、実質私はあの魔女に負けていたわ…この子がいなければね」チラッ

ほむら「…この子は?」

ゴテンクス3「ニヒヒヒ…こ、こんにちは…」

マミ「私もよくは知らないけど…この子が急にあらわれて…私を助けてくれたの」

マミ「この子がいなかったら…恐らく私はあの魔女の不意打ちで…あっけなく死んでいたでしょうね…」

ほむら「そう…」

ほむら(この子…すごい人相だわ…眉毛がないし…)

ほむら(それに…何なの? この金色で異常な長さの髪の毛は…服も胸元なんて開けて…すっごいハデ…)

ほむら(こんな子…私が経験してきた今までの時間軸でも見た事が無い…絶対に見た事がない)

ほむら(巴さんが助けられたとも言ってるし……色々この子について知る必要がありそうね)

ほむら「あなた…名前は?」

ゴテンクス3「え!? え、えーっと…ゴ、ゴテンクス…です///」

ほむら「ゴテンクス…くんね」

ゴテンクス3(わぁぁ…このお姉さん…間近で見るとすっげえ可愛いぃ…いや…綺麗だ…)

ゴテンクス3(俺、恋に落ちたかも…)

さやか「あれ? 超スーパーグレートゴテンクスじゃないの?」

ゴテンクス3「違う違う、あれはいわゆる通り名って奴さ! かっこいいいでしょ!」

さやか「か…かっこよくはないかなあ…」

ゴテンクス3「えー!? 嘘!? お姉ちゃんセンスないなあ…」ヤレヤレ

さやか「いやいやいや、あれは私じゃなくても誰もがセンス無いと思うはずだけど」

ゴテンクス3「そ、そんな訳ないよ! センスありまくりだよ!」

ゴテンクス3「ね、ねえねえ! そこのピンクのお姉ちゃんはどう思った!?」

まどか「えぇ!? えーっと…かっこよくは…ないかなあ…ウェヒヒ」

ゴテンクス3「!!」ガビーン

さやか「へへっ、やっぱりね」

マミ「…クスッ」

ほむら「ねえゴテンクスくん…そこの黄色い人が君に助けてもらったって言ってるけど…」

マミ(き…黄色い人って…)

ほむら「いったい…どうやって彼女を助けたの?」

ゴテンクス3「え、えーっとですね! 偶然大ピンチな黄色いお姉ちゃんを見つけて…!」

マミ(黄色い…お姉ちゃん……)

ほむら(結界で…偶然見つけた…?)

ゴテンクス3「で、不意打ちであの化け物にキックを入れて…」

ほむら「キ、キック…!?」

ゴテンクス3「はい! で、それから…えーっとえーっと!」

ゴテンクス3「あ、そうそう! 連続死ね死ねミサイルで止めをさしました! 手加減しましたけど!」

ほむら「れ、連続…死ね死ね…ミ、ミサイル…?」ポカーン

ほむら「えーっと…ふざけてる訳じゃないのよね」

ゴテンクス3「ふ、ふざけてなんかいません! ぼ、ぼ、僕は至って真面目です!!」

ほむら(結界の中で偶然マミを見つけて…あの巨大な魔女にキックを入れて…そして連続死ね死ねミサイル…?)

ほむら(色々と分からない事が多すぎるわ…と、とりあえず…)


ほむら「あの、ゴテンクスくん…」

ゴテンクス3「何です?」

ほむら「そ、その連続死ね死ねミサイル? って何かしら…?」

ゴテンクス3「え!? うーん…何って言われてもなあ…困るなあ…」

ゴテンクス3「よーし! それじゃ実演して見せますよ、よく見ててくださいよ?」

ほむら「え?」

ゴテンクス3「地面にやるとヤバいから……連続死ね死ねミサイルー!」ドドドドドドド

ほむら「!?!?!?!?!?!?!?!?」

ゴテンクスの手から無数のエネルギー弾が発射音のようなSEと共に、空へ放たれて行く

やがてそれらは遥か上空の彼方に消え去った

ゴテンクス3「ふぅー…今のが連続死ね死ねミサイルですけど…分かってもらえました?」

ほむら「…………」ポカーン

まどか「…夢かと思ったんだけどなあ」

さやか「…こりゃ違うね」

マミ「…ええ」

QB「全く何がどうなっているんだい」

―マミ家

色々とゴテンクスについて分からないづくしなので皆揃って場所をマミ家へと移し…

そこでゴテンクスの事について詳しく聞いた4人と1匹

ゴテンクス3「と、言う訳です」

マミ「要するにゴテンクスくんは…その次元の穴に吸い込まれて…気がづいたらあそこにいた…という訳ね?」

ゴテンクス3「そうです」

ほむら(なるほど、それで結界の中に……)

マミ「戻り方は分からないの?」

ゴテンクス3「えーっと、多分…こっちに来ちゃったのと同じやり方で穴自体は開くんだろうけど…」

ゴテンクス3「それに入って元の世界に戻れるかってのは…分からないです」

さやか「あのさ、そのすごい髪の毛と眉毛がないのもスーパーサイヤ人3って奴だからなってるの?」

ゴテンクス3「そうそう、これになれる時間はすごく短くて…人相もちょっと悪人面になるけど…パワーはすごいんだぞ!」

さやか「へええ…ねえねえ、ちょっと解いてみてよ! あたし、それ解いた時の髪型とか人相見てみたい!」

ゴテンクス3「えー!? ヤダよ!」

さやか「いいじゃんいいじゃん! ちょっとだけでいいからさー!」

ゴテンクス3「ヤダったらヤダ!  またこれになるのすっげえめんどくさいんだぞ!」

さやか「むぐぐ…このヤロー…」

まどか「さやかちゃん…ヤダって言ってるんだから辞めてあげなよ…」

さやか「えー…でも気になるんだもん…」シュン

ゴテンクス3「ハア…しっかたないなあ…じゃあ特別サービスで変身を解いてあげるよ!」

さやか「え!? 解いてしてくれるの!?」

ゴテンクス3「しつこいから仕方なく! だからね!」

さやか「はーい! それで結構結構!」ニコニコ

ゴテンクス「ふぅぅぅぅ…」シュウウン

ゴテンクス「はい、超サイヤ人3を解除してあげたよ…これで満足した?」

ほむら「!!」

さやか「へー…黒と紫の髪か…なかなかイカスじゃん!」

ゴテンクス「褒めてくれてどーも」

まどか「す、すごい…ホントに髪型が変わった…! それに眉毛も…!」

ゴテンクス「俺も不思議なんですけどね…何か超サイヤ人3になると眉毛が消えちゃうんですよ」

マミ「かっこいいわよゴテンクスくん!」

ゴテンクス「あ、ありがとうございます!」

ほむら「あの人相が悪くて、すっごい長い髪の毛の状態より…私はそっちの方が好きよ、ゴテンクスくん」

ゴテンクス「ほ、本当ですか! う、嬉しいなあ! ハハハハハハハ///」

さやか「…」

さやか「あのさ、何であたしの時だけ敬語じゃないの?」

ゴテンクス「…敬語って何?」

さやか「え? ああ、えーっと…そうですーとかありがとうございますー! とか言う奴だよ!」

ゴテンクス「あー、よくニュースとかで喋ってる人の口調ね」

さやか「そうそうそれそれ、何であたしの時だけそれがないの!?」

ゴテンクス「ただ何となくだけど…何か問題あるの? いいじゃん気軽に話せるってさ」

さやか「…いや、まあそうなんだけど…あたしの威厳って奴が」

ほむら「さやかに威厳も何もないと思うのだけど」

さやか「ウルセー! 転校生は黙ってろ!」

ほむら「はいはい」

まどか(なんやかんやでさやかちゃんとほむらちゃん…仲良くなってる…?) 

まどか(これもゴテンクスくんのおかげ…なのかな)

マミ「そういえば自己紹介がまだだったわね…私は巴マミ、よろしくね」

まどか「私の名前は鹿目まどかだよ…よろしく、ゴテンクスくん!」

さやか「美樹さやか…よろしく」ムスー

ほむら「暁美ほむらよ…よろしくね、ゴテンクスくん」

QB「僕の名前はキュゥべえ、よろしく! ゴテンクス!」

ゴテンクス「マミお姉ちゃんとまどかお姉ちゃん…さやかにほむらお姉ちゃん…それにキュゥべえ…か」

ゴテンクス「俺の名前はもうみんな知ってると思うけど…俺…ゴテンクスって言うんだ、よろしく!」

さやか「おい、今すごく突っ込みたいところがあったぞ、何であたしだけお姉ちゃん呼びじゃ…」

まどか「まあまあ…」

マミ「後、ゴテンクスくん…私も美樹さんのように敬語じゃなくてもいいわよ」

ゴテンクス「ええ!? で、でも…」

マミ「いいのいいの、気にしないで? 何か敬語じゃいつまでも壁があるみたいで仲良くなれなさそうだもの」

まどか「あ! 私も敬語じゃなくていいよ! ゴテンクスくんとは早く気軽に話せるようになりたいし!」ウェヒヒ

ほむら「私もそれでいいわよ、ゴテンクスくん」

ゴテンクス「そ、そう…? じゃあ…遠慮なくそうさせてもらうよ」

さやか「なーんか納得がいかないなあ」

QB「ところで僕の自己紹介に返答してる時点で今更な質問だけど…君には僕が見えているのかい?」

ゴテンクス「え? ふっつーに見えるけど…それが何?」

QB「…おかしいな、僕の姿は魔法少女か…魔法少女の才能を持っている女の子しか見る事ができないはずなんだが…」

ゴテンクス「ま、魔法少女ォ…? 何だそりゃ…」

マミ「あんなすごい力を持っているんだし…別にQBが見えても不思議じゃないと私は思うけどね」

QB「そういうものなのかなあ…」

さやか「うんうん、力持つ者は正義、だよ」

まどか「さやかちゃん…何それ…」

さやか「ん? 前見たアニメで悪役が言ってたセリフだよ」

ゴテンクス「おお! それ何かカッコイイな! 力持つ者は…正義!!」ビシッ

ゴテンクス「……うーん、いまいち締まらないなぁ」

マミ「ゴテンクスくん、ポーズを…こうしてみたらどうかしら」ビシィィィィッッ

ゴテンクス「おぉぉ…す、すっげえ…! 本物のヒーローみたいだ…!」

ゴテンクス「マミお姉ちゃんすごいかっこいいよ! そのポーズ頂きィ!」メモメモ

マミ「そ、そう? それじゃあ…こんなポーズはどうかしら…?」バシィィィィィィッッ

ゴテンクス「おおおおおおおおお! か、かっちょいいいいいいいい!! それももーらいっ!」

マミ「フフッ、後はこんなポーズとか…」

QB「何をやってるんだい」

ほむら「全くよ…」

まどか「でもマミさん…すっごい楽しそうだね」ウェヒヒ

さやか「だね」

ほむら「それで…ゴテンクスくん…元の世界には帰らなくていいの?」

ゴテンクス「うーん、戻りたいは戻りたいけど…戻れるかどうか分からないし…」

ほむら「あのね…もしよかったら私のお手伝いをしてくれないかな…」

ゴテンクス「え? それってどういうこと?」

マミ「あ、暁美さん…あなたまさか」

ほむら「実はね」

―――
――


ほむら「という訳なの…」

ゴテンクス「魔女…? 要するにそいつを倒すお手伝いをして欲しいって事?」

ほむら「そうよ」

マミ「暁美さん! この子はまだ子供よ! いくら尋常じゃない強さを持っているからと言って…!」

ほむら「…一般人を魔法少女体験ツアーと言ってあちらこちらへ連れまわしたのは…いったい誰だったかしら?」

ほむら「それに…ゴテンクスくんがいなかったらあなたは死んでいたのでしょう?」

ほむら「もしも…偶然にもゴテンクスくんが来なくて…あなたがあそこで死んでしまったとしたら…」

ほむら「残された鹿目まどかと美樹さやかは…どうするつもりだったの?」

マミ「…!」

ほむら「あなたに…私を責める権利なんてどこにもないのよ」

マミ「…」

まどか「……」

さやか「……」

マミ「……」

QB「……」

ほむら「……」

ドヨーン

ゴテンクス「え、えーっと…ハ、ハハハハハハ」

ゴテンクス(な、何だぁ…!? この重っ苦しい空気…パパとママが喧嘩した時の雰囲気そっくりだ…!)

ゴテンクス(さっきまでの雰囲気はいったいどこ行っちゃったんだ!?)

ゴテンクス(みんな暗い、暗いよ! ううっ…何かこっちまで暗い気分になりそう…)

ゴテンクス(あ、そうそう…この場合のパパとママってのはベジータさんとブルマさんの事だからね!)

ほむら「それで…ゴテンクスくん…どう? 手伝ってくれない…?」

ゴテンクス「え? えーっと…」

QB「ほむら、ゴテンクスは魔女の事も魔法少女の事も何も知らないんだよ?」

QB「それで手伝えなんて言われたって彼が困っちゃうんじゃないのかい?」

ほむら「それもそうね…いい? ゴテンクス君…魔女って言うのは…」

―――
――


――
―――

ゴテンクス(まさかアニメでよく見る魔法少女が本当にいるなんて…何か夢みたいだ…)

ほむら「これが魔女、そして魔法少女と言う物よ」

ゴテンクス「何かよく分からないけど…要するに魔女ってのは悪い奴で」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんやマミお姉ちゃんはその悪い魔女を倒す正義の味方って事だよね」

ほむら「そう解釈してくれて構わないわ」

ほむら「どう…? 私の魔女退治…手伝ってくれないかしら」

ゴテンクス「うーん…ごめん、ほむらお姉ちゃん」

ほむら「…え?」

まさかの惚れた女の子のお願いをごめんなさいするゴテンクス!

今日はここまでにしときます ありがとうございました

早く冬休みになって欲しいです 休む暇がない


ゴテンクス「すっごく…すーっごく手伝ってあげたいのは山々なんだけどさ…」

ゴテンクス「俺、早く元の世界に帰らないといけないんだ」

ゴテンクス「それにピッコロさんも危ないかもしれないし……」

ゴテンクス「ああ、ピッコロさんってのは俺の……俺の……えーっと…何だろ?」

ゴテンクス「師匠? うーん師匠ってのはどこか違うような…友達ってのも違うし…仲間? 知り合い?」

ゴテンクス「ああ! えーっと…と、とにかく! こっちの世界にいつまでもいる訳にはいかないんだ」

ゴテンクス「だから……ほむらお姉ちゃんの魔女退治は…手伝えない…」

ゴテンクス「ごめんなさい…」ペコッ


ほむら「……うん、そうよね…ゴテンクス君にも帰らなければならない世界があるものね…」シュン

ゴテンクス「…!」

ほむら(この子がいれば…ゴテンクスくんがいれば…今度こそワルプルギスの夜を乗り越えられるかもしれないのに……!)

まどか「ほ、ほむらちゃん…」

さやか(転校生の奴…すっごい落ち込みようだ…そんなに手伝ってもらいたかったのかな?)

マミ(暁美さん……)

ゴテンクス「…」

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃん、すっごく悲しそうだ…でもここにいる訳にもいかないし…)

ゴテンクス(うーーーーーん……うーーーーーーーーーーん…うーーーーーーーーーーーーーーん……)

ゴテンクス(あ、そうだよ! 簡単な事じゃないか!)ピーン

ゴテンクス「それじゃあほむらお姉ちゃん! ちょっと待っててよ!」

ゴテンクス「今すぐに元の世界に帰って魔人ブウの奴をぶっ倒して来るからさ!」

ゴテンクス「そしたらほむらお姉ちゃんの魔女退治なんて…いっくらでもお手伝いできるよ!!」

ほむら「ほ、本当…!?」パアア

ゴテンクス「本当本当! 約束する!」

ほむら「嬉しい…! ありがとうゴテンクスくん!」ニコッ

ゴテンクス「!!」ズキューzン

ほむら(やったわ! この子の協力があればきっと…! きっとワルプルギスの夜を倒せる…!)

ほむら(で、でも…)

ほむら(魔人ブウって……何?)

ゴテンクス(ああ…ほむらお姉ちゃん…可愛いぜ…可愛すぎるぜ…こんちくしょう!)

QB(堕ちたね、ゴテンクス)

マミ「でもゴテンクスくん…今さっき元の世界に戻れるか分からないって…」

ゴテンクス「大丈夫大丈夫、こういうのは成り行きでやれば何とかなってしまう物なのだ!」

マミ「そ、そういうものなの…?」

ゴテンクス「そーいうもんなの!」

ゴテンクス「よーし! そうと決まったらさっそく元の世界に帰るぞー!」

ゴテンクス「まずは超サイヤ人3に戻らないとね……ハアア…」ゴゴゴ

さやか「ちょ、ちょっと待ったあ!」ガシッ

ゴテンクス「…もー何だよさやか! 邪魔しないでよ! 今集中してるんだからさー!」

さやか「さ、さやか……ってそんな事より!」

さやか「あんた…今何をしようとした!?」

ゴテンクス「え? えーっとぉ…さっき見せた超サイヤ人3に戻って」

さやか「うんうん」

ゴテンクス「で、超サイヤ人3になったら…全力で大声を出して…次元に穴を開けようと」

さやか「はい、ストップ…ちょっと待とうよゴテンクス」

ゴテンクス「な、何だよ…」

さやか「ここはさ、マミさんの部屋なんだよ?」

さやか「そんな所であんたが次元の穴なんて物が開くほどの大声を出したら…どうなると思う?」

ゴテンクス「マミお姉ちゃんの家が吹き飛ぶ………あっ」

さやか「はい、お外出ようか…ゴテンクス」

ゴテンクス「そ、そうだね…ナ、ナハハハハ」

マミ(美樹さん…止めてくれてありがとう…)

ほむら(というか…次元の穴ってそんな簡単に開くものなの?)

まどか(次元の穴だなんて…何だか話が大きくなってきたなあ…)

―マミのマンション前にある公園

ゴテンクス「ここなら文句ないね!」

さやか「幸い周りに人もいないし…いい、かなあ?」チラッ

まどか「わ、私にも言われても…」

マミ(何か…すごく嫌な予感がするわ…どうしよう…止めるべき?)

ほむら(ほんとにこんな公園でやって…大丈夫なのかしら…)

ゴテンクス「よーし……変身! スーパーーサイヤじーん…3!」ビシッ

ゴテンクス「……ハアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

次元の穴を開ける為、超サイヤ人3へ変身しようとするゴテンクス

それに応じてゴテンクスの周りから突風が吹き始めた

ゴオオオオオオオオオオオ

さやか「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

マミ「すごい風…! みんな! 飛ばされないように気を付けて!」

まどか「す、砂埃がすごい…!」

ほむら「ぐっ…!!」

QB「…わああああああああああああああああ!!」ピュ~ン

マミ「キュゥべええええええええええええええ!!」

さやか「あまりの強い突風に…キュゥべえが吹き飛ばされた!?」

超ゴテンクス「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

ピシッ…ピシッ…

さやか「って、わっ…!! じ、地面にヒビが…!」

マミ「えぇぇ!?」

超ゴテンクス2「ハアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ドゴォォォォォォォ

まどか「きゃあああああああああああ!!」

ほむら「なっ…!?」

さやか「ビビの次は…あいつの真下にクレーターができたぁぁぁぁ!?」

さやか「あいつめっちゃくちゃだよ! というかさらっとクレーターの上で浮いてるしいい!!」

マミ「このままじゃ…大変な事になる…!」

ピシッ…ピシッ…バゴォォォ

まどか「わっ、私たちの所にまでヒビが!」

マミ「ゴテンクスくんやめて!! このままじゃ公園が!!」

ゴテンクス2「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…!」ゴゴゴゴゴゴゴ

マミ「だ…駄目…! 集中しすぎて周りが全く見えていないわ…!」

さやか「ど、どうしようマミさん…! このまま行くと公園が…!」

マミ「ゴテンクスくんに魔法を使うのは気が引けるけど…こうなったら魔法少女になって…」

まどか「待ってください…! マミさん!!」


マミ「鹿目さん! でもこのままじゃ…!」 

まどか「ほむらちゃん! ほむらちゃんがゴテンクスくんに呼びかけてみて!!」

ほむら「え!?」

まどか(私が考えてる事が確かなら…ゴテンクスくんはほむらちゃんの声で…!)

ピシッ…ピシッ…

さやか「うわああああああああ! ヒビ割れがどんどんひどく…!」

まどか「お願い…ほむらちゃん…!」

ほむら(まどかがここまで言うのだから…きっと何かあるのね…………よし)

ほむら「わ、分かったわ…やってみる……でも大声にはあんまり自信がないのだけれど……」

まどか「きっと大丈夫…! だから…お願い!」

ほむら「…」コクッ

ほむら(こうなったら…まどかを信じて……叫ぶしかない…!)

ほむら「スゥゥゥゥゥゥゥゥ……ゴテンクスくん!!! やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

ゴテンクス2「!! ほむらお姉ちゃん!? どうしたの!?」ピタッ

マミ「嘘…止まった…?」

ほむら「ハアハア…ケホッ…ケホッ………や、やった…止まった…」

まどか(やっぱり…! 私たちの声は届かなかったけど…ほむらちゃんの声だけは届いた!)

まどか(ゴテンクスくん…やっぱりほむらちゃんの事が好きなんだ…!)

まどか(ほむらちゃんと話す時だけ妙にそわそわしてたからもしかして…と思ったけど…)

まどか(この様子だと…当たりだったみたいだね…! 良かった…止まって)

ほむら(…の…喉が痛い)ケホッ

ゴテンクス2「急に叫んだりして…何かあったの!? ほむらお姉ちゃん!!」

マミ「ゴテンクスくん!! 周りをよく見て!!」

さやか「後、あんたの真下もね!」

ゴテンクス2「周り…? 真下…? ……あれ、そういえば地面の感覚がないよーな…」スカッスカッ

ゴテンクス2「って…えええええええ!? じ、地面がめっちゃくちゃに割れてる!?」

ゴテンクス2「あ、あのぉ…もしかしてこれ…俺が…?」

マミ「…」コクン

さやか「…」コクコク

まどか「…」コクン

ほむら「…」コクン

ゴテンクス2「う…ウソぉ…」

公園ぶっ壊しちゃったゴテンクス! どうするんだこれー

今日はここまで

モンハンオモシロスギルダローwwwwwwwwwwwwwww


ゴテンクス2(しゅ、集中しすぎて…全く気付かなかった…! 俺の真下にこんな穴が…って)キョロキョロ

クレーターに気づいたゴテンクスは辺りを見渡し始める

さっきまで普通の公園だった場所が

地面には沢山のヒビ、そして…ゴテンクスの真下には大きなクレーターが開き…

もはやとても公園とは呼べない場所へと変わり果てていた

ゴテンクス2「…う…うわぁ…これはヤバイかも…」

一気に血の気が引くゴテンクス…

そうしてるも束の間…


何だ何だ!?

いったい何なの!? 今のすごい音は!

ゴテンクス2「!?」

マミ「この声…!」

さやか「ま、まさか…周りに住んでた住民達が不審がって公園に来た!?」

ほむら「そのまさかのようね…」

さやか「や、ヤバいんじゃない!? こんな公園見られたら…!」

まどか「お…おまわりさんに捕まっちゃうんじゃ…!?」

ゴテンクス2「あわわわわわ…! どーしよどーしよ! 俺のせいだああああああああ!」

ほむら(この状況…魔法を見せたくないとか言ってる場合じゃないわね…! やむを得ない…)

ほむら「みんな! 私の腕でもどこでもいい! 掴まって!!」

さやか「え!?」

ゴテンクス2「ど、どこでもって…」

ほむら「いいから早く!!」

4人「ビクッ」

ほむらの怒声に圧倒され少々疑問を抱きながらも、ほむらに掴まるゴテンクス達

ほむら「行くわよ…」ヘンシン

ほむら(時間停止…!)カチッ

まどか「…………あ、あれ? 声が…止んだ?」

さやか「と、というか…何か世界がおかしくなったような……変な感覚があるんだけど…」

ゴテンクス2「ねえねえ、あの鳥…何か変じゃない? 空中でピタッーって止まってるんだけど…」

さやか「…え?」

そう言い、空いてる手で空を指すゴテンクス

そこには翼を動かしていないのにも拘らず空中でピタッと静止している鳥がいた

さやか「ほ、本当だ…あの鳥…完璧に止まってる…」

まどか「でもあの鳥さん…翼を動かしてないよ…!? それなのに何で空中で止まって…」

マミ「時間停止…」

ゴテンクス2まどさや「!!」

ほむら「……」

マミ「それがあなたの魔法…そうよね? 暁美さん」

マミ「もしあなたの魔法が時間停止なら…さっきまで響いていた住民さん達の声が今、完璧に止んでいるのも」

マミ「あの鳥が翼を一切動かしていないのにも拘らず、空中で完璧に静止している事にも…説明がつくわ」

マミ「ねえ、そうでしょう? 暁美さん」

ほむら「そう…私の魔法は時間停止…私に触れている者以外、全ての時間を止める魔法…」

マミ「やっぱり…」

さやか「なるほど…だから私に掴まってって……しっかしすごいなこりゃ」キョロキョロ

ゴテンクス2「ようするに時間を止めちゃったって事…? す…すっげえ……」キラキラ

まどか「ゴテンクスくんの言うとおりだよ! こんなすごい魔法をほむらちゃんが持っていたなんて…」

ほむら「でも無限に止められると言う訳でもないの…この時間停止だって他の魔法と同じく魔力を消費する」

ほむら「今こうして止めている間も…少しずつ消費しているわ」

マミ「だ…大丈夫なの…!?」

ほむら「ええ、今の所心配には及ばないわ…とりあえずここから移動するわよ…あの住民達の目が届かない所へ」

さやじゃ「……」ピクッ

何か新キャラ出ちまった 正しくはさやじゃではなく、さやかです


さやか「それって…逃げるって事…?」

ほむら「あら、じゃあ…あなたはここに残る? 美樹さやか」

ほむら「この…滅茶苦茶になった公園に…」

さやか「だ、だけど…! これを放置してまんまと逃げるなんて…そんなの……本当に犯罪者じゃん!」

ほむら「何も本当に逃げる訳じゃないわ…ただここにいるのはまずいって言ってるの…だから移動するだけ」

さやか「それを逃げるって言うんだよ! 何にせよこれを放置して移動するのはまずいって!」

ゴテンクス2「アノー…フタリトモ…オチツイテ…」オロオロ

ほむら「じゃあ…もしもあなたがここに残って…住民達にあなたが公園を滅茶苦茶にしたと思われたら…」

ほむら「これから先…あなたはどうなるのかしらね?」

さやか「…!」

ほむら「住民達に見つかったら…弁明の余地なし…すぐに警察を呼ばれるわ…そして、そのまま連行されるでしょうね」

ほむら「次は警察署で尋問よ、どうしてあんな事をしたのか…ってね」

ほむら「仮にやってないだなんて言っても無駄よ、無茶苦茶になったその場にいたんだもの」

ほむら「誰も…そんな主張…事信じてくれないわ」

ほむら(あれ…? 私…何を言っているの?)

ほむら「さらには公園を修復する為の…そしてあなたがやった罪に対しての…」

ほむら「莫大な罰金が要求されるでしょう」

マミ「暁美さん…落ち着いて…」

ほむら「いいえ、罰金どころか…留置所へ入れられるかもしれないわね」

ほむら「もし罪が軽くて学校に通えたとしても…そこに…あなたの居場所はない」

ほむら(だ、駄目…! これ以上は…! 言っては駄目…!)

ほむら「そう、犯罪者の居場所なんて…! もうどこにも…」

まどか「やめてよ!!」

ほむら「!!」ピクッ

まどか「もうやめてよ…ほむらちゃん…! 言いすぎだよ…」

ほむら「ま、まどか…」

まどか「何で…何でそんなひどい事を言うの…?」

まどか「どうして…みんな不安がってるこんな状況で……」

まどか「さやかちゃんを怖がらせるような事…言うの…?」

ほむら「ご…ごめんなさい…ついカッとなって…それで…」

まどか「カッとなって言ったとしても…! ひどすぎるよっ…! 言っていい事と…悪い事があるよ…!」

ほむら「ご…ごめんなさい! 悪気はなかったの…! ごめんなさいまどか…!!」

さやか「ま、まどか…あたしは大丈夫だって! だから…一旦落ち着こう?」

まどか「…ほむらちゃん、最低だよ」

ほむら「…っ!」

さやか「ま、まどかだって言いすぎだって! あたしは大丈夫だからさ…! もういいってば…!」

まどか「もういいよ、ほむらちゃんなんて…」

まどか「大っ…嫌い…!」

ほむら「!!!」

さやか「まどか! もういいって言ってるじゃん! まどかはあたしの為に言ってくれてるんだろうけどさ…!」

さやか「そんなのあたし…全然嬉しくないよ!!」

まどか「だって! ほむらちゃんが…!」

ほむら「…」ジワッ

まどか「…!」

ほむら「……エグッ…うぅ……ごめんなざいぃぃ…」ポロッポロッ

さやか「て…転校生…」

まどか「何で泣くの…? ひどい事を言ったのは…ほむらちゃんなのに…! 何でほむらちゃんが泣くの?」

ほむら「ごめんなざいぃぃ…ごめんなざいまどかぁ…!」グスッ

まどか「何で…ほむらちゃんが…グスッ…泣く……うっ…うぅ…」ジワッ

まどか「うえええええええええええん…」

さやか「あわわわわわわわ…まどかぁ…な、泣き止んでよ…! て、転校生も泣かないでよ…!」

さやか「あたしはぜーんぜん平気! 全くきにしてなぁーい! だって鋼鉄メンタル、さやかちゃんだもーん!!」

さやか「ね!? ね!? ね!? だから2人共泣き止んで…」

まどほむ「うえええええええええええええん…」

さやか「………………どうしよう」

マミ「とりあえず…暁美さんの言う通り、私もここに留まるのはまずいと思うの…」

マミ「だから…一旦全員で私の家へ戻りましょう? そこからなら公園の様子も見る事ができるし…」

マミ「そこでこれから先、どうするのか話し合うの…いいわね?」

まどほむ「…グスッ」コクン

マミ「大丈夫よ二人共…みんな不安なんだから…私だって不安よ…」ナデナデ

マミ「でもこんな時こそ冷静になって物事を見なくちゃ…大丈夫、きっと何とかなるから…」ナデナデ

マミ(私は2人の先輩なんだから…! 私が2人を励まさなきゃ…!)

そう言い、空いてる手で二人の頭を順番に撫でていくマミ

さやか(マミさん…何と言う包容力…まるでまどかと転校生のお姉さんみたいだ…)

そんな光景をさっきから棒のように突っ立って黙って見ている男、ゴテンクス

ゴテンクス「………………………………」

罪悪感や不安と言った感情で心が大幅に揺らいだ結果

ゴテンクスは超サイヤ人化が解けてしまっていた

どんなに強いと言ったって、ゴテンクスは所詮子供

精神…メンタルの方はまだまだ未熟なのである


ゴテンクス(どうしよう、俺の…俺のせいで…)

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃんを…)

ゴテンクス(まどかお姉ちゃんを…)

ゴテンクス(さやかを…)

ゴテンクス(マミお姉ちゃんを…)

ゴテンクス(悲しませちゃった…)

ゴテンクス(そもそもさ! こんな公園で気を解放しようだなんてヤバい事…やっちゃいけない事だって…) 

ゴテンクス(落ち着いて考えれば分かるはずだった…! それなのに…何で俺は………」

ゴテンクス(…………そっか、皆に………ほむらお姉ちゃんにちょっとでもかっこいい所を見せようと思って……)

ゴテンクス(それで…馬鹿みたいに張り切ってたんだっけ…)

ゴテンクス(それが………このありさまかあ)

ゴテンクス(………俺は馬鹿だ…! 馬鹿だよ…! あのサタンとか言う奴より…大馬鹿野郎だよっ…! どうしようもない馬鹿な奴だよ!)

ゴテンクス(ハア………どうしよう…)

ゴテンクス(こんな事になったのは…俺のせいだ…! 公園を…こんな滅茶苦茶にしたのは…俺の責任だ…!)

ゴテンクス(俺が何とかしなくちゃ駄目だ…! 何とかしなくちゃ…!)

ほむらが泣いたりしてるけど…
これ…みんながほむらに掴まってる状態で行われてるんだぜ?
そう考えると意外とシュールな絵面が思い浮かぶかも…

今日はここまで

各自が鬱モードの最中、マミ家に一旦帰ってきた5人

その表情は誰がどこからどう見ても暗いものであった

ほむら「時間停止解除、もう離れてもいいわよ…」カチッ

さやか「…」スッ

まどか「…」スッ

マミ「…」スッ

ゴテンクス「……」スッ

ほむら「……」

ドヨーン

さっきまでの明るい雰囲気はどこへやら…

今、この場の空気は…もはやお葬式である

この気まずい空気の中、まず最初に口を開いたのはゴテンクス

ゴテンクス「みんな…ごめんなさい」

ゴテンクス「俺のせいで…俺のせいで公園が…」

ゴテンクス「ほんとにごめんなさい!!」

それに便乗するかのように、皆も次々と口を開き始めた

さやか「…気にしなくていいよ! あんな所でやらせた…あたしが悪いんだからさ!」

まどか「さやかちゃんだけのせいじゃないよ…! 私だって…私だって悪いんだから!」

まどか「ゴテンクスくんも自分を責めちゃ駄目だよ…!」

マミ「ええ、ゴテンクスくん…全部一人で背負おうとしちゃ駄目よ」

ほむら「気に留める必要はないのよ、ゴテンクスくん」

そうやってゴテンクスを励ます4人であったが

それとは対照的に、心の中では負の感情が渦を巻いていた

さやか(元はと言えば全部こいつがあんな所で力を解放するから……………って、あたし何考えてんだよ!)

さやか(こんなんじゃマジで最低じゃん…! あたしがあの公園でやらせたようなものなのに…!)

まどか(…ゴテンクスくんだけのせいじゃないのに…私のせいでもあるのに…どうして…こんな最低な事思っちゃうのかな…)

まどか(最低なのはほむらちゃんじゃなくて…私の方だね…)

マミ(心の中で…自分を正当化している自分がいる…)

マミ(自分は悪くない、悪いのは自分じゃなく…力を解放して…公園を壊したゴテンクスくんだ…って主張している自分がいる)

マミ(どう考えたってあの時…ゴテンクスくんを止めなかった私が悪いのにね…何がみんなの先輩よ…情けない…)

ほむら(感情に流されて…さやかにひどい事を言って…まどかにも嫌われて…)

ほむら(挙句の果てに…今こんな状況になっているのは全部ゴテンクスくんのせい…そう私は心のどこかで思ってしまっている…)

ほむら(結局精神的に…何も成長していないのね、私って……変わった所なんて…見た目や態度くらいなものじゃない…)

ゴテンクス(罪悪感で体とか心が潰されちゃいそうだ……心臓のドキドキが止まらない……汗も止まらないよ…)

ゴテンクス(公園…どうしよう…?)

ゴテンクス(公園をあんなにしたのは俺のせいなんだ…俺が何とかしなくちゃ…)

ゴテンクス(でも…どうすれば…どうすればいいんだ?)

ゴテンクス(流石の俺も…あんなヒビや穴を全部元通りにする事なんて絶対に不可能だし……)

ゴテンクス(ん?………絶対に……不可能?)

ゴテンクス(俺には……絶対に……不可能……)

ゴテンクス(…………あっ!)

ブルマ『うーん…最近肩こりがひどいわね…私もそろそろおばちゃんかなあ…』コキコキ

トランクス『大丈夫? ママ』

ブルマ『フフ…大丈夫よトランクス、心配してくれてありがとね』ナデナデ

トランクス『へへへ…』

ブルマ『ハア…こうなったらドラゴンボールの力で若返らせてもらおうかなー…なんてね』

トランクス『ドラゴンボール? なあにそれ?』

ブルマ『そっか、トランクスは知らないんだっけ……ドラゴンボールって言うのはね…………』

ゴテンクス(そうだ! そうだよ!! 俺には無理でも…! 公園を元通りに戻してくれる奴がいるじゃないか!)

ゴテンクス(神龍だ! 前、ママに聞いた事がある!)

ゴテンクス(7つ揃えれば…神龍ってドラゴンが出てきて…何でも願いを叶えてくれるって言うドラゴンボール!)

ゴテンクス(それにお願いすれば…きっと…きっと神龍が公園を元に戻してくれるはずだ!)

ゴテンクス「みんなみんな! ちょっと聞いて欲しい事があるんだ!」

4人「…?」

ゴテンクス「俺が滅茶苦茶に壊しちゃった公園だけどさ…アレを元に戻す方法があるんだよ!」

マミ「え!?」

さやか「そ、それってどういう事…!?」

ゴテンクス「これはママから聞いた話なんだけどさ…」

ゴテンクス「俺が住んでいた元の世界にはドラゴンボールって言う不思議な球があって…全部で7つあるみたいなんだ」

ゴテンクス「で…何と何と! そのドラゴンボールを7つ揃えると神龍ってドラゴンが出てきて…」

ゴテンクス「その神龍が願いを何でも………」

ゴテンクス(…あれ? いくつ叶えてくれるんだっけ…? 2つ…? 3つ…? えーっと…えーっと…)

ゴテンクス「えーっとえーっと…! そ、そう! 3つ! 3つだけ叶えてくれるらしいんだ!」

ゴテンクス「その神龍にお願いすれば…きっとあのボロボロの公園も神龍が元通りに戻してくれるはずだよ!」

まどか「願いを…!」

さやか「何でも…!」

マミ「3つ叶えてくれる…!」

ほむら「神龍…!?」

ほむら(な、何ですって…!? 何でも3つ願いを叶えてくれる…!? 何よ…! そのキュゥべえの上位互換…!)

ほむら(いや…でも話が良すぎるって言うか…こういう物のには必ず何かしらの代償が付くはず…)

ほむら(世の中そんなに甘くはないもの…)

ほむら「ゴテンクスくん…ちょっと質問いいかしら」

ゴテンクス「ん? 何?」

ほむら「そのドラゴンボールと言う物は…本当に7つ揃えるだけで…願いが3つ叶うの?」

ゴテンクス「うん、そうだよ」

ほむら「願いを叶える時に…何か代償のような物はないの? 魂が抜かれるとか…将来化け物になっちゃうとか…」

ゴテンクス「えっと…ママはさ、何度もそのドラゴンボールで願いを叶えてもらってたーって言ってたから…」

ゴテンクス「多分そんな代償みたいな物はないと思うな、ママ普通にピンピンしてるし」

ゴテンクス「あ、でも3つ願いを叶え終わったら1年間願いは叶えられないらしいよ!」

ゴテンクス「なんでも…願いを叶え終わったらドラゴンボールはただの石になっちゃって…」

ゴテンクス「その石の状態から元のドラゴンボールへ戻るのに…ざっと1年掛かるんだってさ」

ほむら「そう…」

ほむら(なるほど…代償があるとすれば…その1年間待たなければならないというルールだけ…ね)

ほむら(こっちは魂を抜かれて…化け物になる宿命を背負わされて…)

ほむら(叶えられる願いも1つだけ…挙句の果てにその願いの規模も個人が持ってる因果律で決まるっていうのに…)

ほむら(何か…不公平ね、神様を恨むわ)

まどか「ねえねえさやかちゃん!!」

さやか「…何?」

まどか「治してもらえるチャンスだよ! いいの? 上条くんの怪我!」

ゴテンクス「かみじょーくん…?」

まどか「あのね、ゴテンクスくん…さやかちゃんには上条くんって言う…大事な大事なお友達がいるんだ」

まどか「上条くんは…えっと、ゴテンクスくんはバイオリンって分かるかな?」

ゴテンクス「バイオリン…? えーっと…何か肩に持ってこうやる奴?」

そう言ってエアバイオリンの仕草をするゴテンクス

まどか「うん! それそれ! 上条くんはそのバイオリンがすっごくうまくてね…大会とかにもたくさん出ていたんだって」

ゴテンクス「へえー大会かぁ…すごいね、その上条って人」

まどか「ウェヒヒ…でしょ? でもね…ある日」

まどか「上条くんは…事故にあったの」

ゴテンクス「!!」

ゴテンクス「じ…事故……」チラッ

さやか「……っ」

ゴテンクス「そ、それでその上条って人は……どうなっちゃったの?」

まどか「幸い命に別状はなかったんだ」

ゴテンクス「そ、そっか! ならよか…」

まどか「その代わり……左手が動かなくなったの」

マミ「…!」

ゴテンクス「………え?」

ゴテンクス「左手が………動かなくなった?」

まどか「…そう、上条くんは命が助かった代わりに…左手を…」

まどか「片手を失ったの…」

ゴテンクス「だ、だって…片手じゃあさ! バイオリン…演奏できないんじゃないの?」

まどか「そう…だから…」

まどか「お願いゴテンクスくん、上条くんを…上条くんを助けてあげて…」

まどか「上条くんに…もう一度バイオリンを演奏させてあげて…!」

まどか「そしてさやかちゃんに…もう一度上条くんの演奏を聞かせてあげて…!」

まどか「お願い…ゴテンクスくん!」

ゴテンクス「まどかお姉ちゃん…」

さやか「あたしからも頼むよ…ゴテンクス…!」

ゴテンクス「さやか…」

さやか「もしさ…そのドラゴンボールで公園を元に戻したら…願い事が2つ余るでしょ…! だから、その1つで…!」

さやか「恭介を…! 上条恭介を助けてあげて! もう一度あいつに……バイオリンを弾かせてあげて…!」ガバッ

ゴテンクス「!!」

マミほむ「…!」

そう言って恥もプライドも捨てて、自分より子供のゴテンクスに土下座をするさやか

その行動はただ上条恭介と言う人間を救いたい…その一心での行動だった

さやか「お願い…! ゴテンクス…!」

ゴテンクス(さやか…そこまでして上条を……)

ゴテンクス(ってちょっと待てよ? 事故って事は…)

ブルマ『いたああああああああああい!!』

トランクス『ど、どうしたのママ!!』タッタッタ

ブルマ『ハハハ…ちょ、ちょっと角に小指をぶつけちゃって…あいたたた…』

トランクス『だ、大丈夫なのママ!? 立てる!? 骨とか折れてないよね!?』

ブルマ『うん…大丈夫よ! ほらっ、この通り普通に立てるしね』スクッ

トランクス『よ、よかったあ…』

ブルマ『ごめんねトランクス…驚かせちゃったでしょ…』

トランクス『部屋でゲームしてたら突然ママの叫び声が聞こえたんだもん…ほんとビックリしたよ…』

ブルマ『ごめんね…あればっかりは叫ばずにはいられないって奴で……いっつつ…』

トランクス『ママ! やっぱり足の指が!』

ブルマ『へーきへーき…結構思いっきりぶつけちゃったからしばらくは痛いと思うけど…すぐに治るわよ!』

トランクス『ほ…本当に大丈夫?』

ブルマ『大丈夫大丈夫! はあ…こんな時は仙豆が欲しくなっちゃうなあ…』

トランクス『仙豆…?』

ブルマ『そう! 仙豆って言うのはね? 不思議な豆の事で…』

ゴテンクス(そうだ、ママが言ってたあの仙豆なら…)

ゴテンクス(あ、このママって言うのはブルマさんの事だからね!!)

ゴテンクス「………ねえさやか、事故って事はさ…その上条って人の左手は怪我で動かないの?」

さやか「うん…現代医学じゃ治しようがないほどの…酷い怪我なんだって…」

ゴテンクス「そっか、ならドラゴンボールじゃなくても…多分上条って人の左手は治せると思うよ」

さやか「え!?」

ゴテンクス「仙豆って言ってさ、俺はママから聞いたことがあるだけで実際には見たことないんだけど…」

ゴテンクス「簡単に言っちゃえば…何か不思議な豆らしいんだ」

まどか「ふ…不思議な…」

さやか「ま、豆…?」

ゴテンクス「で…その仙豆ってのを食べると…なんと! どんな怪我でも一瞬で治るんだってさ!」

さやか「!!」

ゴテンクス「まあ、病気とかは治せないらしいけどね」

ゴテンクス「その上条の左手が動かない原因が怪我なら…仙豆を食べれば多分治るんじゃないかな」

さやか「そ、それ本当…!?」

ゴテンクス「絶対治る! とは言えないんだよね…なんせ俺も食ったことがないからさ…」

ゴテンクス「でもママの言ってた事が本当ならきっと治せると思うよ!」

ゴテンクス「あのね、ママの友達にヤムチャって人がいるんだけどさ」

ゴテンクス「その人、悪い奴にお腹を貫かれて死にそうになったらしいんだけど…」

ゴテンクス「仙豆を食べたら貫かれたお腹の傷が見事に塞がって助かったって言うし」

ゴテンクス「多分…いや、絶対事故の怪我くらい治せるよ」

ほむら(お、お腹を貫かれたって…いったいどういう状況なのよ…)

マミ(ゴテンクスくんの世界って…ひょっとして物凄い物騒な所なのかしら…)

さやか「そ…その仙豆…今は持ってないんだよね」

ゴテンクス「言ったでしょー俺は見たことも触ったこともないんだよ、持ってる訳ないじゃん!」

さやか「そ、そうだよね…ハハハハ」

マミ「でも、その仙豆って話が本当なら…その上条くんの左手…きっと治るんじゃないかしら?」

まどか「そうだよさやかちゃん! ゴテンクスくんに仙豆を持ってきてもらおうよ!」

さやか「うん…ゴテンクス……お願いしてもいいかな」

ゴテンクス「公園ぶっ壊しちゃったお詫びだ…任せて! 絶っっ対に仙豆を持ってくるからさ!」

さやか「ありがとう…ゴテンクス」ニコッ

ほむら「……………」

ほむら(もしもゴテンクスくんが仙豆を持ってきてくれたなら…残るさやかの問題は上条恭介への告白のみ…)

ほむら(まず魔法少女化は回避できる…! ここは何としてでもゴテンクスくんに仙豆を持ってきてもらわないと…)

今日はここまで
 
気づいたらこんなに日にちが空いてしまい、ほんとごめんなさい
次はできる限り日にちが空かないよう頑張ります では

気づいたら一か月経過しててビビりました 


マミ「ゴテンクスくん…ドラゴンボールや仙豆の話はいいけど…また次元の穴を開けるの?」

ゴテンクス「うん、だってもうそれしか帰れる方法が思いつかないし…帰らないと仙豆もドラゴンボールもあったもんじゃないし…」

まどか「でも…次元の穴を開ける場所が…」

さやか「そうだよね…まだ穴を開けてすらいないのにアレだもん…よっぽど人里離れた辺境の地とかじゃないと…」

ほむら「考えたんだけど……あそこなら多分、誰にも迷惑が掛からないと思うわよ」

ゴテンクス「あそこ?」

ほむら「ゴテンクスくん……あなたって自由に飛んだり、空中で静止したりできるのよね?」

ゴテンクス「うん、飛ぶ事なんて余裕の余裕だよ」

ほむら「なら次元の穴を開けるのにピッタリな場所はおのずと見えてくる…」

ほむら「次元の穴を開けるのにピッタリな場所……それは空よ」

マミ「なるほど…空、ね」

さやか「考えたね転校生……というかすぐ思いつきそうなもんなのに何で思いつかなかったんだろ」

さやか「公園でやらせる時に気づいていればこんな事にはならなかったのにぃ……」

マミ「美樹さん、気にしちゃ駄目…分かった? あなただけの責任じゃないんだから」

さやか「……はい」

ほむら「話を続けるわよ、空なら迷惑が掛かる人なんていないし……まして建物が壊れる心配もしなくていい」

ほむら「次元の穴を開けるのにピッタリな場所だと思うの、ただ飛行機とかには注意した方がいいわね」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんナイスアイディア!! 空ならみんなに迷惑かける心配もないね!」

さやか「ねえねえ、まどかもいい考えだと思わない?」

まどか「…………………」

さやか「まどかー…まだ怒ってんの……? そろそろ転校生の事、許してあげなよ……」

さやか「あたしはぜーんぜん気にしてないからさ……ね? 頼むよまどか、転校生の事……許してあげてよ」

ほむら「…………」

まどか「…………………」

マミ「鹿目さん、暁美さんもとっても反省してるみたいだし……仲直りしましょう?」

マミ「いつまでもこんなギスギスした関係はあなただって嫌でしょう? だから、ねっ?」

まどか「……………………」

まどか「……………………」

まどか「…………ほむらちゃん」

ほむら「!」

まどか「えっと……私も……その……えーっと………」

まどか「いい考えだと…思うよ」ニコッ

ほむら「! まどか…………ありがとう」

さやか(二人の仲については一件落着、かな)

ゴテンクス(よ、良かったぁ……これで絶交だなんてなったら……俺、罪悪感でどうにかなっちゃうところだったよ…)

ゴテンクス(これからは物事って奴を冷静に見るようにしよう……こんな失敗は二度と起こさない為にも!)

マミ(…仲違い、か………私たち2人も…いつか以前のような関係に戻れるのかしら…)

マミ(ねえ…佐倉さん…)

ゴテンクス「次元の穴を開ける場所が決まったのはいいけどさ! ドラゴンボールのお願いはどうするの?」

ゴテンクス「1つは公園を戻すお願いでしょ? じゃあ後2つのお願いは?」

まどか「あのね…私ずっとそのことを考えていたんだけど……地球にいる全ての魔女を消す事ってできないのかな?」

ゴテンクス(ここも地球って名前の星なんだ……俺の知ってる地球と全然違うけど…)

さやか「でもさ、それだと残された魔法少女達が困っちゃうんじゃない?」

さやか「ほらっ、魔女が消えるって事はさ……魔力を回復するグリーフシードも全部無くなっちゃうって事でしょ?」

まどか「なら今のは2つ目のお願いにして…」

まどか「3つ目のお願いを地球に存在する全ての魔法少女を……魔法少女から辞めさせる……みたいなお願いにすれば!」

さやか「あっ、そっか! まだ2つ願いが残ってるんだった! その願いなら全部万事解決じゃん! でかしたまどか!」

ほむら「いいえ、全部万事解決とはいかないわ…」

さやか「え!? 何でだよ転校生、魔法少女も魔女もみーんな消えれば万々歳なはずでしょ?」

ほむら「あなた達、大事な奴を一人忘れちゃいないかしら?」

さやか「大事な奴?」

QB「それは僕の事かい? 暁美ほむら」スーッ

ゴテンクス「うおわぁぁぁぁぁぁっ!」ビクッ

まどか「!!」ビクッ

さやか「もー! 突然現れてビックリさせないでよキュゥべえ!」

QB「ごめんごめん、脅かすつもりはなかったんだが」

まどか(ゴテンクスくんの声に驚いたよ……)

マミ「キュゥべえ……生きてたのね……っ! 良かった! 密かに心配してたのよ!」ギュッ

QB「あの突風で遠くに飛ばれちゃってね、戻ってくるのに少し時間が掛かっちゃったんだ」

QB「密かに心配かけてごめんよ、マミ」

マミ「いいのよ、戻って来てくれてありがとう! キュゥべえ!」

QB「きゅっぷい」

ほむら(こいつ…こんな絶妙なタイミングで戻ってくるなんて…)

ほむら(まさか…出るタイミングをどこかで見計らってた訳じゃないでしょうね…)


さやか「で、話を戻すけどさ……その3つの願いを叶えても全部万事解決とはいかないってどういう事なの? 転校生」

ほむら「あなた……分からないの?」

さやか「え?」

QB「きゅっぷい、きゅっぷい、きゅっぷい、きゅっぷい」ブレイクダンス

まどか「あっ、そっか」チラッ

マミ「……そういうことね」チラッ

そう言ってキュゥべえをチラリと見るまどかとマミ

ゴテンクス「……んんん?」

さやか「さっぱり分かんないんだけど……」

ほむら「2人はいったい誰が魔法少女を生み出しているのか……よーく思い出してみて」

さやか「誰が魔法少女を生み出している?」

さやか「そんなの! キュゥべえに決まってるじゃん、ねっ! ゴテンクス」

ゴテンクス「うん、流石の俺もそれくらいの事は覚えてるよ」

ゴテンクス「QBとけーやくしてー、えーっと……何かもらってー……それで魔法少女になるんだよね」

さやか「何かじゃなくてソウルジェムだよ、ソウルジェム」

ゴテンクス「そうそうそれそれ! そのソウルジェムをもらって魔法少女になるんだよね!」

ほむら「そこまで分かっているのなら…分かるでしょう?」

ほむら「なぜ全ての魔女を消して…全ての魔法少女を、魔法少女から辞めさせても…全てが万事解決といかないか…」

ゴテンクス「………………………?」

さやか「………………………?」

ほむら「ハア……」

ほむら(ゴテンクスくんはまだしも……あなたは分からないと駄目でしょうに……)

ほむら「仮にその願いで全ての魔女と魔法少女がこの地球上からいなくなっても…」

ほむら「こいつが地球にいる限り……」ギュッ

マミ「あっ」

QB「きゅぷっ!?」

ほむら「その願いは全く意味を成さないわ」

QB「暁美ほむら、そんな乱暴に持たないでくれ、痛いじゃないか……」

ほむら「あら、ごめんなさい」ブンッ

QB「ぎゅぶっ」ドゴォ

マミ「ちょっと暁美さん、キュゥべえをいじめないで!」

ほむら「ごめんなさい、ちょっと手が滑ってしまって」

マミ「……もう」

QB「きゅぷ……」

さやか「……キュゥべえ? キュゥべえが……魔法少女を……生み出す……」

さやか「…………あっ、そっか! そういうことか!」

ゴテンクス「どういうことなの…? 俺サッパリ分かんないんだけど」

さやか「よーするに! キュゥべえがこの地球にいる限り、魔法少女が消える事はない! ってことだよ」

さやか「仮にその神龍の力で、この地球上から魔法少女がみーんないなくなったするよ?」

ゴテンクス「うんうん」

さやか「じゃあその後……もしキュゥべえが誰かと契約しちゃったら?」

ゴテンクス「え? そりゃあ、魔法少女が生まれるに決まって………あっ!」

ゴテンクス「もしかしてキュゥべえが契約する事を辞めない限り……魔法少女が地球から消える事はないって事?」

さやか「そーいう事! ……だよね、転校生」チラッ

ほむら「ええ、その通りよ」

ゴテンクス「だったらそんなの簡単だよ! やい、キュゥべえ! 今すぐ誰かと契約するのをやめろ!」ギュッ

QB「ぐぼぉぁっ! 背中が千切れる! 千切れる!! そんな馬鹿力で持ち上げないでくれ!!!」

ゴテンクス「え? そんなに力入れてないんだけど……」

マミ「ゴテンクスくん! キュゥべえを川で釣り上げたお魚さんみたいに持ち上げないで!」

ゴテンクス「あ、ごめん……マミお姉ちゃん」ポイッ

QB「ぎゅぶっ!」ドゴォ

ゴテンクス「あ、軽く放り投げたつもりだったのに……! ごめんなーキュゥべえ」

マミ「もう……」

さやか「ハ、ハハハ…」

ほむら(いい気味だわ)

まどか(……何かやってみたい)

QB「……」ピクッピクッ

さやか「あ、あのさぁキュゥべえ……魔法少女の契約ってやめる訳にはいかないの?」

QB「イテテ……あいにくだが辞める訳にはいかないな、僕の力を必要としている女の子がこの星にいる限りはね」

さやか「そうだよね…あたしも仙豆の話が無かったら多分契約してたろうし……簡単に辞める訳にはいかないよね……」

さやか「魔法少女の奇跡を必要としてる子なんて沢山いそうだし」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「だいじょーぶ、あたしにはもう契約してまで叶えたい願いなんてないからさ、魔法少女にはならないよ!」

まどか「……うん!」

ほむら(ほんと、今の所いい流れが作れているわ……)

さやか「………………あれっ? ちょっと待って?」

ほむら「…!」

まどか「どうしたの? さやかちゃん」

さやか「ねえ転校生……魔法少女を辞めさせて……って言う願いが無駄だ、って事は分かったよ」

さやか「でもさ、魔女を消してって願いは? やっぱりグリーフシード関係で駄目って事?」

ほむら(やっぱりそこに食いついてくるか…)

マミ「美樹さん、以前にも言った通り…魔女は呪いから生まれる存在よ」

マミ「この世に不安や猜疑心……怒りや、憎しみ……そんな負の感情がある限り、魔女と言う存在が滅ぶ事はないわ」

マミ「例えドラゴンボールの願いで世界中の魔女を消してもらったとしても……」

マミ「キュゥべえが魔法少女を増やしていくのと同じように……」

マミ「魔女もそれに比例するかのように毎日毎日増え続けているの」

マミ「要するに……この願いも願うだけ無駄だ……って暁美さんは言いたいのよ」

さやか「そんなぁ……それじゃ八方ふさがりじゃん! どうしろって言うのさ……」

マミ「そう言いたかったのでしょう? 暁美さん」

そう言ってほむらに顔を向けるマミ

ほむら「…………………」

マミ「暁美さん?」

ほむら(ソウルジェムが濁りきって黒く染まる時、ソウルジェムはグリーフシードとなり…私たち魔法少女は魔女として生まれ変わる)

ほむら(それが私たち、魔法少女の秘密……そして、魔女出生の秘密)

ほむら(巴さん…呪いで魔女が産まれると言う解釈は間違ってはいない……)

ほむら(でも根本的にその考えが間違っている事に……あなたは気がついていない……まあ気づけと言うのも無理があるけれど……)

ほむら(ドラゴンボールの関係上……ここで…全てのネタを明かすべきなのかしら?)

ほむら(でもそうすると……真実を知った巴さんが発狂する恐れがある……)

ほむら(いえ、今までの経験上……絶対にするでしょうね)

ほむら(私の魔法、時を止める魔法も……今の彼女には知られてしまっている……もしも戦闘になったら状況は圧倒的に不利)

ほむら(それに……まどかやさやかにまで被害が及ぶ恐れがある)

ほむら(だからと言って願いが何でも3つ叶うなんてチャンス……逃すのはおしい……)

ほむら(今叶えてもらうべき願いは……まずはゴテンクスくんと私たちが原因で破壊してしまった公園の修復、これが1つ目の願い)

ほむら(次にキュゥべえがもう二度と魔法少女の契約を結べないようにする事……これが2つの願い)

ほむら(最後に3つ目の願い……今この時を持って……キュゥべえの契約によって縛られている者達を解放してもらう事)

ほむら(3つ目の願いは叶うかどうか分からないけれど……でもうまく行けば魔法少女も、魔女になってしまった魔法少女達も……)

ほむら(みんな……救う事ができるはず…)

ほむら(どうする? この願いを叶えたいと主張するためには……やっぱり巴さん達に魔法少女の真実を話す必要がある……)

ほむら(もし話さないで主張したとしても……きっと巴さんは3つ目の願いに疑惑を持つはず………そうしたら結局話すハメになる)

ほむら(だったら……真実を話すのは早い方がいいのだけれど……)

ほむら(どうする……話すか…話さないか)

さやか「転校生っ!!」

ほむら「ハッ……な、何?」

さやか「もー、何ボーッとしてるんだよ……マミさんがさっきから話しかけてるのに」

ほむら「え? あ、ああ……ごめんなさい」

マミ「大丈夫? 暁美さん」

ほむら「ええ、大丈夫よ……で、話って?」

さやか「だぁぁ……やっぱり聞いてない」

ほむら「えっと、美樹さやかに話そうとしていた事を……あなたが代弁してくれたんだったかしら」

マミ「そうよ、暁美さんが言いたい事……間違ってなかった?」

ほむら(………本当にどうしよう)

ほむら(真実をありのままに話すべきなの……? それとも……このまま胸に閉まっておくべきなの……?)

ほむら(この選択によって……きっとここから先の展開は大きく変わる! 安易な選択は危険よ! 危険!)

ほむら(話すか……話さないか……! まさに究極の二択ね……)

ほむら(……あっ)チラッ

ゴテンクス「…?」

ほむら(そうだっ! ゴテンクスくんなら……! ……一か八か!)

ほむら「……」ヘンシン

ゴテンクス「!!」

まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「て、転校生!?」

マミ「暁美さん……!? 何ぜいきなり魔法少女に……」

ほむら「時間停止!!」カチッ

カシャンッ

ほむら「時は止まった……さて次は……」

ほむら(ゴテンクスくんの時間を……)ポンッ

ゴテンクス「ピクッ……あ、あれ!? ほむら……お姉ちゃん?」

ゴテンクス「……?」キョロキョロ

マミ「」ピターッ

まどか「」ピターッ

さやか「」ピターッ

QB「」ピターッ

ゴテンクス「み、みんな完全に止まってる……! ほむらお姉ちゃん、これってもしかしてさっきの……」

ほむら「そう、私の時間停止の魔法よ……」


ゴテンクス「な、何で急に……!? それもどうして俺だけを動かして……?」

ほむら「ゴテンクスくん、今は何も考えず…私の話を聞いて」

ゴテンクス「……は、話?」

ほむら「ええ……そこの3人と1匹には聞かせられない……大事な話があるの」

ゴテンクス「わ、分かった………聞くよ」ゴクリ

ほむら「難しい話かもしれないけど…よく聞いてね」

―――
――

ゴテンクス「ま、魔法少女が魔女になるうううううううううううううううう!?」

ゴテンクス「あっ…!」クチオサエ

ほむら「大丈夫よ、声を荒げても時間を止めているから誰も聞いていないわ」

ゴテンクス「ホッ………ほむらお姉ちゃん! 今の話本当なの!?」

ほむら「本当よ……ソウルジェムが完全に黒く濁りきった時、私たち魔法少女は魔女へと生まれ変わるの」

ゴテンクス「ま、魔女って……怒りーとか…憎しみーとか……そういうのから生まれるんじゃ………?」

ほむら「あれはキュゥべえがついた真っ赤なウソ、これが本当の……魔女出生の秘密」

ゴテンクス「ほ、ほむらお姉ちゃんとマミお姉ちゃんの魂が……そのソウルジェムに入っているのも?」

ほむら「……本当の話よ」

ゴテンクス「そ、そんな……何だよ……それ……! 滅茶苦茶だよ……!」

ゴテンクス「マミお姉ちゃんはこの事を……?」

ほむら「知らないわ」

ゴテンクス「な、何で! 何でそんな大事な事……マミお姉ちゃんが知らなくて……ほむらお姉ちゃんが知ってるのさ!」

ゴテンクス「それに、何でこいつは……! キュゥべえはそんな大事な事を話さないでマミお姉ちゃんに嘘の情報を話したのさ! 訳分かんないよ!」

ほむら「それについては…今度は私の秘密、そしてキュゥべえの事についても話さなければならないわね」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんの…秘密…? キュゥべえの事……?」

ほむら「いい? 時間停止も無限にできる訳じゃないから…簡潔に話すわ…よく聞いてね」

ゴテンクス「つまりほむらお姉ちゃんは…そのワラパラガスの夜を倒すために…」

ほむら「ワルプルギスの夜よ…」

ゴテンクス「そ、そうだったそうだった……ワルプルギスを倒すために、一か月を何度も繰り返してるって事?」

ほむら「そう、話が難しくてよく分からないだろうけど……本当の話よ」

ゴテンクス「で、キュゥべえは人間の事なんて何とも思っちゃいないゴミ野郎だ……って事だね……」

ほむら「ええ、そういう事になるわね」

ゴテンクス(ピンポンパンポーン、俺の嫌いな物ランキングに見事キュゥべえが追加された事をお知らせするぜ…こんちくしょう!)

ほむら「とにもかくにも……こいつの言葉だけは真剣に受け止めては駄目よ、分かった?」

ゴテンクス「うん、もう聞き流す事にするよ」

ほむら「ええ、それでいいわ」

ゴテンクス「ところでさ……ワルプルギスってそんなに強いの?」

ほむら「ええ、これまで何度も何度も戦ってきたけれど……未だに勝てたことはないの」

ゴテンクス(それでほむらお姉ちゃん……俺に魔女退治の手伝いを断られた時、あんなに悲しそうにしてたのか)

ゴテンクス「で、でも大丈夫だよほむらお姉ちゃん!! 今回は勝てるよ! なんたって俺がいるんだからさ!」

ほむら「そうね……頼りにしてるわ、ゴテンクスくん……」

ゴテンクス「へへへっ……」

ほむら(……本当に頼りにしてるんだからね、ゴテンクスくん)

ほむら「そこで止まっている巴マミも、美樹さやかも、ワルプルギスとの戦いに加勢してくれた時間軸もあったけど……」

ほむら「結局……ワルプルギスの夜を倒す事は適わなかったの」

ゴテンクス「さやかが……魔法少女になってた世界もあったって事…?」

ほむら「ええ、なってたと言うより……必ずなる……と言ってもいいかもしれないわ」

ほむら「でも、今回はゴテンクスくん……あなたのおかげで彼女の魔法少女化は防げたわ……ありがとう」

ゴテンクス「ど、どういたしまして」

ゴテンクス(さやかの奴……仙豆の話がなかったら……マジで上条の為に……魔法少女になるつもりだったんだ…)

ほむら「……色々話したけど、私が魔法少女の真実を知っている訳……大体分かってもらえた?」

ゴテンクス「大体は分かったよ、ほむらお姉ちゃんがその…魔法少女が魔女になる事を知っているのは……」

ゴテンクス「まどかお姉ちゃんを救う為に……そしてワルプルギスを倒すために……」

ゴテンクス「何度も何度も……時間を繰り返しているから、なんだよね………」

ほむら「そうよ、そして最もな理由が……」

ほむら「実際に魔女化する魔法少女を………目の前で……見たことがあるから………」

ゴテンクス「………魔女になっちゃったら……もう魔法少女には戻れないの?」

ほむら「ええ、二度とね………」

ゴテンクス「ひでえ………」

ほむら「だからこそ……ドラゴンボールの願いは、正しく使う必要があるの」

ほむら「ゴテンクスくん……あなただけ時間を動かしたのには……この話を聞いてもらいたかった事もあるけれど」

ほむら「本当はあなたに頼みごとをしたかったからなの」

ゴテンクス「頼みごと………?」

ほむら「これから巴マミやまどか達に……魔法少女の真実を……そして私の秘密を……洗いざらい全て話す」

ほむら「今するべき最善の願い事を……ドラゴンボールで叶える事に……納得してもらう為に」

ゴテンクス「魔女になっちゃう事とか……ソウルジェムに魂が入ってるとか……ぜーんぶ話すの!?」

ほむら「ええ、包み隠さず……全てを話すわ……当然私の事も」

ゴテンクス「…っ」ゴクリ

ほむら「ゴテンクスくん、巴マミは魔法少女が魔女になると知った時……大抵の場合発狂して……仲間を撃ち殺そうとするの」

ゴテンクス「え、ええええええええええええっ!?」

ゴテンクス(あ、あのいつも落ち着いてたマミお姉ちゃんが……みんなを撃ち殺すぅ……?)

ほむら「その時に決まって言うセリフが、ソウルジェムが魔女を生むなら……みんな死ぬしかないじゃない! ね」

ゴテンクス「ほ、本当にマミお姉ちゃんが……そんな事をするの…!?」

ほむら「ええ、今まで経験してきた時間軸の中でもそんな事が度々起こったから……恐らく間違いないと思うわ」

ゴテンクス(マ、マジかよ……信じられないよ……あのマミお姉ちゃんがそんな事をするなんて……)

ほむら「だからゴテンクスくん、もしもそうなったら……あなたに巴マミを止めて欲しいの」

ゴテンクス「お、俺が……? ほむらお姉ちゃんが止めればいいんじゃないの……?」

ほむら「彼女にはすでに……この時を止める魔法を知られてしまっている……」

ほむら「巴マミは強い……魔法のカラクリを知られてしまっている私では……もしかしたら発狂した巴マミを止められないかもしれない」

ほむら「そこで、巴マミも知らない未知のパワーを持つ……あなたに頼みたいのよ、ゴテンクスくん……」

ほむら「あなただけ時間を動かしたのはこの頼み事をする為なの……悪いんだけど……お願いできないかしら……?」

ゴテンクス「わ、分かったよ……マミお姉ちゃんが俺達に攻撃しようとしたら……俺が止めればいいんだね」

ほむら「ええ、頼みを引き受けてくれて感謝するわ……それじゃ、時間停止を解除するわよ……」カチッ

ゴテンクス(な、何か大変なことになってきたぞ……大丈夫かなあ………)

シュゥゥゥゥゥン………

今回はここまで

2014年終わっちまう前に少し

 
マミ「…になったの?」

マミ「って…あら? 変身……してない? しかも立ち位置が変わって……暁美さん、あなたまさか時間を……」

ほむら「鹿目まどか、美樹さやか、そして……巴マミ」

ほむら「これからあなた達3人にとても大事な事を話すわ、魔法少女の真実について……ね」

QB「……………」

マミ「……え?」

さやか「魔法少女の……真実ぅ……?」

まどか「ほむらちゃん……急にどうしちゃったの……?」

ほむら「黙って聞いて……いい?  これから話す事は全て嘘偽りのない真実よ」

ほむら「まず魔女って言うのはソウルジェムが……」

―――
――

マミ「な、何よそれ……嘘でしょう? 暁美さん……」プルプル

ほむら「……」

まどか「マ……マミさん……」

マミ「暁美さん……お願いだから! お願いだから嘘と言って……!」プルプル

ほむら「……残念だけど、全部本当の話よ」

マミ「そ、そんな………っ」ガクッ

さやか「キュゥべえ、どういう事!? 何で……何でこんな大事な事………先に話さなかったの!?」ギュッ

QB「いや、聞かれなかったからだけど……後、そんなに乱暴に持たないでくれないかな」

さやか「何だよそれ! 滅茶苦茶だよ!」ブンッ

QB「ぎゅぶっ」ドゴォ

QB「イテテ……どこが滅茶苦茶なのか……僕にはサッパリ理解ができないよ」

さやか「知りも! しないのに! 聞ける訳! ないだろっ!!」ドゴォドゴォドゴォドゴォ

QB「ぐぶっ、ぎゅぶっ、ぎゅぅほぉ…ぎゅばぁぁぁ!」ブシャアアアア

QB「…」チーン

さやか「ハア……ハア……ざ、ざまあ見ろ! この……クズ野郎……ッ!」

まどか「さ、さやかちゃん……何も殺すこと……!」

さやか「だ、だって!! こいつが……!! こいつがマミさんを……!!」

QB「僕が……マミに何をしたって?」スッ

まどか「!?」ビクゥ

さやか「キュ、キュゥべえが……二匹……!?」

QB「生憎いくら殺そうが……僕には数と言う概念がないからね、どれだけ殺そうと無駄だって訳さ」

QB「さて、ちょっと死体の処理をさせてもらうよっと……モグモグモグモグ」

さやか「な、仲間の死体を……」

まどか「食べてる……」

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃんの言った通り、本当に仲間の死体を食べてる……気味悪いなぁ……)

QB「キュップイ……さて、話を戻すけど……僕がマミに何をしたって言うんだい?」

さやか「マミさんに……何をした、か……だと?」

QB「うん、別に僕はマミに危害を加えたつもりはないよ」

さやか「お前が! お前がマミさんと契約さえしなければ……! マミさんは……こんな! こんなひどい目に合わずに……」

QB「理由はどうあれ、最終的に契約するか、しないかを決めたのはマミ自身だ……地球人の言葉を借りるなら自業自得って奴さ」

QB「それなのにこうやって僕に八つ当たりされても困ってしまうんだが……」

さやか「だから!! 魔女化の事とか……魂が抜かれる事とか……!!」

さやか「そういう大切な話を……!! 契約する前に先に話すべきだったんじゃないのかよ!!」

さやか「お前がそれを今の今まで黙ってたから……! 今こうやって問題になってるじゃない!! ふざけるのもいい加減にしてよ!!」

QB「別にふざけてなんかないさ……それに先に話してる時間なんてなかったと思うよ、マミは死にかけだったからね」

QB「先に話したところで冷静に話なんて聞ける状況じゃ……」

さやか「黙れ!! 黙れ黙れ黙れ!! お前の話なんて……もう聞きたくない!!」

QB「…………」

まどか「さ、さやかちゃん……お、落ち着いて……」

さやか「ハアハア……こんなの! 落ち着いていられる訳ないでしょ……!」クワッ

まどか「っ! ご、ごめん……」

マミ「ねえ、キュゥべえ……」プルプル

QB「ん? 何だい、マミ」

マミ「キュゥべえ……あなたにとって、私って何なの……?」

QB「……」

さやか「マミさん……」

マミ「私は……! 私は……!! キュゥべえ……! あなたの事を……本当の家族みたいに思ってた!」

ゴテンクス「……!」

マミ「魔女退治の時も……! ご飯を食べる時も……! お風呂に……はいるどきも……! いっじょに寝るどきも……!!」グスッ

マミ「いづも……! いづも……! グスッ……一緒に……いたよねっ……! 一緒だったよね……!」エグッ エグッ
 
マミ「キュゥべえ……! 教えて……! あなだは……私の事を………どう思っていたの……?」グスッ

マミ「お願い……教えて……!」グスッ

QB「…………そうだな」

ゴテンクス「……」

ほむら「……」

まどか「……」

さやか「……」

マミ「グスッ……ヒグッ……」

QB「僕にとってマミ、君は…………」
















QB「宇宙の為に犠牲になってもらう……『消耗品』………って所かな? うんうん」

マミ「……………っ!!!!」ウルッ

ゴテンクス(こ、こいつ……!!)ギリギリ

ほむら「……っ」

まどか「……そんな言い方……ひどすぎるよ! 訂正してキュゥべえ!」

QB「訂正するって……どこを?」

まどか「ど、どこって……」

QB「僕は正直に答えろ、と問われたから正直に答えたまでだ、訂正する箇所なんてどこにもないよ」

QB「消耗品は消耗品……僕は君たちが言った通り、嘘偽りなく正直に思ったことを言っただけなのに……何が不満なんだい」

まどか「……あなた、最低だね」

QB「最低って……まどか、例えば君は赤の他人が家畜の肉を食べている所を見た時、それをひどいと感じるかい?」

QB「答えはNOだよね、大半の人間はそれをひどいなんて思わない……なぜって、それが普通の事だと認識しているからさ」

QB「それと同じ事だよ、僕にとってマミや魔法少女はその家畜と……」

まどか「人を……家畜と一緒にしないでよ!!」

QB「一緒さ、血が通っていて……声を発して……尚且つ感情だってある、人間と何が違うって言うんだい」

マミ「ひどい……うぅぅぅ……ひどいよぉ…………」プルプル

さやか「お、お前ええええええええええええ!!」ドガッ

QB「ぎゅぶっ!」

さやか「何で! 何でそんな事が言えるんだよ! 何で! 何で! 何でだよ!!」ドガッ ドガッ

QB「……」チーン

さやか「ハア……ハア……! マミさんは、お前みたいな奴を……!! 本当の家族のように……思っていたのに……!」ドガッ

さやか「それなのに!! それなのにお前は!! それを……! 消耗品だとか……ふざけた事言って……!」ドガッドガッ

さやか「絶対に……!! 絶対に許さない!!」ドガッッッ!

ほむら(さやか……)

ゴテンクス(我慢する事がこんなに辛い事だなんて知らなかったよ……)

ゴテンクス(俺に力さえなければ……今すぐあいつを踏み潰してやるのに……! グチャグチャにしてやるのに……!)

ゴテンクス(でも我慢しなきゃ……! 我慢しないと……きっとまた公園みたいに……マミお姉ちゃんの家までボロボロにしちゃう……)

ゴテンクス(我慢だ………我慢するんだ………)


QB「やれやれ、無駄だっていったはずだろ? あんまり個体を無駄にしたくはないんだけどね」スウッ

さやか「この野郎……だったら何度でも殺してやるっ!」グチャッ

QB「ぎゅぷっ」チーン

まどか「さやかちゃん! もうやめてよ! 落ち着いてよ!」ガシッ

さやか「まどか! だけど……! こうでもしないと……! あたしの気が収まらないよ!!」

まどか「私だってそうだけど……! でも! それでもキュゥべえをやみくもに殺したって……! 何にもならないよ!!」

さやか「でも……! でも……!! こいつだけは……!」

マミ「もういい!!」

まどほむさやゴテンクス「!!」

マミ「もういいわ、たくさんよ……! もう……何も聞きたくない……!」

まどか「……マミさん」

さやか「……っ」

マミ「……………私たち魔法少女の生き付く先が……人々に害を及ぼす……魔女……」プルプル

マミ「そっか、フフ……フフフフフ……! だったら、だったら……もう……!」スクッ

まどか「マ、マミさん!?」

マミ「みんな死ぬしかないじゃない!!」ヘンシン

まどさや「!?」

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃんが言ってたあのセリフを……本当にマミお姉ちゃんが口に……!)

ほむら「ゴテンクスくん!! お願い!!」ヘンシン

ゴテンクス「わ、分かった! ごめん! マミお姉ちゃん!」

ゴテンクス「ギャラクティカドーナァツッ!!」ブゥゥン

ゴテンクスの手から黄色いリングのような物が出たかと思うと

たちまちそれはマミの頭上へと移動し

マミ「な、何これ……!?」

ゴテンクス(本気でやるとマミお姉ちゃんの骨がバキバキに折れちゃうから……軽い力で、尚且つ抜けられない強さで……!)

ゴテンクス「ぬぅぅ……ふんっ!」スッ

マミ「きゃああああああああああ!!」ギュウウウウウ

マミの腰当たりまで移動したギャラクティカドーナツは一気に縮小し

見事、マミを拘束した

マミ「ぐっ……! 何よ……何よこれ! ゴテンクスくん! 離して……離してよ!!」ギュウウウウ

ゴテンクス「ごめん、マミお姉ちゃん……! でも! いくら魔女になるからってさ……」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんを殺そうとするなんて……俺! 間違ってると……思うから……」

ゴテンクス「だから……それを解くつもりはないよ」

マミ「くぅ……」ギュウウッ

ほむら「手を封じられてしまえば……マスケット銃は撃てないでしょ? 巴マミ……」

マミ「フ……フフフ………フッフッフッフ……」

ほむら「な、何がおかしいの……!?」

マミ「手を封じられたらマスケット銃が撃てない? フフフ……それは……どうかしらね………!」

カチャッ

ゴテンクス「えっ」

ほむら(なっ……! 私の後ろに……マスケット銃……!? そうか……! リボンをすでにあの時……)

マミ(私がゴテンクスくんの技で拘束される瞬間……すでにリボンを暁美さんの後ろに回り込ませていたのよ……)

マミ(それに、私のマスケット銃は……引き金を自らの手で引かずとも、発砲することができる)

マミ(ごめんね、暁美さん……でも、もうこうするしかないの……ごめんね……本当にごめんね……)

マミ(せめて痛みが無いよう……ソウルジェムを一発で撃ち抜いてあげるから……)

マミ「暁美さん、あなたを殺した後に……私もすぐ逝くから……だから……」

まどか「マミさん駄目えええええええええええええ!!!」

さやか「ほむら! 避けてっ!!」

ほむら(時間停止が…間に合わ…)

マミ「さよなら―――――」

パァァァァァァァンッ

それじゃ、皆さんよいお年を

あけおめ


ほむら「ぐっ……? あ、あれ…? 何ともない……?」

ゴテンクス「へへーん! 気で作ったバリアーだぜ!」ブゥゥゥン

まどか「ゴ……ゴテンクスくん!」

さやか「よ、良かった……」

マミ「ゴテンクスくん…! 邪魔をしないで…! もう、私たち魔法少女はこうするしか……もう死ぬしかないのよ!」

まどか「でも……! 魔女になるからって……! ほむらちゃんを殺そうとするのは……絶対に間違ってると思います!」

マミ「じゃあ、どうすればいいの……? 鹿目さんは……私や暁美さんに……このまま魔女になれって言うの?」

まどか「えっ……?」

マミ「ねえ、教えてよ鹿目さん……私は……私はこれから先、どうすればいいの?」

マミ「魔法少女の生き付く先が魔女だと分かった今……私はこれからどんな顔をして生きて行けばいいの?」

マミ「こんな魂もない……! 空っぽの体で……! これからどんな顔をして外を出歩けばいいの!?」

マミ「私は……いったいどうすればよかったの…?」ジワッ

マミ「グスッ……うぅぅ……もう分からない……分からないよぉ……」

まどか「マミさん…」

ほむら「巴マミ……いいえ、巴さん! まだ希望は残されています……そんな簡単に……全てを諦めないでください」

マミ「そんな事ない!! 希望なんて………もう何も残っちゃいない……!」

マミ「あるのはたった一つ……これから先、逃れようもない……絶望、だけ……!」

ゴテンクス「希望ならあるよ!! マミお姉ちゃん!!」

マミ「……え?」

ゴテンクス「ドラゴンボールだよ! ドラゴンボール!!」

ゴテンクス「ドラゴンボールがあればそんな絶望だか何だか知らないけどさ! そんなのパパーっと! どっかに行っちゃうよ!」

さやか「ドラゴンボール? ………あっ!」

さやか「そっか…! ドラゴンボールの願いがあれば…! マミさんだけじゃなく…地球にいる魔法少女みんなも…!」

まどか「救う事が……! 出来るんだよね……!」

マミ「みんな……救える……?」

ほむら「そうですよ巴さん! あなたも……! 私も……! みんな……! みんな救えるんですよ!」

マミ「暁美さんも……私も……みんなも……救える……」

ほむら「ねえ、巴さん……私の体……暖かいですか……?」ギュッ

マミ「………うん」

ほむら「こんなに暖かくても……中身が無い空っぽの体だって言えますか……? 生きてないって……言えますか?」

マミ「………………………」

ほむら「巴さん……私たちは今こうして生きてます、中身が無いだなんて……空っぽだなんて……そんな事絶対にないです」

ほむら「もしも本当に何にもない空っぽの体なら……人の体温も……温もりも……感じられませんよ」

マミ「…………暁美……さん……」

ほむら「それに、魔女になるのだって……今じゃない! 何もしないうちから諦めるなんて……そんなの絶対駄目です……」

さやか「そ、そうですよマミさん! まだ希望が残ってるんですから…! ヤケになんかなっちゃ駄目ですって!」

マミ「…………………希望」

マミ「………そ、そうよね……私は……希望を振りまく……魔法少女だもんね……こんな所で諦めたら……駄目だよね……」

ほむら「巴さん……一緒に乗り越えましょう……! そして絶対に………絶対に希望を掴み取りましょう」

まどか「マミさん! 私にできることがあったら何でも言ってください! 私、何でもしますから!」

さやか「マミさんマミさん! あたしも何でもしますから遠慮なく言っちゃってください!」

ゴテンクス「お、俺だって……マミお姉ちゃんの為なら何でもしちゃうもんね!」

マミ「暁美さん……鹿目さん……美樹さん……ゴテンクスくん……」

マミ「みんな……ありがとう……ありがとう……」グスッ

マミ「でもちょっとだけ……もうちょっとだけこのまま……このままでいさせて……」ギュッ

ほむら「……はい」ギュッ

マミ(私は……今日この日までずっと……ずっと一人ぼっちだと思っていた……孤独だと思っていた)

マミ(でも違ってた……私が……ただ気づいていなかっただけだった……)

マミ(馬鹿ね、私って……こんなにも優しくて……暖かい人達が……周りにいた事に……気づいていなかったんだから)

マミ(もう……なにもこわくない……! 私……もう一人ぼっちじゃないもの……!)

マミ(絶対に……この子達と……! 希望を掴んでやるんだから!)

ゴテンクス「ギャラクティカドーナツ解除!」パアアアアア

マミ「…ふう、ようやく楽になれたわ」

ゴテンクス「ご、ごめんマミお姉ちゃん……いくらマミお姉ちゃんを止めるとは言え……」

マミ「ゴテンクスくんが謝る事はないわ……謝るのはこっちの方……ごめんね、ゴテンクスくん」

マミ「ゴテンクスくんには感謝してもしきれないわ……私を止めてくれて……本当にありがとう…」

マミ(もしもゴテンクスくんがいなきゃ……取り返しのつかない事になる所だった……今考えるとゾッとするわ)

ゴテンクス「いやー……えへへ」

マミ「そして暁美さん、本当にごめんなさい……一瞬の気の迷いで……私、どうかしてたわ……」

マミ「鹿目さんも美樹さんも……怖い目に合わせてごめんね……」

ほむら「いいのよ……あんなことを知ったら誰だって錯乱すると思うし……」

ほむら「こうして誰も怪我1つしてないんだから……気にしないで」

マミ「そう言ってもらえると心が軽くなるわ……ありがとう……」

まどか「私たちも全然気にしてません! ねっ! さやかちゃん!」

さやか「うんうん! そんなに気に留めないでくださいよ! 終わりよければ全てよしって奴です!」

マミ「ありがとう……二人とも……」グスッ

QB「ハア……やーれやれ」

5人「!!」

QB「さっきから黙って聞いてれば希望希望希望希望希望って……よくもまあそんな馬鹿の一つ覚えみたいに言えるものだね」

QB「生き付く先が魔女だと分かって、頭がクルクルパーにでもなったかい?」

さやか「……!」ギリッ

マミ「キュゥ……べえ……」

ゴテンクス「ぐぬぬぬ…! こいつぅぅ……!」

まどか「ねえキュゥべえ、あなたっていったい何者なの? どうして……魔法少女を産み出しているの?」

まどか「私たち人類に対する……ただの嫌がらせなの……? それとも……」

ほむら「まどか、それについては……私から説明させてもらうわ」

ほむら「私の事についても……みんなには知ってもらいたいし……」

まどか「ほむらちゃんの……事?」

ほむら「そう、また色々と混乱する話かもしれないけど……みんなには知っておいてもらいたいの」

ほむら「私の事を……」

QB「ほう……それについてはぜひ僕も知りたいものだ、君の事は色々と知っておきたかっ……」

ゴテンクス「……そうだ、最初からこうすれば良かったんだ」ギュッ

QB「ゴテンクス、そんな地面に落ちてた1円玉を拾う様な持ち方をしないでくれるかな?」

QB「それにさっきも言ったけどそんな馬鹿力で僕を掴まないでよ、背中がもげそうなんだ」

ゴテンクス「お前なんて…」ガラッ

QB「ん? ベランダに出てどうするつも…」

ゴテンクス「宇宙の彼方まで飛んで行けー!!」ブンッッ

QB「きゅぷううううううううううううううううううう!!!」ゴオッ

キラーン


ガラッ

ゴテンクス「へっへーん、これでよーし」b

さやか「ナイスゴテンクス!」b

ほむら「それじゃあ、あいつもいなくなった事だし……話すわね」

まどか「…」ゴクッ

さやか「…」ゴクリ

マミ「…」

ゴテンクス「…」

ほむら「実は私……この一か月間を何度も………」

―――
――

まどか「うえええええええええん! ほむらぢゃあああああああん!!」ギュウウウウ

ほむら「ま、まどか……!」

まどか「ごめんね……! エグッ……ごめんねほむらぢゃん! わだじなんがのだめにぃぃぃ……!」

まどか「わだし……! エグッ……ほむらぢゃんが……グスッ……そんなごとになってるなんて知らなぐって……!」

まどか「だがらぁ……っ! さっぎ……ほむらぢゃぁんにひどい事言っちゃったよぉぉぉ……ごめんほむらぢゃぁぁん……!」

ほむら「大丈夫よまどか……全然気にしてないから……」ナデナデ

まどか「うぇぇぇぇぇぇぇ……」グスッ

マミ(私は……何て愚かなの? 暁美さんは私なんかよりよっぽど困難な目に遭っていた……!)

マミ(それなのに暁美さんは……さっきの私のように現実から目を逸らして錯乱するどころか……!) 

マミ(鹿目さんを救う為に……今も……そして今までも……戦っていた……!) 

マミ(暁美さん……私、あなたのその意志の強さを……見習う必要があるみたいね)

さやか「転校生……! あたし………あんたがそんな目に遭ってるなんて知らなくってさ………!」

さやか「だから……あんたに威圧的な態度を取ったり……陰で色々……あんたの悪口言ったりしてた……ホントにごめん!」

ほむら「大丈夫、気にしてないわ」

さやか「で、でもさ……!」

ほむら「だって……今は私の事、分かってくれたのでしょう?」

さやか「そ、そりゃそうだけど……」

ほむら「なら私はそれでいい……全て許すわ」

さやか「そ……そうかな……」

ほむら「そう、あなたは…いつも通りのあなたでいればいいのよ、さやか」

さやか「……そ、そうだね! それじゃ……まずはお友達から始めようよ、ほむら」スッ

ほむら「クスッ……友達以上の関係にでもなるつもり?」ギュッ

さやか「そうだよ! だって今日からほむらもあたしの嫁になるんだからねー!」ギュウウ

ほむら「ちょ、ちょっとやめてよさやか……! くすぐった……ひゃうっ!」

さやか「おおっ……! 髪サラッサラ! シャンプーのいい香りがあああああ! 可愛い! 可愛いぞほむらぁっ!」ホムホム

ほむら「ちょ、ちょっと! く……くすぐったい! アハハハハ!」

まどか「ほむらぢゃぁぁぁん……」ギュウウウウウウ

マミ「あらあら……モテモテね、暁美さん」クスッ

ゴテンクス(ああ、さやかの奴…ほむらお姉ちゃんの髪をあんなにワサワサと……!)

ゴテンクス(………………………………いいなあ)

ほむら(みんなと友好関係を築けた! それに今回はゴテンクスくんもいる! ドラゴンボールも……! 仙豆だってある!)

ほむら(行ける……! これなら今度こそ! 今度こそあの夜を乗り越えられる……!)

色々な事がありはしたものの……何とか再び一致団結したほむら達

そしてほむらはマミ達に今、ドラゴンボールで叶えるべき願いを告げた

マミ「うん、今叶えるべきお願いは……それが一番ベストだと思うわ」

まどか「私もそう思うな」

さやか「うん、あたしもそれで文句なしだと思う」

ほむら「決まりね」

ゴテンクス「えーっと、公園直して……キュゥべえを契約できなくして……キュゥべえに縛られてる……」

ほむら「ゴテンクスくん」

ゴテンクス「は、はい!」

ほむら「後はあなたが元の世界に戻るだけよ……色々頼んじゃって申し訳ないけど……どうかよろしく頼むわね……」

ゴテンクス「う、うん!! まっかせといて!!」

ゴテンクス(………………叶えるお願いメモっとこ)メモメモ

―――
――


ゴテンクス「それじゃあ……お願いもメモった事だし……俺、もう行くよ!」ガラッ

そう言ってべランダの窓を開けるゴテンクス

ほむら「そうね、ゴテンクスくん……くれぐれも気を付けて」

ゴテンクス「……行ってきます」

ゴテンクス「それっ!」ゴオッ

元の世界へ帰るべく……そしてその為に次元の穴を開けるべく、勢いよく空へと飛び去ったゴテンクス

そしてどんどん小さくなっていくゴテンクスの背中をベランダから見送るまどか達

それぞれが期待や不安などの感情を抱きながらその背中を見守る中、まどかは……

まどか(……何でだろう、しばらくは……あの後ろ姿を……見れないような気がする)

まどか(どうしてだろ、よく分からないや……)

不安な芽などいざ知らず、物語は進んで行く

マミ家のベランダから飛び出したゴテンクスは、猛スピードで空を飛び…グングン高度を伸ばしていた

ゴテンクス「空に開けろとは言われたけど……どれくらいの高さで開ければいいんだろう?」ビューン

ゴテンクス「んっと………もうちょい高くかな? もうちょい……もうちょい……」ビューン

ゴテンクス「………うんうん、ここら辺りで大丈夫でしょ! 真下には雲しかないし! ここならきっと大丈夫!」

ゴテンクス「よし………ハアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ゴゴゴゴゴ

そうして超サイヤ人3になるべく、気を溜め始めたゴテンクス

こんな空高くにいるにも拘らず、それに応じて地上にも変化が表れていた

グラグラグラグラ…

さやか「な、何!? 地震!? うわっとっとっと!!」

まどか「け、結構大きいよ……!」

マミ「きっとゴテンクスくんだわ……そ、空にいるって言うのに……! こんな地震が起こるなんて!」

ほむら「何てパワーなの……ゴテンクスくん……」

ほむら(いったいどんな事をすれば……これだけの力を人間の子供が………)

ゴテンクス3「ふう、超サイヤ人3になったぞ! 後は次元の穴を開けるだけだ!」シュインシュイン

ゴテンクス3「スウウウウウウウウ…………」グググ

ゴテンクス3「ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」ゴオオオオオオオオオオオオオ

とてつもない大声を出すゴテンクス……そしてやっぱり地上にも影響が……

ダアアアアアアアア!!

まどか「こ、この声………ゴテンクスくん?」

さやか「う、嘘でしょ? ここ室内だよ? しかもあいつは今………空にいるんだよ……?」

さやか「なのに……ここまで声が聞こえるの……? しかもこんな大きく……?」

ほむら「すごい……本当にそれしか言葉が見つからないわ……本当にすごい……」

マミ「も、もしもこんな大声出すのを……公園でやらせてなんかいたら……」

さやか「そ……その想像はさせないでください…地獄絵図しか浮かんでこないんで……」


ブゥンブゥンブゥン…

ゴテンクス3「やったあ! 次元の穴が開いた! これで元の世界へ帰れるぞ!」

ゴテンクス3「……」チラッ

ゴテンクス3(……すぐ戻ってくるからね、みんな)

ゴテンクス3「よーし……! とぉぉっ!」バッ

こうして勢いよく次元の穴に飛び込んだゴテンクス

ゴオオオオオオオオ…………

その後ろ姿はやがて次元の穴の渦の中へ消えて行った

舞台は見滝原からガラリと変わり、ここは神様の神殿

そこでピッコロと魔人ブウは今にも戦闘が始まりそうなほどの張りつめた空気の中、対峙していた!

ブウ「さあ……どうした……! かかってこないのか?」

ピッコロ「くそっ、やるしかないのか……!」バッ

ピシャーン バリバリバリバリ

ピッコロ「!? こ、これは……ゴテンクスやブウが開けた……次元の穴?」

ブウ「!?」

ゴテンクス3「っとぉ!」スタッ

ピッコロ「ゴ、ゴテンクス!!」

ゴテンクス3「次元の穴から華麗に参上! 待たせたね! ピッコロさん!」

ピッコロ「お、お前生きていたのか!! 神殿にお前の姿がない時にはもう駄目かと思ったぞ……!」

ゴテンクス3「へっへーん、あの程度で死ぬ俺様じゃあないぜ!」

ピッコロ「フッ、減らず口め……!」

ブウ「何だ……お前……生きてたのか」ニヤァ

ゴテンクス3「………」キョロキョロ

ゴテンクス3「あれ…………ピッコロさん、お母さん達は……?」

ピッコロ「……っ、みんな奴に……食べられてしまった」

ゴテンクス3「………っ!」ギロッ

ブウ「へへへへっ……チョコにして食ってやった……うまかったぞぉ……? あいつらは……」ニヤニヤ

ゴテンクス3「この……野郎………」ギリギリ

ゴテンクス3「ハッ……」

ゴテンクス3(だ、駄目だ……! 落ち着け、俺! あの時……公園で決めたじゃないか! これからは冷静に物事を見るんだって!)

ゴテンクス3(れ……冷静に……冷静になるんだ……落ち着け……落ち着け……落ち着けぇ……俺ェ……!)

ゴテンクス3「………お前は、俺が絶対に……倒すっ!!」

ブウ「フフフフフ……やれるものなら………やってみろおおおおおおおおおおおおお!」ゴオッ

そう言ってボールの様に丸まり、ゴテンクスに猛スピードで突進してくるブウ

ピッコロ「ゴ、ゴテンクス! 来るぞ!!」

ゴテンクス3「大丈夫っ! 連続……ギャラクティカドーナツ!!」パアアアア

ブウ「な!? ぐぅぅぅぅ……!」

ゴテンクス3「そのまま縛り付けろ!」

ボールのように丸まった状態でギャクティカドーナツを何重にも浴びたブウは…

何と本物のボールの様になってしまった!

ピッコロ「やった! 魔人ブウを封じ込めた!!」

ゴテンクス3「いや、まだだよ……ピッコロさん……ブウならこんなの物すぐに破って出て来ちゃうさ」

ゴテンクス3「だから今のうちに……ブウを完璧に消せるだけの気を溜めないとね……!」ゴゴゴゴゴ

ピッコロ「そ、そうだな……」

ピッコロ(ゴテンクスに……精神と時の部屋でのような……遊ぶ気配が全く感じられん……完璧にマジで戦っているようだ)

ピッコロ(そして……ブルマ達が殺され……一気に逆上すると思ったが、ゴテンクスの奴……何て冷静なんだ……)

ピッコロ(ま、まるで人が変わったかのよう……精神と時の部屋でのお前は……いったい何だったんだ?)


ゴテンクス3「ウルトラ……! スーパー……! 超……!」ゴゴゴゴ

ゴテンクス3「かー……! めー……! はー……! めー……!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ゴテンクス3「波ああああああああああああああああああああああああああああ!!!」ポーヒー

ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

ピッコロ「す、凄まじい…! 何て凄まじい大きさのかめはめ波だ…っ!」

ゴテンクスの超極太かめはめ波は……ギャラクティカドーナツに封じ込まれたブウを捕え、細胞もろとも完全に消滅させた

あれだけ姿を変え……ベジータや、人々を死に至らしめたブウも……遊ぶ事をやめ、戦いに美学を捨てたゴテンクスにかかれば……

それほど苦にならない相手だったのかもしれない

シューン

ゴテンクス「………フシュー」

ピッコロ「魔人ブウの気が……完全に……消えた……」

ピッコロ「や、やった!! やったぞ!! つ、ついに魔人ブウを倒した!! よくやったゴテンクス!!」ピョンピョコピョンピョコ

ゴテンクス「ピッコロさん! 喜ぶのは後後! 早くドラゴンボールを集めないと!」

ピッコロ「ん? そ、そうだな……しかし……デンデの奴が生きていない事には……」

ゴテンクス「……………ねえピッコロさん、この気ってデンデさんの気じゃない?」

ピッコロ「え? ……んんん……………ほ、本当だ! 微かだが……これは恐らくデンデの気!」

ピッコロ「し、しかし……何故あいつだけ生き延びる事ができたんだ……?」

ゴテンクス「細かい事はいいよ! 早くデンデさんの所に行って……で、その後早くドラゴンボールを集めないと!」

ゴテンクス「行こ! ピッコロさん!」ビューン

ピッコロ「あ……ああ……」ビューン

ピッコロ(ゴテンクスの奴、魔人ブウが倒せて嬉しくないのか……?)

ピッコロ(俺はてっきりあいつの事だから思いっきり燥ぐと思っていたが……あれじゃ俺が子供みたいじゃないか……)

ピッコロ(それに……デンデの事は二の次で……今、あいつの頭の中にはドラゴンボールの事しかないようにも見える……)

ピッコロ(いったいどうしたんだゴテンクス……確かにみんなを生き返らせる事は大事な事だが……)

今日はここまで

神殿から飛び立ち、僅かに感じるデンデの気を目がけて空を飛ぶピッコロとゴテンクス

ピッコロ「この辺りからデンデの気を感じるのだが……」キョロキョロ

ピッコロ「………いた! あそこだ!!」ビューン

ゴテンクス「デンデさーーーん!」ビューン

デンデ「ピッコロさーん!! ゴテンクスさーん!!」

ピッコロ「よく逃げ延びれたなデンデ!」スタッ

デンデ「はい! 魔人ブウにみんなが食べられる前に……ポポさんが絶対に神様は死んではいけないって……下界に放り投げてくれたんです!」

ピッコロ「あ、ああ……その通りだ……お前がいなければ……ドラゴンボールはただの石になってしまうからな」

ゴテンクス「ピッコロさん……どうかしたの? 何か元気なくない?」

ピッコロ「いや、なんでもない……気にするな」

ゴテンクス「ふーん……まあ……とにかくデンデさんが生きててよかった」

デンデ「ハハ……恐縮です」

ピッコロ(……幸運な事にデンデは生きている、だが……)

デンデ「あの、ピッコロさん…! 魔人ブウの気が消えたって事は…! もしかして……!」

ピッコロ「ん? あ……ああ、魔人ブウはゴテンクスが倒した」

デンデ「わぁ……! やりましたねゴテンクスさん! これで地球……いや、全宇宙が平和になりますよ!!」

ゴテンクス「うん……そうだね」シレッ

デンデ「え?」

ゴテンクス「そんな事よりさ、早くドラゴンボールを集めようよ! ピッコロさん! デンデさん!」

デンデ「は、はい……」

ピッコロ「…………………」

デンデ「あの、ピッコロさん……ゴテンクスさん、何かあったんですか?」

デンデ「僕の想像していたリアクションとは違いすぎて……えっと……ちょっと驚いたって言うか……」ボソボソ

ピッコロ「俺にも分からん……次元の穴から戻ってきてずっとあんな調子なんだ……まるで人が変わったかのように」ボソボソ

デンデ「次元の穴から戻ってきた……? いったいどういう……」

ゴテンクス「何をボソボソやってんの二人共ー! 早く集めに行こうよー!」

ピッコロ「分かった、今行く!」

ピッコロ「……とりあえずこの話は後だ」ボソボソ

デンデ「わ、分かりました……」ボソボソ

ピッコロ「待たせたな」スタスタ

ゴテンクス「内緒話なんて後にしてよね! 全くもう……」

ピッコロ「すまんな、で……さっきからドラゴンボールドラゴンボール言っているが……どうやって集めるのか考えているんだろうな」

ゴテンクス「え? そりゃ……あのレーダーを使って……」

ピッコロ「そのレーダーはどこにあるんだ」

ゴテンクス「ピッコロさんあの時見てなかったの? レーダーは西の都からわざわざ持ってきたじゃん!」

ピッコロ「持ってきて……どうしたんだ」

ゴテンクス「もー! だから神殿に!!」

ゴテンクス「………神殿に」

ゴテンクス「………………」

ゴテンクス「……………………神殿」サーッ

超ゴテンクス「っ!」ビュン

ピッコロ「どうやら気づいたようだな」

デンデ「ピッコロさん……神殿がどうかしたんですか……?」

ピッコロ「実際にその目で見てみれば分かる……とにかくゴテンクスを追うぞ」ビュン

デンデ「は、はい!」ビュン


――再び神様の神殿


ゴテンクス「着いた!」スタッ

ゴテンクス「レーダー! レーダー! レーダー!」キョロキョロ

デンデ「ひ……ひどい……神殿が滅茶苦茶だ……」 

ピッコロ「この破壊状況では……恐らく神殿の中にあったレーダーは……」

デンデ「そ、そんな……」

――神殿の中

ゴテンクス「あ……ああ……あああああ……! ドラゴン……レーダーがぁぁぁ……」ヘナッ

ドラゴンレーダー「」グチャグチャ

ドラゴンレーダーは破壊された神殿の瓦礫に潰され……無残な状態に変わり果てていた

とてもじゃないが「使える」とは思えないほどに、ボロボロだった

ゴテンクス「……」トボトボ

デンデ「ゴテンクスさん……神殿の中から出てきましたね………」

ピッコロ「あの様子では……やはりレーダーは壊れていたようだな」

ゴテンクス「ピッコロさん……どうするのさ、これ……」スッ

デンデ「ドラゴン……レーダーが……」

ピッコロ「せっかくデンデが生きていたと言うのに……ついに最後の希望が消えてしまったか……」

ピッコロ「レーダーが無ければ……ドラゴンボールを探す事は不可能に近い……」

ピッコロ「完全に万事休す……だな」

ゴテンクス「ピッコロさん! 直せないの? これ……」

ゴテンクス「ほ、ほら! あの時俺達の道着を直してくれたみたいにさ……!」

ピッコロ「道着ならまだしも……こんな複雑な機械は……俺には直せん」

ピッコロ「それに、もしレーダーが直ったとしても……さっきブルマ達が神龍を呼び出して願い事を一つ叶えてしまったから……」

ピッコロ「ドラゴンボールで願いを叶えられるのは…四ヶ月後も後になる」

ゴテンクス「よ、四ヶ月……!? そ……そんな……」ガクッ

ゴテンクス(ごめん、ほむらお姉ちゃん……何か願い叶えるの……無理そうだよ………ごめんっ)

ゴテンクス「ぐっ……うっ……うう……」

デンデ「……………」シュン

ピッコロ「くそっ、せめて孫が生きてさえいれば……瞬間移動でナメック星へ行き、ポルンガの力を借りられたのに……!」

悟空「オラがどうしたって?」

ピッコロ「だから孫が生きていれば……って、孫!?」

デンデ「なっ……!」

ゴテンクス「!?」

悟空「オッス! みんな!」

悟空「って言っても3人しかいねえか……」

ピッコロ「そ、孫……!? お前……どうして下界に……!?」

ピッコロ「それに頭の輪っかが消えて……! いったいどういう事だ!?」

悟飯「お父さんは老界王神様の命をもらったんですよ、ピッコロさん」スタッ

ピッコロ「ご、悟飯!! お前まで!!」

デンデ「ご、悟飯さん……生きていたんですか!?」

悟飯「うん、死にそうな所をキビトさんに助けてもらって……それからずっと界王神界で修行していたんです」

ピッコロ「界王神界……界王神様達が住む世界か……なるほど、気が探知できない訳だ……」

ゴテンクス「すごい気だ……少なくとも俺の超サイヤ人状態より強いよ……これ」

ゴテンクス(まあ、超サイヤ人3なら……負ける気はしないけどね)

悟飯「魔人ブウを倒すために界王神界で老界王神様に潜在能力を引き出してもらってたんだ」

ゴテンクス「へー……潜在能力、かぁ」

悟空「せっかくだし……全部力を引き出してもらえば良かったのによ」

悟飯「戦う相手がいないのに力を引き出す必要もないでしょう……僕は一刻も早く地球に戻りたかったんです」

悟空「そりゃそうだけどよぉ……何か勿体ねえなあ」

ピッコロ「何!? これで全ての力を引き出していないと言うのか!?」

悟空「そうなんだよ、悟飯の奴ぅ……魔人ブウが倒されたって聞いたらよ! 地球に帰る! 地球に帰る! って聞かなくって……」

悟空「嫌々やるのもなんだから力を引き出すのを中断して……キビトのおっちゃんに地球まで送ってもらったんだ」

ピッコロ「そうだったのか……」

ピッコロ(全ての潜在能力を引き出したら……いったいどれほどの……)

ゴテンクス(………超サイヤ人3でも危ないかもしれない)

ピッコロ「そ、そうだ!! 悟飯の事ですっかりツッコミを忘れていたが……孫!!」

ピッコロ「老界王神様の命をもらったとはいったいどういう事なんだ! 説明しろ!」

悟空「ああ、分かった……悟飯がキビトのおっちゃんに瞬間移動で地球まで送ってもらおうとした時にさ」

―――
――

――界王神界

悟飯「お父さん……せっかく魔人ブウが倒されたのに……」

悟空「仕方ねえよ、オラ死んじまってるからな……まあ、こっちで楽しくやるさ」

悟空「悟飯! これからはオラの代わりにチチと悟天の事、頼んだぞ」

悟飯「……はいっ」

老界王神「なんじゃいなんじゃい、せっかくその魔人ブウってのが倒されたってのに辛気臭いのう……」テクテク

悟空「老界王神のじっちゃん……」

老界王神「一家の大黒柱とあろうものが……妻と息子の事を長男に全部託すってのは……ちと頂けないのう、悟空」

悟空「そんな事言ってもよ……オラ死んじまってるし……」

老界王神「ふむ……それもそうじゃな…………」

老界王神「よし、ワシの命を……悟空、お前にやろう」

悟空「!!」

悟飯「!?」

界王神「え!?」

キビト「なっ!」

老界王神「せっかく地球が救われたってのに……お前だけ家族と生活できんなんて悲しすぎるわい」

老界王神「可愛い息子もいるみたいだしのう……あの時期の子供には母親だけではなく、父親も必要なんじゃ」

悟空「だ、だけど……! それじゃじっちゃんが……!」

老界王神「いいんじゃいいんじゃ、どうせ老い先短いこの身……こんな命いくらでも持っていけ」

老界王神「悟空よ、これからは家族との時間を大切にするんじゃぞ」

老界王神「………それじゃ、達者でな」

老界王神「………フン!」プツン

老界王神「……」ドサッ

老界王神が倒れたと同時に、悟空の天使の輪っかが消えて行った

悟飯「お父さんの輪っかが……消えて行く……」

界王神「ご先祖様あああああああああああああああああああ!!」

キビト「……ぐっ」

悟空「………老界王神の……じっちゃん」

老界王神「………」

悟飯「お、お父さん……」

悟空「……ありがとよ、じっちゃん………じっちゃんの命、ぜってえ無駄にはしねえ……っ!」

老界王神「いいか!! 大切にするんじゃぞ!! 無駄にしたら絶対に許さんぞ!! いいな!」ムクリッ

ドドーッ

老界王神以外の全員がギャグ漫画のようにズッコケたのはもはやお約束

悟空「そんな訳で、また生き返る事が出来たんだ!」

ピッコロ「そうか……良かったな、孫……」

悟空「ああ、もう二度と皆には会えねえと思ってたからな……すっげえ嬉しいよ」

ゴテンクス「じゃあこれからは一緒に暮らせるって事だよね!」

悟空「ああ!」

ゴテンクス「やったー! って何か複雑だけどやったー! やったー!」

ピッコロ「フッ……」

悟空「ハハハハ、燥ぐな燥ぐな」

悟飯「半分がトランクスだから何だかややこしいねw」

デンデ「ですねw」

悟空(本当にサンキューな、老界王神のじっちゃん)

ピッコロ「よーし! 孫! さっそくナメック星へ行ってポルンガの力で地球の民達を生き返らせてくれ 頼む!」

悟空「ああ、ポルンガの力を借りるんだろ? 分かった、オラに任せろ」

ゴテンクス「あ、あの!!」

悟空「ん? どうした?」

ゴテンクス「お、俺も連れて行ってくれない……いや! くれませんか!?」

悟空「ん? 別にいいけどよ……何でだ? ナメック星に用事でもあるんか?」

ゴテンクス「そ、それは……」

ピッコロ「…………」

ピッコロ「おいゴテンクス、お前……何か俺達に隠してないか?」

ゴテンクス「え!?」

ピッコロ「ずーっとお前の態度が妙に変だと思っていたんだ、お前次元の穴で……いったい何があった?」

ゴテンクス「べ、別に……何にもなかったよ」

ピッコロ「ならば何故そこまでドラゴンボールの願いに固執する!」

ゴテンクス「!!」

ピッコロ「今ナメック星へ行こうとした孫について行こうとした事も!」

ピッコロ「魔人ブウを倒した事は二の次ですぐドラゴンボールの話題を出したことも!」

ピッコロ「全部何かドラゴンボールで叶えたい願いがあったからじゃないのか!? 違うか! 違うなら反論して見せろ!」

ゴテンクス「ぐっ……」

悟飯「ピッコロさん……抑えて抑えて」

ピッコロ「俺は冷静だ……ただ、俺達に何か隠し事をしている事が……気に食わんだけだ」

ゴテンクス(……どうしよう、これって……言っていいものなのかな?)

ゴテンクス(というか、信じてもらえるのかすら怪しいけど……)

ピッコロ「………」イライラ

ゴテンクス(うわあ……ピッコロさん怒ってるなあ……)

ゴテンクス(こりゃ言わなきゃ神龍で願いを叶えられる雰囲気じゃないし……言っちゃうか……)

ゴテンクス「えーっと、話すのはいいけど……本当に信じてくれる?」

悟空「ハハハ! 信じるも何も、オラの目の前には人と人が合体した奴がいるんだぞ?」

悟飯「確かに……何か今ならぶっ飛んだ話も普通に信じちゃいそうですよね」

デンデ「ですね……」

ピッコロ「信じるか信じないかは話を聞いてから決める事だ、……話してみろ」

ゴテンクス「わ、分かった……じゃあ話すよ……実は……」

―――
――

今日はここまで

ピッコロ「次元の穴の先に……別の世界、か」

悟飯「魔法少女……そして魔女……何だかおとぎ話みたいな話ですね……」

ゴテンクス「ほら! ほら見ろ! やっぱり信じてないじゃん!」

悟飯「いや、信じてるさ……ちょっと情報を整理するのに困ってるだけだよ」

悟空「しっかし公園をぶっ壊しちまうなんて! ゴテンクスもなかなかやるなw」

悟飯「お父さん……笑い事じゃないでしょう……」

悟空「へっへっへっ、わりぃわりぃ」

デンデ「しかし……どうするんです? 願い事は3つまでが限界ですし……」

ピッコロ「ブウに殺された者達を生き返らせん訳にもいかんしな……どうしたものか」

悟飯「魔人ブウに壊された建物や土地なども直してもらわないといけませんしね……」

ゴテンクス「そんなあ……! この願い全部叶えないと意味が無いんだよー!」

ピッコロ「うーん……そうは言っても……弱ったな」

悟飯「何かいい方法は……」

悟空「あ、そうだ! ポルンガによ! 地球のドラゴンボールを今すぐ完全に使えるようにしてもらうってのはどうだ?」

デンデ「なるほど、それならすでに一つ願いを使ってしまっている地球のドラゴンボールも3つ願いを叶えられるようになって復活するかも!」

ピッコロ「ふむ……試してみる価値はありそうだな」

悟空「よし、そうと決まったらさっそくナメック星に行ってくる!」

ゴテンクス「お! 俺も! 俺も行く!」

悟空「ハハ、分かった分かった! んじゃオラの体に掴まれ!」

ゴテンクス「は、はい!」ガシッ

悟空「ナメック星だったら……まず界王様の星に行かねえとな……」

悟空「それじゃ、行ってくる」ピシュン

ピッコロ「頼んだぞ、孫」

その後界王様の星を中継し、ナメック星へとやって来た悟空とゴテンクス

ナメック星人達は悟空の訪問に喜び、あの時の恩返しだ! と、快くドラゴンボールの使用を許してくれた

そしてポルンガを呼び出した悟空達

今日死んでしまった人々を極悪人を除いて生き返らせて欲しい

今日壊された街や土地を元通りに直して欲しい

これら二つの願いを無事、ポルンガで叶える事に成功した悟空達

ナメック星にいる二人には聞こえはしないが、地球では地球人達の歓声が上がっていた

ポルンガ「さぁ……三つ目の願いを言え」

悟空「よし……こっからだな、えーっと……」

悟空「ポルンガー! 地球にあるドラゴンボールを完全に復活させる事ってできっかー!?」

悟空「オラ達どうしても今すぐ叶えてえ願いが後三つあんだ! 何とかならねえかー!」

ゴテンクス「………」ドキドキ

ポルンガ「……そういう願いは叶えられない、簡単に言えばその願いは『ズル』だからだ」

ポルンガ「ドラゴンボールは一度使ったら再度使えるまで1年待つと言うルールがある、ルールを破る事はできない」

悟空「そこを何とか! お願いできねえかな……! このとーり!!」

ゴテンクス「ぼ、僕からもお願いします!! お願いします!!」

ポルンガ「駄目なものは駄目だ、『ズル』は許されない」

ゴテンクス「ぐぬぬぬぬ……」

悟空「やっぱダメ……か」

最長老「ポルンガよ、聞いてください」

最長老「ここにいる孫悟空はかつてここ、ナメック星を危険を顧みず、命を懸けて戦い……救ってくれた英雄なんです」

最長老「その英雄に免じて……今回だけはそのズルを……許してあげてはくれないだろうか……」

悟空「最長老様……」

ポルンガ「うーむ………ちょっと考えさせてもらうぞ」

悟空「…………」

ゴテンクス「………」

最長老「…………」

ナメックモブ達「…………」

ポルンガ「………まあ、最長老がそこまで言うのならば……いいだろう、ただし後にも先にも今回っきりだ、いいな」

悟空「やったあ!!」

ゴテンクス「神様仏様デンデ様ポルンガ様ー! ありがとーー!!」

最長老「感謝します……」

ポルンガ「では、地球にあるドラゴンボールを完全に復活させるぞ」ピカー

ポルンガ「………………よし、地球にあるドラゴンボールは完全に復活させてやった……ではさらばだ」

そうポルンガは言い残し、消えて行った

そしてナメック星のドラゴンボールは綺麗な円を描きながら空を舞いあがり

7つのドラゴンボールはナメック星のあちらこちらへと散らばって行った

悟空「よし! じゃあ地球へ帰るか! 行くぞゴテンクス!」

ゴテンクス「は、はい!」

悟空「ナメック星のみんな! また遊びに来るぞ!」

最長老「ええ、いつでも遊びに来てください……悟空さん達なら大歓迎ですよ」

悟空「サンキュー! じゃっ! またな!」ピシュン

ゴテンクス「ありがとー!! ナメック星人のみんな!!」ピシュン

―――
――


悟空「たっだいまー!」ピシュン

チチ「ご、悟空さ!! 悟空さああああああああああああ!」ダキッ

悟空「チチ……」

チチ「うう……よかっただ……よかっただよぉ……グスッ」

悟空「悪かったよチチ、オラもうどこにも行かねえ……だから……安心しろっ」ギュッ

チチ「ほ、ほんとだか……? ほんとにほんとだか……!?」

悟空「もちろんほんとさ! 約束する!」

チチ「グスッ……約束破ったら……承知しないだよ……!」

悟空「……ああ!」

ポルンガの力により、魔人ブウ達に殺されたクリリン達が生き返り……

ボロボロだった神殿も元の姿へと戻った

地球は平和を取り戻したのだった……!

そしてとある荒野では………

ベジータ「……………っ!」ムクリ

ベジータ「…………」キョロキョロ

ベジータ「…………………………ニヤッ」

何とベジータもちゃっかり生き返っていた! 

どうやら極悪人と思われなかったみたい! 良かった良かった!

そんな訳で全てはまるーく収まった訳である

これでドラゴンボールのお話は、おしまいー!













ゴテンクス「ってちょっと待ってよ!! まだ終わってないよ!! ほむらお姉ちゃん達の世界を救わないと!」

ブルマ「………? ほむらお姉ちゃん?」

ピッコロ「ああ、そうだな……ブルマ」

ブルマ「ん? なあに?」

ピッコロ「このドラゴンレーダー……今すぐ直せるか?」

ブルマ「うわっ、ひどい有様ね……グッチャグチャじゃないの……」

ピッコロ「無理か?」

ブルマ「うーん、まあこの私に掛かれば……多分1時間程度で直せると思うけど……」」

ピッコロ「ほんとか! よし、さっそく頼む!」

ブルマ「そうしたい所は山々だけど……ここには直す為の道具も何もないし……」

ゴテンクス「じゃ、じゃあ! 俺ちょっと取ってくるよ!!」

ブルマ「あらそう? じゃあ頼むわ、えーっと…………」カキカキ

ブルマ「この紙をお父さんに渡してもらえる? そうしたら道具をまとめて渡してくれると思うわ」

ゴテンクス「分かった!! じゃあひとっ走り行ってくるね!!」

超ゴテンクス「いってきまーーす!!」ゴオオッ

ブルマ「いってらっしゃーい……って言うかドラゴンボールまた集めるの? いったい何の願いを叶えるつもり?」

ピッコロ「まあ、いろいろあってな……」

ブルマ「ふーん……」

クリリン「しっかし……あいつが魔人ブウを倒してくれるなんてなあ」

ヤムチャ「ああ、悟空とベジータの子が合体しただけの事はあるよな~」

チチ「へっへーん! 流石オラと悟空さの子供だべ!」

ブルマ「………ベジータ」

チチ「あっ………す、すまねえだ」シュン

悟空「………」

ヤムチャ「ベジータの奴は……生き返れなかったのかな」ボソッ

クリリン「それが分からないんだよ、あいつ気を消してるみたいで……生き返ったのかどうかも見当がつかないらしい」ボソッ

ヤムチャ「全く……どこまでも人騒がせな奴だぜ」

ベジータ「オレが……どうしたんだ?」

ヤムチャ「げっ! ベジータ!?」

ブルマ「!!」

クリリン「お、お前生き返れたのか!!」

ベジータ「ああ、おかげ様で……な」

ブルマ「ベジータァ!!」ギュッ

ベジータ「すまんブルマ、心配を掛けた」

ブルマ「全くよ!! ほんとに……もう……!」ギュウウッ

悟空「ベジータ……」

ベジータ「カカロット……俺は……」

悟空「今度あの戦いの続き、やろうな」ニヤッ

ベジータ「!…………ああっ」ニヤッ

ピッコロ(どうやら極悪人とは思われなかったらしいな、命を懸けて魔人ブウと戦ったから……か)

ピッコロ(何はともあれ……良かったな、ベジータ)

15分くらいして、無事ブルマの家からドラゴンレーダーを直す為の道具を持ってきたゴテンクス

その後、宣言通り1時間弱の時間でドラゴンレーダーを直す事に成功したブルマ

そして……

クリリン「ふーこれでやっと7つ集まったか」

ピッコロ「ああ」

悟空「いやードラゴンボール探しなんて久々で楽しかったぞ」

ベジータ「……フン、ちょっとした修行にもならなかったぜ」

悟空「まあそういうなよベジータ」

ピッコロ「では、さっそく神龍を呼び出そう」

ゴテンクス「うん!」

クリリン「それにしても別の世界だなんて……未だに信じられないな」

ヤムチャ(俺がベジータより強くなって……ブルマと結婚する世界もあるんだろうか)

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃん、みんな……今願いを叶えるからね!)

今日はここまで 
更新ペースいくらなんでも遅すぎっすね スンマセン 
んじゃいつもの人お願いします

さっそく願いを叶えてもらおうと神龍を呼び出したゴテンクス達

しかし……

ゴテンクス「か、叶えられないってどういうことなの神龍!!」

神龍「言葉の通りだ、その願いは叶えられない」

悟空「ど、どうして……叶えられねえんだ?」

神龍「言葉を少し間違えたな、叶えられないのではなく……本当に叶うかどうか……確信が持てないからだ」

ピッコロ「どういうことだ、神龍」

神龍「お前たちの言うその異世界に……私の力が干渉できるかどうかが全く分からない」

神龍「これまで様々な願いを叶えてきたが……この世界とは違う、異世界に向けての願いを頼まれるのはこれが初めてなのだ」

デンデ「それでは……その異世界に向けての願い事は不可能……という事ですか」

神龍「そうだ……それに、その魔女だのキュゥべえだの……それが何のことなのか私にはサッパリ理解ができん」

ゴテンクス「そんな……」

ピッコロ「そうか……残念だ」

神龍「すまないな、何か別の願いはないか」

ゴテンクス「……………………」

悟空「ゴテンクス……どうする? 叶えられねえみたいだぞ………?」

ゴテンクス(どうしよう……どうしよう……どうしよう……どうしよう……どうしよう……)

ゴテンクス(何かいい方法は…………何か……何か…………!!)

ピッコロ「……神龍、ここにいるゴテンクスが……どのタイミングでも3つだけ、願いを叶えられるようにする事は可能か?」

ゴテンクス「……!」

神龍「…………それは要するに……願いを叶える力をくれ、と言う事か?」

ピッコロ「そうだ、ここでは無理でも……異世界に行った状態でなら……願いは叶えられるかもしれない、そうだろう?」

神龍「…………分かった、願いを叶えられなかった詫びだ……いいだろう」

ゴテンクス「や、やった!! やったぁ!! ありがとうピッコロさん!!」

ピッコロ「なぁに、気にするな」

神龍「ではゴテンクス、私の前へ来てくれ……今からお前に……願いを3つだけ叶える力を渡す」

ゴテンクス「は、はい!!」

―――
――

神龍「よし、私の力をお前に渡した……これでいつでも願いが3つだけ叶えられるはずだ」

ゴテンクス「こ、これでいつでも願いが3つだけ叶えられるの?」

神龍「ああ、叶えられる……恐らくだが、その異世界にいても叶える事は可能なはずだ……」

チチ「見た目は全然変わってねえだな」ボソッ

ブルマ「そうね……」ボソッ

ゴテンクス「大丈夫大丈夫! きっと平気だよ!! で、どうやって願いを叶えるの?」

神龍「心の中で強く叶えたい願いを念じれば……その願いが叶う」

神龍「ただし何度も言うが叶えられる願いは「3つ」だけだからな……後悔の無いよう、願いは慎重に選ぶ事だ」


神龍「そして最も注意すべきことは……私の願いの力にも限界があるという事だ」

ゴテンクス「げ、限界……?」

神龍「そうだ、例えば……魔人ブウを倒して欲しい、と言う願いはワタシには叶えられない……それが何故だか分かるか?」

ゴテンクス「えーっとえーっと……多分だけど……魔人ブウが神龍の力を超えてるから?」

神龍「そうだ、ワタシの願いにも限界がある……もし強く念じてもその願いが叶わない時は……」

神龍「その願いがワタシの力では到底叶えられない願い、と言う事だ……そういう時は別の願いにするか……悪いが諦めてくれ」

ゴテンクス「……分かった、ありがとう神龍!」

神龍「一応3つ願いを叶える力をやったのだ、今回はこれで消えさせてもらうぞ……ではさらばだ」ピカー

そう神龍は言い残し、7つのドラゴンボールは円を描きながら空を舞い、各地へ散っていた


ゴテンクス「よし! 願いを叶える力を手に入れた! さっそく戻らなくちゃ! ってその前にピッコロさん!」ビュン

ピッコロ「ん、なんだ」

ゴテンクス「あのさ、仙豆ってどこにあるの?」

ピッコロ「仙豆? それならこの神様の神殿の下にいるカリン様が……」

ゴテンクス「分かった! ちょっともらってくる!!」ビュン

ピッコロ「やれやれ、急に元気になりやがって……」

―約2分後―

ゴテンクス「へへっ、もらってきた!」

ピッコロ「そうか、良かったな」

ゴテンクス「うん!」

悟空「あのよ……ところでどうやってその魔女? とかがいる世界に行くんだ?」

ゴテンクス「へへーん、まあ見ててよ……こうするのさ! ハアアアアアアアアアア!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

クリリン「ゴテンクスの気が……どんどん膨れ上がっていく……」

ヤムチャ「こ、こいつはすげえ……」

ピッコロ「あいつめ……こんな所で変身しようとしやがって……また神殿が壊れたらどうするつもりだ……」

―――
――


ゴテンクス3「へへーん! 超サイヤ人3ー!! 変身完了~!」シュインシュイン

クリリン「す、すっげぇ! 悟空がなった超サイヤ人3にゴテンクスが……!」

ヤムチャ「な、なりやがった……」

亀仙人「こ……こりゃすごいわい……」

ウーロン「ひい……おっかねえ顔」

ベジータ(天界から見ていたが、実際に目の当たりにしてみると凄まじいパワーだ……魔人ブウを倒したのも頷ける)

ベジータ(俺もまだまだ修行不足、と言う訳か)

ゴテンクス3「よし、早く穴を開けなくっちゃ……ママ達は少し離れてて! 危ないからさ!」

牛魔王「わ、分かっただ、ほら……離れるぞチチ」

ブルマ「しっかし……イッカつい顔してるわね……」

チチ「今回だけだ、今回だけは許すだ……でもこれからはぜってえアレだけは駄目だ……」ブツブツ

マーロン「ママー、あの人眉毛がないよー! おもしろーい!」キャハハ

18号「そ、そうだね……面白いね」

18号(面白いか? あの顔……どちらかと言うと怖い部類じゃないか……?)

ゴテンクス3「みんな離れた!? 耳塞いでよ! いいね! じゃあ行くよ!!」

ゴテンクス3「スウウウウウウウウウウウウウウウウウ…………」

ゴテンクス3「ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!」ゴオオオオオオオオッ

悟空「くっ……」

ベジータ「うおっ……」

デンデ「ぐううう……!」

ポポ「……」

ピッコロ「しっかりと踏ん張れ! 吹き飛ばされるなよ!」

クリリン「な、何て馬鹿でかい声だ……!」

ヤムチャ「こ、鼓膜が破れる!」

チチ「今回っきりだああああああああ! 今回っきりだあああああああ!」

牛魔王「チチ! な、何やってるだ! 暴れるでねえ!」

―――
――

次元の穴「」ブゥゥン ブゥゥン

ゴテンクス3「よし、開いた!」

チチ「こ、これが……」

ブルマ「次元の……穴………」

初めて目撃する次元の穴に、ゴテンクスとピッコロ以外が興味津々で見つめていた

デンデ「へええ……こ、これが次元の穴、ですか……」

悟空「何かおっかねえ穴だなあ……」

悟飯「見るからに怪しい雰囲気が漂ってますね……」

ピッコロ「精神と時の部屋からも……これを抜けて脱出したんだ」

デンデ「な、なるほど……」

ブルマ「あ、あんた……本当にこんな穴に入るつもり……?」

チチ「や、やめといた方がいいんでねえか……?」

ウーロン「そ、そうだよ……何かヤバそうだしさぁ」

クリリン「……俺もこれに飛び込むのは嫌だな」

ヤムチャ「ああ、俺も嫌だ」

亀仙人「ワシも……」

ゴテンクス3「そうも言ってられないよ! 俺の助けを待ってる人がいるんだから!!」

チチ「だ、だけんども……」

ベジータ「フン、魔女だが何だか知らんが……とっとと行って、終わらせて来い」

ゴテンクス3「……!」

ブルマ「ベ、ベジータ……」

悟空「なあに大丈夫だ! ゴテンクスは魔人ブウを倒したほどの実力を持ってるんだぞ? 何も心配いらねえって!」

悟飯「そうですよお母さん、きっと大丈夫ですって! 神龍の願いの力も持っている事ですし」

チチ「悟空さ……悟飯ちゃん……そ、そうだな……分かっただ……」

ゴテンクス3(……パパ、ママ、ありがとう)

ピッコロ「しかし……本当に俺たちはついて行かなくてもいいのか? 数は多い事に越したことはないと思うぞ」

ゴテンクス3「俺だけで大丈夫だよピッコロさん、それに……これは俺、いや……2人だけで決着をつけたいんだ」

ピッコロ「……分かった、そこまで言うのなら無理にはついて行かん、ただ……くれぐれも気をつけろよ」

ゴテンクス3「……うん、ありがとう……ピッコロさん」

ゴテンクス3「それじゃあ! みんな!! いってきまーすっ!!」ダダダッ

ゴテンクス3「それっ!」ピョーン

元気な掛け声と共に勢いよく穴へ飛び込んだゴテンクス

それを確認したかのように次元の穴はスーッっと消えて行った

クリリン「い、行っちまいやがった……本当に大丈夫だったのか? ゴテンクス1人で行かせて……」

ヤムチャ「無理やりにでも悟空やベジータがついて行った方が良かったんじゃないか……?」

ピッコロ「きっとあいつなら大丈夫だ、信じよう」

悟空「ああ、なんたってあいつは地球の……いや、全宇宙の英雄なんだからな」

ベジータ「……フン」

クリリン「……それもそうだな」

ヤムチャ「心配するだけ損って奴か……」

悟飯「ですね」

チチ「……」

ブルマ「……」

ピッコロ(無事に帰ってこいよ、悟天……トランクス……)

ゴテンクス3(待っててね、ほむらお姉ちゃん……! みんな! 今行くからさ!!)ブウウウウン

―――――
――――
―――
――

今日はここまで

ブゥゥゥゥゥン バリバリバリ

ゴテンクス3「よっと!!」スタッ

ゴテンクス3「へへっ、とうちゃ~く………んんっ!?」

ゴテンクス3「………………………………………………えっ?」

ゴテンクス3「ど、どこだよここっ……ほむらお姉ちゃん達の世界……じゃないのか?」キョロキョロ

ゴテンクスが目にしたのはあの綺麗な見滝原などではなく

無残に破壊された建物やビルの残骸だった

地面は所々割れていて、あちこちに大きな岩石が転がり……植物などは一切生えていなかった

まるで肩パッドをした筋肉質の男達が

今にもバイクに乗ってヒャッハーと言って暴れまわりそうな……

そんな無残な姿だった

ゴテンクス3「うーん……次元の穴に入ればほむらお姉ちゃん達の世界へ一っ跳び~……」

ゴテンクス「って思ってたんだけどなあ……」

ゴテンクス3「まさか別の世界に出ちゃうだなんて……完全に計算外だぜ、ちくしょー……」

ゴテンクス3「どこから見ても……俺が知ってるほむらお姉ちゃん達の世界じゃないもんね……」

ゴテンクス3「仕方ないなあ……ならもう一度次元の穴を開けて……」

「ゴテンクス……くん?」

ゴテンクス3「ん?」

ゴテンクス3(何か聞き覚えがある様な声……誰だ?)キョロッ

???「ゴ……ゴテンクスくん……だよね」ジワッ

ゴテンクス3「……え?」

ゴテンクス3(だ……誰だ? 女の、人? ピンク色の髪で……髪が長くて……)

???「ゴテンクス……くん……グスッ」

ゴテンクス3(こんな人……俺知らないぞ? それにこの人……泣いてる……?)

???「ゴテンクスくん!!」ダキッ

ゴテンクス3「わっ!?」

???「うっ……うぅぅっ……」グスッ

ゴテンクス3(い、いきなり抱きついて来て泣かれても困るよなあ……な、何なんだ? この女の人……)

ゴテンクス(と、とりあえず超サイヤ人3を解こう……こいつはすっごく時間を食うからな……)フッ

ゴテンクス(………ん? 時間を食う?)

ゴテンクス(うーん………何か引っかかるような……何だろ?)

ゴテンクス(……まあ、いっか)

ゴテンクス(そんな事よりこの女の人だよ、ほんとに誰なんだ? この人は)

ゴテンクス「あ、あのー……もしもーし……」

???「あ、ごめんね……いきなり抱きつかれて迷惑だったよね……」

そう言ってゴテンクスから離れる少女

ゴテンクス「え、えーっと……もしかして俺達……どこかで会ったことがあったり……?」

???「っ!?」

ゴテンクス(この人……急に顔が青ざめたぞ!?)

???「え……えっ………ゴテンクスくん……私の事……覚えてないの……?」ウルウル

ゴテンクス「あああああ! えーっとえーっと! そのー……!」

ゴテンクス(わぁぁ……この人また泣きそうだよ! えーっとえーっと! 思い出せ思い出せ!)

ゴテンクス(というか別の世界に知り合いなんてまどかお姉ちゃん達くらいしかいないっての……!)

ゴテンクス(どこかで会ったこと……どこかで会ったこと………えええ? ないよなあ……うーん……)ジロジロ

???(さっきからゴテンクスくん、私の事をジロジロ見て……)

???(あっ、そっか……そうだよね……分からないのも無理はない……か)

???「えーっと、じゃあ……こうしたら……分かる?」スッ

そう言って長い髪を両手で持ち、ツインテールの様にして見せる少女

ゴテンクス「!?」

それを見てゴテンクス、電流走る

ゴテンクス「え……えええええええええええええええええええええええ!?」

ゴテンクス「嘘おおおおおおおおおおおおおおおお!? ま、まさか………」












ゴテンクス「まどか……お姉ちゃん……?」


まどか「良かった、やっと私だって……分かってくれたんだね」ニコッ

ゴテンクス「え……えぇぇっ!? い、いったい……どういう事なの!?」

ゴテンクス「俺の知ってるまどかお姉ちゃんはその……もうちょっと背が小さかったし! 髪もそんなに長く……!」

まどか「それもそうだよ、私だってあれから成長したんだし……」

ゴテンクス「せ、成長?」

まどか「うん、だってゴテンクスくんがこの世界からいなくなって……」














まどか「もう……一年半くらい経ってるもん……」







ゴテンクス「…………えっ」






ゴテンクス「一年……半…………一年半っ!?」

ゴテンクス「俺が元の世界に帰ってから……まだ一日も経ってないはずだよ!」

ゴテンクス「それなのにどうして……どうして一年半も………!!」

まどか「そうは言っても……一年半経ってるのは事実なんだよ、ゴテンクスくん……」

まどか「私の身なりを見れば……だいたい分かるでしょ……」

ゴテンクス「そ、そんな………馬鹿な………」ワナワナ

まどか「多分ね、ゴテンクスくんの住む世界と……私たちが住む世界とでは……時間の流れが違うんだと思う」

まどか「ゴテンクスくんの世界での1分、1秒が……私たちの世界では何十分……何時間……何十日ものの時間になるんだよ」

ゴテンクス「なっ……!」

ゴテンクス(精神と……時の部屋…………俺の世界とまどかお姉ちゃんの世界の関係が……)プルプル

ゴテンクス(あれと同じような感じ……って事? マ、マジかよ……そんな………馬鹿なことが………)プルプル

まどか(マミさん……あなたが言っていた推測……ゴテンクスくんの反応を見る限り、どうやら正解みたいです)

まどか(できれば……当たって欲しくない推測だったな……ウェヒヒ)

時はゴテンクスが元の世界に帰ってから、一週間ほど経った所まで遡る……



―マミ家―


さやか『ちくしょう! ゴテンクスの奴……何で戻って来ないんだ! 何で……! どうして……!』

マミ『美樹さん……』

さやか『あいつは……あいつは約束してくれた……!」

さやか「恭介の怪我を仙豆って言う不思議な豆で治してくれるって……!』

さやか『それなのに……どうして一週間も経ったって言うのに……未だに戻って来ないんだ……!』

マミ『公園の一軒は結局誰がやったかも分からない……迷宮入りの事件になったみたいだけど……』

マミ『ワルプルギスの夜に関してはそうは行かない……倒せなければ……沢山の人が犠牲になるわ……』

まどか『ほ、ほむらちゃん……ワルプルギスの夜が来るのって……』

ほむら『もう二週間を切っているわ……』

マミ『そろそろゴテンクスくん抜きの対策を考えなきゃいけないわね……』

まどか『ゴテンクスくん……いったいどうしたんだろう?』

さやか『恭介はもう精神的にも限界だ……明日の深夜までにもし、ゴテンクスが帰って来なかったら……』







さやか『あたし……キュゥべえと契約する』



ほむら『!』

マミ『美樹さん……!?』

まどか『さ、さやかちゃん! 駄目だよ! 契約なんてしちゃ!』

まどか『もしかしたらゴテンクスくん明後日に帰って来るかもしれないんだよ!』

まどか『だから契約なんて……!』

さやか「まどか、恭介の奴さ……今日自分の病室で……何をしようとしてたと思う?」

まどか『え……?』














さやか『あいつ……カッターで自分の動かなくなった方の手首を……切ろうとしてたんだ……』










3人『!?』

さやか『もしも……もしもだよ?』

さやか『あたしがお見舞いに行くのが……後一歩でも遅かったら……』

さやか『恭介は……死んでいたかもしれない』

さやか『あんなの見たら……あんなの見ちゃったら……!』

さやか『もう……明後日なんて生易しい事、言ってられないんだよ!!』

まどか『さ、さやかちゃん……』

ほむら『さやか……』


マミ『……本気、なのね』

さやか『……あたしは本気です、マミさん』

マミ『暁美さんから聞いたわよね? 美樹さん……』

マミ『ソウルジェムがどういう物なのかって事を……』

マミ『そして、魔法少女の行く末の事を……』

さやか『……』

マミ『それを全て知った上での……覚悟なのね?』

さやか『……はいっ』

マミ『そう……』


マミ『それほどの覚悟があるのなら……私からはもう何も言わないわ……』

マミ『ただ忘れないで……もし美樹さんが契約をして魔法少女になったとしても……」

マミ「私たちの関係は……絶対に変わらないわ』

マミ『少しでも辛い事があったらいつでも相談するのよ……いいわね?』

さやか『はい、ありがとうございます……マミさん』

まどか『ゴテンクスくん……明日戻ってくるといいね』

さやか『ほんとだよ……はあ……』

ほむら(ゴテンクスくん、いったい……いったい何があったの?)

――――
―――
――


さやか『ふぅぅぅ……やっと戦い方にも慣れてきたなあ……』ペタン

マミ『お疲れ様、今日も頑張ったわね……美樹さん』

さやか『へへっ、ありがとうございます』

まどか『お疲れ様! さやかちゃん!』

さやか『サンキュー、まどか』

ほむら『ワルプルギスの夜が来るまであと僅かな時間しかないわ……少しでも剣の腕を上達させておきましょう』

さやか『分かってるよ……さやかちゃんにせいぜい任せとけって』

まどか『……ゴテンクスくん』

さやか『あいつの名前を出すなよまどか、きっとあいつ……あたし達の事なんてどうでもよくなったんだよ』

まどか『そ……そんな………』


ほむら『どうでもよくなったなんて……あの子に限ってそんな事……』

さやか「じゃあほむらはあいつが未だに戻ってこないこの状況に……いったいどう説明をつけるつもり?」

ほむら『そ、それは……………』

さやか『ほらっ、説明できないでしょ? やっぱり……そういう事なんだよ』

ほむら『……………』

マミ『………あのね? もしも、もしもよ? これはあくまで推測の話なんだけど……』

ほむら『?』









マミ『私たちとゴテンクスくんの世界では……時間の流れが違う……なんて事ないかしら……』





さやか『じ、時間の流れが違うぅ……? マミさん……いきなり何でそんな電波さん的な発言を……』

まどか『………?』

ほむら『いったいどういう経緯でその考えに至ったのか……説明してもらえるかしら』

マミ『えっとね、昨日たまたま浦島太郎の話をテレビでやってるの見て、こう……ピーン! と来たのよ』

さやか「う、浦島……」

まどか「太郎……ですか」

マミ『ええ、皆は浦島太郎って知ってる?』

ほむら『……』コクリ

まどか『はい、知ってます』

さやか『そりゃあ皆知ってますよ……有名な昔話ですし』






さやか『確か……ウサギとカメが競争する話ですよね?』




ほむら『は?』

マミ『えっ?』

まどか『さ、さやかちゃん……それ浦島太郎じゃないと思う……』

さやか『………………えっ? マジ?』キョトン

ほむら『ほら、いじめられてる亀を助けて……その助けてくれたお礼に亀が竜宮城へ連れて行ってくれる……』

さやか『………ああ、もしかして玉手箱でおじいさんになっちゃうアレ?』

ほむら『それよそれ……』

さやか『ア、アハハハ……ごめんごめん、何かあたしすっごい勘違いしてたみたい』

まどか『ウェ、ウェヒヒ……』

ほむら(いったい何をどう勘違いすれば浦島太郎と……ウサギとカメを間違えるのかしら……カメ繋がり……?)


マミ『コホン……は、話がそれたけど」

マミ「浦島太郎は今暁美さんが言ってくれた通り……亀を助けて、お礼に竜宮城へ連れて行ってもらうの』

マミ『そこで楽しい時を三年ほど過ごし、浦島太郎は乙姫様から玉手箱をもらって……地上へと帰った』

マミ『そして玉手箱を開けておじいさんになってしまうのはみんな知ってると思うんだけど……』

マミ『その玉手箱を開ける前に……浦島太郎はとても驚いたの』

マミ『いったい……何に驚いたと思う?』

まどか『えっと……何だったっけ?』

さやか『駄目だ……勘違いしてたあたしには絶対分からん』

ほむら『確か……村が、消えていたのよね?』

マミ『そう、竜宮城に行く前にはあった、自分の住んでいた村が……跡形もなく消えていたのよ』

まどか『む、村が……』

さやか『消えていた……いったいどうして?』


マミ『村が消えた理由……それは時間差が原因だったの』

まどか『じ、時間差……?』

マミ『そう、浦島太郎が乙姫様と三年ほど竜宮城で暮らしていた間に……』

マミ『地上では……何と七百年ものの年月が流れていたのよ……』

マミ「だから浦島太郎の両親も、住んでいた村も……跡形もなく消えていた、という訳なの」

さやか『な、七百年………』


ほむら『マミ……あなたが言いたいのって……』

マミ『そう、もしも……もしもよ? ゴテンクスくんと私たちの世界が……』

マミ『浦島太郎で言う……地上と竜宮城の様な関係だったとしたら……?』

マミ『私たちの世界での一日……一週間……一年が……』

マミ『ゴテンクスくんの世界では十秒にも満たないとしたら……?』

マミ『もしそうなら……ゴテンクスくんは……未だに元の世界で私たちの為に奮闘してくれているのかもしれないわ』

マミ『だってゴテンクスくんの世界では……まだ一日も……いえ、一時間すら経っていないかもしれないんだから……』


さやか『だけどマミさん、それには何の証拠も……』

マミ『確かに私のこの推測には何の証拠も……それを裏付ける確証もない……』

マミ『でもね、美樹さん……私にはどうしても……あの子が私たちの事をどうでもよくなってしまうだなんて思えないの』

マミ『あの子は……きっとそんな考えをする子じゃない……』

マミ『私は……彼を信じたい、私たちの事を本気で助けてくれようとしたあの子の事を……あの子の純粋な目を……私は信用していたい』

マミ『だからこの推測は……私がゴテンクスくんを信じたいが為の……ただのわがまま………』

マミ『三人ともごめんね? こんなふざけた推測を突然披露して……やっぱりこんなの……ありえないわよね』


ほむら『……私は、その推測を信じるわ』

マミ『……!』

ほむら『未だに戻ってこないのはそれ相応の訳があるとは思っていたけど……」

ほむら『その考えなら未だに彼が帰って来ないのにも辻褄が合うわ』

ほむら『それに……私も彼を信じていたいから』

マミ『暁美さん……』

まどか『わ、私も……! その推測を信じます!』

まどか『ゴテンクスくんは……絶対そんな事する子じゃないって思うから……』

マミ『鹿目さん……』

さやか『……そう、だよね……あいつがそんな投げ出すような事……する訳ない、か……』

さやか『マミさん、あたしも……その推測を信じますよ』

マミ『美樹さん……』

マミ『みんな……私の推測を信じてくれるのね』

ほむら『ええ、きっとゴテンクスくんが未だに戻ってこないのは……その時間差のせいよ』

まどか『うん、きっとそうだよね』

さやか『あんなに強いあいつが魔人ブウ……だっけ? とかにやられるとも思えないしね』

マミ『そう……ありがとう、みんな』

マミ『私の推測を信じてもらえるなら……これだけは……みんなに聞いて欲しい』

マミ『ゴテンクスくんが未だに帰って来ない原因が時間差だとしたら、恐らく……』

マミ『ワルプルギスの夜との戦いに……彼の力は借りられないかもしれない……』

マミ『でもね? これから先、私たちにどんな過酷な運命が待ち受けていようとも……』

マミ『彼は、ゴテンクスくんは何も悪くない……』

マミ『だからお願い、みんな………ゴテンクスくんを―――――――――』


まどか(恨まないであげて……か……)

まどか(そうだよね、マミさん……ゴテンクスくんは……何も悪くない……ただ、現実が非情だっただけ……)

ゴテンクス「ハッ……そ、そうだよ!! 一年半って……! ワルプルギスは!? ほむらお姉ちゃんは……!?」

ゴテンクス「い、いったい何がどうなったの!? それにさやかやマミお姉ちゃんは……!?」

ゴテンクス「ここが見滝原なら……! この辺り一帯は何なの!? 何でこんな滅茶苦茶に……!」

まどか「今から少しずつ説明していくよ、とりあえず立ち話もなんだし……そこの瓦礫にでも腰かけよう?」

まどか(でもごめんね、ゴテンクスくん……)

まどか(私、一年半も我慢を重ねて……限界だから……ちょっと強く当たっちゃうかも……)

ゴテンクス「そ、そうだね……」ストン

ゴテンクス(俺が知ってるまどかお姉ちゃんとは外見もそうだけど……)

ゴテンクス(雰囲気が……何て言うか、全然違う……何かうまく言葉にできないけど……)

ゴテンクス(いったい俺がいない間に何が起こったんだ………)

今日はここまで

まどか「……ふぅ、まず最初に……ほむらちゃんはもうこの世界にはいないよ」

ゴテンクス「……!」

まどか「理由は一つ、ワルプルギスの夜を撃退できなかったから……」

まどか「そして、その戦いにほむらちゃんと一緒に参加したマミさんとさやかちゃんは…………」

まどか「……………死んだ」

ゴテンクス「…………………なっ!!」

ゴテンクス(マミお姉ちゃんと……さやかが…………死んだ?)

ゴテンクス(ほむらお姉ちゃんは……もうこの世界には……いない?)

ゴテンクス(そ、そんな………)

まどか「ほむらちゃん達を破ったワルプルギスはその後……不気味な笑い声と共に見滝原を滅茶苦茶に壊していった……」

まどか「私たちの学校も……家も……あの時の公園も……」

まどか「目に入るもの全てを……ワルプルギスの夜は滅茶苦茶に壊していった」

まどか「…………私は、見滝原が破壊されていく様を……避難所で黙って見ていた」

まどか「契約をして一緒に戦う事もできた……だけど、ほむらちゃんの思いを……」

まどか「ほむらちゃんの願いの重みを……あの時マミさんの家で聞いちゃったから……」

まどか「それを裏切って契約をすることなんて……魔法少女になることなんて……あの時の私には……できなかった」

まどか「……やがてワルプルギスは、私たちがいる避難所も壊し始めた」

まどか「その破壊の最中、落ちてきた瓦礫から私を庇ったパパやママ……」

まどか「そして……ママに抱きかかえられていたタツヤは……」

まどか「瓦礫に押し潰されて…………死んだ………っ」

ゴテンクス「…………………………………………」

まどか「そして……避難所を滅茶苦茶にしたワルプルギスの夜は……」

まどか「不気味な笑い声と共に……見滝原から去って行った」

まどか「家族を犠牲にして……まんまと生き残った……私一人を残してね……」

まどか「その後ワルプルギスの夜は見滝原だけに留まらず、隣町の風見野も……その隣の街も……」

まどか「自分が進む方向に立ちふさがる物全てを……壊していった」

まどか「この周りにあるビルや建物の残骸はね……正真正銘、全部見滝原に建てられていた物なんだよ」

まどか「色々な所での破壊状態があまりにもひどくて……一年半たった今でも……」

まどか「見滝原はまだ復興すら満足に進んでない状況なんだ……ただちょこんと難民キャンプみたいな物があるだけ……」

まどか「だからそこらへんの瓦礫をどけたら……もしかしたら死体が見つかっちゃうかもね……へへへ……」

ゴテンクス「…………………」

まどか「………………どうして」ボソッ

ゴテンクス「…えっ」

まどか「どうして!! どうして来てくれなかったの!? 何で!? どうして!?」

まどか「ゴテンクスくんの事……! みんなでずっと!! ずっと待ってたのに!!」

まどか「何で………何で一年半たった今更!! 何もかもが終わった今更……帰ってくるの……!?」

まどか「遅いよ……遅すぎだよ、ゴテンクスくん…………遅いよ……」プルプル

ゴテンクス「ご、ごめんな……さい…………」

まどか(っ! わ、私……勢いに任せて何てひどい事を! ゴテンクスくんは……何も悪くないのに……!)

まどか「ご、ごめん……ゴテンクスくん!」

まどか「ゴテンクスくんは悪くないよね! なのに私………強く当たっちゃって! ホントにごめんねっ……!」

ゴテンクス「……………」

まどか「でも……でもね? もう何もかもが遅いんだよ? ゴテンクスくん……」

まどか「あのボロボロだった公園も……ワルプルギスの夜に壊されちゃったし……」

まどか「上条くんの怪我も……ゴテンクスくんがあれから帰って来る様子がないから……」

まどか「結局ワルプルギスの夜との戦いに参加するって意味で……さやかちゃんが契約して治しちゃったし……」

まどか「……もう遅いんだよ、ゴテンクスくん」

まどか「この世界に、ゴテンクスくんは……もう必要ないんだよ」

ゴテンクス「………………ごめんなさい……まどかお姉ちゃん……」

ゴテンクス「ごめんなさい……ほむらお姉ちゃん…………ごめんなさい、さやか………」

ゴテンクス「ごめんなさい……マミお姉ちゃん…………ごめんなさい、ごめんなさい………」

ゴテンクス「ぐっ………うぐっ……ヒグ…………」

まどか「……………」

まどか「………ねえゴテンクスくん、ほむらちゃんを……助けたい?」

ゴテンクス「……えっ」

まどか「ほむらちゃんを……助けてあげたい?」

ゴテンクス「ヒグッ……助けたいに……決まってるよっ……!!」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんと……約束したんだ……!」

ゴテンクス「魔人ブウを倒して……! ワルプルギスの夜を倒す……お手伝いをするって……!」

ゴテンクス「なのに……っ! なのに俺は……その約束を…………っ!」

まどか「……この世界で必要が無くなっても……まだゴテンクスくんを必要としてる世界はある」

ゴテンクス「……え?」

まどか「ゴテンクスくんさえよければ……私がゴテンクスくんをほむらちゃんの所へ送ってあげられるよ」

ゴテンクス「…………えっ、本当に?」

まどか「うん、本当だよ」

ゴテンクス「で、でも……ほむらお姉ちゃんは……もうこの世界にはいないんでしょ? それをどうやって……」

まどか「大丈夫だよ………キュゥべえ、いるんでしょ?」

QB「やっはろ~、呼んだかい? まどか」ピョコン

ゴテンクス「キュゥ……べえ…………?」

ゴテンクス「!? ま、まさか……まどかお姉ちゃん……!?」

まどか「そう、私が契約すれば……ゴテンクスくんをほむらちゃんの所へ……」

まどか「送ってあげられる……」

ゴテンクス「だ、駄目だ! 契約なんてしちゃ駄目だよ!」

ゴテンクス「契約したらどうなっちゃうのか……まどかお姉ちゃん知ってるでしょ!?」

ゴテンクス「俺、神龍に頼んで……今なら願いを何でも3つだけ叶える事ができるんだ!」

ゴテンクス「だから契約なんてしなくてもその神龍の力で……!」

まどか「いいんだよ、これで………」

ゴテンクス「な、何で……!?」

まどか「私ね? もう疲れちゃったんだ……この何もない空っぽの世界に……」

まどか「友達も………………」

まどか「家族も………………」

まどか「学校も………………」

まどか「お家も………………」

まどか「私が……大好きだった物が何にもない……この空っぽの世界で生きるのは……」

まどか「もう、疲れちゃった」

ゴテンクス「まどか………お姉ちゃん………」


まどか「ホントはね? 真っ先に自殺しようかなって考えたんだ……」

ゴテンクス「………っ!」

まどか「でも、でもいつか……」

まどか「マミさんの推測が正しかったなら……いつかゴテンクスくんが……この世界に戻って来るかもしれない……」

まどか「その時に……この事を伝えてあげられる人がいなかったらさ……」

まどか「ゴテンクスくん、きっと困っちゃうと思ったから……」

まどか「だから今日まで……死にたくなるような絶望や孤独を必死に耐えて……一人で生きてきたんだ…………」

まどか「ゴテンクスくんに……この事実を伝える役目を……果たすためにね」

ゴテンクス「…………」

まどか「でも、その役目も……もうおしまい……私がこれまで生きてきた理由も……」

まどか「今、役目を終えて……無くなった」

まどか「だから……もういいの、この世に悔いなんて……未練なんて……もう何もない」

まどか「最後くらい……誰かの役に立ちたいの」

まどか「だから……だからゴテンクスくん………………」















まどか「私に…………契約をさせて」










今日はここまで


ゴテンクス「で、でも! 神龍の力を使えば……! ワルプルギスに殺されたみんなを生き返らせることだって……!」

ゴテンクス「ワルプルギスに壊されちゃった街だってさ! 全部元通りに戻せるんだよ……?」

まどか「えへへ、本当に優しいね……ゴテンクスくんは」

まどか「見ず知らずの私たちを助けてくれて……涙を流してくれて……色々と面倒事も引き受けてくれて……」

まどか「でも、ホントにもういいんだ……その神龍の力は……ほむらちゃんの為に使ってあげて……」

まどか「きっと……その神龍の力は……ほむらちゃんの役に立つと思うから」ニコッ


ゴテンクス「そ、そんなまどかお姉ちゃんを見捨てるような事……俺にはできないよっ……!」

まどか「ゴテンクスくんは私を見捨ててなんかいないよ……これは……私が選んだ事だから」

まどか「ゴテンクスくんは……何も悪くないんだよ」

ゴテンクス「で、でも……!」

まどか「お願い、ゴテンクスくん…………」ギュッ

そう言ってゴテンクスの手を両手で優しく握るまどか

まどか「私に契約をさせて……」

ゴテンクス「…………………………」


そう言って何の嘘偽りもない、純粋な眼差しでゴテンクスを見つめ

静かにゴテンクスの答えを待つまどか

その目に迷いは一切見受けられなかった

まどかお姉ちゃんは、本気で魔法少女になる事を決意したんだと

ゴテンクスは直感的に分かった






だが、ゴテンクスはまだ子供である


ゴテンクス「……………ねえ、まどかお姉ちゃん」

ゴテンクス「もし、キュゥべえと契約して……俺をほむらお姉ちゃんの所に送ったらさ」

ゴテンクス「その後まどかお姉ちゃんは…………どうするの?」

まどか「それは……」

ゴテンクス「………………」

ゴテンクス「………まどかお姉ちゃん、死ぬつもりなんだよね」

まどか「…………」コクッ

ゴテンクス「………それはどうして?」


まどか「だって……だって! この世界には……もう何もないんだよ?」

まどか「こんな世界、一人で生きてたって……! 何にも楽しくないよ……」

まどか「友達も家族も……何にもないこの世界で生きてたって……ただただ辛いだけだよ!」

まどか「こんな空っぽの世界で生きる意味なんて……! 何にも無いよ!!!」

ゴテンクス「だから……死ぬの?」

まどか「そう……だからゴテンクスくん、君をほむらちゃんの世界へ送った後……」

まどか「私は自分でソウルジェムを砕いて……死ぬつもり」

ゴテンクス「そっか………」
















ゴテンクス「………俺は嫌だな、まどかお姉ちゃんが死ぬのは」ピカー





まどか「………え?」




子供とは、無垢で……時に生意気な存在である





今日の夕方か夜頃、また更新します


その瞬間、ゴテンクスから眩い光が漏れ始めた

まどか「な、何!? 眩しい……っ!」

辺り周辺はその眩い光に一瞬で包まれ、まどかが目を開けた次の瞬間……

まどか「…………………なっ」

ワルプルギスによって滅茶苦茶にされた見滝原が……

全て元通りに戻っていた

さらに……

モブ「………あ、あれ?」ムクッ

モブ2「俺……何で地面に倒れてんだ?」ムクリ

ワルプルギスの魔の手に掛り、死亡した人々も同時に蘇っていた

この瞬間、ワルプルギスによって破壊された街や殺された人々が

息を吹き返したのである

当然見滝原だけじゃなく、あの街でも……


― 風見野市 ―


???「……んぁ」パチ

???「……? あれっ、あたし……何で地面に寝っ転がってるんだ………?」

???「えーっと……えーっと………」

???「っ!?」ガバッ

???「そうだ……! 確かあたしは……あの馬鹿デカい魔女にやられて………」

???「な、何が起こりやがった……!? 何で生き返って……」キョロキョロ

< おー! 生き返れたぞー!

< 何でか知らんがやったー!

???「ど、どうやら生き返ったのはあたしだけじゃないみたいだな……」

???「あいつに破壊された街まで元に戻ってやがる……いったい何がどうなって……」グウウウウウウウ

???「…………………」

???「とりあえず……飯でも食うか」


ワイワイ ガヤガヤ

ゴテンクス「へへっ、やっぱりまどかお姉ちゃん達の街はこうでなくっちゃ!」

まどか「こ、これはいったい………何であんなに荒れ果てた見滝原が……一瞬で元通りに………」

まどか「それだけじゃない……そこら中に突然現れた人々は………」

ゴテンクス「一年半前……ワルプルギスによって破壊された物はぜーんぶ元通りに戻ったよ」

ゴテンクス「当然、ワルプルギスによって命を奪われた人達もね!」

ゴテンクス「何か人間を「物」ってカウントされるのがムカつくけど……まあ結果オーライだよね」

まどか「ゴテンクスくん……もしかして…………」

ゴテンクス「うん、使っちゃった……神龍の力」

まどか「な、何で……! 何で使っちゃったの!? ゴテンクスくんの馬鹿! 馬鹿! 馬鹿ぁ!」

ゴテンクス「そ、そんな馬鹿馬鹿言わなくても………」シュン

まどか「大事な神龍の力は……ほむらちゃんの為に使うべきだったのに!!」

まどか「どうして!? どうして私なんかの世界で貴重な神龍の願いを使ったりなんてしたの!?」

ゴテンクス「ど、どうしてって……」

ゴテンクス「そんなの……まどかお姉ちゃんを見捨てるような事をしたくなかったからに決まってるじゃん……」

まどか「だから……! あれは私が自分で決めたことで……!」


ゴテンクス「それにさ」

まどか「……」

ゴテンクス「まどかお姉ちゃんの命と引き換えに……俺がほむらお姉ちゃんの所に行ったって……」

ゴテンクス「何て言うか……ほむらお姉ちゃん、素直に喜べないと思うんだ」

まどか「……!」


ゴテンクス「まどかお姉ちゃんが誰よりもほむらお姉ちゃんの幸せを願ってるのと同じでさ」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんだって……きっと誰よりもまどかお姉ちゃんの幸せを……願ってると思う」

ゴテンクス「だから……まどかお姉ちゃんがほむらお姉ちゃんの幸せの為に死ぬなんて……」

ゴテンクス「絶対……何かおかしいよ」

ゴテンクス「それにまどかお姉ちゃんが俺をほむらお姉ちゃんがいる世界へ送る為だけに死ぬだなんて……俺、絶対嫌だし」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃんだって絶対そんな事望んでないはずだから…………だから………」

ゴテンクス「……幸せになってよ、まどかお姉ちゃん」

ゴテンクス「死にたいだなんて……悲しい事言わないでよ」

まどか「ゴテンクスくん……」


< まどかー!!

< 鹿目さーん!!

まどか「……!! この……声は…………」

ゴテンクス「へへっ……みんな生き返った後、見当たらないまどかお姉ちゃんの事が心配になって必死に探してたみたいだね」

まどか「だ、駄目……駄目だよ………」

まどか「この声を……この声を聞いたら……死ぬって決心が……ヒグッ………」

まどか「魔法少女になるって……決心が……揺らい……じゃうよ………」


ゴテンクス「いいんじゃない? 揺らいだってさ」

ゴテンクス「お前もそう思うよな? キュゥーべえー」

QB「僕的にはさっさと契約してさっさと魔女化してさっさとエネルギーになって欲しかったんだけどね」

ゴテンクス「………ほんっとぶれない奴だなぁ、お前」

< い、いた……! 鹿目さーん!!! 

< まどかーーーー!! まどかあああああああ!!!

まどか「うっ、グスッ………マ……ママぁ……パパぁ………」

まどか「さやが……ぢゃん………マミ……ざぁん………」

まどか「みんなああああああああああああああああああああ!!!」ダッ





まどがぁー! 何かあだし生き返れだよぉぉ! うわああああん!! 


鹿目さん……! 鹿目さん……! 


まろかー! まろかー!


神様ってのに……今回ばっかりは感謝しないとね……


そうだね……





大事な人たちと抱き合うまどか

まどかは泣いた、一年半の間、溜めた物を全部出さんとする勢いで思いっきり泣いた

しかし、泣きながらもその顔は……さっきまでの絶望に満ちた表情とは裏腹に

希望に満ち溢れた嬉しそうな表情だったのを

ゴテンクスは見ていた

その表情を見て、自分の行いが正解であったと確信するゴテンクス


ゴテンクス(へへっ……良かったね、まどかお姉ちゃん)

ゴテンクス(今度は絶対……幸せになれるよ)

ゴテンクス(その為には……)

ゴテンクス「あいつが……邪魔だ……!! 結構離れてるけどすぐ分かるぞ……! この邪悪な気……!!」

ゴテンクス「二度とこんな事が起こせないよう……! 俺がぶっ倒してやる!!」

ゴテンクス「待ってろよ……! すぐ行くからな!!」ゴオオオオオオオオオ

ゴテンクス(まどかお姉ちゃん……みんな………元気でね!)

見滝原を後にし、邪悪な気目がけて超特急で空を飛んで行くゴテンクス

その邪悪な気とはもちろん……


ワルプルギス「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

そう、ワルプルギスの夜である

ゴテンクス「着いた! こいつワルプルギスの夜……でっかいな……」

ゴテンクス「こいつが……まどかお姉ちゃんを……そして見滝原をあんな目に……」

ゴテンクス「そう考えたら、こいつに対して……すっごく怒りが沸いて来たぞ………」ギリッ

ワルプルギス「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

ゴテンクス「笑ってる……俺なんて余裕だって言いたいのか?」

ゴテンクス「……へっ、それはこっちのセリフだ!」

ゴテンクス「俺がいない間にこの世界で暴れられた借りは……」ゴゴゴゴゴゴ

超ゴテンクス「きっちり返させてもらうぜええええええ!!! ワルプルギスの夜うううううううう!!!」シュインシュイン

ワルプルギス「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

―――
――


ほむら「っ!」ガバッ

ほむら「………また、駄目だった」

ほむら「何度やっても……何度やっても……あいつを……ワルプルギスの夜を倒せない……!」

ほむら「でも……! だからと言って諦める訳には……」

ほむら「まどかを……あの子を魔法少女にさせる訳には……いかない……!」

ほむら「でもどうすれば……どうすれば……あいつを倒せるの?」

ほむら「どんなに作戦を練っても駄目……魔法少女4人で力を合わせても駄目……!」

ほむら「いったい……どうすれば……どうすればいいのよ……!」

ほむら「誰か教えて……! お願いよ……! 誰か……!」

ほむら「誰か……助けて…………」


その時、突然ほむらがいる病室に光が溢れ出した

ピカーーーーーーーーーーーー

ほむら「な、何!? この光は……! くうっ……!」

シュウウウウウウン

ほむら「…………お、収まった? 今の光はいったい………」

???「……」スタッ

ほむら「そ、そこに誰かいるの? 目が眩んで……よく見えない……」ゴシゴシ

ほむら「やっと見えるように…………って……あ、あなたは……!」

ゴテンクス「俺だよ!! ほむらお姉ちゃん!!」バーーーン

ほむら「ゴ、ゴテンクスくん!?」

今日はここまで


ゴテンクス「よしよし、しっかりほむらお姉ちゃんの所に来れたぞ……やっぱ神龍ってすっげえ……」

ほむら「あ、貴方……どうして私の病室に……?」

ゴテンクス「訳は後で話すよ……それよりまずは……ほむらお姉ちゃんに言いたい事があるんだ」

ほむら「私に……言いたい事? それって……」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃん……ごめんなさいっ…………!!」ガバッ

そう言って額を地面に叩きつける付けるゴテンクス

ゴンッ、と鈍くて何とも痛そうな音が病室に響いた

その格好は正しく、ジャパニーズ土下座である

おっと、そこの額を地面に叩きつけたら病院が壊れるんじゃないかと思ってるキミ

大丈夫、公園の一軒で色々学んだゴテンクスは無意識に力をセーブしているから

病院が壊れることはないのだ 安心してくれ


ほむら「!?」

ゴテンクス「ワルプルギスの夜は俺が倒すって約束したのに……それなのに………」

ゴテンクス「約束破って……ごめんなさい……っ!」

ほむら「ゴテンクスくん……」

ゴテンクス「見滝原を……一緒に守れなくて………! 本当にごめんなさい……っ!」

ゴテンクス「今度こそ……今度こそほむらお姉ちゃん達が住む見滝原は! 俺がこの手で守って見せるから……!」

ゴテンクス「だから……だから………」

ほむら「……顔を上げて、ゴテンクスくん」

ゴテンクス「……」

ほむら「状況が掴めてないからよく分からないけれど……これだけは言えるわ」

ほむら「ゴテンクスくん、私は……貴方を恨んでなんかいない」


ゴテンクス「で、でも! 俺はほむらお姉ちゃんとの約束を……!」

ほむら「確かにゴテンクスくんはワルプルギスとの戦いまでに帰って来ず……私との約束を破った」

ゴテンクス「……っ」

ほむら「でも……」

ほむら「どうやって来たかは分からないけど……こうしてゴテンクスくんは……また私の前に現れてくれたじゃない」

ほむら「それだけで……私は充分に嬉しいわ」

ゴテンクス「……!」

ほむら「私って無表情だから……あんまり感情が顔に出ないのだけれど……」

ほむら「ほら、私……笑ってるでしょ?」ニコッ

ほむら「今……あなたが来てくれて……本当に嬉しいのよ? それも泣いちゃいたいくらいに……」

ほむら「だからそんな暗い顔しないで……ね?」

ゴテンクス「……ありがとう、ほむらお姉ちゃん」

ほむら「こちらこそよ、ゴテンクスくん……」


―――
――


ほむら「それより、いったいどうして……いきなり私の病室に現れたの?」

ゴテンクス「そ、それは……えーっと……」

ゴテンクス(神龍の願いを勝手に2つも使ったこと……やっぱり怒られるかなあ………)

ほむら「もしかして言いたくない事なの? なら無理には……」

ゴテンクス「いや、言う! 言うよ!」

ほむら「そう、じゃあ話してくれるかしら……ゴテンクスくんがどうやってこの病室に来たのかを」

ほむら「そして、ワルプルギスとの決戦までに戻って来れなかった理由を……ね」

ゴテンクス「うん、長くなるんだけど……実はね…………」


それからゴテンクスは話した

元の世界で集めたドラゴンボールの事

まどかの世界で

そしてほむらがいる世界に来るために

3つあった神龍の願いのうち、2つを使ってしまった事

自分とほむらの世界では時間の流れに差がある事

全てを洗いざらい話した


ほむら「そうだったの……」

ほむら(マミ……本当にあの時、貴方が私たちに語った推測通りだったわ……)

ほむら(でもまさか……本当に時間の流れに差があるだなんて……)

ゴテンクス「本当にごめん、ほむらお姉ちゃん……神龍の願い、2つも使っちゃって」

ほむら「いいのよ、あの子の幸せが……私の願いでもあるから」

ほむら「逆にお礼を言わせてもらうわ……あの子を私の代わりに救ってくれて……本当にありがとう」

ゴテンクス「いやあ……えへへ……何か照れちゃうな………」

ほむら(まどか……貴方を救うと言っておきながら……辛い目に遭わせてしまったわね……)

ほむら(挙句の果てに……貴方を誰もいない世界で……一人ぼっちにさせてしまった……)

ほむら(ごめんなさいまどか……この償いは……ワルプルギスを倒して……絶対に果たして見せるから……)


―――
――


ほむら「叶えられる願い事は後一つ……ゴテンクスくん、そういえば例の仙豆はあるのかしら」

ゴテンクス「もちろん! 持ってきたよ!」

ゴテンクス「えっと……はいっ、これが仙豆だよ」

ほむら「これが……仙豆………」

ほむら(本当にどこからどうみてもただの豆ね……)

ほむら(こんな豆に怪我を何でも治す力があるなんて……にわかには信じがたいけど……)

ほむら(神龍の願いがあるくらいだし……仙豆って言うのも……きっと嘘じゃないのよね)

ほむら「じゃあこれらの要素を考慮して今するべき最善の願い事を……そしてこれからの行動を……一緒に考えましょうか」

ゴテンクス「うん!」

ほむら(まどか……今度こそあなたを絶望の淵から救って見せるわ……)

ほむら(今度は私一人じゃなくて……ゴテンクスくんと一緒にね……!)


―――
――


知久「それじゃまどか、僕とママは家の様子を見てくるから」

詢子「まどかはお友達と一緒にちょっとそこで待ってな」

詢子「まあ辺りの様子を見る限り大丈夫だとは思うけどさ……っと、タツヤ、あんまり暴れないでくれよ……」

タツヤ「まろかーまろかー」

まどか「うん、分かった!」

詢子「それじゃ、なるべく早く戻ってくるようにするから」タッタッタ

まどか「気を付けてねー!」


さやか「それにしてもさ……何であたし達、生き返れたんだろ? 何か街まで元に戻ってるし……」

さやか「ハッ……! ま、まどか……あんたひょっとしてキュゥべえと契約を……!?」

マミ「え!? そうなの鹿目さん……!?」

まどか「ち、違うよ! 契約なんてしてないよ!」

さやか「じゃあ何だって言うのさ! この超フシギ現象の正体は!」

まどか「ゴテンクスくんが……神龍の力を使ってくれたんだよ」

マミ「神龍の……力……………」

さやか「……しぇ、神龍!? これが!? す……すっごい………」

マミ「本当にすごいの一言だわ……こんなんじゃキュゥべえと契約したのが馬鹿らしくなっちゃうわね……」

さやか「ところでまどか、その肝心のゴテンクスはどこにいるの? さっきから姿がまるっきり見当たらないけどさ」


まどか「って、あれっ……!? いない!? さっきまであそこに……!」

QB「ゴテンクスなら多分、もうこの世界にはいないと思うよ、さっきどこかへ飛び去って行く姿が見えたからね」ピョコン

QB「神龍の願いでほむらの所にでも行ったんじゃないかな」

さやか「で、出やがったな……!」

マミ「キュゥべえ……!」

QB「やあ二人とも、生き返れたようで何よりだ」

さやか「へっ、どうせ……これで今度こそ魔女化した時にエネルギー回収ができるぞー!」

さやか「とか考えてるんでしょ、アンタは」

QB「まさか、そんな卑劣な事は考えてないさ」

QB「そもそも君らから取れるエネルギーなんてたかが知れてるし、そんな考えには至らない」

さやか「ホント、人をムカつかせるプロだよ……アンタは」

まどか(そっか……ゴテンクスくん、もう行っちゃったんだ………)

訂正

まどか「えっと、あそこにいる……」

まどか「って、あれっ……!? いない!? さっきまであそこに……!」

QB「ゴテンクスなら多分、もうこの世界にはいないと思うよ、さっきどこかへ飛び去って行く姿が見えたからね」ピョコン

QB「神龍の願いでほむらの所にでも行ったんじゃないかな」

さやか「で、出やがったな……!」

マミ「キュゥべえ……!」

QB「やあ二人とも、生き返れたようで何よりだ」

さやか「へっ、どうせ……これで今度こそ魔女化した時にエネルギー回収ができるぞー!」

さやか「とか考えてるんでしょ、アンタは」

QB「まさか、そんな卑劣な事は考えてないさ」

QB「そもそも君らから取れるエネルギーなんてたかが知れてるし、そんな考えには至らない」

さやか「ホント、人をムカつかせるプロだよ……アンタは」

まどか(そっか……ゴテンクスくん、もう行っちゃったんだ………)


QB「やれやれ、偉く嫌われたもんだね」

さやか「逆によく自分が嫌われてないと思えるよね……あれだけの事をしておいてさ」

QB「僕的には何がひどい事なのかがよく分からないのだけど」

さやか「ハイハイもういいよ、それにしてもゴテンクスの奴……ほむらの所に行ったって……」

マミ「死んでいたからか……色々と理解が追いついてないわ………」

まどか「落ち着いたら後で私が全て説明しますよ……話すと長くなりますし」

さやか「うん、分かった……」

マミ「よ、よろしくね? 鹿目……さん」

まどか「はい! 任せてください!」ニコッ


さやか(まどかの奴……あたしが死んでる間に大きくなったなあ……まどかのパパとママも困惑してたし……)

さやか(まあそりゃ当然か……あたし達が死んでた間にも時間は流れてたんだし……)

さやか(背も……あそこもあたしよりちょっと大きくなってるし……何か置いて行かれた気分……)

マミ(これじゃあ……もう先輩面はできないわね……年の事を考えると……もう同級生だし……)

マミ(何か鹿目さんの事、さん付けではもう呼びづらいわ………呼び捨てで呼ぶべきなのかしら………)

まどか(二人とも……生き返ってやっぱり色々思う所があるんだろうな……)


QB「あっ、そうだ……君らにとって嬉しいニュースが入ったから教えてあげるよ」

マミ「ニュース?」ピクッ

さやか「何だよ? そのニュースって……まああんたの事だからどうせろくでもない……」

QB「ワルプルギスの夜が……ゴテンクスによってあっという間に倒されたみたいだよ」

マミ「……えっ」

さやか「ニュースなんだろ…………………って、えええええええええええええ!?」

さやか「ワ、ワルプルギスをあいつが……!?」

まどか「………………!!」


QB「ああそうさ……全く、ほむらの世界へ行く前に余計な事をしてくれたよ……」

QB「ワルプルギスはまどかを魔法少女にさせる大きな要素だったって言うのに……全く残念でならな、ぎゅぶっ!」

さやか「ヤバッ、ウザすぎて踏んじゃったよ! ゴメンネ~キュゥべえ~」

QB「全く、いきなり踏むだなんてひどい事をするね」ヌッ

さやか「ストレス解消には持って来いだと思うよ、アンタは」

QB「返答に困るね」


マミ「ワルプルギスの夜を……ゴテンクスくんが………」

さやか「ハハハハッ……あいつにはとてつもなくでっかい借りができちゃったなあ」

さやか「もうどうやっても返しようがないくらい……でっかい借りが……」

QB「だがワルプルギスがいなくなった所で、指輪をしてる所を見ると君たちは魔法少女のままだし」

QB「ワルプルギス以外の魔女は未だ健在だ、それだけは忘れないで欲しいんだけどね」

さやか「フン、ゴテンクスがくれたこの命……絶対に無駄になんかしない、魔女や絶望なんかに……絶対負けるもんか」

マミ「私も美樹さんと同じよ、キュゥべえ……」

マミ「もう私たちからエネルギーを取るのは諦めた方がいいんじゃない?」

QB「さて、どうだかね……」

マミ「よし! 美樹さん、今日から特訓よ! いつワルプルギスのような魔女が来てもいいように!」

さやか「はい! よろしくお願いします! マミさん!」

マミ(今ならあの子とも……話せる気がする、明日にでも風見野へ行ってみようかしら……)


まどか「………………」

まどか(ゴテンクスくん……私、ゴテンクスくんの事……絶対に忘れない)

まどか(私がお婆ちゃんになっても……例え死んじゃって魂だけになったとしても……)

まどか(ゴテンクスくんの事は……絶対に……絶対に忘れないよ)

まどか(ありがとう、ゴテンクスくん………)

まどか(私の代わりにほむらちゃんの事……よろしくね)

まどか(これから色々な困難が待ってると思うけど……)

まどか(私も……絶対に幸せになるから)

まどか(幸せに……なって見せるから……)

まどか(さよなら……ゴテンクスくん……………)


―――
――


ほむら「それじゃあ行くわよ、ゴテンクスくん」

ゴテンクス「ええええええっ!? 今さっきこの世界に来たばっかりなのにもう行動開始!? 俺ちょっと疲れてて……」

ほむら「ダメよ、今行動しないとあいつの思うツボ、こういうのは先に行動したもん勝ちなのよ」

ゴテンクス「ほむらお姉ちゃん入院……」

ほむら「大丈夫、心臓の病気は魔法少女になって身体への負担が無くなったから心配には及ばないわ」

ゴテンクス「視力……」

ほむら「すでに前のループで視力は治してあるわ、だから……このメガネはもう必要ないの」カタン

ほむら「さあ、行くわよ! あいつが動き出す前に先手を打たなくちゃ!」

ゴテンクス「分かった……分かったよ! よーーーーーーーーーし!!!!!」



















ゴテンクス「見滝原の平和は…この俺が守ってやるぜ!」












    









       


























   
  



―――――
――――
―――
――


ゴテンクス「これで終わりだ! ワルプルギスの夜!!」ポーヒー

ワルプルギス「」ドカーン

ワルプルギス「」パラパラ

ほむら「ワルプルギスの夜が……散って行く……」

杏子「や、やったぞ! 空が!! 空が晴れた!」

マミ「倒したのね……ワルプルギスの夜を……!」

ほむら「忌々しい呪いの連鎖が……私の戦いが……まどかを守る為の戦いが……」

ほむら「ついに……終わったのね」


杏子「やったなほむら!! これでまどかの奴も平和に暮らせるぞ!!」

マミ「良かったわね! 暁美さん!」

ほむら「ええ……!! 本当に……本当に良かった……っ!!」

ゴテンクス「……………」

ゴテンクス「……………………………………………」

ゴテンクス「………………………………………………………終わった」ボソッ

杏子「ゴテンクス! お前やっぱりすげえな! あのワルプルギスを圧倒するだなんてさ!」ダキッ

マミ「本当に助かったわ、私たちだけじゃどうなってたか……」

マミ「手伝ってくれて……本当にありがとう! ゴテンクスくん!」

ゴテンクス「…………あ、うん! ちゃんと倒せて良かったよ!」


杏子「へっへっへー! ほらっ! 頭撫でてやるよ! よーしよしよしよし!」ナデナデ

ゴテンクス「ちょ、ちょっと! 髪がグチャグチャになっちゃうよ!」

杏子「大丈夫大丈夫! 元からグッチャグチャだからさ!!」ナデナデ

ゴテンクス「もーっ! やーめーてーよー!」バタバタ

杏子「アッハッハッハ!」

マミ「ふふふっ」

ほむら「クスッ……」

ゴテンクス「ハハハハハハハハハハハハ!」

ゴテンクス「ハハハハハハハハハ…」

ゴテンクス「ハハ……」

ゴテンクス「………………………」

今日はここまで 一応次回の更新でやっと完結の予定です


―――
――


杏子「ほ、本当に帰っちゃうのかよ!」

ゴテンクス「うん、俺にだって帰るべき世界があるし……いつまでもここにはいられないよ」

ゴテンクス「ワルプルギスの夜を倒すって目的も……無事果たせたしね」

マミ「鹿目さんや美樹さんに会わなくていいの……? 二人共すごく会いたがると思うけど……」

ゴテンクス「いいんだ、会ったって別れが辛くなるだけだし……それなら会わないでさっさと帰った方がいいと思うんだ」

ゴテンクス「まどかお姉ちゃんとさやかには……三人から伝えといてよ、俺が帰ったってね」


マミ「そう………分かったわ……さようなら、ゴテンクスくん」

杏子「本当にお前には色々世話になった……ありがとな、ゴテンクス……」

ほむら「あなたの事……一生忘れないわ……! 本当にありがとう……! ゴテンクスくん……!」グスッ

ゴテンクス「俺もほむらお姉ちゃんやみんなの事……一生忘れないよ! それじゃ……」フワッ

ゴテンクス「それじゃあ……さよならっ!! 元気でね!!!」ゴオオオオオオ

そう言い残し、新幹線顔負けの凄まじい速度で空の彼方へ飛んで行くゴテンクス

どんどん遠くなっていくゴテンクスの姿をマミ、杏子、ほむらの3人はじっと見つめていた


杏子「行っちまったな、あいつ……」

マミ「そうね……」

ほむら「きっといつか……また………」

< ほむらちゃーん!! マミさーん!! 杏子ちゃーん!!

< みんなーー!! 生きてるーーー!?

杏子「おっ、喧しい奴らが来やがったな」

ほむら「まどか……! まどかーーーーー!!!」ダッ

杏子「ちょ、ほむら……! ったくあいつは……」

マミ「仕方ないわよ……鹿目さんを救う為の長かった戦いが……やっと終わったんだから………」

杏子「それもそうか………今までひとりぼっちで頑張って来たんだもんな」

マミ「ほんとに良かった……暁美さん………」

杏子「まっ、あたしがもうひとりぼっちにはさせないけどな」ボソッ

マミ「何か言った? 佐倉さん」

杏子「いや、何でもない……じゃ、あたしたちも行くか……あの喧しい奴らの所に」

マミ「……ええ! ただし……暁美さんみたいに走ってね!」ダッ

杏子「あっ、ちょ……ちょっと待ってくれよ! マミ! マミーーー!!」ダッ

こうして長い戦いを繰り広げて来た暁美ほむらにも、平穏な時が訪れた

朝起きて……学校に行って……友と談笑して……帰って宿題をして……

そんな穏やかで……平穏で……ありきたりな……普通の毎日

ようやく……ようやくほむらは、そんな普通の毎日を謳歌する事ができるのだ

ゴテンクスと言う、救世主のおかげで


ゴテンクス「…………」ビューン

一方ほむら達と別れたゴテンクスは次元の穴を開ける事をせず

ただなんとなく、空を飛んでいた

深い理由などは無かった

ただただ、今は空を飛んでいたい

そんな気分だった

ゴテンクス「途中で何か引っかかるなーって感覚は何度もあったんだよな……」ビューン

ゴテンクス「でも……それが何なのかは……馬鹿な俺にはよく分からなかった」ビューン

ゴテンクス「だけどあの日の夜……変な引っ掛かりは……ある一つの問題を俺に気付かせた」ピタッ

ゴテンクス「あの日…………」




ほむらお姉ちゃんの家で居候をさせてもらって……少し経った日の夜の事だ………




ほむら『ふう……サッパリしたわ……』ホカホカ

ゴテンクス『そこっ、ああっ! くっそぉ!』ピコピコ

ほむら『……そんなに面白いの? そのゲーム』

ゴテンクス『うん! こっちの……! 世界の……! ゲームも……!』ピコピコピコ

ゴテンクス『なかなか……! 面白い……よっ……!』ピコピコ

ゴテンクス『がああああああ!! 負けた……』ショボン

ゴテンクス『ハア……ほむらお姉ちゃんも一緒にやる?』

ほむら『私は遠慮しておくわ……そういうの、あんまり得意じゃないから……』


ゴテンクス『そっか……よし、じゃあもう一ゲームやるぞ……』ピコーン

ほむら『熱中しすぎて寝不足にならないようにね、もう遅い時間だから』

ゴテンクス『分かった……! よ……っと!』ピコピコ

ほむら『私は明日も学校があるから……先に寝させてもらうわね、おやすみ……ゴテンクスくん』スタスタ

ゴテンクス『おやすみっ! ほむらお姉ちゃん……!』ピコピコピコ

ほむら(私が学校に行ってる間、暇つぶしをしてもらう為に買ったけど……予想以上に好評みたいね)

ほむら(あんなに熱中するほど面白いなら……今度私もやってみようかしら……なんてね)



―――
――


ゴテンクス『ハア……勝てない、このボス強すぎだよ……こっちの世界のゲームは鬼難易度だなあ』

ゴテンクス『それにしてもあまり熱中するなって言われたのに随分熱中しちゃったぞ……今何時だ……?』チラッ

時計の短針は11時と12時の間を示していた

もうすぐ深夜になろうとしている

ゴテンクス『ゲッ……もうこんな時間か……』

ゴテンクス『いつもはママのせいで夜更かしができないから……ついつい遅くまでゲームしちゃったよ……』

ゴテンクス『こんな遅い時間になっちゃったし……もう寝よっ………』

ゴテンクス『…………………』










ゴテンクス『…………ん?』











ゴテンクス『こんな……遅い時間………?』


ドクン……


ゴテンクス『遅い時間…………遅い時間……………』


ドクンドクン……


ゴテンクス『遅い………………時間…………………』


ドクンドクンドクン……


ゴテンクス『……………………時間』


ドクンドクンドクンドクン………






そう呟き、自分の両手を見つめるゴテンクス


心臓の鼓動は、事の重大さに気づいていくたびに早くなって行く


ゴテンクス『ま、待てよ………そうだよ、おかしいよ………』プルプル


ゴテンクス『こんなの……絶対変じゃないか……』プルプル


ゴテンクス『何で……何で今まで気づかなかったんだ……? こんな大事なことに…………』プルプル


ゴテンクス『何で…………何で……………』プルプル



















ゴテンクス『何で……何でフュージョンが解けてないんだ…………』プルプル







ゴテンクス『そうだ! そうだよ! 俺は馬鹿か!? 何で今まで気づかなかったんだ!?』

ゴテンクス『さ、30分はとっくに経っているはず!』

ゴテンクス『いや、30分どころじゃないぞ……こっちの世界ではもう何日も経ってるし……!』

ゴテンクス『それなのに何で……何でフュージョンが解けてないんだよ……』

ゴテンクス『………………………』

ゴテンクス『………………………………』

ゴテンクス『………………………………………』

ゴテンクス『………………もしかして俺、何かやらかしちゃったのかな』サー


ゴテンクス『何か……フュージョンしてる時に……』

ゴテンクス『そのっ………何だ………………』

ゴテンクス『やってはいけない……ルールみたいなのを破っちゃって……』

ゴテンクス『それで……フュージョンが解けなくなったんじゃないか……?』

ゴテンクス『でも……そんなルールみたいなの……お父さんやピッコロさんは言ってなかったような………』

ゴテンクス『あ、今のお父さんってのは悟空さんの事だからね』


ゴテンクス『も、もしかして……一生このままなのか………?』

ゴテンクス『一生……ゴテンクスのまま……』

ゴテンクス『元の二人には戻れないのか……』

ゴテンクス『………………』

ゴテンクス『…………………グスッ』













『見滝原の平和は…この俺が守ってやるぜ!』










ゴテンクス『…………………』

ゴテンクス『関係………ない………』

ゴテンクス『そうだ、関係ないよ……』

ゴテンクス『例え一生元の二人に戻れなくなったとしても……』

ゴテンクス『今の俺には、そんな事関係ない』

ゴテンクス『今、元の二人になんて戻る必要はない………』

ゴテンクス『ほむらお姉ちゃんを……皆を……今度こそ助けるんだ』

ゴテンクス『俺が……今度こそ見滝原の平和を守るんだ』

ゴテンクス『今は二人に戻ることなんて考えちゃ駄目だ、今は……』

















ほむらお姉ちゃんやまどかお姉ちゃん達を助ける事だけを考えるんだ………


俺の事なんて……その後いくらでも考えればいいんだから………


今はその事だけを考えればいいんだ……





―――
――


ゴテンクス「そんなことを考えながら今日まで過ごして来た」

ゴテンクス「結局……今日まで俺が元の二人に戻ることはなかった」

ゴテンクス「原因は最後まで分からなかった、いったい何で……何でこんなことになっちゃったのか」

ゴテンクス「何で元の二人に……制限時間が過ぎても戻れないのか……」

ゴテンクス「ずーっと分からないままだったけど……」


ゴテンクス「ほむらお姉ちゃん達を……見滝原を………」

ゴテンクス「今度こそワルプルギスの魔の手から救うことができて……」

ゴテンクス「本当に……本当に良かった」

ゴテンクス「それだけは……本当に心の底から言える」

ゴテンクス「この気持ちを持って……元の世界に帰ろう」

ゴテンクス「この問題は……元の世界に帰ってから……ゆっくり考えるとしよう」

ゴテンクス「帰ろう……俺の……パパやママがいる世界に………」

超ゴテンクス「……………フン!」ゴオッ

超ゴテンクス(幸せになってね、みんな)

超ゴテンクス(さようなら…………)


その後次元の穴を通じて、元の世界へ帰ったゴテンクス

元の世界でも……結局ゴテンクスが元の二人に戻ることはなかった

何故戻らないのか、原因は何なのか

フュージョンを二人に教えた悟空やピッコロですら

その原因は分からなかった

界王様の力を借り、あの世にいるメタモル星人にも原因を訪ねてはみたが

結局、原因は分からずじまいだった

チチやブルマは泣いたと同時に、悟空とピッコロを激しく責めた

あのベジータですら、本当に悔しそうな表情を見せていた

しかしゴテンクスは、悲しそうな挙動を全く見せず、皆に明るく振る舞った

そのお蔭か、悟空やピッコロがそれ以上責められることはなかった


結局誰に聞いても戻らない原因が分からず、もはやお手上げ状態なので

藁にもすがる思いで神龍に尋ねることにした悟空たち

事情を聞いた神龍は、その原因をあくまで推測と断言して、静かに話し始めた

神龍「恐らくだが……原因はその次元の穴、とやらだろう」

神龍「次元を超えると言うのは……お前らが思う以上に……体に負荷を与える物だったのだ」

神龍「そんな事をフュージョン体と言う……普通の人間より不安定な状態で何度も何度も行った結果……」

神龍「その状態が、固定されてしまったのだ」

神龍「例えるならゴテンクス、お前は水だ」

神龍「そして次元の穴を通っての次元移動は絵具、と例えるとしよう……」

神龍「水は絵具を入れると……その絵具と同じ色となり………」

神龍「何らかの手を加えなければ……その水は二度と綺麗な水へ戻ることはない」


神龍「それと同じだ、ゴテンクス」

神龍「お前は次元移動と言う名の絵具を……水の中へ少しずつ……少しずつ……自らの手で入れていき……」

神龍「元へ戻らなくなったのだ」

神龍「幸い水は……ろ過と言う方法を人間が行うことによって……綺麗な水へと戻す事ができる、が」

神龍「ゴテンクス、お前にはその戻る方法がない」

神龍「もしかしたらあるのかもしれないが……どうすればいいのか、私には全く見当がつかない」

神龍「お前の力は強大過ぎて……私の願いの力も通用しないからな………」

神龍「もし1~2回程度の次元移動なら……フュージョンの解ける時間が長くなるだけで……元に戻れたかもしれんが……」

神龍「何日も経って元に戻れないのなら……非情な事を言うが……その姿のまま生き続けるしかないだろう」

神龍「それと、私の今言ったことは全て推測にすぎん、あまり深くとらえないようにな」



神龍の言ったことはあくまで推測

しかしゴテンクスは、その推測を信じた

信じるしかなかった

それくらいしか思い当たる節が無かった

まさか自分が元の二人に戻れない原因が

何度も次元を超えた事だったなんて……

全て、自分の自業自得だったなんて……

信じたくはないが、受け入れるしかなかった




ゴテンクス(次元を超えたのが原因って……何だよそれ)



ゴテンクス(俺とほむらお姉ちゃん達が出会うのは……間違いだって言うのか?)



ゴテンクス(俺が……ほむらお姉ちゃん達を助けたのは……間違いだって言うのか……?)



ゴテンクス(ほむらお姉ちゃん達が幸せになるのは……間違いだって言うのか……?)



ゴテンクス(ほむらお姉ちゃん達は……ワルプルギスに殺されるのが正しい結末だって言うのか……?)



ゴテンクス(そんなの……そんなの絶対に違う……っ! 俺は間違ってないはずだ………っ!)


ゴテンクス(ほむらお姉ちゃん達が幸せになっちゃいけないだなんて絶対におかしい……そんなの間違ってる……っ!)



ゴテンクス(そうだ……! いいんだよ、これで………!)



ゴテンクス(ほむらお姉ちゃんやまどかお姉ちゃん達が幸せになってくれるなら……)



ゴテンクス(みんなで笑って……毎日を幸せに……平和に暮らせるのなら……)



ゴテンクス(俺がどうなろうと……別にいいじゃないか……)



ゴテンクス(そうだ! そうだよ!!)


ゴテンクス(見滝原の平和は…守られたじゃないか!)



ゴテンクス(ワルプルギスの魔の手から……!) 



ゴテンクス(見滝原を……守る事ができたじゃないか……っ!)




ゴテンクス(そうだ、何も元の二人に戻らないからって……死ぬわけじゃない……)




ゴテンクス(そう、死ぬわけじゃないんだ……)



ゴテンクス(いいさ……これがほむらお姉ちゃん達、見滝原の人達が幸せになる為の対価だっていうのなら……)




















ゴテンクス「俺が背負ってやる……死ぬまで一生……………!!」







その後、ゴテンクスは最期まで元の二人に戻ることはなかった

孫悟天とトランクスと言う人物は消滅し

ゴテンクスと言う人物に生まれ変わったのだ

生きていく上でゴテンクスは一切弱音を吐かなかった

仲間たちが辛くないのか? 大丈夫か? と心配しても

戻れない事を悔しがったり、悲しんだりは一切しなかった

まるで二人に戻らないのが"当然"であるかのように

誰に対しても、笑顔で明るく振る舞っていたと言う



本当に……これで良かったのだろうか?


こうならなければならなかったのだろうか?


暁美ほむらとゴテンクスは


出会ってはいけなかったのだろうか?


出会うべきではなかったのだろうか?



幸せとは対価を払わなければ




手に入れられない物なのだろうか?





その答えは………誰にも分からない





ただ一つ言える事は……





"見滝原の平和は守られた"





と言うことだけだ





ゴテンクス「見滝原の平和は…この俺が守ってやるぜ!」


―おわり―

何とか1年経つ前に終わらせることができた
完結までに時間が掛かって本当にすまんかった……
計画性がいくらなんでも無さ過ぎた 反省反省

突っ込み所もたくさんあると思うけどSSって事で目をつぶってね……

それじゃ、またどこかで会いましょう

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月22日 (日) 14:55:20   ID: NRptE4Jo

続きが気になる!

2 :  SS好きの774さん   2015年03月03日 (火) 03:30:00   ID: sBVxvXFD

コメントテスト

3 :  SS好きの774さん   2015年03月16日 (月) 23:37:55   ID: wLpOGIOR

楽しみです!!

4 :  SS好きの774さん   2015年04月03日 (金) 12:00:52   ID: BIb4GGYn

早くー楽しみ

5 :  SS好きの774さん   2016年06月01日 (水) 01:16:09   ID: pL-r4lIN

30分ルールはどうした

6 :  SS好きの774さん   2016年06月01日 (水) 02:07:50   ID: pL-r4lIN

と思ったら次元移動云々というのが原因と持ち出してきたか

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