次男「犬探し?」(78)
御曹司「待った?」
長男「大丈夫。最近早いな」
御曹司「うん、早起き。日課になってる」
長男「それは、良い。継続なさいませ」
御曹司「ごめんあそばせ」
男子「断ってるじゃねぇか」
御曹司「あ、おはよー」
男子「うるせ。バカ」
御曹司「照れ隠しだ」ヒソヒソ
長男「需要ないー」ヒソヒソ
男子「聞こえてんだよ!」
御曹司「友達になってください」除くへんです
http://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1902530.html
*除くへんです
○続編
半年前
男子「え、友達?」
御曹司「うん」
男子「はっ だ 誰が友達になんか」
御曹司「・・・そっか」
男子「ああ、もう ... ...分かったよ」スッ
御曹司「?」
男子「仲直り兼友達の証」
御曹司「どうも」パシッ
男子「悪かった」
御曹司「いいよ」ニコッ
現代に戻る
男子「遂に三男は... ...小一か?」
男子「うん。だから、部長の約束を守らないと」
女担任「服装は正して、登校しろーッ!」
御曹司「部長?」
長男「うん。約束あってね。と言っても、同い歳だけどさ」
長男「うわー、男子捕まってる」
昼間
男子「いつもの定食が売り切れ... ...」
長男「バチ当たったんだよ」
男子「やるせねぇ」
ドン
長男「あ、すまん... ...って、部長君じゃん」
部長「おぉ、長男。小耳に挟んだぞ」
部長「いつでも大歓迎! それよりも」ガシッ
御曹司「えっ な、何ですか」
部長「君主、剣道部に興味は、あるか」
男子(君主....)
長男(くんしゅ....)
部長「長男の友達だろ?」
御曹司「はい!」
部長「話は聞いてるか?」
長男「言った」
御曹司「でも、運動部は...」
長男(友達を作れるキッカケに、なるか)
長男「やりなよ。俺もいるから大丈夫」
御曹司「なら、見学だけ」
部長「では、放課後に」
\ヤー、メーン!! メン!! メン!! メン!! メン!! メン!! メン!! メン!! メン!! メーン!!/
長男「おぉ、変わらず迫力ある」
御曹司(長男は剣道経験者だった。けれど、次男がグレて約束を破るようになり、こんな自体に陥ったのだと)
御曹司「聞き知っただけ、だけど」
長男「何がー?」
御曹司「うんうん、何でもね」
部長「防具は定位置にある。磨いてたぞ」
長男「悪いな、恩は返す」
部長「そうしてくれ」
部長「ほら御曹司も竹刀持った、持った」
御曹司「え、わっ ちょ」
部長「声が、小さい!!」
御曹司(何で、こんな事に)
・・・
メイド「こうして剣道部員になりました。なし崩し的ですが」
御曹司「ハァ... ... ハァ... ...」タッタッタッ
同級生「早く走らないと、また言われるぞ」
同級生2「マジだるい」
御曹司(剣道関係ないじゃん。クソッ)
同級生「後輩はえー」
御曹司(俺は、何で下級生と走ってるんだ)チクッ
御曹司(何で剣道を始めようと、したんだ)モヤモヤ
御曹司(この感じ嫌だ)イライラ
御曹司(剣道やめたい)
部長「良し、中に入れ。お疲れ様だ」
御曹司「お、おれ。な、んで走って」ゼェゼェ
部長「何事も、基本からと言うだろ。高校生、最後の夏だ。やる事は、やる」
御曹司(飲料... ... 水くれ)
御曹司「一 二 三」ブンブン
御曹司(隅で竹刀を振るだけ、楽しくない)
長男「めーん!!」
御曹司(嗚呼、剣道を半端で、辞退すれば、長男は)
御曹司(幻滅する、か)
御曹司(長男は楽しいだろな。俺は、楽しめない。な)
「「お疲れ様でした」」
長男「よし、帰るか」
御曹司(楽しくなかったよな)
長男「楽しかったな!」
御曹司「うん」ニコッ
メイド「おかえりなさいませ」
御曹司「帰った」バサッ
メイド「倒れ込むなんて、珍しいですね。どうかなさいました?」
御曹司「何もなー・・・」グーッ
メイド「・・・」
プルルル
長男「はいはい、久々ですね。メイドさん」
メイド「お話があります」
メイド「剣道ですか」
長男「友達を作れる機会に、なるかな。と」
メイド「成程、分かりました。たった今、倒れ込まれたので、心配になり」
長男「疲労ですよ」アハハ
メイド「そうですか、それではお切りします」
メイド(互いに、空回り。ですね)
今更ですけど前作は変な文章なので、ここで説明致します。
と言っても『御曹司』『長男』『男子』の三人は友達だと思ってもらえれば良いです。
御曹司「ふぁ... ... あ、寝落ちか」
メイド「おはようございます」
メイド(すっかり、スマホを眺める癖が、着いてますね)
御曹司「先に入浴する。学校へ遅刻すると、伝えてくれ」
メイド「かしこまりました」
メイド「・・・ぼっちゃん。少し聞き知る程度でよろしいのですが、道は一つではありません。それだけです」
御曹司「フジファブリック、か?」
メイド「違います、ではまた」パタン
御曹司(道とは何を述べたいのだろう。難解だ)
御曹司(それより部活があるのは、避けられない。逃亡すれば嫌われるのは、必然。人間関係は難しい)
御曹司(日頃、笑える毎日が憂鬱だ)ドヨーン
御曹司(目の前が、暗い)
オハヨー オハヨー
長男「おはよう遅刻マン」
御曹司「遅刻マン参上」
男子「・・・」
長男「?」
部長「早く走れッ!!」バシ
御曹司「頭痛っ...」フラッ
バタン
同級生「お、おい。御曹司、どうした!おい!」
御曹司(あー、なんか心配されて... ...る人が、いる。あぁ、俺か)
長男「ひ弱な奴だとは思わなかった」
御曹司「え、そんな。待ってよ」
長男「さよなら。もう、会わないよ」
御曹司「そんな、一人にしないで!!」ガバッ
御曹司「ーーーはっ、夢か」
長男「おう、起きたか」
御曹司「長男か」
御曹司「部活は?」
長男「休憩中。今日は、帰りな」
長男『さよなら』ユメノナカー
御曹司「はっ そ、そんな。待ってよ」
長男「なに、今詰めることはない。ゆっくり休み、明日顔を出せばいい」
御曹司「え、うん。分かった」
御曹司(嫌われてる、わけじゃ無かったのか)
長男(俺も、メイドに呼び出し食らってるしな)
長男「部活終わりました」
メイド「お疲れ様です」
長男「熱いですね。夏の入り、だからでしょうか」
メイド「そうでしょう。どうぞ、喉を潤してください。」
長男「有り難うございます」ゴクゴク
メイド「それで、近況をお話頂きたいです」
長男「いいですよ」
メイド「オーバーワークですか」
長男「すいません」
メイド「いえ、構いません。このまま様子を見ます」
長男「もう帰られるんですか」
メイド「えぇ。但し、友達は辞めてあげないで、ください」
長男「当たり前です」
メイド「それが聞けて良かったです」
メイド「いい朝ですね」
御曹司「んんっ、もうちょっと... ...」
メイド「駄目です」
御曹司「メイドはケチ」
メイド「お褒めに預かり光栄です」
御曹司「馬鹿馬鹿しい。飯を食べる」
御曹司「行ってきます」バタン
御曹司「遅刻しました」ガラッ
長男「おは」
男子「・・・」
御曹司「飯は美味い!」
御曹司「学校終わった」
御曹司「めーん!!」シュッシュッ
男子「すいませーん」コンコン
御曹司「あれ、男子?」
部長「それは困る」
男子「御曹司ーィ!」
御曹司「はい」タタタッ
男子「一緒帰ろうぜ」
御曹司「あれ、約束してたっけ」クビカシゲ
男子「友達だろー?」
御曹司「トモダチ...。うん、してた!」
男子「じゃー、今日は借りる」フリフリ
部長「あ。おい!」
同級生「御曹司なら、別いいんじゃない」
部長「・・・」
男子「褒めろ」テクテク
御曹司「助かる」テクテク
男子「まあ、いいや」テクテク
御曹司「どっか寄る?」
男子「ああ。寄るね、広い個室さ」ビシッ
男子「ちょっと歩く」
御曹司「カラオケ?」
男子「ああ。お前、最近溜め込んでたし、発散してやろてな」
御曹司「有難う」
男子「ついてから言いな」
ーー
ー
男子「ここだ」ガチャ
モブ1「遅いー」
モブ2「結構歌っちゃった」
御曹司「・・・」
男子「泣いてんじゃねぇよ」ヒソヒソ
御曹司「夕方、5時のチャイムがー♪」
モブ1「声が綺麗だね」
モブ2「聞いたことある」
御曹司(あ、やべ。こっちの方が楽しい)
メイド「それから、というものの」
御曹司「男子、行こうぜ」
メイド「坊っちゃんは、堕落していきました」
男子「お、おい。剣道、いいのか?」
御曹司「いいの。いいの」
土日
メイド「最近、坊っちゃんが来ない?」カラン
長男「えぇ、そうなんです。知らないですか?」
メイド「満足げなので、楽しんでるものかと思ってました」ジュー
長男「... ...剣道嫌いだったのかな」
メイド「そうでは無いでしょう。但し、どちらも悪いですね」
メイド「店員さん、カルピスお代わり」
店員「あいよ」
長男「んーっ 頭が痛い」
メイド「竹刀に打たれすぎたのでしょう」
店員「なんだい、なんだい。痴話喧嘩かい」ニヤニヤ
長男「ーーーそ、そんな訳ないですよ」ガタッ
メイド「そうですよ」スッパリ
長男「えっ」
店員(あからさまに落胆してる)
メイド「ハイカラさんとは不釣り合いです」クスッ
ーーー
ーー
ー
ゾロゾロ
部長「今日も練習お疲れ様」アセフキ
長男「体が軋む...。疲れた」シュー
同級生「にしても御曹司来ないなぁ」
同級生2「良いだろアイツなんて、もう来ないさ」ヘッ
部長「うーん、そうだろうが。出来る限り待ってあげたい」
長男「... ...変な質問していい?」
部長「暇潰しか。いいよ」
長男「友達の定義って、なんだと思う」
部長「友達ってのは」
メイド『友達で居てくださいね』
部長「間違っても、正す人だろ」
長男「ーーー!!」
部長「寄り添う友達が居てくれたら、なんて思う時あるけどな」
同級生「中々いないよね」
部長「まあ、例外だな」
長男「ドコだ。御曹司、電話に出てくれ」
部長「今走る彼は、な」
部長「友達の定義は」
メイド『友達で居てくださいね』
部長「間違っても、正す人だろ」
長男「ーーー!!」
部長「寄り添う友達が居てくれたら、なんて思う時あるけどな」
同級生「中々いないよね」
部長「まあ、例外だな」
長男「ドコだ。御曹司、電話に出てくれ」
部長「今走る彼は」
御曹司「今日も堪能した」
御曹司(男子から、お洒落を伝授されていく)
御曹司(彼女も出来そうだ)
御曹司「この時、長男がいたら」
御曹司(長男が、居たら何て返事したのだろう)
肩ポンポン
御曹司「え?」プニ
男母「やっぱり御曹司君だ」エヘヘ
御曹司「お邪魔します」
男母「お上がりなさい。三男も言うことあるでしょ」
三男「ただいまー!!」ガン
男母「はい、おかえりー」ヨシヨシ
御曹司「電話借りていいですか。メイドに連絡するので」
男母「良いよ。終わったら席についてなさい」テキパキ
御曹司(相変わらず、ここは微笑ましい)
男母「年頃の胃袋掴むぞ! おーっ!」
御曹司「三男、今度は何して遊ぶ」
三男「かけ算!」
御曹司「偉いぞ」ナデナデ
男母「ありがとね」
御曹司「いや、構いませんよ」
男母「剣道の方も、長男が舞い上がってたからね」
御曹司「はい」ズキッ
御曹司「いや、違います。長男の母さん」
男母「年頃は大変ねー。はい、唐揚げ」
御曹司「いえ、俺も逃げてるし」アザッス
男母「後悔してる?」
御曹司「してない。と言えば嘘になります」
男母「心残りは駄目さ」
長男「ーーー母さん!御曹司見てない?」タダイマ
男母「そら、王子様が迎えに来たよ。二人はお話して来なさい」
長男「探してる最中、俺の家で晩飯とは」
御曹司「ごめんね」
長男「灯台下暗しだな。いや、いいんだよ」
長男「それより御曹司」
御曹司「長男ちょっと」
長男・御曹司「折り入って話がある」
長男・御曹司「あ。先にどうぞ」
「「・・・」」
御曹司「・・・ふっ アハハ」
長男「ククッ このやり取り懐かしいな」
長男「御曹司。お前の気持ちを汲み取れ無かった」
長男「ごめん」ペコリ
御曹司「い、いや、頭を下げなくていいよ」
長男「悪くなった印象を出来るだけ軽くする。だから友達でいてくれ」
御曹司「友達って、承認制じゃないよ」アハハ
長男「御曹司... ...お前」
御曹司「それに、流されるだけもダメだと理解した」
長男(ーーー成長したな)
部長「さて、部活か。長男を呼びに行くか」テクテク
ガララ
部長「長男。部活に行く... ...?」
御曹司「話があります」ビクビク
長男「・・・」
御曹司「これ、退部届です」
部長(遂に、か)
御曹司(体が... ...デカい)
長男(頑張れ)
部長「そうか。受理する」
御曹司「迷惑かけて、ごめんなさい!」ガバッ
部長「良い。それじゃな」
御曹司(あっさりしてた。当たり前か)シュン
長男「・・・あの」
部長「なんだ、いくぞ」
長男「行かない」
御曹司「え?」
部長「は?」
長男「俺も部活をやめる」
部長「は、お前なんて」
長男「次男を住まわせて貰ってるのは、感謝する。だから、もう追い出していい」
部長「いや、でも。お前、剣道好きだったんじゃ」
長男「好きだけど、現実問題無理だったんだ」
御曹司「無理?」
長男「授業参観、懇談会。有給だって数はあるから、易々と休止できない。だから俺が必要なんだ」
部長「だ、だからと言って、自分を犠牲にする必要は」
長男「そうだけど、俺不器用だし、お前を悪者にして御免とも思う。だから、俺の親友が物言いたげそうに見てるぞ」
男子「ふーん、退部したのか」
長男「俺は」
男子「俺は?」
長男「俺の親友は...」
御曹司「うおー、頑張るぞ」
同級生「はえーよ。御曹司」
後輩「・・・」ジーッ
部長『は、入部届?』
御曹司『新しい俺として、入部させて下さい』
男子「アイツなりのケジメってやつか」
部長「ってことで、次男。小銭稼ぎしてる暇ない」
次男「ーーーは?」
次男「いや、聴いてないんだけど」
一年前
次男「つまり、この子犬を捨てるんですか」
婆「いや、そうじゃなくてどうのこうの」
次男(胸糞悪い仕事だぜ)ザッザッ
犬「きゃんきゃん」
次男「お前に罪はない。ごめん」コトッ
現代
次男「一応、兄貴と同じ高校に在籍してるけど」
次男「耳に穴空いて 髪色を変えて こんなのじゃ、駄目だよなぁ」
次男「兄貴にも、見放された。家なき子みたい、だな」
次男「ハァ、いいか。部長は職以外嫌いだったし」チラッ
犬「きゃん きゃん」尻尾フリフリ
メイド「坊っちゃん、散歩が長いです。日が照ると肉球が剥がれます」
御曹司「騒がしい!閉じ込めてばかりでは可哀想だろ!」
犬「きゃん!」
次男(お前には家があるのか)
次男(情けないし、公園から出るか)スッ
御曹司「眼光に人が通る。犬静まれ!」
メイド「魔王ですか、あなたは」
次男「・・・」タッタッ
御曹司「全く...」
御曹司「ん?」
御曹司(今の人、長男に似てる)
次男(会いたくないけど、家に帰るか)
次男「はぁ」ヌキアシ
ガチャ
次男「!」
三男「行ってきます!あ、兄ちゃんおかえり!」
男母「あら、おかえり」
長男「おかえり、弟君」
長男「いいから学校に来い」
次男「嫌だー! 嫌だー!」ズルズル
長男「不良に腐って、兄ちゃんは悲しいよ」
次男「... ...うるせえ、お前のせいだろ!」
長男「俺のせい?」
次男「ハッ 隙あり」バッ
長男「あ、てめぇ!」
次男「ふー、危なかった。ん。あれは」タッタッタッ
御曹司「一 二! 一 二!」
次男(犬の飼い主か)タッタッタッ
次男「は、犬を探せ?」
婆「そう、元いた犬が死んじゃってね」
次男(どれだけ屑なんだよ)
御曹司『ん?』
次男「・・・」ニヤリ
次男「任せてください。引き受けましょう」
長男「なんだ、学校にこれるじゃないか」
次男「更生するよ」
御曹司「これが、かの次男。よろしく」
次男(このマジメ君が、飼い主か。何とか入れ込まないと)
次男「あれ。お知り合いなんですか」
御曹司「え、うん。えっと」
長男「親友」
御曹司「そうだよ」
次男「これはチャンス」
御曹司「チャンス?」
次男「いや。何でもないです! 今日って部活どの位で終わります?」
御曹司「んー、八時ぐらいかな」
次男「なら、待ってます」
長男「御曹司。ちょっと」ヒソヒソ
御曹司「ん?」
御曹司「お待たせ」
次男「あ! 先輩こんにちは」
御曹司「それでは乗ろうか」
次男「え...」
メイド「おかえりなさいませ」
次男「oh…」
次男「家広いですね」
御曹司「そう? 一人だから、分からないや」
メイド「私もいます」
次男「あ、ここが先輩の部屋ですか!」ガチャ
御曹司「そこトイレ」
次男「トイレにしてはデカいですね」
メイド「六畳半ですね」
御曹司「ゆっくりしてって、飲み物取ってくる」
次男「はい!」
次男「・・・よし、犬を探す」
次男「歩き回る様子もなかったし、あるとするなら」
ガッ
次男「クローゼット!」
ガララ
犬「きゃんきゃん」
次男(この犬を回収すればお金が、手に入る。そうすれば実家に、顔を出さなくてもいい)
次男(楽な仕事だぜ。どれだけゲームに入り浸れるだろう... ...あれ、そんなに金額あったか)
次男(進んで行う仕事では、ないのかな)
次男「兎に角、触るか」ソーッ
犬「・・・」ジーッ
次男「・・・」ソーッ
犬「バウっ」ガブッ
次男「痛い!」
長男「そら突撃だ!」ドン
メイド「承知しました」
次男「あいたたた」ギリギリ
長男「メイドがいるのに茶を取りに行くかよ」
御曹司「メイドって強靭だったのか」
メイド「乙女の嗜みです」
御曹司「なるほど、そのような裏が」
長男「身勝手過ぎるだろ」
次男「そう思うよな」
長男「お前もだ、ボケ」ペシッ
メイド「親御さんに連絡した所、明日の夜連れてきて欲しいそうです」
長男「家族会議だな」
長男「大体お前は後先考えないで行動しすぎなんだよ」
次男「な、なんだよ。お前こそ好きなように振舞ってるじゃねえか」
長男「指示は従うからな」
次男「俺が不誠実って言いたいのか」
長男「当たり前だ。大体母親も放任主義をかまし過ぎだったんだよ」
次男「母親は関係ない! 俺の意思で行動して稼いでる」
長男「それが間違ってるんだよ。自己中が」
長男「大体俺の好意で、一人暮らしの知り合いに転がり込むなんて都合が良いこの上ない」
次男「あーあー。何でも出来る奴は棚に上げれて良いですね!」
御曹司「・・・」
長男「は、何を言って」
次男「何でも出来る奴が上に居たら誰だって腐りますけど」
長男「環境のせいにするな!」
次男「はっ なら貧乏なのは、どうなるんだよ」
長男「何が言いたい」
次男「金がない。家には残額が数えるほども、ない。これは親の失態だろ...。何で俺らが不甲斐なくならないと、いけない?」
長男「お前何言ってるのか、分かってるのか。母親が聞いたら」
次男「てめぇも蔑んだ、だろうが!俺はこれでいいよ。お前は良かったな」ポン
御曹司「?」
次男「金持ちの友達がいて」コソッ
長男「もう一回言ってみろ!」ガバッ
御曹司「おい!長男!」
次男「ラッキーだよな。都合の良い奴が仲間にいて」
長男「腐れ外道が、歯を食いしばれ」ギリギリ
次男「で、月いくらもらってる?」
パシーン
メイド「はい、お終い」
長男・次男「はい...」鼻血タラタラ
メイド「取り敢えず次男は監禁... ...失敬、お泊り会に招待します」
長男「頼みます」
次男「胸糞悪ぃ」タバコスパー
ブン
メイド「今、何を加えてました?」ニコッ
次男「え、えっと。チュッパチャップスかな?」ヘニラ
御曹司「長男も泊りなよ」
長男「え、でも」
御曹司「夏休みの計画もしたいから、丁度土日だし」
長男「・・・まあ、いいか。今日ぐらいは」
次男「ちっ」
次男「お手洗いに行ってくる」バタン
長男「ごめんな、巻き込んで」
御曹司「大丈夫。家に人が来るのは初めてだし、新鮮だよ」
長男(・・・)
長男「まさか、犬の背景にそれが合ったとは、な」
御曹司「驚きだよね。でも、次男には親しみが湧いた」
長男「あんなやつに?」
御曹司「きっと一人なんだよ」
※
御曹司「熱の篭もった口論には深層心理が垣間見えた。本当に、そう思ってるんだろ」
長男「そうか?」
御曹司「うん、だから明日の夜。また首突っ込ませて」
ーーー
ーー
ー
男母「で、家族会議だけど」チラッ
御曹司「あはは」
男母「何でいるの」
長男「俺が頼んだ」
男母「良いわ。三男の相手して頂戴」
御曹司「分かりました」
男母「兎に角、次男の処遇ね。目に余るわ」
長男「一度キツく叱った方がいい。甘え過ぎてる節がある」
男母「それもそうだ。でもプライド高いからね」
長男・男母「うーん」
御曹司「親子だな...」
メイド「で、私は次男様の見張りです」
次男「お手洗いに行くだけでも、絞め殺されそうだ」
メイド「絞め殺します」
次男「洒落にならねぇよ」
次男「で、御曹司とは出来てるの?」
メイド「私達は、雇用主と、召使いの関係です。手を出せば訴えますしね」
次男「身も蓋もない」
御曹司「それで会議の決議は」
長男「謝らせる」
御曹司「単純明快で好感が持てる」
長男「取り敢えず会いに行こう」
※
メイド「・・・」ギリギリ
次男「いたたたた」
御曹司「何してんの」
メイド「下世話なことを申すので」
長男「調子乗るな」ペシッ
メイド「暴力はいけませんよ」
御曹司「クソみたいに説得力ないな」
次男「んな、言われても」
長男「悪いことしたら謝る」
次男「ごめんなさい御曹司さん」
御曹司「・・・次男さ」
次男(説教される!)
御曹司「もう、自分を許してやったら?」
次男「え?」
御曹司「実は俺も嫌な時期があってな、部活から逃げ出した事がある。嫌な気持ちで一杯だった」
御曹司「でも、周りから助けられた。俺が次男の周りになってあげる。味方ってやつだな」
次男「何、説教垂れてんの」
次男(怒られた中で一番)
次男「馬鹿だろ」パタン
次男(心に染みた)
長男「なんだ、その謝り方は!」
メイド「長男さん」
長男「ーーーイメチェンか?」
次男「だったら悪いかよ」
御曹司「男子と被るなぁ」
男子「俺、話わかんねぇ」
完結
おまけ
婆「犬は取り戻せなかったけど、このドバイ優待券は嬉しいわ」
御曹司父「それは良かったです」
御曹司父(犬を飼ってるの気付いてないと、思ってるのかなあ。クローゼットから、逃がしてアピールしたのに)
御曹司父「ま、友達をもてたし良いか」
おまけ2
後輩「この時期なって、初めまして」
次男「うるせぇ、絡むな」
後輩「いいじゃないですか。シングルマザー同士、仲良くしようよー」
後輩「昨日も親が幼稚園でもモンスターペアレントがいる。って喚いてたんですよー」
次男「っるせえよ」ハァ
このSSまとめへのコメント
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