キョン「アルハレタヒノコト...」(17)

ピピピピと目覚まし時計の音がなり響き、それでも起きない、俺を妹が起こしに来る。

キョン妹「キョーン君!おーきて」

妹の声に起こされた俺は、すぐに登校の準備をした。

キョン「行ってきます」

そう一言呟くと、俺は玄関を飛び出し、学校に向かった。

学校に着くと、案の定谷口が居た。

だが、俺はこの教室に何か違和感を感じた。

キョン「なあ、谷口今日はアイツ来てないのか?」

谷口「国木田の事か?アイツならまだ来てないぞ、まあ、無理もねえよ」

谷口「お前、アイツと俺ぐらいしか友達いねぇもんな」

キョン「違う!国木田じゃない、居ただろうアイツが居ただろ涼宮....」

キョン「涼宮?涼宮って誰だ?」

谷口「おいおい、お前おかしいんじゃねぇのか?涼宮さんって人のことは、お前が言い出したんだろ」

谷口「何で俺に涼宮さんの事を聞いてんだよ?俺が知るはず無いだろ?」

キョン「ああ、すまない、少し取り乱した。」

だが、俺は確かに涼宮という奴の事は知っている筈だ、知らなければ、あんな強烈な違和感を感じる筈は無い。

きっとその涼宮という奴は、誰よりも早く登校し、学校生活を満喫してた奴に違いない。

放課後俺は、何故か文芸部室に向かっていた。

文芸部室までの通路は通った筈も無いのに、何故か凄く懐かしかった。

キョン「失礼します」

と一言言い、文芸部室の扉を開けた。

何故だろう、知らない筈なのに俺は、そこに誰が居るのか知っていた。

キョン「長門?」

そう俺が、問うと彼女はコクリと頷く、その仕草が妙に懐かしく、俺は、何故か嬉しかった。

キョン「長門、お前はさ、涼宮って人の事、知ってるか?」

長門「知らない、けれど私達は彼女に会った事はある」

彼女って事は、涼宮って奴は女なのか。

その後、長門と別れ、俺は家に帰る事にした。

何か、大事な事を忘れているような、そんな気がしてならなかった。

家に帰ってもその違和感は、無くならなかった。

その夜、俺は夢を見た。

ハルヒという女の子に、振り回される夢だ。

理不尽な要求をされたり、奢らさせられたり、普通なら俺は、最悪の夢を見たというだろう。

何でかは、分からない、とても楽しかった。

キョンと俺の事を呼ぶ声、俺の事を指差す人差し指、何度も聞いた、何度も見た、それ全てが懐かしかった。

この夢ではSOS団という部活に俺は所属しているらしい。

メンバーは、神の力を持つハルヒに、古泉という超能力者に未来人の朝比奈さん、そして驚く事に長門が居るのだ。

SOS団の場所は今の文芸部室。もしこの夢の世界が俺の本当の世界なら、文芸部室までの道が懐かしかったのも頷ける。

何故だろう、この夢の中では違和感を感じなかった。

これが俺の忘れてしまった、大事な何かなのだろうか。

夢の中とは思えない程長く充実した時間だった。走馬灯とはこんな感じなのだろうか。

遂に、この世界も終わりの時が来た。夢から覚めたのだ。

夢から覚めた俺は、布団から出て時間を確認する。

ー午前3時ー

まだ、寝れた筈なのに起きてしまった。もうあの世界には行けないかもしれない、そんな後悔があった。

やはり、夢から出ると違和感は多少感じた。

あの世界は俺の本当の世界なのだろう、そう思った。

窓の外の、夜空を見ながら彼女が、彼女達が夢で歌っていた、懐かしい歌を呟く。

キョン「アルハレタヒノコト...」

end

Next episode ready?_

終わりです!

見てくれる人がいれば続きますが..
原作のハルヒに近いかんじでナレーションを入れましたがどうでしょうか?アドバイスお願いします

以前は、楽しかった筈の学校まで行く道、本当に何でかはわからない。

今は只々物足りなさを感じて、楽しいなんて、思えなくなっていた

キョン「ハルヒ...」

夢の中で見た少女の名前を呟く、何度も聞いたことがあるような、

何度も呼んだことがあるようなそんな気がした。

ハルヒ、という少女に俺は恋していたんだろう。

いつの間にか、ハルヒの事ばかり考えていた、涼宮の存在は、俺の中で少しずつ薄れて行った。

キョン「よう、長門」

放課後また文芸部室に行った。

彼女はコクリと頷く、夢の中の長門とそっくりだ。

彼女は椅子から立ち上がり、何やら棚から、紙を取り出した。

長門「これ...出来たら」

と文芸部への入部届けを渡して来た、この感覚は正夢を体験した時に似ている。

俺は、この入部届けを貰うのはおそらく二度目だ。

キョン「ありがとうな、長門俺は今部活に入ってないんだ、有難く入部させて貰うよ」

長門「そう」

キョン「今日の所は帰るよ、親の判子とかいるだろ?」

長門「分かった」

そして長門は読んでいた本のページを一枚めくり、

そのページを読み終わると、栞を挟み、立ち上がった。

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