【咲SS】智葉「暇だからDVDを借りてきてくれ」 (21)

臨海女子のSS、普段のかっこいいガイトさんのイメージをぶっ壊しました。


留学生メンバーもぽんこつ気味に。


監督に悪気はありません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408620830

臨海女子・部室


智葉「暇だな」


メグ「デスねー」


智葉「ここまで暇だと腐ってしまうな。他の奴らはどうした?」


メグ「ホカのサンニンは、ランチタイムみたいデス」


智葉「そうか…あ。」


メグ「What? ドウカシマシタか?」


智葉「メグ、近くにTS○TAYAが出来ただろ? そこで適当にDVDでも借りてきてくれよ」


メグ「マジデスかー…外はアツいからシンドイデスよー」


智葉「今度の休み…最近見つけた美味いラーメン屋に連れてってやるから」(会員カードを渡し)


メグ「ソレならソウト、早く言ってクダサイヨー♪」


メグ「それではイッテキマス!」ガチャ


智葉「あぁ。ちなみに私は…


バタン!!


智葉「最後まで聞けよ!」

私の名前は辻垣内 智葉。臨海女子で部長を務めている。


今日はインハイ前のミーティングを行う予定だったが、監督が熱中症にかかり中止になってしまった。


暇を持て余した私は、最近この近くに出来たTS○TAYAにメグを向かわせ、DVDを借りてくるよう頼んだ。


しかし、二つの問題点がある。


まず一つめは、メグは超が付くほどのラーメンバカだということ。


DVDを借りてから真っ直ぐこちらへ帰ってくる保証はどこにもない。


もう一つは、あいつが私の観たい映画を把握しているかどうかだ。


自分でTS○TAYAに行けば良かった…そう思った半面、暑いから行かなくてよかったと心底思った。


あとはメグのセンスを信じて待つしかない。


とりあえず私は冷凍庫に入っていたアイスを食べることにする。

数分後


メグ「タダイマ戻りマシター!」


智葉「ほはへひ(おかえり)…随分と早かったな」


メグ「アー! アイス食べてるナンテずるいデスよ…!」


智葉「何を言う。私が冷凍庫を開けたら、たまたまアイスが入っていたから食べていたまでだ」


メグ「エー…あ、コレDVDデス。サトハの好みがワカラナカッタので、適当にカリテキマシタ」


智葉「すまないな。 早速観てみるとするか…」サッ


”実録!本当にあった呪われし雀卓”


智葉「………」


メグ「ヤッパリ日本の夏は、ホラームービーで決まりデース!」


智葉「…返してこい」


メグ「What? 今ナンテ…」


智葉「こんな物は私の観たいDVDでじゃない、今すぐ


メグ「アレ? もしかしてサトハ…ビビッてるンデスカー?」ニヤ

智葉「ばかやろう! ビビってねーし! 全然見れるし!」


ワタシノ名前は、メガン・ダヴァンと言いマス。


臨海女子のNo.2トハ私の事デース。


今アキラカニ取り乱してる方ハ、私らのBOSS、サトハデス。


どうやらサトハは、オバケやホラーの類が苦手なヨウデ…


ソンナコトを知ってか知らずが、一番コワイDVDを借りてキテシマイマシマシタ!


イツモは強気のサトハですが、コレを見せたら面白いコトニなりそうデスねー!


因みに私は、ホラー系は大好物ナンデス!


サテ…それではサトハのお手並み拝見、とシャレコミましょうカ!

メグ「ソレハ失礼シマシタ! いますぐミマショウ!」サッ


智葉「あ、あぁ…見るぞ! 私は見るぞ!」


メグ「ソノ心意気やナイス! それポチっとナー♪」ピッ


『この日本の何処かに…呪われた雀卓があるという噂を…あなたはご存知だろうか…』


智葉「……」(薄目で鑑賞中)


メグ「プッ…ククク」(笑いを堪え)


『呪われた雀卓は…まるで血のように真っ赤に染まり…』


智葉「くぅ…」(涙目)


メグ「プッ…! ククククク…!」


『リーチをかけたのは…お前かー!!』ドン!


智葉「きゃあーーー!!」(大泣)


メグ「ンー…アリガチな展


ネリー「サトハーー!!」バン!


智葉「ぎゃぁあーーー!!」ビクッ


メグ「ノォォォーーウ!!」ビクッ


ネリー「わぁあーーっ!?」ビクッ

智葉「はぁ…はぁ…なんだ…ネリーか…驚かせやがって…」


私はネリー! お金と麻雀が大好きな高校1年生だよ!


こっちの二人はサトハとメグちゃん、驚かせようとノックもせずに入ったらこっちが驚いちゃった!


なんだか部屋を暗くして怖そうな映画を見ていたみたい…それにしても、なんでサトハは泣いてるの?


私を差し置いて二人だけで映画を見るなんてズルい! 消費税別の値段を出してるお店くらいズルい!


こうなったら私も映画を借りてこなくちゃ!

ネリー「二人してズルいよ! 私も何か借りてくるからちょっと待ってて!」バタン!


智葉「ま、待て! …って話を聞けよ!」


メグ「泣き顔…見ラレチャイマシタネ…」


智葉「誰のせいだ、誰の」


メグ「サテ…何のコトヤラ…」


智葉「とぼけやがって、後で説教だからな。覚悟しておけ」


メグ「エー…ダッタラ見なければヨカッタノニ」


智葉「うるさい」


コンコン


ハオ「失礼しまーす…ってなんでこの部屋暗いんですか?」


智葉「ハオか…すまないが明かりをつけてくれ」

智葉「ハオ? 早く明かりを…」


私の名前はハオ。臨海女子の留学生、次鋒を務めています。


サトハさんとメグちゃんが部屋を暗くして何やらやっていたみたいです。


サトハさんに明かりを点けるよう頼まれましたが、そうはいきません。


何故なら、私はさっきTS○TAYAでDVDを借りてきたからです。


まさか二人は私がDVDを借りてきたなんて思ってもいないでしょう。


ちょうど部屋が暗かったので、私の借りてきたDVDを鑑賞しようと思います。


きっと二人も気に入るはずです!

ハオ「いえ、実は私…DVDを借りてきたので一緒に見ませんか?」


智葉「そうだったのか。それならいい、一緒に観ようか」


メグ「凄い偶然デスネ…」


ハオ「え…? あの、さっそくディスクをセットしますね」


智葉「いったいハオは何を借りてきたんだ?」


ハオ「まぁまぁ、観ればわかりますよ…」


ハオ(あれ? なにか既にディスクが入っている…まぁいいか。入れ替えちゃおう)


ピッ


『この日本の何処かに…呪われた雀卓が


ピッ


智葉「ばかやろう! さっき観たわ!これさっき観たやつだわ!」


ハオ「えっ!? ほんとですか!?」


智葉「本当ですよ! まさかのモロかぶりですよ!」

ハオ「すいませんでした、そうとは知らずに…」


智葉「…すまない、取り乱してしまって。そのDVDは後でハオ一人で…


メグ「なんかサトハ…ホッとしてマセンカ?」


智葉「うるさい」


ハオ「はぁ…でも安心してください! 実は2も借りてきたんで!」


智葉「続編があんのか!?」


メグ「準新作だったヤツですネ!」


ハオ「はい!これなら観ても大丈夫ですよね? じゃあディスクを…」


智葉「いいから! もういいから! そうだ、麻雀するぞ!麻雀!な?」


ハオ「…わかりました」ハァ


智葉「あぁ…」ホッ


ハオ「…これ観た後で麻雀をやりましょう!」


智葉「うわぁーーー!!」


ガチャ


ミョンファ「あら? 何やら楽しそうな声がしますねー」

智葉「ミョンファか。ちょうどいい、今から麻雀を…」


私の名前はミョンファといいます、臨海女子の留学生ですよ。


さっき明らかに悲鳴を上げていたサトハさん…こんなに部屋を暗くして皆さん何をしているんでしょう?


えーっと、画面にはなんだか怖そうな映像が…あ! まさか皆さんでホラー映画鑑賞を?


これはいけませんね、私はホラー映画が苦手なので…ここに来る道すがら、TS○TAYAに寄って正解でした!


ここは私の借りてきた映画で、皆さんに楽しんでもらいましょうか!

ミョンファ「すいません…私、ホラー映画が苦手なので。 別の映画を観ませんか?」(明かりを点け)


智葉「よくやった!ミョンファ!」


メグ「チェッ…残念デスネー」


ハオ「そうだったんですか…それでは仕方ないですね」


ミョンファ「ごめんなさいね、これもきっと面白いから…」サッ


智葉「ミョンファ、何の映画を借りてきたんだ?」


ミョンファ「よく聞いてくれました! 私が借りてきたのはー…」


智葉「………」ゴクリ

ミョンファ「じゃーん!コレです」


智葉「えっ…コ、コマ○ドー?」


メグ「Oh…! 名作中の名作デスネー!」


ハオ「…面白そうです!」


ミョンファ「私、コマ○ドー大好きなの! さっそくセットし…あれ?あれれ?」


ハオ「…? どうしました?」


ミョンファ「あら…このデッキ、ビデオは見れなかったのかしら?」


智葉・メグ・ハオ「V・H・S!?」


智葉「どんだけ古いんだよ! ってかよく置いてあったなそれ!」


メグ「逆にレアですネー…」


ハオ「あそこのTS○TAYA、最近出来たはずなんですが…」

ミョンファ「仕方ないわねー…ハオちゃんの借りてきたDVDでも観ましょうか?」


智葉「おい」


メグ「アレ? ホラー系は苦手ナンジャ…」


ミョンファ「苦手だけど…実は嫌いじゃないわ!」ドヤァ


智葉「おい」


ハオ「そうでしたか…! それじゃあ改めて、皆で観ましょう!」ガチャ


智葉「あーっと!! すまん、電話がきたから小一時間離席する!」


メグ「サトハ、ケータイ電話…コッチにありますガ」スッ


智葉「…ばかやろう! 家の電話が鳴ってるのを察したんだよ!」


ハオ「なんですかそれ」


智葉「とにかく! 私は一旦席を外すからおま…


ネリー「ただいまー!」バーン!


智葉「うわぁぁぁーー!!」ビクッ


ネリー「わぁぁぁーー!!」ビクッ

智葉「ばかやろう! 部屋に入る時はノックくらいしろっ!」


ネリー「したよー! あっ!見て見て!DVD借りてきたよー」


智葉「その心意気や良し。何を借りてきたんだ?」


ネリー「ふふーん♪ 私はコレを借りてきましたー!」サッ


智葉「こっ…これは!!」


メグ・ハオ・ミョンファ「!?」


ネリー「そう! マ○ーの虎ベストセレクションだよ!」


智葉「金好きだな本当に! ってかそれDVDになってた事が驚きだわ!」


智葉「しかも絶妙に古いんだよ! 何年前のテレビ番組だよ!」

ネリー「えー!?さっきからサトハわがままばっかりー!」


メグ「ソウダソウダ!!」


ハオ「じゃあ一体どうしたら…」


ミョンファ「それならー…サトハさんがTS○TAYAに行ってくればいいんじゃないかしら?」


智葉「…いいだろう。私が直接TS○TAYAでDVDを借りてくる」


メグ「最初からソウスレバ良かったンジャ…」


智葉「うるさい。 メグ、カードを返してくれ」


メグ「了解デス…ってアレ? おかしいデスネー…カードが」ガサゴソ


智葉「おい…まさかお前…」

メグ「カード…失くしチャイマシター!」


智葉「ばかやろう! あのカードにはかなりポイントが貯まってるんだぞ!?」


メグ「ほんまスンマヘン…」


ハオ「お、落ち着いてください! 皆で探せば見つかるかも…」


ミョンファ「ハオちゃんの言うとおりね、手分けして探しましょう?」


ネリー「仕方ないなぁ! 私も探してあげるけど、その後でDVDは観るからね!?」


智葉「お前ら…」ウルッ


メグ「まったく…サトハには手を焼きマスネー」


智葉「てめぇ」グリグリ


メグ「ソーリー!ソーリー!」

翌日…臨海女子・部室


智葉「はぁ…結局私のカードは見つからなかった」


ハオ「元気出してください…今お茶入れてきますね?」


メグ「本当に申し訳ナイデス…」


智葉「いや、もう仕方ない。また一から貯めればいい話だからな」


ガチャ


監督「お、まだ三人だけか?」


智葉「監督…おはようございます。もう体調は大丈夫なのですか?」


監督「あぁ、心配かけてすまなかった。もう全然大丈夫だよ」


ハオ「それなら良かったです」

監督「あぁそういえば…最近学校の近くにTS○TAYAが出来ただろ?」


メグ「Yes、昨日ミンナデDVDを借りに行ってキマシタヨ」


監督「そうだったのか。実は私もここに来る前にDVDを借りてきたんだが、良かったら一緒に観ないか?」


ハオ「いいですね! 監督はどんな作品を借りてきたんですか?」


智葉(嫌な予感がする…)


監督「あぁ、これだ」スッ


”実録!本当にあった呪われし雀卓5”


智葉「」


メグ「アー! コレは最新作じゃナイデスカー!」


ハオ「監督よく借りてきましたね!私の時は2までしか無かったですよ」


監督「夏といったらホラームービーだろ? サトハ、セットしてくれ」


智葉「…はい」


私はこの夏、部長としての尊厳とTポイントカードを失った。


カン!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom