【ストパン】カリブの魔女と冷たい戦争【オリジナル】 (20)

※ストライクウィッチーズの世界観を借りた別の何かです。原作キャラは出てこないかもしれません。

※1960年ごろが舞台のため、原作で描かれていない部分を>>1の妄想で補っています。
原作の設定、並びに史実と大きく剥離する場合があります。

※基本的に台本形式で進行するので、説明不足になるところが多々あると思います。指摘して頂ければ出来る限り補完します。

>>1は航空機や軍艦に明るくないので、もしかしたらメチャクチャな事を書くかもしれません、すみません。



よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408545635

あと、オリジナルキャラばっかり出てきます。
もしかすると鼻に付くかもしれないです。

【北リベリオン大陸の直下に位置する島国 クバーナ】

【クバーナ東部オルギン州 フランク・パイス空港】

【クバーナ空軍東部司令部の一室】

「姉さん、姉さんってば」

「うにゃああ」

「もうまもなく、オラーシャの方が到着されますよ。出迎えに行かないと」

「んー……みんなは集まってるの?」

「姉さんが集めるんでしょ!」

「はいはい……」

「ちょ、ちょっと待って。その格好で会うつもりですか」

「ダメ?」

「ダメに決まってるでしょうが! 髪はめちゃくちゃ、制服はヨレヨレ……」

「おまけに帽子は無くなっちゃったし」

「ああもう、姉さんは身仕度を整えてて下さい! 私が二人を探してきますから」

「悪いね、ティア」

ティア「本番ではしっかりして下さいね、ロナ姉さん」

ロナ「任しといて」

ティア「あんまり時間がない。急がないと」

ティア「大尉は……その辺にいるはずだけど」

【フランク・パイス空港 物資搬入口】

ティア「いたいた」

ティア「おーい、大尉! チェロ大尉!」

「……」スパー

ティア「……タバコを吸うと耳まで悪くなるのかしら。チェ・ロ・た・い・い!」

チェロ「……何だ?」

ティア「何だ? じゃありません。もうじきオラーシャのウィッチがここにいらっしゃるんですよ。出迎えに上がります」

チェロ「お、もうそんな時間か……じゃああと2本で打ち止めだな?」

ティア「大尉」

チェロ「あと1本」

ティア「……」

チェロ「……分かった分かった。そんなに睨むな、ティア」

ティア「お願いしますね。姉さんの執務室に集まってください。私はアヴリーンを探してから行きます」

チェロ「よし」

【フランク・パイス空港 航空脚ハンガー】

ティア「アヴリィィィン!」

「なにー!?」

ティア「あそこね」

ティア「アヴリーン、降りてきて! そろそろお客さんのお迎えの準備をするわよ!」

アヴリーン「あい!」

ティア「さ、行きましょ。お行儀よくしててね」

アヴリーン「分かってるよ、ティア」

ティア「……普段は名前でもいいけど、オラーシャの人の前ではちゃんと階級付きで呼んでね」

アヴリーン「なんで?」

ティア「なんでも」

アヴリーン「んん、了解であります少尉!」

ティア「そうそう」

心意気は買うぜ

【執務室】

チェロ「遅いぞ」

ティア「誰のせいだと思ってるんですか」

アヴリーン「ごめんなさいであります」

チェロ「?」

ティア「気にしないで下さい」

ガチャッ

ロナ「待たせた。全員集まっているな?」

チェロ「はっ」

ロナ「よし」

ティア(まったく姉さんったら、普段からこれくらいきちっとしてくれればいいのに)

ロナ「1953年、今日のカストロ議長やゲバラ司令官はリベリオンの傀儡と化したクバーナを憂い、軍を組織して仲間と共に革命を起こした」

ロナ「結果として革命軍は腐りきった親米政府を打ち倒し、我々はリベリオンから完全なる独立を果たすことに成功した」

ロナ「議長は革命後もリベリオンと国交を保とうと考えていたが、リベリオンはそれを拒絶し今や国の行き来もままならない状況だ。飼い犬に手を噛まれたのがよほど堪えたのだろう」

ロナ「そこで議長はもう1つの大国、オラーシャ連邦とコンタクトを図った。クバーナにオラーシャ軍を駐留させる代わりに、有事の際には共に戦ってくれ、と願い出た……」

ロナ「さて……ここまでが我々の知る歴史だ。これから先の未来は、今ここにいる4人のウィッチに託されている」

ロナ「オラーシャはクバーナと同盟を結ぶべきか決めあぐねている。何故だか分かるか、ヴァレンティア少尉?」

ティア「はっ。もしオラーシャがクバーナに軍隊を置けば、リベリオンの下っ腹を直接叩ける絶好の前線基地を手に入れることが出来ます」

ティア「裏を返せば、今まで大西洋を監視する要石だったクバーナを、失うどころか奪われたリベリオンは今まで以上に警戒し、恐らく両国間の衝突は不可避なものになります」

ティア「オラーシャは開戦するメリットとデメリットを天秤にかけて、どちらが重いか思案している真っ只中だと考えられます」

ロナ「素晴らしい回答だ、ヴァレンティア少尉」

ロナ「だが我々に残された時間は僅かだ。一刻も早くオラーシャの協力を得て、リベリオンに対する防備を整えなければならん」

ロナ「これからやってくるのは軍人だが、オラーシャでも指折りの人物だ。我々が戦力になるか否か見極めるために大西洋を越えて来るのだ」

ロナ「万が一我々クバーナ軍が役に立たないと知れば、恐らくオラーシャは手を引くだろう。すると、我々は世界から孤立することになる」

ロナ「それを回避するために私たちが選ばれたのだ。オラーシャにクバーナの力を示す! 目標はその一点に尽きる!」

ロナ「これはただの外交じゃない。これは――軍事作戦だ!」

ロナ「ヴァレンティア、彼らの宿泊施設は?」

ティア「基地内にあるゲスト専用の一等室を用意しました」

ロナ「ラバル、食事の用意は万全か」

チェロ「一流のオラーシャ人コックを呼び寄せてあります」

ロナ「シエンフェゴス、兵の練度に抜かりはないな?」

アヴリーン「勿論であります!」

ロナ「よろしい。現時刻を以て『トロピコ作戦』を発動。クバーナの繁栄のため、諸君らの働きと献身に期待する」

ロナ「征こう!」

とりあえずこれだけ投下します。

今更ながらこのSS内で
リベリオンのことを『米』と書くことがままあります
リ『米』リオンって感じで……

>>6
ありがとう!
励みになります

【クバーナ南部 グアンタナモ米軍基地】

「シェルターの完成度合いはいかがかな、博士?」

「博士はやめてと言ったはずよ、ミニットマン」

ミニットマン「ああ、そうだったな。エレナ・ゲイ研究員殿」

エレナ「……今週中には8基目が完成出来そうね。まだ全然足りないけど」

ミニットマン「大体1基につき20人収容出来るとして、160人分か。この倍は欲しいな」

エレナ「あんたの部下たちもやっとノウハウが分かってきたみたいだから、もう少しピッチを上げてもいいかもね」

ミニットマン「存分に使ってやってくれ。クバーナの気候はどうも気が緩んでいけない」

エレナ「いつクバーナに攻撃されるか考えたら、気の休まるときなんてないと思うけど?」

ミニットマン「まだ大丈夫さ。今はまだ、な」

「ミニットマン大尉ー!」

ミニットマン「うん? ポリーか?」

ポリー「はぁはぁ……あの……お、オラーシャ……」

ミニットマン「落ち着け、何かあったのか?」

ポリー「はぁ、オラーシャの航空機がレーダーに引っ掛かって……フランク・パイス空港に向かってるようです」

ミニットマン「ふん。ようやく動き出したか」

ポリー「本国の見解では、今回の来玖はただの視察であるということですが……」

ミニットマン「ただの視察じゃあない。だがまぁ、『核弾頭』が運び込まれたわけでもないだろうが。報告ありがとう、ポリー」

ポリー「はいっ」

エレナ「ちょっと、ロスアラモス上級曹長。あたし、アイスコーヒーを持ってくるようお願いしなかったかしら?」

ポリー「……緊急時ですので、優先順位を見直して行動しただけです」

エレナ「そ。じゃあ報告も終わったことだし、さっさとあたしのアイスコーヒーを持ってきてくれるかしら」

ポリー「……大尉、やっぱり私この人とは」

エレナ「ねえ、リベリオン空軍ってのは手足より先に口が働くわけ? 早くしてよ、スクランブルよスクランブル!」

ポリー「私はあなたの奴隷でもメイドでもありません! ご自分でどうぞ!」

エレナ「なによ! あんたら軍人がオラーシャの核が怖いって泣きついてくるから、あたしがこんなとこにいるんじゃないの!」

エレナ「わざわざあっついクバーナまで連れてこられて核シェルターの建設を指揮してるのよ。あたしの精神衛生状態に配慮するのは当然でしょ!」

ポリー「リベリオンはあなたに最大限の便宜を図っています! 問題があるとしたら、あなた個人に原因があるのでは?」

エレナ「なんですってぇ!」

ミニットマン「その辺にしてくれ。コーヒーなら私が持ってこよう」

ポリー「大尉! そんな必要はありません、自分でやらせれば……」

ミニットマン「ポリー。エレナの言うとおり、彼女を呼び寄せたのは我々だ。せめて気持ちよく仕事が出来るよう、協力しようじゃないか」

ポリー「う、ぐぅ……」

エレナ「ふふん。やっぱり人の上に立つ人間は言うことが違うわね」

ミニットマン「だがエレナ。君の仕事は一分の遅れも手抜きも許されない。もしシェルターの一ヵ所でも基準を満たしていなかったり……」

ミニットマン「あるいは建設が間に合わずに、生き残れるはずの者が死ぬようなことがあれば、私は君を許さない」

ミニットマン「私やここにいるポリー、この基地で働く全員がリベリオンのために力を尽くしている。君もそうあってくれ」

エレナ「なによ……あたしにお説教?」

ミニットマン「そんなつもりは毛頭ないさ。さて、アイスコーヒーだったな」

ポリー「あの、それは私が」

エレナ「もういいわ、自分で行ってくるから。その方が確実だし、また文句を言われるのも面白くないから」

ポリー「……行ってしまいました。あの人とは多分一生仲良くなれないと思います」

ミニットマン「無理に仲良くする必要はないさ。ただ、何のために戦ってるのかだけは見失うなよ。彼女はお前の味方じゃないかもしれないが、守るべき国民だ」

ポリー「肝に命じておきます、大尉」

【フランク・パイス空港 滑走路】

ラバル「これがオラーシャの航空機か」

ティア「確か、戦略爆撃機『ツポレフ95』だったかしら。それにしても、大きいのね……」

プシュウウ

「あっつ」

「ああ、夢にまで見た常夏の島、地上の楽園クバーナ! 太陽が暖かくぼくたちを包んで……」

「二人とも、静かに。初めまして。オラーシャ連邦空軍中尉のアナスタシア・セルゲイ・チェレンコフです」

ロナ「クバーナ空軍少佐のペトロナ・カステラです。クバーナへようこそ、歓迎します」

「空軍中尉のマリア・アレクセイ・ノヴァヤゼムリャだ。よろしく頼む」

「同じく空軍少尉のクララ・ドミトリー・サハロフです! クバーナは女の子も可愛くて最高ですね!」

ロナ「……」

ロナ「ヴァレンティア少尉、まずは彼女たちを部屋に案内してくれ」

ティア「はい。こちらへどうぞ」

マリア「ようやく一息つけそうだな」

クララ「早く女の子探しに行きたいなぁ」

スターシャ「……」

アヴリーン「……なんか、思ってたより普通の人たちだったね」

ラバル「階級もロナより下だしな。一概には比べられないけど」

ロナ「はぁ、疲れたよぅ」

アヴリーン「よしよし」

ラバル「なんだ、これからが本番じゃないのか? 作戦行動中だろ、ロナ」

ロナ「あの人たち、いつまでいるんだろ……ボロが出る前に帰ってくれるかな」

ラバル「早々に見切りを付けられればすぐに話はまとまるさ」

ロナ「それじゃ困るんだよ……はぁ、やるしかないか」

アヴリーン「ロナ、頑張れ!」

ロナ「……互いにな。ラバル、会食の準備を頼む」

今回の投下はこれで終了です。
登場人物が多くて見にくいかな……

【クバーナ】

ペトロナ・カステラ
ヴァレンティア・カステラ
チェロ・ラバル・デ・ラ・シエラ
アヴリーン・シエンフェゴス・グラシアン

名前の由来は上からカストロ兄弟、チェ・ゲバラ、カミロ・シエンフェゴスから。


【オラーシャ連邦】

ナスターシャ・セルゲイ・チェレンコフ
→チェレンコフ放射を発見したソ連の物理学者、パーヴェル・チェレンコフから。

マリア・アレクセイ・ノヴァヤゼムリャ
→ツァーリ・ボンバの実験も行われたソビエトロシアの核実験場ノヴァヤゼムリャから。

クララ・ドミトリー・サハロフ
→ソ連水爆の父と呼ばれた理論物理学者、アンドレイ・サハロフから。


【リベリオン合衆国】

レジーナ・アトラス・ミニットマン
→アメリカのICBM、『アトラス』『ミニットマン』から。

エレナ・ゲイ
→広島に原爆を投下したB29の愛称エノラ・ゲイから。

ポリー・ロスアラモス
→マンハッタン計画で原爆が開発されたアメリカの研究施設、ロスアラモス国立研究所から。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom