一護「…あ」 フレンダ「…え?」 (115)

このSSは鰤と禁書のクロスSSです
設定の違いやキャラ崩壊などが多々あるかもしれません
バッドエンドよりになる予定です


それでも大丈夫という方は、どうぞよろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369061328

第一印象は、変な奴、だった…
そいつが転校してきて数日…明らかに怯えながら俺に声をかけてきたからだ。正直、最初は罰ゲームかなんかだと思っていた。
第一声は、えっと…初めましてってわけよ、黒崎さん…転校してきたばかりとはいえ、数日同じ教室で過ごしたクラスメートとは思えない発言。
 そうして切り出した話の内容は、俺が思っていた以上に阿呆らしいものだった
なんでも、妹と喧嘩してしまったから、仲直りの方法を教えてほしい、と…
 そんな出会いをした俺達は、いつの間にか仲良くなって、いつの間にかつるむようになっていた…
 しばらくして、そいつは今度は学園都市に転校するという…ますます、変な奴だと思った
 奇妙な実験のモルモットにされてまで、超能力なんてものが欲しいのだろうか…?
 そんな風に出会い、そんな風に別れた少女…そいつが、今、目の前にいた
 さぁ、何て言おう…何て声をかけよう…
 幽霊になって、この町に戻って来た友人に…

第一印象は、危ない奴、だった
オレンジの頭に、常に不機嫌そうな表情…漫画にでも出て来そうな不良そのもの
放課後、帰り道の途中で、そいつが数人の不良をまとめてのしているのを見かけた…やっぱり、こいつは危ない奴だと確信した

その上、そいつの危ない奴認定はとどまることを知らなかった…次々と明かされる衝撃の真実、という奴だ
道端で電柱に向かって話かけているかと思えば、虚空を撫でて、置いてあった花瓶の花まで変える始末…
一箇所だけならともかく、街のいたるところでそんなことを繰り返していた…
帰り道が同じ方向というだけで、そんな奇行を毎日のように見かける…


そんな危ない奴に声をかけるきっかけが出来たのは、とあるスーパーマーケットでのことだった
彼より幾分か年下に見える少女と一緒に、そこで買い物をしているそいつを見かけたのだ
正直な話、彼等のから、どうやら兄弟であるらしいということを理解するまでは、結構本気で誘拐かなにかと勘違いしていた…
あの年の…しかも、異性にしては、珍しいくらい仲がいい兄弟…危ない奴の属性に、シスコンまで足された瞬間…
 けれど、同時に私も、妹とあんな風に仲良くなりたい、と思った…憧れてしまった…
多分、転校のことで喧嘩したばかりだった、というのもあるのだろう
単純に仲がいい兄弟に…私は嫉妬したのだ
翌日…私はその危ない奴に声をかけてみた

「えっと…初めましてってわけよ、黒崎さん…」

我ながら、マヌケな第一声だったと思う…
そうして私は…そいつが、思っていたほど危ない奴じゃないと知っていく…
その男は、紛れも無く…今、目の前にいるこの男だ
さぁ、何て言おう…何て声をかけよう…
 幽霊が見える…きっと、今の私のことも見えているであろうこの友人に…

何も迷うことはない…久しぶりに会った友人にかける言葉なんて、古今東西、何処でも同じだ…

「「……久しぶり」」

声が完全に重なり…二人して、笑い声をあげた
現在の非日常が…かつての日常に戻った…そんな気がした

「で、何がどうなってここにいるんだよ…」

 奇妙な再開の数分後、黒崎医院の俺の部屋で、幽霊の少女と向かい合う

「知らない。妹のことを見届けたら、いつの間にかこの町に戻ってたってわけよ」

「はぁ?なんだそりゃ?」

「結局、未練が一つ解決したから、次の未練に移ったってわけよ」

肩をすくめるような仕種をして、フレンダは言う

「そんなのありかよ…ったく、能力者ってのは死んでも特別なのか?」

「そうかもね…でも、黒崎は学園都市には行かないほうがいいよ。死んでから気付いたけど、あそこ、幽霊がやたら多いから」

うんざりしたような表情だ…死因については聞いてないけど、そんな幽霊の山が出来るのを納得出来るような死にかただったのだろうか…

「それで、一つ目の未練ってのは何だったんだ?」

私はきっと地獄に堕ちる…
それだけのことはやってきたと思うし、そもそも、黒崎のお陰で幽霊やら成仏は知っていたから、最初に暗部の仕事をした時から覚悟はしていた
だから、高望みはしない…フレメアの一人立ちを見ることが出来ただけでも、私には余りある幸福だと思っていた…これで成仏して、地獄で贖罪の日々を送るのだろうと思っていた…
なのに…

「黒崎、そろそろクリスマスってわけよ」

「…だから何だよ…」

「どうせ予定なんてないんだし、二人で盛大にパーティーでもしようかな、って」

「いや、俺、これでも受験生だから…つーか、二人でパーティーって…何処でやるつもりだよ…?」

呆れたように返答する友人は、昔、一緒につるんでいた頃の彼とほとんど変わってなくて…

「お、そこを聞いてくるってことは、ちょっとは脈あり?」

「ねーよ。そもそも、予定ならある」

「えっ!?いつの間に…もしかして、彼女!?やっぱり、相手は有沢!?結局、最後に勝つのは幼なじみってわけ!?」

「いや、俺とあいつがそんな関係になることはねぇって。家の方針で、クリスマスは家族団欒の一夜って決まってんだよ」

「なんて寂しい家訓…」

いつの間にか、地獄に堕ちる覚悟なんてものは、頭の中から消し飛んでいた…
いや、そもそも…今の私は、地獄がどうだとか、そんなことを意識してさえいなかったんだろう…
今が楽しくて…楽しすぎて…いつまでも、こんな毎日が続いてほしいと…そんな願望ばかりが、私の原動力になっている

「うん、結局、黒崎は私とカラオケで一晩騒いでクリスマスを過ごすしかないわけよ」

「だから行かねぇって…大体、お前と二人でカラオケって…はたから見たら、一人カラオケでしかねぇだろ!そっちのほうがよっぽど寂しいじゃねぇか!?」

「人目なんて気にする必要はないってわけよ。あとは、洋服とかアクセサリーを見て回ったり?」

「男一人でんなことしてたら、クリスマスプレゼントを彼女に買い忘れていた阿呆か、脳内彼女と買物してるイタい奴だな」

「状況的には後者のほうが近いってわけよ」

「お前は脳内彼女でいいのかよ…」

「え!?リアル彼女にしてくれる!?」

「そーいう話じゃねぇだろ」

「酷い…結局、一護は私のことなんて遊びとしか思ってなかったわけね」

「ちょっ…いきなり名前で呼ぶなよ…」

「そっち!?というか、そこまで純情だった!?」

慌てたように目を逸らす黒崎を見ると、なんかこっちのほうが恥ずかしくなってくる…

「……」

「……っ」

「…い、いや、大体、そっちだけ私のことを名前で呼ぶのがそもそも不公平ってわけで…ええっと、つまり、これでフェアな関係に…」

沈黙に耐え切れず、つい取り繕うようにもっともらしい言葉を並べ立てる、と…

「く、黒崎ぃ〜」

ニヤニヤと、意地の悪い笑みを浮かべた黒崎と視線があった

「結局…私は黒崎にからかわれてたってわけ…」

「っと…そろそろ昼休み終わりか。教室戻るぞ、セイヴェルン」

「……え?」

いきなり呼び方が変わって、ちょっと驚いた…
思わず顔を見ると、今だにその顔は意地の悪い笑みを浮かべている

「呼び方は同じじゃないと、不公平なんだろ?」

「なっ!?」

つまりそれは…

「今まで通り呼んで欲しければ、名前で呼べ…ってわけ?」

なんて遠回しな…

「し、仕方ない…まぁ、うん、結局フェアっていうのは大事なわけだし…」

…まずい、割と本気で恥ずかしくなってきた…
さっきはあんなにあっさり言えたのに…

「い、…いち、ご…?」

「おう、よろしくな、フレンダ」

「……やっぱり…」

「……?」

「やっぱり、ちょっと無理ってわけよ!?」 

 結局、羞恥心には打ち勝てず…
 私は黒崎の前から逃げ出していた…






「…ちょっと、やりすぎたか…」

 後で、謝っとかないとな…

「で、結局黒崎は付き合ってくれるわけね」

 クリスマス前日…私は、ふわふわと一護の隣で浮かんで、街中を回っていた

「…いい加減、受験勉強も疲れてきたからな。息抜きくらいいいだろ」

「へぇ〜」

「…んだよ、その顔」

「別に?なんでもないってわけよ」

「明らかになんでもないって顔じゃなかったろ」

デパートに向かって歩を進めながら、会話を弾ませる
 とはいっても、ここは天下の往来…変な目で見られないように、黒崎は極力声を抑えて口を開いているのだが…

「…て、あれ?」

「ん?どうしたよ?」

「いやいや、デパートに行くはずでは?」

「誰もんなこと言ってねぇだろ」

 そういって、黒崎はゲーセンの自動ドアを通り抜ける

「…はぁ…これじゃ、ムードも何もあったもんじゃないわけよ」

「あ、黒崎、あのぬいぐるみ、欲しいってわけよ」

 ゲーセンに入って数分、クレーンゲームのぬいぐるみを指して黒崎の顔を見上げる。所謂、おねだりというやつだ

「いや、取ってどうすんだよ…お前、触れねぇだろ」

「結局、本当にいいぬいぐるみっていうのは、触れなくても見てるだけで幸せになれるものなわけよ」

「で、俺の部屋に飾る気か?」

「そこまでおかしなデザインでもないでしょ?」

二足歩行のライオンのようなぬいぐるみ…このくらいなら、男子の部屋にあってもそこまで不自然でもないだろう

「やめろよ…遊子はともかく、夏梨になんて言われるか…」

「いや、あの子はむしろ何も言わないんじゃない?どっちかといえば、遊子ちゃんのほうが…」

「え?なんでだよ?あいつ、こういうの好きそうだし、むしろ歓迎するんじゃねぇの?」

「それが問題…延々とぬいぐるみトークに付き合わされる可能性があるってわけよ…」

「それ、お前からやられた覚えがあるんだが…」

「……てへ☆」

「ごまかすなよ」

溜息を一つつくと、黒崎はそのクレーンゲームに硬貨を入れる

「…あんまり人目につかないとこに飾るからな」

「大丈夫!ちゃんと押し入れに並べてもらうってわけよ」

「押し入れでいいのかよ…ってか、並べるって!まだ何か増やすつもりか!?」

「ふふふ…あのフードを被った鳥みたいなぬいぐるみ、結構気に入ってたり」

隅のほうにある、別のクレーンゲームを指すと、黒崎がなんとも微妙な表情をする

「……だめ?」

「…駄目」

「………」ジーッ

「……」

「……じ〜っ」

「口で言うなよ…」

「じぃーーー!」

「ああもう!分かったよ!ただし、こいつが三回以内に取れたらだからな!」

「やった!ありがと、黒崎!」

おまけ

リン「た、隊長…この人達は?」

マユリ「研究材料に決まっているじゃないかネ?」

リン「いや、そんな当然のように言われても…」

マユリ「最近、とんでもない頻度で同じ場所から魂が流れていたのが分かってネ。気になって見てみると、なんと皆同じ顔なのだヨ!」

リン「は、はぁ…」

マユリ「これはもう調べるしかないのではないかネ?彼女たちは、一体何故、何の為にこのようになっているのか、それをじっくりと…」

ネム「マユリ様…」

マユリ「なんだネ?」

ネム「総隊長から連絡です…さらってきた者たちはこちらで保護するから、余計なことは一切せずに連れてくるように、と…」

マユリ「……」

ネム「…よろしかったのですか、マユリ様?」

マユリ「バレてしまってはどうしようもないからネ。それに…こっちはまだ使えるしネ」

数多「んーっ!?んーっ!?」

阿近「隊長…これ、何っスか?」

マユリ「整だヨ。学園都市の優秀な科学者は、大体皆地獄に堕ちてしまうからネ。魂葬する前に、直接ここに連れて来るしかないのだヨ」

阿近「は…?学園都市の科学者!?」

マユリ「では…早速尋問を始めようじゃないか。現世最新鋭の科学技術…じっくりと聞かせてもらうヨ」

数多「んーっ!?んーっ、んーっ!?」

 ここまでで

 しばらくは、平和な感じの話が続く予定です

乙。支援のつもりで何作ってんだ俺は





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        | ,イ,ァ了心、   ´,z==ミノ .′  i ∨::/                 
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      ノ |    ′     '' .′  il   V{                         
     /i 人            { i  リ | ヽ                                
   / .イ {..{..\  ^      ,� ,′ |  廴                                         
  ( イ.人. |..|/..:::丶    _ . イ } / {   { ヽ  ヽ
   { {/ ハ.{...、....::N..:二「     廴} i{ 乂  '. }i i }                      ト、  、_/{/>'´{__
   ∨ ,..::ト...:V斗く  i    /l 人 ヽ ミ Vノ }′                  _∨ー'         フ
   {  i...::} V´ノイ:.〉 /}   / {′/\\  \ノ                  _,.≧'´           ≧=-                   
    乂 {...::|ハ.:.:.:.:.く .′ ーム ハ/.:.:.:.:.\ヽ  \                 `y      } /レ'i/ヽ. !   \
     ヽ:.リト }.:.:.:.:.{ }|/´ブ__,} { {.:.:.:.:.:.:.:.:.:.} 〉.   ヽ               ∠ /ムイ /}' ' '´o¬i :リ �  ≧z
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    人  }.:. {.:i ' !|l 、 V.:.:.:.:.l:.′.:.:.:ヽ::.j  / 廴__ノ                 }  :::>、     _ __   ハ{⌒
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       雨は 嫌いだ                       7////////// ∨/////////////∧

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                                     # Extra story
                                               I must not demand happiness 

            (´(     ,r———‐-y .,--,   r----y r----, ,-----、 ,r-ァ ,r-y     ) ヽ
            ヽ、`ヽ __ 一7 /'7  } / /  / / ̄  .//l  l´ / / 7 // /_/ / _  ,r´,r´
             ,/ / l (  /   ̄ <´/ /  / └‐ァ //_l  l / / '--' / _. / )ヽ ヽ ヽ、               
            / (  ) ヽ, / /'7 / / /  ./ / ̄ //~~l .l / /./ ̄// / / ./ ノ (  )  ).
          ./l ヽ-、`''´ /___ー'_,ノ /__'--ァ/___'--ァ/_/  l_-'_'-'__ノ/__ノ/___'--y__ `~ ,--' lヽ
          .l ヽ_ノ   .7∠ニニニニニニ フ--y〃/ / _ _┬∠ニニニニニニニフ/  ヽ,_ノ/

           ヽ,__,,,,,,7∠ニニニニニニフ  /   /    / ̄∠ニニニニニニフ /,,___,ノ   
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                

 断末魔が、耳を通して脳内に響く

「は、はは…」

何が悪かったのか、なんてことは分からない
気が付いたら妹が人質に取られてて、気が付いたら暗部に入れられていた

「はははは…はは…」

瞳から零れた涙が、重力に従って落ちていく

「ははははははは!あっ、ははははは!」

笑う、笑う、笑う…
それ以外の表情を作ることなんて出来なかった
 狂ったように…壊れたように、笑い続ける

「ああ、つまり…つまり……つまり…」

「結局、私はそういう存在で…」

「結局、アイツは、私に殺されるために生まれてきたってわけね」


 それが、フレンダ=セイヴェルンの結論

私は人殺しで…私に殺された人間には、私に殺される程度の価値しか無かったのだ、と

これからは、そういう世界で生きていくのだと…


 だから…だから…

だから、私は二度と、あの平穏な世界には戻れない


「さようなら…」

それが、決別の言葉…
ここに来る前、色んな街で出会った友人達に…
私を繋ぎ止めていた、暖かい思い出に…
そして…

「私は絶対、アンタみたいにはならない」

そこに転がっている、かつて人だったものに


私は死にたくない…こんなところで死んだら、きっと私は霊になる。
もしも、それで空座町にでも行ったら…?

考えただけでゾッとする。人殺しの分際で、どうやってあんな優しかった友人と顔を合わせたらいいというのか…
そして、それ以上に…
 
妹の…フレメアのことがある…
可愛い可愛い、私の妹…もしも私が死んだりしたら、一体どうなってしまうのか…考えただけでも恐ろしい…
私は妹を守らないといけない。例え何があっても、この都市の住人を皆殺しにしたとしても…

私は、たった一人の妹を…たった一人の家族を、護り抜いてみせる

 例え、地獄に堕ちる運命だとしても、簡単に死んでやるわけにはいかない…

 私にはやるべきことがあって…そして、何としてでも、私の友人より先に死ぬわけにはいかないんだから…

 だから…

「どんな手を使っても、私は絶対に生き延びてみせる…!」

そう、誓ったのだ…初めて人を殺した、あの夜に…

 だから、仲間を裏切ってでも、生き延びなければならない

「ぁぁあああああぁあああ!」

手にした手榴弾を投げつける…
派手な爆発音が響き、爆風が吹き荒れた
それでも…

「っくぅ…!?」

もうもうと立ち込める煙の中に、不気味な光がうっすらと見える
学園都市第四位…麦野沈利の原子崩しだ

「結局…この程度じゃ殺せないってわけね」

その程度のことは意にも介さない…それでこその超能力者…学園都市最強の七人… 
 その七人のうちの一人…先程の手榴弾で、傷一つついていない女が、怒りの形相のまま口元に笑みを浮かべる
 
「なぁんだよ?そんなもんかよぉ?フレンダぁぁあ?」

「っ…!」

今のでダメージがない…ということは、下準備のない私では、遠距離で麦野に勝つことは出来ない、ということだ

「だったら…」

片手を帽子にかけ、スカートから閃光弾を落とした
帽子で自身の視界を遮り、光を遮断する…今、この帽子の外では煌々と輝く光が麦野の視界を奪っているはずだ

ここで逃げようと思えば、もしかしたら逃げられるかもしれない…
けれど、麦野は絶対に裏切り者を許さないだろう
例えここで逃げたとしても、今度は滝壺を引き連れて私を追ってくるに違いない
そうなったらおしまいだ。どう足掻いても逃げ切れるわけがない。だから、私が生き延びるには、ここで麦野を殺すしかない

閃光が止んだのを見計らって、帽子を頭に戻す
麦野は、手で両目を抑えて、フラフラと足元がおぼつかない様子で立っていた

 このまま遠距離で戦っても、私に勝ち目はない。今は隙だらけでも、相手は超能力者…もしもオートで特定の危険物を防げるのなら、ここで爆撃をしても無意味だろう…

 なら…この隙に距離を詰めて近接戦闘に持ち込むべきだ。能力を発動させる暇を与えないよう、近距離で格闘に専念する…
靴の裏から刃を出して、一気に麦野との距離を詰める

片足で地面を踏み締めて、もう一方の足を思いっ切り突き出す…これで刃が麦野を貫けば、私の勝利が確定するし、例えかわされたとしても、視界が不安定な麦野相手なら、単純な殴り合いで打ち勝てる…はずだった…

ガシッという音と共に、私の足が麦野に掴まれさえしなければ…

「なっ…!?」

「ばぁぁぁああああっか!」

見上げた先には、余裕の表情を浮かべた超能力が、危なげなく地面の上に立っていた

「そんな…」

「はっ!どんだけ一緒に仕事してきたと思ってんだよ!」

脚が、根元から引きちぎられるかと思った…
そんな錯覚をさせるほどの、とんでもない勢いで、私の身体は投げ捨てられた

「あ……がっ!?」

「てめぇの手の内なんてなぁ…バレバレなんだよぉ!」

光が、麦野の手の先に収束していく…
ああ、なるほど…さっき、目を抑えていたのは閃光弾から逃げるためで…足元がふらついていたのは、演技だったってわけか…

「結局ぅ…てめぇの命はここまでってわけだよ、フレンダぁあああぁああ!」

光が…視界を埋め尽くしていく…
 そうして、私の命は消えていった…
そう、消えていったのだ。それはつまり、死んだってことで…


この世での私は、既にいるはずのない存在となった、ということだ…

「…お前、ヘタレだな」


苦笑した一護の表情が、そこで固まった
気付いたのだろう…私の身体が、溶けるように背景と一つとなっていっていることに

「あぁ〜あ、結局、意味なんて無かったってわけよ」

「黒崎の卒業まで待ってほしい…」ついさっき、私が言った言葉が、何の意味もないものへと変わっていく

最後の最後で、神様もいいことをしてくれたのかもしれない。黒崎の受験の邪魔をしたくなかった私の意を、くんでくれたのだろう…

「…結局、決まらない最後だったわね…リビングの壁を背景に、ニュースの天気予報をBGMに成仏なんて」

私の未練…死にたくない、という、単純明快で、大なり小なり、誰でも抱いているであろう未練…
死ぬことを…この世を離れることを決意すれば、それだけで成仏してしまうような、ちっぽけな未練…

それが、私をこの世に繋ぎ止めていた最後の鎖…最後の、命綱…

「ま、私みたいな人間には、お似合いの最後かもしれないけど」

「そうだな…お前みたいな普通の人間は、夕日をバックに消えていったり、満天の夜空に溶けていったりは出来ねぇよ」

気取ったような作り笑顔も、涙のせいで台なしだった
そういえば、黒崎と友達になった時も、やたら芝居がかったことを言ってたっけ…
 あの時、私は何て言ったんだっけ…なんて、忘れてもいないことを思い返す

「黒崎…結局、私は、こんなところになんて来たくなかったわけよ」

「黒崎の顔なんて見たく無かったし、私の顔を見せたくも無かった…」

それは本当だ…私は酷い人間になっていたから。もう二度と、黒崎と顔を合わせたくなんてなかった

でも、それでも…私の魂はここに来た
思い出の場所…黒崎と過ごした、この町…空座町に…
それは何故なのか…私にはさっぱり分からない…
分からないけど…あんなに顔を合わせるのが怖かったのに、黒崎との生活は、本当に楽しかった

楽しくて、楽しくて、楽しくて…だから、私は、何よりも黒崎に感謝している…


けれど…いや、だからこそ…黒崎に私のことを背負ってほしくはない…
母親のことだけでも一杯一杯になってる黒崎は…それでも、友人の…私のことを背負おうとするんだろう
背負って、背負って、例え一人で抱え切れ無くなっても、決して誰にも、荷物を分けようなんて思わない…黒崎一護というのはそういう人間で、もしかしたら、いつかは背負ったものに押し潰されるようなことになるのかもしれない


だったら、せめて私の分は引いておこう…私は一人で、自分の分くらいは背負えるはずだから…だから、さっさと忘れてしまって欲しい…

忘れてもいいんだ…最後の最後で、こんなことが言えるような人間が、私なんだから…

「さよなら、黒崎一護…もう二度と、顔を合わせることはないってわけよ」

これも本当…私は地獄に堕ちるから…だから、黒崎みたいな優しい人間に会える日は、もう絶対に訪れない
 だからさよなら、黒崎一護…もう二度と会うことのない…私の、自慢の親友…

「えっと…初めましてってわけよ、黒崎さん…」

声に振り返ると、そこには綺麗な金の髪をした少女がいた

「ああ、転校生か…」

数日前、このクラスに転校してきた女子生徒…確か、名前は……名前は…

「ふ、フレンダ=セイヴェルン…です」

明らかに引き攣った笑みを浮かべて、名乗りをあげる。 …というか、そんなにビビってるなら話かけてくるなよ罰ゲームか何かか?

「で、何か用か?」

「えっと…その…」

「その…?」

「く、黒崎さんって、妹いる…よね?」

「ああ、いるけど…誰かから聞いたのか?」

まともに口を聞いたのも初めての相手に、そんなことを教えた覚えはないし…

「き、昨日、スーパーで見たってわけよ」

「昨日…?ああ、そういや…」

昨日は珍しく三人で買い物行ったんだったな。それを見て、俺に妹がいるって知ったわけか

「結構…仲良かったように見えたけど…」

「まぁ、割と仲はいいほうだろうな」

たつき曰く、ブラコンシスコンの兄妹だから、らしいけど…

「実は…最近、妹と喧嘩しちゃったってわけよ」

「喧嘩?…ってか、妹いたのかよ」

「うん…それで、仲直りの方法とか、教えてもらえないかな、って…」

「ああ、それで話し掛けてきたわけか…」

…いや、それにしてもおかしいだろ。何でよりにもよって俺なんだよ。もっと話し掛けやすい連中だって山ほどいるだろ…

「…仲直りの方法、ねぇ…」

そもそも、俺と遊子、夏梨はあんまり喧嘩しないからなぁ…

「…原因は何だったんだ?」

「……」ボーッ

「…何だよ?ぼーっと俺のほうを見て…」

「い、いやぁ…思ったより真面目に考えてくれていて…ちょっと驚いちゃって…」

…中々酷い言われようだけど、まぁ、俺の見た目じゃあなぁ…
 …にしても

「お前も、随分図太いよな…」

「…へ?」

「普通、そんなこと言えねぇだろ」

俺が見た目のイメージ通りの奴だったら、普通、そんなこと言ったら殴られる、とか思うもんじゃないのか?

「…で、何だったんだよ、喧嘩の原因」

「えっと…転校の、こと?」

「転校…?」

「そう。今度、私達、転校することになってるわけで…」

「そっちかよ…」

こっちに転校して来たことじゃなくて、また別のところに転校するのが原因か…
というか、もう転校することが決まってんのかよ…まだこっちに来て一週間くらいだぞ?

「折角友達が出来たのに…って…」

「まぁ、そりゃあ文句も言いたくなるだろうな…」

新しい生活で、ようやく友達が出来たところでまた転校、だもんな…

「けどなぁ…そんなのが原因なら、どうしようもねぇぞ」

それこそ、転校を取り消すことくらいしか思い付かない。

「時間が解決してくれんのを待つしかねぇんじゃねぇの?転校先で友達でも出来たら、落ち着くだろ?」

「それは…そうかもしれないけど…」

「転校まで、どのくらいなんだよ?」

「二ヶ月くらい…」

ああ、そりゃきついな…二ヶ月もの間、身内とギスギスした関係ってのは…

「……はぁ」

憂鬱そうに、セイヴェルンが溜息をつく

「大丈夫だって…あっちだって、いつまでも険悪なのは辛いんだ…明日にでもなったら、多分元通りだろ」

「黒崎さん、それは丸投げってわけよ…」

「仕方ねぇだろ。それ以外思い付かねぇんだから」

俺はカウンセラーじゃないんだ。普通の中学生には、この辺りが限界だろ

「てか、なんでさん付けなんだよ…クラスメートだから、呼び捨てでいいって」

「…え?でも、不良っていうのは格下にさん付けで呼ばれるのに喜びを感じるものじゃ…」

「いや、別に不良じゃねぇから」

「そんな髪色でよく言えるってわけよ」

頭のオレンジ色をジト目で見つめてセイヴェルンが指摘する
 こいつ、本当に度胸あるよな…もしかしたら、単に馬鹿なだけかも知れないけど

「こいつは地毛だ」

「……へ?」

「何だ、こっちだったのかよ…」

放課後…同じ方向に歩いていくセイヴェルンを見つけて声をかける

「気付かなかったの?私は結構黒崎のこと見つけてたけど…」

「…全然気付かなかったな…」

まぁ、スーパーで見かけたっていうんなら、住んでるところが近いのは当たり前か…

「お陰で、黒崎の奇行の数々を目撃したわけだけど…」

「奇行…?」

「何もないところに話し掛けたり、ってね」

「ああ、あれか…」

確かに、あれは事情を知らないと奇行にしか見えねぇよな…

「セイヴェルン…」

「ん?」

「実は俺、幽霊が見えるんだ」

「…………」

…空気が、凍った気がした


「ええっと…それじゃあなに?誰もいないところに話し掛けるのは、そこに幽霊がいるからで…たまに虚空を撫でたりしてるのは、幽霊の頭を撫でているから、だと?」

「まぁ…そういうことになるな…」

「…ダメだこいつ…早く何とかしないと…」

「………」

まぁ、そりゃ、いきなりこんなこと言われて信じられるわけもねぇか…

「…ん?黒崎、どこか寄ってくわけ?」

「ああ、ちょっと…公園にな」

 まぁ、ラッキーといえばラッキーかもな…丁度、今日は幽霊絡みの用事もあるし…

「…それで、一体何してるわけ、黒崎?」

「指輪探してるんだよ」

「…指輪?」

公園の草むらをがさごそと漁る

「手伝おうか?」

「ああ、手伝ってくれるなら助かる。赤い石がついてる指輪だ」

「了解…任せるってわけよ」



「っと…こいつか」

20分くらい探して…ようやく見つけた
赤い石のついた、銀色の指輪

「って、安物!?こんなところを探すくらいだから、結構高いもんだとおもってたわけよ…」

確かに…手の中にある指輪は、2000円もあれば買える程度のものだ
でも…

「形見なんだよ…姉貴のな」

「…え?」

言って、セイヴェルンのほうを向くと、彼女は目を伏せて俯いていた

「ご、ごめん…まさか、そんな大事なものだとは思わなくて…」

「気にすんなよ。手伝ってくれて、ありがとな」

セイヴェルンに礼を言って、公園の前の道路へと歩いていく…

「ほら、あったぜ」

「うん…ありがとう」

道路に出てすぐ…小さな少女に指輪を渡す
実体を持たない少女がそれに触れるわけもなく…コツンと、指輪はコンクリートの上に落ちる
 けれど…それでも、少女は満足そうに笑っていた

「ありがとう、怖い顔のお兄さん…」

「ああ。ちゃんと天国に行けよ」

「うん…ちゃんと、お姉ちゃんに会ってくるね」

太陽が沈み、薄暗くなった空の色に…少女の体が、溶けて消えていく…

「…またな」




「俺の探し物はおしまいだ。そっちは、何か用事がある場所とかあるか?」

ぼーっとこっちを見ていた同級生に問いかけると、彼女は首を横にふった

「そっか…んじゃ、帰るとするか」

「いいの?指輪…」


「…まぁ、あそこに放置するのはよくはないんだろうけどな…あれは俺が渡したものだし、俺が拾って帰るわけにもいかねぇよ」

指輪の転がるコンクリートを一瞥してこたえる

「お姉さんの形見なんでしょ?」

「ああ、俺の、じゃないけどな」

「ねぇ、黒崎…」

「ん?」

 じゃあ誰の?なんて、ありきたりなことを尋ねられはしなかった…

 かわりに… 

「本当に、幽霊なんてものが見えるわけ?」て

 そんなことを、確認するかのような口調で尋ねられた

「黒崎一護…13歳」

「…?」

唐突に名乗りはじめた俺を、セイヴェルンは目を白黒させながら見上げている


「髪の色オレンジ、瞳の色ブラウン」

「ブラウンって…」

「職業、中学生…」

「特技…ユウレイが見える」

その白黒していた目が、だんだんとただのジト目へと変化していっている

「…よろしくな、セイヴェルン」

「…黒崎…」

「ちょっと、芝居がけ過ぎてキモいってわけよ」

「まじか…」

…まぁ、演技が得意なほうでもないしなぁ

「それと、いかにも言いにくそうに苗字を呼ぶのは止めてほしいってわけよ」

「そうは言われてもな…言いにくいもんは言いにくいんだよ」

 そもそも、ヴ という発音自体が日本人には合わないんだと思う

「…だったら、名前で呼ぶといいわけよ」

「名前?」

「そう…フレンダ、ならそこまで言いにくくはないでしょ?」

「そっか…なら」

右手を、差し出す…

「よろしくな、フレンダ」

「うん、よろしくってわけよ!」

差し出した手が、握り返された


…たった二ヶ月で終わるはずの、物語のはじまりで…
 だからこそ、わかっていた…こんなルール違反は、長くは続かないだろう、と

フレンダは言った…「黒崎の卒業まで待ってほしい…」と
 それはきっと、俺への気遣いだったんだろう。直接受験って言ったら、気遣いがばれて気恥ずかしいから、だから、わざとそんな言い方をしたに違いない

だから、「…お前、ヘタレだな」と返したんだ。気遣いがばれたと悟らせないように、呆れたような口調で…

同時に、俺は安堵もしていた…少なくとも、すぐにフレンダとの生活が終わるわけではないんだな、と…

 けれど…気付いた…気付いてしまった…フレンダの魂が、段々と…今まで以上に希薄になっていくのを…

「あぁ〜あ、結局、意味なんて無かったってわけよ」

全くだ…フレンダの気遣いも、俺のごまかしも…
ここで、フレンダが消えたら、何の意味も無くなってしまう

「…結局、決まらない最後だったわね…リビングの壁を背景に、ニュースの天気予報をBGMに成仏なんて」


「ま、私みたいな人間には、お似合いの最後かもしれないけど」


自嘲するフレンダの瞳には、今にも溢れそうな程、涙が貯まっていた


「そうだな…お前みたいな普通の人間は、夕日をバックに消えていったり、満天の夜空に溶けていったりは出来ねぇよ」

出来るだけ嫌味っぽく言ってみたけど…
多分、芝居がけ過ぎてキモい、とか思われてるんだろうな…

「黒崎…結局、私は、こんなところになんて来たくなかったわけよ」

 唐突な発言に、一瞬、困惑し…数瞬後、何をしたかったのか理解した

「黒崎の顔なんて見たく無かったし、私の顔を見せたくも無かった…」

ああ、なんだよ、フレンダ…結局、どっちもどっちじゃねぇか、俺達…

自分じゃ気付いてないのかもしんねぇけどさ、そんなポロポロ涙流しながら言ったって、騙されるわけねぇだろ

「さよなら、黒崎一護…もう二度と、顔を合わせることはないってわけよ」

 それが、フレンダ=セイヴェルンの最後の言葉…
背景に溶けるようにして、フレンダの身体が、跡形もなく消え去った…

「ああ、確かに…二度と会うことはねぇんだろうな…」

もう、アイツには聞こえないだろ…
もう、言ってもいいだろう…さっきは…死んだ時にさえ言えなかった、別れの言葉…

「さよなら、フレンダ…」


  多分、これが最後なんだろう…
お袋を殺して…家族から太陽を奪った俺が天国に行けるとは思えなかった…
これが最後で…これがおしまい
 だからさよなら、フレンダ=セイヴェルン…もう二度と会うことのない…俺の、自慢の親友…

あれから、色々なことがあった…


死神になって、虚になって…
色んな人や死神と出会って、色んな戦いを乗り越えて…
そして、幽霊に関わる全ての力を失った…

 そんな俺は…今…

「おぉう…すげぇな、あれが超能力か…」

とはいっても、少し前までは俺も似たような力を使って戦ってたんだよな…

[次の種目は…]

アナウンスの声が、学園都市の至るところから聞こえてくる

大覇星祭…一年に一度行われる、学園都市の体育祭で…この日だけは、外部の人間が学園都市に入ることが許されている

ここが、フレンダの過ごしていた街…
何があったのかは知らないし、調べようとも思わない
それでも、俺はどうしてもこの街に来てみたかった

フレンダが言っていた大量の幽霊は、今の俺には見ることが出来ない…声さえも聞こえない…


髪の色がオレンジで、瞳の色がブラウンな、ちょっと喧嘩が強いだけの高校生…

それが、今の黒崎一護…

「大体、黒崎のお兄ちゃん発見、にゃあ!」

聞き覚えのある声が聞こえた…
振り向くと、と懐かしい顔をした少女が大きく手を振っている

「…久しぶりだな、フレメア」 

ここは学園都市…アイツが死んで、アイツが護った妹の生きる街…
だから…花くらいは、そえておきたいと思ったのだ

揺れている…
ふわふわと、ゆらゆらと…
身体なんて残っていないし、今は人の形でさえないのに、まだ意識も感覚も残っているというのは不気味だった


ふわふわとゆらゆらと
揺れて、浮かんで、そうしてたどり着いた先…

「こんにちは、死後の世界…」


私を出迎えた門が、ゆっくりと開きはじめていた

 これで一応おしまいです

 あとは、ネタだけは決まっているおまけがいくつかできるだけだと思います

門ってことはフレンダは地獄なのか?

結局コンビニ特集で何みてもうたん?

>>99
一応、想像にお任せします、みたいなエンドのつもりです

>>104
鮭弁です。あそこで文字にすると、なんだか気が抜けそうだったので…

おまけ

木原「んじゃ、次は…」

リン「あ、はい…」



阿近「…局長、何やってんですか、あれ?」

マユリ「ちょっと試したいことがあってネ、超能力の開発をしてもらっているのだヨ」

阿近「超能力開発って…義骸で、ですか?」

マユリ「超能力というのはネ、脳に依存するらしいのだヨ」

阿近「脳に…?」

マユリ「そう。義骸には、作り物とはいえ、脳も入っているのは知っているネ?ならば、義骸に入ったまま超能力を会得した場合、義骸から抜けても超能力が使えるかどうか…」

阿近「それで、リンに超能力を教えてるわけですか…」



木原「ああ、でも全然ダメだな…こいつは多分、学園都市じゃあ無能力者だ」

リン「ぅう…」

阿近「…なんか、普通に研究に参加してるんスね、この人…」

マユリ「使えるものは何でも使う主義だからネ」

ネム「木原様、次はファイブオーバーと呼ばれる兵器についてですが…」


阿近「…ファイブオーバー…?」

マユリ「学園都市の超能力者の能力を機械的に再現し、戦闘に特化させた兵器のことだヨ。同じように各隊長の卍解を再現出来たら、面白いと思わないかネ?」



 この後、残火の太刀のファイブ(?)オーバーが滅却師を虐殺して回ったという…

木原「んで、次はだな…」

マユリ「ふむふむ…」


阿近「局長、今度は自分が超能力を開発されてんのかよ」

リン「なんでも、脳が二つあったら、超能力も二つ得られるかどうかの実験らしいですよ」

阿近「ってことは、レプリカの脳でも作ったのか?」

リン「はい。内臓と同じ要領で…一応外部接続みたいですね」

阿近「脳の外部接続って…」

リン「まぁ、局長のやることですからね…」

阿近「それで納得しちまうのが、怖いところだよなぁ…」

七緒「女性死神協会に、新メンバーが加わりました」

勇音「新メンバー、ですか?」

ミサカ00001「初めまして、ミサカ00001号です、とミサカは自己紹介します」

ミサカ00002「初めまして、ミサカ00002号です、と〜」

ミサカ00003「初めまして、ミサカ〜」

勇音「あの…ざっと見ただけでも、これまでの百倍以上は続きそうなんですが…」

七緒「総勢10031名ですね」

卯ノ花「…この子達、総隊長が保護していた流魂街の方々ではありませんか?」

七緒「…え?そうだったんですか!?」

やちる「なんか面白かったから、連れて来ちゃった」

 

射場「…ついに、男性死神協会の居場所が完全にきえてしもうた…」

吉良「まさか、男子トイレまで占領されるとは…」

檜佐木「今は改造されて、完全に別物だけどな」

吉良「やっぱり、数の暴力ってすごいですね。桁が違う、なんてレベルじゃ…」

檜佐木「来年は予算まで完全にきえてるんだろうな」

三人「……はぁ」

これでお終いです

次は、上条さんの性格改変ものか、ムシウタのssのどちらか

ムシウタの方は知ってる人少なそうですけど、知っていたら是非見に来てください


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月13日 (火) 16:05:41   ID: BM4C2r1O

乙。 男性死神協会ェ・・・・・・・・。

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