子萌「起きてください上条ちゃん」 (145)
上条「むにゃむにゃ……あと五分……」
子萌「何をベタな寝言を言ってるのですー!」
子萌「というか補習中に居眠りとはいい度胸してやがりますねー」
上条「んー……? あれ? 小萌先生……?」
子萌「どうしました上条ちゃん? 怪訝な顔をして」
上条「小萌先生……なんか雰囲気変わりました……?」
子萌「何も変わってないと思いますけど……?」
子萌「先生はいつも通り、上条ちゃんの担任の『月詠子萌』先生なのです」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407243702
上条「…………?」
子萌「って、話をそらさないで欲しいのです!」
子萌「補習中に居眠りなんてして上条ちゃんは進級する気が……」
キーンコーンカーンコーン
子萌「もうこんな時間に!?」
子萌「先生は用事で行きますけど帰ったらちゃんと復習するのですよー?」
子萌「それじゃあ上条ちゃん、さようならなのです」トテトテ
上条「あ、はい。さよならー………」
上条「…………?」
上条「なんだ……? なんか違和感があったような気がしたんだけど……」
吹寄「ん? 上条?」
上条「あれ吹寄? お前休日なのに学校で何やってんの?」
吹寄「ちょっとな。そういう貴様は……あぁ補習か」
上条「そんな馬鹿を見るような目で見ないでください。それで喜ぶのは青ピだけです」
吹寄「実際馬鹿だから補習に出てるんだろう?」
上条「違うやい! 出席日数がちょっと足りなかっただけだい!」
吹寄「…………いや威張るなよ」
上条「………………はい」
吹寄「ま。補習をサボらなかっただけマシか」
上条「そりゃ昨日、吹寄がうるさく補習に出ろ出ろって言ってきたからな」
吹寄「うるさくとは何だうるさくとは」
上条「いやだってめちゃくちゃうるさかったし」
吹寄「私にはクラス委員長として貴様たち三馬鹿の躾をする義務があるから仕方ないだろっ」
上条「はいはいそうですねー。委員長さんにはわたくしたちのせいで苦労をお掛けして……」
上条「…………って、あれ?」
吹寄「どうした?」
上条「委員長って青ピじゃなかったっけ?」
上条「それに吹寄ってそんな男っぽい喋り方だったっけ?」
吹寄「? 何を言っている上条当麻?」
吹寄「委員長は一学期の最初から私だし。私の喋り方もずっとこんな感じだが?」
上条「そうだったっけ……?」
吹寄「なんだ貴様? 勉強のし過ぎでおかしくなったか?」
吹寄「それだったら疲労回復に丁度いい栄養ドリンクがあるが」
上条「いや大丈夫だ。多分寝ぼけてただけかもしれねえ。ついさっきまで居眠りしてたから」
吹寄「なんだそうか…………って、さっきまで貴様は子萌先生の補習を授けてたはずじゃ……」
上条「あっやべ」
吹寄「貴様……補習中に居眠りを……」
上条「じゃ、じゃあ吹寄また今度!」ダッ
吹寄「こら! 待て上条当麻!」
ーーーーー
ーーー
ー
上条「……あっぶね。また吹寄の頭突き食らっちまうとこだった……」
上条「せっかくグレムリンの問題も片付いて怪我も治ったってのに頭突きでタンコブ一つだって作りたくねえな」
上条「にしてもさっきから感じる違和感はなんだ?」
上条「小萌先生とか吹寄とか、なーんか変な感じがするんだよな……」
上条「うーん……?」
一方「おッ、三下じゃねェか」
上条「一方通行?」
上条「街中で会うなんて珍しいな」
一方「そォかァ?」
上条「どっか行く途中だったのか?」
一方「コンビニ行ッた帰りだよクソッタレ」
上条「コンビニねぇ……うっわ! 缶コーヒーばっかじゃねえか!」
一方「勝手に見てンじゃねェ!」
上条「あれ? コーヒーの他にプリンも……? 何お前って実は甘党?」
一方「あァ、そいつはあれだ」
一方「マイスウィートハニーの打ち止めのデザートだ」
上条「 」
上条「何!? 何があったのっ!? お前にいったい何があったっていうんだ!?」
一方「あァ? テメェは何を騒いでンだァ?」
一方「つゥかテメェの方こそ何か……「セ・ロ・リ……」
一方「ッ!」バッ
ミサカ20000号「たーん!」ダキッ
一方「反射ァ!」
20000号「あふんっ」
一方「なンでテメェが学園都市にいるンですかァ!?」
20000号「セロリたんに会いにロシアからやって来ました! とミサカはセロリたんの股間のアクセラレータを注視しながら答えます」ハァハァ
一方「どこ見てやがンだこの脳内お花畑ッ!」
20000号「あぁんっ……もっと罵ってぇ、とミサカは光悦の表情を浮かべながら今にも飛びかからんとにじり寄ります」
一方「あああァァァッッ!!」ダッ
20000号「逃がさない! とミサカは愉快にお尻を振るセロリたんのあとを追いかけます!」
一方「追いかけてくンじゃねェェェェ!」
20000号「うふふふー!」
上条「……行っちゃった」
上条「なん……だったんだ……?」
上条「あれって御坂妹……なのか? 何か変だったけど」
上条「それに一方通行にもどこか違和感があったような……」
上条「どこがおかしいかって言われたらハッキリとはわからないけど」
上条「でも小萌先生や吹寄に続いて一方通行と御坂妹まで……」
上条「流石にこれはおかし……」
レッサー「かっみじょーさーんっ!」バッ
上条「のわっ!?」
レッサー「お久しぶりでっす。あなたの可愛い恋人レッサーちゃんですよー!」
上条「レッサー!? なんでこの街にっ?」
レッサー「あなたに会いに来たに決まってるじゃないですかー」
上条「俺に会いに来たって……なんでまた」
レッサー「愛する人に会うのに理由が必要で?」
上条「愛すっ……」
上条「…………ふっ」
上条「そんな甘いセリフや色仕掛けで上条さんは騙されたりしませんことよ!」
上条「どうせ、英国の為に~、とかなんとか言うんだろこの畜生め!」
レッサー「?」
レッサー「いったい何をおっしゃって?」
上条「何をって、お前会うたびにイギリスの利益の為にって言ってんじゃん」
レッサー「はて? そんなこと言った覚えはありませんが……?」
上条「はっ……?」
レッサー「あなたに対する気持ちを綴った愛の言葉なら言った記憶があるんですけど……」
上条(どういうことだ? ふざけてる様には見えないけど……)
上条(レッサーも少し変になってるってことなの……)
ムニュッ
上条「っ!?」
レッサー「~♪」ギュウッ
上条「れれレッサーさん!? あなたいったい何やってんの!?」
レッサー「何って、見ての通りあなたと腕組んで私のおっぱいをこうむにむにと押し付けて……」
上条「やっぱり色仕掛けしてんじゃねーか!」
レッサー「色仕掛けとは失礼な! あなたに対する熱烈なアプローチですよ!」
上条「言い方変えただけで一緒だろ!」
レッサー「でも嬉しいでしょう?」ムニムニ
上条「否定できないっ!」
上条「……じゃなくて!」
レッサー「……迷惑…ですか……?」
上条「えっ」
レッサー「やっぱり魔術側の、しかも結社予備軍なんて中途半端な所属の私に好かれては迷惑なんでしょうか……」グスッ
上条「えっ、いや、そんなことは……ないけど……」
レッサー「ほんとですか!」パアァァッ
レッサー「じゃあじゃあ! このまま腕を組んでてもいいんですか!?」
上条「ま、まあ別に問題はないけど……」
レッサー「わーいっ!」ギューッ
上条「っと」
上条(えぇ…なにこの可愛いレッサー。マジで何なの。つーかおっぱい柔らけえ……)
バードウェイ「おい!」ザッ
上条「っ! バードウェイ!? なんでお前までこの街にっ?」
バードウェイ「私がここにいる理由などどうでもいいだろう」
バードウェイ「それよりも……」ジロッ
レッサー「…………」
バードウェイ「いったい何をしている? 結社予備軍のメス猫」
上条「メス猫!?」
レッサー「見ての通りラブラブデートの真っ最中ですけど?」
上条「ラブラブデートって何!?」
バードウェイ「ほぉう? それはいったいどういうことだ上条当麻?」
上条「こっちが聞きたいんですけど!?」
上条「つーかバードウェイさんブチ切れてね!? 臨戦態勢入ってね!?」
バードウェイ「…………」ゴゴゴッ
上条「ちょい待ち、ちょい待ち! 魔術攻撃は勘弁ーーーっ!」
バードウェイ「…………ぐすっ」
上条「…………?」
バードウェイ「ぐすっ……ぐすんっ……、お兄ちゃん……がっ、……メス猫っと……デート…」
上条「 」
バードウェイ「う……うぇぇぇぇぇんっ!」
上条「…………はっ!」
上条「落ち着けバードウェイ! ていうかなんで泣き出した!?」
バードウェイ「うっ……、ひっぐ……お兄ちゃんが……そいつと……うぅっ」
上条「色々突っ込みたいけどとりあえず泣き止んでくれっ!」
レッサー「こんなところで突っ込みたいなんて大胆ですよぅ///」
上条「突っ込みたいってそういう意味じゃないしそもそもお前に言ってないし!」
上条「とりあえずレッサー腕離して」
レッサー「あっ」パッ
上条「えぇと、とにかく落ち着けよバードウェイ。な?」ナデナデ
バードウェイ「……うん」グスッ
上条(な、なんだこの妹属性っぽいバードウェイは……)
上条(保護欲がそそられるというかなんというか)
上条(めちゃくちゃ可愛い)
上条「よしよし」ナデナデ
バードウェイ「~♪」
レッサー「むぅ…………ん?」
バードウェイ「…………」ニヤッ
レッサー「!! この貧乳娘! 泣き真似じゃないですか! 全部策略かよこんちくしょう!」
上条「レッサー!? いきなりどうしたっ?」
バードウェイ「キャー、助けてお兄ちゃん! メス猫が怖ーい!」
レッサー「誰がメス猫ですかこのつるぺた女狐!」
バードウェイ「あぁん? やる気か、このメス猫」
レッサー「いいでしょう。やってやりますともこの女狐」
バードウェイ「…………」
レッサー「……………」
ズガガガーッ!
ドガーン!
バードウェイ「吹き飛べメス猫!」
レッサー「そっちこそその胸みたいに消え去りなさい!」
上条「…………よし逃げよ」
上条「なんだったんだあいつら……」
上条「レッサーは英国の利益抜きで俺のことを好きとか言って」
上条「バードウェイは妹属性が付いて俺に甘えてきた……」
上条「よくわからんがいつものあいつらじゃない」
上条「そして確信した。俺の周りで何かが起きてる」
上条「しかも俺以外それを認知してないっぽい」
上条「形としては『御使堕し』みたいな魔術が発動してる感じか?」
上条「だとしたらやべえかもしれねぇ……」
上条「俺以外にまともな奴がいない可能性があるのか……」
上条「もしそうならどうすれば…………ん?」
上条「あそこにいる黒髪ポニテの露出痴女は……」
上条「神裂か!」
上条「あいつなら御使堕しの時も半分平気だったし……」
上条「今回も平気かもしれねえ!」
上条「そうと決まれば!」
上条「おーい! 神裂ー!」
神崎かおり「はい?」
上条「すみません人違いでした」
上条「誰だ……誰だあれは」
上条「とりあえず見なかったことにしようそうしよう」
幼女「わーいわーい」
ステイル「…………」ジィー
上条「……やべえ奴を見つけてしまった」
ステイル「おや上条当麻。よかったら君も一緒に幼女ウォッチングでもどうだ……」
上条「そげぶ!」ゴッシャアッ
ステイル「ひでぶ!?」
上条「くたばれこのロリコンめ!」
ステイル「 」チーン
上条「はぁはぁ」タッタッタ
海原「私はロリコンではなくてミサコンであってですね……」
上条「はぁはぁ」タッタッタ
冥土返し「ナース服はミニスカートに限るんだね?」
上条「はぁはぁ」タッタッタ
佐天「初春私能力に目覚めたよ!」
初春「やっぱり時代は上×一ですね。でも黒垣×白垣も捨てがたい腐腐腐腐腐」
上条「はぁはぁ」タッタッタ
滝壷「はまずら……」
浜面「滝壷……」
麦野「あ”あ”あ”あぁぁぁ!」
絹旗「麦野超落ち着いてください! 滝壷と浜面もイチャイチャすンな!」
上条「はぁはぁ……」
上条「ダメだ……違和感があることに気づいている奴がいねえ……」
上条「いったいどうすれば……」
prrrrr
上条「! 土御門から電話!?」
上条「もしもし! 土御門!」
土御門『上やん! その慌てっぷりだと気づいてるみたいだにゃー』
上条「その言い方だとやっぱり……」
土御門『ああ。学園都市内で大規模な魔術が発動している』
上条「学園都市内で……」
土御門『術式の効果は上やんもわかっているか?』
上条「なんつーか、みんないつもと違う感じがするっていうか……」
土御門『その通りだ。術式の効果を受けた人間は普段の様子と少し変わっている。そしてそのことを自覚していない』
上条「土御門は術式の効果を受けてないのか?」
上条「それともまさかまた防御用の魔術を使ったんじゃ……」
土御門『安心しろ上やん。俺の身体はいたって健康体ぜよ』
土御門『運良く学園都市の外にいてな。ついさっき学園都市外周の前に来た時に術式に気づいたんだにゃー』
上条「そうなのか……」ホッ
土御門『だが俺も術式の効果をまったく受けてないとは言い切れん。周りがおかしいというのはわかるが俺もおかしくなっているかは自覚できてないんだにゃー』
上条「まじかよ……」
土御門『まあでも心配するな上やん。多分口調が少しおかしいだけで大した問題はないはずですたい』
上条「そっか。なら安心だ」
土御門『だが学園都市の中に入るとおそらく俺も術式の効果を完全に受けちまう。そうなったら上やんのサポートができなくなるんだにゃー』
上条「それってつまり……?」
土御門『上やんには悪いがこうやって電話でサポートしかできないってことだにゃー』
上条「なるほど……、まあ俺以外に違和感を持ってる奴がいるってだけで十分だ」
土御門『おーおー、流石上やん。頼りになるにゃー』
上条「それで土御門。この術式を解くにはどうすればいいんだ? まさか御使堕しの時みたいに家一つぶっ壊せなんて言わないよな」
土御門『学園都市内にこの術式を発動した術者がいるはずだ。そいつを見つけ出して気絶させるか術式そのものを破壊するかだにゃー』
土御門『発動している効果と規模を考えると、術式もそこまで複雑なものじゃないはずだから上やんが右手で触れれば一発で済むだろうにゃー』
上条「よしわかった」
土御門『そうだ上やん。最後に一つ言っておくことがあるぜい』
上条「なんだ?」
土御門『現在発動している術式の呼び名だ』
上条「『御使堕し』みたいな感じのやつか?」
土御門『ああ。呼び名と言っても仮の呼び名だけどにゃー』
上条「それで、なんて呼び名なんだ?」
土御門『「創作混同」』
土御門『そいつがこの術式の呼び名だにゃー』
今日はここまでです
だいたい予測ついてると思うけど、SSでよくあるミスとキャラ設定を詰め込んだスレになってます
一方の口調とか吹寄海原の一人称とか20000号のキャラとか
それではおやすみなさい
進撃のSSは知らない
元ネタは一番最初の禁書雑談スレで話題になってた禁書SSでよくある間違いって会話
あとは>>1の勝手なイメージ
予定では五和さんも姫神も出すつもり
では投下します
上条「『創作混同』……」
土御門『詳細は省いてザックリ説明するとだにゃー』
土御門『俺たちのキャラクターが他者のイメージに強制的に合わされてるって感じぜよ』
上条「性格とか口調とかが変わってるのはそのせいってことか……」
上条「あれ? でもその魔術って害とかあるのか?」
上条「小萌先生とか吹寄とか、違和感はあるけど別に何か問題があるようには感じなかったけど」
上条「むしろレッサーとかバードウェイとかこっちのほうが可愛くていいんだけど」
土御門『……確かに一見問題はないようにも見えるけどにゃー』
土御門『この術式の影響で色々とやばくなってる奴らもいるはずですたい』
上条「…………あー、確かに」
上条(神裂とかステイルとか一方通行とかやばかったな……)
土御門『それにこの術式が影響を与えているのは人だけじゃない』
上条「人だけじゃない……?」
土御門『上やん。さっき新たなる光の構成員や明け色の陽射しのボスの名前を出していただろう』
上条「あ、あぁ。そうだけど?」
土御門『つまりその二人は学園都市の中にいるってことだ』
上条「そりゃそうだろ。でなきゃ会えないしな」
土御門『……どうしてその二人は学園都市にいると思う?』
上条「どうしてって………?」
土御門『どうやって学園都市の厳重なセキュリティを突破して中に侵入したかってことだ』
上条「…………」
土御門『はっきり言うと、この術式は学園都市そのものにも効果を発揮している』
土御門『他者のイメージからすると、「学園都市は魔術師が容易に侵入できる程度のセキュリティしかない」ってことになっているんだぜい』
土御門『その結果、魔術師が数人侵入しているってわけだにゃー』
土御門『わかったか? 上やん』
上条「…………わかったけどさ」
土御門『ん?』
上条「もともと学園都市のセキュリティって結構ザルじゃね?」
土御門『…………確かに』
土御門『だ、だがなっ。セキュリティ以外にも色々影響を与えているのは間違いない』
土御門『何より問題なのは実際に魔術師が侵入しているってことだっ』
土御門『このままじゃもっとヤバい魔術師も侵入してくるかもしれん』
土御門『そうなると学園都市のあちこちで戦闘が起こるぞ』
上条「そんなことになったら大変じゃねーか!」
土御門『だからヤバいって言ってるんだにゃー!』
土御門『だから上やんには即刻魔術師を見つけて撃破するか術式を破壊するかして欲しいんだにゃー』
上条「よしわかった」
土御門『俺は俺で出来ることをする。よろしく頼むぜい』
上条「任せろ」
上条「……でもなんか今回の土御門、結構余裕ない感じがするな」
土御門『そりゃ魔術師が侵入して俺のマイスウィートハニーの舞夏が怪我でもしたら大変だからに決まってんだろうがっ!』
土御門『そういう訳だからよろしく上やん! 』
ブツ
上条「…………やっぱあいつも影響受けてんじゃね?」
上条「さて、状況はわかったけどどうするかな」
上条「手当たり次第に探し回っても見つからないだろうし……」
上条「困った時の土御門は使えない、となると……」
上条「インデックスとオティヌスに頼るか」
上条「あいつらウチにいるかな……」
ーー学生寮・上条宅ーー
上条「御使堕しの時を考えるとインデックスも術式の効果を受けてるよな………」
上条「いったいどうなってんだろ……」
上条「前は青ピの姿になってたし、ちょっと怖いな……」
上条「………………」
上条「ええい、ままよ!」
上条「ただいまインデックス!」ガチャ
禁書「遅いんだよとーま! さっさとご飯をつくるかも! ハリーハリーハリーっ!」
上条「……あれ? いつもとたいして変わんない?」
上条「インデックスのイメージってこんなもんなのか……? それとも術式の影響を受けていないのか……」ブツブツ
禁書「こらとーま! ブツブツ独り言を言ってる暇があるならご飯をつくるんだよ! 私はもうお腹ペコペコなんだから!」
上条「落ち着けインデックス! 歯をカチカチ鳴らすな!」
禁書「落ち着けるわけないかも! とーまの仕事は私にご飯をつくることなんだよ!? それなのにその仕事をほっぽって補習なんかに行って!」
上条「ちょ、インデックスさん? 流石に暴論すぎやしませんかね……?」
禁書「問答無用かも!」バッ
上条「あぶね!」サッ
禁書「がるるるっ……」
上条「やべぇ……インデックスも術式の影響受けてるなこりゃ」
上条「いつにも増して食欲が旺盛になってるのか……」
上条「加えて暴力性も増して……」
上条「こんなんでシスターを名乗っていいのか……?」
禁書「ふしゅるるる……」
上条「っと、冷静に分析してる場合じゃねえな」
上条「インデックス! これを見ろ!」
禁書「?」
上条「少しの量と大量の水でお腹がいっぱいになる優れもの! 切り干し大根さんだ!」
上条「他にもカルシウムたっぷり煮干しさんや干ししいたけさんも……」
禁書「とーま」
上条「…………はい」
禁書「そんなもので私の空腹がごまかされるとでも?」
上条「…………」
禁書「覚悟はいいよねとーま」ガチガチ
上条「…………っ!」
ガブゥッ!
ギャーッ!
上条「いてて……」
禁書「とりあえず乾物を食べているからその間にとーまはご飯をつくるといいかも!」ガツガツムシャムシャ
上条「へいへい……」
上条(この感じじゃインデックスに頼るってのは難しいか……、食欲と暴力に支配されてやがる)
上条(つーかこいつに対する周りからのイメージってどうなってんだよ)
上条「……あれ? そういやオティヌスはどこに……?」
「呼んだか? 人間」
上条「オティヌ……」
オティヌスたん「ふん」
上条「……………お前………太った?」
オティヌスたん「いきなり失礼すぎるだろお前!」
上条「いやだってなんかお前丸っこくなったというかぽちゃっとしたというか……、デフォルメ化されてね?」
オティヌスたん「妖精化の影響でこうなったのはお前も知ってるだろうが! 太ったわけではない!」
オティヌスたん「むしろ人間サイズだった時と比べると体重は何十キロと軽くなっているっ」
上条「あー、そうか。お前も術式の影響を受けてるってことか」
オティヌスたん「何? 術式?」
上条「こいつの周りからのイメージはなんなんだ? マスコットか? ギャグ要員か?」
オティヌスたん「おいこら何の話だ人間!」
上条「少なくともこれじゃ頼りには出来そうもないなぁ」
オティヌスたん「無視するな! というか私のことギャグキャラとか言ったかお前!?」
オティヌスたん「どう考えてもメインヒロインだろうがぁ!」
上条「二人は頼れないか……」
オティヌスたん「おい! おい無視するなと言っているだろう!」
上条「こうなったら土御門の連絡待ちか」
オティヌスたん「おい……おーい……聞こえてるのか?」
上条「とりあえず自分でも探してみるか。もしかしたら影響受けててもあまり変わんない奴もいるかもしれないし」
オティヌスたん「………………」
上条「よし! そうと決まれば善は急げだ!」
上条「じゃあもう一度出かけてくる!」
禁書「はぁ!? とーまはいったい何を言ってるのかな!? 私のご飯を作らずまた出かけるなんてふざてるにもほどがあるんだよ!」
上条「いやいやインデックスさん。俺にはやらなきゃいけない大事な用があってだな……」
禁書「私のご飯より大事な用なんてこの世にないんだよ!」
上条「どんだけ自己中なんですかインデックスさん!?」
禁書「じこちゅーとかそんな難しい言葉知らないんだよ……」ユラッ
上条(来るっ!)
禁書「ぐるるるっ」バッ
上条(はやっ……!)
シュバッ
上条「!?」
禁書「!?」
スフィンクス「ふしゃーっ」
上条「スフィンクス……っ!?」
禁書「すふぃんくす……? 私の邪魔をするつもりなのかな……?」
スフィンクス「にゃー(悪いな。オレの主人はあんただが、食事の世話をしてくれる家主はこっちなんでな。黙って見過ごせねえってもんなんだよ)」
スフィンクス「にゃー(そういうわけだ。ここは俺に任せて行きな家主さんよ)」
スフィンクス「にゃー!(こっちもオスとして引き下がれねぇこともあるってもんよぉ!)」
上条「スフィンクス……」
上条「何言ってるのかまったくわかんねえけどインデックスのことよろしくな!」
上条「じゃ!」ダッ
禁書「あっ! とーま!」
スフィンクス「にゃー!(ここは死んでも通さねえ!)」
禁書「むきーっ! 邪魔しないで欲しいんだよすふぃんくすー!」
ーーーーー
ーーー
ー
上条「スフィンクスのおかげでなんとかなったが……」
上条「多分スフィンクスも術式の影響受けてるな」
上条「どう考えてもカッコ良くなり過ぎだ」
上条「人間以外にも影響はあるとか土御門が言ってたけど、動物までもか……」
上条(しかしオティヌスまで術式の影響をモロに受けてるとはな。腐っても……もとい縮んでも魔神だったわけだし平気かと思ったんだけど……)
上条「あてが外れたなぁ……」
美琴「何のあてが外れたの?」
上条「っ! み、御坂さん……」
お久しぶりです
遅くなって申し訳ない
今から投下しますー
美琴「ちょっと何よ、会うなりそんな嫌そうな顔して」
上条「いやいや別になんでもありませんことよ……?」
美琴「そう?」
上条「そうそう」
上条(……御坂か。こいつも十中八九影響を受けてるはずだけど)
上条(どういう風になってるか……)
美琴「何でもないっていうなら、別にいいわよね?」
上条「いいって……何が?」
美琴「そんなの決まってるじゃない」
バチバチッ
上条「っ!」
美琴「勝負よ!」
美琴「だっしゃあああ!!」バリバリッ
上条「あっぶね!?」パキィーン
美琴「防いでるんじゃ……」
美琴「ないわよっ!」バリバリッ
上条「っ!」パキィーン
美琴「あぁもうムカつく!」
上条「お前っ! いきなり過ぎるだろ!」
美琴「男のくせにゴチャゴチャうるさいわね! 黙って私と勝負して負けなさい!」
上条「勝負勝負ってお前はどこの雷神だ! しかもこの前俺に勝ったくせに負けろって!」
美琴「あんなもんノーカンよノーカン! 満身創痍のアンタを倒したって意味ないんだから!」バリバリッ
上条「くっ!」パキィーン
上条(くっそ……防いでるだけじゃきりがないな)
上条(しかし御坂のイメージは戦闘狂かよ)
上条(記憶無くす前の俺と散々バトってたみたいだしそう思われても仕方ないのか……?)
上条(ともかくこいつの相手してる場合じゃないし)
上条(早々に切り上げさせてもらうか!)
上条「よっと」ガシッ
美琴「っ!」
上条「はいこれでチェックメイト。もう電撃出せないから俺の勝ちっ」
美琴「こら! 離しなさい! つーかこんなんで勝ちとき決めるな!」
美琴「やるならもっと徹底的にやりなさいよ! こんな中途半端な敗北なんて私は認めないわ!」
上条「中途半端って……、じゃあ何か? 御坂さんは俺に徹底的にボコボコにされないと気が済まないってか?」
上条「御坂美琴のイニシャルのMはドMのMでしたー、ってか?」
美琴「そんなわけあるか!」
美琴「私はやるならもっと本気でやれって言ってんの!」
上条「本気って……、そんなこと出来るわけないだろ」
上条「俺の本気ってグーパンだぞグーパン。女の子相手にそんな真似できねえよ」
美琴「お、女の子っ?」
上条「ましてや御坂みたいな(名門中学の)大切な女の子を殴れないっての」
美琴「たたた、大切な女の子!?」
美琴「あああ、アンタっ。私のこと大切な女の子って……。どどど、どういう意味で……」
上条「うん? どういうもなにもそのまんまの意味だけど?」
美琴「そっ、そのまんまってアンタ……」
美琴「っ///」カアアァァッ
上条「御坂……?」
美琴「ふにゃあぁぁぁ///」プシューッ
上条「御坂っ、どうした!?」
美琴「大切……大切な女の子……ふふふ///」ブツブツ
上条(顔が赤く目が虚ろに、ブツブツ何か言って……)
上条(まさか魔術師からの攻撃!? いったいいつの間に!?)
上条(妙な術式だけじゃなく魔術攻撃までしてくるなんて……おのれ魔術師!)
上条「大丈夫か御坂!?」ピト
美琴「っ!?」
上条「くそっ! 右手で触っても効果がない!」
上条「こうなったら身体中を片っ端から触っていくしか……」
美琴「身体中を触るっ!?」
美琴「あ、アンタいったい何考えて……///」ドキドキ
上条「安心しろ御坂。全部俺に任せろ」
上条「キチンと責任とって(助けて)やる」キリッ
美琴「責任って……///」
上条「いくぞ」
美琴「ま、まだ心の準備が……///」
上条「…………」ソーッ
美琴「ーーーっ!」
美琴「……む」
上条「む?」
美琴「無理」
美琴「無理無理無理無理ーーーっ///!」バチバチッ
上条「のわっ!」パキィーン……
美琴「い、いきなりそんなの無理よ! もうちょっと順序ってもんが……///」
上条「順序?」
美琴「こういうことはもう少し段階を踏んで……///」ゴニョゴニョ
上条「段階って?」
美琴「段階ってそれは……」
美琴「それは……///」
美琴「ああぁぁぁ!! 女の子にそんなの言わすなあぁぁぁ!!」ダダダッ
上条「あ! おい御坂!」
上条「……行っちまった」
上条「まああれだけ走れたら大丈夫っぽいか」
上条「しかし結局手がかりは見つからないままで土御門からの連絡も……」
prrrrr!
上条「っと。言ってるそばから……はいもしもし」
建宮『よう。久しぶりなのよな』
上条「あれ? 建宮か? いったい何で……」
建宮『事情は土御門から聞いてるのよ。だからお前さんに協力しようと思ってな』
上条「そいつは助かる! ……でもお前、術式の影響は受けてないのか……?」
建宮『幸いにも天草式の大半は術式の影響を受けてても大した変化や問題はないのよ』
上条「へえ、そうなのか。なんでだろうな」
建宮『そりゃあ出番が少ないから……』ボソッ
上条「え? 何か言ったか?」
建宮『なんでもねえのよ』
建宮『ともかくそういうわけだから天草式のメンバーを数人お前さんのもとに送るのよ。そいつらと協力して術者を捜索してくれ』
上条「わかったけど数人だけなのか? 天草式全員で学園都市に来てるんじゃないのか?」
建宮『あー……それなんだが……』
建宮『今天草式のメンバーの多くを別件に割いていてな。直接お前さんに手を貸すことが難しくなってるのよ』
上条「別件?」
建宮『まあ全員この街には来てるから何かあったら連絡はすぐとれるのよ』
上条「おう、わかった」
建宮『……この術式は思ったよりも深刻だ。くれぐれも気をつけて欲しいのよな』
上条「気をつける……? いったい何に……」
建宮『それはまあ何にと言うか誰にと言うか……』ゴニョゴニョ
上条「建宮ー? よく聞き取れねえんだけどー」
建宮『とにかく! 互いに頑張るのよ! じゃ』
上条「お、おうっ」
ブツ
上条「………妙にハッキリしない話し方だったな」
上条「まぁ、天草式もトップがモロに影響受けて大変なんだろ」
上条「あとは天草式の増援を待って……」
対馬「……」
香焼「……」
上条「…………以上なほどの絶壁と美脚を持つ女の人とすげえ幼い顔の男の娘が」
今日はここまでです
おやすみなさい
投下する前に登場済みキャラのよくあるミスまとめ
『子』萌ではなく『小』萌
吹寄の一人称は『あたし』
吹寄の口調は男口調ではない
クラス委員長は青ピ
一方通行の二人称は『テメェ』ではなく基本的には『オマエ』
一方通行の口調は『ァィゥェォン』がカタカナで『ッ』は『っ』
『神崎かおり』ではなく『神裂火織』
海原(エツァリ)の一人称は『私』ではなく『自分』
佐天さんの一人称は『私』ではなく『あたし』
滝『壷』ではなく滝『壺』
はま『ず』らではなくはま『づ』ら
冥土『返し』ではなく冥土『帰し』
土御門の一人称は『俺』ではなく『オレ』
『上やん』ではなく『カミやん』
インデックスの呼び方は『とーま』ではなく『とうま』
香焼の口調は『です』→『す』になる。『っす』ではない
多分こんなもんかと
上条「二人が天草式の応援ってことでいいんだよな? 名前はえっと……」
対馬「対馬よ」
香焼「香焼っす」
上条「よろしくな。対馬、香焼」
上条「じゃあ対馬、香焼。悪いけど協力頼む」
対馬「任せて!」グッ
香焼「了解っす!」グッ
上条「やけにチカラ入ってるな」
香焼「当然っす。この恐ろしい術式を早いとこ解除しないと大変なことになりますから」ガクブル
上条「大変なこと……?」
対馬「香焼っ」
香焼「あっ! いや、今のはなんでもないっす」ワタワタ
上条「……? まあ、大変といえば大変か」
上条(神裂とか神裂とか神裂とか……)
対馬「そ、そうねー」
対馬「(ちょっと香焼。五和のことは彼には内緒だからね)」ヒソヒソ
香焼「(了解っす。今の五和を会わせたら、あとあとの好感度が大変なことになりますもんね)」ヒソヒソ
対馬「(好感度どころの騒ぎじゃなくなるわよ)」ヒソヒソ
対馬「(下手したら五和がいきなり彼をブスリ)」
対馬「(……なんてことに)」
香焼「(ひぃ……)」
上条「ヒソヒソ話してどうしたんだ?」
対馬「っ!」ビクッ
香焼「っ!」ビクッ
対馬「な、なんでもないわよっ?」
香焼「そ、そうっすっ」
上条「そうか?」
香焼「それよりも早いとこ術式の解除に向かいましょう」
上条「うーん……そうなんだけど、当てがないからなぁ」
香焼「あの人は頼れないんすか? イン…イン……なんとかさん」
上条「インデックスは駄目だな。魔術のせいでまともに話が出来そうもない」
上条「二人は魔術でサーチとかできないのか?」
対馬「流石に二人じゃ学園都市全域に探索術式をかけるなんて無理よ」
上条「やっぱそうなのか」
香焼「自分たちはありあわせの道具で魔術を使いますからね」
香焼「広範囲で大規模な魔術となるとそれなりの霊装を用意しないと無理っす」
上条「へぇ…………ん?」
対馬「どうかしたの?」
上条「……それってさ。この術式にも言えることなんじゃないか?」
対馬「?」
香焼「?」
上条「この術式も学園都市全域に効果を発揮してるんだったら発動させるのにはそれなりの霊装とかが必要になるはずだよな」
対馬「確かに……」
香焼「でもそれがどうしたんっすか?」
上条「そんな大荷物の人間なら誰か目撃者がいてもおかしくないだろ」
対馬「目撃者……それはありえそうね」
上条「大荷物じゃなかったとしても、大きな術式を準備してる姿を見られてたり監視カメラに映ってるかも……」
香焼「ならおおまかな場所を絞ってその周辺の聞き込みをすれば……」
対馬「魔術師を見つけられる……」
上条「そういうこと」
上条「それにはまずおおまかな場所を絞らないといけないんだよな……」
対馬「それなら多分絞れるわよ」
上条「マジで?」
対馬「この街の地形と外周ギリギリまでしか術式の効果が出てないことを考えると……」
香焼「街の中央あたりってことっすね」
上条「じゃあ土御門に予想したことをメールで報告しておくか」
対馬「こっちも教皇代理に連絡をとってもう少し聞き込み用の増援を頼んでみるわ」ピッ
対馬「……あ、教皇代理ですか」
建宮『つ……つし…ま……』
対馬「っ! 教皇代理!?」
上条「?」
香焼「?」
建宮『逃げ……るのよ……。我ら本隊では……奴の…暴走をとめられなかった……のよな』
建宮『ごふっ……』
対馬「教皇代理!? 教皇代理!?」
建宮『死ぬ前に……女教皇様の堕天使エロメイドを生で見たかっ……た』
対馬「………………とっとと死ね」
建宮『酷っ』
ブツッ
対馬「はぁ……」
上条「えーっと……対馬? 建宮に何かあったのか?」
対馬「んー……多分大丈夫だとは思うけど」
香焼「対馬先輩……まさかと思うんすけど……」
対馬「……そのまさかよ」
上条「何? 何かあるの?」
対馬「いやまあちょっと……ね」
香焼「とりあえず早く街の中央に……っ」
ジャキン
対馬「っ!」
香焼「っ!」
上条「ん? あいつは……」
「かぁーみじょぉーさぁーん」
対馬「で、」
香焼「でたっ!」
五和「うふふふふ」ニコッ
今日はここまでです
おやすみなさい
五和「お久しぶりです、上条さぁん」ニコニコ
上条「おっ、五和じゃん。久しぶり」
上条「お前も協力してくれるのか」
五和「当然ですよ。そのために障害を乗り越えてここまで来たんですから」ニコニコ
上条「障害?」
五和「えぇ」ニコニコ
香焼「つ、対馬先輩! どうするんっすか!? 五和の奴、こっちに来ちゃいましたよ!」
対馬「どうするって言われても……」
香焼「五和が言ってる障害って教皇代理たちのことっすよね!?」
対馬「ヤンデレモードの五和に見事やられたわけね……」
対馬「教皇代理たちも術式の影響受けてモブレベルの強さになっちゃってたから仕方ないか」
香焼「対馬先輩ーっ! 冷静に分析してる場合じゃないっすよ! 」
香焼「今は暴走した五和をどうにかしないとっ」
対馬「落ち着きなさい香焼。今の五和は彼の前で少しおとなしくなってるから、下手なことしない限り暴走しないはず……」
上条「いやぁ、それにしてもいいタイミングで来たな。今あっちの二人と色々話をしてて大体の予測はついてたんだ」
対馬「ん?」
香焼「あれ?」
上条「あとは魔術師を捜すだけになってたんだよな」
上条「あの二人のおかげで」
上条「あの二人、ほんと頼りになってるよ」
上条「対馬と香焼」ニコニコ
対馬「 」
香焼「 」
五和「……へえぇ、そうなんですかぁ。対馬さんと香焼さんが。へえぇ……」
五和「そうだ、上条さん。私対馬さんと香焼さんに大事な話があったんです」
五和「申し訳ありませんけど、先に一人で術者の捜索をお願いします」
上条「えっ、俺一人で?」
五和「私もすぐにあなたのもとに行きますから」
五和「ね?」ニッコリ
上条「お、おう……」
上条「えっと……じゃあそういうことらしいからまた後でな。対馬、香焼」
対馬「え、ちょ」
香焼「おいてかないで欲しっ」
五和「対馬さん、香焼さん」
対馬・香焼「っ!」ビクゥッ
五和「お話、しましょう?」ニッコリ
対馬・香焼「ひっ……」
ヒギャアアアアァァァァ
上条「……結局また一人になってしまった」
上条「こうなりゃ聞き込みだ聞き込み!」
上条「だいたいの場所は絞れてるんだ! それならあとは身体を動かすだけ!」
上条「もういっちょ頑張るか!」
フロリス「はぁ? 魔術師? 『私』が知るわけないでしょ、この糞ジャパニーズ」
削板「怪しい人間? そんな奴がいるのか!? なんでそんな奴を見逃してるんだ俺の根性は!」
アーックア「ふむ、見ていないのである。そんなことより や ら な い か」
■■「知らない、というか、これ、何?」
上条「……うぅむ。目撃者は無し、か」
上条「よっぽどうまいこと隠れながら行動してたのか」
上条「そもそも俺の推測が間違ってたのか」
上条「もしそうなら手掛かりはまたゼロに……」
上条「クッソ! このままじゃみんながおかしくなったままに……」
prrrrr!
上条「土御門……っ!」ピッ
土御門『よーっす上やん、手こずってるかにゃー?』
上条「お前……なんでそんな気楽そうなんだよ」
土御門『そりゃあ解決策を見つけたからに決まってるぜよ』
上条「へぇ…………」
上条「って、マジで!?」
土御門『おおマジだぜい。助っ人を送る以外にこっちも色々やることやってたんだにゃー』
土御門『それでこの術式の効力を調べたらなかなか面白いことがわかったんだぜい』
上条「面白いこと……? その面白いことが解決策なのか?」
土御門『結果的にはそういうことになるんだにゃー』
上条「よくわからねえけど……、その面白いことってのは……」
土御門『…………この術式、「創作混同」の性質を逆手にとるんだにゃー』
ーー第七学区・とあるビルの屋上ーー
魔術師「……ふっふっふ」
魔術師「学園都市内での魔術は無事に発動」
魔術師「あとは儀式場の拡大を行い術式の効力を世界中に広げれば……」
魔術師「強大な魔術師ほど弱体化し、大した力を持たない魔術師が猛威をふるうことができるようになる……」
魔術師「そんな世界になれば……」
上条「自分が一番になれる……ってか?」
魔術師「な、何者だ!? 何故ここに……!?」
上条「そんなことどうでもいいだろ……」
上条「それにしてもこんな魔術発動させた理由がそんなくだらないもんだったとはな」
魔術師「く、くだらない……だと」
上条「ああ、くだらねえ。くだらねえよ!」
上条「ここまですげえ魔術発動できるのになんでそんなこと考えるんだよ!」
上条「この魔術を発動できるまで、てめえは努力をしてきたんだろ!?」
上条「自分が一番になりたきゃそのまま頑張っていけばいいじゃねえか!」
上条「それを自分はダメだと思い込んで、途中で諦めて」
上条「他人の足を引っ張るような真似をして!」
魔術師「だ、だまれぇ!」
魔術師「わ、私も魔術師の端くれ! 子ども一人にやられるほど弱くはないわぁ!」
上条「うるせえ、そげぶ!」ゴシャッ
魔術師「ぐふぉっ!?」
魔術師「……く……そっ」ガクッ
上条「…………決まった」
ーーーーー
ーーー
ー
土御門『魔術師討伐お疲れだにゃー。カミやん』
上条「もう術式の影響はなくなったのか?」
土御門『バッチリですたい。周りの奴らも見事に影響がなくなってるぜい』
上条「そりゃよかった」
上条「それにしても本当にこんなあっさり解決できるとはなぁ」
上条「術式の性質を逆手にとったんだっけ?」
土御門『その通りだにゃー』
土御門『この術式は周囲からのイメージが重要だったからにゃー』
土御門『そいつを逆に利用できないかちょろっと調べてみたらそのイメージの中に「カミやんがデタラメに行った先で魔術師と遭遇」とか』
土御門『「名もないモブは一撃で倒す」なんてことがザラにあったんだにゃー』
上条「つまり俺が魔術師を倒せたのは魔術師自身が発動した魔術のおかげだってことか?」
土御門『そう言えなくもないかにゃー』
上条「うーん……、そういうことだと俺が解決したって言えるのかちょっと複雑だな」
土御門『その辺は結果オーライってことで』
上条「そういや土御門って、そのイメージとかの情報どこから仕入れてたんだ?」
土御門『そ、そりゃああれぜよ……、メタ発言になるからあまり大きな声じゃ……』ゴニョゴニョ
上条「??」
土御門『ま、まあ解決したからどうでもいいことだにゃー』
上条「それもそうだな。怪我人も出なかったし」
土御門『そ、そうだにゃー……怪我人……』
上条「じゃあまたなー、土御門」
土御門『お、おう』
土御門「…………」
香焼「自分たちの怪我が無かったことにされましたね……」ボロッ
諫早「仕方あるまい。少年は五和のことを知らなかったのだから」ボロッ
牛深「だとしても、俺たちの努力が無かったことになっているのはどうも……」ボロッ
建宮「……こうなったらこの怪我で五和を脅して大精霊エロメイドでも着せるしかないのよなっ!」クワァッ
野母崎「流石教皇代理! 転んでもただでは起きない!」
建宮「当然なのよ! がははははっ!」
対馬「まったくどいつもこいつも……」
対馬「バカを真面目する魔術があればいいのに」
建宮「貧乳を巨乳にする魔術の方が対馬的には嬉しいんじゃないのよな?」
対馬「死ねこのクワガタ虫!」ゲシッ!
建宮「ひぎゃあぁぁっ!」
終わりです。
お付き合いいただいた方ありがとうございました
本当は魔術の影響で術式の上位互換の能力に目覚めた佐天さんをラスボスに持ってきて、もっとキャラ出してゴチャゴチャにさせるつもりだったけどグダりそうだったからここでやめる
追加
フロリスの一人称は「私」ではなく「ワタシ」
姫神の口調は「、」ではなく「。」を多用
御坂が旧約3巻以降でも上条に勝負と絡む
探せばもうちょっとあったかもだけどこれが限界
それではおやすみなさい
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