晶葉「出来たぞ助手よ!良い雰囲気になると懐メロを歌い出すロボットだ!」 (96)

晶葉「くれぐれも悪用しないようにな」

P「悪用って言ってもそもそも使う用途が見当たらないんだが……」

晶葉「まあ聞け。近頃の芸能界の風紀は乱れに乱れている」

P「元からそういう世界だしなあ」

晶葉「プロデューサーとその担当アイドルがところかまわずイチャイチャしていることも珍しくはない」

P「え、そっち?」

晶葉「最近はそういうのを目当てにプロデューサーを目指す輩もいるそうじゃないか」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406124391

P「まあ確かに、由々しき問題ではあるな……」

晶葉「そこでこのロボットの登場だ。Pとアイドルがいい雰囲気になった時に懐メロを聞いて古き良き昔を思い出せば……」

P「良き時代も何も昔からそういう世界なんじゃ」

晶葉「昔の清く正しい関係を思い出す奴らが増えていけば芸能界の風紀も元通りになるというわけだ」

P「そんなに上手く行くことないだろ……」

晶葉「まあものは試しだ。さっそく事務所の奴らで試してみるぞ」

―――凛の場合

凛「プロデューサー。話が、あるの。ちょっと」

CoP「なんだ、急に……改まって」

凛「あのね、今の私があるのは――たくさんのファン、たくさんの仲間」

凛「たくさんのスタッフが支えてくれるからなんだよね」

CoP「んん?ああ……そうだな」

凛「でも…そもそも私が一歩目を踏み出せたのは」

凛「たった一人の言葉があったから」

CoP「……」

凛「――あの言葉がなかったら、私はずっと何も見つけられないままだったのかな、って……」

凛「だからプロデューサー。私は、あなたに……」

ttps://www.youtube.com/watch?v=v3BLiTEMcHs

ロボ「ふたりを~ゆうやみがあ~↑」

凛・CoP「!?」

ロボ「つぅつむ~ この窓辺に~↓」

ロボ「あしたも~ すぅばらしい~ しあわせ~がくるだろ~う」

ロボ「きみの~ひとみはぁ~ ほぉしの~かがやきぃ~↑」

ロボ「こいするー このむねはぁー ほのおとぉー も・え・て・い・るぅー!」

『幸せだなァ・・・ぼかぁ、君といるときが、一番幸せなんだ』

『ぼかぁ、死ぬまで君を離さないぞ・・・いいだろ?』

凛・CoP「…………」

P「おお……すごい。ロボットの力で凛とPにまるで抜け殻のような空虚な雰囲気が漂っているぞ!」

晶葉「いい感じに良い雰囲気が霧散したようだな!」

P「すごいロボットを開発したものだなあ晶葉」

晶葉「ふふん!どうだ私の力は!」

P「……でもこれってハタから見ると嫉妬に狂ったただの迷惑な奴らじゃないか?」

晶葉「何を言うか助手よ。芸能界の風紀を糺すという崇高な使命を忘れたか」

P「そうだったっけ?」

晶葉「そうだよ」

P「そうだったな」

晶葉「そうとも」

P「よおしそうと決まれば次のアイドルも良い雰囲気をなくさせてやろうじゃないか!」

晶葉「そのいきだ助手よ!撤収だ!」

P「撤収ー!」

―――幸子の場合

幸子「……Zzz」

CuP「……」パシャ

幸子「んっ……あっ、なっ何、写真撮ってるんですか!?」

CuP「幸子の寝顔が可愛かったから、つい」

幸子「かっ、カワイイのは当たり前です!ボクなんですから!それよりも消してくださいってば!」

CuP「こんなに可愛いのに?」

幸子「ねっ、寝顔なんていつでも見せてあげますから!だからそれを消してください!」

CuP「……いつでも?本当に?」

幸子「……んんんー!もー!」ペシペシ

CuP「痛い痛いすまんすまん。ライブ終わってなかなか出てこないから心配したんだ」

幸子「心配してくれなくても!結構です!」

CuP「なあ許してくれよ。ほら、写真を消すからさ。本当に大丈夫か?」

幸子「……少し疲れただけです。なにせ単独ライブだったので……それよりも!ライブ前の約束、覚えてますよね!?」

CuP「ん~?約束なんてあったっけ?」

幸子「忘れたとは言わせませんよ!“ライブを成功させたらご褒美してあげる”って!言いました!」

CuP「分かった分かった。大きな声を出すなって。……ほら、目を閉じて」

幸子「…はい…」

CuP「顎、上げて」スッ

幸子「(えっ…えっ…)」ビクビク

ttps://www.youtube.com/watch?v=5wCC02E3w3c

ロボ「まわれま~われメリゴーランッ」

幸子・CuP「「!?」」

ロボ「もうけし~て止まらないよーにッ」

ロボ「うごきだ~したメロディーッ ラ ラ ラ~ ラ~ブソ~ング」

ロボ(Wanna make love...)

ロボ(Wanna make love song、hey baby...)

ロボ「とめどな~く楽しくーてッ やるせないほど切なくてッ」

ロボ「そんなあ~さに生まれるッ 僕なりィ~のラ~ブソ~ングッ!」

ロボ(LALALA...Wanna make love...Wanna make love song,hey baby...)

幸子「……これがご褒美なんですか?」

CuP「いや、そんなはずは・・・」

晶葉「ご褒美をねだるなんてなあ!死にかけの兵士が、戦場で甘ったれてする行為なんだよ!」

P「聞いたこと無いよそんなの」

晶葉「事務所のど真ん中で風紀を乱すような行為にどうして糺さないでいられようか」

P「まあこんなところでやってたら邪魔のし甲斐もあるってことだな」

晶葉「思い知ったか!」

P「おい本音が漏れてるぞ?」

晶葉「そんなことはないぞ」

P「本当に?」

晶葉「本当だとも」

P「じゃあ大丈夫だな」

晶葉「その通りさ」

P「それじゃあ次の良い雰囲気をぶち壊しに行くぞ!」

晶葉「撤収ー!」

―――愛野渚の場合

PaP「お疲れ様、渚。いい試合だったぞ」

愛野「プロデューサー!いたの!?」

PaP「後半の方くらいから、かな。ちひろさんが今日渚の試合があるから、って」

愛野「いやだなァ。来るって知ってたらもっと良いところ見せたのに……」

PaP「そもそもどうして呼んでくれなかったんだよ。水臭いじゃないか」

愛野「へへッ。相手には悪いけど、勝って当然の学校だからね」

愛野「もっとすごいところとぶつかった時に、プロデューサーを呼ぼうと思ってさ」

PaP「ほー。そいつは楽しみだな。その時はちゃんと呼んでくれよな」

愛野「もちろんだよ!ぷ、プロデューサーのために、ちゃんと勝ってみせるよ!」

PaP「お、俺のためにか?」

愛野「そうだよ!なんてったって、プロデューサーは……」

ttps://www.youtube.com/watch?v=8B-cY0GXlgA

ロボ「煌めくーときにー 捕らわーれ夢中でーいーたーい~」(※)

愛野「ああっ!?ゴールネットからロボットが!?」

ロボ「後悔する?素敵ーじゃあない?ひとりーじゃなーいーし」

P(Wow Wow Wow……)

ロボ「あふーれだすー涙が~ 美しければ~ああ~」

ロボ「人はまた 終わらぬ旅に 時を費やせるか~ら~」

(※:くりかえし)

愛野「……歌い終わったらすぐにどっか行っちゃったんだけど、あのロボ、何?」

PaP「……いや、知らないな」

PaP「……それで、なんだったっけ?」

愛野「いや……なんでもないよ」

PaP「そうか……帰るか」

愛野「うん……」

P「今回も上手く行ったようだな」

晶葉「またつまらぬ雰囲気を壊してしまった……」

P「そういえば、このロボットの歌う懐メロを選ぶ時、どんなものを選曲基準にしてるんだ?」

晶葉「簡単なことさ。その場の人間が一番懐かしいと思うような曲を自動的に歌うようにアルゴリズムを組んでいるぞ」

P「それのどこが簡単なんだ……じゃ、じゃあ仮に菜々さんに一番合う懐メロを選曲するとしたら……」

晶葉「……最悪、江戸時代の歌謡曲が流れだす可能性も排除しきれないな」

P「どんだけ広い時代から歌を集めたんだよ」

晶葉「まあその時はその時だな。明日から菜々が事務所に姿を見せなくなっても、私たちは知らん顔をするしかないな」

P「そんな非道な」

晶葉「さあ!次の場所に行くぞ!まだまだゴールは遠いんだからな!」

―――相馬夏美の場合

PaP「誕生日おめでとうございます、相馬さん」

相馬「あら?嬉しい。誕生日覚えていてくれたの?」

PaP「もちろんじゃないですか。担当アイドルの誕生日を忘れるやつなんていませんよ」

相馬「……実はその誕生日も、昨日になってしまったわけだけれど」

PaP「……すいません。謝る言葉もありません」

相馬「私もずいぶん待たされちゃったわ。でもいいわ。ちゃんとお祝いしてくれたもの」

PaP(その言葉の割に目が笑ってない……)

相馬「プレゼントも……中々いいのを選んでくれたみたいじゃない。さすがはプロデューサーね」

相馬「でも遅れて祝いに来た罰として……プレゼントとは別なものも欲しいかしら」

PaP「え、それって、もしかして……」

相馬「そう。私と今夜……」

ttps://www.youtube.com/watch?v=hmG1E8anUkE

ロボ「き~しゃのまどかーら ハンケチふーれーばー」

相馬「誰!?っていうか、何!?」

ロボ「ま~きばの乙女ーが 花束なーげーるー」

ロボ「あーかるい青ぞーら しらかーばーばーやーし~」

ロボ「山越~え 谷越~え はーるばるとお~」

ロボ「ランランララン ラララララランラン 高原列車は」

ロボ・P・晶葉「「「ランランランラン行くよー!」」」」

PaP「お、お前ら……何をやって」

晶葉「不純異性交遊はいかんぞ。非生産的な」

P「フハハ。こんな時間までアイドルと逢引をしているのがバレたらプロデューサー一巻の終わりと思わんかね?」

PaP「お前らが言うな」

晶葉「フフン。見逃してやるから私たちも見逃せ、と言うつもりはないぞ。何故なら私たちはまだまだやらねばならないことがあるのでな!」

P「そういうわけでイチャイチャするのはほどほどにしておくがいいぞ。またこのロボットに邪魔をされたくなければな!」

晶葉「さらばだ!撤収ー!」

P「撤収ー!」

PaP「何なんだ……一体……」

一旦休憩

ちょっと書き溜め直してくる

―――川島瑞樹の場合

CoP「川島さん、そろそろ切り上げないと……」

川島「い~や~よ~。そもそもプロデユーサー君のほうから誘ったんでしょ?嫌なことがあったら飲んで忘れるのが一番って!」

CoP「いやまあそうですが……もう時間も時間ですし、そろそろ帰って寝る時間……」

川島「寝るー?なんなら一緒に寝るー?アハハハ!」

CoP「ああ駄目だこりゃ。完全に酔っ払ってる……」

アリガトゴザイマシター

CoP「さあ、タクシー捕まえますから、それで家まで帰るんですよ!」

川島「……また私を1人にするのね」

CoP(また?)

川島「……アナウンサーやめてから、本当に一人ぼっちだったのよ。安定した職もなくした、若さもなくした、ないないない……」

CoP(あ、若くないっていうのは認めてたんだ)

川島「そんな時、あなたが現れたのよ。『アイドルやりませんか』って誘ってくれて……」

川島「あなたのおかげですぐにデビューできたわ。CDも出せた。でもその後はダメね。オーディションに落ち続けて若い子には先を越されるし」

川島「今回だってそう。内心、これでダメだったらもうアイドルやめようってすごい気持ちで行ったのよ。でも……」グスッ

CoP「泣かないでください。大丈夫ですよ。川島さんの美しさなら、きっと次は大丈夫です」

川島「本当?可愛いと思う?」

CoP「ええ、世界中探したって川島さんみたいな美しい人はいませんよ」

川島「抱きたいって思うくらい可愛いと思う?」

CoP「……」グッ

川島「あっ、ちょっと……プロデューサー、顔が……」

CoP「静かに……」

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm14834122

ロボ「はがゆいのよ~ そのくちびる~」

CoP・川島「!?」

ロボ「キスする場所~ 間違えてる~」

ロボ「こころーのきーずあと~ そんーなとこーにない~」

瑞希「はがゆいのよ~ その口づけ~」

瑞希「私の中ーの 落とし穴~」

瑞希・ロボ「「ぽっかり開いてる~ 孤独を塞いで~」」

P「すげえ……あのアイドル、酔っ払いながらデュエットしてる……」

晶葉「こんなこともあるんだな。ちょうどいいぐらいに雰囲気もぶち壊しだ」

P「だがあっちのCoPは雰囲気をぶち壊された激おこぷんぷん丸のようだ」

晶葉「ばれないうちにさっさと退散しておこう」

CoP「……そこかァー!?」

P「あっ!おいこっちに気づいたぞ」

晶葉「ちっ、感の鋭いやつめ。撤収だ!」

P「撤収ー!」

―――並木めいこの場合

めいこ「ねえプロデューサーさん……私たち、このまま仕事に戻らなかったら、どうなるかな?」

PaP「なんだよ……藪から棒に」

めいこ「えへへ……だって、プロデューサーさんと一緒に旅行できることなんて、めったに無いことじゃない?」

めいこ「だから、この時間がずっと続けばいいな、なんて……」

PaP「バカなこと言わないでくれよ。大体、仕事がなくなったら困るのは俺もお前も同じだろ?」

めいこ「そうなっちゃったら……あたしは旅に生き、旅に死ぬ生活を始めよっかなあ。もちろんプロデューサーさんと一緒に」

PaP「……もうこんな時間になってしまったか。眠れるかどうか分からんが、おやすみ……」

めいこ「うん、おやすみなさい」ニコニコ

PaP「……じゃあ、また明日」ガチャ

めいこ「あ、プロデューサーさんちょいっと待って。部屋を出る前に、目を閉じてこっち向いてくれるかな?」

PaP「ん……?」

ttps://www.youtube.com/watch?v=2o1yady3-mg

PaP「うんなんか来ると思ったよ」

ロボ「恋人よ 君を忘れて 変わってく ぼくを許して」

ロボ「毎日愉快に 過ごす街角 ぼくは ぼくは帰れない」

ロボ「あなた 最後のわがまま 贈りものをねだるわ」

ロボ「ねえ 涙拭く木綿のハンカチーフください」

ロボ「ハ ン カ チ ー フ く だ さ い」

めいこ「…………」

晶葉「ハハハ!旅先であろうと私のロボからは逃げられないぞ!私のロボの脚力は常人の3倍はあるのでな」

P「微妙にリアル感あるのな。せっかくだから空をとぶ機構でもつければいいのに……」

晶葉「その辺の能力を向上させるより、ロボ本体の性能を向上させたほうがいいだろう?時間の無駄だ」

P「こんな無意味な仕事に従事させるロボットを作ること自体無駄なような気がする……というのは気のせいだな。うん」

晶葉「そうだぞ。気のせいだ。もし気のせいじゃなかったら次は助手よ、お前がロボットになる番だったぞ」

P「ぞっとしない話をしないでくれ……さて、次の現場はどこになるのかな」

晶葉「こんな朝方にイチャイチャしてるというのもなんとも癪に障る話だ。ロボよ、頼むぞ」

P「撤収!」

―――前川みくの場合
CuP『みく!俺と結婚してくれ!』

みく『にゃにゃ!? ぴ、Pチャン、急にどうしたのかにゃ!?』

CuP『お前の口調も仕草も好きだ!お前のその意地悪な態度も無意識に胸押し付けてくるところも全部愛してる!』

みく『にゃっ!?にゃっ!?』

CuP『お前の歌声が好きだ!その声を最初に聞いてから俺はお前にひとめぼれなんだ!』

みく『にゃ……にゃあ……』

CuP『お前をアイドルとしてトップに導いてやる!そのための障害から、全部お前を守ってやる!』

みく『Pチャン……ホントに、どうかしちゃったのかにゃ?』

CuP『まあ夢だからな。こんなことも言えるわけだ』

みく『にゃんだ……夢か。でも夢でも……嬉しいにゃ』

CuP『夢だから……こんな事も起きる』

みく『?』

ttps://www.youtube.com/watch?v=SMddx8wptIc

ロボ『一生 一緒にいてくれや』

P『見てくれや才能も全部ぅ含めてぇ』

晶葉『愛を持って俺を見てくれや』

ロボ『今の俺にとっちゃお前が全てぇ』

P『一生 一生にいてくれや』

晶葉『ひねくれや意地っ張りもいらなぁい』

ロボ『ちゃんと俺を愛してくれや』

P『俺を信じなさあい』

みく『に゛ゃ゛あ゛あ゛ああああああああああ!」ガバッ

チュンチュン

みく「……やっぱり夢か」

みく「夢オチにしても最悪の夢だにゃ……」

みく「はぁ……もう。疲れたわ……」

―――安部菜々の場合

CuP「あれ?菜々さんこんな時間になにしてるんですか?」

菜々「えへへ……ステージ衣装を、ちょっと」

CuP「この衣装……どこから出てきたんですか?もうだいぶ前のやつですよね?」

菜々「倉庫をちょっと覗いた時に見つけたんです。菜々が初めてデビューした時の衣装ですよ♪」

CuP「ああ、そういうえば……でもなんでわざわざこんな時間に?」

菜々「えへ……それは、菜々の顔を、誰にも見せたくないから……」

菜々「今アイドルとしてすっごく楽しくて、不満なんて全くないんですけど……」

菜々「昔の、アイドルになりたいと思ってもなれなかった時期の辛さを思い出しちゃうと、なんか涙が出てきちゃって……」

CuP「菜々さん……」

菜々「あ、あはは。泣いちゃダメですよね。アイドルはみんなを笑顔にするんですから、アイドルが泣いてちゃ、みんなを笑顔に出来ません!」

CuP「いや……泣いてもいいよ」

菜々「え?」

CuP「アイドルだって、泣きたい時だってあるだろ?それなら……泣けるときに、泣いておく方がいいじゃないか……」

菜々「Pさん……」ジワッ

ttps://www.youtube.com/watch?v=nftxDrStny8

ロボ「愛してたと 嘆くには あまりにも 時は過ぎてしまった…」

ロボ「まだ 心のほころびを 癒せぬまま 風が吹いてる…」

ロボ「ひとつの目で 明日をみて ひとつの目で 昨日を見つめてる…」

ロボ「君の愛の 揺りかごで も一度 安らかに眠れたら…」

ロボ「The Real Folk Blues…」

ロボ「本当の悲しみが 知りたいだけ…」

ロボ「泥の河に浸かった人生も悪くはない 一度きりで 終わるなら…」

P「おい、どういうことだこれは。菜々さんがCuPの胸の中で泣き続けてるぞ」

晶葉「おかしいなあ。懐メロがちょうどいい具合にBGMになって良い雰囲気が更に深みを増しているぞ」

P「選曲がまずいんじゃないか……確かにノスタルジックになる選曲だがこういう時は別な曲のほうが良かったかもしれん」

晶葉「うむむ……私のロボットもまだ完璧じゃないということだな」

P「……まあ、時代が不明の歌とか明らかに地球外の曲が流れるよりかは安心したよ」

晶葉「……なにか私の技術力不足が表されているようで屈辱だな」

晶葉「ふふふ……次は懐かしすぎて誰も現実世界へ戻れなくなるくらいの懐メロ流すように調整をしてやる……」

P「ほどほどにしておいてくれよ……さあ次の現場へ行くぞ!」

―――姫川友紀の場合
prrr...prrr...

友紀「はーいプロデューサー?どうしたのー?」

PaP『おい、友紀。今どこにいるんだ』

友紀「えー?神宮だよ」

PaP『神宮!?なんでそんなところにいるんだ!?』

友紀「神宮って言ったら野球に決まってんじゃん。プロデューサーこそなんでそんな焦ってるのさ」

PaP『当たり前だ!午後からオーディションっていう話を忘れたのか!』

友紀「あー!?忘れてたあ!」

PaP『やっぱりな……すぐ車で迎えにいくから、球場の外で待ってるんだぞ』

友紀「ちょ、ちょっと待って……今パンダがホームランを打って……」

PaP『知るか!』ブツッ

友紀「あーんもう。せっかちなんだからなあ……」

友紀「……ねー機嫌直してよー。ちゃんとオーディションにも受かったでしょ?」

PaP「……」

友紀「ほら、一緒にナイター見ようよ?プロデューサーのお気に入りの選手も出てるかもよ?」

PaP「……済まなかったな」

友紀「え?」

PaP「車の中でも少し怒鳴りすぎた。本当に済まなかった」

友紀「えー?そんなこと気にしてたのー?」

友紀「私は全然気にしてないよー?もうー可愛いなあプロデューサーったら」ケラケラ

PaP「……」

友紀「私にも責任があるんだからさ、そんな深刻な顔しないでほしいなあ」ニコニコ

PaP「……そこはちゃんと反省しろよ」

友紀「分かってる分かってるって。さ、野球見ようよ」

PaP「ああ、そうだな」

ttps://www.youtube.com/watch?v=q4-gsdLSSQ0

ロボ「テイッ ミー アウトゥザ ボール ゲーム テイッ ミー アウウィズ ザ クラーウズ」

PaP「ああっテレビがロボットの形に!?」

ロボ「バイ ミー サム ピーナツ アン クラッークジャッーク アーイドンケア イアイ ネバゲバック」

ロボ「レッミー ルッ ルッ ルフォザホーム チーム イゼイ ドーント ウィンシェーム」

ロボ「フォーイツッ ワン!トゥー!スリーストライクス アッザオール ボール ゲーム!」

友紀「……まだ7回じゃないよ?」

P「いまここにアイドルとイチャイチャしたやつが来なかったか!?」

ちひろ「は!?」

P「ばかもーん!そいつがプロデューサーだー!追えー!!」

ちひろ「何言ってるのさっぱりわかりませんよ!?」

晶葉「ロボがいないところを見るとすでに次の良雰場に向かったようだな」

P「こうしてはおられないぞ。早く追いかけなければ大変なことが起きるかもしれん」

晶葉「まあまて。こんなこともあろうかとロボにGPSを搭載してある。この記録からたどると……次は美術館のようだ」

P「さすがは晶葉だ!ロボを見失ってもなんともないぜ!」

晶葉「美術館か……そんなところでデートとはいい身分だな。さっそく邪魔しに行くぞ!」

P「アラホラサッサー」

ちひろ「いいから仕事してください!」

―――古澤頼子の場合

頼子「次の絵は……これは舞台の踊り子、ですね」

CoP「ゴヤは特にバレエの絵が多いな。これは、どういうことなんだろうな」

頼子「……ゴヤの生きていた時代、フランスではバレエは芸術として認められるものではなかったそうです」

CoP「ほう?」

頼子「バレエのダンサーたちは下層階級の出身が多かったこともあり、生活するための人身売買が日常的に行われていたと言われています」

頼子「この絵の主題も、華麗に踊る少女ではなく、薄闇の中で踊る少女とそれを舞台袖から品定めをするような紳士……そんな少女たちの現実だと思います」

頼子「ゴヤはそんな少女たちを、少しでも陽の目を見るようにさせてあげようと思い、バレエの絵を描き続けたのではないでしょうか」

ttp://dl1.getuploader.com/g/sssokuhouvip/52/doga.jpg

CoP「あ、ああ……そういう経緯があったのか……」

頼子「……」

CoP「……」

頼子「……」

CoP「……(気まずい)」

頼子「……私は、この絵が好きなんです」

CoP「うん?」

頼子「この絵の意味を初めて知った時は、酷い世界があったものだと、悲しくなりました」

頼子「ですが私がアイドルになって、今まで知らなかった苦しさや辛さと……」

頼子「それ以上に新しいことを知る喜びと楽しさを知る中で、絵の中の彼女も同じなのではないかと思うようになったんです」

頼子「日々の生活を十分に送ることもままならない苦しさや辛さの中で、彼女も踊ることが出来る喜びと楽しさを感じ取ろうとしている……」

CoP「頼子……」

頼子「だから私も……このバレエダンサーに負けないように、プロデューサさんと一緒に……」

ttps://www.youtube.com/watch?v=uE875f7svow

ロボ「ドブネーズミーみたいに うーつーくしくなりーたい」

ロボ「写真には映らないもの 美しさがあーるーかーらー」

CoP・頼子「!?」

ロボ「リンダリンダ~!」

ロボ「リンダリンダリンダ~~~!」

ロボ「もしもー僕がーいつか 君と 出会い話し合うなら~」

ロボ「そんなッ時は~どうか!愛のぉ~ 意味をッ知ってください~」

ロボ「リンダリンダアアアア!!」

ロボ「リンダリンダリンダアアアアアアアア!」

ピンポンパンポーン ビジュツカンノナカデサワグノハ マワリノオキャクサマノゴメイワクニナリマスノデ オヤメクダサイ

晶葉「しまった。美術館で騒ぐのはマナー違反だ!ここは一時撤退だ」

P「うかつだったな。ここが美術館であるということをすっかり忘れていた」

晶葉「撤収ー!」ダダダダダダ

CoP「……何なんだ。一体」

―――結城晴の場合

CoP「晴か。今日はお前オフだろ?」

結城「別に。ちょっと相談があってよ……」

CoP「お前が相談っていうのは珍しいな。何があった?」

結城「大したことじゃないんだけどよ……オレがサッカーやめたら、どうする?」

CoP「どうするもなにも、プロデュース方針に変わりはないぞ?お前に似合う衣装を着て、歌って、踊ってもらう」

CoP「それがアイドルってもんだろ?」

結城「……そうか」

CoP「……何か、嫌なことでもあったか?」

結城「……」

CoP「あ、いや、話しづらいことなら無理に言わなくてもいいんだが」

結城「クラスのやつがよ、女はサッカーやるなって……」

結城「今までそんなことなかったんだけどよ、この頃そういうのが増えて……」

CoP「あっ、ふーん……」

結城「普段の授業は特に問題はないんだけどよ、オレがサッカーに参加しようとすると……」

CoP「ま、まあそのくらいの時期の男は女と接触を嫌がるからなー」

結城「そうなのか?」

CoP「特にお前はアイドルだからな。お前を傷つけたら大変だって考えもあるんじゃないかなー?」

結城「なんで棒読みなんだよ?それ、本当なのか?」

CoP「ま、サッカーがやりたくなったら俺とか事務所のみんなに声をかけるんだな。体を動かすのが好きな奴らも大勢いるし」

結城「ほ、本当か!?じゃ、じゃあ今からやろうぜ!プロデューサー!」

CoP「おいおい今からか?」

結城「体が疼いて我慢が出来ないんだよ!な、いいだろ?」

ttps://www.youtube.com/watch?v=e1Swup5Mu98

ロボ「そんなぁ時代も~あったねと いつか話せる日が~来るわ」

ロボ「あんなぁ時代も~あったねと きっと笑って話~せるわ」

ロボ「だから今日ぉはーくよくよしないでぇ~ 今日の風に吹かれましょう~」

ロボ「まぁわる まぁわるよ 時代ぃはーまわる」

ロボ「喜ーび悲ーしみ 繰り返ぇし~」

ロボ「今日は別れた恋ー人たちも~ 生まれ変わってめぐり会ぁうよぉ~」

CoP「……晴、この曲知ってるか?」

結城「いや、知らねえ」

P「以上、中島みゆきが1975年に発表したシングル、『時代』からでした」

晶葉「やはり平成生まれに昭和の歌謡曲はこうかはばつぐんだな。全くわからずにポカンとしている」

P「平成生まれの若いアイドルに狙いを定められるようにロボをプログラムできないか?」

晶葉「検討してみよう」

P「それにしても今の事例、ただサッカーをしようとしてただけだし何もロボをけしかける必要はなかったのでは?」

晶葉「何か不穏な単語が聞こえたんでな。悪の芽は早めに摘んでおくことにこしたことはない」

P「プロデューサーとアイドルの信頼を崩して、何が悪の芽なんだ!」

晶葉「私、池袋晶葉が芸能界を浄化しようというのだ!」

P「エゴだよそれは!」

ちひろ「漫才してないでさっさと仕事に戻れよお前ら」

まさかのリクエスト消化

P「ちひろさんが本格的にブチ切れてしまったようで……社長に告げ口されそうだ」

晶葉「わざわざちひろさんに絡みに行くからだぞ。助手よ、お前が悪い」

P「そういうことなんで、そろそろ仕事に戻らなくてはいけないのだ」

晶葉「まあいいさ。こちらも適度にデータが集められたし、今回の実験はこの程度にしておくか」

P「よおしそうと決まったら最後に、あいつらにロボットをけしかけてやろうじゃないか」

晶葉「なんだかんだ言ってノリノリじゃないか、助手よ」

P「なんといっても、あいつらは特別なんでな……」

―――渋谷凛の場合

CoP「なあ凛。この前、俺に何を言おうとしたんだ?」

凛「……別に。ただの感謝の言葉だよ。いつもありがとう、って」

CoP「まとめちまうと簡単なもんだなあ。でも、こっちも、ありがとう」

凛「……なんでプロデューサーが言うのさ?それはこっちのセリフだよ」

CoP「お前と出会ってから毎日が楽しいんだ、俺も。こんなにやりがいがある仕事はない」

CoP「凛、俺はお前と出会えてから生き返ったんだ。下らない事務仕事に追われて日々死んでいくような気持ちを変えてくれたんだ」

CoP「だから、感謝の言葉を伝えなきゃいけないのは俺の方なんだ。本当に、ありがとう……」

凛「プロデューサー……」

CoP「……なあ、凛。これから2人で出かけないか?第3代シンデレラガール誕生の祝勝会も出来てなかったしな」

凛「……うん。そうだね……行こっか」

凛「ありがとう。プロデューサー」

ttps://www.youtube.com/watch?v=izQI_iaLoy8

ロボ「うじゃけた顔してどしたの つまらないなら ほらね」

ロボ「輪になって踊ろ~ みんなで~」

ロボ「遊びも勉強もしたけど わからないことだらけ なら」

ロボ「輪になって踊ろ 今すぐ~」

ロボ「悲しいことがあればもうすぐ 楽しいことがあるから」

ロボ「信じてみよう」

P「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

晶葉「ラララララ~ すぐにわかるから~」

幸子「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

愛野「ラララララ~ 夢をかなえるよ~」

ロボ「大好きな娘がいるなら はずかしがってちゃダメね」

ロボ「輪になって踊ろ~ みんなで~」

ロボ「大人になってもいいけど 忘れちゃダメだよ いつも」

ロボ「輪になって踊れ~ いつでも~」

ロボ「一人ぼっちの時でさえも 誰かがいつも君を」

ロボ「見ててくれる」

相馬「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

川島「ラララララ~ すぐにわかるから」

めいこ「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

みく「ラララララ~ 夢をかなえるよ~」

ロボ「悲しいことがあればもうすぐ 楽しいことがあるから」

ロボ「信じてみよう~」

菜々「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

友紀「ラララララ~ すぐにわかるから」

頼子「オ~オ~ さあ輪になっておどろう」

結城「ラララララ~ 夢をかなえるよ~」

CoP「…………」

凛「…………」

CoP「……踊ろうか、凛」

凛「……そうだね」

おわり

ここまで見てくださってありがとうございました

皆さんにとって懐メロはなんですか?

期待レス等合いの手ありがとうございました

>>78
別の曲を考えていましたが『時代』のほうがしっくり来る感じだったので差し替えました

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