男「ここがカーテンチ○ポレールバトルロワイヤル世界大会会場か」 (379)



前作

男「俺のT○SOウッディ28Bキャップを挿入してやるぜ」

男「俺のT○SOウッディ28Bキャップを挿入してやるぜ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402835492/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405903316



・前回までのあらすじ

 ある朝目覚めると、自らのマイサンがT○SOウッディ28Bキャップに変化していた男。


(参考画像:ttp://www.curtain-rail.jp/toso/woody28/woody28_darkmahogany-b.jpg


 戸惑いを隠せない男と幼馴染、妹だったが、彼らの前にカーテンに詳しい謎の老人、爺店員が現れる。

 彼の導きにより、男は自らのマイサンを覚醒させ、T○SOウッディ28Bキャップ

 エリートダブルセットへの進化を遂げ、鮮やかな排尿とダブルブラケットにより生徒会長を粉砕する。

 しかし男のマイサンは元には戻らなかった。苦悩する男。

 そんな中、”チ○ポがカーテンレール化した男達が、世界の覇権を賭けて争う大会がある”と聞かされた男は――?









『第一話 強豪!!! イタリア代表チ○ポ!!!

フレスコクリアロッソは朝露に濡れて……!!!』






実況「さあ、注目の第一戦!! まず会場に登場したのは」


イタリア代表「世界中のバンビーナ達、俺様のレールに酔いな☆」


実況「おおおおっとおおおおこれは凄い!!! いきなり優勝候補の一角、イタリア代表の登場だァ!!」


実況「使用チ○ポレールはアイアンカーテンレールイタリアンシリーズ・フレスコクリアロッソ!!」


(参考画像:ttp://www.rakuten.ne.jp/gold/s-pro/img/italian/fresco/5.jpg


実況「恋の炎を纏う情熱の”紅”!! イタリアのお国柄をチ○ポで体現しているまさにミスター・イターリア!!!」


ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 






実況「対するは……ああっとォ、これは不運なカードとなってしまいました」


実況「極東の島国、日本からはコイツが来た!! 狭小住宅で磨いたスペーシングが果たしてどこまで通用するのか」


実況「伸び伸びとした戦いを見せてほしいものです、日本代表、男!!!!」


実況「使用チ○ポレール、T○SOウッディ28Bキャップ、ダークマホガニー……です」


妹「兄貴、兄貴ーィ!!!!!」


幼馴染「頑張って、男君ッ!!!」




実況「いやァ……初戦から一方的な試合になってしまいましたね、国王様」


国王「ふぉふぉふぉ」


妹「はあッ!? こ、国王様!? このセクハラ爺店員が!?」


実況「何を無礼な!! この方こそカーテンキングダム78代目正当後継者……」


国王「よさんか、よその国の方の前で」


実況「しかしッ」


国王「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤルの前では、誰もが無邪気な馬鹿者になれる」


国王「ワシとて然り、じゃ。今ここに居るのは、ただちょっとカーテンに詳しいだけの、老いぼれじゃよ」ニイッ


妹「えへへっ」ニイッ


幼馴染「す、すみませんすみませんっ」




実況「むぅ……」


国王「それよりもお主、この試合を一方的なものになると言いおったが、なかなかの見立てじゃな」


実況「は? 誰が見てもイタリア代表の圧勝……」


国王「……そっちかい」ハァ


実況「……失礼ながら、国王様は日本に懸想されすぎていらっしゃいます」


実況「あのような極東の島国、カーテン後進国たる日本に、どのような輝きが埋まっているというのです」


国王「……知らぬと言うならば、しかと目に焼きつけよ」


国王「日出ズル国ノ天子達が、どのようにカーテンを愛し、磨き上げていったのかをのォ!!!」







レフェリー「試合、開始ッ!」



ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 



男「は、はは、よろしくお願いします」


イタリア代表「バンビィーノ、手加減はしねぇぜ?」フォン!!


男「機能レールダブルチェンジ!? 速いッ!!」バシュウ!!


イタリア代表「おらおら、トロトロしてんじゃねえぞ!? 俺の膀胱はもう」キュルキュルポン


イタリア代表「パンッパンなんだからよぉ!!!」ブッシャアアア


観客1「で、出たァ!!」


観客2「あれがイタリア代表の十八番」


観客3「”ジ・アルコバレーノ”!!!!!!!!」







国王「ふぉふぉふぉ、さすがの年季じゃな、イタリア代表」


妹「ど、どういうことなのよジイサンッ!!!」


国王「簡単なことじゃ」


国王「機能レールと装飾レールの違いについては、教えたな?」


妹「えっと……機能レールは、安賃貸アパートの窓に最初っからかかっているような」


妹「安くて細くて金属製の、ゴミを吊るす為に存在するかのような単純なレールのことね」


(参考画像:ttp://www.matusou.co.jp/curtainrail/toso/c_type/img/main.jpg


幼馴染「対して装飾レールの発展性は無限大」


幼馴染「太かったり、細かったり、シンプルだったり、華やかだったり。素材だって色だって様々で美しい、ですよね」


妹(あたしのセリフをぉ……)ムカァ


国王「まあ、そんなところじゃ」








幼馴染「だけど、装飾レールには共通した弱点があって……」


幼馴染「そのスや無駄な隙間の入る余地のない、完璧すぎるところから、間がスカスカの機能レールと違って」


幼馴染「装着中はレールを通して排尿できなくなっちゃうんですよね」


国王「そのとおり……じゃが、装飾レールにもいくつか例外があってな」


国王「イタリアンシリーズ・フレスコは、先端のキャップ部分を回し取れば、排尿用の穴を空けることが出来る」


妹「」ゾワッ




妹「そ、そんな、それじゃあ」


国王「そう」


国王「機能レールダブルチェンジをすることにより」


国王「機能レール部分と装飾レール部分、それぞれから排尿することが……可能ッ!!!」


幼馴染「それが……」


妹「……”ジ・アルコバレーノ”(ただ一つの虹)」


国王「さあ、男よ見せてくれ」


国王「お前ならこの逆境、どう戦い抜くかな……?」





男「クソッ、まずは距離を取って」バッ


イタリア代表「甘いね」ヒュバッ


男「なッ、こんな間合いで!?」


イタリア代表「勉強不足さバンビーノ」


イタリア代表「イタリアンシリーズ・フレスコは……」


イタリア代表「こういう戦い方も……できるッ!!」シュルン


男「ぶはあっ臭っせえ!!!!」


実況『おおおおおおっとおおおお!!! イタリア代表!!!』


実況『日本のお株を奪う伸縮レールモードで間合いを詰め”ジ・アルコバレーノ”を直撃させたァ!?』






国王『日本では狭小住宅や変形窓のために良く使われている伸縮レールじゃが』


国王『その需要はむしろ、定型の窓サッシを持たない、伝統的な家屋の作りを持つヨーロッパの国々にある』


国王『お家芸だと考えていたのなら、アテが外れたな、男よ』


男「っぶ……やかましいぜジイサン……いや国王……いやジイサンッ!!!」


男「俺のウッディ28Bキャップは、まだまだ本気を出しちゃあいないぜッ!!!」


男「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉおおおおおおおおおおおああああああああああああ!!!!」


パァァァァァァァァァアアアアアア!!!!!!


妹「やったあ、来たァ!!」


幼馴染「いっけえ、男君ッ!!!」





実況「な、な」


イタリア代表「な、こ、こいつぁ!?」


国王「」ニィ


シュゥゥゥゥゥゥゥ


男「……T○SOウッディ28Bキャップエリートダブルセット、Nダークマホガニー仕様だ」


(参考画像:ttp://image.rakuten.co.jp/auc-youai/cabinet/rail/woody-ed1.jpg


男「お前の哀れなランナーを数えろ……」


男「そいつがお前の、死時計だッ!!!!」


イタリア代表「利いた風な口をッ!!」ズバババッ!!!






(ランナー参考画像:ttp://www.curtainkyaku.com/wordpress/wp-content/uploads/2012/11/CIMG5904.jpg








男「”コーナーブラケット”」ッバァン!!!


イタリア代表「なッ!?」


実況『おおおおおおっとおおおこれは凄いッ!!!』


実況『イタリア代表の放った”ジ・アルコバレーノ”が直角に弾き飛ばされたァァァァァ!!!』


男「届かなければ当たらない。当然の事だ」ビシュン


イタリア代表「なめるなよジャップボーイ。接近戦ができないのなら」ジャキン


イタリア代表「この会場、虹で埋め尽くすだけのことよッ!!!!」ブシャアアアアアアア


実況『こ、こ、これはああああああああ』


実況『試合会場がイタリア代表の生み出した虹で包まれ始めた!!!!!!?』


イタリア代表「”ジ・アルコバレーノ・トールグランデ”とでも名付けようか」


イタリア代表「俺の虹にまみれてくたばりな、ファッキンジャップ」







男「言葉遣いが……汚ねェ……ぜッ!!!」ジャキィィィィン


イタリア代表「ガチ○コ勝負か!? いいぜ、やってや……な、これは、これはッ!!!!!?!??!?」


ガッシイイィイィィイン!!


バキュルルルルル!!!! ザグッ!!!!!!


イタリア代表「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ」


幼馴染「あ、あ、あ」


妹「……ぃやったァ!!!!!!!」


国王「……」ニヤ


実況『……し、し、信じられないことがおきました』


実況『カーテンチ○ポレールバトルロワイヤルル第一条』


実況『”レールチ○ポを折られた者は失格となる”に基づき』


実況『……勝者、日本代表、男オォォォォォォォォッッ!!!!!』


ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ






ダッダッダッダキッ!!!!


妹「やったね、やったね兄貴イッ!!!!」


国王「大したもんじゃ」


幼馴染「男君……やったねッ……」


男「……ちょっと、どいてくれ」


妹「えッ……」







ザッザッザ



イタリア代表「………」


男「……」スッ


イタリア代表「……よしてくれ。俺の完敗だ」


男「そんなことはないさ」


男「”ジ・アルコバレーノ・トールグランデ”。見事だったよ」


男「お前が伸縮レール使いでなければ、負けていたのは俺だったかもしれない」


イタリア代表「へッ………実力を隠している奴に言われても、説得力がまるでねえよ」


イタリア代表「それに、伸縮レールの弱点は、伸ばしすぎれば通常のレールよりも耐負荷が低いってあたりまえの話を」


イタリア代表「頭に置いていなかったのは俺だ」


イタリア代表「このままランナーを失って、死んでいくのがお似合いさ……」







男「……」


カチャカチャ


ストン ストン


イタリア代表「………!? お前何を!!!!!!」


男「決まってるだろ、俺のランナーをお前に分けてやってるんだ」


イタリア代表「ばっ……そんなことしたら、お前のレールチ○ポ力が」


男「……言ったろ、”負けていたのは俺だったかもしれない”って」


男「お前みたいな奴を、見殺しにするのは惜しい、って、そう思っただけさ」


イタリア代表「……」


イタリア代表「……ヘッ、やっぱり完敗だよ」


イタリア代表「カッコ良すぎるぜ、お前」スッ


男「……ありがとよ」ガシッ









       ~ 第二話へ続く ~






なんだこれ

>>22
チ○ポがカーテンレールになってしまった男と、それを取り巻く仲間達の織り成す
スポ根ハートフルラブコメディです。
気に入っていただけましたら、是非前作からお目通しいただければ、幸いです

おお、まさか続きが見れるとは…
前作も妙な勢いがあって面白かった
期待します

一体どんな生活送ってたらこんな発想が出てくるんだ






『第二話 怪奇!!!ドイツチ○ポ!!!

      ブラケット・アイゼンの秘密を暴け!!!』








イタリア「なッ、じゃあ、お前のチ○ポレールは」


イタリア「正真正銘、ある日突然生えてきたモンだっつーのか!!?」


男「別に、不思議なことじゃないだろ」プランプラン


男「この会場には世界中からそんな奴らが集まってるんだし、さ」


イタリア「馬鹿言うんじゃねえ」


イタリア「この世界中に、ある朝目覚めたら突然チ○ポがレールになってましたなんて」


イタリア「非常識な化け物、お前以外に居るモンかよ」


男(傷ついた)





妹「……じゃあ、他の人たち、は」


イタリア「……俺も聞きかじりでしか知らねーんだけどよ」


イタリア「少なくとも俺は、国家の威信と最先端のサイボーグ技術を賭けて作られた」


イタリア「パーソナル・エレクトロニクス・ニュートラル・インターフェース・システムスオーナー」


イタリア「P.E.N.I.Sの適正資格者としてイタリアに選ばれた男だ」


幼馴染「その略称考えた奴、頭おかしいよね」


イタリア「俺もそう思う」


国王「ワシは気に入っとるんじゃがのう」


妹(お前か……)







男「……どういうことだ」


男「荒唐無稽な自然現象でもなければ、人間のチ○ポをカーテンレールに改造しようなんてイカレた発想」


男「逆立ちして小便漏らしたって出てきやしないぞ」


イタリア「確かにな。だが、それを追い求める対価が存在するとしたらどうだ」


男「……」


イタリア「カーテンキングダム及びG8参加国すべては、この大会に優勝した者の所属する国へ」


イタリア「GDPの40%を提供する条約を裏で既に締結している……と言ったら?」


男「――――――ッ!!!!」


妹「ジ、ジジイ!どういうこと」


国王「黙れ小娘」ギロッ


妹「ッ!?」ビクッ







国王「……イタリア」


国王「おしゃべりな男は長生きできんぞ?」


イタリア「そいつは大変だ。命が尽きる前に、気が済むまでおしゃべりしなくちゃならん」


国王「……減らず口を」


男「……ジイサン」


国王「今は何も聞くな。ワシも何も語らぬ」


国王「ワシの口を開かせたいならば」


国王「ただ勝ち進み、己の力を見せ付けてみよ」


男「……」


妹「……兄貴」


男「……いいんだ、妹」






男「こんな状況だけど、俺、なんか」


男「……ワクワク、してきちまったから……!!」


イタリア「……」フッ


妹「……」ヤレヤレ


幼馴染(……)


幼馴染(……この人たち、GDPの意味、ほんとに分かってるのかなあ……)


幼馴染(……)


幼馴染(……まあいいや)


幼馴染(頑張れ、男君ッ……!!)





ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 




実況『さあ、大波乱の一日目を終え、二日目の二回戦が開催されようとしております』


実況『熱気ますます燻り立つ会場からお送りしております……解説の国王様』


国王『うむ』


実況『いかがでしたでしょうか、昨日の試合模様につきましては』


国王『……期待通りの活躍を見せてくれたのは、ロシア、ブラジル、フィンランド』


国王『アジア勢にはもう少し気合を入れてもらわんといかんの』


実況『……はいッ!!ありがとうございますッ!!!』


国王『え、いや、もう少しちゃんと聞いてよ』


実況『でぇはぁ本日の一試合目ェェェェ!!!』



ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 







実況『意地を見せ付けたァ日出ズル国ノストレンジ・サムライッ!!!!』


実況『昨日の勝利がマグレでないところを見せてくれッ鋼のダークマホガニー!!!!』


実況『使用レールは変わらず、ウッディ28Bキャップ!!日本、オトゥコゥゥゥゥゥオオオオオッ!!!!』



ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 



幼馴染「わ、わ、すっごい人気」


イタリア「この俺を破ったんだからな。当然だろ」


妹「……アンタ、何でこっちに居んのよ」


イタリア「そりゃあ当然。俺と男っちは同じランナーを分け合った、魂のダチだぜ」







イタリア「それにこっちのベンチにゃあ、カワイコちゃんが二人も居るときたもんだッ」


妹「……勝手にすりゃいいわ」


イタリア「つれないねぇ、セニョリータ」


幼馴染「……せめてイタリア語で喋って下さいよ」


イタリア「Ouch☆」


イタリア「……しかし、二回戦でブラジル相手たぁ、男っちも運が無いねぇ」


妹「……どういうこと」


イタリア「……ブラジルのレールバトルスタイルは、激しく自由奔放だ」


イタリア「ともすれば具がチラ見えしちまいそうなギリギリラインから繰り出される陰毛の祭典」


イタリア「”アンダーヘアー・カーニバル”には、南米勢のみならず、どの国も一度は煮え湯を飲まされてる」


イタリア「一筋縄ではいかないぜ、男よ……」





ウ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 
 
 オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ 


実況『対しますは……???』


実況『えっ、ちょっ、これは……す、スタッフ!?スタッフー!!!!!』


実況『……えええー、会場の皆様、アクシデントが発生致しました』


実況『な、なんと、なんと、ブラジル代表が』


実況『会場付近で、半裸で発見されたと言うのです!!!!!』


男「……?」







実況『……ああ、ええと』


実況『半裸で、意識不明で発見されたとの知らせがですね』


男「!!!!!」


国王「何じゃとッ!!!!!??」


幼馴染「半裸関係無くないですか」


妹「実況へたくそね実況の人」


実況『うるさい』


実況『とにかく、ブラジル代表の選手がですね、チ○ポレールをへし折られ、屈辱的な格好をさせられて放置されていたと言うのです』


実況『一体誰がこんな……』


???「彼には力が無かった。それだけのことですよ」


??????「ワフッ、ワンワーン」


男「誰だ!!!!!」





実況『誰だー!!!!? いつの間にやら会場に一人と一匹のかぁぁぁげぇぇぇがぁぁぁぁ!!!!!』


???「名乗るほどの者ではございませんが……」


ドイツ「ドイツ代表の肩書きを、国から賜っているだけの男ですよ」


??????「ワッフーン」


ドイツ「こいつはシュナイデル。主に忠実なジャーマン・スパニエルで、僕の良き相棒です」


(参考画像:ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Deutscher_Wachtel_2.jpg


国王『貴様、ドイツ代表!!! 予選をすっぽかして不戦敗になったくせに、いまさら何を』


ドイツ「チッチッチ」フーッ


シュナイデル「ワッフーン」






ドイツ「申し訳ありませんが、予選の日は僕とシュナイデルのバイオリズムに若干の偏重がありましてね」


ドイツ「勝率に0.07%の確率偏差が生まれてしまいましたので、自主的に休憩を取らせていただきました」


国王『そんな勝手な理屈が通ると……』


ドイツ「五月蝿いですねえ、イライラします」


ドイツ「対戦相手なら、もうご覧のとおり、潰してやったんだから、とやかく言わないでくださいよ」


ドイツ「あの程度のゴミ、力の七分の一も使わずにああしてやりましたがね」ニタァ


国王『……』


ドイツ「”強き者こそが正しき者たる資格を得る”」


ドイツ「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル第七条。違いますか、国王様?」


国王『……ヌウッ』






男「……いいんじゃないっすか、国王様」


妹「兄貴!?」


男「俺も正直、イライラが止まらねえんだよ」


男「いきなり大事なチ○ポレールをへし折られちまったブラジル代表の無念と」


男「この短小キザチ○ポ野郎のレールをグッシャグシャに叩き潰してやることを想像すると」


男「俺のレールが……滾りやがるッ……!!!!!!!!」バリイッ


ドイツ「……交渉成立、ですね」


ドイツ「我が秘竿、アイアンカーテンレールプレミアムシリーズ・ミッテリンダーナチュラルアッシュの露にして差し上げます」


(参考画像:ttp://image.rakuten.co.jp/mado/cabinet/00678094/premiam/mi02.jpg


ドイツ「ブラケット・アイゼン(鋼鉄の吊るし板)と呼ばれた私の妙技、貴方ごときに見切れますかねぇ……?」


シュナイデル「フンスフンス」







実況『……国王様』


国王『……良かろう』


実況『決まったァァァァァァァ第二回戦最初のカードはッ!!!!』


実況『日本代表vsドイツ代表ォォォォォォォォォ!!!!!!!』


ドイツ「……それでは」


ドイツ「試合開始、と言うコトで……かまいませんか?」


男「もちろんだ、こっちはとっくに……」


シュナイデル「ワフッ!?」


男「臨戦態勢だっつぅの!!!!」バシュゥ


妹「決まったァ、”ダブルブラケット”!!!」





幼馴染「相手の正面に自分の幻影を作り出して高速移動、背後から相手を討ち取る男君の必殺技!!!」


幼馴染「だけどあの技は、エリートダブルセットの時しか使えないハズ……」


イタリア「いきなりエリートダブルセット、ってか」


イタリア「男っちの奴、ほんとにドタマに来てやがるな……」


国王「だが、まだじゃ」


ドイツ「……いい攻撃です」


男「!?」


ドイツ「ですがあなたの攻撃は既に」ドシュゥ


シュナイデル「ワオォン!!!」


ドイツ「どれもこれもなにもかも解析済みなんだよォ!!!!!」ズガンッ


男「ぐあああああああっ!!!!?」


妹「兄貴ィ!!!」





実況『突如ドイツ代表の目の前から消えた男選手』


実況『ドイツ代表の背後から現れ、攻撃を仕掛けようとした直後』


実況『見えない壁に激突したかのように吹き飛んだァァァァァァァァァ!!!!』


男(なん……だっ、コイツッ)


男(完全に死角から狙ったはずなのに)


ドイツ「悔しいか、不思議か、どうしようもないかね男君ンンンンン」


ドイツ「悲しかろう、辛かろう」


ドイツ「自らが何故負けるのかも分からず敗北させられると言うのは」


ドイツ「世の中は馬鹿が馬鹿を見るように出来ているのだねぇクハハハハハハハハ」ビシュウボシュウ


シュナイデル「ワフッ!!ワフン!!!」


男「ぐううううううゥゥゥゥ」






ドイツ「さあ!! 歌え!! 謡え!! 詠え唄え謳えェェェェ!!!!」


ドイツ「我と我が相棒、我が祖国に打ち倒される、悲劇のオペラの主人公、男!!」


男「……」


ドイツ「イタリア代表の思いも、ブラジル代表の思いも、そして貴様の思いも!!!」ブシュゥ


ドイツ「すぅべぇてぇ鼻紙にもならねぇゴミクズの集まりだ!!!」バゴォ


ドイツ「この会場に朽ちて吹き飛ばされる運命だったんだよォ!!!!!!」ガジィ


男「……」


男「……ドイツ代表さんよ」


ドイツ「カーッカッカッカッカ……あ?」


男「てめーは二つ、俺の大事なデータを解析できてなかったらしいな」







ドイツ「減らず口を……ハッ!?」


シュナイデル「キュウンキュウン」


ドイツ「き、貴様、シュナイデルを離せ」


男「一つは!!!」


男「俺はエリートダブルセットを発現させると、心が暗く沈んでクールになれる」


男「今回は怒りの方が勝ちすぎて、多少時間が掛かっちまったが……ね」


ドイツ「ぐっ、き、貴様ッ」


男「おかしいと気がつくべきだった」


男「最初の一撃、あれは完璧な奇襲だ」


男「あの時点で貴様のチ○ポレールは俺の攻撃に対応することができなかったはず」


男「……チ○ポレールが一本しかなければ、の話だけどな」


シュナイデル「クウゥン」ボロン







妹「あ……」


幼馴染「あれは……」


イタリア「犬のチ○ポが……」


国王「カーテンレールになっておるじゃとッ………!!!!」


実況『なァンとォ!!! ドイツ代表の相棒の犬もまた!!! 』


実況『ドイツ製アイアンカーテンレールプレミアムシリーズ・ミッテリンダーチェリーチークを生やしていたァ!!!!』


(参考画像:ttp://image.rakuten.co.jp/mado/cabinet/00678094/premiam/mi02.jpg


ドイツ「くッ……」


男「お前とシュナイデル、二本のカーテンレールから攻撃を放っていたから、俺は動きを見切れなかった」


男「種を見切れば、簡単な話さ」








イタリア「……終わったな」


イタリア「”P.E.N.I.Sオーナーの扱うカーテンレールは一国一本。但しダブルスタイル等の特殊能力は例外とする”」


イタリア「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル第三条だ。ドイツの反則負け、決まりだろ?」


ドイツ「うううううるるるるっるるる黙れこの凡夫凡夫凡夫がああああああああ」


ドイツ「僕とシュナイデルのレールは二人で8メートルのジョイントレール」


ドイツ「一国一本のルールは破っていないんだよォォォォォォォォアアアアアアアア」


妹「そ、そんな屁理屈!!!」


男「……いいんだ、妹。こいつは何もルールなんて破っちゃいない」


妹「あ、え、兄貴、ま、まさか……」


男「ドイツ野郎。教えてやるぜ」






男「お前が解析できなかった、俺のもう一つの大事なデータは」


男「……俺は他人のためだったら、いくらだって怒りを爆発させられるってコトだぜッ!!!!!!!!!!」


ドイツ「あ、あひ、ひいいいいいいい」


男「食らえドイツ野郎!!!!!!!!」


男「ブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラ!!!!」


男「ブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラ」


男「ブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラ」


男「ブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブラアァァァァァァァ!!!!!」


ドイツ「」ドッギャアアアアアアアアアアアアアアアン



男「”80本ブラケット”」


男「それだけ付けときゃ、罪深いお前も地獄にゃ落ちずに済むだろうぜ……」クルッ







幼馴染「……男君、とどめは刺さないの?」


妹「……その質問もどうなのよ」


男「……いいさ」


シュナイデル「………クゥン」ペロペロ


男「犬に終生恨まれるのは、ちょいとばかり後味が悪いんでね」


イタリア「……やってくれるぜ、キザ野郎」


実況『……ンンン文句ン無しッ!!!!!!!』


実況『勝者!! 日本代表!!!!! 男選手ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』



ウ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ





男(……しかし)


男(……ドイツ代表の、あの発言)




           ―― ドイツ「ですがあなたの攻撃は既に」


           ―― ドイツ「どれもこれもなにもかも解析済みなんだよォ!!!!!」




男(……俺がエリートダブルセットを使いこなせるようになってから)


男(人前でダブルブラケットを使ったことは、たった一度しかなかったはず)


男(何故、ドイツ代表は、俺の技を知っていた……?)


男(……)


男(……この大会)


男(まだ、俺の知らない裏がある……!!!!)








       ~ 第三話へ続く ~




第三話は今週末、土日のどちらかで投稿できたらと思っています。
またお目にかかれれば幸いです。
よろしくお願いします。


>>24
まさか前作から読んで下さっている方がいるとは思いませんでした。
本当にうれしいです。
この勢いのまま最終話まで突き抜けられたらと思っています。

>>26
週に二回ほど完徹夜勤をしていますが、SSのネタが浮かぶのは普通に寝られた日の方が多いです。
よろしくお願いします。

荒木っぽいな、久々に魂が熱くなるss

前作読んできた。全く意味が解らなかった


続き期待して待ってるわ






『第三話 衝撃!!! 中国代表○ン○!!!

     ロンリー・プリンセスの涙、拭うのは……!!!』
     







~ 夜 レールチ○ポ選手村 空中庭園 ~


妹「やー、二回戦も無事突破!! さすがウチの兄貴はかっこいいわァ」


幼馴染「……ごまかさなくていいんだよ、妹ちゃん」


妹「……」


幼馴染「爺店員さん……今は国王様だけど、言ってたよね」


幼馴染「男君のチ○ポがカーテンレールになったのには、理由があるって」


幼馴染「この世にはもう一人、体の中に対となるカーテンレールを宿している女がいるはずだって」


幼馴染「その女と……結ばれれば、男君のチ○ポは、元に戻るって」


幼馴染「そして、その女って言うのが……多分、私のことだろう、って」







妹「……」


幼馴染「……妹ちゃんじゃなくたって、思っちゃうよね」


幼馴染「男君と私が、両思いだったとして」


幼馴染「”どうしてさっさと男君と結ばれて、男君のチ○ポレールの呪いを解いてやらないのか”」


幼馴染「……妹ちゃん、男君のこと、大好きだモン」


幼馴染「妹ちゃんの話って、それしか、ないよね」


妹「……分かってンならッ!!」


妹「とっととオ○ンコおっ広げて、兄貴のレールチ○ポブチ込んでもらいなさいよッ!!」


妹「あた、あたしがっ、ど、どんな、気持ち、でっ、あた、あたしがぁ!!!!!!」







幼馴染「だって……」


幼馴染「……仕方ないじゃない」


妹「……あ?」


幼馴染「カーテンレールよ!? しかも物凄くぶッとい、木製の装飾レール!!!!!」



(参考画像:ttp://www.curtain-rail.jp/toso/woody28/woody28_darkmahogany-b.jpg



幼馴染「あンたも女なら、わかるでしょう!?」


幼馴染「あンな硬くてぶっといモノ、私の、私の、私のに入るわけないじゃない」


幼馴染「怖がっちゃいけない!? 恐ろしいと思っちゃいけないの!? ねえ、ねえ、ねえ!!!!!」


妹「……」








幼馴染「……だけど」


幼馴染「本当に怖いのは、私自身」ヌギッ


妹「!!!!?? お、幼馴染ちゃん!?」


幼馴染「……はあっ」


妹「……幼馴染ちゃん」


幼馴染「はあ、はあ、ねえ、妹ちゃん、はっ、ねええ」ハァ ハァ


幼馴染「私」


幼馴染「疼いちゃうんだよ」ハァ ハァ ハァ






幼馴染「はぁ、はぁ、あんなに、っ、大っきくて、太くて、っはあ、はあ、怖くて、硬いアレが……」


幼馴染「私の中に……はィってぇ!!!! くる事を、想像、し、た、だけ、で」


幼馴染「あぅ、はっ、こんな、にィ……体がッ、疼いちゃうのォ……」


妹「…………」


幼馴染「……ねえぇ、妹ちゃんっ」


幼馴染「こんな私、ヘンだよね、怖いよねェ……ッ」ハァハァハァ


幼馴染「男君に、嫌われ、ちゃ、ッ、っ、ッ、ぁ、あ、ああああああああ……」


妹「……」





妹(……)


妹(……もう、分かンない……)


妹(兄貴のレールチ○ポ……幼馴染ちゃんの体に眠るって言う、伝説のカーテンレール)


妹(世界中から集まった、改造レールチ○ポ使い達を集めて争わせる、世界大会)


妹(一体私達は、どんな運命のカーテンレールに掛けられてるって言うのさ……!!!)





~ 翌日 世界大会試合会場 ~


男「ん……ッ。準備運動終了」


男「あれ、幼馴染は?」


イタリア「What's、さてな。俺は朝から見ていないぜ」


妹「……」


男「……ま、アイツも一人で考え事くらい、したくなる時もあるよな」


男「差しあたっては、次の対戦相手のことでも考えておくか。イタリア、何か情報はあるか?」


イタリア「なんだよ男っち、俺をアテにしてんのか?」


男「そりゃな。魂のダチなんだろ?」


イタリア「へへっ……」


カチィン


妹(……お互いのチ○ポレールでハイタッチしてる……)


妹(……もはや違和感を感じない自分が怖い)





イタリア「……つってもな、正直、次の対戦相手……中国代表の情報は、正直言ってほとんど無い」


男「……?」


イタリア「男っちを馬鹿にするわけじゃないんだけどよ」


イタリア「極東エリア、つまりアジアの辺りっつーのは、元々カーテン的にも、レールバトル的にも遅れてる地域なんだ」


男「……そうなのか」


イタリア「気を悪くしないでくれ。歴史的な背景から見ても、仕方無ぇ話なんだよ」


イタリア「カーテンの歴史を始まりから紐解くとすれば、紀元前の昔にまで遡る」


イタリア「聖都エルサレムにおいては、神格たるイエス・キリストと我々人類を分かつ境界を表す物として」


イタリア「聖物を祭る聖域や神聖な社には、今でも分厚い、荘厳なカーテンを飾るのがならわしだ」


イタリア「こと欧米人にとって、カーテンはライフインテリアのみならず、宗教観や死生観にも通じる文化の基盤の一つなんだよ」


妹(……そんな神聖なモンを吊るすレール、チ○ポの変わりに生やしていいのかしら)





イタリア「片やアジアにおいては、ヨシズやショージなど、遮光品としてのカーテンを多種多様に発展させているが」


イタリア「我々欧米人の想像する”Curtain”とは、根本的に方向性の違う文化であるという見方も可能だ」


イタリア「それを悪とは言わないが、カーテンレール文化を支える下地としては、欧米諸国に後れを取るのは抗えん事実だろう」


イタリア「そうした背景もあって、ここ十数年を見渡しても、アジアからチ○ポレールバトルの強国が現れることはなかった」


男「……」


イタリア「だが、今年の中国代表は、何かが違う」


イタリア「今年の中国代表は、予選から圧倒的な強さで勝ちぬけてきてはいるのだが」


イタリア「……二回戦を終えるまで、一切自らのチ○ポレールを使っていない」


男「なんだと……!?」


妹「そんなこと、可能なの!?」





イタリア「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル大会規約第四条」


イタリア「”各国代表は、所属する国のホームセンターに陳列されている物品を、一種類一点まで試合中に携行、使用できる”」


イタリア「つまり、レール以外のアイテムを持ち込んで戦うコトも、一応は可能なんだ」


イタリア「このルールを悪用して、サブマシンガンや装甲戦車を持ち込もうとする発展途上国の選手も後を絶たんが」


イタリア「一流のP.E.N.I.Sオーナーの前じゃあ、軍用兵器なんざオモチャだ。お前らも知ってのとおりな」


妹「いや、ねーよ」


男「……どうかな」


妹「……戦車に勝てるの、兄貴」


男「……」フッ


妹「……」




イタリア「……今回の中国代表は、お客様採寸用の使い捨てメジャーを」


イタリア「まるで生き物のように振り回して、相手のレールチ○ポを引きちぎって勝ち進んでいる」


妹「……凄い」


男「使い捨てメジャーの長さはせいぜい3m、素材も安っぽいポリエステルがいいところ」


男「そんなもので歴戦の各国代表を……」ゴクリ


イタリア「……奴はローブを目深に被って試合に臨むため、誰もその本当の姿を見たことがないらしい」


イタリア「人種、年齢、能力、全てが不明。無論その下に隠された、レールチ○ポの能力も謎だ」


妹「……」ゴクリ






???「……危機感が足りていないな、男」






男「!?」


イタリア「お、お前はロシア代表!!!!」ボロン


妹「ひッ」


イタリア「男っちもとっとと脱げ、こいつぁロシア代表」


イタリア「”死神”の通り名を持つ、勝利のためにはあらゆる手段を選ばない、変態野郎だ」


男「……」ボロン


ロシア「……今日は紳士的な話し合いをしに来たんだ」


ロシア「……パンツを上げてはくれんか」


男「あんたの真意が分かるまでは、このまま進めさせてもらうぜ」ブランブラン


イタリア「俺の膀胱はパンッパンだ。妙な真似は、するんじゃねえぜ」ブランブラン


妹(あんたら以上に妙な真似は、なかなか出来ないと思うんだけど……)





ロシア「……単純な話だ」


ロシア「男、俺と手を組め」


イタリア「……何だと?」


男「どういうことか、聞かせてくれるんだろうな」


ロシア「……説明が必要だとは思わなかったが」


ロシア「……この大会の優勝国家に、カーテンキングダムとG8のGDPの半分近くが与えられる密約は知っているな」


男「……ああ」


ロシア「……カーテンキングダムがP.E.N.I.Sの基礎技術を作り上げ、毎年大会が開催されるようになり30年を数える」


ロシア「……今までの大会は、資源大国であるカーテンキングダムのお遊びに、各国が付き合ってきた。単なるショウだった」


ロシア「……このように政治的背景の絡む密約が生まれる事も、一度としてなかった」





ロシア「……今回の戦いは、特別なのだよ」


妹「……世界経済を引っくり返せるビッグマネーを前に、裏で手を組んだ国があると?」


ロシア「……その通り」


ロシア「……この大会は実質、ヨーロッパ勢とアジアが所属するユーラシア大陸連合と、アメリカ・カナダ・南米大陸軍の代理戦争だ」


ロシア「……ユーラシアの参謀役だったドイツ代表は、お前達に敗れてしまったがな」


イタリア「……一応、俺もヨーロッパの人間なんだが」ブランブラン


ロシア「……俺自身は、貴様の実力を認めているんだがな」


ロシア「……義侠心でしか動かないお前は、不安要素として排除すべきだと、全会一致で勧誘しないことが決まっていた」


ロシア「……こと戦争において、イタリア人が役に立たないのは身を以って知っていると、ドイツが吹いていたしな」


イタリア「……Shit」ペッ





ロシア「……だが、男」


ロシア「……お前は今までの日本代表とは……いや、今まで存在した全てのP.E.N.I.Sオーナーとは何かが違う」


ロシア「……お前を敵に回してはならんと、俺の軍人としての本能が叫んでいるのだ」


ロシア「……俺達と、いや、俺と手を組め、男」


男「……この勧誘は、ユーラシア連合の総意じゃないって事か」ブランブラン


ロシア「……中国代表が特に反発している。お前、余程奴をいじめたらしいな」


男「……何でそこで中国代表が」


ロシア「……とぼけるのか。まあ、いい」


ロシア「……返事は三回戦が終わってから聞かせてくれ」


妹「中国代表に勝てないようじゃ、仲間にする価値もナシってことね。馬鹿にしてるわ」


ロシア「……すまんな」





男「いいさ。お前だってこの戦い、命張ってんだろ」


ロシア「……」フッ


ロシア「……詫びついでに、一つ教えておいてやる」





ロシア「……カーテンキングダム国王には、気をつけろ」





男「……どう、いう」


ロシア「……さあ、な」ザッ ザッ ザッ






妹「……」


イタリア「……すべては、中国代表に勝ってからのオハナシ、ってワケね」ブランブラン


イタリア「ってかお前等、中国代表のこと、知って……」


男「……いや、わからん」


妹(……)


妹(こんなまじめな話になるんだったら、二人にパンツを履かせれば良かった)



男「……クソッ」ブランブラン


男「一体誰なんだ、中国代表……!?」






~ 大会会場 Cブロック入り口 選手控室前 ~


幼馴染「……」


幼馴染(私のせいで、男君は、こんな大会に出ることになって)


幼馴染(私と結ばれる以外の、チ○ポレールの呪縛を解く方法を探してるんだ)


幼馴染(私のせいで、男君が、あんなにぼろぼろに……)ポロ


幼馴染(……男君、ごめんね、男君、ごめんねッ……)ポロポロ


????「―― ナミダヲフイテ オジョウサン」


幼馴染「きゃっ、だ、誰っ……」





????「……」スッ


幼馴染「ハンカチ? ……ありがとう、ございます」


????「……」ニコッ


幼馴染(……あれ、今、なんだろ)


幼馴染(この人の顔、ローブで隠れて全然わからないのに、何故か笑ったように見えたような)


????「―― アナタノ ナミダノワケ」


????「―― ワタシガ ケシテアゲル」


スッ


幼馴染「ッ!? 待ってッ!!!」ダダダッ


幼馴染「……もう、いない……」


幼馴染「……」


幼馴染「……そうよ、多分、あの人、は……」






ウ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ  
  オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   
ウ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ  



実況『さあさあさあ、物凄い盛り上がりを見せておりますカーテンチ○ポレールバトルロワイヤルッ!!!』


実況『それもそのハズッ!! 本日第一試合には、三度アイツがやってくるッ!!!!!』


実況『ヤマトタケルはここに居たッ!! 草薙の剣をレールに換えて、現代の古事記にその名を刻むか!!』


実況『使用レールは既にお馴染み、T○SOウッディ28Bキャップ!! 日本代表、ゥオゥトゥコゥゥゥゥゥゥォオ!!!!』


男「……ど、どーも」



ウ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ  
  オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   
ウ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ  



イタリア「妬けるねェ。老若男女、どいつもこいつも男っちに夢中じゃねえか」


妹「当然よ、私の兄貴だモン」フンス


シュナイデル「フンスフンス」






妹「ひゃぅ!? 何しにきてんのよドイツ代表チ○ポ!!!」


イタリア「いや、ドイツ代表自身は来てないみたいだぜ」


イタリア「……コイツなりに、主人を見逃してくれた男に恩義を感じてるんじゃねーのか?」


シュナイデル「クゥーン」


妹「……もぅ、しょうがないわね」ヒョイ


シュナイデル「ワフッ」


妹「こっちのが、見やすいでしょ」


シュナイデル「……ゥワンッ!!」


妹「さ、頑張って応援するわよ、せーの」


妹「頑張れ、兄貴ーィ!!!」


シュナイデル「ウー、ワンワンワン!!!」





実況『対するは』


実況『容姿、体格、チ○ポレール、その全てが謎、謎、謎、謎ォォォォォオオ!!』


実況『しかし唯一確かな事実、それはコイツが”強”い事ォォォォォオオオ!!!』


実況『今日こそは素顔が、チ○ポが見たいッ! 謎の採寸メジャー使い、中国代表ッッッッ!!!!!』


中国「―― ヨロシク」


中国「お粗末レールチ○ポ野郎」ボソッ


男「」ゾワッ


男「……そうか、貴様が……ッ」


シュナイデル「フゥーッ」





ダダダダッ


妹「お、幼馴染ちゃん!?」


幼馴染「気をつけて男君ッ!!!」


幼馴染「その人は、その人は……」


中国「アワテナクトモ」


中国「キサマアイテに テハ ヌカンヨ」


バサァ


男「……久しぶりだな」






男「クソレズ野郎」






生徒会長「……相変わらず品がないのね、男君」ニィッ




実況『こ、これはどういうことでしょうか、誰が想像し得たでしょうか』


実況『中国代表が、中国代表が、中国代表がッ!!!!!』


イタリア「ッ、何だってんだ今回の大会はッ!!!」


イタリア「犬にチ○ポレール生やさせたと思ったら、今度は中国代表が女だァ!?」


実況『お、お、お、落ち着いてください皆様』


実況『カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル大会規約第二条』


実況『”出場資格者は各国一人とし、その決定はあらゆる人種、性別、年齢、性癖等により阻害されない”』


実況『移民やセクシャル・マイノリティを考慮して設定された規約でありますので』


実況『中国代表が別の国籍を持っていること、女性と見られることには何の、何の問題もございません』





実況『しかし、しかし、しかし』


国王「……」


国王「……あの、馬鹿娘が……」


実況『なんと中国代表の正体は』







実況『カーテンキングダム第79代正当後継者、カーテンキングダム皇女様だったのですッ!!!!』








イタリア「」


男「」


妹「」


シュナイデル「ワフ?」


幼馴染「生徒会長……」


皇女=生徒会長「……名前を聞くのも忌々しい」


生徒会長「カーテンキングダム皇女の名前なんて、とっくに捨ててやったと言うのに」


国王「……キサマ、男にあのような仕打ちをしたばかりか、よりにもよって中国に……」


生徒会長「……余計な話はナシにしましょう、お父様」


生徒会長「皇女の名を捨てた私としては、あるコトないコト、男に話してしまってもいいのよ?」


国王「……ぬ、ぐッ……」


男「……」




国王「……男」


国王「……今は、ワシからは、何も言えん」


国王「だが……勝手ながら、どうかお願いしたい」


国王「……ワシの馬鹿娘の目を……覚まさせてやってはくれんか……」


男「……長い話は後で聞くさ」


男「俺の気持ちがどうであろうと」ズルッ


男「コイツは、見逃しちゃあくれないみたいだからなッ!!!」ビィーン


実況『先に仕掛けたのはおとッ……あ、ああああああ!!!』


シュルルルル


生徒会長「やれやれ、相変わらずお粗末ね。先が見え見えよ」グイイッ


男「ぎゃああああああああッ!!!!」


実況『術中にハマってしまいました男ォ!! 採寸メジャーが男のウッディをきつく激しく締め上げるッッ!!!』





生徒会長「分かっていたって避けられないわよねェ!!」


生徒会長「カーテンレールは、メジャーで採寸されるために存在しているの」


生徒会長「所詮レールに繋がれている無様な男どもに、この私を超えることなどできるハズがないッ!!!」


男「……そうとも、限らんぜ?」


生徒会長「ッ!」


男「P.E.N.I.Sのレールはどうだか知らんが、生憎俺のチ○ポレールは100%自前でね」


男「喜びもすれば怒りもする、悲しみも感じれば楽しくて踊ることもある」


男「そして日々」パァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!


男「俺と共に……成長していくッ!!!」グィィィィン!!!!


生徒会長「っきゃああああ!!!!」ビリビリビリィッ





男「……エリートダブルセット新機能 ”ブラケットスペーサー・7284mm”」


男「いつまでもやられっぱなしじゃねーんだよ、クソレズ野郎」


実況『っこれは決まったかァァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!』


実況『突如爆発的にその躯体を伸ばした男選手のチ○ポレールが強く!! 鋭く!!! 皇女様のスカートを下着ごと八つ裂きにしたァ!!!』


幼馴染「男君のばかー!!!! 変態!!!!」


イタリア「マーニアック! マーニアック! マーニアック! マーニアック! 」


妹(死ね)


シュナイデル「クンクン」ビィーン


妹「……シュナイデル、あんた」





国王「……P.E.N.I.Sオーナーとして感じ取ったんじゃろ」


国王「皇女の本気は、ここからじゃと、な……」ブルッ


妹「……それっ、て」


生徒会長「……哀れなものね」


生徒会長「ゴミクズはゴミクズらしく、不燃物の日に八つ折りで折れ曲がってくたばっていればよかったのに」


生徒会長「無様にも悪あがきを止めないから、私に本気を出させる羽目になる……」ワッサァ


妹「」ビググゥ


妹「あ、あ、あれ、あ、あれ、あれっ、て」


生徒会長「……覚悟するのね、男クン」


生徒会長「P.E.N.I.Sを振り回せるのが、オトコだけとは思わないことよッ!!!!」ブワッサアアア


幼馴染「……」


幼馴染(何言ってるんだろうこの人)





男「……ッ、あれは」


イタリア「気をつけろ男!!! あれはP.E.N.I.Sだがカーテンレールじゃあねえッ!!!!!!」


生徒会長「気づくのが遅いんだよヘタレチ○ポ共があァァァァァァァァァァアア!!!」ブァサッ!!!!!!!!!


男「ぎゃっ、あっああああああああ!!!!」ドゴンッ!!!


妹「兄貴イィィィイィ!!」


実況『な、何が起きたというのでしょうか』


実況『下着の破れた皇女様の股間から……あの、その、あの』


実況『……マ』


実況『○ン○が!!!!!!!』


実況『皇女様の、皇女様の○ン○がッ!!!!!!』


実況『皇女様の○ン○が爆発的に肥大化し、怪しくピンク色に光り輝いたと思うと、次の瞬間男選手が吹っ飛ばされたッ!!!!』





生徒会長「言ったでしょう? レールに繋がれている無様な男達が、私にかなうはずなどないの」ウネウネ


妹「な、何よ、あれ」


幼馴染「形はアルミブラインドみたいだけど……なんだか、物凄く禍々しいよ……」


シュナイデル「グルルルルルルルル……」


国王「……”タ○カワアルミブラインド、パーフェクトシルキースリーウェイスタイル”」


(参考画像:ttp://www.matusou.co.jp/blind/silky/img/perfect_silky/3way/top_img01.jpg


妹「で、でもタ○カワブラインドの製品は、全品全種類日本国内工場で生産しているのが最大の売りなんじゃ」


国王「……あの醜悪で赤黒いスラット(一枚一枚の羽部分)を見ろ」


イタリア「……あれはただのP.E.N.I.Sじゃねえ!!!!」


イタリア「完全に、肉体に癒着しちまってやがるじゃねえか!!!!」


国王「その通り……皇女のブラインドは、中国製の粗悪なコピー品じゃ」


国王「タ○カワブラインドを模しながら、タ○カワブラインドのこだわりをまるで捨てている、醜悪な化け物じゃよ」






生徒会長「そう悪く言わないで頂戴。これでも良いところはいっぱいあるんだから、た・と・え・ば」クルッ


男「ッ!!」


生徒会長「”乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)”」バシュウ


男「ッぎゃああああ!!!!!!」


妹「兄貴ィイイイイイ!!!!」


生徒会長「スリーウェイスタイル・ワン……乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)は、私の気高い純潔の象徴」


生徒会長「男ごときの汚らわしい攻撃、そっくりそのまま跳ね返してあげられるの」


幼馴染「いやでも、そのネーミングセンスはどうなんだろう」


生徒会長「そしてッ!!!」ウネウネ バリッ





生徒会長「スリーウェイスタイル・ツー……」ワッサアアアアアアアア ビラッ


生徒会長「”自慰狂いの黒(ブラッディ・マンデイ)”!!!!!」ビカアアアアア


実況『うわああああああああああ酷い名前!! 酷い名前であります!!!!』


実況『この女、確かに国王の娘!! 破滅的なネーミングセンスは確実に未来へと伝承されていたァ!!!』


幼馴染「……ないわー」


イタリア「反吐が出そうなネーミングセンスだが、威力の方は確からしいぜ」


男「……ウグアアアアアアアアアアアッ!!!!」


生徒会長「完璧なる防御と、完全なる攻撃」


生徒会長「もはや貴方に勝機など何一つない」


生徒会長「大人しく、私に屈服しなさい」





男「……分からん、ねッ」


生徒会長「……あ?」


男「……学校での戦いから、ずっと思っていた」ヨロ


男「アンタは、口でこそ幼馴染を愛しているとか言いながら」


男「俺に絶望を与えるために、わざと幼馴染をなじって、傷つけようとしたよな」



      ―― 生徒会長「それじゃあ、こう言って貰おうかなぁ」


      ―― 生徒会長『生徒会長の高貴なプロヴァンスで、私のリングランナーを貫いてください』


      ―― 幼馴染「……!!」


      ―― 生徒会長「できないと言うなら、このまま男をもてあそばせてもらうだけなんだがなぁ」


男「……最初は嫉妬に狂っておかしくなっちまっただけのクソ女かと思ったが」


男「……今日のアンタは理知的だ、頭も回る。そして、まっすぐに俺という目標を見据えている」





男「……なァ」


男「アンタはどうして、俺を屈服させることにばかり拘る?」


男「アンタは容姿端麗、才色兼備、しかも皇女だって言うじゃねえか。金だってあるはずだ」


男「いったい、俺が、アンタに何を、」


生徒会長「……るさい」


生徒会長「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさぁい!!!!」バッサアアアアアアアアアア


男「うぶっ、こ、これはっ」


イタリア「皆、俺の後ろに隠れろ……”ジ・アルコバレーノ・サンバディトゥナイ!!”」


シュナイデル「英語やん」


妹「!?」


シュナイデル「ムフゥ」シュルルルル





国王「……暴走じゃ」


国王「”自慰狂いの黒(ブラッディ・マンデイ)”が、悪しき欲望の塊を撒き散らし始めておる」


生徒会長「男オォォォォォ!!!!」


生徒会長「お前が、お前、が、お前がお前がお前が!!!!!!」


生徒会長「お前のせいで私はァァァァァァ!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴ


妹「せ、生徒会長の様子が!!!」


国王「い、いかん、男、とめるんじゃ!!!!!」


国王「ヤツは二つの能力を同時に発現させようとしておるッ!!!」


生徒会長「別にィ、おかしな話じゃあ、ないでしょうがァ!」


生徒会長「元々タ○カワのパーフェクトシルキーには三つのスタイルがある」


生徒会長「光を取り入れる陽、光を閉ざす陰」


生徒会長「そして一部のみ光を取り入れる混合スタイルがね」


生徒会長「私のP.E.N.I.Sがそれを再現できないはずがなかろう!!!!!!」





国王「お前のP.E.N.I.Sは所詮悪しき紛い物じゃ!! 何が起こるかなど誰にも判らん!!!」


国王「ワシは、お前が、お前が」


生徒会長「問答無用だよクソ親父ィィィィイ」


生徒会長「食らえ男、私のスリーウェイスタイル・スリー!!!!!」


生徒会長「乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)と自慰狂いの黒(ブラッディ・マンデイ)の融合技」


生徒会長「―――――――――――」






























男(そのとき俺は)


男(一瞬が何千倍にも引き伸ばされたかのような時の流れの中で)


男(長い長い、夢を見たような気がした)










女の子『――くすん、くすん』


女の子『ととさま、わたし、ととさまとはなれたくないです』


国王『……』


男(あれは……国王。だが少し若い。相手の女の子も、どこか生徒会長に似てるな)


男(じゃあ、これは、生徒会長の記憶……?)


国王『……ワシとて、お前と別れるのは、身が引き裂かれるほどにつらいよ』


国王『だが、国家のため、この世界のためにも、お前には日本で暮らしてもらわねばならない』


国王『……いつか日本に現れる、股間にカーテンレールを携えた勇者を、お前は導かねばならないのじゃ』


女の子『じゃあ、ととさまも、ととさまもいっしょにいこ?』


国王『……ワシにはワシの戦いがある』ギリッ


女の子『ととさま……』





国王『……』ギュッ


国王『……すまん、すまん、すまん皇女』


国王『こんな風に、こんなところで、こんな生まれ方さえさせていなければ』


国王『お前にも、人並みの幸せをっ、与えてやることが、できたのに……』ポロポロ


女の子『……』


女の子『……ととさま、あたし行きます』


国王『……』


女の子『ととさまのために、あたしがゆーしゃさまを、かならず見つけてあげるから』


女の子『だから、ととさまは、なかないでくだーさいっ♪』


国王『……』


国王『……すまない、皇女』





男(場面が変わった……ここは、小学校か)


担任『……という訳で、カーテンキングダムから転校してきた、皇女の』


少年『ブッハハハハハハ!!!!! なにそれ、カーテンキングダムとかなにそれwwwwwww』


少女『ヘンなの……ヘンなのぉーっ!!!!!』


少年2『おい、おいお前カーテン出してみろよ、皇女なんだったらラクショーだろー?』


少年3『そっれカ・ア・テン!カ・ア・テン!カ・ア・テン!カ・ア・テン!』


少女2『カ・ア・テン!カ・ア・テン!カ・ア・テン!カ・ア・テン!』





女の子『……わたくしも、みなさんとおなじ、ふつうの人げんです』


女の子『カーテンを出したりはできませんが、インテリアには、すこしだけくわしいんですよ』


女の子『……どうか、なかよくしてくださいまし』ニコッ


少年『……ひくわー』


少女『……ヘンなの』


少年3『それワッタクシ!!ワッタクシ!!ワッタクシ!!ワッタクシ!!』


男(ワッタクシ!!ワッタクシ!!)


男(……こいつが昔の俺だったって言うなら、あんだけ恨まれても文句言えねーな……)








男(……中学校か)


女の子「……ですから、わたくしは、その、性器がカーテンレールになっている男性を探して」


男子1「……(こいつ頭おかしいんじゃねーの)」


男子2「じゃあ俺のチ○ポ確認してくれよ、オラオラ」


女の子「っ……違い、ますね、ありがとう、ござ」


男子3「そんな事ないだろ、よく見てみろって、近くでよ!!」グイッ


女の子「やっ、いやっ、止めてくださいッ!!!!」










女の子「っ……ううっ……」


女の子「……どこにいるのよぉ、カーテンレールの、ゆうしゃ、さま」


女の子「……」


女の子「……助けて、ととさま……」


男(……)







男(……それからの生徒会長の人生は、凄惨そのものだった)


男(そりゃそうだよな、思春期の女の子が、片端から男のチ○ポを見せてもらって回ってるんだ)


男(心に傷がつかないはずがない)


男(男なんて、嫌いになっちまうに違いない)


男(運命を、呪ったに違いない)


男(……チ○ポレールの勇者を、父親を、嫌いになったって……)






男(……ここは、俺たちの高校?)


女の子「踊れ、採寸メジャー」シュルルルル


男子生徒「ぎゃああああ」バリバリバリッ


女の子「普通のチ○ポ、と。今年も不作ねえ」


男子生徒「ひ、ひ、嫌ァァァァァッ」


女の子「……人を、化け物みたいに」


女の子「……」


ゴロン


女の子「……」


女の子「……ホント、何やってるんだろうな、あたし」






女の子「こんなに心も身体も、ぼろぼろになって」


女の子「まだ、父親に愛されたいとでも、思っているのかしら……」


女の子「……昔みたいに、犯されそうになることは、なくなったけど」


女の子「いまのあたしはきっと、あの頃より、ずっと汚くて、変態で……」


女の子「……好きになんて、きっと、誰にも、なってもらえないよ」


女の子「……」


女の子「……」


女の子「……ぐすっ」ポロ


女の子「……ひぐ、うっ、うぇっ……」





女の子「……もう」


女の子「……もう、やだよ」


女の子「チ○ポを探すのも」


女の子「人にヘンな目で見られるのも」


女の子「一人で居るのも」


女の子「……もう、やだ」ポロ、ポロ


女の子「やだよぉ…………」








???「……あーのー」






女の子「」ビクッ


???「ぱんつ、見えちゃってますよ」


女の子「……」ガサガササッ


幼馴染「ん、大丈夫です」ニコッ






女の子「……また、あなた?」


幼馴染「そう邪険にしないでくださいよ、センパイ」


幼馴染「今にも自殺でもしそうなくらい絶望的な顔してましたから、毎日生きてるか確認しないと、寝つきが悪くって」


女の子「……あなた、よく人に変わってるって言われない?」


幼馴染「言われませんよぉ」


幼馴染「”幼馴染ちゃんは優しいんだけど……ねぇ”とは、よくご近所さんに言われますケド」


女の子「……そうねぇ」


幼馴染「あっ、それ、どういう意味ですかー」






幼馴染「そうですねえ。私も友達作り、苦手ですから、なんとも言えないんですケド」


幼馴染「何か特技はないんですか、生まれついての資質、才能的な?」


女の子「……強いて言えば、人の上に立つことかしら」


幼馴染「……」


幼馴染「……あー」


女の子「……何よ」


幼馴染「いいんじゃないですか、そういうのも」


幼馴染「生徒会長になって、みんなの力になってあげて、仲良しになるなんて、全然アリじゃないですか」


幼馴染「そうしましょう、そうしましょう」ニコニコ







女の子「……私、は」


女の子「……いえ」


女の子「それも、いいかも知れないわね」


幼馴染「でしょー」


女の子「……そうしたら、あなたも、私のこと、手伝ってくれる?」


幼馴染「もちろんです」ニコッ








男(……そっか)


男(……生徒会長にとって、幼馴染は)


男(……日本で初めて自分を見てくれた、大事な、友達だったんだ……)








幼馴染「実は、私の幼馴染の男君のチ○ポが、朝起きたらカーテンレールになっちゃってたらしくて」


生徒会長(もちろん、一瞬で理解できた)


生徒会長(この”オトコクン”こそ、私が永い間捜し求めてきた、勇者様なんだと)


生徒会長(でもね、もう)


生徒会長(そんなものは、もう、どうでもよくて)


生徒会長「……そんな風になった男君とも、あなたは結ばれたいと、思っているの?」


幼馴染「……はぃ」


生徒会長(今はただ、今更私の目の前に現れた勇者様が)


生徒会長(私のことを、一度たりとも助けてくれなかった勇者様が)


生徒会長(私の大事なものを奪い去っていく事実を)


生徒会長(許せなくて)






生徒会長(何故なの、どうしてなの、なんで今なの)


生徒会長(私は)


生徒会長(私は)


生徒会長(私は……)


男(ッ……これは)


男(引きもどされる……っ!!!)










生徒会長「わだしはっ!!」


生徒会長「あんなに、苦じがったのにぃぃぃぃぃ!!!!!!」








イタリア「……」


妹「……」


幼馴染「……」


国王「……」


実況『……』


生徒会長「ぐずっ……あれ、私、なんで、泣い、てっ……」


男「……」スッ


生徒会長「……何」ギロッ


男「スリーウェイスタイル・スリー……名付けるなら」


男「”ただ一人の君(オンリー・ロンリー・プリンセス)”」


男「君の第三の能力は、自らの心を他の誰かに伝えるチカラだった」


男「だから俺と、ここにいる皆は、君の悲しみを知ることができた」


生徒会長「……」カアアッ





生徒会長「ふざけたハッタリカマしてんじゃないわよッ!!」シュルルル


男「……」


生徒会長「何よ今更、したり顔してっ」バシッ


生徒会長「私の気持ちを見透かしたような事言ってッ」ビシッバシッ


男「……」


生徒会長「来てくれなかったくせに」ビシバシビシッ


生徒会長「助けてくれなかったくせに」


生徒会長「……」


生徒会長「……私の、ことっ、」ポロ


生徒会長「見つけて、くれなかった、くせ、にっ………!!!!!!!!」ポロ ポロポロ


男「……」


ギュッ


生徒会長「……」




男「ごめん」


男「見つけてやれなくて」


男「助けてやれなくて」


男「気づいてやれなくて、ごめん」


生徒会長「……どういう、つもりよ」


生徒会長「今更、謝られたって、私、は」


男「……決着を付けよう、生徒会長」スッ


男「これ以上、君をこんな、汚らわしい争いに巻き込みたくはない」


男「俺が、君を倒す。その後だったら、いくらでも俺の事をけなしても、傷つけても、かまわないから」


男「この戦いを、終わらせよう」ボロン





生徒会長「……」


生徒会長「……あンたに、言われなくたってッ!!」シュルルル


男(メジャー捌きの速度が段違いだ……!!!)


男(これがカーテンキングダム皇女様の、本気の戦いだっつーのかよ……!!!!!)グルルルルルル


男「ぐッ……身動きが……ッ」


生徒会長「……次が、最後の一撃よ」


男(どうする)


男(俺の両手と左足は、既にがっちりメジャーで固められている)


男(今の状態じゃあ、攻撃はおろか、生徒会長のP.E.N.I.S技に対抗する手段なんて一つもない)


男(ここまでなのか)


男(俺は)


男(勝利をつかむことも出来ず)


男(生徒会長の、皇女の心を、救うことも出来ず)


男(……無様に、負けることしか、できないっつーのかよッ……!!!!)









妹「……」


妹「……ねえ、シュナイデル」


シュナイデル「……ワフ」


妹「もしここで兄貴が負けたら、たぶん兄貴は、私のところに戻ってきてくれると思う」


妹「……それでも、さ」


妹「私は、兄貴が大好きだから」


妹「兄貴の望むように、兄貴のために、力を貸してあげたいって思っちゃうんだ」


妹「……ヘン、かな、ズルい子かな、わた、し……」


シュナイデル「……」ペロ


シュナイデル「……ワン!!」


妹「……シュナイデル」


妹「……」


妹「……」スクッ






妹「……兄貴ィィィィイイイイイ!!!!!!!!!!!」


男「!?」


妹「正面から、生徒会長のドテっ腹に、チ○ポレールを、ブチ込んじゃえええええええええええええ!!!!!!!」


イタリア「バカな!? 正気の沙汰じゃねえ!!!」


イタリア「乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)の餌食になるだけだ!! やめろ男ッ!!!!」


妹「黙ってろ悪臭七色ションベン野郎ッ!!!!」


イタリア(傷ついた)


妹「私を信じて、お願い兄貴ッ!!!!!」


男「……サンキューな、妹!!!」


男「”ブラケットスペーサー・9496mm”」


男「つ・ら・ぬ・けぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!!!」シュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!





生徒会長「……下らん足掻きをッ!!!!!」


生徒会長「いかに硬く早く鋭かろうが、所詮一直線にチ○ポレールを延ばすだけの単調な攻撃」


生徒会長「正面から、受け、止め、て……」


男「……」キッ


生徒会長「……」


生徒会長「……~~~~~~~~~~~ッッ」カァァァァ


シュゴゴゴゴゴゴゴゴ


生徒会長「……っあ!」


ビタッ


生徒会長「……ぇ」


男「……喉元で寸止め。日本に古来から伝わる、とどめの合図だ」


男「勝負アリ、だろ、実況サン?」






実況『……ええ。是非もございません』


実況『因縁の日中対決を制したのは』


実況『日本代表、男選手ッ!!!!!!!』





ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


   オットーコ!!! オットーコ!!!!


           ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


          オットーコ!!! オットーコ!!!!






男「……立てるか?」スッ


生徒会長「……触らないで」カァァ


男「……」


男「しゃあねえな、ほら」ダキッ


生徒会長「きゃっ、やだっ、わっ、下ろして、下ろしてってば!!!」


男「スカートも下着も、俺が破いちまったからな」バサッ


男「責任を取って、更衣室まではお運びしますよ」


男「ご無礼をお許しください、皇女様」


生徒会長「……別に、いいけど」


生徒会長「……私、おもくない?」


男「……ああ、全然」




ワ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア……



国王「……」スッ


???「……宜しいのですか、国王様」


国王「……ドイツか」


ドイツ「……既に国王様の”計画”は、形を成さず崩れ去っております」


ドイツ「男と皇女様に、全てを明かす時が来たのではありませんか」


国王「……もう、よいのだ、ドイツ」


ドイツ「しかし、」


国王「……ワシもまた、若き彼らに憎まれるべき咎人」


国王「今更どの面を下げて、父親をやれと言うんじゃ」





ドイツ「……国王様……」


国王「……”計画”は、予定通り進行する」


国王「ドイツ、貴様も抜かるなよ……」ザッ ザッ


ドイツ「……」


??????「……」スリスリ


ドイツ「おや、おかえりシュナイデル」ナデナデ


シュナイデル「ンー」スリスリ


ドイツ「……やれやれ」


ドイツ「人間というヤツは、どうしてこうも、計算どおり行かないのだろうねぇ、シュナイデル」


シュナイデル「……クゥーン」






イタリア「……わからんね」


イタリア「妹ちゃん、どうして最後の一撃、あれで決まるって分かったんだい」


妹「……イタリアさんは、案外女心に疎いのね」


イタリア「……?」


妹「……恋する乙女が、好きになったオトコを前にして」


妹「いきなりオ○ンコおっ広げるなんて、できるワケないじゃない」


イタリア「……するってーと、生徒会長、いや、皇女様は……」


妹「……」チラ


幼馴染「……妹、ちゃん」


妹「……」フゥ


妹「……あーあ」





妹「やっぱりウチの兄貴は、かっこいいわァ」








       ~ 第四話へ続く ~





不覚にも感動した

>>54
ありがとうございます。
人間の勇気、強さは、本作の根底にも流れる重要なテーマです。


>>55
深く考える読み物ではないので、直感で読み進めてください。
うおおおおこのチ○ポレールカッケー!! と思っていただけたら幸いです。

>>128
リアルタイムでのコメント、ありがとうございます。
近日中に次の話をお見せできるよう、頑張ります。

インテリアを題材にしたバトルとか初めて見たわ
マジでどういう発想なんだ





『第四話 真実!!! カーテンキングダム代表チ○ポ!!!

        チャーム・オブ・ジューダは砕けない……!!!!』
     








皇女「……むかしのはなしを、いたしましょう」








   ―― それは とおい とおい とおいむかしのおとぎばなし


   ―― ひとびとが ひのでとともにめざめ ひのいりとともにねむるくらしをしていたころ


   ―― せかいが まおうのうみだした かがやくやみに つつまれました


   ―― うみのはて やまのはて どうくつのおくにかくれても にげきれない


   ―― まおうがいるのは そらのはて ひとびとには どうすることも できません


   ―― ひとびとは なげき かなしみました







   ―― そんなとき ふたりの ゆうしゃが たちあがりました


   ―― ひがしのくにからやってきた かれらは あしからはえる ふしぎなぼうで たたかいました


   ―― しろいぼうの ゆうしゃは あざやかに いろとりどりのわざで やみをうちはらい


   ―― くろいぼうの ゆうしゃは ちからづよく ふしぎなちからで てきをけちらしました


   ―― はげしいたたかいは なのかななばんつづき 


   ―― くろいぼうのゆうしゃは みずからのいのちとひきかえに さいごのいちげきを はなちました


   ―― のびるのびる ぼうはのびる みんなのちからで どんどんのびる


   ―― ついにはおそらを とびこえて まおうのからだを つきさしました








   ―― まおうはいいます


   ―― いまは このせかいを おまえたち にんげんに ゆずってやろう


   ―― だが にせんねんのみらい わたしがちからを とりもどしたとき


   ―― おまえたちを ふたたび かがやくやみが つつむであろう


   ―― くろいぼうの ゆうしゃも まけじと いいかえします


   ―― やってみろ おまえがふたたび このだいちを やみにつつむなら


   ―― おれもまた たちあがり ふたたびおまえを うちやぶってやる


   ―― まおうはそらのはてにきえ くろいぼうのゆうしゃは ちからつきました


   ―― そして しろいぼうのゆうしゃは みなにのぞまれ おうとなり すてきなくにを つくりましたとさ






皇女「……これが私の知る、カーテンキングダムに伝わる建国の伝承」


皇女「……私の運命をゆがめた、全ての元凶ともいえる、おとぎばなしよ」


男「……なるほどね、読めてきたぜ」


男「生徒会長……いや、皇女は、正直どっからどう見ても日本人と見分けがつかない」


男「カーテンチ○ポレールの勇者……建国の王が日本人だったとすれば、一応の説明がつくだろ」


皇女「……皇女って呼ぶの、やめてよ」テレテレ


男「……じゃあ、なんて呼べばいいんだよ」


皇女「……ばか」プイ


男「……??」


妹「……」ハァ





イタリア「……イチャつくのはいいんだけどよ、皇女様……」ポリポリ


皇女「な、ぶ、無礼者!!! 私はいちゃついてなどおりませんわ!!!」


皇女「って言うか皇女って呼ぶなっつってんでしょこのダボが!! ブッ殺しますわよ!!!!」


イタリア(キャラが安定していない)


妹「……”―― せかいが まおうのうみだした かがやくやみに つつまれました”」


妹「だいぶ昔の伝承みたいだし、何かの自然現象を魔王に例えた、って可能性もあると思うんだけど」


男「……どうかな」


男「それにしては、伝承上の魔王の描写が、生き生きしている気がする」


イタリア「不思議なことじゃないだろ? 神話の神様だって、実在もしないのにあんなに人間臭いぞ」






男「……そうじゃないんだ」


男「……今、こうして魔王の話を聞いただけで、俺のレールチ○ポが疼くんだ」


男「”そいつこそが敵だ”」


男「”そいつを討ち果たすのが俺の使命だ”」


男「そんな風に言ってるみたいに、俺のチ○ポが、ビンビン来るンだよ……」


イタリア「……」


イタリア「普段見なれた制服から着替えた、皇女様のドレス姿に興奮しちゃったって可能性は」


男「……」


男「……」


妹「……」


男「……ゼロじゃない」


妹「……最ッ低」


皇女「……」


皇女「……」テレッ


妹「……」イラッ






イタリア「やれやれ……ところで、幼馴染ちゃんはどうしたんだ?」


妹「……そういえば、見てないわね。兄貴は?」


男「いや……見てないな」


イタリア「おいおい、皇女様にテレテレしてんのもいいけど、お前等恋人同士なんだろ?」


イタリア「恋ってのは、初日から浮かぶ泥舟だ。お互いが浮かべる努力を続けないと、すーぐに沈んじまうんだぜ?」


男「……」


妹「……単に無神経なのかしらね、イタリアさんって」


イタリア「……??」


男「……国王いわく、俺のチ○ポは、幼馴染と結ばれれば元に戻るらしいんだ」


男「幼馴染とは一応、恋人同士ではあるんだけど……この前、ソッチの方で、拒絶されちまってさ」ハハ


イタリア「そ、そりゃあすまん。知らんとはいえ悪いことを言った」





イタリア「……まあ、お前のご立派なウッディ28Bキャップを受け入れるって言うのは、確かにちょっとしたホラーだしな」


男「ああ。物凄い嫌がられようだったよ」


男「思いっきり突き飛ばされて、家の壁をブチ破って、向こう三軒先のマンションの屋上まで吹っ飛んだ」


男「木製装飾レール界でも類稀なる耐久性を誇るT○SOウッディ28Bキャップで防御しなきゃ、確実に死んでたな」ハハハ


イタリア「……は、はは、は……」


妹「……」





~ レールチ○ポ選手村 空中庭園 ~


幼馴染「……」


皇女「……ここにいたのね、幼馴染」


幼馴染「……ここ、空が近くて好きなんです」


幼馴染「手を伸ばせば、今すぐにでも、星空に届きそうで……」


皇女「……」


幼馴染「……すみません、皇女様」


皇女「よしてよ、貴女まで」


皇女「それに謝るのは、私の方」


皇女「私の一方的なエゴで、貴女に依存して、すがり付いて、一方的な怒りをぶつけていやな思いをさせて」


皇女「一生かけて謝罪したって、償えるものではないわ。本当に、ごめんなさい」





幼馴染「……いいんです。気持ち、わかりますから」


幼馴染「皇女様は、チ○ポレールの勇者……男君のこと、本当に、憧れていたんですよね」


皇女「ばっ、なっ、貴女ッ」


幼馴染「蕩けるような憎悪は、それまで抱いていた深い愛情の裏返し」


幼馴染「私だって、男君に裏切られるようなコトがあれば、あのときの皇女様みたいになっていたかもしれない」


幼馴染「同じ想いを持つもの同士だから、わかるのかもしれない」


幼馴染「皇女様は、本当は、男君のことが、大好きなんですよね?」


皇女「……」




皇女「……そうかもね」


皇女「顔も名前も知らないけれど、きっと素敵な人だと思っていた」


皇女「実際に会った彼は、ちょっと間の抜けているところはあるけれど、大事な人のために凄く熱くなれる素敵な人で」


皇女「私は、そんな彼に想われている貴女のことが、とっても憎くて、すごく、羨ましくなって……」


幼馴染「……」


幼馴染「……皇女様」


幼馴染「明日の試合が終わったら、私、男君のことを受け入れます」


皇女「……」


幼馴染「そして、男君のチ○ポレールが元のチ○ポに戻ったなら」


幼馴染「男君の前には、二度と現れません」





皇女「!? ど、どうして」


幼馴染「……最近の私、おかしいんです」


幼馴染「男君のチ○ポがレールになってから、ずっと」


幼馴染「男君のチ○ポレールのことが、頭から離れないんです」


幼馴染「憧れと、性欲と、憎しみと、悲しみと、怒りと、いろんな感情がいっぱい、ないまぜになって」


幼馴染「男君のチ○ポレールを受け入れたい気持ちと、そうじゃない気持ちがバカみたいにぶつかり合って」


幼馴染「限界なんです。耐えられないんです」


幼馴染「怖いんですよ。自分が自分じゃなくなってしまいそうで!!!!」


皇女「……」





幼馴染「……でも、今日」


幼馴染「皇女様の心に触れて、思いました」


幼馴染「男君のそばに居るべきなのは、男君の優しさに守られるべきなのは、こんな人なんだって」


幼馴染「私みたいな自分勝手な色狂いに、男君がなびいてしまったのは、単なる偶然、気の迷いなんだって」


皇女「……そんなことはないわよ」


皇女「貴女は、私みたいな女を守ってくれたじゃない。貴女は」


幼馴染「……私が貴女を守っていたというなら」


幼馴染「私に守られていた貴女ごときが、私の何を語れると言うんですか」ギロッ


皇女「……幼馴染、あなた……」


幼馴染「……ごめんなさい」


幼馴染「でも、凄く、凄く凄く考えて、やっと決めたことなんです」


幼馴染「話したのも、止めてもらうためじゃない」





幼馴染「私が姿を消した後、私なんかのために悲しんでくれる男君のことを、皇女様には慰めて欲しかったから」


幼馴染「私が二度と戻らぬ事を知って、男君のそばに居てくれる人を作っておきたかったから。それだけです」


皇女「……」


幼馴染「……話はここまでです」


幼馴染「ここまで知った上で、男君の事を放っておくような真似も、男君にこのことを話すような真似も」


幼馴染「貴女ならしないだろうと、信頼していますから」


幼馴染「……それでは、ごきげんよう、皇女様」


幼馴染「……男君のこと、よろしくお願いします」


皇女「……」









皇女「……」


皇女「……二度と現れない、か」


皇女「……」


皇女「……私」


皇女「本当に、汚い子になっちゃったんだな」








~ 翌日 世界大会試合会場 ~






ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


   オットーコ!!! オットーコ!!!!


           ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


          オットーコ!!! オットーコ!!!!





実況『ついに最終日となりました世界大会試合会場』


実況『開催から30年を数えるこの大会を見渡しても、過去最高と言える盛り上がりと言っても過言ではございません』


男「」


妹「」


イタリア「?」



妹「だ、だって、今日は4回戦でしょ? 最終日って」


イタリア「そうだよ?」


皇女「4回戦だから最終日。当たり前じゃないの」


男「いや、だって、まだロシアやアメリカ・カナダ・南米大陸軍の奴らがいるんじゃ」


イタリア「……何だよお前等、そんなことも知らないで大会に出てたのか?」


実況『予選、決勝トーナメントを勝ち残りました16カ国の代表選手』


実況『この16名が一堂に会し、熾烈なバトルロワイヤルを繰り広げるのです』


実況『そして最後に勝ち残った一名こそが! 記念すべき第30代カーテンチ○ポレールバトルロワイヤルの覇者となるのです!!!』




皇女「……だから”返事は三回戦が終わってから”だったのよね、ロシア?」


ロシア「……男との接触、ばれていたとはな」


皇女「お互い様だから、黙っていてあげたのよ。貴方のフォローがなかったら、中国代表になんて潜り込めなかったわ」


ロシア「……俺の勝利のために、利用させてもらっただけだ」


皇女「……はいはい」


幼馴染「……男、くん」


男「……幼馴染」


幼馴染「帰ってきたら、お話したいこと、あるから」


幼馴染「負けたって、かっこ悪くたっていいから。絶対無事で、帰ってきてね」


男「……ああ」





実況『さぁさぁさぁ!!!!!!!! 各国の代表選手が今、リングに出揃います!!!!』


実況『果たして勝利をつかむのはどいつなのか!!!』


実況『おっとドイツは二回戦で敗退してましたね(笑)』


幼馴染(死ね)


妹(死ね)


イタリア(死ね)


皇女(国外追放しよ)


実況『それでは、運命の第四回戦”バトルロワイヤル”』


実況『開始(はじ)めッ!!!!!』





シュゴッ ビシュッ


男「うおっ、わっ、ちょっ、間合いが広すぎるッ!!!」


アメリカ「HAHAHA!! 我ガ祖国デハドンナ窓ニモロング・カーテン付ケマース」


(参考画像: ttp://images.countrycurtains.com/images/set_a/en_us/local/products/detail/010770739_dt.jpg


アメリカ「ダカラレールモBig!! Long!!! Powerfulジャナイトモタナイネー」


アメリカ「コナマイキナJapBoy!! オマエノ勝利ハ万ニ一ツモナイアガラ!!!」ドシュドシュ


男「……ッンの野郎ッ、いい加減にッ……」


ロシア「……アンダーバー・ドゥ・ロッシア(陰棒、そして我が祖国)」ボシュウ


アメリカ「ゲフッ」ドスン


ロシア「……失望させてくれるなよ、男」






男「……ってか、お前のP.E.N.I.S……」


男「ただの鉄の棒じゃねえか」


(参考画像:ttp://image.rakuten.co.jp/woodpro/cabinet/13/wletterrackbou-1.jpg


ロシア「……? ああ」ブラン


ロシア「我が祖国では元々、カーテンレールに品質を期待していない。閉められんモノもしばしばある」


ロシア「こと軍事施設ではその傾向が顕著でな。その辺りの鉄棒を布掛けにして使っている」


アルゼンチン「Kukuku、美シクナイネー」


アルゼンチン「高級ナハウスインテリアハ高水準カツ文化的ナ生活ノ象徴」


アルゼンチン「ソコニ”コダワリ”ヲ持テナイ人間ハ生涯地ヲ」


男「”C型ブラケット”」グリッ


アルゼンチン「ハウッ!!!!!!!!」バタッ





男「……土地には土地の、国には国の、各々の家には各々のインテリア・スタイルが存在する」


男「他人のカーテンレールを、簡単に笑うな」


ロシア「……感謝する」


男「お互い様だろ」


ロシア「……そうだな」ニヤ


ロシア「……やはり、お前とは最後に戦いたい」


ロシア「……背中は預ける。生き残れよ」ダッ


男「それもまた……お互い様だぜッ!!!」ダッ





ワーワー


幼馴染「男君、気をつけて、男君ッ!!!」


シュナイデル「ワフッ!! ワンワン!!!!」


イタリア「そこだ、一気にやっちまえ!!」


皇女「……」


妹「……皇女様」


皇女「……私のこと、許せない?」


妹「……兄貴が許したんだモン。私がどうこう言う権利はないわ」


妹「ライバルが増えたのは、ちょっとムカつくけどサ」


皇女「……ごめんね、それは譲れないわ」


妹「でしょーね」ニヒヒ





妹「……それよりも、私が知りたいのは、これからのコト」


妹「兄貴がこの戦いに勝利したなら、日本は莫大なお金を手にすることになるんでしょう?」


妹「そんなことになって、世界は大丈夫なの? 兄貴は……」


皇女「……ごめんなさい、私にもわからないの」


妹「そんなワケッ……」


皇女「本当よ。……私も、その話をはじめて聞いたのは、中国代表になってから」


皇女「それだけのお金が動かせたら、世界のパワー・バランスは一気に傾くわ」


皇女「その獲得に失敗した私は、中国当局の手で消されたって、おかしくない、と、思う」


妹「ちょっ……」


皇女「……心配しないで。何故か、今のところそんな兆候は全くないのよ」


妹「……それは、何故」





皇女「正直、わからない」


皇女「全てを知っているのは、恐らくただ一人……」


妹「……カーテンキングダム第78代、国王……」


皇女「……安心して頂戴。あのクソジジイが何を企んでいたとしても」


皇女「私が、守るから」ワサァ


妹(……なんでだろ)


妹(赤黒くて禍々しい、正直ちょっと臭う感じの気持ち悪いブラインド○ン○なのは全然変わらないのに)


妹(今の皇女様、なんだかとっても、綺麗)


妹(……)


妹(これが、恋する乙女のチカラ、ってヤツなのかなァ)


妹(……)


妹(……)


妹(いやいやいやいやいや)


妹(……しっかりしろ、私!!)





皇女「……どうしたの?」


妹「あ、いや、えっと、そういえば国王様の姿、今日は見てないな、と思ってッ!!」


皇女「そういえば、そうね」





国王「……ワシならば、ここにおるよ」





妹「……え」


皇女「……クソジジイ、ッ……!!!!」






カキン カキンッ


男「ハア、ハアッ……」


ロシア「……息が上がっているぞ、男」


男「お前は、なんで、平気なんだよッ……」


ロシア「……読み書きを教わる前に、疲労の隠し方を教わった」


ロシア「……俺が生きてきたのは、そういう世界だ」


実況『既に盤上の闘いは終盤戦ッ』


実況『立って動いているのは既に二人だけッ!!!』


実況『ロシア代表と、我らが日本代表ッ!!!! 完全無欠の一騎討ちでありますッ!!!!』


ロシア「……善い闘いだった」


ロシア「……今、楽にしてやる」


男「……クッ」





ロシア「……そして」


ロシア「……我が祖国に、未来永劫の栄華栄光を捧げるのだッ!!!!!!!!!!」


ロシア「……”トレジャー・デ・ペレストロイカ(珍宝の再生)ッ!!!!!”」


男「……」ニヤ


男「”L-Tブラケット”」カッカカッ


ロシア「ッ」


ロシア「空を、歩いた、だと……!!!」


男「……俺の国、日本は窮屈でね」


男「どうしても窓にレールがかけられない時は、こんな風にブラケットを使って、空に新しい足場を作るんだ」


男「そして食らえッ!!!!!」


男「”L-Tダブルブラケット”ッ!!!!!」





ロシア「!? こ、この軌道はッ」


男「焦りが見えたぜ、ロシア代表ッ!!!」シュッ


ロシア「ッ、”ステァリック、」


男「遅い、食ら」


国王「”チャーム・オブ・マタイ”」


男「ッ!?」バッ


ロシア「ウグ……ゴアアアアアアアアアアア!!!!!!!」バタッ


男「……」


男「……国王……あンた……」


国王「……」


男「……何故ロシアを討ったッ!!!!!!!!」





国王「……別に、ロシアを狙ったわけではないわい」


国王「いつまでも温い戦いを見せる貴様らを、まとめて潰しにかかったまで」


国王「悪運の強い貴様は、生き残ってしまったようじゃがのう」ニヤァ


実況『こ、こ、これはどういうことでしょうか!?』


実況『バトルロワイヤル最終決戦に、突如飛び込んできた影の正体はッ!!!』


実況『正真正銘、カーテンキングダム第78代国王、その人だったアアアアァァァアァアア!!!!!!』


男「……ジイサン、そのチ○ポ、どうしたんだよ」


国王「……T○SOウッディ28Bキャップ、ホワイトグレイン。貴様のダークマホガニーと対を成す、究極のカーテンレール」


(参考画像:ttp://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/konpo/cabinet/tosorail-img/woody28-b02.jpg






男「……俺のチ○ポが、共鳴しているのがわかる」ビィーン ビィーン


男「そのチ○ポレール、P.E.N.I.Sじゃねぇだろ」ビィーン ビィーン


国王「……鈍い貴様にも、理解できるか」ビィーン ビィーン


国王「これはワシが生まれながらに持つチ○ポレール、貴様などとは年季が違うよ」ビィーン ビィーン


男「……ごたくはいい、唯一つ答えろ」


男「何故、俺達の勝負を、汚したッ……!!!!!」


国王「言ったはずじゃ。貴様らの温い闘いに、嫌気が差したと」


国王「……ワシはこの大会を通じて、ワシのチ○ポレールに並び立つことのできる相棒を探しておった」


国王「世界征服の右腕となることのできる、相棒をのォ」


男「なッ……」





国王「……お前には、少しばかり期待しておったんじゃが、どうやら見込み違いだったらしい」


国王「もはや是非もない。この大会でワシは、チ○ポレールの本当の脅威を世界に見せ付けてやる」


国王「そしてP.E.N.I.S手術で強化された改造兵士を世界中に派遣し、ワシは世界経済を牛耳る存在となるッ!!!!!!」


国王「貴様はその見せしめとなり、ワシに血祭りに上げられる運命にあるのじゃ!!!!!!」


シュナイデル「グルルルルルルルル」


イタリア「正気じゃない……世界征服だと、そんなことが」


妹「……カーテンキングダムの資源、P.E.N.I.Sシステム、そしてクソジジイのチ○ポレール、GDPの40%」


妹「考えてみたら、全然、荒唐無稽な話じゃない」


幼馴染「そんなことどうでもいいでしょ!!!!!!!!」


幼馴染「男君が、男君が殺されちゃうよ!!!!」





皇女「……案ずることはありません、幼馴染」


皇女「私のすべての力を使って、あのクソジジイをブチのめす……」ワササササササ


イタリア「加勢するぜ、皇女様。俺だって、我慢ならねえ」ビィン


シュナイデル「……ワンッ」シュッ


男「……みんなは下がっていてくれ。ロシアと、妹達と、観客を守るんだ」


皇女「馬鹿な事を。怒っているのはあなただけでは」


男「……俺が一番、ドタマに来てんだよ」ギロッ


皇女「……」


イタリア「……やれやれ、こいつぁ止まんねーな」


シュナイデル「クゥン」




男「オイ、実況」


実況『あっはい』


男「アナウンスを頼む」


実況『……承知致しました』


実況『これが、第30回カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル、決勝戦』


実況『悪しき古き黒きかつての賢王、カーテンキングダム代表、国王対』


実況『戦友(とも)を討たれた怒りの化身、日本代表、男』


実況『試合……』


実況『開始ッ!!!!!!』


男「ハア……ッ!!」




妹「……白の棒の若者と、黒の棒の、若者」


皇女「……はっ」


皇女「男、ウィンドウチャームに気をつけてッ!!! 」


男「……は? ウィンドウ……何!?」


国王「いちいち遅いわ。”チャーム・オブ・バルトロマイ”」バシュシュシュシュ


男「うぎゃっ、ぎゃ、うわあああああああ!!!!」ザクザクザク


幼馴染「男君ッ!!!!!!!!!」


皇女「”しろいぼうの ゆうしゃは あざやかに いろとりどりのわざで やみをうちはらい”」


皇女「クソジジイは恐らく、レールに掛ける飾り……ウィンドウ・チャームを変えることで、使う技を切り替えることができるのよ!!!」


(ウィンドウチャーム参考画像:ttp://image.rakuten.co.jp/interior-cozy/cabinet/window02/toso_wcpa_01.jpg






イタリア「バルトロマイは皮剥ぎの刑で殉死したイエスの使途」


イタリア「相手の皮を切り刻む真空波を打ち出せるってことかよ……まるで魔法じゃねえか」


男「そんなインチキみてーな攻撃で、俺のウッディが砕けると……思うなよッ!!」シュゴゴゴビィーン


男「”ブラケットスペーサー・4548mm”!!!」ブゥン


国王「”チャーム・オブ・ヤコブ”」バサァ


妹「ッ、凄い速度で国王に襲い掛かったウッディが、赤い布に絡め取られちゃったよォ!!!!」


イタリア「……ヤコブはスペインの守護聖人だからな」


イタリア「スペインの象徴である闘牛士の赤い布が、男の攻撃をひらりと絡め取ったんだ」


妹「何よソレ!! もう何でもアリじゃないッ!!!!!」


イタリア「俺だって好きでこじつけてんじゃねェんだよ!!!!」


イタリア「……本物のチ○ポレールの力が、こんなに圧倒的だったなんて、俺だって信じられねェんだ……」


妹「……」





国王「”チャーム・オブ・シモン”」ボウッ


イタリア「今度は……詳細は全然不明だが何故か聖書に熱心だったと書かれているシモンの力を借りて、国王がチ○ポから火を噴いたッ!!!!!!」


妹「イタリアさん、あなたは決して悪くないんだけど、本当にイラついてきたから少し黙って」


イタリア「……おう」


男「ハア、ハアッ……」


国王「……あっけないのう」


国王「黒のチ○ポレールの勇者の系譜とはいえ、使い手がこの程度では、発揮される力も知れたものということか」


男「クッ……」


幼馴染「……男君……」


???「苦戦しているようですねぇ」




妹「!?」


シュナイデル「クーン♪」


イタリア「……”ジ・アルコバレーノ・フラッシュバック”」ボロン


ドイツ「ウグッ」ガクッ


シュナイデル「ワフッ……」タタタッ


イタリア「何しに来やがった、イカサマ野郎」


ドイツ「グ……私が、男君の陣営に顔を出せば、95.8%の確率で貴方にいきなり攻撃されることは、予測がついていました」


ドイツ「それを敢えて受けたのは……あなたがたに、敵意が無いことを示すための、パフォーマンス」


ドイツ「どうか……話を、聞いて、くださいませんかッ……」


イタリア「……だとよ。どうします、皇女サン」


皇女「……今、私達はとても忙しいの。手短に話して頂戴」





ドイツ「……結論だけ申し上げるとするならば、私は100%貴女に無慈悲な攻撃を受けることになると予測されます」


皇女「嫌なら帰りなさい。あるいはソフトな表現で言い直す努力をなさい」


ドイツ「……」


ドイツ「皇女様」


ドイツ「国王様と、繋がっていただきたい」


皇女「”自慰狂いの黒(ブラッディ・マンディ)”」ザシュシュシュシュ


ドイツ「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!!!」ドゴゥ


シュナイデル「クゥーン! クゥーン! 」ペロペロ


ドイツ「ふ、ふ、フフフ……やはり私の未来予測は完璧……」


皇女「……その未来、もっと”はっきり”させて差し上げましょうか?」ワササササササ


ドイツ「……その前に、私の話を聞いてください。貴女のために」


ドイツ「この通りです」ドゲザ


皇女「……」





シュナイデル「……クゥーン」


イタリア「……俺、知らね」プイ


皇女「……話しなさい」


ドイツ「ありがとう、ご、ざいます」


ドイツ「……まず、私が分析するに、87.3%の確率で、男君の解釈は間違っていた」


皇女「……?」


ドイツ「貴女の第三の能力”ただ一人の君(オンリー・ロンリー・プリンセス)”の話です」


ドイツ「恐らく、貴女の第三の能力は、貴女の心の内を、周りに見せびらかすだけのモノではない」


ドイツ「不幸な環境に身を置いてなお、他者との繋がりを決して捨てなかった貴女が」


ドイツ「自分を皆に押し付けるだけという、自分勝手な能力を発現させたとするのは、あまりに不自然。かつ非合理的だ」


皇女「……」





ドイツ「推測するならば、”ただ一人の君(オンリー・ロンリー・プリンセス)”は、人間同士の心を繋げるチカラ」


ドイツ「正しく使えば、貴女の心を皆が覗けたように、あなたも誰かの心を視ることができるはずです」


皇女「……その能力で、私にクソジジイの胸中を覗けっていうワケ?」


ドイツ「貴女だけではない。この闘いに関わった全ての人間が、知るべき事実がそこにはある」


ドイツ「お願いします、皇女様。チカラをお使いください」


皇女「……」


皇女「……二つだけ、教えていただけるかしら」


ドイツ「はっ」


皇女「……こうして私達の所に現れるコトで、あなたが大怪我をしたり、死んでしまう可能性も、ゼロではなかったんでしょう?」


ドイツ「……イタリア代表の初撃で3%、皇女の攻撃で22%、男君や他の方からの攻撃リスクを考えれば、32%の確率で再起不能、あるいは死ぬ未来もありました」


皇女「そうまでして、こんな話をしにきたのは何故?」


皇女「仮に私達がこの闘いの真実を知ったところで、貴方が享受できるメリットなんてないでしょうに」




ドイツ「……シュナイデルは、私が心を許せる、唯一の親友であり、家族でね」


ドイツ「……シュナイデルの友達に、私も少しばかり、おせっかいをしたくなってしまった」


ドイツ「それだけの話ですよ」


シュナイデル「ワンッ♪」フリフリ


皇女「……本当、小狡いのね、貴方って」


ドイツ「……光栄です」


皇女「……そんなお願いのされ方したら、断るわけには、いかないじゃないッ……」ブワッ


国王「……おい、皇女キサマ何を」


皇女「信じるわ……後悔、させないでよねッ!!!!!!」ワッサアアアアアア


国王「止めろオオオオオオォォォォォォォッ!!!!!!!!」


皇女「”ただ一人の君(オンリー・ロンリー・プリンセス)”ッ!!!!!!!!」

























カン カンッ

 ザシュッ グシュッ


男(ッ……)


男(また、あのときの感覚)


男(皇女が”ただ一人の君(オンリー・ロンリー・プリンセス)”を、使ったのか……)


男(でも、ここって……)


男(世界大会、試合会場……?)






ブッシャアアアアアアアッ


少年「ぐっ、はあっ、はあああああ……」


子供「……アニキ、弱い弟で、ごめん、な……」スゥゥゥゥゥ


少年「あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああ!!!!」パァァァァァァ


男(……あの、少年、どこかで……)


男(それに、あの二人ののチ○ポ)


男(二人とも、小ぶりだけど、間違いない)


男(真っ白な、生まれながらの、チ○ポレールだ……)


王「……勝ち残ったのは、お前か」ボロン


少年「……はい、父上」





王「しからば今度は、私が相手だ」


王「負けてくれるなよ……いや」


王「兄弟達のチ○ポレール力を全て受け取ったお前が、こんな老いぼれに負けるはずがない、か」


シュウウウウウウウ パアアアアアアアア


男(何だ……!?)


男(周りの子供の死体が輝いて、立っている少年のチ○ポに集まって……)


ジャキン


男(チ○ポレールの形が、変化した!?)


少年「……”継承”完了。参ります、父上」


王「……甘くはないぞ、息子よッ!!!!!!」


ジャギィン!!!!






王「……見事だよ、我が息子」


王「よくぞ……このカーテンキングダム第77代国王の命、討ち取った」


少年「……父上」


王「なに、悲しいことなど一つもないよ」


王「私はお前のチ○ポレールの力となって、ずっとお前の傍に居るから」


王「お前は胸を張って、私の後を継ぎ、立派な王になるのだ」


王「約束してくれるな、息子よ」


少年「はい……はい」


王「では、お別れ、だ」


王「愛しているよ、我が……」


王「……」


王「」シュゥゥゥゥゥゥ


少年「……」パアァァァァァァァァ





男(……)


男(少年のチ○ポが、また形を変えた……あれは)


男(T○SOウッディ28Bキャップ、ホワイトグレイン)




少年「……」


少年「……おかしいよ、こんなしきたり」


少年「チ○ポレールの力を受け継がせるために」


少年「家族同士で、殺し合いをして、チ○ポレールの力を高めるなんて」


少年「……」


少年「……僕が」


少年「僕が……変えてやる」


少年「この無限に続いてきた因果のレール」








国王「僕の手で、絶ち切ってやるんだッ!!!!!!!!」








男(それから国王は、自らのチ○ポレールを実験台にして)


男(P.E.N.I.Sシステムの基礎を作り上げ、各国へ秘密裏に発表した)


男(もちろん、チ○ポをカーテンレールに作り変える兵器なんて、初めはどの国にも相手にはされなかったが)


男(国王はカーテンキングダムの資源資金力をバックに、アンダーグラウンドなスポーツバトルショウとして)


男(P.E.N.I.Sによる闘いを普及させた)


男(これで、世界中が人工チ○ポレールの開発競争を始めてくれる事になったわけだ……)





国王「……駄目だ、この程度のチ○ポレールでは」


技術者「し、しかし、このレールのスペックは開発当初の物の出力を72.8倍上回っており」


国王「私のチ○ポレールの前では鉄屑だよ……白のレールにさえ敵わんようでは、到底魔王になど通用しない」


技術者「……クソッ、おとぎ話に狂った独裁者め!! 魔王に貫かれて死んでしまえばいいッ!!!」バダンッ


国王「……」


侍従「……国王様」


国王「……あちらを向いていなさい」ボロン


侍従「ハッ」


国王「”チャーム・オブ・ペトロ――”」


国王「”クォ・ヴァディス”」


ホワイトグレイン「――」


ホワイトグレイン「”20年後の未来”」


国王「……」





国王(……父上を殺して手に入れた、ウィンドウ・チャームによる未来視の力)


国王(私がP.E.N.I.Sの研究を開始して、運命が捻じ曲がったのか、はたまた、元来予定されていた復活なのか)


国王(そもそも、この予言が信頼に足るものなのか。私には分からん。だが)


国王(私のチ○ポレールは、既にこの予言を真実として、強く感じている)


国王「……黒のチ○ポレールの勇者と、魔王の復活は、間近に迫っている」


国王「……いかんのだ、こんな貧弱なP.E.N.I.Sでは」


国王「魔王に打ち勝つことなど、できはしないッ……!!!」









皇女「……ととさま、これをさしあげます」


国王「……皇女、これはなんだい」


皇女「わたしがてづくりした、ととさまのためのウィンドウチャームです」


皇女「ととさまは、ウィンドウチャームがだいすきだとおもってつくりました」


皇女「……おそばにいられない、わたしのかわりに。ととさま、つかって、いただけますか?」


国王「……もちろん。ありがとう」グジグジ


皇女「んー♪」


国王「……」


皇女「……それでは、にほんへいってまいります」ペコ


皇女「ととさまも、まけないでくださいまし」


国王「もちろんだよ」ニコ


皇女「……ととさま、だいすき!!」


皇女「……えへ、えへへへ」ダッ




侍従「……お強く、成長なされましたね、皇女様は」


国王「母親を早々に無くし、不自由なばかりの生活を送らせてしまったが、真っ直ぐに育ってくれた」


国王「ワシの、自慢の娘だよ」


侍従「……今からでも、手元でお育てになるわけには」


国王「ならん」


侍従「しかしッ!!!」


国王「くどい」


国王「……魔王との闘いは近い。予言通りに魔王が復活するとも限らん」


国王「もし黒のチ○ポレールが、伝承通り魔王に対抗して目覚めなければ、まず狙われるのはこの国、このワシだ」


国王「その闘いに、皇女を巻き込むわけにはいかん」


国王「そして……伝承に狂い、国に囚われて死んでゆくワシの死を、悲しませたくもない」




侍従「だから……敢えて、皇女様を日本に一人で放り出し、酷い父親として嫌われようと?」


国王「無為無策で放り出すのではない。もし黒の勇者を見つけられたなら、きっと皇女のことを守ってくれる」


侍従「国王様……」


国王「……皇女が歩むのは、考えるまでも無く茨の道じゃ。皇女に気取られんよう、助けてやってくれ」


国王「そして、ワシが死んだら、お前のことなど欠片も愛していなかった、欲の塊のような男だったと、伝えてやってくれ……」


侍従「……」


侍従「……国王様、あなたは間違っている」


国王「……」







国王「ワシとて」


国王「間違いたくは、なかったよ」









国王「……クソッ、クソックソックソッ!!!!!」ダンッダンッ


国王(既に予言された魔王の復活まで、5年もないというのに!!!)


国王(P.E.N.I.Sの開発は遅々として進まん、黒の勇者の消息は杳として知れん)


国王(頼みのカーテンチ○ポレールバトルロワイヤル世界大会は、完全にショウ・バトルと化してしまっている)


国王(小便を霧状に飛ばして何が”アルコバレーノ”じゃ、遊びに来ているならチ○ポ切り落としてとっとと死ねば良いのにッ!!!)


国王「このままでは……世界が……」


国王「……皇女……ッ!!!」


???「……やはり、隠された裏があった、と言う事ですね」


国王「……誰じゃッ!!」


???「おっとこれは失礼。名乗るほどの者ではございませんが……」


ドイツ「ドイツ代表の肩書きを、国から賜っているだけの男でございます」


シュナイデル「ワゥン!!」







男(ドイツ代表を片腕として迎えた国王は、どうにか戦意を取り戻すことができたらしい)


男(P.E.N.I.S技術の軍事転用化を始め、ドイツは精力的に対外交渉を進めた)







ドイツ「……そして魔王が復活した暁には、大会の優勝国が先頭に立ち、その代表に戦っていただくということで」


フランス大統領「ハハハ、見返りもなしにそんな酔狂に付き合うバカなどおらんだろう」


イギリス首相「そういうコトですな……ドイツと日本、敗戦国同士仲良くおやりになられればよろしい」


国王「……」


ドイツ「まあまあ、そう仰らずに……例えば」


ドイツ「……万一魔王が復活した暁には、カーテンキングダムの総国家予算を代表国へ献上するというのは如何で」


国王「なッ」


アメリカ大統領「馬鹿ゲテルネー!!! カーテンキングダムハ世界有数ノ資源大国」


アメリカ大統領「オイソレトソノ所有権ヲ譲リ渡スヨウナコトヲスレバ、世界経済ハ崩壊必至デース!!!」


ドイツ「魔王が復活し、世界が壊滅すれば、どのみち人類の経済活動など簡単に停止してしまいますよ」


ドイツ「それどころか、人類はなりふり構わず、全てのカネとモノを出し尽くして戦うことになる」




中国主席「……カーテンキングダムは出し惜しみをしない。お前らはどうする?」


中国主席「世界は、そう言う挑発をされていると考えていいのかな、君」


ドイツ「如何様にもお取りくださいませ」


ドイツ「ただ、これだけは皆様、この席でお約束下さい」


ドイツ「万一魔王が復活した暁には、大会優勝国家代表の属する国家に、各国のGDPの40%に相当する金額を献上すると」


カナダ首相(……考エタネ、ドイツ)


日本首相(ここでこの”約束”に乗らなければ、万一魔王が現れ、撃退した後の世界で、その国の立場はなくなる)


イタリア首相(魔王とやらが復活しなければよし。したとしても各国から莫大な支援が受けられる、大会に負けたとしても出資の上限も立てられる……)





国王「……驚いたよ。まさかG8全ての国と密約を締結できるとは」


ドイツ「92.6%の確率で成功できると踏んでいました。騒ぐようなことではございません」


国王「分からんな。君のように合理的かつ冷徹な男が、なぜこのような御伽噺に本気になる」


ドイツ「……この世を二つに分かつのは、現実と非現実などという曖昧な境界線ではありません」


ドイツ「合理と非合理。適切なロジックさえ存在しているならば、どれだけ荒唐無稽であってもそれは現実です」


ドイツ「貴方の隣は、私の知的好奇心を悉く満たしてくれる、心地のよい場所です。腕を振るうのに不足はありませんよ」


国王「……そんな台詞を、打算だけで言い放つのが、君の善いところであり、悪いところでもある」


ドイツ「気に入りませんか」


国王「老いぼれとしては、な。もう少し若者には、人間味を学んで欲しいところじゃ」


ドイツ「……はぁ」


国王「……そんな君をも利用するワシは、恐らく世界で一番、歪んでいると思うがね」





国王(……そして、あの日)


国王(もはやチャーム・オブ・ペトロに問いかけるまでもない)


国王(黒の勇者が、日本の地で目覚めることは、チ○ポの共鳴で分かっていた)


国王(……だが、ワシの予想から外れていたことが、一つあったのだ)


国王(……黒の勇者の傍に寄り添う、魔王の波動の存在)


国王(それは未だ弱く、ともすればワシでも潰せるかもしれないと思わせるほどの、弱弱しいものであった)


国王(……ワシはカーテンショップの店員を装い、黒の勇者……男に近づき、ある嘘をつくことで、魔王を殺そうとした)




       ―― 国王=爺店員「この世にお主のような存在が生まれたのであれば」


       ―― 爺店員「必ず対となる、長いほうのポール部分を身体に宿した女がいるはずじゃ」


       ―― 爺店員「その者のリングランナーにお主のT○SOウッディ28Bキャップを通し合わせれば」


       ―― 爺店員「あらゆる願いを叶える、神のカーテンレールが生まれることじゃろう」




国王(……賭けだったんじゃ)


国王(魔王が完全に覚醒する前に、黒のチ○ポレールで魔王のよりしろ……)


国王(幼馴染の身体を貫けば、魔王を滅ぼすことができるかもしれないと!!!!)




男(……)


男(……おい、待てよ)


男(……アンタ、今なんつった)


男(幼馴染が……)


男(魔王の、よりしろ……!!!!?!?)




国王(……だが、ワシを待っていたのは、絶望だった)


国王(怒り狂った皇女はもはや、ワシの顔すら覚えていないかの様子で狂い暴れ、いずこかへ消えてしまった)



国王(そして、黒のチ○ポレールと、魔王は)



       ―― 幼馴染「……」



       ―― 幼馴染「……」



       ―― 幼馴染「……ぃゃあああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」バゴーン



       ―― 男「ッぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」シュルルルルル ズドーン




国王(既に幼馴染の力は、人間のソレではなかった)


国王(魔王は既に、覚醒寸前の状態にあったのだ)


国王(だが、黒の勇者である男は、まだまだレールの力に振り回されているだけの、単なるひよっこ)


国王(そして、ワシもまた、戦うには既に老いぼれすぎてしまった)








国王(もはや)


国王(手段は一つ)


国王(ワシが男に殺されれば、白のレールの力を、男に継承させることができる……)








国王「……」


男「……」


国王「……」スチャッ


男「……」ビィーン


妹「……兄貴、ま、まさか」


男「……理屈は知らねーよ」


男「コイツは、俺に殺されるコトを望んでる」


男「俺は、俺に幼馴染を殺させようとしていたコイツを、今すぐにでもブッ殺したい」


男「利害一致じゃねェか、問題ねーだろ?」


妹「……でも……」


男「それにコイツの方も、黙って殺られるつもりは無ぇみたいだしな」




ドイツ「もう良いでしょう、国王様」


ドイツ「今更貴方と男君が戦う必要はないはずです。皆を……」


ドイツ「悲しませるだけだ」


国王「…… 一人前に、情にほだされるようになったか、ドイツよ」


ドイツ「……」


国王「だが、無意味な闘いなどではない」


国王「ワシは何十年も研究と、鍛錬と、努力を重ねてきた」


国王「黒の勇者が伝承通りの実力を持たない、青二才であるというならば」


国王「ワシがこいつを殺し、黒の力を継承した方が、まだ勝機もあると言うもの……」


男「決着を付けよう、ジイサン」


国王「……ああ」





男「……嫌いじゃなかったぜ、アンタのコト」


国王「ワシもじゃ」


男「”5555(フィーブス)ブラケット”」


(参考ページ:ttp://www.e-morimoto.com/braket/braket.htm


男「本来は相手の身体を締め付けて捕らえる、不殺のブラケットだが」


男「今日だけは別だ……お前の心臓に、若干どころじゃない跡を残させてやる」


国王「減らず口を……」


国王「”チャーム・オブ・ジューダ”」


皇女「……」


皇女「あれ、は……」


国王「貴様の命運……ここで、尽きるッ!!!!!!!!」ダッ


男「………ぉぉおおおおおおああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」


国王「ッだアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」














皇女「止めてええええええええええええええええええエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!!!!!!!」ダッ










ピタッ


男「……お」


国王「皇、女……」


皇女「……」ダキッ


国王「……離さんか。中国に魂を売った阿婆擦れ女など、ワシは娘だなどと思ってはおらん」


皇女「……もう、何でも良いよ」


皇女「阿婆擦れでも、できそこないでも、娘と思ってくれなくても、なんでもいいから」


皇女「死なないで」


国王「……」


皇女「だって、あなたは、私の」ポロポロ








皇女「だいすきな、ととさまだもん」ニコッ








国王「……」


国王「……この、馬鹿娘が……」ポロ


国王「ワシが死なねば……世界は終わりだと、分かっておるんじゃろうが……」ポロポロ


皇女「だって、嫌なんだもん」


皇女「もう絶対、絶対、ぜーったい」


皇女「離れたくなんて、無いんだもんッ……!!!!!」


国王「……」


国王「……」ギュッ


国王「……やれやれ」


国王「やり方はどうあれ、一人で生き方を決められる、一人前の大人になったと、安心していたが」


国王「お前はまだまだ、幼い子供じゃのう……」ナデナデ


皇女「……へへ、えへへ、へへ」ニコニコ





男「……」ヤレヤレ


イタリア「……全く、ヒヤヒヤさせやがって」


男「上手くやったろ?」ニヤ


イタリア「ばーか、その逆だよ。いつバレちまうかヒヤヒヤしたっての」


男「……途中までは、本気で怒れていたつもりだったんだがな」




       ―― 皇女「わたしがてづくりした、ととさまのためのウィンドウチャームです」


       ―― 皇女「ととさまは、ウィンドウチャームがだいすきだとおもってつくりました」





男「……あんなブサイクなチャーム、最後の切り札に見せられちゃ」


男「俺だって、怒りも醒めるさ」ハハ


イタリア「違いない」ハハ




男「……ドイツも、ありがとうな。おかげで俺も、道を誤らなくて済んだよ」


ドイツ「気楽に言いますがね。君の本当の戦いは、これからですよ」


男「なァに、大丈夫だよ。俺達には、こんなにたくさんの、頼れる仲間達が居るんだ」


男「伝承の力に頼らなくたって、幼馴染から魔王を引き剥がす手段くらい、すぐに見つけられるさ」


男「……だから、安心しろよ、幼馴染」


幼馴染「……うん」


幼馴染「だけど」









幼馴染「ちょっとだけ、おソカッタミタイ」










ザシュッ







妹「……え?」








ポタ ポタ





妹「あれ……痛い、あれ、え、あれ?」





ポタ ポタ ポタ    





ボトッ











男「妹オォォォォォォォォォォォ!!!!」











          ~ 第五話へ続く ~




今週中に第五話、週末に最終話をお届けできればと思っています。
よろしくお願いします。

>>130
ご視聴ありがとうございます。
ですが、インテリアバトルではありません。
チ○ポレールバトルです。

もう良く分からないや

遅くなって、申し訳ございません。
先程書きあがった処ですが、時間も時間ですので、明晩投稿させて頂こうかと思います。
待っていてくださった方、いらしたら申し訳ございません。






『第五話 絶望!!! 日本代表チ○ポ!!!

     ラグレス、それは迷い無き未来の選択!!!!』
     








ペカァァァァァァァァァァァァァ


イタリア「……うッ」


ロシア「……」


イタリア「…………ハッ!?」ガバッ


ロシア「……無理に起き上がるな」グイッ


ロシア「……二週間は寝込んでいたのだ。身体に響くぞ」


イタリア「……二週間!? もう二週間も過ぎてやがるのか!?」


イタリア「じゃあ、いったい、ここは」


ロシア「……強いて言うならば」






ロシア「地獄だよ」







~ 二週間前 世界大会試合会場 ~


??「ふン……小娘ノ身体ニシテハ、ヨク動く」


国王「あ……ああ」


国王「ついに、復活してしもうた……」


国王「カーテンレール……宇宙、大魔王がッ……」


CR大魔王「……ネーミングセンスの欠落は相変わらズノようだナ、白の」


CR大魔王「まあ、何デモ構わんヨ。貴様ラが我ヲ崇メ奉ル名が、何デアロウトナ」


ドイツ「コード”ゲッテンバルド”!! シュナイデル、ゴーッ!!!」ズバァァァァ


シュナイデル「Ja,mon maitre.」シュボッ


CR大魔王「レールを生ヤシ、人語を喋ル犬、か」


CR大魔王「この者が五体満足デアッタなラ、サゾかし切レのある突っ込みヲ入レたデアロウがノウ」


妹「ぐ、う、ウウウウウウウ……ジョワアアアアアアアアアアア」ブワッ


シュナイデル「キャイン!!!」ボフッ


ドイツ「シュナイデルッ!!!!」





男「……ど」


男「どうしちまったんだよ、妹……!!!」


妹「ジョワッ、ジョワアアアアアア」ウネウネ


イタリア「妹の○ン○……皇女のタ○カワにも似てるが……邪悪さがケタ違いだ」


皇女「淫靡なるシャンパンブラウンの下地が、贅沢にも生地を二倍取った深い肉ヒダで……」


CR大魔王「コヤツモ、黒のレールノ血脈トシテ、強い肉体ヲ持っていたようダッタカラナ」


CR大魔王「我ガしもべトシテ、生まれ変ワラセテヤッタノダヨ」


妹「ブッシャアアアアアアアアア」ビラビラビラビラ!!!


男「くっ、妹、妹ォォォォォオオオオオオ!!!!!」


CR大魔王「我ハ忙シイ。我が世界をアマネク輝かセるマデの間、コヤツと遊んでオレ」シュンッ


妹「シャギャアアアアア」ブワアアアアアアア





ドイツ「……やるしか、ありませんよ、皆さん」


ドイツ「私の見立てによれば、98.9%の可能性で、妹さんを救うには、殺す、しか」


イタリア「黙れよイカサマ野郎!!!!」バギィ


ドイツ「ッ……」


イタリア「確率が98%だったら何だ!? 100%だったら何だ!? 何なんだよ!!」


イタリア「諦めろって言うのか!? 気持ちよく殺せって言うのか!?」


イタリア「実の兄貴に、妹を殺せって、てめえは言うのかよッ!!!」


ドイツ「……だったら」


ドイツ「代案を示せよッ!! 解決策を示せよッ!!! 子供みたいに喚くだけで貴様は何だよッ!!!!」


ドイツ「僕がッ」


ドイツ「僕が何の感情も抱かずに、結論を導き出したとでも、口に出したとでも、思って、いるのかよッ……」


イタリア「……悪かった」





ロシア「……俺がやろう」


イタリア「ロシア!? お前、いつの間に」


ロシア「……国王が手加減していたのだろう。意識はすぐに戻った」


ロシア「……事情も、すべて知っている。男が俺のために怒ってくれた事も、魔王とやらが復活してしまった事も」


ロシア「……だから、俺が殺る」


ロシア「……お前達と縁の薄い俺が手を下せば、禍根も後悔も残らんだろう」スクッ


妹「ヴォヤッ」ビシュン


ロシア「……」シュッ


ロシア「……動きは単調、狙いもぞんざい。素人の仕事だ」


ロシア「……仕留めるのは、たやすい」


ロシア「”ステァリック・イン・ディクテイター”(静欲と独裁者)」ドゥン


ビシュゥルルルルルルル





妹「……」


妹「……お願い、やめて、ロシアさん……」


ロシア「!?」ピタッ


妹「グプ」ニタァ


妹「シャギャアアアア」バルルルルルルルル


ロシア「ウオッ……」


イタリア「ギャアアアアッ!!!」ブシャッ


ドイツ「ぐッ……」ガクッ


シュナイデル「クゥーン、クゥーン」クルクル


妹「シャハ。シャハハハハハ」ブランブラン


皇女「……妹ちゃんの身体を、利用して、わざと……!?」


国王「……わかったじゃろ。男」


国王「妹は……そして恐らく幼馴染も、もう助からん」





国王「残酷な話かも知れん。だが、誰かに委ねたのでは、お前は一生後悔する」


国王「最後は、自らの手で、送ってやりなさい……」


皇女「……ととさま」


国王「……ワシもまた、家族を手に掛けてここに立っている身」


国王「気持ちがわからんとは、言わせんよ」


男「……」


男「……」ユラリ


男「……妹」


妹「……オニ゙イ チャ ン」


妹「……オ兄ちゃん、私、お兄ちゃんのこと、大好きだったんだよ」


妹「それなのに、お兄ちゃんは、私のこと、全然見てくれなくて」


妹「幼馴染ちゃんや、皇女様のことばっかり、かまって」ズリ


妹「ねえ、私、ずっと寂しかったんだよ……」ズリ ズリズリ





男「……」


男「本当にごめんな、妹」


妹「おニ゙イ゙ヂャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!」ガバァ


男「”スイングブラケット”」ブォン


妹「……ァ」スパッ


ゴロン


男「……妹は」ポロ


男「俺のこと、お兄ちゃん、なんて、呼ばねェんだよ……ッ」ポロ ポロ


皇女「……」


国王「……」


国王「……」ハッ




国王「全員、ワシらの後ろに隠れろッ!!!!! 皇女は今すぐ”乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)”の発動をッ」


皇女「こ、こんな時に、いきなり何を」


国王「伝承に詠われるカーテンレール宇宙大魔王が、このような刺客だけを残して、この場を後にするハズが無いッ!!!」


国王「妹の擬態をして我々を釘付けにしたのは、術式発動までの時間稼ぎ」


国王「妹を模した超自然的爆弾で、世界中のP.E.N.I.Sオーナーの集うこの会場を爆破するコトこそ、魔王の真なる狙いじゃ!!!!」


ゴロン


妹「ザンネン テオクレダヨ クソジジイ」


妹「3」


国王「クッ……”チャーム・オブ・アンデレ”!!!」パァァァァァ


妹「2」


皇女「”乙女の薄桃(ピンキー・クライシス)”、最大出力ッ!!!」ゾワッ


妹「1」





ロシア「立ち上がれッ!!!! 国王の結界の中に逃げ込むんだ、男!!!!!」


男「……あ………あああああ………」


ロシア「くッ……」バッ




妹「ゼロ」




男「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」








カッ







~ 現在 カーテンキングダム 地方都市アジャスタ ~



イタリア「……」


イタリア「じゃあ、お前の右腕は」


ロシア「……男を助けるために使ったんだ。無駄にしたワケではない」


ロシア「……命があっただけ、マシだったと思っているよ」


イタリア「男が男に惚れるっつーのは、厄介なモンだね。そこらの女より、よっぽど一途だ」


ロシア「……お前が言うのか?」


イタリア「面目ない」ククッ


イタリア「……それで、男は」


ロシア「……皇女が看ている。怪我は治っているんだが……」


イタリア「……そっか。俺も夜になったら、様子を見に行ってやるかな」


ロシア「……それも、知らないのか」


イタリア「?」


ロシア「……今は午後11時。まごう事無き夜中だよ」


イタリア「!? だってお前、外がこんなに明るくて、暑いくらいに日が照ってるじゃ」


ロシア「……」





~ 同時刻 男の部屋 ~



ドイツ「……伝承に詠われる”かがやくやみ”と目される、もう一つの太陽は」


ドイツ「ちょうど太陽の反対側から、遊動的に動き回りつつ、地球を照らしています」


ドイツ「これにより、地表の91.8%が、陸地だけで見れば99%以上が、夕暮れ及び夜の訪れない地域となり」


ドイツ「日照等、気候の変動の影響から、各地で干ばつや洪水、生態系の崩壊等の現象が発生しています」


国王「……」


ドイツ「そう落ち込まないでください、国王」


ドイツ「我々が先んじてG8に働きかけていたために、先進国における暴動、パニックは想定よりも低い水準で抑えられています」


ドイツ「現在、通常兵器と改良型P.E.N.I.Sを混合配備した多国籍連合軍が組織され、魔王の討伐作戦が検討されている」


ドイツ「案外、伝説のチ○ポレールに頼るまでも無く、事態は解決してしまうかもしれませんよ」ハハ





国王「……気遣いはありがたいがの。それでは騙されてやれんよ」


国王「真実を教えてくれ。ワシらに……ありのままを」


ドイツ「……」


シュナイデル「……ムゥン」シュン


ドイツ「……G8を除く各国の状況は、悲惨の一途を辿っています」


ドイツ「最初の一週間で暴動、自殺、その他宗教的な理由での死を選んだ国民が3%を超える国が、世界に59ヶ国」


ドイツ「生き残った人々は光を畏れ、カーテンを閉め、家に引きこもるばかり。経済活動は壊滅状態です」


ドイツ「多国籍軍の編成は真実ですが、現在世界中で、魔王の尖兵と思われる謎の生物が破壊活動を行っています」


ドイツ「彼らはその対応に追われており、世界的な結束を軸とした魔王の討伐作戦は、未だ絵空事の域を出ません」


ドイツ「そして何より、人間の枠を大きくはみ出している魔王の尖兵相手に、通常の兵器や戦略は全く通用しない」


ドイツ「……唯一の救いは、P.E.N.I.Sによる攻撃は、ある程度通用することが確認されました」


ドイツ「我々が秘密裏に組織していたP.E.N.I.S特科戦隊の尽力で、どうにか戦列を維持できているような状況です」


国王「……」





ドイツ「……もはや希望は、あの爆発から生き延びることのできた、各国の代表達と」


国王「白と黒の勇者……ワシと男だけ、ということか」


皇女「……勝手なこと、言わないで……」ギリッ


皇女「男は、ちょっと前まで、ただの学生だったのよ!?」


皇女「幼馴染がいなくなって、妹もあんなことになって、いきなり世界の命運なんて背負わされて」


皇女「大丈夫なワケ、ないじゃない」


皇女「勝手な期待、かけられて……」ポロ


皇女「地球の命運なんて賭けて、戦えるわけ、ない、じゃないッ……!!!!」ポロ ポロ


男「……」


男「……ごめんな、皆」


皇女「……男」


男「……元を辿れば、ドイツだって、国王だって、皇女だって、他の皆だって、普通の人間として、生きる権利があったんだ」


男「俺だけくよくよして、立ち上がらないワケには、いかないだろ」





ドイツ「強がりは止しなさい、男君」


ドイツ「今、貴方のチ○ポレールは」グイッ




フニャン




ドイツ「この有様では、闘いはおろか、カーテンを掛ける事すらできやしない」


男「……」


ドイツ「……今は、回復に専念して下さい」


国王「……いざとなれば、ワシだけでも……」


皇女「なりません」


皇女「……最期の時は、皆一緒ですわ、ととさま」ギュッ


男「……」





~ 数時間後 ~



ガサッ



カチャカチャ



    バタン



男「……」


ドイツ「”クォ・ヴァディス”(主よ、どこへ行かれるのですか)」


男「ッ!!」


男「……驚かすなよ、ドイツ」


ドイツ「それはこちらの台詞ですよ、男君」


ドイツ「ロクにチ○ポレールも立てられない、病人モドキの人類の希望が、こんな夜中に何処へ行くつもりです」


男「ちょっと、コンビニにな。眠れない夜はドクターペッパーを飲むのが俺の健康法なんだ」





ドイツ「その嘘でこの場を切り抜けられる確率について、試算された事はおありで?」


男「……無駄なことはしない主義でね」


ドイツ「じゃあ、口にも出さないでくださいよ」


男「そうだな」フフ


ドイツ「今のままでは、君は確実になぶり殺しだ。非合理的な行動は控えていただけませんか」


男「……刺し違えてでも、俺が魔王を倒せば、国王と皇女は引き裂かれずにいられる」


男「仮に俺が犬死にしたとしても、黒のレールの魂は、恐らく国王の白のレールへ宿ることになるだろう。俺が無駄に生きるより、恐らく有益だ」


男「或いは、憎き仇敵の俺が身を差し出せば、魔王とて侵略の手を緩めるかもしれない」


ドイツ「チ○ポが立たない件については?」


男「……本番を前にすりゃ、勝手に硬くなンだろ。男なんて皆、そんなもんだよ」


ドイツ「馬鹿げている。あまりに非合理的な考えだ」


男「そんなコトねーさ。 現状を算数で計算したら、俺の命はこんな風に使い捨てるのが一番合理的だ」


男「今、俺がどうするべきなのか。ドイツなら、割り切ってくれるだろ?」





ドイツ「……」


ドイツ「緻密なる計算の結果、やはり、あなたは愚か者ですよ」


男「……」


ドイツ「妹、幼馴染、イタリア代表、ロシア代表、皇女様、国王様」


ドイツ「彼らの傍に生きて」


ドイツ「その自分の決断が、馬鹿らしいほどにもっとも非合理であると、なぜ理解できないんですかッ!!!」


男「……」


男「……そんな顔もするんだな、アンタ」


ドイツ「君達のせいですよ」


ドイツ「君達が揃って、なんでもないような顔をして、あまりにも辛い困難に立ち向かっていこうとするから」


ドイツ「私が代わりに、怒ったり悲しんだりしなければ、いけなくなる……」





男「……悪かったよ」


ドイツ「……男君」


男「少し、街を歩いてみたいだけだ」


男「アンタに、国王と皇女の分まで涙を流させるのは、流石にバツが悪ィからな」


ドイツ「……シュナイデル」


ドイツ「男君が、散歩に連れて行ってくれるぞ。行っておいで」


シュナイデル「ワンッ♪」タッタカタ


男「……信用無ぇな」


ドイツ「いえ」


ドイツ「……僕も、辛いことがあった夜は、シュナイデルと共に過ごすんです」


男「……そうかい」





~ 地方都市アジャスタ 市街地 ~


シュナイデル「Deutsche Frauen♪ deutsche Treue♪」ワフワフ


男「ドーァウトェ ファーウェン♪ ドーアトゥェ ターウェゥ♪」


男「……聞き間違いかと思ったが、やっぱりお前喋れるんだな」


シュナイデル「Ja」


男「ドイツ語じゃ、俺の方が分かんねーよ」ハハ


シュナイデル「フン」プリプリ


男「はいはい、アーデルベンフンデルベン……」ガサガサ


男「……」


男「……ハァ」


シュナイデル「ムゥ?」フリフリ


男「……大丈夫だよ」ナデナデ


シュナイデル「ンー♪」フリフリ





男「……」


住人「……」


住人2「……」


男(皆、視線がうつろだ)


男(……)




ペカアアアアァァァァァァ




男(気落ちするな、って方が無理だよなァ)


男(ありえない現実に絶望して、もう、暴れる気力すらなくしているのか)


男(……映画じゃ良く見る光景だけど、実際世界が滅びる時っつーのは、人はこんな風になっちまうんだな……)


男(……)


男「……参ったな」


男「幼馴染と妹がいなくなったって、俺には大事なものも、守るべき仲間も、愛すべき世界も、あるはずなのに」





男「……」


シュナイデル「……クゥン」


男「……力、全然、沸いてこねぇや……」


シュナイデル「……」




                 ドゴーン




シュナイデル「!!!」ピクッ


男「ッ……何だッ!?」


シュナイデル「ワンッ!!」ダダッ


男「っおい、待て、シュナイデルッ!!」ダダダッ






親「あ、あ、あああ……」


CR魔王兵「受け入れなさい、小さき民の子らよ」


CR魔王兵2「輝きは救い、滅びは新たなる再生への道標」


CR魔王兵3「八京七千五百七十兆の先に至る天恵の道へ、汝らを導こうと言うのです」


CR魔王兵4「受け入れなさい、小さき民のこ」ガスッ


CR魔王兵4「……」ギロッ


少年「レンガアタックを食らえ、オカマ野郎!!!」


親「ちょ、こ、やめなさい!!!!」


少年「やめるもんか!!!」ブンブン


CR魔王兵「……」ガスッ ガスッ


少女「天使様みたいな格好したって、騙されないんだからね!!!」ブンッ


子供「お前らがワルモノだって事くらい、僕らにだって分からぃ!!」ブンッ


少年「どっか行け、どっか行けよッ!!!」ブンッブンッ





CR魔王兵2「……」


CR魔王兵3「この子らは地上の穢れに染まりすぎた」


CR魔王兵3「しからば我等は、血と破壊の慰撫によりその魂を救おう」ボッ


親「やめて、やめてください、子供達だけはアァァァッ!!!!!」


少年「……」


子供「……」


少女「……」コクン



少年「」ヌギッ


子供「」ヌギッ


少女「」ズルッ



CR魔王兵「……?」



少年「伸びろ、僕のチ○ポぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


子供「だああああああああああああ!!!」


少女「……やぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!」





CR魔王兵2「……」


CR魔王兵4「気でも狂ったか、ガキ共」


シュナイデル「ワォンッ!!!」シュルルルルル


CR魔王兵3「ぐっ!?」ブッシャアア


CR魔王兵「貴様らッ!?」


男「シュナイデルは子供達を頼む、俺は」


シュナイデル「グゥルルルル」ガブッ


男「痛でえっ!?」


シュナイデル「……フン」クルッ


男「……すぐに戻る。死ぬなよッ!!」ダッ


シュナイデル「ワンッ!!」


CR魔王兵3「ちっ……貴様ら、待たんかッ!」






男「っはあ、はあッ……」


親「あ、ありがとうございます、黒の勇者様ッ」


子供「すっげー!!! 本物の勇者様だ!!!」プランプラン


少年「試合、応援してたんだぜ!!! ウッディ28見せてよ、ねえねえ!!!!」プランプラン


少女「あっ……その……」カァァァ


男「……」


男「誰かを守るために立ち向かおうとする、君達の勇気は、すばらしいと思う」


男「だが、ああいうことは止せ」


男「ぶっつけ本番でチ○ポ出したからって、いきなりレールになって伸びるワケじゃないんだ」


少年「……」ムスッ


少年「……僕達が戦わなきゃ、母ちゃんは殺されちゃうって思った」


少年「だから戦おうって思った! だからチ○ポ出したんだよ!! いけないかよ勇者様!!!」




男「……だ、けど」


少女「わ、私だって、チ○ポないけどっ」


少女「私だってお母さんのこと、守りたかったからっ、そのっ」カァァァァァ


子供「……危ないことして、ごめんなさい」


子供「でも、僕達は、勇者様みたいに強くないかもしれないけど」


子供「勇者様がみんなを守るように、僕達は僕達の大切なものを、守りたかったから……」


男「……」


CR魔王兵2「……ここにいたか」ヌッ


親「!? もう見つかってしまったの!?」


少女「や、やだ」


CR魔王兵2「我が主の眼は大地の隅、三千里先までを見通す宙の鏡」


CR魔王兵2「其の御遣いたる我々から逃げおおせるつもりなど、笑止千万」





男「……いいか、ボウズ、よく見てろ」ボロン



ヘナッ



子供「あ……勇者様、そのチ○ポ」


少年「オレのより、ヘナチンじゃんか……勇者様ァ!!!」


男「そうだよ。今の俺は、君達よりショボいチ○ポぶら下げてるだけの、単なるゴミ野郎だ」


男「だけどよ、それでも」


男「俺は君達を助けるために、命を賭けてここで戦う」


男「だから、今は逃げろ」


男「そして、お前達は、お前達なりの方法で、お前達の世界を、救ってくれッ……!!!」


少年「勇者さ、」


親「申し訳ありません、勇者様ッ!!!」ダッ


少年「離せ!! 離せよッ!!!! 勇者様ァアアアアアア!!!!」





CR魔王兵2「……つまらん茶番だ」


CR魔王兵2「どうだ、力を失った黒の勇者よ。私のしもべとならんか」


CR魔王兵2「私から主様に口利きしてやろう。さすればお前と、あのガキ共の命くらいは」ガスッ


男「……”道端の手ごろな石”。大当たりだな、クソ野郎」


CR魔王兵2「……一撃で死ね」クイッ


男(ぶっつけ本番でチ○ポ出したからって、いきなりレールになって伸びるワケじゃない、か)


男(全くその通りだぜ、畜生……)


男「……だがよ」


男「俺ぁ、テメーの思い通りになんざ」


男「絶対に、ならねェ」


男「最後の最後まで、あがき切ってやる……!!!」












????「やっぱりカッコいいなぁ、ウチの兄貴は♪」











男「!!!!」


CR魔王兵2「?」


ッガァン!!!!


CR魔王兵2「グボアッ!?」


????「こっちへ。こいつら相手に、ショットガン程度じゃ目晦ましにしかならないわ」ダッ


男「あ……ああ……」ダダダッ






シュナイデル「Staub ist mit Staub!!」ズブシュ


CR魔王兵3「クッ、この畜生がッ」


CR魔王兵「……退くぞ。路傍の小石に躓いて、真の目的を見失うは愚かな所業」


CR魔王兵2「……覚えていろ、黒の勇者……ッ」バササッ


シュナイデル「グルルルルルル、ワンッ!!!!!」シュルルルル


????「ありがとう、シュナイデル。よく追い払ってくれたわね」ナデナデ


シュナイデル「ワンワン、ワンッ♪」スリスリスリスリ


男「……」


男「……夢でも、偽者でも、ないんだよな」


????「ふふ。見違えるほど可愛くなった?」ニヤ


????「ま、ウチの兄貴から、そんな気の効いた台詞を聞かせてもらえるワケ……わぷ」ギュッ


男「……あり、がとう」


男「……生きててくれて、ありがとう、妹ッ……!!」ギュウゥ


妹「……」


妹「どういたしまして」ナデナデ





~ 世界大会会場跡地 地下室 ~


44マグナム(マグナァァァァム)


ロケットランチャー(ランチャアアアアア)


装甲戦車(センシャアアアアアア)





男「」


妹「前に、イタリアさんが言ってたよね」




        ―― イタリア「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル大会規約第四条」


        ―― イタリア「”各国代表は、所属する国のホームセンターに陳列されている物品を、一種類一点まで試合中に携行、使用できる”」


        ―― イタリア「つまり、レール以外のアイテムを持ち込んで戦うコトも、一応は可能なんだ」


        ―― イタリア「このルールを悪用して、サブマシンガンや装甲戦車を持ち込もうとする発展途上国の選手も後を絶たんが」




妹「ここは”そういう国”が自分の装備を預けるための、危険物用保管庫、ってトコみたい」





男「……どうして、お前がこんな所のコトを」


男「って言うかお前、あの時魔王に殺されたハズじゃ……」


妹「……」






~ 二週間前・魔王覚醒一分前 世界大会会場 ~


妹「……良かった、兄貴が人殺しになんなくて」


妹「ね、幼馴染ちゃ、」


幼馴染「……」ギロッ


妹「」ビクッ


妹「お、幼馴染、ちゃ」


幼馴染「……」


幼馴染「……」バッ


妹「ひゃッ!?」シュイイイイイイイィィイン






~ 現在 世界大会会場跡地 地下室 ~



妹「……私が覚えているのは、それだけ。気がついたらここにいたの」


妹「地上に出たら、会場が跡形も無く吹き飛んでいて、皆いなくなっていて」


妹「辺りの人から事情は聞いたし、兄貴達が無事だったのは分かったけど、どこに行ったのかまでは、わからなかった」


妹「……ごめんね、兄貴。心配、かけちゃって」


男「……いいんだよ。生きてたんだから」


男「幼馴染が、助けてくれたんだな、お前の事」


妹「……どうかな」


妹「あの時の、幼馴染ちゃんが私を見る目」


妹「……凄く、冷たかった」


妹「……私達の知っている幼馴染ちゃんは、もう……」


男「……」





国王「……辛いの、男よ」


皇女「……」


男「国王……皆」


ドイツ「シュナイデルから、チ○クロ緊急信号を受けて、ここへ。……遅れて、申し訳ない」


男「勝手なことをしたのはこっちだ。すまなかった」


ロシア「……俺の右腕は、お前を生かすために使ったんだ。無駄にはさせないでくれ」


男「……ああ」


皇女「……」


男「……おう、じょ」


パンッ


男「……」


皇女「……ばか」ポロ


皇女「ばか、馬鹿、馬鹿、ばか、ばかばかばかばかばかぁ」!!!!」ポカポカ


男「……ごめん」


皇女「……ぶじなら、いい」


妹「……」ヤレヤレ







国王「……人の一生を本、一ページを一年と例えるならば、幼馴染はせいぜい20ページ程度の小冊子」


国王「対してカーテンレール宇宙大魔王は、少なくとも紀元前から存在するであろう、人知を超えた存在じゃ」


国王「最も少なく見積もって、2000ページの歴史を持つ存在と、20ページの幼馴染を一冊にまとめたとしたら」


国王「……もはやそれを誰も、幼馴染とは呼ばんじゃろうよ」


男「……」


国王「幼馴染は侵食される意識の中、最後の力を振り絞って、妹と代わりの器を入れ替えたんじゃろう」


国王「それ以上のことが出来たかどうかは、ワシにはとうてい、分からんよ……」


男「……そっ、か」


イタリア「……男」


男「頭では、さ。分かってたつもりだったんだよ」


男「幼馴染は死んだ。もう二度と、会うことなんてできやしないって」





男「……でも、あの日の夜から、ずっと」


男「眠ろうとする度に、アイツとの最後の会話、思い出しちまうんだ」




        ―― 幼馴染「……男、くん」


        ―― 男「……幼馴染」


        ―― 幼馴染「帰ってきたら、お話したいこと、あるから」


        ―― 幼馴染「負けたって、かっこ悪くたっていいから。絶対無事で、帰ってきてね」


        ―― 男「……ああ」



男「……俺が無事に戻ってきたって」


男「お前がそんな風になっちまったんじゃ、意味ねーだろって」


男「何を話したかったのかも、結局、わかんないままで」


男「話くらい、先にちゃんと聞いてやればよかったのにって」


男「だって、あれが最後の会話になるなんて、思わなかったし」


男「後悔ばっかり、頭に浮かんで……」


男「……俺は……俺はあッ………!!」





イタリア「……」ポン


皇女「……」


妹「……」チラ


皇女「……」


皇女「……」コクン


妹「……」


妹「兄貴」


男「悪ィな、妹。せっかくお前が、生きて帰ってきてくれたのに」


妹「いいから。私と一緒に来て」


男「……?」






~ レールチ○ポ選手村跡 空中庭園 ~



???『……』


皇女「……思ったとおりね」


???『……!!』


妹「幼馴染ちゃんは、兄貴のこと、大好きだったモンね」


妹「兄貴を想って、想って、ひたすら想って、結ばれなくて本当に苦しんで、いつもここで悩んでいたよね」


皇女「そんな貴女が、男君にお別れも言わずに、いなくなってしまうなんて、ありえませんもの」ニコ


男「お前等……何、話してるんだ」


男「もしかして、その半透明の、うっすらふわふわした何かは、」


妹「もぅ、兄貴ってば、デリカシー無いなァ」


皇女「自らの想い人くらい、きちんと名前で、呼んで差し上げなさい」


男「……」







男「幼馴染」


幼馴染『……男君、久しぶり』







幼馴染『私にも良く分からないんだけど、国王様のたとえ話は、結構的を射てると思う』


幼馴染『あの瞬間、魔王の力と私の意識が交じり合って、私は少しだけ魔王の力を操れるようになっていた』


幼馴染『……私、がんばってみたんだ。皆のために、出来る限りのことをしよう、って』


幼馴染『だけど、魔王が狙っていた妹ちゃんと、力で作ったニセの妹ちゃんを入れ替えるのが精一杯で』


幼馴染『私という20ページ足らずの、ちっぽけな意識は、瞬く間に魔王の存在感で押しつぶされてしまった』


幼馴染『だけど私は、どうしても最後に、男君とお話ししたかったの』


幼馴染『どんどん薄れていく意識の中、それだけを、最後の最後まで、念じ続けて』


幼馴染『そうして気が付くと、こんな格好になって、ここに居たんだ』


国王「……幼馴染としての意識、最後の1ページが切り離されて、生霊になり魔王の支配を脱したと言う訳か」


幼馴染『……そうですね』


幼馴染『人間みたいな格好にはなれないし、この空中庭園から出ることもできなくて、ずっと待っているしかなかった』


男「……」





幼馴染『ごめんね、男君。会えなくて寂しかったし、また会えて凄く嬉しいのに』


幼馴染『……今の私は、泣くこともできないの』


男「……気にすんな」ポロポロ


男「お前の分まで今、俺が泣いてるから、帳尻は合うだろ……」ポロポロポロ


幼馴染『……男君は、相変わらず、おもしろいね』


妹「……」


イタリア「……クッ」


皇女「……ドイツは少し、黙っているように」


ドイツ「……」


国王「……」


幼馴染『お気遣い、ありがとうございます、皇女様』


幼馴染『だけど、もういいんです』


男「……どう、いう」





幼馴染『あのね。男君』


幼馴染『私と言う一冊の本は、魔王という内容で埋め尽くされてしまったけれど』


幼馴染『その中でわずかに残る私も、やっぱり本の一部なんだよ』


ドイツ「今ここに残る、幼馴染さんの意識の残滓を吸収することで、魔王は完全体になると言うことです」


ドイツ「逆に言えば、魔王に見つかる前に幼馴染さんを消し去れば、魔王の完全な覚醒を防ぐことができる。人類の戦いは格段に有利になるのです」


皇女「ドイツッ!!」


ドイツ「憎まれ役は慣れていますからね。僕を殴って救われるならば、いくらでもどうぞ」


ドイツ「……それに、もう時間が無い」


シュナイデル「Ja」ジュバッ


CR魔王兵「グアッ!?」


イタリア「な、なんだこいつら!? 天使!?」


国王「……カーテンレール宇宙大魔王の、手下どもじゃな」


ドイツ「世界各国に”天使”の格好をして現れ、でたらめな預言を残し人々を混乱させたり、子供達を対象とした虐殺を行う、魔王の尖兵です」


ドイツ「2ツ以上の個体を、同じ国内で目撃したと言う情報は、現在のところ一度もないのですが……」





CR魔王兵2「……」


CR魔王兵3「……」


CR魔王兵4「……」


CR魔王兵5「……」


CR魔王兵6「……」


CR魔王兵7「……」


イタリア「新たな歴史の目撃者になっちまったってワケか。シビれるねェ」ビィーン


ロシア「……無駄口を叩いている余裕は無いぞ」シュバッ


CR魔王兵2,3,4「ジョワアアアアアッ」グサグサグサッ    ドスン


イタリア「ロシア、お前、身体は大丈夫なのかよ!?」


ロシア「……例え両手両足が無くなろうが、チ○ポがあれば戦えるさ」スチャ


ロシア「……それに、お前達に任せきれるほど、状況は甘くない」


CR魔王兵8、9、10「……」


イタリア「……さすが天使様。代わりはいくらでも出てくるってワケね」





ロシア「……」


タララララララララララッ


CR魔王兵10「ウグッ」ドドドドドドドドドッ


妹「”セーラー服と機関銃”ってか。案外楽しいモンね」


ロシア「……自棄になるなよ」


妹「馬鹿にすンなッつーの」ペッ


妹「妹として添い遂げるって決めたんだから。こんな所で死んでやるモンかってね!!」ダダッ


ロシア「……失礼した」ダッ


ドイツ「……国王様は、男君達を」


国王「……ああ。命に代えても、ワシがこやつらを守ってみせる」


ドイツ「既に増援の要請は済んでいます。現状のまま敵を撃退できる可能性は0.8%、撤退できる可能性は13.1%」


ドイツ「敵の目的である幼馴染さんを消滅させ、増援と合流し逃亡に徹すれば、確率は82.8%まで引き上げられます」


ドイツ「……どうか、悔い無き別れを」ダダッ


国王「……」


国王「もうヤツに、”人の情を学べ”などとは、言えんなァ」





幼馴染『……手短に済ませるね』


男「……幼馴染」


男「どうしようも、ないのか」


幼馴染『うん。本当の私は、あの時に死んでいるのと同じだから』


幼馴染『ただ、男君に、どうしても伝えたかったの』











幼馴染『ごめんね』


幼馴染『大好きだった』









男「俺だって、そう、さ」


男「絶対、俺が守ってやるって、決めたはずだったのにッ……!!!」


幼馴染『男君は、悪くないよ』


幼馴染『魔王の因子は、私が生まれた時から、ずっと心の底で眠っていたみたい』


幼馴染『男君のチ○ポレールの目覚めに呼応して、私の中の魔王も、ゆっくりと目覚め始めて』


幼馴染『だからかな、私の中で、魔王の因子を殺したくて、男君のチ○ポレールを欲しがる欲求と』


幼馴染『消滅を恐れる魔王のキモチがぶつかり合って、男君のことを受け入れられなかったんだと、思う』


幼馴染『えっちな子だと、思わないでね。ほんとは』


幼馴染『ずっと、男君と、繋がりたかったんだ……』


男「うん……うん」


幼馴染『……私が伝えたかったのは』


幼馴染『私がそれだけ、男君を想っていた事と』


幼馴染『私は幸せだったから』


幼馴染『もう、それで、じゅうぶんだから』


幼馴染『私のことは全部忘れて、幸せな人生を、送って欲しいってこと』





男「幼馴染!!」


幼馴染『うん、わかるよ。男君は、とっても優しいから。そんな風に怒ってくれるって、きっと思ってた』


幼馴染『でも、私はいなくなるヒトだから』


幼馴染『どれだけ想ってくれても、これからは貴方に、応えられないから』


幼馴染『そのことを想像するだけで、私は、本当に辛いの』


幼馴染『だから、お願い』


幼馴染『私のことはもう忘れて、皇女様や、妹ちゃんのこと、愛してあげてください』


幼馴染『お願いします』


幼馴染『お願い、します』


幼馴染『お願い、しま、す……』


男「……」


男「……俺、は」






皇女「だったら」


皇女「私の中にいらっしゃいな、幼馴染」


男「……」


幼馴染『……』


幼馴染『あの、皇女様』


幼馴染『こういうタイミングで何ですけど、本当にキモいです』


皇女「茶化さないで。私は本気よ」


幼馴染『……』


幼馴染『ダメ、ですよ』


幼馴染『仮にうまく、私の意識を皇女様の中に収められたとして』


幼馴染『どちらの意識が残るのかなんて、わかりません。あるいは全く別の存在になるかもしれない』


幼馴染『最悪、人間としての意識すら残らない、ただの抜け殻になる可能性だってあるんです』


幼馴染『どうなったとしても、皇女様にメリットは何一つないことです。せっかく和解できた国王様だって悲しみます』





皇女「そんなことはないわよ、幼馴染」


皇女「貴女の言うとおり、私は男が大好き。愛しているわ」


皇女「えっちなコトも一杯したいし、蕩けるほど愛されたい。死に分かたれるその最後の一瞬まで、ずっと傍に居たいの」


男「」ブッ


男「お、生徒会長、いや、え、皇女!?」


皇女「……ちょうど良かったわ。二人っきりで告白したら、絶対に私、泣きながら貴方に縋っちゃう」


皇女「そういうことだから、男が愛している幼馴染を、私の中に生かせるということは、この上ないメリットよ」


皇女「……私の心を救ってくれた貴女のことも、実際嫌いじゃないし、ね」


幼馴染『……』


皇女「ととさまも、許してくださいますよね?」


国王「……お前が、お前の命を賭けて下す決断じゃ」


国王「後押しもしてやらずに、何が親か」




男「……」


男「いいのかよ、皇女」


男「……幼馴染を受け入れたからって、俺が貴女を愛するかどうかなんて、わからないのに」


男「幼馴染と……俺のために、そんな、こと……」


皇女「……馬鹿ね」


皇女「貴方を愛しているのは、私の勝手な都合。貴方が応える義務なんてひとつもないわ」


皇女「だけど私は、私の愛のために、私に出来ることはなんでもするの」


皇女「貴方が振り向きたくなくったって、振り向いちゃうくらいにね?」ニコ


幼馴染『……』


幼馴染『……ごめんなさい、皇女様』


幼馴染『私も、男君と、一緒にいたい』


幼馴染『このまま、消えてしまうなんて、絶対にイヤなんです』


幼馴染『だから、お願いします』


幼馴染『私に貴女の、すべてを、ください……!!!』




皇女「ええ、いらっしゃい、幼馴染!」




スウッ



男「……幼馴染!!! 皇女ッ!!!!!」








          ―― 『おうじょさま』


          ―― 「なあに?」


          ―― 『ごめんなさい』


          ―― 「いいじゃない。これからは、ふたりでひとりなんだもの」


          ―― 「ごめんなさいも、ありがとうも、ぜんぶ、いっしょだよ」


          ―― 『……はい』






シュゥゥゥゥゥゥ……






???「……」


男「……おう、じょ」


国王「……幼馴染か?」


???「……」


???「例えるなら」


???「長い長い、二つの夢から覚めたような感覚」


???「夢を見ていた間は、確かに”それ”が現実で、鮮明に記憶にも残っているのに」


???「覚めた瞬間、それはおぼろげで、うっすらとした記憶の1ページに収まってしまう」


???「そして、今この時の自分こそ、元々の自分だって気が付くの」


男「……じゃあ」


???「うん。今の私は、幼馴染でも皇女でもない」









女「貴方に愛されたい、一人の女よ」










CR魔王兵239「諦めろ、小さき民の子らブボッ」ドガーン


妹「はぁ、はあっ……!!」


ロシア「……勝てん相手ではないが、数が多すぎる」


イタリア「こっちの膀胱はもうカラッケツだぜ……男は、いや、増援はまだかよッ!」


ドイツ「……山の方を見て下さい」


イタリア「あンだよ……………」


ロシア「……………」


妹「……はは、は」








バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  
バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  バッサ  






ドイツ「1000から先は、数えてません」


シュナイデル「ワンッ!」ムフッ








妹「……地下室に、核とかなかったかなァ」


ロシア「……実はわが国が持ち込んでいる」


イタリア「やるね。最後の手段にしよう」ハァ


ロシア「……冗談なんだが」


妹「……いいセンスしてるわ」


ロシア「……光栄だ」


ドイツ「どのみち、我々のすべきことに、変わりはありません」


イタリア「あァ、そうだな」


ロシア「……我々は、我々のために」


妹「できることを、全力でッ!!!」






国王「……」


国王「皇女、いや、女よ」


女「……うーん、ダメみたい」


女「融合したとき、身体の作りも変わっちゃったみたいで。P.E.N.I.S自体が無くなっているの」


女「……女性としては喜ぶべきかもしれないけど、こんな状況だと……ちょっと困るね」フフ


国王「何を余裕ぶっておるんじゃ。このままではなぶり殺しじゃぞ」


女「ととさまこそ、緊迫感が足りていませんわよ?」


国王「むぅ」


女「……ねえ、男君」


男「……」




女「貴方のなくした物は、みぃーんな、戻ってきたよ?」


女「そして、貴方の仲間が、全力で貴方を助けてくれている」


女「貴方のために、貴方を信じて、戦ってくれているんだよ」


女「こんなとき、私達の頼りにしてる、カッコいい男君は、どうするべきなんでしょーか?」ニコ


男「……ったく」


男「勝手な期待、押し付けやがって」


女「じゃあ、私たちのこと、もう見捨てちゃうの?」


女「何もせず、何も出来ないままで、死んでいくのを、見ているだけ?」


男「……」





男「……俺は、さ」


男「心のどっかで、ビビっちまってたんだと、思う」


男「チ○ポがカーテンレールになったことも、そりゃあビビったけど」


男「世界を魔王から守る、伝説の勇者様だとか、いきなり聞かされて」


男「勇者様にされちまったと思ったら、いきなり大事な人を立て続けに失くして」


男「こんなことで、何が守れるんだ、何が勇者様だって、なっさけないコトばかり考えちまって……」


女「……だけど、違ったんでしょう?」


男「……ああ」





         ―― 少年「……俺達が戦わなきゃ、母ちゃんは殺されちゃうって思った」


         ―― 少女「私だってお母さんのこと、守りたかったからっ、そのっ」カァァァァァ


         ―― 子供「勇者様がみんなを守るように、僕達は僕達の大切なものを、守りたかったから……」


         ―― 国王「……ああ。命に代えても、ワシがこやつらを守ってみせる」


         ―― 幼馴染『……私、がんばってみたんだ。皆のために、出来る限りのことをしよう、って』


         ―― 皇女「だけど私は、私の愛のために、私に出来ることはなんでもするの」


         ―― ドイツ「どのみち、我々のすべきことに、変わりはありません」


         ―― イタリア「あァ、そうだな」


         ―― ロシア「……我々は、我々のために」


         ―― 妹「できることを、全力でッ!!!」







男「例え勇者じゃなくたって、皆、自分と自分の大切なもののために、できることを精一杯やってるんだ」


男「俺だけが隅っこで、いじけているわけには、いかないよな」


男「強がりじゃない。今は心の底から、そう思えるようになった」


女「……うんっ♪」






男(そうさ)


男(難しく考える必要なんてなかったんだ)


男(俺にできるコトなんて、最初から唯一つ)











男「チ○ポおっ勃てるぐらいしか、ないんだからよォォォォォォォォォォォッ!!!!!」










パァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!




ッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!








            ―― 地球が丸いことを知っている者には 鼻で笑われる話かもしれない



            ―― だが 当時の事を知る世界中の人間に聞けば 揃って同じ答えを返す事だろう



            ―― 世界中が 太陽と 輝く闇に包まれる中



            ―― 大地より立ち上る その一条の光だけは



            ―― 何よりも気高く 何よりも神々しく 瞳の奥に焼き付けられた と ――





イタリア「……待ってたぜ、男ッ!!」


妹「この輝き……エリートダブルセットの時の比じゃない」


ドイツ「……まったく、非合理と理不尽の塊のような方ですね」


ロシア「……何でもいいさ。こうしてまた、立ち上がったのならば、な」






男「……」ビン ビン ビン ビン


国王「……信じられん、こんなことが……」


女「男君、その先っぽが金色に光ってる、ビンビンのチ○ポレールは……」


男「……俺にも、よくわかんないんだ」


男「エリートダブルセットを使っている時みたいな、暗い高揚感とは違う」


男「ただ晴れやかな気持ちと、抑えきれない力が、体中に溢れてる……!!!」





国王「……チ○ポレールが、覚醒したんじゃよ」


国王「全ての迷い(Lag)を断ち切る(Less)、究極最後のカーテンレール」



国王「T○SOラグレス33、Fキャップダークオークにな……!!!」



(参考画像:ttp://www.yuui.net/images/page_img/rail/lagres-s16.jpg




男「守らせてばかりで、悪かったなジイサン」


男「人類最強の勇者様のチカラ、天使モドキどもに見せ付けてやろうぜ」


国王「……是非も無し。行くぞ、男ッ!!!」


男「応ッ!!!!!!!」










           ~ 最終話へ続く ~




遅くなって、申し訳ありませんでした。
最終話は、一週間か、もう少し頂くかもしれません。
よろしくお願いします。

>>211
話が長くなってしまったことは、反省しています。
ですが、最後まであと1話。もう少しだけお付き合いくださいませ。

熱い展開www
ちんぽレールなのにwww

おお>>1よここまで来てエタるとはなさけない

>>284 >>285
閲覧ありがとうございます。
最終話と言うことで、展開も佳境に入り、手探りながら執筆を進めています。
お待たせして申し訳ありません。

本日夜、所用を済ませ次第、投稿を始めさせていただきます。

お待ちいただいていた方々には、大変申し訳なく思っています。
よろしくお願い致します。





『最終話 勝利!!! 地球代表チ○ポ!!!


     アストロ・ブレイブ、まだ見ぬ未来へ……!!!』
     






~ 日本 某県某市 メゾン某 102号室 ~


ペカアアアアアア




ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー



女マネージャー「……」


シャアアアアッ


女マネージャー(……世界中が、カーテンを閉めて引きこもろうとしているのに)


女マネージャー(カーテンを売る立場の私がこれじゃあ、笑い話にもなんないわよね……)






ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(……ここ数日は、テレビも砂嵐しか映していない)


女マネージャー(太陽風の影響とか言ってるけど、正直だからどうなのって話で)


女マネージャー(いずれ私達が干からびて死んじゃうだろうって現実は、少しも変わらなくって……)


女マネージャー(……)


女マネージャー(……あーぁ)


女マネージャー(こんなことなら、もっと本当にしたい仕事、しておくべきだったかなァ……)





ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(……)


女マネージャー(……保母さんに、なって)


女マネージャー(ちっちゃいガキ共にひたすら追い回されて、困らされて、ふざけたバカ親に頭下げて)


女マネージャー(……それでも、ちょっとだけ、幸せな日々で)


女マネージャー(……そうして)


女マネージャー(同じように、こんな風に、最期の日を迎えたら)


女マネージャー(……本当に、私は)


女マネージャー(満足だった?)





ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(……)


女マネージャー(バカね)


女マネージャー(そんなわけ、ないじゃないの)


女マネージャー(納得できるハズない)


女マネージャー(……)


ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(……だって)


ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(……だって、私)


ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー ザー


女マネージャー(わたし)





ザー ザー    ザー ザー ザー ザー ザー    ザー


女マネージャー「……死にたくない」


…… ザー ザー……ぁ  … ザ………ザー ザー


女マネージャー「死にたくない」


ザー……………ザー ザー……………………… ザー


女マネージャー「死にたくない、死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくないよぉぉぉぉぉぉォォォォ!!!」


女マネージャー「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」ジタバタジタバタ


……らん……  さい ………   


女マネージャー「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!ああああああああ!!!!!」







……ご覧ください、ご覧ください!!!!!!……


女マネージャー「…………………あ?」


『ご覧下さい、視聴者の皆様』


『いえ、地球上に今生き残っている、全ての人類にお送りします』


『私は』


『私ども、放送業界に携わる者は』


『これまでも、これからも、このような真似を二度としないと誓います』


『ですが今は、今だけは』


『この映像を、この現実を、深く心に刻み付けていただきたい』


女マネージャー「……」


女マネージャー「……あれ、って、」







『ご覧下さい、地球上に生き残っている、全ての方々』


『私達を照らす、悪しき太陽の眷属』


『人類を駆逐するために使わされた、白き残酷な天使達の群れに』


『敢然と立ち向かう、私達の希望を』


『勇ましき彼ら二人の、輝ける股間を、無修正でご覧頂きたいのですッ!!!!!!!』







女マネージャー「……あのときの、男の子……??」





~ カーテンキングダム レールチ○ポ選手村跡 空中庭園 ~


男「”360゚ブラケット”ォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」ジュバァッ!!!!


CR魔王兵達「グベベベベエベベベジジュバババアァ!!!」ジャジャジャジャジャスッ!!!!


イタリア「何なんだ、ありゃあ」


ロシア「……男の股間から、ハリネズミのように、無数のラグレスが弾け伸びただと」


ドイツ「あのようなブラケット、世界中どこにもありえない……非合理的過ぎます」


女「男君、コンサートホールみたいで、かっこいぃ……」ポッ


妹(……その辺、幼馴染ちゃんなのかしら、それとも皇女の素なのかしら……)


国王「……男は今まで、自らのチ○ポレールの限界を、既製のブラケットの中に押し込めていたんじゃ」


国王「だがチ○ポレールが覚醒したことで、男は黒のレールの力を全て開放した」


国王「だから、ああいうことも出来る」


国王「”現実に存在しないブラケットを依代に””自らのイマジネーションを無理矢理現実化する”」


国王「そういうコトも、できるようになった!!」





男「……チ○ポレールの声が聴こえる」


男「お前らに……千倍返しの、お礼がしたいってなァ!!!」


男「”コーナー三つ又星型円錐拡散捻転爆殺永遠攻勢雪嵐ブラケット”アァァァ!!!」


CR魔王兵達「ウビャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」ボシュシュシュシュシュシュ


男「……効果、相手は死ぬ」ニヤッ


イタリア「……流石に、やりたい放題過ぎやしないかね」ポリポリ


ロシア「……かもな。だが」


CR魔王兵達「………」ザワザワ ザワザワ 


CR魔王兵達「………」ザワザワ ガタガタ


ロシア「……天罰てきめん、と言う所かな」ニヤ






CR魔王兵7「……ここは預けよう、醜き人の子らよ」


CR魔王兵21「だが忘れるなかれ。お前達の生死、一秒後の未来ですらも」


CR魔王兵30「我が主の掌の上に転がされているだけの、儚き物と言う現実を」


CR魔王兵44「次に会う空は星の海。ゆめゆめ今日の屈辱、忘れはせぬぞ……」バサバサ


男「……”ブラケット・オールグラビティ”」ボシュ


CR魔王兵達「」ペシャ


男「悪いけど、俺は正義のヒーローって訳じゃないんでね」


男「鼻持ちならねぇ悪党は、後ろからだってブッ飛ばすっつーの」ペッ


女「キャーッ!! 男君ッ!! すっごいゲスだよーッ!!!」


妹「何でもいいのかアンタは」


女「いい♪」ニコッ


妹「……あっ、そ……」





ドイツ「……国王様、これならば……」


国王「是非も無し」


男「?」


国王「男、あれを見よ」


男「……あれは、カーテンキングダムのお城だろ?」


(参考画像:ttp://blogs.c.yimg.jp/res/blog-57-79/ak_rm_dawn_cherryblossom_fmnf/folder/536727/45/15931145/img_0?1387358934


国王「然り」


国王「じゃが男よ」


国王「あの城には、少しだけ特殊なギミックが施してあっての」


男「……?」


国王「……」


国王「”どことなく、宇宙船に似ておりゃせんか”?」


女「」


妹「」





男「……」


男「……」


男「”言われてみれば確かに”」


イタリア「」


ロシア「」


ドイツ「間違いありません、僕が保証します」


ドイツ「”お二人が少し手を加えれば、あのお城は宇宙を駆ける最強の戦艦になりますとも”」


男「ドイツが言うなら間違い無ぇな」


国王「ウム……では」


男「ああ……」





男「”チューニングブラケット”!!!」ドッバアアアアアアア


国王「”チャーム・オブ・ヨセフ”」ガタガタガタガタッ


イタリア「……」


ロシア「……二人のカーテンレールが、城を基礎から無理矢理作り変えている」


妹「……ホント、もう何でもアリなのね……」ハァ




ガシガシガシガシィン  ガタァン!!!




国王「……宇宙(ソラ)を駆ける超弩級機動戦艦(アストロブレイブ)・ノア」


(参考画像:ttp://www.gizmodo.jp/img/071025lego_pathfinder_front.jpg


男「ここに爆誕ッ!!」バァァァーン


ドイツ「各国代表は直ぐ近くまで来ています。急いで出発の準備を!!」







~ 一時間後 超弩級機動戦艦(アストロブレイブ)・ノア 総司令室 ~


フィンフィンフィン  フィンフィンフィン


イタリア「速度安定。最短コースに乗ったぜ」


ドイツ「計算の結果、後1時間ほどで、カーテンレール宇宙大魔王の存在する宙域へたどり着きます」


妹「……兄貴のイメージで作った宇宙戦艦なんでしょ? 光速ワープ機能とか、付いてないわけ?」


男「はっははは。妹は面白いことを言うなぁ」ケラケラ


男「地球上では、音の速さを超えて空を飛ぶと、衝撃波でバラバラになっちゃうんだぞ?」


妹「……」


女「……道化は演じられても、本当の馬鹿にはなりきれない」


女「そんな所も素敵よ、男君」ニコッ


妹「……」イライラ




男「……」ニコ


男「妹は、昔っから頭がいいからなァ」ナデナデ


男「お前に黒いチ○ポレールの力があったら、きっともっと上手に、世界を救えてたんだろうな」ハハ


妹「……別に、そんな……」


男「冗談だよ。俺だって全身全霊で、世界を救うために頑張ってるんだ」


妹「……知ってるけどさ」


男「……でも」


男「イザって時は、頼りにさせてくれ」


男「そんで、一緒に」


男「生きて、帰ろう」


妹「……」


妹「……」フゥ


妹「改まって言わなくても、ずっと一緒だっつーの……」プイッ


女「……」フフ



イタリア「……!? レーダーに反応!!! こいつぁ……」


ロシア「……火器管制より一斉指令。敵襲が予見される。砲撃に備えよ、繰り返す、砲撃に備えよ」


ドイツ「ちょっと、報告を怠らないで下さい!! 何が接近しているんですか!!」


イタリア「ああ……今メインモニタに回す」ピピッ


女「!? こ、これって!!」


バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ 
  バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ 
バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ 
  バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ 


国王「……無数のCR魔王兵が」


国王「エアコン、クローゼット、窓を担いで飛んでくるのォ」





男「……まさか」



~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 



爺店員「……ひとつは」


爺店員「お主にクローゼットかエアコン、窓をドン付けすることじゃ」


男「……」


爺店員「装飾レールの弱点は、建具との干渉」


爺店員「お主に建具を取り付けることができれば、自ずとレールも霧散することじゃろう」



~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~



男「……俺達のレールを、潰しに来たっつーのか!?」


妹「おかしいじゃない!! あの話はジジイと、私達二人しか聞いてなかったハズじゃ」


国王「うろたえるな」


国王「レールの建具との干渉は、家を建てた社会人であればおおむね経験しているジレンマ」


国王「人の暮らしをつぶさに観察してきたカーテンレール宇宙大魔王にとっては、造作もなく見抜ける弱点じゃ」





ドイツ「総員、第一級戦闘配備ッ!!! 勇者達にエアコンを近づけさせるな!!」


アメリカ「Okay!! コノ程度ノピンチ、ハリウッド映画ジャ日常茶飯事ダッゼ!!」


コートジボワール「陽気ナ黒人ノ生存率ガ高イノモオ決マリデスヨネ?」


メキシコ「間違イナイ」HAHAHA


フランス「行こうぜ野郎ドモ、人類ノ勝利ノ為ニ!!」


インド「ヨガ・ファイア」


ガヤガヤガヤ ダダダダダッ


男「……みんな」


スッ


???「……はじめまして、男君」


男「……?」




???「こうして話をするのは、最初で最後かもな」ハハ


???「私は国王様とドイツ君の命により、国籍の壁を超え組織された特殊部隊」


???「”P.E.N.I.Sコマンド”の第一部隊長だ」


男「……俺の居ない間、世界を護ってくれていたのは、貴方がただったんですね」


ペニ長「そんなに大したモンじゃないよ」


ペニ長「誰だって自分の家がヨソ者に荒らされりゃ、文句の一つも言いたくなるだろ?」


ペニ長「ブッ飛ばす手段を与えてもらっただけ、俺達は幸せさ」ハハハ


男「……しかし」


ペニ長「言わないでくれ」


ペニ長「……だが、最後の戦いの前に、君に知って欲しかったんだ」


ペニ長「どんな状況にあっても」


ペニ長「君は決して一人じゃない」


ペニ長「世界の命運と責任を君に押し付ける、弱くてズルい人間ばかりが、君を頼っているわけじゃないんだ」


ペニ長「……だから、」





男「……その先は、地球に帰ってからでも、大丈夫ですか?」


ペニ長「……」


男「世界の命運とか、責任とか、俺、バカだから、正直よく分からなくて」


男「今度ゆっくり、教えてください」


ペニ長「……酒でも飲みながら?」


男「……俺、未成年なんで、まだお酒飲めないんですよ」


ペニ長「……そう、かい」


ペニ長「俺の田舎に、とびきり美味い酒を造ってるトコがあるんだ」


ペニ長「君の成人式に、贈らせてもらうとしよう」


男「手渡しで?」ニヤ


ペニ長「もちろん」ニヤ


男「……約束ですよ」


ペニ長「ああ……それでは」




カチィン!!







ピチューン       ドガアッ

                        シュルルルルル

   ゴゴゴゴゴ
           バフッ
                    ビーッ ビーッ ビーッ

  シュルルルルル







ドイツ「船内に侵入した魔王兵達は、各国の代表とP.E.N.I.Sコマンドが退けてくれています」


ドイツ「国王様は船の結界を保ってください。男君もどうか、心静かに」


男「死傷者は出てんのか」


ドイツ「いないと言ったら、信じてくれますか」


男「……」




ドイツ「ここは戦場です、男君」


ドイツ「皆が皆、己の力と守りたい何か、譲れない誇りを背負っているから、ここに立っている」


ドイツ「そのために……あなたを無傷で魔王の下へ送り出すために、命を賭けているんですよ」


ドイツ「あなたがひと時の感情で持ち場を放り出し、彼らを救って満足するつもりならば、それは彼らへの冒涜だ」


ドイツ「あなたはあなたの戦場を戦いなさい、男君」


男「……」


男「これだけの力を手にしても」


男「目の前の命を救う力があっても」


男「振るったら、いけないってのかよ、ドイツ……」


ドイツ「……奴らの狙いは、男君を引きずり出し、チ○ポレールの力を失わせること」


ドイツ「そうなれば彼らだけでなく、地球上全ての生命が死に絶える」


ドイツ「もしあなたがこの総司令室を出ようとするならば、私も命を賭けて、あなたを止めますよ」


シュナイデル「……ワフ」





男「……」ギリギリギリギリ


男「クソッ!!!!!!!!!」ダンッ


イタリア「……妹ちゃん、レーダーと計器類代わってくれ」


妹「え、あ、ええ?」


イタリア「なぁに、ポケモンやるより簡単だよ。青く光ったらパターン魔王兵な」ヘラヘラ


ロシア「……無謀な真似は止せ、イタリア」


イタリア「……」


ロシア「……俺は隻腕のハンディキャップと、軍人としての経験から火器管制として」


ロシア「……ドイツは参謀として、伝令として、男と国王様は言うまでもない、最重要防衛対象として」


ロシア「……お前がこの部屋に居るのは、ただ男と友人だからと言うだけではない」





ロシア「……」


ロシア「……この戦い、戦力にならんのだよ、お前は」


ロシア「……小便を操って戦うお前のテクニック、ショウ・バトルの演者としては見事だが」


ロシア「……本当の命の取り合いで、背中を預けるには、あまりにも頼りない」


ロシア「……席に戻れ。これ以上、男のメンタリティに傷をつけるな」


イタリア「……お優しいこって」


ロシア「……俺は軍人だ」


ロシア「……銃を掲げるべきでない者に、銃を持たせないこともまた、軍人の仕事なのだよ」


イタリア「それを言うなら、俺の祖父も軍人だったんだがねェ」


ロシア「……」





イタリア「これがまた、本当に生っちろい弱虫でな。いつも戦地に出ては、ションベン漏らして仲間の足を引っ張っていたらしい」


イタリア「……そんな祖父を、親父はずいぶん嫌っていたよ」


イタリア「ションベン漏らしの息子とからかわれるのが、余程辛かったらしい」


イタリア「神様なんざ信じてもいねぇくせに、他人からの尊敬を集めるためだけに、教会おっ立てて神父になっちまった」


イタリア「……そんな親父だったからな。祖父そっくりのツラをした、ションベン漏らしの自分の息子を、愛せるわけもない」


イタリア「ションベン漏らしの孫と虐待され、父親のエゴとコンプレックスから神学をバカみたいに叩き込まれた可哀想な子供の」


イタリア「……唯一自分を誇れる舞台、それがカーテンチ○ポレールバトルロワイヤルだった」


イタリア「凄ェよなァ。衆人環視の中で、ションベンぶっ放したら拍手喝采!!」


イタリア「神にも親にも守られない子供が、自分を認められた瞬間だったんだ」


ロシア「……」


国王「……」





イタリア「そして、カーテンチ○ポレールバトルロワイヤルは、俺にもっと素敵なプレゼントをくれた」


イタリア「口の悪いジイサン、生意気なダチの妹、気まぐれな皇女様」


イタリア「頭のイカれた学者崩れに、その飼い犬。融通の効かない軍人野郎」


イタリア「そして」





          ―― 男「お前みたいな奴を、見殺しにするのは惜しい、って、そう思っただけさ」





イタリア「……最高のダチとの、出会いをくれたんだ」


男「……イタリア」


イタリア「感謝してるんだよ、男」


イタリア「だから、俺がお前の代わりだ」


イタリア「お前の代わりに、俺が一人でも多くの仲間を、救ってやる」


イタリア「お前が前に進むための力を、与えてやるから」


イタリア「お前はここで、俺を」


イタリア「俺達の事を、信じていてくれ」




男「……」


国王「……」


国王「……案ずることはない、男よ」


男「ジイサン?」


国王「心配するなと言うんじゃ」ホッホッホ


国王「のう、イタリアよ」


イタリア「……?」


国王「ワシは正直、お前を甘く見すぎていた。馬鹿にしておったんじゃ」


国王「ワシがこんなに頑張っているのに、血反吐を吐く思いで戦いの術を探していると言うのに」


国王「伊達や酔狂でチ○ポレールバトルに興じるお前を、どこか軽蔑した目で見ておった」


イタリア「……別に、気にしねぇよ、そんなこと」


イタリア「俺だって、いくらなんでもこんな、とんでもない戦いがチ○ポバトルの先にあるなんて、思ってなかったしな」


国王「まぁ、のぉ」ホッホッホ




国王「……それでも」


国王「覚悟を抱えた男の背中を、笑う者が居ればそれは咎人じゃ」


国王「だから、こいつは、その侘びじゃよ」シュイイイイイン


国王「……ロシア、チ○ポミクルレールガンスロットをワシの前に」


ロシア「……ミクル?」


国王「ああ、すまん違った、チ○ポ未来レールガンスロット」


ロシア「……こいつか」シュィイィィィン


ドイツ「国王様!? 何を!!」


国王「なぁに、ワシとてまだまだ現役じゃ」


国王「ちょっとぐらい無理してみても、構わんじゃろう?」ニッ


女「……ととさま」


国王「……すまんの」


女「ううん」


女「私も、ととさまの決断、後押ししなくちゃね」ニコ




妹「……何が始まるの?」


ドイツ「……」


ドイツ「……いつも通りの」


ドイツ「非合理的なイベントですよ」


キュオオオオオオオオオン イ イ イ イィイイイイイイイイ


ドイツ「親玉にブッ放す予定の最終兵器を」


ドイツ「味方の犠牲を防ぐためとはいえ」


ドイツ「道中の雑魚散らしのために、使ってしまおうって言うんですから……!!」


妹「……ジジイ……」


男「……ジイサンッ!!」





国王「……とくと目に焼きつけよ」


国王「この老いぼれが若者達に託す、最高の命のきらめきを!!!!」


国王「”チ○ポ未来砲(エクスタシー・キャノン)”、限界突破ァァァァァァアアア!!!!」







       ッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!






イタリア「……国王、様」


ドイツ「……前方周囲220km、一切のCR魔王兵反応が消失しました」




ドサッ


女「ととさま!!!!!」


ドイツ「力を使い果たされ、眠られただけですよ」


ドイツ「オートメーションで発動する、戦艦周囲の空間結界を維持するのがやっとの生命力以外、残っていないと思われます」


ドイツ「少なくとも、この戦いが終わるまでは……あるいは永遠に、目覚めることは無いかもしれない」


女「……」


女「……」グシグシ


ドイツ「後は貴方だけが頼りです、男君」


男「……」


男「……是非も無し」


男「ドイツ、回線を繋げ。船内全部だ」


ドイツ「はっ」カチッ カカカッ



















男『……あー、あー。俺だ』


男『黒の勇者、この星の最期の希望』


男『地球代表チ○ポ、男だ』


エジプト「……ハア、ハアッ……」


ブルガリア「……何イッテンダカ、ワカンネーヨ、HAHAHAHA」


男『俺は』


男『必ず魔王を斃して、この地球を救ってみせる』


タイ「……当然ダゼ」


エクアドル「……オウ」


男『だから、皆』


男『皆の命、全部俺にくれ』




ペニ長「……」


ペニ長「……」


ペニ隊員「……隊長」


ペニ隊員「……男君が、きっと、やってくれます」


ペニ長「……」


ペニ隊員「だから……隊長ッ……!!!!」


ペニ長「……聴こえてるよ……」


ペニ隊員「……!!!! 隊ちょおおおおおおお!!!!!」


ペニ長「……うるさいな……」


ペニ長「……こちとら若き英雄様に、酒をおごってやるって、約束してるんだ」


ペニ長「大人が約束、破って見せるわけには、いかない、だ、ろ……」


ペニ隊員「……はい、はい、っ……!!!」





男『総員、覚悟を決めろッ!!!!』


男『これより、我等死地へ赴くッ!!!!!!!!』








『応ッ!!!!!!!!!!!!!!!!』






~ 宇宙空間 ~



ペカアアアアアアアァァァァァァ


妹「……あんまり、暑くなんないね」


女「ととさまの結界の効果……だけじゃないような気がするんだけど、どうなの、ドイツ?」


ドイツ「そうですね。CR大魔王の放つ光は、太陽や炎の放つそれとは、原理そのものが違うようです」


男「故に、距離や気候に関係なく、眩しく熱く地球を照らせるってか」


イタリア「……」ギリッ


ロシア「……怒っているのか、イタリア」


ロシア「……すまなかった、俺はお前の戦士としての覚悟を、」


イタリア「違ェよ、そんなんじゃねえ」


ロシア「……?」


イタリア「今画面を転送する」



ピコン ピコン ピコン ピコン ピコン ピコン 


イタリア「……ドイツ」


イタリア「こいつぁ、お前の指示じゃ、ないんだよな」


男「……なんだこれ?」


男「北朝鮮と、ロシアと、アメリカと、……ここはインドか? 世界中に凄ェ数の光点が出てるな」


女「……まさか」


ダァン!!!!!


ドイツ「馬鹿な!!! こんな、このタイミングでこんなことを!!!!!」


妹「……核ミサイル、か」


ロシア「……この軌道、口火を切ったのは北朝鮮か。今は世界中の核保有国が魔王に向けてミサイルを撃っているが」


男「何でだよ!? 俺達は、今まさに俺達が、魔王をブッ倒しに来ている最中に、どうして!!!」


ドイツ「……信用できなかったんでしょうね、我々の事が」






ドイツ「元々北朝鮮は、カーテンチ○ポレールバトルロワイヤルにも、魔王打倒の密約にも非協力的な国でした」


ドイツ「我々ごと魔王を消すことで、魔王打倒後の世界で大きな顔をしようとしている、その程度の発想でしょう」


ドイツ「……後は、もうなし崩しです」


ドイツ「元々我々のことを大して信頼していなかった国」


ドイツ「これだけ核を撃たれてしまえば、どうせ我々は死んでしまうだろうから」


ドイツ「せめて魔王を打ち漏らさないよう、攻撃の威力を上げようと、やぶれかぶれになって射撃を始めた国」


ドイツ「あるいは、純粋に我々への援護射撃のつもりなのかも知れませんがね」ハァ


ロシア「……」



イタリア「……ロシア」


ロシア「……言うな」


ロシア「……例え祖国が、魔王ごと俺を核ミサイルの標的にしたからといって」


ロシア「……つい少し前まで、軍人の覚悟を説教していた俺に」


ロシア「……嘆く権利など、あるものか」


イタリア「カンケーねーよ」


イタリア「大人になるってこたァ、辛さや悲しさを感じなくなることじゃあなくて」


イタリア「上手い自分の誤魔化し方を、覚えていくだけってコトだろ」


ロシア「……」


ロシア「……そう、だな!!」


ガヅン!!!


ロシア「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


女「……」





妹「……どう、なるの?」


ドイツ「計算上、我々が魔王のいる宙域まで到達するのに、およそ1分」


ドイツ「遅れて30秒後、最初の核ミサイルがその宙域に到達、続けて各国の核ミサイルが炸裂します」


男「……ここで急制動をかけて、もう一発、チ○ポ未来砲をブッ放せばいいんじゃないか?」


男「その反動で俺達は地球に戻れば……」


ドイツ「……CR大魔王の力は未知数です。必殺の一撃は、魔王の眼前で放たねば意味がない……」


妹「……!!! みんな、レーダーを見て!!」


シュン シュンシュン シュン


イタリア「……核ミサイルが、片っ端から消えていく……? どういうことだ!!」


???『全ク、二千年経っテナオ、人類は無粋ナ横槍が好きナママラシイナ』


ドイツ「……馬鹿、な、いつの間に、宇宙船の眼前まで」


男「……」ギリッ


???『アノヨウナモノが炸裂スレバ、貴様らナド一瞬で消し炭ダロウ』


???『命を救ってヤッタのだ、精精感謝してクレタマエ、ハハハハハハハ』




男「……何を、しやがった」


男「カーテンレール宇宙大魔王ッ!!!!!」


CR大魔王『フム。異なコトヲ聞く』


CR大魔王『光ヲ束ねて強大な熱量ヲ生み出す技術ハ、貴様ら人類ニモ馴染みのアル物ダロウニ』


CR大魔王『ソレトモ、私にその程度のお遊戯ができないとでも考えテイタノカナ??』


男「まるで分からん。何言ってんだアイツ」


女「……男君、理科は苦手だったもんね」


イタリア「ど、どういうことだよ、ドイツ!!!」


ドイツ「……大気を凸レンズのように歪ませて光を一点に集め、超強力なレーザー砲として射出したと考えるのが普通ですが」


ドイツ「規模と、威力と、正確さが異常すぎる……ほぼ世界中から一度に射出されていた核ミサイルを、一瞬にして全て消し去るなど」


ドイツ「……まさか、CR大魔王の真の能力とは!!」


妹「ち、チ○ポ未来砲はッ!?」


ドイツ「……無駄、です」


ドイツ「CR大魔王の真の能力が、光のエネルギーを自在に操るものだとすれば」


ドイツ「カーテンチ○ポエネルギーを凝縮発射するチ○ポ未来砲は、CR大魔王には通用しないどころか、逆に力を与えることになる」


妹「そ、んな……」




男「……緊急ハッチ開けッ!! 俺が魔王に仕掛けるッ!!!」ダッ


ドイツ「お、男君ッ!?」


バシュウウウウウウウ


ボンッ


CR大魔王『頭が回るナ。期待通りダ』


男「”ディスポーザーブラケット”ぉ!!!」シャザザザザザ


CR大魔王『我に速射可能ナ大量破壊兵器を操るチカラがあると分かっタ以上』ザザザザ


CR大魔王『我ニ少しデモ自由ナ時間を与えレバ、地球全土が火の海になる』ザザザ


CR大魔王『ソレヲ防ぐニハ、一瞬の隙も与えずに攻め続けルシカナイ』ザザ


CR大魔王『イヤア、敵ナガラアッパレダヨ、男君』ザ


女「……身体を分解されてるってのに、全く余裕を崩してない……」


妹「って言うか……CR大魔王がデッカすぎて……全然攻撃が効いてる感じじゃないんだけど……」





イタリア「お月様くらいはあンのかねぇ……こんなに間近で見たことねぇから、実際わからんけどな」ダッ


ロシア「……死ぬにはいい日、か」ダッ


ドイツ「……クッ……」


女「ちょ、ふ、二人とも!!!」


ドイツ「……大丈夫です。国王様の結界がある以上、私達も宇宙で窒息死することはありません」


女「そういうことじゃなくて!!!」


ドイツ「……大丈夫、まだ大丈夫です!!」


ドイツ「CR大魔王が全世界を射程圏に納めた大量破壊兵器を使えるにもかかわらず、今まで地上の侵攻を魔王兵に任せてきた以上」


ドイツ「どこかに弱点があるはずなんだ、一気に侵攻を進められない訳があるはずなんだ」


ドイツ「でなければ、ここまで我々が攻め込めたはずはないんだ、まだ、何か突破口はある!!!」


シュナイデル「……」スリスリ


ドイツ「シュナイデル、そんな悲しそうな顔をするなよ」


ドイツ「そんな……」








男「”ブラケット(核爆)”!!」ジュッ


CR大魔王『ハハハハハ。その程度カネ黒の勇者』ジュウウウ


ロシア「……まるで効いておらんな」


CR大魔王『知っテイルゾ、黒の勇者。貴様の”イマジネーションを現実に変える力”』


CR大魔王『だが、悲シイカナ現実ハ非情だ』


CR大魔王『人は人デあるが故に、人トシテの限界ヲ超えることガできなイ』


CR大魔王『”核爆発”ナドトイウ、聞いたコトシカナイヨウナ爆弾ノ効果を、イマジネーションで再現デキルハズモナイ』


男「知るかッ、”超超超展開……」


CR大魔王『ソシテ貴様ハ、少し常識的にスギル』


CR大魔王『”自らノ攻撃が、月より大きな敵を一思いに消し去るイメージ”ナド、荒唐無稽すぎて心から信じることができない』バスッ


男「ぐッ」


CR大魔王『悲しいナア、黒の勇者ヨ』


CR大魔王『貴様ハ結局、何一つ守ることもできず、我の前に屈するコトニナル』





イタリア「耳を貸すな、男!! ”アルコバレーノ・オ・ソーレ・ミーオ”!!!」ブシャシャシャ


CR大魔王『……汚らワシイ』ブシュ


イタリア「がッ」ザシュ


男「イタリアああああぁ!!!!」


CR大魔王『結局、頑張っているのは貴様ダケ。後の雑兵は単なる足手まといダ』


ロシア「……惑わされるな、男。奴はお前の心を折りに来ている」


CR大魔王『人聞きノ悪イ。我は事実を口にしているダケダヨ』


CR大魔王『ソラ、そこの雑魚の集団に向けて、我が力の片鱗を放ってやろう』ドシュ


アメリカ大陸連合「!!!!!」


男「くッ……”ストップブラケット”」ビタァ


CR大魔王『ナンテナ』ビシュゥ


男「ぐああああああああ!!!」ズガーン


ロシア「……カーテンレール、宇宙大魔王ッ!!!!!」


CR大魔王『ハハハハハ、次ハお前カ?』


ロシア「……ああ」


ロシア「……勝てぬまでも、この命、尽き果てるまで……!!」





CR大魔王『命尽き果てるまで戦い抜けば、貴様らの参謀ガ活路を開いてクレルト考えているなら、ソレハ見当違いノ無駄ト言うモノダ』


ロシア「……」


CR大魔王『おおかた”我ノ超破壊レーザーニハ、連続使用デキナイ弱点ガアル”とでも考えてイルノダロウガ』


CR大魔王『ソンナモノハナイ。1分モアレバ、我はこの地球を全て火の海ニ変えらレルだけの力を持っている』


CR大魔王『そうしなかった理由が貴様ニワカルカ』


ロシア「……貴様を倒せるかもしれないと、ひとかけらの希望を抱いてやってきた我々を、絶望させるため、というのはどうだ」


CR大魔王『……』


CR大魔王『……貴様らハ、我ニツイテ、何か勘違いヲしてイルナ』


ロシア「……何だと?」


CR大魔王『……我自身、全てを記憶しているわけデハナイガナ』


CR大魔王『今より二千余年の昔、私ハ気づけば地球に存在シテイタ』


CR大魔王『無数の星々が夜空ヲ埋め尽くす中、我の眼前ニハ瀕死の人間がイタ』


CR大魔王『我は問うた』


CR大魔王『”汝の望みを申せ”と』


CR大魔王『奴は答えた』


CR大魔王『”夜の闇を打ち払う、貴方様の光に導かれ、私は貴方の国へ旅立ちとうございます”と』


CR大魔王『そして、我は奴の望みをかなえた』


CR大魔王『そして、我ハ時を超えテ、貴様らを導かんトシテイルノダヨ』





ロシア「……ありえん」


ロシア「……それでは、まるで、貴様は!!」


CR大魔王『……ソウダナ』


CR大魔王『貴様らデ言うトコロノ、”神”と言う存在ト、言えるノカモ知れんヨ』


ロシア「……」


神『我ノ圧倒的なチカラヲ見れば、自ずと分かるコトダロウ』


神『地球に愛されタノハ我。地球に選ばれタノハ我』


神『神ハ、この星ハ感じていルノダ』


神『”人類、死を以って浄化サレルベシ”トナ!!』








ドイツ「……は、は、はははは」


ドイツ「こりゃあ参りましたよ、まさか」


ドイツ「我々は、神を相手に、戦おうとなどと……」


ドイツ「なんと……恐れ多い話だ」


女「……参ったわね」


女「ドイツだけじゃない。キリスト教圏出身の代表達の動きが、軒並み鈍くなっちゃった」


ドイツ「……それだけ、僕らにとって重いんですよ、神と言う存在はね」


シュナイデル「……バフッ」


女「それでいいの!? ドイツ!!」


女「貴方はムカつくくらいの現実主義者だったじゃないの!! 今更神様の名前出されたくらいでビビらないでよ!!!!」


ドイツ「……そう言われましてもね……」ポリポリ


ドイツ「現実主義は、虚構を全て否定した上で成り立つのが大前提」


ドイツ「存在する神様を相手に、チ○ポをカーテンレールに作り変えて、戦いを挑めって?」


ドイツ「馬鹿なことをしているのはどちらか。冷静に合理的に考えれば、明白です」


ドイツ「このような人類が神の裁きを受けるのも、正直仕方ないかな、なんて、冷静に考えてみたりすると、もう気力が湧かなくて」





女(……)


女(……どうしよう)


女(全力で、否定したくって、しょうがないのに)


女(言葉が出ない)


女(……否定、できない……)


ドイツ「……ホラ、ご覧下さいよ」


ドイツ「最後までがんばっていた男君だって、あの通りだ」


女「男君ッ!!!!」







男「……ぐッ……」フワー


神『……我を受け入れラレヌ心情、理解セヌとはイワヌ』


神『ダガ貴様ノ味方は皆、我の救いヲ受け入れるツモリノヨウダ』


神『楽ニナルノダ、男ヨ』


神『モウ、ペ○スをカーテンレールに変えて振り回すヨウナ馬鹿ナ真似ハ、シナクテモ、ヨイノダ』


男「……」


男「……」


男(……)


男(……)


男(……頼む、ぜ)







女「……男君」


ドイツ「もう、よしなさい、女さん」


ドイツ「男君をこれ以上、苦しめては」


女「……そうね」


女「ちょっと悔しいけど、今の男君は、きっと私たちのこと、アテになんてしてないわ」


ドイツ「……カーテンチ○ポレールに命を捧げると言うのですか。愚かな話です」


女「……」


女「……そうじゃないわ」


女「人類最強、最期の英雄は、この一番大事なとっときの場面で」


女「自分のことをこんなに愛している、恋人候補の私より」


女「ずっと一緒に生きてきた、可愛い可愛い自分の妹に頼るんだってさ!!!」




女「そうよね、妹ちゃん!!」




妹「……」






妹(……)


妹(兄貴がこっちを見たとき、一瞬で分かった)


妹(兄貴は、私に、期待している)


妹(私が、この状況を打開する何かを思いつくって、信じてるんだ)


妹(だから、兄貴は折れないって、私が何かを思いつくまで頑張るって、そういう目を、してた)


妹(……)


妹(考えるんだ)


妹(考えるんだ考えるんだ考えるんだ)


妹(神を殺す方法? みんなを正気に戻す方法?)


妹(違う。そんなんじゃない)


妹(兄貴と一緒に、いつもの日常に、帰るための手段を考えるんだ)


妹(落ち着け)


妹(あいつが言うように、あいつが神様だったら、人類は二千年前に勝つことなんてできなかったハズ)




妹(……そうよ)


妹(私達人類は、一度奴に勝っているのよ。……カーテンチ○ポレールを使って)


妹(……だけど)


妹(”どうして、カーテンチ○ポレール”なの?)


妹(剣じゃダメなの? タロットでも、アンクでも、もっとふさわしいモノはいくらでもあるじゃない!)


妹(……でも、そう言う観点からすると、”チ○ポ”は、実は意外と的を外してないのよね)


妹(男性器たるペニスは、古来において生命の誕生を司る、神秘性を内包する人体器官)


妹(加えて矛や剣に連なる、人類の攻撃性を表すモノでもある)


妹(性的倫理観が今と全く違う、古代の価値基準において、ペニスはこれ以上ない戦いの象徴だったハズ)


妹(だけど、そうすると、やっぱりおかしいの)


妹(”カーテンレールで戦う必要性が、どこにあるの?”)


妹(長さとか、硬さとか、取り回しとか、そういう表面的なものじゃなくて)


妹(カーテンレールはそもそも、人を突いたり殴ったりするものじゃないし)


妹(カーテンレールは……)




妹(……)


妹(……そう)


妹(カーテンレールは)


妹(カーテンレールはッ!!!!)





男「”ブラケット・グリフォン”ッ!!!!」ガオオオオオン


神『ブラケットを組み上げて放つ、伝説の魔獣カ。ヨクモマア、色々と思いツク』


男「”ブラケット水滸伝””ブラケット三国志””ブラケット・オブ・セキガハラ”ァァァァァ!!!」カカレエエエェェ


神『今度は伝説上の武将達にかりそめの姿を与え、チ○ポレールで戦わセヨウと言うノカ』


ブラケット孔明「天下チ○ポレール三分の計にございます」バシャアアア


ブラケット孫悟空「伸びろ、尿意棒(デンジャラス・チ○ポレール)!!」ジュッ




神『ダガ、悲しいカナ、焦りが見エスイテイル』


神『孫悟空ハ西遊記の登場人物ダシ』


神『関ヶ原の結末、貴様も知らぬワケではアルマイ……』


ブラケット小早川秀秋「謀反ジャー」バスバスバスバス


男「ぐあああ……ッ……」


神『……モウ終わリニシヨウ、黒の勇者ヨ』


神『貴様ノ健闘に免ジテ、人類ハ』


男「……」


神『一瞬の苦痛もナク、我ノ楽園ヘお招きスル』


男「……俺は」









妹『兄貴ィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!』









神『!?!?!?!?』


男「……待ってたぜ」


妹『ごめんね』


妹『でも、私、やっと分かったの』


妹『”兄貴の股間に生えているのが、どうしてカーテンチ○ポレールなのか”』


妹『……いいえ』


妹『”どうして、カーテンレールでなくては、いけなかったのか”』


男「……どういう」


妹『兄貴、よく聞いて』







妹『”カーテンレールは、カーテンを掛けるもの”だよッ!!』







男「……」


男「……そうか!!!」


神『させぬッ』ボシュゥ


男「!? ちッ」


????「”ジ・アルコバレーノ・トールグランデ”!!!!!」ブッシャアアア フワアアアア


男「あ……」


イタリア「……レーザー光線は水蒸気の中では、乱反射して効果が減衰する」


イタリア「男が身を守る程度のスキは、十分作れたようだな」ニヤ


男「イタリア!!」


ロシア「……もたもたするな、男よ」


ロシア「……策が、授けられたのだろう?」ニヤ


男「……ああ」


男「皆、ちょっとだけ待っててくれ」


イタリア・ロシア「?」


男「ちょっくら……」








男「世界旅行を楽しんでくるわ」








~ 同時刻 アメリカ合衆国 アラスカ州 バロー  ~


住民「……今、空ガ光ッタヨウナ」


住民2「気ノセイダロ」


住民3「ソレヨリ荷物運ビヲ手伝ッテクレヨ。氷ガ解ケチマッテ住ンデラレネエッテノハ、皆同ジナンダカラ」


住民4「イヤ、待テ。アッチヲミロ!!!」


住民「……アレハ」


住民2「……久々ニ見タナ、”アレ”」




~ 同時刻 中華人民共和国 黒竜江省 漠河県 ~


住民「夜アルヨ」


住民2「空の果てから、夜が迫ってくるアル」


長老「これは凶兆じゃ」


占星術師「何を馬鹿な」ハッハハ


長老「若造め、占星術師の癖に、空の異状を何とも思わんのか」


占星術師「そうですね。既存の状況に当てはめれば、これは正に国の傾く凶兆なのかもしれない」


占星術師「ですが、私の占星術師としての誇りに賭けて、言わせていただきますよ」


占星術師「彼方の空から迫り来る、あの夜の闇と、いっぱいに広がる光の海は、間違いなく我々を救うものです」ニコッ





~ 日本 某県某市 付近小学校 校庭 ~


フラフラ


女マネージャー「……」


女マネージャー「夜が、来る……」


通行人「……よお」


女マネージャー「あ……どうも」


通行人「……姉ちゃんも、あのテレビを見て?」


女マネージャー「ええ」


通行人「そういう奴ら、一杯来てるぜ。俺もだけどな」


子供「キャッキャッ」


親「あらあら、もう……」


先生「まあまあ、お母様」





通行人「……皆、やっぱり諦められないんだよ」


通行人「生きたいんだよ、そうだろ?」


女マネージャー「……」


女マネージャー「……はいっ」ニコ


婆さん「ほんに、長生きはするもんじゃなあ」


孫「えへへ、キラキラ、キラキラだよ、おばーちゃん!!」


妹「ねーねー、あのキラキラ、なんてゆーの?」


通行人「ん、あれかい? あれはね」


女マネージャー「……あれはね、地球が作り出した、この世で一番素敵なカーテン」












女マネージャー「オーロラって言うのよ」









~ 宇宙空間 アストロブレイブ・ノア~


神『……』


神『あの時、我が確かに屠ったはず』


神『妹』


神『なぜ、貴様が、生きて……』


女『私の仕業でーす♪』


神『……』


神『妹』


神『貴様ダケガ、不安要素ダッタノダ』


神『すべての人類が、疑問一つ持たずチ○ポレールで戦う世界を受け入れる中』


神『貴様ダケが、独立した思考で世界を見通していた』


神『貴様さえイナケレバ、カーテンチ○ポレールの真のチカラ、引き出されることはなかったハズなのに……!!!』


妹『……バッカみたい』


妹『全知全能の神様が、私みたいな小娘一人に、計画をひっくり返されちゃうってワケ?』


神『……認めん』


神『認めん認めん認めん認めん認めん認めんぞおおおおおおおお!!!!!』





シュナイデル「ワオーン!!!」シュババババババ


神『ぐわッ……』


ドイツ「……思ったとおりだ」


ドイツ「男君は今、自らのチ○ポレールと地球自体を共鳴させ、強力な光の結界……オーロラ・カーテンを作り出している」


ドイツ「男君の作り出した、オーロラ・カーテンを纏えば、我々P.E.N.I.Sユーザーも、男君達と同等の攻撃力を発揮できる」


女「ドイツ、あなた!!」


ドイツ「申し訳ありません、女さん」


ドイツ「目の前の信じがたい現実に、我を忘れてしまっていた」


ドイツ「本当に信じるべき、自分自身と、仲間のことを、信じられなくなっていた……」


国王「……思い直せたのならば、それでよい。人に遅いなどと言うことは、ないのじゃから」


女「ととさま!!!!」ギュッ


国王「ホッホッホ。男の奴、オーロラのコトを何だと思っておるんじゃろうな」


女「?」





国王「レーダー画面を見ろ」


ドイツ「……これは」


女「CR魔王兵に破壊された街や人々が、どんどん治っていく……??」


国王「ワシもその恩恵に預かったという訳じゃな」ホホホ


妹「もう、兄貴……オーロラは回復魔法じゃないよッ……」グスッ


国王「うまくすれば、お前達も元の二人に戻れるかも知れんが……」


女「……いいよ。せっかく、上手くやれてるんだもん」


女「このまま一緒に、男君にいっぱい、愛してもらいます」ニコッ


国王「……そうか」ニコッ


神『貴様ら、我は地球を一瞬で業火に包む事が出来ると言う事実、忘れてはイマイナ』


国王「!? まずい、まだ男のオーロラは、地球全体を包むほど広がってはいない!!」


イタリア「だったらッ!!!」ドシュウ


ロシア「俺達の、出番だなッ!!」ボシュウ


ドイツ「……国王様、僕は」


国王「……行って来い!! お前の心が、叫ぶままに!!」


ドイツ「……はいッ!!!」バシュウ





~ 同時刻 オーストラリア キャンベル上空 宇宙空間 ~


男「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」キラララララララララン


男(オーロラは光だから、カーテンレールである俺は光の速さで飛んでも大丈夫)


男(そう思っていたけれど、光ってどんぐらい早いんだか、正直わからんから)


男(地球を20秒くらいで一周する程度の速度になっちまった)


男(このままじゃ、地球を守り切れない。もっと、早く広く、強いカーテンを広げなくちゃ……)


ロシア「……苦戦しているようだな、男」ガシィン


イタリア「手を貸すぜ」ガシィン


ドイツ「全く、僕を現場に引きずり出した責任は、取っていただきますよ」ガシィン


シュナイデル「ワンワフッ!」ガシィン


男「うっ、み、皆、どうして!?」


ドイツ「答えるまでもありませんよ」


イタリア「俺達が、願ったんだ」


ロシア「……お前と共に、戦いたいと……!!!」


シュナイデル「Ja」ワフッ


男「……皆」




女「あら、私のこと、忘れちゃ困るわ」ガシィン ギュッ


男「お、お、女ぁ!?!? よせ、いきなり何をッ」


女「別にいいじゃない。それとも、私のこと嫌い?」ギュ


男「……そういうんじゃ、ねえ、けどさ……」


男「……」


男「分かったよ」ポンポン


男「俺の胸の中で、最期まで一緒に、戦ってくれ」


女「……うん♪」


男「……行くぞッ!!!!」




~ 日本 某県某市 付近小学校 避難所 特設モニター ~


実況『ご覧下さい!! ご覧下さい!!!!』


実況『光のカーテン、オーロラを纏ったカーテンチ○ポレールの勇者達が!!』


実況『アメリカ、カナダ、オーストラリア、コートジボワール、マダガスカル、イラン、次は……パナマです!!』


実況『続々と連なって、まるで一匹の気高き龍のように、地球の夜空を駆け巡っていますッ!!!!!』


子供「ままー、あの人たち、どうやって繋がっているの?」


親「……絆のチカラよ」


子供「わー、きずなー、きずなー!!! 僕もきずなで繋がりたいよー!!!!」


親「……うーん」


女マネージャー「……でも」


女マネージャー「このまま、じっとしているのも、辛いですよね」


通行人「ああ……」ギリッ


老人「ワシらも何か、彼らの力になりたいのう」


先生「そう、言われましても……」





女『……さん、皆さん』


女マネージャー「!?」


先生「こ、これは」


女『私は今、皆さんの心に、直接語りかけています』


女『私なら、私達の心を地球の皆に伝えられるだろうっていう、男君の思い込みのおかげで。……余計な説明だったかな?』


女『とにかく、私達は今、強大な敵と戦いながら、皆さんを守るために、世界中を光のカーテンで覆うため、宇宙を飛び回っています』


女『だけど、ちょっとだけ、力が足りないかもしれないの』


子供「はいはーい!!! 僕の力も貸します!!!」


孫「どうすればいいのー!!」


女『心に強く、祈ってください』


女『皆の為に、命を賭けている、男君に』





女マネージャー「……」


女マネージャー「……いや、ダメよ、それはちょっとマズいって」




女『”男君に、力を!”』




女マネージャー「」


子供「男君に、力を!!!」


孫「おとこくんに、ちからをー!!!」




~ トルコ ~


トルコ人「男クンニ、力ヲ!!!」


~ ガボン共和国 ~


ガボン人「オトコ、クンニ、力オ!!!」


~ ニュージーランド ~


ニュージーランド人「オトコ、クンニ、オトコ、クンニ、オトコ、クンニ、チカラヲ!!!」


~ コロンビア ~


コロンビア人「男、クンニ、力ヲ!!」


~ フィリピン ~


フィリピン人「オトコクンニ、力ヲ!!」


~ 香港 ~


香港人「クンニ、オトコ、チカーラヲ!!」


イギリス人「ノンノン、オトーコクンニ、力ヲ!!」


香港人「OK、オトコクンニ、力ヲ!!」







~ 宇宙空間 アストロブレイブ・ノア ~


妹(……)


妹(世界中に謝りたい)







神『バカナ、バカナ、コンナコトガアアアアア』


国王「”のびるのびる ぼうはのびる みんなのちからで どんどんのびる”」


国王「二千年前の再来じゃな?」


神『……チッ』


国王「ましてや、人類の数、結束は、二千年前とは比べ物にならん」


国王「偽りの神などに……打ち破れるものでは、ないッ!!」ドシュゥ


神『グオオオオオオオ!!!!!!』


男「ジイサアアアアアアアアアアアン!!!!!!!」シュゴオオオオオオ


国王「戻ったか、男……と、その格好は」


女「えへ」


国王「……野暮は言うまい。おめでとう、我が娘よ」


女「……ありがとう、ととさま」


男「っと。国王様。女を預かっておいてくれよ」ヒョイ


女「わっ」トスン


国王「……どういうつもりじゃ、男?」


男「……」スウッ







神『……覚えテイロ、黒ノ勇者』


神『我ヲ信じる者が居る限り、我ハ滅びぬ』


神『もう二千年など待たぬ。貴様の子供が可愛い盛りに、我は今以上の力を以って復活し、貴様らの世を蹂躙する』


神『その時まで勝負は預けて』


男「……そんなまどろっこしいこと、やってられるかっつーんだよッ!!!!」バスッ


ロシア「うッ!!!」ドスン


イタリア「な、なんだ男の奴、俺達のことを切り離して、一体何をッ!!!」


ドイツ「やめなさい!! 君一人が犠牲になることは無いはずです!!! 男君、男君ッ!!!!!」


シュガアアアアアアアアアア









女「……お、とこ、くん?」









シュバアアアアアアアアアアアアア


男「へ、へへ、へ……」ゴオオオオ


神『やめろ、やめろおおおお!! 貴様、今自分が一体何をしているのか、分かっているのかッ!?』


男「あたぼうよ」


男「何をしてもブッ斃せない、不死身の神様だかなんだか知らねェが」


男「所詮は偽者の太陽、偽者の光の化身」


男「”ホンモノの太陽に灼かれてくたばれば”」


男「”二度と復活するなんて、考える奴はいなくなる”」


男「だから貴様と、楽しい楽しい宇宙旅行に洒落込んでいるってワケさ」


神『……何をバカナ』


神『我を太陽に叩き込んだところで、宇宙は無限に無限を重ねるほどの果てしない世界』


神『二度とは戻れんぞ』


男「……」


神『よかろう、神が約束してやる。お前をもとの地球に返そう。我も二度と破壊など企まぬ』


神『貴様には愛する女がいるのだろう、仲間が居るのだろう』


神『和解シヨウデハナイカ。我は、全てを、赦す』


男「……」



男「……そうだな」


男「俺には、大切な友達と、仲間と、愛する人がいる」


神『……デハ』


男「だからこそ」


男「俺は、俺の愛する人たちの為に、未来永劫貴様を、この宇宙から、消し去ってやるんだよッ!!!!!!!!」ドフンッ


神『……愚か者メガああああああああああああああああ!!!!!!!』ドシュウウ





ジュッ





男「……」


男「カーテンレールのチ○ポに、運命を翻弄されるような奴ァ、俺達だけで十分だ」


男「……」


男「……もう、地球がどっちにあるかなんて、分からなくなっちまったから」


男「心の中の、皆に言うよ」


男「……さよなら、地球のみんな」






~ カーテンキングダム城 跡地 ~


妹「……兄貴の、バカッ……!!!!」


国王「……」


女「ととさま!! どうして、どうしてなのよ!!!」


女「どうして、男君は、こんな、一人で……」


女「死ななきゃ……いけなかったって言うのよッ……」


ドイツ「……男君は、この地球の運命ごと、背負って太陽に飛び込んだんですよ」


ドイツ「この地球で滅びたのではなく、どこか遠くの星空の彼方で、魔王が息絶えたと言う事になれば」


ドイツ「もはや奴の復活を想像するものなど、誰一人いなくなる」


ドイツ「……彼は、一人の男としてではなく、地球を代表する存在として、自身の力にけじめをつけたのです」


ドイツ「……だから貴女に、一度として愛の言葉を、返すことがなかった」


ドイツ「貴女の事を、大切に思うからこそ……」




女「……勝手だよ、そんなの」


ドイツ「……」


女「私は、例え別れが一瞬先に迫っていたって、男君に愛の言葉をささやかれたかった」


女「男君が暗くて寒い宇宙に一人消えていくって言うなら、私が添い遂げたかった」


女「だって好きなんだもん!! 仕方ないでしょう!?」


女「私は!!!」


女「男君がいない世界に生き残ったって、全然うれしくない!!!」


女「男君がいなくちゃ意味なんてない!!!」


女「……どうして」


女「どうして、分かってくれないのよ、男君ッ……」


ロシア「……同感だな」


ロシア「……報告・連絡・相談。よい仕事をするのに、軍人も民間も、プロもアマも違いは無い」


ロシア「……独断専行で皆を悲しませた男には、一度説教をくれてやらねば気が済まん」




妹「……私だって、ムカついてるわよ」


妹「例え他に手段がなくたって、絶対に諦めないのが兄貴でしょ」


妹「最後の最後で自分の命を捨石にするだなんて、絶ッ対、許せない!!」


妹「ジジイ!! あんただって勇者なんでしょ!? 何とかできないワケ!!!」


国王「……」



イタリア「……じゃ、ここは俺の見せ場ってコトだな」ニイッ



妹「……イタリアさん……あッ!!!」


ロシア「……?」


イタリア「へへッ、こいつを見てみなよ」チャリ


国王「……それはッ!!!」





 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~



       ―― ストン ストン


       ―― イタリア代表「………!? お前何を!!!!!!」


       ―― 男「決まってるだろ、俺のランナーをお前に分けてやってるんだ」



 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~


女「記憶にあるわ。男君のウッディから抜き取った、カーテンランナー」


イタリア「そーゆーコト。しかもアイツ、ご丁寧にマグネットランナーも一つ、こっちに回してくれたんだよな」




イタリア「こいつを使えば、もう片方のマグネットランナーを付けたまま宇宙に消えた、男の野郎を引き戻せるって寸法さ」


ドイツ「……軽く一天文単位は先に消えていった、一人の男を引き戻すために、使うのはカーテンレールのマグネット?」


イタリア「できないと思うか? 現実主義者のドイツさんよ」


ドイツ「……」


ドイツ「いけるんじゃないですかね、全然」ニヤ


シュナイデル「ワオーン♪」






国王「……地球の周囲には、男が作り出したオーロラ・カーテンの残滓もある。やれんことは無いと思うが……」


ロシア「……なら、やるしかないだろう」スッ


妹「……そうね」スッ


女「……許さないんだから、もう」スッ


国王「……やれやれ。こんな事をして、何が起こるかわからんのだぞ」


国王「余計に厄介な何かを、宇宙の彼方から引き寄せる可能性だって」


妹「……大丈夫よ、きっと」


ロシア「……何が来ようと、また我々でブチ破ってやればよいだけのこと」


ドイツ「その為には、男君の存在が、この地球には必要不可欠なんですよ」


女「何たって、地球代表……私達の代表、だもんね?」ニコ


国王「……お前達がこんなにも眩しく見えるとは。ワシもトシかの」スッ


イタリア「……それじゃあ、こいつが最後の奇跡だ。皆、心を合わせろよ……」





『……帰って来い、男ッ!!!』







~ 数年後 カーテンキングダム城下町 新カーテンチ○ポバトルロワイヤル世界大会会場 ~




男「ここがカーテンチ○ポレールバトルロワイヤル世界大会会場か」


女「何それ。冗談のつもり?」


男「だってなぁ……」


男「カーテンチ○ポレールバトルロワイヤル大会規約第六条」


男「”大会の開催は年に一度とし、当代カーテンキングダム国王はオブザーバーとして全ての国事に優先し参加・解説を行わねばならない”」


男「……この条文、完全に嫌がらせだろ」ハァ


女「仕方ないじゃない。私と結婚しちゃった以上、国王様としての義務はしっかり果たしてもらわないと」ニコ


男「日本のご両親にはまだ許可貰ってないだろ……あーあ、お前の親父さんになんて説明すれば……」


女「……じゃあ、結婚、やめちゃう?」


男「ばー、っか」コツン


女「……えへへ」


男「妹から連絡貰ってるよ。ご両親、こっちに様子見に来てくれるんだろ」


男「そのときにでも、きっちり挨拶するさ」


女「……よろしくね、旦那様♪」






男(あの日、俺が地球に戻ってきてから)


男(俺のチ○ポは、いつの間にか元のチ○ポに戻ってしまっていて)


男(何か文句を言いたそうだった妹と女には、理不尽なくらい暴力を振るわれたような覚えがある)


男(……ちょっともったいない気はするけど、後悔はない)


男(あの後ハリウッドでスーパースターになったイタリアや、祖国に戻り書記長まで上り詰めたロシア)


男(次期国連事務総長と噂されてるドイツに、隠居しても益々元気なジイサン)


男(ペニ長は約束どおり美味い酒を奢ってくれた。ブラジルは今年こそ、アンダーヘアーカーニバルを見せてくれる約束だ)


男(忙しいアイツらも年一回、こうして大会にかこつけて、元気に俺達の前へ活躍を見せに来てくれる)


男(俺の贔屓目かもしれないけど、世界は、あの騒動の前より、少しだけいい方向に向かっている気がする)


男(だからきっと、この世界には、俺のレールチ○ポは必要なくなったって、きっとそれだけの話なんだ)


男(……女と結婚した俺は、一からカーテンレールと、インテリアの勉強を始めた)


男(今朝初めて取り付けたのは、もちろんT○SOウッディ28Bキャップと、ラグレス33Fキャップ)


男(部屋に帰ったら、女はどんな顔で、何て言ってくれるのかな……)






女「あ、そうそう」


男「?」


女「この前、病院行って来たんだけどね」


男「?? お前、どこか体、悪くしてたっけか」


女「……んもぅ」


男「……?」


女「……三ヶ月だって」


女「立派なウッディと、ラグレスだってーッ!!!」タタタッ


男「え、あ、ええ!? おい、ちょっと待てよ!!!」










男(……やれやれ)


男(俺達の騒がしい毎日は、まだまだ終わりそうに無いってトコかな……!)











                      ~ おしまい ~








※この作品はフィクションです。
 特定の会社、個人、商品等を侮辱、あるいは賞賛するものではありません。



終わってみれば、想像以上の期間と分量になってしまい、私自身驚いています。
楽しみにしてくださっていた方は、お待たせすることが多く、申し訳ありませんでした。


完全に勢いで駆け抜けた前作に、今更こんな形で続編を作ろうと思ったきっかけは、私自身の転居でした。
賃貸アパートに当たり前のように取り付けられているステンレスのカーテンに、ニ○リの処分品を吊るして
満足していた私にとって、装飾レールという世界は未知で、とても興味を引かれるものだったのです。
チ○ポに生やしたのは単なる思い付きです。
業界の方には申し訳ないと思っています。
嘘です。
実はそんなに思ってないです。


結局、私の新居にはウッディやラグレスはおろか、装飾レールをつけること自体ができませんでした。
建具やエアコンの干渉によりレールを諦める社会人のくだりは、自分自身の体験を投影しているところも多少あります。
代わりに付いたお洒落な機能レール、ネクスティを主人公にした物語をいずれ書きたいと思いましたが、現実的に無理ですね。
今回で全て出し切ってしまいました。
ちょっと寂しい感じもしますが、幸せな男君達の生活を書く事が出来て、満足しています。


皆様、長い間のお付き合い、本当にありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom