エレン「……な、ない!」(73)
エレン「アルミン!」
アルミン「エレン、どうしたの?血相変えて……」
エレン「な、無いんだよ……」
アルミン「?」
エレン「俺の……ナニが……」
アルミン「」
アルミン「ど、どういうこと?」
エレン「……」ガシッ
アルミン「!エッ、エレン何するの!?」
サワッ ムニュムニュ
アルミン「ほ、本当だ……無い……」
エレン「アルミン、俺、どうしたらいいんだ?」
アルミン「エ、エレン、僕の思い違いだと良いけど……心なしか胸も出てない?」
エレン「マジかよ……」
アルミン「僕が思うに……エレン、昨日巨人化したでしょ?」
エレン「お、おう。それがどうかしたか?」
アルミン「きっとその時、本来人間の男に戻るのに、何かの手違いで女の子になっちゃったんじゃない……?」
エレン「そんな事ってあるのかよ」
アルミン「いや、分からないけど……。巨人は奥が深いしね」
エレン「はぁ……一体どうやったら元に戻れるんだ……」
アルミン「もう一回巨人になったら、元に戻れるんじゃない?」
エレン「そうか!その手があったか!」
アルミン「……ってエレン!!今ここで巨人になったらまた監禁されるよ!?」
エレン「じゃ、じゃあどうすりゃ良いんだよ」
アルミン「巨人化の許可が出るまでは、その身体のままで居ないと駄目なんじゃないかな」
エレン「嘘だろ!?この身体じゃ立体機動も満足に出来ねぇよ!」
アルミン「だ、大丈夫だよ、大して変わらないよきっと」
エレン「……ハァ……これから巨人になるときは気をつけないとな」
アルミン「そう言えばエレン、どうするの?」
アルミン「みんなに女になったこと言うの?」
エレン「やだよ!ぜってージャンとかに馬鹿にされる!」
アルミン「じゃあ……まさか隠し通すつもり……?(あ、胃が……)」
エレン「おう!アルミン、協力してくれ!」
アルミン「出来るだけ協力はするけど、絶対ミカサにはバレると思うよ……」
エレン「大丈夫だ!何とかする!」
アルミン(もうやだこの人)
アルミン「取り合えず、もうそろそろ訓練の時間だし、この話はまた後で」
エレン「分かった」
【訓練場:対人格闘術】
エレン(うーん……やっぱ身体に違和感あるな……)
エレン(早く巨人化の許可降りねえかな……)
ミカサ「……エレン」
エレン(ゲッ!早速ミカサかよ……)
エレン「よ、よう。今日の相手はお前か?」
ミカサ「うん。……エレン、何か変わった」
エレン「な、何言ってんだよ。何も変わってねえよ」
ミカサ「何だか、華奢になった気がする」サワッ
エレン「うわ!ミ、ミカサ、お前何してんだ!」
ミカサ「胴回りも3,7センチくらい小さくなってる」
エレン「く、くすぐったいから止めろよ……」
ミカサ「……」サワサワ
アルミン「……(エレン早く離れて!)」
アルミン「どうしよう……あのままじゃ胸や股間も触られかねないぞ……」
ライナー「アルミン、どうしたんだ?急にそわそわし出して」
アルミン「ラ、ライナー、頼みがあるんだ……」
ライナー「?」
アルミン「ミカサの相手をしてくれない?」
アルミン「エレン、今日は調子が悪いって朝から言っててさ。そんな状態で対人格闘術一位のミカサと戦わせたら悪化しそうだし」
ライナー「そうか?俺には元気そうに見えるが……」
アルミン「キース教官には僕から言っとくから!お願いライナー!」
ライナー「……ったく、仕方ねえな」
アルミン「ありがとうライナー!」パァァァ
ライナー「おい、ミカサ」
ミカサ「……何?」サワサワ
エレン「だからッ、ミカサッ、あっ、や、やめろって」
ミカサ「エレン、何だか胸も……」
アルミン「エ、エレン!!!」
エレン「アルミン……こいつ何とかしてくれ……」
アルミン「そんな事言ってる場合じゃなくて!!今朝体調悪いって言ってたよね!?」
エレン「……?そんなこと無ぇけど……」
アルミン「いや、熱もあるみたいだし、僕、医務室に連れて行くよ!」
ミカサ「待って、私が……」
ライナー「ミカサ、お前は俺と対人格闘術の続きだ」
ミカサ「……そんな事関係ない」
アルミン「ミカサ、キース教官から僕が直々に頼まれたんだ。今朝からエレンの状態を良く知ってるし、僕が適任だろうって」
ミカサ「…………」
エレン「アルミン、俺どこも……」
アルミン「うわー!エレン、ちょっと風邪っぽいんじゃない!!?」
エレン「むぐっ」
アルミン「じゃ、じゃあ僕らはちょっと抜けるね!ライナー、後は宜しく!」
ミカサ「……」
ライナー「お、おう」
【医務室】
アルミン「エレン!隠す気あるの!?」
エレン「そ、そんな事言ったって、あいつすげえ力強いんだぞ」
アルミン「まぁ確かに、ミカサに組み敷かれたらもうお終いだね……ましてやエレンは今、普段より力が出せないのに」
エレン「悪い……次からは気をつける」
アルミン「まぁ、今はライナーにミカサの相手をして貰ってるから、訓練が終わるまで暫く此処に居よう」
エレン「そうだな」
アルミン(ハァ……いつまで続くんだろ)
【訓練場】
ミカサ「……」ソワソワ
ライナー(どうやらエレンの事が気になるみたいだな……確かにさっきのアルミンの態度は妙だったが……)
ライナー(どこか上の空って感じだ)
ライナー(だがこの身のこなし……さすがミカサだな)
ライナー「ミカサ……そろそろ本気を出さねえと痛い目見るぜ?」
ミカサ「…………ッ!」ガッ
ガシッ グワッ グルン ダーン!!
ミカサ「…………」
ライナー「へっ……、どうだ」
(ライナーすげぇ……あのミカサを倒してるぜ)
(マジかよ、あのミカサが……)
ザワザワ
ミカサ「……」スッ
ライナー「なっ!?」
ダーン!!
ミカサ「……言われなくても、分かってる」
ライナー「いてて……」
※時系列がかなりおかしい事になってますが、気にしないで下さい。
ミカサ「ライナー、今度は本気で行かせて貰う」
ライナー(ったく、そんな役回りだな)
ライナー「――――こい、ミカサ!」
【医務室】
アルミン「そろそろ終わった頃かな?」
アルミン「エレン、次の立体機動訓練はいける?」
エレン「おう、何とかいけると思う」
アルミン「じゃあキース教官には僕から言っとくから、医務室から出たら訓練場に向かって」
エレン「分かった」
アルミン「エレン、次はミカサに捕まらない様にしてね」
エレン「出来るだけ頑張るけどよ……もし捕まったら……」
アルミン「まぁ立体機動訓練は森の中だし、エレンはいつもミカサと一緒にやってるけど今日はジャン辺りの後ろに着いていった方が良いと思うよ」
アルミン(問題はエレンの傍からミカサが中々離れない事なんだけどね……)
アルミン(エレンは気付いてないけど、ミカサはエレンの様子を見る為にもっと早く移動出来る筈なのに、セーブしてるところがあるし)
アルミン(このことをエレンが知ったらまた無茶するだろうしなぁ……)
エレン「それは良いけど、何でジャンなんだ?」
アルミン「ジャンは一番立体機動が上手いし、参考にもなるだろ?別に嫌ならライナーとかサシャでも良いし」
エレン「……まぁ、悔しいけど、ジャンは立体機動の扱いは俺より上手いしな」
エレン「今日はジャンと勝負するつもりで行ってくる!」
アルミン「うん、その意気だよエレン!」
アルミン(さて、問題はミカサなんだけど……)
【訓練場】
エレン(うーん、アルミンから、胸が目立たないようにってサラシ貰ったけど……)
エレン(何つーか、キツイな……)
エレン(立体機動も着け難いし……)
ミカサ「……エレン」
エレン「うわっ!ミカサ……!」(やべぇ)
ミカサ「調子悪かったらしいけど、大丈夫?」
エレン「あ、ああ。全然いけるぞ」
ミカサ「……そう」
エレン「じゃ、じゃあ俺もう行くから」
ミカサ「待って」
エレン「な、何だよ」
ミカサ「エレン……私に何か隠してる」
エレン「何も隠してねえよ」
ミカサ「アルミンとこそこそ何かやってる。怪しい」
エレン「べ、別にミカサには関係ないだろ。男には積もる話もあるんだよ」
ミカサ「……私も仲間に入れて欲しい」
エレン「お前男じゃないだろ……」
ミカサ「でも……」
キース「全員揃ったか!?では、これから立体機動訓練を開始する!!位置につけ!!」
エレン「ほ、ほら、集合かかったぞ。行こうぜ」
ミカサ「…………」
キース「では、立体機動訓練を開始する!しかし、今日は全員でやるんではなく、班に別れてやって貰う!」
ミカサ「!?」
コニー「何でそんな事になってんだ?」
サシャ「何か意図でもあるんでしょうかね」モシャモシャ
ジャン「芋食ってんじゃねえよ、そろそろ始まるぞ」
キース「今日の訓練法は、アルレルト訓練兵からの提案だ!」
キース「一度に全員でやるんではなく!立体機動が不得意な者は、得意な者からその極意を学ぶべきだと提唱されたからだ!」
キース「今日の訓練は班でやって貰う!班に一人は立体機動上位者を入れる!」
キース「では、班員の名前を呼ぶぞ!」
キース「ミカサ・アッカーマン、ベルトルト・フーバー、マルコ・ボット、トーマス・ワグナー!」
ミカサ「!!(……エレンと離れた……!)」
キース「アッカーマン兵、こいつらに色々教えてやってくれ」
ミカサ「……はい」
キース「次!」
キース「ジャン・キルシュタイン、エレン・イェーガー、クリスタ・レンズ、ライナー・ブラウン!」
ジャン「っげ、エレンとかよ……」
エレン「何だよ、何か文句あんのか」
クリスタ「み、みんな宜しくね」
ライナー(結婚しよ)
ミカサ(……!エレンは違う班……。アルミンは何故こんな提案を……!)
アルミン「エレン……舞台は用意したよ」ボソッ
アルミン(まぁエレンとミカサを引き離すつもりで提案したんだけど、まさかジャンと一緒になるなんて)
アルミン(う……ミカサの視線が突き刺さる……。絶対あとで何か問い詰められるな)
アルミン「……前途多難だよ」
キース「では振り分けは決まったな!まずはアッカーマン訓練兵の班からだ!」
キース「待機の者は筋トレでもしておくように!以上!」
ミカサ「……エレン、私が居なくて大丈夫?」
エレン「大丈夫だよ、早く行ってこいって。お前が居ないと出発出来ねえだろうが」
ミカサ「怪我しないで。約束して」
エレン「分かったって。お前は俺の母ちゃんかよ」
キース「アッカーマン訓練兵!何をしている!」
ミカサ「……エレン、行ってくるね」チラッチラッ
エレン「ったく、あいつ……。何時の間にあんなに心配性になったんだ?」
ライナー「お前が危なっかしいからだろ」
エレン「……ライナー、お前何で傷だらけなんだ?」
ライナー「ミカサにこってり絞られてな」
ジャン(くそっ、エレンの奴羨ましい……!)ギリッ
―数十分後―
キース「次!キルシュタイン訓練兵の班!」
ジャン「はい!」
ジャン「じゃあ行くぞ!」
エレン「ああ」
クリスタ「はい!」
ライナー(結婚しよ)
プシュッ バッバッ
ミカサ(……エレン、頑張って)
エレン(やっぱり……ジャンは立体機動の扱いにはかなり手馴れてるな)
エレン(――標的発見!)
バシュッ!!
エレン「チッ……浅いな」
ジャン「エレン!そんなんじゃ巨人を狩れねえぞ!!」ニヤニヤ
エレン「う、うるせえ!」
エレン(只でさえ胸の違和感が凄くて集中できねえってのに、ジャンのやつ)モゾモゾ
ジャン「!」
ジャン「おい!エレン!前!」
エレン「え?」
エレン(しまった……!木が……!避けられねえ……!)
ガンッ
クリスタ「ジャン!エレンが木にぶつかって!」
ライナー「エレンのやつ、何してんだ!」
ジャン「任せろ!俺がキャッチする!」
バシュッ!! ドサッ
ジャン「一旦下に降りるぞ!」
クリスタ「はい!」
ライナー「ああ!」
ジャン「ふう……何やってんだ、こいつ……」
ジャン(てか、何か柔らかいな……まるで、女みたいな……)
クリスタ「ふふ、ジャンったらエレンをお姫様抱っこして、王子様みたい」
ライナー(……俺の女神)
ジャン「なっ、この方が運びやすいんだよ!」
ライナー「にしても……エレンのやつ、気を失ってねえか?」
ジャン「結構な勢いで木に激突したからな……。普通はあんなん避けれる筈なのに……」
クリスタ「エレン、確か今日の午前中の訓練抜けてたよね?やっぱり体調悪かったのかな」
ジャン「まぁこの訓練に参加したのはこいつの責任だ。息はあるみてえだな」
ライナー「苦しそうだし、ちょっと胸元を緩めてやったらどうだ?」
ジャン「そうだな」
スッ
ジャン「……ん?」
エレン「……んぁ……」
エレン「あれ……俺……って、お前何しようとしてんだ!」ゲシッ
クリスタ「あ、エレン気付いた?」
ジャン「てめぇ……人の好意を……」
エレン「誰も胸元開けて欲しいなんて言ってねえだろ!」
ジャン「苦しそうだったからだ!」
エレン「ていうか……俺、気失ってたのか?」
クリスタ「エレン、どうしたの?普段はこんな失敗絶対やらないのに……」
エレン「それは……」
ライナー「ま、猿も木から落ちるって事だ。こういうこともあるだろ」
クリスタ「難しい言葉知ってるのね、ライナー」クスッ
ライナー「ま、まぁな……(俺の天使!)」
ジャン「とにかく、次の班が詰まってるかもしれねえ、そろそろ移動しよう」
ライナー「エレン、動けるか?」
エレン「あ、ああ」
ジャン(…………さっきのあの、エレンの胸を一瞬触った時の感覚……)
ジャン(こいつ、一体……)
ジャン(俺の思い違いだと良いが……)
―数十分後―
キース「よし、帰ってきたようだな。次!サシャ・ブラウス班は準備しろ!」
サシャ「……!モゴモゴ」
キース「お前が何故芋を食ってるのか理由は後でたっぷり聞かせてもらう!早く行け!」
キース「キルシュタイン訓練兵」
ジャン「はっ!」
キース「今日はご苦労だったな。班の者は食事の後風呂に入れ。アッカーマン訓練兵らが先に食堂に居る筈だ」
ジャン、エレン、クリスタ、ライナー「はい!」
ライナー「ふぅ……やっと飯か」
クリスタ「そうだね。――あ、エレン、大丈夫?怪我してない?」
エレン「ああ、大きなこぶが出来ただけで、後は何とも無い」
クリスタ「そう、良かった」ニコッ
エレン「ありがとな、クリスタ」
―食堂―
ジャン「エレン……後で話があるんだが」
エレン「あ?だから悪かったよ、折角助けてもらったのに」
ジャン「いや、そのことじゃなくてよ……」
ミカサ「エレン」
ジャン(……ミカサ!)
エレン「お、ミカサか。もう飯は食ったのか?」
ミカサ「エレンを待ってた。後でアルミンも来る筈だから、待っておこう」
エレン「そうだな」
ジャン「チッ、じゃあまた後でな(ミカサと馴れ馴れしくしやがって……)」
エレン「?何怒ってんだ?」
ジャン「何でもねえよ!俺は先に食っとく!」
エレン「お、おう……」
ミカサ「エレン……こぶが出来てる」
エレン「いって!急に触るなよ……」
ミカサ「怪我しないって約束したのに……」
エレン「あー、これは俺の不注意だ。たまにはこんな事もあるだろ」
ミカサ「エレン……やっぱり……何か変わった」
エレン「またその話かよ!」
ミカサ「ちょっと身体触らせて」ワキワキ
エレン「やだよ!やめろよ!」
ミカサ「お願い」ジリッ
エレン「それ以上きてみろ、暫く口きかないぞ……!」
ミカサ「……!そ、それは嫌だ……」
エレン「じゃあ俺に触るな。今日は色々疲れてるんだからさ」
ミカサ「うん……ごめん」
エレン「分かってくれたなら良いんだよ」
ミカサ(エレン……やっぱり何か隠してる)
ミカサ(今朝はいつもより身体が柔らかかった。エレンの身体はいつもチェックしているから分かる)
ミカサ(今夜、隅々まで調べよう)
アルミン「ふぅ……あれ、エレン、ミカサ、まだご飯食べてないの?」
エレン「おう、アルミンを待ってたんだよ」
アルミン「ありがと……(ミカサがまた良からぬ事を企んでる気がするけど……ご飯の時くらいは止めておこう)」
ミカサ「いただきます」ホクホク
エレン「いただきます」
アルミン「……いただきます」
ミカサ「エレン、口についてる」
エレン「ん?あぁ」ペロッ
ミカサ「私がとろうと思ったのに……」ガーン
エレン「そんな事されたらまた周りの奴に馬鹿にされるだろ!ったく……」
アルミン「……エレン、今日の立体機動訓練、怪我したらしいね。大丈夫だった?」
エレン「おう、何かでかいこぶが出来ただけで、後は何も無ぇよ。直ぐに治るだろうし」
アルミン「そっか、エレンが怪我したってクリスタから聞いたから吃驚したよ」
エレン「それがよ、俺ぼーっとしてたみたいで、木にぶつかっちゃって」
エレン「ジャンが俺を抱えて一旦下に降りたらしいんだよ」
エレン「何気に良いとこあるよなー、あいつも」
アルミン「ジャンは何か言ってた?」
エレン「?ああ、あとで話があるって言ってたな」
アルミン(まさか……ジャンは気付いたのか?)
ミカサ(ジャン……羨ましい)ギリッ
ミカサ「そう言えばアルミン、今日は何故あんな訓練を提案したの……?」
アルミン(……来た!)
アルミン「ああ、最近ちょっと訓練も代わり映えしなかったし、エレンも伸び悩んでいたからね。何か変化が欲しかったんだ」
ミカサ「……そう」
エレン「さすがアルミン、色々考えてるんだな!」
アルミン「はは、ありがと」
アルミン(エレンの為に考えたんだけどね……)
エレン「よし、じゃあ次は風呂か」
アルミン「そうだね、一旦男子寮に戻ろうか、エレン」
ミカサ「じゃあ、また後で」
アルミン「うん、また後でね、ミカサ」
エレン「じゃーな」
アルミン「……エレン、お風呂はどうするつもり?」
エレン「んーさすがに大浴場では入れねぇし、みんなが出た後に入るつもりだけど」
アルミン「そっか」
アルミン「エレン、ジャンはいつ話があるって言ってた?」
エレン「うーん……多分風呂が終わった後だと思うけど。ま、ジャンはもう風呂に居るだろうから、話をするにしても結構遅くなりそうだな」
アルミン「エレン、多分ジャンは気付いてるよ」
エレン「は!?何でだよ!」
アルミン「今日の立体機動訓練の時、不可抗力とは言え身体を触られたんでしょ?」
エレン「まぁな……」
エレン「でもそんな長く触ってた訳じゃないし、気付かないと思ってたが」
アルミン「ジャンは妙なところで鋭いからなぁ。コニーとかだったらまだ何とかなったかもしれないけど」
エレン「じゃ、じゃあどうする?ジャンを避けるか?」
アルミン「そんな事したらジャンの疑問は当たってるって言ってるようなもんだよ」
アルミン「まぁ僕の取り越し苦労だったら良いんだけどね……」
エレン「大丈夫だって、あいつ結構頭弱いし」
アルミン「エレンとジャンは座学はどっこいどっこいじゃん」
エレン「うっせ!」
アルミン「まぁ取り合えず、僕は先に入ってくるから、エレンはそこ等辺をぶらぶらしといて。あ、ミカサとジャンとの接触は避けてね」
アルミン「誰も居ないことを確認したら呼ぶからさ!」
エレン「おう、分かった」
―大浴場―
アルミン「ふぅ……一息つけたよ……」
ライナー「よぉ、アルミン」
アルミン「あ、ライナー。今日はごめんね。大丈夫だった?」
ライナー「まぁ、多少怪我はしたが大丈夫だ」
コニー「お、アルミン。エレンはどうかしたのか?」
アルミン「ああ、エレンはちょっと用事があるらしいから、みんなより遅れて入るよ」
コニー「そうかー」
ベルトルト「エレンは今日は大変だったみたいだね」
アルミン「うん、今日はちょっと調子が悪かったみたいで」
ライナー「…………」
アルミン「あれ?そう言えばジャンは居ないの?」
ベルトルト「ああ、ジャンならさっき出たよ」
アルミン(……エレンと鉢合わせなければ良いけど)
―廊下―
エレン「暇だなー」
エレン「みんなまだ風呂だろうし……」
エレン「ん?あれは……」
ミカサ(キョロキョロ)
エレン「ミカサだ!……ここは隠れてやり過ごすぞ。アルミンの言う事もあるし」
ミカサ「エレン……さっき男子浴場を覗いたら姿が無かった……。私を探して泣いてるかもしれない……」
エレン(誰も泣いてねぇよ!)
ミカサ「ここには居ない……」スタスタ
シーン…
エレン「……行ったか?」
ジャン「……おい、エレン」
エレン「!?」
エレン「ジャ、ジャン!驚かすなよ……」
ジャン「そんな隅っこで何やってんだ?」
エレン「いや、何も」
ジャン「……エレン、話があるって言ったよな?今良いか?」
エレン「……!いや、今はちょっとアレだな……」
ジャン「直ぐに済む」スッ
エレン「……?何を……」
サワッ ムニムニ
エレン「!?!?」
ジャン「やっぱり……胸あるじゃねーか!!」
エレン「お前いきなり何触ってんだ!!」
ジャン「ちょっと待て……お前女だったのか……?」サワッ
エレン「胸だけじゃなくあそこも触ってんじゃねえよ!」
エレン「つか……マジでやめろって……んっ」
ジャン「あ、悪ィ。待てよ、お前前風呂に入ったとき胸も無かったしアレもあったよな?」
エレン(くそっ、寄りによって一番バレたくねぇ奴に……)
エレン「……巨人から人間に戻る時に色々あったんだよ。直ぐに戻る」
ジャン「そんな副作用があったのか?あの能力……」
エレン「今回だけだ」
ジャン「お前だせーなwww」プギャー
エレン「だから言いたくなかったんだよ……」
エレン「もう良いだろ……とにかくこの事は内密にしてくれ。特にミカサには」
ジャン「勿体無ぇ、こんな美味しい展開放っておくなんてよ」
ジャン「な、なぁ……どんな感じなんだ?」
エレン「は?何が?」
ジャン「女になった感じだよ!男と何か違うのか?」
エレン「うーん……胸が変な感じするな。重いし。あといつもある物が無いって言うのもすっげえ変な感じだ」
ジャン「ちょっと見せてくれよ」
エレン「はぁ?やだよ」
ジャン「良いじゃねえか、同じ男としての頼みだ!あ、今は女か」
エレン「いや、男だろうが自分の身体見せるのは嫌だろ……露出狂じゃあるまいし」
ジャン「チッ、ノリ悪いな」
エレン「……まぁ、秘密にしてくれたら後で見せてやるよ。俺も実はまだちゃんと見てねえんだ」
ジャン「マジか?二つの意味でマジか?」
ジャン「お前普通こういうのってマジマジと見るもんだろうが!」
エレン「何かお前随分熱いな……」
ジャン「いや、何かミカサとのフラグが折れたと思うと嬉しくてよ。それに女の子の身体って興味あるし」
エレン「?」
ジャン「さすがにミカサも女のお前なんかとイチャつきたいとは思わねぇだろ」
エレン「何言ってるか分かんねぇけど、そろそろ風呂だからまたあとでな」
ジャン「ああ」
アルミン(キョロキョロ)
アルミン「あ!エレン!」
エレン「お、アルミン」
アルミン「みんなもう出たよ、早くお風呂に行って」
エレン「分かった。ありがとな」
アルミン「お礼は良いから!早く入って!」
エレン「そう言えば、ジャンにばれた」
アルミン「分かったから!……ってえ?」
エレン「いきなり胸触られてよ。あれは反応できねぇな」
アルミン「いや、エレンはそれで良いの?」
エレン「もうジャンにばれたらどうでも良くなったな。まぁ取り合えず口封じはしたけど」
アルミン「僕の努力は一体……」
エレン「本当色々ごめんな、アルミン」
アルミン「ハァ……」
エレン「……あの、お詫びに何か奢るからよ」
アルミン「ジャンは……エレンの胸を触ったんだよね?」
エレン「んぁ?あ、ああ……」
アルミン「じゃあ、僕にも触らせてよ」
エレン「!?」
エレン「……まぁ、アルミンには色々世話になったしな……」
エレン「良いぞ」
アルミン「ほ、本当?」
エレン「ああ」
アルミン「じゃ、じゃあ……」スッ
モミモミ
アルミン「凄い……これが女性の胸……」
エレン「んっ、アルミン、もうちょっと優しく……」
アルミン「あ、ごめん」
エレン「こ、これで良いか?///」
アルミン(ヤ、ヤバイ……)
アルミン「も、もうちょっと」ムニュムニュ
エレン「んっ、あっ」
エレン「何か、変な気分だ……」
アルミン「エレン……」ムクッ
エレン「!?アルミン、お前……」
アルミン「え?あ……ご、ごめん!」
アルミン「エレン、ありがと!早く風呂入らないと教官に怒られるよ!」
エレン「え?あ、ああ」
アルミン「じゃあ僕は外で待ってるから!」
エレン「わ、分かった」ガラッ
エレン(……何か、アルミンに触られて……すっげえ変な気分になったな……)
アルミン(エレンに発情するなんて……親友失格だ)
エレン「ふう……何だか、やっと一息つけるって感じだな」
エレン「ちょっとまだ身体が熱いな……」
エレン「アルミン、やっぱ起ってたよな……」
エレン「そんなに女の身体って良いのか……?」
カポーン…
エレン「うーん……これが、女の身体か」サワサワ
エレン「やっぱり何か胸とか重たいし、男の方が良いな」
エレン「早く戻りてぇ……」
カポーン…
エレン「ふー、生き返るな」
ガラッ
アルミン「あ、エレン。その……さっきはごめん」
エレン「いや、俺も何か変な気分になったし……別に良いよ」
アルミン「それって、エレンも、その……ムラムラしたってこと?」
エレン「ムラムラって……ま、まぁそんな感じだな」
アルミン(もしかして……エレンも満更じゃないのかな?)
アルミン「エレン、その……さっきの続きしない?」
エレン「えっ」
アルミン「あ!い、嫌なら良いんだ……」
エレン「……じゃない」
アルミン「え?」
エレン「……嫌じゃねえよ///」
アルミン「エレンッ!」ギュッ
エレン「あっ……」
チュッチュッ
エレン「あんっ、あっ」
アッー
―数十分後―
アルミン「エレン、気持ちよかったよ」
エレン「お前なぁ……腰痛ぇ……」
アルミン「ごめん、またお風呂に入らないといけないね」
エレン「そうだな。どうせヤるんなら入る前にヤれば良かった……」
エレン「まぁいっか。さっさと入ってくる」
アルミン「うん」
エレン「俺何回風呂入れば良いんだ……」
エレン「……ん?」モゾモゾ
エレン「アッ、アルミン!」
アルミン「エ、エレンどうしたの?大きな声出して」
エレン「俺……血が……」
アルミン「あ、ああ。初めてはそうなるんだよ。大丈夫、病気じゃない」
エレン「そ、そうか。良かった……」
アルミン「ちゃんと洗い流してね」
エレン「おう」
エレン(何かアルミンやけに詳しいな……そっち方面も勉強してたのか……)
エレン「女って大変だな……」
アルミン「エレン、腰大丈夫?」
エレン「まだ違和感あるけど、大丈夫だ」
アルミン「そっか、良かった」
エレン「もう今日は疲れたな。明日に備えて寝るか」
アルミン「そうだね」
―男子寮―
コニー「あ、エレン。さっきミカサが探してたぞ」
エレン「あー、さっき逢ったから大丈夫だ」
ライナー「大丈夫だったか?今日は随分調子が悪そうだったぞ」
エレン「ああ、もうすっかり元気だ」
エレン「今日は足引っ張っちまって悪かった」
ライナー「気にすんなよ」
アルミン「もうそろそろ消灯時間だよね?」
ベルトルト「ああ、そうだね」
エレン「よし、じゃあ寝るか!」
チョンチョン
エレン「ん?何だよジャン」
ジャン「エレン、さっき約束しただろ」コソコソ
エレン「あー、もう今日は寝て良いか?疲れてんだ」
ジャン「そうか……」ショボン
エレン「じゃ、おやすみ」
ジャン「あ、ああ」
―深夜:男子寮―
ミカサ「……結局、エレンを見つけられなかった……」
ミカサ「もう夜這いしかない」
ガチャ
ミカサ(みんな寝てる……)
ミカサ「……エレン」
エレン「んむぅ……」
ミカサ「エレン……可愛い」プニッ
エレン「……んん」
ミカサ「エレン……エレン……」サワサワ
ミカサ「……!」
ミカサ「エレン……胸がある……。それにアレが無い……」
ミカサ「やっぱり……アルミンとこそこそしてると思ったら、この事だった……」
ミカサ「エレン……貴方が女の子になっても、私は……」チュッチュッ
エレン「あっ……」
ミカサ「エレン……」
―朝―
エレン「何かあんまり寝た感じしねぇな……」
アルミン「エレン、おはよう」
キース「失礼する!エレン・イェーガーはいるか!」
エレン「はっ!」
キース「エルヴィン団長がお呼びだ!至急準備するように!」
エレン(やった……!もしかして巨人化の許可が!)
アルミン「エレン、元に戻れるかもね」
エレン「おう!楽しみだ!」
アルミン(ちょっと名残惜しい気もするけど……やっぱりエレンは男のままが一番だよね)
ジャン「ちょっ、ちょっと待てエレン!昨日の……」
エレン「悪いジャン!もう行かねえと!」
ジャン「」
こうしてエレンは再び巨人化し、元の性別に戻れましたとさ。
終わり
このSSまとめへのコメント
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