【咲×金田一】京太郎「君にこの謎が解けるか!?」咲「問題編」【リメイク】 (873)



※ このスレは【金田一少年の事件簿】と【咲】のクロスオーバーとなります

※ このスレは以前豆腐メンタルの>>1が投げたスレのリメイクです

※ 京太郎が主人公であり、咲キャラの死亡・殺人描写アリ

※ 金田一特有のクッソ重い動機、外道化などがありますが咲キャラはみんな好きです

※ 不定期更新

※ 作者はミステリー初心者

※ 問題編・解答編の二つを書く予定

※ 前回から変更してる部分もあります


【答えられない質問例】
「○○が犯人でしょ?」「○○を使ったんじゃない?」「○○で、○○すれば犯行可能じゃね?」「○○は死にますか?」


※核心に迫る質問や、自分が分かったからといって解答するのはなるべくご遠慮ください
 全ての事件終了後に考察・推理するパートを設けるので、そこで自分なりの答えを書けばOK


【答える質問例】
「死体の状況を詳しく教えて欲しい」「凶器の特徴をもっと詳しく」

※一応本文だけで解けるようにはしてる筈ですが
 分かりづらい場合や、もっと詳細な情報が知りたい時に質問してください。




 初めましての方はどうぞごゆっくり

 お久しぶりの方は取り敢えず、前回はすみませんでした Orz
 あれから私も成長しましたのご安心を……(震え声)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405349447

おひさしぶり
個人的には金田一が咲の幼馴染の方が見たい
和にはデレデレのキンダニがイメージできる


京太郎は別世界で美幸と草太で学生生活を送っててほしい


 >>2
 お久しぶりです
 一応この世界にはじめちゃんは存在するので、いずれ絡めたらいいなと思います



【長野 商店街】


<サァーイラッシャイ イラッシャイ>

 
<ヤスイヨー  チリーンチリーン  

<ヨッテラッシャーイ!

 
 
金髪の少年「いやぁ、まさか岩手に旅行だなんてなぁ……」スタスタ


茶髪の少女「麻雀部全員で旅行なんて、楽しみだよね」ニコニコ

金髪の少年「とは言っても、俺はどうせ付いていけないだろ」ハァ

茶髪の少女「そんなことないよ!!」アタフタ

金髪の少年「だといいんだけど……」テクテク

???「……」ジーッ

金髪の少年「……ん?」チラッ

茶髪の少女「どうかしたの?」

金髪の少年「いや……気のせいか?」ウーン

???「……」ニヤァ

 これは絶好のチャンスなのだ
 ずっと、ずっと待ち焦がれた……


???「その為なら……」フフッ


 先は長い
 ゆっくり時間をかけて計画を練ろう


 全ては……あの人の為に





【一週間後 清澄高校 お昼休み】


A子「うっそ~!? 宮永さんったら原村さんのことフッちゃったの!?」ビックリ

咲「ちょ……ちょっと! フッたとかそういうわけじゃないよ……」アタフタ

B子「原村さんって同じ麻雀部で……しかも、一緒に全国優勝したパートナーでしょ!?」

C子「それなのにどうして付き合わないの?」ソウソウ

咲「付き合うって。別に告白されたわけじゃないし……そもそも女の子同士だし……」マッカッカ

B子「えーっ、女の子同士なんて今時普通だよ?」

A子「うん、IPS様々だよね~」ウナズキ

咲「いや、でも……」

D子「ねぇ、もしかして宮永さんって……あの須賀京太郎が好きとか?」

咲「っ!」ドキッ



京太郎「ぶあーっくしょん!!」ズビー

嫁田「おいおい、風邪か?」ウツスナヨ

京太郎「ばーろー、誰か女の子が俺の噂してんだよ」ニヤニヤ

嫁田「お、おう……」

 ナンダソノメハー!? ベツニナンモイッテネーヨ! 


A子「ぷっ……!」

B子「やっだぁ~~!! あんなクズ男と宮永さんじゃ釣り合わないよ~」ゲラゲラ

D子「だよね、あんな麻雀部の腰巾着!」アハハ

咲「……むっ」ムスッ



一ちゃんはやればできる典型的なタイプ
明智さんと高遠はあんなすごい高校の首席なので渡り合えるのはすごい。主人公補正もあるが



 えー、皆さんはじめまして。私は宮永咲
 ただ今清澄高校一年生で、麻雀部に所属しています。

 そして、彼がウワサの……

京太郎「おおう!! 見ろよ、この牌のおねえさんのグラビア!!」ドキドキ

嫁田「うぉぉぉ!! まるでアラサーには見えないよな!!」モンモン

京太郎「うぉぉぉぉ!! これなんかモロじゃね!? モロだぜ!!」バタバタ

教師A「こら!! 学校になんてもんを持ち込んどる!!」ガラガラ

京太郎「うげっ!? い、いやこれはですね!!!」アタフタ

教師A「ばっかもーん!!! 罰として今日は居残りで校庭の草むしりだ!!」

京太郎「しょ、しょんな~!?」ガクガク

咲「……はぁ」タメイキ


 この少々頼りない彼が……幼稚園からの私の幼馴染
 須賀京太郎――京ちゃんなのです



【清澄高校 職員室】


教師A「全く、女子の麻雀部は全国優勝だというのに……」

教師I「ええ、あの須賀とかいう男子は何をやっているんだ!」ムスッ

教師U「全くだ。お陰で我々男の立場がない!!」ダンッ!

女教師「いや、彼は中々面白い子ですよ?」ニヤリ

教師I「どういう意味ですかな?」

教師U「彼は成績は悪い、運動は苦手。麻雀部の雑用しか取り柄のない屑じゃないですか」ハッキリ

教師Y「これもうわかんねぇな……お前どう?」

女教師「私は、彼は他の生徒にはない「何か」を持っている……そんな気がしますけどね」フフッ

教師I「またまたぁ……考えすぎですよ!」ハハハ


女教師「みなさんご存知ないのかしら? 須賀君が……」


 ある、天才と言われた人物――その孫の従兄弟だということを




【一週間後 長野駅】


 私達麻雀部が全国大会で優勝したのは数ヶ月前。
 長くて……とても辛い戦いばかりだったけどなんとか優勝できたんだ

 みんなは私達の力だけで優勝したと思っているけど……
 そこに一番貢献したのは京ちゃん
 
 寝る間も惜しんで私達の為に雑用を買って出てくれた
 それなのに、大会が終わった今でも京ちゃんは……


京太郎「部長~、これはこっちでいいっすか?」ハァハァ

久「ええ。あとこれもよろしくね」ニッコリ

和「それでは私の分もお願いします」ドサッ

優希「これもお願いだじぇ~!!」ドサドサッ

京太郎「こんなにいっぱいは持てませんよ!?」ドヒャー

久「あら、雑用係が旅行に付いてくる条件だったでしょ?」

和「それとも今から帰りますか? 帰りますよね? 是非帰ってください」ジトーッ

京太郎「が、頑張ります!!」ビシッ

咲「み、みんな、京ちゃんが可哀想だよ……」グスッ

 今日は麻雀部での慰安旅行
 本当は大会の直後に行く予定だったんだけど……

久「とは言っても、なんでわざわざスキーしに岩手まで行くことになったんだっけ?」ハァ

和「私は夏に海でもよかったんですが……」

優希「そもそも長野でスキーできるじょ」マジレス

京太郎「いやいや!! 部長が宮守の人と約束したんでしょ!!」

咲「うん、姉帯さんとの約束だね」


 それは、遡ること数ヶ月前……




【数ヶ月前 全国高校生麻雀大会 女子団体戦決勝】


恒子「し、試合終了!! 全国を制したのはなんと!! 清澄高校だーっ!!!」

淡「ま……負けた?」ガクッ

咲「はぁっ……はぁ、やった」フゥ

照「……」スッ

咲「あっ、お姉ちゃん」バッ

照「負けたよ咲。咲は……私の自慢の妹だね」ニッコリ

咲「お姉ちゃん……私」グスッ

照「馬鹿、勝ったのになんで泣くの……?」グスッ

咲「お姉ちゃん、私ぃ……」グスグス

 タタタッ

京太郎「やったな、咲!」ニカッ

咲「うん!!」ニコッ

久「凄いわ!! 優勝よ優勝!!」ワイワイ

まこ「ああ、やったのう!!」ガッツポーズ

優希「優勝だじぇー!!」ピョンピョン

和「これで……転校しなくて済むんですね」グスッ


 
 お祝いムードの私達
 それを祝うように今までの対戦校の人達も顔を出してくれた

 でも、私はやっぱり

咲「京ちゃん、ありがとう」

京太郎「ん? なんで……?」キョトン

咲「だって、私が勝てたのは……//」カァッ

 トテトテ

豊音「優勝おめでとー!」パチパチ

咲「うぇっ!?」ビクッ

京太郎「あれ? 貴女は確か……宮守の?」キョトン

豊音「姉帯豊音だよー!」ニッコリ

まこ「わざわざ、すまんのう」

久「姉帯さん、ありがとう。貴方達の為にも頑張ったわ」フフッ

豊音「そうだ、何かお祝いしなきゃ!! ……でも、何かあったかな?」ガサゴソ

まこ「別に気を使わんでも……」

優希「そうだじょ。別にモノが欲しくて頑張ったわけじゃないじぇ」ドヤッ

豊音「そういうわけにも……あ、そうだ。これあげるよー」スッ

和「これは……ペンションの宿泊券ですか?」キョトン

豊音「うん。叔父さんがやってるペンションだよ~!」ニコニコ

優希「ここって、スキーの名所として有名だじぇ!」タシカ

まこ「ああ、確かにそうじゃな」ウンウン

久「それはいいわね。冬になったら必ず伺うわ」ニッコリ

豊音「喜んでくれて、ちょー嬉しいよー!」ニコニコ

久「優勝祝いもそこでやれば一石二鳥ね」フフフ





【現在 長野 某駅】


京太郎「てな感じで!!」クワッ

久「あー、そういえばそんな流れだったかしら?」ウーン

和「いいんじゃないですか。須賀君以外はタダなんですから」ニッコリ

優希「タダより高いものは無いじぇ!」ニヒヒ

 ワイワイ ヤイノヤイノ

咲「あの……そういえば染谷先輩は?」

久「ああ、まこなら家の用事で遅れるみたいね。向こうで合流の予定よ」

京太郎「た、助かった。これ以上は荷物持てないって……」ホッ

和「自分が楽できるからって最低ですね」ペッ

京太郎「いや、そんなつもりじゃ!!」アタフタ

久「はいはい、私語はそこまで。 早く電車に乗るわよ!」

和「……」プイッ

京太郎「うぅっ、和に嫌われてんのかな俺……」シクシク

咲「京ちゃん……」

久「ほら、早く荷物を運んでちょうだい!」

京太郎「は、はいっす!!」スタコラー



 ガタンゴトン ガタンゴトン



 こうして私達、麻雀部のメンバーは長野を発ちました
 だがこの時、私は想像もしませんでした

 この旅行がこれから起こる
 忌まわしき連続殺人へ導くことになるなんて――



~雀姫伝説殺人事件~ 
https://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w






【12月10日 電車内】


京太郎「はぁ、疲れたぜ……」ドサッ

咲「京ちゃん、お疲れ様」ニッコリ

京太郎「いくら雑用係とはいえ、ここまでこき使うか?」ゲンナリ

咲「ごめんね。いつも京ちゃんばっかり」シュン

京太郎「いや、別にいいんだけどよ!」アタフタ

 雑用を押し付けてくるのはほとんど部長と和だ
 優希は少し調子に乗るが、普段はそれほどでもない

京太郎「お前が気にすることじゃねぇって」ポンポン

咲「うん……」

久「ねーねー、咲。須賀君なんか放ってこっちに来ない?」スッ

和「トランプでもしましょうか」ニッコリ

咲「あ、うん。それなら京ちゃんも……」

京太郎「俺は……」チラッ

和「……」ジトーッ

京太郎「いい、疲れたし寝ておくよ」ハァ

咲「そっか。それじゃあ、また後でね」

和「さぁ、行きましょう」ニコニコ

咲「うん……」トテトテ

 スタスタスタ

和「咲さん、あんな男のどこがいいんですか?」バッサリ

咲「え?」キョトン

和「須賀君はスケベでアホなダメ男ですよ。いくら咲さんが優しいからって……」

久「確かにそうよねー」ウンウン

咲「やめてよ! 確かに京ちゃんはえっちでマヌケな朴念仁だけど! そんな言い方ないよ!」

和「っ!?」ビクッ

優希「咲ちゃん、声が大きいじょ」アキレ



京太郎「……(お前の言い方もねーよ)」ピクピク



【数十分後】


久「ふふっ、さっき優希が選んだ牌はこれね」ニッコリ

優希「すごい!! タネを教えて欲しいじぇ!」オオー!

久「まぁ、ちょっとした超能力かしら」ニヤリ

和「そんなオカルトありえません」キッパリ

久「それじゃあ、和も牌を選びなさい。私が当ててあげるわ」クスクス

和「それなら……」

 箱に入れられたいくつかの牌
 遠目には高級そうに見える、古めかしい竹牌だ
 
 名指しされた人がその中から牌を一つ取り出し、絵を確認してから元に戻す
 その戻した牌を部長が当てるというマジックらしい 


和「では、これを」スッ

久「ふーん、それはねぇ……」フフ

京太郎「部長、ちょっとこれはチープすぎませんか?」ニヤリ

久「えっ!?」ビクッ

和「なんですか須賀君。邪魔しないでください」イラッ

 突然の横入りのせいか、それとも単に俺が気に入らないのか
 不機嫌そうに和がこちらを見る

咲「京ちゃん、トリックが分かったの?」

京太郎「ああ、まぁな。でも言わないほうがいいですよね?」チラッ

久「……別にいいわよ。本当に分かってるならね」フフン


 挑発するように部長が鼻で笑う
 これにはさすがの俺も、ほんの少しだけムカついた



この京太郎顔面の方はどういう設定なんだろう

>>19
草太あたりの「美はつけていいかな」レベルじゃね?


 
 こんなことでムキになるのもガキくさいけど
 日頃からこき使われてるし、たまにはやり返してみるか。

京太郎「よく見てみろよその牌。高級そうに見えるだろ?」スッ

和「そういえば、年季が入っている感じですね」

京太郎「側面のキズを見てみろよ、ほら」スッ

 俺は和の手に握られたイーピンを手に取る
 案の定、それには仕掛けがあるわけだが

京太郎「少し小さな傷がある。なんてことないほんのかすり傷だけど、何に見える?」

咲「なんとなく……Aの形に見えるかな?」

京太郎「そう。そんな風にアルファベットに似た傷が、それぞれの牌に付いてるってわけ」

久「……」

京太郎「こうやって、傷の位置や形で牌を覚えるわけだ」スッ

 箱に入ってる牌は多くても20
 ある程度の法則を覚えれば難しい話じゃない

優希「なんだとー!? ガン牌だったのか!?」オドロキ

久「あら、その証拠はあるのかしら?」

 詰め寄る優希を、なんでもないかのように受け流す部長。
 どうやら、認めるつもりはないらしい

京太郎「確かに、証拠にはなりませんね」

久「そうでしょう? これでイチャモンとはいい度胸じゃない」ギロリ

咲「きょ、京ちゃん?」ハラハラ

京太郎「それなら、俺が部長よりすごいマジックを見せますよ」スッ

久「えっ?」

京太郎「もしそれが部長のマジックより上なら、文句ないでしょう?」ニッコリ

 このまま謝れば事なきを得る
 けど、それじゃあダメだよな……はじめ兄



京太郎「それじゃあ、部長は好きな牌を一つだけ選んでください」スッ

久「ええ」スッ

 部長が手にとったのは三萬
 俺はそれを確認してから、適当な数の牌を横一列に並べた

京太郎「ここに四つの牌を並べました。好きな場所にそれを挟んでくれますか?」

久「……」

? ? 三 ? ?

京太郎「真ん中ですね?」

久「ええ、いいわよ」

京太郎「それじゃあ、その三萬を裏返してください」スッ

久「……」クルン

和「なんのつもりですか?」イライラ

京太郎「ま、見てろって!」ウィンク

和「キモイです、死んでください」ペッ

京太郎「……」ションボリ


? ? (三?) ? ?


久「それで、これからどうするの?」

京太郎「んじゃ、この真ん中の牌はなんだと思いますか?」ニコニコ

久「はっ? 三萬に決まってるじゃない」

京太郎「果たして、本当にそうかな?」メクリ




? ? 一 ? ?


久「えっ!?」ビクッ

和「そんな!!」バッ

京太郎「あちゃー残念! 外れですね部長」ニヤリ

久「そ、それじゃあこっちに!!」バッ

 納得行かない様子で、部長が残りの牌を裏返す
 だけど、それも勿論想定内


二 四 一 五 七


優希「ありゃ!? 三萬が無いじょ!!」ビックリ

久「ど、どこに行ったの!?」ドキドキ

京太郎「部長、それを俺に聞くのは野暮ってもんですよ?」ニヤリ

久「……? それって、どうい……う!?」ゾクッ

咲「部長、どうかしました?」

久「な、なんか胸に違和感が」モゾモゾ

 服の隙間から腕を入れて、胸をまさぐる部長
 咲達はそれを不安そうに眺めている

久「これって……まさか!?」ゾワッ

京太郎「お、そんな場所にいたのか。羨ましい奴だなぁ」ニヤニヤ

久「さ、三萬……!」 つ三萬

優希「す、すっごいじぇー!!」パチパチ

和「SOA」ガクガク

咲「京ちゃんすごーい!!」パチパチ




久「(す、須賀君ったらいつの間に!?)」ドキドキ

京太郎「やっぱ手品はテクニック勝負っすよ。こんなデパートで買ったような物じゃなくて」クスクス

久「なっ!? なんでそれを!? まさか、見ていたの!?」アワアワ

京太郎「いいえ、そんなことしなくても分かりますよ」
  
咲「えっ? どうして……?」

京太郎「その牌、よーく見てみろよ」
 
 一見高級そうに見えるこの竹牌だが実は全くの安物だ

京太郎「これは竹牌に見えるけど、実際は竹じゃないんだよ」

和「どうして、それが分かるんですか?」

京太郎「木目さ」ニヤリ

咲「木目?」

京太郎「竹牌が使われなくなった大きな理由の一つが、木目だってことは知ってるか?」

 竹牌は欠けやすい材質で木目によってもガン牌しやすい
 だから、背までを樹脂で成型した牌が主流になった





久「それは知ってるけど、それとなんの関係があるのよ」ムスッ

京太郎「この牌、木目が全部同じなんですよ。微塵の誤差もなく」スッ

咲「えっ!? そうなの!?」ジーッ

 俺に言われ、慌てて牌を確認する咲達
 
優希「た、確かに寸分の狂いもないじぇ……」オドロキ

京太郎「大量生産の証拠だよ。傷の具合で本物っぽく見えるけどな」

久「で、でもどうしてデパートのことが分かったの!?」

京太郎「ああ、それはコレっすね」ペラッ

久「あ、それは……」

京太郎「さっき落としましたよ?」ニヤニヤ

 俺が取り出したのは一枚のレシート
 荷物運びの最中に部長のカバンから落ちたものだ


【○×デパート 12月9日 午前11時17分 マジック雀牌 980円】 


久「か、返しなさい!!」カァッ

京太郎「なっ? これなら、アホなダメ男でも簡単だろ」ニッ

和「気持ち悪いです。死ねばいいのに」ボソッ

京太郎「ひどい……」グスッ

咲「ま、まぁまぁ!」アセアセ

優希「犬のクセに生意気だじょ!!」ウガー

京太郎「言ったなコイツ!?」ベシッ
 
優希「いやーん、えっちー!」ニャハハ

咲「京ちゃーん?」ゴゴゴゴッ

京太郎「ば、馬鹿!? 誤解だっての!?」アタフタ

 こうして、あっという間に電車での時間は過ぎていった

和「……」ジーッ



はじめ兄と同じで変なことは知っているなwww



【岩手 某スキー場】


京太郎「ふーっ、やっと着いたな!」

 俺達がたどり着いたのは一面の銀世界
 広大な自然に包まれた雪の世界は、まるで幻想の中のようにも思える

咲「うわぁ……広いね!」ニコニコ

久「ほら、モタモタしてないで行くわよ」ザッザッ

優希「あのロープウェイに乗ってみたいじぇ!!」ピョンピョン

京太郎「そういや、俺たちの泊まるペンションはあの山の上って書いてるな」パンフヨミヨミ

久「あら、それじゃあまずはロープウェイに乗らないといけないわね」

優希「おぉー!! やったじょ!」グッ

和「そろそろ日も沈みそうですし、早くペンションに向かいましょう」ザクザク

咲「あっ、待ってよ和ちゃん」トテトテ 

 スッテンコロリン

咲「ひゃっ!?」ズボッ

京太郎「おいおい、しっかりしろよ」ダキッ

咲「う、うん//」カァッ

久「仲がいいわね、アンタ達」フフッ

優希「うわー、私もこけちゃったじょー」ボウヨミ

京太郎「し・ら・ねー!」ぷいっ

優希「なんだとー!?」グヌヌヌ

和「……」ギリギリッ

 ゴウンゴウンゴウン ギーッ

久「戻ってきたわね。ほら、乗るわよ」

京太郎「はい!!」ザクザク

 ん? この看板?


  【牌姫の祟りに触れるな!!】


京太郎「牌……姫?」キョトン

咲「京ちゃーん!! 早く早くー!!」

京太郎「あ、ああ」

 それにしてもこのロープウェイ大丈夫か?
 もしこれが壊れでもしたら麓に降りられない気が……



問題は存在を知ったら高遠はどう思うか




【12月10日 ペンション前】


 ゴウンゴウンゴウン ギギーッ

久「ふぅ、やっと着いたわね」

優希「いい景色だったじぇ!!」ピョーン

和「結構高いんですね」ザクザク

久「さて、私たちの泊まるペンションはっと」キョロキョロ

咲「あっ、あれかな?」

京太郎「うわぁ、でっけぇ」

 俺が予想していたのはもっとこじんまりとした建物だったけど、これはその二倍はある
 建物自体も比較的新しい感じだ

京太郎「姉帯さんの家って金持ちなんだな」

咲「ねぇ、早く入ろうよ!」ワクワク

久「そうね。今日はなんだか疲れちゃったわ」フゥ

優希「私が一番乗りだじぇー!!」スタコラ

京太郎「おいおい、走るとあぶねーぞ!」ヤレヤレ 

 ロープウェイで10分かけて登った先にあるペンション
 西洋風の小奇麗なこの建物が……
 血塗られた事件の舞台になるなんて、この時誰が予想しえたのだろうか


京太郎「そういや、さっきの看板。牌姫って一体なんなんだ?」

 後で姉帯さんにでも聞いてみよう





【17:10 ペンションPOPOPO 入口】

 ギギィー

京太郎「うぉっ、中も広いな」スタスタ

咲「へぇ~、綺麗だね」ニコニコ

優希「うーん」

京太郎「おい、どうしたんだ優希。ぼーっと立ったりして」

 フロントの前で苛立たしげに立っている優希
 どうかしたんだろうか?

優希「さっきから呼んでるのに従業員が出てこないんだじぇ!」ムスッ

京太郎「まじかよ。どうしましょうか?」

久「勝手に部屋に行くわけにもいかないわよねぇ」ウーン

和「どこかで仕事でもしているんじゃないですか?」

咲「待ってればすぐに来るかも……」

京太郎「とは言ってもなぁ」スタスタ

 人の気配は一応感じる
 だけどどうして出てこないんだ?




京太郎「とりあえずフロントの奥に扉があるから、そこにいるんじゃないか?」

優希「よーし、それじゃあいっちょ行ってくるじょ!!」

 そう言うと優希がカウンターをよじ登って奥に入ろうと足を上げた

京太郎「ぶっ!」

 こんなにクソ寒いのにスカートなんか履いてるから……
 優希さん、中身が丸見えです

久「優希、アソコ見えてるわよー」アキレ

優希「うぇっ!?」バッ
 
京太郎「あっ!? 馬鹿!!」

 慌てて飛び降りた優希の足が、カウンターの上の花瓶に直撃
 グラグラと揺れてその花瓶が地面へと……

???「おっと、危ないよー!」ガシッ






        !?





京太郎「えっ!?」



 数秒後には木っ端微塵になると思っていた花瓶が、寸前のところでキャッチされる
 この見覚えのある長い腕は……

咲「姉帯さん!!」

豊音「豊音でいいよ~」ニコニコ

                      _____

                    ...:::´::::::::::::::::::::::`::.、
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 そう、姉帯豊音さんだ。
 確かここのオーナーの姪に当たるんだよな?

京太郎「お久しぶりです。姉帯さんも来てたんですね」

豊音「色々事情があってね。あと、豊音でいいよー!」プンプン

京太郎「すいません、豊音さん」ペコリ

豊音「うん! おっけーだよ~!!」ニッコリ

 この人、見た目は大きくて大人っぽいのに……子供だ
 まぁそこがいいんですけどね、いやまじで。

久「じゃあ豊音、チェックインを済ませたいんだけど」ズイッ

和「オーナーさんか、従業員はどこにいるんですか?」

豊音「あれ? おかしいねー。確かカウンターにいる筈なんだけどー」チラッ

 不可解そうに豊音さんがカウンター越しにフロントを覗き込む
 キョロキョロと見回したあと、何かを発見したような仕草を見せた





豊音「あーっ!! こんな場所にいたんだー!」

京太郎「えっ?」

エイスリン「……ゴメンナサイ」ヒョコッ

 カウンターの下から姿を見せたのは……とんっでもない美少女!!
 この人は確か

優希「あーっ!! 宮守の次鋒だじぇ!!」

京太郎「確か、エイスリンさん?」

エイスリン「うぅ、イラッシャイマセ」ペコリ


         / /\)ー‐'´    |  |                      ∨∧丶
       〈 `ニ=-         |  |                    ∨∧
        ゚.~`''' ァ-= `ニ=- |  |                        ∨∧
        }  ノ ノ    /7ァー=  ニ=-                      ∨∧
       /     /    ///  / /7 -= `ニ=-                ∨∧
        /     /    ///   / // ,/   /  -=ニ `ニ=-       ∨∧
.      /     /    //   / _//___/__,  /  / /  l  -=ニ `ニ=-  ∨∧
.       /    ,′   〃 ,,.イ从{/l /l   /  / /、   リ  l |  | ` -=ニ `ニ
     ,'     ;   /  ∧il〉  ≠ミ }彡イ彡/ /  ヽ/   リリ  |
     ,′   ;  /  ∧( ¶〈{' ん℃ハ     ̄}___/_//   //  八
    ,'      ;  /  //∧_{ υ廴)ジ      斗=ミ厶彡仏彡'  |i
   ,′     ; /  ///  !  ,,,,        ん℃ハ〉/ \il〉∧ ノ'
   ,'      ;´ |  {-ミi  ∧      ,     ゞ-ぅ。'/    i   ∨
  ,′     ;  |  |  `ー彡\   、      '''  ∧!  ∧   '.
 ノ      ; 八  ∨   /    \   ̄    . ゚イ リ  /  i   i    
´/       ∧  ∧  ∨/{__∠ヽ[≧=- =≦----=ミ  /  /  /    
/!      ; i   /}  }  \::::::::::介ー‐=ミ \  /  \/  /    
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/!      /リ 〃 /  /     ̄    ヽ/   (⌒) {{ {  `丶  
八   / 厶イ 厶 イ                 } ))ノ /   } 

 もじもじと顔を赤らめながらエイスリンさんが頭を下げる
 だけどどうしてエイスリンさんが従業員を……?




豊音「もう、エイちゃん出てきてよー」プンプン

エイスリン「ゴメンネ」パカッ

優希「おう!? ここが開く仕組みなのかー!?」
 
 カウンターの右側が開閉する仕組みになっているらしい
 なるほど、そうやって従業員が出入りするのか

京太郎「ま、それでも普通は乗り越えようとしねーって」

優希「う、うるさいじぇ!」カァッ

久「でも、いるならどうして出てこないのよ?」チラッ

エイスリン「ゴメンナサイ」グスッ

久「な、なにも泣かなくたって」アタフタ

豊音「エイちゃんはまだ初日なんだよ~」ナデナデ

エイスリン「キンチョウシチャッテ」ションボリ

 だからって、カウンターの下に隠れる必要は無いと思うんだけど
 随分な人見知りなんだろうか?

京太郎「エイスリンさんはバイトですか?」

豊音「うん、そうだよー。シロちゃんとかも誘ったんだけどねー」

優希「とてもじゃないけど、来そうな奴じゃないじょ」アキレ

エイスリン「……」カキカキ (ごろ寝するシロの絵)

京太郎「へぇ、絵が上手いんですね!」ニコニコ

エイスリン「……//」テレテレ





久「そうだ。オーナーさんに挨拶しておきたいんだけど」

豊音「あ、叔父さんのことかな? だったら、ごめんねー」ウツムキ

咲「どうかしたんですか?」

豊音「実は叔父さん怪我しちゃったんだ」ションボリ

京太郎「えっ!? 大丈夫なんですか?」

豊音「うん、大丈夫だよー。だけど、しばらく入院することになって……」

 なるほど、それで豊音さんが代理ってことか
 だけど女の子にペンションを任せるなんて、なんつー叔父さんだよ

久「女手だけじゃ大変じゃない? 客に変態とかがいたら……」

豊音「今日のお客さんはみんな女子校生なんだよー!」

和「そうですか。でも残念でしたね、もう変態は紛れ込んでいます」チラッ

京太郎「あ、あははっ……」ピクピク

豊音「須賀君ならちょー歓迎だよー!」ニコニコ

咲「ふーん?」ジロッ

京太郎「お、俺はなにもしてないぞ!」アタフタ

豊音「全国大会でその……ううん、なんでもないよー//」カァッ

咲「……後で詳しく聞かせてくださいね」

京太郎「待て、咲。俺たちには話し合いの余地がある筈だ」タラー

和「そのまま殺しても構いませんよ、咲さん」ニッコリ

京太郎「お前も煽るなよ!?」



~~数分後~~


豊音「それじゃあ部屋に案内するよー」ニコニコ

京太郎「ふぁ、ふぁい」ボロボロ

咲「ふん!」プンプン


 咲の奴、どんどん凶暴化しやがって……
 つーかなんで俺が怒られるんだよ!


和「早く行ってください」ドンッ

京太郎「あだだっ!?」

エイスリン「ダイジョウブ?」スッ

京太郎「あ、すみません」

エイスリン「アノ、スガクン。チョットキキタイ……」 ヒソヒソ

京太郎「えっ?」


咲「もう、早く来てよ京ちゃん!!」プンプン

久「置いてくわよー!」

京太郎「はーい、すぐに行きますー!!」ダダッ


エイスリン「……イッチャッタ」ポツーン



【17:20 2階廊下】


豊音「二階は全部客室になってるんだよー」トテトテ

京太郎「はぇ~、結構な部屋数ありますね」

豊音「うん、希望が無い限りは一人に一部屋割り振れるねー」ニコニコ

久「別に希望は無いわよ。みんなもツインよりは一人部屋の方がいいでしょ?」

咲「私はどっちでもいいですよ」

和「それなら私と同じ部屋に」

優希「京太郎と同じ部屋にするじょ!」ニヒヒ

京太郎「い・や・だ・ね!!」

優希「こらー!! アナタ浮気してるのかー!?」ウガー

京太郎「誰がアナタだ!! ていうか浮気ってなんだよ!?」

豊音「ふふっ、賑やかでちょー嬉しいよー」クスクス

久「二人共、他にお客さんもいるんだから静かにしなさい」

京太郎「あ、すいません」ペコリ

優希「うぅ、悪かったじょ」

豊音「全然大丈夫だよ~! みんないい人ばかりだから」ニッコリ

京太郎「でも、豊音さんが怒られたら」

豊音「その時は、須賀君に泣きついちゃおうかなー?」ツンツン

京太郎「うぇっ!?」カァッ

豊音「冗談だよ~」クスクス

 天使や……豊音さんは天使だ
 大天使長トヨーネだわ




久「それじゃあ、部屋割りはこれでいいわね」

咲「はい、大丈夫です」
 
 奥から、部長、和、優希、咲、俺の順か

京太郎「あれ、でも染谷先輩の部屋はどうするんですか?」

久「ああ、それなら私の部屋でいいわ。その為に私の部屋だけツインにしたの」

京太郎「なるほど、それなら大丈夫ですね」

和「……」ボソボソ

優希「のどちゃん?」

和「いえ、なんでもありません」

豊音「はい、コレが鍵だよー。スペアは無いから紛失しないで欲しいよー」スッ

京太郎「はい!」

久「それじゃあ、荷物を下ろしてから下の広間に集合しましょう」

豊音「他のお客さんもそこにいるから、挨拶するといいよー」ニッコリ

京太郎「それじゃあ、すぐに向かいます」ガチャッ


 ひとまず、解散した俺たちはそれぞれの部屋に入っていく。

 
京太郎「おぉー、綺麗だな」

 部屋の中は思ったよりも広々としていて綺麗だった
 ベッドと机が向かい合わせに置いてあり、椅子も高級そうに見える

京太郎「なんだか、居心地よすぎで逆に緊張しそうだな」アハハ

 俺はベッドにバッグだけ置くと部屋を出た
 別に部屋に文句があるわけではないが、なんだかゆっくりする気にはなれなかった




【17:30 広間】


 階段を降りて、フロントと逆方向へ足を進めると大きな部屋があった
 十人以上は余裕で座れそうなソファーがコの字をえがくように置いてある

京太郎「へぇ……やっぱり広いなぁ」シミジミ

 どうやら清澄の中では俺が一番らしい
 それならまず先に他のお客さんに挨拶しておくか
 
京太郎「えーっと」キョロキョロ

 周囲を見ると、四人組の女子がソファに腰掛けて談笑しているようだった
 しかもみんな可愛いぞ!

京太郎「これは行かざるを得ない!!」ダダッ

 半ば興奮気味でそのグループに近づく

 雪山のラブロマンス!! 
 掴まないで男が務まるものかよ!!

京太郎「こんにちはー!! 俺須賀京太郎っす!!」バーン

女1「あら、貴方は……」

女2「どっかで見た顔だし!!」ニャー

京太郎「あれ? もしかして……」ハッ?!
 
 ここで、その人達が見知った顔であることに気がついた
 しかも、結構なレベルの顔見知りかもしれない

女3「ん? 君は確か、清澄の」チラッ

女4「あっー!! コイツ清澄の雑用くんっすよ!!」

京太郎「あ、貴女達は!?」





京太郎「鶴賀の加治木ゆみさん!!」バーン

           /: : : \: : :/: : : ヾー-、
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ゆみ「ああ、そうだが……」

京太郎「それにその後輩である、影薄い設定の癖に目立ちまくりの東横桃子!!」
                 ____
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         ヽ! .ヘ! _ヽィ/ __./ -― /::;イ j//.:.:.:.≧:.、
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モモ「なんかムカつく紹介っすね……」ビキビキ



京太郎「そして風越のキャプテン!! 福路美穂子さん!!」

          /                    ヽ
         /                      ',
         ,′  ,′  i i  ii  i  i  i i  i i   ', i
.         ′| | i  | |i  ||   |i |i | | !| | i !  ! |
        | | | | |  | ||  ||   || |i | | !| | ! !  ! |
        | | | 斗r‐弋T!ヽ.{ト、 |l 厂!刀7ナト、j  |! |
        ト、ヽト、八!丶lリ  ` 丶リ/ ハノルノ|/ ノ|! !
.          } ヾミ= ,ィぅ示ト      テ示ミy、ムィ′|! |
.          | i   iハ〃{ri_ ,j::}      {ri:::::j:} }! ,l   | !
        | l   | ,l゛ 之少        乏沙  ハ!   | |
         | l  |ヘi                   l|  | |
          | |  |i八                   ハ!   | |
.        | |  ||  \     ヽ フ    /  |  | |
.        | |  ||   `  、_     _,.ィ´|i   |  | |
          | !   ||      | ` ‐-‐ ´ || !i   !   ! |
         l !   |l   _ .ノ⌒}       |⌒ヽ. _ j  /  |
        {ヽ、斗'"´     !′      }     `丶、 /ノ

美穂子「久しぶりね」ニッコリ

京太郎「あとえっと、池田ァ!!の人。か、かなんとか? うーん誰だっけ?」ウーン
 
  /: : : : : : : : : : : : :,: : : : : : : : :、: : :\
 /: : : : : ...::/: : :: .::{: : : ,: : : ヽ: :ヽ: : : .\
/: : :.:.::.:::::::/: .::::::. :::::人: :/l::∧: :}、: :):::.. .ヽ:`、

: :::::::::::::::::/__:_:_:_:_/  ∨ レ レ' l:.ハ::::::::::.、:ヽ
  ::::: :::/ ̄ ̄:/             ´  ヽ:: : :V
::::::::::::::/ :: : : :,ヘ              `、::.  ::`、
::::::::::::/─--,/ \           ハ:::::::::::::ヽ

:::::::::::i ̄ ̄7    \        /  V:::::::::::::}
:::::::::::!:::::::::/ `ヽ、  ヽ、, ,  -‐.ニ-‐  ハ::::::::::::!
:::::::,イ::::::::/  ー‐-`ニゞ、 ´  ,∠ -‐‐ {::::ヽ:::::::::l
::::::V:::::::/   _           _  |:::::::ヽ::::::|
:::::::i::::::/  ( _ )      ヽ   ( _ ) l:::::::::∧:::l
:::::::l:::∧‐、     ,へ __ , -、 __,    ノ:::!、::,::丶l
∧::!:::ハ::::::7- 、  └´‐──‐─┘  /::::ノ V `' リ
__.ヽ!/一'´ \ ヽ           , イ´ヽ∨
ヾ、_リ       \ ` ,:┬ -‐ '´ !l | _ }_
   `ヾ、     ヽ   _/-、    |l (/二_ `ヽ
‐‐   `ヾ、   〉'´ / ̄7-、  il |ト、 `  `,
  丶    `ヾ、 /   ′ /  ノヽ !|∧ `    }

華菜「半分答え言ってんじゃん!! 池田華菜だし!! 覚えとけ!!」ウニャー




京太郎「いやぁ、驚きましたよ。なんで皆さんが岩手に?」

ゆみ「それはこっちの台詞でもあるんだが」ビックリ

モモ「まさか、知り合いに二度も会うとは思わないっすよ」

京太郎「二度?」

美穂子「実は私達も、さっき会ったばかりなの」

華菜「こいつら、デートで来てやがったし!!」ニャニャー

京太郎「えっ、それは……?」ドンビキ

ゆみ「ち、違う!! これはモモが無理やりだな!!」アタフタ

モモ「むふふ」

 慌ててデートということを否定する加治木さん
 だけど、どう見てもデートっぽいんだよなぁ

 スタスタスタ

久「あら、ゆみ達じゃない。どうしてここに?」スッ

美穂子「ひ、久!?」ビクッ

久「うげっ!? 美穂子もいたのね……」アトズサリ

華菜「清澄の部長だし。何? コイツとデート?」ニヤニヤ

ゆみ「そうなのか?」オドロキ

久「ええ、実はそうなのよ」ニッコリ

京太郎「ちょっと部長ー!?」

美穂子「ふふっ、相変わらずですね」ニコニコ

華菜「こっちも負けずにイチャつくんだし!!」ダキッ

美穂子「もう、華菜ったら」クスクス



久「……?」

京太郎「どうかしたんすか?」

久「いえ、なんでもないわ」

 テクテク

咲「遅くなりましたーって、あれ?」パチクリ

和「おかしなメンバーが揃っていますね」オドロキ

優希「どうなってるんだじぇ!?」ビックリ

 荷物を置いた咲達もゾロゾロと降りてくる
 ここは岩手なのに、なんだか長野にいるような気がしてきたぞ

豊音「あっ、揃ってるねー」トテテ

京太郎「豊音さん、これどういうことっすか!?」

豊音「えっ? どうかしたのー?」キョトン

京太郎「実はかくかくしかじかで」

豊音「へーっ、凄い偶然だねー!」ニコニコ

 いや、偶然ってレベルじゃねーっすよ

豊音「そういえば、もう一組来てないお客さんがいるんだよー」

久「ま、まさか龍門渕じゃないでしょうね?」

豊音「ううん、そんな名前じゃなかったよー」タシカ

京太郎「そ、そうですか」

 あやうく長野同窓会となるとこだったぞ




豊音「そうだ。紅茶でもいれてくるから、みんなでお話でもしたらいいんじゃないかなー?」ニコニコ

久「そうね。せっかくだし」

美穂子「も、勿論です!!」ドキドキ

ゆみ「私も構わない。モモもいいか?」

モモ「うぅ、せっかくの先輩との二人きりが……」ブツブツ

ゆみ「モモもOKだそうだ」ニッコリ

京太郎「やだこの人、怖い」ビクビク

和「立ち話もなんですし、みんな座りましょうか」スッ

咲「うん、そうだね」スッ

華菜「しっかし、驚いたし! 偶然っていうよりは運命だし!」

美穂子「そ、そうね!! 私と久の熱い運命が!」アタフタ

久「無いわね、そんなものは」ニッコリ

美穂子「……」ションボリ

華菜「キャプテンェ……」ホロリ

京太郎「なんなんだこの二人は……」

久「気にしなくていいわ。それよりもゆみ、貴女達はどうしてここに?」



ゆみ「いや、それは」ウツムキ

久「何か言いづらいことなの?」

モモ「……色々あったんすよ」ボソリ

和「色々ですか?」

ゆみ「本当は蒲原達も来る予定だったんだが、蒲原が先月事故を起こしてな……」



   !?



???「……」グッ

京太郎「っ!?」ビクッ

咲「どうしたの京ちゃん?」

京太郎「いや、なんか今寒気がしたような」キョロキョロ

ゆみ「……続けてもいいか?」

京太郎「あ、はい。すいません」

モモ「それで、来られるのが私達だけになったってわけっすよ」

京太郎「あの蒲原さんが事故って、大丈夫なんですか?」

ゆみ「怪我は大したことない。ただ、やはり雪山はこらえるだろう?」

久「それもそうね」

ゆみ「次はそっちの番だな。とは言っても、大体予想はつくが……」


久「お察しの通り、慰安旅行みたいなものね」フフッ

京太郎「(約一名慰安出来てない者がいるんですが、それは大丈夫なんですかね?)」ションボリ

モモ「だけど、染谷まこの姿が見えないっすね」

美穂子「何かあったんですか?」

京太郎「用事で遅れてるんですよ。もうじき来ると思いますけど……」

優希「それより、今度はそっちの番だじょ!!」

華菜「おー、気になるのかタコス娘? あーん?」ニヤニヤ

優希「やっぱりいいじょ。別にどうでもいいし」ウンウン

華菜「」

京太郎「おいおい! すいません、池川さん」ペコリ

華菜「池田ァ!! 池田だっての!!」

美穂子「ひ、久は気になっ……」ドキドキ

久「別に」シラー

美穂子「」

ゆみ「かわいそうに……」アワレミノメ

京太郎「あ、そういえば気になってたことがあるんですけど」

咲「気になってたこと?」




京太郎「麓で見たんですけど、牌姫ってなんなんですかね?」

咲「牌姫?」

京太郎「なんか祟りとか、なんとか」

久「なにそれ?」

ゆみ「ああ、確かにそんなものを見たな」

モモ「なんかの昔話とかに出てきそうっすね」

優希「怖い話は勘弁してほしいじぇ」ブルブル

京太郎「なんだ、お前怖いのか?」ニヤニヤ

優希「そ、そんなわけないじょ!!」カァッ

咲「そ、そそそうだよ(便乗)」

京太郎「あのなぁ、そんな話は!?」ブルッ

華菜「にゃ? どうしたん?」

京太郎「こ、これは……」ブルブル

 ま、マズイ!?
 これは非常にヤバイ状況だ!!

咲「きょ、京ちゃん!?」ビクビク

久「顔が真っ青よ? 一体どうしたの!?」

京太郎「じ、実は……!」

優希「実は!?」ドキドキ

京太郎「も、も……」ブルブル

和「も……?」




京太郎「漏れる~!!」ダダダッ


 ズッテーン!!


久「須賀く~ん……!!」ゴゴゴッ

京太郎「すいませーん! 寒いと近くてー!!」ガチャッ バタン!


咲「もう!! 京ちゃんの馬鹿!!」プンプン

優希「見事なボケ過ぎてついこけちまったじょ」

ゆみ「中々にユニークじゃないか……」イテテ

モモ「やるっすね」ゴクリ

和「いっそ死ねばいいのに」ボソッ

美穂子「そ、そこまでは」オロオロ

華菜「つーか普通に立って、普通に行けよ!!」ウニャー




【18:10 1階廊下】

京太郎「ふぃー、スッキリした」フキフキ

 尿意ってあんなに急に来るもんなんだな、これからは気をつけねーと
 分かり易い位置にトイレがあったからいいものの、危うく漏らすところだったぜ

京太郎「さて、早く戻るか」トテトテ

 戻って豊音さんのいれてくれた紅茶で暖まらないと
 それに部屋と違って廊下は寒いからなぁ

京太郎「ん?」ピタッ

 来た道を戻る最中でふと立ち止まった。
 来る時には気づかなかったけど、変なモノが展示されている

京太郎「なんだこれ?」
 
 廊下の脇にロープで囲まれた机が置いてあり、その上に何かが乗っかっている
 近づいてよく見てみると、それは古い麻雀牌だった
 しかも高そう

京太郎「へぇ。珍しいな」スッ

 安物と違って、高い牌は重量感があって触り心地がいい
 是非とも触ってみたいけど……やっぱり怒られるかな?

京太郎「だけど、別にガラスケースに入ってるわけじゃねーし」

 少しくらいならいいだろう
 俺は周囲を見渡し、誰もいないことを確認してからそっと牌へ手を伸ばした





京太郎「へぇ、これはいい牌だな」ニギニギ

 牌の一つを手にとって見ると、やはり違いが分かる

京太郎「しかも竹牌か。かなり古いな」

 さっきも部長達に話したけど、竹牌はかなり古くから使われなくなった
 つまりこれは少なくとも数十年以上前の牌だろう

京太郎「これも傷だらけでガン牌できそうだな」ハハッ

 とてもじゃないが実用的じゃない
 何か貴重な思い出の品物とかかもしれない

京太郎「さて、握り心地も確かめたしそろそろ戻すか」

 何かあったら豊音さんに怒られるし

京太郎「んじゃ、これをっとと!!! のわぁ!?」ガクッ

 牌を戻そうとロープを跨ごうとしたその時、思いっきり足を引っ掛けてしまった

京太郎「おっ、わわっ!?」ズッテン

 バラバラバラ

京太郎「や、やべぇ!?」サーッ

 こけた衝撃で牌がバラバラになってしまった
 早く元に戻さないと!!

京太郎「急げ!! 急げ!!」アタフタ

  バキッ

京太郎「え?」チラッ

 この足元に伝わるいやーな感触は……



京太郎「ほ、ほわぁぁぁ?!」

 ひ、一つ踏んづけちまった!?

京太郎「ど、どうすりゃいいんだ!?」ドキドキ

 
 考えろ!! こんな時、はじめ兄ならどうする!?
 助けてくれはじめ兄!!

一『いいか京太郎、どんな時でも諦めちゃダメだぜ』

            ,イ /レi      ト, .ト、
              /.::レ':::://-‐'''''''''''ー-..l::l |:::'、ト,
           |.....:. ::::i::l;::::::::::::::::::::::::::|::トl:::: lj::|
       ,ニ='''";;::::::::::::::::l; :::: :::: ::::::::ノ..::::......j::/_

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      .'l:::/   ../ /:::/l:::/!:「  l;::l.l:::!l;::: l::::::   .::lヽ|
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         ‐ニ=-l,                /
       /ラ''":::::ヽ,   ´ ̄`" ̄`    /
        /,/.::::::::::::ト、    ´     ,ィ
       ´l:::::.../...:::j  \      ./:::|
          !;:r/.....::::ノ    ヽ、...、イ:::::::::.|.f.ヽ、    rヽ,
        !,⊥ィ''´       ::::::::::::::::::::ヾ.  \   l,  l,
      ,..- ''`\::::\       l `ヽ、;::::::::::ヽ、. ヾ''-、'、 ゙、
   ,. ‐'´       \::::\     ヽ,  ヽ、. ハ,  \ l、. '、、
../              \:::::\     \  `ヽ、 `!   \l,.  ヾ:、
' ヽ            \;:l´゙'' ー- 、,_  `ヽ;   `''ヽ   ゞ、  ヾ;、
  .゙'、             ヽ、,,,.ノ  `゙ ''ー-ニ'、、.  ` '.        \


京太郎「はじめ兄、そうは言っても……あっ!!」ピコーン

 そうだ、アレをあーしてこうすればうまくごまかせるかもしれない!
 
京太郎「くふふ」ニヤニヤ

 スチャ チャラ カチャカチャ

京太郎「よし、これでオッケーだな」

 とりあえず一旦戻るか
 これ以上モタモタしてると怪しまれるし

京太郎「どーかバレませんように」スタコラサッサー





【18:20 広間】


京太郎「今戻ったぜー」スタスタ

咲「もう、京ちゃん遅いよー」プンプン

京太郎「ちょっと、大きい方でさ」アハハ

咲「最っ低!!」バシッ

京太郎「いっでぇ!!」ヒリヒリ

 なんだよ、別に嘘吐いたわけでもねーのに
 女心はようわからん


???「ふたりは仲がいいんだねー!」クスクス

京太郎「へっ?」

 あれ、いつの間にか人数が増えている
 それも、また見たことのある顔だ

京太郎「えっと、たしか……阿知賀の?」

??「うん、私の名前は」
                   '"    . . . . . . . . .  `

                     /   . . : : : : : : : : : : : : : : . .  \
               /   . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
                  / . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
             /   / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
               /   /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
             ′  . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
              |人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
              __i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
            _/ { /  //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |
       /  {  /∨   ,イ〃h!i:i:i :!  ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
     __/       ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ       込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
   '"              /\ノ:.|ハ           ,           ハ: :. :.|: |
/            __  イ: : :i!  """    __    """ iノ: : : l: :|
              } /:.:|: : :.lヽハ       i    }      人 : : : : : |
               //: : i!: : :|: : :.ゝ    、    ノ    イ: :.:l:. :.:/ : :.l
        __  '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :>   __   <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
      / __.   i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__    __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
      /`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く   入__/^ヽ  ` y/¨´: : : : : l
     ハ         \              \∧    ∧ /   `  .:.:..l
.   / !         、 |       x─‐ヘ    x─‐┐       ’'ヽ
  ´ /            `|         〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈           ハ
ー‐                  |       〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉       ′ l
、                 V       〉__/i! 〈\.:.:. :.∧         |


玄「松実玄だよっ!」ニコッ






京太郎「ええ、覚えてますよ。貴女は全国でも強い輝きを持っていた」キリッ
 
玄「そ、そうかなー?」テレッ

京太郎「(主におモチ的な意味で……)」グフフ

咲「ふんっ」オシリツネリ

京太郎「あだだだっ!?」ビクビク

玄「だ、大丈夫!?」アワワ

咲「大丈夫ですよ、慣れてるから」ニッコリ

京太郎「慣れてたまるか!!」

 全く咲の奴め!!

京太郎「って、あれ? 玄さんが最後の客ってことか?」

玄「うん、そうなるかな(いきなり下の名前……)」カァ

京太郎「……?」

咲「……」イライラ

京太郎「ってことは……まさか!?」バッ



 阿知賀の松実玄。彼女のおモチはとても素晴らしい。
 だが、それ以上の輝きを放つフォルティッシモおモチが存在する。

 そのおモチを持つのは他でもない……玄さんの実姉!!

京太郎「松実宥さん!!!」

宥「うぅ……寒いよぉ」ブルブル

      /: : : : : : : : :/: : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     ./: : : : : : : : ::/: : : : : ::j: : : : : :/: : : : : イ: : : : : : ::l: : : : : : : : : ::

     /: : : : : : j: : : l: : : : : : :j: : : : : /: : : : : /!: : : : : : : :ト: : : : :ヽ: : ヽ::
    ./: : : : : : : l: : : l: : : : : : :!: : : : :イ: : : :/:/ノ: /: : : : : : !ヽ: : : : }: : : }: :
   /:/ : : : : : ::|: : ::ノ: : : :'´::T ̄ フノ: ̄ナ/フ::/!: : : : : : :} .}: : : : :} : : :} : :

   /::j: : : : : : : | / !: : : : : : |: : :ノ/: : //_.j::/.j: : : : ::j: j、 .!ハ: : : :} : : :l : :
  /: :{: : : : : : : |'/::!: : : : : : |/ノ_:// ' .// /: : : : :ハ:j `!メ!、: : :|: : : |: : :

  ': ::|: : : : : : : :!: : ::|: : : : : : :!,xr'亦≠=ミ、'〈 ./: : : ::ノ.//  .リ | :〉:、|: : : |: : : ::}
  {: : :|: : : : : : : :!:/:|: : : : : :〈!什::::::::::トリ`> __,::/ /'   ' |:ハ: ::|: : : |: : : ::l
 .l: : :{ : : : : : : : |r´: :!: : : : : : |乂o:::::::::ソ  ̄      ≠ミ、 レ }: :j: : : :|: : ::j }
 .{: : :!: : : : : : ::Y⌒ Y: : : : : : | ` ー-'´        .升:::::心ミノ:イ: : : ::!: : :ハl

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 |: : :|: : : : : : : : :ヽ  {: : : : : : |           ヽ      イ: : : : :ノ
 |: : :|: : : : : : : ゝ::ト、_,.} : : : : : |                  .ハ: : : : :j
 }: : ::{: : : : : : : :ヽ:ト--}: : : : : :!     r ─ 、 _        /j: : : : :/
 .|: : ::{: : : : : : : : ヽ}  l: : : : ナ‐- 、  ゝ─ 、 )       /::|: : : ::〈
. 人- 、ゝ: : : : : : : ∧l. ヽ: : : : |    ` ー- 、         /::::|: : : :∧
'    \: : : : : : : :∧ .∧: : : :{        `ヽ、    _.ノヽ、j: : : :/:}
──- 、_ゝ: : : : : : : ::∧ ゝ: : :ヽ          `ー' ___ ノ: : ::/: |

⌒ヽ、   `ヽ: : : : : : : ∧ヽ\: ヽ                ./: : :/: : |
     \  ∧: : : : : : : ∧.  \ゝ 、             ./: : :/: : : !
      \  \: : : : : : :∧   `    ー- 、       /ノ:イ: : : : |
       ヽ  \: : : : : : ∧,r-、       ` ー>-、__ ' ´ノ: : : : : リ
        ヽ  〉、: : : :r´ _/`>-、     r.{  r‐ヽ、/: : : : : :∧
         〉//  \::{ / , r'´ ,r'⌒、   {.{ ./ / ̄ `ヽ、: : / ヽ
         //    .Y/ ' ´ ̄ ̄ ` ヽ 〈  .| し/ ./  / ̄` ∨  ヽ
         //    /´          ヽ .∧ { ./ / r‐-  .ト、  }
        .//}    .{            |. ! `ゝゝ.(_/ ヽ  }).ヽ  l
       // j    |            |- !     ` ー-- '´  |  .l
      _ノ/ j    .!            ! |            |  ゝ
      ノ  l     }            | ヽ            |、  ヽ


京太郎「きたあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」グッ

宥「ふぇ?」キョトン




京太郎「俺は須賀京太郎っす!! よろしくお願いします!」ペコリ

宥「……?」ドユコト

咲「京ちゃん?」ゴゴゴゴッ

京太郎「はっ!? 俺はなにを?」

玄「(早い! お姉ちゃんのおモチを視認してからロックするまで0.05秒)」ゴクリ

 それでは、京太郎のおっぱいプロセスをもう一度見てみよう

~~~~

京太郎「まさか……」チラッ0.01

宥「……」ブルブル 0.02

京太郎「これは……なんてデカさだ」ゴクリ 0.03

 ビュン!! 約10mの距離を詰める

京太郎「なんと、近くで見るとよりデカイ……」グヘヘ 0.04

宥「……」

京太郎「脳内に保存完了。これで、俺のおモチファイルが更に磐石になった」ニヤリ 0.05

~~~


玄「この人、出来る!?」

京太郎「……」ボロボロ

咲「ふん!!」プイッ

 



【18:30 広間】


和「だから言ったんです、須賀君には近寄るなって」ムスッ

玄「えー? 面白くていい人だよ?」ニコニコ

宥「さ、さぶい……」ガチガチ

久「大丈夫? 尋常じゃない震えだけど」ドンビキ

玄「いいんです。これはお姉ちゃんの寒がり克服の為の修行ですから!」ニッコリ

宥「玄ちゃぁぁん……無理だよぉ、死ぬよぉ」ガタガタガタ

 ガチャガチャガチャガチャガチャ

咲「て、テーブルが揺れて紅茶が溢れるよ!」アワアワ

京太郎「宥さん!! 俺が温めて差し上げます!!」バッ

優希「いやぁーん、ダーリンったら激しいのね♪」ダキッ

京太郎「おめーじゃねーっての!!」ウガー

ゆみ「大分賑やかになってきたな」フフッ

豊音「これで、あと来てないのは染谷さんだけだねー」ニコニコ

久「あとどれくらいで来るのかしら。まこったら、全然連絡しないで」ハァ

モモ「遭難でもしてるんじゃないっすか? 冷凍ワカ……」

京太郎「おいおい、不吉なこと言うなよ」
 




豊音「ロープウェイから一直線だから迷うことは無いとおもうよー」フフ

京太郎「あ、そうだ豊音さん!」

豊音「うん? どうかしたのー?」キョトン

京太郎「いえ、一つ聞きたいことがあったんですよ」オモイダシタ

豊音「聞きたいこと?」

京太郎「牌姫ってなんなんですか?」

豊音「えっ……?」ビクッ

 その時、俺は確かに感じた
 豊音さんの表情が曇り、部屋の雰囲気が暗く冷たく変わっていくのを

咲「あ、姉帯さん?」ブルブル

豊音「知りたい……? 牌姫のこと?」

優希「……」ゴクッ

豊音「それはそれは、悲しい話なんだよー……」ボソリ


 そして、豊音さんは話し始めた

 雀姫伝説
 その、血塗られた伝説の話を――

久「……」

和「……」

優希「……」

ゆみ「……」

モモ「……」

美穂子「……」

華菜「……」

玄「……」

宥「……」

豊音「……」

咲「……」


 だが、この悲しい物語が後に俺たちの身に降りかかることになるなんて
 この時はまだ、考えもしなかった


京太郎「……」



【File1 遭遇編 終了】  
https://www.youtube.com/watch?v=0jFwYdb_0Nw




 これで登場人物の大半が出揃ったので一度区切ります
 まだまだほぼ焼き直しですが、次あたりから少しずつ物語が変わっていくかと

 ではでは、次回をお楽しみに

この世界の女子で明智さんに「キュン」とする女子はいるのだろうか……
まあ、久部長はノーマルぽいから普通にデレデレしそうだけど

金田一は好きだから俺は最後まで支援するぞ

公式ガイドブックだと金田一一の推理力は
・頭の回転の速さ
・直観力
・記憶力
・演出力
・洞察力
・証拠がない時は…(『学園七不思議殺人事件』と『聖なる夜の殺人』を参照)
・説得力
・アフターケア


ここの京ちゃんも少なくても4つはできればいいね


 ある程度書き貯めてもいるんですが、なるだけ矛盾無いように確認したいし多少はね?
 じゃけん、のんびり再開しましょうか

 犯人と被害者を前回から変えようかとも思いましたが
 前回途中まで推理してくれた人に悪いので大筋は変えてません



 全国大会で優勝し、宮守の姉帯豊音さんからペンションの宿泊券をもらった清澄高校麻雀部
 滅多に無い旅行に浮かれる俺達を待っていたのは、オーナー代理の豊音さんとバイトのエイスリンさん

 その他にも鶴賀の加治木さんと桃子
 風越女子の福路さん、池田さんといった顔なじみとの再会
 そして和の旧友でもある玄さんと宥さんも加わり、より一層賑やかな旅行となった。

 だがこの時……
 その暖かな談笑の裏で一つの殺意が渦巻いていることに――

???「……」ギリッ

 俺達はまだ気づいてすらいなかった


http://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w&feature=related


【雀姫伝説殺人事件 File2】




【18:35 広間】


京太郎「悲しい話ですか?」

豊音「明治の初期、この辺りには小さな村があったんだよー……」ボソリ

京太郎「明治に?」

豊音「その村は本当に人が少なくて、住民は二十人もいなかったらしいんだー」

久「それはまた、閉鎖的な村ね」ヘェ

豊音「子供も7人くらいしかいなくて、しかもその中に一人しか男の子がいなかったんだよー」

京太郎「それはなんとも羨ましい」ゴクリ

咲「……京ちゃん?」ニコニコ

京太郎「さぁ、続けてください」キリッ

豊音「それでね。その村は娯楽なんて物は無かったんだけど、ある日……行商人がやってきたんだってー」

和「やってきて、どうしたんですか?」

豊音「その行商人は中国から来た人らしくて、村に麻雀を広めたんだよー」

京太郎「麻雀を?」
 
 確か、麻雀が日本で広まったのは明治くらいだったな
 その流れがこの辺りまで来ていたのか

豊音「みんなすぐに夢中になって、特に子供達はこぞって遊んだんだー」

玄「ふむふむ、なるほどー」

豊音「その中の一人の女の子がすっごく強くて、名前をおはいちゃんって言ったんだよー」

咲「おはいちゃん……」

京太郎「もしかして、それが牌姫なんですか?」

 安直すぎとは思うけど、昔話なんてそんなものだからな

豊音「うん、その牌姫は大層美しくて、周りの人はみんな見惚れる程だったんだよー」

ゆみ「昔話によくある設定だな」

モモ「しーっ!」

豊音「それで、そんな牌姫の十五歳の誕生日にね」

京太郎「……」




 豊音さんの話を要約すると、大体こんな感じだ

 その牌姫と周りの子供たちは大層仲がよく、毎日のように対局していたらしい
 村は平和そのもので、牌姫自身も穏やかで優しい少女だったとか 

 だが、その牌姫の十五歳の誕生日に村で唯一の男の子が誰かに殺されてしまった

 牌姫は幼馴染の死に泣き喚き、村人もみんな涙を流した
 当然の様に村人は犯人を探したが、一向に手がかりはなく
 事件から日が経ち、みな犯人探しを諦めようとしていた


 だが、そんなある日
 また村の子供が何者かに殺されてしまう
 
 その子は牌姫の親友である、いい子だった

 村人はその女の子を手厚く葬ろうとして……あることに気付く

「この死体の傍らに麻雀の牌が置いてあるぞ!!」

 村に一組しかない雀牌
 その中の一つが死体の傍らに投げ捨ててあったのだ

 その牌はスーピン
 村人は何かのメッセージかと思い、真剣に悩んだ


 そうして、悩んでいるうちにまた事件が起きた
 また子供が殺されたのだ

 しかもその傍らには以前と同じように麻雀牌……今度はサンピン

 村人はようやく、その牌の意味に気がついた


「間違いない……! 後二人、殺されるぞ!!」

「きっとあの子が友達を連れて行こうとしてるんじゃ!」


 村人は最初に殺された男の子の亡霊が、村の子供たちを道連れをしようとしていると考えたんだ
 そこで村人は一人ずつ子供を見張ることに決めて、子供達を家に閉じ込めた。

 亡霊が出てきても、大人なら守れる筈
 淡い期待を込めて村人は夜明けを待った




豊音「……」

京太郎「それで、どうなったんですか?」

咲「……」ブルブル

豊音「牌姫を見張っていた村人が、殺されたんだよー」ブルブル

久「えっ? それって……」

豊音「うん。今まで子供たちを殺していたのは牌姫だったんだねー」

モモ「そんな! なんでそんなことを!」ビクビク

豊音「動機は分からなかったらしいよー」ウツムキ

京太郎「え? でも、牌姫は捕まったんですよね?」

 牌姫が犯人だと発覚したなら取り押さえることは簡単だ
 その後に動機を聞き出すことも十分出来ただろう。
 
豊音「ううん、牌姫は捕まらなかったんだー」

咲「どうしてですか?」

豊音「死んじゃったんだよ、牌姫」ボソリ

京太郎「死んだ!? どうしてですか!?」


豊音「見張りの人を殺した牌姫は、首を吊って自殺したんだよー」クスクスクス





     !?







美穂子「自殺?」

華菜「一体何があったんだし!?」ビクビク

豊音「それも分からないんだー。でも、一つだけ言えるのは――」

ゆみ「言えるのは?」

豊音「その二人の死体の横にも、牌が落ちていたんだよー」ニヤリ

京太郎「えっ?」

豊音「村人の横にリャンピン。牌姫の傍らにはイーピンがねー」ニコニコ

 それは、どういうことだ?
 なぜ自分にも牌を残す必要があったんだろう

京太郎「あの、もっと詳しく……」

豊音「あ、いけない! もうお料理の準備しないとー」スクッ

 冷え切った空気を暖めるように
 豊音さんが明るい声を出す
 
 それに釣られたのか、みんなの顔つきも少し柔らかくなったように見える

久「そういえば、もう結構な時間ね」

豊音「それじゃあ、準備してくるよー」トテトテ

京太郎「あ、豊音さん!!」バッ

豊音「そうそう、一つだけ言い忘れてたよー」クルッ

京太郎「えっ・・・?」



 立ち上がった豊音さんが振り向きざまに微笑む

豊音「1階の廊下にある牌は、その村で使われていた牌なんだよー」クスクス

京太郎「うぇっ!?」ビクッ

豊音「下手に触ると呪われるから。勝手に触っちゃ……」

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豊音「やだよー?」ボソリ

京太郎「」

優希「お、恐ろしい話だじぇ」 ゴクッ

久「そうかしら? 結構面白そうじゃない」ニヤニヤ

咲「こ、怖いですよ」ブルブル
 
華菜「ぴ、ピンズがまともに握れなくなりそうだし」ブルブル

ゆみ「しかし、どうも腑に落ちない点が多いな」ウーン

モモ「結局最初に男の子を殺したのは誰なんすかね?」

京太郎「……」


 確かに不可解だな
 昔話とはいえ、まだ100年前かそこらの話だ
 それなのに曖昧な部分が多過ぎる

 それに、どうして牌姫は友人達を殺したんだろう?
 何が彼女を……追い詰めたのか




京太郎「それに、豊音さんは何かを隠している?」
 
 不思議とそんな気がする
 どこがおかしいのか、未だに分からないけど

久「そうだ! いいことを思いついたわ!」フフッ

美穂子「いいこと?」

久「今からみんなでその牌を見に行くわよ!」ニッコリ

咲「ええっ!?」

優希「の、呪われちゃうじぇ!?」ビクビク

久「そんなわけないでしょ。別に触るわけじゃないんだから」

京太郎「でも、豊音さんがダメだって!」

久「臆病ねぇ。なら、付いてこなくていいわよ」スクッ

和「そうですね。怖いなら部屋に戻ってればいいじゃないですか?」スクッ

ゆみ「まぁ、見るくらいならいいだろう」

美穂子「ひ、久が行くなら!!」ガバッ

華菜「キャプテンが行くなら私も行くしー!」ニャーン

モモ「私も行きたいっす~」スタコラ

 次々と席を立つみんな
 や、ヤバイんじゃないかこの状況!?
 下手すりゃ――

京太郎「ま、待ってください!」ダダッ

咲「あっ、京ちゃん!!」トテトテ

優希「お、置いていくんじゃないじぇ!!」スタスタ




【18:45 1階 廊下】

 部長達から遅れること数分
 ようやく廊下にたどり着いたが、何か争う声が聞こえる

 一体何が――?

京太郎「ぶ、部長ー!!」トテトテ


久「だからぁ、少しくらいいいじゃない!」ズイッ

エイスリン「デ、デモソレハ……」アタフタ

和「別に盗もうとしてるわけじゃないんですから」

ゆみ「無理にとは言わないが、少しくらいならいいだろう?」

エイスリン「うぅ……」ウツムキ

京太郎「ちょ、ちょっと何やってんすか!?」ダダッ

 台とエイスリンさんを囲むようにしているみんなの間に割って入る
 エイスリンさんは掃除中だったのだろう、箒を握り締めたまま震えているようだ

美穂子「実は、少しだけ牌を覗こうとしたんですが」アタフタ

モモ「そしたらいきなりこの人が……」ジトーッ

エイスリン「……」ブルブル

京太郎「だ、ダメですよ! こんな人数で脅しちゃ!」バッ

久「人聞きが悪いわね、別に脅してないわよ」ムスッ

華菜「本当だし。ただ覗こうとしてただけだって!」

ゆみ「ああ。そこへ、すごい剣幕で近づいてきてな」

 加治木さん達のこの感じ、嘘はついてないように見える
 かといって、エイスリンさんの様子はおかしいし

京太郎「エイスリンさん、どうして怒ったんですか?」

エイスリン「ダッテ、トヨネガノロワレテルッテ・・・…」グスッ

京太郎「そうですか。だからみんなを心配して」

エイスリン「……」コクッ





京太郎「部長?」ジトーッ

久「うっ! いいじゃない! せっかく来たんだから」グスッ

和「須賀君、最低ですね。早く死んでください」ペッ

京太郎「どうして……」グスッ

咲「あっ、やっと追いついた!」トテトテ

優希「待つじぇー!」スタスタ

 ようやく追いついてきた咲達も加わり、この場には豊音さん以外の全員が揃った
 いや、ここに豊音さんがいてくれたら困らないんだけどさ。

京太郎「とにかく、エイスリンさんも困ってるんですから」

久「分かったわよ。触らなければいんでしょ、触らなければ」ムスッ

京太郎「本当ですね?」ジーッ

久「はいはい。もう、うるさいわね!」

 とは言っても、この人は信用できないからな
 とにかく、このまま何もなければいいんだが

咲「あ、これがその牌なんだね」ヒョイッ

京太郎「えっ?」ビクッ

咲「うわぁ、結構古いんだねー」ニコニコ

エイスリン「アワワ」ガクガク

京太郎「あの、咲さん。貴方が持ってるその牌はなんでせう?」ブルブル

咲「あっ! 勝手に触ったらダメなんだよね?」ドキッ

久「でかしたわ!! さぁ、それをこっちに!」スッ

京太郎「あぁもう!! なにやってんだよ咲!!」プンプン

咲「あ、えっ? ごめん」シュン

京太郎「いや、別に責めてるわけじゃ!」アタフタ



京太郎「とにかく、これは触っちゃいけないって言われたろ!?」

咲「ちょっと気になっちゃって」エヘヘ

 気になったってお前な
 もう少し危機感持てって!

久「へぇ、高級そうな牌ねぇ」スッ

ゆみ「確かに普通の牌とは感触が違うな」フムフム

モモ「ほえー、初めて見たっす」ギュギュッ

美穂子「ひ、久が触った牌……」ハァハァ

華菜「それ以上いけないし!」ガシッ

玄「ふーむふむふむ、なるほどなるほどー」スッ

宥「寒い」ブルブル

優希「これが呪われた牌、凄いじぇ」

京太郎「って、いつの間にかみんなで触ってるし!!」ギョッ

エイスリン「ド、ドウシヨウ……」アタフタ

 どうしたもんかと俺とエイスリンさんが慌てていると
 遠くの方から豊音さんの声が響いてきた

「エイちゃーん? ちょっと手伝って欲しいよー!」トテトテ


京太郎「や、やばい!! 豊音さんがこっちに来ます!」アワワ

久「確かに怒られるのは嫌ね。ここは退散かしら」

ゆみ「とりあえず一旦部屋に戻ろう」

モモ「私達の愛の巣っすね!!」フヒヒ

ゆみ「違う」キッパリ

モモ「……」ガックリ




ゆみ「久、後で少し話でもしないか?」スタスタ

久「あら、いいわよ」ニッコリ

モモ・美穂子「…………」ズーン

華菜「きゃ、キャプテン……」グスッ

宥「ねぇ、そろそろ部屋に戻ろうよ」ブルブル

玄「むぅっ、もう少しこらえないと!」

宥「お、お願いだから」ガタガタガタガタ

玄「うん。でも、今日だけだからねー」スタスタ

優希「私達もひとまず退散するじぇ!」スタコラサッサ

和「咲さん、部屋でお話でもしましょう」ニッコリ

咲「う、うん。でも……」チラッ

和「いいんですよ。後は須賀君にでも任せれば」スタコラ

咲「ちょ、ちょっと和ちゃん!」トテトテ


 シーン


京太郎「あいつら、騒ぐだけ騒いで行きやがった」オイオイ

エイスリン「ア、アノ……」オドオド

京太郎「あ、エイスリンさんは豊音さんのところに行ってください」

エイスリン「デモ……」ウツムキ

京太郎「いいっすよ。後は俺が片付けますんで」ニッ

エイスリン「……アリガトウ」ニッコリ



「エイちゃーん? 早く来てよー」

エイスリン「モウイカナクチャ」ウツムキ

京太郎「はい。夕飯、楽しみにしてますね」ニカッ

エイスリン「……ウン」カキカキ

 
               _.. -‐===‐-  ._
               ´            `
           /                  ヽ
           , ゜                     ,
            /〃   i   {ヘ             ゚.,
          //     i     '.   二」_l |  |i   ゚,
.          /       」い、  \,i   l |  |ト、i ′
      ,′ ,'     X´  }` ー-- レ≠ミN  |リ |
        {   {    {    {_,厶     ..:.:.: i  |i |  ヽ、
         八  人  Ⅴ/⌒’        ;  l: l  ¦ \
.            y 介ゥヘ′.:.:.     _ノ  ,'  ;  l   ;
          // / 川込、   `   ィ  /,  |i i ii   }
           ,  /, / ,′   フTマニ" {i // ,ノ| i i八
.         {   {// _厶-=ニ{ {{ヘ、  /「{`'≪ノ},从
.            {{乂__    | {{ ,;Yく   h\  `'く
            _У ,ハ    | {{x《_|__》x//    {/ ヽ
.             /     〉  レヘ,㍊㍊;∨    {  ,ハ
      l冗ニニニニニニニニニニニ|¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨|ニニニニニニニニニニニ冗!
       | |┌----------------- ┐| |
       | |¦                             ¦| |
       | |¦       ⅹ ⅹ     ⅹ ⅹ       ¦| |
       | |¦       ⅹ    ⅹ ⅹ    ⅹ     ¦| |
    /⌒ニZ     ⅹ      ⅹ      ⅹ       /⌒\__
   j   ¨て     ⅹ             ⅹ     Z二¨ `ヽ}
    {   -‐う     ⅹ                ⅹ       `ー┬rァ  }
    ∨ ,xfT^!       ⅹ            ⅹ       ¦| |′ /
    \_| |¦       ⅹ        ⅹ          ¦| |_/
       | |¦           ⅹ      ⅹ              ¦| |
       | |¦         ⅹ  ⅹ              ¦| |


エイスリン「バイバイ……!」タタタッ

京太郎「……可愛いなぁ」デレデレ

 っと、こんな場合じゃない、早く片付けないと
 あの事はどうやらバレなかったらしいしな

京太郎「そんじゃま、いっちょやりますか」スッ




【19:00 1階廊下】

京太郎「よしっ、こんなところかな」フーッ

 意外と早く済んだな
 片付けとは言っても、牌を元に戻して掃除用具を元の場所に戻すだけだし

京太郎「夕食までにはまだ時間もあるし、一旦部屋に戻るか」

 豊音さん達の手伝いもしたいけど、料理の手伝いに行っても邪魔になるだけだな
 ここは大人しくしておこう

京太郎「豊音さんとエイスリンさんの手料理かぁ」ニマニマ

 本当に楽しみだぜ!


 
【19:10 ???】


??「……」

 計画はいよいよ大詰め
 アイツだけは絶対に許さない

??「ふふっ、必ず殺す」ニヤリ

 
 
     !?

 

??「全ては、あの人の為に」クスクス

 ずっと準備してきたんだから―― 



【19:17 京太郎の部屋】


京太郎「ふわぁ、眠い」ボフッ

 このベッド、随分と寝心地がいいな
 寝転がっているだけで、睡魔に負けちまいそうだ

京太郎「とはいっても、今寝ちまうと……」


 ガシャーン!!!


京太郎「なんだ!?」ビクッ

 今の音は……1階からか?

京太郎「何かあったのか?」タタッ


知っていたか金田一はフラグを建てると同時に死亡フラグが建てられるんだぜ?



【19:19 フロント前】

 部屋から飛び出し、慌てて音のした場所へ向かう
 
京太郎「何があったんですか!?」タタタッ

エイスリン「あっ……!」ビクッ

京太郎「エイスリンさん?」キョトン

エイスリン「あぅっ、スガクン」ションボリ

京太郎「これは……?」

 フロント前がびしょ濡れだ
 しかも、何かの破片が散らばっている

 もしかしてこれって……

京太郎「あの馬鹿でかい花瓶ですか?」

エイスリン「ウン、オトシチャッテ」グスッ

京太郎「な、なんだぁ……」ホッ

 何か嫌な予感がしたんだけど、気のせいか
 ていうか、あんな不安定な物をカウンターの上に置いてるんだよ

京太郎「あっ、でも! エイスリンさんに怪我は無いですか!?」ギュッ

エイスリン「うぇっ!?」ドキッ

京太郎「うわぁ!? すいません!」バッ

エイスリン「ウウン、ウレシカッタヨ……//」カァッ

京太郎「い、いやそんなことは……!」アハハ

 なんだか照れくさいな
 もしかしてこれって、結構いいムードなのか?

京太郎「そうだ。折角だし、俺も掃除手伝いますよ!」ニカッ

エイスリン「ダ、ダメッ!!」バッ

京太郎「エイスリンさん?」
  
エイスリン「コレハワタシノシッパイダカラ」ションボリ

京太郎「そう、ですか」

 エイスリンさんは真面目なんだな
 しかも優しいし、可愛い

京太郎「これは結構いいかも」グヘヘ

咲「ふーん……」ジトーッ




京太郎「うげぇっ!? さ、咲ィ!?」

咲「もう、凄い音がしたから来てみれば!!」ムスッ
 
 やっぱりあれだけの音なら、他の人にも聞こえるよな
 だけど、それなら他の人の姿が見えないのはおかしいぞ

京太郎「和達はどうしたんだ?」

咲「今はみんなで広間にいるよ。私が代表で見に来たの」

京太郎「そ、そうか。いや、実はさぁ……」サクッ

 ブシュゥゥゥウ

京太郎「ほわぁぁぁあ!!!」

咲「きょ、京ちゃん!?」

京太郎「な、なんか手に刺さった!?」グァァァ

エイスリン「ダ、ダイジョウブ!?」ビクビク

京太郎「いってぇ……これは?」

 花瓶の破片か
 カウンターに手を置こうとしたから刺さったんだな

京太郎「しかも、服の袖が濡れちまった」ウゲッ

咲「もう、何やってるの?」

エイスリン「ゴメンネ、スガクン」ペコリ

京太郎「いや、エイスリンさんのせいじゃないですって」アタフタ






咲「そうですよ。京ちゃんが鈍臭いから悪いんです」フフッ

京太郎「おいおい、そりゃないぜ」ガックシ

咲「ほら、治療してあげるから!」スッ

京太郎「おう、悪いな。じゃあエイスリンさん、また後で」ニッ

エイスリン「ウン、アトデネ」ニコニコ

咲「ほら、姉帯さんに救急箱を借りに行かなきゃ」スタスタ

京太郎「おう」スタスタ

 咲に引きずられるようにして、俺はその場を後にした
 残ったのは――エイスリンさんただ一人

エイスリン「……」


 シーン


エイスリン「……」ジーッ

花「……」バラバラーン

エイスリン「ふん……」グシャッ グリグリ



   !?



花「」ボロボロ


【19:25 広間】

京太郎「いででっ!? もっと優しくしろよ!」バタバタ

咲「我慢してよ。これくらい平気でしょ?」

京太郎「ぐぁぁ、染みるぅ~!!」ウゲゲ

豊音「ごめんね~。お客様に怪我をさせちゃって」トテトテ

京太郎「いえ、いいんですよ。それよりもエイスリンさんには……」

豊音「うん。エイちゃんを怒ったりはしないから大丈夫だよ~」ニコニコ

京太郎「そう、よかった」ホッ



久「ほんと須賀君ってお人好しよねー」アキレ

美穂子「男の子なのに優しいなんて立派ね、男の子なのに」ニッコリ

 あの、なんで男の子を強調するんですか福路さん

和「単に下心があるだけですよ。ねぇ、いつ死ぬんですか?」

京太郎「……」グスッ

咲「きょ、京ちゃんは立派だよ! ハンドボールだってうまいし」アタフタ

久「怪我して出来なくなったそうじゃない」

咲「優しくて、その……えっと気配りもできて」

 なんだその苦しい弁護は
 お前、俺の幼馴染のくせにぃ……

玄「とか言いつつ、やっぱり下心あるんじゃないかな?」ニヤニヤ

京太郎「確かにエイスリンさんは可愛いよなぁ」グヘヘ

咲「へぇ、そうなんだ?」ゴゴゴゴッ

和「ほんと、お願いですから死んでください」ペッ

京太郎「ああもう!! 冗談だって!」

ゆみ「君はいつも騒がしいな」

モモ「近寄ったらダメっすよ!! こいつは誰かまわずに孕ませるような奴っす!!」

京太郎「んなわけあるか!?」

 そんな羨ましい奴がいるわけねーっての!!
 いやいるかもしれない、けど。
 
豊音「ふふっ。それじゃあ私はエイちゃんを手伝ってくるよー」トテトテ

京太郎「あ、ついでに俺の怪我は大したことないって伝えてください」

豊音「うん、任されたよー!」ニコニコ





【19:30 広間】

美穂子「それで私は……」

久「あはは、ゆみったら!」クスクス

ゆみ「おい、笑うなんてひどいぞ!」アハハ

美穂子「私は……私は」ズーン

華菜「キャプテンェ……」

モモ「せ、先輩!! 私の大道芸を見るっす!」シュバッ

ゆみ「どこから出したんだ、その皿回しセット」アキレ

玄「うわぁ、凄いねお姉ちゃん!」パチパチ

宥「寒いよぉ」ブルブル

玄「ダメだね、こりゃ」ハァ

優希「のどちゃんのおっぱい枕は暖かいじぇ!」ムギュッ

和「こ、こらっ! ゆーき!!」カァッ

玄「……おもち!!」キュピーン

咲「ふわぁ……」ウトウト

 結構みんな仲良くやってんなぁ
 うーむ、この中で男一人ってのも居づらいもんだ

京太郎「少しフラフラしてくるかな」スクッ

玄「あれ? どこか行くの?」

京太郎「ああ、ちょっと散歩にな」スタスタ

咲「外に行くの?」

京太郎「いや、外は雪も降ってるし……適当にペンション内にいるよ」ガチャッ



【19:35 1階 風呂場前】

京太郎「うぅ、大分冷え込んできたなぁ」スタスタ

 やっぱり岩手ってだけあって寒い
 東北を侮っていたぜ……

京太郎「しかもまだ服が濡れてるから、余計に寒く感じるんだよ」ブルブル

 どうにかして暖まりたいけど
 広間の暖炉前は部長達が占領してるしなぁ

京太郎「何かいい方法でも……ん?」ピタッ


【男湯 入浴時間20時~23時】


京太郎「へぇ、風呂か」ニィッ

 これだけ大きなペンションなら風呂もさぞ豪華だろうな
 それなら、暖まらせていただこうか

京太郎「時間よりちょっと早いけど、少しくらいならいいだろ」スタスタ

 早速着替えを持ってきて入ろう
 このままじゃ風邪をひいちまいそうだし

壁)???「……」ジーッ

京太郎「ん?」

壁)サッ

京太郎「なんか今……気のせいか?」ウーン

壁)???「……」ギリッ



【19:45 男湯 露天風呂】

京太郎「ふぃ~。極楽、極楽……」ザパッ

 予想通り、浴場はかなり広かった 
 しかも露天風呂の眺めは最高だ

京太郎「ちょっと雪が強いけど、これはこれでいいかも」

 辺りには雪が高く降り積もっていて、白一色だ
 暗くてよくは見えないが降り積もってる範囲も相当広い

京太郎「なのに男は俺一人。実質貸切だもんな」ニヒヒ

 普段ならできないこともできそうだぜ
 よし、せっかく来たんだから盛大に遊ぶか!!

京太郎「うぉぉぉ!! じっちゃんから教わった技の一つ!!」ザブン


             「\
             〉 >         /7
            / /         〈 <
           /  |           |  |
          /  /            /  /
          〈  <         /  /
          \ `\       |  |

            \   \      /  /
             \   \  /  /
               ヽ    ヽ/   /
             __|    ´   /__
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

京太郎「い、いぶばびべ(い、犬神家!!)!!」ゴボボボッ

 ふふっ、我ながら綺麗な犬神家だぜ!!
 はじめ兄にも今度見せて……

??「はぁっ、はぁっ!!」タタタッ

 ガラガラ 

京太郎「……ぼぶべっ!?」


??「きゃああああああ!!!」


京太郎「な、なんだぁ!?」ザバーン





エイスリン「ス、スガクン!?」ビクッ

京太郎「あれ、エイスリンさん?」キョトン

 どうして男湯にエイスリンさんがいるんだ?

京太郎「あの……」ザパァ

エイスリン「ア、エト……//」チラチラ

京太郎「……?」

エイスリン「マエ、カクシテ……//」カァッ

京太郎の京太郎「」パオーン

京太郎「ひぃやぁぁぁぁ!!」ザブッ

エイスリン「スガクンノ……オオキイ」ドキドキ

京太郎「そ、それよりなんでエイスリンさんがここに!?」カァッ

エイスリン「エト……ソノ……」アタフタ

 いまいち要領を得ないエイスリンさん
 それほどまでに、俺の息子のインパクトが大きかったのだろう

京太郎「うーんと、その様子だと」

 エイスリンさんはここの従業員
 そしてここは男湯で、しかも時間外だ

京太郎「……あっ! もしかして掃除ですか?」

エイスリン「……ウン」コクリ

京太郎「うわっ!? すいません!!」ザバッ

エイスリン「!?」

京太郎「服が濡れていて寒かったんですよ!! それで!!」プランプラン

エイスリン「あぅっ//」カァッ

京太郎「悪気は、悪気は無かったんです!!」プランプラン

エイスリン「ス、スガクン……//」

京太郎「……エイスリンさん?」

「……何してるのかな?」ゴゴゴゴゴッ

  

   !?



京太郎「ゾクッ」





咲「京ちゃん?」ニッコリ

京太郎「さ、咲!?」

咲「……どうして裸の京ちゃんが、エイスリンさんに詰め寄ってるの?」ドドドドッ

久「悲鳴が聞こえたから来てみれば……」ドンビキ

ゆみ「これは凄いな」デカイッ

モモ「これだから男は……汚いっす」シロイメ

和「早くその粗末な物をしまってください、私達を失明させる気ですか?」ギロッ

京太郎「ひぁあああああ!!」ザブン

玄「これはもう言い逃れできないよ!!」

宥「うわぁ、あったかい……」チャプチャプ

美穂子「やっぱり男の子なのね……」ブベツノメ

華菜「こら須賀!! お前キャプテンに汚いもん見せるなし!!」ニャー!

京太郎「ぶびばべん……」ブクブクブク

 し、死にたい!!
 いや、いっそ殺してくれ!!

咲「ふふっ、その前にまずは話をきかせてね?」ニッコリ

京太郎「も、黙秘権は?」チャプッ

咲「あると思うの?」

京太郎「……」ブクブクブクブク

エイスリン「エ、エト!!」アタフタ

 ああ、皆さん
 時間はちゃんと守りましょうね

優希「そこの怪人タコウィンナー! 現行犯逮捕だじぇー!」ニシシ

京太郎「ちくしょー!!」ウワァァァン


【20:05 食堂】

豊音「あははっ! それは災難だったよー!」ニコニコ

京太郎「笑い事じゃないです」ボロボロ

咲「ふん! 時間を守らない京ちゃんが悪いんでしょ!」プイッ

 いや、だからってここまでボコにしなくてもいいじゃんかよ
 普通に致死レベルだったぞ、あの打撃は!

京太郎「しかも、マイサンをみんなに見られるし」シクシク

豊音「ちょーかわいーのかな?」ドキドキ

京太郎「いや、可愛くは無いと思いますけど」キリッ

和「思い出させないでください。せっかくの夕食がまずくなります」 ペッ

久「そう? 逆にメシウマだけどね」ニヤリ

京太郎「一番見られてはいけない人ですよ、部長は……」ハァ

久「ふふっ、立派なもん持ってるじゃない! 安心したわよ~?」ニヤニヤ

ゆみ「男のアレはあんなに大きいのか……」ゴクリ

モモ「思い出さなくていいっすよ!! あんなもの必要無いっす!!」アタフタ

久「今度無理やり大きくさせてあげようかしら?」ペロリ

京太郎「ひぃっ!?」ビクッ

 こ、これだから部長は!!
 くそっ! せめて染谷先輩がいれば!!

京太郎「あれ? そういや染谷先輩が来てないっすね」

優希「そういえば、遅いじょ」ウンウン

咲「どうしたんでしょうか?」


久「そういえばそうね。携帯にも連絡無いし」パカッ

京太郎「遅れるにしても、少しくらい連絡があってもよさそうですけど」ウーン

エイスリン「……」ブルブル

豊音「エイちゃん、大丈夫」ギュッ

京太郎「エイスリンさん?」

エイスリン「ナ、ナンデモナイヨ」ビクビク

 そういえば、エイスリンさんって全国で染谷先輩と戦ってたな
 しかも結果はキング・クリムゾンだったんだっけ

 そりゃ苦手にもなるか

京太郎「そ、染谷先輩ならいい人ですよ!」

エイスリン「……」ウツムキ

京太郎「きっと、じっくり話せば仲良くなれますから!」ニッ

豊音「須賀君はちょー優しいねー」ニコニコ

京太郎「いや、そんなこと!」テレテレ

エイスリン「スガクン、アリガトウ」ニッコリ

                          _______

                           ´      `
                                   丶
                 /    /             ヽ
                      ′. /  /
                    ′ /     /     ノ    .|      .:
                  ,'  i      /|.   /i     :|  |
                    ′ :|   |   /¨|: //'  ノ    」|  |      ト、
                    |   | VV  |/イ /.  //:|
                  /  ((|   |-===ミメ /_ /ノ′|  /  }   }   ヽ
.                イ    |   |             レク ./  } {     ;}
.              / ノ.     |   |        -== 、  /  /} ,ハ     ノ′
             , '  .′     |   |              ;} .厶イつ / }/
                    l|  |   |:.  丶 __,      _ク'′厶イ ノ′
                |i l ||  l:|   | i:: .           ィ´ 八   八
                || } 八 |:|   | |: : : ー‐‐n‐  ´ :}   .'.   | }
             八{ { ヽ|:|   |人: : . . /  }}ェ _ノハ} ノハ   |l{
              ,  ´  ̄|  八 \ /  {{   ` ‐-、ノ}  !リ
               /  :.   ノ /    _}{_   l}       Vリ /
                / ∨}   '´ |   /  \ .ノ       〈 ノ′


京太郎「……はい!」グッ

 エイスリンさんが笑顔になってよかった
 やっぱり可愛い子は笑ってないとな!





ゆみ「須賀君か、いい子だな」ニッコリ

モモ「……須賀ァ!」ギロッ

久「ふふっ、相変わらずねぇ」ニコニコ

美穂子「……」ギロッ

京太郎「(視線が痛い)」ダラダラ

玄「和ちゃん、須賀君は本当に悪い人なのかな?」クスクス

和「っ……! そうに決まってます。あれは単なるアピールですよ」ギリッ

優希「ふーん……」カチャカチャ

咲「……」

 な、なんか雰囲気が暗いな
 少しでも盛り上げないと!

京太郎「そ、それにしても豊音さんは料理が上手ですね!!」モグモグ

豊音「えっ? そうかなー?」エヘヘ

京太郎「これなら何杯でもいけますって!」ガツガツ

豊音「エイちゃんも手伝ってくれたからだよー」テレテレ

エイスリン「エヘヘ……」カキカキ つ【鍋にハートを入れる二人の絵】

華菜「うおー! 愛情たっぷりだし!!」ニコニコ

久「味わって食べないと申し訳ないわねー」クスクス

咲「でも本当に美味しいです」オドロキ

豊音「でも、少し準備が遅れちゃったんだよー」シュン


京太郎「俺は別にこれくらいの時間でも平気ですよ」ニッ

宥「うん。でも明日はもっとあったかい料理を食べたいな」

豊音「あったかい料理だねー。うん、オッケーだよー!」ニコニコ

モモ「鍋とか食べたいっす!」ワクワク

和「あ、須賀君だけ別の鍋でお願いします。菌が伝染るといけないので」

京太郎「……」ションボリ

ゆみ「どっちにしても一つの鍋じゃ、これだけの人数は囲めないだろう」マジレス

久「今のは真面目に捉えなくていいのよ」アハハ

ゆみ「そ、そうだな」カァッ

 ハハハッ  ナベハダシガイノチダシー
 イヤ、グザイダヨー  タコスヲイレルジョ!

京太郎「大分盛り上がってきたな」フフッ

咲「うん。やっぱり食事は楽しくないとね!」ニコニコ

久「そういえばゆみはあの時……ふふ」クスクス

ゆみ「そ、それは内緒の約束だ!」マッカッカ

久「えー、どうしよっかなぁ?」ニヤニヤ

玄「興味深い話だね!」ドキドキ

京太郎「つーか、二人は本当に仲いいっすね」

優希「それなら私達も負けてないじぇー!」ギュッ

京太郎「こらっ! 飯食ってる時に抱きつ……」

               ______
           /::::::::::::::::::::::::丶
          /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
            /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
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        i:::::::´::::::::::ー―゚′::`:r --v
         ',:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ゚ー/
         >:::::::::::::::__:::::::::::::::::__>リ
        /::::ヽ:::::::::::::‐--- 、::::::/
       ./::::::::::::ヽ:::::::::`  ̄´:::::/
       人:::::::::::::::::',:::::::::::::::::::::/
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー 、
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\

京太郎「!?」ゾクッ

 まただ、今の感じ
 一体これは……なんなんだ?

これで染谷先生が死んだらここの淫ピはひどいこと言いそうなイメージ
てか、「お前がいしんでいればよかったのに」とか言われそうなイメージ(外野から)


【21:02 広間】

京太郎「ふぅ、たくさん食べたぜ」ポンポン

咲「本当に美味しかったねー」フフッ

京太郎「そういや他のみんなは?」

 さっきまではここでのんびりしてたはずだけど……
 いつの間にか俺達二人だけになってしまった

咲「豊音さんはお風呂掃除に行って、エイスリンさんはフロントかな?」

京太郎「残りのみんなは自室か」

咲「お風呂に行った人もいるかもね」

京太郎「お前は入らないのか?」

咲「後で和ちゃんと一緒に入る約束したから」アトデ

京太郎「……和とお風呂か」ゴクリ

 アイツとお風呂に入れるとか、女に生まれたかったぜ
 とは言っても、こんなに嫌われてちゃ無理な話だけど

咲「京ちゃんは、和ちゃんのこと……」ボソリ

京太郎「ん?」

咲「う、ううん!! なんでもないよ!」アタフタ

京太郎「変な奴だな」アハハ

咲「なんでもないよ、なんでも……」ギュッ

 ビュゥウウウウウ ガタガタガタ

京太郎「……吹雪いてきたな。ちょっと予報でも見るか」ピッ

 テレビを付けると速水玲香ちゃんの番組をやっている
 名残惜しいが、今見たいのはこれじゃない

京太郎「えっと、予報はっと」ピッピッ

テレビ『めっちゃ吹雪いてるYO! 岩手まじやばいZE! 陸の孤島Come on!! 山に登れば二日は降りれないZO!』

京太郎「うわぁ、マジかよ。せっかくの旅行なのに」スキーデキネー

咲「染谷先輩、大丈夫かな?」

京太郎「吹雪で遅れてるんだろうし、少し厳しいな」

なんかこの事件で久が生き残ったら明智さんと連絡先をちゃっかり交換しているイメージがあった
問題は咲世界でも明智さんはモテるのかだ



京太郎「でも、染谷先輩なら大丈夫だろ」ウンウン

咲「そうだよね」

京太郎「お前は心配しすぎなんだよ」

 何も起きる筈なんてない
 俺が感じている嫌な予感だって、きっと勘違いなんだ
 きっと……

咲「そろそろ部屋に戻ろうかな。お風呂の準備をしなきゃ」スクッ

京太郎「おう。いい湯だったからゆっくり浸かってこいよ」ニッ

咲「もう、ちゃんと明日は時間通りに入ってよね」

京太郎「分かってるって」ハハッ

咲「京ちゃんってば」ハァ

 スタスタ ガチャッ バタン

京太郎「さて、何して暇潰すかなぁ……」ウーム

 また後でエイスリンさんの所へ行こうかな
 謝りたいこともあるし

京太郎「でも、どう謝ろうかなぁ」ハテ



【?:?? 美穂子の部屋】


美穂子「残念だけど、それはダメ」キッパリ

???「……」

美穂子「貴女の気持ちは分かるし、その心も理解できる」

???「……っ!!」

美穂子「でも、それは間違ったやり方よ。協力はできない」スッ

???「……」スクッ

美穂子「このことは私の胸に秘めておくわ。だから」

???「……」コクッ

美穂子「嬉しい、分かってくれて」ニコッ

???「…………?」ジーッ

美穂子「ああ、これ? ふふっ、私なりに頑張ってみようと思って」スッ

???「……」ニヤリ

美穂子「ふふっ、ありがとう」ニッコリ

???「……」クルッ

 スタスタスタ ガチャッ バタン

美穂子「ふぅ、まさかあんな話をしてくるなんて……」クルッ

 私自身の本音を言えば【あの人】の力になりたい。
 だけど、あんなことは――

美穂子「あら、いけない。早く済ませないと」クルッ

 きっと【あの人】もいずれわかってくれる筈。
 私の気持ちを――だから

美穂子「ふふっ。大丈夫よね?」カリカリ

 ギッ、ギィィィ……

美穂子「ふんふふ~ん♪」ススッ

 ソローリソローリ……

美穂子「あぁ、明日が楽しみね」ニッコリ

???「……」グググッ


   !?


???「……」スッ

美穂子「きっとうまくいく……」

???「……っ!!」ブンッ

美穂子「えっ!?」フリカエリ

 


 ドグシャッ!!!





【21:38 広間】

京太郎「……」ウトウト
 
 ガチャッ

京太郎「んぁ!?」ビクッ

豊音「こんなところで寝てたら風邪ひくよー?」ニコニコ

京太郎「あ、豊音さん!」バッ

豊音「移動で疲れたのかな?」フフッ

京太郎「あははっ、荷物持ちのせいかもしれないっす」タハハ

豊音「須賀君って偉いよね。嫌な顔しないで毎日雑用こなしてるんでしょー?」 ボフッ

京太郎「いえ、オレなんか大したことないですよ!」アタフタ

 俺なんか麻雀も弱くて、誰の役にも立てないおちこぼれだ
 だから雑用だけでも、誰かの力になりたかった

京太郎「ただ、それだけっすから」ポリポリ

豊音「ううん、凄いよ。須賀君は……」ボソリ

京太郎「豊音さん?」キョトン

豊音「須賀君。実は私ね……」スッ

 隣に腰掛けた豊音さんの長い腕が俺の首に巻かれる
 抱きつかれた……のか?

京太郎「と、豊音さん……?」ドキドキ
 
豊音「私は……」


 いやあああああああああああ!!!


京太郎「なっ!?」ビクッ

豊音「悲鳴……?」

京太郎「二階か!?」ダダダッ

豊音「う、うん!!」タタッ




【21:40 2階廊下】

京太郎「はぁっ、はぁっ……!!」ダダダッ

 今の声は池田さんだ
 一体何が!?

京太郎「池田さん!!」バッ

 階段を上り、廊下に出てさらに角を曲がった先
 そこが確か池田さんと福路さんの部屋だ!

京太郎「……加治木さん?」

 福路さんの部屋の前で立ち尽くしているのは加治木さんだ
 しかも、表情が青ざめている

京太郎「加治木さん、一体なにが?」

ゆみ「あ、あぁっ……」ブルブル

京太郎「……部屋で何かあったんすか?」スタスタ

ゆみ「ど、どうして、こんな……!?」ガタガタ

 中々要領を得ない加治木さん
 仕方ない、女性の部屋を除くのは忍びないけど……

京太郎「失礼しますっと」ヒョイッ

豊音「何があったのー?」スッ

ゆみ「ま、待て!!」バッ

京太郎「なんだ、池田さんいるじゃな……」ビクッ


京太郎「な、なんだよ……これ」ブルブル

豊音「ひっ!?」ビクッ

 それはこれから起こる悲劇に満ちた連続殺人の……凄惨なプロローグだった

美穂子「……」

華菜「いやっ、いやぁあああああ!!」

モモ「あ、あぁっ……」ブルブル

 泣きながら、悲鳴をあげ続ける池田さんとそれを抱きしめる桃子
 荒れ果てた部屋の中心に、彼女は居た

 真紅の血に身を染めた……福路美穂子
 茶と青の綺麗な瞳は見る影もなく淀み……暗い闇に沈んでいる

 その死体はまるで一つの美術品のように、一種の美しさがあった
 さきほどまで笑っていた筈の福路美穂子の体は雪のように白々としいて……息絶えている

美穂子「……」

京太郎「う、うわぁぁぁああああああ!!!!」

豊音「牌姫の……呪いだよー」ブルブル

京太郎「さ、サンピン……!?」ゾクッ

 福路さんの遺体の傍らで、異様な存在感を示すそれは……
 まるで、俺達をあざ笑うかのように佇んでいた

豊音「牌姫が、牌姫が蘇ったんだよ!!」

京太郎「牌姫……」

 ビュウウウウウゥゥォォォォォン ガタガタガタ

 牌姫の伝説
 果たしてそれはこの事件と関係があるのか?
 
 俺には激しい吹雪の音が、彷徨い歩く【牌姫】の悲しい悲鳴のように聞こえた――


【File2 発端編 終】
https://www.youtube.com/watch?v=0jFwYdb_0Nw



 続いて推理パートのテストシーンがあるんですが
 人がいないと進行しづらいので、一時中断します

 今のうちにトリックの精度を上げるように練っておきますゆえ


 では日付も変わったので、人がいれば最後にちょこっとだけ再開しようかと思います
 推理パートは前回とちょっとだけ変える予定です

 


 うーん、推理パートは重要部分なのでもうちょっと人が集まる時間帯にしますね
 まぁ前科持ちだから人が離れるのは分かるんですけども、一応です


 ではまた日を改めて再開しますのでお待ちを



 

 


 いい加減高遠は悔い改めて刑務所に入って、どうぞ


 あのさぁ、このスレ推理パートあんだけど……
 やってかない?


 
   



 俺の名前は須賀京太郎
 清澄高校の一年生だ

 俺達は染谷先輩を除く麻雀部のメンバー四名とともに、岩手のペンション【POPOPO】にやってきた

 懐かしい友人たちとの再会、そしてそのひと時を楽しむ部員達
 だがこの時、彼女達の仮面の下には……暗い殺意が渦巻いていたのだ

 そして一日目の夜
 風越女子の福路美穂子が自室で無残にも殺された!!

 この時、ペンションにいたのはオレと咲を含めた客12名
 そして、未だに到着しない染谷先輩……

 果たして、この中に福路さんを殺害した犯人【牌姫】がいるのか!?



【雀姫伝説殺人事件 File3】
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w




【21:42 華菜・美穂子の部屋】


華菜「いやぁ!! いやあああああ!!」バタバタ

モモ「あ、ぁぁ……」ガタガタ

京太郎「な、なんだよこれ!!!」

 どうして、福路さんがこんな……
 誰が一体こんなことを!!


 ドタドタドタ


咲「京ちゃん!! 今の悲鳴は!?」タタタッ

和「一体何が!?」タタタッ

京太郎「咲!? くっ、来るな!!」バッ

咲「えっ?」バッ

和「これは……!!」ビクッ

京太郎「見るな咲!!」

咲「い、い……いやああああ!!!」ガクン

和「咲さん!!」ガシッ

エイスリン「イマノヒメイハ……? あっ!!」ビクッ

ゆみ「みんな!! 来るんじゃない!!」

玄「事件の香り!!」バッ

宥「……?」テクテク

豊音「うぁ……どうしよう」ブルブルブル

 イヤァァァァァ!! ナ、ナンデコンナ・・・!
 
京太郎「……」ギリッ

 落ち着け! 落ち着くんだ俺!!
 俺に今できることはなんだ!?

 考えろ! 考えるんだ!!

玄「……」ジーッ

京太郎「あ、おい!! 何やってんだ玄さん!!」

玄「……ふふ」ニヤリ





京太郎「一体何がなるほどなんだよ!! 今がどういう状況か分かってんのかよ!!」

玄「まぁ、落ち着くのです。これくらいの現場、慣れてるから」ニッコリ

京太郎「は……?」

玄「さぁて、後揃ってないのは……優希ちゃんと竹井久さんだね」ニコニコ

 こいつ……? なんでこの状況で笑ってるんだ?
 人が、人が一人死んでるってのに

咲「あぁ、京ちゃん……!!」ギュッ

京太郎「咲、落ち着け。お前だけは、俺が必ず守るから」ギュウウ

咲「うん……」

和「……」ホッ

優希「なんの騒ぎだじょー?」テクテク

京太郎「優希!! あっち向いてろ!!」

優希「なんだー? 犬のくせに生意気……な……」ビクッ

京太郎「目を伏せろ!!」

優希「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」ガックリ

京太郎「くそっ!!」



久「もう何よぉ、騒がしいわねぇ……」フワァァ

            __ /: : :/: :/: : :/:/: : l: :\: : : : :\
       、___厶斗匕: : /: : /:/i: |:l:.|: : : :∨: : : : :.
        `¨777¨´∨:/: : /:/ 八:i:从: : : : :i: : : : : :.

         / i/ /∨/: : :/ ´i/     ヾ ∨ : : |: : : : : :.l
          {    ∨/:_:_:/-‐/     ―--∨:._:|: : : : : :.|
       __ノi     ‘: :/:/  /-、       r‐  ∨:.|: : : : : :.ト、
       `ー‐/|___  }/:/ __/_      __, ∨: : : : : : | \
        i/二二Ⅵ: i 〃ヒ刎「`    ´ ヒ刎「ヽ iリ: : : : : :|
        /ニニニニ=-、:.  .::.::.       .::.::.  /: : : :l: :l:.|
    厂 ̄`マニニニニニ∧      ′       /: :/: : l: :lリ
   / /   ∨二二二ニ∧               /: :/: : : l: /
___ノ      ∨二二/: 込、     r ‐ 、   〃: :i : : : :!;′
         ∨ニ/\:i: : 介: ..  `  ´   イ : : !: : : l/
            Τ二二リ: /: i:_:_:〕  ‐-‐  ´ iヽ: :l: : : :{
          ノ二二/: : : :/ニニ」        |ニ∨: : : 八
        /二二ニ/イ: :l:/ニ「        //: : : :/: : ))
       /\二二二八:.:i二ニ|--、    _ー=彡: : : :/彡ヘ{
        /  \二二二ヾ二ニ「 ̄  - ´_ /:/: : :/二二ニ=-

京太郎「部長も!! こっちに来ないでください!!」

久「はぁ? 一体何が?」スッ

ゆみ「見るな久!!」

久「それ……美穂子? えっ? 何? これは……嘘でしょ、いやっ!」ビクッ

京太郎「落ち着いてください!」ギュッ

久「なんで? 一体……なんなのよぉ!?」

玄「ふふっ、白々しいね竹井久さん」ニッ

京太郎「えっ?」

玄「みんな安心して。真実はいつも一つなのです」ニッコリ



     !?



久「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」バンッ




久「いきなり何言い出すのか知らないけど、言いたいことは分かるわ」

玄「それなら話が早いね」ニッコリ

久「ふざけないでよ!! なんで私が犯人扱いされなきゃいけないのよ!!」 ダンッ

玄「それは自分が一番知ってるハズですよね?」

久「このっ……言わせておけば!!」ブンッ

京太郎「ちょ、ちょっと二人共落ち着いてください!!」バッ

ゆみ「松実玄だったな。いきなりどうしたんだ君は、この状況でそんな戯言を」

和「そうですね。イタズラに場を乱さないでください」

 確かに今は犯人が誰かなんてことを話している状況じゃない
 まずは、みんなで落ち着くことが大事なんだ

京太郎「とにかく、一旦ここから出て……」

玄「はぁ、しょうがないなぁ。なら、これでいいよね!」スッ

京太郎「これは……?」

 玄さんが懐から取り出したのは一冊の手帳
 なんだこの手帳? 何か、文字が書いてある?

京太郎「D……D……S手帳? なんだそれ?」

玄「えーっ!? 知らないの!?」オドロキ

モモ「それってまさか、あの団守彦の!?」

 ざわざわとみんなの間に同様が走る
 そんなに有名なのか、そのDDSってのは……

玄「うん! 私、松実玄はDDSのBクラスの生徒なんだ!」ニコッ


京太郎「DDS……?」

咲「京ちゃん知らないの? 有名な探偵の学校だよ!」

 探偵の学校?
 そんなものがあったのか?

和「団守彦が創設した探偵養成学校。法医学・暗号・格闘技・コンピュータなど様々な分野を学ぶとか……」カイセツ

ゆみ「クラスはQ・A・B・C・Dの5つ、その生徒であることを示すDDS手帳は警察手帳に匹敵するほどの効力を持っているらしいな」カイセツ

優希「でも、確か阿知賀に通ってるんだじぇ?」アレ?

玄「そうなんだー。おかげで毎日通えなくて、まだBクラス止まりなんだ」ションボリ

京太郎「……それで、そのDDSの生徒である玄さんが何をしようとしてるんだ?」

玄「ふふっ、実はもう犯人が分かっちゃったのです!」ドヤッ

華菜「誰だし!? キャプテンを殺した奴は絶対に許さないし!!」バッ

玄「まぁまぁ落ち着いて。それじゃあ今から、ちょっとした推理ショーを始めるよ」ニコニコ

京太郎「……」ギリッ

 なんでコイツは、こんなに嬉しそうなんだよ
 俺は、俺達はまだ心の整理もついてないのに!!

 どうして、こんな平然と……!!

玄「それじゃあ、まずは現場検証からだね」フフフ

宥「(玄ちゃんの悪い癖が出てるなぁ)」ブルブル




玄「とは言っても、誰の目にも明らかなことなんだけどね」ニコニコ

京太郎「……」

玄「被害者である福路さんが手に握りしめているもの、これはペンだね」

 確かに、うつ伏せに倒れた福路さんの手には【ペン】が握られている
 ピンクの柄の可愛いらしいものだ
 
玄「そして、この部屋の散らかり具合から見て……犯人は相当焦った犯行だったみたい」

 玄の言うとおり、【部屋の中は無茶苦茶】に荒らされ、人が争ったように見える 
 周りの【紙や小物】があちこちに散らばっている

玄「そして、死因は恐らく【後頭部からの強打】……これが原因だね」

 床を紅く染め上げている真紅の血
 それは福路さんの後頭部から流れ出ているようだ

玄「ここから、導かれる答えはこうなるね……」



 ※ここから推理パートに入ります
  

 松実玄の推理の前に、こちらも現場検証をやってみましょう
 気になる部分、質問したいことがあればどうぞ


「遺体の状態は?」
・後頭部を殴られ、うつ伏せに倒れている
・右腕にペンが握られてその咲には紙が落ちている

 さらに、その現場の状況から進展させ

「紙について詳しく」
・ピンク色の可愛らしい模様の紙
・綺麗な字で左上の隅に【竹井久】と書いてある

 とまぁ、こんな感じでどんどん推理していってください
 ある程度重要なヒントが出揃ったら打ち切って、本文に戻ります
 それと今回は重要なワードに【】を付けていますが、次からはなくなります

 本文進行時に気になる部分があれば、そこに突っ込みを入れてください
 補足して細かく描写することでそれが【証拠】となる場合があります

 では手始めに、やってみましょう

【証拠】
1「福路美穂子の遺体状況」
・後頭部を殴られ、うつ伏せに倒れている
・右腕にペンが握られてその咲には紙が落ちている


2「美穂子のダイイングメッセージ」
・ピンク色の可愛らしい模様の紙
・綺麗な字で左上の隅に【竹井久】と書いてある

 

遺体が即死かどうかが知りたい

後頭部の他に傷はあるかな?
争った形跡があるなら部屋だけじゃなくて遺体にも何かしらありそうだけども
後頭部の一撃で即死なら争った形跡ってのは不自然な気がするし

>>161
 検死出来る人がいないので不明

>>162
 外傷は頭部への打撃のみ
 これが死因であることはほぼ確定

メモに血はついてる?

凶器は何だと思われるか?部屋にそれらしいものはあるか?


>>165
 飛び散るように付着している

>>166
 鈍器のようなものだろうが、この場にはそれらしき物は無い

>>166
 美穂子が死んでいる為に不明
 池田は特に気づいていない様子

ペンに血はついてる?

部屋の散らかり方は遺体の周辺だけ?
争っていたんじゃなくて何かを探していたとも取れる?
あと飛び散った血に不自然なところはない?血が飛び散ってから何かが動かされたような跡とか

>>169
 ペンにも付着している
 ノック式のボールペンで、ノック部分にベットリ
 ペン先は引っ込んでいる

>>170
 遺体を動かした跡は無い
 部屋の散らかりは全体に渡って
 血に不自然な部分は特に無し


 そろそろ重要な証拠も集まったので、打ち切り
 次は反論タイムでこれらの証拠を使用します


【証拠】

1「福路美穂子の遺体状況」
・後頭部を殴られ、うつ伏せに倒れている
・右腕にペンが握られてその咲には紙が落ちている
・鈍器のようなもので殴られたようだが、他に目立った外傷は無い

2「美穂子のダイイングメッセージ」
・ピンク色の可愛らしい模様の紙
・綺麗な字で左上の隅に【竹井久】と書いてある
・飛び散るように血が付着している

3「ペン」
・ノック式のボールペンで、ノック部分に血が付着
・ペン先は引っ込んでいる

血の渇き具合は?
荷物は全部開けられている?
池田の私物の被害は?


>>172
 乾いていない
 バッグなんかは触れられた様子も無い
 池田の私物にも問題は無し



【松実玄の推理 再現】


 犯人はまず、普通に部屋を訪れた

犯人「失礼するわね」ニッコリ

美穂子「入って、どうぞ」ニコニコ

 そして、美穂子さんが油断した隙を伺って……後ろから襲う!!

犯人「死ねっ!!」

美穂子「きゃっ!?」

 しかし、その一撃は外れ
 福路さんは困惑する

犯人「……っ!!」ブンッ

美穂子「いやっ!!」ガシッ

 ここで福路さんは【ある理由】から悲鳴を上げられない
 なので、彼女は必死に犯人を取り押さえようとする

犯人「いい加減に、しなさい!!」ガンッ

美穂子「がはっ!!」バタン

 抵抗むなしく倒れる福路さん

犯人「や、やった!!」バタバタ

 福路さんを後頭部から殴って、即死したと思った犯人は慌てて逃げる
 勿論、伝説にあやかって牌を捨てることも忘れない

美穂子「うぅっ……」ガクガク
 
 だけど、福路さんは即死してなかった
 そこで彼女は散らばった紙とペンに手を伸ばす!

美穂子「……」カリカリ

 そして、とうとう力尽きてしまう




【21:51 美穂子・華菜の部屋】

玄「とまぁ、こういう感じかな?」ドヤッ

久「それがどうして私が犯人ってことになるのよ!!」

玄「だから被害者はダイイングメッセージを残してるんですよ」ニィ

京太郎「……」

玄「それがこれです。このピンクの紙」スッ

 玄が指差した先
 そこにあるのは可愛らしいメモ帳のような紙だ
 たくさん散らばる紙の中に混ざっており、綺麗な字で竹井久と書いてある

華菜「……これは、確かにキャプテンの文字だし!!」バッ

玄「決まり、だね」ニッコリ

咲「そんな、部長が?」ビクッ

優希「嘘だじぇ……」ブルブル

玄「福路さんは犯人が竹井さんだから悲鳴を上げなかった。できれば穏便に済ませたかったんだろうね」

 それが、玄の言う【ある理由】ってやつか
 福路さんは部長を殺人者にしないように庇ったと

和「では殺される瞬間に愛が冷めたとでも?」

久「嘘っ!! そんな筈無いわ!! 私が美穂子を殺す理由なんて!!」

モモ「でも、福路さんにまとわりつかれて迷惑してる風だったっす」ボソッ

久「そ、それは!? 確かに鬱陶しいと思ったこともあるわ!! だけどそんな理由で!!」

玄「言い訳は警察につきだしてからだね」フフッ

ゆみ「久……まさかお前が?」

久「いやっ!! お願い信じて!! 私じゃないの!!」

玄「さぁ、みんな! 竹井さんを閉じ込めよう!」

豊音「うん、ごめんねー」スッ

エイスリン「……」ブルブル

華菜「お前がキャプテンを!!」ギリッ

久「やめて!! 私は犯人じゃ……」ジワッ

京太郎「その通りだぜ」スッ

玄「えっ?」

京太郎「犯人を決め付けるのはまだ早い」




玄「むっ! 私の推理に文句があるのかな?」

京太郎「ああ、大アリだぜ」

久「須賀君……?」

玄「素人が口を挟まないで欲しいよ」イライラ

京太郎「お前、まだそんなこと言ってるのかよ」

玄「えっ!?」

京太郎「自分が真犯人に踊らされているってわからないのか?」

玄「……」ビキッ

京太郎「少なくとも、部長はまだ犯人と決めつけられないんだ」

玄「なら! 一体誰が犯人なの!?」

京太郎「いや、誰が犯人なのかはまだ分からない。けど」

 部長を犯人だと示す証拠は、ある理由から全て矛盾するんだ

京太郎「部長が犯人じゃないという、根拠は……これさ!!」バーン

 
 松実玄の導いた答えには幾つもの矛盾があります
 まずはそれを一つずつ潰して行きましょう



【松実玄の推理 再現】

A
 犯人はまず、普通に部屋を訪れた

B
 そして、美穂子さんが油断した隙を伺って……後ろから襲う!!
 しかし、その一撃は外れ
 福路さんは困惑する

C
 ここで福路さんは【ある理由】から悲鳴を上げられない
 なので、彼女は必死に犯人を取り押さえようとする
 抵抗むなしく倒れる福路さん

D
 福路さんを後頭部から殴って、即死したと思った犯人は慌てて逃げる
 勿論、伝説にあやかって牌を捨てることも忘れない

E
 だけど、福路さんは即死してなかった
 そこで彼女は散らばった紙とペンに手を伸ばす!

F
 そして、とうとう力尽きてしまう
 


 正解が出揃ったら京ちゃんのターンに入ります
 手に入れた証拠をくらえっ! とクロチャーに投げつけてやりましょう



 C もみ合っているのに後頭部を殴られているのはおかしい

 など、ですね


  


【答え合わせ】


京太郎「まず、福路さんの遺体の状況だ」

玄「状況?」

京太郎「ああ。目立った外傷も無く、後頭部への一撃が死因に見える」

 俺の言葉に合わせて、みんなが視線を福路さんへと向けた
 冷たくなって動かない……その姿に

京太郎「アンタの言うように争って部屋が荒れたなら、もっと外傷があるハズだ」

玄「そ、それは……!」

京太郎「それにこれだけ荒らされるほど暴れたなら、その音は誰かが聞いていてもおかしくない」

 俺の言葉にそれぞれが顔を見合わせる
 誰ひとりとして頷かない

 どうやら争う音は聞こえなかったようだ

京太郎「つまり、犯人は何かの理由で【争ったように見せる】必要があったってことだ」

ゆみ「なるほど……」

京太郎「それにもみ合いながら後頭部を殴るなんて、相当難しいと思うぜ」

久「確かにそうね。身長差がある男女なら別だけど」

京太郎「……ええ、そうですね」

玄「で、でも!! ちゃんとダイイングメッセージが……!」

京太郎「それも不自然なんだ」

咲「不自然?」



京太郎「福路さんの指先のダイイングメッセージを見てくれ」

玄「それは本物だよ! 池田さんが証言しているし、なんなら他の文と比べてみても……!」

京太郎「それが問題なんだよ。池田さんが、福路さんの文字だと証言できることが」

咲「えっ? どういうことなの?」

京太郎「それじゃあ、優希。ちょっと来てくれ」

優希「うぇっ!?」

京太郎「すぐ済むから、頼む」

優希「うん、分かったじょ・・・」

 渋々と言った感じで優希が俺に近寄ってくる。
 俺は、そんな優希にポケットからペンと紙を取り出し渡す

京太郎「それじゃあ、このペンで今から俺のフルネームを紙に書いてくれないか?」

優希「えっ? それだけ?」

京太郎「ただし、俺は思いっきりお前を抓るからな。書き終わったら離す」

優希「な、なんだそれ!?」

玄「そんな実験で何が分かるの?」ムカムカ

京太郎「それは見てのお楽しみさ。それじゃあ、行くぞ!!」

優希「わわっ!!」バッ

 



 ギュゥゥゥゥ

優希「いだだだだっ!!」カリカリ

京太郎「もっと強くするぞ!!」ギュウウウ

優希「ひぃぃぃっ!!」カリカリカリ!!

咲「あっ!!」

ゆみ「これは……?」

久「そう、そういうことね!」

京太郎「見ての通りさ。これで分かったろ?」

 優希が書いた俺の名前。
 それは……走り書きで書かれた汚い【すがきょうたろう】の文字

玄「……」ギリッ

京太郎「後頭部を殴られて、ほぼ即死状態の福路さんがわざわざ綺麗な文字。しかも漢字で名前を書くなんておかしいんだ」

 犯人を知らせるだけなら、もっと簡単に【ひさ】と書けばいい。それなら漢字でも【久】だけで済む
 だけど、【ひさ】で済むものをわざわざ【たけいひさ】と漢字で書く理由はない

玄「で、でも!! それならどうしてこんな紙が落ちてるの!?」

京太郎「それも、簡単な理由だよ」




京太郎「犯人は元々、福路さんが書いた【竹井久と書かれた紙】を利用しようとしたんだ」

玄「え?」

久「元々書いていた?」

京太郎「はい。その紙の存在を知った犯人がいかにも福路さんが死の間際に書いたように偽装したんです」

 倒れた福路さんにペンを握らせて、紙を目の前に置く
 たったそれだけだ

京太郎「だけど、綺麗に片付いた部屋でそんな都合よく紙とペンが床に落ちているわけがない」

宥「あっ、だから部屋を散らかして……」

京太郎「そう。それなら紙とペンが床にあっても不自然じゃなくなるんです」

玄「でも! どうして竹井久って書かれた紙があったの!?」

京太郎「……それは」

 想像はつく
 だけど、それを部長の前で言っていいのか?

久「……言って、須賀君」

京太郎「部長?」

久「わかってるんでしょ? 私に気遣いなんていらないわ」

京太郎「……はい」

 部長の疑いを晴らす為だ
 気は進まないけど、福路さん

 ごめんなさい

京太郎「それにはまず、福路さんの旅行の目的から離さないといけません」

華菜「旅行の目的?」

京太郎「俺と初めてここで遭遇した時、福路さんには不自然な点がありました」

 そう、それが福路さんの旅行の目的を明らかにする
 それは――


 問題出すの忘れてました
 京太郎と遭遇した時の福路美穂子の不自然な点 それは何か?


 十分後に答え
 正解者が出たらすぐに答え投下します



京太郎「あの時、部長が広間にやってきた後の会話です」

ゆみ「……? 何かおかしいことがあったのか?」

久「……ああっ!! そう、私もおかしいと思ったのよ!」

 どうやら部長は気づいたようだ
 まぁ、当然だろうけど

咲「何がおかしかったんですか?」

京太郎「みんなにも分かるように説明すると、その時の会話がこれだ」


~~~~~


久「あら、ゆみ達じゃない。どうしてここに?」スッ

美穂子「ひ、久!?」ビクッ

久「うげっ!? 美穂子もいたのね……」アトズサリ

華菜「清澄の部長だし。何? コイツとデート?」ニヤニヤ

ゆみ「そうなのか?」オドロキ

久「ええ、実はそうなのよ」ニッコリ

京太郎「ちょっと部長ー!?」

美穂子「ふふっ、相変わらずですね」ニコニコ

華菜「こっちも負けずにイチャつくんだし!!」ダキッ

美穂子「もう、華菜ったら」クスクス


~~~~


華菜「何がおかしいんだし?」

京太郎「なぁ、桃子。もし、加治木さんが俺と二人きりでペンションに宿泊してたらどうする?」

モモ「殺す」

京太郎「即答ありがとう。つまり、そういうことさ」

玄「あっ!?」

久「そう、おかしいと思ったのよ。普段なら、うるさいくらいに騒ぐ筈なのに」

京太郎「福路さんが部長に好意を寄せているのは、ここにいるみんなが知っていることだ」

 それはもう、相手にされていないのにもめげずアタックを続けるほどだ

華菜「確かに、いつものキャプテンなら殺気を放つ筈だし!」

京太郎「そこまでは無いと信じたいけど、少なくとも動揺するハズだ」

ゆみ「当然だな。若い男女が二人で雪山で宿泊してるなんてな」

京太郎「つまり、福路さんは俺と部長がデートじゃないと分かっていたんだよ」

和「じゃあ、まさか……?」

京太郎「ああ。福路さんは、俺達清澄麻雀部の慰安旅行だとあらかじめ知っていたんだ」





京太郎「恐らく、旅行のことを知ったのは偶然なんだろう。もしくは、誰かから聞いたのかもしれない」

咲「そういえば、結構外で旅行の話をしてたね……」

~~~~

京太郎「いやぁ、まさか岩手に旅行だなんてなぁ……」スタスタ

咲「麻雀部全員で旅行なんて、楽しみだよね」ニコニコ

京太郎「とは言っても、俺はどうせ付いていけないだろ」ハァ

咲「そんなことないよ!!」アタフタ

京太郎「だといいんだけど」テクテク

美穂子「……」ジーッ

京太郎「……ん?」チラッ

咲「どうかしたの?」

京太郎「いや……気のせいか?」ウーン

美穂子「……」ニヤァ

 これは絶好のチャンスなのだ
 ずっと、ずっと待ち焦がれた……

美穂子「その為なら……」フフッ

 先は長い
 ゆっくり時間をかけて計画を練ろう……

 全ては……あの人の為に

~~~~~



京太郎「もしも、旅行中に偶然好意を持つ人と出会ったら……」

咲「うん、凄いロマンチックだと思う」

 ただでさえロマンス溢れる出会いが、更に劇的なものに感じられるハズ

京太郎「恐らく福路さんなりに色んな計画を建てていたんだろう。だけど、誤算もあった」

和「誤算?」

京太郎「加治木さんと桃子の存在さ」

モモ「えっ? 私達っすか!?」

京太郎「偶然にも居合わせた二人のせいで自分の運命的な演出が弱まり、さらに部長は仲のいい加治木さんにベッタリ」
 
 このままでは、せっかくの作戦が水の泡
 せっかくのロマンチックな雪山でのひと時が、加治木さんに風を吹かせてしまうかもしれない

玄「……」

京太郎「そこで、焦った福路さんは正面から堂々と告白しようとしたんだ。このラブレターを使ってね」

豊音「じゃ、じゃあ! そのダイイングメッセージは?」

京太郎「美穂子さんがラブレターを書いている最中に殺されたことを表しているんだ。しかも……」スッ

エイスリン「シカモ……?」

京太郎「これは部長だけは犯人でないことを証明している」

久「!?」

京太郎「犯人はこのラブレターの存在を知っていて、部長に罪を擦り付けようとしたんだ」

ゆみ「どうしてそんなことが?」



京太郎「福路さんが殴られた箇所は後頭部のてっぺんだ」

和「ええ、そのようですね」

京太郎「よほどの身長差が無い限り、こんな場所を狙って打つのは難しいよな?」

久「それこそ男女の身長差が……」

京太郎「(俺、一応部長をかばってるんだけどなー)」シクシク

豊音「でもでも、私の身長でも少し大変かもー」

咲「なら、どうやって?」

京太郎「きっと、福路さんは座っているところを後ろから殴られたんだ」

久「それなら簡単ね。相手は動かないし」

 机に向かってラブレターを書く福路さん
 その後ろに忍び寄った犯人は……

玄「でも!! だからと言って犯人が竹井さんじゃない理由にはならないよ!!」

和「確かにそれなら誰でも犯行は可能ですし、部長も例外ではありませんね」

京太郎「いや、部長は犯人じゃない」

ゆみ「なぜなんだ?」

京太郎「その鍵を握るのが福路さんが握っているペンさ」

玄「ペン?」

京太郎「ラブレターを書いている最中に後頭部を殴られたとしたら、ペンの状態はどうなってると思う?」

優希「あっ!! 芯が引っ込んでるじょ!」

咲「ペンは出たままになってるハズだよね?」

京太郎「そう、だけどこれを引っ込めたのは犯人じゃない」

 上埜と書かれた紙を見て、犯人の罪を擦りつけるつもりならそんなことは必要無い
 なら、どうして芯が引っ込んでいるのか

京太郎「それは……」



 安価↓3


1 京太郎「福路さんが犯人の思惑に気づいたからなんだ」

2 京太郎「きっと犯人が間抜けだったんだ」

3 京太郎「このペンは壊れているんじゃないかなぁ」


 竹井久と書かれた紙を見て、犯人の罪を擦りつけるつもりならそんなことは必要無い
 なら、どうして芯が引っ込んでいるのか。

京太郎「それは、福路さんが犯人の思惑に気づいたからなんだ」

華菜「キャプテンが?」

京太郎「ああ。恐らく即死を免れて虫の息だった福路さんは……呆然と犯人の工作を見ていたハズだ」

久「美穂子……」ギュッ

京太郎「犯人が自分の書いた紙を利用することに気づいた福路さんは、どうにかそれを伝えたかった」

 だけど、真犯人を書く力は残っていないし
 かといって紙を破ったりすることもできない

 悩んだ筈だ
 最後の力を振り絞ってどうにか部長の疑いを晴らせないか?

京太郎「それがこの血塗られたノックの理由さ」

宥「ノック部分?」

京太郎「もし死の淵でダイイングメッセージを残すなら、書き終わった後に芯を引っ込める必要は無い」

ゆみ「確かに不自然だ」

京太郎「そこで最後の力を振り絞って、部長が犯人じゃないと証明したんだ」

 これはダイイングメッセージじゃない
 犯人は久じゃないってね

玄「で、でも! その裏を書いて自分の無実をでっちあげようとしたのかも!」

京太郎「いや、それは無理です」

玄「なんで!?」

久「バカね。あらかじめラブレターの存在を知らないと私を罠にハメられない」
 
 そして、その届け先である部長がラブレターの存在を知っている筈がない
 ラブレターは書き終わってから渡すものだ

玄「ぐっ……」
  





京太郎「つまり、これは部長の犯行に見せかけた誰かの……巧妙な計画殺人なんだ!」

和「ですが、犯人がたまたま襲撃した時に書いていただけという可能性もあるのでは?」

 確かにそれなら玄さんが言うように部長自身ででっちあげも出来るだろう

京太郎「勿論その可能性もある。だけど、これを見てくれ」スッ

豊音「それは……サンピン!?」ゴクリ

京太郎「こんなものを用意した犯人が、なんの計画も無しに犯行したようには思えない。しかも……」

咲「しかも?」

京太郎「この数字は3。つまり、あと二人誰かが殺される可能性があるってことだ」




   !?



京太郎「そんなこと、普通の犯人がする必要が無い。これじゃあまるで殺人予告だ」

久「なっ!?」

京太郎「つまり犯人は自信を持っているんだ。自分はこの状況であと二人殺してみせる」

 全員の顔に緊張が走る
 この中に――いるのか?
 
 犯人、牌姫が……

京太郎「【私が犯人である証拠は見つかりっこない】ってね・・・」




玄「だけど、そう推理されることを見越して裏をかいた可能性は消えてないよね?」

京太郎「……ああ」

久「往生際が悪いわよ!! 私は犯人じゃないわ!!」

玄「くっ……!! 犯人のくせに!!」

久「貴女ねぇ!!」

華菜「もうやめるし!!」バンッ

京太郎「池田さん……」

華菜「キャプテンが、安らかに眠れないし……」グスッ

 ハッとしたように、全員の視線が福路さんの遺体へと注がれる
 そう、彼女はもう死んでしまった

 俺たちが犯人を見つけても……もう彼女が生き返ることはないんだ

モモ「よくこんな時に、推理ごっこできるっすね……」ボソッ

ゆみ「……ああ。DDSの生徒とは、こういうものなのか?」

玄「ちがっ、私は……私はただ!!」

みんな「……」


 みんなの射抜くような冷たい視線が、玄さんへと突き刺さる
 無理の無い話だが、少しばかり同情してしまう


玄「っ……!!」トタタッ

宥「あっ、玄ちゃん!」タタタッ




 走り去っていた玄さんと宥さん
 それ以外のメンバーはただ呆然とその場に立ち尽くすしかない

豊音「……とりあえず、広間に集まろうよー」

ゆみ「そうだな。ここに長居したくはない」スッ

モモ「そうっすね……」ウツムキ

京太郎「詳しい事情や、これからのことは下で話し合いましょう」

 この中で男は俺一人
 俺が、俺がしっかりしないと……!
 
エイスリン「……」ブルブル

咲「あ、あの京ちゃん……」

和「行きましょう咲さん」ギュッ

咲「えと、うん……」スタスタ

優希「みんな待って欲しいじぇ!」タタタッ

華菜「……キャプテン。さようならだし」ボソリ

 やっぱりみんな、参っているな
 無理もない、こんな……こんなこと!

京太郎「……」ギリッ

久「あ、あの! 須賀君」モジモジ

京太郎「ん? なんですか部長?」クルッ

久「えっと……その……///」モジモジ

京太郎「……?」

久「あ、ありがとうね……」ボソボソ

京太郎「え? 今ありがとうって?」キョトン

久「~~~っ!!! な、なんでもないわよ!!」タタタッ

京太郎「……なんだったんだ?」 






【??? の心の声】


 全く、予想外だな
 私の授けた芸術犯罪をこうも台無しにしてくれる彼女も彼女だけど……

 何よりもまさか、彼があそこまで出来るなんてね
 あの噂はどうやら本当だったらしい

 義兄さん……貴方とあの探偵が宿命の敵同士であるように
 私も――彼と争う運命になるのかもしれない
  
 ふふっ
 さあて、イベントにハプニングは付き物
 果たして君は、どこまで私についてこられるのかな……?

 この入り組んだ迷宮のゴールへと……辿りつける?
 もしたどり着くことが出来れば――


???「ふふふふっ……」


 さぁ、楽しい楽しいゲームを始めよう
 勝つのは名探偵か……?
 
 それとも、我が傀儡か……





【長野県警】


長島「今日はどうも暇だな」ボケーッ

 ピピピピッ

警官A「長島さん、電話鳴ってますよ?」

長島「なんだぁ? 人がせっかくのんびりしてるってのに……」ピッ

警官B「(暇だって言ってたくせに)」

長島「もしもし! 長島だが?」

京太郎『長島さん!! お久しぶりっす!! 実は今、大変な事件が!!』

長島「……」ピッ

 ツーッツーッ

警官A「長島さん?」

長島「問題ない。間違い電話だ」

 プルルルル プルルルル

警官B「あの、でなくていいんですか?」

長島「俺はあの一族とはなるべく関わり合いたくないんだ!!」ギャーッ

警官A「そういうわけにもいかないでしょう?」

長島「……くそっ!!」ピッ

京太郎「あっ!! 酷いですよ長島さん!!」

長島「うるさい!! いいから要件を言え!!」

京太郎「はい。実は……!!」





(金田一を知らない人の為の補足)

※長島警部

 金田一少年シリーズに登場する長野県警の警部
 最初期は金田一に非協力的だったが、次第に態度が軟化していく
 このスレにおいては京太郎と知り合いの設定

 



長島「なぁにぃ!? 岩手で殺人事件だと!?」キーン

京太郎『はい。しかも、吹雪のせいで俺達は山を降りられなくて』

長島「そんなもん、ロープウェイでもなんでも使っておりればいいだろう!?」

京太郎『そのロープウェイが吹雪で使えないんですよ!』

長島「こちとら夜勤で、のんびりしてたってのに……」ハァ

京太郎『頼みます!! 俺と長島さんの仲じゃないですか!?」

長島「お前といい、お前の従兄弟といい!! 金田一の家系は死神か!?」

京太郎『いや、はじめ兄はともかく俺は……そもそもじっちゃんと血が繋がってないし』ドンヨリ

長島「……ああ、分かった分かった!! すぐにそっちの県警へ連絡する!」

京太郎『あ、ありがとうございます!!』

長島「俺も一応行ってやる。だからこれ以上の被害が起きないようにしろ、いいな?」ツンデレ

京太郎『はい!! 俺なりに頑張ってみます!!』

 ブツッ ツーッツーッ

長島「……」

警察A「あの、長島さん?」

長島「……今から岩手に行くぞ」

警察B「えっ?」

長島「いいから急げ!! 至急岩手県警に連絡だ!! 後、警視庁の剣持さんにも連絡を入れておけ!!」

警察B「は、はい!!」

鈍器か…ペンションなら工具一式あるよな
ペンションに自動販売機ってある?



>>225
 工具はあります
 自動販売機はありません





【22:05 広間】


京太郎「はい!! 俺なりに頑張ってみます!!」ピッ

 よし、これで岩手県警はすぐに動いてくれる筈だ
 ドラマなんかじゃ電波も入らないなんてことあるけど、無事繋がってよかった

咲「どう? 京ちゃん」

京太郎「ああ。なんとか長島さんに連絡を入れられたよ」

久「それにしても、須賀君が警察の人と知り合いだなんて」オドロキ

京太郎「昔色々とありまして」アハハ

 ガチャッ

豊音「みんな、紅茶をいれてきたよー」スタスタ

エイスリン「……」カチャカチャ

ゆみ「すまない、こんな時にまで給仕をさせてしまって」

豊音「いいんだよー。今は私がオーナーなんだから」ニッコリ

エイスリン「……」コクリ

モモ「……あったかい紅茶っすね」ズズッ

華菜「……キャプテンにも、飲ませてあげたかったし」ボソリ

優希「池林……元気出すんだじぇ」ギュッ

華菜「池田だって言ってんじゃん……」ウツムキ




京太郎「豊音さん、一応まだ動き回らないでください。外部犯の可能性もあるんですから」

豊音「う、うん。ごめんねー」

和「みんなの為を思ってくれた姉帯さんに、随分偉そうですね」ギロッ

京太郎「べ、別にそういうつもりじゃ……」

和「それとも、さっきのことで自分が小説の探偵にでもなったつもりですか?」フンッ

咲「違うよ和ちゃん! 京ちゃんは!!」

京太郎「いや、いいんだ咲。確かに和の言うとおり、俺は偉そうな態度をとっていた」

久「須賀君……」

京太郎「だけどな和。この場で男は俺だけなんだ」

 頼りないかもしれない
 俺なんかが居ても、何も変わらないかもしれない

京太郎「頼む、みんなが落ち着くまでの間だけでいい。俺にみんなを仕切らせてくれ」ペコリ

和「……」ギュッ

久「和、須賀君の言うとおりよ。今この場で一番冷静なのは須賀君だわ」

モモ「そうっすね。他にも落ち着いてる奴はいるみたいっすけど」チラッ

玄「……」ウツムキ

ゆみ「確かに、アレに仕切らせるのはいただけないな」キッパリ

宥「玄ちゃん……」ナデナデ

玄「……っ」ジワッ




エイスリン「ワタシモ、スガクンナラ……」

豊音「うん。オッケーだよ~」ニッコリ

和「……皆さんがそう言うなら」プイッ

京太郎「和! ありがとう!」ニコッ

和「……」ギュッ

 俺がしっかりしないと
 和が俺を信じてくれるように!

京太郎「それじゃあ、今から今後の方針と……さっきの事件についての話をします」

久「いいわ。続けてちょうだい」

京太郎「ではまず、外部との連絡なんですが」

 この突然の吹雪でロープウェイは運行休止
 天気予報によれば、降りられるのは早くても二日後の早朝
 警察の救助は吹雪がやみしだいヘリで来られるらしい 

京太郎「なので、少なくともあと二回はここで寝泊りしないといけません」

咲「そんな!!」

久「なんでこんな時に吹雪なんて……」

エイスリン「……」

京太郎「さて、ここまでで何か質問はありませんか?」

みんな「……」

京太郎「じゃあ、そろそろ本題に入ります」



京太郎「皆さんご存知ように、福路美穂子さんは何者かによって殺害されました」

華菜「……」ブルブル

京太郎「恐らく死因は後頭部への殴打。凶器はハンマーのようなものだと思われます」

ゆみ「あれだけの損傷だ。よほど大きいものだろう」カワイソウニ

京太郎「凶器を探すのも一つの手ですが、多分見つからないかと」

優希「どうしてそう思うんだじょ?」

京太郎「この外の吹雪を見ろよ。外に放り投げれば一瞬で見えなくなっちまう」

モモ「なるほど。隠す場所が多過ぎるっすね」

和「ですが、犯人は殺害予告をしているんです。所持品のチェックは必要かと」

京太郎「勿論するさ。だけど、逆のことも出来るからあまり意味は無いな」

 あれだけ用意周到な犯人だ、そんなボロを出すとは思えない
 
咲「ねぇ? その殺害予告のことなんだけど……」

京太郎「どうかしたのか?」

咲「あの牌って、あの『牌姫の牌』に似ていたけど」

久「そういえばそうね。もしかして、アレは」

京太郎「はい。さっき確認しましたが、廊下からイーピン、リャンピン、サンピンの三つが消えています」

豊音「そんな!?」

咲「やっぱり、そうだったんだ」ウツムキ

京太郎「このことから考えても、やっぱり犯人は後二回の犯行を計画しているみたいだな」

 一体いつあれを抜き取ったんだ?
 それに――気になることもある



久「それでどうするの? ずっとみんなで固まってるわけにもいかないでしょ?」

京太郎「そうですね。幸いにも部屋は人数分ありますし……」

咲「で、でも怖いよ!」

和「咲さんは私が命に代えても守りますから」

咲「うん……」ウツムキ

豊音「でも部屋の鍵はスペアが無いから、本人が鍵をかければ何より安心だよー」

京太郎「マスターキーも無いんですか?」

豊音「あるにはあるんだけど、今は叔父さんが持っているから無いんだー」

京太郎「……なるほど」 

ゆみ「そういえば、彼女はその……部屋に鍵をかけていたのか?」

京太郎「!」

 そうだ
 池田さんが福路さんを発見した時の状況をまだ詳しく聞いていない

京太郎「池田さん。もう、大丈夫ですか?」

華菜「……うん。いつまでも落ち込んでいられないし」

 そう言って顔を上げた池田さんの顔はとても直視出来るものではなかった
 赤く腫れた瞼に、涙の跡が池田さんの哀しみを物語っている

華菜「あれは……完全な密室だった」

京太郎「密室!?」




華菜「キャプテンが大事な用があるから一人にして欲しいって言われて……私は一人ペンションを歩いてたし」

京太郎「……その時に鍵は?」

華菜「預かってた。持って行っていいって言われてたから」

久「それで?」

華菜「だいぶ時間も経ったし、そろそろいいかなって……部屋に戻ったら鍵がかかってて」

和「鍵が?」

華菜「うん。それで鍵を開けて入ったら……部長が倒れてるのが目に入ったし」

エイスリン「……ヒドイ」

華菜「そ、それで……慌てて駆け寄って。息、してなくて……」ブルブル

ゆみ「そこで悲鳴を上げたってわけか」

 恐らく、俺と豊音さんが聞いた悲鳴とおなじものだろう

華菜「あまりの出来事にパニックになってたら……後ろから東横が声をかけてくれたし」

桃子「たまたまリビングに行こうと部屋を出たところで悲鳴を聞いたっすから……そしたら」

ゆみ「そしてその後に私だ」

 続いて駆けつけたのが俺と豊音さん
 後は俺が知る通りってわけか

華菜「……ぅぅ」ポロポロ

久「無理しなくていいわ。ありがとう」

華菜「うわぁぁぁ……っ」ギュゥゥ

 泣き崩れる池田さん
 しかし、これが事実なら……

京太郎「鍵は池田さんが持っていた。それなのに、福路さんは部屋の中で亡くなっていた?」

 それはつまり、密室殺人ということなのか?

玄「……でも、鍵を持っていたなら」ボソッ

宥「く、玄ちゃん!」

ゆみ「池田を疑うのか!?」ダンッ

玄「でも……事実だから」

池田「……!!」ギリッ

京太郎「確かに池田さんには犯行が可能かもしれない」

久「須賀君!?」

京太郎「でも、それなら自分から鍵がかかってたことなんて言わないと思うぜ」

 それに、鍵を預かっていたことも
 第一発見者である以上、いくらでも嘘をつけるんだから



ペンションの部屋には人が隠れることができる物がありますか?



京太郎「それに密室はともかく、死亡推定時刻も分からないんだ」

久「そうね。血が乾いて無かったから時間は経ってないだろうけど、曖昧ね」

京太郎「みんなのアリバイも一応聞かせてもらえますか?」

久「私は部屋で寝てたわよ。騒ぎで起きたの」

和「部屋で休んでいました」

咲「私も、本を読んでいたけど……」

ゆみ「私は久の部屋で話をしていたんだが、トイレに行きたくなって退室した」

久「その後で私はグースカよ」

京太郎「俺は部屋でうとうとしていたところに、豊音さんがやってきて」

豊音「うん。食事の片付けをエイちゃんとやった後に見つけたんだよー」

エイスリン「……」コクッ

宥「私は玄ちゃんと一緒だったよ!」

玄「……うん」

久「姉妹じゃ証言にならないわね」

宥「!!」

京太郎「部長、やめてください」

久「……ふんっ」

 とにかく、誰ひとりとして確実なアリバイはないってことか
 これは――偶然なのか?

京太郎「分かりました。では今後の対策なんですけど、必ず二人以上で行動するようにしましょう」

豊音「二人以上?」

京太郎「ええ。トイレも部屋の移動も……です」

桃子「うげっ、マジっすか?」

京太郎「犯人は部屋を密室にするなんらかの術を持ってる。篭っても確実に無事だって保証は無いんだ」




>>233

(テ)=テーブル


+++++++++++
+  (窓)          +
+(机)     (ベッド) +
+             +
+  (美穂子)    タ+
+ (テ)        ン+
+ ド          ス+
+ ア             +
++  ++++++++
  入口 


 大体こんな感じです



宥「あの、ちょっといいかな?」

京太郎「なんですか?」

宥「それなら三人以上のペアの方がいいんじゃないかな?」

久「無難だけど現実的じゃないわね」

咲「どうしてですか?」

京太郎「三人だと、チーム編成が大変なんだ」

 残っているメンバーは
 
・京太郎
・咲
・久
・和
・優希
・ゆみ
・桃子
・華菜
・玄
・宥
・豊音
・エイスリン

京太郎「まずペアを組む以上、相手は自分の信頼出来る人にしないといけない」

 そうなると、大雑把に分けるとこうなる

【二人の場合】
※仲良しペア
・京太郎&咲
・和&優希
・ゆみ&桃子
・玄&宥
・豊音&エイスリン

※そうでもないペア
・久&華菜

【三人の場合】
※純仲良しグループ
・咲&和&優希

※不純物ありグループ
・ゆみ&桃子&久
・玄&宥&華菜
・豊音&エイスリン&京太郎

京太郎「この中で犯人がいる場合、動きづらいのは二人の場合なんだ」

華菜「どうしてだし?」

京太郎「犯人はあと二回殺すと宣言してるんだ」

 つまり、三人の場合はやけになって二人殺して開き直ることができる
 美穂子さんが殺された動機が分からない以上、無差別の可能性もある
 
京太郎「だけどもし、一人殺してしまえばそれはペアの片方が犯人ってことになる」
 
 そうすればその時点で誰か犯人なのか一目瞭然
 犯人としては困ったことになる

宥「あ、そうか。だから下手なことができないんだね」

和「理には適っていますが、危険では?」

京太郎「そうだな。かといって四人での行動はかなり行動が制限されるし……」





 

久「それじゃあ多数決を取りましょ」

咲「多数決ですか?」

久「チーム分けもペア分けもそれぞれメリットがあるわけだし、好みの方でいいんじゃない?」

京太郎「それはそうですけど……」

 しかし他に決める方法も無い
 みんなの表情を見るに、多数決に異論も無いようだ
  
久「それじゃあ、多数決を取るわよ」

ゆみ「では二人組がいい人は?」

 手を上げたのは……

・京太郎
・咲
・久
・和
・桃子
・玄
・宥
・豊音

京太郎「決まり、ですね」

久「じゃあさっき須賀君が提案したペアで……」

華菜「待つし!!」

 多数決で意見が決まろうとした瞬間
 突然、池田さんが声を荒げた

華菜「私はこんな奴と同じ部屋いやだし!!」

久「あら、言ってくれるわね」


現場の窓閉まってる…よね?
ペンションの部屋の内装は共通?
ペンションの間取りというか、部屋の位置ってどんな感じですか?


>>248
 閉まってる
 内装は向きの違いはあれど共通
 部屋の位置の細かいのは近いうちにAA作るから待ってちょ




華菜「お前はキャプテンを殺した容疑者だし!!」

久「まだ言ってるの? やめてくれない?」ハァ

京太郎「確かに、二人組だとこのペアが心配ですね」

 いがみ合うのも無理は無い
 ここは入れ替わるしかないか?

京太郎「じゃあ、俺と池田さんが入れ替わるというのは?」

久「いやよ。須賀君と二人きりなんて」プイッ

京太郎「」

優希「……かわいそうな奴だじぇ」

咲「じゃあどうするの?」

 他のペアは信頼できる相手と組めている
 その状況で池田さん、もしくは部長と代わる人なんて――

和「では、こういうのはどうですか?」

京太郎「和?」

和「ゆーきと池田さん。部長と咲さんが同じ部屋というのは」

華菜「え?」

和「部長と咲さんは問題無いですし、ゆーきと池田さんも仲は良好ですよね」

久「そりゃまぁ、そうね」

優希「私は別に構わないじぇ」

 みんなが口々に頷く
 いや、確かに表向きは問題ない
 
 だけどそれって――

京太郎「お、おい和? じゃあまさかお前のペアは……?

和「……私では不服ですか?」


京太郎「」


和「……」ニッコリ

京太郎「(こ、殺される……!?)」ガタガタガタ


咲「あ、確かにこれは安心だね」

優希「あの犬がのどちゃんに何かできるわけないじょ」

久「哀れね」


京太郎「(つーか和の奴何考えてんだ? なんでよりによって俺と……?)」




 こうして取り敢えずのペアが決まった
 基本的には行動を共にし、寝る時も同じ部屋となる

 ……俺の場合は寝ている間、縛られることが条件となったが

 ペア分けはこうだ


・咲&久
・優希&華菜
・和&京太郎
・ゆみ&桃子
・玄&宥
・豊音&エイスリン


京太郎「何か事情があってペアとはぐれたりした場合は、すぐに他のペアに合流してください」

久「一時的に三人になるってことね」

京太郎「ええ。そうです」

優希「よろしくだじぇ池垣」

華菜「池田だって言ってんだろ」

 取り敢えずこのメンバーで行動することが決定した
 俺としてはこの中に犯人がいるなんて考えたくもないけど……

京太郎「(だけど、きっとこの中にいる)」

 外部犯なら、見立てを用意する必要も無い
 きっとこの中の誰かが――

豊音「……じゃあ、どうする?」

久「そうね。私は部屋に戻りたいけど、いい?」

咲「はい」

玄「……」フラフラ

宥「あ、玄ちゃん!」タッタッタッ

 みんなそれぞれのペアと行動を始めたらしい

京太郎「皆さん! 外部犯の可能性も捨てないでくださいよ!」

和「……さて、須賀君」ヒョコッ

京太郎「うわっ、和!?」ビクン

和「どうしますか? 部屋に戻りますか? それとも死にますか?」

京太郎「……なぁ、和」

和「はい。死ぬんですね、手伝いましょうか?」ニコニコ

京太郎「悪い。俺はまだ死ねない」

和「……」

京太郎「俺はみんなを守りたい。これ以上、犠牲者を出さない為に」

和「……それで、どうしたいんですか?」

京太郎「今から、現場を検証したり調べ物をしたいんだ」

和「また探偵ごっこですか? そんなにカッコつけたいんですか?」

京太郎「ああ……そうだ」

和「最低ですね。死ねばいいのに」ペッ

京太郎「……」



京太郎「頼む。手伝ってくれとは言わない、でも……俺一人で行動するわけにはいかないんだ」

和「そうですか。では、私について来てほしいと?」

京太郎「……ああ」

和「……」

 考え込む和
 無理も無い、いきなりこんなこと言われれば当然だ

 でも、それでも
 俺はこの事件を明らかにして、みんなを救いたい

 これ以上の犠牲者を出さない為に

和「分かりました」

京太郎「え?」

和「勘違いしないでください。須賀君の為ではありません」

京太郎「和……ありがとう」

和「いいから早く歩いてください。ノロマですね」プイッ

京太郎「ああ、急ごう!」


和「……ふふっ」ギュッ



京太郎「和?」

和「……いえ、なんでもありません」キッ

京太郎「あ、ああ」キョトン


 こうして、俺と和は事件の秘密を解く為に動き出した

 だがこの時――
 


 コソッ

??「(邪魔だなぁ……あの探偵坊や)」


 俺の身にもその魔の手が伸びていることに


??「(なら、最高のオチをご用意するしかない……名探偵クン)」ニヤリ



 まだ、気付くはずも無かった



 【File3 終】
 https://www.youtube.com/watch?v=0jFwYdb_0Nw

 

たびたびある和のギュッって音がなんなのか気になる

>>259
 拳を握る音が大半です


 お次でまたもや事件が起きます
 念の為に言っておきますが、咲キャラは基本みんな好きです

 キャラがゲスになっていたり噛ませになっていても、それは愛情の裏返しということで
 あと金田一特有のゲス動機があっても、皆さん動揺しませんよね?(フラグ)


 では次回もよろしくお願いします


【容疑者】

・宮永咲
・原村和
・竹井久
・片岡優希
・染谷まこ
・福路美穂子(死亡)
・池田華菜
・加治木ゆみ
・東横桃子
・松実玄
・松実宥
・エイスリン・ウィッシュアート
・姉帯豊音

 
京太郎「君にこの謎が解けるか!?」




 

部屋の鍵は全部でいくつ?


密室破りの推理は浮かんだけどもさてどうなるか
一応聞いときたいのは複数犯の可能性はある?
メタいけど複数犯って正直なんでもありになりかねない要素の1つなのよね


>>264
 一つの部屋に、という意味なら一つ
 全ての部屋数という意味なら、客室は15部屋ほど
 鍵自体の数でしたら結構な数ありますよ


>>265
 一応アリにしておきます。なるべく可能性は広げておきたいので
 ただし、その場合はちゃんと誰がどうやってどうして殺したかもちゃんと分かるようにします

 脈絡も無しに複数犯、ということはありません
 なんちゃらの十戒は守ってるハズ……かな

 ただし、あくまで咲と金田一のクロスなのでそこだけ少しご注意を

1は一応犯人とか決めてるの?

 
>>269
 もう既に描写してるので言いますが
 示唆犯(高遠とかケルベロス)みたいなのと、実行犯は決めています

 これから起こる事件とその全ての犯行ももう決めてあります
 なので既に伏線巻かれる部分もあったりなかったり?

 なので気になったことがあれば、途中で質問してください



 ノックスの十戒調べてきたよー
 一応当てはまるかどうかだけ調べましたがその結果


犯人は物語の当初に登場していなければならない ○
探偵方法に超自然能力を用いてはならない (言葉通りの意味なら)○
犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳) ○
未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない○
中国人を登場させてはならない (この「中国人」とは、言語や文化が余りにも違う外国人、という意味である)○

探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない △

変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない ○
探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない ○
“ワトスン役”は自分の判断を全て読者に知らせねばならない ○
双子・一人二役は予め読者に知らされなければならない ○


 どうしても京太郎(金田一)は偶然に頼る部分があるので
 そこだけは自信無いです

 それ以外はまぁ、問題無いんじゃないかな
 解釈のズレがあったらそれはごめんなさい



 そろそろ再開しますよーイクイク
 この辺にぃ、面白い推理スレ、来てるらしいすよ?

 じゃけん参加して行きましょうね(ダイレクトマーケティング)





 俺の名前は須賀京太郎。清澄高校麻雀部の一年だ
 
 全国大会で優勝した俺達清澄高校麻雀部は
 岩手県代表である姉帯豊音さんの招待で岩手にある雪山の別荘へと足を運んだ

 ところがそこで俺たちはとんでもない事件に巻き込まれてしまったのだ

 一日目に風越女子の福路美穂子さんが鈍器で撲殺され、悲しみに暮れる俺達
  
 牌姫の呪いを表すかのように現場に残されたサンピン
 果たして犯人――【牌姫】――はこの中にいるのか!?

 そして、犯人の予告通りに後二人の人間が殺害されてしまうのだろうか!?

 
 待ってろよ牌姫
 俺がこの謎を解き明かし、必ずお前を追い詰めて見せる!!



【雀姫伝説殺人事件 File3】
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w


【容疑者一覧】
 http://kie.nu/2180

 


 いきなり訂正します


【雀姫伝説殺人事件 File4】
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w


【容疑者一覧】
 http://kie.nu/2180

 
 


【二階廊下 22:30】


京太郎「さて、調べるか」

和「まずはどうするつもりですか?」

京太郎「……無駄だと思うけど、福路さんの部屋を調べようかなって」

和「ですが、あそこには……」

京太郎「そうだ。だから和にも一緒に入ってもらうことになるけど……」

 俺一人が入って調べたんじゃ怪しまれちまうし
 証人になってくれる人は必要だ

和「分かりました。構いませんよ」

京太郎「ありがとう、和」ニコッ

和「……」ウツムキ

京太郎「さて、じゃあまずは扉の前からだな」

 鍵穴は一つ
 古いタイプで差込式の鍵だ

 意外と頑丈そうに見えるし、工具で取り外したりするのも大変そうだ

京太郎「鍵穴から何かを突っ込むことも……無理だな」ジィー

和「貫通はしていないようですね」

京太郎「そりゃそうか。のぞき放題になっちまうし」

 さて、次は中だな……

京太郎「ん?」ガチャガチャ

和「どうやら鍵がかかってるようですね」

京太郎「そっか、池田さんか」

 しょうがない
 池田さんに鍵を借りにいこう

京太郎「……怒られないかな」

和「さぁ?」

 




【咲の部屋 22:33】

 コンコンッ

京太郎「咲、入るぞ」ガチャッ

咲「あっ、京ちゃん!」

 扉を開けると、そこには咲と池田さん
 それとなぜか部長と優希の奴もいた

京太郎「何やってるんですか?」

久「落ち着かなくてね、遊んでたのよ」

華菜「……」

京太郎「あー、なるほど」

 そうか
 元気が無い池田さんを励まそうとしていたのか

京太郎「あれ、それって今朝の牌ですか?」

久「……そうよ」ムスッ

 テーブルの上に広げられていたのは今朝、部長が使ったマジックの牌だ

京太郎「ははーん。性懲りもなく、それを池田さんに見せていたんですね?」

優希「あー、京太郎」

京太郎「?」

咲「あ、あはは」メソラシ

和「?」

華菜「……」

久「バレちゃったのよ。というか、知ってたのよ、この子」ムスッ

京太郎「へっ?」



久「このマジック用の牌、持ってるの」

京太郎「そりゃあマジックグッズなんてそんなもんですよ」

 でも、部長にもいいところあるな
 マジックで、落ち込んでいる池田さんを励まそうとするなんて

咲「それはまだいいんだけど……」

京太郎「いいんだけど?」キョトン

優希「あー、そのマジックグッズを最初に見せたのが……」

華菜「キャプテン、すっごく喜んでくれてたし……」

京太郎「あっ」サッシ

久「……」
 
 なるほど
 そりゃ気まずくもなるわけだ

京太郎「いや、その。なんて言いますか」アセアセ

久「……それで、須賀君達は何の用?」

京太郎「ああ……えっと、ですね」

 どうする?
 正直に鍵を貸して欲しいなんて言えないし……

京太郎「うむ……」

和「池田さん。あの部屋の鍵を貸してもらえませんか?」

京太郎「和!?」

 四人がポカンと口を開いて和を見る
 和の顔は真面目そのものだ

華菜「な、なんで……?」

和「犯人の手がかりを捜す為です。いけませんか?」

京太郎「お、お前なぁ! もうちょっとオブラートに……!!」アセアセ

華菜「……」チャリンッ

京太郎「え?」

 池田さんが取り出した鍵を投げる
 
和「……ありがとうございます」

京太郎「い、いいんですか?」

華菜「犯人を……必ず見つけて欲しいし」ウツムキ

京太郎「……」

 きっと、一番辛いのは池田さんのハズなのに
 俺を信じて鍵を預けてくれるのか?

京太郎「はい。必ず見つけます」




 鍵を受け取った俺達は、早速部屋を出ようとする
 と、その時咲が声を上げる

咲「あ、京ちゃん!」

京太郎「どうした?」

咲「えと……気をつけてね」

 消え入るような声だった
 何心配してるんだか、こいつは

京太郎「ばーか、俺はこの中でも唯一の男だぞ」

 グッと力こぶを作って見せる

咲「……うん」

京太郎「じゃあな」

久「あ、それと須賀君!」

京太郎「はい?」

久「幾つか無くなってるんだけど、知らない?」チョイチョイ

京太郎「……」

優希「?」

京太郎「さ、さぁ?」アセダラダラ

 俺は逃げるように部屋を飛び出した
 いかんいかん、危ない危ない



【美穂子・華菜の部屋】

 前回の間取りを訂正します
 池田のベッドを忘れておりました


(テ)=テーブル


+++++++++++
+  (窓)          +
+(机)     (ベッド) +
+             +
+  (美穂子)    タ+
+ (テ)        ン+
+ ド          ス+
+ ア       (ベッド2)+
++  ++++++++
  入口 


京太郎「……福路さん」

 シーツを被せられて姿は見えないが、その上からでもあの光景がくっきり蘇る
 なんでこんな……くそっ!

和「何か手がかりはありますか?」

京太郎「調べてみないとな」

 部屋は割と普通な感じだ
 荒らしたのはメモを散乱させる為だとして……

 犯人はなぜ密室を作ったんだろうか?

京太郎「犯人は部長に罪を着せるつもりだったはずだよな」

和「ええ、須賀君の推理が正しければ」

京太郎「なら、なんで密室なんだ?」

 密室にしてしまえば、その謎を解かない限り部長が犯人とはならない
 
京太郎「万が一の保険か? いや、それにしても……」

 つまり、犯人の密室は偶発的な物だった?

京太郎「……何か気になるところはあるかな?」


 ※気になるところがあればどうぞ



京太郎「タンスの中は……隠れられるか?」パカッ

和「須賀君、女性の部屋のタンスを開けるなんて非常識ですよ」ジトッ

京太郎「あ、いや! これは推理の為でだな!」アセアエ

和「……ベッドの下も収納用の引き出しで、中には入れませんね」プイッ

京太郎「あ、ああ。そうだな」

 普通に考えれば部屋の中に隠れられるスペースは無い
 だけど、発想の転換をすればどうにかならないか?

 何か……


 ※怪しいと思う部分



 五分以内に閃けばヒント獲得



京太郎「隠れる場所は無いな」

 犯人が入れるスペースなんてどこにもない

京太郎「とすると、やっぱり鍵をどうにかしたのか?」

 それしか考えられない
 だけど、どうやって?

京太郎「じゃあ取り敢えず外に出てみるか」ガチャッ

ドア「」ギィィィ

和「……あっ」

京太郎「どうかしたか?」

和「なるほど……そういうことですか」ボソッ

京太郎「和?」

和「いえ、なんでもありません」

 なんだ和の奴?
 少し様子がおかしいぞ……


【二階 廊下 22:50】 


京太郎「そろそろいいか」バタン

和「収穫はありましたか?」

京太郎「まぁ、そこそこな」

和「そう、ですか」

京太郎「……?」

和「……少し、外に出ませんか?」

京太郎「外? でも、吹雪いてるぞ」

 それに外部犯が外に潜んでいる可能性も否定できない

和「そうですね、すみません」

京太郎「……(なんだか様子がおかしいな)」




和「……須賀君」

京太郎「うん」

和「私……トリックを解きました」

京太郎「え?」

 トリックって、まさかこの密室の!?

京太郎「ほ、本当か和!?」

和「……ですが、証拠がありません」

京太郎「取り敢えずトリックだけでも俺に……!」

和「なんで教える必要があるんですか?」

京太郎「っ!?」

和「犯人が誰かも分からないんです。軽率なことは言えません」

京太郎「で、でもっ!」

和「もし須賀君が犯人なら、早めに自首してくださいね。私、すぐに証拠を見つけますよ」

京太郎「和……!」

 スッ

玄「なんの話をしてるの?」スタスタ

京太郎「く、玄さん!?」ビクッ

 いきなり後ろから声をかけられた
 振り返ると、怪訝そうな顔をした玄さんが立っている

京太郎「宥さんはどうしたんですか?」

玄「……」

和「一人の行動は控えた方がよろしいかと」

玄「うん、気をつけるよ」フラフラ

 行ってしまった
 付いていった方がいいか?

京太郎「一人にさせるのは危険だな、宥さんも今一人だろうし」

和「須賀君。付いていってあげてください。玄さんを一人にするのは危険です」

京太郎「和? 何言ってんだ、お前もくればいいだろ」

和「……」グッ

京太郎「和……?」

和「……気持ち悪いんですよ、須賀君は」

京太郎「え? 急に何を……?」





和「私は咲さん達の部屋に行きます。ほんのすぐに着きますから」

京太郎「でも!」

和「もう一度言いましょうか?」ギロ

京太郎「っ!?」

 和の冷たい目が、俺を射抜く

和「私はアナタと居たくないんです」

京太郎「……じゃあ、なんでだよ?」

和「……」

京太郎「どうして、俺とペアを組もうなんて……」

 分からない
 和はずっと俺のことを嫌いなんだと思っていた

 それなのに――

和「好き、だからですよ」

京太郎「……す、き?」

和「……では、また後で」タタタタッ

京太郎「あ、おい!! 和!!!」

 走り去っていく和
 アイツ、今好きって……

 でも、アイツは俺のことを嫌っていたハズじゃ……?

京太郎「……くそっ!!」

 去っていく和を追いかけられない
 それは、玄さんを追いたいからじゃない

 怖かった
 和に、その言葉の真意を聞くのが

 俺は――

京太郎「くそ、くそっ!!」タッタッタッ

 走っていた
 和の方ではなく、玄さんの方へ

 これが――


??「……」クスッ


 最悪の選択だとも知らずに




【廊下 牌姫の牌 展示場所】

 スタスタ

和「……私は」

 どうしてでしょうか?
 
和「なんで、あんなことを……」

 あの気持ちは、とうに捨てたハズなのに

和「須賀君なんて……」

 あの人の為に、自分は身を退いた
 自分の大切な人だ

 きっと彼と結ばれれば幸せになれる

和「……」ギュッ

 なのに、いくら彼に冷たい言葉を浴びせても
 彼に冷たい態度を取っても

 胸は熱い

 彼を想うと思考がおぼろげになる

和「ごめんなさい」

 挙句にあの様だ
 なぜ彼女と彼を引き裂くようなことをしたのか

和「私は――まだ」

 彼の事が、

和「す――」

??「……」ニィッ

 ブンッ

和「なっ!?」 

 ガンッ

和「くぅっ……!?」フラァ

 バタリ ガタンッ!! 

 バラバラッ!

??「……」クスクス

和「あ、あぁ……や、やっぱり……」ググッ

??「……」スッ

和「(このままじゃ……ダメ、なんとかして須賀君を……)」プルプル

??「……?」

和「(須賀、くん。私……きっと)」スッスゥー


 アナタのこと、ずっとずっと


和「(好き、でした)」ガクッ

 だから――
 後は任せました

 アナタなら、きっと

??「ふふっ……最後の最後まであいつを憎む、か」ニヤリ

 



【23:00 広間】

玄「……」

 ガチャッ

京太郎「玄さん!」

玄「……あっ」

京太郎「捜しましたよ」

玄「ごめんね……」

 ガチャッ

豊音「あ、須賀君」

京太郎「豊音さん!」

豊音「今、松実さんの為にお茶を淹れてきたんだよー」ニコニコ

京太郎「あの、エイスリンさんは?」

豊音「えーっと、今は洗濯中かな」

京太郎「えっ!? 一緒じゃないんですか!?」

豊音「う、うん」

京太郎「何してるんですか!? あれほど一人での行動は――」

 ガチャッ

エイスリン「あっ」

宥「須賀君! それに玄ちゃん!!」

京太郎「二人共、一緒だったんですか?」

エイスリン「トチュウデイッショニナッタ!」

京太郎「なるほど、それはよかった」ホッ



 しかしみんな勝手な行動を取りすぎだ
 あれほど一人では行動しないで欲しいと言ったのに……

宥「玄ちゃん!!」

玄「ごめんね、一人になりたくて……」

宥「玄ちゃん……」ギュッ

エイスリン「ゴメンナサイ」

京太郎「いえ、無事ならいいんですよ」

 俺も、今は和を一人にしている
 人のことは言えないけど……

京太郎「あの、今から和を追いかけたいんですけど誰かついてきてくれません?」

豊音「えっ!? 今原村さん一人なの!?」

京太郎「ええ、咲の部屋に行くって」

宥「急いだ方がいいんじゃ……」

京太郎「その通りです」

豊音「それじゃあ私が行くよー!」ニッコリ

京太郎「ありがとうございます」

エイスリン「マッテルネ」

京太郎「はい。必ず三人で固まっていてくださいね」


【23:05】

 俺は豊音さんとともに歩き出す
 和は今二階にいるはずだ

京太郎「(でもなんだ、この妙な胸騒ぎ)」ドクン

 なんでだ?
 なんで、こんな嫌な感じがするんだ?

 どうして――

豊音「大丈夫だよー、きっと」

京太郎「そうだと、いいんですけど」

 廊下を進む
 この先の牌の展示室を曲がって、階段を上がれば二階だ

 大丈夫
 和はきっと無事に……

京太郎「あれ、牌?」

 いくつもの牌が廊下に散らばっている
 あれは一体――?

豊音「ま、まさか!?」

京太郎「!!」

 そうだ
 牌が落ちているということは――

京太郎「くそっ! まさかまた事件が!!」タッタッタッタ

 走る
 牌が散らばっているであろう、あの角の先に

 誰もいないでくれ

 頼む!!

 神様、お願いだ……

京太郎「あっ」


 無数の牌が散らばるその廊下の中心

 綺麗な桃色の髪を――惜しみなく広げ

 真紅の花を咲かせるように横たわる姿は――
 
 皮肉にも、とても綺麗だった


和「……」


京太郎「う、うわぁぁぁぁぁ!?」

豊音「いやぁぁぁぁ!!!」


 悲鳴が上がる
 虚ろな瞳で倒れ伏す和―― 

 俺は、守れなかった


 和を死なせてしまった


京太郎「俺は、俺は……!!」

 ああ、ちくしょう
 なんで、なんでこんなことになっちまったんだ

 教えてくれよ、和――



 見取り図更新します
 ツッコミどころとか気になることがあれば遠慮なくどうぞ

 もしかしたら後々変更もあるかもです

1F
                            (階段)
  (玄関)      (   風呂場  )(トイレ)    (牌展示)

  (       廊下                   ) 

  (カウンター)(廊下)(  娯楽室)(廊下)( リネン室・倉庫 )      
  (事務室) (   食堂     )(廊下)(   広間    )
  (     廊下                        )
  (裏口)               (空き)(空き)(玄・宥)(空き)


2F
 (久・まこ)(和)(優希)(咲)(京太郎)(空き)  (階段)

 (         廊下                )

 (ゆみ・モモ)(空き)(美穂子・華菜)(空き)(空き)



 タタタタタッ

エイスリン「ドウシタノ!?」

玄「……」

宥「また事件が!?」

 俺達の悲鳴を聞きつけて、最初に顔を見せたのはエイスリンさん達だった
 そして続くように階段の上から降りてくる音

久「どうしたの須賀君!?」

華菜「何があったし!?」

 部長と池田さんのペア
 そして――

咲「京ちゃん!?」

優希「京太郎!!」

 咲、優希の二人だ
 
モモ「なんすか、こっちは寝てたっすよ?」ファァ

ゆみ「うむ……」シパシパ

 寝起きらしい、加治木さんと桃子のペア
 これで――全員が揃った

久「ひっ!? の、和!?」

 部長が声を上げ
 続くように他のメンバーも悲鳴を上げる

 無理も無い
 
 俺だって――認めたくなんか無い

豊音「……これで、終わりだよー」ボソッ

京太郎「……」

ゆみ「なんてことだ……」

モモ「ま、マジで死んでるっすか?」ビクビク

 全員が絶句して見守る中
 俺は――腰が抜けたように動くことができない

 なんで、なんで和が?

 俺のせいで和が――

華菜「お前!! 何をしていたし!!」ガシッ

京太郎「ぐっ!?」

咲「池田さん!! やめて!」

華菜「お前か!? お前が殺したんだし!!」

京太郎「お、俺が……」

 




エイスリン「オチツイテ!」

華菜「探偵気取りして、お前が犯人なんだろ!!」バキッ

京太郎「……」

咲「やめて! 一番辛いのはきっと、京ちゃんだから!!」

華菜「っ!?」

 俺の為に身を呈してくれる咲
 だけど――果たして俺にそんな価値、本当にあるのか?

ゆみ「待て、須賀から離れろ」

久「ゆみ?」

ゆみ「……どうやら、犯人は決まったらしい」

 ボソリと、加治木さんが呟く
 それにつられて、みんな視線を加治木さんへと向ける

優希「ど、どういうことだじぇ?」

ゆみ「……原村はダイイングメッセージを残したらしい」

 そう言ってゆみさんが指さしたその先
 幾つもの牌が散らばる中で、和が人差し指を伸ばしている

 その先端にあったのは――



  発  1m(裏) 東(側)
   (♂)   西(斜)       
 1s(側) 2p      5m
             8s(裏)
  中(裏)  7m  北



久「オス、マーク……?」

ゆみ「犯人は男。つまり、犯人はお前だ須賀」

京太郎「……え? 俺が――犯人?」ドクン

 全員の視線が俺に集まる
 その目にあるのは――恐怖

華菜「やっぱり、お前が!!」

久「嘘、でしょ? ね、そうなんでしょ?」

モモ「でも、こいつがペアで……ダイイングメッセージまで」ビクビク

京太郎「う、うぁ……」

 和、お前は――そこまで、俺を憎んでいたのか?
 俺が殺したと、みんなに残して死んだなんて

 俺を犯人に――したいのか?

 俺は――







京太郎「……」

ゆみ「まさか、探偵が犯人とはな」フン

咲「ま、待ってください! これが証拠だなんて!」

久「確かにそうね。犯人は一度ダイイングメッセージを偽装してるわけだし」

ゆみ「じゃあ聞くが、なんで原村は一人だったんだ?」

京太郎「……」

玄「そ、それは私が単独行動をしていて……それで!!」

ゆみ「なら原村と追えばいいだろう? そう提案したのは須賀のハズだ」

宥「玄ちゃん……」


 俺が、和を殺した
 俺が和を殺したんだ

 俺が、俺が和を――


京太郎「俺が、和を……」

モモ「……決まりっすね」

豊音「須賀君……」

エイスリン「ウソ……」

ゆみ「悪いが、縛らせて貰うぞ。それと、部屋に監禁する」

咲「そんな!」

ゆみ「すまないがロープはあるか?」

豊音「う、うん。あるよー」

久「須賀君……アナタ」

京太郎「……」

 こうして、俺は豊音さんが持ってきたロープで縛られた
 でも、もうどうでもいい

 俺なんて所詮――何も守れない奴だった

 ごめん、はじめ兄

 ごめん、ジッチャン


 俺は――






【23:30 京太郎の部屋】

京太郎「……」ドサッ

ゆみ「さぁ、警察が来るまでここに閉じ込めるぞ」

咲「で、でも!!」

ゆみ「安心しろ。食事はちゃんと持ってくるさ」

華菜「こんな奴、殺しちゃえばいいんだし」ボソッ

久「そんなこと言うもんじゃないわよ」

華菜「でもっ!!」ダンッ

豊音「須賀君……ごめんね」

京太郎「……」

エイスリン「デモ、コレデモウアンシン?」

モモ「そうっすね。犯人がこの中にいる以上は」

咲「京ちゃんは犯人じゃないよ!!」

京太郎「咲……」

久「やめなさい咲」

咲「で、でも!」

久「それじゃあ部屋を出ましょ。いいわね?」

 部長がそう言い、みんなが部屋から出ていく
 しかし、ある一人だけが――

玄「待って欲しいのです」

宥「玄、ちゃん?」

ゆみ「どうしたんだ?」

玄「私も……残るよ」



 場が騒然とする
 無理も無い話だ

モモ「何考えてるっすか!? 殺人犯っすよ!?」

宥「玄ちゃん!?」

玄「須賀君とお話したいの、ダメかな?」

ゆみ「しかし……!」

久「あら、いいんじゃない?」

咲「部長?」

久「見張りは欲しいし。両手両足縛れば流石に男でも動けないでしょ?」

華菜「……」

優希「京太郎……」

玄「お願い」ペコリ
 
 頭を下げる玄さん
 そして、続くように宥さんも頭を下げる

宥「お願いします。私も――残りますから」ペコリ

玄「おねえちゃん?」

宥「一緒だよ、ずっと。ね?」ニコッ

玄「……うん」

ゆみ「……はぁ、仕方ない」

モモ「いいんすか?」

ゆみ「二人いれば大丈夫だろう。それに、犯人はもう捕まってるしな」

京太郎「……」






 こうして、部屋には俺と玄さん、宥さんの三人が残された
 俺は両手両足を縛られ、床に寝そべっている

 宥さんと玄さんはベッドで二人で寝るようだ

 まぁ、そんなことはもうどうでもいい


 俺は和を救えなかったんだから――


京太郎「……」

玄「……ねぇ、須賀君」

 電気の消えた部屋の中
 玄さんの声が響いた

玄「和ちゃんのこと、どう思ってた?」

京太郎「……」

玄「お願い。正直に、話して欲しいな」

京太郎「俺は……」

 その言葉を口にする資格があるのか?
 和を殺した俺に、その言葉を

京太郎「……」

玄「ふふっ、おかしいね」

京太郎「……え?」

玄「和ちゃんとおんなじ。だから、おかしいなって」クス

京太郎「和と、同じ……?」



玄「前にね、和ちゃんに聞いたことがあるの」

京太郎「……」


~~~~~


玄「え? 好きな人?」

和「……いえ、別にそういうわけでは」

穏乃「嘘ー!! 好きな人!?」

憧「へぇ、幸せ者じゃないその人」

灼「どんな人?」

和「……スケベで、鈍感で、麻雀が弱いです」クス

穏乃「えぇ……?」

憧「ダメダメじゃない」

宥「あったかくないね」ウンウン

和「でも……優しいんです」

五人「優しい?」

和「はい。誰よりも優しくて、誰よりも私達のことを見てくれて」ギュッ

 誰よりも――愛しい人

和「だから、長野に帰ったらその……//」モジモジ

穏乃「うわぁー!! 青春だぁぁ!」カァァ

憧「頑張ってね、応援してるから」

玄「うぅ、おもちが取られるのです」シクシク

宥「もうっ、玄ちゃんったら」クスクス

 アハハハハッ

~~~~~~

京太郎「和の、好きな人……」

玄「うん、その時は凄く嬉しそうに話してた……でもね」

京太郎「でも?」

玄「次に会った時には――全然違うことを言っていたの」


~~~

和「あの人は最低な人です」

玄「え?」

和「一時の気の迷いです、あんな人――死ねばいい」

玄「ど、どうしてそんな――!!」

和「あんな、あんな人……わた、わたしぃ……」ポロッ

宥「和ちゃん……?」

和「うぁっ……ぁぁ……」

~~~

玄「……それでね。何があったのか問いただしたの」

京太郎「……」

玄「そうしたら――」


【過去 清澄高校】

和「え?」

?「えへへ、内緒だよ」

和「……そう、ですか」

 和ちゃんはとっても大事な人も、自分と同じ想い人を持っていることを知った
 でも、それでも和ちゃんは心を強く持った

 相手は幼馴染同士
 自分の負けはほぼ確実だろう

 なら最後に正々堂々と告白して、スッキリしよう
 そう思っていた

 なのに――

???「俺は和がいいなー、やっぱり」

嫁田「おいおい、嫁さんはどうした?」

???「アイツは別だよ。俺はやっぱり和が好きだ!」アハハハ


和「……」ギュッ

 和ちゃんは自分が勝ってしまうことを知った
 それは――自分を信じてくれた友達を裏切ることになる

 だから、だから和ちゃんは――

 ガラガラッ

和「なんですか? その気持ち悪い話は?」

???「げぇっ!? 和!?」アタフタ

和「私はアナタに興味なんてありませんから、1マイクロ程も」キッパリ

???「そ、そこまで!?」ガビーン

和「死んでください。あと、二度と私に気安く話しかけないでください」

 その人から嫌われようって
 決めたんだ

~~~~~~~

玄「……」

京太郎「まさか――そんな、ことが?」



玄「だからね、私須賀君が犯人だなんて思ってないよ」

京太郎「……」

玄「須賀君は優しくて、和ちゃんのことをちゃんと見ていたハズだから」

京太郎「でも、俺は――」

玄「それに、和ちゃんが須賀君が不利になることなんてするハズがない」

京太郎「……」

玄「私だって、探偵だもん」

京太郎「玄さん……俺」

玄「おやすみ、須賀君」ギュゥゥゥ

宥「……」ナデナデ

玄「うぅっ……ヒック、のどか、ちゃん……ごめんね、ごめん」

京太郎「……」

 俺は、なんてバカだったんだ
 俺以上に――玄さんも責任を感じているんだ

 自分が一人になったから、和が一人になるハメになった

 そう自分を責めている
 なのに、自分のことよりもまず――俺を慰めようとしてくれたんだ

京太郎「ありがとう、玄さん」

 そうだ
 しっかりしろ須賀京太郎!!

 これは犯人のワナなんだ!


 奴は最後の犯行を行い易くする為に――俺を犯人に仕立てた

京太郎「(なんとしても、事件を解かないといけない!!)」

 はじめ兄――ごめん!
 俺、弱気になってた

 俺が、俺が一番しっかりしなきゃいけないのに!

京太郎「(考えろ――考えるんだ!!)」

 なぜ和が殺された?
 密室の謎を解いたからだ

 つまり、犯人は密室の謎を解けば浮かび上がる人物

 そして――!

 あのダイイングメッセージ

 あれには何か、本当の意味が隠されているんじゃないのか!?


京太郎「(必ず、犯人を見つけるから)」


 だから和
 俺に――力を貸してくれ




【???】


??「……はぁ、はぁ……後、後は一人」


 ここまでは順調だ
 あの生意気な探偵も閉じ込め、遮るものは何も無い

 後は――ヤツがくれた計画通りに行動するだけ

 それだけで――全てはうまくいく

 そうだ、後一人

 あの女を――!!




【翌朝 7:30】


玄「……んぅ」モゾモゾ

宥「うーん……」

玄「あ、須賀君は!?」

京太郎「……おはようございます」

 寝起きの二人を迎えるように、俺は声をかける
 結局、昨日は一晩も寝なかった

 犯人を追い詰める為に――

玄「何か、スッキリしたね」

京太郎「ええ、もう大丈夫です」

 問題はどうやって俺の無実を晴らすかだ
 方法としては――

京太郎「やはり、アレしかない」

玄「あれ?」

京太郎「玄さん。俺は外に出られません。代わりに、調べて欲しいモノが」

玄「それって、何?」

京太郎「和が殺害された現場に残されていた【アレ】がもしかすると――!」

 コンコン ガチャガチャ

 カチャリ

 ガチャッ

ゆみ「……おはよう」

京太郎「あ、加治木さん!」

 鍵が掛けられた部屋が開けられる
 どうやらゆみさんが管理していた鍵で開けたらしい

京太郎「あの、話が――!」

ゆみ「今すぐ君の縄を解こう」




   !?



京太郎「えっ!?」

ゆみ「須賀君。もう事件は終わった」

玄「え?」

宥「それって――まさか」

ゆみ「ああ。真犯人は見つかったよ」ボソリ


 恐ろしく暗い表情
 まさか――




【久の部屋 7:33】

 嘘、だよな?
 これは――嘘だ

久「……」

 部屋に立ち込める異臭
 物言わぬ人形のように、宙吊りにされたその身体

 ギシギシと揺れるその姿は――

 以前の彼女とは、まるで違う

京太郎「部長……」

 竹井久が死んだ
 それも、首吊り自殺で

ゆみ「今朝、食事の時間を知らせようとしたエイスリンさんが見つけた」

咲「いや、いやぁぁ!!」

優希「う、嘘だ! 嘘だじぇ!!」

モモ「……うぷっ」

豊音「どうして? 終わったハズ、なのに……なんでなの?」ビクビク

華菜「……」

京太郎「ゆみさん。さっきの言葉、どういう意味ですか?」

ゆみ「これを見てくれ」スッ

京太郎「?」

 携帯電話?
 もしかして――


【メールの内容】

 須賀君、そしてこの山荘に集まった皆さん
 ごめんなさい
 
 私の勝手でこんな事件に巻き込んでしまって、本当にごめんなさい

 全ては私の犯行よ
 美穂子を殺したのは、あの女がいつまでも私に言い寄ってきてウザかったから

 これで全てが終わった
 そう思っていたんだけど、まさか和にトリックを見破られるとはね

 私に自首してと言ってきた和をカッとなって殴ったんだけど……
 まさか、最後に須賀君を陥れる遺書を書くなんて

 驚いたけど、これはチャンスと思いそのままにしたの

 でも、一晩経って
 私の気持ちは変わったわ

 罪悪感で死にそうな気持ちを抱えたままこれから先、生きていける気がしないの
 だから、これでもう終わりにするわ

 みんな、ごめんなさい

 
 
 牌姫



~~~~~~

京太郎「……」



 ちょこっと訂正
 遺書ってなんやねん、ダイイングメッセージだろい


【メールの内容】

 須賀君、そしてこの山荘に集まった皆さん
 ごめんなさい
 
 私の勝手でこんな事件に巻き込んでしまって、本当にごめんなさい

 全ては私の犯行よ
 美穂子を殺したのは、あの女がいつまでも私に言い寄ってきてウザかったから

 これで全てが終わった
 そう思っていたんだけど、まさか和にトリックを見破られるとはね

 私に自首してと言ってきた和をカッとなって殴ったんだけど……
 まさか、最後に須賀君を陥れるダイイングメッセージを書くなんて

 驚いたけど、これはチャンスと思いそのままにしたの

 でも、一晩経って
 私の気持ちは変わったわ

 罪悪感で死にそうな気持ちを抱えたままこれから先、生きていける気がしないの
 だから、これでもう終わりにするわ

 みんな、ごめんなさい

 
 
 牌姫




ゆみ「久……早まった真似を」グッ

京太郎「加治木さん。このメールはいつ?」

ゆみ「早朝だ。恥ずかしながらその時は寝ていた」

モモ「私もっす」

京太郎「そうですか……ん?」

 床に落ちている牌
 これは――

京太郎「……」スッ

玄「あっ」

ゆみ「……?」

京太郎「イーピン、じゃない」


 落ちていたのは(白)
 なぜだ? 

 なぜイーピンを使わなかった?


京太郎「……」

ゆみ「取り敢えず下に降りるべきだ」

エイスリン「ハイ……」

豊音「広間に集まろうよー」

 俺以外の全員が下へと降りていく
 
 なぜだ?
 どうして……部長は……?




【広間 12:26】


 あれから、みんなは水を打ったように静まり帰っていた
 三人の人が死に、楽しかった旅行は露と消えた

 一体、誰がこんなことを予想できたのだろうか?

咲「……京ちゃん」

京太郎「咲、どうした?」

 一人今で考え込む俺の元に
 咲がやってきた

 その顔は赤く
 今にも泣き出しそうな表情だ

咲「ゆみさん達が部長の部屋で……凶器、見つけたって」

京太郎「そっか」

咲「京ちゃんはもう、推理しないの?」

京太郎「……」

咲「ねぇ、京ちゃん……」ポロポロ

京太郎「咲」

咲「どうして、ヒック、こう、なっちゃったのかなぁ……」グスグス

京太郎「咲、落ち着け」

咲「でも!!」

京太郎「部長は犯人じゃない」

咲「え?」

京太郎「大体、あんな遺書は偽物に決まってる」

咲「ど、どうして?」


京太郎「まず第一に、死を覚悟したハズの部長がなぜ……トリックを明かさないのか?」

咲「トリック?」

京太郎「ああ。もう死ぬつもりなら、密室の謎を話してもいいんじゃないか?」

咲「そうだね、でも……忘れてただけじゃ」

京太郎「それにもう一つ。イーピンだ」

咲「イーピン?」

京太郎「伝説通りなら最後は自分の元にイーピンを置く筈だろ?」

咲「そういえば……」

京太郎「なのに白を置いた。この謎がまだ解けていない」

咲「……もしかして」

京太郎「……俺の予想が正しければ、多分」

 信じたくないけど、恐らくそうなっているに違いない
 ただ問題は――

京太郎「なぜ、そんな回りくどいことを?」

 犯人は部長に罪を着せようとしていた
 そして密室の謎

 一体これは――

咲「京ちゃん、あと一日で警察が来ちゃうよ?」

京太郎「ああ、そうだ」

 それまでになんとか犯人の証拠を掴みたい
 だけど、それがどこにあるか……

京太郎「最後に、いくつか調べたいことがある」 

咲「うん」

 見つけるしかない
 犯人を追い詰める証拠を



 ※ 調べたい場所を書いてください




※キャプの部屋は得られるものがもうありませんので他の場所を探索してください
※ヒントは既に全文中に出ています



【牌展示前】


京太郎「和……すまん」

 シーツを被せられた和の周りを調べる
 どうやら昨日から触れられていないらしい

咲「どう? 何かありそう?」

京太郎「……」

 ここで捜すべきなのはなんだ?
 
 それは――


 安価下2


1 この場にあるもの

2 この場に無いもの

3 その他


ぶっちゃけ一番怪しいと思うモモの部屋調べたりできる?


>>386
 無理です
 というよりは意味が無いと言っておきます

 あくまで描写された場所にしかヒントはありません



京太郎「この場にあるもの……」

 和のダイイングメッセージ
 そして、その横にある犯人が残したリャンピン

 これは――やっぱり

京太郎「(となると犯人は……)」


【証拠】
・リャンピン

 を手に入れました


京太郎「さて、次は……」


 ※他の場所を選んでください




【久の部屋】

京太郎「……無理しなくていいぞ」

咲「ううん、平気だよ。京ちゃんが一緒なら」

京太郎「ああ」

 扉を開ける
 既に下ろされたのだろう、部長はシーツを被せられて横たわっている

京太郎「失礼します」

 返事が無いのはわかって声をかける
 ごめんなさい部長

 和だけじゃなく、あなたも守れなかった

 必ず、犯人は俺が見つけますから

京太郎「……」

 落ちている白を見る
 至って普通の状態だ

 特に変わった様子もない

京太郎「他には何かあるかな」

 無くなっているものはないだろうか?
 部長のカバンは普通にある
 
 ゆみさんが中を探したらしいが、特におかしいものはなかったらしいし

京太郎「ゆみさんに話を聞いてみるか」

【証拠】
・白

 を手に入れました


【ゆみ・モモの部屋】


ゆみ「何? 変わったことだと?」

京太郎「ええ、部長の部屋で見たものでいいので」

ゆみ「そうだな……そういえば、あのマジックセットだが」

京太郎「あれ? ゆみさんも知ってるんですか?」

ゆみ「ああ、楽しませて貰ったよ。意外と気づかないもんでな」

京太郎「なるほど。それでそのマジックセットがどうかしましたか?」

ゆみ「なん牌か無くなっていると久がぼやいていたのを思い出した」トオイメ

京太郎「……」

 待てよ
 そうなると……犯人はまさか

京太郎「そういう、ことか」

ゆみ「?」

モモ「さっきからなんの話っすかー?」バタバタ

京太郎「桃子、お前も一緒に来るか?」

モモ「いーだ! さっさと出て行け、ここは私達の愛の巣っすよ!」

京太郎「ああ、ごめん」

 バタン



【京太郎の部屋】

 これで謎は大体解けた
 でも、最後の1ピースが埋まらない

 なぜだ
 どうしてイーピンが無かったんだ?

 なぜ白を使う必要があった?

京太郎「どうして……」

 考える
 だがどうしても、思いつけない

 どう考えても理にかなっていないんだ

京太郎「明日になったら――」

 日が経過していく
 外の吹雪は次第に弱まっているだろう

 そして――明日になれば警察が到着する

京太郎「……」

 コンコンッ

京太郎「はいっ」

 ガチャッ

豊音「……休んでたかな?」

京太郎「豊音さん!」

豊音「いい?」

京太郎「ええ、勿論」


 入ってきた豊音さんはベッドに腰掛ける
 相変わらず大きいな、この人




豊音「ねぇ、須賀君」

京太郎「はい」

豊音「……もし、宮永さんが」ブルブル

京太郎「咲が?」

豊音「人を殺したら、どうする?」ボソリ

 消え入るような声だった
 まるで何かを恐れているような……そんな声

京太郎「……きっと、苦しむと思います」ウツムキ

豊音「……」

京太郎「でも俺は、絶対に見捨てたりしません」キッパリ

豊音「それは、庇うってことかなー?」バッ

京太郎「いいえ。それは、見捨てるってことと同じです」

豊音「え???」

京太郎「俺なら……立ち直って欲しいから、全てを明らかにしますよ」

豊音「それが、友情?」

京太郎「はい。人を殺したのを庇っても、それはただの自己満足ですから」

 ちゃんと十字架を背負う友を思い
 罪を償うのを支えてあげる

 それが一番だと思うから

豊音「強いね、京太郎くん」ボソッ

京太郎「豊音さん……」

豊音「おやすみ。明日は、無事に終わるといいね」

 ガチャッ バタン

京太郎「……」


 去っていく豊音さん
 その背中は――どこか、悲しみをまとっていた

 彼女もきっと――





 そうして、最後の夜は明けた
 悲しみの声をあげるブリザードともに、牌姫の悪夢は去った

 みんな、そう思っていた


 そして――




【最終日 一階廊下 7:10】


京太郎「もうすっかり晴れてるな、外」

 思ったよりも早起きした俺は下へ降りていた
 後は警察が到着するのを待つだけだ

京太郎「……あ、エイスリンさん」

エイスリン「オハヨウ」ニッコリ

京太郎「食事の準備ですか?」

エイスリン「ウン」コクッ

 そうか
 エイスリンさんは仕事熱心だな

 あの時だって――

京太郎「そういえば……」

 待てよ、あれはどういう……

豊音「おはよー」ンションショ

京太郎「わわっ!? 豊音さん!?」

 大きなツボを持って豊音さんが歩いてくる
 最初の日に見たあの花瓶並の大きさだ

豊音「ちょっと、手伝って欲しいよー」

京太郎「大丈夫ですか? すぐに持ちます」スッ

 ガシッ

京太郎「……ぐぉぉっ、重いぃぃぃぃ!?」

豊音「そうなんだよー! 中にハチミツが入ってるんだけど……重くて」

京太郎「プーさんですか!? ていうか重たぁ!?」

豊音「とても一人じゃ持てないよー! ありがとう須賀君!」ンションショ

京太郎「よくここまで持ってきましたね!」

豊音「努力だよーでも死にそうだったかな」アハハ

エイスリン「ア、アア」オロオロ

 そりゃそうだよな
 これほどのサイズのツボに液体がいっぱい入ってれば重いのも――


「キャアアアアアアアアア!?」


  
   !?



京太郎「!?」

 



京太郎「今の悲鳴は――!?」

豊音「外の方からだよー!!」

京太郎「これを置いて、行きましょう!!」


 走り出す俺達
 まさか、やっぱり俺の予想は――


咲「あ、京ちゃん!」

京太郎「咲! お前はここにいろ!」

咲「え、でも!」

京太郎「頼む!!」タッタッタッ


 走っていった先に見える玄関
 その奥に見える人影

 バタン カランカラーン!


京太郎「玄さん!?」

玄「あ、あぁ……」

京太郎「一体何が……!?」


 一面の銀世界
 その中で一際、目立っている部分がある

 大きく盛り上がり、突き出したカバン
 そして右腕と……頭

 見覚えのある緑色の髪
 青ざめた顔に付けられためがね

 それは間違いなく、俺のよく知る人物――


まこ「……」

京太郎「染谷、先輩……?」

 
 
 


 

 事切れた染谷先輩に俺は近づく
 この様子だと、かなりの間放置されていたらしい

京太郎「……先輩」グッ

ゆみ「何事だ!? なっ!?」

モモ「またっすか!? しかも……清澄の!?」

 続々と集まる宿泊客
 
玄「どういうこと? もう終わったんじゃ……」

豊音「……」ブルブル

エイスリン「マサカ、ソウナン?」

京太郎「いや、そうじゃない。こんな目の前で遭難なんてありえない」

 俺は染谷先輩の遺体を掘り返す
 その突き出された右腕に握られているのは――

京太郎「なんだ、これ?」

 小さな欠片だ
 一体なんの?

【証拠】
・小さな欠片

ゆみ「おい、須賀。他には何も無いのか?」

京太郎「えっと……ん?」

 言われて気づいた
 染谷先輩の口が……半開きになっている

 そして、その中にあるのは――

京太郎「イーピン……」

豊音「あ、あぁ!? 呪いだよー! 牌姫の呪いだよ!!」

ゆみ「落ち着け! これは久の仕業だ!」

京太郎「……いや、それも違います」

 部長は犯人じゃない
 そもそも、部長が染谷先輩を殺したとしたら……

 最後の遺書に書く筈だ

京太郎「……もう少し、もう少しなんだ」

 なぜ真犯人は最後のイーピンを染谷先輩に使ったんだ?
 どうして?

 四人殺すならスーピンでよかったじゃないか

京太郎「……」




 いや、違う
 犯人はイーピンを使えなかったんだ

 恐らく染谷先輩の存在のせいで
 
 つまり、犯人はミスを犯した
 そのイレギュラーの発生によって、致命的なミスを

京太郎「後は――どうやって染谷先輩を?」

 問題はそこだ
 染谷先輩がもし到着したなら、誰かが気づく筈だ

京太郎「あっ……」

 そうだ
 全てが繋がった

 あの時の不思議な現象も
 何もかも、これで全て繋がる

 後は――!!

京太郎「!!」ダダダッ

咲「京ちゃん!?」

 あるはずだ
 俺の推理が正しければ、まだあそこに――!

京太郎「……」ガサゴソゴソガソ

咲「どうしたの京ちゃん? いきなりゴミなんか漁ったりして!」

京太郎「あるはずなんだ! 決定的な証拠が!」

 雪山の山荘にあってはならないもの

 いや違う
 俺が勝手に勘違いした、アレが

京太郎「!!」

 見つけた
 やっぱりそうだ

 だからあの人はあの時――

京太郎「なるほど、そういうことか」

咲「じゃ、じゃあ京ちゃん……まさか?」








咲「犯人が分かったの?」

京太郎「ああ、謎は全て解けた」ギュッ


 この山荘で起きた事件
 福路美穂子、原村和、竹井久、染谷まこが殺された

 犯人は狡猾で、隙の無い犯行を遂げたと思っている

 だが、この一つのイレギュラーが、その全てを台無しにした

 そしてそれが完璧に思えた犯人の犯行を
 全て台無しにしてしまった


京太郎「待ってろよ牌姫。俺がお前の罪を暴いてやる」ググッ
 
咲「京ちゃん!」

京太郎「はじめ兄の名にかけて!」


 お前は、必ず俺が捕まえてみせる!!



優希「……」クス




 【File4 問題編 終】
 https://www.youtube.com/watch?v=0jFwYdb_0Nw


 【容疑者一覧】
 http://kie.nu/21bt




 以上で問題編の全てが終わりました
 凄まじく洞察力のある方はもう全て解決したかもしれません

 しかし、まだ重大なヒントを一つ撮り損ねています
 それは無くても正解を導けるのですが、どうしましょう?

 それを教えると一気にヌルゲーに
 教えなければそこそこの難易度かもしれません


 このヒント、いりますか?

 いりませんか?


 五分後くらいまでで多数決



 では最後のヒントです
 京太郎がゴミ箱から見つけたもの


【証拠】
・造花


 そして、京太郎が手に入れたもの

【証拠】
・ニセのリャンピン


 となります
 では他に質問や、気になる点などありませんか?

 なければ皆さんご待望の推理タイムに入ります


 では質問も無いようなので質問タイムを打ち切ります
 後は皆さんで推理してください


 解答編の投下は十八日の夜6~7時くらいかも
 それまでに正解者が出ていることを楽しみにしています

 解答方法は自由ですが
 喧嘩などなさらずに、最終的な答えを導いてください

 ここからはお好きに、自分の推理を吐き出しましょう


 ではグッドラック、名探偵諸君

そういえばまこ先輩って結局凍死なんだろうか

>>447
 おっと、そこの描写が無かったか
 すまそすまそ、撲殺でございます

 別に凍死でもいいけど、取り敢えず頭はかち割れパッカリン




【被害者一覧 死体発見順】

・福路美穂子(撲殺) 
 サンピン

・原村和(撲殺)
 リャンピン(牌がバラバラのため、他にもイーピンやサンピンも落ちている)

・竹井久(絞殺?)
 白

・染谷まこ(撲殺)
 イーピン(口の中)


 イーピン口の中は結構なヒントだったりします


終盤トヨネと京太郎の二人で一緒に運んだ花瓶の中に死体が入ってた予感
池田と宥姉は生きてんのか?

既出以外のまだ気になる三点

・>ゆみ「本当は蒲原達も来る予定だったんだが、蒲原が先月事故を起こしてな……」
 >???「……」グッ
・計画犯罪なら牌姫伝説を知っていなければならない
・和と久殺害時はペア行動なので、エイスリンとモモが実行犯だとしてもユミと豊音は共犯者

これらを踏まえた俺の予想

・キャップは池田が殺して鍵かけた
・マコは雪で足を滑らせ頭から花瓶に激突
・和は京太郎への愛が我慢できなくなって一人バックドロップ
・ヒッサは日課の緊縛[田島「チ○コ破裂するっ!」]が限界を超えてしまった

多分全部事故なんだと思う


 追加ヒント


・順番(見立ての違い)

・言葉の矛盾

・ある一人だけ知りえない事実(本来は三名だが、二人は確実なアリバイあり) 



 最後はともかく上の二点は結構重要です
 それと、確定的な物証は恐らく少し難しいかと(これはこちらの描写不足もありますが)

 ただ、金田一特有の状況証拠10割スタイルがあるので
 普通に状況証拠で追い詰めるだけでも大丈夫です

 金田一家必殺技である揺さぶりで犯人がボロを出すのも、使えますゆえ




・なぜスーピンを美穂子、和にサンピン、リャンピンをまこ、イーピンを久に使えなかったのか?

・リャンピンが偽物だった理由 なぜ犯人は気付かなかったのか?

 

 では今夜、お会いしましょう

 
 

まこはエイスリン、他の三人は桃子
順番は、まこ、美穂子、和、久の順

まこはトリックが解らないので、偶発的に起こった物とだけ予想
何らかの理由でまこが倒れ、カウンターの下かどこかに隠した
京太郎と咲が去った後、イーピンのみを盗んでまこを外へ運ぶ
しかし、吹雪いていたので無くならないよう牌は口の中へ
そのまま濡れて冷えた体を温めようと風呂場へ

桃子はイーピンがなくなっていたのでリャンピン(偽)とサンピンを盗む

美穂子のはトリックを仕組んでいる内に池田が戻ってくる
慌ててドアの裏へ、池田が叫んでいる内に背後に回って第二発見者に
よって、密室は想定外

和はトリックを解いた為と京太郎に罪を着せつつ動き封じ
この件にリャンピンは使用していない
リャンピンは実際には他の牌同様偶然散らばっただけ
ダイイングは他の方が推理されている通り東横を指している

久には、本来リャンピンを使う心算だった
実際、桃子はリャンピン(偽)を現場に置いた
だが、偽のリャンピンだと気付いたエイスリンが、白と取り換えた

リャンピン(偽)をエイスリンが捨てる
桃子が偽物に気付かなかったのは久のマジック牌を知らなかった為
ゆみは久のマジック牌の存在と幾つか無くなっていた事を知っていた
しかし、桃子には知っているという描写がなかった


 皆さんよい推理をお持ちでー
 後もうちょっとですね

 
 解決パートはもうすぐなんですが、どうしましょう
 次スレ立てるべきでしょうか?

 こっちはタイトルに問題編って書いちゃってるし
 こちらの依頼を出して、新スレで書き出した方がよかですか?

 



 
 一応別な事件もやる予定だけど、まだキャラ配分とか考えてないっす
 トリックとかもねー

 では人集まったらやりまー
 新スレは立てんでもええようやし




【最終日 広間 8:10】


 染谷先輩の死体が発見されてから
 俺達は広間に集まり、朝食を終えた

 もうじきに警察が到着する
 長島さんからの電話もあった


咲「……」

優希「……」

ゆみ「……」

モモ「……」

華菜「……」

玄「……」

宥「……」

エイスリン「……」

豊音「……」


 このみんなでの集まりも、いよいよ終わる
 そして――きっともう同じメンバーで集まることは無いのだろう 

 俺が――終わらせる


京太郎「みんな、ちょっといいですか?」


 さぁ、始めよう
 全ての真相を、明らかにする時だ




ゆみ「なんだ、薮から棒に」

京太郎「……一つ、ゲームをやりませんか?」スッ

 そう言って俺は麻雀牌を取り出す
 それを見て、桃子が怪訝そうな顔をする

モモ「こんな時によくそんなこと言えるっすね」

ゆみ「……まぁいいじゃないか」

モモ「先輩!?」

玄「うん。どうせ、暇だし」

宥「……」コク

 他のみんなも賛同する
 桃子も渋々了承したようだ

華菜「それで、何をやるんだし?」

京太郎「俺が今から、一人一人に牌を配ります」

 そう言って俺はまず、咲の前に五つの牌を置いた
 勿論、裏向きで

京太郎「この中に一つだけ、仲間外れがいる」

 俺はそう言って牌を混ぜる

京太郎「咲、裏返したり触らずに仲間はずれを一発で抜けるか?」

咲「え? ど、どうかなぁ……?」ジィーッ

 牌を観察する咲
 そして――迷うことなく、一つの牌を選んだ

京太郎「……裏返すぞ」クルリ

 すると、出てきたのは白
 真っ白な牌だ

京太郎「咲は白ってことだな」ポンポン

咲「わわっ!?」カァ

京太郎「今からこれを、全員にやります」

 ざわつく広間
 全員が顔を見合わせて何事かという顔をしている

京太郎「では次。優希、やってみろ」

優希「うぇっ!?」

京太郎「ただし、次からは一言も喋るなよ」 

優希「……」コクッ

 そうやって優希が選んだのは――

京太郎「お前も、白だな」クルン

 白だ




京太郎「では、次は――豊音さん」

豊音「う、うん」
 
 じっと見つめる豊音さん
 そして何かに気づいたような顔をして、選ぶ

京太郎「豊音さんも……白」クルン

 ジャラジャラジャラ

京太郎「じゃあ次は池田さん」サッ

華菜「……ん、これだし」クルン

京太郎「池田さんも白ですね」ジャラッ

 そして次は――

エイスリン「……」

京太郎「どうぞ」スッ

エイスリン「ウン」ジィ

 クルン

京太郎「エイスリンさんも白――」ジャラッ

ゆみ「次は私か。なぁ、こんなので一体何を――」ジィー

 ブツブツ言いながらも、しっかり選んでくれた加治木さん

京太郎「実はですね。これで仲間はずれを見つけられない人物が――」クルン

ゆみ「白……」

京太郎「この事件の、犯人なんです」

一同「えっ……?」

 ザワザワと、一同が騒ぎ出す
 無理も無いことだが、ここでやめるわけにはいかない

ゆみ「何を言ってるんだ? 犯人は久じゃ――!」

京太郎「いえ、部長は真犯人に罪を着せられて殺されたんです」

モモ「なっ!?」

華菜「そんな……!?」

京太郎「福路さん、和、部長、染谷先輩を殺した犯人」

 ツカツカ

京太郎「【牌姫】はこの中にいる!!!」




 【雀姫伝説殺人事件 File5】
 https://www.youtube.com/watch?v=Eg1RYTUGZ3w

 【容疑者一覧】
 http://kie.nu/21bt



優希「それは本当か!?」

京太郎「ああ、そうだ」

ゆみ「おい須賀君。君は一体なんのつもりでこんな……」

モモ「そうっすよ! 何様のつもりっすか!?」

華菜「ふざけるもいい加減にするし!」

 怒りの表情をみせる三人
 そんな俺を庇うように、咲が身を乗り出す

咲「待ってください! 京ちゃんは――あの金田一耕助の孫の従兄弟なんです!」

豊音「えぇっ!?」

華菜「孫の従兄弟……?」

ゆみ「あの有名な高校生探偵、金田一一の従兄弟?」

玄「DDSでも……Qクラスを凌ぐと言われる、あの……!」

咲「はい。これまでに幾つも事件も解決しているんです……」

京太郎「勿論……俺の親戚がすごくても、俺がそうとは限りません」

宥「……」

京太郎「でも、この事件を解決したいという気持ちに偽りは無い」キッ

 俺の気持ちが通じたのか、みんな一斉に押し黙る
 その沈黙を、俺は肯定とみなした


京太郎「ありがとうございます。じゃあ、続けますね」ツカツカ

 ジャラジャラ

???「っ!」ビクッ

京太郎「どうした? 次はお前の番だぜ?」

???「……」プルプル

京太郎「早く引いてみろ。そうすれば、お前が無実だと証明できるんだ」

 いや、出来るハズが無い
 なぜならこいつこそが――

???「……」クルン

 ひっくり返ったのは――

京太郎「イーピン」チャッ

 俺はすかさず、残りの牌も全てひっくり返す
 イーピンが三つ、白が一つ

京太郎「どうだ? この中でお前だけ白を――無実を勝ち取れなかった」

???「……」ギリギリ

京太郎「この連続殺人の真犯人、【牌姫】は……!!」ダンッ


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  ./.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!>、: : .     ̄   u., イ::::::::::::::.:!
  }/!.:.::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:!: : :>. _      , ..<::::::::::::::::::::::ハ
   !.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::j::l、 : : : : : : >-‐'"::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
   l.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::;;l:l::::::::/!:! >.、: : : ∧::::::::::::::::::::::::::::::::j:::::::::ハ!
 _,,. -―='''" ̄ ̄ ̄7.:リ:::::::/ j!    >-'_∧:::::::::::::::::::::::::::ハ::::::::! !

'".:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j.:.:j!!::::/ /    ,イ::..::..::ヽヽ:::::::::::::::::::::/:! !:::::/ j
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京太郎「東横桃子!! アンタだよ!!」

モモ「……ぐっ」ギリィィ




ゆみ「何っ!? モモが!?」ガタッ

モモ「あ、あはは……な、何を言ってるっすか?」

京太郎「言い逃れするのか?」

モモ「言い逃れも何も、身に覚えが無いっすからね」

華菜「こいつが……キャプテン達を?」

京太郎「ああ。福路さんを殺し、部長に罪を着せようとし」

モモ「……」グッ

京太郎「和を口封じに殺し、俺を閉じ込め、そして――」

 ダンッ

京太郎「部長を自殺に見せかけて殺した」

モモ「嘘っすよ!! そんなの!!」

優希「……」

モモ「だ、大体! あのおっぱいさんのダイイングメッセージ!!」

京太郎「和の?」

モモ「あれはどうなるんすか? アレはお前を示していたハズ!!}

京太郎「……あれの本当の意味なら、もう解けてるよ」

モモ「!?」

咲「京ちゃん、本当の意味って!?」

京太郎「これを見てくれ」バサッ

  発  1m(裏) 東(側)
   (♂)   西(斜)       
 1s(側) 2p      5m
             8s(裏)
  中(裏)  7m  北

京太郎「簡略化してるけど、現場に残されていたものを紙に書いたものだ」

ゆみ「ああ、確かにそんな感じだったな」

モモ「ほら! はっきり書いてるっすよ! オスのマーク、つまり男が――!」

華菜「確かに、男は須賀一人しか……」

玄「……あっ」ピコーン!

宥「玄ちゃん?」

京太郎「玄さんは気づいたようだけど、みんなも何か感じないか?」

咲「えーっと……」

京太郎「俺がまず疑問に思ったのは、和がマークを書いた場所だ」

宥「場所?」


京太郎「発と1mと1sとの間って狭く感じないか?」


  発  1m(裏) 東(側)
   (♂)   西(斜)       
 1s(側) 2p      5m
             8s(裏)
  中(裏)  7m  北

咲「確かに……オスマークもなんかちっちゃいしね」

京太郎「そうだ。どうせ書くなら2pと5m、7mと北の上の方が広い」

ゆみ「しかし、たまたま指がその位置だったんじゃ……」

京太郎「それなら牌を押しのけて書けばいい。こんなちっちゃく書く方が大変ですよ」

モモ「それがなんだっていうんすか!? 現にオスマークを書いてるなら!!」

京太郎「お前な、俺が犯人だとして。そんなオスマークを残すと思うか?」

モモ「!?」

優希「……はぁ」

京太郎「恐らく和は、犯人の手がかりを残そうとした。しかし、普通に名前を書けば犯人に消されてしまう」

玄「だから和ちゃんは……オスマークにしたんだね」

京太郎「ああ。俺を嫌っていることをみんなに知られていた以上、犯人もこう思った筈だ」

モモ「……」ギリッ

京太郎「そこまであの男を憎んでいるのか、ってね」

モモ「ぐぅっ……」

咲「じゃ、じゃあそのマークの意味は?」

京太郎「あくまで、本当の意味を隠す為のダミーさ」

豊音「ダミー?」

京太郎「なあ、このオスマークの○部分を消したら、何に見える?」スッ

 ♂ ○がなくなれば……

エイスリン「アッ……ヤジルシ!」

京太郎「そう、これはオスマークなんかじゃない」

咲「じゃあ、指しているのは……1m?」

  


 
京太郎「さしているのはそうだが、でも考えてみてくれ」

宥「その1mって裏返ってるんだよね?」

京太郎「その通り、倒れていた和にこの牌がなんだったのかは分からない」

モモ「じゃあ、やっぱりただの――」

京太郎「この牌自体に意味はなくても、その横なら?」

モモ「……えっ?」

京太郎「1mの横には何がある? ”東横”桃子さん」

モモ「あっ」

優希「……東、だじぇ」

京太郎「そう。側面になっているから、和からもよく見えただろう」

 つまり、このメッセージは「男が犯人」じゃなく

京太郎「犯人は東の横、つまり――東横桃子だってことだ」

モモ「……う、うぁっ」

豊音「やっぱり……」

ゆみ「モモ!? やっぱりお前が――!」

モモ「ま、待つっす!! それが犯人の罠の可能性もあるっす」

京太郎「……」

モモ「須賀と見せかけて、私も二重に保険をかけておく。それなら――」


京太郎「なるほどな。それじゃあ……次はアンタ自身の言葉を切っていこうか?」

モモ「!?」ビクッ



エイスリン「ドウイウコト?」

京太郎「最初に発見された、福路さんの殺害についてさ」

モモ「それこそ、あれは密室で――!!」

京太郎「なぁ、もう一度確認するけど」

 あの時の桃子の証言――

~~桃子「たまたまリビングに行こうと部屋を出たところで悲鳴を聞いたっすから……そしたら」~~

京太郎「違いないか?」

モモ「ええ、よく覚えてるっすよ!」

優希「……」チッ

咲「うん、私もそれを聞いたのを覚えてる」

京太郎「間違いないな?」

モモ「しつこいっすね!! 私が廊下に出た時、風越のネコさんが扉の前で悲鳴を!!」

京太郎「なるほど。確かに、福路さんの部屋に鍵がかかってる時に自室に居たと?」

モモ「そうっす!」

京太郎「池田さんが部屋を開けて悲鳴をあげて、部屋に入って行くのを見て後を追った」

モモ「さっきからそう言ってるっすよ!!」

京太郎「つまり、他に誰の姿も見ていないんだな?」

モモ「いい加減殴るっすよ!!!」ダンッ!

京太郎「……なら、試してみようか」

モモ「えっ?」

京太郎「今から、あの密室を再現します」

ゆみ「何!?」

京太郎「咲、手伝ってくれるか?」

咲「うん!」

京太郎「今から俺と咲が二階に行きます。悲鳴が聞こえたら……すぐに皆さんで駆けつけてください」

玄「うん、分かった」

優希「了解だじょ」

モモ「……」プルプル





「キャアアアアア!!」


豊音「聞こえたよー!」

ゆみ「ああ、いこう!」

優希「……」タタッ

エイスリン「ドウナルンダロ……」

玄「おねえちゃん!」

宥「うんっ!」

華菜「……キャプテン」ギュッ

モモ「……」

 広間に残っていたメンバーが一斉に走り出す
 向かう先は二階の美穂子の部屋

 そして――

咲「あ、みなさん」

ゆみ「宮永だけか?」

 全員がたどり着いた時、そこには咲が立っていた
 傍らには福路美穂子の遺体がある

 しかし、京太郎の姿はどこにもない

豊音「あれ、須賀君はー?」キョロキョロ

 あたりを見回すが、どこにも存在が無い
 そう思っていた時だった

京太郎「皆さん、俺はここですよ」

「!?」

 振り返ると、そこには確かに京太郎の姿がある
 それも全員の後ろに

ゆみ「一体いつからそこに!?」

京太郎「俺は最初からここにいましたよ」ニッ

玄「えっ!?」

咲「はい。京ちゃんはずっとここにいました」

豊音「い、一体どこに!?」

京太郎「それはですね……」ギィィィ


+++++++++++
+  (窓)          +
+(机)     (ベッド) +
+             +
+  (美穂子)    タ+
+ (テ)        ン+
+ ド          ス+
+●ア       (ベッド2)+
++  ++++++++
  入口 

 ●=京太郎


京太郎「ここ、ですよ」ニカッ

モモ「……」ギリギリギリ
 




エイスリン「ドアノウシロ!?」

京太郎「そう。桃子はここに隠れていたんだ」

モモ「……」ブルブル

京太郎「俺でも気づかれなかったくらいだ、影の薄さ金メダル級のアンタなら……造作も無いだろ?」

ゆみ「待ってくれ、しかしそのトリックを使えるのはモモ以外でも……」

京太郎「ここで、さっきの桃子の言葉を思い出してください」


~~桃子「たまたまリビングに行こうと部屋を出たところで悲鳴を聞いたっすから……そしたら」~~


京太郎「あの時、最初に扉を開けたのが池田さん。次に駆けつけたのは桃子。その次が加治木さん」

ゆみ「あ、ああ」

京太郎「しかもゆみさんは扉の前で動かず、俺と豊音さんが来るまでずっとそこにいた」

ゆみ「!!」

モモ「……」

京太郎「そして、ここの間取りをもう一度思い出して欲しい」


2F
 (久・まこ)(和)(優希)(咲)(京太郎)(空き)  (階段)

 (         廊下                )

 (ゆみ・モモ)(空き)(美穂子・華菜)(空き)(空き)


咲「これって……」

玄「もし東横さんが自室から福路さんの部屋に移動したなら、犯人は逃げられない」

京太郎「そう。もし、このトリックを桃子以外が使うとしたら……ドアの前にいた加治木さんしかいない」

ゆみ「!!」

京太郎「桃子が誰も目撃していない以上、三番目のゆみさんになっちまうんだよ」

ゆみ「……じゃあ」

京太郎「なぁ、桃子。恐らく、お前が一番その罪を被って欲しく無い人に……その罪が背負わされるぞ?」

モモ「……!!」

ゆみ「モモ……」
 
京太郎「それに、ゆみさんが無実だということは彼女自身がよく知っている」

モモ「先輩、私は――」

京太郎「お前が罪を認めなくても、一生加治木さんには……」

??「(何をしている。認めるな、ボクの考えた犯罪を最悪の形にするつもりなの?)」

モモ「わ、私が――」

??「……」




モモ「私が、殺したっす……」








ゆみ「モモ……なぜ、こんな」

京太郎「部長に罪を着せる為、か?」

モモ「……」コク

ゆみ「なぜだモモ!! どうして!!」

モモ「……許せなかったからっすよ」ボソリ

ゆみ「!?」

           /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ

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        ,イ::::::::::::::::::|斗':::::|ハ!  l:/x==}:::::::|::::::::::::::::::
     / |:::::::::::::::::::!x=ミx|   〃ん刈::::::Yヽ:::::::::::::l
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  /   /::::::/::::::/::::::込、   --‐  / /:::::::/:/::::::/:::八
     /::/!::::::/!:::::/::::::个ト....  / ,/::::::/:/::/:::':::/  }
      /:/  |::::/ '::::{:::l::::::lハ--≧彡!:::::ハ}::イ::/::/
.    /:'   |::/  ':::l斗<_,-ヽ__j  |:::/ --ミx'::/
   /    .|::|   ヽ厂l:/ /.:.:./_,, !/´ ̄ ̄`ヽ
.   {     '::|    _,.イ=.:'.:.// /       ' ,
         ':! --<.:.:.:.:.イ//  {          \

モモ「先輩には、私の気持ちなんて――」

ゆみ「……モモ」ギュッ

京太郎「恐らく、密室を作るつもりはなかったんだろ?」

モモ「ええ、そうっすよ。そこのネコさんが思ったより早く帰ってきて」

華菜「お前ぇぇぇぇっ!!!」ダダッ

豊音「わわっ!? ダメだよー!!」ガシッ

華菜「お前がっ、お前がぁぁぁぁ!!! ああああああ!!!」ジタバタ

京太郎「……罪を認めてくれるな?」

モモ「ええ、認めるっすよ」






モモ「この殺人は、ね」

京太郎「……」

ゆみ「モモ……?」

モモ「だけど、原村和と竹井久は私じゃない可能性もあるっすよね?」ニヤリ

京太郎「なるほど、加治木先輩に罪が行かなければそれでいいってわけか」

モモ「……それに、染谷まこだって私には無理じゃないっすか?」

京太郎「ああ、その通りだ」

豊音「え?」

咲「きょ、京ちゃん?」




モモ「私は竹井久の信頼を落とすことが目的だったのに、福路さんが手伝ってくれなくて」

ゆみ「それで……殺したのか?」

モモ「ええ。もっとも、密室とそこの探偵さんのせいでうまくいかなかったっすけど」

京太郎「おいおい、そこまで言って部長の件を否認するのは苦しくないか?」
 
 自分の罪を無くそうと工作したんだ
 今更無関係とは言えないだろう

モモ「まぁ、竹井久は認めてもいいっすよ。正直、目当てはアイツだったっすから」

京太郎「……」

モモ「だけど原村和はどうすかね? 他にもやれる人はいると思うっすよ?」

京太郎「なるほど、確かにそうだ」

玄「それより須賀君! さっきのはどういう意味?」

宥「染谷さんが無理って……ことは」

京太郎「はい。俺はモモが殺害したのは――福路さん、和、そして部長だけだと思ってます」

咲「えっ!?」

豊音「そ、それじゃあ……!」

京太郎「ああ、その通り。この事件の犯人――【牌姫】は」

モモ「……」

京太郎「もう一人、この中にいる!!」

咲「!?」

優希「……」オマタヌレヌレ

豊音「……」ツムキ

エイスリン「……」

玄「!!?」

宥「そんな……」

華菜「もう、一人……?」

ゆみ「そんな、まさか!?」

モモ「……へぇ」



モモ「犯人がもうひとり? ふふ、それはいいっすね」

京太郎「……」

モモ「なら、原村和を殺したのはそいつっすよ。私じゃない」

京太郎「いや、和はお前だよ」

モモ「……」キッ

京太郎「トリックを見破った和を殺し、邪魔な俺を陥れようとした」

ゆみ「須賀君を?」

京太郎「恐らく、俺が言い出したペア制が邪魔だったんでしょう」

咲「あ、そっか。ペアのままじゃ……部長に隙が出来ないね」

京太郎「そう。だから調査に嗅ぎ回る俺を犯人に仕立てることにした」

玄「口封じに、探偵潰しに、ターゲットのおびき寄せ……そんな意味が」

モモ「空論っすね」フン

京太郎「それは、もうひとりの犯人を見つければ分かるさ」

咲「誰なの?」

京太郎「それを説明する為に、まずは玄関に行こう」

ゆみ「玄関?」

優希「そこに何があるんだじぇ?」

京太郎「行ってから話すよ」

豊音「……」

  



【カウンター前】


京太郎「さて、じゃあまずは俺が染谷先輩の殺害がなぜ、桃子の犯行と別と思ったかだ」

モモ「……」

京太郎「その一つの理由が、見立てさ」

咲「見立て?」

京太郎「染谷先輩は牌を口の中に入れられていたのを、覚えてますか?」

ゆみ「ああ、しっかりとな」

京太郎「あれはイーピンですので、殺されたのは三番目……そう考えるのが普通です」

玄「違うの?」

京太郎「いえ、染谷先輩は三番目に殺されたんじゃありません」

宥「じゃあ、いつ!?」

京太郎「最初ですよ。四人の中で、一番最初に殺されたんです」

咲「えぇっ!?」

京太郎「考えてみてくれ、染谷先輩の姿を見た人はこの中にいるか?」

 顔を見合わせるが、誰も首を縦に振らない
 それも当然だ

京太郎「だけどおかしくないか? 吹雪が来たのは初日の夜なんだから」

ゆみ「……そうか!! 初日の夜にはもうロープウェイが止まっている!?」

玄「それにロープウェイが動き出したのは今朝、だよね」

京太郎「そう。つまり、染谷先輩がこの山荘前にいる時点で犯行時刻が絞り込めるんだ」


 17:10 京太郎達到着


京太郎「俺達が到着してから、吹雪が来てロープウェイが止まったのが……」

 
 21:00 京太郎がニュース確認


京太郎「つまり、初日の17時から21時の間には染谷先輩はここに来ていたんだ」

咲「じゃ、じゃあどうして私達はその姿を見ていないの?」

京太郎「それは――染谷先輩が、この玄関を入ってすぐに」

??「……」ブルブルブル

京太郎「アナタに、殺されたからですよね?」

玄「え?」

宥「それじゃあ、まさか……?」




京太郎「そう、この山荘POPOPOにバイトとしてきていて」ツカツカ


 俺達を出迎えてくれた――
 優しくて、笑顔が可愛い

 アナタ……しかいない


京太郎「受付をやっていた、エイスリン・ウィッシュアート!!」

エイスリン「……」ウツムキ

京太郎「アンタ……だよ!!」ギリッ

ゆみ「何!?」

モモ「ふーん?」

咲「嘘……」


エイスリン「……チガウ」


京太郎「いや、アナタしかいない」


エイスリン「ちがう」


京太郎「アナタが染谷先輩を殺したんだ」


エイスリン「違う!!」バンッ


豊音「え、エイ……ちゃん」

エイスリン「……」ギュッ

京太郎「……では、その証拠を今から見せましょうか」





京太郎「じゃあまずは、みんなにこれを見て欲しい」スッ 

 俺が用意していたのは、今朝豊音さんが運んでいた花瓶サイズのツボだ
 非常に大きくて、その重量はかなりのものだ

京太郎「豊音さん、確認しますがこのツボは前にここにあった花瓶と同じくらいのサイズですね?」

豊音「えっと、それは……」

京太郎「豊音さん」

豊音「うん、同じくらいだよー……」ブルブル

京太郎「咲、優希も見覚えあるよな?」

咲「うん」

優希「バッチリだじぇ」

ゆみ「私も覚えている」

モモ「はいはーい私もっすよー」

京太郎「どうも。では次に、これを見てくれ」スッ

 懐から取り出したのはゴミ袋から取り出したものだ

京太郎「みんなはこいつを、なんだと思う?」

華菜「……花じゃん」

京太郎「そう、花だ。でも、ただの花じゃない」スッ

咲「あれ、それってもしかして――」

京太郎「そう、よく見れば分かるけど。これは造花なんだ」

ゆみ「造花、だと?」

京太郎「そうですよね、豊音さん」

豊音「……うん」

エイスリン「それがなに? 造花くらい別に……」

京太郎「……化けの皮が剥がれてきたな、エイスリンさん」

エイスリン「……」ギュッ

京太郎「安心してくれ。これはちゃんとアンタを追い詰める鍵になる」






京太郎「ここで思い出して欲しいのが、エイスリンさんが花瓶を割った時のことだ」

エイスリン「……」

京太郎「あの時、カウンターから床までびっしょり濡れていたよな?」

咲「うん、そうだったね」

京太郎「俺も服が濡れちまったからよく覚えてる」

エイスリン「だから何なの? 花瓶が割れたんだから水くらい――あっ」サァー

京太郎「そうだ。割った本人だからよく分かるだろ?」

ゆみ「造花に、水は必要無い……」

京太郎「そう。なのにカウンターや床は水まみれだった」

エイスリン「あ、あれは――!! 間違えて――!!」ダンッ

京太郎「俺達が受付した時、優希がカウンターをよじ登ろうとした」

優希「……」

咲「その時、確か花瓶が――」

京太郎「そう。落ちるかと思われた花瓶を豊音さんがキャッチした。それも、手が伸びきった状態で」

豊音「……」

京太郎「つまり、その日花瓶に水は入っていなかったんだよ」

エイスリン「そ、その後に入れた可能性も――!!」

京太郎「往生際が悪いぜ。じゃあ、次だ」

エイスリン「!?」

  


 
京太郎「俺のこの手だ」

咲「その手って、あの怪我をした?」

京太郎「そうだ。カウンターに手を置いた時、欠片で切った傷だ」

エイスリン「それがどうしたの? 欠片で手を切ったくらい――」

京太郎「アンタ、あのツボを落としたんだよな?」

エイスリン「そう。片付けようとしたら須賀君が……」

京太郎「じゃあ聞くが、どうやってあの破片はカウンターの上にいったんだ?」

エイスリン「え?」

京太郎「普通、皿なんかを下に落とした場合……落下を始めた場所よりは高く跳ねない」

ゆみ「確かに。勢いよく振りかぶって叩きつけて……そうなるかどうかか」

京太郎「造花がクッションにもなるし、下はただの床だ。そう破片が飛ぶとは思えない」

咲「カウンターもそれなりに高かったし……」

玄「待って。じゃあその花瓶はどこで割れたの?」

京太郎「それは……カウンターよりも高い場所さ」

宥「え?」

京太郎「染谷先輩の――頭さ」

エイスリン「……」ギリッ

京太郎「水の入ってないあの花瓶で、エイスリンさんは染谷先輩を撲殺したんだ」

ゆみ「なっ!?」

咲「本当なの!?」

京太郎「ああ。そして破片は飛び散り、ほんの少しだが血も飛び散ったに違いない」

エイスリン「……うそ」

京太郎「アンタは焦った。破片はともかく、死体と血は見られたらまずいからな」

エイスリン「うそだ」

京太郎「だからすかさずアンタは染谷先輩をカウンターの下に」

エイスリン「うそだうそだ!」

京太郎「風呂場か、食堂から水を汲み血を誤魔化した」

エイスリン「うそだぁぁぁぁぁ!!」

京太郎「嘘じゃないっ!!!!」

エイスリン「っ!!」ビクッ

京太郎「……これが、染谷先輩の手に握られていました」

 あの花瓶の欠片
 恐らく、死の間際に一つ握り締めたんだろう

京太郎「残りの破片は倉庫ですね。……それと照らし合わせれば、凶器が何かはっきりしますよ」

エイスリン「あ、あぁっ……わ、わた」ブルブル

京太郎「犯人は……アナタです」

エイスリン「ちが、わた、わたしじゃ……」ヘナヘナ




豊音「エイちゃん……」

モモ「なるほど、可愛い見かけしてやることやるっすねー」

ゆみ「モモ!!」

モモ「こんな残酷なヤツっすよ? おっぱいさんもこいつの仕業かも?」

京太郎「いや、それは違う。なぜなら――」

 これを言っていいのか?
 いや、言うべきだ

 だからあの人は、俺の元に――

京太郎「染谷先輩の死体を外に運んだのは、エイスリンさんじゃないんですから」

豊音「!!」ビクッ

エイスリン「……そう、私が戻った時には無くなってた」ボソッ

京太郎「そしてその死体を動かした人は――エイスリンさんの犯行を庇おうとした」

咲「どういうこと?」

京太郎「だからその人は、その死体を外に捨てることにしたんだ」

玄「なるほど、死体の発覚を遅くするんだね!」

宥「え? でも死亡推定時刻って分かるんじゃ……」

玄「死体を暖める、もしくは急激に冷やすと死亡推定時刻の判別が難しくなるんだよ」

京太郎「つまり、いつ殺害されたのか分からなければ……誰が犯人か分からない」

 もっとも、染谷先輩は手がかりを残してくれたわけだが――

京太郎「そしてその人はその殺人を牌姫の呪いに偽装する為に、牌を持たせることにした」

咲「なんでそんなこと……」

京太郎「さあな。本当に牌姫の呪いのせいにするつもりだったのかもしれませんね」

豊音「……」

京太郎「そして、その牌を口の中に入れたのは雪に埋もれて隠れてしまわないように」

ゆみ「なるほど」

京太郎「もし犯人が一人ならここでスーピンにすればいいし、次からの殺人も口に牌を入れるべきだ」

 そうでなければ、見立てが歪になってしまう

京太郎「だがそうしなかった。いや、そうできなかった」

玄「なぜなら偽装した人はこれで事件は終わりだと思っていたから」

京太郎「そう。エイスリンさんが染谷先輩を殺す動機に検討が付き、これ以上殺人を起こさないと知っていた人物」

 みんなの視線が、一斉にその巨躯へと注がれる
 見上げる先にあるのは――悲しい瞳

京太郎「姉帯豊音さん。アナタが、牌姫を庇ったんですね」

豊音「……」ギュッ

エイスリン「豊音……」




京太郎「恐らく、エイスリンさんを手伝いに行った時に死体を見つけたんでしょう?」

豊音「……」コク

京太郎「エイスリンさんが染谷先輩を殺したことを悟った豊音さんは、死体を偽装することを思いついた」

咲「どうして? どうして最初に言わなかったんですか!?」

豊音「だって、エイちゃんは――」ブルブル

京太郎「……」

豊音「と、とも、ヒック、友達だって……グス、言ってくれた、から」ゴシゴシ


                       ... -――‐- ...
                 /::::::::::::::::::::::::::::::\
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               |::::::|::::{℃癶_)-`ー‐'__フ`<二二二二二二二二二二〉
               |::::::|::∧/Y´Υ ̄ ̄∨::l:::l:::| ̄ ̄二ニ<二二二二/
.             __ |::::::|::l::リ し' ヘ⊇...イ:::::l:::l:::| ̄ ̄ / /二二マニ/
         /   `≪三三|    ∨彡'三lリ'l:::|   /{ l二二二/
          /       }≪三|    /三三ヲ/ ll:::|  ,/ l |二>''"
.          /       ∨〉 `~「 ̄\,/三彡'  八:{ /   __フ´
         /       /  /二二二>∠__,     ∨ /__ノ
      /___\__    l ,/二二二/----'      ∧
      〈/┬‐=ミ\  / ,/二二二/         ∨::::::.
        ヽ|二二>∨ ,/二二二/      /   |:::::::::::\
       ノ|二二二{__/二二二/      /     |:::::::::::::::::\
.      /:::::|二二二フ二二二ニ' /    /'     |:::::::::::::::::::::::\
     // ̄!二二/二二二∨/    /     |::::\::::::::::\::::\


エイスリン「豊音、私……」ジワッ

ゆみ「……くっ」

京太郎「豊音さん、それは友情じゃありませんよ」

豊音「分かってる。分かってるよー……」

京太郎「ええ。きっと、もう大丈夫」

 豊音さんは分かってくれている
 エイスリンさんもきっと、分かってくれる筈だ

 問題は――

モモ「それで、結局なんなんすか?」

京太郎「……」

モモ「この大きい人かそこの外国の人、どちらかがおっぱいさんを殺した可能性もあるっすよね?」

京太郎「さっきも言ったが、豊音さんの見立ては一人だ」

モモ「それで?」

京太郎「つまり、豊音さんが最初に抜き出したのはイーピンだけだった筈だ」

モモ「……」




京太郎「当然、そんな事件が起こってるなんて知らないお前は普通に牌を盗もうとした」

モモ「サンピンだけっすよ」

京太郎「なんでサンピンなんだ?」

モモ「それは、イーピンが無かったから」

京太郎「そう。その時には既に姉帯さんが呪いの見立てにイーピンを使っていた」

咲「でも、他にもイーピンは……」

京太郎「保険だよ」

ゆみ「保険?」

京太郎「もしかすると自分以外にも、誰かを殺そうとしている者がいるかもしれない。そう考えたんだ」

華菜「自分がイーピン使って他にもイーピンを使う人が出たら……!」

京太郎「そう、問題だ。それにそもそも、桃子は部長だけを狙っていたわけじゃなさそうだ」

モモ「……」

京太郎「最初は親しい人を殺し、部長に汚名を着せる。そして最後に自殺に見せかけるシナリオだったんだろ?」

モモ「それを実行しただけっすよ」

玄「あれ? でもおかしくないかな?」

京太郎「そう。イーピンが使われるか分からない上に、リャンピンで部長を殺せば汚名を着せられない」

ゆみ「それだとまずいのか?」

京太郎「部長に汚名を着せることが重要なんですよ、加治木さん」

ゆみ「何?」

京太郎「もし普通に殺されても、加治木さんは部長への気持ちは変わらない」

ゆみ「……それは」ウツムキ

モモ「須賀ぁぁぁあっ!!」ダッ

華菜「うらぁっ!!」バキィッ!

モモ「ぐぁ!?」ドサッ

華菜「……お前の動機、しっかり聞かせてもらうし」ハァーハァー

モモ「……くっ」ギリッ

京太郎「桃子は加治木さんに部長を嫌って欲しかった。しかし、リャンピンじゃ牌姫扱いは出来ない」

優希「だから、リャンピンを消化する必要があった?」

京太郎「そうだ。仮にイーピンの死体が出てこなくても、サンピン、リャンピンを使って最後に自殺だ」

咲「イーピンを使ってない違和感が出るけど……」

玄「イーピンの死体が出てくれば問題無い。イーピンの死体が二つ並ぶことだけは避けたかったんだね」


京太郎「そう。だから桃子はサンピン、リャンピンを使い……最後の部長には何も置かなかった」

エイスリン「……」ビクッ

ゆみ「何も? しかし、あそこには白が――」

京太郎「あれを置いたのは、エイスリンさんですよ」



京太郎「俺達が牌を見た時、盗まれたのイーピン、リャンピン、サンピンだけだった」

咲「そういえばそうだよね」

京太郎「しかし桃子が盗む段階ではイーピンだけが抜き取られていた」

モモ「……」

京太郎「もし部長に白を使うつもりなら、ここで白を取るべきだろ?」

ゆみ「それもそうだな」

京太郎「つまり、白を置いたのは突発的な事情。そう、そしてそれが出来たのは――」

エイスリン「……そう、私」

豊音「エイちゃん!? どうしてそんな!?」

エイスリン「……」

京太郎「豊音さん、アナタを庇う為にですよ」

豊音「え?」

京太郎「エイスリンさんは、自分の為に豊音さんが殺人を犯しているんだと思った」

豊音「!?」

エイスリン「……」

京太郎「それも当然ですね。死体を隠してくれる相手なんて、豊音さんくらいでしょうから」

豊音「エイちゃん……」

京太郎「部長の死体を発見し、何も置かれていないのを見たエイスリンさんは考えた」

玄「これは突発的な事件で、染谷さんに牌を使う為に豊音さんは何も置けなかったのではないかってこと?」

京太郎「ご明察。そこで白を置くことにした。それが皮肉にも、桃子の計画をご破斬にしたんだけどな」

桃子「……くっ」

京太郎「つまりこの殺人事件は二人の犯行犯と、共犯者の三人がすれ違っていた結果破綻したことになる」

優希「……」ジュルリ

京太郎「そして最後の問題は、桃子がリャンピンを取ったことを証明できるかどうかだ」

桃子「そうっすよ!! 私が牌を取った証拠は無いっすから!!」

京太郎「……残念ながら、それが出来るんだよな」

桃子「!?」



桃子「う、嘘っすね」

京太郎「嘘じゃないさ。これを見てくれ」スッ

 俺がポケットから取り出したのは……ヒビの入った牌

宥「それ、リャンピン?」

京太郎「そうです。それも、あの呪いの牌です」

咲「えぇ!?」

玄「現場から持ってきたの!?」

京太郎「いえ、実はこれ……牌が盗まれる前に俺がすり替えたんです」

豊音「えっ!?」

京太郎「噂の牌だと思わず、つい触ってしまって一つ壊しちゃって……すみません」ペコ

豊音「う、ううん。それはいいんだけど……」

京太郎「ありがとうございます。そして、その牌なんですが」

モモ「それがなんなんすか!?」

京太郎「実は俺、この牌の代わりに偽物の牌を入れて置いたんだ」

モモ「えっ……?」

京太郎「それがこの、部長が持っていたマジックグッズだ」スッ

咲「あ、それ!」

京太郎「そう。竹牌で出来たように見えるが、実際は全然違う紛い物だ」

モモ「それと、入れ替えていたからなんだっていうんすか?」

京太郎「桃子、お前はこの牌を間違って持って行っちまったんだよ」

モモ「!?」

京太郎「しかし、お前はすぐにサンピンを犯行で使い。手元にはリャンピンしか残らなかった」

玄「そっか。だから保管していても他の牌との違いに気づかない……」

京太郎「そしてそのままお前はこの牌を和の前に置いてしまった」

モモ「そ、それがなんの証拠に――」

京太郎「和に偽物の牌なんか置いたら、見立ての意味が無くなっちまうだろ」

モモ「……」

京太郎「つまり、気づいた時点で破棄すべきだった。あの場所には他のリャンピンもあったんだからな」

モモ「で、でも! 気づかなかったからなんなんすか!?」

京太郎「……」

モモ「それに、気づかない人なら他にもたくさん――!!」

京太郎「いや、いないよ」

モモ「え?」

京太郎「それがあの……犯人当てゲームさ」





モモ「何を言って……」

京太郎「このマジックグッズを見せてくれたのは部長。その時点で、部長は犯人じゃない」

 なにせ手に取って少し見ただけで違いが分かるからな
 重さも質感も全然違うし

京太郎「次にそれを見せられている俺、咲、優希も除外されるな」

モモ「じゃ、じゃあそこの犯人二人が――!!」

京太郎「ここが誰のペンションで、バイトが誰か言ってみろ」

モモ「あっ……」

エイスリン「……分かるよ、毎日掃除してたから」

豊音「うん。バチが当たらないようにちゃんとしてたよー」

京太郎「現にこのふたりはさっきのゲームで、問題なく当てていた」

豊音「何回やっても分かるよー」ボソリ

京太郎「次は福路さんと池田さんだが、この二人も除外だ」

華菜「私が部長にそのネタ見せたんだし……」

京太郎「そして玄さんと宥さんは和殺害時のアリバイがある」

 玄さんは俺がすぐに追いかけた
 宥さんはエイスリンさんと一緒だった

京太郎「そうなると、加治木さんとお前が残る」

ゆみ「私は……初日に久から」

モモ「……」ウツムキ

京太郎「残るは、お前だけだ。お前だけが――このマジックのタネを知らないんだ」

モモ「……ふ、ふふっ」

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:::::::|::::|::::|::::::::|i::| | c-、ノ

:::::::|::::|::::ト;::::::|i::| |  /!!
:::::::|::::|::::| }:::::|i::| iノ´::!!
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::厶イi:/⌒メ、:::i::!:::/:::/  ヽ
/: : :ノ': : :\)从!:/:::/
: : : : : : \: \ノ'i:::/
: : : : : : : : `:-、メ'"
: : : : : : : :〉 : : \:\
: : : : : : : iノ: : :_彡': : .

モモ「何もかも、お見通しってわけっすね……」ハァ

京太郎「……」

モモ「あーあ、失敗だったっすね。あんなヤツに、力を借りるなんて」

優希「……」

京太郎「なんの話だ?」

モモ「いえ、別に。なんでもないっすよ、なんでもね」




 ※ 注意




  ここからスーパー金田一特有の欝動機タイム入ります



 竹井久&福路美穂子の株大暴落
 エイスリンファンの方は嗚咽が出る恐れがあります



 読まれる方はお覚悟を





ゆみ「なぜだ、モモ! なぜ久を……私はお前のことを嫌ってなんか!」

モモ「先輩は、あの女のこと何も分かってないっすよ!!!」

ゆみ「なん……」

モモ「元部長達……どうして事故にあったのか、知ってるっすか?」

ゆみ「なに? あれは車の故障じゃ……!」

モモ「違う!!」

京太郎「……何があったんだ?」

モモ「……あの竹井久という女は、悪魔っすよ」ボソ

咲「悪魔……?」


 そして、桃子は語りだした
 部長との因縁――


モモ「あれは――私達が、加治木先輩抜きで買い物に行っていた日っす」

 

~~~~~~


 加治木先輩がこそこそとあの女と会っていたことは知っていたっす
 私は悔しかったっすけど、先輩が幸せならと

 応援していたし、諦める気でいた

 だけど――その日、見てしまったっす


美穂子「久、お願い! 私とヨリを!」

久「いやーね、もう終わったのにしつこいわよ」

美穂子「久、いや! いかないで!」

久「あー、気持ち悪いわね。少し遊んでやったら本気になっちゃってさー」



モモ「あれは……清澄と風越の?」

智美「んー、そうだなー」ワハハ

睦月「何か痴話喧嘩ですかね?」

佳織「た、大変だよぉ」アワワ






久「……あっ」チラッ

 目が合った
 私達四人と、その二人

久「あー……いやなの見られちゃったわね」

美穂子「久!」

久「ごめんなさい、忘れてもらえる?」

モモ「そ、それはいいっすけど……」

 疑問だった
 加治木先輩と付き合っているハズのあいつが……なぜ、まだ別の女と?

久「この店に用があるんでしょ。どうぞ」ニッコリ

智美「あ、ああ。喧嘩はほどほどになー」ワハハ

睦月「行きましょう」ヒソヒソ

佳織「う、うん」

 引っかかりを感じながらも、私は先輩達と一緒に店に入ったっす
 でも、途中で親から連絡が入って――

モモ「ごめんなさいっす!」パン

智美「気にしなくていいから、早く帰るんだぞー」ワハハ

睦月「あ、新しいプロ麻雀せんべいが!?」シュバババ

モモ「それじゃあ」タタタタッ

 そして予定より早めに店を出た私が目撃したのは――

モモ「あれ?」

 元部長さんの車の前にしゃがんで何かをしている……福路美穂子

美穂子「……」スッ

モモ「(何か見ていたっすか?)」

美穂子「っ!!」タタタタッ

 そのまま走り去っていく背中を見ながら
 何事だろうと、考えていたっす

 でも、大したことじゃないだろうって

 そのまま歩いて帰って……そして




 ブーンキキーッ ドンッ

 
~~~~

京太郎「ま、まさか……?」

モモ「ええ、そうっすよ。あの女、福路美穂子が細工したっすよ」

華菜「嘘だし!!! あのキャプテンがそんなこと……!!!」

モモ「それからしばらくして、私はどうしてもあの日のことが気になって」

ゆみ「……」

モモ「あの二人の密会の現場を、ステルスで盗聴したっす」




~~~~~

久「使えないわねぇ」

美穂子「……ごめんなさい」

久「まぁいいわ。骨折に……右腕が上がらなくなったんでしょ?」

美穂子「……」

久「いい気味ね。人の恥ずかしいところ見ちゃうから」クスクス

美穂子「あ、あの……久?」

久「あら、何? まだいたの?」

美穂子「あれをしたら、また付き合ってくれるって……!」

久「ああ、そういう約束だったわねー」ニヤニヤ

美穂子「じゃ、じゃあ!」パァァァ

久「ええ、付き合ってあげるわ」ニッコリ

美穂子「久っ!」ダキッ






久「はい、別れましょ」

美穂子「え?」

久「飽きたのよ、もう。正直、気持ちよくも無いしね」クスクス

美穂子「えっ……え?」オロオロ

久「大体ガード緩すぎてつまらないのよ、美穂子。アンタ、相手誰でもいいんでしょ?」

美穂子「そんなこと!!」

久「それにね、私は今お気に入りの子がいんのよ」

美穂子「えっ……?」

久「その周りでちょろちょろしてる煩いハエを退治してもらおうと思ったのに……まさか逃がすなんて」

美穂子「そんな……」

久「あの勝気でクールな子が、アンタみたいになるのが楽しみだわぁ」ウットリ

美穂子「……」ブルブル

久「じゃあね美穂子。またやってほしいことがあったら、アンタに頼むわ」

美穂子「久っ! 待って!!」

久「そうしたら、もう一回くらい抱いてあげるわよ」クスクス

美穂子「あ、あぁ……」ヘナヘナ




モモ「……」ググググッ

 許さない
 アイツだけは絶対に――絶対に許さないっす!!

 先輩を守る
 そして――あの女に天罰を!!


~~~~~





モモ「……以上っす」

ゆみ「そんな……久が、うそだ」ブルブル

咲「……」ポロポロ

京太郎「……部長」ギリッ

華菜「そんな、キャプテンが……嘘だし、嘘だしぃぃっ!!」

玄「酷い……」

宥「……」ブルブル

京太郎「そんなことが……でも」

 どんな理由があっても、殺人は許されることじゃない

京太郎「警察にだって――」

モモ「言っても捕まるのは福路美穂子だけっすよ。そしてあの女は絶対に竹井久の名前を出さない」

ゆみ「なら私に直接――!!」

モモ「信じてくれたっすか?」

ゆみ「!!!」

モモ「……私が本当のことを言って、信じてくれたっすか?」

ゆみ「私は……」ウツムキ

モモ「……」

豊音「こんなことって……」

モモ「おっぱいさんに関しては、申し訳なく思ってるっすよ。麻雀で借り、返したかったっす」

京太郎「遅いよ、もう何もかも」

モモ「あはは、そうっすね……遅すぎるっすよね」ギュゥゥ

咲「……エイスリンさんは、どうして?」

エイスリン「……」

咲「どうして、染谷先輩を? 大会の、仕返しなんですか?」ブルブル

京太郎「咲、やめろ」

咲「だって、染谷先輩は優しくかったもん!!」

エイスリン「プッ、アハハハハハ!!」

豊音「え、エイちゃん……?」

咲「何が、おかしいんですか?」キッ

エイスリン「これだから、処女のガキは嫌いなの」

咲「え?」

京太郎「処女のガキって……まさか」

エイスリン「とっくに……奪われたよ、そんなもの」

豊音「なっ……!?」

エイスリン「何回も、何回も何回も何回も!!! あの汚らしい男たちに!!」ダンッ

 豹変したエイスリンさんの表情に、誰も言葉を発せない
 あの天使のような微笑みを浮かべていたあの人が――

 どうして、こんな……



 この辺にぃ、うまいラーメン屋の屋台来てるらしいっすよ
 じゃけんちょっと食べに行きましょうねぇ~



 ごめん、飯休憩もらいます


 '⌒)     / /         |   :  |
  く    / ,  / /    ∧ ヽ |   :  |
   ●  .::    ; |   | | :| |   :   ||
      ,  |/|  | 八   | l ハ\ ? /:|
 _  //7 //\{ ノ \(| }/ナメ | ̄ |〉 |

´  ) {{  〈/ |l  ∩   u ∩  |  |
  く  i| j   i|  ∪      ∪  |  ; |
   ● V / ト }         //, j  |
.     / /  |人ι  _ _    ∧.  | /
    / /|    > ´ ̄`′ イ  ハ  V
.    { / 八     { /l ー  |ヽ丿/  从l
    {{   \{\イ\  _/  \ / }|
     \  ./   | /ー\   /   く
      /    |∧\/∧/     \
 

 エイちゃんのスーパー鬼畜タイム 
 あとではっじまるよー!





京太郎「一体、染谷先輩との間に何が……?」

エイスリン「あの大会が終わって……私は麻雀が打てなくなった」

ゆみ「イップスというやつか?」

エイスリン「どうかな、でも麻雀は捨てたくなかった」

豊音「エイちゃん……」

エイスリン「それで原因であるあの染谷まこに会いに行くことにしたの」

京太郎「染谷先輩に?」

エイスリン「もう一度打って、あの時の嫌な記憶を吹き飛ばしたい。そう思った」

咲「……」

エイスリン「なのに、アイツは――!!」


~~~~

【三ヶ月前 roof-top】


エイスリン「エ、エエト……ココカナ?」

 カランカラーン

エイスリン「ア、アノスミマセン」トコトコ

まこ「ん? おお、確か宮守の!」

エイスリン「ヒィッ!?」ビクッ

まこ「なんじゃ?」キョトン

エイスリン「……ア、アノウチタクテ」ボソボソ

まこ「んー? 打ちたい? おお、そうかそうか。今ちょうど卓が空いていたんじゃ」

エイスリン「え?」

まこ「おーい、おじさん方。可愛い子連れてきたけぇ」

客A「おぉ、今度は可愛い子じゃないか」

まこ「失礼じゃのぅ。わしだって行けるじゃろ?」

客B「まぁまぁ、いいじゃないまこちゃん」

客C「可愛いね、名前は?」

エイスリン「え、エイスリンデス……」

客A「そうか、じゃあエイちゃん。俺達と打ってくれる?」

エイスリン「デ、デモ!」

客B「大丈夫、俺達弱いから」

エイスリン「……ハイ」

まこ「よろしくな」ポン

 その時は、ただ普通に麻雀が打つんだと思っていた
 だけど――



エイスリン「……」

客A「へぇ、あのまこちゃんにねぇ」

客B「それで打てなくなっちゃったのか」

エイスリン「ハイ」

 あわよくば染谷まこを卓に入れられるかもと
 事情を話した
 
 すると男達は優しくこう言ってくれた

客C「短期間で強くなれる場所……あるよ」ニヤリ

エイスリン「エッ?」

客A「まこちゃんもバイト終わりに来るって言ってたし」

客B「先にそこに行って、修行しないかい?」

エイスリン「……」

 その時の私は冷静な考えができなかったのかもしれない
 でも、答えは決まっていた

 また、宮守のみんなと――

エイスリン「イキマス!」

 それが、罠だとも知らずに

男A「……くくっ」


【雀荘みどり】


エイスリン「……」タン

男A「おっとそれだ!」

エイスリン「あっ」

男A「悪いな、倍満だ」

エイスリン「アウ……」モジモジ

男C「これで連続二十回トビだな」

男B「しっかりしてくれよな~、頼むよ~」

エイスリン「ア、アノ? モウジカンガ……」

 時計の針は既に何周も周り
 気が付けば夜になっていた

 一向に麻雀が強くなる気配もなければ、
 あの染谷まこが来る様子もない

エイスリン「モ、モウカエリマスネ」ガタッ

 なんだか無性に怖くなって、席を立とうとした

 その時

男A「じゃあ負け分は――いくらだ?」

男B「ピンピンだから……500000くらいだな」

 ※1000点=1000円

エイスリン「……エッ?」






男C「さ、払っていってくれよお嬢ちゃん」ニヤニヤ

エイスリン「ソ、ソンナオカネ! ナンデ!?」

男B「おいおい、最初に言ったよなぁ、ピンピンだって」

男A「いいっていったのはお前さんだろ?」

エイスリン「ソンナノキイテナ――」

 ダンッ!

エイスリン「ヒッ!?」

男A「おい、金持ってねぇのか?」ニヤ

エイスリン「ス、スグニイエニカエッテ……」

男B「信じられねぇなぁ、そんなの」

エイスリン「ジャア、ドウシタラ……」

男C「そりゃもう……決まってるだろう?」ククク

エイスリン「!! イ、イヤッ!」ダッ

男A「うらっ!」バキッ

エイスリン「キャァッ!」ドタッ

男C「おいおい、顔はやめろよ。ヤる気無くすからよぉ」ヌギヌギ

エイスリン「あ、あぁぁっ……」ポロポロ

男B「結構いい体してるよなぁ、クク。さて、どんな味がするのかなぁ?」

エイスリン「ヤ、ヤメッ……」

男A「恨むなら、お前を生贄に寄越したあの女を恨むんだな」

エイスリン「エッ……?」

 ビリビリィッ

 ズブッ ズブブブブブッ

 
~~~~~~~~~


京太郎「……」

咲「う、うぷっ……」

玄「酷い、ひどすぎるよぉ……」ポロポロ

宥「……玄ちゃん」ナデナデ

ゆみ「そんな、ことが」ワナワナ

豊音「エイちゃん?! どうして!? どうして相談してくれなかったの!?」

エイスリン「……写真を撮られて、最後にこう言われたの」


~~「お前の仲間も可愛いな。もしサツにチクったら写真を友達に見せて、仲間に入れてやろうか?」~~


京太郎「……」ギリィッ

エイスリン「それからは毎週……あいつらのおもちゃ。前も後ろも、口も……汚れちゃった」ポロポロッ

豊音「……!」ギリギリギリ






エイスリン「毎日アイツ等に調教されて、片言も矯正されて……」

優希「……」

京太郎「それで……染谷先輩とは?」

エイスリン「殺すつもりなんて無かった。あいつらの言葉は信用できないし……だから」

 
~~~~~

 カランカラン

まこ「ふぅ、吹雪そうじゃなぁ」

エイスリン「アッ!」ビクッ

まこ「ん? おー、エイスリン」

エイスリン「……」

 清澄が来ることは分かっていたから
 染谷まこに真実を聞こうと決めていた

 そして――

エイスリン「アノ、コトハ……?」

まこ「あのこと? ああ、あのおじさん達のことか?」

エイスリン「!!」

まこ「たっぷり可愛がって貰っとるそうじゃのぅ。よく店で話を聞くけぇ」クスクス

エイスリン「……っ」プルプル

まこ「今後も常連さんの為に、人肌抜いでもらおうかの。なんてな、アッハッハッハ」

 その時――
 自分でも恐ろしいくらいにどす黒い感情が――胸を包んだ

エイスリン「あんた、なんか」ガシッ

まこ「……きっとすぐにトラウマも――」クスッ

エイスリン「死んじゃえっ!!」ブンッ

まこ「!?」

  ガシャーン!!!

まこ「……がっ」バタッ

エイスリン「はぁっ、はぁっ……」

~~~~~~~~


エイスリン「これが、真実」

京太郎「……」

エイスリン「がっかりした? 自分に惚れてそうな女が、こんな奴で」

京太郎「やめてください」

エイスリン「それと、自信持っていいよ。須賀君のアレ、今まで一番大きかったから」

京太郎「やめて、ください」

エイスリン「なんだったら、一度相手してあげよう――」

 パァンッ!

エイスリン「……」ジンジン

豊音「……」キッ




エイスリン「……トヨネ」

豊音「馬鹿、ばかばかばかばか!!!」ポクポク

エイスリン「……痛いよ」

豊音「私の方が痛いよー! どうして、どうして頼ってくれなかったの?」グスッ

エイスリン「だって、友達……だから」

豊音「うぅっ、ぐすっ……ヒック、うわぁぁ……うあぁぁぁぁん!」


モモ「……」ウツムキ

ゆみ「お前もだ、モモ」ギュッ

モモ「先輩……」

ゆみ「大馬鹿だ、私達は」ギュゥゥゥ

モモ「そうっすね……私達、馬鹿……っす、ヒック、ね……」


京太郎「……」

咲「……京ちゃん」ギュゥゥ

京太郎「ああ、そっとしておこう」


 四人はいつまでも泣いていた
 すれ違っていた溝を埋めるように……

 牌姫の悲しい呪いは終わった

 溢れる悲しみと――
 やり場のない虚しさだけを残して



優希「……」



 そしてそれから間もなく、岩手県警が到着した
 桃子、エイスリンはすぐに自首し……豊音さんは……

豊音「あ、あの……」

警察「ん? なんだ君は――?」

豊音「私も――」

京太郎「あーっと! 豊音さんのパンチラゲーッツ!!」バサァッ!

豊音「!?」ビクンッ

警察「ハイテナイッ!?」ブシャァァァ 

 バタリ

咲「きょ、京ちゃん!?」

京太郎「……」ニッ

豊音「須賀、君?」

エイスリン「……」ジワァッ

京太郎「……これでいいよな、桃子」

モモ「……ふんっ」

ゆみ「ああ……私達も知らない」

玄「……いいのかな、これで? 団先生……私は」ギュッ

宥「玄ちゃん」ギュゥゥ

玄「うん。私は……私のなりたい探偵を目指すことにしたよ」

宥「決めたの?」

玄「うん。私が目指すべき道はきっと――」ポッ


京太郎「じゃあな桃子。エイスリンさん」

モモ「……」

エイスリン「ありがとう」

警察「さぁ、行くぞ」

 警察に囲まれてロープウェイを降りていく二人
 今は……どんな気持ちなのだろうか?

京太郎「……」

 スタスタスタ

京太郎「ん?」

長島「須賀ァァァ!!」ゴンッ

京太郎「アイダァァァ!?」

咲「京ちゃん!?」ガビィィン!




京太郎「長島のおっさん!?」

長島「誰がおっさんだ? ああ、こら?」ギリギリ

京太郎「あいだだだだっ!? 真似です! はじめ兄の真似ですってば!!」ジタバタ

長島「ふんっ。俺がいないと貴様はダメダメだな」

京太郎「へ?」

長島「無様に犠牲者を増やしやがって……」

京太郎「……」ギリッ

長島「……あー、それとだな」コホン

京太郎「?」

長島「たまたまだが、長野県警に剣持さんから電話があってな」

京太郎「は、はぁ……?」

長島「ヤツに伝えるように言っておいた。だから今頃きっと……」


 ピリリリリ ピリリリ

京太郎「えっ?」

 携帯に入る着信
 これは――

京太郎「……」ピッ

「よぅ、久しぶりだな」

 懐かしい声
 聞いているだけで落ち着く……俺の尊敬するあの人の声だ

京太郎「……はい。本当に、久しぶり、です」ジワッ

「あのなぁ、従兄弟なんだからもっと普通に喋れよ京太郎」

京太郎「だって、俺は……」ゴシゴシ

「いいか京太郎。あらましは聞いたし、その上でお前に言いたいことがある」

京太郎「……はい」



「よくやったな」



京太郎「っ!」

「お前がいたから事件は解決できた。もしお前がいなければ三人とも……苦しみ続けた筈だ」

京太郎「……うぁっ、あぁぁ」ポロポロ

「頑張れよ。お前だって、ジッチャンの孫なんだ。俺はそう思ってるぜ?」

京太郎「うん……ありがとう」




 ――はじめ兄





京太郎「はい。それじゃあ、また」ピッ

咲「……はじめさん?」

京太郎「ああ、すっげー元気もらった」ズビィー

咲「ふふ、また逢いたいね」

京太郎「ああ、いつか必ず追いついてやる」

 ジッチャンの名にかけて

ゆみ「……須賀君。本当にありがとう」

京太郎「加治木さん!」

ゆみ「久達のことは気の毒だが……清澄にはこれからも頑張ってほしい」

京太郎「はい。もちろんです」

 タタタッ

豊音「須賀君……」

京太郎「豊音さん」

豊音「ごめんね、何もお礼できなくて」

京太郎「いえ、いいんです。それに……豊音さんも、元気出してください」

豊音「……うん」

 きっと豊音さんも苦悩してるのだろう
 自分が券を渡さなければ……そう思っている筈だ

京太郎「また来年、来てもいいですか?」

豊音「えっ?」

京太郎「全国優勝して、堂々ときますよ」ニカッ

豊音「……うんっ//」ギュゥウ

京太郎「と、豊音さん!」アタフタ

咲「京ちゃん? すっごくいいところだけど……」ゴゴゴ


(豊音のパンティ)


京太郎「……」

咲「いい加減にそれ、手から離そうね」ニッコリ

京太郎「……匂い嗅いでも?」

咲「最っ低っ!!」


 バッチィィィィィン!


優希「やれやれ。結局、ボクの計画はご破産だなぁ……」ジャラッ

 でも、いい収穫はあった
 兄さんに教えなくちゃね、もうひとり警戒すべき相手がいることを

優希「……さて、次の計画を練らなくちゃね」クスクス






優希はジゼルのこともう知ってんのかな



 こうして俺達の岩手旅行は幕を下ろした
 豊音さんのことは俺達全員の胸の内に閉まって……
 
 桃子とエイスリンさんは自首をした

 ゆみさんと池田さんは辛い経験をしたが、二人なきっと大丈夫

 玄さんは帰り際に俺のことを師匠と呼んでいた
 一体どういう意味なんだろうって宥さんに聞くと、俺に抱きついてくれた
 惚れてるに違いない

 咲も次第に元気を取り戻したが
 長野に帰りつくと、優希は旅行のことをまるで覚えていなかった

 なんでもこの三日間、ずっとどこか暗い場所にいた気がするということ
 医者の話では、どうやらショック製の記憶喪失だとか

 事実を知った時の優希の顔、すごく辛そうだった
 俺と咲で、癒してあげないとな


 そして――


【一週間後 留置所】

 ガラガラ

京太郎「どうもっす」

モモ「げっ、お前っすか」

エイスリン「須賀君……」

京太郎「あはは、長島さんに無理言って二人同時っす」

長島「(始末書もんだぞ俺は!!)」ギリギリ

モモ「それでどうしたんすか? なにか暴きたり無いとか?」

京太郎「まずは桃子に吉報だ。蒲原さん達の容態がかなりいい感じらしい」

モモ「!!」

京太郎「後遺症もなんとかなって、すぐに動けるようになるかもって」

モモ「……そう、すか。まぁ……関係ないっすけど」プイー

京太郎「……それと、メッセージを預かってる」

モモ「メッセージ?」

京太郎「手渡しは出来ないから、ボイスメッセージだ」スッ

モモ「ケータイ?」

京太郎「よく聞いとけよ」



 カチッ

 ジジジジジジ

モモ「……」

智美『ワハハー! モモ! よく敵を討ってくれたぞー!』

京太郎「」ズコー!

長島「」ズコー

エイスリン「?」

モモ「……」

睦月『だ、ダメですよそんなこと言っちゃ!』

智美『ごめんごめん、でもなーそれを聴いてスッキリしたのは本当だー』

モモ「やっぱり私のやったことは……」

智美『でもなー……それ以上に、お前がいなくなったことが辛い』

モモ「!」ビクン

智美『胸が苦しくて、張り裂けそうで……辛い』

睦月『ばか、相談してくれればよかったんだ!!』

佳織『うわぁぁぁあん!』

モモ「……みんな」ジワァァ

ゆみ『……モモ』

モモ「!!」

ゆみ『私達は、待ってるぞ』

モモ「あ、あぁ……」ブルブル

ゆみ『十年だって、二十年だって、三十年だってな』

睦月『だから、絶対諦めちゃだめだ』

佳織『うん、絶対絶対!』

智美『私達のところへ、戻ってこい!!』

モモ「みんなぁ……」ズビィィィ


四人『私達は、お前が欲しい!!』


モモ「うわぁぁぁぁぁあっ!!」

京太郎「……」ピッ

モモ「うぁぁぁ、ヒック、うぅ、ぁぁ……」

京太郎「頑張れよモモ。お前を待ってくれている人の為にも」

モモ「うん……ありがとぉ……ありがとぅ、須賀京太郎」グスッ

 モモはもう大丈夫
 必ず立ち上がってくれる

 後は――



エイスリン「私にもメッセージ?」

京太郎「いえ、エイスリンさんには別のものを」

エイスリン「……」

京太郎「まず、エイスリンさんを襲った男達ですが……捕まりました」

エイスリン「そう。どうでもいいけど」

京太郎「次に……染谷先輩のことです」

エイスリン「……」ピクッ

京太郎「これは、言おうかどうか迷いました。でも、知る義務があります」

エイスリン「なんの話?」

京太郎「染谷先輩は、あの男達と関係はありませんでした」

エイスリン「……え?」

京太郎「むしろ、エイスリンさんのイップスのことも知って……なんとかしたいと思っていたそうです」

エイスリン「そ、そんなわけ……だって、あの時!!」

京太郎「男達との関係は麻雀仲間だと思っていたそうです。知っていたのは……親の方で」

エイスリン「そんな……だ、だって私、こ、殺し……」ワナワナ

京太郎「これ。染谷先輩からの手紙です」

エイスリン「え?」

京太郎「とは言っても、中々出せずに引き出しに入っていたそうですけど」

エイスリン「……」


「 
 どうも久しぶりじゃのう、元気にしとうか?
 あれから、麻雀が打てんようになったと……聞いちょる

 わしが原因だなんて自惚れるつもりはないが、もしそうなら……
 謝るしかできないわしを許して欲しい

 もし、力になれることがあるなら――なんでもする

 じゃから、いつでもうちの店にきんしゃい

 仕事が忙しい時客の相手でもしてもらうかもしれんが
 万全のお前さんともう一度打てる日を、楽しみにしちょる

 あと、うちにはひよっこの男子部員がいるけぇ
 一緒に鍛えてやるけぇの

 じゃあ、まっちょるぞ     
                                    」





エイスリン「……」ジワァァ

京太郎「必ず、ここを出たら……打ちましょう」

 染谷先輩の想いを
 俺は叶えたい

京太郎「そんで俺が勝ったら、是非いっぱ――」

エイスリン「それは無理」キッパリ

京太郎「」

エイスリン「須賀君の大きすぎるし、痛いのはいや」

京太郎「」

エイスリン「それに……」

京太郎「……それに?」

エイスリン「勝つのは私、でしょ!」ニコッ

京太郎「……ふふ、さぁどうでしょう?」ニカッ

 罪は許されることはない
 だけど、罪を償おうとする人を責めることは――したくない

京太郎「二人共、待ってますから」

モモ「出たら真っ先にぼこってやるっすよ!」ニィ

エイスリン「うん!」

京太郎「……」ニッ


 それでいいですよね
 はじめ兄――


長島「(けっ、いいところまで似てやがる)」プイッ



【翌日 通学路】


咲「そっか、そんなことが」

京太郎「やりきれねぇよなぁ……」テクテク

咲「……ねぇ、京ちゃん?」

京太郎「ん?」

咲「どうして、伝説の牌姫はあんな事件を起こしたんだと思う?」ウツムキ

京太郎「幼馴染の死の後に、他の友人を殺す……か」

咲「もし、京ちゃんならどう考える?」

京太郎「俺か。俺ならそうだな……」ウーン

咲「……」

京太郎「きっと、あれは牌姫の仕業じゃないと思う」

咲「え?」

京太郎「あの頃は海外との交易が盛んになったばかりで、未知の病気が流行ったりしたんだ」

咲「それで?」

京太郎「だから恐らくあの村は……その病気が子供達の間で流行った事実を隠そうとしたんじゃないか?」

咲「どういうこと?」

京太郎「麻雀牌を持ってきた商人が恐らく病原菌の持ち主で、それが牌で遊んでいた子供達に感染した」

咲「うんうん」

京太郎「だけどそんなことが公になったら、他の村からまともに相手してもらえない」

咲「あ、そっか。病気が伝染るって……」

京太郎「だから噂をでっちあげたんだと思うぜ、大人たちがな」ホジホジ

咲「……自信、ある?」

京太郎「いや、無い」ピンッ

咲「……むぅ」プクー

京太郎「でもさ」ポンッ

咲「わっ」

京太郎「牌姫がもしお前ならって考えると……こういう妄想の方が、断然いいよ」ナデナデ

咲「……うんっ!」


 事実は分からない
 でも、夢だけは見ていたい


京太郎「さぁ、行こうぜ!」タタッ

咲「うん、京ちゃん!」タッ


 信じることも今は、幻に変えてしまった――街で




 【File5 雀姫伝説殺人事件 解決編 終】

 https://www.youtube.com/watch?v=0jFwYdb_0Nw



 ということで一度投げ出したこのクソスレ
 なんとか完結までこぎつけました

 まぁもう次の事件のネタなんて考えてないので
 ちょびっと充電時間頂きますがね、むふふ

 ということで最後に次回の事件の為にアンケをば
 参考にしますので、よろしければ協力オナシャス!! センセンシャル!

 (全部採用できるとは言ってない)




1 ストーリー
・一言感想か、下の五段階をご利用ください

2 推理部分(ミステリーの完成度など)
・一言感想か、下の五段階をご利用ください

3 文の読みやすさ
・一言感想か、下の五段階をご利用ください

4 好きだったキャラ
・好きな名前を

5 次の事件で出して欲しいキャラ
・好きな名前を

6 金田一で一番好きな事件
・好きな事件の名前を

7 その他
・ご希望やリクエストなどあれば


S 最高

A いい

B 普通

C 微妙

D 最悪



 では皆さん、お付き合いくださり
 ありがとうございました!



 ついでにスレ埋めの代わりに余談をば

 前回スレ立てたときは、

 
 第一 美穂子

 第二 和

 第三 エイスリン

 第四 久

 第五 まこの死体発見

 
 エイスリンの犯罪を知ってる豊音が言い争いでエイちゃんを殺しちゃうんですねー
 それだけ削除しました

 だってレイプされて親友に殺されるっておま……ひどすぎるがな
 って恭子ちゃんにベッドで二年間言われ続けてました



 てな具合で、質問とかツッコミ部分にも答えますよー
 スレ埋まるまでですが


1 ストーリー
A
2 推理部分(ミステリーの完成度など)
A
3 文の読みやすさ
S
4 好きだったキャラ
豊音
5 次の事件で出して欲しいキャラ
金田一側から明智警部
咲-saki-から渋谷尭深
6 金田一で一番好きな事件
今アニメを見直し中なので(漫画はお金が……)

7 その他
特になし

ストーリーは おもしろかった、ランクはAです Sじゃない理由は、どうしても世界観が自分になじめないところですが、それ以外は最高でした

推理部分はランクS 咲の麻雀成分と金田一の推理性が合わさった作品でした

文の読みやすさはBですね

好きだったキャラは京太郎です、京太郎の性格に金田一の成分が入っておりより良いキャラになってました、ただしヒッサ、てめえは駄目だ

出して欲しいキャラは 佐紀ポジションのキャラですね

金田一原作で好きな事件は魔術列車殺人事件ですね、スカッとしました

希望は別世界で清澄麻雀部全員の力を合わせて事件を解決するストーリーがみたいです


乙でした


 小ネタその2


「なんで牌姫の伝説なのに【雀姫伝説殺人事件】なの?」


 最初にミスったのが一昨年
 今回修正するぞと思っていたけど、忘れてました

 でも語感がいいので、雀姫伝説殺人事件の方が好きです


 ちなみに金田一&探偵学園Qは全巻持ってます
 なのでQのキャラも出せるかも

 金田一クロスなので出しすぎるのもアレですけどね




 

>>723


 探偵学園K

 名探偵小鍛治健夜の後を継ぐ後継者クラスに選ばれた六人の男女


 カン(推理)の咲
 タコスの優希
 ワカメのまこ
 おさげの久!
 瞬間記憶能力持ってそうな和!

 それとなんかおまけの京太郎!


 六人は果たしてすこやんの後継者になれるのか!?





 うーん……違うか




 小ネタその3

 京太郎とはじめちゃんの関係は?

 
金田一耕助の娘(はじめ母) 息子(フミ父)

はじめ母と結婚したのがはじめ父→はじめ生まれる

はじめ父の妹が須賀さん(須賀実ではない)と結婚する→京太郎生まれる


 つまりジッチャンとは血も繋がってないし
 フミとも繋がってません

 ですがはじめちゃんと一緒によくジッチャンに遊んでもらったので
 孫同然に育っています




 ちなみに普通の事件現場では


咲「待ってください! 京ちゃんはあの名探偵金田一耕助の娘の夫の妹の子供なんです!!」

モブ「なに!? あの名探偵の!?」

犯人「(なんてこった、こんな場所にあの名探偵金田一耕助の娘さんの夫さんの妹さんの子供がいるなんて――)」ギリッ


 となります




 小ネタ4

>>669
 自称地獄の傀儡師の妹さんはジゼルのこと知ってます
 だけど自分が本当の妹だと思い込んでます、ジゼルのことはあわよくば殺そうと思ってました
 
 電波です 病んでます
 ジゼルはずっと馬鹿にして、相手にしてませんでした

 本当は近宮の弟の娘です
 マジックは叔母譲りなのです

 ちなみに兄様からは変なヤツだと思われてます(腕は認められてる模様)



 ふと思ったけど、こんな設定作っちゃったら次で出さなきゃいけないじゃないか(憤慨)



 パラレル派と続行派がおるようですね
 うーむ、迷いますがどうしましょ



 埋めの余談その5

 事件に関わるのはあくまで咲キャラ(被害者も犯人も)だけです

 長島警部とかはじめちゃんとか、高遠とかも出るけど事件には関わりません
 (後はキュウとかケルベロスとか、小城さんとか出したい所存――)

 玄以外のDDSキャラ、冥王星所属のキャラとかもいずれ出す予定

 冥王星はアレですがDDS希望のキャラとかいたらどぞどぞ(死なないとは言ってない)
 




 埋め小話その6

 取り敢えず自称妹()さんのこともあるので、次は続編で行こうかと思います
 

・怪盗雀士の殺人
(犯人名:怪盗雀士)


・赤月兎殺人事件
(犯人名:冥界の従者)


・姫巫女誘拐殺人事件
(犯人名:九面の使い)


 トリック考えてないけどストーリーだけならこの中からかなぁ

 どれがよさげでしょうか? 
  


 お好きにってのが一番困るのよー
 どれもやりたいから困ってるわけなのよー

 見たいのを正直に答えて欲しい所存ー


 死亡したキャラの扱いが悪いということで
 埋めがてら救済小ネタ投下します



【死亡者ルーム】 ※現在四名

 死亡者ルーム
 この世界では被害者達の罪や過去が全て洗い流されて

 現世で起きていることを、モニタリングすることが出来るという
 お菓子もあるよ、ジュースもあるぞ おかわりもいいぞ!

 お風呂付きベッドも常備
 というか生活スペースそのものじゃん


 ということで、割と快適な場所で
 悲しい座談会が開かれるのであった


久「……」

和「……」

まこ「……」

美穂子「え、えっと」

 
 ズゥーン

久「驚きの清澄率」ガクッ

和「酷いもんですね」シクシク

まこ「わしの、わしの出番が――」エグエグ

美穂子「まぁいいじゃないですか」オロオロ

久「そうね。こっちから殺人現場をじっくり見てやるわ」イヒヒヒ

和「流石悪役がお似合いですね」

まこ「あれ素じゃろ。絶対に」

久「うるさいわねー。あーあ、もっと賑やかにならないかしらねー」

和「それは死ねってことですか?」

久「死ねってこと♪」ウフフフ

まこ「……」

和「やっぱりあれは本当に――」アワワ

久「んなわけないでしょ」




久「ていうかさ、私って序盤は割と普通だったじゃない」オカシボリボリ

和「はい」

久「はいじゃないわよ。須賀君に庇われてデレたりしてたのにあの扱いって」ゴロゴロ

まこ「まぁ、確かに」

久「なんで取って付けたように悪人になってるわけ?」

和「いや、それは……動機付けですよ」

久「……そうね」

和「はい……」

美穂子「なんで私ってあそこまで久キチにされるのかしら?」

まこ「日頃の言動を省みるんじゃのぅ」シミジミ

久「私と美穂子は理由あるとして、まこと和は悲惨よね」


和「……当て馬」ズゥーン

まこ「うっかり死」ズゥーン

久「次があるわよ、多分」


美穂子「ここは死亡者ルームなのだけれど」

久「一回の事件で3~4人死ぬとして……30人になるのは――」

和「何を企んでるんですか」

久「というかさ、もうみんな死ねばいいじゃない」キョクロン

まこ「少なくとも京太郎は死なんじゃろ」

久「咲は?」

和「……」

美穂子「咲……サキ、佐木……?」

久「あっ、ふーん(察し)」

和「準レギュラーを確保すれば大丈夫じゃないでしょうか?」

まこ「千家ェ……」

和「……」

 



和「生き返りたいです」

久「あぁ~生き返るわぁ~」

まこ「無理じゃ」

和「戻って須賀君とオールハイルしたいです」

久「直球ね」

まこ「直球じゃな」

和「はい」

美穂子「(オールハイルってなに?)」キョトン

和「和二号、いかがでしょうか?」

久「いかがって、妹いるの?」

和「いませんけど、いるって設定にすればいいかと」

まこ「開き直っとる」ドンビキ

和「間違いなく今夜は悪役の顔してる」

 

    !?



美穂子「綺麗事さようなら」

久「白い目で見られても~」

美穂子「ウォウォウォウォー」

まこ「お構いなし」

久「ウォウウォウウォー」

和「藁に縋る想いの執念舐めて、知らないよ!」


四人「ぶーびーまじっく!!」デデーン



 一方その頃

 死亡者ルームのお隣には、もう一つ部屋がある
 内装、設備は全く同じだが

 中に入っている人間はまるで違う

 そう、それは――


【犯人ルーム】

牌姫1「……ナニコレ?」

牌姫2「犯人部屋っすよ。捕まった、ね」

牌姫1「ソウナンダ」

牌姫2「はい……」





牌姫1「ワタシガイチバン?」

牌姫2「そりゃまぁ、発端はアナタっすから」

牌姫1「ソウ……」

牌姫2「そういえば、お風呂場で須賀のティンティン見て顔を赤らめたのは演技だったっすか?」

牌姫1「あぅっ……アレハ、ソノ……//」モジモジ

牌姫2「カマトトぶるなっすよ! ビッチ!」

牌姫1「ショ、ショジョダモン!」

牌姫2「……え?」

牌姫1「……//」

牌姫2「あれ、無かったことに?」

牌姫1「……//」コクコク

牌姫2「あ、それはよかったすねー」

牌姫1「ウンッ!」パァァア



 ※ この犯人ルームではどんな酷い目にあった人も浄化されて元通り


 エイちゃんは処女だよ! やったね京ちゃん! 


牌姫2「正直、竹井久とかどうでもいいっすねー」

牌姫1「ウン」

牌姫2「あー、おっぱいさんに謝らないと」

牌姫1「ワタシモ」テクテク

 ガチャッ

久「あら?」

まこ「ん?」

和「え?」

美穂子「まぁ」

牌姫1「……ゴハン、タベル?」

牌姫2「カレー……残り物っすけど」

久「……いただくわ」ニッコリ



 罪を憎んでキャラ憎まず(至言)


 



【番外編その2】


 キーンコーンコーン

本郷「授業は以上だ。解散」

モブ郎丸「玄ちゃぁ~ん、どうだい? 元Aクラスのエリートであるボクとお茶でも!」

玄「遠慮するのです。あと気持ち悪いです」キッパリ


モブ郎丸「」ピキィーン


玄「あっ、本郷先生!」タタタッ

本郷「なんだ松実?」

玄「この間の事件のレポートが出来たので、提出を」スッ

本郷「どれ……フッ、よく出来ているな」

玄「ありがとうございます!」

本郷「最近やる気があるな。何か、目標でも見つけたか?」ニヤリ

玄「……えへへ、とっておきの師匠を見つけたんです!」エッヘン

本郷「ほう?」

玄「先生にも負けないくらい、素敵な探偵なんですよ」ニコッ

本郷「そいつは……いずれ会うのが楽しみだな」コツコツ

玄「はいっ!」


モブ郎丸「」

「あれ、また三郎丸さんが固まってるよ」

「また? もう、変わらない人ね!」

「ボクだったらもうちょっとスマートに誘うけどね!」カタカタ

「生意気なんだよ、チビのクセに!」

「あいだっ!? もうチビじゃないだろ~!」

「フフ、相変わらずだな二人は――」


 ワイワイ


玄「……」グッ

本郷「なに、その意気ならすぐに追いつける」ポン

玄「はい、おまかせあれ!」


サボテン「……(うむ、いい目だ)」キラーン

片桐「……あの、校長?」

サボテン「私は七海などではない……ただのサボテンだ」

片桐「……」メガネキラーン

 ガンッ!  イダダッ!?


玄「Qクラスにも負けない……!」メラメラ

 
 



【番外編その3】


ケルベロス「やれやれ、困った人だ」

高遠「……それはこちらのセリフですね」

ミスユリエ「……」オロオロ

ケルベロス「我々にその少年に手を出すな、と?」

高遠「彼は私のショーの常連でね。横やりなどナンセンスだと思いませんか?」

ケルベロス「既に組織の幹部数名が彼によって捕まっている」

高遠「こちらもDDSには手を焼いていましてね。もっとも、捕まるようなマヌケを部下にはしませんが」

ケルベロス「あの少年よりも、DDSの方が下とでも?」

高遠「アナタ達では彼の相手が務まるかどうか――」クスクス

ミスユリエ「アナタ! この御方を誰だと!」バッ

ケルベロス「よさないか」スッ

ミスユリエ「しかし……!」

ケルベロス「こちらとしても、事を荒立てるつもりはない。アナタもまた、我らと同じ道を歩く者」

高遠「……心外ですね」

ケルベロス「どう受け取ってもらっても結構。ただし、一つ助言をしましょうか」

高遠「助言……?」

ケルベロス「アナタが目をつける少年以外にも厄介な連中がいる。気をつけることだ」キッ

高遠「……ええ、心得ておきましょう」スッ

 バラララッ!!

ミスユリエ「消えた!? バラの花が……?!」

ケルベロス「フッ……」ツカツカ

 グシャッ グリグリィ

ケルベロス「地獄の傀儡師――覚えておこう」



高遠「冥王星……くだらない」

 ザッ

高遠「……こんなモノに手こずってもらっては困りますよ、金田一君」

 ピピピピッ

高遠「……?」スッ

 ピッ

?『あ、ボクだけど! 久しぶり、兄さ――』

高遠「……」ブツッ

 ピリリリリリ

高遠「……」ピッ

?『酷いじゃないか! なんで切るのさ!』

高遠「要件は?」

?『え、ああうん。実はすっごく面白いショーを思いついたんだ!』

高遠「ショー?」

?『えへへ、きっと兄さんも喜んでくれると思うよ!』

高遠「生憎ですが興味が――」

?『アイツも来るよ』

高遠「……?」

?『兄さんが気に入ってるアイツの、従兄弟』

高遠「金田一耕助の娘の夫の妹の息子、でしたか」

?『来てくれる、よね』

高遠「……ショーの名は?」


?『赤月兎殺人事件――なんてどうかな?』


高遠「……」クスッ




 
 つ づ く




 ということでとっとここの妹を処理したいので
 赤月兎殺人事件にします

 高遠さんは意味ありげですが、別に参戦しません
 彼ははじめちゃんとの追いかけっこ(意味深)でしっぽりなので


 金田一とQクラスはよくニアミスしてるけど冥王星と高遠はどうなんかね?
 個人的には見てみたい組み合わせ


 赤月兎殺人事件は龍門メンバー+京太郎&咲は確定
 あと数人欲しいので、龍門と絡めたいキャラいればどぞー

 
 

 


 好きなキャラ出したいけど、殺されるor犯人にされる

 殺された場合は鬼畜化orとばっちり
 犯人の場合は復讐鬼になる



 あれ、このシリーズって救いが無いような……?



 うっ、頭が……


 取り敢えず確定組
 個人的には前回、人数盛りすぎたので今回は被害者込みで10~12人くらいにしたいです


【容疑者】

・龍門渕透華
・天江衣(with 鞠)
・井上純
・国広一
・沢村智紀
・ハギヨシ
・杉乃歩


【容疑者外れ組】
・宮永咲
・なんか仮面付けた人(一般客)



 トリックとか全然考えてないというか、思いつかないので
 もしかしたら違うスレを立てるかも

 その時はこっちで告知するって、それ一番言われてるから


 

長野なら池田三姉妹とか


 大体トリックも決まってきたかなー
 後は誰が誰を殺るか、なのですが


【容疑者】
・龍門渕透華
・天江衣(with 明日遊ぶ約束)
・井上純
・国広一
・沢村智紀
・ハギヨシ
・杉乃歩


【容疑者外れ組】
・宮永咲
・神代小蒔(次事件フラグ要員)
・なんか仮面付けた人(一般客)


 もう安価で決めよう
 ということでコンマ判定

 上位5名先着 
 ゾロ目の場合は確定
 
 阿知賀組の場合だけ、決まったら来る人を最安価しますん


 優希  ↓1
 阿知賀組 ↓2
 池田 ↓3
 すばら ↓4
 愛宕姉妹 ↓5
 かじゅ  ↓6
 もも ↓7
 カツ丼 ↓8
 
 ※鬼畜な私は池田三姉妹に容赦出来る気がしないので参戦不可としておきます



モモはステルスを利用して脱走したのかな


 安価でモモ脱獄しとるやんけ
 豊音のつもりだったよー、ちょーごめんだよー

 かじゅ&池田=ゾロ目確定 (不幸フラグがビンビンだ、咥えてさしあろ)
 阿知賀は最高五人参戦なので、阿知賀と愛宕姉妹でサドンデス
 

 愛宕姉妹が74、阿知賀が96チャーなので
 

穏乃 ↓1
憧 ↓2
灼 ↓3
玄 ↓4
宥 ↓5

 74を越えた人は参加
 もしゼロなら愛宕姉妹が両方参加します

 ゾロ目は……無し(姉妹が不利やし)






                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
              /    . . . . . . . . . . . .   \
         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ

        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,

          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
.      |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,.     `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
       (__) | .:. 八            |:.:.:.:}V:.:.:..:: . . {   / 〃        | |  ) } (_  ヽ
      .イ   i! .:.:| :i::..     丶 ノ     ,:.:.:./:i::.:.:. :i: . .   { {____.     | |  (_ ノ    )  }
     〃{   .}: :.:.{ :|::::i:>...      イ/.:.:/i:,′:.::.八 : .l  乂 ___ )    ._ノ         (__ノ
     {:i.:{   ハ:.:.:V :::|l:.:.:.}:.r } ̄ __ ノ/:.:./:./:.:.:.:. ::i{: . . {
.    八从 ,: .∧ :.{:::::リ::::::ノ 入_/'i{  /ィ /::/:.:.:.:. /::{:. . . .
       ∨ .:.:.:.\V‐≦ムイ  /》___.ノイ 7:.:.:.:. /廴:.. . .八
       /;..:.:.:.:.:./ \}!  r‐〉ォ´ ̄  }ノ /::.:.:.:./  , ヽ: .∧
.      /:/ .:.:::::/  ノ{{   '介′   i{ ./::.:.:.:./  /  ∨. ∧
     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧

玄「時代は松実姉妹のものなのです」フフフ


. / /: :.,ィ: : : : : : : : : : : : : : : \i
/ / / i: : : : : : : : : :i: : : : : : : :.\
__i /  /: : : : : : : ;ィ: :}: : : : : : : : : : :.
 i 「`7 /!: : : :∠」_ ハ: i: : : : : : : : :i

=-x /// : :/   ! 「 卞}: : : : : : : : :}
::::i.   / / ==ェx、_ i/i: : : : : : : :/
:C        !::::::::::「ヾ' i: : : : :..:/
''′      |::::::::C  /イ: : :/
        ∨::::ソ i,厶イ\

          ̄`  .!: : / \\
             }: :.!   )::)
  /\        ノ|: .:| //
;,、  ̄ ̄   _,,   <  |: :.!//
    | ̄           !: :|/
    |∧           |: :|
ヽ_,/   ',__        |: :i
_/ ヘ    .i  \.    !:/
》ェ≪    |    \   /
.|| || 》__/     `ヽ

.|| |〃 ̄`ヾ      ハ



 追加四人だけど姫様も形だけいるのでこれで打ち切り
 あんまり増えすぎると回しにくいので
 
 さっさと人数を減らそう(物理的に)


【探偵】
・須賀京太郎
・松実玄

【容疑者】
・龍門渕透華
・天江衣(with 瑠璃ちゃんポジ)
・井上純
・国広一
・沢村智紀
・ハギヨシ
・杉乃歩

・池田華菜(二回目)
・加治木ゆみ(二回目)
・松実玄(二回目)


【容疑者外れ組】
・宮永咲
・神代小蒔(次事件フラグ要員)
・なんか仮面付けた人(一般客)


 なんかクロチャーが咲を食い始めたような……
 まさか、ね

 


 訂正するのです
 愛宕姉妹DDSはいいアイデアだと思うので採用します(被害者にならないとは言ってない)

 出すなら姫巫女誘拐か怪盗雀士だと思います



【探偵】
・須賀京太郎
・松実玄

【容疑者】
・龍門渕透華
・天江衣(with 瑠璃ちゃんポジ)
・井上純
・国広一
・沢村智紀
・ハギヨシ
・杉乃歩

・池田華菜(二回目)
・加治木ゆみ(二回目)
・松実宥(二回目)


【容疑者外れ組】
・宮永咲
・神代小蒔(次事件フラグ要員)
・なんか仮面付けた人(一般客)

容疑者ハズレ組(被害者にならないとは言っていない)



~~埋め小ネタ DDS愛宕~~


 とある殺人現場


洋榎「名探偵の洋榎とはうちのことやでっ!」デデーン

犯人「ほう……なら私がどうやって彼を殺したと?」

 ヒョコッ

絹恵「動機はアレで、これで、殺害に使ったのはソレでコレやん」ペラペラ

洋榎「ちゅーことや! せやろ? どや!」

犯人「ぐっ!?」

絹恵「(考えたの全部うちなんやんけど……)」

洋榎「証拠はコレや!!」デーン

犯人「なっ……!? それを、どこで……」

洋榎「まぁ、拾ったんは偶然なんやけどな……」テレテレ

絹恵「(お姉ちゃんが見つけた証拠が無ければ追い詰めれへんもんねぇ)」ウンウン

犯人「」

絹恵「はぁ……たまにはええカッコもしたいわぁ」

洋榎「フフフ……」



~~数ヵ月後~~


洋榎「どや須賀?」

洋榎「せやかて須賀!」

洋榎「この勝負、もろたで須賀ァ!」

洋榎「須賀須賀須賀須賀須賀」ブツブツブツ

京太郎「」

玄「あの人怖いのです」ブルブルブル


 関西探偵は芸人しかいないのか(偏見)


黒の組織…玄の組織?


>>858
 あっ、ふーん……(察し)

 バーローで思い出したけど
 フェイタライザーのシャカ並にショタ化した京ちゃんが逆レされるSS読みたい(ど直球)

 読みたい(懇願)
 


 ということで容疑者と事件も決まったので、もうこのスレでやることは特にありません
 後は推理を練って、ある程度固まったら新スレ立てて投下します

 なのでこっちのスレは依頼を出しておきますが
 html化するまではお好きに感想なり批判なりして、どうぞ

 金田一スレの前に何か別のスレ立てるかもしれないので、そっちのリクとかでも
 ま、多少はね?


 じゃあ俺、ギャラもらって帰るから……(棒読み)




金田一のSSはもっと増えてもいいと思う

咲×探偵学園Q(ほのぼの)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月21日 (月) 03:25:51   ID: IPrsj0I3

怜が探偵するやつの盗作
京太郎がネタ切れだからって盗作は駄目絶対

2 :  SS好きの774さん   2014年07月21日 (月) 16:02:25   ID: WiUxkgtn

元スレ行ってこい
そこに真実があるから

あと名探偵怜の続きも待ってます作者違うけど

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