マミ「私の最高の友達」OB「訳が分からないよ」(79)

QB「君に友達なんていたっけ?」

マミ「私の目の前にいるわ」

QB「いつから僕と君は友達になったんだい?そもそも僕は人間ですらないじゃないか」

マミ「どうしてあなたは種族の違いなんて些細なことにこだわるのかしら、全く訳が分からないわ」

QB「僕の口調を真似しないでくれないかい?」

マミ「こっちの方が分伝わりやすいでしょ?」

マミ「意思の疎通さえ出来れば友達になれると思うの」

QB「確かにそうかもしれないね。けどだからと言って僕と君が友達だという根拠にはならないんじゃないかな」

マミ「友達になるのに理由なんて必要ない」

QB「無条件で誰とでも友達になれるのなら、何故君には友達がいないんだい?」

マミ「あなたがいるわ」

QB「話しがフリダシに戻ってしまったね」

マミ「……私ね、友達って困った時に互いを助けあえる人同士のことを指すと思ってるの」

QB「だから僕は人じゃないって言ってるじゃないか」

マミ「人の揚げ足を取って悦に浸る男の子は嫌われるわよ」

QB「それは君の得意技だろ」

マミ「女の子はいいの」

QB「訳が分からないよ」

QB「話が逸れてしまったね。確かに僕は魔法少女達と持ちつ持たれつ、互いに支え合いながら協力関係を築いて来た」

マミ「でしょ?」

QB「でも君の定義する『友達』は家畜も含めてしまっていいものなのかい?」

マミ「え?」

マミ「家畜はちょっと……」

QB「種族は関係無いんだろ?」

マミ「意思の疎通が出来ないわ」

QB「可能だよ。彼等にも人間の喜怒哀楽を察する知能くらいはきちんと備わっている。その点に関しては僕以上かもしれない」

マミ「あなたにとって魔法少女は家畜に過ぎないと言いたいの?」

QB「ものの例えだよ。やっぱり協力関係にあっても必ずしも友達とは言えないんじゃないかな」

マミ「家畜はちょっと……」

QB「種族は関係無いんだろ?」

マミ「意思の疎通が出来ないわ」

QB「可能だよ。彼等にも人間の喜怒哀楽を察する知能くらいはきちんと備わっている。その点に関しては僕以上かもしれない」

マミ「あなたにとって魔法少女は家畜に過ぎないと言いたいの?」

QB「ものの例えだよ。やっぱり協力関係にあっても必ずしも友達とは言えないんじゃないかな」


マミ「う~ん……ちょっと論点がズレてる気がするわ」

QB「どこがだい?」

マミ「何といえば伝わるのかしら」

QB「僕に聞かれても困るよ」

マミ「そうね……あなたの指してる協力関係はドライ過ぎるのよ。あまりにも即物的だわ」

マミ「私が話しているのは精神面の話よ」

QB「つまり『精神的に』支え合える関係を『友達』だと言いたいのかい?」

マミ「そうね」

QB「それは友達というより共依存と表現するべき状態なんじゃないかな」

マミ「そもそも依存し合わなければ生き物は生きていけないわ」

QB「そういう意味じゃないんだけど」

QB「君に精神面で支えられた覚えがないな」

マミ「何言ってるのよ。おいしいご飯作ってあげたりお風呂に入れたりブラッシングしたりとにかく色々してあげたじゃない」

QB「君の方が即物的じゃないか」

QB「それに僕は君の精神面に至っては全くサポートしてないよ。これじゃ精神的に支え合っている、なんてとても言えない」

マミ「何を言ってるの?」

QB「質問の意味が分からないな」

マミ「あなたはいつも私を支えてくれたじゃない」

QB「僕が君を支えた?それこそ覚えがないよ」

マミ「あらあら」

マミ「あなたとは長い付き合いになるけれど、そういう所も嫌いじゃないわ」

QB「要領を得ないな。具体的にどうやって僕が君を支えたのか教えてくれないかい?」

マミ「私が事故に会った時助けてくれた」

QB「あれはあくまで君の力に過ぎないよ」

マミ「右も左も分からない私に戦い方を教えてくれた」

QB「新人に対しては誰にでもそう接するよ。戦闘で魔法少女を失うのはこちらとしても痛手だからね」

マミ「いつも私の側にいてくれた」

QB「ただそれだけのことさ」

マミ「それだけで充分なのよ」

マミ「どうしてあなたは私と友達であることを頑なに否定したがるのかしら?」

QB(……ふむ)

QB(今回の言動とこれまでの経験から推測するに)

QB(恐らくはマミは僕に"依存"している状態だ)

QB(どういう経緯を辿ってその状態に至ったのかは正直僕には微塵も理解出来ないけれど、そこは問題じゃない)

QB(人は自分が信頼していたものに裏切られた時。決まって対象を憎悪し絶望する)

QB(例えそれが独りよがりな妄想に近い虚像であってもね)

QB(人間というのはとことん理不尽な生き物だよね。勝手に信頼して勝手に絶望するなんて……訳が分からないよ。まあでもこれで僕の行動方針は決まった)

QB(巴マミ。君には宇宙のために死んで貰うよ)

QB「僕には感情が無いからさ」

マミ「え……?」

QB「例えば仮に君が魔女との戦いに敗れて死んだとしても、僕は全く悲しくない。悲しむ為に必要な感情そのものが備わってないからね。つまり僕が君を助けたのは決して善意じゃないんだ」

マミ「……」

QB「戦い方を教えたのも同じことだ。君に生き残って欲しかった訳ではない。僕にとって君の安否は然程重要じゃないんだ」

QB「どうでもいい、と言い換えてもいい」

マミ「……」

QB「だから僕は君の友達にはなれない」

マミ「そう」

QB「!?」


QB「……おかしいな」

マミ「おかしい?」

QB「普通"友達"と思っていた存在からさっきのような言葉を投げかけられた時。君達人間は落胆するんじゃないのかい?」

マミ「そうね。でも今ので気付いたわ。あなたが何を考えていようとあなたは私の最高の友達よ。それさえ分かれば充分」

QB「訳が分からないよ」

マミ「でも気になることがあるの」

QB「何だい?」

マミ「あなたの発言を聞く限り、あなたは私を落ち込ませたかったように思えるんだけど」

マミ「何故あなたはわざわざこのタイミングで感情がないことを教えてくれたのかしら?本当に感情がないのなら、そんなことする意味ないわよね」

マミ「そもそも人助けがしたいんじゃないなら、何であなたは色んな子たちに契約を迫っているの?」

QB「!」

QB(まずいな、勘付かれてしまったみたいだね。魔法少女間に真実が知れ渡ってしまうのは防ぎたい。だから極力真実は伏せておきたかったんだけど……)

マミ「さあ白状なさい。実は好きな女の子には意地悪しちゃいたいとかそんなドッキリなんでしょう?もうキュウべぇったら照れ屋さんなんだから」

QB「君はどこまでも前向きだね」

投下中に申し訳ないが、スレタイOBになってるぞ

QB(どうやらショックのあまり現実を直視出来ていなかっただけみたいだね)

QB(ならここはあえて……)

QB「魔女を量産するためさ」

マミ「へ?」

QB(追い打ちをかける)

QB「そもそも僕達の目的はねーー」

QB「ーーってことなんだ」

マミ「つまり、今まで私が倒して来た魔女は……」

QB「基本的に君達と同じ魔法少女だよ」

QB「そしてこのままいけば君もいつか必ず魔女になる。君自身が身を粉にして護っていたこの町の人々を襲う化物に成り下がる」

マミ「わざわざこのタイミングで事実を洗いざらい話て来たのはそれが目的……」

マミ「……本当に、あなたにとって私なんてどうでもいいのね」

QB「まあ正確には宇宙の延命に必要な大事な人柱なんだけどね」

マミ「そう……そうよね」

QB(ん……?)

QB(何故だ。マミのソウルジェムが微塵も濁ってない)

>>16
……俺って本当バカ
気付かなかった、ありがとう

ここ不慣れなんだが建て直しとかって許される?

かまわないと思うが…

マミ「いいわ。あなたが望むなら。いつか宇宙のために死んであげる」

QB(……ああ、そういうことか)

マミ「この話を他の魔法少女に吹聴して回るような真似もしないわ」

QB「巴マミ。君は……」

マミ「だってあなたは……」



QB「とっくの昔におかしくなっていたんだね」

マミ「私の最高の友達なんですもの」

>>20
ありがとう
板汚しになりそうだからこのまま突っ走る




QB(その日からマミと僕の奇妙な共同生活が始まった)



【食事】

QB「これは何だい」

マミ「あらどうしたのキュゥべえ。珍しくイラついたような声をだして」

QB「僕には感情がないからね。そう聞こえたのなら君の勘違いさ」

マミ「それもそうね。でも感情が無いってよくよく考えたら不思議よね。同じ生き物として」

QB「何故かな?」

マミ「例えばあなたは生きるためにご飯を食べなきゃいけないでしょう?でもあなた達に感情が無いとしたら、食欲は湧かない。それ以前に生存意欲すら湧かないはず」

マミ「とすると、あなたにとって『食事』は無駄な行動でしかない。にも関わらずあなたは私の作ったマミライスをいつもおいしそうに食べていた」

マミ「何故かしら?」

QB「君は勘違いしているようだけど、感情が無いといっても必要最低限の『欲求』はある。感情がないから暴飲暴食はしないけどね」

マミ「なるほど。これで謎が一つ解けたわ」

QB「お役に立てて良かったよ」

QB「……で、これは何だい?」

マミ「ドッグフードよ」


【我儘】

QB「君は最高の友達にドッグフードを食事として差し出すのかい?」

マミ「だってあなた感情がないんでしょう」

QB「感情が無くても欲求はあるって言ったろ?」

マミ「ドッグフードでも食欲は満たせるはずだけど」

QB「味覚が満たされないじゃないか。ストレスが溜まってしまう」

マミ「安心して頂戴。このドッグフードは苺味よ」

QB「余計嫌だよ」

【感情】

マミ「あら。"必要最低限の欲求"って言うくらいだから生きるために必要な欲求以外は生じないとばかり思っていたのだけど」

QB「君たちと僕たちとでは必要最低限の基準が違うみたいだね」

マミ「そうね。でも欲求が満たされない場合、あなたにも"ストレス"が溜まるみたいだけど、ストレスが溜まり続けると何か不都合でもあるの?」

QB「精神疾患を引き起こし罹患者と化す危険性が著しく高まる」

マミ「罹患者?」

QB「感情が芽生えた個体を僕たちはそう呼んでいる」

マミ「感情……」

マミ「つまりキュゥべえにドッグフードを食べさせ続ければ友情が芽生える可能性も……?」

QB「君に対する嫌悪感なら芽生えるかもしれないね」


【ナルシスト】

マミ「ねぇキュゥべえ」

QB「何かな」

マミ「あなたはどんな異性がタイプなの?私としては胸が大きい子とかお勧めだけど」

QB「何度言えば分かるんだい?僕に感情は無いんだよ?」

マミ「そんなこと分かってるわよ。でも…えぇっと、性欲……はあるんでしょう? あなたちだって一個体の寿命が無限にある訳じゃないでしょうし」

QB「ああ、なるほど。でも僕にその手の欲求はないよ」

マミ「え?」

QB「僕たちは無性生殖で分裂して増殖するからね。まあそういう意味ならタイプは僕自身ってことになるのかな」

マミ「……」

マミ(真っ二つに分裂したキュゥべえ……アリね)


【寝床】

マミ「ねぇキュゥべえ。あなた本当にやましい気持ちを抱いたりはしないのよね?」

QB「そうだよ」

マミ「じゃあ何であなたは昔から頑なに私の胸の中で眠ろうとするの?」

QB「休息するのに最も適した場所だからさ。他意はないよ……本当だってば」


【風邪】

QB「へくちゅん!」

マミ「あら可愛いくしゃみね。あなたいつもくしゃみする時はキュップイ!とか鳴いてたのに」

QB「ふむ……どうやら風邪を引いたみたいだ」

マミ「風邪? あなたも風邪なんて引くの?」

QB「くしゃみが『キュップイ』ではなく『へくちゅん』となった時は風邪のサインなんだ。実に分かり易くて合理的な判別方法だろ?」

マミ「訳が分からないわ」


【看病】

マミ「風邪ねぇ……どうやって看病すればいいのかしら?」

QB「おいしいご飯とあったかい紅茶を僕に飲ませたり、僕の毛を一本一本丹念にブラッシングしたり、一緒にお風呂に入ったり、ふかふかな寝床を用意してさえくれれば文句はないよ」

マミ「つまりいつも通りね」


【お揃い】

マミ「あなたの毛並みはいつもふわふわね」

QB「毛並みについてはこれ以上ないほど気を使ってるからね」

マミ「あら、もしかして私のブラッシングの腕を褒めてくれてるの? お世辞でも嬉しいわ」

QB「そうか じゃあ、そろそろ……」

マミ「あら、あなた風邪引いてるんだから特別にもう少しやってあげるわよ」

QB(ふむ、どうやらいらぬ一言のせいで気を良くしてしまったみたいだね。ブラッシングはストレス発散に最適だけれど、あまりやりすぎると眠気が……)




マミ「眠っている間に、あなたの耳毛を縦ロールにセットしといてあげたわ。これでお揃いね」

QB「……」

【不治の病】

マミ「コーヒー買って来たから一緒に飲まない?」

QB「また無糖か。僕はマックスコーヒーじゃないと飲めないって言ってるじゃないか」

マミ「あんなものはコーヒーじゃないわ。私はブラック以外認めない」

QB「コーヒーに限らず君は苦いものばかり買って来るよね。僕には理解出来ないよ。何故君はわざわざ不味いものを進んで食すんだい?」

マミ「あら、苦いのもおいしいのよ?」ズズズ

QB「でも君はいつも無糖を買って来てはこっそり砂糖を入れてから飲んでるよね。今もそうだ」

マミ「!」

QB「それにこの前君は一人隠れて無糖のまま飲もうとしていたようだけど、涙目だったじゃないか」

QB「何故そこまでして苦いものにこだわるんだい?」

マミ「えと、それは……その……」


【う○こ】

マミ「あなたの為に作って来たの。良かったら食べて頂戴」カタッ

QB「マミ」

マミ「どうしたの?」

QB「言いたいことがあるならはっきり言ってくれ」

マミ「え?」

QB「確かに食糞文化が定着している地域もあるけど、ここは日本だ。それとも君は食糞に性的興奮を見出すタイプなのかい? ただそういうのは両者の合意の下……」

マミ「チョコレートを何と勘違いしているのかしら」


【カカオ99%】

マミ「バレンタインだから作ってみたのに、失礼ね」

QB「早とちりしたのは悪かったよ」

マミ「……ねぇ? 色が見えない人に"青"を伝えるにはどうしたらいいと思う?」

QB「思考実験がしたいのかい? やれやれ。その手の話はいくら語った所で結論が出ない事くらい分かっているはずだろうに、それでも追い求めずにはいられないなんて。つくづく人間の好奇心というものは」

マミ「いいから」

QB「『冷たい』や『爽快感』…… とにかく青から連想出来る物を体感させるのが一番簡単なんじゃないかな」

QB「これでいいかい? さて、そろそろ味見させて貰おうかな」パクッ

マミ「……」

マミ「これをあなたに食べさせたのはね。バレンタインだからって理由だけじゃなくて、私があなたをどう想ってるか分かってもらうにはやっぱり体感して貰うのが一番はやいかなってーー」

QB「このチョコ苦ッ」オェ

マミ「あ」

【死】

QB「今日は助けてくれてありがとう。お手柄だよ、マミ」

マミ「どういたしまして、あなたも気を付けないと駄目よ? 危うく蜂の巣にされる所だったじゃない」

QB「……暁美ほむら。一体何者なんだろうね。僕の仲間も既に何体か殺されてしまった」

マミ「殺されたお仲間の記憶はあなた達のネットワークを伝って共有出来るんでしたっけ?」

QB「そうだよ」

マミ「ねぇ……死ぬってどういう感じ?あなた達は死ぬ直前に何を思うの?」

QB「多分君が想像しているのとそう差異はないと思うよ。そうだね。簡単に言い表すのなら眠ったり、気絶したりするような感じかな。ただ彼らが何を"想った"かは分からない。そこまでは共有出来ないし、そもそも感情の無い僕らには共有する必要がないからね」

マミ「……そう」


【女の勘】

マミ「暁美さんの狙いなら簡単よ。彼女の狙いは鹿目さん」

QB「鹿目まどかが狙いだって?一体全体どうしてそんなこと君に分かるんだい?」

マミ「あら、声に焦りが滲み出てるわよ?」

QB「僕に感情は無いって言ってるだろ」

マミ「あーあ、やっぱりキュゥべえも鹿目さんにお熱なのね。ちょっと嫉妬しちゃうなぁ」

QB「白を切るのはやめて僕の質問に答えてよ」

マミ「女の勘よ。目を見れば分かるわ。あの子は鹿目さんによっぽど執着してるみたい。鹿目さんのためなら何もかもかなぐり捨てても構わないぐらいに……似たような心境だから分かるのよ」

QB「ふむ」

マミ「? この手の直感や感情論を否定しないなんて珍しいわね」

QB「……僕がまどかに執着してると君に露呈したのも僕の目が原因なのかい?」

マミ「目元どころか、いつも表情一つ動かさない癖して何言ってるの?」


【友達】

マミ「鹿目さんから凄まじい潜在能力を感じたの。きっとあなたから見たら涎水ものなんだろうなって思っただけよ」

QB「なるほどね」

マミ「それにしても、鹿目さんも美樹さんとも気が合いそうで良かったわ。良い友達になれそう」

QB「『後輩』じゃなくて『友達』なのかい?」

マミ「ねぇ、キュゥべえ? せめて美樹さんだけには魔法少女の真実を教えたりしちゃだめかな?」

QB「…………僕に君の言動を縛る権利はない。ないが、何故わざわざ美樹さやかにだけ教えたいと思ったんだい?」

マミ「ほら、美樹さんたちと私って友達でしょ? 極力後悔させたくないのよ。本当は鹿目さんにも教えてあげたいけど、そしたら今度はあなたが困るだろうし」

QB「……美樹さやかが鹿目まどかに吹聴する可能性が高い。 彼女の性格ならほぼ確実にそうするだろうね」

マミ「あら、心配しなくても大丈夫よ?ちゃんと口止めはするから……女の子なりのやり方でね」ガチャッ

QB「物騒だね。それにしても鹿目まどかには真実をひた隠しにし、美樹さやかに対しては暴力で言動を抑えつける、か」

QB「いつの日か話した『友達の定義』の話に戻るけれど、本当に君は彼女たちを"友達"と思っているのかい?」

マミ「仕方がないじゃない。だって……」



マミ「私にとって最高の友達はあなたなんだから」


【毛並み】

QB2「やあ、僕と巴マミ」

QB「まどかの勧誘帰りかい?」

QB2「そうだよ。今日も暁美ほむらに17体の仲間が殺られた」

QB「みたいだね。お疲れ様」

QB2「本当、無駄に個体を減らされるのは困るんだけどね。どうにかならないかな。マミが僕たちの護衛についてくれるなら随分助かるんだけど」

マミ「生憎、私は"この"キュゥべえ以外がどうなろうと興味ないの」

QB2「やれやれだね。じゃあ僕は行くとするよ」



マミ「……」

QB「どうしたんだい?」

マミ「あなたたちって全員毛並みがいいわよね」

QB「当然さ、僕たちの技術を使えば半永久的に毛並みを最高の状態に留めることくらいーー」

マミ「じゃあ二度とブラッシングはしないわ」

QB「!?」

【遺言】

マミ「……ここまでみたいね」

QB「……」

マミ「まさか、一瞬の隙を突いて右腕と左脚を持っていかれるなんてね……」

QB「……」

マミ「キュゥべえ、あなたの為に魔女となって死ぬと約束したのに……ごめんなさい」

QB「……」

マミ「あぁ、私あなたに会えてーー」


QB「ねえマミ」



QB「さっきから何をやってるんだい?」

マミ「!?」

QB「ずっと一人でぶつぶつ呟いていたようだけど」

マミ「…………け、怪我した右腕と左脚が疼いて」

QB「君が負傷したのは左腕だろ」

【看病 その2】

QB「せっかくお粥を作って来たのに、出鼻を挫かれてしまったじゃないか」

マミ「ありがとう。おいしいわ」

QB「全く。魔力で怪我は治せるとはいえ、体力まではそう簡単に回復しないんだ。安静にしてないとダメだよ?」

マミ「あら、やけに優しいのね」

QB「こちらとしても君にはまどかの前で"憧れの先輩"を演じて貰いたいからね」

マミ「そんなことだと思った。なのに鹿目さん達の前であんなヘマをしてしまうなんて……本当にごめんなさい」

QB「……」

QB「マミ、君はもしかしてわざとまどか達の前でーー」




マミ「ごちそうさま」



マミ「それにしてもあなた、料理作れたのね」

QB「いや、今回僕は料理してないよ。君は鍋やフライパンの類を天井付近の引き出しに入れてるからね。耳が届かなかったんだ」

マミ「じゃあこのお粥はどうやって?」

QB「以前君に作って貰ったお粥を参考にして、分子レベルで僕の体内に再現したのさ。便利な機能だろ?」

マミ「……ちなみにあなたの体内で作ったお粥をどこから外に出してお皿に載せたの?」

QB「肛門から」

【ティロフィナーレ】

QB「どうしたんだい? 怖い顔して」

QB「何で変身するんだい? 安静にしないとダメだって何度言えば分かるのかな」

QB「キュゥ!?」ガシッ

QB「…………違うんだマミ。 僕と君たちの肉体構造は根本的に違っていて僕の肛門は非常に清潔な状態に」

QB「待って、僕の話を聞ーーーー」

【思い出】

マミ「あなたに始めてあった日のことは今でも鮮明に思い出せるわ」

QB「あの時は君も小さくてまだ純粋だった」

マミ「やたら引っ掛かる言い方ね」

QB「僕は事実をありのままに言ったまでだよ」

マミ「でもあなたの方こそ変わったわ。あの頃はこんなんじゃなかったのに」

QB「そんなはずはないよ。僕は産まれた時からずっとこんなんさ」

マミ「いいえ、私を助けてくれた時のあなたは……」


『やあハニー。助けに来たZE』


マミ「あんな感じだったはずよ」

QB「仮に僕があんな感じだったとして、君は本当に満足出来るのかい?」

【後悔】

マミ「ただ仕方が無かったとはいえ、あの時もうちょっと賢い願い事をすれば良かったって今になって思うわ」

QB「そうかい? あの状況なら『助かりたい』がベストな願い事だったと思うけど」

マミ「何故昔の私は『キュゥべえに好かれたい』って願わなかったのかしら」

QB「僕に好かれた数分後に君は死んでいたと思うよ」

マミ「数分でもあなたに好かれて死ねるなら本望よ」

QB「本当に訳が分からない」

マミ「……せめて"交通事故を無かったことにして欲しい"とか"交通事故の死傷者を0にしたい"とか願っていれば良かったのにね」

【約束】

マミ「私がピンチになったらいつでもどこでも駆け付けて、王子様みたいにまた助けてちょうだいね」

QB「随分無茶な要求をするね」

マミ「約束よ?」

QB「僕は同意して無いんだけど」

マミ「でも拒否もしないのね。本当優しいんだから」

QB「もう好きにすればいい」

マミ「……ありがとう」

マミ「私ね。ずっと寂しい思いを抱えて……いつか死んでしまうんじゃないか、って怯えながらビクビクと戦って来た」

QB「……」


マミ「でも最近はあなたといるだけで不思議とーー」



ーー何も怖くないの

【   】








jbbs fontcolor=#000000

QB「へくちゅん」

QB「おや、僕としたことが寝過ごしてしまったみたいだね」

QB「全く、何で起こしてくれな……」

QB「……ふむ。どうやら僕は随分と寝ぼけているみたいだね」

QB「やっぱり公園のベンチは寝床としては不適切だ。再考の余地ありって所かな」

QB「さて」


「いくか」

QB「やあ、さやか久しぶり」

さやか「いつまで待たせるつもりよ。テレパシーで呼び出してからどれだけ時間が経ったと思ってるの?」

QB「それについては悪かったよ。けれど今回はそんな話に時間を割くのもナンセンスだ。早速本題に入ろう」

さやか「……いい性格してるね。あんた」

QB「本当に君は全ての真実を知った上で契約するつもりなのかい?」

さやか「……そうだよ。魔法少女の秘密ならマミさんから聞いてる。でも、全部分かった上でそれでも叶えたい願いが私にはあるんだ」

さやか「それに誰かがマミさんの代わりにこの町を守らないといけない」

QB「つまりマミの意思を継ぎたいってことかな?」

さやか「まあそうなるかな」

QB「でも君のやろうとしていることはマミの意思に反していると思うんだけど」

さやか「は?」

QB「マミは君に契約して欲しくないと言っていた。だからこそ、君に真実を打ち明けたんだ。君だってそのくらい分かってるんだろう?」

QB「にも関わらず、僕と契約して尚且つマミの意思を継ごうなんて虫が良すぎやしないかい?行動方針がブレブレだ」

さやか「あんたが……それを言うか」


さやか「マミさんを殺した癖に!!」

QB「僕がマミを殺した?覚えがないな」

さやか「マミさんはあんたを庇って死んだんだぞ!」

QB「それがどうしたんだい? マミは勝手に僕を庇って死んだ。ただそれだけのことだろ?」

さやか「……ッ」

さやか「マミさんさ……泣きながら『まどかには真実を教えないで』って私に頼んで来たんで来たんだよ? あんたの為に」

さやか「最初は私もふざけんなって突っぱねたけどさ、心底辛そうなマミさんの顔を見てたら私……」

QB「……だからさぁ」

QB「それがどうしたっていうのさ?」

さやか「ッ……この!!」ガバッ

QB「グッ…………僕を殺す気かい?それもいい。僕が死んだ所でいくらでも代わりはいる」

さやか「…………」パッ

QB「ああ、それが一番かしこ「ねぇ」」

さやか「あんたは何がしたいの?」

QB「質問の意味が分からないな」

さやか「何で『私の行動がブレブレだ』なんてイチャモン付けて来たの? 本当に宇宙の延命だけが目的なら、何も言わずにちゃっちゃと契約しちゃえばいいのに」

QB「そ、れは……」

QB(あれ?)

さやか「本当にブレブレなのは私とあんた、どっちだろうね?」

QB(何でだ?)

さやか「まあいいや」

さやか「早く契約済ませちゃってよ。あんたもそれが本望なんでしょ」

QB「……君は、本当にそれでいいのかい?」

さやか「当たり前でしょ。これは私が決めたことなんだ」

さやか「後悔なんてある訳ない」


『ほら、美樹さんたちと私って友達でしょ? 極力後悔させたくないのよ』


QB(ああ、そっか。ぼくはーー)

QB「やあ、マミ。君の家に来るのは久しぶりだね」

QB「……僕もあまり人のことは言えないのかもしれないけれど、君も中々思い切った嘘をつくよね」

QB「宇宙の為に死んでくれるって言ってたのはどうしたのさ」

QB「そもそも僕が君を助けるって約束したのに、君が僕を庇って死んじゃうんじゃ世話ないよ」

QB「大体僕なんていくら殺してもいくらでも代わりが効く群体の内の一つに過ぎないのに、どうして人間は一個体生き死ににこだわるのかな」

QB「全く、訳が……」



「分からなかったはずなんだけどなぁ」

杏子「はあ? 隣町の新人をサポートして欲しいだ?」

QB「うん。ベテラン魔法少女である君なら戦いのノウハウを教えるくらい容易いはずだ。彼女は僕と顔も合わせたくないみたいだしさ」

杏子「何であたしがんな面倒いことしなきゃなんないのさ」

QB「君にもメリットがある話だ。新人と協力して魔女を倒せばその際に生じるグリーフシードを得ることが出来る」

杏子「つっても、そーいうのは柄じゃないし。あの町にはマミがいたはずだろ。どう考えてもあたしより適任だ」

QB「マミは死んだよ」

杏子「……へぇ。マミの奴くたばりやがったか」

杏子「じゃあ話は簡単だ。わざわざ仲良く協力して手柄を半分こにする必要はないわな」

QB「杏子。まさか……」

杏子「ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ? その子」

ーーーーー
ーーー


QB「はぁ」

QB「僕は美樹さやかをサポートしてくれって頼んだのにね。何で特攻しかけるのかな、彼女は」

QB「うーん……中々思うようにいかないな。やっぱり人間って訳がわからないや」

「無駄よ」



QB「君は……」

ほむら「どうやら今回の"イレギュラー"はあなたみたいね」

QB「暁美ほむら。まさか君にイレギュラー扱いされる日が来るとはね」

ほむら「何のつもり? こんなのいつものあなたらしくないわ」

QB「何のつもり、か。正直自分でもよく分からない。非合理的なことをしてるのは自覚してる」

QB「ただ……」

QB「マミが守りたかったであろうものを代わりに僕が守ってるだけだよ」

ほむら「あなた、やっぱり感情が……」

ほむら「……そう、でももう一度言わせて貰うわ。無駄よ。あなたが何を想い、どう行動しようと、結果は変わらない」

QB「それは経験則かい?時間逆行者、暁美ほむら」

ほむら「ええそうよ。ここまで来てしまったからには美樹さやかは魔女となり、佐倉杏子は死ぬ」

ほむら「どう足掻いてもこの運命は変えられない」

QB「そうかい。無駄な忠告ありがとう」

ほむら「……そう。なら精々足掻くといいわ」




「私って本当バカ」


「一人ぼっちは寂しいもんな」


QB「……」

ほむら「気分はどう? インキュベーター」

QB「最悪だ」

ほむら「でしょうね」

QB「……一つ、質問したかったことがあるんだ」

ほむら「なに?」

QB「君が元いた時間軸では君たちは友達だったのかい」

ほむら「……」

ほむら「ええそうよ」

QB「そうか」

ほむら「で? それを聞いてあなたは何がしたいの」

QB「君がマミの友達だったというのなら、君も僕が守るべき対象だ」

ほむら「笑わせないで、虫酸が走る。人の心を弄んで絶望に叩き込むことしかできない癖に。今更あなたに他人を救うことが出来ると本気で思ってるの?」

QB「勿論さ。じゃなかったらこんなことは言わない」

ほむら「なら勝手にするといいわ。以前も言ったけど何をしようが結果は変わらないのだから」

ほむら「ああそれと、私はともかくまどかのことなら安心しなさい。あなたが手を打つまでもなく、必ず私一人でワルプルギスの夜を打ち倒して守ってみせる」

ほむら「あなたはそこで指を咥えて見てればいい」

スタスタ


QB「……」

QB「"何をしても結果は変わらない"、か」

QB「暁美ほむら。君は心の奥ではもう既にまどかを救うことを諦めているんじゃないのかい?」

QB「それでも君は無理だと分かっていても立ち止まれない。勝ち目のあるなしにかかわらず、戦うしかないんだろう」

QB「それは僕も同じだ。指を咥えて見てるなんて出来そうにもない」

QB「君が蔑む人の心に浸け込む卑怯なやり方でマミを救ってみせる」

QB「僕にはそれしか出来ないからね。恨まないでくれよ、ほむら」

ーーワルプルギスの夜決戦当日ーー

まどか「はぁ……はぁ……」タタタタ

        

QB「どこへ行くつもりだい?」



まどか「キュゥべえ……」

QB「その様子だと別の僕に全てを聞いたみたいだね」

まどか「ごめんなさい! 急がないとほむらちゃんがッ……!!」

QB「悪いけど、ここは通さないよ」

まどか「な、なんで?」

QB「マミは本心では君が魔法少女に関わることなく平穏無事に過ごすことを望んでいた。だからさ」

まどか「あなたは……」

QB「君は自分を犠牲にしてでもほむらを救いたいんだろ? 」

まどか「……どうして分かったの?」

QB「似たような心境だからかな。本当に目を見れば分かるものなんだね」

まどか「……」

QB「一体何を願うつもりだったんだい?」

まどか「『全ての魔女を産まれる前にこの手で滅ぼしたい』」

QB「君は……ほむらどころか全ての魔法少女を救う気だったのか」

まどか「うん、そうだよ。私に任せておけばマミさんもちゃんと救われる」

まどか「だからお願い。どいて、キュゥべえ」

QB「……」

QB「ねぇまどか。ほむらが君を助け出す為に何回もループしてると聞いた時……一人で何もかも背負い込んでると知った時どう思った?」

まどか「それは……」

QB「悲しかっただろ?」

まどか「!」

QB「だったらそれは駄目だ。君が全てを背負い込み犠牲になったとマミや君の友達が知ったら、きっと彼女たちも悲しむ」

QB「助けた側はそれで満足かもしれないけれど、助けられた側はたまったもんじゃないんだよ。そんな悲しい想いをマミに押し付ける訳にはいかない。だから……」

まどか「ううん、キュゥべえ。それは違うよ」

まどか「確かに一人で背追い込むことに違いないのかもしれないけど、私は"犠牲"になるつもりなんてない。私がやりたいことをやるだけなの」

QB「……」

まどか「大体、"全ての魔法少女"を救い出すって言ったでしょ? だったら私自身も救われないはずがないよ」ニコッ

QB「でも……一人は辛いよ?」

まどか「?」

QB「少なくともマミは辛そうだった。ずっと友達も恋人も作る時間も削って、一人ぼっちで街の皆を守り続けたマミは壊れてしまった」

QB「彼女をずっと欺き続けた僕を"最高の友達"なんて錯覚してしまうくらいにはさ」

まどか「キュゥべえ……」

QB「君だって叶うなら、彼女たちと平穏な生活に戻りたいんじゃないのかい? 」

まどか「……」

QB「だからやっぱり君一人に全てを背負い込ませる訳にはいかない。マミならそう望むはずだ」

まどか「……錯覚なんかじゃないよ。マミさんは心からキュゥべえを友達だと思ってたんじゃないかな」

QB「うん、そうかもね。でも、だからこそ。こんな僕に"最高の友達"と言ってくれた彼女をーー」

QB「助けたいんだ、この手で」




QB「だからお願いだ。僕にもう一度だけチャンスをくれないかい? まどか」


ーーーーー
ーーー

幼マミ「う……ううお父さん、お母さん痛いよぉ。怖いよぉ」

幼マミ「誰か…………助けて」

「久しぶりだね、マミ」

幼マミ「!?」

幼マミ「助けに……来てくれたの?」

「……君がピンチに陥った時はいつでもどこでも駆けつけるって約束させられてしまったからね。どんな理不尽な内容でも契約は破棄できないのさ」

マミ「??」

「さあ、"この交通事故の死傷者を0にしたい"と願うんだ」

幼マミ「……」

「どうしたんだい?」

幼マミ「ねぇ……あなたは一体誰なの?」

「僕はーー」


QB「君の最高の友達だよ」

QBの勇気がまどか達を救うことを信じて


ご愛読ありがとうございました


知ってる人は今更かもしれないけど、同じ言葉でも場所によってトリップ変わるんだね
過去に書いたのも読んで貰えると嬉しいです

ほむら「美樹さやかと私どっちが好き?」まどか「さやかちゃん」
ほむら「美樹さやかと私どっちが好き?」まどか「さやかちゃん」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1401254410/l50)

さやか「ほむらほむらー」ほむら「うざい」
さやか「ほむらほむらー」ほむら「うざい」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1403079715/l50)

あともしこれがまとめに載ることがあったらスレタイとか>>47とか修正してくれたら、それはとっても嬉しいなって

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom