のよりん「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(2回戦)…!!」プンスコ=3=3 (279)


~プロローグ~

AM8:55


10月中旬のある日のこと、アナウンサー村吉みさきは都内のスタジオの控え室にいた

ほおづえをついて窓の外を眺めている彼女の表情には、朝だというのにかなりの疲れが見られた


みさき(・・・)

みさき(眠い…)

みさき(9:00から、理沙ちゃん、瑞原プロと打ち合わせ… なぜか姫松の監督の赤阪さんも来るんだよね…)


現在ブラジルで開催中の麻雀世界大会男性部門の東風フリースタイル。その生中継のスタジオの実況に抜擢されていたみさきは、この日は夜通し仕事をし、一睡もせずにそのままここに来ていた


みさき(今日の午後は大食い選手権の実況…)

みさき(先週の予選の実況は大変だったなぁ…)ハア・・

みさき(でもあの仕事のおかげで、理沙ちゃんととっても仲良くなれた)

みさき(先週はすごい振り回されたけど、今日は大丈夫!)

みさき(大分あの人の扱い方分かってきたからね)

みさき(選手たちが集まるのは今日は午後2時…)

みさき(打ち合わせが30分で終わるとして… 一旦タクシーで家に帰って、シャワー浴びて、2~3時間は仮眠とれるよね)

     ガチャッ

はやり「村吉さんおっはよーっ!☆ はやりは今日も元気元気MAXだよーんっ!!」キャピーン

みさき「あ、おはようございます瑞原プロ」ニコ


疲れを見せないように笑顔で挨拶を返したみさき

しかし、はやりの後ろから現れたのよりんを見たとき、彼女の眠気は吹き飛んだ


みさき「のっ野依プロ!? そ、その格好は一体…?」

のよりん「… …!!」プンスコリンリン!=3=3


そこには、黒いメイド服を身に付け、ネコ耳のカチューシャと尻尾をつけ、ご丁寧にほっぺたに3本のヒゲまでつけたのよりんが立っていた




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403857666


はやり「カワイイでしょーっ! 野依プロには今日は黒ネコちゃんをやってもらうんだよーんっ!☆」

みさき「・・・どういうことですか?(猫メイド理沙ちゃんかわEよぉぉ!)」

はやり「あれ? 村吉さん今日選手たちがどこで何を食べるかは聞いてるよね?」

みさき「はい…」

はやり「今日はみんなそれぞれ役があるんだよーっ☆ はい、これ今日の企画書! ザッと目ぇ通してみて」

みさき「……」ペラリペラリ

みさき「こ、これ…」

みさき「メチャクチャ設定細かいじゃないですか?! な、なんでこんなのを当日の朝に…?」

はやり「? 何か問題ある? 今日は選手たち来るの午後2時だから、それまでに十分覚える時間あるでしょ」

のよりん「にゃにゃにょ!(だいじょぶ!)」プンスコ=3=3

みさき「・・・・」

はやり「みんなで全体の流れ確認したら、一回現場行って、お昼までにリハーサルするからねっ☆」

みさき「…この、赤阪さんと、『ビク』?って、一体なんのことですか?」

はやり「あ、それはね…」

   ガチャッ

赤阪「あら~皆さんおそろいで~~~~」ヨイショヨイショ


赤阪は、大きなダンボール箱を重そうに抱えて現れた


みさき「おはようございます赤阪さん… そのダンボールは何ですか…?」

赤阪「イヒヒヒ! これが今日のいくのんの大切な相棒『ビク』ちゃんやでぇ~~~」ヨイショオッ


赤阪はダンボールを床に置き、中身を抱えて取り出してみせた


みさき「 うぇ !?」

のよりん「にゅにょにゃ!(すごい!)」=3=3

はやり「へぇ~ よくできてるねっ!☆」

赤阪「イヒヒヒヒ! いくのんの出身校アホ田大学の後輩が開発したんやでぇ~」


うろこ雲が浮かぶ爽やかな秋空の下、村吉みさきの長く過酷な一日はこうして始まった…!



・1作目→久「麻雀部限定、全国大食い選手権」
     久「麻雀部限定、全国大食い選手権」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399305486/)

・2作目→優希「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(予選)」
     優希「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(予選)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399551723/)

・3作目→はやり「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(1回戦)だぞっ☆」
     はやり「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(1回戦)だぞっ☆」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401369950/)

・前作を見なくても楽しめると思います

・インターハイ終了後の10月中旬、出場校のメンバーが再び東京に集まり、大食い大会に参加しています

・大食い競技の模様はテレビで生中継します

・先週の1回戦(駅弁勝負)を勝ち抜いた10名↓(記録の良かった順)

①南大阪姫松高校2年      愛宕絹恵

②長野清澄高校1年       片岡優希

③西東京白糸台高校3年     宮永照
 
④鹿児島永水女子高等部1年   滝見春

⑤北大阪千里山女子高校3年   江口セーラ

⑥岩手宮守女子高校3年     小瀬川白望

⑦南北海道有珠山高校3年    獅子原爽

⑧兵庫劔谷高校3年       椿野美幸

⑨奈良阿知賀女子学院高等部1年 高鴨穏乃

⑩福岡新道寺女子高校2年    花田煌

・今回は、選手たちがスイーツを2kgも3kgも本気で食べます

・空腹感、または逆に強制的な満腹感や胸焼けを感じる可能性があるのでご注意下さい

・かなり大量のキャラが現れます

・遅筆です。よろしければお付き合いください





PM2:00
インターハイ会場

ガヤガヤ ワイワイ ザワザワ

はやり「みんな! 久しぶり~っ! 元気にしてたかな? 全員そろってるぅ?☆」

ハーイ タブンー キョウナニタベルンデスカー

はやり「食材はまだ内緒だよーっ☆ さて、早速だけど、今日はこのあとみんなバスに乗って移動してもらいます!」

はやり「向かう場所は埼玉県の深谷市! 今日はそこのホテルの中で大食い競技をやってもらうよ!☆」

はやり「ルールとか細かいことは全部向こうで話すからね!競技の開始時間は午後4時ですっ!☆」

はやり「もうすぐ、2時20分にバス出るから、5分前には会場の正面玄関に集合してねっ!1時間以上かかるからみんなトイレ行っとけよ!☆ じゃ、いったんかいさーん☆」

ナニナニ バスデイドウ? ホテルダッテー ヤッター


PM2:35

バス内・高速道路移動中


憧「ねーねーみんな!あたしトランプとUNO持ってるんだけど誰かやらない?」

友香「あ、あたしやりまーっす! 大貧民やりたーい!」

塞「新子さん良かったらUNO貸してくれる?」

初美「私もUNOやりたいですよー」

煌「優希!和! 福岡土産の塩豆大福、いかがですか?」

優希「いただくじぇえ! んんっ うまぁうまぁうまぁ~」ホヘー

和「塩があんの甘さをすっきり引き立てていますね。大変おいしいです!」モムモム

怜「なんか修学旅行みたいやなぁ」

   ワイワイ キャッキャッ

洋榎「オーッ! カラオケついてんで! ここはうちの美声を披露したらなアカンなぁー」

優希「ジャンケンジャンケン! 順番決めてカラオケ大会やるじぇえ!」


洋榎「私バカよね~♪ おバカさんよね~♪ うしろゆーびうしろゆーびさーされぇても~♪」

照「愛宕さんすごい! 日本一ぃ!」ヒューヒュー

洋榎「せやろ~さすがやろ~?」

セーラ「ダハハハハ! あいつ自分で自分のことバカとか言っとんでー!!ww」

洋榎「セーラてめぇ! 細川たかし様の名曲をけなすんかぁ! タイマンはれやオラァ!」

セーラ「上等だわこのカニ頭がぁ! でもその前に30円返せぇ!」


咲「ふえぇ、ケンカになっちゃうよぉ」アセアセ

久「ほっときゃいいわよ、じゃれてるだけだから」


一同「「「恋する~♪フォーオチュンクッキー♪ 未来は そーんな悪くないよ~ ヘヘイへ~イ♪」」」

穏乃「うおおお! サイコーだぁぁ!! みんなでアイドル目指しましょーよ! AKB超えますよぉ!!」

煌「すばら! ナイスアイデアです! 麻雀強い乙女たち、を略してMTO48なんてどうですか?」

爽「センターはユキだぞぉぉ!」

竜華「あほぉ!うちがセンターやるんやぁ!」

     キャッキャ キャッキャ


美幸「はやりさんもなんか歌ってくださいよぉ」

はやり「えっわたしぃ? もうしょーがないなぁ☆」


はやり「時にはHAYARIに流されて~♪☆ RIBONでおめかししちゃうのYO~♪☆ 」フリフリ


「うっせぇーひっこめぇー!」
「アラサー乙ww!」
「アイタタタ! 落ち目アイドル乙www!!」


はやり「調子に乗るんじゃねえぞクソジャリどもがぁ!!! まとめて人生終わらすぞごぅるあぁぁ!!!」マジギレー

一同「」カタカタカタ





PM3:35

深谷市内・国際ホテルIPSに到着

一同「」ゾロゾロゾロ

はやり「あんまり時間ないから直接現場に行くよ!ついてきてーっ」


はやりはホテル内のカフェに全員を案内した


穏乃「ん…なになに? カフェ&ビュッフェ『百合猫の城』…?」


中に入ると、横一列に並べられた選手用の席があり、その横と後ろに観客用の席が並んでいた

また、選手席の前は空けられており、正面の壁には巨大なモニター画面がはりつけられていた


はやり「とりあえず席についてちょっと待っててね☆ 3:45から競技についての説明が始まるからね! トイレ行きたい人は今のうちに行っといてよっ!」


PM3:45

美幸「もー45分過ぎたね」

穏乃「説明まだかな?」

   フッ

アレッデンキキエタ
マックラナノヨー

明かりが消えると同時に、正面の大画面に何かが映し出された

ジジッ ジジッジ…

画面が整うと、そこには金髪の、頭のてっぺんにピンとアホ毛の立っている少女が現れていた


透華「選手の皆様方こんにちは! 大食い選手権2回戦進出おめでとうございます」ペコリ

「わたくし、このホテルの所有者である龍門渕グループの、理事を務めております龍門渕透華と申します」

「本日の闘いは私もテレビで観戦させて頂きます。素晴らしい闘いを見れることを期待していますわ」

「ところで」

「ちょっと話が変わりますが」

「皆さんは私たち人類の“最大の発明”とは何かをご存知ですか?」

ナンヤナンヤ?
ナニガハジマルンダロ
モーショクザイハヤクオシエテヨー

透華「ある歴史学者はこう言いました」

「それは“言葉”だと」

「なるほど、私たち人類は言葉を獲得することによって、複雑な意思の疎通を可能とし、それが結果として大いなる文化の発展の原動力となりました」

「そして、ある婚期が過ぎ去るのを恐れているアラサー実家暮らしの女性はこう言いました」

「それは“麻雀”だと」

「人類が生み出した様々なゲーム… その中でも麻雀というゲームの完成度は、確かに他の追随を許さないものです」

「…そして、同性愛に社会的地位を持たせるために尽力しているある政治家はこう言いました」

「それは“IPS細胞”だと…」


透華「3つの答え全てが、それなりの説得力を持っていますわ」

「しかし、私たち人類に“最大の幸福を与えた発明品”が“人類最大の発明”と定義するなら、3つの答えは、完全に間違いなのですわ!」

「そう、私たち人類に最大の幸せを与えた発明品、それは、ほかでもない・・・」ゴゴゴゴゴ


        「『スイーツ』なのですわ!!!」ドドーン


透華「ふふふ… 大げさだと思いますか?」

「しかし皆さんが、これから始まる大食い競技に取り組めば…」

「スイーツとは、人にとって最も大切なものである“愛”を表現した最高の芸術品であるということに気づくことでしょう!」

   ブツッ

そこでモニター画面は消え、かわりに選手たちの右手側にスポットライトが当てられた

そこに浮かび上がったのは、純白のコック服とエプロンを身に付け、色鮮やかな朱色のスカーフを首に巻いたみさきであった

みさき「皆さんこんにちは! カフェ&ビュッフェ『百合猫の城』にようこそ!」

みさき「私、このお店の新米パティシエの村吉みさきと申します」

みさき「そして、こちらは本店マスコットキャラの黒ネコNOYORIです」

のよりん「ニャニャニョン!」プンスコ=3=3

ナニアレ? ウケルww カワイー!

みさき「これから、この大食い選手権2回戦のルールについて説明させて頂きます」


みさき「食材は、もうお分かりの通り、先ほど龍門渕さんが言っていた『スイーツ』です」

みさき「…2回戦はスイーツオンリー!! 『レジェンドスイーツ7種勝負』です!!」


みさきが叫ぶと、会場全体の明かりがつき、選手たちは目をしばたいた

先ほどの大画面の下には、暗転するときには何もなかったが、今はケーキ、ムース、ゼリー、プチパイなどの様々なスイーツが並べられていた


「おぅおお!」
「おいしそぉー!」
「すばら!」
「はうーん!」

ザワザワザワザワ

みさき「こちらに並んでいるスイーツは、『百合猫の城』のデザートバイキングです。試合終了後に、応援の皆さんにも召し上がっていただけるものです」

みさき「選手が試合で食す物はこれではありません。全国から集められたレジェンドスイーツ7種を、一品ずつ提供させて頂きます」

みさき「本日はそれぞれのスイーツを普段実際に作っている一流パティシエの方々に来て頂いており、全て出来立てを用意しています」

みさき「総重量は3.6kg。45分以内で全て完食すれば終了。3回戦に進むことができます」


 絹恵「3.6㎏…」

 爽「先週より400gも多いわけか」




みさき「2回戦の脱落者は本来は最下位の1人だけですが、予選で1人増えた上に1回戦で脱落者が出ませんでしたので、下位3名の選手が脱落となります」

みさき「ただし、1回戦と同様、もし全ての選手が3.6kgを完食できた場合は、また脱落者なしで全員が通過ということになります」

みさき「食し方についての基本的ルールは1回戦と変わりません。ドリンクについてですが、みなさんの卓上には水と牛乳がそれぞれ1リットルずつ用意されています」

みさき「しかし、その他に紅茶、コーヒー、ウーロン茶、オレンジジュース、コンソメスープ、冷製のコーンスープが用意されていますので、欲しい時はスタッフに申し出てください」

みさき「では、本日のホールスタッフを紹介しましょう。こちらの5名です!」


合図とともに、水色、オレンジ色など明るい色のメイド服を着た少女たちが現れた


一「皆さんこんにちは! ホールスタッフリーダーの国広一です」

一「今回のスイーツ勝負は、ボクたち5名が全力で皆さんのバックアップをいたします。何か要望がありましたら、遠慮せずになんでもおっしゃってください。どうぞよろしくお願いします」ペコッ

「井上純だ、よろしく!」

「沢村智紀です、よろしく…」

「天江衣だ! なんでも衣に言うがいいぞ!」

「四条貴音と申します。皆様どうぞよろしくお願いいたします」ペコリ

コ、コロモチャンガメイド・・・? カワイイ・・・! アノシジョウサンッテダレ?


一(純くんとともきーはいいんだけど、衣と貴音さんは心配だなぁ…)

一(衣は、仲間はずれにするなって、無理矢理入ってきたんだよね)

一(貴音さんは番組からの斡旋だけど、こういう接客の仕事の経験はないみたいだし…)

一(リーダーのボクがうまくやらないと、立ち行かなくなるぞ…)



貴音「国広一さん、わたくしはどのようなお仕事をすればよろしいのでしょうか?」

一「一さん、でいいよ。ボクも貴音さんって呼ぶから」

一「難しいことは何もないよ。だけど、まず選手たちを常によく観察して、何か要望があった時に素早く対応できるようにしておくこと」

一「分からないことがあったらボクに聞くこと。それと、何か指示を出すことがあるかもしれないから、ボクがどこにいるかも気にしといてね」

貴音「承知いたしました。不束者ですが、御指導のほどよろしくお願いいたします」ニコリ

一「・・・///」


 純「匂うねぇ。ちょっと怪しい雰囲気になってるぜあの2人」

 智紀「透華に報告…」ポチポチ

 衣「? 何の話だ?」


http://mobile-trade.jp/mobamasu/rate/2207

>>21が四条貴音

・「アイドルマスター」のアイドルの1人

>>1は「アイマス」のことはあまりよく知らないのですが、四条貴音は2次元界屈指の大食いキャラのようなので、今回サポート役として特別に出演

・身長169cm スリーサイズ:90-62-92 18歳

・経歴・正体不明。 「どこかの国の王族」「月世界の王女」「何千年も生きてる魔女」等の推測がされている


みさき「続きまして、選手の皆さんは全員健康診断をしてもらったからご存知とは思いますが、本日のドクターは北大阪三箇牧高校2年生の荒川憩さんが担当します」

憩「よろしくお願いしますよーぅ」

みさき「最後に本日の特別ゲストを紹介します。南大阪姫松高校麻雀部監督の赤阪郁乃さんと、三次元ボーカロイドの初音ビクさんです」

赤阪「イヒヒ、よろしくやでぇ~」

ビク「…」ペコリ

みさき「お2人には、当店のBGMを担当して頂きます」

スゲーナ・・・ アレガウワサノ・・・ ホンモノハジメテミルワ・・・

赤阪「ビクちゃんは、お菓子をエネルギーとしている歌って踊る大食いロボットなんや~
  今日はみんなと一緒に、ビクちゃんもすうぃーつを食べるんやで~~~」


初音ビクは煌の隣に座った


煌「こんにちは、初音さん。私は花田煌と言います! あなたのような有名な方と一緒に食事ができるとは、大変すばらです!」

ビク「…」

煌(お腹がすいてる時は、きっと声が出ないんですね…)




みさき「以上です。今回は、エンターテイメント性を高めるためこのような設定がされていますが、選手の皆さんは今まで通り、楽しく一生懸命に食べてくださいね」

みさき「また、試合中に他の選手の迷惑になるような行動を取ったら、一発で退場してもらうかもしれません。十分に気をつけてください」クギグサーッ


※初音ビクは、外見は初音ミクと同じ


<2回戦のサポート体制>

・実況 針生えり  ・解説 三尋木咏

・現場実況 村吉みさき  ・現場解説&ネコ 野依理沙

・特別リポーター 瑞原はやり

・特別ゲスト 赤阪郁乃 初音ビク

・ホールスタッフ 国広一 井上純 沢村智紀 天江衣 四条貴音

・専属ドクター 荒川憩

>>8
照ちゃんがカラオケ…?


照「時に愛は二人を試してるゥー!」

照「たえええまぁなくーそっそぐ愛の名を~」

照「っちーびるに奪われーたぁー!」


PM3:55
 スタジオ

えり「さあ!麻雀部限定の全国高等学校大食い選手権の2回戦! 試合開始まであと5分を切りました!」

えり「今日はスイーツオンリーの勝負。どのような展開が予想されるでしょうか? 三尋木プロ!」

咏「…今回の食材の量とか順番とかって、誰決めたの?」シリョウペラペラ

えり「え? …小鍛治プロや番組プロデューサーだと思いますけど」

咏「あの人も鬼だねぃホントに。 これはかなりキツイよ」

えり「どういうことでしょう? 先週は、駅弁3.2kgを10名の選手が見事に完食しています。
  今日は400g増えていますが、同じ量では脱落者が出ないでしょうから、妥当ではないでしょうか」

咏「えりちゃん、『牛丼』を1kg食べるのと、『ケーキ』を1kg食べるのの、どっちがキツイと思う?」

えり「それは… やはりケーキでしょうか」

咏「その通り。変態的な甘党ででもない限り、ケーキのほうが数倍は完食が難しい」

咏「牛丼1kgってのは、チェーン店の並盛が約2杯半。それくらいなら、お腹すいてる成人男性が本気出せば、大体食べれちゃうよ。しかし、ケーキ1kgを一気に食べるってのは、普通の人にはまずできないことだね」

咏「洋菓子ってのは、非常に満腹中枢が働きやすいんだ。糖分が多くて、バターなどの油脂分も多いからね。ほとんどの人は、お腹がいっぱいになる前に食べることができなくなっちゃうよ」



咏「それに、この食材の順番がなんかやらしいねぃ。 後半…、具体的には5・6・7番目に出てくる食材のキツさが際立ってる」

咏「こういう事を試合前に言うのもなんだけどさ、前半はわりとみんな楽しく食べれて、後半は半分くらいの選手は地獄を見る、ていう展開になると思うよ、知らんけど」

えり「そうですか。では三尋木プロが注目している選手などはいますか?」

咏「ん~~~予選や1回戦と食材が全然違うからねぃ。正直、注目も何も、想像つかない。甘い物に対する向き不向きはけっこう個人差が激しいんさ」

咏「でもたまに、『甘い物は底なし』ていう子が本当にいる。そういうタイプの子がもしいたら、その子中心のレース展開になっていくだろね。今までのそれぞれの実績はあまり参考にならないかもしれない」

えり「ありがとうございました。 まるで予測のつかない2回戦!どのような展開になるのでしょうか?
  あ、いよいよ最初の食材の配膳が始まったようです!」





PM3:57


穏乃「な、なんだこれぇ?」

美幸「でかぁーい!!」


1品目の配膳が始まった途端、選手たちから驚きの声があがった


はやり「さぁー、2回戦は1品目からドドーンといっちゃうよぉ?☆
   まずは、あいさつ代わりの『カスタードプリン・フルーツ乗せ』1kgだぁぁーーーっっ!!」

ッドゥエエエエエエエエッ!!
イキナリスゲエエエエエエエッ!!

はやり「地元深谷市の郊外にあるスイーツのテーマパーク『花園フォレスト』の看板商品!☆
   近隣農家の新鮮な卵をふんだんに使ったカスタードプリンに、ブルーベリー、イチゴ、マンゴーなどのフルーツを贅沢にトッピングゥ!
   今回はバイキングの取り分け用15人分を1人で食してもらうよっ!☆」


みさき「2回戦一発目は、直径25cmの超巨大プリン一気食いからスタートします!」

のよりん「にょにゃにゃんにゃあ!(デカイ!)」プンスコ=3=3

みさき「ただ今全員に配膳が終わりました!しかし大きいです。私の顔の2倍くらいの面積がありそうですね。
   3kg以上のお弁当をペロリと平らげる選手たちも、この巨大プリンには苦笑いです」


照「ジィーーーーーーーッッ」キラキラキラ

みさき「おや、宮永選手はまばたきもせずにプリンを見つめていますね。 いや、これは…
   な…なんというまなざしでしょう…!! プリンに穴があきそうです!」

照「ジーーーーーッ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

煌(となりの宮永さん、すごい迫力ですねえ! インハイの準決勝の時より凄まじいオーラが出てますよぉぉ)ゾクゾク

ギギュモモッ… グモゥモモモモモモモォォ…

煌「…?」

煌(…なんでしょう、掃除機の音…? なぜこんな試合前に掃除なんか…)キョロキョロ

照「…ご、ごめん、私お腹鳴っちゃったみたい・・・」テヘ

煌「…へ?」

今日はここまでにします
読んでくれた方、書き込みしてくれた方、ありがとうございました
明日また続き書いていきます

投下していきます

初音さん、稼動するときにビビクンッするロボットなので「ビク」と名付けましたが、ちょっと釣り用品の名前みたいですね・・・
今さらですが名前を変えることにしました スミマセン

初音ビク→初音ミキ に変更でお願いします

ミキは初音ミクとウリ2つですが、髪の毛は緑ではなく薄紫色です


煌(…おや?)

煌は、照の前の卓上に水たまりがあるのに気づいた

煌「宮永さん、コップの水をこぼされたみたいですよ?」

照「…え? あ… ごめん、これ私のヨダレだ…///」タラーッ

煌「ふぁ?!」

貴音「どうぞ、これでお拭きになって下さい」フキンスッ

照「あ、ありがと///」フキフキ


一(へえ、貴音さんけっこう使えるなぁ…)


菫「照…今日こそは問題起こさんでくれよ…」ハラハラ

淡「テルー甘い物大好きだからね。なんか先週とは違う意味で怖いね」

尭深「宮永先輩の甘味好きは異常…」ズズッ

淡(あー… テルーと初めて会った日のこと思い出すなぁー…)


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


4月 白糸台高校麻雀部部室前

淡(ついに来た!白糸台高校麻雀部…!)

淡(インターハイ2連覇中の超強豪…!)ゴクッ

淡(ふぅ、さすがの私も少しキンチョーしてきたよ!)ドキドキ

淡(さて、ではイザ…)ガチャッ

淡「しつれーしまぁーっす!」


ムグムグモシャモシャガッフガッフモムモムワシワシ


淡「・・・・・」


そこには、ドンブリで何かをかきこんで食べている一人の少女がいた


淡「あの、スミマセーン…」

照「モグシュモニュモニュマムモムガフガフ」シカトー

淡「…」


少女の前には、プラスチックの空きカップがいくつか重ねられていた


淡(…何食べてるんだろう? あれ、もしかしてプリン…? プリンをいくつもドンブリに入れて食べてる…!)

菫「照ぅ! キサマ何やってるんだぁ!」バチコーン

照「べふぅっ」

菫「おま、これ… OGの人が差し入れしてくれたパステルの高級プリン… 部員の数以上あったのに、ぜっぜんぶ食べたのか?」

照「…ゴメン菫… どうしても、我慢できなかった…」

菫「こんにゃろ!! 先週クッキーの差し入れ一人で勝手に全部食ったばかりじゃないか! どういうつもりなんだっ!」

照「…菫、お菓子の前ではどんな理屈も無力。あんまり怒っちゃハゲるよ?」

菫「うおおおお! ここでお前の人生を終わらせてやろうかああっ」フロントチョーーーク!

照「……!!」タップタップ

淡「先輩! 死んじゃいますって! やめてください!」


淡(…それが、私とテルーの初めての出会いだった)


淡(テルーは私の15年の人生では計ることができない常識外れの人間だった)


淡(入部して1週間くらい経った日、部室に来ると、ドアの向こうからテルの妖しい声がした)

照「ああ、姫ぇ…、いとおうつくしい・・・」

照「では、失礼して… はむぅ!」

照「…んへへへぇ~ 姫、たいへんおいしゅうございます…」

淡「…?」

淡(ドアを開けると、食べかけのイチゴ大福を大事そうに両手で持っているテルがいた)

淡「…何してんのテルー」

照「…見て分からない? これが、姫との最後の会話、ああぁ…」モニュモニュゴックン

淡「テルーはお菓子とお話ができるの?」

照「淡はできないの?」

淡「できる人なんていないと思うんだけど…」

照「お菓子と話ができないなんて、淡、かわいそうな子・・・」アワレミノメ

淡「…(この先輩、イタすぎて何も言えなくなる。この私が…)」





淡(テルーは部活中でも、お菓子を食べていると変なモードに入ることがあった)


照「ぷぅりぃんn・・・ ああ、それは、どんな時も私の涙を止めてくれた魔法の薬…」ムグムグ

淡「なんか語り出したよ、キモい」

菫「…無視しろ」

照「二人とも失礼。プリンに謝って」アムアム

菫「…悪いが照、客観的に見て気味が悪いというのが正直なところなんだ」

照「二人ともお菓子への愛が足りない。いや、お菓子に愛されていないんだね、かわいそう…」

菫・淡「」イラアッ

照「私は、何があっても、どんなに辛くても、おいしいプリンがあれば頑張れる」

淡「・・・・・」


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


淡(大食いとかよく分かんないけど)

淡(この2回戦の結果は見えてる)

淡(この世に、テルーほどお菓子を愛している人間はいない)

淡(…)

淡(あーあ)

淡(あたしがどんなにガンバッてテルーにアプローチしても)

淡(お菓子には、勝てないんだろうなー)ハア


PM3:59


洋榎「なあ由子、恭子まだ連絡つかんか?」

由子「携帯ずっと圏外になっているのよー」

漫「私も何回かかけましたけど、つながりませんね」

洋榎「あいつは約束をほっぽらかすような奴ちゃうねんけどな…」

漫「何か急ぎの用事ができたんでしょうかね?」


末原恭子は、この日の朝の待ち合わせに現れなかったのである…


ミキ「…」


みさき「さあ、いよいよ開始時間が迫ってまいりました! 選手の皆さん、準備はよろしいですね?」

一同「「「オーッ!!!」」」

みさき「では、
       全国えりすぐり『レジェンドスイーツ7種勝負!』

    45分でまいります!

            よおーーーーーーーーーーーーいっ!」

みさき「スターーーーートぅ!」


タイコ「ドドーン!」


一同「「「「「いただきます!!!」」」」」バチンッ


PM4:00


一同「「「「「いただきます!!!」」」」」バチンッ


みさき「ついに始まりました! 全国高等学校大食い選手権の2回戦! 選手たち、みんなカレー用の大スプーンで巨大プリンに挑み始めました!」


「おいひぃ~~~っ♪」
「何これ! ウンマァーーーーッ!」アムアム
「あーーーん! シャーワセーッ!!」トローン


みさき「美味しそうに食べていますねぇ。どれ、小瀬川選手! お味の方はどうですか?」

白望「いやもう、トロットロですよこれ…。コンビニのプリンとはまったく別物ですね。
  濃厚ですけど、甘さは控え目だから食べやすいですよ」ハムハム

のよりん「モムモムモムッ!」=3=3

みさき「おや、黒ネコちゃん、それは小皿に取り分けてもらったプリンですね? どうですかお味の方は?」

のよりん「ゴロゴロニャ~~~ン♪」スリスリプンスコ=3=3

みさき「とってもクリーミーで美味しいとのことです! いや、さすがはレジェンドと呼ばれるプリンですね!」


みさき「おや? 宮永選手! もう1kgプリンの半分ほどを食しています!
   まだ1分しか経ってませんよ? 早過ぎませんか?」

照「いや、私もゆっくり食べたいんですけど…、このプリンちゃん勝手に私の口に入ってくるんです」パクパクパクパク



優希「んん~~っおいしいぃじぇえ~~」アムアムアム

みさき「片岡選手もさすがですね。1口が大きい! 吸い込むようにしてどんどんプリンを口に消していきます」

美幸「ん~っ♪ さっきバスで思いっ切り歌ったからお腹すいたんだよね~ チョーシいいなぁ~」マシュマシュ

みさき「椿野選手どうですかこちらのプリンは?」

美幸「え? う~ん、わたし地元の喫茶店でバケツプリン食べたことあるんですけど、それの100万倍は美味しいですねコレ。私の胃袋ちゃんの歓喜の声が聞こえてきますよぉ~~っ!」ニッコニッコ


照「えと…ごちそうさまでした」トン

みさき「! み、宮永選手早くも完食です! …? え…? 1分58秒で完食…
   宮永選手、2分足らずで1kgのプリンを蒸発させてしまいました!!」

プリン大皿「カラッ」

一「早過ぎだねえ宮永さん。はい、次はクッキーシュークリームだよ!」コトッ

照「な、ナニコレ!シュークリムからほわほわ湯気が立ってる!」

一「ここの厨房で、さっきパティシエさんが焼き上げた出来立てだからね」

照「ああ、いい匂い… こ、これがシアワセの香り・・・!」スーハースーハー

一「…なに言ってんの…」


はやり「早いな宮永さん! 2品目は『クッキーシュークリーム』! 1個70gが3個の210gだよっ!☆」

はやり「このシュークリーム、驚くべきことに、有名なホテルや大きな洋菓子店のシュークリームではないのだっ!☆」

はやり「東京都武蔵野市の住宅地にある小さな喫茶店『シャルロット』の店員さんが焼き上げた『奇跡のクッキーシュー』!☆」

はやり「閑静な住宅地なのに、朝からシュークリームを買いに来るお客さんで長蛇の列ができる隠れた名店!☆」

はやり「あーん! しゃべってたらもう我慢できなくなってきたぁっ! お先にいただきまーっす☆」モシャモシャ


照「よ、よし、では私もイザまいらん…」ハアハア

照「ジャクッ しゃくしゃくむんむんむん!」

照「ぐあじゃくうっ!」

照「・・・」

照「シ、シアワセが口いっぱいに広がるぅ…」ホアアアアアア

照「も、もう死んでもいい、わたし…」ポロポロポロ

のよりん「!? みやなが! 泣くのダメ!」ヨシヨシ

照「だ、大丈夫です… 美味しすぎて涙出ただけです…」



初音ミキ「…」トンッ

みさき「おや、ゲストの初音ミキさんもプリンを完食しました」

のよりん「ロボットだから! 早い!」プンスコ=3=3

ミキ「…」スタスタ


ミキは席を立ち、選手たちの前の空きスペースにやってきた

すると、ゆったりとしたギターの音が響き始めた


赤阪「ビクちゃん、じゃなくてミキちゃんは、胴体に改造アンプを仕込んどるんや。伴奏も一人でやってまうんやで~」


ゆるやかな舞いを舞いながら、ミキは静かに歌い始めた


ミキ『どうして みんなが 幸せなの? この世界のこと 聞きたいって 知りたいって♪』


セーラ「はーあ、さすがにいい声やなあ」

煌「すばらですねえ。心が引き込まれるような美しい歌声です」


ミキ『わくわくするね♪ ねぇ、カスタード…』


次の瞬間、「百合猫の城」店内に爆音が響きわたった


一同「!?」


ミキ『ハイハーイ!
  さあさあみなさん、教えてあげまーす!♪
  みんなが気になってること 疑問に思ってること
  ぜーんぶ 教えてあげまーす!♪』

洋榎「な、なんやいきなりすごい迫力になったで」

ミキ『えー、みなさんが 甘党なのは! 義務なんDEATH!
  大食いですか? 義務ですよ? 果たしてますかぁ?♪
  我々、甘党推進委員会は みなさまの幸せを願い そして、支えマース♪』

ミキ『はいさあ!! 甘党なのはぁ? 義務なんデース! 甘党なのはぁ? 義務なんデース!
          甘党なのはぁ? 義務なんデース! 大食いですか? 義務ですよっ?♪』


スゲー! カッコイイジャーン! アンコールアンコール!!


赤阪「イヒヒ! これで終わりじゃないで~ ミキちゃんのすごいのはこっからなんや~」


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」


すると、ミキの腹部がパカッとドアのように開き、中からドンブリが出てきた


赤阪「どうやすごいやろ! ミキちゃんは、食べた物を全て分子の状態まで分解し、違う料理にしてお腹から出すことができるんやで~」

赤阪「出てくる料理は毎回違うものが出てくるんや。今回はナニかなぁ~ んん?」

のよりん「塩ラーメン! ウマシ!!」ゾズズズズズーーーッ




ミキ「甘党じゃないなら…  ○ね」ボソッ

「幸福安心委員会」
https://www.youtube.com/watch?v=BVi2gq6RuBg

ここから動画に飛べないかなと思って>>45作りましたが、うまくいかなかったみたい… スミマセン


照「すみません、ごちそうさまです」

みさき「!?!?!?」

みさき「…宮永選手、2品目のクッキーシューも完食です。まだ開始4分経っていません。他の選手はまだ誰一人として1品目のプリンを完食していないのに、ただ一人3品目に入ってしまいました」


智紀「3品目… どうぞ」コトッ

照「むむぅ!! これは…!」

はやり「あーもう忙しいな! 宮永さん早過ぎだよ! 3品目はクレープだよっ!☆」

はやり「日本一のクレープ激戦区! 原宿の竹下通りぃ! 何店もクレープ屋さんが軒を連ねる中で、カリスマ的な人気を誇り伝説となった『ノッコ原宿店』の一番人気商品・・・!」

はやり「特製『プレミアムチョコバナナクレープ』だぁぁっっ!!☆」ハヤリーンッ

はやり「こだわりのモチモチの生地に包まれた、程よい甘さのふんわり生クリーム! 
   そしてぇ! 中央にはベルギーのベルコラーデ社のミルクチョコと完熟王を組み合わせた最強チョコバナナぁ!」

はやり「自家製のフルーツソースが全体を引き立て、やさしい味わいをかもし出しています! 重量は240gと大きめ! 中のバナナ落とさないように気をつけて食べてねっ☆」

照「やほーーうっ! イエス! イエス!! イエス!!! イエス!!!!」グッ

照「バーナーナーのぅ王様ー♪ バーナーナーのぅ王様ー♪」ノヘヘーー

みさき「宮永選手! 勝手に歌うのは禁止です! イエローカード出しますよ?」

照「スミマセン」ヨヨヨヨ・・・




「「ごちそうさまです!」」


みさき「開始4分、プリン完食2番手は高鴨穏乃選手と獅子原爽選手です! 今2人の前にクッキーシューが運ばれてきました」

みさき「獅子原選手いい調子ですね。甘い物は好きなんですか?」

爽「好きですよぉ!あたしけっこう甘党です」


穏乃・爽「「モグガシュモシャモシャ!」」

穏乃・爽「「・・・・」」

爽「~~~~~~~!!」ジタバタジタバタ

穏乃「……………!!」ドンドンドンドン


みさき「2人とも、シュークリームを食べ始めた途端に無言で悶え始めました」


穏乃(うますぎて声が出ねえええええぇぇ!!)ジタバタ


「ごちそうさまーっ」
「ごちそうさまだじぇ!」
「ごちそさま」
「ごっそうさんやー」

みさき「さあ、選手たち続々とプリンを胃袋におさめ、2品目に突入しています!」


一「衣、2皿持てるかな? 江口さんと小瀬川さんにこれたのめる?」

衣「子供扱いするな!まかせておけ!」プルプル


春「ごちそうさま…でした」


プリンを完食し、クッキーシューに手を伸ばす春


春(手触りがいい…)

春(香りも最高…)スンスン

春「はむっ」

春「…」ムグムグ

春「・・・!!??」


クッキーシューを食べ始めた途端、春は目を見開いた

今までほとんど表情を変えることなく淡々と食べてきた春が、そのとき初めて大きく表情を変えた



<PM4:05 選手現在地>

①プリン     愛宕絹恵 花田煌

②シュークリーム 獅子原爽 高鴨穏乃 椿野美幸 片岡優希 小瀬川白望 江口セーラ 滝見春

③クレープ    宮永照


PM4:05


「ごちそうさまです」
「ごちそうさまでした!すばらに美味しいプリンでした」

みさき「愛宕選手と花田選手もプリンを完食! 合計10kgのプリンがきれいに選手たちの胃袋におさまりました」


春「…」

春(な…なに…? このシュークリームは…?)

春(おいし…すぎる…)


黒糖以外でも甘い物には目がない春は、焼き立てのシュークリームは以前食べたことがあるが、その時食べたものとは比較にならない美味さだった


春(カスタードと生クリームの配合が絶妙…)ムグムグ

春(濃厚だけど、クリームのキレが良く口に残らない…)モシャモシャ

春(含まれる空気のバランスも最高… 弾力があるのに、皮の口どけもいい…)ムグムグ

春(神… いや、神様でもこんな完璧なシュークリームは作れない)モシャモシャ

春(…)ムグムグゴクン


春「すみま…せん」スッ

みさき「はい、どうしました滝見選手?」

春「…このシュークリーム…作ってるところ 見せて欲しい…」

みさき「? 厨房に入ってみたいということですか?」

春「…」コクン

みさき「試合中ですからねぇ… どうしましょうのよr…黒ネコさん」

のよりん「すぐもどる!」プンスコ=3=3

みさき「…では、メイドさんに案内してもらいましょうか?」

一「…貴音さん、滝見さんを厨房に案内してあげてくれる?」

貴音「わかりました。どうぞ、こちらへ」スタスタ


二人は裏にある厨房に入った
そこには、10人ほどのパティシエが立ち働いていた


春(すごい… 広くて清潔で機能的な厨房…)


「ん、だれ?」
「み、巫女さん…?」
「選手さんかな?」


貴音「ぱてぃしえの皆様、お仕事中申し訳ありません。こちらに、先ほどのしゅうくりいむを作った方はいらっしゃいますか?」

?「クッキーシューなら、私が作りましたけど、何か…?」


そこには、20歳前後と見られる若い女が立っていた


春「あ、あなたが、あのシュークリームを…?」

?「ど、どうしました? すみません、お口に合わなかったでしょうか?」オロオロ



春「逆、とても…おいしかった」

?「あら、よかった!巫女さんにおいしく食べてもらえるなんて、なんか縁起がいいですね!」ニコッ

春「…よかったら、作っている所を見せて…欲しい」

?「…えと、選手の分は作り終えたので…、もう片付けてるんです」

春「そう…ですか」シュン

?「試合中でしょう?もし競技のあとにここに来てもらえれば、また作りますよ? 良かったら一緒に作りましょう」

春「…うん」ニコオ

?「私は小椋かのこ。あなた名前は?」

春「滝見…春」

かのこ「おいしいって、伝えにきてくれてありがとう。私、普段は自分の作っているお菓子を食べている人の顔をあまり見られないから…」

かのこ「どんなに美味しいお菓子を作っても、食べてもらえなければ絵に描いた餅。お菓子は、美味しく食べられて初めて完成します」

かのこ「美味しくたくさん食べてくれたら、お菓子も嬉しいと思います。試合、がんばってくださいね!」

春「…はい///」



ミキ『甘さの 限界を超えて 私は 来ーたんだーよー♪
  チョコは ついてないけど できれば欲しいな~♪』

爽「かわいい…/// 天使みたいだな… もう少しおもちがあったら神だわありゃ…」

ミキ『あのねはーやくぅー クリーム入れーてよー♪
  どうしたの?持ったままずっと見ーつめーてるー♪』

ミキ『君のことあっまあっまにしーてやんよー♪
  シュークリームまだがんーばーるから♪』

一(うるっさいなああのロボ… 選手たちの声が聞こえなくなるじゃんか… 企画立てる人ボクたちのこともよく考えて欲しいな…)


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」ウィーン


赤阪「野依さんに取られる前に頂くで~ んん? 今度は肉じゃがやあ! イヒヒ、ヒヒ…」ハフハフ

貴音「まことに、面妖なろぼっとですね…」


照「すみません、食べました…」

みさき「…えー、宮永選手、3品目のクレープもきれいに完食です。まだ開始6分を過ぎたところです。早過ぎて私ではしゃべりが追いつきません!」


純「ほいチャンピオン、4品目だぜ」ドドーン

照「わっ何これ? どうやって食べんの?」


はやり「4品目はその名も『スカイツリーパフェ』! 浅草スカイツリーのすぐ足元にある『さくらCafe向島』の看板商品!☆」

はやり「白玉、あんこ、あんず、寒天などを器に入れ、バニラアイスと抹茶ババロアを上にドーーーン!☆」

はやり「さらにその上にメロンで作った土台を乗せ、身長30cmのくるくる抹茶ソフトクリームをそこにブッ刺す!」

はやり「最後に水あめの糸で編んだトンガリ帽子を乗せて完成!☆ 重量は800g! 高さはスカイツリーのちょうど1/1000の63.4cmもあるよっ!」


照「立って食べるしかないなこれ」アムアム


みさき「宮永選手、立ち上がって、のしかかるようにしてパフェを食べ始めました!」

のよりん「怪獣!」プンスコリン=3=3


今週はここまでにします
また来週末に続きを書いていきます
読んでくれた方、書き込みしてくれた方ありがとうございました

登場するお店や食材は実在のものをモデルにしていますが、少し変えています

>>54
一応はっときます
https://www.youtube.com/watch?v=XRGEME68Z7s&feature=player_detailpage

スカイツリーパフェ
http://livedoor.blogimg.jp/harapeko88/imgs/a/5/a5a5dca1.jpg

1回戦の最後に紹介した「国別対抗 大食い世界一決定戦」ですが、Youtubeで見れるようになりました

「アメリカの選手の食べ方が汚いのでは」とか「ルールや食材が恣意的」といった批判の聞こえてきそうな番組ですが、予想をはるかに上回りかなり面白かったです

決勝戦は大食い史上まれに見る緊迫感でした 

優希や爽や春をはるかに凌駕する食べっぷりが見れますので、見てない方、よかったら見てみてください
http://www.youtube.com/watch?v=jMSyqH45k5Y&feature=player_detailpage



PM4:07


みさき「試合開始7分が経過! 先ほど、獅子原・高鴨・椿野の3選手が3品目のチョコバナナクレープに入りました」


美幸「あーもーいい匂い! 鼻から胃袋出てきそーう!」

穏乃「やっべえうめえええええぇぇ! これ天才! 作った人マジ天才!!」モシャモシャ

爽「うおほほほほほほぉぉ! 来る来るなんか来る! うまさのあまり悟り開けるわコレ!」マッグモッグ

チョコバナナクレープ


「すみません紅茶ください! 冷たいの!」
「オレンジジュースとコンソメスープください」
「緑茶ってないんでしたっけ。あ、すみません」
「ウーロン茶くれだじぇ!」


 えり『選手たち、ドリンクをいろいろと頼みだし始めましたね』

 咏『序盤のうちに、どんな飲み物が甘味に合うか、試しておきたいんだろね』

 えり『スイーツにもっとも合う飲み物とかあるんでしょうか』

 咏『大食いするんなら、なんだかんだ言って雑味のまったくない水が一番だと思うけどねぃ。でも洋菓子系なら牛乳もいい。甘いのをさっぱりと洗い流して口内をリセットしてくれるよ』

 咏『ただし牛乳はあまり飲むとお腹にたまりやすいから用心が必要。あと、アクセントにオレンジジュースを使ってもいいね。酸味が食欲を増進させてくれるからねぃ』

 えり『なるほど。しかし注文が重なるとスタッフの子たちが大変そうですね』


衣「おいお前、ウーロン茶持ってきたぞ!」

白望「…え? 私たのんでないよ…。あそこのタコスの子じゃない?」

衣「お、おお… すまない」テトテト

絹恵「あ、天江さんそのコンソメスープうちのですう!」

衣「え、え?」

穏乃「天江さん紅茶が来ないです」

衣「ちょ、まっ」

セーラ「天江ぇー、ホットコーヒーたのむわぁ」

衣「・・・・」

爽「天江さん、パンツがまだ来ないんだけど」

衣「@&≠¥%!みゃ>”$∧kw*#!?」=3=3





衣「うっうう、えと、えと」アタフタ

衣(こ、衣だって、やれば、できるんだ!)オロオロ

衣(麻雀しかできないヤツ、なんて、塵芥どもに、言われてたまるか…!)ハアハア


衣「あっ」コテーン

ジュースビシャーッ

衣「う、うううぅ…」グスン


貴音「天江衣さん、大丈夫ですか?」

衣「ふえええええん」ポロポロ

一「純くん、椿野さんにオレンジジュース、ともきーは愛宕さんと江口さんにクレープ持ってって」ユカフキフキ

貴音「さあ、涙をふきましょう」ハンカチー

衣「ううぅ… すまない…」

一「衣、失敗は誰でもする。ボクたちはチームなんだから、困ったらすぐに誰かを呼べばいいんだよ」

貴音「そうです、一人で無理をすることはありません」

衣「う、うむ…!わかった…!二人ともありがとう…」

照「天江さーん、咲のパンt…」

一「宮永さんと獅子原は完ムシでいいから」


PM4:09


ミキ『ドゥッビドゥッビドゥビドゥッパッパッ♪
     ドゥッビドゥッビドゥビイェーイイェーイ!♪
   ドゥッビドゥッビドゥビドゥッパッパッ♪
     ドゥッビドゥッビドゥビイェーーーイ!♪』

ミキ『選手の皆さん初音のチョコはおいしいよ?♪
  「温めますか?」「お願いします!」
  今すぐチンしてブッこんで!♪
  あなたのバナナ わたしのショコラ♪
  皮をむいて食べちゃって♪
  まだまだ欲しいの? だけども それでも
  乱暴にしちゃ らめぇぇぇぇぇぇぇ!♪』


一同(チョコバナナなんか少しおいしくなくなってきた…)

http://www.youtube.com/watch?v=rAJldqtLGZs&feature=player_embedded



照「ドウモゴチソウサマデシタ」ウヒヒヒ


みさき「宮永選手、巨大なスカイツリーも苦もなく平らげました。まだ10分経っていないのに、すでに2kg以上のスイーツを胃袋におさめています」

ナンナノアレ
ハヤスギダワー
チョットオカシインジャネ?

 淡「テルがダントツのトップなのに、すご過ぎて逆になんか恥ずかしくなってきたよ…」

 尭深「同感…」ズズッ


衣「白糸台の… 5品目を持ってきたぞ!」ドン

照「む! このかほりは…!!」


ドーナツ「タベテタベテタベテタベテタベテ」アハーン


照「DOUNATSUイエェェェェェーーーーイィィッッ!!」

照「宮永選手ぅ! ついに食欲スイッチ入っちゃいましたあ!」モシュモシュモシュ



<PM4:10 選手現在地>

①プリン     なし

②シュークリーム 滝見春

③クレープ    獅子原爽 高鴨穏乃 椿野美幸 片岡優希 江口セーラ 愛宕絹恵 花田煌 小瀬川白望

④パフェ     なし

⑤ドーナツ    宮永照
 


PM4:10 

はやり「はいはい! 5品目はおなじみ『ミスタードーナツ』だよっ!☆ 日本人で『ミスド』を食べたことがないと言ったらモグリでしょっ! 今や全国に1300店以上のお店を展開している日本最大のドーナツチェーン店!☆」

はやり「数あるメニューから、今日は定番メニューの『ハニーディップ』『ポン・デ・リング』『オールドファッション』『エンゼルフレンチクルーラー』『ゴールデンチョコレート』の5種を厳選!☆ 重量は合計350g! 風味ゆたかなほのかな甘みとフワフワ、もちもち、サクサクの食感を楽しんじゃってね!♪」


 怜「なあなあ、奈良にはミスドはないんとちゃうか?」

 憧「ありますってミスドくらい!」


照「おうふ。 くるしゅうないですぞ、フレンチどの…」ムッフムッフムッフ


 誠子「宮永先輩、だんだんテンションおかしくなってきてますね」

 淡「酔っ払いみたい」

 菫「…あいつはケーキやデザートのバイキングに行くと、必ず一発で出入り禁止にされるんだ…。今日は久々に甘い物をたらふく食べられるから、嬉しくてしょうがないんだろ」




春「ごちそうさま…でした」


みさき「遅れていた滝見選手、シュークリームを完食です。それと入れ替わるように、獅子原選手、高鴨選手などがクレープを完食! スカイツリーへの登頂を開始し始めました」

みさき「今のところ、全体的に順調に食べ進めているように見えますが…、ここまでごらんになってみて、いかがですかのよ…黒ネコさん?」

のよりんΣ「!!」=3=3

のよりん「… …!!」プンプンスコスコ=3=3

みさき(ふふ、あせってるあせってる…ww)

のよりん「……」スススススス

みさき「…?」


 のよりんは素早くみさきの後ろに回りこんだ


のよりん「フーッフーッ! ニャニャニャニャニャアァァ!!」バリバリバリバリ

みさき「あじゃじゃじゃ! 痛い痛い! 背中を引っかかないでください!」

はやり「爪をとぐ真似してんじゃないのww」



「ごちそうさまです」
「ごちそうさまやぁ」

みさき「はあはあ… あ、愛宕選手と江口選手がクレープを完食です… 2人の実力を考えると… ちょっと元気がないようにも見えますね…」ヒリヒリ


パフェ「」ドオーン

セーラ「…」

絹恵「でか…」

セーラ(あまあま地獄やなこりゃ… ちょっとしんどくなってきた…)モムモム

絹恵(甘いのあんまり得意じゃないんだよねえ… このコンソメスープ意外とクドくて口直しにならんし… はあ…からあげ食いたなってきた…)ハムハム


ミキ『ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー♪
  ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー♪
 ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっ  ぽぴーーーーーーー』

ミキ『さあ食え お前好きだろ? レジェンドパフェー♪
  私が決めた いま決めた
  だから食って! 私の レジェンドパフェー♪
  価格は1800円~』

ミキ『そいやそいや どっせーどっせー そいやそいや どっせーどっせー♪』

ミキ『まーろーやかーレジェンドパフェ~ ふーわーふわーレジェンドパフェー♪
  いーちーばんーオススメなのーはー スカイツリーパフェー♪』

ミキ『ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー 抹茶の味とね~
  ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー イチゴ味もね~
 ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー あーなーたも今~
ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー ぽっぴぽっぴぽぴぽっぴっぽー レジェンドパフェが好きになる~♪』


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」ウィーン


赤阪「お次はなんやろね~ ん… なんやこれ明太子…?」

絹恵「だ、代行。その明太子ちょっと頂けませんか」

江口「すんません俺にもください」

煌「私にも頂けないでしょうか…」

赤阪「ん~ご飯なしで明太子だけあってもしゃーないからな~ まあええで~」


セーラ(口の中甘ったるくてかなわんわあ… なんでもええで中和するもんが欲しい)


https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=qv2_2nN2B5U



照「ごちそうさまです! 次くださーい!」


みさき「宮永選手、5品目も完食です! ドーナツ5個を3分足らずで食べてしまいました。もう終盤に差し掛かるというのに全く疲れが見えません」


貴音「はい、6品目お持ちしました…」ドーン

照「ぬううう! ききき、来たなああぁ!」


はやり「もう、宮永さんのせいで前半で私の仕事終わっちゃうなあ。 6品目は、ついに登場ぅ!ショートケーキ、1ホールまるごとだあああぁぁ!☆」

ウオオオオオオオッッ
スッゲエエエェェ!


はやり「今回は、ネットでのスイーツランキングのショートケーキ部門第1位! 横浜のケーキの名店『フロプレステージュ』から『生チョコと苺のデコレーションショートケーキ』だよおっ!☆」

はやり「本場フランスで修行をし、アントルメティエ(生菓子)とショコラティエ(チョコレート菓子)の資格を取得したパティシエさんが丹精込めて手作りした究極の1品!」

はやり「5号サイズで重量は650g! 全ての女の子が1度は抱く夢『ケーキ1ホールまるごと食い』を、この極上ケーキでかなえちゃってねっ!☆」


照「うううっ チョコが、チョコが! 生チョコ様が私の口に来るう!」プルプル

照「カッ」ブワアッ

煌(うっ! 宮永さんのオーラが、増した…!)

照「ぶわっふぅ! ぶぉっこぉ! ばっふびゃっぐみゃっぐむぉっぐ!!」ムシャムシャムシャムシャ



PM4:13
スタジオ

えり「トップの宮永選手、終盤に入ってもまったく勢いが衰えません! ていうか、まだ13分しか経ってませんよ?…つ…強い! 強すぎます…! これは、これは一体… なんなんでしょうかこの強さは、三尋木プロ?」

咏「明らかに『甘いものは底なし』の典型だねこりゃ」

えり「1品目ではプリンを2分弱で平らげ、それ以降も他の選手の2倍近いスピードで食べ続けています」

咏「いや、まあ… 1品目のプリン2分ってのは、別にすごくはないんだけどね…」

えり「ええ? まさか!? プリン1kg、1000gですよ?」

咏「プリンの主原料は牛乳と卵。ミルクセーキを1リットル飲むのとそんなに違いはないよ」

えり「え、でも2分で、普通のプリン10個分ですよ…」

咏「疑うんなら、えりちゃん小腹がすいてる時に、プッチンプリンを1kg分買ってきて自分で食べてみてごらん。急げば2分もかからないから」

えり「はあ…確かに、噛む必要がない分、早く食べられそうではありますね」

咏「うん、でも宮永ちゃんのすごいのは、あまり急いで食べている様子ではないのに、ものすごく速いことだね。プリンのあとのシュークリームやドーナツでもスピードが変わらないのは確かに異常。」

えり「もう3kg近く食べてるのにまったく様子が変わりませんよ…? なぜ、彼女だけこんなに速いんでしょうか」

咏「う~ん、甘いものが単に好きってだけでは説明できないねえ。体のつくりが、どこか普通の人間と違うんだと思う」シランケドー


照「」ハムアムモグマグ

みさき「6品目はショートケーキ1ホール! 巨大なホールケーキがどんどん宮永選手に吸い込まれていきます。 宮永選手、どうですかお味のほうは?」

照「うんんn、苺の香り…甘み…酸味がチョコレートの苦みと混じって… 私をどこかへ連れて行くぅ…」ホワアアアン



 竜華「すごいなあチャンピオンは、6品目まで来ても幸せそーな顔で食っとるで」

 泉「江口先輩はなんか少し顔がこわばってきたみたいですよ…」

 フナQ「もともとあんまり甘いもの好きじゃないのかもしれんねえ…」

 怜「なあなあ憩ちゃん、チャンピオンはなんであんな気違いじみた強さなんや? なんかワケがあるんか?」

 憩「…チャンピオンはまれに見る特異体質の持ち主なんや…」

 怜「特異体質?」


憩「うん、実はなぁ、1週間前の1回戦が終わったあとに、10人の選手全員の体の精密検査をさせてもろうとったんや」

怜「ほえー、さすが憩ちゃん研究熱心やなあ」

憩「みんなここまで残ってきとるだけあって、胃袋の拡張率が尋常じゃなかったり、腸内細菌がやたら多かったりって、普通じゃない人はたくさんおってんけど、チャンピオンは完全にお菓子に特化した体をしとったんや」

竜華「お菓子に特化?」

憩「そやねん。 洋菓子ってのは、糖分と脂質が多いから、普通の食べ物よりずっと満腹中枢を刺激しやすいってのは分かるやろ?」

竜華「そやなあ、腹持ちがええし… ご飯みたいにたくさんは食べられんな」

憩「しかしチャンピオンにはその常識が当てはまらんのや。まず、膵臓っていう臓器があんねんけど、そこから分泌されるインスリンの量が常人の3倍くらいあるんや」

怜「なんか聞いたことあんな。そのインスリンって」

憩「糖尿病の人の治療で使うホルモンやでー。インスリンには、血液中の糖分をグリコーゲンに変えて肝臓や筋肉に送り込む働きがあるんや。つまり、チャンピオンは、インスリンの働きが活発やからいくらお菓子を食べても血糖値が上がらず、満腹中枢が刺激されんのや」

怜「へーえ、うらやましい体やなマッタク」

憩「実は、インスリンの量が多いのは、チャンピオンだけやなくて阿知賀の穏乃ちゃんと永水の滝見さんもそうやったんだけど、チャンピオンにはさらに特殊なところがあったんや」




憩「ビフィズス菌って聞いたことあるやろ?」

竜華「ヨーグルトとかに入ってるやつだよね」

憩「そや。ビフィズス菌は腸内細菌の1種でもあってな、体重や体脂肪の蓄積を抑制する効果があるから、ダイエットやメタボの治療の分野で注目されとるんや。
 これも血糖値や血中のコレステロール値を上げない効果があってな、チャンピオンはこのビフィズス菌の数が異常に多いんやな」

竜華「ダブルで血糖値が上がりづらいってわけやな」

憩「それと…」

怜「まだあるんかいな」

憩「うん、洋菓子に大量に含まれている脂質… これは、他の栄養素よりずっと消化されるのが遅くて吸収に時間がかかるから、大量に摂ると胸焼けの原因になるんやけど… この脂質を分解する胆汁酸とリパーゼっていう消化酵素の分泌量が異常に多いんや、チャンピオンは…」

竜華「脂っこいのいくら食べても胸焼け知らずってことやな」

憩「そう、まさに、お菓子を食べるために作られたような体やで。世界中探してもあんな人はおらんと思う」

怜「圧倒的に有利やないか…」

憩「うん、2回戦はチャンピオンのためのステージみたいなもんや。このままトップ独走で終わる可能性が高いと思う」



<PM4:15 選手現在地>

③クレープ なし

④パフェ  獅子原爽 高鴨穏乃 椿野美幸 片岡優希 愛宕絹恵 江口セーラ 小瀬川白望 花田煌 滝見春

⑤ドーナツ なし

⑥ケーキ  宮永照

⑦?



PM4:15


みさき「ただいま試合開始45分が経過しました! トップの宮永選手の勢いが止まりません。 もう6品目のホールケーキも半分ほどがその姿を消しています!」


照「セ・ボーン!!」ホワアーン


一「パティシエさんが、ケーキ切り分けてくれましたよ。村吉さんと野依プロもどうぞ!」ケーキー

みさき「あ、どうもありがとうございます。では私もちょっと味見をさせてもらいますね」モシュモシュ

みさき「ん! ~~~~!! うわあこれは… 生クリームが、ココアをそのままふわっふわにしたようなかんじですね。意外と甘めですけど、イチゴの酸っぱさとチョコの苦味が合わさって…、 うーん舌がしびれるほど美味しいですねぇ!スポンジもしっとりしていて最高です!」

のよりん「みさき! ほっぺにクリーム!」ペロッ

みさき「キャッ! ななな…何するんですか野依プロ!///」カアッ

のよりん「ふにゅニャンッ♪」=3=3


照「トレ・ボーーーン!!」ガフガフガフ

 
 貴音「一さん…」

 一「ん?」

 貴音「あの方…宮永照様、なにか、物の怪のような気配がするのですが…」

 一「あー・・・ うん、まあ、近からずとも遠からじって感じかなあ。あの人実際、魔物の親玉みたいな人だから…」




穏乃爽「ごちそうさまでした!」


みさき「高鴨選手と獅子原選手、ほぼ同時にスカイツリーパフェを完食です。2人でずっと同じペースで食べてますね」


穏乃「うほ! ミスドだミスド! ん~! ポンデリングうまうまぁ~っ!」モヘモヘ


 宥「穏乃ちゃん、調子いいみたいだね。宮永さん抜いたら、ずっとトップだよ~?」

 憧「和菓子屋の跡取りだからね。甘いのはきっと得意なんだと思うよ」


爽(ドーナツか… んー、大好きなんだけどなー。ちょっと体がだるくなってきた…)

爽(…まだ2kgちょっと超えたとこだよね。満腹感来るにはまだまだ早いんだけどな…?)ムグムグ


PM4:17

「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまだじぇ!」

みさき「椿野選手、片岡選手もパフェを完食! 2人の前にドーナツが運ばれてきました」


優希「むふふ! ミスドちゃんミスドちゃん♪」

美幸「…すみませーん!ちょっといいですかあ?」

みさき「? どうしました? 椿野選手?」

美幸「あのー、このゴールデンチョコレートの、外側の黄色いのってナッツですか?…私ナッツ類にアレルギーあるんですけどー…」

のよりん「アレルギー?? ダメ! ダメ!! 絶対ダメ!!!」プンスコ=3=3

みさき「…えーっと、ちょっと待って下さいね…」

一「椿野さん大丈夫だよ。その黄色いのは卵黄と小麦粉が原料。ナッツ類はまったく入ってないよ」

みさき「ほんと?」

一「カリカリしててナッツみたいだけどね。作ってる人に確認したから大丈夫だよ」

みさき「ん、ほんとだ。む、んんんぅ、うまああぁコレ!」モキュモキュ


照「ご ち そ う さ ま で す !」


みさき「…宮永選手、ついに…チョコショートケーキもその胃袋におさめました!すでに3kgを超えるスイーツを食べていますが、まったくペースに衰えが見えません」

みさき「彼女だけまるで次元が違う強さを見せています」

のよりん「スイーツ!電車道!」プンスコ=3=3

みさき「スイーツ街道1人旅ってかんじですね。さあ、ついに、最凶の甘味大魔王が…旅の終わり!最終7品目のスイーツに辿り着きました!」


照「う!? この、におい…?」


一「さあ、宮永さん、最後7品目だよっ」トン

照「…!!」


はやり「最後のスイーツ! それは、本場のドイツでは『お菓子の王様』と呼ばれている『焼きたてバウムクーヘン』だよぉーーーーーっ!☆」ハヤッ

ワアアアアッ イイニオーイ!
スッゲ! ウマソー!

はやり「バウムクーヘンを作っているお店は数あれど!日本一は間違いなくここぉ!超有名洋菓子店『クラブホリエ』!東京の三越本店や名古屋の高島屋では、その焼きたてバウムクーヘンを買い求める人たちで常に長蛇の列ができるのだっ!!☆」

はやり「卵とバターの風味がふんわりと口の中に広がり、とろけるような食感が味わえる超極上の一品ん!熟練の職人さんが一層ずつ丹念に焼きあげ、ほどよい弾力とやわらかさに仕上がってるよっ!☆」

はやり「重量は350g!…えーっと、まだみんなパフェやドーナツ食べてるけど、最後にはふわふわバウムクーヘンちゃんが待ってるから、がんばって食べてねっ☆」


みさき「早くも最終7品目が登場!ほわほわのバウムクーヘン、これはおいしそうです!焼きたてなんて滅多に食べられるもんじゃありませんよ!」

バウムクーヘン「タベテタベテタベテー」ホカホカ

照「……」

みさき「おや? しかし宮永選手、バウムクーヘンに手をつけようとしません。どうかしたのでしょうか?」


 淡「? テルーなんか変だよ?バウムクーヘン苦手なの?」

 菫「いや、そんなはずはない。バウムクーヘンはあいつの好物だぞ?」


照「…」カタカタカタ

煌「? 宮永さん、どうかされましたか?」

照「このバウムクーヘン、洋酒とシナモンが入ってる・・・・」プルプル




照「・・・」モソモソ

みさき「宮永選手、最終7品目に入ってから、突然ペースがゆっくりになりました。ここに来て、ついに満腹感がやってきたのでしょうか?」


 菫「…もしかしたら、あのバウムクーヘン、洋酒か、香辛料が入ってるのかもしれない」

 淡「え?」

 菫「あいつは、お菓子と名のつくものは大体なんでも好きなんだが…普段高級なものはあまり食べないからな…。洋酒や香辛料が入ってる菓子は苦手なんだ。においがもうダメらしい」


照「…」モクモク

煌(たしかにこのバウムクーヘン、シナモンと、わずかですがブランデーの香りがしますね…)

 菫「照! まだ時間は十分ある! 牛乳で流しこみながら食べるんだ!」

照「うん…」ホジホジ

 


PM4:19

ミキ『こーのー世界のードーナツー わーたーしのー食欲ー♪
  とーどーいてーいーるーかーなー ひーびーいてーいーるーかーなー♪
  こーのー世界にー笑顔をー わーたーしとードーナツでー♪
  とーどーいてーいーるーでーしょー ひーびーいてーいーるーよーねー♪』

ミキ『手ーのーひーらかーらー こーぼーれおーちーたー
  ドーナツーをー さーがーしてーるーのー♪
  胃ー袋ーにーつめた このー想ーいーをー
  伝ーえーたいーのー あーなーたにーだけー♪』

ミキ『たくさん食べれるとーいいなー ちゃーんーと でーきるーようにがーんばーるーよー!♪』

ミキ『こーのー世界のー…』


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」ウィーン

赤阪「次はなんやろな~ ん? これは… イヒヒヒ!いくのんのだ~い好きなくさやの炊き込みごはんやでぇ!」

赤阪「ほふほふ、ラッキーやで~」ウマウマ

みさき「ちょっと赤阪さん! くさいですって! 食べるんなら外行ってくださいぃ!」

赤阪「おっと。こらえろうすんませんな~ んじゃちょっと失礼しま~」フラフラー

https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=7CTMvecpwXU


照「…」モソモソ


イヤアアアアアアアアア グアアアアアアアアアア


煌「…?」


ダメエエエエエエエエエエ ヤダアアアアアアアアア 


煌(なんですか…? どこからか不気味な…断末魔の叫びみたいな声が聞こえますよ…?)


 アアンッ ラメエエエエエエエエッッ


煌「み、宮永さ、なんかあやしい声が…」

照「え?」 イヤアアアアアアアアアアアアッッ

煌「!!」

照「…」 ダメエエエエエエエエエッッ

煌(な、な、な…!?)

煌(宮永さんのお腹から声がする…!!)


 ギャアアアアアアアアアアアッ


煌(ど、どういうことですか? お腹が叫んでる…!? いや、お腹が鳴ってるだけ…?)

 ヤダアアアアアアアアアアッッ

煌(いやいや、こんな鳴り方しませんよ!胃袋がしゃべってますよ!)


照「…」ホジホジ グワアアアアアアアアアッッ  


煌(い、胃袋から悲鳴があがるほど、食べるのいやなんですね・・・・)



<PM4:20 選手現在地>

④パフェ     江口セーラ 小瀬川白望 花田煌 滝見春

⑤ドーナツ    高鴨穏乃 獅子原爽 片岡優希 椿野美幸 愛宕絹恵

⑥ケーキ     なし

⑦バウムクーヘン 宮永照  


いったん終わります
明日またちょっと続き書きます
ちなみに、本物の「クラブハリエ」のバウムクーヘンには、リキュールが少量入ってますがシナモンもブランデーも入ってません
焼きたてをゲットするのはかなり大変みたいです


PM4:20

春「ごちそ…うさまです」


 えり『お、滝見選手も、800gの巨大パフェをついに攻略です!』

 えり『ずっと最下位を走っていましたが、ジワジワ来ましたね。一気に3人ほど抜いてしまいましたよ』

 咏『いつも後半スルスルッと上がってくるねこの子は。こっからゴボウ抜きが見れちゃうかもねぃ』


ミキ「…」プルプル

煌(おや、今度は初音さんの様子が…?)

ミキ「…」ヴヴヴヴヴヴ・・・

煌「初音さん大丈夫ですか? どうかされましたか?」

ミキ「$#%&@‘=…」ヴィンヴィンヴィンヴィン


赤阪「イヒヒ!くさやご飯うまかったで~」フララー

煌「すみません赤阪さん! 初音さんの様子がちょっとおかしいのですが…」

赤阪「ん? ああ!こらオシッコに行きたいのかもしれんな~」

ミキ「…」ガタガタガタ

赤阪「あかんあかん! もらしそうや! ちょっといくのんトイレに連れて行くで!」スタタタタタッ

照「・・・・」 ミギャアアアアアアアアッッ・・・

煌(うう… 気が休まりません、落ち着いて食べられないですね…)モクモク





赤阪「トイレは外かいな、めんどいな~」フラフラ

ミキ「…」スタスタ


     ドンッ

?「キャッ」ステーン


 ミキは、トイレから出てきた何者かにぶつかり、つき飛ばしてしまった


赤阪「ありゃ! めんごめんご堪忍やで~ お嬢ちゃんだいじょ・・・ ん? アンタ…」


咲「いてて… あ、大丈夫です…/// 私も前見てなかったので…」ムクッ


ミキ「…!」カタカタカタカタカタ  


赤阪「あんた… 清澄の、宮永咲…」

咲「? …あ、姫松の監督さん…ですよね?」

ミキ「…ミヤナガァ…」カタカタカタ

咲「ひゃっ ろ、ロボットさん…? なんで、私の名前…」

霞「あらら、どうかしたの?」トイレカラー

ミキ「!!」

咲「あ、霞さん、私こちらの方とぶつかってしまって…」

ミキ「ゼッゼツイチモン…!」ガタガタガタ

咲霞「??」

赤阪(アーアカンアカン!)

豊音「あれー、2人ともどーしたのー?」ヌウッ

ミキ「…!! オッオッカケリーチィ…!」ガタガタ

豊音「へ? あ、初音ミキ!! ラッキー♪ すみませんサインもらえませんかぁ?」シキシー

ミキ「…」ブルブルブル

赤阪「あーあー! ごめんなミキちゃんは今オシッコもれそうなんや!失礼するでぇ!」スタタタタタタ・・・

咲霞豊音「「「・・・??」」」


赤阪(あぶないあぶない、記憶が戻ったらえらいことになるでぇ…)


PM4:21

煌「ごちそうさまでした。美味しく頂きました!」スバラッ

みさき「花田選手もパフェ完食! これで全員がド… あれ? 小瀬川選手がまだパフェでしたか」

みさき「…まだけっこう残ってますね。これは…遅れましたねえ。 後半追い上げを得意とする小瀬川選手、巻き返しはなるのでしょうか」


 エイ「シロ、ダイジョブ?」

 胡桃「ペース落ちてるね…。シロって、甘い物嫌いじゃないよね別に?」

 塞「いや、むしろお菓子は好きだよ…? 変だね、何かあったのかな…?」


白望「…」ムグムグ

白望(…歯が、痛い…)モクモク


美幸「ごちです!」イェイ!

みさき「椿野選手ドーナツ完食! お? 獅子原選手や高鴨選手を抜きましたね。現在暫定2位です!」

チョコショート「キタヨー」ドーン

美幸「いやっほーい! 夢の! ホール食いぃ!!」バックバック

みさき「へえぇぇ… 椿野選手、後半に入ってもいい調子ですね」

みさき「ここまでドーナツ、パフェ、クレープ、プリンなど、いろんなスイーツを胃袋に入れてからのショートケーキですが・・・ 椿野選手大丈夫? 今、胃袋どんなかんじ?」

美幸「むふっむふっ♪ 胃袋? そうですねえ… もぉー“私の胃袋好きにしてえっ♪”てかんじ? ですかね~」ニッコニッコ

 
 友香「せんぱーい! その調子ですよぉ!」

 莉子「せんぱい私も食べターイ!」

 澄子「キツかったら私たちに残してくれてもいいですよー!」

美幸「むふふ、やだよ! 全部食べちゃうもーんね!」



 えり『後半に入って、選手たちの表情が両極端に分かれてきましたね』

 えり『何人かは相変わらず笑顔食いしてますが… 何人かの選手はかなり辛そうな表情になってきました』


照「…」    ヒデブウウウウウウウウッッ・・・


 えり『特に宮永選手は変わり過ぎですね! この世の終わりみたいな顔で食べてますよ… 急に満腹感が来たんでしょうか?』

 咏『うーん、あの子もう7品目まで行ってるからねえ… さすがに満腹になるのも近いとは思うけど、多分何か苦手な食材が入ってるとか、トラブルが起きたんだと思うよ。ま、分っかんねーけど』

 えり『その他、愛宕、江口、小瀬川… 獅子原選手も、序盤とはかなり表情が違って険しくなってきましたね』

 咏『甘い物は満腹感が急激に、しかも食べてる本人が分かんないタイミングでやってくるからね。今笑顔食いしてる子もどーなるか分からんよ』

 咏『こっからはいよいよ、正念場ってヤツだねぃ』ヒヒヒ


 


PM4:23

絹恵(う…!?)

絹恵(ドーナツ1個がやたらでかく見える…)ハアハア

絹恵(お腹は全然いっぱいじゃないのに、噛んでも噛んでものどを通っていかへん…)

絹恵(まだ、2.5kg…?くらいしか食べとらんのに…)

絹恵(さっきから、暑くもないのに変な汗出るようになってきたし… やったらのどかわくし…)グビグビ

絹恵(それと、なんなんやコレ…? 手足が重い上にしびれてきたで…?)

絹恵(おかしい! おかしい!! こんなん絶対おかしいで…)ムグムグ


 由子「絹ちゃん、さっきより表情が険しくなってきたのよー?」

 洋榎「…変やなぁ? まだそんな量食べとらんで?」

 漫「もしかして体調が悪いんでしょうかね…」


絹恵(あかん… ドーナツ持つ手が震える…)カタカタ

絹恵「あっ」ポロッ


絹恵(あかん… 床に食べかけのドーナツ落としてもうた… 拾わな…)ググッ

絹恵(あれ? どこいった…?)キョロキョロ

絹恵「うぁ!」スルリッ メガネー↓

絹恵(メガネがはずれた… あーもう! 1回立とう…)ガタッ


絹恵「えっ!?」グラッ

ストンッ


 絹恵は、体のバランスを崩し床に尻もちをついてしまった


洋榎「? な、なにをやっとるんや絹のやつは…?」

憩「あ…あかん! あれは血糖値が急激に上がってるんですよーぅ!」タタタッ


憩「…絹恵ちゃん大丈夫? 立てるかぁ?」

絹恵「あ、荒川さん… だいじょぶですよ。ちょっとバランスくずしただけです」スクッ

憩「あんなぁ、今絹恵ちゃんは、高血糖の症状が出とるんや… このまま無理して食べ続けたら、倦怠感がもっとひどくなって、場合によっては意識を失うことになるでぇ」

絹恵「・・・」


憩「ひどくなる前に、リタイ…」絹恵「大丈夫です!」カッ

憩「…」

絹恵「無理なんかしてません、いいですから戻って下さい」

憩「…分かった。しかしなぁ、今うちにはみんなの体を守る義務があるんや。あんまり症状がひどくなったら…タオルを投げることもありえるでなー?」


一「…愛宕さん、はい、メガネと新しいドーナツ…」スッ

絹恵「あ、すみま…って、新しいの? 落ちたのでいいですよ! 食べかけだったのにぃ!」

一「えっとね、ルール上、床に落ちた食材は廃棄しなくちゃいけないんだ… 万が一、食中毒とかになるといけないからね…」

絹恵「う…!」

絹恵(くっそう! あかん!こらあかん!! ちょっと気を静めよ…)フウー


みさき「愛宕選手、苦戦している模様です。いったん手を止めました。 テーブルにうつぶせになって、休憩に入ったようです」

のよりん「マンシン! ソウイ!」プンスコ=3=3



白望(やばいな… 段々痛みがひどくなってきた…)ズキズキ

セーラ(甘い、甘い、甘い、甘い…)フウフウ


 


赤阪「イヒヒヒ!! 絹ちゃんはもうダメダメのポンコツちゃんやでぇ~」パシャパシャ

絹恵「…」

洋榎「代行! なんで絹の写真を撮っとるんや!」

赤阪「なんや~ おねえちゃん怖い顔して~ そんなん、かわいい教え子がガンバッてる勇姿を記録しとるに決まっとるやろ~?」

由子「どう見ても面白がってるのよー!」

赤阪「イヒヒヒヒヒ!」パシャパシャ

洋榎「漫! あのオバハンを店の外に引っ張り出すんや!」

漫「は…はい!」タタタタッ

赤阪「なんやなんや鬼ゴッコか? いくのんはまだまだ若い子には負けへんで~」スタタタタタタタタッ





漫「ハアハア… なんやあのオバハン、メッチャメチャに脚速いでぇ…どうなっとんのや…」ヨロヨロ

赤阪「イヒヒヒ! 漫ちゃんこっちやでぇ~」ピョンピョン



みさき「店の中で走るなぁぁ!!!」イライライラ



<PM4:25 選手現在地>

④パフェ     小瀬川白望

⑤ドーナツ    愛宕絹恵 江口セーラ 花田煌

⑥ケーキ     椿野美幸 高鴨穏乃 片岡優希 滝見春 獅子原爽

⑦バウムクーヘン 宮永照



いったん終わります
続きはまた今週の金曜か土曜から書いていこうと思います
読んでくださり、書き込みもらえて嬉しいです

末原先輩は… いくのんはすべて知ってそうですね

※すみません、訂正>>82

× みさき「ほんと?」

  一「カリカリしててナッツみたいだけどね。作ってる人に確認したから大丈夫だよ」

  みさき「ん、ほんとだ。む、んんんぅ、うまああぁコレ!」モキュモキュ



○ 美幸「ほんと?」

  一「カリカリしててナッツみたいだけどね。作ってる人に確認したから大丈夫だよ」

  美幸「ん、ほんとだ。む、んんんぅ、うまああぁコレ!」モキュモキュ


PM4:25

みさき(理沙ちゃんの面倒見るだけでも気疲れするのに…)

みさき(選手たちは、また歌い出したりふざけた注文したりする子もいれば)

みさき(色々調子崩してる子もいるみたいだし…)

みさき(何より今日は赤阪さんが何しでかすか分かんないから目が離せない)

赤阪「フンフン~♪ おケーキさまさまレズの味~♪」フラフラ

みさき(…私、もう40時間以上寝てないんだけどな…)ハア

みさき(でも!)

みさき(アナウンサーやってればこれくらいの事はザラにあります)

みさき(寝不足でナチュラルハイ状態になってきたからね、最後までテンション高目で頑張るよ!)


みさき「さあ、残り時間はあと20分!試合は折り返し地点を過ぎています」

みさき「ここでいったん、10名の選手それぞれの現在の様子をザッと見ていきたいと思います!」

みさき「まずトップの宮永選手! ただ一人最終7品目に入ってますが極端にペースダウン! バウムクーヘンはまだ1/3程度しか食べれていません」

みさき「続いて2位の椿野選手…って、あれ? どうしたんですか椿野選手?」

美幸「…」アセダラダラ

みさき「ついさっきまで満面の笑みで食べていたのに、今は真っ青な顔で脂汗ダラダラです」

のよりん「分かりやす!」プップスー=3=3


美幸(…急に気持ち悪くなってきた…)

美幸(…もーお頭痛がするよぉ! さっきまであんなにかわいかったチョコショートちゃんが黒い魔物に見える…)


みさき「暫定3位は高鴨選手! 2分ほど前にホールケーキに入りました。 ペースはゆっくりになっていますが、順調に食べ進めています」

みさき「4番目片岡選手もホールケーキ。ペースは落ちてますが、相変わらずの大口でケーキを吸い込んでます」

優希「ん~… タコスが恋しくなってきたじぇ…」ムグムグ

みさき「5番目は獅子原選手です。 序盤の元気はないですが、果敢にホールケーキに挑んでいます!」

爽(なんか体がジトッとしてきたなぁ。のども渇くし…)ングング

みさき「6番目は滝見選手!先ほどケーキに入ったばかりですが、本当に序盤と様子が変わりません。周りがゆっくりになっている中、彼女が今一番勢いがあるように見えます」

みさき「7番目はうつぶせになって休んでいた愛宕選手。 今は体を起こしてドーナツを再び食べ始めましたが、その腕は非常に重そうです…」

みさき「8番目は江口選手…! ドーナツが…まだ3個残ってますね。彼女らしい覇気が感じられません…!」

みさき「9番目の花田選手もドーナツ! あ…江口選手を抜いてますかねこれは。ゆっくりですが、真っ剣な表情で食べ進めています」


白望「ごちそさま…」

みさき「最下位の小瀬川選手、今やっとパフェを完食してドーナツに入りました! 予選も1回戦も非常に安定していた小瀬川選手ですが、これはかなり遅れましたね。 いつにも増してダルそうです」

白望「…」ズキズキズキ



塞「シロのやつ、虫歯かもしれない」

エイ「ムシバ?」

胡桃「うん、私もそう思う… 咀嚼してる時に時々眉間にしわ寄ってるけど、あれ、痛みを我慢してるっぽいね…」

豊音「えー、シロ大ピンチじゃん! まだ5品目だよー?」

塞「歯医者行くのダルがってさぼってたんじゃないかな…」

エイ「ムシバナラ、ワタシナオス!」=3

胡桃「え?」

 
 エイスリンはホワイトボードに何か描き始めた


豊音「…エイちゃん何描いてんのー?」

エイ「…フンッ!」カキカキ バッ

塞「…ピカピカの歯に、ちびエイちゃんにやっつけられてるバイキン…」

エイ「コレデ、ナオル!」

胡桃「いや… 仮に免疫力で虫歯菌をやっつけたとしても、虫歯そのものは治らないよ…」

塞「軽度なら再石化して治ることもあるらしいけど、ある程度進行した痛みがある虫歯は歯医者に行かないと絶対治らない…」

豊音「えーっ? じゃあどうしようもないの?」

塞「正露丸をつめれば痛みはおさまるって聞いたことあるけど…」

胡桃「それって迷信じゃないの?」

塞「いや、鎮痛作用があって、本当に効くことあるらしいよ」

胡桃「ふうん… で、誰か正露丸持ってる?」

一同「「…」」

胡桃「わけないよね…」



胡桃「買いに行く…時間はないね」

塞「ドクターなら持ってるかも、私聞いてくる」タタタ・・・


塞「すみません荒川さん、正露丸持ってませんか?」

憩「正露丸? なんで? 誰かお腹痛いの?」

塞「いや、歯につめたいんですけど…」

憩「あー歯痛か…。 ごめん正露丸はちょっとあらへんなぁ」

塞「…そうですか」

憩「うち歯科のことはよう分からへんけど、正露丸つめたら逆に染みるんちゃうかな…?」


白望(奥歯が… 左右両方とも痛くなってきた… 口のどこで噛んでも痛い…)ムググググ


PM4:27

絹恵「ごちそうさまでした…」

みさき「愛宕選手ようやくドーナツ完食です」

智紀「どうぞ…」ドーン

チョコショート「グフフフフフゥゥ…」

絹恵「う…」

絹恵(あと2品か… しっかしこれ、まるで黒い要塞やな… 今のうちに攻略できるかな…)


 えり『後半に入り、選手たちの表情が徐々に険しくなり…ペースもかなり落ちてきているようですね。
   前半に食したスイーツがボディーブローのように効いてきているのでしょうか』

 咏『それだけじゃないよ。ドーナツ、ケーキ、バウムクーヘンっていうのは、全部、食すときに水分をかなり必要とする食材なんさ』

 えり『…確かに、プリンやパフェのようにスルスル入っていくスイーツではなさそうですね』

 咏『牛乳や紅茶と一緒に食べたいとこだけど、お腹が膨らみかけてきているこの状況で、水分の摂取過多は命取りになるからねぃ…』

 咏『かといって、脂質も多目だから、水分無しで食べるのには無理がある』

 咏『ここでゼリーとかムースなんかがきてれば全然違うんだけど』

 えり『今、選手たちには美味しい美味しいスイーツが、凶暴な悪魔に見えるかもしれませんね…』

 咏『こっから踏ん張れるかどうかが、勝負の分かれ目になるだろうねぃ』

 


ミキ『ハッピーショートケーキ 君の 胸の奥まで♪
   届くような甘さ 届けるよ♪』

ミキ『はかなく溶けた 淡い生クリーム
   笑顔になるね どんなときも♪
   見るもの全て 輝いて見えた
   あのスイーツたちが 笑っているよ♪』

ミキ『我慢して食べるの 覚えなきゃいけないの?
   「勝負に勝ってちょうだいね?」 勝たなくていいよ♪
   知らないフリばかり 知らないなんて言えなくて
   「大変美味でした」 ウソついてゴメンね♪』

ミキ『ハッピーショートケーキ 君も 胸の奥まで♪
   届くような甘さ 味わおう♪
   つまらない「たてまえ」や ヤな事全部♪
   消してあげるから みそ汁で♪』


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」ウィーン


赤阪「イヒヒ! お次はなんやろな~ ・・・ん? これ…」


https://www.youtube.com/watch?v=ApYNxGKzzU0&feature=player_detailpage


絹恵「…」モクモク

絹恵(このケーキ、確かにめちゃ美味しいけど…)

絹恵(やっぱ重たい…)ムキュムキュ

絹恵(手足のしびれは引かんし…)

絹恵(頭痛までしてきたで…)ズキズキ


 漫「絹ちゃん、大丈夫でしょうか…」

 洋榎「身内びいき目に見ても… こらまずいでえ…」


赤阪「絹ちゃ~ん」フラフラー

絹恵「い!? な、なんですか? 代行…」

赤阪「ミキちゃんからなあ、あんたに差し入れやで~」

トンッ

絹恵「え・・・?」


みそ汁「ウマイデー」ホワアアアン


赤阪「ワカメとオクラの入ったお味噌汁やで~」

絹恵(…みそ汁?)


赤阪「スープがOKなんやから、お味噌汁もルール上問題ないやろ~」

絹恵「…」

絹恵(ケーキにみそ汁って、変な気ぃするけど…)

絹恵(確かにしょっぱい飲み物は欲しかったんだよね…)

絹恵(みそ汁なら、コンソメスープやコーンスープみたくクドくはあらへんし…)

絹恵(いただいときますか…)ズズッ

絹恵(ん… 美味しい。 ワカメとオクラもいい味出しとるわぁ)モギュモギュ

絹恵(・・・あれ…?)モムモムモム

絹恵(頭痛と… 手足のしびれがおさまってきた…?)マッグマッグ

絹恵(…よし! これなら、まだまだケーキいけるでえっ!)


 洋榎「…なんやあ? 絹のやつ、ケーキとみそ汁一緒に食べ始めたで?」

 由子「妙な組み合わせなのよー」

 憩「いや… 今は大食いをしとるんやから、あれで正解ですよ」

 洋榎「荒川?」

 憩「みそ汁には、急激な血糖値上昇を緩和し、高血糖をおさえる働きがあるんです」

 憩「大豆に含まれるトリプシンという酵素や、味噌が熟成される時にできるメラノイジンていう成分が、膵臓の働きを活発にしてインスリンが多く分泌されるようになるんや」

 由子「へー、なのよー」

 憩「あと、具のワカメとオクラのぬめりに含まれる水溶性食物繊維は、一緒に食べた糖質や脂質を包み込んで、体内での吸収を遅らせるんやで」

 洋榎「食べても血糖値が上がりにくくなるってことやな…」

 憩「いい武器手に入れましたよ絹恵ちゃんは… 彼女の胃の容量はまだまだ余裕があるはずですからね。高血糖の症状さえ緩和できれば、復活できるかもしれないですよっ」



絹恵(よっしゃ体調良くなってきた… ここで本気出すでええ!)

絹恵「っしっ!」バッ

みさき「おや、愛宕選手、ヘアゴムで髪をポニーテールにし…、メガネも取ってしまいました! 本気モードに入るのでしょうか」


 漫「絹ちゃんメガネ取ったら何も見えへん言うてましたけど、大丈夫なんですかね」

 洋榎「食事するだけなら問題ないで」


 竜華「絹ちゃーんめっちゃかわええでー! がんばってやー!!」


絹恵「えへ、へへへ…/// がんばりますぅ///」


 怜「…竜華、セーラ応援したらな。あいつの方がピンチやで?」

 竜華「ん~~? うちはみんなを応援しとるでー? 特にかわええ子をなー♪」ニコニコ


セーラ「えへ、へへへ…/// がんばりますぅ///」ヘラヘラ


 怜「ほら見ろ。すねてもうたがな…」





ミキ「キヌチャ、ガンバ…」ボソッ


PM4:29


煌「ごちそうさまでした!」


みさき「花田選手がドーナツを完食です。さあ、本日8個目のホールケーキが運ばれてきました!」

純「ほい、がんばれよ!俺も食いたいわコレ!」トンッ


チョコショート「ヨダレノウミニシズメテヤルデー」ドオオーン


煌(でっか…)

煌(ふー、さすがに満腹感がそろそろやってきそうな気配がしますね)

煌(頭痛と… 胸焼けも少しします…)

煌(すばらに美味しそうなケーキですが、今の私には大変な強敵になりそうですね…)

煌(しかし…やはり甘味オンリーだからなせいか、他の皆さんもかなり苦戦している様子です…)

煌(恐らく、何人かは完食できないでしょう…)

煌(10人中、脱落するのは3人…)

煌(つまり、7位に入れば、勝ち上がることができます!)

煌(現在私は8位… 最後まで、あきらめず戦って… 勝ち上がってみせますよぉ!)スバラッ



みさき「試合開始、まもなく30分になります! さあ、終盤戦は…どのような展開になるのでしょうか!」



<PM4:30 選手現在地>

④パフェ     なし

⑤ドーナツ    江口セーラ 小瀬川白望

⑥ケーキ     椿野美幸 高鴨穏乃 片岡優希 獅子原爽 滝見春 愛宕絹恵 花田煌  

⑦バウムクーヘン 宮永照



今日は終わります
また明日、続き書いていきます


PM4:30

「ごちそうさまやぁ!」


みさき「江口選手もドーナツ完食です! 声はまだまだ元気ですが… 苦悶の表情です!
   ここから最大の難敵『チョコショートケーキ1ホールまるごと』を攻略できるでしょうか?」


セーラ(甘い… 甘す… 甘ゆす… 甘んだ… 甘んちょ… 甘めら…)ハアハア

チョコショート「クッテミロヤー」ドドーン

セーラ(ぐええっ でっかいケーキやな… 胃袋にはまだ余裕あんねんけどな…)

セーラ(甘くて甘くてしゃあない… 毎回牛乳で流し込まんと食えん…)

セーラ(くっそ、どないしたらいいか分からん…!)

セーラ(こんなとき、怜ちゃん出せたらええねんけど、うっかりヒザマクラチャージしてこんかったで、今日は出てこぉへん…)

セーラ(いやいや! 怜ちゃんに頼ってばっかはあかん。自分で解決策考えな…)フウフウ


セーラ(んーっと… まず現状を整理するで…)

セーラ(今まで、甘いもんばっか連続して食ったことなんかあらへんから、体がビックリして食べるのを拒否しとるわけや…)

セーラ(えーっとえーっと、生物の授業で消化機能のことも勉強したよな… 思い出せぇ…)

セーラ(まず…消化吸収された栄養が、ブドー糖ってのになって、それが血液に入って血糖になるんやったな…)

セーラ(今俺は、血液中の血糖が多すぎて、満腹中枢が働いてる状況なんやろな…)

セーラ(つまり、血糖を減らせば、体の調子も元に戻るはずや)

セーラ(あ…そーいえば、血糖は体を動かすためのエネルギーって、先生言うとったよな)

セーラ(! ってことは…体を動かせばエネルギーが消費されて、血糖を減らせるんちゃうか…?)


セーラ「…」ガタッ

セーラ「すんません! ちょっと体動かしていいですか?」

みさき「え?」


セーラ(あんま激しく動いたらかえって気持ち悪くなるかもしれんで…)

セーラ(とりあえず腕立てや! 汗出てくるまでやるでぇ)フンッフンッ

みさき「・・・江口選手、席の後ろで腕立て伏せを始めました」


 フナQ「ははあ、運動して血糖値を下げるつもりですね… 江口先輩、考えましたね」

 泉「苦戦してますね。なんか、手伝ってあげられませんかね」

 フナQ「そやねぇ、歌ったり、笑ったりすれば早く血糖値を下げられるって聞いたことあるで」

 怜「よし… んならいずみぃ、一発ギャグでセーラを笑わしてくるんや…」

 泉「え? いや、そんないきなり言われてもできませんよ!」

 竜華「笑わせりゃええの? ふーん それなら、うちええ作戦思いついたで…」ニヤアアア





セーラ「フッフッ」ウデタテー

泉「…江口先輩、腹筋もやりますか?良かったら足押さえますよ」

セーラ「おーう泉、さすが気ぃきくなあ。んなら頼むわぁ」

泉「はい…」ガシッ


竜華「よっしゃ今や! 行くで2人とも!」

フナQ・怜「「押忍!!」」ダッ

 千里山メンバーはセーラを押さえ込み、わき腹をくすぐり始めた

セーラ「! なっなにすんねんお前らぁ! イッイヒャッイヒャヒャヒャヒャヒャッッ!!」ジタバタジタバタ

怜「泉ぃ! しっかり足押さえろぉ!」コチョコチョ

泉「は…はいっ」ガッチリ

のよりん「コチョコチョコチョ!!」=3=3


 みさき「・・・千里山メンバーと黒ネコさんが、江口選手をくすぐり始めましたねえ…」


セーラ「泉、てめえぇ! うひゃっ試合、おわったら、おま、コロス!」ジタバタウヒャウヒャ

泉(…なんで私だけ…?)


PM4:31

美幸「…」ムグモグ

美幸(もー! なんなんでしょこれ、食道の上に、フタがされたみたい…)

美幸(全然ケーキがのど通っていかない…)


 友香「せんぱーい! 気持ちの問題なんでぇーっ! 気合いっす、気合い!」

 莉子「せんぱい! 楽しいこと考えてみましょう!」


美幸(…気合いねえ。あっそうそう、気持ちで負けそうになったら使おうと思って、コレ持ってきたんだった)ゴソゴソ


みさき「おや、今度は椿野選手が… ? iPodを取り出し…ました…?」


美幸(ヘコみそうな時はやっぱ音楽だよ! パンク食い、やってみたかったんだよねーアタシ♪)イヤホーン

美幸「スイッチオーン!」ポチットナ

美幸「…」ジャカジャカジャカジャカ

美幸「YES! 燃えてきたぁ! 来た来た来たYO! カモン!ジェームスディーーッン!!」

美幸「ア~イ♪アーム ザ アンチクライスト! ア~イアーム♪ ザ アナーキストォッ!♪」

のよりん「ヘイ! シィャラァーーッップゥゥッッッ!!」ネコパーンチ!

美幸「もべぶっ¥!?」


みさき「…なんでみんな歌いたがるのかな…」


PM4:32

セーラ「ふぅひぃ、はぁはぁ…」ムグムグ

 怜「セーラのやつ食べ始めたで」

 竜華「うちらのくすぐりが効いたんやなー良かったで~」ニコニコ

セーラ(あったまグルグルする… あいつら覚えとけよ… でも、さっきよりは食べられるようになってきたかな…)マグモグ


春「ごちそうさま…です」

みさき「! 滝見選手ホールケーキを完食です! すごい! ゴボウ抜きで2位に躍り出ました!」

みさき「トップの宮永選手は、あと、バウムクーヘンが1/4…いや、まだ1/3近く残ってますね。 これは、トップの入れ替わりもあるかもしれません」


 淡「もーテルー何やってんの? さっさと食べちゃいなよそんくらい!」

照「・・・・」モキュモキュ イヤアアアアアアンッ


PM4:33

爽(…)アセダラダラ

爽(嫌な汗がダラダラ出てきたな…)

爽(噛んでも噛んでも、口内にケーキが残る…)ムグムグ

爽(すごいなあの永水の巨乳巫女さんは…淡々と食べ続けてる…)

爽(私は…まだホールケーキが…半分以上残ってるな…)ハア

 
 揺杏「爽ため息ついてんじゃねーよ! 根性で食えぇ!」

爽(うっせーな揺杏のやつ… 根性で食えるほど甘くねーよ…)


 由暉子「爽先輩! がんばってください!」プリンッ

 揺杏「ユキ! 爽にチューしてこい!」

 由暉子「えっ いや…こんなとこでは嫌ですよ…///」プリプリンッ


爽(ふう… ユキ… いつ見てもええ乳やあ…)デレー

爽(…)

爽(はあ… このケーキ、ユキに女体盛りされてれば、いくらでも食えるんだけどなー)ムラムラ

爽(うっ… ムラムラしてきた…)ジュンジュンッ


 揺杏「…? 爽のやつ、手ぇ止めてこっちジーッと見てるぞ…」

 成香「きっ気持ち悪い視線ですぅ」

 誓子「また何か良からぬこと考えてますね…爽…」


爽(…ハッ!)

爽(そうだ… 今は食欲は湧かないけど…)

爽(私には、この、ありあまる性欲がある・・・!)ドヤア


爽(『食欲』と『性欲』は表裏一体・・・!)


爽(ならば・・・!)


爽「変換する! 『性欲』を『食欲』に!!」カッ



みさき「…は?」


 
 最強スイーツたちへの、女子高生雀士たちの反撃が始ま…る…?


すみません、今日はここまでにします
書き込みあざした
また明日続き書きます
何気に、ここからはシリアスな展開になると思います

おつおつ

>>125
ナイスツッコミwwそれとももしや>>1の想定通り!?

>>130
想定はしてないっす
甘い物の大食いは甘くても甘くないじぇ!

投下していきます


PM4:34

爽「ガッフバッフワッシワッシ」モ゙フーッ

みさき「…えー、獅子原選手、息を吹き返したかのように食べ始めました…」

みさき「しかし、試合残り時間はもうあと11分を切っています。最終7品目に入っている2人以外は全員、安全圏とは言えないでしょう」

みさき「さあ… 誰が、この厳しい2回戦を勝ち抜き、3回戦に駒を進めるのでしょうか?」


白望「…」ムグムグ

みさき「最下位は変わらず小瀬川選手、まだドーナツ…が1個残ってますね。苦しんでいます。
   彼女も本来の実力を出せていないようです」


 塞「…厳しい…ね。どうしても、ペース上げられないみたいだね…」

 エイ「シロ、ピンチ!」=3

 豊音「ちょーやばいよー!」


白望「・・・・ちょい、タンマ…」

みさき「小瀬川選手、いったん手を止めて…思い悩むかのように左手で頭を抱えました…」

白望(…)



<PM4:35 選手現在地>

⑤ドーナツ    小瀬川白望

⑥ケーキ     椿野美幸 高鴨穏乃 片岡優希 獅子原爽 愛宕絹恵 花田煌 江口セーラ

⑦バウムクーヘン 宮永照 滝見春


PM4:35


白望(やばいな…歯が痛すぎて頭までズキズキしてきた…)

白望(大好きなドーナツで、こんな苦しめられるとはね…)

白望(ドーナツ… あー、じいちゃんのこと、思い出すなぁ…)

白望(じいちゃんが死んで… もうそろそろ3年になるのか…)


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


~3年前の11月 白望、中学3年生~
 岩手県立遠野病院


ガチャッ 

白望「じいちゃん…、起きてる?」

じい「…おーう、白望、よぐ来たなぁ」

白望「ん…」コトッ

じい「外、だいぶ寒ぐなってきたろ?」

白望「うん、みぞれ…降ってきたよ」ゴソゴソ

 白望は窓際に飾ってあった花を取り替えた

じい「いづもすまねぇな」

白望「学校から帰る途中だから、べつに…」


白望(私のじいちゃんは末期のガン、白血病だった。受け応えはまだしっかりしてるが、表情には長い闘病生活による疲れが見られた)


白望「…何かいるものある?」

じい「じゃあ売店のプリンを2つ」

白望「ん…」スタスタ





じい「受験勉強は大丈夫か?」アムアム

白望「問題…ない」アムアム

じい「どの高校さ受けるんだったっけか」

白望「宮守女子」

じい「宮守… ちょっと遠くなんべなぁ、なしてそこ行ぐんだ?」

白望「…塞が行くから」

じい「はあ… お前はやはり人に流されてばかりだーなぁ。自分のやりたいこどとか、無いんか?」

白望「…ない」

じい「…まあ、ゆっくり考えりゃええべ。お前は、その気になれば、なんでもできる…」





白望「じゃ、帰るね…」

じい「おう…」

じい「父ちゃん母ちゃんの代わりに、いつもすまねえな」

白望「大したことしてない…」


共働きの私の両親は、なかなか日中に病院に来ることはできなかった


白望「…次、何か持ってこようか?」

じい「・・・食べたいな」

白望「え…?」

じい「白望の作ったドーナツ…」ジュルリ

白望「ドーナツ…? 食事制限、あるんじゃないの…?」

じい「あほぅ、味も素っ気もねぇ病院食ばかりじゃあかえって早死にするわい」

白望「…分かった。 先生に聞いてOKだったら、作ってくる…」

じい「ん。楽しみにしてる…気ぃづけてけえれよ」


小さい頃の私をいろいろ世話してくれたのは、母親よりもじいちゃんが多かった
ドーナツの作り方を教えてくれたのもじいちゃんだ

じいちゃんは子どもの頃に、本職のお菓子職人さんに作り方を教わったらしい
薄力粉、卵、砂糖、バターなどを混ぜ合わせて、粘土のようにいろいろな形のドーナツを作るのは楽しかった

じいちゃんは、私とお菓子を作ったり、食べたりしながら、よく昔の話をしてくれた


じいちゃんは東京の下町生まれだが、戦争が激しくなって、12歳のときに妹たちと一緒に子どもたちだけで岩手に疎開してきたのだ
慣れない土地で最初は戸惑ったけど、遠野の人たちは温かく受け入れてくれたらしい

しかし、徐々に東京が空爆を受けるようになり、1945年3月、東京大空襲が起こった
じいちゃんは両親、つまり私のひいじいちゃんとひいばあちゃんが心配で、こっそり一人で汽車を乗り継いで東京に帰った

焼け野原を歩いて、自分の家があった場所まで辿り着いたが、家は完全に焼け落ちていた
となり近所の人たちから、両親は逃げ遅れて火だるまになって死んだことを聞かされた


お金も少なかったじいちゃんは遠野には戻らず、しばらく上野駅の構内で寝泊まりしたらしい

お金が完全に底をつき、ボロボロになったじいちゃんは街をうろついた

銀座まで歩いてきたじいちゃんは、おしゃれな洋菓子店の、窓ガラス越しに並んでいるお菓子に目を奪われた
そして気がついたら、店の中に入ってドーナツを両手につかみ、走り出していたという

当時、砂糖は非常に貴重で、子どもたちは甘いお菓子などほとんど口にできなかった
特に、まんが雑誌のキャラクターが美味しそうにほおばる“ドーナツ”にじいちゃんは憧れていたらしい
それは、“一生に一度でいいから食べてみたい”と思わせるほど魅力的な物だったそうだ


じいちゃんはその場ですぐに捕まり、店の裏に連れていかれた
警察に突き出されることを覚悟したが、店主はじいちゃんの前に皿いっぱいのドーナツを置いてこう言った


店主「食ってみろ。うめえぞ」

子どもじい「・・・!」


無我夢中でかぶりついたドーナツは、この世の物とも思えないくらい美味しかったらしい

店主「小僧、タダじゃあねえぞ…」

子どもじい「え… すみません、お金は全然持ってないんです…」

店主「知ってらあ。菓子代のかわりに、ここで働けばいい」


じいちゃんは店に泊めてもらいながら、菓子作りの手伝いをした
…そのときに、ドーナツの作り方を覚えたのだ


終戦後、店主は汽車代を出してくれ、じいちゃんは岩手に戻った

そしてそのまま東京には帰らず遠野で暮らし、結婚し、家庭をつくった


じい「…あん時、ドーナツさ手ぇ伸ばさんがったら、俺は野垂れ死んどったかもしれん」

じい「あのドーナツがなきゃ、白望、お前も生まれてこながったろうな」

白望「…」

じい「だからな… ドーナツは、俺にとって特別なお菓子なんだ…」





じいちゃんに頼まれたドーナツを作っている時、病院から電話がかかってきた
容態が急変したから来て欲しいという連絡だった



病院に行くと、じいちゃんの部屋の扉には「面会謝絶」の札がかかり、重々しい雰囲気がただよっていた

ベッドで眠るじいちゃんの顔は、この前に比べてげっそりとやつれて見えた

手を握ると、じいちゃんはうっすらと目を開けた


じい「お・・・・・白望・・・」

白望「…」

じい「・・・・ドーナツ・・・持っできてくれたか・・・」

白望「…じいちゃんの調子が悪いって聞いたから、来た。今はない…」

じい「お・・・そうか・・」

じい「・・・」

じい「戻ってきちまったみたいだな・・・」

じい「もう一回ドーナツ食わんと、ばあさんのとごには行げねぇな・・・・」

白望「…」

看護婦「小瀬川さん、元気にならないと、ドーナツは食べれませんよ」

じい「ふん・・・ そうかい・・・・」





一週間後、じいちゃんの体調は小康状態を保っていた

先生の許可もおり、私は再度ドーナツを作って持っていった


じい「おお… いい匂いだ。 美味そうだぁ…」パアアッ

じい「むぐむぐ… んん、 うめええぇーなーっ!」

じい「白望、誰に教わったんだ…? あ、俺か…」ヒヒッ

白望「…」


じいちゃんは小ぶりなドーナツを1個平らげると、手を止め、私を見た


じい「…すまねえ。のこりは、白望…お前食べてくれ…」

じい「ああ美味しかった… 幸せだ… ごちそうさま」



そう言って満足そうに笑うと、じいちゃんは静かに息を引き取った。




ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


白望(…じいちゃん、本当に美味しそうに食べてたなぁ…)


 エイ「シロー! ガンバレー!」=3

 塞「…もう無理しなくてもいいよ、シロ…」


白望「あ…」


 白望は、一口だけ残っていたドーナツを口に含み、味わいながら、飲み込んだ


白望(ん、おいしい・・・)ニコ


みさき「小瀬川選手もついにドーナツを完食です!
   いよいよ10個目のホールケーキが運ばれてきました」


チョコショート「チワーッス」ドドーン

白望(…)

白望(ごめん… 次は、ちゃんと歯を治してから、美味しくいただきます…)



白望「すみません、リタイアします」スッ



PM4:36(残り9分)


みさき「…! 小瀬川選手…、6品目ホールケーキに入ったところで、リタイアを宣言…! 
   ついに…ついに、脱落者が出てしまいました」

ザワザワ ザワザワ
ザンネンダナー
ヨオガンバッタデー
パチパチパチ


 白望は、宮守のメンバーが集まっている所に戻った

白望「…みんなごめん、応援してくれてたのに…」


胡桃「ムグムグムグムグ!」=3

豊音「やばーい! これちょーおいしいよー!!」ワシワシ

エイ「Delicious!」mogumogu 

塞「あーシロ、おつかれさま! 残念だったね」モキュモキュ

白望「…」


塞「国広さんが、ケーキとバウムクーヘン持ってきてくれたんだ。
 シロが残したの、私たちが全部食べたげるからね♪」モシャモシャ

塞「それよか、アンタ虫歯でしょ? ここの近くの歯医者予約しといたから、試合終わったらすぐ行くわよ。 保険証持ってきてるよね?」

白望「うん… ありがとう。 これからは毎日、ダルがらずに一日三回歯磨く…」

塞「うん。ちょっとでも痛くなったら歯医者行くのよ。私も気をつける」

塞「あーそれにしてもこのケーキ! もうおいしすぎるぅぅ!」キュンキューン

白望「…」フフッ



<試合開始36:02 小瀬川白望リタイア
 記録 5品目ドーナツまで(2600g)完食>




PM4:37

みさき「かなりの実力者と目されていた小瀬川選手が予想外のリタイア…。 やはり、このスイーツ勝負生半可ではありませんね」


照「ごちそうさまでしたぁ!!」カラッ

みさき「! 宮永選手! バウムクーヘンを完食です! ついにスイーツ7種3.6kgを完全制覇しました!」

みさき「最後はペースを落としてしまったものの、最初から最後まで常にトップを維持。圧倒的な強さでした!」


 淡「やったぁ!さすがテルー!」

パチパチパチパチ


みさき「残りの選手はどうでしょうか? 
   えー、まず1分ほど前に高鴨選手が、そして、つい先ほど片岡選手と獅子原選手がバウムクーヘンに入りました」

みさき「滝見選手含め、4人の選手がスイーツ完全制覇を目指して最後の砦と戦っています!」


穏乃(…さすがに、お腹キツイ…!)

穏乃(限界近い… でも、最初に食べたプリンが…なんとか腸の方に移動し始めたみたい…)サスリサスリ

穏乃(あとはこのバウムクーヘンだけ! 気合いで完食するぞぉ!)モ゙フーッ


穏乃「憧! 私の顔ビンタしてぇ!」

憧「は、はぁ?」

穏乃「気合い! 気合い注入したいんだ! 頼む!」

憧「何言ってんのよ… 嫌よ恥ずかしい」

穏乃「頼むって!」ウホーッ

灼「じゃあ、私がかわりに…」グローブスチャッ

穏乃「あ… スミマセンやっぱいいです…」カタカタ


優希(…)モフモフ

優希(お腹いっぱいじゃないのに、キモくなってきたじょ…)ムナヤケー

優希(んんん、でも! なんか! 自分に負けたくないじょ!
  絶対、完食してみせるじぇ!)カッ


 咲「あの優希ちゃんが、汗流して、辛そうな顔してる…」

 和「さすがに、疲れが出てきたんですかね…」



爽(あーやっぱもうムリ)モクモク

爽(ムーリー)モキュモキュ

爽(あーちょーキツイ、ハンパねぇーっ)ボケーッ


 成香「爽先輩の目が、死んでますぅ…」

 由暉子「目が二重になってますね」

 揺杏「二日酔いのオッサンみたいな顔してるww」

 誓子「いや、まあ、それでも今日はがんばってるわよ?
   見守ってあげましょう…(変な顔ww マジ受けるwww)」


ミキ『いつだって君は バウムクーヘンだ
   まずは小麦粉ふるいにかけて 卵入れてまぜまぜ♪』

ミキ『お砂糖はちみつバターも入れて
   オーブンでこんがり焼いたなら ほら幸せの香り♪』

ミキ『さあわたしの体食べればいいよ 人によってはシナモン嫌いで
   なんてマズいの ひどい味だって言われるけど♪』

ミキ『きっと君の力になれる だからわたしを口に入れてみて
   そう君の 君だけの食欲で♪』

ミキ『バーウムー クーヘェーン! わたしがその味を叫ぶから
   描いて 理想を!  そのおいしさ みんなにふれさせたい♪』

ミキ『バウムクーヘンの声は響く ありのままを不器用につないで
   目一杯の 幸せを あげる♪』


https://www.youtube.com/watch?v=iOFZKwv_LfA&feature=player_detailpage


ミキ「ンッ」ビクンッビビクンッ

ミキ「ピーッ… ウマレマス…」ウィーン


赤阪「さあ最後はなんやろな~ ん? なんやこれ缶づめ・・・?」


 ミキの腹から最後に出てきた物は、ぷくっとふくらんだ黄色い缶詰めだった


赤阪「なんなんやコレ…? 『SURSTROMMINGS』…? なんて読むのかいくのん分からへんで~」

赤阪「缶切り持っとらんでな~ とりあえず置いとこ」ポイッ




漫「…なんかあのロボの声… 誰かの声に似てる気すんねんけどな…?」


今日はこれで終わります
読んでくれた方、書き込みしてくれた方、ありがとうございました
続きはまた金曜か土曜から書いていきます

牌のお姉さんの春日井真深は抗ガン剤投与して入院していますが、白血病なのではないかと気になって夜も眠れません


PM4:39(残り時間6分)


「ごちそうさま…でした」テアワセー

みさき「来ました! 滝見選手もバウムクーヘン完食です!
   宮永選手に続いて、2人目の完全制覇です」

のよりん「なかなか!」プンスコ=3=3


 初美「はるるが終わりましたですよー!」

 霞「さすがね。 まったく危なげなかったわ」

 巴「まだまだ余裕ありそうですね」

 小蒔「zzzzzz…」スースー


 
 洋榎「永水が和了ったな」
 
 漫「全然苦しそうじゃないですね…」

 由子「スイーツじゃなければ絹ちゃんも負けないのよー」


その時、姫松メンバーは後ろに人の気配を感じ、振り向いた


 恭子「あ… ごめんなみんな、遅くなってもうた」スエハラー

洋榎「…恭子!? お前、今までどこ行っとったんや?」


恭子「いや… おとんが今朝事故にあって、病院行っとったんです、すみません」

洋榎「ジコ…? 大丈夫だったんか?」

恭子「鎖骨を折ってましたけど、大したことはありません。全治3週間だそうです」

由子「…どうして連絡くれなかったのよー?」

恭子「え? 連絡はしとったで。 みんな圏外になっててつながらんかったんだけど…」

洋榎「んなアホな」

 3人は自分の携帯を出してみたが、なぜか全て電源が落ちた状態になっていた

漫「あれ…? 試合が始まる時は電源入ってたけどな…??」

洋榎「…まあええわ。恭子の身に何もないのは良かった、安心したわ」

恭子「絹ちゃんの調子はどうですか」

由子「けっこう苦戦してるのよー」





衣「…」ピクッ

一「ん? 衣どうかした?」

衣「…ふえた」

一「?」


貴音(面妖な気配が増しましたね…)



ミキ「・・・」


セーラ(……やばいな)ゴクゴク

セーラ(牛乳の飲みすぎやろか? 腹の方もかなり張ってきた…)サスリサスリ

セーラ(脂汗に… 手のふるえ…)カタカタ

セーラ(体調も余計おかしくなってきたで… こんなの初めてや…)

セーラ(まだ、このチョコケーキ… やっと半分くらい食えたか…? 難敵やな…)

セーラ(花田も…絹のやつも、ケーキは完食できそうや…)チラチラ

セーラ(あかん…! このままじゃ、脱落する…)



<PM4:40 選手現在地>

⑤ドーナツ    なし

⑥ケーキ     椿野美幸 愛宕絹恵 花田煌 江口セーラ

⑦バウムクーヘン 高鴨穏乃 片岡優希 獅子原爽 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・完全完食者  宮永照 滝見春

・途中リタイア 小瀬川白望



PM4:40(残り時間5分)


みさき「時計は今4時40分を回りました。 残り5分… 選手たちにとってもっとも厳しい時間帯に入りました!」

みさき「千里山の江口選手、まだケーキがけっこう残ってますが… 手が止まり気味になってきたようですね…」

のよりん「大! ピンチ!!」プンスコ=3=3


セーラ(甘いもん苦手やっちゅーのに… ちくしょう…)モソモソ

 怜「セーラァー! お前、チョコレートは大好きやったやんかぁ!」

セーラ(…はぁ? いつの話や?)

 竜華「おかんの作るケーキもりもり食っとったがな! 思い出せぇ!」

セーラ(…あ… おかん…?)


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


~9年前、セーラ小学3年生~
 江口家台所

セーラ母「・・・」イソイソ

セーラ母「よし、デキタ!」ムフー=3

セーラ母「セーラァ、怜ちゃーん、竜華ちゃーん! ケーキ焼けたわよーっ」

   シーン

セーラ母「…あれ?」


・・・・ドダドダドダドダドダァッ

セ怜竜「うおおおおおおおおおおっっ!!」ダダダダダダダッ

セーラ母「わわわっ、階段走ったらコケるよ!」


セーラ「はあはあはあ… ケーキケーキケーキ…」ウガウガウガ

竜華「ムハッムハッ ええ匂いやあ…」ホヘーッ

怜「ハラヘリータ ハラヘリータ」ガルルルル・・・


セーラ母「そんなあわてんでも、ケーキは逃げないよ?」

竜華「おかーさん! 今回はチョコケーキですか!」

セーラ母「ガトーショコラよ」サクッサクッ

セ怜竜「おおおおおお・・・・!!!」キラキラキラ


セーラ母「はいどうぞ! お好みで生クリームつけて食べてね♪」トンッ

セーラ「おかん! 俺のケーキちょっと小さいで! 竜華ぁ! お前のでかすぎやちょっとよこせぇ!」

竜華「! セーラ… うちの間合いに入ったら… 斬るで!!」ギラリ・・・

セーラ「ぬぬ…!」ゴゴゴ・・・

怜「ふむ… あさましきあらそひよのう…」クリームヌリヌリ

セーラ母「はいはい、二人ともケンカするなら食べなくていいわよ~」


竜華「うみゃあああああああい!」キャーッ

怜「うますぎる… 発狂しそうや…!」モムモム

セーラ「ガフガフ モギュモギュ ワシワシッ」=3

セーラ母「初めて作ってみたけど、うまくいったみたいね。 よかった!」ニコニコ

怜「…おかあさん…! うちを…うちをこの家の子にして下さいっ!」ドゲザー

セーラ母「あら、うれしいわー♪ でも怜ちゃんのお母さん淋しがるんじゃないかしら?」

怜「何言うてますか… このケーキの前では、血のつながりなどなんの意味もありません…!」

セーラ母「うーん、じゃあうちにお嫁にくる?」

怜「セーラァ! 今すぐ結婚するでぇ!」ウラーッ

セーラ「ぶっ?!」ゴホゴホッ

竜華「と、とき…? よ、よく考えてや…」

アハハハハ キャッキャッ ワイワイ


~帰り道~

怜「はーあ、ええなぁ、セーラのおかんはあんな料理うまくて」テクテク

竜華「ほんまや。おまけに美人でやさしくて…」

怜「なんであんな人から、こんなガサツな人間が生まれてくるんやろなー?」

セーラ「うっさいわ。一言多いんや怜は…」

怜「はいはい、すいま千円。 また来週も呼んでや~」フリフリ

竜華「またな~。送ってくれてありがとな~」フリフリ

セーラ「おーう」フリフリ


怜たちの言う通り、おかんは見た目ほわーんとした女性らしい人で、たしかに雰囲気は俺とはかなり違った

東京生まれのお嬢様で、結婚してから大阪に来たからしゃべり方もなんか上品だった

俺は、おとんが子どもと野球とかの男の子の遊びをしたかったからと、小さい頃から男用の服を着せられていた

そんなことがなかったら、俺ももう少しおかんに似てたかもしれない

授業参観の時とか、よく友達におかんがきれいだとか若いとか言われるのは、何気に嬉しかった

回想入ると敗退フラグなんですかね


チョコレートといえば、同じ小3の時に、こんなこともあった
学校で男友達数人と大ゲンカして、おかんが呼ばれて来たときのことや


女担任「お母さん、セーラさんは… 元気がいいのは良いんですけど、カッとなると手を出すことがあるんです… 今回だけではないんですよ?」

セーラ母「…すみません」


おかんは担任やケンカ相手の親に何度も頭を下げていた
帰り道、俺はおかんに怒りをぶつけた

セーラ「おかん! なんでや! 悪いのはあいつらの方なんやで! なんでおかんが謝る必要があんねん!」

セーラ母「…おかんは、セーラが正しかったのは分かってるよ? でもな、ケガさせたら、そのことだけはキチンと謝らないといけません」

セーラ「…なんでや… 先に手を出したのはあっちやのに…」ポロポロ

セーラ母「…」

セーラ「こんなん、ゼッタイおかしい…」ポロポロポロ

セーラ母「…セーラ、ちょっと目をつぶってごらん」

セーラ「え…」ポロポロ

セーラ母「いいから…」ニコ

セーラ「ん…」ギュッ

セーラ母「…口をあけてごらん」

セーラ「…」パカッ


口の中に、おかんがそっと何かを入れてきた

わずかなほろ苦さと、ゆたかな甘み、そして独特の風味…

おかんが時々家で作ってくれていたトリュフチョコレートだった


セーラ母「…そのまま、心の中でゆっくり10数えて」


10数える間に、トリュフは舌の上で雪のように溶け、濃厚な甘い香りが鼻を抜けていった


セーラ「…」

セーラ母「ふふふ、セーラはやっぱり笑顔が一番ね」


トリュフを食べている間に涙は自然に止まり、自分でも気づかないうちに笑顔になっていた


セーラ母「たよりないおかんでごめんなぁ…」ギュッ

セーラ「…そ、そんなことあらへんで、おかん…」ギュッ


その時以来、俺はケンカで手を出すことはなくなった


>>158

ドキッ さあ… どうなんですかねえ? 回想入っても勝ち上がってる子いますよ…?


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

セーラ(おかんの作るお菓子は、本当になんでもおいしかった…)

セーラ(忘れとったなぁ、たしかに。子どもの時の、あのお菓子に飢えてた感覚…)

セーラ(お菓子でできた家に憧れとった時もあったな…)

セーラ(そうや…今まさに、お菓子たらふく食べてみたいっていう、夢がかなっとるわけやん…)

セーラ(怜、竜華、ありがとな。 俺はまだまだ食えるでぇ…)ズモモモモ・・・


セーラは、フォークについていた生クリームをグッと口でしごき取ると、ケーキに深く突き刺した


セーラ「…」モグッムグッハグッハグ…


みさき「おや、遅れていた江口選手のペースが、ここに来て上がってきたようです…
   残り時間はもう5分を切っていますが、勝負の行方は混沌としてきました!」


PM4:41(残り時間4分)


絹恵「ごちそうさまでした!」

みさき「愛宕選手、ホールケーキにだいぶ苦しめられていましたが、ついに攻略しました!
   いよいよ最後のバウムクーヘンに入ります」

絹恵(うっし…椿野さん抜いて現在6位… あとはこのバウムクーヘンをできる限りたくさん食べて、逃げ切るで…)


美幸(もぉぉぉ、気持ち悪いの引かないよぉぉ! みんなどんどん私のこと抜いてく…
  ヤバイヤバイよマジで…)

 友香「せんぱい! あともうひとふんばりなんでぇーっ!」

 澄子「後ろからまだ来てますよぉ!」

美幸(分かってるよぉ… でも、あせるなあせるな私… ここはクールになるのだ… 苦しいのは他の人も同じ…!
  根性じゃ負けないわよぉぉ!)ゴオオオオッ


洋榎「…なんとかなりそうやな、絹…」

恭子「いや、まだ油断はできませんよ…」


 その時、姫松メンバーの後ろを誰かが通りかかった


?「…あれ? 末原さん?」

恭子「…あ、宮永…」

咲「良かった。来れたんですね。今日ずっと見当たらなかったから、気になってたんです」

恭子「ああ…ありがとな。 ちょっと急用があって遅くなってしもうたんや」

咲「そうでしたか…   …あれ?」

恭子「…ん? どうかしたか宮永」

咲「あ・・・ いや…なんでもないです」

恭子「…」


咲(…なんだろう、この違和感…)


PM4:42(残り時間3分)


みさき「さあ、残り3分を切りました! 現在… 宮永・滝見選手が完食… そして、高鴨・片岡・獅子原の3選手はもうほぼ… ほぼ安全圏と言っていいでしょう。バウムクーヘンを半分以上食べています。
   しかし残りの当落ラインにいる選手たちが団子状態になっていますね。最後まで勝敗がもつれそうです!」


煌「ごちそ…うさまです」

みさき「花田選手! ホールケーキを抜けてきました! えー彼女が現在7位ですね。
   このままいくと、椿野選手と江口選手が脱落となります!」

煌(食、食べれた・・・)ハアハアハア

今日はここまでにします…
また明日続き書いてきます
書き込みあざした

それにしても…
130局でちゃちゃのん(高2)キターーーーー!!!!!
有珠山の過去が掘り下げられてるのもいいですね


爽「なんかあたしの株上がってね?」

誓子「いえいえ、私の可愛らしさがですね…」

由暉子「そういう事言ってるとネタバレになるんじゃないですか?」


そして、9/25に13巻発売決定…
その頃、このSSは多分準決勝やってると思います
遅筆スミマセン…


煌「…」ピタ

みさき「…おや、しかし花田選手バウムクーヘンに入ったところで…手が止まってしまったようですね」


 姫子「…花田ぁ! 今7位やぞ! がんばれ!」

 哩「…なんか様子が変だな、花田のやつ… 表情が、しんどいちゅうよりトローンとしてきてるぞ」

 憩「花田さんも、高血糖の症状が出てきてしまったようですねぇ」ズイッ

 哩「わっ! なんや、荒川…?」

 憩「多分花田さんは今、猛烈な眠気に襲われているんだと思いますよ」

 仁美「? 寝不足か?」チューッ

 憩「いえ、それもあるかもですけどぉ… 甘い物をたくさん食べると急激に血糖値が上がり、それを下げるために大量のインスリンが分泌されるんです」

 姫子「エイスリン?」 

 哩「宮守の次鋒か…」 

 憩「“インスリン”です。このインスリンは別名“休息ホルモン”と呼ばれていて、眠気を誘発しちゃうんですね。
  かなり個人差がありますけど、その時のコンディションによっては、昏睡状態になるほどの眠気に襲われることもありますよ」

 美子「睡眠薬を飲まされながら食べてるような状況ってことですね…」

 憩「そうやー。意識が朦朧としてくるくらいになると…食べ続けるのは困難やで…」



PM4:43(残り2分)

美幸「ごちそうさまです!」

みさき「椿野選手も… 途中から大変苦しめられていましたが、ついにホールケーキを完食です!
   いったん花田選手に抜かれていましたが、再び並びましたね」


 友莉澄梢「「みーゆーき! みーゆーき!」」


みさき「劔谷サイドからは美幸コールが湧き起こり始めました。そして、江口選手も必死の追い上げを見せています!」

セーラ(むう、う…)ムグムグムグ

みさき「しかし花田選手は… バウムクーヘンに入ってはいますが、手は止まったままです」


 和「…花田先輩! もう少しですよぉ!」

 仁美「花田ぁ! ピンチの演出はいらんぞ! サクッと勝ってまえぇ!」


煌(…)


穏乃「ご ち そ う さ ま でしたぁ!」ハアハア

みさき「高鴨選手もついにバウムクーヘンを完食です。スイーツ7種全てをその小さな体に収めました!」

 宥「すごおい! 3番目だよ穏乃ちゃん!」

 憧「うん、今日はけっこう順調だったわね」ホッ


みさき「長かったスイーツ勝負もいよいよ佳境です!
   残された当落ラインの選手たちの闘いが熾烈さを増してきました!」

ミーユーキー! ミーユーキー!
セーラーァ! モウジカンアラヘンゾーッ!
ハナダァ! ガンバレエェ!
ハナダセンパーイ!


煌(…せっかくの応援の声が… 何かエコーがかかったようで、よく聞こえませんね… すばらくない…)ボーッ

煌(お腹はパンパン… 胸焼けに手の震え…
 それに、やたら眠い…)ウツラウツラ

煌(最後はバウムクーヘンですか…)

煌(…焼き立てはおいしいんですよね…
 お母さんのお見舞いに、持って行った時のことを思い出しますね…)


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


~1ヶ月前、福岡市内の病院~


煌「…お母さん、お加減はいかがですか?」

煌母「…」

煌「お母さん?」

煌母「…ふふ」

煌「どうしました?」

煌母「いえ 何だかおかしくてね…」

煌「?」

煌母「前の花がしおれてきたな…と思ったら、いつもそうやって顔を出すんだもの」

煌「…しおれる前に、来ないとですね、すみません」ハナカエル

煌母「ちがうわ。いいタイミングだってほめてるのよ」

煌「…めずらしいですね、お母さんが私をほめるなんて…」

煌母「…座ったら?」

煌「はい」スッ


煌(お母さんは、私の本当の母親ではありません)

実の母親は、私がまだ幼い頃に、海外で事故に遭い亡くなったのです

今のお母さんは、私が10歳の時に父が再婚した人です

私はすぐに彼女を「お母さん」と呼び、新しい家族を歓迎しましたが、彼女は…お母さんは、私とはいつも一定の距離を取って接しているように見えました

まだ若い人でしたが、御自分に子どもができないことをとても悩んでいました

不妊治療を繰り返していましたが、なかなか子宝には恵まれませんでした

その事のストレスもあってか、お母さんは私に辛く当たってしまうことがあったようです


私が高校1年生だった冬に、お母さんはうつ病と拒食症を病み、精神病棟に入院してしまいました

それから、何度か入退院を繰り返していましたが、家にいることはほとんどありませんでした

初めのうちは、私がお見舞いに行くと嫌がったり怒ったりすることがありましたが、最近は治療の効果もあってか、だいぶ落ち着いてきた様子でした


煌母「…インターハイ、残念だったわね」

煌「見て下さったのですか?」

煌母「そこのテレビでね」

煌「お恥ずかしいところを見せちゃいましたね…」

煌母「そんなことないわ。準決勝…果敢に闘い続けたあなたは、とても素晴らしかったわ」

煌母「良い友達とライバルに囲まれたあなたがうらやましいな…」

煌「…」


煌母「来年も出るんでしょう?」

煌「もちろんです。来年こそは優勝してみせますよ」

煌母「次は、会場へ応援に行きたいわね」

煌「…本当ですか?」

煌母「…そんなびっくりしなくてもいいじゃない」

煌「すばらです。お母さんが応援に来て下されば、普段の2倍は力が出ますよ!」

煌母「ふふ…  ・・・煌さん、それは…?」

煌「あ、これ…」ガサガサ

煌「洋菓子店で買ってきた、焼きたてのバウムクーヘンですよ」ホワア

煌母「わあ、いい匂いねえ… すごい、キラキラ輝いてる…」ゴクリ

煌「召し上がれそうですか?」

煌母「いただくわ。切ってくれる?」


私は、病室に備え付けの食器でバウムクーヘンを切り分け、お母さんに手渡した

煌母「…」ムグムグ

煌「いかがですか?」

煌母「…おいしい」ポロポロ

煌「・・・感動するほどの味でしたか?」

煌母「…ふふ そうね、それもあるけど…」

お母さんはゆっくり右手を伸ばし、私のほおをなぜた

煌「…お母さん?」

煌母「…ずっと、あなたをこうしてなでてあげることもしなかった」

煌「…」

煌母「ひどい母親だったわ… ごめんなさいね」ギュッ

煌「お母さん…」

煌母「あなたのことを、考えてあげる余裕がなかったの」

煌母「それどころか… あなたは、あまりにもしっかりした子だったから、それに嫉妬すらした…」

煌「…」

煌母「どう接していいか分からなかった… もし抱きしめたら、お菓子みたいに、溶けてなくなってしまうような、気がしてた…」

煌「…」

煌「…それを聞いて、安心しました」ギュッ

煌母「…え?」

煌「私を溶かすほどの愛情が、お母さんの中には、あったんですね…」


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


?「・・・ラメ・・」

煌(…)

?「…煌……さい」

煌(…?)

?「煌! 起きなさい!」

煌「!?」ハッ


みさき「さあ、残り時間はあと1分になろうとしています! 完食者はまだわずかに3人!
   誰が、脱落してしまうことになるのでしょうか?」

ザワザワ ガヤガヤ

煌(夢・・・でしょうか?)

煌(…誰かに、呼ばれたような気がしましたが…)

みさき「新道寺花田選手! 現在8位のまま、手が動きません! ついに万事休すか?」

ハナダー ダイジョウブカー
マダオイツケルゾー! タベロー!

煌(いけない! 食べなくては…)バッ

煌(私を呼んでいたあの声… 聞き覚えがある…)ムグムグッ

煌(何か懐かしい声… もしかして… いや、そんなまさか…)ムグムグムグッ


PM4:44(残り1分)

セーラ「ごちそうさま…やぁ!」

みさき「千里山江口セーラ選手、バウムクーヘンまで来ました! しかし残り時間は1分を切っています! これはもう…厳しいでしょうか?」

のよりん「さあ! どうする! どーする!」プンスコ=3=3


セーラ(…あかん…)

セーラ(精一杯食ってきたけど、もう体が鉛のようや…)

セーラ(…負け…る?)

セーラ(ちくしょう・・・・)ウウウウウ・・・


セーラ「・・・ア゙゙ァァ―――――ッッッ!!」


みさき「!? 江口選手、吼えました…!」

セーラ「…」モグッアグッムグムグ・・


みさき「江口選手、何かを振り払うかのように咆哮! そして、最後のバウムクーヘンに挑み始めました! まだあきらめていません!」

のよりん「アドレナリン!」プンスコリン=3=3



絹恵(み、みんな…どのくらい食べてるんや…? うちは、もう安全圏やろか…?)キョロキョロ

美幸「…」モフモフモフ

煌「…」ムグムグッモグッ

セーラ「…」モグッムグッングング・・・

ガンバレー!
ラストスパートヤー!
センパイマダウシロカラキテルンデー!
ザワザ ザワザワザワ

みさき「…すさまじいデッドヒートです…! 場内は騒然としてきました! これは…計量勝負になるかもしれません!」


はやり「愛宕さん、モタモタしてると巻き込まれるかもよっこれ☆」

絹恵(ほんまや、何が起こるか分からん… 最後まで食べな…)ムグムグ



 淡「…テルー 私ちょっとトイレ行ってくるねっ」スッ

 照「ん? ああ… 行ってらっしゃい」モグモグモグ


ミキ「…」スッ


この時、誰もが競技に気を取られていたため、淡の後をミキがついていったことに気がつかなかった


優希「・・・ごちそうさまだじえええ!!」

みさき「清澄片岡選手もついに全てを完食! しかし当落ラインの選手たちの闘いから目を離せません!」

みさき「時間は残り30秒を切りました! 椿野選手がまだリードをしていますが…花田選手と江口選手が追い上げています!」


優希「だ、だれもあたしのこと見てないじぇ・・・」


モムモム ワシワシ
 モッグモッグ ムグモッシュムギュムギュ
バフッマムッ モシャモシャモフモフッ

みさき「残り20秒…! まだ、5人の少女たちが、必死に食べ進めています。 凄まじい女の意地の闘いです!」

みさき「全員…その表情はとても苦しそうですが、恐ろしいほど真剣な目です…! 一体、何が彼女たちをここまで駆り立てるのでしょうか…? 自らの持てる力、全てをかけて闘っています!」

はやり「最後、口の中に入ってればOKだからね! ガンバレーッ!」

みさき「死闘にふさわしい結末となりそうです! 残り、10秒ぉぉ!!」

ラストヤアアアア・・!
イケエエエエエエ・・・・!
マケンナアア・・・!

みさき「太鼓の音がしたらすぐに手を止めてくださいよぉ! カウントダウンいきます!」


みさき「5・4・3・2・1・!」


タイコ「ドンドンド―――――ン!!」



みさき「終了です!」



PM4:45


みさき「終了です! 全員手を止めてください!」

ザワザワ ザワザワ
ヨクガンバッター!
スゴイゾー!
パチパチパチパチパチ

みさき「残量の確認をします! そのまま待機してください! 瑞原プロお願いします」

はやり「ふんふんふん… 獅子原さんと…愛宕さんは通過だねっ! バウムクーヘン半分より多く食べてる。 おめでとう!」

爽「ふう…」ホッ

絹恵「…よし…」グッ

はやり「あとは… んんんっ 残念! 江口さんは…これは、脱落だね…」

セーラ「…!」


 怜「ここまでかいな… なんつーレベルの大会なんや…」シュン

 竜華「いや、セーラはようがんばったで…」ヨシヨシ


はやり「あと、これは… うん、目では判断できないね… 量りの用意お願いっ!」

みさき「当落ラインの椿野選手と花田選手、残量がほぼ一緒です。 今大会初めての計量勝負となります!」

ワイワイ
ガヤガヤ・・・


PM4:46
国際ホテルIPS内 トイレ


ジャーッ

淡「ふーっ スッキリした」ガチャッ

淡「残りの人たちは誰が勝ち上がったかなー…」ジャバジャバ

淡「…♪」テトテト

淡「え!?」


淡は、トイレを出たところで顔をこわばらせて立ちすくんだ

目の前に、一人の少女が無言で立っていたのである


ミキ「…」

淡「あんた… ロボットの…」

ミキ「…」

淡「何…? 私に何か用…?」

ミキ「オオホシ…アワイ…」スチャ・・・

淡「!?」


ミキは、淡に向かって右手を突き出した
その手には、サイレンサーのついた拳銃が握られていた


淡「え!? はぁ? な、なに…?」

ミキ「…」グッ

淡「ちょっ まっ」


     ボシュッ


淡「あっ」


淡は左肩に衝撃を受け、その場に倒れこんだ


淡「う…!」

ミキ「…」スタスタ

淡(な、なんなの! こいつ…!)キッ


ミキは、淡のすぐ前まで歩いてくると、血の通っていない青い目で淡を見下ろした


淡(か、体が、しびれて、動かな…)

ミキ「…」スウッ

淡(やだっ! 誰かっ助けて…! テルー!!)ギュッ



  「ジャンボ・コーク・スクリュ―――ッッ!!」ズゴアアアッ


ミキ「!」ブワッ ビターンッ


コークスクリューを横っ腹に受けたミキは5mほど吹っ飛び、床に叩きつけられた


照「…」シュウウウウウウウ・・・

すみません、今日はここまでにします…
なかなか予定通り進まず申し訳ありません
キリが悪いので、明日キリの良いところまで続き書きます


照「淡! 大丈夫か…?」タタッ

淡「」パクパク(えーんテルー怖かったよー!)

照「淡…?」

淡「」パクパクパク(え? なんか声が出ないよ!)

照「ケガしてない? 撃たれたのか?」

淡(…そう、さっき私は肩を撃たれた…)

淡(でも、そんなに痛くはない… その代わり、全身がしびれてしゃべれない…)

淡(これは、麻酔銃…?)


ミキ「…」ムクリ

ミキ「…」スタスタスタ

淡「!」

淡「」パクパクパク(テルー! あいつが!また来るよ!)

照「…大丈夫、分かってるよ…」スッ

照「ロボットさん、どんな理由があるのか知らないけど…
 私の淡に指一本でもふれたら…ゆるさないよ!」ギラッ

淡(え! え? 今『私の淡』って言った?/// ってか、なんでテルーが強そうなの? どうしちゃったの?)


ミキ「…」

照「私がコークスクリューだけの女だと思ったら、大間違いだよ…」ゴゴゴ

照「昨日『燃えよドラゴン』のDVD観たんだ。 誰か蹴ってみたいなーって思ってたとこなんだよね」コキッコキッ


淡(厨二病ぉぉぉぉ!?)

淡(いや、これ、ドラゴンボール見て『今日は出せそうな気がする』って真剣にかめはめ波出そうとする小学生だ…)

照「…」スッ

照「コオオオオオオオッ!」スウウウウウ・・・

淡(あれは、息吹き…?)

照「かかって来なよぉ! ガラクタさん!」カマエー

淡(わ、わりとサマになってる…)


ミキ「…」ススススー・・・

淡「!?」

淡(分身して4人になった! あれは…天津飯の四身の拳!)


4人のミキは、照をグルッと取り囲んだ


照「…」


競技もう終わってるのに、場外乱闘、勃発…!


    ミキB

 ミキA ←照 ミキC

    ミキD


初めに、真後ろにいたミキCが前傾姿勢になりながらゆらりと前に出た・・・

照「フッ!」 
と思ったら、照が後ろを振り返りながら右に体を開き、足刀をミキCの踏み出した足首にめりこませていた

「ダッ!」
間髪置かず、照の右裏拳がミキCの顔面に炸裂、ミキCは糸の切れた操り人形のように崩れ落ちる

「…!」
しかしミキCが崩れ落ちる瞬間、今度は照の左側にいたミキDが右手を大きく振りかぶり、照の後頭部目がけてチョッパーブローを振り下ろしていた
…そしてそれと全く同時に、照の右側にいたミキBが右拳を脇の下まで引き、ガラ空きの照のみぞおち目がけて正拳中段突きを放とうとしていた

(間違いなく、死ぬ…)
あの同時攻撃を喰らったら、もはや立てまい…
ケーキとバウムクーヘンその他もろもろを吐き出して悶絶することになる…
淡がそう思った直後

「じゃっっ!」
照の、前に倒れ込むような頭突きがミキBの鼻を直撃した
そして、後ろのチョッパーブローは照の背中をかすめ、そのままミキDは前につんのめるように体勢を崩した

「ウッ…!」
頭突きを受けたミキBはもんどり打って尻もちをつく
その尻が床につく前に、照は後ろにのけぞりながら大きくジャンプしていた

「ふぁ…」
声が出ないはずの淡の口から吐息のような音がもれた
ジャンプをした次の瞬間には、照の足は天井を向いていたのだ

淡(あ…! 照のパンツ、ピンクのしましま…///)



「つぇりあぁぁ!!」

甲高いシャウトが空気を切り裂き、オーバーヘッドキックの体勢の照の右脚は、ミキDの脳天を打ちおろしていた

「ガッ…」
ミキDは勢いよく顔面から床にダイブ
ミキCとミキBは崩れ落ちたままピクリとも動かない

 スタッ
照はそのまま見事に宙返りを決め、着地をした
(あと、一人…)
そう思った時に、わずかの油断が生じたのだろう

照は、ここまでの流れるような連撃を一瞬ストップし、最後のミキAを視認しようと顔を上げた

しかし、その時見えたものは、床に両手をついているミキCの背中と、左側から弧を描いて流れるように迫ってくるかかとだった


水面蹴りである…!


「つぇりあぁぁ!!」

甲高いシャウトが空気を切り裂き、オーバーヘッドキックの体勢の照の右脚は、ミキDの脳天を打ちおろしていた

「ガッ…」
ミキDは勢いよく顔面から床にダイブ
ミキCとミキBは崩れ落ちたままピクリとも動かない

 スタッ
照はそのまま見事に宙返りを決め、着地をした
(あと、一人…)
そう思った時に、わずかの油断が生じたのだろう

照は、ここまでの流れるような連撃を一瞬ストップし、最後のミキAを視認しようと顔を上げた

しかし、その時見えたものは、床に両手をついているミキAの背中と、左側から弧を描いて流れるように迫ってくるかかとだった


水面蹴りである…!


(よけれない…!)
そう思った時にはもう、照は両足を刈り取られて宙に浮いていた

(受身…!)
照は着地をしようと焦って左手を下に突き出した
しかしそれがいけなかった

床に不用意に手を着いた瞬間、ゴキッと嫌な音がした

(うっつ…っ!)
照は受身に失敗し、左肩と側頭部をしこたま床に打ちつけた

淡「」パクパク(テル! 上! あぶない!)

  ダアンッ!

(くぅ…)ゴロゴロゴロ
ミキAのかかと落としを間一髪で転がってかわし、距離を取って立ち上がる


左手「ズキズキズキ」

照(まずい…骨が折れたか…?)

ミキA「シュッ」
ミキAの追い込みの鉤突きを頭を下げて必死にかいくぐる
しかし、そこで目の前に現れた物は、ミキAのヒザだった

  ボゴォッ

「グ…!」
たたらをふみながらも、なんとか踏みとどまる


そこへ、ミキAが体を大きく開いて左脚をぐっと踏み込んできた

 上段廻し蹴り…!

これを喰らっては、せっかく食べたプリンを吐き出してしまうかもしれない…
刹那にそう思考を巡らせた照は、意を決して、上半身を横に倒し、体をひねりながら跳び上がった

 胴廻し回転蹴り…!


2つの蹴りが、空中で交差した・・・・






照「ハアッハアッハアッ…!」ハナジタラー

淡「」パクパク(テル!テル!大丈夫?)

ミキA「」チーン

淡「」パクパク(ごめんテルー こんなケガさせて…)エーン

照「…私は大丈夫だよ、淡… 照魔鏡で動きは読んでたのに、手こずっちゃった…」

照「早く、みんなのとこに戻ろう…」


その時であった…


ミキたち「」スススススス・・・

淡(あれ、のびてたロボットたちが1つに合わさって…?)

ミキ「」ピカーッ

照「うっ…」ギュッ

淡(まぶしい…!)


一瞬強く光り、そのあとに現れたのは…


ズタボロになって倒れている 末原恭子 その人だった



恭子「メゲるわ…」ボロッ


あんましキリ良くないかもですがここでいったん終わります
今週末にはこの2回戦編は終了させたいです
読んでくれた方、書き込みしてくれた方ありがとうございました


PM4:47
 トイレ前


「メゲるわ…」


照「!?」

照(この人は… 姫松の大将?)

淡(決勝で闘った末原さん…? な、なに? どうなってんのこれ?)


恭子「うぅ…」

恭子(全身が痛い…)ボロッ

恭子(なんなんやこれは… 私は何をしてたんや…?)

恭子(たしか、代行の車に乗って… そんで…)ヨロヨロ


恭子は、よろめきながらも立ち上がった


恭子「イテテ… ん? チャンピオンに、お、大星…///? あんたら、何しとるんや?」

照「…末原さん、何も覚えてないの?」

恭子「なんか記憶が飛んでんねん… ここはどこなんや一体…?」キョロキョロ


その時、照はうしろ首筋にチクッとした痛みを感じた


照(いつっ…)

照(あれ、目の前が真っ暗に…?)

照(なに、こ、れ…)バタン


赤阪「…」

恭子「だ、代行…!?」

赤阪「いかんなあ末原ちゃん、気がついてまったか… こりゃリセットせなあかんなぁ…」ヒヒヒヒヒ


PM4:47(同時刻)
 百合猫の城店内


みさき「さあ、量りの準備ができました。これより計量勝負を始めます!」


煌「…」

美幸「…」

ザワザワザワザワ
ドッチガカツンヤー?
ホトンドオンナジデスネ


 姫子(…たのむばい! どうか…花田! 勝っていてくれ!)イノリー

 和(花田先輩…)ハラハラ

 友香(大丈夫…! 接戦なら、先輩は負けないんでー!)フンス

 莉子(うう… 心臓に悪い…)ドキドキ


みさき「それでは、まず新道寺の花田選手が残した量を量らさせていただきます」

みさき「…」ハカリー

みさき「さあ、量りの数値が落ち着きましたでしょうか…」

みさき「ひゃく、ななじゅう、ろくグラム…。 花田選手、残量は176gです」

みさき「バウムクーヘンは350gでしたから、174g、つまりほぼ半分の量を食べ切っていることになります」

煌「…」

みさき「では、続いて、劔谷の椿野選手の残した量を量らさせていただきます」

みさき「…この量が、176gよりも多ければ、花田選手の勝ち。 176gよりも少なければ、椿野選手の勝ちとなります」


一同「・・・・」ゴクリ


みさき「では…」ハカリー

みさき「…」

みさき「ええ、これは… ひゃく、ななじゅう…」


みさき「ひゃく、ななじゅう…、  いち! 」


みさき「椿野選手の残量は171g! つまり食した量は179g! 花田選手よりわずか5g、多く食べていました!」

みさき「劔谷椿野美幸選手、3回戦進出決定です!」


美幸「…や、やった…!」

煌「う…」

 友香「いやったぁーーっっ! 美幸せんぱあーーーいっ!!」

 莉子「・・・」ホウシン

 姫子「くっ… 花田ぁ…」ポロポロポロ

 和「…素晴ら、しい、闘いでした…!」パチパチパチ


ウオオオオ・・・
ダイセッセンジャ
イイショウブダッタヨー
ホントヨオガンバッタデー!
パチパチパチパチパチパチ



貴音(…変ですね…)ピクリ

貴音(何やら店の外に、面妖な気配が満ち満ちているのを感じます…)

貴音(ちょっと様子を見に行ってみますか…)スッ



≪2回戦 『レジェンドスイーツ7種勝負』 最終結果≫

 ◎3回戦進出決定者

①宮永照  全完食(37分11秒)

②滝見春  全完食(39分05秒)

③高鴨穏乃 全完食(43分22秒)

④片岡優希 全完食(44分39秒)

⑤獅子原爽 7品目残り2口程度(記録3550g)

⑥愛宕絹恵 7品目約3/4まで(記録3510g)

⑦椿野美幸 7品目約1/2まで(記録3429g)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ●脱落者

⑧花田煌  7品目約1/2まで(記録3424g)

⑨江口セーラ 7品目約1/3まで(記録3370g)

⑩小瀬川白望 5品目まで完食(途中リタイア・記録2600g)



PM4:48
 トイレ前


恭子「代行! 何してるんや!」

赤阪「ふんふん~♪」プスッ


赤阪は座り込んでいた淡の首筋にも注射をし、淡は眠るように床にうずくまってしまった


恭子「やめんかい!!」ブンッ

赤阪「末原ちゃぁんにはこっちのお注射がええかな~」ヒョイッ プスッ

恭子「うっ!?」

 
赤阪はパンチをよけると、恭子の首筋にも注射を射した


恭子(…しまった、体が動かん…)プルプル

恭子「代行… あんた… うちを だましたんやな…」

赤阪「…」

恭子「一体… 何を… する つもり、や…」

赤阪「末原ちゃんはなぁ、いくのんのペットになるんやで~」

恭子「なんや て…?」

赤阪「てか、もうなっとったんやけどな~ 不具合が生じて元に戻ってしまったみたいや…」

恭子「…?」

赤阪「末原ちゃんがいかんのやで… いくのんの気持ちに気づいとりながら、無視を続けるから…」

赤阪「しかも、あんなドロボウ猫に夢中になるなんてなぁ・・・」チラリ→淡

恭子「・・・!?」

赤阪「私はな、末原ちゃんを誰かに取られるくらいなら…」

赤阪「力ずくで自分のものにすることに決めたんや…」ニタアアア



ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

~1ヶ月前、9月~
姫松高校麻雀部部室


放課後…部員が集まり始まる少し前、窓際で一人たそがれる末原恭子の姿があった


恭子「・・・」ボーッ


洋榎「恭子ぉ! どないしたんやボーッとして!」バンッ

恭子「わっ! 主将、いきなり驚かせんで下さい…」

洋榎「だーかーら! うちはもう主将じゃない! 新主将は漫やで」

恭子「まだ1.2年生は来とらんのだしいいじゃないですか… なかなか慣れんのですよ、名前呼びは…」

洋榎「…お前、受験のほうは大丈夫なんか?」

恭子「ほぼ推薦決まってますんで問題ありません」ハア・・・

洋榎「…」






洋榎「…というわけで緊急会議やで」

由子「何事なのよー」

洋榎「恭子のことや恭子!」

絹恵「うん、インターハイ終わってから、一人でたそがれてること多いよね…」

漫「団体の決勝で負けたのがショックだったのかと思うてましたけど…」

洋榎「うちも最初そう思っとったけど、違うであれは」

絹恵「うん、やっぱりあれは…」


「「「「恋の病…?」」」」


洋榎「恭子にもついに春がきたっちゅうことか…」トオイメ

漫「だとしたら、相手は誰なんでしょう…」

洋榎「それ重要や! 聞き出さないかんで!」





洋榎「…というわけや恭子、白状せい」

恭子「う…」

由子「相手は誰なのよー」

絹恵「水くさいですよ末原先輩、私たちに話さないなんて…」

恭子「ほ、ほかの部員には言うたらあかんで…?」

漫「はいはいはいはい」

恭子「んと、実はな、白糸台の…」

洋榎「白糸台?」

恭子「お、大星、淡、ちゃん…///」ポッ


絹恵「は?」

洋榎「ふぇ?」

由子「のよ?」

漫「マジか」



赤阪「・・・・・」ギリギリギリギリ←物陰から


インターハイ団体決勝大将戦、そこで恭子は初めて淡に出会った

初めは、淡のオカルトバリバリの麻雀に恐怖を覚えたが…

試合が終わった時、その恐怖はなぜか恋心へと転化していたのである

そして、夏が終わり日がたつにつれて、その恋心は恭子の心の中でしぼむどころかふくらんでいったのである…


恭子「ふう、淡たんの、ぷにぷにほっぺ…」ハア・・・






姫松高校近くの小さな居酒屋


赤阪「う、う、う… 末原ちゃぁんのいけずぅ…」ヒトリザケー

赤阪「いくのんのアタックは、どうしても、通じひんのか…?」グビグビ

赤阪「あんな、クソジャリのどこがいいんじゃい…」ポロポロ

その時、赤阪に近づく妖しい影…

?「赤阪さん、恋のお悩みですね…」スッ

赤阪「? あんたは…」

?「私なら、赤阪さんの役に立てると思うんですけどね…」フフフ

赤阪「…あんたの言うことは分かるで…」

赤阪「パンドラの箱を開けるしかないっちゅうことやんな…?」

?「いや、パンドラの箱ではなく、人類の希望の箱ですよ赤阪さん…」クックックッ


今日はここまでっす

また明日続き書くっす

この後、500レスくらい「サスペンス劇場in姫松」が続くっす



・・・ウソっす

3回戦では、私も先輩たちと一緒に登場するっす

ステルス食いの真髄をお見せしちゃうっすよ!


ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

PM4:49
 トイレ前

恭子「私を、ペットに、やて…?」

赤阪「イヒヒッそうや~ いくのんはなぁ、ある人に頼んで、末原ちゃんをちょっと改造してもらうことにしたんや」

赤阪「言う事聞いてくれへんのなら、聞くように頭ん中も改造させてもらおうっちゅうわけや…」

恭子「…狂っと…る…」

赤阪「イヒヒ! 最近、家庭にも普及し始めた三次元ボーカロイド… 末原ちゃんをそれに改造すれば、家に堂々と置いとっても、連れ回しても誰にも怪しまれることはあらへん…」

赤阪「時々家で、末原ちゃぁんの姿に戻していつでもお楽しみできるってわけや…」ウヒヒヒヒ

恭子「…私が…いなくなったら… さわぎに、なるはず、や…」

赤阪「それは心配せんでええで~ 今、みんなとは、別のニセ末原ちゃんが一緒におるでな~」

赤阪「ゼッタイにニセ者とバレることはない、完璧なニセ末原ちゃんや…」

赤阪「末原ちゃんは安心して、いくのんとラブラブな生活を送ればええんやで~」


恭子「ド畜生が…! …大星と チャンピオンは…どうする…つもり や…!」

赤阪「2人は、そのある人に引き渡しさせてもらうで~」

赤阪「本当は大星一人で良かったんやけどな… まあもう一人増えたのは、想定外やけどラッキーやで~」ニタニタ

恭子「ある…人って、誰…なんや…」

赤阪「イヒヒヒヒ… いくのんの古い知り合いでな~ 完全な改造ジャンキーのオバハンやで~」

赤阪「今回は、大星を提供するという条件で、末原ちゃんの改造を頼んだんや~」

赤阪「大星もチャンピオンも、そのオバハンの改造の実験台になるわけや…」

赤阪「…そろそろ、ここに姿を見せてくれる手はずになっとるで~」


恭子(…このオバン! イカレた人とは思っとったけど、まさかここまでとは…)

恭子(まずいでまずいで…! うちはともかく、大星やチャンピオンはなんとしても守らな…!)

恭子(くっそ… しかし… どうしても体が動かへん…!)ググッ


赤阪「ちょっとしゃべり過ぎてもうたな~ ほんじゃあ、末原ちゃんも眠ってもらおうかいな~」チャキッ


赤阪は注射器をかまえた


恭子(くっ… すまない! チャンピオン! 大星ぃ!)ギュッ



赤阪が、恭子の首筋に注射針を射そうとした、その時・・・!



「おやめなさい!」


凛とした声とともに、赤阪の頭の横を何かが高速で通り過ぎ、トイレの壁に突き刺さってビンビンと震えた

赤阪が振り返ると、そこには貴音と、弓をかまえた菫が立っていた


菫「…今のは威嚇だ。 末原から離れろ。 今度は当てるぞ!」

菫は第二矢をかまえる

赤阪「はあん・・・ クソジャリどもが… 笑わせる! このいくのんと闘り合おうってか…?」ズゴゴゴゴゴゴ・・・


菫(くっ…!)

貴音(す、すさまじいオーラ…!)


霞「赤阪さん… 何をしているのですか・・・?」スッ

赤阪「! 霞…!」

霞「おイタが過ぎたようですね… 抵抗せずにおナワにつきなさい」


咲オールスターズ「…」ズラーリ


チャンピオントオオホシサンガタオレテルヨ・・・
アカサカナニヤッタンヤア!
カンネンシロオ!


赤阪(くそ、しくじった…!)

赤阪(これはもう、いったん引き上げるしかないで…)

赤阪(あの改造オバハンが来とれば楽に逃げられるんやけど、ここは自力で逃げるしかない…)

赤阪(末原ちゃんはまたスキを見て、後日さらうとするかいな…!)ダッ!


赤阪は意を決して脱兎のごとく走り出した


竜華「あかん! 逃げるであのオバン!」

霞「大丈夫よ。ここは小蒔ちゃんにまかせましょう」

霞「さあ出番よ! ダッシュであのイカレBBAをつかまえるのです!」ポンッ


霞が、立ちながら寝ていた小蒔の背中を軽くたたく

すると、信じられない猛スピードで小蒔は走り始めた


小蒔「シタタタタタタタタタタタタタタッ」バインバインバインバイン


憧「・・・神代小蒔がメッチャ走ってる…!」

玄「お、おもちの揺れ方がものすごいですのだ!」

豊音「神代さんちょー速いよー! 行けー!」

塞「な、何が起こってるの?一体…」

霞「小蒔ちゃんにはウサイン・ボルトの霊を降ろしたわ」

怜「はあ? いつ死んだんやボルトって」

霞「私ほどになると、生きている人の霊も降ろせるんです」フフフ


小蒔はあっという間に赤阪にせまっていく…


洋榎「よっしゃ! ええで神代! そこでタックルや!」


しかし・・・


小蒔「あ」ズリッ

小蒔「」スッテーンッ ドンガラガッシャァーンッッ! ゴロゴロドッカーン!!


はかまのすそを踏んでしまい、ものすごい勢いで転んで、3回ほど回転して壁に激突した



初美「あらー… 痛そうですねえー…」


赤阪は、階段の手前まで走ってきた

階段をおりれば、すぐホテルの出口である…

しかし、そこに立ちふさがる、メイド服姿の少女が、3人・・・!


衣「止まれ! 気形の者よ!」カッ


衣が叫び、その小さな体がわずかに発光した…!


    パリーンッッ


赤阪の真上の蛍光灯が粉々に割れ、頭上にふりかかる


赤阪「ふん」ゴオッ!


しかし、赤阪がオーラを少し強めると、ガラスは弾き飛ばされてしまった


一「赤阪さん! ちょっとケガしてもらうよ!」ヒュンヒュン


間髪置かず、一が手品用の投げナイフを赤阪の脚目がけて投げつける…!


赤阪「なんや、このオモチャ」ヒョイッ


しかし赤阪は跳躍して簡単にナイフをよけ、階段にさしかかった


貴音「仕方ありません… 抵抗を続けるなら、これを使わせて頂きます」ザッ


そう言うと貴音はふところに手を入れた


    ジャラリ・・・


そして鎖鎌を取り出すと、巨大な分銅をブンブンと回転させ始めた


貴音「てぃやぁっ!」ブオン


分銅を赤阪目がけて投げつける…!


赤阪「おっと!」ガキーンッ!


しかし赤阪はポケットから鉄扇を取り出し、分銅を弾き返した


貴音「あうっ!」


分銅は貴音の顔面スレスレをうなりをあげて通り過ぎる


赤阪「イヒヒ! 悪いな~ いつかまた遊んだるでな~」シタタタタ・・・


赤阪は階段を勢いよく駆け下りる

しかし、その時…!

階段の踊り場に、突然、白装束の女性が現れた


煌(おや、あの人は…?)


白装束の女に向かって全力ダッシュする赤阪


謎の女「…」

赤阪「なんやアンタ!邪魔やで、ケガするでっ!」シタタタタタ


赤阪が謎の女を突き飛ばそうとしたその刹那…!


謎の女「ふっ!」ズオッ

赤阪「あら!?」


謎の女は赤阪の手首をつかみ、自分の頭より高い位置まで放り投げていた


    ビッターン!!!


赤阪「ぶっふぅ!」


赤阪は、そのまま床に穴があくほどの勢いで叩きつけられた


謎の女「…若い方々の真剣な競技の場を汚そうとするとは… 実にすばらくない方ですね!」カッ



煌(や、やっぱり… あの人は、私の…!)


赤阪「」チーン

ドヤドヤドヤドヤ

霞たちは踊り場までおり、気絶している赤阪をしばりあげた


煌(おや、先ほどまでいた、あの白い服の人はどちらへ…?)キョロキョロ


「それにしても、何があったのかな」
「なんか赤阪さん勝手に転んだよね」
「すべりやすい所でもあらへんのになー?」
「フシギだねー」


煌(え? 皆さん何を言っているのですか?)

煌(私しか、あの人が見えていなかった…? そんな、バカな…?)


その時ふと、煌は後ろに人の気配を感じ、振り向いた


謎の女「・・・」

煌「あ、あなたは! やっぱり…!」



煌「お母上ですね!」



煌実母「久しぶりですね、煌」ニコリ



赤阪「」チーン

ドヤドヤドヤドヤ

霞たちは踊り場までおり、気絶している赤阪をしばりあげた


煌(おや、先ほどまでいた、あの白い服の人はどちらへ…?)キョロキョロ


「それにしても、何があったのかな」
「なんか赤阪さん勝手に転んだよね」
「すべりやすい所でもあらへんのになー?」
「フシギだねー」


煌(え? 皆さん何を言っているのですか?)

煌(私しか、あの人が見えていなかった…? そんな、バカな…?)


その時ふと、煌は後ろに人の気配を感じ、振り向いた


謎の女「・・・」

煌「あ、あなたは! やっぱり…!」



煌「お母上ですね!」



煌実母「久しぶりですね、煌」ニコリ



煌実母「よく私だって分かりましたね、煌」

煌「…忘れるわけ、ないじゃないですか…」ウルウル

煌実母「こうして顔を合わせるのは、10年ぶりくらいかしら?」

煌「10年… もうそんなに経つんですね… お母上は全くお変わりないですね!」

煌実母「死んでますからね。 あの世では年をとらないから」

煌「え…」


煌は母親の足元を見た

和服だから分かり辛かったが、彼女には足が無く、体はフワフワと浮いていた


煌「…競技の終盤で、私に声をかけてくれたのも、お母上ですね」

煌実母「あら、良かったわ。 ちゃんと声が届いていたのね…」ニコッ

煌「お母上があの時声をかけて下さったおかげで、最後まで全力を尽くして闘うことができました」

煌実母「ふふっ、とってもすばらな闘いぶりでしたよ…!」

煌「…負けてしまいましたけどね…」シュン

煌実母「煌、大切なのは、結果よりも、過程ですよ」

煌実母「何の過程もなしで、勝利を手にしたとしても、それは何の意味もありません」

煌実母「逆に、全力で闘った上での敗北には、大きな意味があるのです」

煌「…」

煌実母「あなたは、今回の闘いを通して大きく成長できたはずです。 そして、周りの人たちにも様々な影響を与えたはずです。 
   それは、あなたが全力で競技に挑むことができたからですよ」

煌「…そうですね、ありがとうございます。 負けたのはとても悔しいですが、今は、清々しく、晴れやかな気持ちです…
 あとは、勝ち上がった皆さんを応援していきたいですね」


オーイハナダー
オミセニモドルバーイ


煌実母「お友達が呼んでいますね。 私もそろそろ戻りましょう…」スウウ・・・


煌実母の体は少しずつ薄く、透明になり始めた


煌「・・・また、お会いできるでしょうか?」



煌実母「さあ… それは分からないけど、私は死んでから今までずっと、あなたのことを見続けてきましたし、これからもずっと見守っていきます」

煌実母「ですから私がいつも側にいると思って、これからもガンバって下さい。 …お父さんと、病気のお母さんを…しっかり助けてあげなさいね」

煌「…はい」

煌実母「あ、そうそう、お土産を持ってきてるの忘れてたわ」ゴソゴソ


煌実母は、小さなきんちゃく袋を取り出して煌に渡した


煌「…これは?」

煌実母「私が天国で作ったこんぺい糖が入ってるわ。 神様にも天使たちにも、地獄の閻魔様にも大人気なのよ」フフフ

煌「…天国のこんぺい糖… ありがとうございます」

煌実母「お友達に分けてあげてね。 それじゃあ、煌、元気でね! さようなら…」スウウウウ・・・

煌「さようなら、お母上… お元気で…!」


煌実母の姿は完全に消えてしまった


煌「…行ってしまいましたね」

煌「…どれどれ、では早速一口頂きますか…」ゴソゴソ


煌はきらきら輝くこんぺい糖をひとつ口に入れた


煌「・・・うふふふふ、 す ば ら です! 」ニッコリ



PM4:54
 百合猫の城店内


照「・・・は!」


淡「あ、テルーも目を覚ましたよ!」

憩「良かった、すぐ薬が効いたみたいやな」


照が目を覚ますと、白糸台と清澄のメンバーと憩が、周りを取り囲んで心配そうにのぞきこんでいた


咲「お姉ちゃん、大丈夫…?」

照「咲・・・ あれ… 私どうしたんだっけ…」

菫「全部話すと長くなるが… お前と淡はトイレの前で気を失っていたんだ。
 今、荒川が手当てをしてくれて、目が覚めたんだよ」

憩「チャンピオン、左手をケガしとったから、そっちの手当てもしといたで」

照「あ・・・ 憩…ありがとう」

憩「どういたしましてーぇ。中手骨を折っている可能性があるで、すぐに病院行きますよっ」

照「ん…? えと… でも、競技終わったから、これからみんなスイーツバイキング、食べるんだよね…」

憩「はあ? いや、そうやけど… チャンピオンは食べとる場合じゃない、はよ病院行かなっ」

照「ううん、みんなと一緒にスイーツバイキング食べてから行く」


憩「あかんて! 聞き分けの悪い人やな、はよ行くでぇ!」

照「憩……?」ズゴゴゴゴゴゴ

憩(うっ!? なんて、オーラ…!)

憩(今反抗したら、ヤラれてまう…!!)カタカタ

憩「しゃ、しゃあないな、もう! 食べたら、すぐに行きますからね!」

照「憩はやっぱり、いい子…」ニコー


照「あ、そういえば、末原さんは? どうしたの?」

菫「ん… 末原は…」チラリ

憩「ちょっと、大変なことになってるんや…」チラリ


洋榎「な、な、なんなんやこれは・・・?」

由子「恭子が二人おるのよー…」

漫「ドッペルゲンガーや…」

絹恵「ど、どっちが本物なんや…。 いや、まさか分身しとるんか…?」


ボロ恭子「…」

きれい恭子「…」


そこには、にらみ合う2人の末原恭子の姿があった…


ボロ恭子「あんたか… 代行にそそのかされて私のフリしてる輩は・・・」

きれい恭子「な、何言うとるんや、アンタこそいきなりやって来て、何者なんや…?」


由子「…たしかに、私たちと今まで一緒にいた恭子には、おかしいところは全くなかったのよー」

絹恵「でも、この、今やってきた末原先輩も、変なところはないですね…」

洋榎「一体、どうやって見分けたらええんや…」


照「ふふふ、その難題、私たちが解いてみせよう」スッ

咲「協力します」スッ


漫「み、宮永姉妹…!」


咲「末原さんは一人しかいません。 どちらかはニセモノです!」

洋榎「し、しかし、違いが全くあらへんで…?」

由子「絶対に恭子しか分からない質問をしても、2人とも全く同じ回答をするのよー」


咲「ふふふ… 私には分かりますよ? どちらがニセモノか…」スウッ


咲「カン!!」


ボロ恭子「」ビクウッ!

きれい恭子「」…ビクッ!


咲「やっぱり… きれいな末原さんの方は、一瞬反応が遅れる」

咲「それはなぜかというと、この人は演技をしているから…!」

咲「きれいな方がニセモノです。 間違いありません」


きれい恭子「な、何を言うとんのや… 私は本物やで! ニセモノや言うんやったら、証拠を見せてや!」

照「ニセモノさん、私はもうあなたの正体まで分かったよ」

きれい恭子「な、なんやて…」

照「悪いけど、照魔鏡で全部見させてもらった。 いい加減、正体を現してはどう?」

 
きれい恭子「…う… 私は、末原、恭子、や・・・」

照「自分で元に戻れないなら、私が化けの皮をはいであげる…」ゴソゴソ


照は、ポケットから小さな手鏡を取り出した


洋榎「チャンピオン、なんやそれ?」

照「物理照魔鏡」

菫「そんなものがあるのか…?」

照「ただの鏡に私の照魔鏡パワーを付加したものだよ。 ふふふ、これで…」


照は照魔鏡を右手に掲げ、きれい恭子の方に向けた


照「照魔鏡よ! 今こそその力を見せよ! 隠された真実を白日のもとにさらし出せ!」ピカーッ

淡(また、厨二病っぽいことを…)


照の照魔鏡からはまばゆい光が放射され、きれい恭子を明るく照らし出した



きれい恭子「う、うううううううううううう―――――っっっ!!」


きれい恭子は光を浴びると頭を抱えてしゃがみ込み、悲痛なうめき声をあげた

そして、なんと彼女の体から白い煙が吹き出し始めたのだ…!


きれい恭子「あ、あ、あああああああ―――――!!」シューシューシュー!


洋榎「わ、なんやこの煙!」

漫「い、一体どうなるんや…」


きれい恭子「…」シューシュー・・・


そして、煙が消え、そこに現れたのは・・・・・


洋榎「!?」

絹恵「こ、この人は…!」

由子「の、のよー!」

ボロ恭子「…」


黒いロングヘアーの、20前後と思われる若く美しい女性だった・・・



漫「…だれ?」


黒髪女「ううう…」


洋榎「ど、どっかで見たことある人やなー?」

由子「私も見覚えが… なんか対談したことある気がするのよー」

絹恵「はぁ? 対談…?」


照「…この人の名前は、寿美菜子さん」

照「半年前にテレビ放送されていた咲-Saki-全国編で、末原恭子の声を担当した声優さんだ」


洋榎「あー! 思い出した! せやせや、寿さんか!」

漫「な、中の人ですか…」


絹恵「そうか…! 中の人だったら末原先輩のことはなんでも知ってるし、声も一緒だから、うちらでも本人と区別がつかなかったんですね…」

洋榎「寿さん、あんた恭子の声以外にもいろいろなアニメの声やっとるんやろ? こんなことしとって、仕事のほうは大丈夫なんか?」

寿「う、うん… えっとね、私のいる世界と、この咲-Saki-世界では時間の流れ方が全然違うから、ここに長期間いても問題ないんだよ…」

漫「なるほどなるほどー」

由子「寿さんといえば、声優ユニットのスフィアのメンバーとして有名なのよー」

なんかもうお手本のような話の腐りっぷりに感動すら覚える

他作品から意味のないキャラ参加
本筋に関係ないテンプレ改造末原(いつもの人じゃないならパクリ?)を長文でダラダラと
唐突な幽霊() 特に出した意味も無い様子

ここまでやらかしてまだ手放しでマンセー出来るのか?信者って

わっ すごいバッシングですね…

もう少し書き溜めあるんだけど、これはこのまま投下するのはダメかな…?

どうすればいいんだろう、>>234あたりから書き直す…?


声優の人が出てくるのがまずいのはなんでだろう

当たり前すぎて面白みがないから…?

>>1の自由でいいと思うの
必死チェックできるならID抜き出してみるのも手やね

>>245
あざす。 でも、IDを抜き出すってなんのことだろう…? 
自分の書いたものを、部分的に抜き出す・削除するっていうことですか?
もし気が向いたら教えてくんろ

>>240は言ってること分かるし、自分でも自覚してたから気をつけようと思うけど、238、241~243を失望させてしまった理由が恥ずかしながら分からない…

現実世界を織り込んだのがまずかった?
照が「咲のテレビ放送うんたらかんたら」とか言い出したのが痛いってことかな…?

大食い選手権なんだから大食い部分の描写を描けばいいだけじゃないの?
他の作品のキャラって必要なの?
咲キャラの暴走は必要なの?
咲キャラの回想の中のオリキャラ(すばら母等)は必要なの?
その他・・・

大食い選手権が大食い選手権じゃなくグチャグチャになってるからいろいろ言われるんだと思うけど

>>246
ああ、2行目は>>1宛てじゃなくて、趣味で荒らしかどうか確認する人宛てよん
文句言ってる人は他スレではちゃんと乙して感想なりコメント残したりしてるのか、或いはただの荒らしか
携帯なんで自分には無理っす

SSなんて自分の好きなように書けばいいじゃん
2chの書き込みなんて責任を伴わない身勝手な意見だよ

>>247
すばらなご指摘ありがとう

他の書き込みや、自分がなんとなく感じてきたことも含めて総合的に分析すると、

・大筋(競技の展開)とあまりつながってない回想やキャラの暴走、アクション等は蛇足

・長い回想で、オリキャラをメインにされては読む方は辛い。回想は競技の展開と密接なものでないとよく分からん

・貴音はいらん

と感じている人が多いんではないかなと。


・あと、中の人が出てきた所で「こりゃダメだ」レスが集中したのは、中の人展開だけが悪いんじゃなくて、上に書いたような「?」と感じる展開が続いていたところに、中の人出現が「トドメ」になったから

・つまり、>>234あたりから書き直しても意味はない
 このSSはもう流れがあるのでこのまま書き切り、次回、大筋をしっかりさせたあっちこっち行かない3回戦を書くしかない

・「こんなにクソ暑い日が続いてるのに大食いSSなんて誰も読みたくねーんじゃねーかな」という>>1の心配は杞憂であり、大食いSSなんだから大食いをゴリゴリ書けばよろしい

ってかんじかなと思うので、気をつけつつまたまったり書いていきたいです。

>>248
すごくよく分かった。そゆことね。
ごめんありがとう。

>>249
うん、まあ、そうなんだけど…
責任を伴わないから、身勝手な面もあればけっこう率直な本音が聞ける気がする
その利点を活かしてみたいなという気持ちもあって
まじでありがとね

寝ます
明日で一応2回戦は終わらすつもり


豊音「わあ、スフィアの寿さんだ! 私ちょーファンなんです! サインくださーい!」

寿「あ、はいはい… 『豊音ちゃんへ』って書けばいいんだよね?」カキカキ

豊音「そーです! わ~っすごい! すごいです!! 宝物にしますっ!」タタタ


洋榎「いや、しかし寿さん、なんでまた恭子になりすましとったんや…?」

寿「…ごめんなさい。 私、ある人に本物の末原恭子を経験する機会がありますよって言われて…」

寿「いつか、咲-Saki-の準決勝や決勝がアニメで放映される時に役立つなぁと思って、やることにしたんです」

寿「末原さんになりすます経験をしておけば、もっと役がうまくできるようになるだろうな、と…」


絹恵「勉強熱心なんですね…」

由子「さすがなのよー」


洋榎「いや、しかし、それで本物の恭子はこんな危険な目にあったんやで…
  あんたはだまされたんや。 その、声をかけてきたある人って、一体誰なんや…?」

寿「それは…」


寿が口を開いたその時、店内に突如ザァーッと強い風が吹き、洋榎たちは風を避けようとうつむいてひたいに手をかざした

    ヒュウウウ・・・

?「…それは私だよ、愛宕さん」


風がやみ、顔を上げると、そこには丸眼鏡をかけた白衣姿の年配の女性が、なぜか傘を持って立っていた


ザワザワザワ

漫「どっからわいてきたんやあの人…」

絹恵「なんか見たことある気がする…」


洋榎「…あんたもどっかで見た顔やな、誰や…?」

?「…私は雀博士… そこにいる寿さんを連れてきて末原恭子に仕立て上げた張本人さね」

洋榎「思い出したでぇ… あんた臨海の中堅のおかんやな…?」

恭子「あんたか…! 代行に協力して私を改造したのは…!」


雀「ふふん…」ニヤニヤ


久「…あれは、ソフィア・アンティポリスの雀博士…?」

まこ「久、知っとるんか」

久「私が準決勝で闘った雀明華のお母さんよ。 フランスの、様々な分野の先端研究を行っているテクノポリス… そこの有名な技術者よ…」

久「彼女は、生化学とロボット工学の分野においての第一人者、ノーベル賞候補の天才と呼ばれているわ。
 でも、それは表の顔で、裏ではとんでもないことをやっているって聞いたことがある」

和「とんでもないこと?」

久「人間の魔改造手術… 噂では、黒魔術も駆使して何人もの人間をアンドロイドに造り替えてきたそうよ…」

咲「そうか… 寿さんも末原さんも、その改造手術をされてしまっていたんですね…」


洋榎「…あんた今さら何をしに来たんや… 頭でも下げにきたんか?」

雀「赤阪さんから女子高生を引き取りに来たんだけどね。 どうやらしくじったようだね…」

寿「雀博士、私、この姿じゃあここにいても仕方ありません。 元の世界に返してください」

雀「…今回は失敗か… ま、そういうこともあるね。 寿さん連れて引き上げるとするかい…」バサッ


雀は持っていた日傘を開いた


洋榎「ふざけんのもたいがいにせえよ。 ここまでの事しといて逃げられると思っとるんか!」ザッ

雀「…私はね、人類の未来に必要な研究をしてるんだ。 愛宕さん、あんたの子どもや孫は、間違いなく私が開発した技術に頼って生きることになるんだよ。
 ここで私をつかまえても、何のトクになるかねえ…?」

洋榎「? なんやと? お前の改造なんかが役に立つわけあるかい!」

恭子「そうや…! こんな犯罪を犯して許されるわけないで!」

雀「いつかあんたらも分かるときが来るよ。 人体の改造と、アンドロイドとの共存が、人類の希望の光なんだとね…」バサアアアッ


雀博士が傘を頭上に掲げると、再び猛烈な突風が吹き、雀の体は宙に浮いた


雀「ほら、つかまりな寿さん!」

寿「あ、はい!」グイッ

雀「またいつか、どこかで会おうかね! ア・ビヤン・トー!」ビュオオオオオッ


雀博士は寿の手首をつかむと洋榎たちの頭上高くに舞い上がり、そのまま窓に吸い込まれるように、外に飛び出していった



PM4:57
 スタジオ

えり「ええ、競技終了後に大変なトラブルが勃発していましたが、今現場はようやく落ち着いてきたようです。
  もう放送時間は残り少ないですが、三尋木プロにこの2回戦の総括をお伺いしたいと思います」

咏「ん? あぁ、はいはい。 えーっと、めんどくさいから、えりちゃんからの質問形式にしてくんね?」

えり「え? …はい、それでは… この2回戦では3名の選手が脱落する結果となりましたが、そのことについてはどう思われますか?」

咏「そうね… 脱落した3人のうち、江口ちゃんと小瀬川ちゃんは、私の見立てではこの10人の中でもトップレベルの実力がある子だったんだけどね…
 それでも負けちゃったのは、大食いでは実力だけでなく、“コンディション”と“嗜好力”が極めて重要なんだってことさね」

えり「しこうりょく?」

咏「予選のときに話したろ? 嗜好力。 食べ物の好き嫌いのことだよ」

咏「大食い競技の展開や勝敗を予測するときに必要なものは主に3つ。1つ目は各選手の『実力』、そして次にその時の『コンディション』、最後が食材と選手との『相性』さ」

咏「実力については説明いらんね。『コンディション』は、大食い競技に取り組むその時に、いかにして自分の最高の力を出せる状態に持っていけるか、だよ。
 どんなに実力が高くても、たとえば風邪を引いていたらまず勝てないからね」

咏「小瀬川ちゃんは虫歯だったみたいだね。 つまりコンディションの調整に失敗したことが敗因になったのさ」

えり「なるほど」


咏「そして、江口ちゃんは単純に甘い物が苦手だったんだろうね。 この“苦手”というのは、味覚の上で苦手、ということ以外に、体がどんどん受け付けてくれるかどうか、ということも含むよ」

咏「江口ちゃんは早い段階で、体がスイーツを拒否していたみたいだね」

咏「3回戦以降も、コンディションを自分の最高状態で維持できるか、食材との相性はどうか、ということが競技展開を占う重要なファクターになっていくだろうねぃ」


えり「ありがとうございました。…ではもうひとつ、今度は逆に3.6kgのスイーツを見事完食した4名の選手に注目したいのですが…」

咏「うん、トップの宮永ちゃんについてはもう何か付け加えて話すことはないね。 滝見ちゃんも、実力×コンディション×嗜好力が最高の状態だった結果だと思うよ」

えり「あとは、高鴨選手と片岡選手も完食できましたが、2人ともとても小柄な選手なのに、素晴らしい強さを見せましたね」

咏「…うーん、大食いと体つきについては、ある程度関連性があるんよ。 よく、太っている人は脂肪が胃を圧迫するために、大食いには不向きとか言われてるね。 実際、超人的な大食いの人はやせてる人が多い」

咏「やや上背でやせ型なのが大食いに向いた体型と言われてる。 だけど、小柄が不利とも限らないんだ。
 女性選手なら、体重が30kg台しかないのに5~6kgの食材を平らげてケロッとしている、なんて人も大食いの世界ではそれほど珍しくはないんよ」

咏「片岡ちゃんも高鴨ちゃんも、小柄だけどかなりの実力とポテンシャルの持ち主だね。 十分優勝する力があると思うよ」

えり「3回戦以降も、個性豊かな各選手の闘いぶりに期待が持てそうですね。
  では最後に、カメラを試合会場に戻したいと思います。
  現在、応援に来ていたチームメイトの子たちのためのスイーツバイキングと交流会が開かれているようです」


PM4:59
百合猫の城店内

ガヤガヤ ワイワイ

「プチシューちょーおいしいよーっ!」
「まふまふ、んん、このモンブランごっつウマいな」
「ねえねえ!クッキーにブラマンジェつけて食べてみ!めっちゃおいしいよ!」

ワイワイ キャッキャッ


セーラ「…」

竜華「セーラは食わんのかー?」モグモグ

セーラ「…ムリやわ… 甘いもんはもう一年くらい食いとぉないわ…」

怜「セーラ、あんたは今日重大な罪を犯したで…」ムグムグ

セーラ「…あん?」

怜「セーラが負けたせいで、この超美少女怜ちゃんが、もうテレビに映る機会がなくなるっちゅうことや…」

セーラ「何言うとるんや… そんなに出たいんなら、龍門渕のやつらみたいにスタッフにでもなりゃええんちゃうか?」ハア

怜「そんなめんどいこと私がすると思うか?」

泉「まあまあ… きっと何か機会がありますよ」



照「…」ムグモグガフモグ

憩「…チャンピオン、選手で今食べてるのはあんただけやで…
 いい加減リミッターかけんと、明日の試合に響きますよ?」

照「…私は、このスイーツバイキングが楽しみで、がんばってシナモンも食べたの」ムグムグ

憩「…左手は大丈夫なんか?」

照「痛い。死にそう」モグモグ

憩「…明日の競技、食材によってはかなり不利になるかもしれんな、そのケガ…」


恭子「…なあ、大星、体の調子はどないや? 大丈夫か?」

淡「ん?」モムモムモム

恭子(う、かわええ…///)

恭子「きょ、今日は私のせいでとばっちり受けることになって、本当にごめんな…」

淡「ううん、そんなの気にしてないよ? 末原さんの方こそ体大丈夫?」

恭子「うん、荒川のおかげで大分よおなったで…」

淡「それならよかったー♪」ニコニコ

恭子「な、なあ大星…」ドキドキ

淡「うん?」

恭子「このあと、ちょっと時間あらへんか…?///」

淡「え…?」

恭子「こ、こうして東京に集まっとるんだし、いい機会やから姫松と白糸台で合同で、どっか遊びにいけへんかなーっと…」

淡「わっ! それイイネ! 行こう行こう! テルーも行くよね!」

照「いいね…。病院のあとで合流する。何食べに行く?」

ワイワイ ワイワイ

恭子(よし、一歩前進やで…///)


テレビカメラ前

みさき「えー、テレビをご覧の皆様、今回は色々とトラブルの頻発した試合でしたが、なんとか、無事に、この放送を終えることができそうです」

みさき(ああ眠さ限界… やっと、やっと終わる…! 帰ったらフカフカベッドでゆっくり休もう… 私!よくがんばった!)

みさき「明日は午後1時から、また生放送で3回戦の様子をお伝えしたいと思います。 どうか、お楽しみに…」


その時、みさきの目の端にふとのよりんの後ろ姿が映った


みさき(ん…? 理沙ちゃん何やってるんだ…? 缶切り…持ってウロウロしてる…)


のよりんは、テーブルの上にあった黄色い缶詰めに缶切りを引っ掛けた


みさき(…何あれ… 「SURSTROMMINGS」… シュールストレミング!? まずい!)ダッ


みさきはダッシュでのよりんに駆け寄る…

(止めなきゃ… あんなの開けたらとんでもないことになる…!)

しかしやはり間に合わなかった

パンパンにふくらんだ缶詰めに缶切りが突き刺さった瞬間、中から黄土色の液体が噴水のように吹き出し、それは…

やはり当たり前のように、みさきの顔面を直撃していた


みさき「ぶべっ?うぁっぐっぐざい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙っっっっっ!!!」ゴロゴロゴロゴロ


百合猫の城店内にみさきの断末魔の叫びが響き渡った…




ー2回戦、終了…ー




以上です
お目汚し失礼しました
シュールストレミングを開缶するというのは、場所と場合によっては犯罪になるそうですね

3回戦は「しょうゆとんこつラーメン」の単品勝負ですが、構想を練り直したいので、3~4週間後?くらいに新スレ立てて投下していきたいと思います

これとは別に、爽や春やまふふが主人公の小ネタSSの構想が頭をグルグルしてるので、来週末とか、できればスレ立てして書いてみます


テレビカメラ前

みさき「えー、テレビをご覧の皆様、今回は色々とトラブルの頻発した試合でしたが、なんとか、無事に、この放送を終えることができそうです」

みさき(ああ眠さ限界… やっと、やっと終わる…! 帰ったらフカフカベッドでゆっくり休もう… 私!よくがんばったぞ!)

みさき「明日は午後1時から、また生放送で3回戦の様子をお伝えしたいと思います。 どうか、お楽しみに…」


その時、みさきの目の端にふとのよりんの後ろ姿が映った


みさき(ん…? 理沙ちゃん何やってるんだ…? 缶切り…持ってウロウロしてる…)


のよりんは、テーブルの上にあった黄色い缶詰めに缶切りを引っ掛けた


みさき(…何あれ… 「SURSTROMMINGS」… シュールストレミング!? まずい!)ダッ


みさきはダッシュでのよりんに駆け寄る…

(止めなきゃ… あんなの開けたらとんでもないことになる…!)

「野依プロ! そr…」

しかしやはり間に合わなかった

パンパンにふくらんだ缶詰めに缶切りが突き刺さった瞬間、中から黄土色の液体が噴水のように吹き出し、それは…

やはり当たり前のように、みさきの顔面を直撃していた


みさき「ぶべっ!?ゔぉぼrろgげぇ、wゔぇゔえゔぇゔぇえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙e゙e゙っっっっっ!!!」ゴロゴロゴロゴロ


百合猫の城店内に、みさきの断末魔の叫びが響き渡った…




ー2回戦、終了…ー



<咲-saki-以外の、2回戦の主な参考資料>

・TV 「元祖!大食い王決定戦」 「フードファイト」

・漫画 「てんむす」 「その男、甘党につき」 「アントルメティエ」 「西洋骨董洋菓子店」 「花のズボラ飯」


~3回戦予告~


憧「シズ! やったじゃん! 3回戦進出!」

穏乃「うん、ありがとう憧」

宥「すごかったね。穏乃ちゃん以外で完食できたのは3人しかいなかったんだものね」

穏乃「いやー、たまたま甘いの得意だっただけですよ///」

灼「私たちの期待の星… 次も頑張って」

穏乃「ありがとうございます、灼さん!」

玄「次のメニューも穏乃ちゃんの得意なのだったらいいね」

穏乃「むふふ… 実は、3回戦の食材、私もう知ってるんですよね」

玄「え、そうなの?」

穏乃「うん、さっきねえ、はやりさんと三尋木プロが明日のことについて話してるのが、たまたま耳に入っちゃったんだ」

憧「へー それでなんなのよ、3回戦の食材は」

穏乃「むっふふふ… 憧、それはね、アレだよ、アレ…」ウェヒヒヒ

憧「アレ?」

穏乃「そう、アレ… ここでアレって言えば、分かるでしょ?」

灼「アレって言ったら…」

宥「やっぱり…」

玄「おもち?」

穏乃「ちがいますよ!」


憧「分かんないわよ、もったいぶらないで教えてよ」

穏乃「憧、大食いでアレって言ったら、一つしかないんだよ?」

憧「アレか… つまり…」

玄「大食いにおいての…」

宥「不動の…」

灼「定番メニュー…」


5人「「「「「ラーメンだ!!!」」」」」


満を持して登場・・・!  

3回戦は大食いの定番メニュー『ラーメン』勝負!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「麺は1玉135gだっ! 寸分の狂いもなく量れよっ」

「まかせて下さいっす! 先輩!」ザッ

「うむぁぁっっ!!」パチーンッ

「ワハハ、盛り付けは私にまかせろだぞ~」サササッ

「ど、どうぞ… 2杯目です。 ガンバッて下さいね!」コトッ


T学園メンバーが作る、究極の醤油とんこつラーメンとは…?


穏乃「っひゃああああ… おっおいしそおぉぉ~~~~~っっ!!」ダラーリ



~3回戦ハイライト~


「その正体は奈良の山奥にひそむ伝説の珍獣なのかぁ? 小さな体にゴジラの胃袋ぉぉっ! 高鴨っ穏乃っ!っだああぁぁぁぁ―――――っっ!!」

「鹿児島に突如現れたブラックホール! まったくもって死角なし! 食べる巫女型精密機械! 滝見ぃっ春うぅぅぅ―――――っっっ!!!」

「うおうおうおおおおっ!? 長野の人間バキュームカーがその本領を発揮ぃ! ラーメン一杯を4口で平らげているぞぉっ?!」

「これは? ま、まさか、伝説の二丁食い? おお! そしてとなりでは、なんと通天閣食いが炸裂しているぅぅっ!」

「なんて闘いだぁぁ! 私の! アナウンサー人生で! ここまで猛烈な勢いでしゃべったことはありません! 私、今日はテクノブレイクするまでしゃべり倒しますよぉぉっ!!」


 スーパーアナウンサー福与恒子が大ハッスル!! その舌は一体何回転するのか…!?



「フーッフーッ あっちっち」

「ズゾッ ズゾゾゾゾゾゾゾゾ~~~~~~ッ」

「はぐっ ぞぅるるるるるるるるぅぅ~~~~~~っっ」

「う? うっ うっ ううう… うまああWiiiiii~~~~~!!」


 選手たちの人外の胃袋たちは、果たして何杯のラーメンを飲み込むのか・・・!?



(なんなんやこれは… 予想以上に怪物胃袋の見本市… 普通の食事させてーな…)


 なんとあの人が大食いに参戦!?
 南大阪最強の頭脳が編み出すラーメンの食し方とは…?



「ククク… このままこの娘が勝った場合、いくらのもうけになるんだ…?」

「ハッ 約2億かと…」

「ふむ…、実に良い金ヅルを見つけてきてくれたものだよ… さあ、もっと食べるのだぁっ!」クックックッ


 競技の裏でうごめく謎の組織… その正体は…!?



「おおっ!? 手負いのチャンピオンを、大食いお嬢様が追い詰めていますっ! 最強のデストロイヤーも最早ここまでかぁ?!」

「…体が熱くて、少し冷やさないと… 今、食べるとマズイ気がする…」ハアハア

「おや、はしを、手に取りましたね… おおそしてぇぇ! また、食べ始めましたああぁぁぁぁぁっっ!!!」

「ラーメンを食べるのにテクニックなんかいらねえんだっ! 本能のままに、一心不乱に食す! それこそが、ラーメンの極意なんだぁぁぁぁっ!!!」


    青春をすすり上げろ・・・ッ!  女子高生たちよッッ!!


 
 3回戦『壮絶! 激ウマ醤油とんこつラーメン勝負!!』


 お楽しみに。





3回戦は大体こんなかんじになります。

オリキャラが1~2人程度、他作品からのキャラももしかしたら1~2人程度出るかもですが、競技にしっかりからむので大丈夫です。


ところで、3回戦の現場の実況&解説はふくすこですが、スタジオの実況&解説をどうするか迷っています。

実況は、はやりんで決定なんですが、相方の解説が。(←ラーメンについて専門的な解説をする人です)

というわけで、また投票で決めさせてもらってもいいでしょうか?

4パターン考えています。

アイマスの貴音は大食いキャラなので、解説中にはやりんとラーメン対決をさせたら面白そうなので、一応選択肢に入れておきます。


<エントリー№1>
「アメリカに帰省していたあの娘が帰ってきたぁ! ラーメンを愛する気持ちは、穏乃よりも、オバQの小池さんよりも大きい!?
予選に出れなかった悔しさはここで解消だ! 男前なお茶目留学生『メガン・ダヴァン』!!」

ダヴァン「エッ 私がラーメンの大食い競技の解説でスカ? 試食もできる? はやりサンと一緒に?
    やりマスやりマス!! 是非私にまかせてくだサイ! 日本でそんな経験ができるナンテ、嬉しいデス!」


<エントリー№2>
「宮守のメンバーは、彼女のことを影では親愛の情を込めて『ラーメンBBA』と呼んでいるとかなんとか…
年の功はラーメンの功!? みちのく岩手のラーメンマニア『熊倉トシ』!!」

トシ「私は趣味がラーメンの食べ歩きでね。 自然とラーメンのある場所に足が向くのさ。 麻雀についてよりも、ラーメンについての方が詳しいんだよねぇ、私は。
  ほー、瑞原プロと一緒に解説をねぇ。 そりゃ楽しみだね。 よろしく頼むよ」


<エントリー№3>
「ジャンボラーメンをスープ込みで3杯平らげてもケロッとしているアイドル界の大食い王女!『ラーメンは文化、そして可能性』と語る彼女のラーメン哲学は本物!
はやりとガチンコ大食い勝負!?『四条貴音』!!」

貴音「わたくしがらぁめん大食いの解説を? なんと! それはまこと、素晴らしきお話ですね…。
  仕事で、様々ならぁめん店を巡る食べ歩き番組を担当しておりましたので、経験を活かせるかと思います。 是非よろしくお願いいたします。」


<エントリー№4>
なし。 はやりが一人で実況&解説。
または、3人以外の誰か違う人。


※1・2・3・4のいずれかの番号で投票して下さい。
 4の場合は、3人以外の誰かの名前を一緒に書いて下さい。 番号のみの場合は、はやり一人ということにします。

 明日の24:00を投票締め切り時間にします。一人一票で、どうぞ気楽に投票して下さい。



ダヴァン「HAHAHAHAHA!! この勝負、どうやら私の勝ちで終わりそうデスネ…」

貴音「ぬぬ… わ、わたくしにもまだチャンスがありますよ…!」グヌヌヌ

トシ「やれやれ… あと50歳若ければ、あんたらなんかに負けるはずがないんだけどね…」

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