白石マドカ「高山が牙をむく」 (5)
-高山家
高山「それで今日は何の用だ?」
アカネ「特にないよ。リオと会う前にちょっと寄ってみただけ。もうちょっとで出るからお構いなく」
高山「何でうちに来るんだよ」
アカネ「勝手知ってるし、タダだし。迷惑かな?
高山「ああ、迷惑だ。というかうちはダメだろ」
アカネ「ダメ?何か問題でも……?」
高山「そもそも男の家に女一人で来るのがダメだと思うぞ」
アカネ「まさか高山君、私をどうこうするつもり?」
高山「いや……オレも男だからな?」
アカネ「気がないんでしょう?ならよし、問題ないね」
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高山「お前も白石も何か勘違いしていないか?」
アカネ「勘違い?」
高山「どうも、人畜無害のふぬけか何かと思ってないか!?」
アカネ「思ってないよ。ただ、ミツキにしか興味がないから他人には何もしない、そうだよね?」
高山「わからないぞ!?今ここでこう、ガバっと、そうガバっといくかもしれない!」
×襲うかもしれない
○まったくその気はない
アカネ「ふーん……まぁそうよね、高山君ミツキ以外はホントに興味ないもんね」
高山「おまえ、都合の悪いことは聞かない派なのか?」
アカネ「でも、少し高山君の言いたいことも分かるかな」
高山「本当か?少しは男を警戒してくれるな?」
アカネ「私はいいの。本当に危険な人からは必ず逃げられるから」
アカネ「問題はマドカよマドカ。たくさんの姉がいるから自己主張は強く!と人にいいながら、結構場の空気に流されてるじゃない?」
高山「ああ……悪い冗談にも流されてたし……」
アカネ「よくないね。練習で付き合うといいながら、流れ流れて本気で高山君に惚れでもしたら……」
高山「それはないから大丈夫だろ」
アカネ「わからないわよ!ちょっとのそっとで未来は変わっちゃうのよ!?『あれ……ダメだけどいいかもー?って』なるかもしれない」
高山「そうか」
アカネ「そこで私にいい考えがあります」
アカネ「いっそのこと試しに襲っちゃいましょう、マドカを」
高山「はあ!?」
アカネ「我ながらいい作戦だよこれは。マドカは警戒心を強めてくれるし、高山君はいい練習になるんじゃない」
高山「本気で言ってるのか?」
アカネ「ええ本気、私ウソ嫌いだから。別に最後まで行けってわけじゃないよ、頃合い見て止めに入るつもりだから」
高山「……なるほど、これが素敵な冗談ってやつだな」
アカネ「そうかもね」
アカネ「―という感じでお願い」
高山「マジでやるのか……」
アカネ「大丈夫、不安だったら台本も作るから」
―ピンポーン アカネチャーン
アカネ「あれ、リオがこっちまで来ちゃったかな。まぁ、そういうことだから頑張りなさい」
高山「おいちょっと待て、佐藤!」
アカネ「しっかり自宅にマドカを誘うのよ?江口さんとミツキは私が何とかするから。じゃーね」バタン
高山「……」
高山「……おい」
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