母「ほら、俺、頑張って!」俺「う、うん…」 (75)

俺「よし…いくぞ…!!」

ガタンっ

俺「グッ!?ガッアェ…カッ…」

ドターン!!

俺「ゲホゲホっ…ウェッ…はぁっはぁ…」

母「んー、また失敗ねー…」

俺「はぁっ…母ちゃん…ゴメン」

母「いいのよ、また次があるんだし!」

俺「う、うん…もっかいやってみるよ…」

母「今日はもう終わりにしなさい、3回もやったんだし」

俺「でも…」

母「いーのいーの!!お夕飯にしましょ!」

母「ご飯出来たわよー!」

妹「はーい!!」

父「お、今日は麻婆豆腐かぁ」

妹「あれっお兄ちゃん!今日も首吊り自殺失敗したの!?」

俺「う、うん…」

父「これで何度目だ?ったく、隣の家のたかし君は立派に入水自殺したんだぞ?それに比べてお前は…」

母「んもぅ、お父さん、そういう話を食前にするのはやめてください。せっかくの食事が冷めちゃいますよ。」

父「は~ぁ、俺、明日こそは成功させるんだぞ」

俺「は…はい」

妹「いただきまーす」モグモグ

ニュース「今日未明、××市で女子中学生が焼身自殺を行いました…
女子中学生は市内の××中学に通っているA子さんと見られ…」

母「あら、これ従姉妹のA子ちゃんじゃない?」

父「あぁ…、しかし焼身自殺だなんて立派だなぁ…!」

ニュース「彼女の遺書には「今までありがとうございました。ここまで生かしてくれた両親には感謝しかありません」など
感謝の言葉が綴られており…」

父「最期までいい子だったんだなぁ…そういえば、俺、遺書は書いたのか?」

俺「!…ま、まだ…」

父「は~ぁ、きちんと書いとけよ…」

俺「うん…」

妹「お兄ちゃんっていっつもどっか抜けてるよねぇー」ケラケラ

翌日、教室

ザワザワ…

「A子ちゃんのニュース見た?」
「見た見た!焼身とか超クールだよねぇー」

ガラッ

俺「おはよー…」

シーン…

「おい…またかよ…あいつ…」
「また死ぞこなったのかよ」
「マジでどんくさいなー…最悪」
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ…

幼馴染「俺!おはよう!」肩ポン

俺「幼馴染…おはよう」

幼「あんたまた自殺しそこなったのー?まったくドジなんだから!」

俺「ご、ごめん…」

幼「ま、あんたのことだろうから昨日も首吊り三回したぐらいで諦めたんでしょーけど」

俺「!!何でそれを…!」

幼「あ、当たり?あんたのことだからそんぐらい見当つくわよ」

ガラッ

教師「ほら、席つけー。HR始めるぞー!」

ガタガタ

教「ん?なんだ、俺君、まだ自殺してないのか?」

俺「すいません…昨日も失敗しちゃって…」

教「そうか…なるべく早いうちに頼むぞ!」

俺「すいません……」

DQN「そー言って明日も明後日ものうのうと生きるんだろーけどなぁ!」

\ドッ、ワハハハハ/

教「DQN、静かに。自殺は確かに難しい。でも、俺君ならできるって先生、信じてるぞ」

俺「はい…」

放課後
俺(昨日も失敗してしまった…、一番簡単と言われる首吊りなのに…。)

俺(首吊りでさえあんな苦しいんだから、入水なんてもっと苦しいんだろうな…。)

俺(たかし君はすごいなぁ…)

俺(ましてや焼身なんて……)ブルルッ

俺(やっぱ俺駄目だな……)ハァ

女子1「俺君ー、ちょっと来て!!」クスクス

女子2「お願いがあるんだけどぉ」クスクス

俺「な、何?」

女子1「掃除当番変わってくんなーい?」

女子3「ウチら今日、どーっしても外せない用事あってさぁ!」

俺「ま、また?先週だってずっと…」

女子2「ハァ!?何!?」

女子1「自殺できねーくせに口答えはするんだぁ」

俺「わ、わかった!わかったよ、やるよ!!」

女子3「さっすがぁ、俺君頼りになるわー」

女子1「じゃあやっといてね、バイバーイ」箒ポイッ

女子2「ついでに自殺も明日までにはちゃんと済ませといてほしいなー、なーんて」ギャハハハハ…

俺(悔しいけど…自殺できない俺が悪いんだよな…)ハァ

ザッザッザッ

幼「あれ?俺、先週も掃除やってなかったっけ?」

俺「また女子さん達に押し付けられちゃって…」

幼「はぁ…どんくさいなぁ!箒一個貸して」

俺「俺一人でできるし、幼馴染は早く帰りなよ」

幼「何言ってんのよ。二人でやった方が早いでしょ!それに俺には自殺もあるんだし」箒強奪

俺「……いつも、ありがとな」

幼「何言ってんのよ、あたしが死ぬためにあんたに優しくしてやってんだからね」

帰宅
俺(よ、よし、今日こそ…!!)

ガタンッ

俺「グォッエ…!!」

俺(く…くるし……だっダメだ…!!!)

バターンッッ!!!!!

俺「はぁっ…はぁっ…クソォッ!!!!」

俺(いつも寸前で怖くなって…やめてしまう……!!こんな、こんな…情けないっ…)ボロボロ

俺(勉強もダメ…運動もダメ…友達もいないっ…将来性がないと判断された俺があと唯一できることが…自殺なのにっ…!)

俺(クラスの中から一人、将来性の有無で自殺適合者を選んで
人口増加を抑制するシステムが出来てから百年…)

俺(反対する人達もいたが、みな政府が弾圧した…
そしてそれ以上に世の中のクズに対する排除思考が強かった)

俺(俺がクラスの自殺者に選ばれて二ヶ月…一学期、二学期、三学期と自殺者は選ばれる…)

俺(俺がいる限り次の適合者の幼馴染が死ねない…
幼馴染は俺よりも強く死にたがってるのに…)

俺(こんな…こんなっ…将来性も無い、自殺もできない…俺は…俺はぁっ……)

コンコン

妹「お兄ちゃん、いる?って言うかまだ生きてる?」ガチャ

俺「妹…」

妹「あーぁ、また失敗したんだ。部屋ぐっちゃぐちゃじゃーん」

俺「ご、ごめん…うるさかった、よな…」

妹「うるさいのはもう慣れたとして、ハイ、コレ」

俺「何だ、コレ。手紙?」

妹「遺書。お兄ちゃんのことだからどうせ書き忘れてたんでしょ。代わりに書いといたから」

俺「あ!あぁ、ありがとな。大事にするよ…」

妹「お兄ちゃんが大事にしてどーすんのよ」ケラケラ

妹「じゃ、頑張ってね!」ガチャ…バタン

俺(俺と違って妹は優秀で、こうやって気が利く…
遺書の内容も俺が書くよりきっと遥かにいい…
ああいう子がこれからの将来に必要なんだ)

俺(そのためにも、俺は早く死なないと…!)

ガタンっ

俺「グゥッ……!」

ジタバタ…バッターン!!

俺「ゲホゲホっ…くそ…くそおおおおっ!!!」

ガタンっ…バターン
ガタンッ…バターン……


ガタンッ…ブチッ!!!!

俺「あっ!!?」

翌日
俺(昨日も結局死ねなかった…しかもロープが度重なる失敗で切れてしまった)トボトボ

俺(今日は土曜日…母ちゃんが新しいロープを買うための小遣いをくれた…)

俺(母ちゃんは優しいなぁ…こんな自殺適合者の俺にここまでしてくれて…)


「でさぁーそれでね…」

俺「あれは…幼馴染?隣の男、は、DQN?」

http://i.imgur.com/3eyuXH2.jpg

幼「あいつ、まだ死んでないのよー」

D「マジィ!?あいつ本当最悪だな!」

幼「先生から自殺補助者任されてるあたしの身にもなってほしいわー!」

D「自殺者が悲しまないようにするための補助だろ?そんなトロいことやってんなって感じだよなー」

幼「本当それ!!はーぁ、早く俺、死んでくれないかなぁ」

D「おいおい、折角のデートなのにあいつ話はやめようぜ」

幼「そうね、ねぇ、今日は久しぶりに…しよ?」

D「おいおい、やけに積極的だな」

幼「んふふ、まぁね」チュッ

>>30
それやったことあるんだが痛いぞ。
楽に死ねるなんて嘘っぱちだ。


俺「…」

俺「そうか……そっか…」

俺「あいつら…付き合ってたんだ…」

俺「幼馴染は…DQNは…」

俺「買いにいかなきゃ……」

俺の買うものロープorナイフ
>>45

あえてロープ

>>45
把握
こっからは書き溜めてないんでちょっと待ってください


俺「ロープ…買わなきゃ…」

ホムセン
店員「ありやとやしたー」

ガサガサ…
俺(そっ…だよなぁ…俺みたいな自殺適合者に選ばれるような奴なんか…)

俺(優しくっ…するわけ…ないよなぁ…)

俺「ふっ…くふっ…うヴっ…ぅぅぅっ…」ボロボロ

俺「っひっく…あああああ…うああああ…」ボタボタ

俺「ああああああああ…」グズッグスッ…

自宅
俺「遺書…ok…。きちんと床が汚れないようにバケツとタオル、新聞紙も…」

俺「母ちゃん…ロープ…ありがとう」

俺「妹…遺書…サンキューな…」

俺「父ちゃん…厳しかったけど…それは俺を想ってのことって…知ってたから……ありがとうな…」

ギイッ…

俺「みんな…ありがとう…さよなら…」

ガタンッ


俺(あぁっ…苦しい…でも…なんでだろう…前より……ずっと…穏やかだ……)

俺(頭もぼーっとしてきた…ああ…これで終わる…やっと終われるんだ…)

「……!!…れ…!!!」

俺(…?なんだ?何か聞こえる…)

「ぉ……!!ぉ……れ…!!!!!」

俺(おれ…?俺のこと…読んでる?)

誤字
読んでる×呼んでる○


「俺っ…!!俺ぇっ!!!目を覚ましてっ!!!」

俺(なんだよ…俺は死ぬんだよ…)

「お願いっ…!!俺!!!」

俺(!!この声は…)

俺「か…あ…ちゃん…?」
母「俺!!!!!!!!!」


母「よかった…!!」

俺「な…で…つか、こ……こ、どこ…?」

医者「俺君、これ何本かわかりますか?」ピース

俺「にほん…あんた…だれ……?」

医「異常はないみたいですね。俺君。君、自殺しかけたんですよ、覚えてます?」


俺「あ…!」


思い出した。
俺は自殺適合者ではないことを。
そもそも自殺適合者なんて政府システムはない。
俺たちのクラスで流行っていたいじめの標的の名称だった。
たかし君が、そのうちの一人だった。
俺はたかし君とは仲が良かった。
でも、たかし君が標的にされて、
俺は、たかし君を…
見捨てた。

俺が標的にされたくないあまりに。
俺は友達を売ったんだ。

たかし君は日に日にやつれていった。
それでも俺はたかし君を助けなかった。
ある日、たかし君は自殺した。
入水自殺…ってことになっているが本当は違う。
俺が、DQNに命令されて、…橋から突き落とした。
彼は微笑んでいた。俺に殺されるならいいって…。
俺がたかし君を売ったのにも関わらず、
たかし君はおれを友達だと思い続けていた。

橋から落ちた後、俺は怖くなって逃げた。
逃げて逃げて、数日後たかし君が死んだのを知った。

たかし君が死んだのを知った次の日、A子が我が家に来た。
灯油を全身に浴びて。
A子はたかし君のことがずっと前から好きだった。
俺が殺したのをDQNから聞いたみたいで心中しようとしたらしい。
が、何故か俺だけ助かってしまった。

それから俺の頭は罪悪感でいっぱいだった。
罪悪感でいっぱいでいっぱいでいっぱいで…
首吊りをした。

そして、それでも死ねなくて現在に至る…ということらしい。

医「これから、俺君には警察に事情聴取を受けてもらいますが、いいですね?」
俺「構いません…たかし、A子を殺したのは…実質、俺ですから」
医「あと、俺君にはひとつ、言っておくことがあります。」
俺「何ですか…?」

医「どんなに辛くても、罪悪感でたくさんでも、きちんと生きてください。
君は、人を殺したかもしれない。
たくさんの人に迷惑をかけたかもしれない。
けれど、君にはきちんと君を想う人がいる、
どんなになっても君の話を聞く人がいる、
そういう支えてくれる人がいる限り、
君はきちんと罪を償って生きていかなければなりません。
そして、支えてくれる人に感謝を伝えてから死んでください。
どんなになっても感謝を伝えずに死ぬことは死ぬよりいけないことです」
俺「…はい…」

エンド

最後ぐちゃぐちゃになってすいません。
初めてss書きました。
ロープナイフは思いつきでやりました。すいませんでした。

ナイフ展開は全員スプラッタエンドでした。
ありがとうございましたー。

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