なのは「ば、バトルロワイアル!?」 (113)
・このssはなのはキャラ20名で行われるバトルロワイアル(訓練)です
・完璧なるIF世界です。独自設定等多分に含まれますのでご注意下さい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402923275
はやて「と、いうことで。日頃のふつーな訓練ではつまらないので、今回は創意工夫を盛り込こんだ訓練を行いたいと思います」
なのは「特別?」
はやて「そう、バトルロワイヤル」
フェイト「!?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
スカリエッティ「さて、皆が戦闘準備している間に私達で解説しよう」
プレシア「何故私達が主催なのかしら?」
スカリエッティ「何故かって? それは僕たちが手っ取りばやくIFだと認識させられて、こういう無茶も可能にしてくれそうだからだ」
プレシア「酷い扱いね」
スカリエッティ「前置きはこれくらいにして、早速参加者を発表しようか」
・参加者一覧(五十音順)
~アインハルト・ストラトス~
~アリサ・バニングス~
~ヴィータ~
~エリオ・モンディアル~
~ギンガ・ナカジマ~
~キャロ・ル・ルシエ~
~クロノ・ハラオウン~
~シグナム~
~シャマル~
~星光の殲滅者~
~スバル・ナカジマ~
~高町ヴィヴィオ~
~高町なのは~
~月村すずか~
~ティアナ・ランスター~
~フェイト・T・ハラオウン~
~八神はやて~
~雷刃の襲撃者~
~闇統べる王~
~ルーテシア・アルピーノ~
スカリエッティ「こんな感じだね」
プレシア「何人かおかしいのいるわね」
スカリエッティ「アリすずとマテリアル組だね。この5人はinnocentやゲーム設定を参考にしている。アリすずはちゃんと魔道士だよ」
プレシア「ならなんでアリシアが居ないの!」
スカリエッティ「A.アリシアのデバイス(フォーチュンドロップ)の効果がイマイチわかんないから」
プレシア「良い加減ね」
スカリエッティ「仕方ないね」
プレシア「あとなんでザッフィーだけ省られてるてるのかしら」
スカリエッティ「後でわかるよ。さて、細かいルールを説明していこうか」
スカリエッティ「まずはデバイスについてだ」
・ゲーム開始時に全て回収しランダムに配布
・配布されたデバイスは全員使用可能だが、それぞれ適正がある
・参加者を倒した場合、奪うことが可能(複数所持可)
スカリエッティ「こんな感じかな」
プレシア「適正って何かしら」
スカリエッティ「例えば近接を得意とするキャラが補助型デバイスを手にしても効果はイマイチって事さ」
プレシア「自分のデバイスが1番ってことね。最初から自分のデバイスが配布されることもあるのかしら」
スカリエッティ「もちろんあるよ、ランダムだからね。このデバイスシャッフルのせいでデバイスを持たない使い魔組は参加見送りになった」
ユーノ「誰が使い魔か!」
ザフィーラ「守護獣だと言っているだろう!」
プレシア「お帰り下さい」
スカリエッティ「んで次、支給品だ」
プレシア「支給品?」
スカリエッティ「そう、以下の3つのグループからそれぞれ一つ選ばれて配布される」
・体力回復アイテム
ポーション×3
ハイポーション×3
エクスポーション×3
エリクサー×3
・魔力回復アイテム
魔法の聖水×3
賢者の聖水×3
エルフの飲み薬×3
エリクサー×3
・秘密道具×1(仕様時まで詳細伏せ)
プレシア「秘密道具ってあれのことかしら」
スカリエッティ「某たぬきさんの道具だね、役に立つものから立たないものまで、色々あるよ」
プレシア「運ゲーね、後なんで伏せる必要があるの?」
スカリエッティ「ドキドキ感があっていいだろ? もう駄目だ!って瞬間からの逆転はアツイ」
スカリエッティ「次、マップについて」
プレシア「マップは縦横が9×9のマス目状。要するに将棋盤ね」
スカリエッティ「そう、一応逐一居場所は何何って形で記載するけど、別にわからなくてもいいと思うよ」
プレシア「5五とか言われてもよくわからないしね」
スカリエッティ「将棋やったことあるなら直ぐわかるんだけどね」
プレシア「わかっても、其処まで重要じゃない気がするわ」
スカリエッティ「そうだね、あと施設として武器庫(9一、9九、1一、1九。つまりはじっこ)と病院(5三。真ん中らへん)が設置されてる。文字通り武器や回復アイテムが調達出来る」
プレシア「武器の中には真剣だったり銃だったり危ないのがあるけど全部非殺傷設定だから心配無しよ」
スカリエッティ「あとは各種制限、飛行制限と魔力制限だね」
プレシア「どうして制限が?」
スカリエッティ「ゲームに緊張感を持たせるからかな、もちろん軽い飛行なら可能だけどね」
プレシア「確かに、飛ばれちゃったら成り立たないものね」
スカリエッティ「すぐ出会ってすぐ終わっちゃうよ」
スカリエッティ「そして敗退条件は魔力による昏倒、もしくはそれに準ずる状態になったらだ」
プレシア「敗退した時点で此方で放送を入れるから、参加者にはすぐに分かるわ」
スカリエッティ「最後に、これはルールじゃないけど、戦闘結果や行動なんかはこっちでランセレしている」
プレシア「安価やコンマじゃ駄目なの?」
スカリエッティ「安価の代わりさ、書くのが遅いからね、書き溜めしないとやってられないよ。即興も厳しい」
プレシア「実力不足なのね」
スカリエッティ「そうだ。さて、長々と失礼した。本編スタートだ」
ーフェイト・テスタロッサー
・デバイス:クラールヴィント
・支給品:ポーション、魔法の聖水、秘密道具
・初期位置:7三
フェイト「うーん......」
フェイトは頭を悩ませていた。それもそのはず。フェイトに与えられたデバイスはクラールヴィントである。
シャマルのデバイスであるクラールヴィントは補助には大きな力を発揮するが、幾分攻撃性能に乏しい。
フェイト「支給品もイマイチだし、本格的にマズイかな......」
この状況下で攻撃手段に欠けるのは致命的だった。更に言えばフェイトの得意距離は中近距離、クラールヴィントとは全くと言っていいほど噛み合わない。
現状を打破する手段を模索するフェイトだったが、あることに気が付いた。現在地は7三、そして幸運にもすぐ近くの9一には武器庫が存在する。
フェイト「武器庫かぁ、だけどこういう場所には人が集まるだろうから......」
フェイトの考えも最もである。数少ない施設の一つ、注目されるのは間違いない。
フェイト「......行くしかないよね」
待っていても勝ちは無い、ならば動くというのがフェイトの選択だった。
7三から7ニ、7一と通って現在位置は8一。誰とも遭遇すること無くここまで歩みを進める事が出来た、が。
不意に背後から襲いかかる魔力弾、その魔力は炎に変換され、更に威力をましていた。
フェイト「っ!」
フェイトは紙一重でそれを躱す。そして同時にデバイスを起動し、臨戦態勢を取る。
フェイト「シュテル......」
炎熱変換を持つ魔道士はアリサ、シグナム、シュテルの4人だが、この魔力弾からして敵はシュテルだと判断する。
フェイトとしても警戒はしていたつもりだったが、やはり魔力制限の影響があるのだろう。フェイトへ襲撃に気付くのが遅れた、今後の更なる警戒の必要性を感じつつ、敵の位置を探る。
シュテル「ラケーテン......」
フェイト「くっ!」
シュテル「ハンマー!」
正に一瞬の攻防だった、背後から襲い掛かって来たシュテルの攻撃をどうにか防ぐ。
シュテル「......なるほど、槌とはこういった武器なのですね」
フェイト自身の防御魔法には難があったがクラールヴィントの高い防御性能、またシュテルがグラーフアイゼンの扱いに不慣れなこともあり、フェイトは難を逃れる。
シュテル「続けていきますよ! 」
パイロシューター、3つの誘導弾がフェイトに襲い掛かる。それを全てよけきったフェイトだったが再びアイゼンでの攻撃を受け吹き飛ばされる。ガードはまにあったものの、態勢が崩れていたのもあり、防ぎ切るには至らなかった。
フェイト(やっぱり、この状態での戦闘は無理だ)
終始シュテルのペースで戦闘が展開され、フェイトには攻撃の手段が無い。このまま戦っていれば間違い無くフェイトはやられる。
シュテル「槌の扱いもわかってきたところです......デバイスに恵まれなかった不運をお恨み下さい」
シュテルは再びアイゼンを構え、フェイトに対して攻撃を仕掛けようとする。
フェイト「......」
シュテル「ラケーテンハンマー」
アイゼンの突撃力を最大限発揮する必殺の一撃、先の一撃より威力が高まっており、そうそう防げるものでは無かった。
そして、アイゼンがフェイトを捉えようとした時、フェイトの魔法が発動する。
フェイト「クラールゲホイル!」
デバイスには魔力制御の演算等の補助的側面もあれば魔法を記憶し、プログラムすることも出来る。フェイトは閃光弾の類は使った事は無かったが、クラールヴィントに記憶された魔法を再現することで発動に成功した。
フェイト(今だ!)
閃光弾で視界を奪われたシュテルを背に、フェイトは武器庫を目指し駆け始めた。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
シュテル「.......」
クラールゲホイルの直撃を受けて暫く後、シュテルは視界を取り戻し辺りを見回した。
シュテル「見当たりませんね」
どうやらフェイトはこの場から離れたようである。おそらく武器庫に向かったのだろうが、今からでは追いつけるかは怪しい。
また、クラールゲホイルの影響でこの辺り一体に大きな爆風が発生し、ここで戦闘があった事を他の参加者に伝えるのに十分な役割を果たしていた。
シュテル「作戦失敗ですね......離れましょう」
武器庫に来るのは武装に欠陥がある者のみ、武装が十分な者は戦闘の危険を負ってまで武器庫にはこない。そう考えたシュテルは武器庫近辺で待ち伏せをし、襲撃をかける作戦だったのだが、失敗に終わった。
また、先の戦闘で少なからず消耗もある。戦闘後の襲撃を危惧し、シュテルは足早にその場を離れた。
ー星光の殲滅者ー
デバイス:グラーフアイゼン
支給品:エクスポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:8一
スカリエッティ「と、短いけれど今日はここまでだ。明日からはもう少しペースを上げるよ。あと一応解説なんかをやってみるが、興味の無い方は飛ばして頂いてかまわない」
プレシア「いきなりフェイトが大ピンチじゃない!」
スカリエッティ「そうなんだ、支給品運も無いし、デバイスも補助型、更に近くにシュテルと踏んだり蹴ったりだ」
プレシア「ランセレの気分によっては即退場もあり得たわ」
スカリエッティ「後魔法の件だね、勝手な解釈だけど基本魔法くらいならデバイスが記憶してる筈だから使えると思うんだ、使えるって事にしてくれ、その方が面白い」
プレシア「なんとも勝手な......それにゲホイルだけじゃなくてラケーテンだって問題じゃないの?」
スカリエッティ「あれはラケーテンモードでの突撃だから、アイゼン自身の機能であってヴィータの魔法じゃない......と思う」
プレシア「そんなもんかしら」
スカリエッティ「多分ね」
プレシア「他に何か疑問点、要望等あったら、聞いてくれれば解答、改善するわ」
スカリエッティ「出来る範囲で、ね......」
乙
桃鉄とか王様ゲームの人?
>>19
桃鉄は違いますが、王様ゲームの方は私です。
乙
innocen知らないけどなのはたちは9歳?
>>21
大体StS当時と思って頂いて問題ないです。
例外としてマテリアルズ(見た目9歳時)、Vivid組(Vivid時) ですかね。
もう時系列も何もあったものじゃないので、キャラの年齢は皆様の想像にお任せします。
デバイス持ってない人たち涙目。
まあ魔導師で使ってないのはユーノとリンディさんぐらいだけど。
プレシアさんは鞭に変形してた杖がデバイスらしい
>>23
スカリエッティ「最初はプレシアも参加者にいる予定だったんだ。アリシアと一緒に」
プレシア「そうなの!?」
スカリエッティ「ただアリシアは前述の通り、プレシアはデバイスの名前がわからないという理由で没になった」
プレシア「あんまりじゃない......」
スカリエッティ「これでも頑張って調べたんだ。公式で名前設定してないなら仕方ない。レイジングハートやバルディッシュなんてかっこいい名前のデバイスの中1人だけプレシアの鞭とかダサいだろ?」
プレシア「まあ、ね......」
スカリエッティ「あと本編を開始する前に追加要素をば」
プレシア「追加要素?」
スカリエッティ「ああ、具体的にはダメージと魔力、体力(スタミナ)消費を追加で表示するよ」
ーフェイト・T・ハラオウンー
デバイス:クラールヴィント
支給品:ポーション、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:9一(武器庫前)
損傷:小
魔力消費:小
体力消費:中
ー星光の殲滅者ー
デバイス:グラーフアイゼン
支給品:エクスポーション、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:7一
損傷:無
魔力消費:小
体力消費:小
スカリエッティ「例として、昨日の二人について書き出して見た。あくまで目安だがね。参考になれば幸いだ」
プレシア「本編、始めていくわ」
ーシグナムー
デバイス:ブリッツキャリバー
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:5一
現在位置:6一
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
シュテル「シグナム......」
シグナム「シュテルか、先の爆発はお前が原因か?」
シュテル「......」
先のフェイトとシュテルの戦い、結果は決着付かずの引き分けであったが、戦いの痕跡は十分以上に残った。そのため、シュテルは襲撃を予期し戦闘場所から離れた訳だったが、運悪くシグナムと遭遇してしまった。
シグナム「ふっ、図星のようだな。この様なやり方で気は引くが、行かせて貰うぞ」
シュテル「......望むところと言わせて頂きましょう」
移動に体力を消費し、消耗のあるシュテルは戦闘は避けたいところだったのだが機動力はシグナムが上であろう。逃げ切るのは不可能と判断し、シュテルは再び戦闘を開始した。
先手を取ったのはシュテル、パイロシューターでシグナムに攻撃を仕掛けるも、ブリッツキャリバーの機動力を捉えきれない。
シグナム「はあぁ!」
パイロシューターをよけ切ったシグナムは反撃に出る。
ブリッツキャリバーでの蹴りを放つも、それを喰らうシュテルでは無く、ガード。続けてラケーテンハンマーでの反撃にでたが、シグナムは難なく攻撃をよけ切り、反撃の一撃を見舞う。
シュテル「......」
ここに来てシュテルは一つの問題点に気付いていた。今手に持つグラーフアイゼンはシグナムもよく知るデバイスである。
不慣れなブリッツキャリバーでなお、シグナムは危なげなくよけ切ってみせた。
......恐らくはアイゼンの軌道を読まれている。シュテルのラケーテンはアイゼンの勢いに任せて攻撃しているに過ぎない。ヴィータと共に戦い続けてきたシグナムだからこそ出来る芸当。
シュテルはこの戦闘の辛さを改めて感じ取っていた。
その後の戦闘はシグナム優勢で続いていた。アイゼンの軌道を制御するのは思いの外難しく、苦戦を強いられていた。
だが、それはシグナムにも言え、シグナムも普段と勝手の違うブリッツの扱いには荒削りな部分が多く攻め手に欠けていた。
シュテル(やはり、アイゼンでシグナムを捉えるのは難しい......ならば!)
シュテルは再びパイロシューターでの牽制に出る。が、先と同じくシグナムに捉えるには至らなかった、が。
シュテル「ラケーテン、ハンマー!」
シグナム「!」
シュテルはシューターでシグナムの注意を引き、よけ切られたシューターをラケーテンで打ち返した。
ヴィータとはまた異なるアイゼンの使用方法。
何もアイゼンの使い方は一つでは無い。こういった変則的な、シュテルだけのアイゼンの使い方がある。
不意をつかれたシグナムは防御の態勢を取り足が止まる。そこにシュテルの必殺の一撃が放たれた。
シュテル「ブラストファイア!」
相手を一撃で仕留める灼熱の砲撃、防御をしていたシグナムには避ける手段は無く、砲撃の直撃を喰らう。
シュテル「......」
爆煙が広がり、視界を遮る。防御の上からではあったが直撃。一定以上の成果は上げているだろう。
シグナム「......まさか、アイゼンをその様に使うとは驚いたな」
単純な攻撃のみを警戒していた自らの愚かさを感じつつ、シグナムは再び攻撃態勢に出る。魔力消費は大きいが、戦えないレベルでは無い。
それをアイゼンで迎え撃つシュテル。幾度の攻防の末、互いに軽傷。そこで動いたのはシュテルだった。パイロシューターでの牽制。
先は痛手を受けた攻撃であるが、二度と同じ手は喰らうわけにはいかず、シグナムはシューターの警戒をしながらも、シュテルへの警戒にも気を張った。
そこでシグナムは気付く。今シグナムを襲っているシューターは2つ、先程までのシュテルのシューターは3つだった。ならば残り1つは......
シュテル「そこです!」
残りの1つはシュテルの近くで停滞しており、シュテルはアイゼンでシグナムに向けてその1つを打ち放った。
シグナム「くっ......」
シグナムは紙一重でそれをよけきる。あと少し気付くのが遅れていたら、再び砲撃の餌食となっていただろう。
焦りを禁じ得ないシグナムだったが、この状況、辛いのはシュテルだった。
再三に渡る牽制と砲撃での魔力消費、また、体力消費も重なり戦闘続行が極めて困難な状況に置かれていた。
シュテルはこの一撃で勝負を決めるつもりだった。タイミングを図り、砲撃に繋げるつもりだったが、結果は失敗。次に砲撃へと繋げる戦略と何より魔力が現状は無かった。
シュテル(仕方が、ありませんね)
シュテルはシグナムに背を向け、逃走の姿勢を取る。
シグナム「まだ戦闘は終わって......」
戦闘は終わっていない。そう言いかけたシグナムの眼前に、小さな兵隊達が現れて、シグナムに攻撃を加える。
小さいながらも侮れない威力。放っておくにはいささか危険だった。そうして、シグナムが兵隊の対応に追われる中、シュテルはシグナムの視界から消えていった。
ー星光の殲滅者ー
デバイス:グラーフアイゼン
支給品:エクスポーション、魔法の聖水、玩具の兵隊(使用済み、大破)
現在位置:6三
損傷:中
魔力消費:大
体力消費:大
ーシグナムー
デバイス:ブリッツキャリバー
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:6一
損傷:中
魔力消費:中
体力消費:中
スカリエッテイ「今日はここまでだ」
プレシア「解説タイムね」
スカリエッテイ「しかし、シュテルも災難だね、再び戦闘とは」
プレシア「そうね、秘密道具も使っちゃったし、なかなかマズイ展開よね」
スカリエッテイ「あのまま戦っていたら脱落だったろうから、あそこで秘密道具使用を決断したランセレは偉い」
プレシア「決断はしてないと思うわよ」
スカリエッテイ「それは置いといてだ、玩具の兵隊についてだ」
プレシア「明らかに強過ぎるわね」
スカリエッテイ「魔導師用に僕たちが改造したってことで。ガジェットみたいな感じ?」
プレシア「あとパイロシューター、もう少し段数打てる筈じゃないかしら」
スカリエッテイ「ルシフェリオンがあればね、アイゼンならあれくらいだろう。砲撃に対する適性はなさそうだし」
スカリエッテイ「あと登場キャラなんだが、どんどん視点が変わるとわからなくなりそうだから、偏りが出てしまっている。取り敢えず次回から全く別なところに変わるが、そこのところはご理解を頂きたい」
最後にお詫びを、ペース全く上がってません、むしろ下がっている気すらします。すみません......
乙
ペースは気にしなくていいと思うよ
>>33
ありがとうございますm(_ _)m
まったりペースですが、少しずつ投稿していきます。
ースバル・ナカジマー
デバイス:ケリュケイオン
支給品:ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:3四
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
スバル「ケリュケイオン、か」
スバルは支給された自らのデバイス、ケリュケイオンを見てそう言う。
キャロのデバイスケリュケイオン。強化魔法を得意とするブーストデバイスだ。しかし、これはスバルの望んでいたデバイスでは無い。
今後について思案するスバルだったが、不意に背後から拳を放たれ思考を中断される。
スバル「ヴィ、ヴィヴィオ!」
反射的な動きで第一撃を避けたものの、続く第二撃は防ぎ切れずに吹き飛ばされる。
ヴィヴィオ「初撃は上々、まだまだいきます!」
ヴィヴィオは自らの奇襲が成果を上げたと判断し、追撃を行うべく再び攻勢に出た。
虚を付かれ、初撃こそ遅れを取ったが、スバルもただやられている訳では無い。ケリュケイオンの強化魔法を発動し、ヴィヴィオを迎え撃つ。
スバルは近接戦闘、とりわけ格闘戦には自信が有ったが、結果としてスバルは劣勢に立たされている。
それにはスバルのケリュケイオンの扱いにも原因はあるだろうが、それ以上の原因はヴィヴィオのデバイスにあった。
ヴィヴィオ「クリス! サポートお願い!」
クリス、正式名称はセイクリッド・ハート。それは幸運にもヴィヴィオ自身のデバイスであった。
その差を埋めるべく、スバルも重ねて強化を行い、ヴィヴィオとの戦闘を続行した。
強化魔法の補助を受け、スバルも次第に攻勢に出ていたが、それでも尚決め手に欠けていた。
それこそヴィヴィオの言っていたサポートの正体。【セイクリッド・ディフェンダー】クリスの瞬間的な防御魔法。スバルの攻撃はそのことごとくをこれによって防がれていた。
スバルは更なる強化魔法の必要性を感じ、再びケリュケイオンで魔法を発動しようとした。丁度、その瞬間。
ヴィヴィオ「ディバイン、バスター!!」
スバル「しまっ......」
今まで格闘戦を行っていたヴィヴィオが唐突に放つバスター。格闘戦にのみ注意を注いでいたスバルはバスターの直撃を受け吹き飛ばされる。
なにもヴィヴィオは格闘戦のみを得意とするわけでは無い。魔法の実力も高く、特に砲撃に関しては得意とするところだった。
ヴィヴィオ「ファイア!」
ソニックシューター、ヴィヴィオは吹き飛ばされたスバルに追撃の射撃魔法を放つ。
ここまで、ヴィヴィオの想定していた通りに事が進んでいた。のだが、ここで一つの誤算が生じた。
吹き飛ばされたスバルは全く明後日の方向に向き直っていた。そうして、その方向からランサーが放たれる。
その攻撃の主はーヴィーター スバルとヴィヴィオの激しい交戦はエリアを跨いで行われてしまったらしい。そうして、先程の攻撃でヴィータとスバルが接触。戦闘となったのだ。
ヴィヴィオ(スバルさんはともかく、ヴィータさんを相手にするのは魔力残量的に無理がある......)
セイクリッド・ディフェンダー、バスター、シューター。その他各種動作でヴィヴィオの魔力は大きく削られていた。
本来ならばスバルを倒し、その後で休息を取る予定だったのだが、それは叶わなかった。
仮に今、二人に割って入りスバルを落としたとしても、デバイスや各種支給品の所持を巡り、間違いなく続けてヴィータと戦闘になる。そうなった場合にヴィヴィオには勝機が見当たらなかった。
そう判断したヴィヴィオは早々にスバルの撃破を諦め、その場から撤退した。
ー高町ヴィヴィオー
デバイス:セイクリッド・ハート
支給品:ポーション、賢者の聖水、秘密道具
初期位置:4四
損傷:小
魔力消費:中
体力消費:中
スバル(なんてついてない......)
スバルはヴィヴィオとの戦闘で無視出来ない消耗をしていた。そんな中で、続けてヴィータとの連戦。勝機は万に一つも無い。
だが、逃げる術もスバルには見当たらなかった。
出来るのは、ヴィータの振るう戦斧、バルニフィカスを紙一重で翻すことのみ。
ヴィータ「......何だかよくわからねぇけど、好機を逃す道理はないよな」
イマイチ状況を掴み切れないヴィータだったが、目の前に満身創痍の魔導師がいるという事実に関しては充分に理解していた。
そうして幾度の攻防の末、ヴィータはランサーで牽制を放つ。
それをガードし、距離を取ろうとするスバルだったが、その動きが止まる。
スバル「バインド!? 速い!」
バルニフィカスが可能とした高速バインド、その速さに引き換え強度は高くなかったが、今のスバルには脅威だった。
そして動きが止まった一瞬に、ヴィータのスマッシャーがスバルを捉えた。
ヴィータ「......終わったな」
直撃の後にスバルが脱落した事を伝える放送が入り、スバルが本部へ転送される。
残されたバッグから支給品を、そしてデバイスを手に取り、ヴィータは現在地を離れた。
ーヴィーター
デバイス:バルニフィカス
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
所持品:ケリュケイオン、ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:3五
損傷:小
魔力消費:中
体力消費:微
ースバル・ナカジマー
最終位置:3五
損傷:甚大
魔力消費:大
体力消費:大
備考:脱落
スカリエッテイ「一旦ここまで、今日はもう一度更新するよ」
プレシア「ついに初脱落だけど、スバルは運が無かったわね」
スカリエッテイ「ああ、あの近辺は固まり過ぎだ。1人脱落は仕方が無い」
プレシア「完全に補助型デバイスがハズレ枠ね」
スカリエッテイ「支給品なんてそんなもんさ。あと、ヴィータが使ったレヴィの魔法についてなんだがね」
プレシア「スマッシャーってやつね」
スカリエッテイ「ああ、イメージとしてはフェイトのプラズマスマッシャーだが、それに準ずる技がレヴィには無かった」
プレシア「一応フェイトがオリジナルだから、使えるだろうという判断で使用したわ」
ーアリサ・バニングスー
デバイス:レヴァンティン
支給品:ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:5八
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
アリサは支給品を確認し、笑みを浮かべる。惜しくも自身のデバイスであるフレイムアイズを引き当てることは叶わなかったが、アリサの初期デバイスはレヴァンティンだった。
シグナムのデバイスであるレヴァンティンは比較的フレイムアイズに感覚が近く、更にアリサの炎熱変換のスキルにとても相性がいい。
アリサ「こうなったら、やることは一つよね」
デバイスに恵まれた以上、他の参加者が力を付けない間に戦力強化、つまりは参加者の撃破を行う。というのがアリサの行動方針である。
そうして、アリサは戦闘を行うべく、移動を開始した。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
アリサの目標はすぐに達成された。現在位置は4八。開始位置からほど近いこのエリアで、アリサは獲物を発見したのだ。
アリサ「ここで会ったが百年目ってね、観念しなさい、なのは!」
なのは「......」
そして、アリサはなのはに対してレヴァンティンを振りかぶる。
アリサ「なっ......」
しかし、アリサの振るったレヴァンティンは空を切る。しかし、外れたのでは無い。アリサの攻撃はなのはを捉えた、しかしそのなのはには実態が無かった。
ー幻術ー これでアリサは確信する。なのはのデバイスはクロスミラージュ。幻術魔法を得意とするティアナのデバイスだ。
想像通り背後から銃弾が浴びせられる。銃器のデバイスはクロスミラージュのみである。
アリサ「シュトゥルムヴィンデ!」
アリサはそれに素早く反応し、レヴァンティンの刀身から衝撃波を放つ。銃弾を撃ち落とすのには成功したが、そこにはなのはの姿が無い。
なのは「ディバイン......」
アリサ「!」
なのは「バスター!」
なのはは幻術、銃弾を囮として本命のバスターを打ち込む作戦だったのだ。回避動作が間に合わずに防御でやり過ごす。
なのはの砲撃は一撃で昏倒しかねない必殺の一撃だが、それはレイジング・ハートがあってのこと、アリサは無事にバスターをやり過ごし反撃に出た。
素早く踏み込んでの一閃。しかし、それもまた幻術に当たり効果を成さない。
アリサ「なのは! 早く出てきて戦いなさいよ!」
自分の攻撃が成果を上げられず、アリサにはもどかしさが募っていた。
なのははティアナの様に、幻術魔法を使用出来る訳では無いのでクロスミラージュによって発動されている初歩的な幻術しか使っていない。だが、アリサの性格上、幻術は予想以上の効果を発揮していると言えた。
ならばとなのはは再び幻術魔法を発動し、更にアクセルシューターを放った。幻術を帯びて、複数のシューターがアリサに襲いかかる。
アリサ「どれが本物かわからないなら......全部潰せばいいのよ!」
そう言い放ったアリサはシュランゲフォルムへとレヴァンティンを変形させ、その刃で幻影もろとも、文字通り一網打尽にしてみせた。
シューターとなのはの幻影が消えるなか、本物のなのはのみが回避行動を取る。
アリサ「見つけた!」
本物を見つけたアリサは、幻影を排除した勢いで、そのままなのはに攻撃を仕掛ける。
なのは「っ!」
回避もままならずに防御をしたなのはだったが、アリサもその隙は見逃さずレヴァンティンの一閃で防御を切り崩す。
なのははその勢いで飛ばされるも、傷自体は軽傷ですんでいた。
なのは(シュランゲフォルムが厄介だ......私の使える幻術じゃ全部潰されちゃう)
なのはは幻術で惑わし、砲撃を入れることを主体とした作戦を立てていたが、それが全て白紙になってしまった。
なのは(作戦、変更かな......)
作戦の変更を考えつつも、まずは幻術で惑わさねば始まらない。再びシューターと幻術を組み合わせ、アリサに攻撃を仕掛ける。
しかし、それは先程アリサに防がれ、反撃を貰ったのと同じ攻撃。
勿論アリサはシュランゲフォルムで迎撃、なのはへの攻撃を行った。
しかしそれは、幻影を打ち払う事には成功したものの、なのはを捉えるには至らない。
アリサ「飽くまで近づかないってのならこっちから行って上げる!」
なのはを捉えられなかった原因として、なのはがシュランゲの回避が容易なところまで下がっていた。というのが上げられる。
つまり、なのはは徹底的に幻術での戦闘を決め込むということだ。
痺れを切らしたアリサは幻術などお構いなしになのはへと近づき、レヴァンティンで攻撃を加えようとする。
暫しの攻防の末、アリサの攻撃がなのはを捉える。なのはは防御魔法を展開し、その一撃は防いだ。
アリサ「紫電、一閃!」
しかし、防御を切り裂くレヴァンティンの一撃が続けて放たれる。
直撃コース、回避も防御の手段も無い。
その絶望的な状況の中で、なのはは防御魔法を解除する。防御を解除してしまえばそれこそ、戦闘不能の大打撃を受ける事になる。
だが、紫電一閃がなのはを捉える事は無かった。
なのはが取り出したマントによってアリサの一撃は翻された。
アリサ「!?」
そして、なのはは再び砲撃の姿勢を取る。
攻撃を振り切ったアリサは砲撃を避けることが出来ずに、至近距離での直撃を受けた。
ーアリサ・バニングスー
初期位置:5八
最終位置:4八
損傷:甚大
魔力消費:中
体力消費:中
備考:脱落
なのは「ふぅ......」
なのはは無事、アリサを撃退出来た事に安堵していた。一進一退の攻防、支給されていたのがこのマントでなければ結果は大きく異なっていただろう。
幻術で惑わし、下がった位置からの攻撃と見せかけ、本命はひらりマントからの近距離砲撃、なのはの狙いは見事に成功していた。
そしてなのははアリサの支給品を回収し、休息を取るべく、移動を開始した。
ー高町なのはー
デバイス:クロスミラージュ
支給品:ポーション、エルフの飲薬、ひらりマント(使用済み)
所持品:ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:4九
損傷:中
魔力消費:大
体力消費:中
スカリエッテイ「今日はここまでだよ」
プレシア「割とあっさりだったわね、凄く強そうな組み合わせなのに」
スカリエッテイ「私としても、もっと書きたかったんだがね、ランセレ神には逆らうことは出来無い......」
プレシア「それは置いといて、解説は?」
スカリエッテイ「今回は特に無いかな、強いて言うならばひらりマントは使い捨てだ。もう使えないよ」
プレシア「永続だと流石にチートよね」
乙
>>47
戦利品のレヴァンティン抜けてるよ
>>50
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
ー高町なのはー
デバイス:クロスミラージュ
支給品:ポーション、エルフの飲薬、ひらりマント(使用済み)
所持品:レヴァンティン、ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:4九
損傷:中
魔力消費:大
体力消費:中
正しくはこうですね、失礼しました。
スカリエッテイ「本編を始める前に、補足」
プレシア「今更?」
スカリエッテイ「忘れてたんだよ」
プレシア「......」
スカリエッテイ「まず、複数のデバイスの同時使用、これは出来ない。昨日のなのはの例でいくと、左手にレヴァンティン、右手にクロスミラージュなんかは不可能だ」
プレシア「当たり前ではあるけれどね」
スカリエッテイ「ただしこれはデバイスの話であって、武器庫にある武器は適用されない。だから、左手にレヴァンティン、右手にもう一本剣。なんてのも可能だ」
プレシア「勿論常識の範囲内でだけれど、3本も4本も持つのは無理よ」
スカリエッテイ「あとこのエリアは全て市街地風なエリアだ、高いビルやらなんやらの建物がある。という設定」
プレシア「最初に言いなさいよ!」
スカリエッテイ「忘れてたって言ったろう!」
プレシア「......更にもう一個、どうでもいいかもしれないけれど、バリアジャケットはデバイスのものが適用されているわ」
スカリエッテイ「クラールヴィントを起動したフェイトはシャマル風、グラーフアイゼンを起動したシュテルはヴィータ風のバリアジャケットだ」
ー雷刃の襲撃者ー
デバイス:ルシフェリオン
支給品:ポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:2六
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
レヴィ「ん~、もうちょっと粘って欲しかったんだけどなぁ」
レヴィはスバル達の戦いを眺めてそう呟く。戦いを察知したレヴィは後方からその様子を眺めていた。
勿論レヴィにも戦闘に参加したい思いは有ったが、自分に不釣合いなルシフェリオンが自分のデバイスになっている以上、迂闊な行動は控えておくべきという判断である。
その判断が功を奏したのか、レヴィには大きな収穫があった。それは戦闘を行っていた1人、ヴィータのデバイスが自分のデバイス、バルニフィカスだという事がわかったのだ。
レヴィとしてはダメージを受けたヴィータ、もしくはヴィータに勝利した者を襲撃し、バルニフィカスを奪うつもりだったのだが、ヴィヴィオは早々に撤退、スバルもヴィータにダメージにダメージを与える事が叶わなかった。
ヴィータもレヴィと同じく、近接戦闘を得意とする魔導師である。多少のダメージでは、このデバイスの差は覆らないだろう。
レヴィ「しょうがない、作戦開始!」
そう言いながらレヴィはヴィータの方に向かい駆け出す。レヴィの右手にはハート型のバッジが握られていた。
ーーーーーー
ーーーー
ーー
今、レヴィとヴィータは互いに距離を置き相対していた。
ヴィータ「......これが、狙いか?」
そう言って、ヴィータは構えたバルニフィカスを差し出す。
レヴィ「んう? まあ、そうなんだけど。今は違うよ」
そう言いながらも、レヴィはルシフェリオンを構えて戦闘態勢を取る。
ヴィータ「バッチリ武装した上でそんな事言ったって説得力あるわけ無いだろ!」
レヴィの言葉を受け、ヴィータはランサーを放ち牽制を行なう。レヴィはそれをシューターで相殺。爆煙がおこる。
そうして、爆煙が晴れる前にレヴィはヴィータに向けて突撃していた。
まさか、ルシフェリオンを持ったレヴィが近接戦闘を挑んでくるとはヴィータも予想外では有ったが、幾度の攻防の末、劣勢なのはやはりレヴィである。
レヴィ(やっぱりルシフェリオンに近距離は向かないね、目的は達成したし、撤収撤収)
ヴィータ「お、おい!」
レヴィ「じゃね!」
いきなり近接戦闘を仕掛けたと思えば、去っていたレヴィ。ヴィータには何が何やらわからなかったが、戦闘後の襲撃を回避出来たのは、幸運だった。更なる襲撃を受けるわけにもいかずヴィータは足を早め、休息に向かった。
ーヴィーター
デバイス:バルニフィカス
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
所持品:ケリュケイオン、ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:3六
損傷:小
魔力消費:中
体力消費:小
ー雷刃の襲撃者ー
デバイス:ルシフェリオン
支給品:ポーション、魔法の聖水、トレーサーバッジ(ハート→ヴィータに消費、残りスペード、ダイヤ、クローバー)
初期位置:2六
現在位置:3六
損傷:小
魔力消費:小
体力消費:小
ー ティアナ・ランスター ー
デバイス:レイジング・ハート
支給品:ポーション、エリクサー、秘密道具
初期位置:6四
現在位置:7五
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:微
ティアナは開始後しばらくは、戦闘を避けるべく建物に隠れ、今後の方針を思案していた。
しかし、すぐそばで爆風と閃光ー正確にはフェイトの放ったクラールゲホイルであるがーを目撃し、戦闘に巻き込まれるのを避けるべく、爆心地から離れようとしたのだったが。
ティアナ(動いたのが裏目に出た......かな)
戦闘を避ける為の行動は結果として、ティアナを戦闘に巻き込んでいた。
相手はエリオ、更に苦しいのはエリオのデバイスがストラーダだと言う事だ。
レイジング・ハートはティアナに取っては悪くないデバイスなのだが、やはり幻術を組み込んだ従来の戦術が使えないのは大きい。
幻術が使えない訳では無いが、そのレベルは大きく下がってしまう。ティアナとしては一刻も早くクロスミラージュを手にしたいところだった。
バルニフィカスじゃなくてバルフィニカスだぜ!
現状は、エリオの攻撃を幻術でいなしながら撤退の頃合いを見計らっていたが、そのチャンスは一向に訪れそうに無い。
ならばとティアナはクロスファイアシュートによる誘導弾でエリオを牽制しつつ、幻術を絡めた攻勢に出た。
だが、高速で移動するエリオを捉えるには至らず、エリオはティアナに向かって突きを放つ。
ティアナ(駄目だ、攻撃のパターンが読まれてる......)
幻術のレベルが低くなった事で、そのパターンは著しく制限され、結果としてティアナとの戦闘経験の豊富なエリオには決め手となり得なかった。
エリオ「一閃、必中!」
スピーアアングリフ、魔力を噴出し加速するエリオの必殺攻撃。狙い澄まされた一撃はティアナを確実に捉え、ティアナはガードを余儀無くされる。
その後の追撃により、ティアナは傷を負ったものの、両者の間には距離が出来ていた。
ティアナは更なる幻術魔法の発動の為、チャージを続けつつ、誘導弾によって中距離を維持していた。
エリオとしては、射撃戦は望ましく無い。距離を詰めたいところだったのだが、誘導弾に阻まれ攻めきれずにいた。
>>56
本当ですね......恥ずかしながら今までずっとバルニフィカスだと思ってました。
ありがとうございますm(_ _)m
中距離の牽制が続き、ティアナは幻術のチャージを完了していた。これだけの間、戦況を膠着させられたのは、レイジング・ハートの射撃性能によるところが多い。
ティアナは改めてレイジング・ハートの性能を実感しつつ、再び攻勢に出た。
幻術と誘導弾の組み合わせ、無数の誘導弾の攻撃は容易に見切れず、エリオもこの時ばかりは守勢に出る。回避に専念すれば、避けられない弾幕では無い。いや、ティアナとしては避けて貰わねばならなかった。
エリオ「バインド!? 設置型!」
ティアナは誘導弾は始めからバインドに誘い込む為のブラフ、その為にワザと避けられるだけのスペースを容易したのだ。
ティアナ「ファントムブレイカー!」
ティアナの最大攻撃魔法、それはバインドを受けていたエリオを容赦無く捉え、ダメージを負わせていたのだが。
エリオ「バインド......警戒が足りませんでした」
エリオはその一瞬に防御に全魔力をそそぎ、どうにか持ちこたえていた。
エリオはティアナに比べて圧倒的なアドバンテージを持っていたが故に油断があった。だが、それはもう無い。
そしてエリオが攻勢に出ようとした時、二人の上空に、無数の魔法陣が展開される。
エリオ「......」
ティアナ「......」
二人は言葉を失っていた。これだけの魔法陣が展開され、あとは発射を待つのみとなっているのだから仕方がないのだが。
ファントムブレイザーで負傷の隠しきれないエリオと、その影響で魔力の負担が激しいティアナ。
どちらにもこの無数の攻撃を防ぎ切る手段は、持ち合わせていなかった。
ー ティアナ・ランスター ー
デバイス:レイジング・ハート
支給品:ポーション、エリクサー、秘密道具
初期位置:6四
最終位置:7五
損傷:甚大
魔力消費:大
体力消費:大
備考:脱落
ーエリオ・モンディアルー
デバイス:ストラーダ
支給品:ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:8五
最終位置:7五
損傷:甚大
魔力消費:中
体力消費:大
備考:脱落
はやて「こ、こんなもんやな......」
エリオとティアナに攻撃を仕掛けた主、八神はやては多大なる魔力消費に活動限界ギリギリの状態だった。
魔力制限がある中であれだけの魔法を発動したのだ。いかに他の魔導師と一線を画すはやての魔力量といえどこうなるのは必然だった。
はやて「はよ回復せな、脱落してまうわ......」
そうしてはやては自らのバッグから賢者の聖水を3つ取り出して使用する。
しかしそれは支給された貴重な3つの全てである。これほど安易に、尚且つ未だ序盤のこの状況で使うべきでは無い。
はやて「ん、これでええやろ。後は少し休憩すれば問題無しや」
それにも関わらず、はやてはなんの迷いも見せなかった。その理由ははやての周りに置かれた多くの瓶である。
それは先ほど使用した筈の賢者の聖水。それがあと20本程も残されていた。
勿論、はやてが他の参加者を脱落させたのは、ティアナとエリオが初である。にもかかわらずこれだけの支給品を所持している理由。
それはこの鏡、フエルミラーにあった。あらゆるものを増やせるこの秘密道具、今回は使用制限3回、一度につき増やせるものは1種類のみという制限があったが、はやては躊躇いもなく賢者の聖水にその全てを使用した。
はやて「夜天の書に、フエルミラー。もう私に優勝しろって言ってるようなもんや」
はやては近接戦闘は全くと言っていい程こなせない、故に勝ち抜くのは容易では無いとは思っていたのだが、それを上回る幸運に見舞われた。
はやて「魔力の心配はあらへん、あとは戦闘に乗じて、仕留めるだけ」
遠距離からの攻撃故、支給品及びデバイスの回収は出来ていなかったが、今のはやてにはそれすら些細な問題に過ぎなかった。
ー八神はやてー
デバイス:夜天の書
支給品:魔法の聖水、賢者の聖水(7セット分=21個)、フエルミラー(使用済み)
初期位置:6七
損傷:無
魔力消費:小(回復済み)
体力消費:無
ディアーチェ「小烏め......厄介な事を」
ディアーチェは建物の一室で忌々しそうに呟く。ディアーチェははやての置かれる状況を理解し、対策を練っていた。
ディアーチェ「しかし、こやつのお陰で戦闘の愚を犯さずに情報を集められた。我にも勝機はある」
そうして、ディアーチェはモニターから目を離すと、立ち上がり自らの目標を達成すべく移動を開始した。
ー闇統べる王ー
デバイス:デュランダル
支給品:ポーション、賢者の聖水、スパイ衛星(残りエネルギー小)
初期位置:4二
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
スカリエッティ「今日は此処までだ」
プレシア「完全にはやてがラスボス臭を放ってるわね、実際チートなんだけど」
スカリエッティ「そうだね、フエルミラーは当たりの部類として作ったんだが、やり過ぎたかもしれん」
プレシア「持ち主が持ち主よね」
スカリエッティ「ああ、一応回数制限に、ポーションと聖水を同時に増やさせないルールを用意したのに......」
プレシア「聖水だけが3→6→12→24と増えていったわね」
スカリエッティ「意味無しだったね」
プレシア「なんとかしてくれるならディアーチェかしらねぇ、はやての脅威を理解してるわけだし」
スカリエッティ「そうだね、まあまだ何があるかわからないさ。次にトレーサーバッジ、これは知らない人もいそうだから説明しておくよ」
プレシア「いわばGPSね、付けた相手の居場所がわかるわ」
スカリエッティ「スペード、ダイヤ、ハート、クローバーの4種類。気付かれそうなもんだが、魔法で隠してるから平気。壊れもしない」
すみません、今日明日と更新出来そうにありません。
少しづつ書き溜めはするので、明後日から再開します。
ークロノ・ハラオウンー
デバイス:スノートライデント
支給品:ハイポーション、エルフの飲薬、秘密道具
初期位置:1四
現在位置:3五
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
クロノ「確か、この辺りの筈だが」
そういってクロノは辺りを見回す。クロノはこの近辺で戦闘音を聞き、襲撃をかけようとやってきたのだが、現在この場所には人影は無かった。
クロノ「遅かった......か」
確かにこの近辺ではスバル、ヴィヴィオ、ヴィータによる戦闘が行われていたが、既にその戦闘は終了している。
だが、辺りの状況を見て戦闘が行われたのは間違いなく、更にその規模は決して小さく無い。
クロノ「......」
クロノは思案する。
この規模の戦闘ならば、勝ったにしろ負けたにしろ被害は隠せない筈だ。更に戦闘が終了してからクロノがここに到着するまでの時差はそうは無いだろう。
クロノ「探して、仕掛けるか?」
ならばこの近辺に、被害を被った誰かが隠れている可能性は高い。
しかし、魔力制限で索敵魔法が十全に機能しない中で、この建物をしらみつぶしと言うのは実際問題難しい。
更に、襲撃をかけるのが目的であるのに、捜索で疲労したところに付け込まれるなどという本末転倒な事態にもなりかね無い。
その中でクロノは一つの結論を出す。
クロノ「......行くか」
クロノはこの辺りを捜索することに決めた。誰かがデュランダルを所持している可能性もある。戦力は早期に整えておきたい。そう考えての行動だ。
ー月村すずかー
デバイス:バルディッシュ
支給品:ポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:1六
損傷:小
魔力消費:小
体力消費:小
ーアインハルト・ストラトスー
デバイス:アスクレピオス
支給品:ポーション、エルフの飲薬、秘密道具
初期位置:1六
損傷:微
魔力消費:小
体力消費:微
すずかとアインハルトは既に戦闘を開始していた。
それもそのはず、二人の初期位置は同様の1六。出会うのに時間が掛かる理由は無かった。
互いに近距離での戦闘を続けていたのだが、デバイスの恩恵を受けているとはいえ、やはり近距離ではアインハルトに分がある。すずかは劣勢に立たされていた。
このまま近距離戦を続けるのは得策では無い。一度距離を取るため、ランサーで牽制を行ったすずかだったが、それは失策だった。
アインハルト「覇王流......」
すずか「!」
ランサーを放ったすずかはアインハルトの構えを見てそれに気づく。アインハルトに牽制の射撃魔法は意味を成さない。
アインハルト「旋衝破!」
射撃魔法を反射するのでなく受け止め、投げ返す。古代ベルカの術者のみが使える技、旋衝破。すすがはそれを失念していた。
投げ返されたランサーは的確にすずかに向かい放たれ、回避も間に合わず間一髪でガードを行う。
アインハルト「覇王......断空拳」
その隙を見逃すアインハルトでは無く、断空拳での追撃を放つ。
アスクレピオスによって強化された一撃はガードの上からといえど、すすがにダメージを与えるに十分な威力だった。
すすが(いけない、アインハルトさんの技を忘れているなんて......)
普段のすずかではあり得ない事ではあったが、慣れない戦闘に多少なりの動揺があった。気持ちを落ち着かせると、再びすすがはアインハルトに向き直る。
すすが(でも、この状況は正直嬉しくない......)
手痛い失敗もあったが、それ以上にアインハルトとの戦力差をすすがは感じ取っていた。少なくとも現状では勝ちを掴むのは難しい。
アインハルトも同じ結論に至り、好機を逃すまいと間髪入れずに攻撃を仕掛けてくる。
牽制が行えない以上、近距離戦闘になるのは必然。防戦一方のすずかに対して、アインハルトは的確な拳撃を放ち優位を確固たるものとしていた。
すずか(......賭けではある、でも!)
すずかはアインハルトの一撃を防ぐ。
更にすずかの防御魔法にはバインドが仕込まれており、同時にアインハルトの拳を拘束する。
そうして距離を置き、アインハルトに対してスマッシャーの一撃を見舞う。
すずか「......」
間違いなく直撃コース、バインドが決まり、避ける手段は無いかに見えたがアインハルトはさしたるダメージを受けずにこれを乗り切った。
すずか(間に合わない、か)
アンチェインナックル、これがある限りアインハルトにバインドをはじめとする拘束は効果が薄い。
長時間の拘束では無く、スマッシャーを放つまでの僅かな時間の足止めが出来れば。と考えたすずかだったのだが、それは叶わなかった。
アインハルト(後一瞬、発動が早ければ直撃だった。やはり侮るべきでは無い......)
アインハルトとしても、今の一撃は驚異だったが、二度食らう愚は犯さない。これさえ気を付ければアインハルトの優位は変わらなかった。
そして、アインハルトに一矢を報いたすずかだったが、現状は最悪だった。
その後もアインハルトの攻撃の手は休まず、すずかには反撃の手が無い状態が続き、防御に徹していた。そうして戦闘は長期戦になりつつあったが、距離が開けた一瞬に、すずかは魔法を放つ。
すずか「氷の唄!」
辺り一面を凍結させるすずかの氷結魔法。それはアインハルトを捉えるのに成功する。
こうも全身を捉われては繋がれぬ拳も意味が無い。すずかはこの気を見逃さずに撤退した。
ーアインハルト・ストラトスー
デバイス:アスクレピオス
支給品:ポーション、エルフの聖水、秘密道具
初期位置:1六
損傷:小
魔力消費:小
体力消費:大
レヴィ「バルディッシュ、大当たりだね!」
ヴィータとの戦闘後、早速行動を開始したレヴィは戦闘が痛み分けに終わったのをみるとすずかの元に駆け出していた。
ヴィータから直接バルフィニカスを奪うのが難しいのなら、他の参加者から近接用デバイスを奪い、そうして再びヴィータの元に向かおうと考えたレヴィだったが、早速の大当たりである。
バルディッシュ。バルフィニカスと同様のデバイスでレヴィにも十分以上に扱えるのは間違いない。
レヴィ「僕の作戦って完璧!」
今のすずかならば、ルシフェリオンを扱うレヴィといえど遅れは取らない。状況はレヴィにとって好転しつつあった。
程なくしてすずかに追いついたレヴィはすずかにルシフェリオンでの一撃を見舞う。
勿論、それは攻撃が目的では無く、手にしたスペードのバッジを取り付ける為である。
これ程な好機は二度と無いだろう、念には念を入れての行動だった。
すずか「ずっと狙ってた、のかな?」
レヴィ「うん、そうだよ。恨まないでよ? 今のデバイスじゃ、僕は戦えないんだから」
二人の距離は開いているが、それは詰めようとすれば容易に詰められる距離でしか無い。ダメージを負っているすずかに取って、考えている時間は無い。
レヴィがシューターを放とうとする瞬間に合わせ、すずかはバッグから取り出した爆弾を投擲する。
レヴィ「!?」
それは閃光と爆音を放ち爆発した。咄嗟に防御魔法を展開したレヴィだったが、視界は完全に遮られていた。
しかし、それが光と音のみのこけおどしである事にレヴィが気づくのに、長い時間は要さなかった。
すずか「これから、どうしようかな......」
近場の建物に身を潜めたすずかは、今後の状況について思案していた。
回復アイテムを使えば攻勢に出れなくは無い。だが、体力消費までは回復出来ない為、やはり愚策でしか無い。
秘密道具を失ったのは痛いが建物の影を利用してレヴィから逃げるのが得策だろう。
そう考えるすずかの目の前にレヴィが現れ、砲撃を見舞う。
すずか「どうして!?」
防御魔法を展開するも魔力消費の激しいすずかは完全に防ぎ切る事は叶わない。そう
して砲撃の直撃を受けたすずかに、レヴィは追撃のシューターを放った。
ー月村すずかー
初期位置:1六
最終位置:2四
損傷:甚大
魔力消費:大
体力消費:大
備考:脱落
レヴィは一息つくと、武装を解除し支給品を回収する。
すずかの居場所がわかったのは勿論トレーサーバッジによるものである。
バルディッシュを拾い上げたレヴィは再びヴィータとの交戦を行うため、体力の回復を図り休息に向かった。
ー雷刃の襲撃者ー
デバイス:ルシフェリオン
支給品:ポーション、魔法の聖水、トレーサーバッジ(ハート→ヴィータ、スペード→すずか(回収済み)、残りスペード、ダイヤ、クローバー)
所持品:バルディッシュ、ポーション、魔法の聖水
損傷:小
魔力消費:中
体力消費:中
スカリエッティ「今日はここまでだ」
プレシア「今日はちょっと解説が多めよ」
スカリエッティ「うむ、まずは繋がれぬ拳だが、本編中の映写が少なく、拳にあるバインドを破った映写しか無かったから、全身拘束は破れないものと自己解釈した」
プレシア「あとは索敵魔法の位置付けはどうなってるの?」
スカリエッティ「これは完全に説明不足だった。魔力制限の影響で、索敵魔法の使用自体が極端に難しくなっている。仮に発動出来てもエリアを特定出来るに留まるだろう。ほぼ意味は無いと考えてもらっていい」
プレシア「最後にレヴィなんだけど、こんなキャラだったかしら」
スカリエッティ「違う気がする。でも、考えるのが嫌いなおバカさんなだけで、本当に頭悪い訳じゃないし、大丈夫大丈夫」
プレシア「それでいいの?」
スカリエッティ「ssだしね。なんか色々と収集がつかなくなりつつ有るけれど、取り敢えず進めていくよ」
ー闇統べる王ー
デバイス:デュランダル
支給品:ポーション、賢者の聖水、スパイ衛星(残りエネルギー小)
所持品:手榴弾(残り2つ)、閃光手榴弾(残り3つ)
現在位置:2二
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:小
ーキャロ・ル・ルシエー
デバイス:紫天の書
支給品:ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
初期位置:2二
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:無
ディアーチェ「ふむ、奴はあそこだったな」
ディアーチェは目の前の建物の一室を見て呟く。
そこには先程スパイ衛星でキャロが隠れているということをディアーチェは知っていた。また、キャロが自らのデバイス、紫天の書を所持していることも把握済みだ。
勿論、あれからキャロが移動していれば話は別だが、この付近に戦闘の形跡は無く、移動した可能性は低いとディアーチェは結論づけた。
ディアーチェ「少々荒っぽいが......まあ良かろう」
するとディアーチェはバッグから一つの手榴弾を取り出し、目標の一室に向かって投擲する。
これは、キャロの元に来る前に、近場の武器庫から拝借したものだ。手榴弾は目標通り、窓を破り室内に転がり込む。
ディアーチェ「逃げ道とするならば......」
ディアーチェは次のキャロの行動を予測し、攻撃を仕掛けるべく位置を変える。
次の瞬間、手榴弾は爆発し、狙い通りの場所からキャロが屋外に避難するべく飛び出して来る。
キャロ「どうして居場所が......っ!」
そうして飛び出し、隙を見せるキャロの背後からディアーチェはスティンガースナイプで追撃をかける。
キャロは間一髪で防御陣を展開するも、それでも尚続くディアーチェの追撃に押され吹き飛ぶ。
ディアーチェ「スティンガーレイ!」
体制を立て直そうとするキャロに向けて、再度ディアーチェは攻撃を仕掛ける。
未だ体制の整え切らないキャロはガードを行うも、ただただ攻撃を受け続けるキャロでは無い。
キャロ「フリード!」
キャロの使役する白龍がキャロの指示に従い、ディアーチェに向かい火球を放つ。
それをよけ切ったディアーチェだったが、その影響で攻撃の手が止まる。
ディアーチェ「ちぃ、チビ龍めが!」
そして再び攻撃を加えようとするフリードに向かい、スティンガーを放つディアーチェだったが、それはキャロの防御強化魔法によって阻まれる。
先のフリードの火球は惜しくもディアーチェには届かなかったものの、再びフリードは火球を放つ。
キャロによって強化されたそれは、先よりも早く、鋭い一撃となってディアーチェを襲う。
これにはディアーチェも防御陣を展開せざるを得ず、火球を受け止めるが、完全に防ぎ切ることは叶わなかった。
ディアーチェ「小癪な!」
キャロの攻撃を凌ぎ切ったディアーチェは、フリードを牽制しつつ地面から氷柱を放ち、キャロに攻撃に仕掛ける。
それを避け続けるキャロだったが、不意に背後に現れた氷柱に背をぶつけてしまう。
それを見逃さなかったディアーチェはバインドで氷柱ごとキャロを縛り上げる。
ディアーチェ「スティンガー......」
拘束され身動きの取れないキャロに対して、勝負を決めようとディアーチェは攻撃を仕掛けようとしたのだが、それはフリードの介入により不発に終わる。
そうして、バインドから解放されたキャロはディアーチェに向き直る。
キャロ(一か八か、やってみるしか......無い!)
今までの戦闘で攻め手に欠けているのを感じたキャロは竜魂召喚を発動し、フリードを真の姿である白銀の竜へと解放する。
ディアーチェ(流石に、これ相手ではちと厳しいか......)
銀竜と化したフリードの猛攻に、ディアーチェは防戦一方となっていた。術者であるキャロを直接狙おうにも、そのことごとくをフリードに落とされ、反撃の手段を失っていた。
ディアーチェ(しかし......)
フリードとの攻防のさなか、キャロを見やるディアーチェだっが、想像以上にキャロの消耗が激しい事に気付く。
考えてみれば当たり前だが、紫天の書に召喚術へのサポート機能はほぼ無いと考えていい。ならばキャロはこの召喚術の大部分をデバイスの補助無しで制御しているのだ。負担が多いのも頷ける。
ならばと反撃を考えていたディアーチェは回避に専念し、フリードの攻撃をいなし続けた。
そうして幾度なく放たれるフリードの攻撃を無傷とまではいかないにしろ、ディアーチェは防ぎ切った。
だが、体力面での消耗は隠しきれず、もはや限界と言って過言では無い状態となっていた。
魔力消費の激しいキャロにとっても限界は近かったが、わずかとはいえ余力がある。
体力の尽きかけているディアーチェにフリードの一撃をこれ以上防ぎ切る事は叶わないだろう。
キャロ(......これで、決める!)
そうして、フリードが攻撃を仕掛けようとした瞬間に辺りは閃光に包まれる。
ディアーチェが投擲した閃光手榴弾が炸裂したのだ。その閃光を受けたフリードは動きが止まる。
ディアーチェ「スティンガー、レイ!」
フリードの攻撃が止み、自由となったディアーチェはキャロに向けて渾身の一撃を放つ。
それを防御するキャロだっが、魔力不足の影響は大きく、いとも簡単に防御陣は崩れ去った。
ーキャロ・ル・ルシエー
初期位置:2二
最終位置:2二
損傷:中
魔力消費:甚大
体力消費:中
備考:脱落(過度の魔力消費)
ディアーチェ「......手こずらせおって」
正直に言ってディアーチェはこれ程の反撃を予期していなかった。
しかし予想外の被害があったとはいえ、念願のデバイスである紫天の書を手にする事が出来たのはこれ以上無い収穫である。
ディアーチェ「待っておれよ、小烏」
ディアーチェの目的であるはやて打倒に向けて一歩前進したのは間違いないが、それでも尚はやてに勝てる確証は無い。
ディアーチェは休憩場所を探しつつ、はやてを仕留める時を待つことにした。
ー闇統べる王ー
デバイス:デュランダル
支給品:ポーション、賢者の聖水、スパイ衛星(残りエネルギー小)
所持品:紫天の書、ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具、手榴弾(残り1つ)、閃光手榴弾(残り2つ)
現在位置:2二
損傷:中
魔力消費:中
体力消費:大
スカリエッティ「今日はここまで、始めてダメージ以外での脱落が出たね」
プレシア「そうね......ってもしかして、機動六課フォワード部隊、全滅じゃないかしら」
スカリエッティ「ん? スバルにティア、エリオ......」
プレシア「流石に偏り過ぎね」
スカリエッティ「驚きだ、まさかこんな事になるとは」
プレシア「はやてに纏めて二人やられたのが大きいわね」
スカリエッティ「あれが無ければねぇ」
プレシア「あと申し訳程度の解説要素だけれど、キャロにフリードはくっついてていいのかしら」
スカリエッティ「迷ったんだけどね、召喚が主のキャロにフリード無しは戦闘が組み立てられないよ。ということで未だ空気勢のルーテシアもガリューを連れているよ」
プレシア「空気勢なのは、ギンガ、シャマル、そしてルーテシアの三人ね」
スカリエッティ「いい感じにみんな本筋に関わらないんだ、出そうにも出せない現状」
今日の更新は無理そうです
しばらく2~3日ペースになるかと思います
はやてに同盟組んで戦う未来ががが
マイペースで
>>90
ありがとうございますm(_ _)m
なるべく2日ペースを保てるようにしたいと思います。
ー星光の殲滅者ー
デバイス:グラーフアイゼン
支給品:エクスポーション(残り2つ)、魔法の聖水(残り1つ)、玩具の兵隊(大破)
現在位置:5三(病院前)
損傷:小
魔力消費:小
体力消費:中
先のシグナムとの戦闘で大きな被害を受けたシュテルは病院にやってきていた。
ダメージ回復に使用してしまった支給品の補充が目的である。
シュテル「......」
シュテルは注意深く辺りを見回す。
病院といえば人が集まっていたとしても不思議では無い。警戒は怠るのは危険極まりない。
ただ、幸いにして現在確認出来る場所に人影は無い。そうして足早にシュテルは病院内へと進んだ。
シュテル「......なかなか、見当たりませんね」
病院内に入って数刻、シュテルは幾つかの回復アイテムを入手していたが、どうやら病院とは言ってもそう何個もアイテムが置いてある訳では無いらしい。
シュテル「っ!」
この部屋も調べ終わり、次に向かおうとしたシュテルは何者かの足音を聞き、その場に身を潜める。
シュテル(この声は......ヴィヴィオでしょうか)
その足音の主はヴィヴィオ、ヴィヴィオもまた病院近くで戦闘を行ったため病院に訪れていたのだ。
ヴィヴィオ「クリス、そっちには何かあった?」
ヴィヴィオはシュテルには気づいていない。今ならばシュテルには奇襲をかけるチャンスがある。
しかし、シュテルには迷いがあった。
今ヴィヴィオが言っていたクリス。これはセイクリッド・ハート、つまりはヴィヴィオ自身のデバイスを意味する。
シュテル(奇襲をかけた後の戦闘が問題ですね......このまま隠れているのが得策でしょうか)
そう、仮に先手を取れたとして、それだけでやられるヴィヴィオでは無い、デバイスの差やシュテル自身の体力状態からみても戦闘は無謀と言えた。
そのままその場に身を潜め続けたシュテルにヴィヴィオは気付かずに、ヴィヴィオはそのまま病院を後にする。
なんとか最悪の事態を回避する事に成功したシュテルだったが、現状を打破する術が早急に必要となる事を改めて感じさせられていた。
シュテルは既に支給品の幾つかと秘密道具を消費してしまっている。その上、戦闘では思うように戦果があげられていない。
確かに支給品の消費は病院で幾分か補てはいた。しかし、それはあくまでマイナス分を取り戻しただけであり、現状の打破とまではいかない。
今後を思案しつつ、シュテルは病院を後にした。
ー星光の殲滅者ー
デバイス:グラーフアイゼン
支給品:エクスポーション(残り2つ)、魔法の聖水(残り1つ)、玩具の兵隊(大破)
所持品:ポーション(残り2つ)、魔法の聖水(残り1つ)
現在位置:5三
損傷:小
魔力消費:微
体力消費:小
ー高町ヴィヴィオー
デバイス:セイクリッド・ハート
支給品:ポーション、賢者の聖水、秘密道具
所持品:ポーション(残り3つ)、魔法の聖水(残り2つ)
現在位置:4三
損傷:微
魔力消費:小
体力消費:微
ークロノ・ハラオウンー
デバイス:スノートライデント
支給品:ハイポーション、エルフの飲薬、秘密道具
現在位置:3六
損傷:無
魔力消費:無
体力消費:小
ーヴィーター
デバイス:バルフィニカス
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
所持品:ケリュケイオン、ハイポーション、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:3六
損傷:微
魔力消費:小
体力消費:微
クロノが捜索を開始して暫くの時が経った。しかし、クロノは未だにその姿を捉える事は出来ずにいた。
クロノ「ここが、最後だな」
多少なりとは言え、体力消費も出てきた。これ以上の深追いは無意味とクロノは考えた。
クロノ「......」
ここに誰かが潜んでいるかはわからないが、クロノは細心の注意を払いながら先へと進む。
そして次の瞬間、クロノは微かな物音を感じ、防御陣を展開する。
ヴィータ「ちっ!」
休息中にクロノを発見したヴィータは、先制攻撃を仕掛けたのだが、それはクロノには届かなかった。
そして、ヴィータの攻撃はスノートライデントの強固な防御壁に阻まれ弾かれる。
そうして体制の崩れたヴィータをクロノはスノートライデントで横薙ぎに払う。それをバルフィニカスの柄で受けたヴィータはランサーを放ちながら後退する。
クロノはランサーの攻撃を弾きながら、反撃を加えようとヴィータを追う。
それを見たヴィータは回避行動に移ろうとするも、それはヴィータの周囲に展開された氷柱に阻まれた。
そして動きの止まったヴィータにクロノはスノートライデントを振り下ろす。
ヴィータ「くそっ......」
何とかバルフィニカスで受ける事に成功したヴィータだったが、つばぜり合いとなった今の状況はより力のあるクロノが有利だ。
しかし、クロノはそれを踏まえた上で飛び退き、下がりながらスティンガーを放つ。
完全に不意をつかれたヴィータはスティンガーの直撃を貰ってしまう。
ヴィータ「光翼斬!」
すぐさま体制を立て直したヴィータはバルフィニカスから魔力刃を放ち反撃する。
それを防御陣で防いだクロノだが、ヴィータは光翼斬を囮にクロノの背後へと回り込みバルフィニカスを振り下ろす。
しかしそれは再びスノートライデントによって阻まれ、弾かれてしまう。
ヴィータ(室内じゃ、速さが活かせねぇ......)
狭い室内ではバルフィニカスの性能を発揮仕切れない。そう考え、屋外へ戦闘の場を移すために側にある窓から飛び出ようとしたが、再び作られた氷壁が行く手を阻む。
更にその時、同時に放たれたスティンガーがヴィータの眼前に迫っていた。
ヴィータ(もうこれしか無い、か......)
ヴィータはスティンガーを避けるでも無く、防ぐでも無く、ランサーを放ち相殺させた。
その衝撃で爆風が起こり、周辺が爆煙に呑まれる。
クロノ(あの距離で相殺!? 無事では済まない筈だが......)
この行動にはクロノも驚きを禁じえなかった。あの至近距離で相殺すれば爆発の衝撃を間近で受ける事になる。まさに自殺行為と呼ぶに相応しい。
しかし、その爆煙が晴れた時、ヴィータはその場から姿を消していた。
クロノ「!」
ヴィータの姿が無い。
間違いなくヴィータはあの場から動いてはいない。いくら視界が悪かったとはいえ、ヴィータが移動した気配は察知出来る筈だ。
それにも関わらず、ヴィータは忽然と姿を消したのだ。
ヴィータ「雷光輪!」
クロノ「なっ!」
かと思えば、背後に突然姿を表したヴィータはクロノにバインドを仕掛け、ランサーの一斉掃射をクロノに叩き込む。
バインドを喰らっているクロノに避ける術は無く、クロノはランサーの直撃を受け続ける。
ヴィータ「どう、だ?」
ヴィータの渾身の一撃はクロノを確実に捉えた。しかし、それはクロノを倒すには至らなかった。
だが、クロノもダメージが大きいのだろう。ヴィータへの反撃を諦め後退した。
ヴィータとしてもこれ以上の戦闘は望めなかった為、ヴィータも又クロノを追うことはしなかった。
ークロノ・ハラオウンー
デバイス:スノートライデント
支給品:ハイポーション、エルフの飲薬、秘密道具
現在位置:3六
損傷:大
魔力消費:中
体力消費:中
ーヴィーター
デバイス:バルフィニカス
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
所持品:ケリュケイオン、ハイポーション、魔法の聖水、通り抜けフープ
損傷:中
魔力消費:中
体力消費:大
スカリエッティ「今日はここまでだ」
プレシア「シュテルはかなり逆境ね」
スカリエッティ「ああ、別段弱くは無いイメージなんだがどうもふるわないね」
プレシア「シュテルとアイゼン、何かあってる気がするのはどうしてかしら。まあそれは置いといてよ、ヴィータが消えたのは何?」
スカリエッティ「あれはスティンガーを相殺した後、爆煙の中で地面に通り抜けフープを設置して下の階に降りたんだ」
プレシア「背後に現れたのはもう一度下から通り抜けフープで上に上がったって事?」
スカリエッティ「そういうことだ。因みに通り抜けフープは使える状況が限られそうだったから、特に回数制限なんかは用意していない」
ーシグナムー
デバイス:ブリッツキャリバー
支給品:エリクサー、魔法の聖水、秘密道具
現在位置:6一
損傷:微
魔力消費:小
体力消費:小
シュテルの玩具の兵隊を迎撃した後、シグナムは休息を取り体力の回復を測っていた。
傷は浅いとは言えず、復帰に辺り相応の時間を要したが、未だ完治には至っていなかったが、シグナムは立ち上がる。
シグナム「そろそろ、頃合いか」
あまり長期間戦闘から遠ざかっていると、他の参加者との戦力差が危惧される。
シグナムの現在の戦力は十分とは言えない。これ以上の停滞は避けるべきだとシグナムは判断し、行動を再開した。
シグナムの目的はそう時を置かずに達成された。
ブリッツキャリバーを構えたシグナムは今まさにフェイトと相対していた。
シグナム「......見慣れん武器だな」
シグナムはフェイトの武装を見て素直な感想を漏らす。
フェイトの手に持たれた剣はどの参加者のデバイスとも異なっていた。
フェイト「武器庫で調達した物ですけど、斬れ味は充分の筈です」
シグナム「成る程な、あの閃光の原因はお前か。テスタロッサ」
フェイトの手にするデバイスはクラールヴィント、戦闘用では無い。その点を踏まえての行動だろう。
ならば初めにシグナムが見た閃光の主はフェイトと言う事になる。
フェイト「そうですね、あの時は逃げるしかありませんでしたから」
フェイトはシグナムに対して隣接体制を取り、手に持った剣をシグナムに向ける。
シグナム「あの時......ならば今は違うと言うことか?」
フェイト「勿論です、今のシグナムに遅れは取りません」
フェイトも剣の扱いは慣れてはいないが、それ以上にシグナムはキャリバーの扱いに慣れていない。
シグナム「言ってくれるな、不慣れな武装だからと見くびって貰っては困る」
フェイト「......油断は、ありません。全力で決めます!」
二人は互いに何度も模擬戦を行い、競いあってきた。こういった状態での戦闘は勿論初めてだが、双方相手の力量は誰よりも知っている。
故に、油断は無い。
シグナム「いくぞ、テスタロッサ!」
戦闘が始まり、二人は互いに距離を詰め近距離での攻防を繰り広げていた。
シグナム(強度はデバイスと同等、いやそれ以上か。魔力補助が無いとはいえ、厄介だな)
武器庫にある武器は魔力のサポートなどといったことは出来ないが、その分単純な攻撃力ではデバイスを凌駕していた。
シグナムはその攻撃力に、踏み込んだ一撃が放てない。
フェイト(流石シグナム、キャリバーの特性を理解してる。無駄が無い)
また、フェイトもシグナムの動きに警戒し、一撃を放てずにいた。
それに加えてバルディッシュとの細かな差異がフェイトを惑わせていた。
こうして、互いに初撃は攻め手に欠け双方様子見で距離を置く。
シグナム(だが、高い攻撃力も標的を捉えねば意味が無い)
フェイト(それでも、付け入る隙はある)
シグナム、フェイト(次こそは!)
互いに相手を知った上で、再び二人は戦闘を再開する。
シグナムが拳を放てばフェイトが避け、フェイトが剣を振るえばシグナムが避け。
一進一退の攻防が続く中、膠着状態を破ったのはフェイトだった。
再度放たれるシグナムの拳をフェイトは剣で受け止める。その瞬間にシグナムの動きが止まる。
シグナム「何!?」
フェイト「はあぁああ!」
動きが止まったシグナムに、フェイトは渾身の力を込めてシグナムを斬りつける。
その瞬間、シグナムの身体を痺れが襲い動きを鈍らせる。
シグナム(成る程、な)
剣の一撃を受け、吹き飛ばされたシグナムは体制を立て直し、現状を把握した。
剣に触れた時に感じた痺れ、フェイトはあの剣に自らの魔力を流し込み通電させている。
デバイスでは出来ない芸当だ、フェイトはあの剣を手にしてからの僅かな期間にその特徴を理解し、有効に活用している。
シュテルの時もそうであったように、フェイトは決して自分に合った武器では無くとも、その中で自分の戦術を作り上げた。
シグナム(自分だけの使い方という事か)
勿論、シグナムにはブリッツキャリバーの使い手であるギンガ以上にこれを使いこなす事は出来ない。
しかしギンガには出来ないシグナムのブリッツキャリバーの扱い方がある。
そうしてシグナムはブリッツキャリバーに炎を宿しフェイトに攻撃を仕掛ける。
フェイト(こんな使い方が!?)
その一撃一撃を剣で受けるが、剣に流れる電撃は炎に阻まれその役割を果たさない。
こうして受けに回ったフェイトだったが、シグナムの猛攻を剣で防ぎきる事は出来ず、ついに足を止めて防御陣を展開し、シグナムの攻撃を阻む。
シグナムの一撃を防ぐ事に成功したフェイトだったが、続けて放たれる左の拳に防御陣は崩れ去り、その衝撃でフェイトはダメージを負う。
続けてシグナムはキャリバーの脚部に炎を纏わせて未だ体制の立て直しきれないフェイトに攻撃を仕掛ける。
フェイト「っ!」
なんとか蹴りの直撃を避ける事には成功したフェイトだったが、纏われた炎を避けるまでには至らずに、再度体制が崩される。
その隙を見逃さないシグナムは、右の拳でフェイトに一撃を叩き込む。
この一撃で二人の間には距離が出来ていた。なんとか攻勢に出ようとしたフェイトだったが、手に持った剣の変化に気付く。
フェイト「......」
シグナム「どうやら剣の性質は利点ばかりでは無いらしいな」
そう、フェイトの持つ剣は幾度と無く放たれるシグナムの炎を受けるうちに変形し、元の斬れ味を完全に失っていた。
#つけ忘れましたorz
今後こちらに変更します
膠着状態から一転、戦闘はシグナムの圧倒的優勢となっていた。
剣による攻撃が失われた上に、炎による一撃。もはやフェイトは守勢に回る他なかった。
シグナム(考えられる反撃は一つ、それが失われた時が勝負を決める時か)
しかし、シグナムはフェイトの反撃の手段を見抜き一定以上の警戒の元に決定的な一撃を放たなかった。
フェイトは既に役立たずとなった剣を手放してはいない。恐らくは通電を続けているのだろう。
そうしてシグナムの予想通り、シグナムの攻撃の隙にフェイトは手に持った剣をシグナムに向けて投げつける。
それを予期して、深く踏み込んでいなかったシグナムはそれを避ける事に成功する。
当たっていれば再び自由を奪われ手痛い一撃を貰うことになるのは容易に想像がつく。
シグナムはフェイトの最後の一撃を避け、とどめを刺そうとフェイトに向き直るが、フェイトは続け様にランサーをシグナムに放つ。
予想外ではあったがそれを避けきれないシグナムでは無い。ランサーを避けると拳に炎を纏わせて一撃を見舞おうとする。
フェイト「私の勝ちです!」
攻撃を仕掛けようとしたシグナムの背後から、強力な電撃がシグナムを襲い、シグナムはその直撃を受ける。
シグナム(あの一撃は始めから剣に当てるつもりだったか......)
そう、フェイトの狙いはシグナムでは無く、その背後にある帯電した剣だった。
帯電した剣にランサーを当てることにより放電させたのだ。
その一撃に動きを止められたシグナムに向かって、フェイトは攻撃の構えを取る。
フェイト「トライデント......」
シグナム(今回は一歩上を行かれたようだな、テスタロッサ)
フェイト「スマッシャー!」
ーシグナムー
最終位置:7一
損傷:甚大
魔力消費:中
体力消費:大
備考:脱落
フェイト「危なかった......」
フェイトはシグナムとの戦闘に勝ったとは言え、大きなダメージを負っていた。
何より手にした剣が使い捨てになってしまったのが大きい。
兎にも角にも現在地を離れるべくシグナムの支給品を回収するフェイトだったが、それは予想外の収穫となった。
フェイト「これがあれば、戦いを有利に運べる......」
そうして、支給品を回収し終えたフェイトは足早にこの場を去った。
ーフェイト・T・ハラオウンー
デバイス:クラールヴィント
支給品:ポーション、魔法の聖水、秘密道具
所持品:ブリッツキャリバー、エリクサー、魔法の聖水、秘密道具、鋼の剣(大破)
現在位置:7一
損傷:大
魔力消費:大
体力消費:大
スカリエッティ「今回は少しキャラの会話を多めにしてみた、と思う。今後もこんな感じにしようかと思案中だ」
プレシア「余り変わらないような」
スカリエッティ「気持ちね、気持ち」
プレシア「それはそれとして色々やったわね、今回」
スカリエッティ「片方デバイスじゃないからね。独自設定だよ、独自設定。一応帯電⇒放電の流れはザグルゼムなイメージ」
プレシア「ガッシュネタは何人わかるのかしらね」
スカリエッティ「しかしフェイトもナイスな秘密道具を手に入れて大幅戦力up、わからなくなってきたね」
プレシア「戦力upてどれくらい?」
スカリエッティ「短時間ならはやてを上回れるくらい」
プレシア「バランス......崩壊?」
スカリエッティ「かも」
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