エイリーク「ここは・・・?」アンナ「秘密のBARへようこそ」 (161)


エイリーク「秘密のBAR・・・。お店じゃないんですね」

アンナ「あら、秘密の店の方も知ってるの?」

エイリーク「はい、天使の衣などのアイテムをよく」

アンナ「じゃああなたが噂の常連さんなのね。いつもありがとう」

エイリーク「あ、いえこちらこそ。ラグドゥ遺跡の攻略には・・・じゃなくて!ここはBARなのですか?」

アンナ「ええそうよ。生きていれば、なかなか他人には相談できない悩み・・・愚痴・・・いろんなものが溜まっていくわ」
   「そんな鬱憤を晴らすための場所がここ、秘密のBARよ」


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エイリーク「アンナさんが聞いてくださるのですか?」

アンナ「違うわよー。私は場所を提供するだけ」
   「あなたの悩みは、別の人が聞いてくれるわ」

エイリーク「それは・・・?」

アンナ「異なる時空より集められた、同じ境遇の者たちよ」
   「さあ、ご案内は以上。入っていく?やめておく?」

エイリーク「で、ではせっかくなので試しに・・・」ガチャッ


カランコローン

~♪


エイリーク(なかなかいい雰囲気です。上品な調度品に、落ち着いたジャズ・・・)

「~~ですわ」
「それは~~~」

エイリーク(・・・奥の方から話し声がします)


エイリーク「あのー」

「あら、あなたが最後のゲストなのね」
「なかなか上品な方ですわね」
「よろしくお願いします・・・」


エイリーク「あ、よろしくお願いします。私はエイリークと申します。・・・ルネス王国の王女です」

ラケシス「私はラケシス。ノディオンの王女です」

クラリーネ「エトルリア王国、リグレ公爵家のクラリーネですわ」

プリシラ「・・・同じくエトルリアの、カルレオン伯爵家のプリシラともうします」


ラケシス「ルネスにエトルリア、ですか。どちらも知らないわ」

エイリーク「私も、ノディオンもエトルリアも知りません」

ラケシス「そちらのふたりは同じ国の出身らしいですね。お知り合いですか?」

プリシラ「いえ、面識は・・・。リグレ公といえばパント様ですが・・・」

クラリーネ「お父様をご存知ですの?」

プリシラ「ええ。・・・でも私の知っているパント様は、まだお若くてお世継ぎもいらっしゃらないはずです」

クラリーネ「そんなはず・・・」


アンナ「あなた達は異なる時空間から集められたんだもの。知らない国同士、または時系列がズレていても不思議じゃないわ」

ラケシス「入る時に聞いてはいたけれど・・・」

エイリーク「まさか本当とは・・・驚きです」

クラリーネ「時系列がズレて、ということはプリシラさんは昔の方、なのかしら」

プリシラ「あなたは未来の、パント様のご息女・・・?」

アンナ「さあ、状況が理解できたところで、本題に入りましょう。あなた達は誰にも相談できない悩みを共有しているはず」
   「異なる時空の、この場限りの関係だからこそブチまけられることもあるでしょう」
 
   「さあさ、今宵の酒宴を始めましょうか」


ラケシス「とりあえずエイリークさん、みんな飲んでることですし、お酒でも頼んだらいかが?」

エイリーク「あ、そうですね・・・」


エイリーク「ワインとかおいてますか?」

アンナ「あるわよー。赤と白、どっちがいい?」

エイリーク「では赤で。軽くつまめる物などもあるといいんですが・・・」

アンナ「フィッシュ&チップスでいい?」

エイリーク「はい」

アンナ「じゃあはい、ワインと、お料理は出来次第こっちから持っていくから」

エイリーク「ありがとうございます。お代はこれくらいでいいですか?」

アンナ「ええ、結構よ。ごゆっくり~」


エイリーク「お待たせしました」ストン

クラリーネ「いえいえ」

プリシラ「ところで私たちは共通の悩みがあるとのことですが・・・」

エイリーク「悩み、といってもいろいろありますしね・・・」

ラケシス「では、よければ私の悩みを聞いてくださいますか?・・・最近、辛いことがあって」

クラリーネ「どうぞ。わたくし達でよければお相手いたしますわ」

ラケシス「・・・私、兄がいたのです。兄といっても異母兄妹なのですが」

ラケシス「エルトにいさまは、強くて、優しくて、自慢の兄でした」

ラケシス「・・・でもこの前、エルトにいさまは死んでしまったのです」

クラリーネ「そんな・・・!!」
プリシラ「・・・・・・!」
エイリーク「・・・兄君を」


ラケシス「私、にいさまが大好きでした。気づいてしまったのです、私はにいさまと結ばれたかった・・・」

プリシラ「・・・!私も、兄が大好きです!小さい時は、結婚の約束もしました!」ガタッ

ラケシス「そう、プリシラさんも!」ズイッ

クラリーネ「わたくしのお兄様もすばらしい方ですわ」

エイリーク「私も、兄上は素敵だと思います」

ラケシス「・・・もしかして、私たちは」

プリシラ「実の兄君に恋心を寄せてしまったものたち・・・?」


エイリーク「ま、待ってください!私は確かに兄上を慕っています!でも、そのような感情は・・・」

クラリーネ「わたくしもですわ!いくらお兄様が美しくても・・・!」

プリシラ「本当にそうですか・・・?世間の目を気にして、気持ちを押し殺してはいませんか?」

ラケシス「そうですよ。たとえば、他の女がすり寄ってきたらどう思いますか?」

クラリーネ「・・・それは、あまりいい気分はしませんわね。でもお兄様にふさわしい方なら・・・」

エイリーク「ええ。兄上がそれを望むなら・・・」

プリシラ「兄君にふさわしい人なら・・・。本当は、自分こそがふさわしいと思っているのでは?」

クラリーネ「っ!!」

エイリーク「・・・わ、私は」アセアセ

ラケシス「図星のようですね」クスッ


ラケシス「私は後悔しています。こんなお別れをする前に、エルトにいさまに思いのたけをぶつければよかったと」

プリシラ「心中お察しします、ラケシスさま。私は決意しました。私、レイモンドにいさまにこの想いをぶつけます」

ラケシス「プリシラさん・・・!がんばってくださいね!心から応援するわ!」

プリシラ「ええ!もうあんな男女修道士の好きにはさせません!」

ラケシス「プリシラさん」スッ

プリシラ「はい」スッ

ラケシス「にいさまと」

プリシラ「未来に」

ラケ・プリ「かんぱーい!」カーン


エイリーク「・・・私は、ひょっとして臆病だったのかもしれません」

クラリーネ「ええ。あれほど自分にまっすぐな方達を見ていると・・・なんだか勇気が湧いてきました」

エイリーク「私たちも、兄上とまっすぐ向き合うべきなのかもしれません」

クラリーネ「ええ、そうですわね」

______
_____


アンナ「・・・・・・」


ラケシス「だいたいにいさまはバカなんだわ!あんなシャガールなんて小物に振り回されて!」ヒック

エイリーク「兄上~あたまなでてください~」フラフラ

クラリーネ「お兄様っ!レディになったわたくしを見てくださいまし~」ブンブン

プリシラ「レイモンドにいさま・・・プリシラはまだ、あの日の指輪を持っています・・・うふふふふ」ヒック



アンナ(まさか揃いも揃って酒乱だったなんて・・・)

ラケシス「マスターっ!お酒がたりませんっ!」ダンッ

アンナ「もう飲んだの!?」

エイリーク「ボトルで持ってきなさ~~い」ユラユラ

アンナ「・・・・・・」


______
_____


エイリーク「・・・はっ」ガバ

ラケシス「気づきましたか」

エイリーク「はい・・・。なんだか頭が重いです」ウツラウツラ

プリシラ「だいぶ飲んでしまったようです」

クラリーネ「お店にも迷惑をかけてしまったようですわね・・・」

エイリーク「帰りましょうか・・・」


ラケシス「これ、迷惑料です」

アンナ「そんなに受け取れないわ」

ラケシス「私たちは酒代以上のものを得たわ。これはその気持ち。受け取ってください」

アンナ「まあ・・・。そんなに言うのなら」

ラケシス「では」

アンナ「気を付けてね~」


エイリーク「あ、ラケシスさん」

ラケシス「お代は払ったわ」

クラリーネ「じゃあみなさまとはこれでお別れですわね」

プリシラ「すこし寂しいです。みなさんとは他人の気がしませんから」


ラケシス「・・・みんな、がんばってね。私にはもう兄はいないから」

プリシラ「ええ、必ず!」

エイリーク「・・・はい」

クラリーネ「ええ、わたくしはまだ皆さんほど固まった気持ちはないですが・・・」


「では最後に・・・」

「ブラ婚、しましょう!」


「「おおーっ!」」

ブラコン編終わりですー
こんな感じであと3、4組くらいやっていきたいなと

あと外伝だけは未プレイなので参加させられないです・・・

また明日にでも投下します


アーダン「ああん・・・?秘密のBAR?」

アンナ「そうよ。生きていれば、なかなか他人には相談できない悩み・・・愚痴・・・いろんなものが溜まっていくわ」
   「そんな鬱憤を晴らすための場所がここ、秘密のBARよ」

アーダン「へえ、BARね。あんたみたいなべっぴんさんに相手してもらえるなら、最高だぜ」

アンナ「残念、あなたの相手は別にいるわ」
   「異なる時空より集められた、同じ境遇の者たちよ」

アーダン「俺みてえなむさ苦しいのがたくさんいるのかよ」

アンナ「たぶんあなた含めて4人くらいだと思うわ」

アーダン「はあー。じゃあま、せっかくだしお邪魔するかな」ガチャッ


カランコローン

~♪


アーダン(・・・気取った雰囲気の店だな。俺みてえなのには居心地悪いぜ)

「む、君が・・・」

「よろしく頼む」

アーダン「お、おう」


バース「おれはバース。オスティアの重騎士だ」

ドーガ「アリティア王宮騎士団のドーガだ」

アーダン「俺はグリューンリッターの重騎士アーダンだ」

アーダン「・・・全員重騎士じゃねえか!」

バース「そうだな、さすがにみないい身体をしている」

ドーガ「みなそれぞれの戦場で、堅牢な軍の盾として活躍しているのだろうな」

アーダン「活躍・・・活躍なぁ」


アーダン「まあ、こうしてるのもなんだ。酒でも頼もうぜ」

バース「そうだな。あと一人来るそうだが、先に始めてしまっても問題ないだろう」

「はい、お品書き」

アーダン「んん?なんだボーズ、手伝いか。偉いな」

ドーガ「君のような若者は好感が持てるね」

「・・・いちおう僕、この店のマスターなんだけど」

アーダン「ああ?例のねーちゃんじゃないのか」

アンナ「私がお手伝いなのよ」

バース「・・・不思議な店だな」


アーダン「ごくごく・・・ぷはぁっ。いい酒だな」

「どういたしまして」

アーダン「お代はいくらだ?(ついげきリング売った金もあるし、多少高くても大丈夫だろ)」

「3000G」

アーダン「はあ!?高すぎだろ」

「冗談だよ。おじさん達が払いたいだけの額でいいよ」

バース「・・・しかしな」

ドーガ「まあそういうことなら」チャリン

「まいど」


アーダン「で、なんとなく察しはつくけどよ、悩みって・・・」

バース「・・・・・・」

ドーガ「・・・・・・」


「「進軍についていけない」」


アーダン「わかる!わかるぜその気持ち!!やっと追いついたかと思えばもう戦闘は終わってるんだよな」

バース「重騎士は戦闘能力は高いのだ。高いのだが・・・」

ドーガ「この鎧だからな」

バース「あと悩みといえば、どんなに鍛錬しても攻撃速度があがらないんだ」

アーダン「ああ、追撃なんて夢物語だよな」

ドーガ「おれは割と上がってる実感あるが」

バース「!? ど、どのような鍛錬を」

ドーガ「実戦かな」

アーダン「まず戦場が遠いんだよ」


ドーガ「それよりも魔道士が怖い」

バース「あのいまいましい者たちか」

アーダン「魔法ってなんだよな、戦場はファンタジーじゃねえんだよ」

ドーガ「我々は苦心の果てにこの肉体を手に入れたというのに
     ヤツらはそれをせせら笑うように鎧も肉体も介さない攻撃を繰り出してくる」

バース「あれこそ遺憾千万。どうにかならぬものか」

アーダン「あと斬鉄の剣とかハンマーとかも[ピーーー]よって毎回思うぜ」

バース「あれを見たときは戦慄したものだ」

ドーガ「アーマーキラーのことか。あれは人道に反するな」

アーダン「もう魔法もハンマーも国際法で禁止してほしいよな」


______
_____


アーダン「だいたいよぉ!ひでえんだよ、みんなしてバカにしやがって
     俺はこんなにも固くて強いのに・・・」

バース「大丈夫だアーダン、おれたちはちゃんと解ってるぞ」

ドーガ「ああ、お前は誰よりも固い!」

アーダン「お前ら・・・いいやつすぎるぜ」

バース「当たり前だ。重騎士に悪いやつはいない」

ドーガ「軍のやつらは重騎士がいないとどうなるか知らないだけだ
    縁の下で支えるのも立派な役目だ」

アーダン「そうだよな・・・俺ちょっと卑屈になりすぎてたぜ」


バース「ロイ様は重騎士事情をわかっていないのだ!
     『みんなと歩調を合わせよう』って、ムリだろう絶対!」

ドーガ「ペガサスナイトあたりに必ずバカにされるしな」

アーダン「森に絡まってる~ってな。余計なお世話だ」

バース「しかも軍の者はなぜか『惜しい体力の人』とからかってくる
     そんなハズはない!だれよりも厳しい自己研鑽を欠かしていないのに」

ドーガ「そのガタイでそれを言われるのはヒガミだな。間違いない」

アーダン「どこにも嫌なやつはいるもんだな」



アーダン「シグルド様はよぉ~」

ドーガ「マルス様など~」

バース「ロイ様は~」


「・・・・・・」

「みんな軍の指揮官が嫌いなの?」

アーダン「おお、ボーズ。・・・いや、嫌いってんじゃないんだけどよ」


ドーガ「むしろ・・・おれは心からお慕いしていたはず」

バース「そうだ・・・。あの方こそこの動乱を治める器をお持ちのはず」

アーダン「そうだぜ、シグルド様のためなら地獄まででもお供できる」

ドーガ「・・・どうやら我々は、ただ歯がゆかったのかもしれないな」

バース「ああ、もっとお役に立ちたいだけだったのだ」

アーダン「・・・なんだか騎士になりたてのころを思い出すぜ」


バース「・・・帰ろうか。軍の盾が酔いつぶれていたのでは、勝てる戦も勝てなくなる」

ドーガ「そうだな・・・」

アーダン「おう、もうバーハラ攻めも近い。気合入れねえと」

バース「・・・さらばだ。異界の同志たちよ」

アーダン「ああ、楽しかったぜ」

ドーガ「さあ、我々の主君を護るため、明日もこの肉体を鎧おうではないか」

「「おう」」


アーダン「あれ、ところで4人招待されてるって話じゃなかったか?」

ドーガ「そういえばそうだな」

バース「まあ、招待に応じるかは本人次第ということなんだろう」

アーダン「じゃ、改めて・・・じゃあな」






カラム「・・・・・・一番乗りだったのに、誰にも気づいてもらえなかった・・・」


______
_____


アンナ「どういうつもりよ、これだけしか稼いでないなんて」

「だっておじさん達ビンボーそうだったし」

アンナ「あのね、こっちも商売なのよ。せっかくお店貸してあげてるのに」

「ごめんよ。でもそういう契約だし」

アンナ「まったく、次は頼むわよ」

「うん」

重騎士編終わりですー

個人的にはAナイト大好きです
アー様はリングジャラジャラつけてアイラとくっつけたことがあるくらい好きです

みんな使おうAナイト


ミカヤ「もう、ユンヌったら・・・どこまで行くの」

ミカヤ「・・・?
    ここは・・・?」

アンナ「秘密のBARへようこそ」

ミカヤ「秘密のBAR、ですか」

アンナ「そうよ。生きていれば、なかなか他人には相談できない悩み・・・愚痴・・・いろんなものが溜まっていくわ
    そんな鬱憤を晴らすための場所がここ、秘密のBARよ」

ミカヤ「とても魅力的なんですが、いまのわたしにはあまり時間がありません。今回は・・・」

ミカヤ「・・・え?ユンヌ?」

アンナ「どうする?寄っていく?」

ミカヤ「・・・はい」


カランコローン

~♪


ミカヤ「失礼します・・・」

ミカヤ(・・・奥に3人。みんな黙って飲んでる・・・)


ミカヤ「・・・はじめまして。わたしはミカヤといいます」

「・・・驚いたな。君のような少女が」

ミカヤ「え?」

カミュ「いや、すまない。わたしはカミュという者だ」

エルトシャン「俺はエルトシャンという」

セライナ「セライナです。よろしく」


ミカヤ「・・・・・・(みんな、尋常ではない雰囲気だわ。存在感が濃厚すぎて・・・息が苦しい)」

セライナ「・・・座らないのですか?」

ミカヤ「あ・・・し、失礼します」ストン

カミュ「・・・・・・」

エルトシャン「・・・・・・」

セライナ「・・・・・・」


ミカヤ「・・・・・・(みんな無言で酒を煽ってる・・・)」

カミュ「・・・君も、一軍を率いる者なのか?」

ミカヤ「はい。・・・王国軍の全指揮を任されています」

エルトシャン「ほう。どうりでなかなか据わっている」

ミカヤ「なぜ、わたしが将軍だと?」

セライナ「きみがここに来る前に、一通り我らの立場を明かした結果、見事にみな将軍職だったのです」

カミュ「だからきみもそうかと推測したのだ」

エルトシャン「俺はノディオンの王だがな」

カミュ「仕える王がいる以上、立場にそう違いはないさ」


ミカヤ「・・・・・・」

カミュ「・・・・・・」

エルトシャン「・・・・・・」

セライナ「・・・・・・」


「暗いよ、みんな」

ミカヤ「あなたは?」

「この店のマスターだよ」

セライナ「そのお歳で・・・。立派ですね」

カミュ「ミカヤどのといい、才児というものはいるものだな」

エルトシャン「世襲しただけの愚物の場合もあるぞ」フッ

「よかったら、盛り上げようか?こう見えてぼく、笛が得意なんだ」

ミカヤ「では、ぜひ」



「~♪ ~♪」

ミカヤ「・・・・・・(落ち着いた曲。でも、元気がでる)」



カミュ「・・・・・・」グビッ


カミュ「・・・・・・わたしは、これから望まぬいくさをする」

カミュ「わが王は、血の気が少ないお方だ。治世ではさぞその器を揮われただろう」

カミュ「だが・・・乱世にあってはそうもいかぬ」

カミュ「強国の圧力に耐えられず・・・それに与するをよしとされてしまった」

カミュ「わたしはこれから、・・・力になりたいと願った人物の前に、立ち塞がらなければならない」


カミュ「・・・・・・」グビッ

カミュ「・・・だが、憂いこそあれど、・・・迷いはない」

カミュ「わたしは栄光ある黒騎士団を率いる者として、さいごまで王国とともにある義務がある」

カミュ「・・・あとは、死力を尽くして戦うのみだ」


カミュ「・・・・・・」グビッ


「~♪ ~♪」



セライナ「私は・・・われらが王は、聡明な方でした」

セライナ「辺境の村まで支援してくださるような・・・数字の上での国益より
      帝国民みなの生活を案ずるような・・・本当にお優しい方でした」


セライナ「しかし・・・ある日を境に、陛下は変わってしまわれた」


セライナ「友好関係にあった国をだまし討ちし、陥落させ・・・その治安が荒れ果てようとも気になされない」

セライナ「あのころの、陽光まとわれる陛下とは・・・まるで別人なのです」

セライナ「・・・・・・」

セライナ「・・・しかし、私とて陛下より石の名を賜りし騎士
      その誇りにかけて、陛下の期待を裏切れません」

セライナ「・・・陛下の爪牙となりはてる。私はあの日、そう誓ったのです」

セライナ「・・・・・・」ゴク



ミカヤ「わたし達は・・・大義のない戦いを強いられています」


ミカヤ「もはや王は御逝去し・・・彼我の戦力差は決定的です。それでも、わたし達は戦わなくてはならない」

ミカヤ「もうそれしか、わたし達に残された道はありません・・・」

ミカヤ「このうえは、せめて堂々と戦場に没することが望みです・・・」

ミカヤ「・・・・・・」

ミカヤ「・・・・・・」チビチビ


「~♪ ~♪」


エルトシャン「・・・・・・俺は、親友と戦わねばならない」

エルトシャン「やつは、わが陛下に土地を返すと約束してくれた。ただシグルドを信頼すればよかったのだ」

エルトシャン「だが、早まったことに陛下はシグルドにむけて挙兵してしまった」

エルトシャン「マディノ城も墜ちたいま、陛下をお守りできるのはわがクロスナイツのほかいないのだ」

エルトシャン「・・・あのようなお方でも、アグスティ家最後の王族。忠義は果たさねば・・・」

エルトシャン「・・・・・・」グイッ


「~♪ ~♪ ~♪」


カミュ「・・・存外、いい会合だった」

エルトシャン「ああ。俺の決心にみがきがかかった。みな、見上げた騎士たちだ」

セライナ「はい。・・・では、それぞれの騎士道に」

ミカヤ「忠義に。仁道に」


カツーッン


「もう帰るんだ」

カミュ「ああ」

エルトシャン「世話になったな」

セライナ「この場を設けたこと、感謝します」


カランコローン


ミカヤ「・・・・・・」

「お姉さんはいかないの?」

ミカヤ「・・・わたしは、流浪の占い師をしていました」

「ぼくも昔は根なし草だったなぁ」

ミカヤ「・・・あなたの待ち人は、もうすぐ来ます」

「・・・!」

ミカヤ「じゃあ、わたしもこれで」


カランコローン


「・・・・・・」

殺したくなかった敵達編終わりです

あとレスたくさんありがとうございます
ワロスさん大人気でワロスwwwwwwwwwwww

また明日にでも更新します


サザ「ミカヤ?ミカヤー?まったく、どこ行ったんだ。決戦も近いのに・・・」

アンナ「ようこそ、秘密のBARへ」

サザ「秘密のBAR?」

アンナ「そう。生きていれば、なかなか他人には相談できない悩み・・・愚痴・・・いろんなものが溜まっていくわ
    そんな鬱憤を晴らすための場所がここ、秘密のBARよ」

アンナ「同じ悩みを共有する者を異なる時空から集めるから、気は合うはずよ」

サザ(突入は明日だし・・・大丈夫だよな)

サザ「じゃあちょっと寄らせてもらう」


カランコローン

~♪


サザ「・・・・・・」スタスタ

サザ「・・・誰もいないじゃないか」

「いらっしゃい。きみが最初のゲストだね」

サザ「あんたは?」

「この店のマスターさ」

サザ「へえ、そんなナリでなぁ」


「なにか飲んでる?」

サザ「じゃあビールと適当な魚を」

「まいど」


サザ「・・・・・・」グビグビ


カランコローン


「・・・やあ。先客か」

サザ「・・・ああ」

ジョルジュ「オレはジョルジュだ。よろしくな」

サザ「サザだ。よろしく」

ジョルジュ「不機嫌そうな顔だな。なにか気に障ったかい」

サザ「あんたは貴族なのか?」

ジョルジュ「まあ・・・そうだな」


サザ「そうか・・・。オレは、貴族ってのはムカつくやつであってほしいんだ」

ジョルジュ「はは、じゃあオレはなにかしたわけじゃないんだな。
      でもオレが嫌なやつだとしたら、それはそれで嫌なんだろう?」

サザ「当たり前だ」

ジョルジュ「じゃあオレはどうしようもないじゃないか」

サザ「たしかに、そうだな」

ジョルジュ「よし、やっと笑ったな」


カランコローン


「む、もう始まっているのか」

サザ「いや、オレ達も来たばかりだ」

ジョルジュ「まあ、座るといい」


ヒーニアス「私の名はヒーニアス。フレリアの王子だ」

ジョルジュ「違う時空らしいから国はわからないが・・・王子か。すごいのが来たな」

サザ「貴族の次は王子か・・・」


ヒーニアス「私は名乗ったのだ、きみたちの名も聞かせてもらおう」

ジョルジュ「オレはジョルジュ。で、こっちの緑のがサザだ」

サザ「・・・・・・」

ヒーニアス「きみたちの職業は?」

ジョルジュ「アカネイアの弓騎士だ」

ヒーニアス「きみは?」

サザ「・・・・・・答える義理はないだろ」


ジョルジュ「サザ君、なんでケンカ腰なんだ」

サザ「王子さまだかなんだか知らないが、偉そうに尋問されるのは好きじゃないんだ」

ヒーニアス「・・・私はとくにそういった意味合いを持たせたつもりはないのだが
      きみはいささか、狭量なようだな」

サザ「なんだと」ガタッ

ジョルジュ「お、おい・・・!やめないか」


カランコローン


ジョルジュ「お、最後のゲストか」

セシリア「はじめまして、セシリアといいます」

ジョルジュ「オレはジョルジュだ。よろしく」

ジョルジュ「こっちがサザと、そっちがヒーニアスだな」

サザ「・・・・・・」
ヒーニアス「・・・・・・」

セシリア「あまり穏やかじゃないわね」

ジョルジュ「困ったもんだ」


~♪

「はい、サザさんの焼き魚」

サザ「おう。・・・でっかいな」

「うん、みんなで分けられるでしょ」

「ほかの人も、なにか注文があったらぼくに言ってね」

サザ「じゃあ、みんな食っていいぞ」

ジョルジュ「悪いね」

セシリア「いただきます」

ヒーニアス「いただこう」


ジョルジュ「うまいな」

ヒーニアス「ああ、わがフレリアの魚にも劣らない」

サザ「お国自慢かい、王子さま」

ヒーニアス「・・・・・・」

サザ「無視か」

ヒーニアス「私はいちいちきみのような者に構ってはいられない立場なのだ」

サザ「・・・・・・っ!」ガタッ


セシリア「み、みなさんには共通の悩みがあるのですよね?そろそろそちらの話題に移りませんか?」

ジョルジュ「それもそうだな・・・。じゃあオレからいこう」

ジョルジュ「・・・これ、よく考えると共通じゃない悩みをぶちまける可能性もあるんだよな」

サザ「かなりリスキーだな」

ジョルジュ「まあ、誰かがはじめないとな」


ジョルジュ「・・・オレには、大陸一の弓騎士なんて大仰な呼び名がある」

セシリア「すごいですね」

ヒーニアス「私も弓には自信がある。あとで腕を競いたいものだ」

ジョルジュ「・・・だが、オレにはそれに見合った実力はない
      オレの家が名声のために流した話だ」

ジョルジュ「まあ、オレの家系はそうした謀略に長けているだ
      そうして地位を保ってきた」


ヒーニアス「虚位だな」

ジョルジュ「はは、手厳しい」

ジョルジュ「最近は弓の腕なら弟子の方があるくらいだ」

ジョルジュ「悩みというか・・・愚痴だな」

ジョルジュ「そうした寂しさがあるってだけさ」


セシリア「それでしたら私も・・・」

ジョルジュ「お、アタリだったか」

セシリア「私が魔道の教育をしていた弟子と、最近合流したのですが・・・」

セシリア「もともと、才能があるとは見込んでいたのです・・・でも、まさかあれほどとは・・・」

サザ「魔法はセンスらしいからな。オレの姉が言っていた」

セシリア「私のエイルカリバーよりも、その者のファイアーの方が格段に強いのです」

セシリア「さすがに、面子が・・・」


ヒーニアス「だが、その者の方が戦力になるというならば、へんな意地をはらずにその者をより使った方が全体に利があるぞ」

セシリア「それは・・・わかっています」

サザ「おい、あんたそれは酷くないか?」

ヒーニアス「酷いもなにもあるか。ひとりへの同情で手痛い損害がでたらなんとする
      なにを背負って戦っているのか、きちんと考えてみろ」

ジョルジュ「まあ、まあ」

ヒーニアス「いっそきみは、相談役となってはどうだろう
      戦争には呼吸というものがある。それを読む能力というものは、経験でしか養われない」

ヒーニアス「前線だけが戦場ではない。腕があれば、それを動かす脳も要る
      きみは見たところ私に近いタイプのようだし、その方が適所と思われるが」


セシリア「・・・おっしゃるとおりです」

セシリア「すこし、考えてみます」

サザ「・・・あんた、意外と優しいんだな」

ヒーニアス「優しい? ばかな。私は合理的なことしかしゃべらない。
      いまのは本心から勧めたのだ」

サザ「そうか」


ジョルジュ「サザくんはないのかい?」

サザ「オレ・・・オレは」

サザ「オレは、もっと強くなりたい。護りたい人がいるんだ」

ヒーニアス「立派じゃないか」

サザ「でも・・・努力すればするほど、自分の限界が見えるんだ」

サザ「成長するほどに天井はせまってきて・・・でも、その遥かうえの方にも行ける人もいる」

サザ「団長や・・・漆黒の騎士みたいな・・・」

サザ「自分でもわかってる。器がちがうんだ」

ジョルジュ「それはわかる気がするよ」


ヒーニアス「だが、ないものねだりをしていても仕方がないだろう。人間には適性というものがある
      なにも正面から戦うことはないさ。搦め手から攻めればいい。そのために戦術があるのだ」

サザ「ヒーニアス・・・あんた、実はいいやつだったんだな」

ヒーニアス「言っただろう、私はお世辞は言わない性質だ」

サザ「そうか・・・」


______
_____


サザ「聞いてくれよ!砂漠でオレは見つけたんだ!伝説の短剣バゼラートを!」

ヒーニアス「ほう、では格段に戦闘力があがるな」

サザ「そう思うだろ!?でも、団長たちと合流したら・・・あいつが・・・フォルカがいて・・・」

サザ「だ、団長は・・・バゼラートは・・・フォルカが持てって・・・。オレは、銀のダガーだ」

ヒーニアス「・・・それは残念だな」

サザ「これが飲まずにいられるか!明日はいよいよ決戦だってのに、オレは市販の短剣だぞ!?」

ヒーニアス「・・・それは、同情する」

サザ「あんたも飲めよ!」

ヒーニアス「わ、私は・・・」


セシリア「あのふたりはすっかり意気投合しましたね」

ジョルジュ「そうかな・・・?」

ジョルジュ「まあ、無駄ではなかったな。きみもこれからの方針ができたんだし」

セシリア「ええ、私はこれから後方のサポートに・・・」

ジョルジュ「ん、どうした」

セシリア「そういえば・・・軍の後方に位置した戦場が一度ありました」

ジョルジュ「ほう、どうだった」

セシリア「そこは砂漠で、馬が足をとられますから・・・どちらかというと仕方なしに後方にいました」

ジョルジュ「ほう」

セシリア「ですがあまりサポートできた覚えはありません
     なぜか意識のない時期がありますし・・・」

セシリア「ですが、その戦いが終わったあと、指揮官に・・・まあこの者も教え子なんですが・・・
     『せめてリブローくらいは使えてくれ』と」

ジョルジュ「・・・・・・ままならないな」


______
_____


「あれ・・・?ぼくは・・・泣いて・・・?」

アンナ「どうしたの?」

「なぜか、あの人たちの話を聞いてると涙が止まらないんだ・・・」ホロリ

アンナ「まあ、ねえ・・・」

アンナ「実力はあれど、立場に恵まれなかったものもいれば
    立場には恵まれたものの、実力がそれに追いついてないものもいる・・・」

アンナ「悩みは絶えないわねぇ・・・」

今日の分は以上です

大陸一さんはリメイクの犠牲者


アンナ「ようこそ、秘密のBARへ」

ヘクトル「秘密のBARだぁ? てかあんた、バドンで会った気が・・・」

アンナ「生きていれば、なかなか他人には相談できない悩み・・・愚痴・・・いろんなものが溜まっていくわ
    そんな鬱憤を晴らすための場所がここ、秘密のBARよ」

アンナ「同じ悩みを共有する者を異なる時空から集めるから、気は合うはずよ」

ヘクトル「オレの悩みにプライバシーはねえのか」

アンナ「まあまあ。どうする? 寄っていく?」

ヘクトル「まあ酒は飲みたかったところだしな。邪魔するぜ」


カランコローン

~♪


ヘクトル「ん、もう先客がいるのか」


ヘクトル「おう、ここいいか?」

「ああ」

ヘクトル「オレはヘクトルだ」

アイク「俺はアイク。傭兵だ」


ヘクトル「うまそうな肉食ってるな。おい、俺にも同じやつとビール頼む」

アンナ「はいはい」


アイク「あんたは、将軍かなにかか?」

ヘクトル「どうしてそう思う」

アイク「腕っぷしが強そうだからな」

ヘクトル「まあな。おまえも相当やり手の傭兵と見たぜ」

アイク「やり手かどうかは知らんが・・・どうしてだ?」

ヘクトル「そのゴツさだからな」


カランコローン


ヘクトル「お、ゲストだ」

アイク「ああ、そういえば計4人くるのか」

「君たちが話に聞く、俺と同じ境遇の者たちか」


ヘクトル「どうだかな。・・・オレはヘクトルだ」

アイク「・・・アイクだ」

エフラム「ヘクトルにアイクか。
     俺はエフラムだ。よろしくな」

エフラム「ふたりは見たところかなりの使い手なんだろうな。
     一手申し込みたいくらいだ」

ヘクトル「ここが酒場じゃなきゃ望むところなんだが」

アイク「こうも強者がそろうと、血が騒いでいかんな」

ちょっと中断

あと一人悩んでるので、安価できめようかと思います

選択制で
1.シグルド
2.クロム

安価下でお願いします

レスありがとうございますー
ではクロムで


カランコローン


クロム「む、ここでいいのか・・・?」


ヘクトル「最後のが来たな」

アイク「ああ」

エフラム「おーい、こっちだ」


クロム「俺はクロムだ。よろしくな」

ヘクトル「おう。オレはヘクトル。で、こっちが」

アイク「アイクだ」

エフラム「・・・と俺がエフラムだ」

エフラム「よし、そろったみたいだな。おーい、マスター」

アンナ「はーい」


エフラム「いまきたクロムと・・・お前たちも追加で飲むか?」

ヘクトル「ああ。いま空ける」グビグビ

アイク「俺のも頼む」グビグビ

アンナ「まいどー。あと、私はマスターじゃないのよ」

クロム「そうなのか?最初の案内はあんただったし、てっきりあんたがマスターかと」

アンナ「今日はお休みなの。あ、私のことは気軽にアンナさんって呼んでね」


アンナ「はい、生4つ」ゴトッ

エフラム「ありがとう」

ヘクトル「しかし見事にみんなゴツイな」

アイク「あんたが言うか」

ヘクトル「エフラムとクロムも傭兵なのか?」

エフラム「いや、俺はルネスの王子だ」

クロム「俺もイーリスの王子だな」


ヘクトル「うお、マジか。すまねえ
     ただ戦い慣れてる感じがしたからな」

エフラム「俺の国はいま戦争中なんだ。俺みずから部隊を指揮しているから、実戦慣れはしているな。
     それに俺自身、もともと戦いは嫌いじゃない」

クロム「俺も戦争まっただ中だ。前線で戦っているのも同じだ。
    後方でじっとしているより、みんなと肩を並べて戦う方が俺の性に合っているんだ」

ヘクトル「大将みずからが前線に繰り出す・・・いいね!オレもそーゆーのが好みだ」

アイク「士気も高まるだろうしな」

エフラム「まあ、俺がやられたら軍全体が危険ではあるが・・・
     その辺は見極めだな」

クロム「やられなければいい話だ」


エフラム「ところで、アイクは傭兵なんだよな」

アイク「そうだが」

エフラム「傭兵をやっていれば、やはり強者との出会いもあるだろうか
     ・・・俺は、このような身分でなければ、傭兵をしてみても良かったと思っている」

エフラム「槍一本でどこまでいけるか・・・。俺の器を、世界に問いたいんだ。
     恥ずべきことだとはわかっている。だが・・・俺の腹の中で、そんな衝動が鎌首をもたげることがままあるんだ」

ヘクトル「確かに、それは男のロマンだな。
     だが同時に・・・責任ある立場を全うするのも、また男だ」

クロム「それは、仲間との絆への裏切りだろう。私心で武器を振るうなど・・・」


アイク「・・・いろいろ言われているが、傭兵生活もラクじゃないぞ。
    毎日の食い扶持のことだけで精いっぱいだ」

アイク「それに、戦いといっても大半は山賊退治だしな。
    強敵との滾るような戦いなんて、めったにないぞ」

エフラム「・・・なるほど。確かにそうだな。悪いことを聞いた」

アイク「いや、いいさ。俺も貴族生活は期待外れだったしな。
    結局、どんな立場だろうが不都合というものは出てくるものなのかもしれん」


クロム「アイクは貴族だったのか?」

アイク「ある戦争で功をあげて、爵位をもらった。ある程度は期待していたが・・・
    だがフタをあけてみれば、宮廷は謀略奸計で充満していた」

アイク「だから爵位は返上した。もとの貧乏傭兵団に逆戻りだ」

エフラム「もとの木阿弥か。だが爵位を返上か。アイクは大物だな」

ヘクトル「ちょっと責任感に欠ける気もするけどな」

クロム「そうか?俺には美談に聞こえるが」


クロム「というより、ここは悩みをぶつける場だと聞いたんだが」

ヘクトル「そーいやそんな話だったな」

アイク「悩みか。パッとでないな」

エフラム「俺もだ。誰かないのか?」

ヘクトル「じゃあオレ言っていいか?」

クロム「ああ。このままじゃ進まないしな」


ヘクトル「まあオレもここの連中と同じように前線張ってるんだが・・・最近ちょくちょく意識が途切れるんだ」

エフラム「それは怖いな」

ヘクトル「気づくともうそこは前線じゃなくて・・・。なんつーか、時がオレだけ置いて進んじまったみてーなんだ」

アイク「その現象は俺も覚えがある。昔はなかったんだが、戦いが激化するにつれて増えてきた気がするな」

ヘクトル「そうだろ!? オレも最近になってからなんだ。なにが原因なんだろうな」

アイク「目覚めると近くにミスト・・・ああ、俺の妹なんだが・・・がいることが多いな」

ヘクトル「オレの場合も、近くに杖使いがいるのが多いな」


クロム「・・・俺は一度もないんだが」

エフラム「俺も一度だけ似たような体験はあるが・・・それっきりだな」

ヘクトル「なんだよ、全然共有できてねーじゃねーか!」

アイク「まあ、そういうこともあるんじゃないか?」


ヘクトル「ところで・・・アイク、お前ほんと腕っぷし強そうだよな。
     オレと腕相撲してみねえか?」

アイク「俺もちょうど試したかったところだ。受けて立とう」

エフラム「おもしろい。じゃあ俺がジャッジしてやろう」

クロム「ま、待て! ここは酒場なんだぞ」

エフラム「そこまで騒がなければ問題ないだろう」

ヘクトル「よし、いくぜ!!」

アイク「こい!!」

______
_____


アンナ「あのー? お客さん? あんまり暴れるようなら・・・」


エフラム「この棒なんかおあつらえ向きなんじゃないか?」

ヘクトル「そうだな! 腕がなるぜ」


アンナ「あのー?」


アイク「俺の前に立った以上・・・手加減せんぞ」

クロム「俺は負けん!いくぞ!!」


アンナ「完ッ全に悪酔いしてるわね・・・。腕相撲の時点で止めておくべきだったわ」



<ウオオオオオオオ

<天↑空↓っ!!

<天→空←っ!!




アンナ「・・・・・・」プルプル


アンナ「出ていきなさーーーーーーいっ!!あなたたち全員、出禁ですっ!!!」


アンナ「はぁ・・・。これだから男はキライよ」

「今回は災難だったね」

アンナ「まったくよ」

「ところでみんなの悩みって、ほんとにアレだったの?」

アンナ「違うみたいよ。ほんとは見ちゃいけないんだけど・・・迷惑料として見ちゃいましょう」


アンナ「・・・・・・」

「どうだった?」

アンナ「・・・みんな大切な人を亡くしてるんですって」

「・・・・・・なんでそれを言わなかったんだろう」

アンナ「さあ? でもあのタイプの人は、自分なりに決着をつけたいんじゃないかしら」

「言った方がラクになりそうなのに」

アンナ「あなたも大人になればわかるんじゃない?」

「こども扱いしないでよ」

アンナ「あら、ごめんなさい」

イケイケ主人公編終わりです

あくまで個人的なイメージなんですが、ヘクトルエフラムは脳筋なようにみせかけて結構現実的に戦場を見てるタイプだと思ってます
そしてアイククロムは、その辺セネリオやマイユニ任せなイメージです

あくまでイメージです、気に障ったらごめんなさい・・・


マルス「秘密のBAR・・・。じゃあ、寄っていこうかな」

アンナ「ごゆっくり~」


カランコローン

~♪


マルス「とても上品な雰囲気だけど・・・ところどころ穴があるね」

アンナ「先日ちょっと事故があって・・・。補修が間に合わなかったのよ」


「あ、最後のゲストさんだね」

マルス「きみは?」

「この店のマスターさ」

「もうみんな集まってるよ。席はあっち」

マルス「うん、ありがとう」


マルス「やあ、はじめまして。ぼくはマルス。ここ、いいかな」

「やあ、お待ちしていました。どうぞ」

セリス「わたしはセリスです。よろしく」

ロイ「ぼくはロイです」

エリンシア「私はエリンシアともうします・・・」


マルス「みんなぼくと似たような境遇だと聞いた。
    ぼくはつい最近長らく占領されていた祖国を解放し、戦争を終結させたんだけど・・・みんなそんな感じかな?」

セリス「わたしもつい先日、最後の聖戦を終えたところです」

ロイ「ぼくもです。祖国を侵されたわけではないのですが、戦争は終わりました」

エリンシア「私もです。・・・まさかこんなに同じ立場の者がいるなんて、驚きです」


マルス「長く焦がれてきた平和を取り戻せたわけだけど、みんなはどうかな」

ロイ「感無量です・・・。ぼくはようやくみんなの想いに応えることができた」

エリンシア「・・・私は、これからが不安です・・・」

エリンシア「王となる覚悟はできていました。でも、やはりいざ民のうえに立つと・・・足が震えます。
      みなが壇上にいる私に期待の眼差しを投げかける・・・」

エリンシア「これからは私が民の剣となり盾とならなくてはならない・・・。そう思うと、めまいがしてくるのです・・・」


セリス「その気持ちはわかります。わたしも時々、熱狂して迎えてくれる民がおそろしくなる・・・」

エリンシア「はい。私はなにより、彼らを裏切ってしまうことが恐ろしいのです。
      そう思うと、どんな行動をするにも空想の彼らの顔色ばかりうかがってしまって・・・。
      たぶん私は、自らにがんじがらめにされているのかもしれません」

セリス「・・・エリンシア王。わたしは先の聖戦で様々なことを学びました。
    なかでも一番わたしを強くしたものは、仲間を頼る勇気をもつこと」

セリス「わたしたちは単一では無力です。仲間の力なくして大事をなすことは不可能であったことは、ここにいる誰もが認めるところだと思います」

マルス「そうだね」

ロイ「おっしゃるとおりです」


セリス「だけど、自分でもできることを人に任せるということは案外むずかしい。
    ついつい、ひとりで抱え込んでしまいがちです」

セリス「エリンシア王。あなたはきっと優しいのですね。優しい者ほど他者に頼る際、勇気を必要とするものです」

セリス「あなたは先ほど、民の剣となり盾とならなくてはならないと言った。しかし、その責を負うのはあなただけではないはずです。
    あなたの後ろには、あなたに頼られたがっている忠臣たちが大勢いるはず。彼らとともに歩んでゆけば、きっと大丈夫ですよ」

エリンシア「・・・はい。私は、すこし視野が狭まっていたのかもしれません」

マルス「あなたの不安は、心から民を思いやっていなければ生じないもの。
    そしてそれは、おそらく王にもっとも必要な素質のはず。あなたにその優しさがある限り、みんなはきっとついてきてくれますよ」

エリンシア「ありがとうございます。ですが、そんな。私など」

マルス「謙遜なさらず。ぼくの本心です」


ロイ「・・・それにしても、王としての素質か。ぼくたちはこれから太平の世を統べていかなくてはなりません。
   そのうえで、みなさんはなにか展望はありますか」

セリス「というと?」

ロイ「ぼくは、乱世において求められる王の素質と、治世におけるそれは、微妙に異なると思います」

マルス「それは同感です。乱世においては敵の存在が明確だった。
    しかしそれがないいま、なにか別のまとめ方をしなければ、いずれまたバラバラになりかねない」

ロイ「歴史を鑑みると、乱世において必要とされるのは正義と、それを実行する勇気。
   対して、いったん治まれば宮廷にはびこるのは奸計謀略。それがゆえに非業の死を遂げた英雄も数知れない・・・」

エリンシア「・・・! 皮肉ですね・・・」


マルス「内部分裂に始まり、それがやがて次の戦乱へと成長する・・・」

エリンシア「試されるのは、いかに皆をまとめられるかどうか・・・」

マルス「外部に仮想でもいいから敵をつくってしまうのがてっとり早いだろうけど・・・」

ロイ「また戦い、ですか・・・。・・・・・・ゼフィール王」

セリス「外部に敵をつくってしまうのは反対です。憎しみはひとの心を歪ませる・・・。
    憎むべきはひとではなく、ひとの悪しき心です」

セリス「わたしは、民とともにそれと戦っていきたい」

マルス「悪しき心と・・・。そうだね。ぼくたちの本当の敵は、案外そういったものかもしれない」


ロイ「しかし、私欲をもって反乱を企てる者もいます。彼らはたいてい奸智に長け、ここぞというタイミングでしかそれを発露しない。
   そのような者のために、民の生活をおびやかされるのは避けねばなりません」

セリス「部下を信用しないのはどうかと思います」

ロイ「もちろん全幅の信頼のおける者は別です。ですが、やはり警戒しておくにこしたことはないかと」

マルス「現実的にはそうでしょう。あまり力を持たせすぎないようなコントロールが必要です」

ロイ「ぼくもそう思います」


エリンシア「・・・あの。反乱も革命も、私たちに対する不満の爆発です。
      普段から私たちがこまやかに部下や民と接すれば、防げると思うんです」

セリス「わたしも、やはり部下への不信はそのまま返ってくるものだと思います」

ロイ「・・・そうですね。ぼくの場合は、先の動乱の際多くの裏切り者を生んだものですから・・・。
   すこし、神経質になっていたようです」

マルス「驕りすぎず、負いすぎず・・・むずかしいな、やっぱり」

ロイ「そうですね」


「お話中ごめんなさい。ラストオーダーの時間だよ」

エリンシア「まあ、もうそんなに経ったのですか?」

マルス「じゃあもう帰ろうか」

ロイ「はい。今日はためになりました」

セリス「ええ。改めて、わたしの立場を認識できました」

エリンシア「王とは、むずかしいものですね」

マルス「でも、ぼくたちには仲間がいる。彼らとなら、きっと・・・」



カランコローン


アンナ「ありがとうございました~」

「あっ、待って」グイ

ロイ「? マスター。ぼくにご用ですか?」

「あの、ロイさま・・・だよね。エリウッドさまと、・・・ニニアンのご子息の」

ロイ「・・・! そうですが、母をご存知なんですか?」

「・・・はい。ちょっとした知り合いです」


「その、ニニアンは・・・どうしてますか?」

ロイ「母は・・・亡くなりました。でも、母の笑顔もぬくもりも、ぼくはしっかり覚えている」

「ニニアンは・・・幸せそうでしたか?」

ロイ「みんなの話では、見るものまで幸せにさせるような・・・そんな仲の良い夫婦だったそうです」

「・・・そっか。よかった・・・!」


「お話はこれだけです。引き止めちゃってごめんなさい」

ロイ「・・・マスター。あなたは・・・?」

「・・・さあ、ロイさま早く行かないと。あなたを必要としてる人が大勢いるはずだよ」

ロイ「・・・では、これで」

「はい。ありがとうございました」


______
_____


アンナ「ニルス、あれだけでよかったの? ずっと待ってたんでしょ」

ニルス「ぼくはただ、ニニアンが幸せだったか知りたいだけだったから」

アンナ「で、どうするの? 一応あなたの目的は果たしたんだし、ムリにここにいなくても・・・」

ニルス「ううん。もうすこしやってみるよ。そういう契約だしね」

アンナ「そう。なら、これからもよろしくね」

ニルス「うんっ」


______
_____


―秘密のBAR―


アイオン「いかずちよ! いかずちよ!」

デニング「ネルガル様からの伝言を伝えます。私は【魔の島】でお前たちを待っている。
     ネルガル様からの伝言を伝えます。私は【魔の島】でお前たちを待っている」

モニカ「あなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなた
    あなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなた」

カヒタリーノ「死を! 死を! その邪悪なる本性にふさわしい死を!」


「いかずちよ! いかずちよ!」

「ネルガル様からの~

「あなたあなたあなたあなたあなたあなたあな

「塩! 塩!



アンナ「・・・今日はまたすごいのが来たわね」

ニルス「・・・モルフなのに」

以上で完結です
見てくださった方ありがとうございました!

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