アルミン「天使……」(137)
アルミン(なんで僕は……)
アルミン(仲間が食われる光景を……)
アルミン(眺めているんだ……)
髭の巨人「……アァ……」ズシン
アルミン(どうして)
髭の巨人「……」ヒョイ
アルミン(僕の体は動かないんだ……)
※多分ネタバレあり
※キャラの性格とかがちょっと違うです
髭「アァ……」アーン
アルミン「うわっ……!」
髭「……」ポイッ
エレン「ア……アルミン」グググ
アルミン「う、うわあァァァァァァ!!!」
アルミン(僕は……僕はこんなところで死ぬのか)
アルミン(い、いやだ……死にたくない……!)
アルミン「うわああああああああああ」
エレン「アルミン!!!」ガシ
アルミン「!!!」
エレン「うおおおおおっ!!!」ゴォッ
アルミン「エ、エレうわぁっ!?」ヒュゥ
アルミン「ぐっ……ぅ……!!」ドサ
エレン「こんなところで死ねるか……」
アルミン「エ、エレン!手を!」バッ
エレン「アルミン……俺は……お前がいたから……」ググ
アルミン「早く!エレン!!!」
エレン「外の……世界に……」グググ
髭「……」バクン
エレンの腕「」ヒュルヒュル
アルミン「エ、エレン……?」
アルミン「う、嘘……だよね?」
アルミン「エレン……エレンん!!!」
アルミン「うわあああああアァァァァァァ!!!」ガク
アルミン(どうして!どうして僕はこんなに!)
アルミン(こんなに弱いんだ!!!)
髭「アァー……」ジロジロ
アルミン(僕ももう……食べられるのか)
アルミン(……!……それで……それでいいのか……僕は)
髭「……」クルッ
アルミン「!!!」
アルミン(僕を……食べない?)
アルミン(で、でもあの中にはまだエレンが!!!)
アルミン(今なら倒せるかもしれない……!)
アルミン(そしてエレンを救い出せるかもしれない……!)
髭「……」ズシンズシン
アルミン(……動け!動いてくれ僕の体!)ググ
アルミン(どうして……!どうして動いてくれないんだ……!)グググ
アルミン(エレン──!)
──『おいアルミン!大丈夫か!?』
──『アルミン!俺の夢はなあ……』
──『今日の訓練も疲れたなアルミン』
──『アルミン!荷物は半分持つからゴールまで頑張るぞ!』
──『な、なあ、この問題が全然わからねえんだが……』
──『アルミン!また外の世界の話聞かせてくれよ!』キラキラ
──『アルミン!』ニコ
──『いつか……いつか一緒に外の世界を探検しようぜ!』
アルミン(──そうだ……!僕は、僕はエレンと一緒に外の世界を冒険するんだ!)
アルミン(今いくよ、エレン──!)カッ
エレン「……………」
エレン「……はっ!」
エレン「ここは……?」
エレン(俺は確か……あの時巨人に……)チラ
エレン「……う、うわあああ!!!」
エレン(う、腕が……!)
「い……いたい……よう……」
「あつ……い……よ」
「たすけ…………………………」
エレン「うわあああああ!?」
エレン(くそ!くそう!どうしていつも……!)
エレン「俺は……!俺はまだ死ぬわけにはいかねえんだよ!!!」
エレン「どうしたら……!!……ん?」
エレン「な、なんだこの光は……」パァァ
エレン「あったけえ……」
エレン(そうだ)
エレン「俺は」
エレン「まだあきらめるわけにはいかない!!!」ガブッ
髭の巨人「……♪」ズシンズシン
アルミン「……エレン……さあ、おいで」
髭「……ォゴッ」ズォ
髭「」バァン
巨人エレン「……ウゥ……ォァアアアアアアアアア!!!」
アルミン「……!来たか!よし!」ヒュウウン
巨人エレン「アァァ……──アァッ!!!」ドン
髭「」ズチャ
巨人エレン「アァッ!アァッ!」ドズン ズドン
巨人エレン(駆逐……シテヤル……一匹……残ラズ……)
アルミン「エレン!!!」フワフワ
巨人エレン「アァ……?」
巨人エレン「!?」
アルミン「さあ……怒りを鎮めて……」
巨人エレン「オォォ……」スッ
巨人エレン(あれ……俺は……?確か巨人の腹の中で……)
巨人エレン(思い出せねえ……。……ん?あれは……)
アルミン「僕のことが分かるかい?」キラキラ
巨人エレン「ア……アゥ……ミン……」
アルミン「そうだエレン!アルミンだよ!自我があるみたいだね!」
巨人エレン(なんだ……俺はどうなってる……?)
アルミン「エレン。落ち着いて聞いてくれ。今の君は、巨人になっている」
巨人エレン「!!」スッ
巨人エレン(確かに……。言われてみれば目線が高くて……手もでかい)
アルミン「そして僕は──」フワフワ
巨人エレン(けど、アルミンのあの姿は……)
アルミン「──天使だ」キラキラ
巨人エレン「!?」
アルミン「さぁ行こうエレン。僕たちでこの状況を打破するんだ!」ヒュゥゥン
巨エレ(え?)
巨エレ「アァッ!!」ダッ
アルミン「着いてきて!巨人はもう町の中心部付近まで進行している!」ヒュゥゥン
巨エレ(いやしかしなんでお前は空を飛んでるんだよ)
巨エレ(そして……)
巨人「ウン……ウン……」ドシン
巨人「ア~~~~~~~~」ドスン
アルミン「浄化されなさい!」パァァァァ
巨人「ウン……」シュオオオオオ
巨人「ァ~~~~~……」シュゥゥゥゥゥ
巨エレ(俺……いらないだろ)ドスンドスン
続きます。
続き
アルミン「エレン!君の力が必要なんだ!僕の力にも限度がある!」
巨エレ「!!」
アルミン「今天界と連携してこの辺りの状況を把握してるんだけど……」
巨エレ(そんなことできんのか、すげえなアルミン!)
アルミン「あまり状況が良くないみたいだ……」
巨エレ「!!」
アルミン「……ん?」
アルミン「天使の気配………………?」
アルミン「……気のせいか」
アルミン「今はみんなを助けることに集中しなきゃ!」
アルミン「エレン!」
巨エレ「アァッ!」
アルミン「君はその姿でも巨人を引き付けてしまう。人間の時よりもさらに強く!」
アルミン「しかし戦闘能力は君の方が上だ!だから逆に好都合だと考えよう!」
巨エレ(なるほどな)
アルミン「この先にみんながいる」
アルミン「僕はこれからどうするか話してくるから、極力あそこに巨人たちが行かないようにこの辺りをうろうろしておいてくれ!」
アルミン「無理に戦う必要はない!」
アルミン「だけど、集まりすぎたら勝ち目がなくなるから三体以上接近してきたら速やかに処理したほうがいいと思う!」
巨エレ「アァッ」
アルミン「分かってくれたみたいだね。……じゃあ、すぐ戻る!武運を祈るッ!」ヒュゥゥン
巨エレ(行ったかアルミン……)
巨エレ(さて……)
5m級巨人「ウゥゥ……………」ズシン ズシン
3m級巨人「アァァ~~~~~」ドシンドシンドシンドシン
15m級巨人「オォァッ!!!」ダッ
巨エレ(やってやろうじゃねえか……)ググ
巨エレ「アァッ!!!」ドッ
ミカサ「……みんな」スタ
ジャン「ミカサ!お前後衛のはずじゃ……」
ミカサ「撤退の鐘がなった……けれどみんな戻ってこないから心配になってやって来た」
ジャン「お前そんな危険を冒して……」ジーン
マルコ「だけどミカサ……僕らはもうガスが……」ズーン
ミカサ「状況は……」チラ
補給所付近の巨人「アーアー」
ミカサ「だいたい把握してる」
ミカサ「アニ……」
アニ「な、なんだい?」
ミカサ「そのうえで私情を挟んで申し訳ないのだけれど……エレンを見なかった?」
アニ「いいや、見てないけど……」
ライナー「そういやアルミンたちも見てねえな……」
ミカサ「まさか……」
アルミン「おーい!みんなー!」フワフワ
ミカサ「……!アルミ──」クルッ
ミカサ「──ン!?」
ライナー「!?」
アニ「!?」
ベルトルト「!?」
一同「!?!?」
「ア、アルミンが空を飛んでる……」
「キ、キラキラ……してるよな?」
「羽生えてるし……」
「まさしく……天使」
ベルトルト(天使)
ライナー「おい、ベルトルト……」ボソ
ベルトルト「僕には何が何だか……」ボソ
ミカサ「アルミン……その姿は……。いえ……エレンは?」
アルミン「残念だけど……僕らの班はほぼ全滅してしまった」
ミカサ「じ、じゃあエ……エレンは……」ジワ
アルミン「ああ、エレンならほら、あそこ」
ミカサ「?」ジィ
巨エレ「~~~~~アァッ♪」ドカーン
ミカサ「……?」ポカーン
ライナー「!!!」
アニ「……ベルトルト」ボソ
ベルトルト「あぁ……まだ様子見だ」ボソボソ
ミカサ「アルミン?エレンはどこ?」
アルミン「あの楽しそうに巨人を駆逐してるイケメン巨人がそうだよ!」キラキラ
一同「えええええ!?」
ミカサ「……確かにエレンに似てる気がしないでもない」フム
一同「えええええ!?」
巨エレ「!」クルッ
「うわあっ!?」
「こっち向いたぞ!」
「こっちを襲いに来るんじゃないのか!?」
「に、逃げないと!」
「でも……もうガスが……!!」
アルミン「大丈夫だよみんな!」キラキラ
ミカサ「見て……」ニコ
「え……?」
「うそ……」
「き、巨人が……」
ジャン「ミカサが……」
巨エレ「アァッ」ニコニコフリフリ
ジャンその他「「笑顔だ……!!!」」
ミカサ「エレーン」ニコニコフリフリ
ジャンその他「「そして手を振っている……!!!」」
アニ「…………………」
ライナー「……へへ」フリフリ
アニ「あんたも手ぇ振ってんじゃないよ」ゲシ
ライナー「うおっ!?」ドサ
ベルトルト「……………」
アニ「……ベルトルト」
ベルトルト「いや……今回はよそう」
アニ「わ、私も振りかえしていいかな……」ソワソワ
ベルトルト「!?」
アニ「……………」ソワソワ
ライナー「……振れよアニ。なんてったってお前はエレンのことがお気に──」
アニ「ふんっ!」バキィ
ライナー「──うをんっ!?」ドサ
ベルトルト「……………」
ライナー「」シーン
アニ「……!」フリフリ
アルミン「みんなに作戦を伝える!」
一同「!!」
アルミン「ここから補給所まで一直線に向かう!ただそれだけだ」
「ええっ!?」
「で、でも……」
「もう俺たちには無理だ!」
「そうだよ……巨人が恐ろしくて仕方ねえんだ……」
「私も……無理だよ」
アルミン「大丈夫!道中の巨人と補給所周辺の巨人はエレンが──」クルッ
巨エレ「アァッ」ピース
アルミン「──ひきつけてくれる!」ピース
ミカサ「……♪」ピース
アニ「ぴ、ぴーす」テレ
ベルトルト「……………」
ライナー「」チーン
ベルトルト(ライナー生きてるかな)
アルミン「ほら、ミカサたちも聞いて!」
ミカサ「!」
アルミン「……もし、万が一エレンに何かあった場合は、僕とミカサでなんとかする」
ミカサ「分かった」
アルミン「さっき一直線に、って言ったけどできるだけみんなは巨人を避けて進むのがいいと思う!」
アルミン「ただ、残りガスの状態から考えてできる限り最短ルートでね!」
?「俺もエレンの護衛につくぜ」
アルミン「コニー!」
ミカサ「いたの?」
コニー「ひでえなミカサ!いたよ!最初っから!」
「話が難しすぎて思考回路がショートしてたんだよね~」
「そうそう!『ん?』とか『え?』しか言えてなかったよね~」
「最後は頭から湯気出てたよね~」
「「「ね~!」」」
コニー「う、うるせえなお前らさっきから!バカにしてんのか!」
「怒ってるコニーも可愛い~!」
「っていうかコニーっていう名前も可愛い~!」
「坊主頭も可愛い~!」
コニー「坊主は関係ねえだろコラ!」
「「「キャー!」」」
ジャン「……なあ、マルコ」
マルコ「なんだい?」
ジャン「コニーってあんなにモテてたっけか?」
マルコ「少なくとも全体的に見てかなりモテてる方だと思うよ」
ジャン「……マジか……全然知らんかった……」
マルコ「ちなみにジャンはモテてはな──」
ジャン「言うな!!!みなまで言うな!!!」
マルコ「くはなかったと思うよ?」
ジャン「……え?なんて?」
マルコ「だから、ジャンはモテてなくはなくはなくはなかったよ」
ジャン「???……ちょ、ちょっと待て、お前なんでそんな意味わかんねえ言い方するんだよ」
マルコ「うん?」
ジャン「モテてなくはなくはなくはなく……ん?ああもう!わけわからん!」
マルコ「がんばれ、ジャン……!」
アルミン「よし!じゃあエレンの護衛は僕とミカサとコニーでやる!」
アルミン「ガスは……一人分なら僕のがある」
(あ、そっか)
(あいつ羽で飛んでるもんな)
アルミン「それじゃあみんなは準備をしておいて!僕とミカサとコニーエレンを連れて先に行く!」
アルミン「──……いくぞ!!!」
一同「了解!!!」
──補給所にて──
「も、もう終わりだ……」
「あいつこっち見てる……」
「俺たちはここで死ぬんだ……」
「そんなこと言わないでよ……」グス
「……!!おい見ろ!!」
「巨人たちが離れていく?」
「どういうことだ?」
「お、おいお前見に行けよ」
「女に行かせる気!?」
ミカサ「……!」バリーン
コニー「うぉぉっ!!!」バリーン
アルミン「よ……っと」ヒュン
「ミ、ミカサ!?」
「コニーも!」
「それとあれは……アルミン!?」
アルミン「やあ、みんな無事かい?」キラキラ
(天使……)
(天使や……!)
(僕の天使……)
(結婚しよ)
訓令兵たち「おおおっ!」バリバリバリーン
「みんな!」
ジャン「お前ら……!」グッ
マルコ「ジャン。ここは抑えて」
ジャン「……無事、だったか」
「ジャン……」
「うん……うん!」
ミカサ「お喋りしている暇はない。ガスの補給を急ぐべき」
アルミン「補給室にいる巨人は僕が何とかするよ!待ってて!」ヒュウン
──補給室にて──
アルミン「みんなはこっちを見ないようにね!」
アルミン「……それじゃ、行くよ……!」
アルミン「アルミン・レイ!」ピカァァァァァァァ
ミカサ「……!」
コニー「なんだこの光は!!」
巨人たち「アァァァァァァァ……………」シュゥゥゥ
ベルトルト「……………」ゴクリ
ライナー「こりゃあすげえな」
ベルトルト「暢気だねライナー。……アニは?」
ライナー「エレンの戦いを見てるぞ。ほら、これアニの分のボンベだ」
ベルトルト「……………」
ライナー「私の分も入れといてくれって頼まれた」
ミカサ「……ずるい」ダッ
コニー「ミカサ!?」
ミカサ「忘れてた」ダッ
コニー「お、おお、戻って来たか」
ミカサ「コニー、私の分の補給もお願い」ダッ
コニー「了解……っておい!どこ行くんだよミカサ!……あいつ脚はえぇ……」
アルミン「よしみんな!今の内に補給だ!」
巨エレ「オァッ!」ヒュン
15m級「あがァッ!」ボッ
アニ「やった……!」
15m級「」シュゥゥゥ
ミカサ「アニ、ずるい」
アニ「……あんたか。少し遅かったみたいだね。これでこの辺一帯の大物はいなくなったみたいだよ」
ミカサ「エレンすごい」
アニ「ああ」
ミカサ「エレーン」フリフリ
巨エレ「!」クルッ
巨エレ(ミカサ……!?……とアニか?)
巨エレ「アァ」フリフリ
ミカサ「やっぱり私のエレンは素直」フリフリ
アニ「あんたのではないよ」フリフリ
ミカサ「アニのでもない」フリフリ
アニ「……誰のものでもないよ」フリフリ
ミカサ「……今はエレンに免じて諍いは避けよう」フリフリ
アニ「……そうだね」
巨エレ「アァッ!」グッ
ミカサ「!……おやゆび……」グッ
アニ「ぐっ……」グッ
アニ(かわいい)
アルミン「おーい!ミカサー!アニー!」
ミカサ「……!」
コニー「ミカサ!これ、補給しといたぞ」
ミカサ「感謝する」
ライナー「ほら、アニ」
アニ「ん……ありがと」
ライナー「!」
ライナー「聞いたかベルトルト!」
ベルトルト「え?う、うん……」
ライナー「あの冷酷非情の氷の──」
ベルトルト「ら、ライナー!避けて!」
ライナー「──女が……ん?なんだってベルトル」
アニ「ふっ!!」ヒュゴッ
ライナー「がばはぁァッ!?」
アニ「ふん!」バキッ
ライナー「ごっは……ァッ!!」
ベルトルト(急所への容赦ない蹴り……そして、そのまますかさず膝で顎を打ち砕いた……)キュッ
ライナー「あ……あぁ……」ガク
ベルトルト(アニ……恐ろしい子……!!)
ライナー「あぅ」カクン
ベルトルト「そして君も膝立ちでなお君臨するのか……!ライナァー!!!」ゾゾゾ
ライナー「」ニコォ…
アニ「いや君臨してないだろそれ」
コニー「なんか向こうでコントやってるけどどうするよアルミン」
アルミン「この辺一帯の巨人は、あらかたエレンが片づけたみたいだ」
ミカサ「けれど巨人がいなくなったわけじゃない」
アルミン「その通りだ。だから、逃げるなら今の内だ……!」
コニー「一刻は時を争うってか……」
マルコ「それをいうなら時は一刻を争うが正しいよコニー」
コニー「う、うるせえ!」カァァ
「「「照れてるコニー可愛い~」」」
コニー「うるせえぇぇぇぇぇ!!!」カァァァァァ
アルミン「よしみんな!エレンも限界が近い!」
アルミン「みんな補給は終わったね?……それじゃあ一斉に飛び出すよ!」
アルミン「もちろんどこに巨人が潜んでいるかは分からない!」
アルミン「だけど今度は十分にガスがある!極力巨人を避けることだけに集中して壁を目指そう!」
アルミン「行けるね!」
一同「オオオッ!」
アルミン「よし……行こう!」ヒュン
───────
────
───
エレン「いやー、それにしてもアルミンが天使になったのにはびっくりしたなあ」ケラケラ
ミカサ「エレンが巨人だったのにも驚いた」
アルミン(あれから、トロスト区の奪還にも向かった)
アルミン(エレンの力により無事大岩で壁に空いた穴をふさぐことに成功したが、払った犠牲は少なくはなかった)
アルミン(政府からの発表では『犠牲は多いがそれに見合うだけの快挙だった』という内容になっているが……)
アルミン(エレンはこれに怒りをあらわにした。もちろんミカサや、僕だってそうだ)
アルミン(……そう、人の命の重さに見合う者なんてない。僕たち三人はそれをよく知っている)
アルミン(僕は……自分が不甲斐ない)グッ
エレン「……アルミン?どうした?」
アルミン「へっ?い、いや、なんでもないよ?」
ミカサ「辛そうな顔をしてる」
アルミン「……二人には隠し事ができないね」
エレン「もしかして、あのことか?」
アルミン「それもあるけど……やっぱり、天使だなんだって言って……でもだれも救えなかった」
ミカサ「そんなことはない。私達はもちろん、あの時アルミンに助けてもらった人は大勢いるはず」
アルミン「でも……僕の班のみんなは死んでしまった」
エレン「それは俺の責任でもある。だからこれを糧にして、戒めにして、俺たちは生きていかなきゃならねえ」
ミカサ「エレン……アルミン……」
エレン「俺だって、巨人の力を思うように使えねえし、また巨人化できるかもわかんねえ」
エレン「それに……こんなところに閉じ込められちまって……。何もできねえ自分が不甲斐ねえよ」
アルミン「エレン……僕も一緒だよ。一体あの天使の力はなんだったのか……また使おうとしてもどうやるのか分からないし……」
ミカサ「二人とも、元気を出して。今回の一連の出来事であなたたちがあげた功績はとても大きい」
ミカサ「そしてそれに感謝している人たちがいる以上、あなたたちはマイナスな方面にばかり目を向けていてはいけない」
ミカサ「それが……英雄の責任」
エレン「……ミカサは大人だな」
ミカサ「……そんなことはない」
エレン「俺は軟禁生活を送ってるが、そんな中でもこうしてやっていけてるのはお前たちがこうやって会いに来てくれるからだ」
エレン「ありがとよ」
アルミン「……エレン……!」
ミカサ「……名残惜しいけど、そろそろ時間」
アルミン「エレン!僕も巨人についていろいろな資料を調べてみるよ!」
エレン「おう!頼むぜアルミン!」
ミカサ「私もここで一緒に暮らせないかもう一度交渉してみる」
エレン「バカ野郎。お前はしっかり休んでいざって時に備えろ。既にその能力は精鋭並だって褒められてただろ」
ミカサ「で、でも……」
エレン「ミカサ。安心しろ。必ず生きてお前たちに会いに行く」
ミカサ「エレン……」
エレン「それまで待ってろ」ニカッ
アルミン「僕は待ってるよ。エレン」
ミカサ「私も」
エレン「ああ。それじゃあまたな!」
アルミン「ばいばい」
ミカサ「……」フリフリ
アルミン(こうしてエレンの軟禁状態は続けられたが、今は調査兵団特別班……)
アルミン(通称リヴァイ班に所属している)
アルミン(ミカサはエレンと離されて悲しそうだったけど、許されればそのたびに会いに行っている)
アルミン(もちろん僕もだけど)
アルミン(これから何が起こるのか)
アルミン(誰にも……もちろん僕にもわからない)
アルミン(……でも、僕が気になっているのは……あの時感じた天使の波動……)
アルミン(今でも微かに感じる。……これは、何なんだろうか)
アルミン(謎は深まるばかりだ……)
~続~
読んでくれた方ありがとうございました。
時間できたら第二部行きます。
続きかきます
※キャラ崩
※ストーリー無視
※ネタバレ
※ぎゃぐむり
第二部「絶望の中で」
アルミン「エレンにはつらい思いをさせちゃったね」
ミカサ「……けれど、アニが女型の巨人だったというのは揺るぎ無い事実だから……仕方のないこと」
エレン「……すー……すー……」
ジャン「とりあえず、これでエレンが王都に召還されるっていう話はなくなったよな」
アルミン「うん」
アルミン(エレンが巨人化できるという事実は、すぐさま王国全土に響き渡った)
アルミン(その成果から英雄視する者もいれば、その逆もいる。……いや、むしろエレンを排除すべきという者が多かった)
アルミン(そんな中、エレンに挽回のチャンスが巡ってきた。そう、調査兵団の壁外調査だ)
アルミン(僕は……ネス班長たちに助けられ、ライナーとジャンたちにも助けられたが……)
アルミン(結果的に今回の壁外調査は失敗という形に終わった)
アルミン(突如現れた女型の巨人を捕えることができなかったからだ)
アルミン(けど、まるで想定外であるかのように思われたこの事態は、僕のある“仮定”を、確信に持っていくのに十分だった)
アルミン(そう。本当の敵は壁の中にいる。それも巨人化する能力を操ることのできる者が……)
アルミン(エルヴィン団長はそれを確信していたのだ。きっと)
アルミン(それから、僕は女型の巨人がアニであることを突き止めた)
アルミン(エレンやミカサの活躍で、無事女型──いや、アニを捕えることには成功したのだが……)
ジャン「……ホント、それどころじゃねえよな……」
ミカサ「……………」
ジャン「アニが本当に女型の巨人で……街で暴れて……それから、眠り姫になっちまって……」
ジャン「信じらんねえよ……いきなり……」
アルミン「……僕も信じたくない……あの時、みんなで協力して巨人まみれの補給所から脱出した104期の中に……」
ミカサ「……この世界は、残酷……だから」
ジャン「ミカサは……つええな」
ミカサ「……」フルフル
アルミン「……………」
ミカサ「そんなことはない」ジッ
ジャン「そ、そうか」ドキ
ミカサ「けど、エレンは……」フイ
ジャン(ミカサと見つめあうことがあろうとは……)ドキドキ
兵士「失礼するよ」ガチャ
ミカサ「!」
兵士「アルミン」
アルミン「は、はい」
兵士「エルヴィン団長が、君にも会議に参加して欲しいって」
アルミン「ぼ、僕ですか?了解しました」スタスタ
ジャン「じ、じゃあ俺も上に行こうかなぁ~……っと」チラ
ミカサ「……」
ジャン「こんなとこにいたら気が滅入っちまうし、一旦外の空気でも吸ったほうがいいと思うけど……」
兵士「ミカサ、君も出られると思うけどどうする?」
ミカサ「私はここにいます」
ジャン「ぁぁ……」ズーン
アルミン「ジャン、ドンマイ」ボソ
兵士「そうか。じゃあ少しここで待っていてくれ」
アルミン「また後でね」フリフリ
ミカサ「うん」フリフリ
兵士「行こうか」バタン
──会議にて──
エルヴィン「──ですから、無駄骨ではありません」
エルヴィン「敵は女型の巨人だけではありません……」
エルヴィン「他にもいるはずなのです。この、壁の中に……!」
エルヴィン「我々は一人残らず追いつめてみせます」
エルヴィン「壁の中に潜む敵を」
エルヴィン「全て……!」
ダダダダダダダダ
バンッ
エルヴィン「!?」
ハンジ「トーマ!?」
トーマ「大変なことになりました!」
エルヴィン「落ち着けトーマ。何があった」
トーマ「ウォール・ローゼが!!!」
───────
────
───
ドドドドドドドドド
ミケ「あの巨人群が林まで到達したら一斉に離散する!」
ミケ「それまでに四つの班を構成する!」
──班構成説明中──
ミケ「説明は以上だ!」
ミケ「尚、南班は今説明した理由から人数がより多く必要だ!」
ミケ「……誰かこの辺りの地域に詳しいものはいるか!」
サシャ「ふぁ、ふぁい!」
サシャ「ふぉ、ふぉのあふぁりい……!」モグモグ
ナナバ「いや君はその口の物を嚥下してから喋りなさい」
サシャ「ふぁ、ふぁい……」ハグハグ
ユミル「あいつ何食ってんだ……」
クリスタ「サ、サシャらしいといえばサシャらしいね……」
コニー「南に……俺の故郷があります。巨人が……来た方向に……!」
ミケ「!」
コニー「その辺りなら……案内できます」
ミケ「……そうか。では南班の案内は任せた」
ナナバ「ミケ!巨人達が林に到達したぞ!」
ミケ「……よし!全員離散せよ!」
ナナバ「最高速度で駆け抜けるんだ!!!」
ゲルガー「……ん?」
ドドドドド…
ゲルガー「……お、おい!」
ドドドドドドドドド
サシャ「あ、あれ……んぐっ!?」
ライナー「お、おいサシャ!」
ベルトルト「まださっきの食べてたの!?」
ミケ「なぜだ……」
サシャ「ごほっ!がほっ!!」
ライナー「み、水を飲めサシャ!」
ベルトルト「しかしこの揺れる馬上で水の飲むのは至難の業……ッ!!」
ナナバ「くっ……!……どうする、ミケ。このままでは追いつかれてしまう」
コニー「くそ……っ!」
「コニー……」
「今はそっとしておいてあげようよ……」
「で、でもまだ分からないよ!」
「そうだよ!ね、コニー?元気出して?」
「や、やめなよ」
コニー「ああ……ありがとうな。もう大丈夫だ。心配かけてすまん」
「コニー……」きゅん
「健気……」きゅん
「何かあったら頼っていいからね……?」きゅん
「心配ぐらいさせてよ、ね?」きゅん
「コニー……かっこいい……」きゅん
ライナー「くそ……」
ベルトルト「ああ……」
ライベル「「コニーのやついっちょまえにモテやがって……!!」」
ライナー「今は壁の事なんか気にしてられねえ」
ベルトル「というかファンクラブの人数増えてないかい?」
ライナー「あれは幹部組だそうだ。ほとんどは駐屯兵団にしか行けなかったが、あいつらはこうして調査兵団に来てる」
ベルトル「……少し彼女たちに対しての見方が変わったかもしれない」
ゲルガー「おいてめえらあ!状況を真面目に考えやがれええ!」
ナナバ「君が落ち着くんだゲルガー」
ミケ「ナナバ……後は頼んだ!」バッ
ナナバ「ミケ!?」
ゲルガー「ミケさん!?何を!?」
ミケ「……」ドドドドド
ゲルガー「行ってしまった……」
ナナバ「……くっ。ゲルガー、南班は君に任せた!西班はこっちだ!」
ユミル「行くぞクリスタ」
クリスタ「……うん!」
ライナー「クリスタとは別の班か……」
ベルトル「こればっかりは仕方ないよ。コニーについていくって言ったのは君なんだから」
ゲルガー「……ミケさんを信じるしかないのか……!」
コニー「分隊長……。ゲルガーさん……行きましょう!」
ゲルガー「……そうだな。お前の言うとおりだコニー……俺たちが行かなきゃ始まらねえ……!」
コニー「……はいっ!」
ゲルガー「よし、南班は俺についてこい!!!」
(((((コニーかっこいい……)))))きゅんきゅん
──ミケ・ザカリアス──
ミケ「よし巨人共!俺について来おい!!!」ドドドドド
巨人共「ァー……」ピタッ
ミケ「俺が相手をしてやるううううう!」ドドドドド
巨人共「ゥァ……」フイ
ミケ「なに!?」
巨人共「ウアアアアアァァァァァ!!!!!」ドドドドドドドドドドドド
ミケ「お、おい!お前たち!こっちだぞ!俺の方に来い!」
巨人共「ァァァァァァァー」ドドドドドドドドド
ミケ「ちょ、待って!待ってくださいって!おいィィィィィ!!!!!」
巨人共「ァァァァァァー……」ドドド
ミケ「い、行っちゃった……ぅぇ……」クスン
「お……おい……ハァ……ハァ……あいつら……脚……はやぁ……」ズンズン
ミケ「う、うええぇぇぇ……にんむ……はたせなかったよぉぉぉ……」グスン
さる「ちょ、ちょっと……ハァ……き、休憩するか……フゥ……………あれ?」
みけ「うえええええん」
さる「お前……人間……どうしたの」
みけ「巨人が……きょじんがぼくのことむししたぁー!」グスグス
さる「そうなんだよ……あいつらホントやんちゃすぎでしょ……………となりいい?」
みけ「ふぇぇ……うん……」グズッ
さる「サンキュー。よっこらしょ」ズゥン
みけ「ぅぇぇ……」グス
さる「よしよし。元気出せって……な?」ナデナデ
みけ「ぅ、うん……」グスグス
さる「あいつら元気はあるけどスタミナないからさ……多分疲れてすぐ戻ってくるよ」
みけ「……うぇぇぇ……そう、なの……?」クスン
さる「うん。だから早めに逃げろよ?……って、それ何!?」
みけ「これ……?これは“りったいきどうそうち”だよ」グスグス
さる「ど、どうやって使うの!?」
みけ「ちょっと待って……そうだなあ……」グス
さる「い、いや無理すんなって。落ち着いてからでいいよ」
みけ「だいじょうぶ。君のおかげでちょっと元気出たから……うん、あれにしよう」
さる「あれって……木?」
ミケ「ああ……見てろよ?立体起動装置の使い方をな!」バシュッ
さる「う……!!」
ミケ「……………!」ギュゥゥゥゥゥン
さる「……うおおおおおお!!!か、かっけえええええ!!!」キラキラ
ミケ(木)「どうだーい!すごいだろー!」
さる「うん!めっちゃすごい!人間ってあったまいいな~」
ミケ(木)「戻りたいから腕にアンカー刺してもいーいー!?」
さる「いいよー!すぐ治るし!」スッ
ミケ(木)「ふっ!」バシュッ
アンカー「ぎゅうううん」
さる「ふぉおおお!」キラキラ グサッ
ミケ「よっ……と」スタッ
さる「すげーなー!」キラキラ
ミケ「だろう?」フッ
さる「見せてもらってもいい!?」
ミケ「どうぞどうぞ。今外すから待ってろ」ガチャガチャ
さる「よっしゃ!」ワクワク
───────
────
───
──西班──
クリスタ「巨人たち……ミケ分隊長を無視して南班の方に向かってたけど大丈夫かな……?」
ユミル「さあな。あいつらが短距離選手ならすぐバテるだろうけど」
クリスタ「もうユミル!コニーたちが危ないかもしれないんだよ!?」
ユミル「はいはい。悪かったって」
兵士「もうこれ以上先には村はないようです」
ナナバ「そう……」
ナナバ「……よし、このまま南下しよう」
ユミル「!」チラ
クリスタ「……」
ユミル「……なぜです。これより南に人はいないでしょう」
ナナバ「壁の破壊された位置を特定しなければならない」
ユミル「………」
ナナバ「……西側から壁沿いに走って探そう」
ユミル「く……」
クリスタ「ユミル?」
ユミル「……私とクリスタは戦闘装備がないんですよ?」
ユミル「ここより南には多くの巨人がいるはず……だから」
ユミル「移動するっていうのは奴らのおやつになる可能性が高いと思うのですが」
クリスタ「………」
ユミル「……私とクリスタを、前線から一旦ひかせてください」
クリスタ「……!?」
ナナバ「ダメだ」
ユミル「なぜです」
ナナバ「何が起きるか分からない以上、連絡要員は一人でも多く確保しておきたい」
ナナバ「気持ちはわかるけど……兵士を選んだ以上、覚悟を決めてくれ」
ナナバ「この初期対応に全てが懸かっている」
ユミル「……………」
クリスタ「……ユミル……私は──ここで最善を尽くしたい」
ユミル「あ?」
クリスタ「だって……私は自分で調査兵団を選んだんだから」
ユミル「……私は、ってことは私とお前じゃ違うって言いたいのか」
クリスタ「だって……ユミルは違うでしょ?」
クリスタ「あなたがあの時調査兵団を選んだのは……」
ユミル「おい」
クリスタ「私があそこで調査兵団を……」
ユミル「私がお前のためにそれを選んだって言いたいのか?」
クリスタ「……じゃあなんでここにいるの?」
クリスタ「理由がないなら今すぐここから逃げてよ……」
ユミル「………」
クリスタ「私だってユミルが死んじゃうのは嫌だよ……」
ユミル「クリスタ……」
クリスタ「訓練兵の順位だってそうだよ」
クリスタ「ねえユミル」
クリスタ「……どうして?どうしてそこまでするの?」
ユミル「………」
クリスタ「……っ」グッ
ユミル「……クリスタ?」
クリスタ「私の……生まれた家と関係あるの?」
ユミル「……!」
クリスタ「……ねえ、お願い……教えてよ……」
ユミル「ああ、ある」
クリスタ「……!」
ユミル「なあ、クリスタ」
クリスタ「なに?」
ユミル「安心してくれよ」
クリスタ「え?」
ユミル「私がここにいるのは誰かのためなんかじゃない……」
クリスタ「……ユミル」
ユミル「全部自分のためなんだ……!」
クリスタ「……そっか」
ユミル「残念か?」
クリスタ「ううん」
クリスタ「よかった……」
ユミル「………」
───────
────
───
──ウォール・ローゼ内縁部──
ナナバ「……結局、なんだったんだ?」
ミケ「お前たちは巨人から逃げきれたのか?」
ゲルガー「ええ。途中でスタミナ尽きたみたいで、極端に鈍足になったので何とか振り切れました」
ミケ「よかった」
リーネ「けど、壁の破壊箇所が特定できないことには安心できません」
ナナバ「しかし、私たちも一旦休憩する必要がありそうだな」
ヘニング「ああ……精神的に参ってるぜ」
ゲルガー「おいヘニング。後輩たちの前でそんな弱気なこと言うなよ」
ヘニング「……あ、ああ。すまん」
ミケ「……」スンスン
ナナバ「どう?ミケ」
ミケ「俺の鼻が感じ取った限りでは、この辺りに巨人はまだいないようだ」
ゲルガー「じゃああそこの城跡で一旦休みましょう」
ミケ「そうしよう」
───────
────
───
──ウドガルド城──
クリスタ「……じゃあ、コニーの村は……」
コニー「ああ……人っ子一人見当たらなかった」
ライナー「け、けどよ、死体もなかったじゃねえか」
コニー「生きてるって信じてえが……あれだけ荒らされた後じゃなあ」
「元気出してコニー」
「そうだよ。私達がいるよ」
「寂しかったら私が一緒に寝てあげるから」
「あ、独り占めはずるいよ」
「ほらほら、今はそんなこと言ってる場合じゃ……」
コニー「励ましてくれてるのは有難いんだが……」
「どうしたの?」
コニー「……お前ら近すぎねえか?暑い」
「こういう時は人肌が安心するんだよ」
「そうそう」
コニー「……そうか。すまねえな」
ライナー「……」ギリ
ベルトルト(ラ、ライナー!今は抑えるんだ!)ボソ
ライナー「……くっ」ポロ
ベルトルト(な、泣いてる……)
クリスタ「……ライナー?どうしたの?何かあったの?」
ライナー「い、いや、なんでもない!」アセアセ
クリスタ「で、でも……」
ライナー「大丈夫だ!俺は大丈夫。問題ない!」ニカ
クリスタ「……そう。でも困ったら言ってね?ライナーにはいつも助けてもらってるんだから」
ユミル(愛してる)
ベルトルト(天使……)
ライナー(結婚しよ)
コニー「クリスタはやっぱり優しいな」
クリスタ「そ、そんなことないよ!」テレ
コニー「お前らもそう思うよな?」クルッ
「みんなの天使だよねー」
「「「「ねー!」」」」
クリスタ「て、天使だなんて……」カァァ
ライナー「お、俺も……そう思う……」テレ
ベルトル「ぼ、僕も……!」テレ
ユミル「お前なに人のクリスタに手を出そうとしてるんだよチビとゴリラとノッポ」
クリスタ「そ、そんな言い方しなくてもいいでしょユミル!」
ユミル「いーや。こうでも言っとかねえとこいつら勘違いしかねないからな」ギロ
ライナー「……しねえよ」
ベルトル「そ、そうだよユミル。僕たちだってそんな馬鹿じゃないよ」
クリスタ「勘違い……?どういうこと?」キョトン
ユミライベル(きょとん顔も天使……)
コニー「勘違いってどういうことだ?」
「コニーにはまだ早いかなー」
「そうそう。気にしない方がいいよ」
「そうだね~。また頭が沸騰しちゃうよ!」
「ぷしゅぅぅぅーってね!」
「あはははは!その顔コニーにそっくり!」
コニー「うるせええ!お前ら相変わらず俺を馬鹿にしたいだけだろ!」
ゲルガー「いいからお前らもう寝ろォォォ!!!」
リーネ「あはは……」
ナナバ「嫉妬は見苦しいぞゲルガー」
ヘニング「だな!ははは!」
ミケ「……!」スウッ
ミケ「この感じ……」
ナナバ「ミケ……?まさか」
ミケ「お前たち、ついてこい!」ダッ
一同「え……?」
──屋上──
ミケ「西側から複数、巨人を察知した」
ナナバ「距離は?」
ミケ「距離は……ああ」
ナナバ「……?」
ミケ「──そろそろ現れる頃だ」スン
3m級達「アアー」ズシン
15m級達「……あぁ……」ドスンドスン
猿巨人「お前ら……良いっていうまで俺の後ろにいろよ……」ドスン
ナナバ「……!」
ゲルガー「まずいな……俺たちで何とかしねえと」
ヘニング「ああ……やるしかねえぞ」
ユミル「くそっ……私達には立体起動装置すらないってのに……」チラ
クリスタ「……っ」フルフル
ライナー「状況は最悪だな……」
ベルトル(いざとなったら……)
コニー「あいつは……なんだ?まるで獣じゃねえか……」
ライナー「な……!?」
ベルトルト「……!?」
ユミル「……」
ギョロ目巨人「アァッ」ダッ
猿巨人「おい」ガシ
ギョロ目「ゥァー」
猿巨人「俺の後ろにいろって言ってんだろ?」グッ
ギョロ目「ァ……グッ」グチャ
猿巨人「あ……」ベットリ
ギョロ目「」シュゥゥゥ
猿巨人「うわあ……力入れ過ぎた……きたねえ……」ゴシゴシ
ゲルガー「なんだあいつ……3m級を握りつぶしたぞ?」
ヘニング「仲間割れか?」
ナナバ「……いや、あの3m級は死んでない」
リーネ「あの毛むくじゃらの巨人がリーダーってところかしら?」
ミケ「………」
ギョロ目「……ァァ」ズズズ
猿巨人「もう潰されたくなかったらちゃんということ聞けよ」
猿巨人「……あいつの匂いがするなあ」
猿巨人「どうでもいいけど」ギロ
ゲルガー「!?」
ヘニング「あいつ……こっちを見てるな」
コニー「あいつはなんなんだ……」
「こ、怖いよ」フルフル
「私達は兵士でしょ……?」フルフル
「そう言ってるあなただって……」フルフル
「私達……」フルフル
「その先は言っちゃダメ!」フルフル
コニー「お前ら……いつもの元気はどうしたんだよ」
「だ、だって……」
「死んじゃうかもしれないんだよ?」
「怖くない人なんか……」
「いないよ……」
「うぅ……」
コニー「……大丈夫。俺の後ろにいろ。絶対……守ってみせる」
「「「「「……うん……っ!!」」」」」
ユミル「はッ。丸腰のお前がどうやって戦うんだよ」
コニー「お前は黙ってちゃんとクリスタのこと守ってやれよ」
ユミル「……言われなくてもそのつもりだよバーカ」
コニー「お前に言われたくねえよクソ女」
ユミル「……フン。というわけでクリスタ?私から離れるんじゃないぞ」
クリスタ「……っ……あ、頭が……」ズキン
ユミル「……クリスタ?おい、どうした!」
クリスタ「……だ、大丈夫。少し頭痛がしただけ」ズキズキ
ライナー「おいおい大丈夫か……。少し休んでろ」
ベルトルト「その方がよさそうだよ」
クリスタ「でも巨人がすぐそこに……」
ユミル「お前のことは絶対私が守るから、安心して横になっとけ」
クリスタ「う、うん……んっ」ズキ
ユミル「………」
ミケ「この塔で戦うのは危ないな……」
ナナバ「あっちの塔におびき寄せて戦うか……?」
リーナ「分隊長はここに残ってみんなをお願いします」
ヘニング「俺たち四人でなんとかします」
ミケ「いや、俺も行く。ナナバ、お前が残れ」
ナナバ「しかし……」
ミケ「………」
ナナバ「……了解。もうほぼ日は暮れているし……少しの辛抱だ」
>>134 訂正です
リーナ×
リーネ〇
ミケ「では行くか」バシュ
ゲルガー「はい!」バシュ
ヘニング「俺たちも行くぞリーネ!」バシュ
リーネ「ええ!」
ナナバ「無事を……祈る……!」バッ
一同(敬礼!)バッ
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