神宮寺三郎「私立希望ヶ峰学園?」 (29)
※探偵神宮寺三郎×ダンガンロンパのクロスSSです
※遅筆+不定期更新注意
※ダンガンロンパはコロシアイ以前の設定
※神宮寺三郎は本編と謎の事件簿半々ぐらいのノリ
※神宮寺三郎のプレイ済み作品は現在「夢の終わりに」「灰とダイヤモンド」「キトの夜」のみ
なので知識不足かも
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―――神宮寺探偵事務所 応接室―――
神宮寺「確か都内の一等地に建っている巨大な学園だったな」
神宮寺「スカウト制をとっている特殊なエリート校だったと記憶しているが」
俺の名は神宮寺三郎、新宿歌舞伎町の片隅で助手と二人、探偵事務所を営んでいる。
最近は不景気の波に押され、慢性的に経営不振だ。
今日は久しぶりに仕事の依頼があるということで張り切っていたのだが……
今泉「流石は神宮寺さん、良くご存知で」
目の前の男は今泉直久、新宿一帯をシマに持つ関東明治組の若頭で今回の依頼人だ。
ある事件をきっかけに知り合って以来、暴力団関係の事件について色々と世話になっている。
義理人情に篤く、ヤクザだが信頼のおける人物だ。
神宮寺「その学園と明治組に何の関係があるんだ?」
今泉「ええ、順を追ってお話します」
今泉「先月ぐらいにある女が詐欺に遭いましてね。なんでも高額の数珠だか水晶玉だかを買わされたとか」
神宮寺「数珠に水晶玉?宗教関係か?」
今泉「相手は新宿駅前で店を広げていた占い師だそうです」
占い師に不安を煽られて除霊の為だとか幸せになれるというような名目で買わされたということか。
よくある霊感商法の手口だが、迷信と分かっていても口の上手い奴が相手だと騙されてしまうものらしい。
今泉「しかも掴まされた商品が素人が見ても分かるような偽物でしてね。占い師は七宝だと謳っていたらしいが実際はただのガラス玉でした」
神宮寺「なるほど、その被害者の女が明治組の関係者というわけか」
今泉「お察しの通りです」
今泉「詐欺に遭った女はウチの幹部の愛人でしてね。それを知った男の方が激怒してるんです」
霊感商法にイミテーション詐欺か……ヤクザがそこまでされたら黙っていられないだろうな。
占い師も相手がヤクザの愛人とまでは気付かなかったのかもしれないが。
今泉「で、その幹部が若い衆に探らせたところ、その希望ヶ峰学園に逃げ込んだんじゃねえかって情報を得ましてね」
神宮寺「占い師がどうして学校なんかに潜伏するんだ?」
今泉「その占い師ってのがまだ高校生から大学生ぐらいの若い見た目らしいんで、そこの生徒かもしれないって話です」
神宮寺「……そんな相手に騙されたのか」
今泉「全くお恥ずかしい限りで」
神宮寺「その学園を調査して占い師を見つけてくるのが依頼内容ということだな」
今泉「はい、本来は組のモンで始末をつける話なんですが、学舎にアタシらのような人間が近づくのは色々とまずいですからね」
神宮寺「その学園を調査して占い師を見つけてくるのが依頼内容ということだな」
今泉「はい、本来は組のモンで始末をつける話なんですが、学舎にアタシらのような人間が近づくのは色々とまずいですからね」
神宮寺「調査するのは構わないがその占い師を見つけたところで明治組はどうするつもりなんだ?」
神宮寺「報復として処刑するというのなら協力は出来ないぞ」
今泉「ウチの幹部は見つけ出して殺すつもりでいるようですが、アタシらはそこまでしようとは思っていません」
今泉「騙し取った金に色をつけて返せば、もうそいつを追わないように説得するつもりです」
詐欺を働いたとはいえ相手は若者だ。今泉もできれば暴力沙汰にせずに済ませたいのだろう。
しかし放っておいては組として示しがつかないからせめて金は回収しておきたいというわけだ。
それに今は大丈夫でもその幹部が痺れを切らして一線を越えてしまう可能性もある……
神宮寺「金が戻って来ない場合はどうする?先月の話ならもう使われてしまってるかもしれん」
今泉「もし金が返せないとなれば、臓器の一個ぐらいは覚悟してもらわなきゃなりませんが……」
……俺のせいで臓器を売ることになるのは流石に気が引けるな。
今泉には悪いが最悪の場合は警察に突き出して保護してもらうとするか。
神宮寺「分かった、希望ヶ峰学園は俺が調査してみよう」
今泉「ありがとうございます。もちろん良い結果でなかったとしても報酬はお支払い致しますよ」
今泉「神宮寺さんならそんな心配はしてませんがね」
神宮寺「ふっ、期待に応えられればいいがな」
―――希望ヶ峰学園 食堂―――
葉隠「ぶえっくしょいいィ!」
朝日奈「ちょっと葉隠!口押さえてよ!」
苗木「葉隠クン風邪?大丈夫?」
葉隠「わりぃわりぃ、風邪じゃねーけど急にムズムズしてきたんだ。きっと誰かが噂してんだべ」
葉隠「それより今日はみんなで焼肉でも食いにいかねーか?年長者の俺が奢ってやんべ?」
朝日奈「は……葉隠が……お、奢り?!」
大神「何を企んでいる?正直に言うのだ」
葉隠「なんも企んでねーって!俺だってたまにはいいとこ見せて恩を売っとこうと思ってんだべ!」
苗木「で、でも葉隠クンがそんなこと言い出すなんて珍しいよね。いつも奢らせる側なのに」
葉隠「実はな、この前、新宿駅前で店を広げた時にすげー金持ちの客が来たんだ」
葉隠「ちょっと脅かしたらびびっちまって俺の開運グッズを買い占めていってくれたんだべ」
朝日奈「どーせまたガラス玉とかでしょ?」
葉隠「正真正銘モノホンの宝石だべ!原価がすげー高いから売るのに苦労してたんだぞ?」
大神「とにかくそれで珍しく羽振りが良いというわけだな」
葉隠「新しいオーパーツ買ったからその時の金はもうほとんど残ってねーんだけどよ、余った分もパーッと使っちまおうと思ってんだ」
朝日奈「あ、じゃあ私、他のみんなも誘ってくるね!」
苗木「みんなって15人全員?葉隠クン大丈夫なの?」
葉隠「アッハッハ!それぐらい余裕だべ!今の俺に怖いもんはねーべ!」
―――神宮寺探偵事務所―――
今泉「それじゃあアタシはこれで失礼します。神宮寺さん、よろしくお願いしますよ」
そう言うと今泉は事務所を出て行った。
さて……何から手をつけるべきか。
俺はマルボロに火を付けながら考えを巡らせていた。
洋子「先生、私の方で希望ヶ峰学園についてある程度調べておきました」
先ほどまでパソコンに向かっていた助手の御苑洋子君が何枚かプリントアウトした資料を持ってきてくれた。
俺が今泉と話をしている間、例の学園についてインターネットで調べてくれていたようだ。
情報技術の進歩に疎い俺は最近ではこういったパソコンでの調べ物は彼女に頼りっぱなしだ。
洋子「すぐに手に入ったのは学園のパンフレットやWebサイトのコピーぐらいですけど」
神宮寺「流石は洋子君。仕事が早いな」
俺は渡された資料に目を通した。
私立希望ヶ峰学園―――――
全国から超高校級と称される優れた才能を持つ高校生ばかりが集められた学園であり、卒業すれば人生の成功が約束されるとまでいわれる。
その分入学の条件は厳しく学園側の目に止まった現役高校生に対するスカウトのみで行われる。
才能の分野は幅広く、スポーツはもちろんのこと、化学や文学、芸能活動やギャンブルの才能なんかも対象になるらしい。
なるほど、こんな学園なら占い師がいたとしても不思議ではないかもしれない。
洋子「完全スカウト制のためか、一般に公開されている情報では詳しいことは分かりませんね」
神宮寺「そうだな。やはり現場に行って調べる方が早いか……」
よし、まずは希望ヶ峰学園に行ってみよう。
部外者の俺がどこまで入れるか分からないが、そこを把握しておけば次からの調査の方針を決められるはずだ。
神宮寺「早速だがここに行ってみることにするよ。留守の間、何か分かったら携帯に連絡してくれ」
洋子「分かりました。お気を付けて行ってらっしゃい」
俺は先ほどの資料をカバンに突っ込み、マルボロとオイルライター、財布を持って事務所を出た。
そして愛車クーパーのエンジンをかけ、希望ヶ峰学園に向かって走り出した……
―――希望ヶ峰学園 中央広場―――
思ったより敷地内にはすんなり入れたな。
警備員らしき人間には多少怪しい目で見られたが声をかけられることはなかった。
しかし何時間も張り込みしたりあからさまに不審な行動は避けるべきだろう。
それにしても聞きしに勝る広大な敷地だ。当てもなく調査していたのでは何日あっても足りない。
俺はタバコに火を付けながら学園のパンフレットに書かれたマップを見た。
まず校舎が建っているのは東地区と西地区だ。
東地区には例の超高校級の生徒達が利用する校舎や施設に加え、研究所や教職員棟も併設されている。
西地区にも校舎や施設が並んでいるが東地区に比べると明らかに規模が小さい。
なんでも西地区は特別な才能を持たず一般入試枠で入学した予備学科と呼ばれる生徒達の校舎らしい。
占い師が一般の高校生に紛れているとは考えにくいのでいるとすれば東地区の方だろう。
南地区は生徒達の生活する寄宿舎とコンビニやショッピングセンターなどの店が並んでいる。
寄宿舎で暮らす生徒は学園の敷地内だけでも生活することは可能ということだ。
北地区は旧校舎らしく今は使われていない。特に調査する必要はないだろう。
俺はひとまず南地区にある食堂の一つに入った。
南地区の店は教職員も利用しているようなので俺のような人間がいても浮かずに済む。
席に座りコーヒーを一杯注文してから、軽く周囲を見回してみた。昼休みらしく生徒達で賑わっている。
残念ながら占い師らしき見た目の生徒はいないようだ。もちろん一目で分かるような格好をしているとは限らないが。
神宮寺「ん……?」
何か蹴飛ばしてしまったようだ。
席の下を見ると何か黒いタブレット端末が転がっていた。何だこれは?
よく見たら周囲の生徒達も一様に同じような端末を持っている。
スマートフォンかと思っていたがどうやら違うようだ。
端末を拾い上げ、画面を触ると何やら文字が表示された。
「希望ヶ峰学園 電子生徒手帳」と書かれている。
なるほど、このタブレット端末は生徒手帳だったのか。
こういった物も電子化されているという話を聞いたことはあったが見るのは初めてだな。
続いて画面には「安広 多恵子」と表示された。持ち主の名前だろうか……?
役に立つ情報が得られるかもしれない。持ち主を探す前に少し中を見せてもらおう。
そう思いながら俺はタバコに火をつけ……
石丸「先生!!」
!?
突然の大声に驚き、振り向くと白い制服に身を包んだ少年がいた。
石丸「この食堂は禁煙ですよ!!」
石丸「教職に携わる者が校則を破るとはけしからんではないですか!!」
どうやらこの少年は俺を職員だと勘違いしているらしい。
まずいな、このままでは注目を集めてしまう……
神宮寺「あ、ああすまない。気が付かなくてね。すぐに消すよ」
タバコを消しながら俺は慌てて席を立った。
高校生に怒鳴られて退散するとは情けないがここで目立つわけにはいかない。
苗木「いきなり立ち上がってどうしたの石丸クン?」
石丸「先生がここで喫煙しようとしていたので注意していたのだ!まったく、教師すら風紀を乱すとはなんという世の中だ!」
霧切「あんな先生この学園にいたかしら?」
霧切(それにあの人、どこかで見たような……)
……やれやれ、今時珍しい規則にうるさい少年だったな。
結局、電子生徒手帳はそのまま持ってきてしまった。
さて、持ち主には悪いが少し中身を確認させてもらうか。
……おかしいな、どこを押してもトップ画面から変わらん。
やはり俺のITスキルはガラケーが限界なのか。
仕方がない、持ち帰って洋子君に見てもらうとするか。
下手に触って壊してしまってはそれこそ持ち主に申し訳が立たん。
調査の続きはまた明日だな……
黙って持ち帰って調べる方が持ち主に対して失礼だろ
明らかに犯罪の証拠品とかいうなら分かるけど、神宮寺ってこんな奴だっけ
せめて学外で拾った方がよかったんじゃねえの?
校舎に侵入したあげく盗むのか
拾った生徒手帳をきっかけに生徒と面識を得ようというならともかく
プライバシー保護とか一切考えずに自分の都合だけで持ち帰る+調べるってどうなのよ
神宮寺ディスってんの?
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