菫「できたぞ蓮太郎くん!相手をヤンデレにするスイッチだ!」【安価】 (109)

ブラック・ブレットの安価ssです

時系列などは気にしない方向で、人物安価は蓮太郎と面識があるならば亡くなったキャラ含め全員okとします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399555588

蓮太郎「……はあ?」

菫「おや、反応が薄いね」

蓮太郎「いや、いきなりそんなこと言われてもな……流石に信じられねえっつうか、意味がわからねえっつうか」

菫「私を誰だと思っているんだい?こんなもの作るくらい造作のないことだよ」

蓮太郎「いやでも……なあ?」

菫「百聞は一見にしかずだ。早速試してみようじゃないか」ポチッ

誰がヤンデレになった?↓2

蓮太郎自身は流石にナシでお願いします、すいません
再安価↓2

蓮太郎「……今ので、誰かがヤンデレになったのか?」

菫「ああ、そうだ。君の知り合いの中から一人がランダムで選ばれる」

菫「本人の性格や君への好意によって効果は多少変化するだろうが、好きでたまらなくなることに変わりはない」

蓮太郎「誰がスイッチの対象になったとかは……」

菫「とても残念なことに私にも君にもわからない」

蓮太郎「何だよ、教えてくれるようにしたっていいじゃねえか」

菫「それじゃあ面白くない」

蓮太郎「アンタって人は……」

菫「スイッチの効果は約数時間だ。対象はその間に君と接触を図ろうとするだろう、精々用心してくれ」

蓮太郎「はあ……」

蓮太郎(結局あのまま帰ってきちまったけど、どうすっかな……)

延珠「どうしたのだ蓮太郎、さっきから浮かない顔をしているぞ」

蓮太郎「いや……ちょっとな」

蓮太郎(延珠は特に変わった様子はないな、じゃあ別の誰かか……)

蓮太郎(先生の話じゃ恐らくヤンデレ化した奴は数時間以内にやってくる)

蓮太郎(……適当に歩き回ってタイムアップが来るのを待つか)

蓮太郎「延珠、俺ちょっと……」

ピンポーン

蓮太郎「!!」

延珠「む、お客さんだぞ蓮太郎!」

蓮太郎(もう来たのか!?一体誰が……!)

蓮太郎「出てくれないか延珠、誰が来ても俺は出掛けてるって言ってくれ」ヒソヒソ

延珠「どうしてだ蓮太郎?」

蓮太郎「頼む、理由なら後で話すから」ヒソヒソ

延珠「……わかったぞ」

ピンポーン ピンポーン

延珠「今行くぞ……」ガチャ

夏世「こんにちは、蓮太郎さんはいらっしゃいますか?」

蓮太郎(夏世!?アイツがヤンデレ化したのか!?)

延珠「む、蓮太郎なら今は出掛けておるぞ、代わりに妾が……」

夏世「嘘ですよね?私にはわかります」

蓮太郎(バレてる!?さっきの会話聞かれてたか!?)

延珠「さっき蓮太郎に会いでもしたのか?」

夏世「いいえ?……でも、わかるんです」

延珠「な、なんでじゃ」

夏世「そんなこと、今はどうだっていいでしょう?」

夏世「それより、もう一度聞きますよ。嘘はつかないでくださいね。蓮太郎さんは、いらっしゃるんですか?」

延珠「っ!」ゾクッ

蓮太郎(明らかにバレてるじゃねえか!クソッ、どうする……!)

1 大人しく出ていく
2 こっそり逃げる
↓2

1 大人しく出ていく

蓮太郎(この様子じゃ逃げても仕方ねえな…)

蓮太郎「よお、どうした夏世」

夏世「こんにちは、蓮太郎さん」

延珠「蓮太郎!」

夏世「延珠さんは居ないと言っていらっしゃいましたが」

蓮太郎「あー……あれだ、昼寝してたからな、邪魔されたくなくてさ」

夏世「そうですか、それはご迷惑をおかけしました」ペコリ

延珠「どういうことなのだ蓮太郎、さっきは……ムグッ」

夏世「さっきは、なんですか?」

蓮太郎「な、何でもねえよハハハハ!それより今日はどうしたんだ、いつも将監と一緒なのにさ」

夏世「……特にこれと言った用はないんです、ただ……」

延珠「ぷはぁっ!どういうことだ蓮太郎!昼寝なんてしていなかったではいか!」

アニメ出てる?

>>16
出てます、金髪で蓮太郎に押し倒されたあの子です

蓮太郎「おい馬鹿延珠!」

夏世「……どういうことですか、蓮太郎さん」

蓮太郎「ち、違うんだ夏世!これは……」

夏世「どうしてそんなに嘘をつくんですか?もしかして蓮太郎さんはそんなに私のことが嫌いなんですか?」

蓮太郎「そういう訳じゃない!事情を説明させてくれ!」

夏世「そうやってまた私に嘘をつくんですよね、そんなに私のことが嫌いなんですか、そこまでして私を遠ざけたいんですか」

夏世「友達になったことも嘘だったんですか?私を人間として認めてくれたことも、全部全部嘘だったんですか?」

夏世「私はこんなにも蓮太郎さんに恋い焦がれているのに、蓮太郎さんは私が嫌いなんですか?嫌いなんですよね?なんでですか?こんなにも蓮太郎さんが好きなのに、どうしてですか、ねえどうして」

蓮太郎「夏世……」

1 「お前はちょっとおかしくなってるだけだ」とこれまでのことを話す

2 「なんでそんなこと言うんだ」と怒る

安価忘れてました、↓2でお願いします

2 「なんでそんなこと言うんだ」と怒る

蓮太郎「ふざけるな!」

夏世「!」ビクッ

蓮太郎「お前を嫌いになったことなんざ一度もねえ!あるわけがねえだろうが!」

蓮太郎「一人で早合点して取り乱してんじゃねえよ!」

夏世「じゃあどうしてそんなに私のことを遠ざけるんですか!私に嘘をつくんですか!」

蓮太郎「っ!それは……」

蓮太郎(言ったってきっと信じちゃくれねえ、クソッ!どうする……!?)

延珠「待つのだ夏世よ」

夏世「延珠さんは黙ってて下さい!」

延珠「待てと言っているのだ!」

夏世「っ!?」

延珠「蓮太郎が嘘をついていたことは事実だ、すまなかった」

夏世「じゃあやっぱり……」

延珠「だが!お主が蓮太郎を愛しているというのなら、蓮太郎がそんなことを意味もなく言う人間ではないこともわかっておるのだろう?」

夏世「それ、は……」

延珠「蓮太郎もお主もさっきから様子が変なのだ。蓮太郎、何が原因か知っているのだろう?」

蓮太郎「……まあな、なあ夏世」

夏世「……はい、なんでしょうか」

蓮太郎「色々話して疲れたろ、上がってけよ、お茶くらい出すから」

夏世「……はい」

蓮太郎「……で、お前が来たってわけだ」

夏世「そう、だったんですか……」

延珠「そのようなことがあったのか……」

蓮太郎「変なことに巻き込んで本当にすまない。先生にはあとでキツく言っておくから」

夏世「……」

蓮太郎「夏世?」

夏世「……たくないです」

蓮太郎「え?」

夏世「認めたくないです、私の抱いているこの感情が偽物だと、認めたくないです……」

蓮太郎「夏世……」

夏世「みとめ…た…く……」パタッ

蓮太郎「ッ!夏世ッ!?」

延珠「……眠っただけみたいだぞ」

蓮太郎「そ、そうか……」ホッ

ヴーヴー

蓮太郎「電話……?先生からだ」

菫『やあ蓮太郎くん、生きててなによりだ』

蓮太郎「夏世がヤンデレになってたよ、でも今急に寝ちまって……」

菫『ああ、夏世ちゃんが急に眠ったのは効果時間が切れたからだ』

菫『すぐに目を覚ますだろう、起きた時にはヤンデレ化してたことは忘れてる』

蓮太郎「そうなのか……」

菫『ずいぶん疲れた声をしているね』

蓮太郎「当たり前だ……本当に取り返しのつかないことになるところだったぞ」

菫『そこは君の立ち回り次第さ、それじゃあ明日も頑張ってくれたまえよ』ピッ

蓮太郎「……え?明日?」







蓮太郎(結局、夏世は俺の家に遊びに来て、そのまま寝てしまったということになっていた)

蓮太郎(ヤンデレ化のことは全く覚えていなかった見たいで、とにかく安心の一言に尽きる)

夏世「それではお邪魔しました、延珠さん、蓮太郎さん」

延珠「うむ、またいつでもくるのだぞ!」

蓮太郎「ああ、いつでも来いよ」

夏世「それと、蓮太郎さん、少し耳を貸していただけますか」

蓮太郎「ん?どうした?」

『この感情は、偽物なんかじゃないですから』

蓮太郎「!」

夏世「では、さようなら」フフッ

これで夏世ちゃん編はおしまいです
ヤンデレ成分足りなかったな……と反省
次はもっと頑張りたい

酉てす

今日はやれそうにないので安価指定だけ

菫「さて蓮太郎くん、昨日はお楽しみだったね」

蓮太郎「何がお楽しみだッ!」

菫「とぼけなくていい、自他共に認めるロリコンの君があんな可愛らしい子に愛を伝えられて嬉しくないはずがないじゃないか」

蓮太郎「アンタらが勝手に言ってるだけだろうがッ!俺はロリコンなんかじゃ……!」

菫「まあまあ落ち着きたまえ蓮太郎くん、とりあえずこれでも押して」

蓮太郎「あ、ああ……」ポチッ

蓮太郎「……あっ!?」

誰がヤンデレになった?↓3

少ないですが今日の分投下します
あと会話だけの形式がどうも書きづらかったので拙いですが地の文入れてます

-街中-

蓮太郎は逃げるように街中を歩く。

木更や延珠がヤンデレになってる可能性がある以上、事務所にも家にも帰るわけにはいかない。

蓮太郎と菫を除けば唯一事情を知っている延珠だが、菫曰く「延珠ちゃんの場合それでもちゃんと抑えてくれるかは怪しいものだ」とのこと。

スイッチの効果は元々の蓮太郎への好意によって増減する。

つまり、元から蓮太郎に好意を寄せている延珠は他の人よりもその効果がより強い、ということらしい。

延珠の協力を仰げないことは蓮太郎にとってかなりの痛手だった。

蓮太郎の知り合いには、職業柄もあってか、戦闘能力の高い人物が多い。

蓮太郎一人では、ヤンデレ化したその人物に対処できない可能性も十分に有りうるのだ。

こうして人混みの中を歩いているのも、相手が強行策に出れないようにするための防御策だった。

どうやって時間を潰そうかと考えていた折、蓮太郎の前に黒塗りの車が止まる。

中から出てきたのは黒服の大男が二人。


男「里見蓮太郎。聖天子様がお呼びだ。ご同行願いたい」

蓮太郎「聖天子様が……?」

蓮太郎(まさか、聖天子様が今回の?)

にわかには信じられなかったが、このタイミングで接触を計ってくるということは、ヤンデレ化している可能性が高い。

男は蓮太郎に近づくと、見た目通りの握力で蓮太郎の肩を掴み、「こちらへ」と促してくる。

見た目こそ「お願い」の様相を呈してはいるが、その実ただの強制連行だ。

先程人混みならば相手も強行策に出にくいと言ったが、人目がある以上、強行策に出れないのは蓮太郎も同じだ。

そもそも逃走を計っても、まず間違いなく捕まるに違いない。

蓮太郎「……わかった」

そうした僅かな逡巡の後、蓮太郎はリムジンに乗り込んだ。







そんなまさか、という思いが完全に拭えたわけではなかった。

何せ相手は東京エリア国家元首だ。上には上の立場というものがある。

特に聖天子は公私混同から最もかけ離れた聖人君子をかくやといった人物だ。

もしかしたら本当に用があるだけかも知れない。そんな希望を抱いたとして、果たして何の罪があろうか。

通された部屋の先に座っていたのは、老若男女関係なく見る者全てを魅了してしまいそうな美貌をもつ少女。

他でもない、東京エリア国家元首、聖天子だ。

蓮太郎「それで、一体何があったんだ」

反対側の椅子に座り、問う。

聖天子「つい先程、聖居にある情報が入ってきました。」

聖天子「東京エリアの英雄の暗殺を企てている者達がいる、と」

蓮太郎「情報の出所は」

聖天子「不明です」

蓮太郎「……それで?」

聖天子「私たちは事の真偽の確認がとれるまで、里見蓮太郎の身柄を保護することに決定しました」

蓮太郎「なんで俺を狙うんだよ」

聖天子「若くして東京エリアの危機を幾度となく救ってきた里見さんのことを面白くなく思う人たちは、決して少なくありません」

蓮太郎「……まあ、だろうな」

聞いた限りではさほど違和感は感じられない。

ただ、今のところ聖天子が今回のヤンデレ化の対象である可能性が高いことも事実だ。

蓮太郎「俺の暗殺計画が真実だとして、わざわざあんな街中で俺を連れてきた理由は何だ。そもそもどうやって俺の居場所を知った」

聖天子「街中で公然と連れてきた方が、相手への牽制になるとの判断からです」

聖天子「里見さんの居場所は監視カメラの顔認証システムを使って突き止めました」

蓮太郎「人一人連れてくるには、あまりに大がかり過ぎやしないか」

聖天子「そうでしょうか」

蓮太郎「……」

投下していきます、長らく投下できずすいませんでした

蓮太郎は迷っていた。

監視カメラの顔認証システムまで使って蓮太郎を連れてきた強引さは、
普段ならそれだけ事を重く見られている、で済むだろう。

だが、ことこのタイミングに限っては、その強引さは聖天子がヤンデレ化したことの裏付けになり得る。

スイッチが押されてから最初に接触を図ってきたことも考えると、
まず間違いなく聖天子がヤンデレ化したと見て間違いない。

だが、万が一。

聖天子の話した里見蓮太郎暗殺計画が真実ならば、蓮太郎が取るべき行動は、
聖天子の言葉に従って事の真偽がわかるまで保護してもらうことだ。

もちろん、それが真実である可能性は限りなく低い。

だが、もし蓮太郎の予想が外れていた場合、それはとんでもない事態を引き起こす。

蓮太郎の命は勿論、今も家で帰りを待っているであろう相棒の延珠まで……


蓮太郎「……そうだ、延珠!聖天子様、延珠はどうした!?」


蓮太郎がそう問いかけると、聖天子は一瞬の間をおいて、首を傾げる。


聖天子「どうして、藍原さんのことを気にかけるのですか?」

蓮太郎「当たり前だろ!延珠は俺の相棒だ!それにアンタが……」



蓮太郎と聖天子の目が合う。

蓮太郎は言葉を続けられなかった。

聖天子は笑っていた。優しく、全てを抱擁する聖母のように。

だが、蓮太郎は見た。聖天子の目の中に潜む、怒りや悲しみ、嫉妬や憎悪の渦巻く負の感情を。


先程まではなかった。『蓮太郎』が『延珠』の名前を出した途端にそれが現れたのだ。



疑念は確信に変わった。


蓮太郎「アンタ、やっぱり……!」

聖天子「やっぱり?なんのことでしょうか里見さん」

蓮太郎「俺の暗殺計画は俺をここに連れてくるための単なる口実だ !そうなんだろう聖天子様!」

聖天子「あら……鋭いのですね、里見さんは」

聖天子はさして驚いた様子も見せず笑う。

蓮太郎は何を言っていいか分からず、逃げるようにその場を飛び出そうとした。


だが、流石国家元首の住まう聖居と言うべきか、その扉は固く閉ざされ、開かない。

蓮太郎「クソッ!」

力の限りに体当たりをかましても、やはり開く様子は微塵もない


聖天子「その扉は電子ロック式です。専用の端末がないと開きはしませんよ」

近付いてきた聖天子がその華奢な腕を蓮太郎に回す。

ふわりと優しい香りが蓮太郎を包み込んだ。


蓮太郎「……アンタがその端末を持ってんのか?」

聖天子「そうです、と言ったらどうなさいますか?」

蓮太郎「無理矢理にでも……」


言いながら振り返ろうとして、



蓮太郎の口が聖天子の口で塞がれた。


それと同時、蓮太郎の口に何かが流しこまれる。

蓮太郎(なんだ、これ……?)

何かの薬だということしかわからない。

蓮太郎は聖天子の抱擁を振りほどき、問う。

蓮太郎「アンタ、俺に何を飲ませた?」

聖天子「すぐにわかります」


聖天子は笑みを携えたまま告げる。

蓮太郎はそんな聖天子の様子に違和感を覚えずにはいられなかった。

それが何なのかを考える暇もないまま、聖天子の言う通り、すぐに効果が表れる。

視界が歪み、体に力が入らなくなる。

足元が崩れ去っていくような錯覚を覚え、たまらず立っていられなくなる。

蓮太郎「ぐ……あ……」

うつ伏せに倒れ込むと、今度は極度の疲労感と眠気が襲ってくる。


蓮太郎(寝る、な……ここで寝たら……)

なんとかして起き上がろうとするが、薬に犯された体は思うように動いてくれない。

体を触られる感触だけがいやに鮮明に感じられ、うつ伏せだった体は仰向けになる。

聖天子に体の向きを変えられたと考える思考力され、今の蓮太郎にはない。

一体どれだけ強力なものなのか。

聖天子「里見さん……」

蓮太郎の胸にしなだれかかって来た聖天子が、小さく呟く。

聖天子「お慕いしています、里見さん。ずっと、ずっと前からあなたのことが恋しくて仕方ありませんでした」


聖天子「この感情が抑えなければならない、特に、里見さんだけには伝えてはならない感情だということは重々承知しております」


聖天子「それでも何故でしょう、先程からずっと、里見さんをお慕いする気持ちがあふれでて止まらないのです」


聖天子「一方通行の気持ちでも構いません。受け入れられなくても構いません」



聖天子「それでも……蓮太郎さん。どうか、私と……私を……」


蓮太郎の意識は、そこで途切れた。


蓮太郎「……っ……?」


体が重い。

霞がかったような思考を晴らすように頭を振ると、その頭もやけに重いことに気がつく。

目に写るのは見慣れない、白い天井。

そして、その視界の端に写り込む、見るもの全てを魅了してしまいそうな少女の姿。


蓮太郎「……へっ!?」

思わずそんな素頓狂な声が喉を突いて出る。

パニックに陥りかけながらも必死に記憶を辿り、そして思い出す。


蓮太郎「くそっ……結局寝ちまったのかよ……」

意識が途絶える前と後で変わったことと言えば、聖天子も蓮太郎と一緒に寝てしまっていることくらいか。

おそらく、あのあとすぐにスイッチの効果が切れたのだろう。

聖天子にキスをされたことを除けば、二人の身はまだ潔白なままだ。

そう、キスされたことを除けば。


思わず顔があつくなるのを感じ、大して意味もないのに手で顔を仰ぐ。

それでも気は紛れず、蓮太郎はとにかく何か行動しようと聖天子の肩をゆする。

蓮太郎「おい、起きろ聖天子様。誰かに見つかったらスキャンダルじゃ済まねえぞ」

聖天子「……ん……ぅ……?」

蓮太郎の胸に顔をうずめていた聖天子の目が開かれ、そしてすぐに蓮太郎の顔を捉えること数秒。


聖天子「っきゃああぁムグッ!?」

蓮太郎「落ち着け!」


咄嗟の判断で聖天子の口を手で塞ぎ、聖居中に聖天子の悲鳴が響きわたるという事態はさけられた。


聖天子「な、なぜ里見さんがここに?」

蓮太郎「順を負って話すから、とりあえず席に戻るぞ」


小動物のように何回も頷く聖天子を見て、蓮太郎は思わず笑ってしまったのだった。


蓮太郎「……んで、俺もアンタも寝ちまって今に至るわけだ。」

聖天子「ほ、本当に申し訳ありませんでした!」

蓮太郎が話終わるや否や、顔を真っ赤にした聖天子が深々と頭を下げる。

もちろん、全てを話したわけではない。キス云々の下りは蓮太郎が適当に捏造している。

蓮太郎「アンタが謝ることじゃない。責任は全部先生だろ」

聖天子「それでも、あの、私……ああ……!」

蓮太郎「俺は気にしてないから。アンタの言葉もスイッチの効果のせいだろ?」

聖天子「いえ、あの、そういう訳では……いやでも、それなら……ええっと……」

聖天子の言いたいことが汲み取れず、蓮太郎は頭にクエスチョンマークを浮かべる。

蓮太郎「……あっ、もうこんな時間かよ!スマン聖天子様!これからタイムセールなんだ!」

聖天子「えっ……あの……」

蓮太郎「できれば先生にも文句の一つでも言ってやってくれ!じゃあな!」


聖天子「さ、里見さん!」

ドアノブに手をかけたとき、聖天子が蓮太郎を呼ぶ。

聖天子「先程の私の言葉の意味、よく、考えてくださると嬉しいです」

蓮太郎「……?」

聖天子「わからないならそれでも構いません。それでは」

やはりその言葉の意味が分からず、蓮太郎は曖昧に頷いて去っていった。

これで聖天子編おしまいです

……あれ、これただの純情乙女?

そうだ、一応次の安価とっておきます

↓3、夏世ちゃんと聖天子様以外で

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月12日 (月) 06:51:29   ID: O6EBIMIH

続きが気になります。

2 :  SS好きの774さん   2014年05月12日 (月) 22:40:04   ID: ogxRho_h

続きが書かれるのを待ってます!

3 :  pazuru   2014年05月13日 (火) 02:32:41   ID: khupGfSi

続きが楽しみです

4 :  SS好きの774さん   2014年05月14日 (水) 01:25:20   ID: vjkrKPG3

続き気になる

5 :  SS好きの774さん   2014年05月14日 (水) 22:30:14   ID: TOHTfsnR

早く続きを書きたまえ

君には期待している

6 :  SS好きの774さん   2014年05月17日 (土) 17:30:34   ID: 73knhgEA

続きが楽しみです。

7 :  SS好きの774さん   2014年05月18日 (日) 00:28:31   ID: LF_z2uLd

続きを早く!

8 :  SS好きの774さん   2014年05月19日 (月) 22:22:24   ID: k-kgDdi2

ティナ編を早くみたい

9 :  SS好きの774さん   2014年05月21日 (水) 14:58:54   ID: eznAblsR

次は誰でしょうね。

10 :  SS好きの774さん   2014年05月22日 (木) 06:51:45   ID: w0rVfUAO

楽しみ

11 :  SS好きの774さん   2014年05月22日 (木) 21:38:05   ID: hUHXuVau

小比奈ちゃんだといいですね。

12 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 01:33:43   ID: md5K80qt

はやくぅぅぅぅぅぅぅう

13 :  SS好きの774さん   2014年05月24日 (土) 20:12:54   ID: p1Gu5qyX

まだ?

14 :  SS好きの774さん   2014年05月31日 (土) 08:39:51   ID: aa0HdwbG

是非木更さん編をお願いします。

15 :  SS好きの774さん   2014年06月01日 (日) 23:00:59   ID: _o3p1GWs

木更さん編は俺も是非見たい!

16 :  SS好きの774さん   2014年06月03日 (火) 22:38:12   ID: mLxhrsWw

続きを是非

17 :  SS好きの774さん   2014年06月06日 (金) 21:55:41   ID: I-K1jEnd

続きお願いします

18 :  SS好きの774さん   2014年06月13日 (金) 23:05:50   ID: aeiao3Wh

ホタルとかも良さそうです

19 :  SS好きの774さん   2014年06月21日 (土) 09:55:38   ID: XqoOROvZ

火垂いいな

20 :  SS好きの774さん   2014年06月25日 (水) 12:28:59   ID: 96T_EojO

か、影胤編を……(小声)

21 :  SS好きの774さん   2014年06月29日 (日) 12:53:30   ID: tuqE1bt0

ホタルはホタルは出ないのですか?

22 :  SS好きの774さん   2014年08月17日 (日) 01:49:22   ID: OCBga_7P

続きあると嬉しいっす!
頑張って!

23 :  SS好きの774さん   2014年12月07日 (日) 07:42:06   ID: cIMkIUFQ

小比奈がヤンデレになったら影胤が標的になると思うんですけど(名推理

24 :  SS好きの774さん   2016年10月12日 (水) 23:10:19   ID: t4o9NFAi

お願いします書いてください(泣

25 :  SS好きの774さん   2019年08月01日 (木) 01:50:48   ID: qGc90GH6

いろんな意味で続き

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