男「伝説の焼きそばパン?」女「」コクン (67)

男「女ー!一緒に帰ろうぜ!」女「」コクン

男「女ァ!貴様俺のパンツ盗っただろ!!」女「」コクン

老人「『爺クフリート』とはワシのことじゃあぁぁーーっ!!」

男「恋のキューピッド?俺たちが?」女「」コクン

優等生「留学生の指導係だと...?」


こっちもよろしく

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キーンコーンカーンコーン

女「~~~」ノビーッ

女友「はぁーっ、つっかれたぁーーー!やっと昼休みだぁ」グデー

女友「もう、数学とか滅べばいいのに.....」

女「」ヨシヨシ

女友「...女ちゃん、昼休みになるとホント元気になるよねぇ」

女「////」テレテレ

女友「単にお弁当が楽しみなのか、それとも....」

ガラッ

男「女ー!一緒に弁当食べようぜ!」

女「♪」コクンッ

女友「...やっぱこっちが本命よねぇ」

焼きたて!ジャパンは関係ある?

>>3
ないよ


「「「「いただきまーーす!」」」」

男「さぁ飯だ飯だ!!」

男友「校舎の屋上でお弁当とか青春してるよねオレたち!!」

女友「何だこのテンション」

女「♪」モグモグ

男「いやー、女はいつも美味しそうにご飯を食べるよなぁ!素晴らしいよとても」ムシャムシャ

女友「モノを口に入れたまま喋んな」

男友「ハイ、女友ちゃん!あーん☆」

女友「あぁん!?」ギロリ

男友「あーん!」

女友「ったく、お昼くらい落ち着いて食べなさいよ」パクパク

男友「いいじゃないですかー!賑やかな方がいいじゃないですかー!」

女友「いいからはよ食え!口じゃなくて箸を動かせ箸を」

男友「じゃー遠慮なく!ふつくしい女友ちゃんをおかずにすればご飯5杯は余裕っすね」ガツガツ

女友「」

男友「....あれっ、オレまたスベった?」

男「下ネタかよ」

男友「えっ、何が?」

女「<●> <●>」

男友「ちょっ!?そんな目で見ないで!!」

女友「....サイテー」

男友「なんかすごい微妙な表情!!」

男「体重増やしたいから最近弁当の量増やして貰ってるんだけどさぁ、なっかなか上手くいかないもんだよなー」

女「」

男「?どうかしたの」

女「....体重、あげたい....」ズーン

男「えー?お前にそんな余分があるようには見えないけどなぁ」

女(....最近おなかが危なかったり)

女(...女友ちゃんはいいなぁ、スタイル良くて)ジトー

女友「えっ、どうかした?///」テレッ

男友「顔にご飯粒ついてますよ」

女友「」

女(....うぅ、お弁当の量減らさないとダメかも....。)

男「そんなさぁ、無理にダイエットとかする必要ないと思うけどなぁ」

女「!?」ビクッ

女友「エスパーかおのれは」

男「だってさ、いっぱい食べてとびきり幸せそうなお前を見てるのが好きだし俺」

女「!?/////」カァァァ

女友「あたしもね!」

男友「オレも(便乗)」

女「...みんなっ....!//////」

女(....こんなにステキな人たちに囲まれて、わたしって幸せ者だなぁ)

男「いやー、大勢で食べるご飯は格別だったなぁ!!」テクテク

男友「明日もいっちゃう?いっちゃう系!?」

女「♪」b グッ

女友「ちょっ、女ちゃんまでそっちにいかないで...。いや切実に」

男「それかアレだなー、みんなでどっかにご飯食べにいくとか!食欲の秋というワケで」

男友「学校帰りにいっちゃう?いっちゃう系!?」

女「...良い店、紹介するねっ」b グッ

女友「流石グルメっ子」

ザワザワ...

男「うん?何だあの人だかり」

女友「ねぇ、どうしたのさ?掲示板なんか見て....」

モブ「どうしたもこうしたも、これだよこれ!!」スッ

男友「なんかのポスター?」

女「っ!!これはっ.....」

男「知っているのか女!!」

男「伝説の焼きそばパン?」

女「」コクン

男友「....安直なネーミングですなー」

女友「何なの、ソレ?」

女「....聞きたい?」ソワソワ

男&女友「「是非!!」」

男友「女ちゃんが絡むとホント息ピッタリだよねキミたち」

『伝説の焼きそばパン』とは、お手頃価格でお馴染みのノーマル焼きそばパンとは似て非なるモノである!!

キャビア、フォアグラ、トリュフの三大珍味をふんだんに絡ませた麺!!

三ツ星レストランの専属パン職人が創り上げた特上のパン生地!!

そしてそれを引き立てる、市販の紅しょうが!!

これを食した幻の偉人・『ジャン・ピエール・ポルナポレオン』はこう言った.....。

『これめっちゃうまい』

以来、一部のコアなグルメマニアの間で密かに語り継がれている、至高にして究極の一品なのだ!!


女「....というワケですっ」

男「パネェ!!」

男友「イヤ、どう考えても半端だよね」

女友「紅しょうがで妥協しちゃってるしね」

女友「....で、今度その『伝説の焼きそばパン』とやらがウチの購買にやってくると」

男友「限定一個でね。こりゃあ大荒れになりますよ」

女「......」ワクワク ソワソワ

男「...よぉーし女!何としてでもその焼きそばパンを手に入れて、お前に食わせてやるからな!!」

女「!!」キラキラ

男(女の笑顔のためにも、俺やってやんよ)

「フン、果たしてそう上手くいくかな」

男「何?」

優等生「悪いがそのキワモノパンは俺たちが頂く」

留学生「故郷の家族たち二、良いオミヤゲ話ができそうデース!」

モブ「あっ、あれは!最近頭角を現しているインターナショナルコンビ!!」

男友「イヤ、まぁおもっくそ知り合いだけどね」

男「へっ、なーにが『フン』だカッコつけやがって!ぽっと出のクセにいい気になるなよコラ」

「面白い....。その勝負、我々も参加させて貰おう」

「是非も無し」

男「何っ!?」

モブ「あっ、あれは!!無我の境地に到達したテニス部のダブルエース、根岸と山本!!」

男友「イヤ、まぁおもっくそチームメイトだけどね」

根岸「遠慮はいらぬ。全力でかかって来るが良い」

山本「ただ、排除するのみ」

男「へっ、夏休みデビューに成功したからっていい気になりやがって!吠え面かかせてやんよ」

「あーん?吠え面かくのはテメーのほうかもなぁ」

男「....!!その声は...」

モブ「あっ、あれは!!残虐非道、冷酷無比でお馴染みの図書委員!!」

図書委員「ヒネリつぶしてやんよ...!せいぜい心の準備をしときな!!」

男友「図書委員会ってどんなお仕事するんでしたっけ」

女友「とりあえず同級生をヒネリつぶすことではない」

男「上等だ...!真正面から返り討ちにしてやるぜ」

「ククク...。我々を忘れて貰っては困るな」

女友「まだやんのかよしつっけーな!!」

男「その声は...!!いや、分かんねーわ」

男友「ここに来てまさかの知らない人!!」

モブ「あっ、あれは!!どういう括りかは不明だが、この学校の『四天王』を名乗る四人組!!」

四天王A「ククク...。遂にこの時が来たか」

四天王B「ウフフ...。楽しくなりそうね」

四天王C「フハハ!!愚民どもにあの高貴な一品を食す資格など皆無!!」

四天王D「مرحبا」

女友「もうバカの一括りで良いんじゃないアイツら」

男友「てゆーか一人凄い個性発揮してる人いるんだけど!?」

四天王A「ククク...!この学校でもトップクラスのバカップルである貴様らといえど、我ら四人の前には太刀打ちできまい!」

女「っ....!」

女友「...ハァ?ちょっと人数が多いからっていい気になってんじゃないわよ」

四天王B「何ですって!?」

女友「あたしらが入れば4対4!アンタらなんか瞬殺よ」

女「!!」パァァァァ

男友「えっ、ボクも頭数に入ってるんですか」

女友「つべこべ言わずに手伝いなさいよ。アテにしてるんだから」

男友「イエス、マイロード!!」

男「女友さん、男友...!!」ジーン

不良「面白れぇ...!こーゆーのを待ってたんだよ俺は!!」

バスケ部「ワクワクするわね!」

天文部「星の加護を得た我々に勝てるとでも?」

「勝つのは俺だ!」「いいや自分だ!!」「拙者だ!」「小生である!!」ワーワー

男「なっ、何だかカオスなことに....」

女「.....」グッ

女「....みっ、皆さん!」

一同「?」

女「皆さんがどれだけ、伝説の焼きそばパンを手に入れたいかは分かりましたっ。でも....」

女「....かっ、勝つのは...!私たちですっ!!」

女友「女ちゃん...!」

男「女....!よく言った!」

優等生「...フン、そう来なくては張り合いがない」

留学生「望むところデース!」

根岸「良い心意気だ」

山本「同じく」

図書委員「ケッ、せいぜい首洗って待ってな」

四天王D「وداعا」

男友「...いやはや、女ちゃんがあんなこと言うなんて以外だったよ」

女友「とにかく、これで勝つしかなくなったわね」

男「はなっからそのつもりだけどね!なぁ女.....」

女「」ガクガクブルブル

男「....どうした」

女「.....ハッタリかましちゃった」

男「」

女友「」

男友「」

男「伝説の焼きそばパンが販売されるのは、一週間後の昼休み」

女友「4限のチャイムが鳴ると同時に戦端が開かれるってわけね」

男友「そして廊下が戦場と化すと」

男「となると、やはり運動部連中が厄介だな」

女「....運動音痴のわたしは....」ズーン

男「まぁまぁ、まだ諦めるような時間じゃない」ヨシヨシ

男友「それに運動の指南なら、うってつけの人がいるじゃないですか」ニヤ

女友「えっ」

女友「いーい、女ちゃん?速く走る秘訣は、視線と姿勢に気を付けるコトで...」

女「」コクコク

男友「陸上部エースの女友ちゃんの指導なら、カンペキパーペキってワケさ」

男「見ろよ相棒、あの二人のポニーテール。たまらんな」

男友「普段隠れているうなじが露わになる....。たまりませんな」

女「////」カァァァ

女友「それ以上茶化すならぶっ飛ばすわよ」

男「ここで『死ね』とか言わない辺りに女友さんの優しさを感じるよな」

男友「確かに」

女「っ....!」ハァハァ

女友「ちょっと休憩しよっか。ハイ、お水」

女「....ありがとっ」

女友「...なんか新鮮だねっ、女ちゃんがこーゆー勝負ごとに気合い入れるなんて」

女「....」

女友「そんなに食べたいの?あの焼きそばパン」

女「」コクン

女友「....ふーん」

女「...でも、今は」

女友「?」

女「...みんなで分け合って食べて、喜んでもらいたい....」

女友「天使か」


男「....どうやらこの戦い、絶対負ける訳にはいかねーようだな」

男友「そうと決まれば、オレたちも特訓あるのみですな」

一旦切るの巻

おやすみなさい

--数日後

女「はぁっ....はぁっ....!」ゲホッ

女友「しっかり女ちゃん!この程度で音を上げてたら話にならないよ」

男友「うっひゃー、以外にもスパルタですなぁ」

男「まぁまぁ女友さん、ひとまず休憩でも....」

女友「アンタの出る幕じゃないよ。黙って自分の特訓でもしてな」

男「ほう...。言ってくれるじゃない」イラッ

女友「何度だって言ってやるわよ、この恋愛脳男」

女「........」ビクビク

男友(....あれ、コレやばくね?)

女友「こんなところで妥協なんかしてたら、『伝説の焼きそばパン』なんて夢のまた夢よ?分かってんの?」

男「分かってるよ。でもヘンに気合い入れすぎて女が潰れっちまったら元も子もねーだろ」

女友「女ちゃんがこの程度でヘタレると思ってるんだ?彼氏ヅラしてるクセに何にも分かってないのねあんた」

男「精神じゃなくて身体のほうの話をしてんだよ。自分が運動できるんでその辺の配慮が足りてないんじゃねーの?」

女「...ぁのっ、ふたりとも.....」

男・女友「「だぁってろ!!!!」」クワッ

女「」

男「あっ....。わりぃ、女....」

女友「ごっ、ごめんね?つい....」

女「」プルプル

男友「はーいそこまで!女ちゃん、こっちへ。気力と体力を回復しましょうね」スタスタ

男友「そっちの愚か者二人はしばらくそこで反省していなさい」

男「」

女友「」

男友「どっちも女ちゃんを想っているが故の衝突だからね。悪いことじゃあないよ」

女「....ゴメンね?男友くんまで巻き込んじゃって」

男友「オレ?」

女「」コクン

女「...本当ならわたし一人で『伝説の焼きそばパン』を手に入れて、それをみんなに分けてあげるのが筋なはずなのに....」

女「.....ずるいよね、わたし....。もっと頑張らないと」

男友「....別に、オレは巻き込まれたなんて思ってないけど?」

女「?」キョトン

男友「友達のために協力してるってのはもちろんだけどさ。それって単に、自分がそうしたいからやってるだけなんだよね」

男友「あの二人だって同じさ。結局は『女ちゃんのとびきり笑顔が見たい』だけの、ただの変わった自己中さんってワケ」

女「.......」

男友「だから女ちゃんもさ、何も気にせず自分のエゴを押し通しちゃえばいいんじゃない?」

女「......うんっ。ありがとう....」

男友「どういたしまして!おやっ、反省タイムが終わったようだね」

男・女友「「すいませんっしたーーーー!!!」」ズザザザザ

女(スライディング土下座....!)

--そして時は流れ...

教師「この公式はテストに出さないから覚えなくていいぞー」

キーンコーンカーンコーン

教師「っと、じゃあ今日はここまで....」

生徒「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」ガタガタ ダダダダ

教師「」

「邪魔だぁぁぁあ!!」「消し去ってしまえー!!」「WRYYYYYYYYYYY!!」ドカッ バキッ

男「予想通り、カオスそのものだなぁ!!」

男友「しかし、潰し合いなど愚の骨頂!」

女友「混乱に乗じて人の隙間を縫い!」

女「...勝利を、掴む!」

天文部「そうはさせん!強敵であるキミたちは、真っ先に倒させてもらう!!」バッ

女友「天文部の連中....!!」

天文部「受けてみよ、我らがフォーメーション!!『オリオン座の陣』!!」ズドドドド

男「知ったことかぁーーー!!」ゲシッ

男友「残念、穴だらけだね!!」バシィ

天文部「よもや!!」ドサッ

女「....!!」キラキラ

女友(くっ....。不覚にもちょっとカッコいいと思ってしまった)

バスケ部「やるわねキミたち!でも、おっさきー!!」ダムダム

男「あれはバスケ部!!」

男友「すごい...!華麗なドリブルで人ゴミを躱している!!」

女友「てゆーかアレ、ボール持つ意味あんの?」

バスケ部「モチベーションが違うの!!」ダムダムダムダム

女友「地獄耳か!つーかダムダムダムダムうっさいわね!!」

優等生「他の奴らのテンションに合わせる必要は無い!先を急ぐぞ」

留学生「イエッサー!」

「フフフ...。そうは問屋が卸さないわよ」

優等生「なっ、貴様は...!!」

生徒会長「申し訳ないけれど、貴方たちには万に一つも勝ち目は無い!」

モブ「まさか...!生徒会長権限で俺たちを牽制するつもりか!?」

生徒会長「笑止!しょせん一生徒に過ぎない我々にそんな権限があるとでも!?マンガやラノベの読みすぎだ!」

副会長「そっすねー。まぁ自分らに出来るのはせいぜい.....」


一年生A「なっ、なんじゃこりゃあ!?」

一年生B「防火扉が閉まってやがる!」


三年生A「くそっ、これじゃあ焼きそばパンを買いにいけねぇ!!」

三年生B「謀ったな下級生ぇぇぇぇぇ!!!」

副会長「...というワケで鎮圧対象は二年生のみっす」

生徒会長「これ以上生徒たちに無駄な争いをさせないためにも!!伝説の焼きそばパンはこの私が頂くっ!!」

優等生「要するに自分が食べたいだけだろうがっ!!」

生徒会長「来るなら来い!!私はその上を行く!!」

留学生「相手にとって不足ナシデス!」

副会長「いや、焼きそばパンにマジになるとかないっすわー。サクッと終わらせましょう」

モブ「...ふっ、なんとかあの場から逃れられたな」スタッ

モブ2「ロープを使ってトイレの窓からショートカットし、このまま一気に購買へと向かう!」

モブ・モブ2「「我らモブコンビに死角なし!」」

「確かにないね。アレを手にする資格がさ」

モブ「ぐえっ!?」ガシッ

モブ2「タコス!」ドカッ

下っ端「こちらハウンドA。目標を捕縛しました、どうぞ」

図書委員『ご苦労。引き続き任務遂行にあたれ』

下っ端「御意」

図書委員(....せいぜい足掻いときな、脳筋どもが!最後に勝つのはこのアタシじゃあーーーっ!!)

不良「あっ、ありえねぇ...!何故アンタがここにいる!?」

男「....校長、先生...!」

校長「我が校代々伝わる、校長専用ルートを使ったまでさ。防火扉など、私の前には無意味だよ」

男友「よもや先生までもがこの戦いに参加しようとは...」

校長「大切な生徒たちといえど、悪いが手加減できない。何故ならば....」

女「....」ゴクリンコ

校長「『伝説の焼きそばパン』に宿るとされる発毛効果を手にし、バラ色の人生を取り戻すのだからぁーーーっ!!」

女友「結局それかよ!」

男「もはやハゲを隠す気も無いというね!」

山本「校長...。私欲に塗れるとは愚かな男よ」ドン

校長「フッ、君たち若輩には分からないだろう。陰で蔑まれ続けてきた私の悲しみなど....」

校長「せめてこの一撃で、その片鱗を味わうと良い!秘儀・『毛根ネットワーク』!!」シュババババ

山本「何っ!?」ボフッ

不良「んだぁ!?顔に何か...」モゴモゴ

男子生徒「これヅラだ!!」フゴフゴ

校長(さぁ観るのだ!私が歩んできた悲劇の一部を....)バシィィン

山本(!?脳内に直接....)

『なぁなぁ知ってるか!?校長って、実はヅラなんだぜ!』

『マジかよwwwwうけるー』

『おいバカ、聞こえるぞ』


『アラ、おかえり。うん?あぁ、ちょっと昔の写真見てたのよ』

『懐かしいわね、あの頃.....。フサフサだったあの頃......』


『今度友達が泊りに来ても大丈夫?...うんっ、ありがとパパ』

『え、イヤいいよ顔出さなくて。父親がヅラとかバレたりしたらさ、ちょっと....。うん』


山本「馬鹿な....!こんな、こんなこと...!!」ドサッ

不良「あァァァんまりだァァアァ!!!」ドサッ

「ハゲこわい...」「ハゲこわい....」「バカにしててすみません....」ドサッ

バスケ部「くっ、校長先生がここまで強いだなんて!」ダムダム

四天王A「ククク....。相手にするだけムダのようだな、ここは脱兎のごとく!」

女教師「おーっとそこまでだぁ」

四天王C「馬鹿な...!何故平教師であるあなたがココに!」

女教師「理科室で待機してたのよ。勝つためにね....」

男「まさか、先生も....」

女教師「そのまさかよ!『伝説の焼きそばパン』に宿るとされる、結婚促進効果!!これで晴れて脱独り身というワケよ!!」

女友「さっきから尾ひれ付きすぎだろ焼きそばパン!!」

四天王B「生徒を踏み台にしてまで...。ある意味女らしいと言えるわね」

女教師「いずれお前たちにもわかるさ....。イヤ、今わからせてあげようじゃないか!!」シュババババ

男「女っ!!」ガシッ

女「っ!!」ビュン

女友「あれは、チョーク!?」

四天王D「صد」スカッ

四天王余り「「「レタス!!!」」」ビシッ

男「一人除いてポンコツじゃねーか四天王!!」

バスケ部「あいてっ!!」ビシッ

バスケ部(なにっ!?脳内に直接何かが....)

女教師「秘儀・『白き追想(リコレクト・チョーク)』」


『えっ、結婚式?招待してくれるの?あっ、ありがと.....』

『高校時代の悪友で飲み会とかどうよ!?えっ、妊娠中でお酒ムリ....』

『イヤ、いいよお見合いとか...。良い男の一人くらい、余裕で捕まえるし』

『ただいまー....。って、誰もいないけどね☆』


バスケ部「......なんかエグい」ドサッ

四天王B「大人って、こわい....」ドサッ

四天王A「よく分からないけど精神的に辛くなったっぽい」ドサッ

四天王C「腹減った」ドサッ

女教師「...それが若さよ」ドヤァ

男「全然決まってませんから」

女友「...まったく、アホくさいったらないわこりゃあ」

女教師「...何?」

女友「先生が行き遅れてるのって、高望みし過ぎなせいでしょ?もう少しハードル下げるとかしたらいいのに」

女教師「女友...。私と同じく男運のないキミなら、理解してくれると思ったんだけどねぇ」

女友「残念だけど一緒にしないでよね。男運ならあたし今人生最高だから」

校長「無駄な抵抗はやめたまえ....。私はただ、毛根を手に入れたいだけなのだよ」

男友「教師の誇りを捨ててまで手に入れた毛根ですか。さぞ価値のあるものになるんでしょうね、校長先生」ニヤァ

校長「ほう....。整髪料を惜しみなく使っている君はいずれ私と同じ道を辿ると思うのだがね」

男友「ご愁傷さまぁ!生憎ウチの家系は、代々屈強な毛根が受け継がれているんですよ」

校長「ふっ、いいだろう。面白い....!」

女友「いい、男友。ヘマしたら承知しないわよ」

男友「まったく、こんな時も手厳しいっすねぇ」

女友「...分かった」

男友「?」

女友「校長ぶっ倒したら、優しくしてあげる」

男友「オイラ勝っちゃうもんねーーー!!!」

女教師「...一つ聞かせな。お前ら、一体何のためにアレを欲しがってるんだい?」

男友「そりゃーもちろん」

女友「決まってるじゃん」

男友・女友「「自分のため!!」」

女「っ...!!」ハァハァ

男「階段を降りれば一階、もう少しだ!」

根岸「させんぞ」ズダンッ

男「...チッ、そう簡単には行かせてくれねーか」

根岸「我が半身の為にも、『伝説の焼きそばパン』は我が頂く...!」

男「女、こいつは俺が何とかする!お前は走れ!!」

女「...ありがとっ!」ダッ

根岸「即断即決...。美しい信頼だな」

根岸「だが、いくら彼女への想いが強くとも....。圧倒的な力の前では無意味だ」

男「そうかな?やってみなきゃ分かんねぇ!凡人には凡人なりの戦いがあるってことを見せてやんよ」

根岸「....来い!」

男「うぉぉぉぉぉっ!!」ガシッ

根岸「愚かな....。そのような足止めなど!」グイッ

根岸(!?動かんっ....)

男「確かに俺は、勉強もスポーツも中途半端な凡人さ。けどなぁ....」

男「あいつに....。女にとびきりの笑顔をあげたいって気持ちだけは、誰にも負けねぇぇぇぇぇっ!!!」ググググ

根岸「...大した精神力だ。素直に認めよう」

根岸「だが言った筈だ、無意味だと!」ドスン

男「うっ....」メキィ

根岸「....さらばだ。お前の屍を超えて我は先へ向かう」ビュンッ

男「......」

女「はぁっ、はぁ.....!」ダダダ...

女(もう、少し....!)

図書委員「これで勝った!とか思ってんだろ?」

女「!!」

図書委員「残念だったなぁー!!颯爽とアンタを抜き去り、焼きそばパンをかっさらってやんよぉ!!」ダダダダ

図書委員「そして味わうがいいさ....。勝利の目前から敗北の底に突き落とされる絶望をな!!」

女「~~~~~っ!!」ダッ

図書委員「逃がすかよっ!!」

女「っ.....!」ハァハァ

図書委員「さっきから走りっぱなしでダウン寸前だろ!?とっとと諦めちまいな!」ゼーハー

女「......!」ハァハァ

図書委員「ってめぇ....!いっちょまえにシカト決め込むとはいい度胸じゃねーか!!あん!?」ゼーゼー

女「.....!!!」ハァハァ

図書委員(....こいつっ!!何故速度が落ちねぇ!?)

図書委員(一週間やそこらの特訓で、ここまで体力が付くもんなのか!?...イヤ、違う)

女「...み、んな....!!」

女「みんなが作ってくれたチャンスを....!!無駄には、しませんっ....!!!」ダッ

図書委員(今こいつの身体を動かしてるのは、『伝説の焼きそばパンを手に入れる』という強い意志!!)

図書委員(妨害することを第一に考えてたアタシには、最初から勝ち目なんて無かったってワケか.....)

図書委員「くそったれがああああああ!!!ぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー...........」ドサッ

女「!!」ハァハァ

女(見えた、購買!!これでっ.....)

根岸「勝負あり、だな」ギュンッ

女「えっ....?」

根岸「我をここまで追い詰めるとはな。うぬらの絆の強さには感服した」

根岸「だが、現実は常に残酷なものだ。最終的に勝利を掴むのは、より強い力を持つ者よ」

女「そ、んな......!!」

根岸「...さらばだ」バビュンッ

女「...ひどいよっ、こんなの...。あんまりだよぉ....!!!」ガクッ

女「はぁっ、はぁっ....!!うぅ......!!」

女(男くん、女友ちゃん、男友くん....!!ごめんなさいっ...!!ごめんなさいっ....!!!)

購買のおばさん「いらっしゃーい!今日は目玉商品、『伝説の焼きそばパン』が入荷してるよー!!」

根岸「ご婦人、それを一つ頂こう」

購買のおばさん「はいよ!2000円になりまーす」

根岸「.....む?」ゴソゴソ

女「.....?」グスッ

根岸「....財布が無い、だと....!?」

『凡人には凡人なりの戦いがあるってことを見せてやんよ』

根岸「.....まさか!!」

男友「...よぉ、相棒。壁に減り込むとはずいぶん手酷くやられたもんだな」

男「...そっちこそ。毛まみれに粉まみれじゃん」

女友「うっさいわね。大人げ無さすぎなのよあの人たち」ケホッ

男友「まぁ、足止めは十分したし。女ちゃんなら大丈夫でしょ」

男「トーゼンだろ。それに、一応保険も掛けておいたしな」スッ

女友「何よその財布」

男「コレ?野生のゴリラをカツアゲした」

男友「マジすか!!」

女友「ねぇよ」

根岸「馬鹿な...。この我がまんまと出し抜かれたというのか....」

購買のおばさん「金の無い奴に売るパンは無いよ。とっと消えな」

根岸「」

購買のおばさん「お待ちのお客様どうぞー」

女「....『伝説の焼きそばパン』、くださいっ....!」つ2000円

購買のおばさん「へいお待ち!味わって食べてね~」

女「.......」

女(やったぁぁぁぁぁぁぁぁっ.....!!!)

男「ばんざーい!!ばんざーい!!」

女友「頑張ったねっ、女ちゃん!!」ギュウ

男友「はじめてのおつかいを見守る親って、きっとこんな気持ちだと思う!!オレそう思う!!」

女「....みんなの、おかげ/////」テレテレ

男「そうだ!!俺たち四人の、友情の勝利だ!!」

優等生「フン....。今回は勝ちを譲るとしよう」

留学生「パンはゲットできませんでしたケド、オミヤゲ話はできまシタ!!」

生徒会長「私たち今、すごく青春してる!そう思わないか副会長?」

副会長「後で先生にどやされるからって、現実逃避はよくないっす」

男「結局あの四人って、ずっと廊下で激戦繰り広げてたのか」

女友「ハイになり過ぎてたみたい」

四天王A「ククク....!大した奴らだ」

四天王B「ウフフ....!流石は我が校の誇る『ラブコメ四天王』ね」

四天王C「フハハ....!大した奴らだ」

男友「結局何だったんだろうねあの人たち」

女友「ていうか、ヘンな呼び名付けないでくんない!!」

四天王D「تهنئة」

女「شكرا」

男「なんか通じ合ってるし!!」

図書委員「フッ.....。悔しいけどアタシらの負けだ」

女「......」

図書委員「アンタらの友情の固さ、心から認めるよ....。おめでとう」

男「.......お前は次に『なんて言うワケねぇだろバァカ』と言う」

図書委員「なんて言うワケねぇだろバァカ!!.....ハッ」

男「もうアンタのことは大体分かってるからさ」

図書委員「舐めたマネしてくれんじゃねぇか...!あん!?」

女「...また、勝負しましょう。わたし、負けませんから....!」

図書委員「っ....!上等だ、今度こそはアタシ直々に泣きべそかかせてやんよ!!」

女友「なんか仲良くなってるし」

男友「そうなの!?あれで!?」

校長「ふっ....。己の欲に目が眩んだ我々に、アレを手にする資格は無かったというワケだな」

女教師「ええ。まったく、あの子たちには教えられましたよ」

校長・女教師「「私たち、もう少し頑張ってみよう!!自分の力で.....」」

ピンポンパンポーン

教頭『校長先生、それに女教師先生。てめーら今すぐ職員室に来い。今すぐだ』ブツン

校長「」

女教師「」

男「もう教頭が校長やればいいんじゃないかな」

女「......!!」キラキラ

男「おぉ、これが....!!」

女友「伝説の焼きそばパン....!」

男友「割とフツーな外見ッスね」

男「何でそーゆーこと言っちゃうかなぁ」

女友「ホントないわー。マジでないわー」

女「....三等分?」

男友「(´;ω;`)」

男友「はぁー....」

女友「何よ、しょげちゃって。アンタの扱いがヒドイのは元々でしょう」

男友「イヤ、そっちじゃなくてさぁ....。女友ちゃんのデレ期到来チャンスを逃してしまったのがさぁ....」

女友「....なーんだ、そんなコトかよ。さっきの校長たちと同じ状態よアンタ」

男友「....つまり、どういうことだってばよ」

女友「ホントに大切なものなら、チャチなチャンスに頼らず自分の力で掴み取れってコト」

女友「....まぁ?せいぜいこのあたしをデレさせられるよう頑張ったらいいんじゃない?」

男友「ちょー頑張る!!」

女友「.....ふふっ」

男「傍から見たらデレデレだよね」ニヤニヤ

女「♪」ニヤニヤ

女(....そういえば男くん、こんなにボロボロに...)ジー

男「あぁコレ?根岸のヤロー、あれで手加減してるってんだから本当人間超えてるよなー」

女(...そんな人相手に、あんな風に立ち向かえるなんて)

女「....怖く、なかった?」

男「めっちゃ怖かったです。死ぬかと思いました」

女「」

男「ただ、それでもアイツに突っ込んでいけたのはさ...。そんな恐怖よりも『女をとびきり笑顔にしたい』って気持ちのほうが強かったからだと思う」

女「!!」ドキッ

男「こんな風に想える相手がいるってさ、きっと凄いことだよな!」

女「......とう」

男「?」

女「...ありがとうっ!!////」ニコッ

男「どーいたしましてっ!////」ニコッ

女友「爆発しろ」ニヤニヤ

男友「me too」ニヤニヤ

女(わたしのせいで、たくさん傷つけてしまった.....)

女(そんな謝りたい気持ちより、ずっとずっと....!感謝の気持ちが溢れてくる....!!涙も、たくさん...!!)ポロポロ

男「」つハンカチ

女(こんなに幸せな時間をくれる、みんな....)ゴシゴシ

女「....男くんっ!!」

男「おう?」

女「女ちゃんっ、男友くんっ...!!」

女友「なーに?」

男友「ハイ?」

女「.....わたし」

女「みんなのこと、大好きっ!!えへへ....//////」

3人「「「」」」

男「....おっ、俺もだぁぁぁぁぁぁっ!!!」ダキッ

女友「アイラービューー!!アイニーヂューーー!!!」ダキッ

男友「ウィアーザワーーーーー!!ウィアーザピーポーーーー!!!」ダキッ

男「...さてっ!存分にハグし合ってパンも等分したところで、実食といきますか!せーのっ....」

一同「「「「いただきまーーす!」」」」パクッ

女友「...ん、なるほど」モグモグ

男友「....なんと言いますか」モグモグ

男「....一言でまとめると」モグモグ

女「.....」ゴクリンコ


一同「「「「これめっちゃうまい!!!!」」」」

仲の良い男女の友情物語を描こうとした結果こうなった
このシリーズだとまだ少し書きたいネタあるので、そのときはよろしく

読んでくれた人サンクス

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