男「何でも屋ですけど?」 (88)



女「やばい…テストの点数がここまで落ちるとは…」


36点


女友「うわぁ…やっちゃったねー
これで英語の赤点何回目だっけ?」

女「三回…」

女友「補修おめでとう、これで夏休みが台無しだね」

女「う、嘘でしょおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ…」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396616451



女友「だーいじょうぶだって、まだ補修の前にテストもう一回やるでしょ?
その時にいい点数取ればいいんだよ」

女「と、取れる気しない…」

女友「塾でも行けばー?」

女「えー、当てになんないよ
昔通ってたけど点数伸びなかったもん」

女友「ふーん、まぁ私は大丈夫だったけどねー」

女「こ、この人でなし!」

女友「ははは、じゃあ私今からバイトだからまたねー」

女「どーしよおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ」

帰り道


女「こ、このままだと夏休みが…」

女「んー?」


何でもやります、何でも屋
場所:丸駅裏のすぐそこ


女「え、まさか私これに頼ろうとしてるの?」


36点「やっほー」


女「わ、藁にもすがる思いってこうゆうことなのかな…」

女「よ、よしっ…」

何でも屋


女「へー、丸商店街のこんなところにあったんだ」

女「あ、お金とか取られるのかな…
今お金持ってないや…」


ガチャ


「いつもありがとうございます、では失礼します」スタスタ

女「え…?」

女「スーツ来てて、何か顔に傷あって…
え?ここ本当に何でも屋だよね?」


何でも屋


女「お、おお女度胸!」ガチャ




女「こ、こんにちはー…」


男「んー?」フーッ


女「あ、あの…何でも屋さんであってます?」(たばこ臭っ)

男「んぁー、そうですけど」

女「わ、私に勉強教えてください!!!」

男「んなもんてめえで何とかしろ」

女「は?」

男「こっちはいろいろと忙しいんだよ
ガキの勉強見てる暇なんてないんだよ」

女「え、でもソファに寝転がってたばこ吸ってるだけじゃ…」

男「…」

女「…」



男「い、今は休憩中なんだよ」フーッ

女(あ、押したら行けそう…)

男「まぁなんだ、俺の座右の銘は地獄の沙汰も金次第
金さえあれば何でもしてやるよ」

女「あ、やっぱりお金取るんですか?」

男「当たり前だ、俺はこれで飯食ってんだよ
ボランティアする余裕なんてねぇよ」フーッ

女「ち、因みにどれくらい取るんですか?」

男「アンタのその制服見る限りじゃ近くの丸高校の生徒だろ
高校生の勉強代ねー」

女「300円で何とかなりませんか?」チャリン

男「帰れ
一回5000円で見てやるよ」フーッ

女「そ、そこを何とかあああああっ
わ、私このままだと補修で夏休みが無くなるんです!
補修怪人が夏休みくんを食べちゃうんです!」

男「知るか、勝手に食われてろ」



ガチャ



OL「あのー、ここって鑑定とかもしてもらえるんでしょうか?」

男「私に不可能はありませんよ、お姉さん
では手始めに私と貴女との関係を鑑定しましょうか?」

女「あっ、私と全然対応違うし!」

男「うるせー、お前はさっさと帰れ」シッシッ

OL「あ、忙しいようでしたらまた後日にでも…」

男「いえいえ、あちらのことは気にせずに
ささ、どうぞおかけください」

OL「はぁ…どうも」

男「して…何を鑑定してほしいのでしょうか?」

OL「このヴィトンの財布なんですが…」

男「ふむ…」



OL「少し前に限定品だって売り出しているのを見つけて買ったんですけど、私の友人曰く、ヴィトンはレプリカが多いから一度見てもらうといいよ、と言われまして」

男「なるほど、この商店街に鑑定士のいる店はありませんからね
任せてください、私が見ましょう」

女「あーっ、このヴィトンって去年の限定品の!」

OL「あら、詳しいんですか?」

女「いえ、私も以前買わないかって声をかけられたんですけど、その時お金が無くて…」

男「これは残念ながら偽物ですね」

OL「え?」

女「適当言ってんじゃないんですか?」

男「お前はまだ帰ってなかったのかよ…
おほん、ヴィトンの財布にはいくつか見分けるポイントがあります」



男「まず最初に見分けるポイントがジッパーですね」

OL「はぁ」

男「これはちゃんと尖ってますね
偽物は基本丸みを帯びています」

OL「そうなんですか…知らなかった…」

男「それに最近のものですと偽装防止の為に6桁の番号がついています
最初の二桁は製造した工場の番号
そして残りの四桁、1、3番目は製造月、2、4番目は製造年」

OL「じゃあこの財布は…」

男「製造年と製造月が64年の18月」

OL「はぁ…やられたってことですか…」

男「残念ながら…」

OL「すみません、こんな事の為にわざわざありがとうございます
えっと、鑑定料はいくらでしょうか」

男「いえ、その様な物はいりません
貴女の傷を癒すことができない責めてもの償いです」

OL「は、はぁ…い、いえ…でも…」

男「ではいつかお食事でもどうでしょうか?
それでこの件はチャラということに」

OL「私なんかで良ければ…でも本当にいいんですか?」

男「はい、大丈夫ですよ
女性からお金なんて頂けませんからね」

OL「ありがとうございます、ではまた後日顔を出しますね」

男「ええ、楽しみにしております」

OL「それでは失礼します」ガチャ



女「へぇ…本当に何でもできるんですね」

男「当たり前だ、それじゃなきゃ何でも屋なんて勤まらねーだろ」カチッシュボッ

女「というか、女の人から金取らないってなんですか!
私も女ですけど!」バンッ

男「お前みたいなガキは女じゃねーよ、ジャリだジャリ」フーッ

女「ぐぬぬ…いいじゃないですか!
じゃあ300円出すのでその分だけ勉強教えてください!」

男「必死すぎるだろお前…
はぁ、んで何を教えてほしいんだよ」

女「え?教えてくれるんですか!?」

男「じゃあやだ」フーッ

女「…」

男「お、落ち着け…というかその手に持った花瓶高いんだから下ろせ…」

女「英語ですよ、英語
何で日本人なのに英語覚えなきゃいけないのかなー…」バサバサ

男「ほー」ペラペラ

ごめん寝ます
とりつけます



男「まぁコツとしては単語を覚えることだな、単語さえ覚えられれば話すことだってできる」フーッ

女「ふむふむ、じゃあこの単語カードが役立つ時が来たんですね!」バッ

男「おい、白紙じゃねーか」ペラペラ

女「え、あ、あの…き、来たる時の為に保管していたのさ!」

男(あ、こいつばかだ)

男「単語カードはやめとけ、あれじゃあ頭に入らん」フーッ

女「え?でもみんなこれ使って覚えてますよ?」

男「じゃあお前は日本語を覚える時はどうやって覚えた」

女「んー…覚えてないです…」

男「…お前ちょっとは脳みそ働かせろや、そのうち蜘蛛の巣でも張るぞ」

女「く、くも!?え?頭の中に蜘蛛なんているんですか!!??」

男「例えだばかっ」



男「日本語を覚えた時ってのは近くに親がいた筈だろ
必死にパパだのママだの呼ばせるように言ったと思う」フーッ

女「あ、うちはお母さんとお父さんって呼ばせるようにしたみたいです」

男「お前のどうでもいい家族情報なんかいらねーんだよ!
黙って人の話聞いてろ!」

男「まぁ難しい話はやめるか、とりあえずだ
簡単な話、日本語を覚えた時みたいに覚えれば問題ないだろ」

女「え、でもseeみたいな動詞ってどうすれば…」

男「その行動をする時に口ずさめ
そうすりゃ自然と意味も発音も覚える
あとスペルに関してだが、日本語より簡単だから覚えられるだろ」フーッ

女「んな!?ちゃんと300円払うんですからスペルの覚え方も教えてくださいよ!」

男「うるせーな、300円以上のことを教えてやってんだろ!
あースペルに関しては書いて覚えるしかないな
まず口でその単語を言う
スペルを思い浮かべる
わからなかったら5回書く
わかれば3回
こんな感じで覚えるしかないな」フーッ




女「本当にこんな覚え方で大丈夫なんですかー?」ジトー

男「てめぇ、信じてねーだろおい
俺は何でも屋なんだよ、不可能はない」フーッ

女「あ、言い切った…」

男「はんっ、I'm a genius
I differ with you!」

女「あ、あいむ?え、えーっと…まいねーむいず…」

男「…帰れ」

女「あ、ありがとうございました…」


帰り道

女「はぁ…覚えられるかな…英語」

女(でも、日本語みたいに覚えるって考えもつかなかった…本当に覚えられたりして)

女「…」

女「まさかー!」


イシヤーキイモー


女「!この匂いは…!
おじさーん待ってー!」タッタッタッ



「…」


翌日-何でも屋


男「はぁ…暇だ」フーッ


ガチャ


男「いらっしゃいませぇぇ…」フーッ


女「こんにちは!」

男「帰れ」

女「んな!?いきなり帰れは失礼じゃないですか!」

男「うるさい、俺は忙しいんだよ
それに勉強は教えただろ」

女「いえ、ここ静かですし目の前に貴方がいればわからないところがあれば教えてもらえますし」バサバサ

男「は?お前まさかここで勉強するつ…女「しますけど?」

男「おいてめぇ…俺は300円分の仕事しかしねぇって言っただろうが」フーッ

女「むふふ…これを見てください!」バッ

男「こ、これは…」



男「おい、こんなもの用意して何のつもりだ…」

女「いえ、これならばちゃんと教えてもらえると思いまして…」

男「あのなぁ…500円玉一枚だけでこの俺様が動くと思ったか」

女「昨日は300円と0円(色香)で動いてるのを見ましたけどね」

男「…」

女「…」

男「わからないところしか教えないからな…」

女(勝った)

女「はーい」

男「はぁ…面倒くさ…」フーッ

女「♪~」



男「おし、ここまで教えれば上等だろ」

女「本当に何でも知ってるんですね、教え方も凄く丁寧でわかりやすかったです」

男「何でも出来なきゃ何でも屋は勤まらねーだろ」

女「私最初にあなたを見たとき、どこにでもいる様なチンピラかと思ったんですよ
店に入る前に怖い人達が出てくるの見てましたし」

男「あー、あのおっさんは…」


ガチャ


「男ー!遊びに来たぞー!」

男「…」

女「ん?」

「あらぁ?お邪魔だった?」

男「うるさいのがまた増えた…」




「私はうるさくないわよ!」

男「十分うるせーよ、何だよ何にも無いなら帰れ」フーッ

「用があったから来たのよ!」

男「一応聞いてやるよ、何だ」

「暇潰し」

男「…」

「拳を振り上げてどうしたのかなー?」



ゴチン



「い、いたぁ!」

女「だ、大丈夫ですか!?
男さん!殴るなんて酷いですよ!」

男「うるせー、お前もさっさと帰れ!
十分教えてやっただろうが」



女「うわ…たんこぶになってる
冷やさないと」

「あら、あなたは…」

女「あ、私は女って言います
男さんには勉強を教えてもらってました!」

「ふーん、私はお嬢よ」ジーッ

女「え、どうしました?」

お嬢「んー、何でもないわ
男ー頭痛いから治して」

男「あのなぁ…タダで働くほど俺は…」

お嬢「あら、私のことを忘れたのかしら?
お金ならいくらでもあるのよ?」

男「わかったわかった…冷蔵庫に保冷剤があるから、タオルに包んで使っとけ」シッシッ

女「んな!?私からしかお金取らないんですか!?」

男「ぐへへ、お前は良いカモだからなー…
しかも馬鹿と来たもんだ」

女「…」

男「おい、やめろ…テニスラケットはしまえ
俺はボールじゃねーぞ」





ガチャ


男「何なんだよ今日は客が多すぎるだろ」

「男さん失礼します…」

女(こ、こないだの怖い人…)

男「おい、メスガキ二匹今日は帰ってくれ」

お嬢「はいはい、わかったわよ
ほら貴女もぼさっとしてないで行くわよ」

女「え、え?ちょ、ちょっと…!」



男「もう次の依頼かい」カチッシュボッ

「はい、何度もすみません」

男「まぁいいよ、あんたらの依頼は儲かるからな」フーッ

「ですが今日はいつもの依頼ではなくて…」

男「んぁ?」

「詳しくはこの紙に書いておきましたので
料金はいつも通り振り込んでおきます
それではお願いします」ガチャ




バタン



帰り道

女「あのお嬢さん、さっきのって…」

お嬢「貴女が思い浮かべてる物と同じよ」

女「そ、そうでしたか」

お嬢「気にすることないわよ、何でも屋って言うんだから何でもするのよ彼は」

女「…」

お嬢「どうして貴女が落ち込むのよ
はぁ、歩き疲れちゃった…車呼ぶけど貴女も送って行きましょうか?」

女「い、いえ!そんな悪いですし!
それに家も近いですからそれでは!」タッタッタッ

お嬢「…」


翌日-学校


女「…」

女友「よぉー!どうしたの!元気ないじゃん?」

女「え?勉強してるだけだけど?」

女友「あんたが勉強してるときっていっつも落ち込んでる時じゃん
なになに、振られたの?」

女「はぁ、私が告白できる相手と言ったら、この英語ちゃんだけだよ…
最近じゃ毎日顔を合わせて、毎日ノートで英語を書いて話しかけてるんだからああたたたあたああ」

女友「あ、ああ…だめだ…女が壊れた…」

女「はぁ…」

女友「んー?でも結構できてるじゃん」

女「んー、教えてもらったからねー」

女友「誰に?」

女「何でも屋」

女友「は?」


何でも屋

男「ふぅ…」バサッ


ガチャ


男「悪いが今日は休みだ、また明日…」

女「…」

男「またお前かよ…今日は本当に忙しいんだから帰ってくれ」

女「あの…やっぱりあの人達の依頼って…」

男「知らない方が幸せなこともあるんだよ
ほら、さっさと帰れ」シッシッ

女「人殺しなんて良くないですよ!
辞めましょうそんなこと!
いくらお金が貰えるからってそんな…」

男「は?」

女「確かにお金は必要だと思います
でも、それでもやっぱりダメですよ人殺しは…」

男「お前何言って…」

女「今からでも遅くないですよ、断りましょうこんな依頼…
絶対間違ってますよ」グスッ

男「え、おい…お前泣くなよ」

女「私がもっとお金払いますから!
だからやめてください…」

男「おいおい、何を勘違いしてるか知らないけど…」


ガチャ


「男さん…準備はできましたか?」

女「!」

「おや、お客さんがいましたか
では外で…」

女「貴女のせいで…っ」

「?」



女「貴方が男さんに人殺しの依頼をしてるせいで…男さんは…!」グッ

「え、ちょ…」

男「おい、お前何してんだ!」

女「少し黙っててください!
どうしてこの人を巻き込むんですか!
そんな仕事は自分達で何とかすればいいじゃないですか!」



ガチャ


お嬢「あら、修羅場かなにか?」

男「おい、こいつに変なこと吹き込んだのお前か…」

お嬢「あ、あはは…」

女「お嬢さん!どうして男さんを止めないんですか!」

「あ、あの…」

女「もう帰ってくださいよ!
もう依頼はしません!
しようとしても私が止めますし、頼みに来ても私が追い払います!」

男「おい、ちょっと落ち着け」

女「だから男さんは黙って…」

男「誰が人殺しなんてするって言ったんだよ…」

女「え?」



女「えぇぇぇ!?違うんですかぁ!?」

男「誰が人殺しなんかするかよ」フーッ

女「で、でもこの人こんな怖い顔してますし、それにスーツで…」

男「この人はただの鳶職の人だよ
全く、お前が変なこと言うからだろーが」

お嬢「私は特に変なこと言ってませんしー」

男「お前なぁ…」

女「で、でもよかったぁー…」ヘナヘナ

「あ、あの何だがすみません…」

男「謝ることなんてないですよ鳶さん
勝手に勘違いしてたこいつがいけないんですから」

鳶「は、はぁ…」

女「え、ということは鳶の仕事をするんですか?」

男「何度も言ってるけど、俺は何でも屋なんだよ
鳶だって何だってできるっての」フーッ

鳶「男さん、そろそろ…」

男「んぁ、もうこんな時間か
お前の勘違いのせいで働く前に疲れた」

女「ご、ごめんなさい…」

男「ふぅ…これでお嬢と飯でも食って帰れ」ピラ

女「え、1000円も…」

男「おら、さっさと帰れ」シッシッ

お嬢「ほら、女さん行きましょう」


ガチャ




お嬢「女さん、私お好み焼きが食べたいわ」

女「お嬢さんもどうして教えてくれなかったんですか!」

お嬢「えー、面白そうだったから」

女「はぁ…恥ずかしかったんですからもう…」

お嬢「いいじゃない、ほらお好み焼き行きましょう」

女「待ってくださいよ!」



「…」


翌日-丸高校


女「♪~」モグモグ

女友「おー、元気になったみたいだねー」

女「んー?」

女友「昼前に弁当食べてる時はご機嫌だからねー」

女「ほんなほほないほー」モグモグ

女友「こら、口に物を入れながら喋らない」

女「んっ…そんなことないよ!」


ガラガラ


先生「はい、お前ら席に付けー授業始めるからなー」

女友「せんせー、まだチャイム鳴ってないですよー?」

先生「ちょっとお前たちに知らせなきゃいけない事があるからな
おい、女、お前また早弁か」

女「え、えへへ…」

先生「早くしまえー
んで知らせなきゃいけない事ってのはだな
最近、この辺に変質者が出てるのは知ってるな?
それが昨日、今日でこの学校の近くで発見されたそうだ
これからは事が収まるまで寄り道しないように」



「「「はーい」」」


先生「特に女」

女「うぇ!?」

先生「お前最近帰りに商店街の方に寄ってるみたいだからな」

女「えぇぇっ、先生まさか私をつけて…」

女友「まさか先生が不審者じゃないのー?」

先生「うるさい、んなわけないだろうが!
俺には愛しの国語先生がいるんだからな!
あー、昨日は激しかったなー…」

女友「早く授業始めてくださーい
授業しないなら授業料返せー」

先生「お、お前な…
お、おほん…じゃあ教科書の93Pから~」


帰り道

女友「今日もあの何でも屋ってところに寄ってくのー?」

女「うんー、家に帰っても勉強しないからねー」

女友「ふーん、今日は私もバイト休みだしついていこーかなー」

女「いこいこっ!
これで男さんにお金に払わなくていいし!
女友に教えてもらえるからね!」





男「んで、何でここに来たんだよこらおい」フーッ

女「え?」

男「俺以外に教えてもらうなら他でやれ!」

お嬢「まぁまぁ、いいじゃない
女さん、私も勉強教えてあげるわ」

女「本当ですか!?
女友とお嬢さんがいたら心強いやー」

女友「調子いい奴だなー」


男「はぁ…ここは喫茶店じゃねーんだぞ…」

お嬢「男、コーヒー三つお願いね
あ、ミルクと砂糖忘れずに」


男「…」




お嬢「私の高校に男はいないからねー」

女友「え、そうなの!?
でも男子がいないと何かと不便じゃない?」

女「あー、わかる、お昼のおかずとか貰えないじゃん」

女友「いやあんたの判断基準はおかしいでしょ」

お嬢「おかずくらい女子から貰えるでしょうよ」

男「おい、勉強はどうしたよ」フーッ

お嬢「ガールズトークしてるんだから男は入ってこないで」

女「あ、男さんって女装したら意外とイケるんじゃないんですか?」

女友「あー、顔整ってるもんねー
化粧道具貸しましょうか?」ゴソゴソ

男「はぁ…お前らもう帰れよ」



ガチャ





男「いらっしゃーい…」

「み、見つけた…」

男「は?」

「あ、あああああの!」

女「え?私?」

「ぼ、ぼ僕は昔通ってた塾が一緒だったガリって言います!」

女「は、はぁ…」

ガリ「ず、ずっとま、前からすすす…」

女「?」

ガリ「すすすすす…き…」

男「はーいストップー
そうゆう甘いのは他でやってくれねーかな」

ガリ「な、何なんだ君は…僕の邪魔をしないでくれないかな」

男「もうこれで二回目だけどよ、ここは喫茶店でも体育館裏でも何でもねーんだよ
ここは俺の事務所、わかる?」

お嬢「はーい、男こそちょっと黙ってねー」グッ

女友「そうですよー、今いいところなんですからー」グッ

男「ほ、ほまえら、はなへ!」モガモガ




ガリ「いらない邪魔が入ったな…」

女「さっき何て言おうとしたんですか?」

ガリ「え、えっと…その…」

女友「よお兄ちゃん、男ならガツンと決めちゃいな!」

お嬢「そうよ、もうここまで来たらビシッと言いなさい」

ガリ「は、はい…
あ、あの女さん!」

女「は、はい?」

ガリ「ま、前からずっと見てました!
す、好きです!」

女「は、はぁ…え、えええええぇぇぇぇ!?」



女「え、で、でも、私あなたの事知らない…」

ガリ「つ、付き合ってください!」ガバッ

女「きゃっ」

女友「ちょちょちょーっとやりすぎだよー」グイッ

お嬢「ほら男も見てないで止めなさい」

男「はんっ、知るか!
もう勝手にやってろ」

ガリ「な、何なんだよお前らは!」

女友「はぁ、あんたの幸せの崩壊を私が止めてあげてるんでしょうが…」

女「お、女友ありがと」

お嬢「これだから男子は汚らわしいのよ
いきなり掴みかかるなんてまるで獣ね」

男「おい、なんで俺を見てんだよ、何もしてねーだろーが!」



ガリ「ぼぼぼ、僕の恋路を邪魔するなっ」

男「お前もいい加減にしろよ、そんな告白の仕方見たことねえぞ…」

女友「まぁ、こんな告白するのなんてストーカーくらいだよね、ずっと見てるとか言ってたし…」

お嬢「男子は怖いわねー」

女「は、ははは…」

ガリ「くっ…」

女友「おっとー、動かないでね、首折るよ?」グッ

男(柔道か?)

男「おいおいお前もやめとけっての離してやれ」

女友「はいはい」パッ

ガリ「くそっなんなんだよ、僕は女さんとの愛をだな…」

男「はいはい、わかったっての、もうお前も帰れ」

ガリ「ここまで来て帰れるわけないだろ!」

男「…」ジャキ

ガリ「ひっ、け、拳銃!?」ビクッ



男「喋るなよ、喋ったら撃つ
俺の質問には全て首を縦に振れ」

ガリ「は、はん…どうせおもちゃ…」

男「俺は何でも屋だぞ」

ガリ「…」

女「お、男さん…何もそこまで…」

男「お前らもお前らだ、多少は目を瞑ってたがもう我慢の限界だ
ここは女の社交場でもねぇし、ラブコメ前回の少女漫画の世界でもねぇんだぞ」

お嬢「…」

女友「あー、その…ごめんなさい」

男「ガリとか言ったなお前
女を口説くならもっとその性欲を抑えろ、イカ臭ぇんだよ
告白なら他でやれ、これ以上俺の事務所で騒ぐな」

ガリ「…」コクコク

男「よし、いい子だな
じゃあそのまま立ち上がってここから出て行け」

ガリ「くっ…」ガタッ



ガチャ



男「…」

女「…」

女友「…」

お嬢「…」

男「なーんてな」

女「え?」

男「おもちゃに決まってんだろ」パシュ

女「あたっ!」ビシッ

女友「びっくりしたー…空気が本気でしたよほんと…」

お嬢「ははは、みんな怖気すぎよ」

男「おい、足震えてるぞ」ケケケ

お嬢「うっさい!」

女友「でも男さんが追っ払ってくれてよかったね女」

女「う、うん…でもあの人何だったんだろう」

お嬢「俗に言うストーカーってやつね
前の塾で出会ってからずっとつけてたみたいだし」

女友「今までに誰かに見られてるとか、物が無くなるとかなかったの?」

女「んー、あっ、靴下とか無くなるのは良くあるかも
後はお母さんとお買い物行った時に、視線は感じたことあるかな?」

男「おい、こいつ天然物かよ、しかもこのレベル絶滅危惧種だぞ」

女友「男さん今更気付きましたか」

お嬢「ここまで天然だと、呆れるわね…」



女友「あ、もしかしてあいつが例の不審者なんじゃない?」

男「不審者?」

お嬢「私の学校でもそんな話を聞いたわよ
最近この辺では不審者がよく見かけられてるみたいで…」

女「えー?あの人そんなに不審だったかな?」

男「百人が百人頷くな」

女友「ザ、不審者」

お嬢「どうして今まで捕まらなかったのかしらね」




ガリ「くしゅんっ」



男「まぁあいつも帰ったんだしお前らも帰れや」カチッシュボッ

お嬢「あら、もうこんな時間なの」

女友「よし、じゃー帰るかー」

女「明日も来ますね男さん!」

男「くんなっ、さっさと帰れ!」


帰り道


女「あ、ごめん、お母さんからメールが来てて
ちょっとお買い物してから帰るね」

女友「おー、ついていくよ?」

女「子供扱いすんなし!」

お嬢「まぁ、あの不審者もすぐにまたストーキングするほど馬鹿じゃないでしょう
気を付けなさいよ」

女友「それもそうだな、何かあったら電話しろよー
じゃーなー」



女「えーっと、キャベツと豚肉とピーマン…今日は回鍋肉!
早く買って帰ろ!!!」タッタッタッ


ガリ「…」



女「よしっ、全部買えた!
それに前から食べたかったアイスも買えたし、家に着いてからが楽しみですなー」


女「うわっ、暗いと思ったらもうこんな時間じゃん…
早く帰らなきゃ怒られる…」


ドンッ


女「あ、ごめんなさい、前見てなくて…」

「…」グッ

女「!?」



ガリ「!」

帰り道


女友「しかしあいつは危機感が無さ過ぎるんだよねー…
全く、私の身にもなってほしいよ…」

お嬢「普段のあの子を見てると世話が焼けそうで大変ね…」

女友「あれ、そういえば家はこっち方面なの?」

お嬢「?違うわよ?」

女友「はい?」

お嬢「たまにはこうやって友達と歩いて帰りたいのよ
貴女の家の前まで歩いたら車で迎えに来てもらうわ」

女友「は、はは…金持ちの考えはよくわからん…」バサッ

お嬢「あら、女の教科書よねこれ」

女友「やべっ、カバン開けっ放しだった
しかもあいつの教科書も間違って持ってきちゃったなー…」

お嬢「あの子補修になるかもしれないから、勉強しなきゃいけないんでしょう?
私が家まで届けましょうか?」

女友「家知ってんのか?」



お嬢「私に不可能はないわよ」ピップルルル

「お嬢様、お呼びでしょうか」

女友「え?」

お嬢「あのねぇ…電話掛けてるんだからたまにはでなさいよ
どうしていつも電話を掛けるとすぐに現れるのよ…」

「いえ、私めはお嬢様を危機からお守りするように命じられていますので、常に影から見守っています…」

お嬢「はぁ…まぁいいわ
私の友達の女さんの住所はわかるわよね?
今から行きたいから車出してくれるかしら?」

女友「は?わかるわよねって…」

「はい、常に調査済みです
では車をお呼びしますので少々お待ちください」ピッピッ

女友「今から車呼ぶってどれだけ待たなきゃ…」



キィィィィッ


お嬢「何か言った?早く行くわよ」

女友「何でもありだなおい…」


女家前


ピンポーン


「はーい」

女友「あ、どうも」

女母「あらあら、こんばんは女友ちゃん
いつの間にこんな車買ったの?」

女友「い、いやこれは私のじゃなくて…
そうじゃなくて、女は帰ってますか?」

女母「いーえ、まだよ?
早く帰ってこないとご飯作れないのよねー、どこに行ってるのかしら」

女友「え、でももう家に着いてもいい頃じゃ…」

お嬢「そうね、貴女の家とは真逆の方に女さんの家があって、更には商店街からも近い…着いていてもおかしくないわね」

女母「また猫でも追いかけてるのかしらね
全く誰に似たのか」

女友(あなたです…)

お嬢「まさか…」

女友「あの、野郎…」

女母「電話も出ないし、見かけたら早く帰るように言ってくれるかしら?」

女友「わかりました、お嬢さんお願いしたいんだけど…」

お嬢「水臭いわね、友達を助けるのは友達として当たり前でしょう?
執事」



執事「あの商店街にスーパーは一箇所
その付近までお送りしましょう、私達も微力ながら助力致します」

お嬢「そんなに大勢いらないわよ、あの商店街にそんなに人がいたら不審者の次に先生が頭を悩ませるわよ」

執事「流石お嬢様、嬢父様に似て聡明でいらっしゃる」

お嬢「ふんっ、私に不可能はないのよ」

女友「おい、あんた今軽くバカにされたんだぞ?」

お嬢「そんなことより早く向かうわよ」


???


女「ん…ここは…」

「咄嗟に飲ませた睡眠薬がもう切れたか」

女「!?」グッグッ

「腕も足も縛ってるから動けないよ」

女「あ、あなたは誰ですか?」ジリ

「這って逃げるつもりか?
俺が攫ったのは芋虫じゃなかったはずだけどな」

女「…」

「毎日見てたよお前のこと…
靴下も下着もいい匂いだった
電車で隣に座った時なんかお前の匂いを嗅いだだけでイっちまったよ
電車から降りる際にさり気なく触ったケツの感触は今でも忘れられない、あの触り心地はたまんなかったなー…」ジリジリ

女「ひっ…こ、来ないで…」

「ああ、でも今からはそのケツも胸も腕も首も肩も脇も足も太ももも全部俺だけの物だ
死ぬまで触って舐めて、俺の色に染めてやるよ」カチャカチャ

女「だ、誰か助けてぇっ!」

「誰も来ねーよ、ここは商店街の隅にある使われてない事務所なんだよ
しかも防音壁と来たもんだ、ひひひ
さーて、今日の下着の色は何色かなー」



ブチブチブチッ




「水色かぁ…うん、凄く似合ってるよ
もうたまらないね」

女「お願い、やめて…」ポロポロ




「や、やめろ!」

「!」

女「が、ガリくん…!」

ガリ「そこまでにしろ!」

「てめぇ…俺と女さんのちゃんの邪魔をしやがって
覚悟は出来てんだろうな…」

ガリ「女さんっ今すぐ助けますから!」

「はっ、ヒーロー気取りかよ、クソガキは寝んねしてろ!」バキッ

ガリ「ぐぉっ…」

「へっ、よえーなお前…」バキッ

ガリ「ぐぇっ…」

女「や、やめて!ガリくんっ、私のことはいいから逃げて!」

ガリ「くっ…に、逃げられるもんか
愛する女性を助けなくて男がやってられるかぁぁぁっ」ブンッ

「おっと、おめーみたいなガキのもやしパンチなんて、猿でも避けられるっての」バキッ

ガリ「がはっ…こ、この!」ガシッ

「自分から俺に捕まるとはな、俺は柔道やってたんだぜ?」ググググ

ガリ「ぁ…っかぁっ…」

「へへへ、このまま首でも折ってやろうか」ググググ


↑みす



「水色かぁ…うん、凄く似合ってるよ
もうたまらないね」

女「お願い、やめて…」ポロポロ




「や、やめろ!」

「!」

女「が、ガリくん…!」

ガリ「そこまでにしろ!」

「てめぇ…俺と女ちゃんの邪魔をしやがって
覚悟は出来てんだろうな…」

ガリ「女さんっ今すぐ助けますから!」

「はっ、ヒーロー気取りかよ、クソガキは寝んねしてろ!」バキッ

ガリ「ぐぉっ…」

「へっ、よえーなお前…」バキッ

ガリ「ぐぇっ…」

女「や、やめて!ガリくんっ、私のことはいいから逃げて!」

ガリ「くっ…に、逃げられるもんか
愛する女性を助けなくて男がやってられるかぁぁぁっ」ブンッ

「おっと、おめーみたいなガキのもやしパンチなんて、猿でも避けられるっての」バキッ

ガリ「がはっ…こ、この!」ガシッ

「自分から俺に捕まるとはな、俺は柔道やってたんだぜ?」ググググ

ガリ「ぁ…っかぁっ…」

「へへへ、このまま首でも折ってやろうか」ググググ




ガリ「か…ぁ…」バタバタ

「暴れたって無駄だっての…決まってんだからよ」

女「もうやめてっ、何でもするから…
お願いだからガリくんを傷付けないで…」

「だってよ?
残念だったなヒーローくん
よし、お前も見てろよ」グルグル

ガリ「ごほっ…はぁっ」

「こうやって縛ってやればお前も動けないだろ
そこで俺と女ちゃんとの愛する様をちゃーんと見てるんだぞ?
さて、ごめんね女ちゃんお待たせ」

女「…」

「黙りかよ…まぁ約束は守ってやるよ
あいつは殴らない、その代わり女ちゃんには何でもしてもらうからね」ボロン

女「ひっ…ぅ…」ポロポロ

「泣くほど嬉しいのかい、それは光栄だねー…
ほら咥えろ」





ガチャ



「今日はヒーローが多いな、この商店街にはヒーローしかいないのかな」

男「お嬢から電話貰って探してみたら、どうやらこいつが本当に不審者みたいだな」チラ

「不審者?俺は一般人だぞ?」

女「ひっく…うっ…く、お、男さん?」

男「…お前、覚悟出来てるだろうな?」

「覚悟だと?お前何様のつもりだ?」

男「俺様だよくそ野郎
おい、ガリ」

ガリ「うっ…お、お前は…」

男「よく頑張ったな、あとは俺に任せとけ」

ガリ「おと…こさん…」

「おい、随分と余裕そうだな」

男「余裕に決まってんだろ変態野郎
お前なんか一発で十分だよ」

「くっ…舐めやがって」



ガチャ




執事「一歩遅かった様ですね」

お嬢「何言ってんのよ、遅くないわよ!
男、どうゆう状況なのよ」

男「俺も今来たところだよ」

女友「女ぁっ!」

女「女友ちゃん…」

女友「このくそ野郎…私がぶちのめしてやる…」

「おーおー、ギャラリーが増えてきたな
よしお前ら全員黙らせて、女共にはひいひい言わせてやるよ」

男「お嬢、警察呼びな、あとガリの手当て
女友は女を助けてやれ、あいつは俺が止めておいてやる」

「おいおい、俺を置いて話を進めてんじゃねぇぞっクソガキが!」ブンッ

男「…」パシッ

「何っ!?」

男「…」バキッ

「ぐお…っ」バタッ

男「早く行け!」

執事「お嬢様!」

お嬢「わかってるわよ!」

女友「女っ、今助けるからな!」




男「お前ら外で待ってろよ」

お嬢「怪我しないでね…」

執事「お嬢様方は私にお任せください」

男「さて…」

「くっ…な、何なんだよそのバカみたいなパンチは…」

男「俺ってさ昔から何でも出来たんだよ
もちろんボクシングもやってた」

「な、何者だよお前…」





男「何でも屋ですけど」




翌日


男「ふぁ~ぁ…」

お嬢「昨日とはまるで別人ね」

男「うっせぇ…しかしガリが不審者じゃなかったんだな
あれには驚きだ」

女友「あー、確かに言えてるかも」

女「そんなの失礼だよっ!
ガリくんは昨日助けに来てくれたんだから、ね!?」

ガリ「あ、はい、え、うぇへへ…」

女友「そういえば、どうしてガリはわかったんだよ、女が攫われたこと」

ガリ「え、えっと…」

男「どうせつけてたんだろ」フーッ

お嬢「男があそこまでして、すぐにつけるって…呆れたわ…」

女友「まぁでもそのお陰で女は無事だったんだけどな、女の友達として礼を言うよ
ありがとう」

ガリ「あ、愛する人の為なら僕はいつだって…!」

男「おいちょっと待て」

女「?」



男「?、じゃねぇよ
お前昨日あんなことあったんだから、今日くらいさっさと帰れっての、親御さんも心配してるだろう」

女友「あー、そういえば昨日あれから泣きながら迎えに来てくれたもんなー」

お嬢「あの後はその…大丈夫だったの?」

女「ん、私はもう平気だよ
それにお母さんが、あの人がいれば安心ね、って言ってたし」

男「あの人?」

ガリ「ま、まさか…おれ…」

女「もうっ、男さんの事ですよ!」

ガリ「あ、あれ…俺も助けたのに…」

女友「ははは、まぁお前は日頃の行いが悪いせいだな」

ガリ「俺はただ女さんを見守ってただけだ!」

お嬢「それが悪だって言うのよストーカー」

女「それにまた何かあったら…」

男「?」



女「その時も昨日みたいに助けてくれるって信じてます」ニコッ

男「…」

お嬢「男、顔赤いわよ」

ガリ「ぐはっ…」

女友「おいこいつ鼻血吹き出しやがったぞ!」

女「あはは、トマトジュースが鼻から噴き出したみたいだね」

お嬢「ケチャップじゃないかしら?」

女友「そんなことよりティッシュ、ティッシュ!」




男(ま、悪くないかもな…)



ちょっと今日眠い
わからないところあったら適当に書いておいてください
おやすみなさい

翌日


ガチャ

女「こんにちはー!」

男「…」ピコピコ

「こんにちは!」

女「あれ、僕誰かな?」

「僕は子って言うの!」

女「ほほー、私は女って言うの、よろしくね
それから男さんは何してるんですか?」

男「見てわからねぇか?」ピコピコ

女「さぼり?」

男「ちげーよ!仕事だ仕事…」ピコピコ

女「仕事?ゲームしてるだけじゃ……」

子「僕がクリアできないからやってもらってるのー」

女「いくらもらったんですか?」

男「…」チョイチョイ

女「え、まさか飴一個?
差別!さべーっつ!」

男「あーもううるせぇな!邪魔すんな!」

女「だって私からは有り金全部取ったじゃないですか!」

男「おい…てめぇのせいで死んだじゃねぇかこら」

女「ふん!いい気味ですね」

子「兄ちゃん下手くそー、もう10回は死んでるし!」




男「うっせぇな、俺にゲームは無理だって事だ」カチッシュボッ

女「子どもの前なんですからやめましょうねー」クイッ

男「あ、おいっ俺のタバコ取ってんじゃねぇよ!」

女「返してほしかったらタダで!私の勉強手伝ってください!」

男「はぁ?俺がタダで動くわけねぇだろ」

子「ゲームクリア出来ないなら飴返してね」

男「あ、おい待てっ、俺はまだ諦めてねぇぞ!
何でも出来なきゃ何でも屋は務まらねぇんだよ」

女「じゃあこのゲームで勝負してください!
私が勝ったら勉強をタダで見てくださいね!
負けたら私がこのゲームクリアします!」

男「はぁ!?俺がクリアするんだから邪魔すんな!
これは俺の仕事なんだよ!
何でも屋としてのプライドがあるんだよ」

女「へー、よく言いますよ1面で死んでるくせに…」

男「こ、このアマ…」プルプル



ガチャ


女友「おー、今日は賑やかだなー」

お嬢「うるさいくらいね、外まで聞こえてたわよ」

男「お前らも何もないならくんじゃねぇ!
俺は仕事で忙しいんだよ!」

女友「いやゲームしてるだけじゃ…」

子「でもクリア出来ないもんこの兄ちゃん」

お嬢「あら、この子が今日の依頼人?
珍しいお客ね」

女友「仕事が無いからって子供からも集るなんて…」

男「お、お前ら上等じゃねぇか…
そこまで言うならお前らも対戦すんぞ!
負けたらトイレ掃除させてやるからな!」

女友「何のゲーム?」

女「ボーンバーマン」

女友「あ、あんたそれ…」

女「しーっ」

お嬢「?」



男「よし5人でやるぞ、おいガキどうせお前コントローラーまだあるんだろ、全部出せ」

子「みんなでやれるの!?やった!
待ってね僕がコントローラー付けるから!」

女友「はしゃいじゃってまぁ…」

お嬢「ねぇ、私ゲームなんてやったことないんだけど」

女「あ、私が教えてあげる」

男「はっ、てめぇらどう足掻こうが俺に勝てるわけねぇだろ
絶対にトイレ掃除させてやるからな…」

1時間後


男「おい」

女「はい?」

男「お前隠してやがったな…」

女「え、えへへ」

子「姉ちゃんすげええええっ、何あの技!
緑のイールに乗ってボム起きながら移動してるし!
しかもボムキックうますぎ!
ねねねね!僕にも教えてよ!」

女友「よく弟とやってたもんねーあんた」

お嬢「私は一回でも勝てたから満足ね
それにしても女さんあなた凄いわね、指が見えてなかったわよ」

女「ふんっ、私はこのゲームだったら絶対に負けないからねー
じゃあ男さん勉強見て…」

男「もう一回だ」

お嬢「それ何度目よ…もう1時間はやってるわよ」

男「うるせぇ…勝てるまでやる」

女友「やめた方がいいですって…あいつには絶対勝てませんよ…」

お嬢「そうね、一度も勝ててなかったし」

子「姉ちゃん教えてよ!」

女「いいよー、でも勉強が終わってからね?」

男「ぐっ…」



男「おいガキこのゲームちょっと貸せ、絶対にクリアしてやる」

子「えー、でもなー…」

男「明日には返す、あとこの飴もいらねぇ…
ここまでやられて黙ってられるか」

お嬢「あーあ、変なスイッチ入ってるし…」

女「えー、私の勉強見てくださいよ!」

男「うるせぇ、今日はお前ら全員帰れ」ピコピコ

女「勉強!」

男「…」ピコピコ

女友「聞いてないね、そろそろいい時間だし帰るかー
おーい子くん家はここから近いの?」

子「うん!」

女友「じゃあ一人で帰れるか、気を付けて帰りなよー」

子「うん!お姉ちゃん達またね!
強い姉ちゃん明日絶対教えてね!」

女「わかったよー!またね!」

女友「すっかり懐いたな」

女「むふふ、私は弟子が出来たみたいで嬉しいねー」

お嬢「それに比べてあのでかい子供は…」

翌日


女「こんにちはー!今日こそは勉強見てくださいね!」

男「…」ピコピコ

女「うわっ、隈が凄いですよ男さん!」

男「あー…?」ピコピコ

女「クリア出来ました?」

男「…」ウワァー

女「…」

男「…」



ガチャ


女友「こんちゃー」

子「こんちゃー」

お嬢「あら、酷い顔ね」


男「何でも屋…閉めるかな…」バタッ

女「わぁぁぁぁっ、男さんが倒れた!」

女友「ちょ…まさか寝ずにやってたの!?」

お嬢「呆れた…」

子「姉ちゃん約束だよ!教えて!」



数日後-丸高校-


女「うへー、今日追試かぁ…」

女友「大丈夫でしょあれだけ勉強したんだし
男さんなんてゲームに負けて悔しそうにしながら勉強教えてくれたじゃん」

女「あの顔が面白過ぎて、全然頭に入らなかったんだから!」

女友「ははは酷い言いようだな」



ガラガラ



先生「おーい席に座れー、今日で一学期最後だ
ホームルームの後に体育館へ移動しろよー
あと、追試を受けるものは必ず残るように、特に女、逃げるなよ」

女「逃げませんってば!」



ガラガラ


金髪「遅れてすみません…」

先生「お前はまた遅刻か…最近休んでばかりだな
それにその顔の傷、また喧嘩でもしたのか?」

金髪「…」

先生「あのなぁ…まぁいい
お前も追試があるんだからちゃんと残れよ」


(うわぁ…金髪のやつ最近傷だらけじゃん)

(噂で聞いたけど、喧嘩してるところ見た奴がいるって)

(うぇっ、まじかよ…まぁあんなナリだし、どうせ録でもない奴なんだよ)

(こっち見てるんだけどー、まじ殺されるー)

(ははは、ありえるな)



女「あ、あの!」

先生「ん?どうした?」

女「金髪くんを保健室に連れて行きます!」ガタッ

先生「んー、まぁホームルームって言っても特に話すことはないしな、じゃあ連れて行ってやれ」

女「ほら、金髪くん行こ」ギュ

金髪「ちょ…」



ガラガラ


女友「はぁ…お人好しって言うかお節介焼きというか…」




女「…」

金髪「…」

女「あー、えーっと…傷は大丈夫?」

金髪「あ…ああ…」

女「目の下の痣凄いよ…ちゃんと治さないと痕残っちゃうよ?」

金髪「うん…」

女「…」

金髪「…」

女「私は喧嘩なんかしてないって知ってるから大丈夫だからね
みんな噂とかそうゆうのが好きだからさ」

金髪「…」

女「あんまり悪く思ってあげないでね、みんないい子だからさ…」

金髪「…」

女「前に丸駅の隣の三角駅の近くでバイトしてるの見たんだ…」

金髪「え?」

女「すっごい楽しそうにバイトしててさ、私のお母さんなんて、金髪くんのこと逆ナンしようとしてたんだよ、はははっ」

金髪「いや…それはちょっと…」

女「その傷だって喧嘩じゃなくていろいろあるんでしょ?」

金髪「…」

女「困ったら何でも言ってね、私達友達なんだからさ!」ニコッ

金髪「!」



女「でも本当に痛そうだねー、触っていい?」

金髪「…」

女「あー、ごめん、馴れ馴れしかったね
ごめんね勝手に保健室にまで連れて行っちゃって
さっきの空気嫌そうだと思って抜け出したんだけど」

金髪「いや…」



「あら、あなたたち何してるの?」

女「あ、保健の先生」

保健「なーにー、保健室でチョメチョメでもしようっての?
若いっていいわね」

女「ち、違いますよ!
ほら!金髪くんの顔!」

保健「あら、また派手にやったわね
彼女を守るナイトにでもなったの?」

金髪「…」

女「だからそうゆう関係じゃないですって!」


キーンコーンカーンコーン


女「やばっ、もう終業式始まるじゃん!」

保健「この子の事は気にしなくていいわよ、話しておくから」

女「お願いします!
じゃあね金髪くん!
困った時はお互い様だからね!」タッタッタッ


金髪「あ…」





保健「あら、まさかほの字なの?」

金髪「いえ、そんなんじゃ…」

保健「ふーん、まぁいいけど
あなたよく学校休む子でしょ、職員室でも結構名前聞くわよ」

金髪「…」

保健「ま、あの子に心配掛けさせたくないなら、ちゃんと学校に来るか、事情を説明してあげなさい
そうじゃなきゃ進むどころか何も始まらないわよ」

金髪(女…か…)

体育館


女「もう始まってるし!」

女友「おー、おかえり
残念だったね、夏休みを涼しく過ごす為の校長のダジャレ聴きそびれて」

女「聴きたくないし!」



校長「えー、何度も言う様ですが、夏休みだと言ってあまりハメを外さないように
学生らしい過ごし方をして、学生らしい楽しみ方をしてください
それと年々夏の気温が上がっていってますので、くれぐれも身体には気を付けてください」



数時間後


女「あー、追試やだなぁ…」

短髪「どうせ女も補習だって!」

不良「俺らと仲良く夏休みも学校に来よーぜー」

女「絶対に嫌!
夏休みはエアコン付けてゴロゴロしてやる!」

ギャル「ははは、なにそれー、教室もエアコン付いてるじゃーん」

短髪「いやそうじゃねぇだろ、はははっ」



ガラガラ


金髪「…」

不良「おーう、俺の仲間参上じゃーん」

短髪「お前と仲間とか死にたくなるわっはははっ」

金髪「…」

女「傷大丈夫?」

金髪「ああ…」

不良「なにが、ああ、だ
スカしてんじゃねーぞおい!」バンッ

金髪「…」



不良「それにこっちの話は無視かよこら」

女「やめなって!」

短髪「おい、言い過ぎだぞ、何キレてんだよ」

不良「こいつむかつくんだよなー、いつもスカしやがってよー、少し顔が良いいからってチヤホヤされてよー」

ギャル「それただの嫉妬じゃーん、不良怒るなーはははっ」

短髪「何だよ嫉妬かよばかじゃんはははっ」

金髪「…」

女「気にしないでね?
あの人達も本当はいい人だからさ」

不良「おー?女ちゃんは俺のことが好きなのかなー?」

女「なにそれーはははっ、ないない」

ギャル「振られてやんのーはははっ」



ガラガラ


先生「おーい、静かにしろー、追試始めるぞー」

数日後


ガチャ

お嬢「あら、今日は女はいないのね」

女友「おーっす、今学校に行って結果聴いてるみたいだよー」ピコピコ

子「こんにちはお嬢さん!」ピコピコ

お嬢「そういえば、追試の結果が出るのは今日だったわね」


男「おい」

お嬢「あら、いたの」

男「あら、いたの、じゃねーよ!
何で夏休み入ってからもここに来てんだ!」

女友「ははは、子に頼まれてなー」

子「女友さんも強いもんっ、だから教えてもらってる!」

お嬢「暇だったから」


男「お、お前らなぁ…ここは公園じゃねーんだぞ…」プルプル



ガチャ


女「…」

女友「お、主役のお出ましだな」

男「何が主役だこら、さっさと帰れ!」

お嬢「男は放っておいて、女…結果はどうだったの?」

女「あ、あのね…」

男「はっ、その調子じゃ落ちたな
俺はうるさいのが一人でも減って万々歳だ」

女友「勿体ぶらずに早く言ってよ」

女「…」



女「受かったあああああああああぁ」

男「声がでけぇよ!」

女友「おぉ!よかったじゃん!
これで最高の夏休みだな!」

お嬢「おめでとう、それじゃあ夏休みも一緒にいられるわね」

子「よくわかんないけどやったね、師匠!」

女「むふふん、じゃあ今から私を祝おうー!
ファミレスにれっつごー!」

女友「ははは、自分で自分を祝うなよ」

お嬢「ファミレスね、一度行ってみたかったのよ」

男「相変わらずお前はぶっ飛んでるな…
ファミレスに行ったことないってなんだよ…」


ガチャ


金髪「あの…」

女「あー、ごめんね待たせちゃって」

女友「げ、お前連れてきたのかよ…」

お嬢「あら、輩か何かかしら?」

女友「失礼だぞお嬢!」



男「頼むからこれ以上人を増やさないでくれ…」



女「紹介するね、同じ高校の金髪くん
追試一緒に受けてさー、暇だったからご飯誘っちゃった」

女友「自分を祝う気満々だったんだね…」

女「ほら、早くファミレスに行くよー」

男「さっさと行って、もうくんな!」

お嬢「いい子にお留守番してるのよ?」

男「俺はガキかよ!」


ガチャ


男「うるさい奴らだな本当に…
それと…」


グチャア


男「この部屋の散らかりよう…どっちがガキだよ
あのクソジャリ共め…」カチッシュボッ


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