皐月「流子、これから暇か?」
流子「いやこれからバイト入ってんだ、行ってくる」
皐月「生命繊維騒動も終わって今や私達は仲のいいただの姉妹だ、どうだ? これから風呂でも」
流子「いや、だから私これからバイト入ってるからさ、すまん姉さん」
皐月「なんだいやに反抗的だなこの妹は。 いいから流子、お姉ちゃんと一緒に風呂に入りなさい」
流子「いやだから! 私これからバイトだって言ってんだろ!」
皐月「流子、風呂。 お姉ちゃんと風呂入ろう。 な、ちょっとだけでいいから」ハァハァ
流子「ちょっ!? 姉s、揃さーん!揃さーん!!」
―――
皐月「……う」
揃「皐月お嬢様、お目覚めになられましたか?」
皐月「私は一体……」
揃「お嬢様は流子様のボディーブローをお受けになられて、今まで失神してございました」
皐月「そうか……」
揃「皐月お嬢様、お腹は大丈夫でございますか?」
皐月「無論だ、姉の腹筋は妹のパンチに破られるようには出来ていない」
揃「流石でございます、皐月お嬢様」
皐月「フッ、しかし……」
皐月「流子の奴、やたら『ばいと』だなんだと意味のわからない事を言っていたが一体どういう意味なんだ……」
揃「おや、しろう
皐月「流子の奴、やたら『ばいと』だなんだと意味のわからない事を言っていたが一体どういう意味なんだ……」
揃「おや、まだ糸郎からお聞きになられては?」
皐月「む? 何のことだ?」
揃「流子様が今週からファミリーレストランで働く、と」
皐月「なにぃ!? そんな事聞いておらんぞ!」
揃「お聞きになられていなかったようですね、申し訳ありません」
皐月「一体どういうことだ! 確かに復興支援で多額の援助を行ったがウチは流子が働きに出るほど困窮してはいないぞ!」
揃「お嬢様」
皐月「揃、私は少し出かけてくる!」
揃「皐月お嬢様」
皐月「まったく……」ブツブツ
揃「……」ピッ
揃「糸郎か、頼みたいことがある」
皐月「勢いで出て来たは良いが流子は一体どこのレストランで働いているのか……うむぅ」
皐月「とりあえず乃音、は今週チャリティコンサートで居ないのか」
皐月「蟇郡と犬牟田も最近復興活動に勤しんでいるようだしな、暇ではないだろう……」
皐月「レストラン……レストランか」
皐月「とりあえず本屋でミシュランガイド
を買って近辺のレストランを総当りしてみるか!」
皐月「待っていろ流子!」ダッ
乃音「ちょっと皐月ちゃん無事なんでしょうね!? 講演すっぽかして来たんだから無事じゃなかったらただじゃすまないわよ!」
伊織「僕に言われてもね、でも探しているとしたら近くのファミレスだろうしそんなに遠くには行っていないだろう」
蟇郡「皐月様はあの騒動の主犯である羅暁の娘だ、ご本人は気にも掛けておられない御様子だが、あれ以来鬼龍院家を悪と見なす徒党が生まれたのも事実。 そんな奴らが1人出歩く皐月様を見つけてただで済ますとは思えんぞ!」
犬牟田「まあパンピーが何人束になってかかろうと倒される姿を想像できないのも皐月様なんだけどね」
蟇郡「だからといって皐月様を放っておいていい理由にはならん! 万全を期すのだ!」
犬牟田「分かってるよ、いちいちうるさいな全く」
伊織「こんなところで喧嘩しないでくれ……」
蛇崩「早く探しに行くわよおバカさん達ぃ!」
皐月「見つからない」
皐月「本当にあいつはレストランで働いているのか……」
皐月「脚が棒の様だ、喉が渇いた、座りたい、腹も減った……」トボトボ
皐月「はぁ」
ファミリーレストラン内
犬牟田「もうここら一帯のファミレス5周はしてるんだけど」
蛇崩「いないじゃないのよぉ!」
蟇郡「ウム……」
流子「またあんたらか、姉さんなら来てないぞ」
蟇郡「そうか……」
伊織「携帯電話にも出ないし困ったね、どうも」
流子「注文はさっきと同じでいいのか?」
犬牟田「好きにしてくれ」
蛇崩「はぁ~皐月ちゃ~ん、どこにいるのぉ?」
皐月「流子ッッッ」ピカー
流子「ふほぁ!?」ビクンッ
蛇崩「皐月ちゃん!?」
蟇郡「皐月様!?」
犬牟田「そ、そんな馬鹿な……」
伊織「皐月様、一体どちらにいらっしゃったんですか!」
皐月「流子を探してそこら中に居たが、道中彼女に出会ってな」
マコ「はいはーい! 流子ちゃん昨日ぶりー!」
流子「マコ! 姉さんにはここ教えちゃダメだって言ったろ!?」
マコ「えー!? どうしよう流子ちゃん!マコもう教えちゃったよ!」
流子「あぁ……」
皐月「まぁそういう訳だ」
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