ニャル子「可変戦闘機?」フェル子「違いますっ!」(53)

ニャル子さんとヴァルキリーワークスのクロスオーバーSSです。

一部ご都合主義や読みづらいところがあるがご了承あれ。

第1話「二人は銀髪(接触篇)」

それは、ある日の夕方…真尋がニャル子の買い物に付き合わされた帰り道のことだった。

ニャル子「いやぁ、大漁大漁~♪」

真尋「 アニメショップを3軒ハシゴして、CDショップに古本屋…それにランジェリーショップも…ほんとよく買うよなお前」

真尋は呆れと感心の入り交じった目でニャルラトホテプに目をやる。ニャルラトホテプとはもう何度か買い物に行っているがその度にこれだ。奴の購買欲は果てがない。額からメダルをいれたら強力な怪人が生まれそうだ。しかしあれだけ買ったにも関わらずニャルラトホテプは手ぶら。それはポケットとかいう宇宙のなまらスゲー技術の賜物であった。

ニャル子「なーに言ってんですか真尋さん!『買い』物は混沌の『甲斐』性と言うではありませんか」ドヤァ

真尋「それ僕ははじめて聞いたぞ…てか全然うまくないからな!」

そんな会話をしながら真尋たちは歩き慣れた町並みを歩いていた。

ーはずだった。

ブォン。
音で表すならそんな効果音と共に日常は非日常へ相転移した。
いや、端から見れば非日常な日常を送っている真尋が言うのもおかしいのだが。
突然の異変に二人は互いの顔を見る。

ニャル子「ー真尋さん、私には私と真尋さん以外の景色が灰色に見えるんですが」

先に口を開いたのはニャルラトホテプの方だった。

真尋「あぁ、僕もだ…」

文字どおり景色が色を失い、モノクロ写真のごとくなって見えた。
ただ、真尋とニャルラトホテプの体をのぞいて。

真尋「一体なにがどうなってるんだ…?」

ニャル子「この感じは…時間停止?ですかね…いや、ルルイエランドの開園はまだ先だし…うーん…」

どうやらニャルラトホテプにもこの現象はわからないらしい。

ニャル子「しかし…なんか嫌な予感がしますね」

真尋「母さんたちが心配だ、急いで家に戻るぞ!」

ニャル子「はい!」

そして二人は走り出した。
走り出そうとした。
その時だった。

巨大な影が二人の行く手を阻んだ。

二人「!?」

突然の事態に足が止まる二人。
人間驚いた時に身動きがとれなくなるのは本当のようだ。
ただし片割れは邪神だが。
果たして、行く手を阻む巨大な影の正体とは…

『グルルルル…』

真尋「なぁニャル子」

ニャル子「何でしょう」

真尋「あのでかいの…リスだよな」

ニャル子「どっからどうみてもリスですね」

栗色の体毛に、もふもふした尾。
どうみてもリスです本当にありがとうございました。

しかし

『グルルルル…』

目は血走り、鋭い牙を覗かせる口らは涎がこぼれ落ちていた。

ニャル子「殺る気に満ち溢れていますねこの子」

真尋「いってる場合か」

『グルルルルァ!』
巨大リスは今にもこちらに飛びかかりそうな勢いだ。
どうやら流血は避けられないらしい。

ニャル子「真尋さん、危ないので下がっててくださいね」

ニャルラトホテプが真尋に下がるように促しつつ、背中から自身のメインウェポン「名状しがたいバールのようなもの」を取り出す。
臨戦態勢だ。

『グルァァァア!』

ニャル子「あんたは私に一撃でやられます、わかっているんです」

ニャルラトホテプが決め台詞を吐きながら巨大リスに肉薄したが、それはこの際どうでもよい。

問題はその直後だった。

『ぐぇ』

突如として巨大リスがニャルラトホテプの一撃を待つことなく横へ吹き飛ぶ。そして近くの民家へ頭から突っ込んだ。

ニャル子、真尋「え!?」

異例の事態のバーゲンセールに目を白黒させる二人。まぁ片割れは碧眼だが。

真尋「なんだ、どういうんだ?」

真尋は怪物が元居た地点に目をむけると、そこには。

真尋「女の子…?」

そこに居たのは、少女だった。
銀髪に赤い瞳、ドレスのような衣装、そして手にした大剣。
その姿はまるでRPGのキャラクターのようだった。

その少女は大剣を大きく振りかぶり、地面と水平に構え直してから叫んだ。

少女「なんでこんなことを…また戦争がしたいんですか、あなたたちは!」

わけがわからなかった。

次回予告
真尋たちの前に現れた銀髪赤目の少女。
彼女の何者なのか、そしてその目的とは。
草食系肉食獣(二つの意味で)がせまる戦場に名状しがたいバールのようなものが舞う。

次回「二人は銀髪(発動篇)」

せまる敵を叩きのめせ!ニャル子

次回は明日投下予定です。

第2話「二人は銀髪(発動篇)」



真尋はニャルラトホテプのところへ駆け寄る。

真尋「なんなんだ、あれ」

ニャル子「さぁ…とりあえず話を聞いてみますか」

ニャルラトホテプは
宇宙から来た勇者のように剣を構える少女に声をかける。

巨大リスを吹き飛ばし、颯爽登場した美少女に。

ニャル子「あのーすいまs」

少女「あれは、ラタトスク!?でもあれは封印して秘石も回収したはずなのに、何故…」

ニャル子「あ、あのーすいm」

少女「でも現れたからにはやるしかないのか…」スー,ハー…

ニャル子「あn」

少女「リキがいなくたってやれるってとこをみせてやるっ!」

少女「世界樹を巡るもの、ラタトスク!その神威、フェルスズが封印します!」ビシッ

ニャル子「あの、聞いてます?」

少女「え?あ、ひゃぁぁあ!?」

赤い瞳の少女はニャルラトホテプを見るなりすっとんきょうな声をあげた。ニャルラトホテプの声には素で気がつかなかったようだ。

少女「え、あ、ごごごごめんなさい!」

相当動揺しているようだった。

少女「あ、えと…あのっ…絶対騎行圏に居るってことは、あなた方も…戦乙女、なのですか?」

真尋「びーぐりーず…?ばるきりー…?ニャル子、なんか知ってるか?」

ニャル子「聞いたことありませんね」

少女「え!?じゃああなた方は一体…?」

『グルァァァア!!』ドゴーン

しまった、巨大リスのことをすっかり忘れていた。
件の少女と雑談しているうちに奴に休憩する時間を与えてしまったらしい。

『クトゥルフルルル…』

しかしこの巨大リス、器用に鳴くものだ。

ニャル子「話はあとです!先に奴を片付けますよ!」

少女「はい!」

…それから数秒後。

ニャル子「いやぁ、あのリスは強敵でしたねぇ…」

真尋「お前、(名状しがたい)バール(のようなもの)ダブルブーメランで瞬殺したよな」

しかもブーメランとは名ばかりで、戻ってこないどころか命中したとたん爆発するような代物だった。
それはブーメランというよりミサイルではなかろうか。
いや、大事なのはブーメランの事ではなく…

真尋「あの…君」

フェルスズ「あ、すみません、紹介が遅れました!私フェルスズといいます!えと…あなたがたは?」

真尋「僕は八坂真尋。見ての通り人間の高校生だ。んでこっちは…」

ニャル子「八坂ニャルラトホテプです、どうぞ気軽にニャル子とお呼びください」

フェルスズ「ニャル子さん、真尋さん、協力ありがとうございました」

そう言うなりフェルスズはぺこりと頭を下げた。

ニャル子「ところでフェルスズ、さっきのバケモノは一体なんです?」

フェルスズ「『神威』です」

ニャル子「ゴムとかピルとか…」

フェルスズ「違います!神威です!ケ、ニ、ン、グ!」

フェルスズは小さい頬を紅潮させて言った。

ちょうどそのとき、向こうからこちらに向かって走ってくる少年の姿がみえた。

??「あ、いたいた、おーいフェル子さーん」

真尋「…フェル子?」

ニャル子「私はニャル子ですよ?」

フェル子。確かに少年はそう言った。

フェルスズ「あ、リキ!」

どうやらニャルラトホテプのことではなさそうだ。

フェルスズはリキという少年のもとへ駆け寄っていった。

気づけば、周囲の景色は夕日に紅く染まっていた。

次回予告
神威を退けたニャル子とフェルスズ。そこに新たな刺客が迫る。その姿は、まるで…

次回「伝説巨人←よくある誤植」
そのフォーク、突き立てろ!真尋

次回は明日以降に投下予定です

第3話「伝説巨人←よくある誤植」


フェルスズ「リキ、どこいってたんですか!」

リキ「『絶対騎行圏が!』とかいって急に飛び出していったのはフェル子さんじゃないですか、見つけるのに苦労したんですよ?だって僕はフェル子さんと違って人間だもの」

フェル子「ぐぬぬ…」

フェルスズが言っていた、リキという少年。中学生だろうか。真尋はその整った顔に見覚えがあった。

真尋「あいつは…たしか…」

それは数日前、イス香に言われて暮井と喫茶店にいったときに…

あ、こっちを見た。
こっちに来る。

リキ「どーもすいません、僕、大神理樹と言います。うちのフェル子さんがお世話になりました。お二人の名前を聞いていいですか?」

ニャル子「はい!いつもニコニコ真尋さんの隣に這いよる混沌ニャルラトホテプです!どうぞ気軽にニャル子とお呼びください」

真尋「ん、あ、あぁ…僕は八坂真尋」

じーっ。
うわ、こっちをじっと見てる。

理樹「八坂…真尋…?たしかどこかで…」

思い出すなよ、絶対思い出すなよ…?

理樹「あ、思い出した。」

ゑゑゑゑゑゑ!

理樹「あなたはこの間、喫茶店で…」

頼むやめてくれ。

理樹「…僕に顔射した方でしたか」

もうだめだ、おしまいだ。

ニャル子「ちょっと真尋さん!?私というものがありながら、なぁにやってんですか真尋さん!しかも男に!?」

真尋「ちが、誤解だ!」

やっぱりこうなった。

理樹「それと…彼女さんの方はイメチェンでもしたんですか?」

…いかん。

ニャル子「え、何でですか?」

理樹「だって真尋さん、こないだ喫茶店でぶっかけてくれたとき茶髪でポニーテールの人と居ましたから」

/(^o^)\

ニャル子「ま・ひ・ろさーん?」ジリジリ…

真尋「待て、落ち着け、話せばわかる、な?な?」

ニャル子「真尋さん、愛してるだなんて本気でHしたら私は都合のいい女扱いですか!?私はただ真面目なだけなんですよ!?」

真尋「だから落ち着けってー!」

うー!にゃー!
SAN値!ピンチ!
…!…!

結局、夕方だったこともありフェル子や理樹とは一旦別れ、家路についた。
今日起きたことについては翌日理樹たちの家に集まって話すことになった。
顔射のことではない。
神威のことだ。

その夜、ニャルラトホテプに問い詰められた真尋は誤解を解くべく必死で説得をした。

結果、二時間にわたる舌戦の末ようやく勝利した真尋だったが
「真尋さんの愛を確めたい」
というニャルラトホテプの意向により、またしても抱かれ放題にされるのであった。

真尋「アッー!」

ー翌日。

ニャル子「ささ行きますよ真尋さん!」ツヤツヤ

真尋「あー、うん…」ゲンナリ

わけがわからないよ。
ヤったことは同じなのにどうしてこうも差が出るんだ。

真尋は気だるい体を引きずって大神理樹の家へと向かう。

ニャル子「さ、着きましたよ」

真尋「あれ、さっき家を出たばかりだよな?」

ニャル子「何言ってんですか真尋さん、ここまで来るのに家から一時間ほどかかったではありませんか」

真尋「あれ、そうだっけ…?」

またなんとか症候群とかいうものだろうか。
近いうちに一度病院にいくべきなのかもしれない。

ニャル子「真尋さん、なんとか症候群じゃなくて紅王症候群ですよ」

真尋「お前までひとの心を読みにかかるんじゃない!」

どうして朝から疲れなきゃならないのか。
憂鬱な気持ちで大神家のチャイムをならす。

ぴろろろろん♪

敵機が接近してきたり、親父ぃが息子の気を静めたりしそうな変わったチャイムだった。

理樹「あ、いらっしゃい。どーぞ上がってください」

ニャル子「お邪魔しまーす!」

真尋「お邪魔しまーす」

理樹に迎えられ、一行は居間へと通された。
そこで真尋たちは茶をすすりながらお互いの事情を説明しあうことになった。

ニャル子「えーとつまり、古の力を秘石に封印した神威と呼ばれるモノが」ズズズ…

真尋「何かの手違いで神界から人間界にバラまかれ」

ニャル子「それを回収するためにやって来たのが」

真尋「フェル子たちヴァルキリーって訳か…」ズズズ…

フェル子「簡単にいうとそういうことです」ズズズ…

理樹「で、ニャル子さんは真尋さんを守るために地球にやって来た異星人、と。」ズズズ

ニャル子「だいたいあってます。あ、お茶のおかわりください」

理樹「わかりましたよー」 ガチャ

理樹も真尋も、お互いの言い分を疑うことなく信じた。
それは、理樹も真尋も非日常な日常を身をもって体感しているからに他ならなかった。

フェル子「しかし、不可解なことが…」

真尋「不可解なこと?」

フェル子「えぇ、昨日の巨大リス…ラタトスクは以前私達が封印したハズの神威なんです。」

そういってフェルスズは小石のようなものを取り出す。

フェル子「これがその秘石です。」

なるほど、確かにそれらしい。
真尋「しかし、封印したはずの神威が、どうしてかまた現れた、と。」

フェル子「えぇ、しかも昨日倒した個体は、秘石にならず、そのまま消えてしまったんです。」

ニャル子「それは不可解ですね…」ズズズ…

ニャル子「よし、私達も手伝います!いいですね真尋さん?」

真尋「ん、あぁ…」

フェル子「ほんとですか?ありがとうございます!」ペコリ

理樹「いやぁ、助かります。正直、駄ルキリーのフェル子さんだけじゃ不安だったんですよ」

真尋「だ、駄ルキリー?」

理樹「駄目なヴァルキリーで、駄ルキリー。ねーフェル子さん」ニコリ

真尋がフェルスズに目をやると涙目で見事なまでの「ぐぬぬ」を披露していた。どうやら図星らしい。

と、そのとき見知らぬ女性が居間に現れた。

??「ふあぁ…おはよ、りっきー」

理樹「おはよ、かーさん。」

どうやら理樹の母親のようだ。
しかし実に若々しい。
真尋も自称17歳を名乗るだけの容姿を誇る母を持つが、
理樹の母もそれに匹敵するレベルで若々しい。
そんな理樹の母親は眠そうに口を開く。

理樹の母「ん、りっきー、お客さん?」

理樹「うん」

真尋「あ、お邪魔してます」

ニャル子「してまーす」

理樹の母「ふーん…」

ごそごそ、ぽいっ。
理樹に何かをパスした。

理樹の母「はいゴム。4Pなら午前中で終わるかな?私は二度寝するねー」

理樹「ありがと、かーさん」

理樹の母はまた眠そうにもどっていった。
これがいつもの大神家の光景なのだろうか。
真尋からすれば訳がわからない。

真尋「…。」ポカーン

ニャル子「…真尋さん」

真尋「なんだよ」

ニャル子「やりませんか?」ウホッイイマヒロ

真尋「やらねーよ」

次回予告
今度こそ敵が迫る。
裁きの雷が大地を撃たんとするとき、現れる戦士とは。

次回「ファイアストーム」

巨大な敵、切り裂け!理樹


次回は明日投下予定です。

第4話「ファイアストーム」


真尋は恐怖に怯えていた。

真尋「今度こそ死ぬのか…?」

真尋を見下ろす、光の巨人。
それがゆっくりと真尋に腕を伸ばす。
逃げようにも、先程足を挫いたので動きようがない。
光って唸る巨人の腕と走馬灯が真尋に迫る。
この状況、虚弱貧弱無知無能な地球人には打破できない。

ー嗚呼、どうしてこうなった。

それは数時間前のこと、真尋たちが理樹の家で茶を啜っていたときに遡らねばなるまい。

数時間前、理樹の家ー

ニャル子「いやぁ、美味美味~!こりゃ御供について鬼退治に出掛けたくなりますな~♪」ホクホク

お茶請けの吉備団子を幸せそうに頬張るニャルラトホテプを見て、真尋は思う。
黙っていれば可愛いのに、と。
いやまぁそんなニャルラトホテプだから好きなのだが。
うわ、なにのろけてんだ自分。

理樹「真尋さん、熱でもあるんですか?顔赤いですよ」

真尋「い、いや、なんでもないっ」

いけないいけない。
真尋は頭を振って余計な考えを吹き飛ばした。

理樹「ふーん…」

理樹には怪訝な顔されたが。

ニャル子「もぐ?もごごご…」

真尋「ニャル子、飲んでからしゃべれ」

ニャル子「もぐもぐ」

ニャル子「もぐもぐ」

ニャル子「ごくん」

真尋「食べたか」

ニャル子「はい」

いや、そこはニャルラトホテプが「おかわり」と言って真尋のフォークが飛ぶのがお約束ではないのか。
いや大事なのはそこではなく。

真尋「で、どうしたんだニャル子」

ニャル子「いえね、さっきからフェル子の様子がおかしいので…」

ニャルラトホテプがそこまで言いかけたとき、フェルスズの声がそれを遮る。

フェル子「皆さん、神威の気配がします!」

◇◆◇

一行はフェルスズに続いて中心街へと急行した。
景色はすでにモノクロと化し、そこでは青白く光る何かが破壊の限りを尽くしていた。

真尋「なんだ、あれ…」

ニャル子「光の巨人ですかね?」

理樹「フェル子さん、あれ…」

フェル子「激情帯…ですね」

理樹「こいつも、僕達が封印したはずなのに…」

真尋「なんだ、そのメギンギョルズってのは」

理樹「雷を使う神威です。めちゃくちゃ強いですよ」

ニャル子「滅茶苦茶強い…ワクワクしますねぇ…」

不気味な笑みを浮かべてニャルラトホテプが指の骨をならす。

理樹「あ、でも待ってくださいニャル子さん」

理樹がニャルラトホテプを制止しようとしたが、ニャルラトホテプには聞こえない。

ニャル子「うおおおりゃあ!」

ダッシュ、
ジャンプ、
スピン。
そしてキック。
巨人に向かって特撮ヒーローのごとき飛び蹴りの体制に入った。

ーが。

ビリビリ。

ニャル子「しびればびれぶー!?」

巨人の迎撃にウェルダンになったニャルラトホテプは墜落していった。

真尋「ニャル子!?」

理樹「…打撃攻撃ではダメージ与えられないどころか反撃喰らうだけですよ」

真尋「ニャル子め人の話を最後まできかないから…」

ニャルラトホテプを倒して得意になったのか光の巨人はさらに破壊活動を続ける。

真尋「てか、こんな暴れたら街が…」

フェル子「心配無用です!絶対騎行圏での被害は神界が肩代わりします。あいつを倒せば街は元通りです!」

ニャル子「な、なるほど…メタフィールドみたいなもんですね…」ゼーゼー

真尋「お、ニャル子生きてたか」

ニャル子「私が雷くらいで死ぬと思っているんですか?」

真尋はそんなこと微塵にも思ってなかった。
こんなことで死んでもらっては困るし。
てかなんでさっきから髪形アフロなんだこいつ。

理樹「切断技が有効ですが、地上で斬れば…」

ボガーン。

理樹「…あぁなります」

切断された右腕が地面に落下し大爆発をおこした。
もちろんやったのは一人しかいない。

真尋「またお前か、ニャル子」

ニャル子「生体加速を使って奴の右肩に名状しがたいバールのようなものを当ててきました」ゼーゼー

またアフロになっていたが、もはや突っ込むまい。
しかし、どうしてこうコントめいたことをするんだ、こいつ。

ニャル子「そりゃあ、『こんとん』ですから」ドヤァ

真尋「それ、全然うまくないからな!てかまた人の心を読むんじゃない!」

フェル子「とにかく、気を付けてください!いくら人間界の被害がないとはいえ、神界はダメージを受けてるんですよ!」

その元凶をばらまいたのは誰なのかと小一時間問い詰めたい気がしたが
真尋は我慢の子、ここはグッと押さえる。

理樹「じゃあフェル子さん、そろそろいつものあれをやろうか」

フェル子「恒例行事みたいに言わないでください」

理樹「でもフェル子さん、あれに勝てますか?」

フェル子「ニャル子さんも居ますし、大丈夫です!」

理樹「本当に大丈夫ですか?」

フェル子「大丈夫…だと思います…」

理樹「本当に?」

フェル子「あー、た、多分…」

いったい何を話しているんだろう。
それに「あれ」ってなんだ。

…一分後。

フェル子「あーもうわかりました、やります!やりますとも!」

フェル子「でも、舌はいれないでくださいね…」

理樹「はーい」

そういうなり理樹とフェルスズは互いの顔を近づけ…そして。

ちゅっ。

真尋「…うわっ」

ニャル子「…おおぅ//」

キスをした。
こんな戦闘時になにやってんだあいつら。
そんな言葉が真尋の喉元まで迫った来たその刹那ー
理樹とフェルスズの体が光に包まれた。

真尋「うわっ!?」

ニャル子「おおぅ!?」

やがて光が収まり、そこにいたのは…

理樹、フェル子「それじゃ…ヴァルキリーワークス、始めましょうか」

次回予告
ついにメギンギョルズとの戦いが始まる。
物語は、果たして真尋のピンチの場面まで紡ぐことができるのか。

次回「ファイアストームZ」

真の力、見せつけろ!グラム

次回は明日投下予定です

第5話「ファイアストームZ」


よし、合体完了。
真尋とニャルラトホテプがこちらを見て丸い目をしている。

真尋「理樹とフェル子が…」

ニャル子「合体…した…んですかね?」

理樹「言ってませんでしたっけ、僕とフェル子さんはキスをすると合体できるんです。」

理樹「フェル子さんだけじゃグラムを励起状態で扱えませんからね、フェル子さん」

フェル子(ぐぬぬ…)

グラムとは、フェルスズのメイン武器である剣のことだ。
フェルスズはこれを基底状態でしか扱えない。
理樹ですらこれを励起状態にできるというのに。
やはりフェルスズには自分がついていなくては。

ニャル子「なんか理樹さん
からフェル子の声がするのは違和感ですね…」

あー、やっぱりそうなるのか。
なんか馬子さんにも言われたな、それ。

ニャル子「それはそうとして真尋さん、私たちもあれやりましょ、カップリングしましょ?フュージョンしましょ?」ンー

真尋「やるわけないだろ!てか、僕たちがキスしたところで何にもならんだろうが」

ニャル子「そんなこと言わずに~」


理樹「あー、お楽しみのようですが」

フェル子(さきにメギンギョルズを倒すのが先です!)

どこぞのバトルものよろしく3話も引っ張ったのだ、そろそろ倒さねば読者も飽きる。

理樹「では、メギンギョルズを倒したときと同じ戦法でいきましょう。ニャル子さん、ちょっと手伝ってくれますか?」

ニャル子「んえ、あぁいいですが、何をすればいいんですか?」

理樹「それはですね…」

メギンギョルズを倒した戦法。
それは、メギンギョルズを空中へ押し上げたあと自分も空中へ行き、空中で叩ききるというもの。

メギンギョルズを空中へ押し上げ、理樹たちも空中に飛び上げるのはロスヴァイセの役割だったが、
今回はそれをニャルラトホテプにやってもらう。

ニャル子「…なるほど、そうと決まれば」

ニャル子「アタックウィズ、フルフォース!」ウンメイノーフォームチェンジ

ニャルラトホテプの体が変わる。
黒いボディに真っ赤な目。
その容姿はまるで特撮ヒーローのそれだ。
あれが彼女の全力モード、フルフォースフォームか。
これは勝てる(確信)。

ニャル子「じゃあ行きますよ!」

理樹「お願いします!」

そう言うなりニャルラトホテプは一気にメギンギョルズの足下へ迫る。

ニャル子「必殺の!ニャル子ナックル!」

僕が作って俺が戦いそうな技名だった。
しかし、こうかはばつぐんだ。
メギンギョルズは一気に上空へ舞う。
次は理樹たちの番だ。

ニャル子「続いて、飛べっ!」

ニャルラトホテプにバレーボールのように押し上げられ、理樹の体は飛翔する。
そして一気にメギンギョルズの上をとる。

理樹「これで!」

フェル子(これで!)


理樹「おわりだ!」
フェル子(終わりです!)

一気に励起状態のグラムを降り下ろす。
刃先が光の巨人の脳天に刃先が迫る。

が、その刃がメギンギョルズを切り裂く事はなかった。

一同「!?」

フェル子(白羽取り!?)

理樹「腕が…戻ってる!」

光の巨人の腕が復元されている。
以前はなかった能力だ。
どうやら再生した敵は弱いというのは嘘のようだ。
そしてー

ばちん。

理樹「うわぁぁっ!?」

メギンギョルズの右腕に弾かれ、理樹たちは近くのビルの屋上に不時着する。

理樹「痛てて…」

自由になった巨人は地面に着地する。
その先にいるのは…

ニャル子「真尋さん!」

しまった。
真尋は理樹たちと違って生身の人間だ。
これは非常に不味い。

これは非常に不味い。
真尋は虚弱貧弱無知無能な人間だ。
まともにやりあって勝てるわけがない。
しかも自衛のフォークも今日は持ってきていない。
こうなったら…

真尋「逃げるんだよぉ!」

だっだっだ…ごきっ。

絶妙なタイミングで足をくじいた。
…詰んだ。

真尋「今度こそ、死ぬのか…?」
真尋は恐怖に目を覆う。

その時だった。

ものすごい風が真尋と巨人の間に走った。

真尋「…?」

真尋がおそるおそる目を開くと、目の前に巨人は居なかった。
どこへ行ったのだろうか。
辺りを見回し、ふと上を見ると、巨人は上空にいた。

上空に巻き上げられたメギンギョルズは、一気に無数のビームのようなものに蜂の巣にされ、大爆発をおこした。

真尋「あれは…機動砲台!?まさか!」

??「そう、そのまさか」

??「危なかったね、真尋くん」

真尋「クー子、ハス太!」

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