遠坂「誰?アンタ?」 烈海王「グラップラーのサーヴァント」 (64)

Fate/China Fighter

刃牙道連載記念の短編です。適当にどうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395244009

遠坂「グラップラーって、どういうこと?!クラスは七つじゃなかったの?!」

烈海王「クラスは間違いなく七つ、しかし、今回は弓兵が不在ということだな」

遠坂「馬鹿げてるわ!剣とか槍とか、そんなのに素手で勝てると思ってんの?!!」

烈海王「私は一向に構わんッ!」

遠坂「構うに決まってんでしょうが!!」

烈海王「我々武術家は日々身体を武器とするために修練を積む、となればこそ、功を修めた者の拳は刃であり槌だ!」

遠坂「はあぁ?!」

烈海王「なんなら、今ここで見せても良い、私は構わん」

遠坂「……わかったわ、何かサーヴァントと戦って、その結果を見て決めさせてもらうわ」

烈海王「構わん」

烈海王「それに、宝具と呼べるほどの物は無いが武器もある」

遠坂「どんな?」

烈海王「青竜刀、双節棍、多節棍はそれの形を変えることで棒にもできる。あとは手裏剣のようなものが30本程」

遠坂「やっぱり、貴方中国人でしょ?」

烈海王「そのとおりだ、これでも『海王』の名を持つものだった」

遠坂「かっ、海王ゥ?!」

烈「烈海王、それが私の名だ」

遠坂「って、軽々しく自分の真名を言わないでよ!誰かに聞かれたらどーすんの!」

烈海王「私は一向に構わん!」

遠坂(それにしても、烈海王って言ったら二年前に死んだばっかりじゃない。それに、彼は中国始まって以来の天才だったって聞くし)

烈海王「主(マスター)よ、私がお前を守る剣になろう」

休憩はさみます

遠坂「はぁ、もういいわ、今日は寝るから」

烈海王「構わん、ゆっくり休め」

遠坂「お休みなさい……」

トントントントントン……ヂュゥ~、ジャッジャッ
ポコポコポコ……

遠坂(……いい匂いがする、眠気が何処かへ吹き飛びそうなほどいい匂い。中華料理……薬膳料理かな?)

カチャカチャ…ギィィ

烈海王「主、朝食を用意した、我が白林寺に伝わる薬膳料理だ、低血圧にも効く」

遠坂(眠い、まだ布団の中に居たい……筈なのに、この匂いが食欲を優先させてしまう、布団から身体を上げてしまいたくなるッ!)

遠坂「うぅ……」

烈海王「冷めないうちに食うんだ、朝でも食べやすいように油と肉を控えて、魚介と野菜で構成してある、旨いぞ」

遠坂「い、いただきます」

ハグッ、モグモグ、ズル、シャク…ショム…、モニュ

遠坂「美味しい」

烈海王「ハハハ、箸が止まらんようだな」

シャグ、ジャクジャク、ズズズッ、モグ

遠坂(今まで食べたどの中華料理より美味しい、これが本場の味)

烈海王「さあ、支度をしよう」

遠坂「あぁ、学校?今日はいいわ、貴方にこの街の地理を教えなきゃいけないし」

烈海王「そうか、ならばもう2時間ほどゆっくりしていてくれ、私は少し鍛える」

遠坂「鍛える意味は無いと思うんだけど……」

烈海王「朝の習慣、瞑想のようなものだ、武の道に入ってから、毎日欠かさずやってきた」ザッ

遠坂「たんとう……」

烈海王「よく知っているな」

遠坂「これでも、八極拳の心得はあるんだから、馬鹿にしないでよね!」

烈海王「そうか、よし、庭へ出よう主」

遠坂「えっ?!庭?ちょ、ちょっと待ちなさい!」

烈海王「少し稽古をつけてやろう、来てみろ」

遠坂「はあぁ?!……よ、よし!やってやろうじゃないの!」

烈海王「哈ッ」站(タン)ッ

遠坂「ちぇりゃあぁっ!」

烈海王「なるほど、良いセンスだ」ガッ

烈海王「だが、踏み込みがまだ甘いな」呑ッ

遠坂「きゃっ!す、寸勁?!」

烈海王「海王というものを見せてやろう」

スゥ……

烈海王「噴ッ!!」弾ッ、ドゴォ!

遠坂「うそ、寸勁で木を殴っても木が倒れずに穴が開いた……」

烈海王「未だご存命の我が師、郭海皇ならもっと上手く開けられただろう」

遠坂(まだ……彼より上の拳士が居ると言うの?)

今日はもう寝ます

数時間といいつつこんなに経ってしまった

遠坂「この冬木市は、住宅の多い地区と、店やビルの多い新都にわかれてるわ」

烈海王「そうか」

遠坂「どっちも隠れられる場所は多いから、いつ奇襲されるか分からないってわけね」

烈海王「私は構わん」

遠坂「言うと思ったわ、それじゃ、新都へ買い出しに行きましょうか、誰かさんのせいで食料が尽きちゃったし」

烈海王「喜んでおかわりした誰かさんも居るがな」

遠坂「だって、美味しかったんですもの」

烈海王「薬効が効いてくれる事を祈る」

烈海王「雑誌を買いたいのだが、構わんか?」

遠坂「雑誌?いいわよ、別に。好きにしなさい」

烈海王「謝謝、感謝する」

遠坂「サーヴァントも雑誌なんて読むのね」

烈海王「日本に滞在することも多かったからな、退屈な時は買って読んだものだ」

遠坂「ふぅ~ん、どんな雑誌を読んでたの?」

烈海王「確か、少年チャンピオンという漫画雑誌だ、イタバキという作家のガキを楽しみに買っていた」

遠坂「結構日本には詳しいの?」

烈海王「東京の、ある場所にはよく足を運んだものさ、今は運営者が変わっているが、中身は何も変わっていないだろう」

遠坂「ふーん」

『新都、とある本屋』
『そこの店員の、佐竹洋一氏は後にこう語る』

佐竹「日も落ちかけた夕方、でしたかね、あと数時間で閉店するような時間でした」

佐竹「2、30分ほど前から、青い髪でアロハシャツを着た獣のような青年が、漫画を立ち読みしていたんです」

佐竹「えぇ、チャンピオンでした。最後の一冊の」

佐竹「そこへ中国人が入店してきたんですよ。外で綺麗な女の子を待たせているようでした」

佐竹「中国人の方も漫画雑誌が置いてあるコーナーへ行って、何か探してるようでしたね、後でわかることですけど」

佐竹「中国人のほうからでしたね、青い髪の男に話しかけたんですよ、彼もチャンピオンが目当てだったんでしょうね」

佐竹「驚いている様子でしたね、お互いに。まるで宿敵に出会ったかのような顔をしてました」

佐竹「しばらく見つめあったあと、チャンピオンを置いて外へ出ていきました。二人ともコワい顔してましたねぇ」

佐竹「二人の様子が気になって、レジから外を見てたんですよ、中国人は女の子と何か喋っているようでした」

佐竹「まさに次の瞬間でしたね、アロハだった男の服装が、いつの間にか青い全身タイツのような姿になって、何処からともなく赤い槍を取り出したんです」

佐竹「はい、本当に一瞬でした。マジックか何かでも見た気分になりましたね」

佐竹「本題はここからです」

佐竹「突いたんですよ、槍で」

佐竹「ものすごいスピードでした。僕、キックボクシングやってるんですけどね、一流選手のキックよりも速かったんじゃないかなぁ?」

佐竹「中国人ですか?槍を掴んで止めてました。えぇ、あれほどの速度で突かれたものを、傷一つつくことなく」

佐竹「その状態で数秒ほどじっとしていましたね、けれど、物凄い力がかかっていたんだと思います、駐車場のアスファルトが凹んでいましたから」

佐竹「先に動いたのは中国人でした。槍を引っ張って跳んだんですよ、これも常人ではありえない程の高さです」

佐竹「昔の映像、確か50年くらい前の映像だったかな?彼とそっくりな男がボクシングをしている映像を思い出してしまいました」

佐竹「あぁ、すいません。脱線しました」

佐竹「青い男は急に引っ張られて体勢を崩していましたね、そこにドロップキックですよ」

佐竹「えぇ、有り得ないほどの高さから、有り得ないほどの脚力で繰り出されたドロップキックが、綺麗に顔面に入っていました」

佐竹「15メートルくらい吹っ飛んだんじゃないですか?ほら、現場にあったぶっ壊れた車、あれはその時の青い男がぶつかって壊れたんです」

佐竹「店長の愛車だったんですけどね、おシャカでしょうね」

佐竹「死んだと思いましたね、脚力と腕力の差は言うまでもありませんし、そもそもあれだけ綺麗に顔面に受けたらあの伝説のヤクザだって無事では済まないでしょう」

佐竹「しかし、青い男は起き上がって来ました、鼻は折れて、歯が何本も欠けて居ましたがね」

佐竹「クルマがクッションになったと考えるのが妥当でしょうね」

佐竹「中国人は、男が落とした槍を持っていました。まるで使い慣れた武器のようにクルクル回していましたね」

佐竹「ともかく、青い男が走り出しました。まるで獣を思わせるような前傾姿勢のダッシュでしたね」

佐竹「その時、中国人が槍を投げたんですよ」

佐竹「いえ、パスのようでした。面食らったんでしょうね、素っ頓狂な顔をして動きを止めたんですよ」

佐竹「それがまずかったんでしょうねぇ、後ろに回られて手刀を首筋に、こう、ストンって」

佐竹「青い男が気絶して終了です」

佐竹「再び店に入ってきた中国人は、チャンピオンを買って帰っていきました。我に帰って警察を呼んだんですが、青い男は警察が来る前に立ち上がって何処かへ去ってしまいましたね」

佐竹「以上が、ぼくの見た全てです」

今日はここまで

え、つまりこいつらはお互いがサーヴァントだから戦った訳じゃなく
単にチャンピオン奪い合ってただけなのかもしかして

>>53
チャンピオンも欲しいし、折角サーヴァント同士だし、喧嘩(や)ろうぜ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom