佐天「世界を渡り歩ける能力かぁ・・・」(167)

初春「佐天さーん、検査どうでしたー?」

佐天「えへへ♪ レベル2ですごい能力だったよー!」

初春「レベル2!? すごいじゃないですかー! 一体何ですか?」

佐天「うん。世界を渡り歩ける能力だよ」

初春「はい?」

キョトン。

佐天「実際に、見せたほうが早いね」

佐天は右手を上げ、目を閉じた。
すると、銀色の渦巻いた壁が現れる。

佐天「入ってみてよ初春」

初春「え?・・・は、はい」

初春は多少、恐るが佐天の言葉を信じて目を閉じてくぐる。

ギュオン。

境界線を渡る影響か、初春の耳に機械音が鳴る。

そして、目を開けると。

初春「え!?」

映ったのは、見知らぬ部屋。一言でいえば一人暮らしの男性の部屋だ。
それよりも、自分はさっきまで全く別の場所にいたはず。

初春「テレポート?」

テレポートの類に似ているこの能力。

初春は後ろを振り返る。
銀色の渦巻いた壁はまだある。

ギュオン。

佐天「よ、っと♪」

佐天もくぐり抜けて来た。すると、銀色の渦巻いた壁は役目を終えたと言わんばかりに消える。

初春「佐天さん、これ・・・」

佐天「ん?私達今、異空間の壁を歩いて別の場所にきたんだよ」

初春「す、すごいです佐天さん!レベル2でここまで出来るなんて!」

佐天「えへへー♪」

佐天は大いに喜んだ。

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ギュオン。

初春「佐天さん!あれ、きっとテレポートの類いですよ。きっと!」

佐天「そう?まだ、能力を上手く使えないけど、頑張ったらいけるかな?」

二人は再びくぐり抜け、元の場所に帰ってきた 。

プルルル。

初春の携帯が鳴った。

ガチャ。

初春「はい。あ、白井さん・・・了解です。すぐに行きます」

ガチャ。

佐天「事件?」

初春「はい。すいません佐天さん」

佐天「ううん。それじゃ、また・・・」

初春「はい!」

初春は走りながら去った。一人残された佐天はもう一度、能力を使かう。

佐天「早く、使えるようにしてみんなの役に・・・」

佐天は壁をくぐった。

そして、この日を最後に佐天の姿を誰も見かけけなくなる。

あれから、三ヶ月が過ぎた。

世間は佐天涙子は行方不明の女の子となり、人々から消えた。

勿論、彼女の関係者は今でも探している。

御坂、白井、初春もその中の人間だ。

ただ、初春は現在病院で入院している。

佐天を最後見た人間だからかもしれない。彼女の精神は崩壊していたと思える。

初春「あのオーロラみたいな壁です!あれが、あれさえあれば・・・!」

何度も何度も何度も何度も。

まるでオウムのように繰り返す初春。

彼女は手がかりを知っている。でも、それが何かわからない。

御坂と白井は途方に暮れた。

そして。

??「佐天涙子の手がかりを教えてあげようか?」

旅の男が二人に接触する。

その男が旅の男と思えたのは、そういう見た目の格好をしていたから。

でも、怪しい男であることには変わらない。

白井「なんだか、とても怪しい人ですわね。それに・・・」

危険な人間。

白井の正義心がささやいている。

御坂「貴方は、佐天さんの居場所を知っているの?」

男「知っている。私に知らないことなど何もない」

御坂「へー・・・」

御坂の目は疑いの眼差し。

男「君達の友達が探していた壁は、これのことかな?」

銀色のオーロラに満ちた壁が現れる。

御坂「・・・初春さんが言っていた物と同じ・・・」

御坂の足が動く。

白井「お姉様!騙されては行けませんわ。この男、あまりにも怪しいです!」

白井が両手を広げて御坂の前に立った。

男「信じる信じないは、君達次第だ。ただ私は、君達の苦しむ姿に心が打たれて協力しようと思っただけにすぎない」

御坂「・・・」

白井「お姉様!」

御坂は決断した。

御坂「黒子。初春さんのことお願いね」

御坂は白井の頭をなでた。

白井「お姉様・・・っ!」

御坂は「必ず、佐天さんを連れて帰るね」

そう、言い残すと御坂は男と一緒にオーロラの壁の中に入ってい行った。

ギュオン。

ドサッ。

佐天「いたたたっ!なんで上からなの?」

くぐった先は、上からの登場。佐天は、尻餅をついてしまう。

佐天「で、ここはどこ?」

辺りを見渡すが、全くわからない場所。

佐天「とりあえず、帰ろうっと!」

佐天は、能力を使い次元の壁を作る。

ギュオン。

そして、佐天はまたくぐった。

だが、壁は消えなかった。

結果。

ガチャ。

??「え?」

ギュオン。

見知らぬ人間が入ってしまうのだった。

佐天「っ!?」

くぐった先は、水の中。

佐天「んーー!!」

佐天は急いで空気があるところを求める。

佐天「上に光っ!」

上に上に泳ぐ。

佐天「ぶはっ!」

上に出た。しかし、服が重りとなって上手く泳げない。

さらには、状況の把握を認識していないため混乱中で、能力で助かるという思考は閉ざされていた。

佐天「あっ・・・っ!」

沈む。
そう認識した時。

ザパーン!

誰かが佐天の手を掴み引き上げた。

佐天「え?」

助かった。でも、佐天の安堵は仰天に変わった。

佐天「空を飛んでる?」

飛んでいた。自分は飛んでいる。

佐天「えーーーーー!?」

??「うわっ!?」

声が聞こえた。

佐天「・・・あ、すいません」

気付けは、自分はお姫様抱っこされたまま空を飛んでいることに気付く。

身長は白井くらいの男性の方が助けてくれたらしい。

佐天「あの、助けてくださってありがとうございます」

??「いや、偶然見つけただけだったんだけど、助けられてよかったよ」

佐天「・・・」

ふと、佐天は気づく。自分には空を飛ぶ能力はない。だから、これはこの人の能力だ。

佐天「空を飛ぶことが出来る能力を持っているんですね」

??「驚かないのか?」

佐天「はい」

男「トリックとか言わないの?」

佐天「はい。能力ですよね」

男「へー。そういうこと言う人もいるんだなぁ・・・」

佐天「?」

男の感心に意味がわからない佐天。

佐天「あっ、私は佐天涙子って言います。貴方は?」

??「俺?」

男は少し悩むが、「いいか」と呟き。

クリリン「俺はクリリンって言うんだ」

名前を言った。

佐天「クリィーリン?」

クリリン「いや、クリリンだよ」

佐天「外国の方ですか?」

クリリン「外国?」

佐天「日本にはない名前ですから、てっきり外国の方の人かなぁ・・・」

鼻ないから、といいたかったが伏せた。

ないのは病気かもしれないから。

クリリン「日本?」

佐天「日本知らないですか?」

クリリン「どこの街?」

佐天「えーーーーー!?日本を知らないですか?」

クリリン「うん。もしかして、どこか違う星から来たの?」

佐天「ち、違いますよ!私は、ちゃんと地球で生まれた地球人です!」

クリリン「うーん?」

どうも話が噛み合わない。

佐天「クシュン!」

クリリン「あっ!?そういえば、君は溺れていたから・・・」

クリリンは方向を少し変える。

クリリン「とりあえず、まずはその服を乾かそう。話はそれからだ」

佐天「ずみまぜん・・・」

ぶるぶる佐天。

クリリン「カメハウスに行けば、アイツの服でなんとか・・・」

佐天「?」

クリリンは佐天の服を乾かすために、とりあえずカメハウスに向かうのだった。

小さい陸地の上に家が建っている。

周りは海。

佐天「(すごい所に住んでいるんだなぁ~)」

第一印象の感想だった。

ストン。

クリリンが佐天を抱えたまま、着地する。

すると家の裏側からおじいちゃんが現れた。

おじいちゃん「クリリン。誰じゃそのべっぴんさんは?」

佐天「べっぴんって・・・」

意味は知っている、が古い言葉だ。

しかし、相手はお年寄り。必然かもしれない。

おじちゃん「ふむふむ」

おじいちゃんはジロジロと佐天を見てくる。

クリリン「溺れていた所を助けたんです」

おじいちゃん「ほーーーー」

佐天「こ、こんにちは。佐天涙子って言います・・・」

おじいちゃん「ふむ。礼儀正しいのぉ・・・。わしゃ武天老師じゃ」

ピト。

おじいちゃん「よろしくじゃ♪」

佐天はセクハラされた。

??「ああ・・・。貴方なら、この服も似合いそうだね」

佐天「そ、そうです?でも・・・」

カメハウスに来た佐天は、濡れた服を乾かすため、替わりの服を着ることになった。

その際、クリリンは結婚した奥さんのことを思い出して、彼女なら替わりの服を貸してくれると思って行動した。

途中、セクハラされたがもうそいつはいない。

服も着替え、気持ちも落ち着き本題へ。

佐天はクリリンと奥さんに今までの出来事を話す。

クリリン「・・・佐天さんは、別の世界から来た地球人なんだね」

二人は意外にも佐天の話をすんなり信じてくれた。

佐天「信じてくれるんですか?」

クリリン「まぁ・・・普通の人なら、信じないかもしれないけど、俺は信じるよ」

クリリンの奥さん「今さら、別の世界の人間が来たところで、驚きはしないさ」

佐天「・・・」

とても嬉しかった。

気が付けば夕方になっていた。

佐天「あ、もうこんな時間なんだ・・・」

佐天は立ち上がり、二人に頭を下げる。

佐天「今日は助けていただき、本当にありがとうございます!」

クリリン「帰るのか?」

佐天「はい」

クリリン「ちょっと、残念だな。せっかく知り合えたのに・・・」

佐天「また、来てもいいですか?」

クリリン「ああ。もちろんだ!」

クリリンの奥さん「私も同じだよ」

佐天「ありがとうございます!また、来ますね!」

佐天は次元の壁を出現させる。

佐天「さようなら!」

ギュオン。

そして、佐天は壁をくぐり抜ける。

だが。

佐天「あれ?」

くぐり抜け先は、カメハウス。

後ろを見ると二人が立っている。つまり、同じ世界だ。

佐天「あれ?あれ?」

ギュオン。

ギュオン。

佐天「・・・っ!」

クリリン「どうしたの佐天さん?」

佐天「元の世界に帰れない・・・」

佐天は青ざめた。

裏。

プルルル。

ガチャ。

??「あ、クリリンさん」

??「え、ママ?うん、わかった」

数分後。

??「クリリンくん?どうしたの?・・・うん、うん」

カキカキ。

??「・・・わかったわ。それじゃ明日ね」

ガチャン。

??「ママ。クリリンさん、なんて?」

ママ「明日、クリリンくん達が来るって、お話よ」

??「わーい!!」

ママ「でもね、トランクス・・・」

トランクス「何?」

ママ「クリリンくん達以外にも不思議なお客が来るみたい・・・」

次の日の朝。

男は別に何か用事があったわけではない。

ただ、なんとなくだ。

??「・・・なんだ、この違和感は?」

経験が語る。

ここに、求める物がある、と。

ギュオン。

??「っ!?」

突如、謎のオーラ壁が彼の前に現れた。

ギュオン。

??「はい。カプセルコーポレーションに到着です!」

中からは、見知らぬ女とクリリン、18号、マーロン、無天老師が現れた。

??「これは・・・」

勘が言う。あの見知らぬ女の力が元凶。

クリリン「あれ?ベジータ・・・」

ベジータ「・・・クリリン。その女は誰だ?」

佐天「初めまして、佐天涙子です!」

ベジータ「さっきのは、貴様の能力か?」

佐天「あ、はい」

ベジータ「・・・そうか」

そして、確信した。

『何か大きな出来事が起こる』、と。

クリリンが連れて来たのは、カプセルコーポレーションという家。

クリリンの紹介により、佐天はブルマ、その両親、ブルマの子供のトランクス、父親のベシータと知り合う。

特にブルマという女性は科学者らしく、佐天の能力について何かしらの解決策を教えてくれるというクリリンからのアドバイスをもらう。

ブルマ「それじゃ、さっそく始める?」

佐天「はい!お願いします!」

それから、開始から六時間後。

ブルマは佐天に言う。

ブルマ「佐天さん。今の貴方では、元の世界に帰ることも別の世界に行くことも出来きないわ」

非常な診断結果を通知した。

ブルマ「簡単に言ったら、レベルが足りないのよ」

佐天「え?」

ブルマはパソコンのキーボードを打ち、そしてそれを佐天に見せた。

佐天「す、すいません・・・全然、わからないです」

しかし、表示された画面の内容を理解出来ない佐天にはチンカンプン。

ブルマ「あ、ごめんなさい。うーん、要するに佐天さんの能力レベルが1だから、開きたくても開けないのよ」

佐天「レベル1?私、この前はレベル2でしたけど・・・」

ブルマ「なら、落ちたってところね」

佐天「ガーーーン!!」

頭上から、タライが落ちるくらいショックだった。

ブルマ「レベルが低いから、上手く扉も開かないし開いても別の世界に行けないのよ」

大問題だ。当然、佐天は大慌て。

佐天「ど、どしたらいいですか?」

その返答にブルマはハッキリと答えた。

ブルマ「修行するしかないでしょ?」

佐天「・・・」

佐天に冷たい風が吹くのだった。

次の日。

佐天は能力向上修行を開始する。

先生はブルマ。

その一、勉強。

佐天「わ、わかりませーん!!」

その二、肉体改造。

佐天「もう、駄・・・目・・」

佐天ダウン。

別に毎日あんパンを食べるわけでもない。

毎日、重力室で十倍の重さに耐える修行をしているわけでもない。

ブルマは天才だから、佐天が何もしなくてもレベル5にする装置か、道具を作ってくれるので問題などない。

では、なぜ佐天は修行をしているのか?

一、元の世界に帰っても、今のままでは役立つことはないから。

二、仮に一時的に向上しても身体が耐えきれないから。

三、異世界での特訓は面白いと思ったから。

この三点が今の佐天を繋ぎ止めている。

だから、どんなに辛くても頑張れた。

それに修行は半年だけという条件でもあったで、それが一番の心の支えになってもいる。

そして、時は半年後。

トランクス「佐天さん、こっちこっち!」

佐天「はぁはぁ・・・ト、トランクスくんは足が速いよー」

トランクスはエッヘンと威張る。

トランクス「佐天さんと違って毎日鍛えてるからね。修行の差だよ」

佐天「あははは・・・」

もう佐天は笑うしかない。

なんせ、この半年でトランクスの実力を嫌というほどわかったのだ。

佐天「(たぶん・・・トランクスくんが私達の世界に来たら、1日で学園都市は壊滅するだろーなー)」

そう思いながら、佐天はトランクスのあとについていく。

佐天とトランクスは旅をしている。

目的はどんな願いも叶えることが出来るというドラゴンボールという玉。

ただし、目的は願いを叶えることではない。

願いは佐天が言うことになっているが、それはご褒美としてのもの。

あくまでもボール集めの過酷さを修行の共感してしているだけだ。

トランクスは佐天の助手であり、ヤバいこたがあったら助けるてくれるだけ。

ほとんどは佐天が集めなければいけなかった。

そして、苦労してようやく六個までは揃っていた。

佐天「これで、七個ね!」

揃った。

と、同時ボールが光った。

佐天「っ!?」

トランクス「おお!」

トランクスは見たことが、あるといっても子供心がかきたてて喜んだ。

佐天「で?どうしたら、その神龍って現れるの?」

トランクス「知らない。俺も呼び出すのは初めてなんだ」

佐天「えー?どうしよう・・・」

トランクス「適当に呼んでみたら?」

佐天「よーし・・・」

佐天は息を吸い込み。

佐天「神龍さん出てきてー!」

シーン。

トランクス「おーい!出てこい神龍!」

シーン。

その後、二人は色々と試したが全く反応しなかった。

佐天「もう、全然反応ないね!」

トランクス「諦める・・・佐天さん?」

佐天「そうだね。それじゃ・・・カプセルコーポレーションに帰ろうか?」

トランクス「うん!」

ブルブル。

トランクス「あ、ごめん!僕、トイレ!」

佐天「早く戻って来てねー!」

佐天はボールを袋に入れる。

と、同時に。

ブォン!

佐天はボールを残して、消えた。

トランクス「あれ?佐天さん・・・」

パーーーン。

音がした。

トランクス「・・・・」

トランクス「佐天って誰?」

そして、世界は佐天を消した。

佐天「あれ?」

気が付けは、見知らぬ場所に来ていた。

佐天「トランクス君?」

道に迷ったかもしれない。

コロコロ。

佐天「?」

ボールが転がってきた。

??「すみませんー!」

声がする方へ、視点を移すと数人の男女がサッカーしていたことに気付く。

佐天「うん、わかったー!」

佐天も何気に蹴って渡そうと思い、蹴った。

ズキューーーーーーン!!

??「え?」

超高速スピードのボールがネットを揺らした。

全員「え・・・?」

沈黙。

そして、数秒後。

??「君、サッカーやらない!?」

佐天はサッカー部に入部させられた。

暗闇の部屋。

??「佐天涙子・・・」

ピッピッと機械音が響き、そのたびに佐天の様々な角度から見た姿が写し出された。

??「彼女は、何者だ?」

??「現在、調査中です」

男達は会議をしている。

突如現れた佐天の正体を探っていた。

??「しばらくは、プロトコルオメガのチームに置き、ベータに監視させます」

??「ベータに伝えとおけ。あくまでも『演じろ』と」

??「了解しました」

??「さて・・・どうするべきか。このイレギュラーの展開を」

闇は続く。

これまでの佐天「世界を渡り歩ける能力かぁ・・・」は・・・(>>1>>60まで)

学園都市の能力検査で、いきなりレベル2の(パラレルワールド)世界を渡り歩ける能力を手に入れた佐天。
だが、レベルが低いために元の世界に帰れなくなってしまったために元の世界では行方不明者に。心配した佐天の友人である御坂美琴は、手がかりを持つ男と共に世界を渡る。

一方の佐天は、着いた先の科学者にレベルが低いことを指摘されて能力強化へ。しかし、その修行中になぜか別の世界に来てしまう佐天。
そこは『サッカーが世界を支配している世界』だった。
果たして、彼女の運命は・・・・・・?

身体能力が高い理由は、前の世界で半年間であったが肉体強化もしていたからだ。

だから、あとはサッカーのルールや慣れれば佐天はとても強い選手になれる素質をもっていた。

しかし、サッカーはとても難しいと佐天は思った。

なんせ、化身を召還出来なかったり融合・・・アームドと呼ばれた化身合体がなければいくら強くても全て止められてしまうのだ。

佐天「後、必殺技?なんかボールが別れたり人が増えたりしてるんだよね」

佐天「私達の世界でもあんな試合してるんだなー」

サッカーは難しいと改めて思う。

バシューーーーン!

高速ボールがゴールネットへ向かう。

ゴールキーパー「ふん!」

ドン!

しかし、ゴールキーパーが地面を強く叩くとその突風で威力は相殺されて。

コロコロ。

ボールは転がるスピードまで落ちて、最後はゴールキーパーに受け止められた。

佐天「本当、サッカーは難しいよ・・・」

佐天はため息をつく。

??「だったら、やめたらいいじゃない。サッカーなんて・・・」

佐天「ベータ・・・」

ベータは微笑む。

ベータ「サッカーなんてつまらないし、才能がないと意味がないのよ?」

佐天「それは、わかっているけど・・・」

ベータ「なら、議長に言ってやめると言いなさい。そうしたら、私が怒られないですむわ」

ベータは髪をなでつつ、佐天に冷笑する。

佐天「・・・」

どうして、こうなったのだろ。

佐天は、過去を振り返る。

佐天と同じ年頃の少女「もう一度言うわ。貴方サッカーしてみない?」

佐天「サッカー?」

サッカーそのものは知ってはいる。しかし、ルールは知らない。

佐天「ごめんなさい。帰らないと行けないから・・・」

佐天と同じ年頃の少女「そう・・・残念ね」

佐天「ごめんね?」

佐天は時空の壁を出現させる。

佐天と同じ年頃の少女「わっ!?貴方その能力は何!?」

佐天「あっ・・・」

うっかりしていた。ここは別世界。佐天の能力に驚くのは必然だ。

佐天「これは色々な世界に行ける壁だよ」

佐天と同じ年頃の少女「色々な世界?」

佐天「うん。御菓子の国とか科学の国とか行けるの」

佐天と同じ年頃の少女「差別のない国も?」

佐天「あるんじゃないかな?案外不死になれる世界とか?」

まだ開いたことも行ったこともない。だけど、無限に広がる世界である以上否定は出来ない。

佐天と同じ年頃の少女「差別・・・不死・・・」

どん!

佐天「え?」

佐天の意識が飛んだ。

次に佐天が目を覚ました時には、大きな部屋にいて椅子に座っていた。

佐天「ここは・・・?」

??「気がついたようだね」

意識がはっきりし、声の主を確認する。

声の主は、見た目は佐天と同じ年頃の青年だか、とても肉体的でいかにもスポーツマンだった。

サル「僕の名はサリュー・エヴァン。みんな、僕をサルと呼ぶ」

佐天「サル・・・って、いじめですよそれ」

サル「・・・」

空気が凍った。どうやら、サリューはあだ名を気に入っていたらいるらしい。

??「サル。落ち着いて、そんなつもりであだ名をつけたつもりなんて誰も思っていないわ」

佐天「あ、貴方は・・・!?」

サリューを慰める少女。それは、佐天にサッカーを持ちかけた人物だった。

ジャンヌ「私はジャン・スナマロ。みんなにジャンヌなんてよく呼ばれているわ」

もう突っ込まない。

この世界では発音ちがいあだ名を言うのがブームなのかもしれない。

ジャンヌ「まず、こんな誘拐してしまったことについて謝るわ」

佐天「誘拐するってことは何か理由があるのでしょ?」

ジャンヌ「ええ・・・是非とも、貴方の能力を私達に使って欲しいのよ」

佐天「・・・」

佐天は、やっぱりねとため息を少しついた。

佐天「悪いけど、それは出来ない相談ね」

ジャンヌ「なぜ?」

佐天「私の能力は、貴方達が望んでいる世界に直接繋げる力はないの」

ジャンヌ「・・・」

佐天「それに、仮に出来たとしても人をいきなり誘拐するような人達の話を鵜呑みに出来るほど、私は優しくない」

二人は佐天が拒否する理由を静かにきいた。

ジャンヌ「そうね。いきなり誘拐してしまったことは謝るわ。でも・・・」

パチン。

佐天「・・・」

ジャンヌ「でも、私達の能力を使えば貴方の意志なんて関係ないのよ?」

佐天の意識は再び閉じるのだった。

佐天の睡眠中の物語。

ギュオン。

ジャンヌ「どうだった?」

サル「彼女の能力・・・とても素晴らしいね」

ジャンヌはサルが手に持っているものに気づく。

何かのシッポだ。

ジャンヌ「それは何のシッポ?」

サル「ああ・・・これかい?これは人間が大猿に進化するための一部だよ」

ジャンヌ「ふーん・・・でも、それでどうするつもりなの?」

サル「もちろん、僕達のために研究して役立たせるつもりさ」

ジャンヌ「私達パスね。仮にパワーアップ出来たとしても、女の子にはごつい体はいやだから・・・」

サル「ふふ・・・わかっているさ。それとジャンヌ」

ジャンヌ「何?」

サル「今度からあだ名は英語認識で頼むよ?」

ジャンヌ「気にしていたんだ・・・やっぱり」

次元の壁「・・・」

バチ。

佐天「はっ!?」

気がつけば、見知らぬ個室のベッドで寝ている自分がいた。

ジャンヌ「気がついた?」

ジャンヌが食事の用意をしながら、声をかける。

状況的にその食事は佐天のために用意した物に見えるが・・・。

ジャンヌ「安心して。貴方はもう私達の仲間だから危害を加えることはないわ」

佐天「仲間?私は・・・」

パチン。

佐天「えっ!体が勝手に!?」

音と同時に佐天の右手が上がる。

ギュオン。

次元の壁が勝手に開いた。

ジャンヌ「催眠術の類いよ?貴方の体は私に支配されているの」

佐天「そ、そんな・・・」

ジャンヌ「ついでに、レベルも上げているわよ?」

佐天「なんで・・・こんなこと」

動けぬ体になりながらも、顔だけが自由がきくため、佐天はジャンヌを睨んだ。

ジャンヌ「この世界のため・・・がっ!?」

ジャンヌが理由を言おうとした瞬間、血を吐き出した。

佐天「えっ!?」

ジャンヌ「ゲホッ!ゲホッ!」

血はまるで湖のようだった。

佐天「ちょっ!?大丈夫ですか!」

佐天が近づこうとした瞬間、ジャンヌは手を上げて静止する。

ジャンヌ「いいのよ。これは代償だもの・・・」

佐天「代償って・・・」

ジャンヌ「貴方を支配するためには、私の体を壊さないといけなかったから」

佐天「そんな・・・そこまでして」

地面を見る。そこは血の海。

佐天「・・・うう」

佐天が拒んだばかりに、彼女は自らの肉体を破壊するような行動をした。

佐天が拒んだばかりに・・・。

佐天「もう、止めてください!わ、私いう通りにしますから!」

ジャンヌ「・・・」

ジャンヌは口を拭い、微笑む。

ジャンヌ「・・・ありがとう佐天さん。貴方は私達の希望だから嬉しいわ!」

佐天「希望って・・・」

そんなに誉められては照れてしまう佐天。

ジャンヌ「でも・・・」

佐天「?」

ジャンヌ「だからこそ、貴方に私のすべてをあげないといけないのよ」

パチン。

佐天「あっ・・・!?」

音と共に佐天の思考は停止した。

SARUとジャンヌの世界。

SARU「ジャンヌ・・・君は一体何者なんだい?」

SARUの目線が疑問の目に。

ジャンヌ「何者?言っている意味がわからないわ」

SARU「初めて会った時、君はこう言った・・・」

ジャンヌ『私は貴方に未来を導くヒントを教えてあげられるの』

ジャンヌ『未来を知っているから・・・』

SARU「そして、君の言われた通りに動くとすべてがうまくいった」

SARUはサッカーボールを地面に置く。

SARU「物事は全てサッカー決め、その勝利するための力」

SARUの後ろからオーラが現れ、やがて人の形へ。

化身『超魔神エヴァース』

雪男もとい白いゴリラの姿をしていた。

SARU「アームド!!」

同時に、化身となっていたオーラが分裂。

SARUの鎧になった。

ジャンヌ「・・・」

SARU「君が教えてくれたこの力・・・最高の力だ」

SARU「・・・だが、それをなぜ広めた?」

SARUの目が殺気へ変わる。

SARU「最近だと、他人あるいは人外のオーラとの融合を可能する装置の研究もしているみたいだね」

ジャンヌ「・・・」

SARU「君は何を考えている?」

ジャンヌ「・・・SARU」

沈黙を保っていたジャンヌが、口を開く。

ジャンヌ「貴方になぜ超能力を教えることができたと思う?」

SARUのまとっていたオーラが消え、右手をジャンヌに向ける。

SARU「それは君が僕に教えてくれたからだよ。そして、それを僕が広めた」

ジャンヌ「そうね・・・でも、その超能力をさらに進化した先があるとしたら?」

ジャンヌにもオーラが現れる。しかし、SARUとはまた少し違う。

ジャンヌ「念能力で、未来が見ることができるなら?」

SARU「君は・・・」

『代償の褒美』
ジャン・スナマロの念能力。
自分を媒介するとその代償として、自分が望む力を手にすることができる。

※媒介したものと得た能力。
目を差し出す→未来を目視できる。
サッカーを差し出す→指定した人間がジャンヌと同じレベルのサッカー能力になる。
寿命を差し出す→差し出したぶんだけ相手を支配できる。

ジャンヌ「『代償の褒美』・・・それが私の能力」

ジャンヌ「そして・・・これが最後の念能力よ」

ジャンヌ「私を媒介して、私が望む限りの能力全てを佐天涙子へ!!」

激しい光が二人を包んだ。

佐天が再び気づいた時、自分は学園都市にいた。

佐天「あ・・・れ?」

間違いない。この風景、この建物、全く懐かしい世界だ。

でも、自分はさっきまで見知らぬ部屋で、自分を誘拐したジャンヌに捕らえられていたはずだ。

??「何しているんですか?佐天さん」

振り向く。

佐天「・・・」

もう一年くらいだろうか?

佐天「う、ういはる・・・」

初春「はい?」

佐天「初春ーーー!!」

佐天は抱きしめた。

佐天「ひぐ、ひぐ、しくしく・・・」

そして、佐天は泣いた。

初春「佐天・・・」

佐天「ごめんね、本当。ごめんなさい」

初春「そんな、なんで謝るんですか?」

佐天「だって、私・・・一年もいなかったから・・・」

初春「一年?」

キョトン。

佐天「うん・・・」

初春「なにいっているんですか?昨日会ったばかりじゃないですか」

佐天「え?」

初春は何をいっている?

??「佐天さーん!」

初春「あ!御坂さん達ですよ!」

佐天「あっ!おーい!」

しかし、佐天は考えるのは止める。今、目の前の出来事こそが現実だと知りたかったからだ。

御坂「今日はどこに行くー?」

白井「御姉様・・・もう少し、言葉使いを・・・」

御坂「別に初春さん達に敬語はいらないでしょ?」

白井「それは・・・」

初春「そうですよ。白井さん」

これは幻。

初春「そうでしょ?佐天さん?」

ここは現実ではない。

佐天「・・・」

初春「佐天さん?」

なぜなら。

佐天「あ、うん。そうだね♪」

門を開いていない。

佐天「さぁ、行こう!」

それに。

御坂「それじゃ、行こう!佐天さん」

御坂達は決して佐天涙子をここまで友達扱いはしないから。

佐天は知っていた。

でも、黙っていた。

関係を壊したくなかったから。

別に最悪関係ではない。

少なくとも自分が知っている御坂美琴と白井黒子は決して佐天涙子をないがしろにはしないし、初春も同じだ。

実は佐天は世界を渡るなかで、成長してきた。

現在の今の佐天の姿は、能力を使う前の自分だが中身は違う。

すでにあれから一年間の間に、色々な成長をしてきた佐天涙子だ。

能力向上、筋力向上、精神面の向上。

だから。

感動して初春に抱き合った時に理解してしまった。

ここは自分の幻想世界なんだと。

いつもの喫茶店。

でも、それは佐天達がいつもそこを集合場所にしているから。

だから、仮に別の場所に集合場所にしようとしても出来ない。

他の記憶はないからだ。

だから、三人の会話は佐天が知っている会話しかない。

・・・はずだった。

初春「佐天さん、サッカーしませんか?」

佐天「えっ?サッカー?」

初春「実は知り合いの子供が1日だけでいいからサッカーの試合のメンバーに入ってほしいそうですよ?」

佐天「いやいや、私サッカー出来ないよ?」

御坂「面白いわね。練習したらいいじゃない佐天さん!」

佐天「えっ?私だけなの?」

初春「はい・・・その日は仕事があって・・・」

佐天「・・・」

あざとい。これは彼女の仕業のようだ。

佐天「そういうこと・・・ね」

幻想世界、サッカー、佐天涙子。

このキーワードをちらつかせられて、乗らないわけにもいかないだろう。

佐天「それに・・・」

『貴方を支配するために、私は体を壊している』

目の前で、人が死ぬのは佐天は大嫌いだから。

後は彼女のシナリオ通りに動いた。

エルドラゴという組織のリーダあい会い、そこでベータと出会ってのサッカー練習の日々。

痛みはない。でも、痛いという幻想と辛いという幻想、苦しいという幻想はある。

はっきりいってこの幻想世界は、幻想であるが現実なのかもしれない。

SARU 「やぁ・・・」

そんなある日、彼がきた。

この世界に。

佐天「意外ですね。貴方が現れるなんて・・・」

SARU 「残念だが、僕は遠い所からコンタクトしているに過ぎない。この体は幻想だよ」

佐天「・・・」

SARU 「だから、ここで君とサッカーをしても君には勝てない」

空間が歪む。

それは次元の壁の発生の合図。

SARU 「だから、君の影響を受けない人間を連れてきた」

現れたのは、常盤台の制服を着た女子生徒。ただし、顔は仮面を隠して見えない。

SARU 「さて、試合をしようか佐天涙子。君の力がどれ程のものなのかを」

佐天「・・・」

??。

??「あんたー。焼きそば3つね!」

??「あいよー!!」

シュン。

カランカラン。

??「あんたー・・・って、またいない!?」

??「離婚考えようかしら・・・?」

でも、焼きそば自体は美味しそうに焼き上がっているのだった。

??「ここは、一体!?」

SARU 「審判は彼にしてもらおう。実況もね」

??「へっ!?君は一体!?」

ピッ。

審判「さぁ、始まりました!SARU 率いるシスターズチーム対佐天率いるチームとの一戦だー!!」

佐天「私率いるチームって何か嫌なんだけど・・・」

SARU 「なら、君が名前を考えて決めるといい」

佐天「うーん。>>91かな」

佐天連合

シスターズチーム

メンバーリスト

GK1 ミサカ
DF2 ミサカ
DF3 ミサカ
DF4 ミサカ
MF5 ミサカ
MF6 ミサカ
MF7 ミサカ
MF8 ミサカ
FW9 ミサカ
FW10 ミサカ
FW11 ミサカ
監督 SARU

フォーメーション
3-4-3

GK1ミサカ

DF2ミサカ DF3ミサカ DF4ミサカ

MF5ミサカ MF6ミサカ MF7ミサカ MF8ミサカ

FW9ミサカ FW10ミサカ FW11ミサカ

佐天連合チーム

メンバーリスト

GK1 
DF2 
DF3 クオル

DF4 
MF5 ネイラ
MF6 
MF7 オルカ
MF8 ダーナ
MF9 レイザ
FW10 佐天
FW11 ベータ
監督 佐天

フォーメーション
不明

佐天「ちょっと、待って!私達のチームはまだメンバーがいないわ!」

SARU「おや?人数上では揃っているはずだが・・・?」

SARUは周りを見る。

メンバー11人は揃っていた・・・が。

佐天「この試合に、男は入れたくないのよ」

SARU「・・・なるほど」

SARUはメンバーを全員女性にしている。

ならばこっちも女性にしないと正々堂々的な試合ではないからと佐天は、思っているようだ。

SARU「なら、イメージするといい。ここは、君の幻想世界。知っている友人達を構成できるよ?」

佐天「・・・」

佐天は目を閉じて、イメージした。

シュン、シュン、シュン。

現れたのは御坂美琴、白井黒子、初春飾利。

三人「・・・」

しかし、三人は佐天が生み出した分身。口は開かない。

さらに問題が発生。

佐天のイメージにGKが向く女性がいなかった。

が。

??「GKなら、私がするわ」

二人「っ!!」

それは、この世界を作ったと思われる本人。

ジャンヌだった。

佐天連合チーム

メンバーリスト

GK1 ジャンヌ
DF2 初春
DF3 クオル
DF4 白井
MF5 ネイラ
MF6 御坂
MF7 オルカ
MF8 ダーナ
MF9 レイザ
FW10 佐天
FW11 ベータ
監督 ジャンヌ

フォーメーション
不明

ジャンヌ「私がみんなのコントロールするから、貴方はトップで頑張ってね」

佐天「・・・」

佐天の目はとても冷たい。

ジャンヌ「何か言いたそうね」

佐天「当然です。いっぱい聞きたいことあります」

ジャンヌ「・・・」

ジャンヌは答えない。

佐天「ジャンヌ!」

ジャンヌ「この試合に勝ったら、教えてあげるわ」

パチン。

ジャンヌが指を鳴らすと今までSARUが現れてから石のように黙って立っていたベータ達が動く。

ベータ「おい、佐天!さっさとポジションにつけ!」

佐天「・・・ええ」

すべては試合に勝ってから。

佐天はそう考えることにして、試合に集中することにする。

フォーメーション
3-5-2

GK1ジャンヌ

DF4白井 DF3クオル DF2初春

MF7オルカ MF6御坂 MF5ネイラ

MF9レイザ MF8ダーナ

FW11ベータ FW10佐天

審判「それでは、シスターズチーム対佐天連合チームの試合開始だぁーー!!」

ピー!

審判の笛が鳴る。

試合開始だ。

<<1です。

前々回、ちょっとバグで同じ文面が二回投稿されたことをお詫び申し上げます。

(>_<)

間違えて、こっち側も謝罪文面のせてしまった。(-_-;)

先攻は佐天連合チームからのボール。

ベータ「いくぜっ!」

ベータからレイザへパスし、そのまま走る。

MF7ミサカ「・・・」

MF7のミサカがレイザのボールを奪おうと走ってくる。

レイザ「ダーナっ!」

MF7のミサカが近づく前に、レイザはダーナへパス。

ダーナ「ベータっ!」

ダーナはパスされたボールをそのままベータへ。

ベータ「よし、少し遠いが試し打ちだ!」

ボールがベータに渡った瞬間、ベータは化身を召喚。

ベータ『虚空の女神アテナっ!!』

ゴス風の服飾に大きく広がった頭の羽をし、色の違う二丁拳銃を持った女性化身、虚空の女神アテナが登場。

ベータ「シュートコマンドK02っ!!」

??『アテナアサルト』

バシューーーーーーーン!!!

必殺シュートボールは、GK1のミサカへ。

GK1ミサカ「っ!?」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム0-1佐天連合チーム

審判「開始数分で、佐天連合チームの先取点だぁーー!!」

審判「さぁ、シスターズチームの監督どうするんだ!?」

SARU「どうもしないさ? まだ、試合は始まったばかりだからね・・・」

ジャンヌ「・・・」

ジャンヌ「(何を試している、SARUは?)」

試合続行。

先制されたシスターズチームから、スタート。

FW9ミサカがFW11ミサカにパス。

FW11ミサカはMF6ミサカにパスして、そのままMF5ネイラまでダッシュ。

佐天「・・・もらうね!」

しかし、ボールがMF6ミサカに渡ると同時に佐天が奪い取ろうと走ってきた。

MF6ミサカ「・・・!?」

ボールは佐天に奪われる。

佐天「ベータっ!」

佐天はベータにパス。

ベータ「ナイスカットだ、佐天!」

ボールを受け取ったベータはそのままゴール付近までドリブル。

そこへDF3ミサカが立ちふさがった。

ベータ「そんな守りで、俺を止められるかよ!!」

ベータはボールをDF3ミサカの上空へ。

DF3ミサカ「・・・!?」

その隙に、ベータはDF3ミサカを抜き去り、落ちてきたボールをキャッチ。

ベータ「行くぜっ! 虚空の女神アテナ!!」

ゴス風の服飾に大きく広がった頭の羽をし、色の違う二丁拳銃を持った女性化身虚空の女神アテナが再登場。

ベータ「アームド!!」

ベータの叫び声と共に、アテナは光となってベータに憑依。

アテナの鎧を着たベータ。

ベータ「シュートコマンド07!!」

??『ダブルショット』

バシューーーーーーーーン!!!

必殺シュートボールは、GK1のミサカへ。

GK1ミサカ「っ!?」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム0-2佐天連合チーム

審判「二点目だーー! これは強いぞ佐天連合チーム。シスターズチームの攻撃を許さない!」

審判「さぁ! どうするシスターズチーム!?」

SARU「・・・」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム0-3佐天連合チーム

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム0-4佐天連合チーム

審判「圧倒的! もはやこれは実力に差がありすぎるこの試合!」

ピー-ーーーー!!

審判「前半終了! 佐天連合チーム大量得点で後半試合開始だぁーーー!!」

SARU「・・・さて」

SARU「・・・ハンデはこれくらいでいいだろう」

パチン。

佐天・ジャンヌ「!?」

シスターズ全員の様子が変わる。

全員にオーラが発現。

SARU「ミキシマックスだっ!!」

SARUの合図と共に、11人全員がミキシマックスをする。

GK1ミサカ「ミキシマックス『一方通行』!!」

DF2ミサカ「ミキシマックス『ステイル=マグヌス』!!」

DF3ミサカ「ミキシマックス『神裂火織』!!」

DF4ミサカ「ミキシマックス『浜面仕上』!!」

MF5ミサカ「ミキシマックス『結標淡希』!!」

MF6ミサカ「ミキシマックス『食蜂操祈』!!」

MF7ミサカ「ミキシマックス『垣根帝督』!!」

MF8ミサカ「ミキシマックス『禁書目録』!!」

FW9ミサカ「ミキシマックス『麦野沈利』!!」

FW10ミサカ「ミキシマックス『御坂美琴』!!」

FW11ミサカ「ミキシマックス『風斬氷華』!!」

ジャンヌ「SARU、その力は!?」

SARU「さぁ・・・試合再開だぁー!」

後半戦開始。

シスターズチームからのボール。

FW10ミサカからFW9ミサカにパス。

ベータ「どう変わったか、見せてもらおうじゃねーか!!」

ベータがFW9ミサカにアタックし、ボール奪う。

MF6ミサカ「・・・」

すかさず、MF6ミサカがベータの前へ。

必殺『心理停止』

ベータ「!?」

気がつけば、ボールはMF6ミサカに奪われていた。


『心理停止』
ミキシマックスした『食蜂操祈』の心理掌握という能力の応用。
発動されると意識を一時的に奪われてしまい、ボールは相手に奪われる。
この時の出来事は0.1秒の出来事のため告知されないとわからない。


MF6ミサカはMF5ミサカへパス。

佐天「行かせない!!」

今度は佐天がMF5ミサカへ接近。

MF5ミサカ「・・・」

必殺『移動座標』

佐天「消えた!?」


『移動座標』
ミキシマックスした『結標淡希』の座標移動という能力の応用。
接近してきた相手とぶつかる前に、後ろに転移する。
なお、この時の出来事は0.1秒の出来事のため告知されないとわからないし、相手には素早く抜き去ったしか思わない。


MF5ミサカはFW9ミサカへパス。

FW9ミサカの守りは崩されて誰もいない。

FW9ミサカ「・・・っ!」

必殺シュート『原子崩し』


『原子崩し』
ミキシマックスした『麦野沈利』の原子崩しという能力の応用。
ボールを光玉光線してシュートする。(なお、これはサッカーであるため人に直撃しても死なない)


ジャンヌ「(早いっ!?)」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム1-4佐天連合チーム

審判「後半開始数分で、シスターズチームの先取点! まずは一点取り返したぁーー!!」

審判「しかも、前半とは違い動きもスピードもパワーも段違いだぁーー!」

審判「これは追いついてしまうのか!?」

ジャンヌ「まさか・・・ここまで・・・」

ジャンヌは想像以上のシスターズの変わりように、動揺してしまう。

佐天「・・・」

佐天「(あの審判の人、審判よりもなんか実況の人みたい・・・。審判兼実況かな?)」

一方の佐天は、サッカーに集中していなかった。

ベータ「おい!佐天、何ボーとしていやがる行くぞ!」

佐天「あ、うん!」

我に戻った。

今は試合中。試合に勝つことだけに専念しないければいけない。

佐天「(でも、どうしたらいいの?あの力、結構強力的みたいだし・・・)」

チラリとジャンヌを見る。

ジャンヌ「・・・」

彼女は何も答えない。

佐天「・・・私も化身が出来て、アームドが出来れば・・・」

そもそもどうしたら化身は生まれるのだろうか?

それにそれは全てサッカーの化身のみなのだろうか。

佐天「・・・あれ?」

カードが落ちている。

佐天「何だろうこれ?」

カードには英語で書いており、それを翻訳してみる。

佐天「デイケイト?」

フッ。

佐天「あっ!?」

カードは消えた。

ピーーーーー!!

試合が再開する。

佐天連合チームからのスタート。

ベータからダーナへパス。

ダーナから佐天。

佐天「・・・」

ボールを受け取った佐天は前を見る。

がら空きだ。

そのまま真っ直ぐシュートすれば、GK1ミサカとの1対1。

佐天「・・・」

ここまで、佐天は何もしていない。

佐天「・・・っ!」

何も・・・だ。

ベータ「あの、馬鹿!また・・・」

要するにこのままシュートして、GK1ミサカごとゴールネットに揺らせばいいのだ。

スピードとパワー。

ベータ「おい、何やってんだ佐天!? こっちに・・・っ!」

聞こえない、言わせない、目立ちたい。

SARU「・・・フッ」

佐天「はぁぁぁーーーーーーーー!!!」

ズキューーーーーーン!!

超高速スピードのボールがGK1ミサカに突き進む。

佐天「(これは、トランクス君が教えてくれた強化方法の一つ・・・)」

~回想~

トランクス『佐天さん。強くなるには『気』の使い方も上手にならないといけないんだよ?」

佐天『気?』

トランクス『人間が持つ潜在パワーっていうのかな? それを上手く使うと2倍も3倍も強くなるんだぜ』

佐天『へーそうなんだ。私もブルマさんが作ってくれたトレーニングをクリア出来たらたら、上達出来るかな?』

トランクス『もちろんだよ! 僕、ママに佐天さんが『気』を使えるようなトレーニング方法を考えてもらえるように、頼んでくるね!」

~回想終了~

ズキューーーーーーン!!

佐天「(・・・そして、トランクス君やブルマさんのおかげで『気』のコントロールが出来るようになった)」

佐天「(このシュートは、私の『気』を全てを込めたもの)」

佐天「いっけぇぇぇーーーーー!!!」

超高速スピードのボールがGK1ミサカへ。

GK1ミサカ「・・・」

必殺『絶対反射』

バチン!!

ズキューーーーーーン!!

佐天「えっ?」

ボールは反射して、そのまま佐天へ。

ドキューーーーン!!

佐天「っ!!」


『絶対反射』
ミキシマックスした『一方通行』の一方通行という能力の応用。
発動すると威力をそのままの状態で反射する。

ジャンヌ「っ!!」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム2-4佐天連合チーム

反射したシュートは、佐天にぶつかってなお、弱らずに佐天連合のゴールネットに叩き込まれた。

その驚愕的な威力。

佐天の潜在能力の一部を開花させるようなシュートだったが、それを止めるGK1ミサカ。

前半では全く止める力もなかったはずなのに、ミキシマックスと唱えて変身した途端のこの違い。

もはやミキシマックスは化身アームドを、さらに超えた強化剤といっても過言ではない。

SARU「素晴らしい・・・どうだい、この圧倒的な力はジャンヌ?」

ジャンヌ「SARU。・・・ミキシマックスメモリーを彼女達に埋め込んだのね」

SARUは懐から、パソコンでよく見る形のメモリースティックを取り出した。

カチ。

機械音『上条当麻』

SARU「これを差し込めば、どんな人間であってもそのメモリーに込められた人間の『気』と融合して、強くなる道具」

SARU「つまり、これはいわば人間の能力を記録したメモリーだ」

ジャンヌ「でも、これは使用してもサッカーとしては違法になるから封印したはずだけど?」

SARU「そこにいるベータから、渡されたんだけどな?」

ジャンヌ「何?」

ジャンヌはベータを見た。

ベータ「てへ(´▽`)・・・ごめんなさい。議長から頼まれていたのー」

ジャンヌ「!?」

~回想~

トウドウ議長「佐天涙子・・・」

ピッピッと機械音が響き、そのたびに佐天の様々な角度から見た姿が写し出された。

トウドウ議長「彼女は、何者だ?」

ジャンヌ「現在、調査中です」

突如現れた佐天の正体を探っていた。それほど、彼女の力は強力だったからだ。

ジャンヌ「しばらくは、プロトコルオメガのチームに置き、ベータに監視させます」

トウドウ議長「ベータに伝えとおけ。あくまでも『演じろ』と」

ジャンヌ「了解しました」

シュンと音もなく転送するジャンヌ。

トウドウ議長「さて・・・どうするべきか。このイレギュラーの展開を」

ギュオン。

突如、銀色の渦巻いた壁が現れた。

トウドウ議長「何っ!?」

ギュオン。

二人現れた。

一人は、いかにも旅をしていますといわんばかりの格好をした男。

もう一人は、まだベータやジャンヌ達と年齢が変わらないような学生服を着た少女。

トウドウ議長「君たちは、何者だ!?」

男「私達は佐天涙子という少女を探している者。ほら、御坂くん」

御坂「・・・佐天さんに会ったんですか?」

トウドウ議長「・・・佐天?誰のことかね」

御坂「っ!?」

男「何を言っている? さっきまで君は・・・」

トウドウ議長「なんの話だ?」

御坂「・・・」

御坂はその言葉聞いた途端に震えはじめる。

御坂「・・・やっぱり、あの佐天さんを消さないと・・・佐天さんは・・・」

ギュオン。

御坂はそのまま、ぶつぶつと小言を言いつつ銀色の渦巻いた壁の中へ戻っていった。

取り残される二人。

トウドウ議長「これでいいのかね?」

男「協力感謝します」

トウドウ議長「では・・・聞こう。どうしたらいいのかを」

トウドウ議長「ジャン・スナマロを利用して、セカンドステージ・チルドレンの組織「フェーダ」と手を結ぶ方法を・・・」

~回想終了~

SARU「君は僕達を支援しつつも、影ではエルドラドと内通していたんだね」

ジャンヌ「・・・あの男」

ギリリと音を鳴らして悔しそうな顔をするジャンヌ。

チラリと佐天を見る。

佐天「・・・」

佐天は倒れていた。

ジャンヌ「佐天!?」

近づいて意識を確認。

気を失っていた。

もう、どうでもいいかもしれない。

??「おい!」

そもそも、サッカーってあんなに苦しいスポーツだっただろうか。

??「おい、起きろって!」

せめて化身アームドだけでも出来れば。

??「起きろっ!!」

ガツン!

佐天「☆⌒(>。≪)」

??「ようやく、起きたか・・・」

佐天「いーたいですよ。何ですかアナタは?」

??「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

佐天「カメン、ライダー?」

通りすがりの仮面ライダー「そんなことよりも、カード返せよ」

佐天「カード?」

通りすがりの仮面ライダー「それだよ」

通りすがりの仮面ライダーと名乗る者が、指を差した先には拾ったカードを。

佐天「あれ?いつの間にまた・・・?」

通りすがりの仮面ライダー「返せ!」

佐天「嫌ですよ」

佐天「相談に乗ってくれたら返します」

通りすがりの仮面ライダー「いや、返せよ・・・」

佐天「だから、相談に乗ってくれたら返しますよ」

通りすがりの仮面ライダー「はぁ・・・わーかった!相談乗るよ、それでいいだろ?」

佐天「はい♪」

佐天は微笑んだ。

シスターズチーム9-4佐天連合チーム

それはもう試合ではなかった。

1人の戦い。

ジャンヌ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

FW10ミサカ「・・・」

必殺『超電磁砲』


必殺『超電磁砲』
ミキシマックスした『御坂美琴』の超電磁砲という能力の応用。
ボールを電撃で包んだシュート。(なお、これはサッカーであるため人に直撃しても死なない)


ズキューーーーーーン!!

ジャンヌ「がはっ!」

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム10-4佐天連合チーム

ベータ達はもういない。帰ってしまった。

でも試合は続行している。

笛がなるまで。

ジャンヌ「はぁ・・・はぁ・・・私は・・・」

ボールを中央部へ置くジャンヌ。

一人でキックオフにして、一人で攻守をしなければいけない。

SARU「・・・」

SARUは片手を上げる。

するとシスターズ全員が止まった。

ジャンヌ「はぁ・・・はぁ・・・?」

SARU「なんでこんな状態なのにしている?」

ジャンヌ「・・・はぁ・・・はぁ・・・誓約だ」

SARU「誓約?」

ジャンヌ「・・・ええ」

ジャンヌは見た。

佐天「・・・」

佐天涙子の復活を。

シスターズチーム10-4佐天連合チーム

ロスタイム。

佐天「ジャンヌさん・・・」

ジャンヌ「ごめんなさい・・・色々あって一人で試合してる」

佐天「・・・サッカーって何なんですか?」

ジャンヌ「・・・」

佐天連合チームのキックオフ。

ジャンヌから佐天へパス。

佐天「私・・・とりあえず、一点獲ってきます」

ボール受け取った佐天。

佐天「はぁぁぁーーーーー!!」

全員「!?」

佐天『破壊者デイケイト!!』

佐天は化身を召喚した。

さらに。

佐天「アームド!!」

化身融合。

必殺『エンド・オブ・ワールドシュート』


『エンド・オブ・ワールドシュート』
自身と相手の間に現れる10枚の次元の壁を潜り抜けながら、右足に金色のエネルギーを纏い、エネルギーを潜り抜けながら強化された光弾でシュートする。次元の壁の位置は自動的に佐天に合わせて補正される。
なお、防御不可である。(しても『破壊』される)


GK1ミサカ「・・・」

必殺『絶対反射』

バリーン!

GK1ミサカ「っ!?」

破壊された。

ゴーーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

シスターズチーム10-5佐天連合チーム

SARU「馬鹿な!?」

それどころかもっとやばいことが判明した。

GK1ミサカ「・・・?」

GK1ミサカの様子がおかしい。

SARU「まさか・・・っ!?」

確認する。そして、知る。

ミキシマックスも洗脳も全部破壊されていることを。

ピー!

審判の笛が鳴る。

試合が終わった。

シスターズチーム10-5佐天連合チーム

試合は負けた。

でも、多くを学んで得た試合でもあった。

SARU 「・・・」

バシュン。

SARU は何も言わずに消えた。

ジャンヌ「・・・SARU 」

ジャンヌは去った彼に対して、あれほどの手痛い仕打ちをされたというのに、心配そうな顔をしていた。

シスターズ「・・・」

先ほどまで、サッカーをしていた仮面を被った常盤台の制服を着ているミサカと名乗る少女達。

パカ。

一人の少女の仮面が取れた。

佐天「御坂さん!?」

彼女は御坂だった。

ミサカ「・・・残念ながら、外れですとミサカは当たり前の返答します」

佐天「・・・え?」

ギュオン。

次元の壁がシスターズを全員を包んだ。

佐天「待って!それって・・・っ!?」

ミサカ「・・・それは、貴女が知る必要はありませんとミサカは冷酷に宣告します」

もう影は見えない。

ミサカ「ですが、解放してくれてありがとうございますとミサカは束縛からの解放に感謝します」

佐天「お願いっ!待って、私もも・・・っ!」

消える。

シスターズは世界から消えた。

佐天「・・・」

ジャンヌ「・・・佐天さん」

佐天「あ、はい?」

ジャンヌ「もうすぐ、この世界が消滅するわ。早く貴方も移動した方がいいわよ」

確かにここで引き際なのかもしれない。いや、むしろここだ。

しかし、その前に色々とジャンヌには聞きたいことがある。

佐天「その前ーー」

ジャンヌ「試合に負けてしまった以上、答えられないわ」

佐天「・・・」

ジャンヌ「・・・」

約束は約束。

佐天「わかりました・・・」

ギュオン。

佐天は次元の壁を出現させる。

ジャンヌ「佐天さん」

佐天「・・・何?」

ジャンヌ「・・・その次元の壁と認識しているものは、壁じゃなくて扉よ」

佐天「・・・わかりました」

ギュオン。

佐天は次元の扉をくぐった。

残されたジャンヌ。

ジャンヌ「・・・」

プツン。

消滅した。

次元の空間。

バチバチ。

佐天「え?」

??「わっ!?」

カッ!

佐天と誰かがぶつかった。

そして。

融合した。

これまでの佐天「世界を渡り歩ける能力かぁ・・・」は・・・(>>63>>124まで)

学園都市の能力検査で、いきなりレベル2の(パラレルワールド)世界を渡り歩ける能力を手に入れた佐天。
レベルが低いために元の世界に帰れなくなってしまい能力強化の修行中に、なぜか別の世界に来てしまう。 そこは『サッカーが世界を支配している世界』。
ひょんなことからジャンヌという少女の策略でサッカーをすることになった佐天は、やがてSARUが率いるシスターズチームと試合をするが負けてしまう。
しかし、試合を通して新たな能力や経験を得た佐天は次の世界へと渡るのだが、次元空間にて誰かとぶつかって融合しまった。
果たして佐天は・・・?

彼女の名は食蜂操祈。

恋人持ちで、上条当麻という少し年上の男性と付き合っていた。

その日は、恋人の上条から『話があるから、家に来て欲しい』とメールが届いて上条家に向かっていた。

そして、辿り着き扉を開けた瞬間。

食蜂「え?」

ギュオン。

銀色の渦巻いた壁の中に入ってしまう。

食蜂「ここどこかしら・・・?」

携帯で場所特定しようと確認をするが『県外』文字。

そもそも間違いなくさっきまで、上条家の扉の前にいたはず。

食蜂「来た道を戻れば・・・」

クルリと反転するが、来た道も同じ銀色の渦巻いた空間になっており、出入り口はなかった。

食蜂「そんな・・・」

バチバチ

音が聞こえた。

食蜂「・・・?」

ギュオン。

佐天「え?」

食蜂「わっ!?」

カッ!

誰かとぶつかった。

瞬間、互いに光が発する。

そして。

食蜂操祈という存在は完全に消滅した。

ギュオン。

次の世界にたどり着いた。

佐天「・・・」

しかし、その前に色々と確認したいことがあった。

佐天「・・・私の名前は佐天涙子、14歳」

佐天「能力は『世界を歩く(ワールドウォーク)』で、レベル3」

佐天「・・・」

別に異変はなかった。

佐天「なんだったろう・・・今の」

誰かとぶつかった。

そして体に違和感がある。自分であって自分ではない感覚。

佐天「気にしても仕方がないよね・・・」

すでに彼女は三つの別世界を渡って来たし、その度に信じられない能力を持った人達と関わってきた。

そして佐天もそこで様々な経験をして、成長して新しい能力も得てきた。

だから何が起こっても不思議ではない。

今は佐天が『佐天涙子』であるという認識を信じるしかない。

佐天「それで、ここはどんな世界なのかなぁ・・・?」

男「世界は佐天くんを消滅させようとしている」

男から聞いた真相は残酷だった。

御坂「どういうことですか。それ・・・」

男「佐天の能力である『世界を歩く』が二人いるのだよ」

御坂「貴方でしょ?」

男「違う。確かに私も『世界を歩く』をもっているが、世界はそれだけで佐天くんを消滅させようとはしない」

御坂「・・・?」

男「世界を歩く能力をもった佐天くんが二人いることが問題なんだよ」

御坂「二人?」

別に問題ではないはずだ。二人いようが三人ならうが並行世界は無限大だ。

男「そう。それは宇宙の意志」

男「宇宙は二人の存在は認めているが、世界は認めていないのだよ」

御坂「言っている意味が・・・」

男「簡単に言えば、このままほっておけば二人の佐天は戦い、敗者は世界ごと消滅してしまうのだよ」

御坂「なっ!?」

男「だから、私はここにいる。こちら側の『佐天くん』を勝たせるために、あらゆる犠牲が伴おうと・・・ね」

??「そう・・・佐天さんを勝たせるためなら、なんでもする」

ドス!

御坂「っ!?」

男「がっ!?」

男の体が貫く。剣で・・・。

男「お、おまえは・・・ジャンヌ」

ジャンヌ「・・・」

バシュン。

御坂「消えた!?」

男は突き刺さった状態で消えた。

御坂「死んだ、の?」

ジャンヌ「あの男は、これでは死なないわ」

御坂は警戒する。

ジャンヌ「警戒しないで・・・御坂さん」

御坂「私の名前をなぜ!?」

ジャンヌはニッコリと微笑んだ。

佐天「うーん・・・」

ここは学園都市ではない。

それは理解出来た。

しかし、どんな世界なのかはわからない。

ズシンズシン。

佐天「う、わっと!」

巨人だ。

巨人「・・・」

巨人は佐天を見た。

佐天「こ、こんにちは・・・」

巨人は男で裸だ。眼のやりようが困る。

巨人「・・・」

ペコリ。

ズシンズシン。

巨人は立ち去る。

他の巨人達も佐天を見かけると頭を下げてから立ち去て行く。

佐天「えーと・・・」

とりあえず、ここは巨人がいる世界と認識していいだろ。

佐天「さて、どうしようかな?」

渡るか、もう少しいるか。

佐天の選択は。

ギュオン。

佐天「え?」

突如、目の前に時空の扉が現れた。

しかもその範囲が大きい。

佐天「なんで?」

まだ、自分は能力を行使していない。

ではなぜ現れた?

ズシンズシン。

ギュオン。

中から巨人が現れる。

今度は女性型だ。

女型の巨人「・・・」

ブォン!!

ただし、今度は佐天に攻撃してきた。

佐天「え?」

ズン!

潰れた。

・・・と女型の巨人は思っていた。

しかし、佐天がいた場所に佐天の遺体はなかった。

女型の巨人「・・・」

キョロキョロ。

どこにもいない。

佐天「こっちよ!」

女型の巨人「・・・!」

佐天は女型の巨人の頭上にいた。

しかもいつの間にか、化身アームドをして。

必殺『エンド・オブ・ワールドキック』

『エンド・オブ・ワールドキック』
自身と相手の間に現れる10枚の次元の壁を潜り抜けながら、右足に金色のエネルギーを纏い、エネルギーを潜り抜けながら強化されたキックする。次元の壁の位置は自動的に佐天に合わせて補正される。

女型の巨人は吹き飛び、ズシーンと大きい音と共に尻餅つく。

佐天「はぁ・・・はぁ・・・」

間一髪だった。

あの時、佐天は空へと飛んでいた。

空を飛べる方法は、トランクスが教えてくれたから。

ただ、女型の巨人が佐天に攻撃してきた時には一瞬だが意識がなく、気がつけば化身アームドをして、空を飛んで攻撃をしていた。

佐天「化身アームドって・・・サッカー以外でも使えるのね」

意外な発見でもある。

プシューー!!

女型の巨人の全体が煙で包まれてつつ、蒸発していく。

ドサ!

そして、中から佐天と同じサイズの人間が目の前で倒れ込んだ。

佐天「人!?」

佐天は駆け寄った。

が。

佐天「!?」

倒れていた人間は、そのまま右手で佐天を転倒させる。

ドサッ!

佐天が倒れると同時に、相手は素早く立ち上がった。

??「ごめん・・・」

ぼそりと呟き、そのまま腰にある剣を抜いて佐天に襲いかかる。

グサッ!

佐天「あっ・・・」

今度は間違いなく佐天を刺す。

背中からだが、確実に心臓に。

佐天は即死した。

夢を見た。

目の前にジャンヌがいた。

ジャンヌ「・・・佐天さん、今から貴方に力を渡すわ」

パチンと指を鳴らすと三人の女性が現れた。

全員、目を閉じているので眠っていると思われる。

ジャンヌ「貴方に渡す力は『ヴァルキュリアの力』、『最強の力』、『ギアスの力』を渡すわ」

再びパチンと指を鳴らすと三人の女性は消える。

ジャンヌ「そして、私からは『生存のための吸収』という念を自然発生にしておくわね」


『生存のための吸収』
佐天涙子の念能力。
世界という大きな力から守るための能力。並行世界に飛ぶたびに最初に出会った人間を取り込んで、その世界の住人になれ、能力も得れる。ただし、一世界に一人しか吸収できないし、いくつかの条件を満たさないと吸収できない。

条件1。乙女しか使えない。
条件2。佐天に攻撃した人間。
条件3。佐天の年齢の前後のみ。
条件4。一度死なないと使えない。
条件5。佐天が持っていない能力を見ること。
リスク。
1.吸収した相手の多少の記憶の受け継ぎ。
2.取り込んだ相手は佐天の命のエネルギー化して、消滅する。
3.肉体が変化する。
4.吸収後、13歳の佐天になる。

ジャンヌ「・・・ちょっと、チート行為で強くしたけど、それでも『あちら側』の貴方に勝てるかどうか・・・」

ジャンヌ「頑張ってね、佐天さん」

そう微笑むと、ジャンヌは消えた。

??「っ!?」

人間は気づく。

体が吸い込まれていく。

抵抗しようにも出来ない。

??「な、んで・・・」

そこで人間はあることに気付いた。

??「ま、まさか・・・あの男・・・このために、私を・・・」

ギュオオオオ!!

そして、その人間は佐天に吸収された。

入れるの忘れてた。

最強の象徴は呂布しか思いつきませんでした。

少年の将来は、ある組織に入隊することだった。

しかし、その組織は入隊=死とイメージされており、現に入隊した人達は一年も経たずに死んでいた。

当然ながら、家族や友人達は少年の夢を否定した。

だが、その少年の夢が家族に発覚した夕方。

大きな大事件が起きた。

巨人の来襲である。

巨人は目の前にいる人間全てを補食していった。

それは少年も例外ではない。

しかし、少年はそれよりも目の前に母親が瓦礫に挟まっていることが最優先だった。

助けたい、助けたいという一心で瓦礫を退かそうとするが無意味。

少年の母親は自分を見捨てろと叫んだ。

もう助からない、からと。

少年は『嫌だ!』と叫ぶ。

ギュオン。

また、どこからともなく巨人が現れた。しかも、少年の目と鼻の先に。

巨人「・・・」

巨人は少年に気付き、ゆっくりと歩いて来る。

絶体絶命。

全てが終わる。

そう、少年は覚悟した時。

少年の歴史は変わった。

少年の目の前に、英雄が現れたからだ。

英雄は憧れの組織の服を着て、巨人に立ちふさがる。

??「今、この瓦礫を退かすね・・・」

英雄は少女だった。

少女は少年が動かしても一切反応しなかった瓦礫を一人で、持ち上げてしまう。

??「さぁ!早く」

後から来た母親の友人が、母親を支えつつ離脱し、少年も後についていく。

少年は去る際に、少女の名を尋ねた。

??「サテン」

少女はそう言うと巨人群れに突っ込んでいくのだった。

佐天「あれ?・・・」

気がつけば、佐天は時空の世界で眠っていた。

佐天「何していたんだろう、私・・・?」

少し、記憶を遡るが思い出さない。

佐天「うーーーーん」

考えるが、まったく思い出さない。

佐天「ま、いいか・・・うん」

とりあえず、この世界からは抜けたい。

ギュオン。

佐天はどこかの世界へ渡った。

ギュオン。

ジャンヌ「・・・」

ニヤリ。

これまでの佐天「世界を渡り歩ける能力かぁ・・・」は・・・(>>127>>147まで)

学園都市の能力検査で、いきなりレベル2の(パラレルワールド)世界を渡り歩ける能力を手に入れた佐天。
『サッカーが世界を支配している世界』から『元の自分の世界』へと帰る途中、時空の狭間で迷い込んだどこかの並行世界の食蜂操祈と融合してしまう。しかし、佐天自身は融合した自覚はないまま『巨人が住む世界』とたどり着く。
その世界では時空の扉から現れた女型の巨人に襲われてしまうが、見事に撃退。ただし、その際に女型の巨人から現れた女性に触れた瞬間、再び融合してしまう。そして、再び目を覚ました時は時空の世界で眠っている事に気づく。
融合理由もどうしてこの世界にいたのかもわからない佐天だが、それでも・・・彼女は次の世界へと渡った。



影でジャンヌの笑みがありつつ・・・。

時空の扉。

ありとあらゆる並行世界を繋ぐ禁忌ともいえるもの。

それを使うことが出来る人間は数多くいる。

佐天涙子もその一人である。

佐天自身は、ただ元の世界へと帰ろうとしているのだがレベルが低いために別の世界へと行ってしまい、そこでいつも騒動に巻き込まれてしまう。

だけど、佐天はなんとか騒動を乗り越えて心も身体も鍛えながら元の世界へと目指していた。

それから数年。

佐天涙子は『世界を歩く(ワールドウォーク)』レベル4にまでなり、年齢18歳になっていた。

ただし、それは同じ能力が使える人間達のだけの真実。

実際の佐天は、変わらない13歳の中学生であった。

外見だけ。

一方で『世界』に不可能はない。

同じ歴史でありながら全く違う道を歩む世界も存在した。

たった一つの選択でいくつもの枝分かれする同じでありながら同じでない並行世界。

そのうちの一つ。

超能力が科学によって解明された世界の人間達。

三国志の英雄が全員女性である世界の人間達。

もう一つ存在する三国志の人間達。

日ノ国という世界住む戦国の人間達。

この四つの世界の人間達が住むことを許された世界がある。

ただし元々はバラバラの世界であった。

そのため彼らの願いは『元の世界』に帰ることである。

だが・・・。

そのうちの一人、王元姫という女性は夢を絶たれた。

佐天涙子に吸収されたのである。

佐天「・・・何度目だろう」

世界を渡るたびに、必ず誰かを吸収してしまう。

自分ではどうすることも出来ない。

佐天「・・・ごめんなさい」

佐天は吸収した相手の名前である王元姫という女性に謝罪をしつつ、再び世界を渡ろうとした。

バチッ!

しかし、扉は拒むかのように開くことはしない。

佐天「また・・・なの?」

佐天はため息をつく。

佐天「人を取り込んだ後って、なぜか数日間は扉が開けない・・・」

理由はいまだにわからない。しかし、そうなるとしばらくはこの世界に滞在しなくてはいけない。

佐天「どこか街あるかな・・・」

佐天は考えるポーズとった。

シュン。

そして消えた。

この世界では、人は簡単に死ぬ。

力なき人間は残酷に。

もしくは見せしめに。

だから弱者達は、強き者達についていく。

戦争の世界。

人と人が自分の思想平和を目指して、今日も人をころす。

??「おい、貴様!何者だ!?」

気がつけば、鎧を着た数名男性に囲まれていた。

佐天「・・・」

さて困ったと佐天は思う。

??「その服装からして、敵国の人間だな!?小娘といえど、返答次第では覚悟してもらうぞ!」

相手は自分を敵と認識している可能性が高い。

これでは学園都市とか近代話しても信用してくれない。

逃げるか、それとも。

佐天「・・・」

決断した時。

??「待て」

違う声が、二人の間に入った。

その男は、全身金色の服装を着ていた。

??「家康様・・・」

佐天に刃を向けていた男達が一斉に家康という男へと視線を向ける。

家康「お前達は子供に刃をいきなり突きつけるほど疑心暗鬼になっているのか?」

??「あ、いえ・・・」

家康「この世界にまだ慣れていないから、不安になっているのもわかる。でも、だからこそ冷静に人々を見極めるべきではないだろうか?」

佐天「・・・」

佐天はこの男には『何か』あると感じた。なんせ襲ってきた男達は家康に、萎縮しているのだから。

家康「ここは、俺に任せてくれないか?」

??「はぁ・・・わかりました」

男達は家康になだめられて去っていく。

佐天「・・・」

家康「さて・・・」

家康は佐天を見た。

家康「君は・・・別の世界の人間かい?」

佐天「どうして、そう思うの?」

家康「簡単な答えさ。俺も君と同じくこの世界の人間じゃないから。だから、その特有の違和感を感じるのさ」

佐天「・・・」

理解はできる。

問題はこの男が信用できるかどうかだ。

佐天「試したいことがある」

家康「なんだい?」

佐天「ある人から聞いたの・・・戦うことによって人の心が読めるって」

家康「・・・」

佐天は両足横向きし、両手の拳を構えた。

佐天「だから・・・戦ってほしい」

家康「わかった。それで君が俺の言葉を信用するなら・・・」

コクリと佐天は無言のまま首を縦に振る。

佐天「・・・っ!」

ドンっ!とスタートラインを切るように、家康へと走る。

家康「・・・はっ!」

家康の右拳が佐天の顔面へ。

佐天「・・・」

と当たると思いきや佐天は左へと首を横に避けつつ、今度は家康の顔面へ。

家康「ふんっ!」

バシッ!と佐天の拳を反対側の手で受け止め、避けられていた右拳は今度は横へと走る。

佐天「・・・」

しかし、佐天も反対側の手で受け止めて互いに片手をつかみ合った状態のにらみ合い。

二人「っ!!」

だけどそれも長くは続かずに、お互いは離れて距離をとる。

佐天「・・・ならっ!!」

佐天はその距離から拳を家康へ。

家康「っ!?」

一瞬家康に動揺が走る。

なんせ佐天の片側の手が大きくなったのだから。

家康「くっ!」

家康は両腕で守りのガードで防ごうとするが、佐天の巨大拳のスピードは止まらず、家康は地面を削るように後退させられる。

だが、家康自信に大きなダメージには至らないようだ。

佐天「・・・なら」

スボッと巨大右手から自分の手を抜く。

バシュンと抜けた手はあっというまに蒸発して、骨だけとなる。

家康「・・・面白い力だな。君は」

それを見る家康は、佐天の能力が自分の知らぬ力なのかこんな状況でも興味を抱いて関心する。

佐天「そう・・・では、これはどうかな?」

佐天の髪が銀色に変わり、目が紅くなった。

油断したといってもいい。

家康はそう思った。

だが、それとは裏腹に彼女の力はここで止めるもしくは欲しいと思った。

それほどに彼女の力は強かったからだ。

??「家康さん。なんだい?」

一人の青年が呼ばれた。

家康「実は忠勝と一緒に、しばらく佐天の護衛をしてほしい」

??「護衛、ね・・・」

青年もわかりやすい嘘だなとという顔をしているが、別に嫌がる様子はない。

恐らく先ほどの戦いを見て、青年も家康と同じような考えに至ったのだろう。

佐天「・・・」

佐天は何も言わない。

??「よろしくな」

青年は握手を求める。

佐天「はい・・・」

すると佐天は何の警戒もなく応じた。

??「・・・(これは)」

佐天「あの・・・お名前は?」

??「俺?俺は・・・」

青年は微笑む。

浜面「浜面って言うんだ。だから、これからは浜面でいいぜ」

こうして佐天は、ひょんなことから家康の保護を受けることになるのだった。

家康が住む街から少し離れた街。

??「恋殿ー!恋殿ー!」

恋殿と呼ばれた少女は声の方へ意識を向ける。

恋「何・・・ネネ?」

ネネ「家康殿から、同盟の書状がまた来ました!!」

恋「・・・そう。それだけ?」

ネネ「はい。それだけです!」

恋「燃やして・・・」

ネネ「了解ですぞー!」

ネネは書状を恋の目の前で燃やした。

恋「・・・紙いらない」

恋はちらりと辺りを見た。

そこには沢山の動物達がいる。

しかし、みな少し痩せ干そっていた。

恋「食べ物・・・」

この国は恋という少女が王の国。

別名『動物の国』

佐天「動物の国・・・」

浜面「まぁ・・・簡単に略すとな」

数日後、佐天と浜面と本田忠勝の三人はその国へと来た。

目的は同盟。

なんでも家康の考えは、彼女の国はほぼ動物だらけで、脅威はないらしいがこのご時世なので保護しようと思い何度も話かけているらしい。

同盟も言わば言葉のあやにすぎない。

佐天「別に、そのままでいいんじゃないの?」

浜面「そーもいかない。その恋っていう王様は色々と脅威になっているのさ」

佐天「脅威?」

浜面「その恋っていう王様は三国志の英雄呂布なのさ」

佐天「三国志の英雄呂布?」

佐天は『?』のマークを頭に浮かばせる。

浜面「え?呂布しらないの?」

佐天「知らないわ」

浜面「まぁ・・・過去の記憶がないなら知らないも納得か」

浜面は佐天に呂布について説明。

呂布はある時代の武将無双だったらしく、戦場において最強武将として君臨していた。しかし、曹操という武将の策略により、呂布は仲間に裏切られて処刑される運命の英雄。

佐天「曹操?」

浜面「・・・ああ、そうだね」

浜面はとりあえず、佐天が疑問的発言がすればなんでも教える、というよりもそうしないと佐天は進もうとしないからだ。

やがて。

佐天「わかった。とりあえず三国志という歴史やその英雄達について理解したわ」

佐天は浜面の説明により三国志という歴史を学んだ。

そして、その呂布が住む国の門へ到着。

赤髪の女性「・・・」

小さい子供「・・・」

到着早々にい門番らしき人達が三人を迎えていた。

浜面「・・・」

本田忠勝「・・・」

佐天「・・・」

目の前に武器を持っているせいか、お互いの緊張は高まる。

赤髪の女性「・・・誰だ?」

浜面「俺達は、徳川家康さんの使者で、そちらの王様と同盟していただこうと話し合いに来たんだ」

小さい子供「家康・・・ですか」

佐天「・・・」

佐天は二人の反応が思わしくないので、断る気満々だなと確信する。

小さい子供「一度だけ、返答書状をそちらに送ったですぞ?『断る』と・・・」

浜面「だから、どうしたら断らないのか話し合いをに来たんだ」

小さい少女「なら、徳川殿が直接交渉すればいい話ですぞ?なぜ本人がいない?」

浜面「家康さんは、容態が優れずここまで歩くことが出来ない状態なんだ。だからその代理だ」

佐天「・・・!」

佐天は浜面の発言に耳を疑い、そして家康そのものにも疑心を抱いた。

だって、浜面の言葉は嘘なのだから。

その後、浜面は嘘を沢山つきながら何とか呂布にとりつこうとする。

いつしか相手は小さい子供が浜面の相手をするようになり、赤髪の女性は何も言わなくなった。

ただ、佐天はその赤髪の女性に対してある違和感を持つ。

佐天「(・・・私?)」

身体が言う。これは呂布だ・・・と。

そして、私も呂布の一部を持っていると。

佐天「はっ!?」

寝ていたらしい。

気がつけば、もう夕方。

佐天「ふぁ・・・なんか長い夢だったなぁ」

少し、思い返そうと記憶を思い返す。

けど、もう思い出さない。

佐天「世界かぁ・・・」

さまざまな世界を渡る物語。

それは。

終わり。(T-T)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月09日 (水) 05:46:33   ID: 0TEEfVGI

クリリンも地球人だけどな

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