浜面「ライダーズギア?」一方通行「オルフェノク?」上条「変身!」(231)

仮面ライダー555×禁書目録です。

・基本的には555キャラは出てこないです。

・恐ろしい程の亀更新です。

・禁書キャラが死んでしまう事も有り得ますので、ご了承下さい。

では、どうぞ。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364730911

期待 (*`・∀・´)♭ガンバレヨ

1月のある日、学園都市を青い光が包んだ。

だがそれは、単なる自然現象や、魔術師の仕業などではない。

そして光は、学園都市の学生達をも包んでいく。

その青い光を、科学者達は『使徒転生』と言った。

>>2

ありがとう。頑張るよ。

翌日、上条当麻の部屋に荷物が届けられた。

このアタッシュケースが、全ての引き金となるのだが、まだ彼は知る由も無い。

上条「アタッシュケース?珍しいな…」

同居人、インデックスがイギリスに帰っている上条家に、久々の来客が訪れた。

最も、アタッシュケースは彼女のように家の食料を食いつぶしはしないが。

兎に角、中身を確認しない事には始まらない。

テーブルに置いたケースを開くと、そこには上条の想像を超えた物が入っていた。

誰が、ケースの中に携帯電話が入っていると考えられるだろうか。

携帯電話だけではない。ベルトらしき物や、カメラ、ポインターまで入っていた。

上条「仕送り……じゃないよな」

当たり前の事を、再確認した。

カメラはともかく、携帯電話は一応持っている。旧式だが。

上条「はぁ……何なら今流行りのスマートフォンにして欲しかったぜ」

ケースにスマートブレインって書いてあるのに。
と、付け加える。

片手で携帯を弄りながら、呟いた。

上条「折角だから、変えようかな。携帯」

何故かその携帯には、自分の携帯のデータが、そのまま入っていた。

一方通行「……何なんですかァ?コレは…」

学園都市第一位、一方通行は悩んでいた。

昨日から、能力が使えない。

その代わり、何かとてつもない力が自分を満たしている。

それを確かめようと廃車場に訪れた彼を待っていたのは、灰色の怪物に変化した、己の姿だった。

まるで、馬のようなその姿をガラス越しに見た彼の心を、疑問と少しの恐怖心が支配している。

一方通行「くかかか……浜面クンのこと言えねェなこりゃ…」

精一杯の強がり。それすらも、無意味。

とりあえず、家に帰ろう。

そう決断し、打ち止めの待つ黄泉川家へと足を動かした。

一方通行「三下…オマエならどうする……?」

一方通行の頭には、かつて自分を倒した男の顔があった。
_____________________

打ち止め「お帰りなさーい!ってミサカはミサカはあなたをお出迎えしてみる!」

一方通行「ハイハイただいまァ」

腰に抱きついてくる打ち止めを引き剥がし、自室へ向かう。

………筈が、それより先にある物に目が向かった。

それを察して、打ち止めが説明した。

打ち止め「あ、それはね、変なお兄さんがついさっき置いて行ったのってミサカはミサカは」

一方通行「アタッシュケースかァ?
……とりあえず、持っていくぜ」

右手にアタッシュケースをぶら下げて、再び歩き出した。

一方通行「………ってクソガキィ!変なヤツ家に入れてンじゃねェ!」

とりあえず、今日はここまでです。

上条さんメインで話は進められますが、一応主人公は上条一方浜面となっています。

では明日の浜面編で。

つーか、一方通行がいつの間にかホースオルフェノクになってる件について

スマートフォンの画面を消し、浜面仕上は深く溜め息をついた。

あいつの言葉を借りるなら、「不幸だー!」とでも言うべきか。

つい先程、彼女の滝壺からデートキャンセルのメールが届いた。

それだけではない。今日は何故か『アイテム』の招集も無い。完全なフリーの日だ。

浜面「はぁ…………滝壺ぉーー………」

上条や土御門が聞いたら問答無用で殴られそうな色惚け。

あぁ、やはり恋愛とはいいものだ。

「浜面仕上君だね?」
う後ろから、声が聞こえた。

浜面「………何すか?」

木山「いや、車の鍵を落としてしまってね。探して貰えないかい?」

じゃあ、何で名前呼んだんだよ。

心の中で突っ込みを入れた浜面だが、依頼した女性はかなりの美人である。

浮気のつもりは無いが、女性成分が不足している彼には、悪くない話だった。

木山「そうそう、車の中にお礼の品もあるんだ」

とどめの一撃。

浜面「案内して下さい!」

『お礼の品』を勝手に想像して、浜面は木山と共に駐車場へ向かった。


説明忘れてましたが、一人のキャラに二人以上のモデルがつくことが有ります。

>>14の指摘通り、一方さんは草加と木場。

上条さんは巧と啓太郎。

御坂は木場と結花にしようと思っています。

浜面「………見つかんねえ」

駐車場で屈みながら、浜面は姿の見えない鍵にぼやいた。

元々、車はピッキングすることが多かったせいか、中々鍵は姿を見せない。

痛くなる腰をさすっている浜面に、木山が近づいてきた。

口には笑み、右手に鍵を携えて。

木山「ありがとう。君のお陰だ。」

浜面「いや、でも俺何もしてないし…」

木山「さてと、ちょっと待っててくれよ」

謙遜する浜面を意に介さず、木山は車の鍵を開けた。

再び浜面の所に戻ってきた時には、後部座席にあったそれを、左手に持っていた。

木山「これだ。是非使ってくれたまえ」

浜面「これ………か?」

それは、銀色に輝くアタッシュケースだった。

学園都市某所、『窓の無いビル』内。

アレイスター「三人の主人公、三種類のライダーズギア………か」

学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリーが呟いた。

不思議と、楽しそうな口調で。

アレイスター「ファイズ、カイザ、デルタにオルフェノク…。これからどうなるかな、学園都市は」

とりあえず、プロローグ完です。

もう分かっている方も多いと思いますが、このssは実際の555とは無関係です。

とりあえず、また上条サイドからお楽しみ下さい。

上条「おいおい……マジかよ!」

ケースに付属している説明書を読んでいくうちに、上条はある事に気づいた。

上条「何だよ…ファイズギア?!オルフェノク?!訳わかんねえよ!」

ケースの中身、もといファイズギアは、電化製品の一面を持ちながら、明らかに何かと戦う為に作られている。

カメラはガントレットに、携帯電話は、何やら駆動鎧らしき物を身につける為のアイテムらしい。しかし、

上条「オルフェノクって何だよ…」

戦うべき相手である筈の、『オルフェノク』がイマイチ分からない。

上条「魔術結社の一つか?」

有り得ない持論を展開する上条だが、近いうちにその正体を理解する事になる。

上条「いないか……」

土御門を訪ねてみたが、どうやら外出中らしい。

上条「どうすっか?探すか?」

土御門家の前で思案に明け暮れていた上条だが、そこは主人公。

上条「考えても仕方ねぇ!行くか!」

その後、『上条当麻』というシールが張られているバイクを発見するのは、すぐだった。

上条「チクショウ……不幸だ…
カッコ悪好きだろこのシール!」

ヘッドライトについているゴシック体の名前シールを、必死に剥がしている上条は、端から見ればかなり滑稽だ。

一応書いておくが、上条当麻のシールが貼ってあることから、このバイク……オートバジンは上条にファイズギアと共に渡されたものだ。

要らぬ親切の為に15分程時間をくってしまったが、上条は土御門を探すことにした。

>>29
待った…待った!!
木場と結花合わさったら悲壮ENDしか見えないんですが!?

>>29
ん? どゆこと?

>>36>>37
についてですが、訂正があります。

御坂は真理50、木場40、結花10程の割合です。

結花を入れたのは、話の辻褄を合わせる為ですので、ご了承下さい。

自棄になった上条は、オートバジンを駆り土御門を探していた。

以前浜面から教わったおかげで運転には支障は出ないが、実は上条は無免許である。

一応フルフェイスヘルメットを被ってはいるが、如何せんスリリングだ。いろいろな意味で。

それにしても、中々気持ちよい物だ。と上条は追い風を受けながら思った。

半ばドライブ気分のままバイクを走らせ、金髪グラサンアロハシャツの男がいないか確認する。

すると突然、絹を裂くような少女の悲鳴が聞こえた。

上条当麻を語る上で重要な特徴の一つに、『お人好し』がある。

彼には、自らの危険を省みずに助けられる人間は助けるという、良く言えば勇敢、悪く言えば無鉄砲な一面がある。

それが、彼が多くの人間に信頼され、彼が上条当麻たる理由なのだが。

今回もそれに従って、頭より先にハンドルを持つ手が、声の元へと動いた。

上条「………っ!?」

悲鳴の元へと辿り着いた上条は、信じられないものを見た。

灰色の怪人が、腰を抜かした少女に立ちふさがる。

瞬間、上条は右手を突き出してその怪人へ触れる。

『幻想殺し』の異名をとる彼の右手は、異能の物を打ち消す力を秘めている。

怪人が肉体操作の能力者なら、すぐさま人間に戻り、魔術師が操っているのならば、途端に消え失せるだろう。

しかし、そのいずれかの反応が、彼の目に映ることはなかった。

上条から怪人が遠ざかる。

いや、自分が遠ざっているのだ。

上条の体は、後ろに停めて置いたバイクに激突した。

ちょっと色々あったけど再投下します。

背中に激痛が走る。それと同時に、鈍い金属の音が路地裏に響いた。

灰色の怪人が笑う。

「ははははは!これがオルフェノクの力!」

上条を、むしろ人間を見下すニュアンスを秘めたその言葉に、上条は激しい怒りを覚える。

しかし、どう戦えばいい?

彼の最大の武器である『幻想殺し』は、さっき通用しないことが証明された。

ふと、部屋での事がフラッシュバックする。

上条「……そうだ。オルフェノク。」

説明書の『オルフェノク』とは、目の前の化物のことだと気づいた上条は、バイクの後ろへ手を伸ばす。冷たい金属の感触を確かめると、それを引き上げた。

それは、銀色のアタッシュケース。

上条「覚悟しろよ……ハリセンボンオルフェノク!」

アタッシュケースからベルトを取り出し、腰に巻きつける。

痛みであまりケース内のツールの事は覚えていなかったが、唯一これだけは頭に食い込んで離れなかった。

『幻想殺し』の宿る右手でファイズフォンを開き、親指でコードを入力する。

上条「5、5、5!」

確かめるように口にしながら中央の5のキーを三回押し、左手でファイズフォンを閉じる。すると、

『standing by』

ファイズフォンから電子音声が鳴った。

焦らず、ファイズフォンを頭上に掲げる。

その目に迷いは無い。

上条「変身!」

まるで自己主張でもするように叫び、ファイズフォンをドライバーに差し込み、倒す。

『complete』

先程とは違う音声と同時に、上条の体が真紅の光線に包まれる。

刹那、閃光が発せられた。

あまりの眩しさに、オルフェノクすら目を塞ぐ。

次に現れたのは、上条当麻ではなかった。

それは、銀色の英雄、仮面ライダーファイズ。

手首をスナップさせ、オルフェノクに宣言する。

上条「行くぞハリセンボン!」

「俺はスティングフィッシュだ!」

相対する二人の戦いの幕は、スティングフィッシュの召喚した槍で切って落とされた。

縦横無尽に上条を狙う槍を、銀の鎧を纏った上条は持ち前の動体視力でことごとくかわす。

伊達に、日頃からスキルアウトに絡まれ、相手をしている訳ではない。

1対1なら、並みの敵には負けない。

槍を掴み、お互い至近距離のまま向かい合う。

ふと、焦点をスティングフィッシュから逸らす。

ついさっきまで腰を抜かしていた少女は、すでにその場から消えていた。

良かった。逃げられたんだ。

だが、その優しさが、彼の最大の弱点である。

槍を掴む手の力が抜けたのを、槍の持ち主は逃さなかった。

すぐさま槍を引き、体勢を整えて槍を横に薙払う。

再び、背中に痛みが走る。

横薙ぎを喰らい、コンクリートの壁に体を打ち付けられた。

「くくく………」

勝ち誇ったような笑みを口にし、壁に寄りかかった上条へ、オコゼ(ハリセンボンではない)のオルフェノクが近づく。

「死ねぇ!」

そして、その槍を上条へ振り下ろした。

スティングフィッシュオルフェノクは、2つミスを犯した。

1つは、追撃をしなかった事。

流石の上条といえど、大きなダメージを受けた直後では、まともな防御は出来なかっただろう。

もう1つは、攻撃の方法である。

振り下ろしは、遠心力が相まって、確実なダメージを与える攻撃だ。
しかし、確実な勝利を手にするなら、心臓を一突きにするべきだったのだが、勝利を確信した彼の頭から、それは完全に抜け落ちていた。

振り下ろされた槍は、

上条「まだだ……!」

上条の交差した両腕に、阻まれた。

間髪入れずに、がら空きのオルフェノクの腹部に蹴りを叩き込んだ。

後ろによろめく間に素早く立ち上がり、追撃を加える。

拳と蹴りを交互に、且つ効率的にスティングフィッシュに決める。

獲物を狙う、獰猛な鮫のようだ。
壁際に追い詰め、攻撃を中断した上条は、突然スティングフィッシュに語りかけた。

上条「……お前は一体何なんだ?」

「二度も言わすな!俺はオルフェノク。生物の進化形だ!」

上条「そんな事聞いてんじゃねぇ!お前は何で人間を襲うんだ?あの女の子がお前に何をしたって言うんだよ!オルフェノクが人間より強いからか!?違う!そんな価値観で人を殺していい訳ねぇだろ!!」

戦闘中にも関わらず説教を始めた彼を、ピンチのオルフェノクはただ呆然と見ていた。

だが、すぐ正気に戻ったスティングフィッシュオルフェノクは、眼前の上条、もといファイズに殴りかかった。

空を裂く音から、凄まじい威力であることが分かる。

しかし、上条は難なく左手で受け止めた。
仮面越しから、彼の怒りが感じられる距離でのことだ。

上条「いいぜ……。お前が俺の話を聞かずにあくまで戦うんなら!」

右拳を握り締め、勢い良く振り上げる。

上条「その幻想をぶち殺す!」

渾身の右ストレートは、オルフェノクの顔面に突き刺さった。

断末魔も上げず、オルフェノクは灰となって崩れ落ちた。

不思議と、驚きはしなかった。
怪人だった灰を見ながら、ドライバーからファイズフォンを抜き、『Enter』のキーを押す。

すると、上条が纏っていた鎧が光と共に消え失せ、変身前の姿に戻った。

それにしても、本当にオルフェノクとは何だったのだろう。

疲労した体は、そばにあった壁に預けられた。

上条「やばい……意識が……」

上条の視界は歪み、暗転した。

しばらくして、バイクからおかしな機械音が聞こえたのは、誰も知らないことだった。

訂正です。

>>48で、555の後にエンターキーを押す筈なのですが、書き忘れていました。

お詫びして訂正します。

垣根「どういうことだ?これ」

上条がオルフェノクと戦った日の夜。

学園都市第二位、垣根帝督は、人気の無い空き地に佇んでいた。

垣根「訳わかんねえ灰色の化物に心臓ブッ刺されて死んだと思ったら」

軽く溜め息をついた。やれやれといった感じの、上条とは正反対のものだった。

垣根「生き返って同じ化物になってるしよ」

おふざけ混じりで、垣根は二枚目の好青年から、蛇のような灰色の怪人へ変化した。

垣根「相変わらず能力は使えないしよー。どうすっかねー」

言葉とは裏腹に、楽しそうに垣根は夜の学園都市を歩く。

丸い月が、輝きながら少年達を眺めていた。

  open your eyes……for next Φ′s

  人間を越えた存在……?

   ベルトをよこせ!

  滝壺が音信不通なんだ。

  ファァァァァァイズ君よォォォ!!

魔術と科学とベルトが交差するとき、物語は始まる!

という訳で、第一話終了です。

新キャラていとくんは海堂さんポジションです。

かなり時間を空けてしまってすみませんでした。

まさか垣根がスネークオルフェノクになるとは…

>>61
クレインにしようか迷った末、キャラ的に似ているという理由でスネークにしました。


二話投下

意識を失った上条が次に見たのは、自室の天井だった。

「起きたか?上やん」

声の方へ首を傾けると、見慣れた金髪にサングラス。

昨日散々探し回った、土御門元春が座っていた。

上条「お前……鍵は?」

土御門「悪いな上やん。勝手に使わせてもらったぜよ」

ポケットから鍵を取り出し、上条に手渡す。

土御門「しっかし驚いたぜい。寮の前にアタッシュケースと一緒に倒れてたんだぜ?」

上条「………え?」

信じられない。といった顔で反応した。

確か、自分はあそこで気絶した筈だ。

土御門「おかしなバイクもあったけど、あれも上やんのか?」

上条「あ、ああ。頑張ったらここまで辿り着けた」

もうそういう事にした。

土御門「何気に凄いなそれ」

土御門が苦笑した。取りあえず分かってもらえたようだ。

土御門「まぁ、あんまり無理はしなさんな。
じゃ、お大事ににゃー」 

ガチャン、と扉が閉まる音が、一人の部屋に響いた。

時計を見ると、10時。さっき出掛けたのが3時頃なので、結構な時間が流れていた。

幸い、明日は日曜日だ。寝坊しても許されるだろう。

難しいことは明日の自分に丸投げし、上条はしばらく使っていないベッドの暖かみを堪能する事にした。

時は遡り、午後5時。

ある研究所に、一方通行は呼ばれていた。

一人の科学者が話しかける。

科学者「まずは、おめでとう」

一方通行「化物になったことがかァ?冗談じゃねェぞ」

科学者「化物?いや違うな。あれは、オルフェノクは生物の進化形だよ」

オルフェノク、という単語に、一方通行は反応した。あのアタッシュケースに入っていたマニュアルに、そんな事が書いてあったからだ。

一方通行「それで?やってもらいたい事って何何だよオイ」

科学者「至極簡単なことだ」

科学者「人間を殺し、オルフェノクにするのさ」

一方通行「ンな事しなくても、オマエラの『使徒転生』とやらでいいんじゃねェのかァ?」

科学者「出来れば私もそのように楽に行きたいのだよ。だが…」

一方通行「何だよ」

科学者「……出来ないのだ。『使徒転生』とは、オルフェノクのパワーを光に収束し、光に触れた素質のある人間をオルフェノクに変える物だ。」

科学者「その逆に、オルフェノクが自ら力を注ぎ込んで人間を殺し、オルフェノクを作るのを『使徒再生』という。」

一方通行「……つまり、才能0に何掛けても0ッてことかァ」

科学者「説明の必要がないから助かるよ。」

補足

使徒転生は、このssオリジナルの技術です。

しかし、使徒再生はさ実際のファイズに出てきます。

研究所を後にした一方通行は、脇に停めてあるサイドカーの鍵を解いた。

黒と黄色で彩られた、通常のバイクよりも少し大きいそれに跨がりエンジンをかける。

バイク特有の雄叫びを上げ、彼の知らない、サイドバッシャーという名前を持ったサイドカーは学園都市の道路を駆けていく。

研究所を後にした一方通行は、脇に停めてあるサイドカーの鍵を解いた。

黒と黄色で彩られた、通常のバイクよりも少し大きいそれに跨がりエンジンをかける。

バイク特有の雄叫びを上げ、彼の知らない、サイドバッシャーという名前を持ったサイドカーは学園都市の道路を駆けていく。

ごめん誤爆

ふと、女性の悲鳴が一方通行の耳に入ってきた。

もしも上条当麻ならば、今すぐにでもハンドルを回転させて、悲鳴の元へ駆けつけただろう。

しかし、誰でも分け隔てなく救いの手を差し伸べられる上条とは違い、一方通行の守る人間は多くはない。

が、彼は決して冷酷非情な訳ではない。
命を賭して、守るべき者を守る覚悟を、彼はその心に秘めている。

上条が太陽ならば、一方通行はさしずめ影のような存在だ。

迷わずハンドルを操作する一方通行の横を、いぶし銀が駆け抜けた。

一方通行は気づいていた。フルフェイスメットではっきりとは見えなかったが、あの銀のバイクを駆る少年を知っていた。

一方通行「三下………!」

上条が目覚めたのは、昼の11時頃のことだった。

携帯のメール通知のアラームが、目覚まし時計の代わりになった。

眠たそうに目をこすり、先日届いた携帯を開く。

メール確認画面には、彼の知り合いである『浜面仕上』の文字が光っていた。
_____________________
浜面「滝壺が音信不通なんだ。」

上条「………はい?」

メールの文面通り、『アイテム』の溜まり場であるファミレスに足を運んだ上条を待っていたのは、浜面と、その彼女、滝壺理后についての話であった。

上条が注文し終わると、席を離れていた浜面が2つのコップを手に持って戻ってきた。

その内の1つを上条の手元に置く。どうやら、烏龍茶らしい。

悪いな、と礼をいい、コップの中の物を飲み込む。

上条「ぶふぉ!」

何故か口が拒否反応を起こし、茶色い液体が勢い良く吹き出された。

とっさに浜面がメニュー表で防ぐ。幸い、濡れたのは机とメニュー表だけのようだ。

上条「はーまづらくーん……上条さんはコーヒーと烏龍茶とコーラを一緒には飲みませんよ?」

浜面「ほんの出来心だったんだ許してくれ」

上条「………帰ろうかな」

浜面「またまた大将冗談を。なら頼んだ料理は俺が食っても?」

上条「はいはい冗談ですよ
………それで?滝壺さんが音信不通?」

話を切り出した途端、頼んだグラタンが運ばれてきた。

浜面「昨日から、全く消息が掴めないんだ。携帯も繋がらないし、行きそうな所も探したけど、いなかったんだよ……」

上条「ただの遠出じゃないか?心配し過ぎたよ」

浜面「いや、流石に家にも帰っていないのは可笑しいだろ?」

浜面「あぁ………どうしよう……」

頭をもたげて情けない声を出す。しかし、ヤンキー風の男がしていると、何か恐ろしい物を感じる。

作りたてのグラタンを咀嚼しながら、上条は考えた。


もしかして、あれが絡んでいるのではないのか?

灰色の怪人、オルフェノクが。

理由はともかく、オルフェノクが人を襲うのは昨日の事で分かっている。

考えたくはないが、もしかすると。

嫌な汗が、上条の背中を伝う。

軽快な音楽が流れる店内。昼食時とあって、大勢の人々が楽しそうに食事をしている。

その中で彼だけが、ただただ沈黙したまま固まっていた。

浜面「上条!」

急に、思考の空間から現実へ引き戻された。
目の前で浜面が、怪訝そうな顔をしている。

浜面「大丈夫かよ?大将まで」

上条「あ、ああ。大丈夫だ」

目を机に落とすと、さっきまで料理が入っていた皿が、中身を失った姿でそこに置かれていた。

いつの間に食べたのだろう。
そんな些細な疑問が脳内で生まれ、消えていった。

他人が困っていると、行動したくて仕方がない。

そんな人間なのだ。上条当麻は。

上条「分かった。取りあえず探してみるから、何かあったら連絡してくれ」

自分の分のお代を置いて、足早にファミレスを後にした。

浜面「………最後のは俺の台詞じゃね?」

浜面は、去ってゆく上条の後ろ姿を呆然と見つめていた。

浜面「参ったなー。まだ用件はあったのに」

上条には気付かれていなかったが、彼の横には、銀のトランクが存在していた。

浜面「このベルト、どうすっか?」

とあるコンビニ。
研究所から自宅へ帰っていく途中、一方通行は買い溜めておいたコーヒーが切れているのを思い出し、ここを訪れた。

プラスチックの黄色いカゴに、ありったけのコーヒーと、打ち止めの好きそうな菓子を詰め込んだ。

垣根「あ。」

一方通行「あァ?」

レジへ向かう一方通行の足を止めたのは、金髪の少年の声だった。

一方通行「何だよ垣根くン。俺へのリベンジでもしに来たかァ?」

あからさまに嫌そうな顔をしている一方通行。
それは垣根の方も同じだった。

無理もない。彼等はお互い殺し合った仲なのだから。

垣根「お?やんのか第一位。いっとくがこの前の様には行かねえぞ?」

一方通行「上等だ三下ァ。オマエなン」能力が使えなくてもいいハンデにしかならねェよ!」

店内という事を忘れ、ヒートアップする2人。

これって時系列いつぐらい?

>>90
原作終了から少し経った辺りです

やべ酉間違えた。

>>91は俺です

ガラスの自動ドアを通り過ぎ、コンビニの駐車場で相対する2人。

彼等は、学園都市の一位と二位。
彼等が争えば、災害レベルの被害はまず免れない。

少なくとも、この駐車場くらいは簡単に消し飛んでしまうであろう。

しかし、その戦いの火蓋が落とされることはなかった。

垣根「待てよ。お前…………………
能力使えないのか?」

一方通行「悪ィかよ」

垣根「偶然だな。俺もだ」

一方通行「………ほォ」

相手も能力が使えないと聞いても、一方通行はさほど驚きはしなかった。

一応、確認をとってみる。

一方通行「まさかオマエ、灰色の化物になッちゃいねェか?」

垣根「………何で知ってんだよ」

酉実験中

やっぱりな、とでも言うように溜め息をつく目の前の白髪頭の少年を、垣根帝督は黙って見ていた。

垣根「まさか、お前もか?第一位」

一方通行「ご名答ォ。突然能力奪われてオルフェノクだッけ?の仲間入りだァ」

何故かその口調に、危機感は感じられない。

垣根「なんだお前もだったのか………
しっかし何が目的だ?あのクソ研究員共」

一方通行「知るか。それよりオマエ、何のオルフェノクなンですかァ?」

最早2人の脳内から、戦闘という二文字は消えていた。


投下再開

垣根「俺か?俺は………蛇?」

顎に手をあてて、考えるような仕草で答えた。

一方通行「ッははは!蛇ィ?!笑わせてくれンな垣根よォ!」

垣根「あ?蛇の何が悪い!そういうテメェはどうなんだよ第一位!」

一方通行「はァ?なンでオレが言わなきゃならねェンだ?」

明らかに舐めきった口調で垣根の質問を受け流す。

垣根「……ははぁん。あれか。お前恥ずかしくて言えねえのか」

一方通行「……は?」

垣根「ウサギのオルフェノクとかか?見た目的に」

一方通行「ンだと三下ァ!蛇が騎馬に勝てるとでも思ってンのかァ?!」

数秒程、間ができた。しかし沈黙のダムは

垣根「ひゃははははは!あの一方通行が馬ぁ?!お前こそ笑わせんな!」

垣根の笑いで決壊した。

一方通行「舐めてンじゃねェぞ三下が!お前こそ鶴のオルフェノクにでもなッときゃよかッたンだよォ!」

垣根「はっ。負け惜しみか第一位!」

人々が奇異な物を見るような眼差しの中、白髪赤目の少年と金髪長身の少年はお互いを嘲り合っている。

異常事態が、彼らの何かに作用したのだろうか。

しかしその異常事態を、二人はどこかで楽しんでもいた。

「お前達、オルフェノクか?」

聞き覚えのない声が、二人の口論を鎮めた。
いつの間にか、目の前にはスーツの男が立っている。

男「………図星か」

垣根「何の用だ?オルフェノクさんよ」

目の前の男が人間でないことは、不思議と二人には感じ取れた。

男「話がある。ついて来い」

更新遅れてごめん。

遅くなったのは全部乾巧って奴の仕業なんだ

再開します

一方通行と垣根が付いて行った先は、使われていない廃ビルの二階。

男が振り向き、二人に告げた。

男「お前たちは、オルフェノクに与する者か?」

垣根「どういう意味だよ?」

疑問文を疑問文で返されるのは想定外だったのか、少し考えるような仕草の後、男は再び話し始める。

男「人間を襲う気は無いか?」

一方通行「人を?」

男「お前たちも知っているだろう?使徒再生の事を。人間を[ピーーー]事で、俺達は増えていく」

男「そして、いずれオルフェノクがこの世界を掌握する!」

目の前の男の言葉が、酷く滑稽に思えた。

男「……協力してくれるな?」

一本の手が差し出される。取れば彼等の仲間入りだ。

二人は一度、お互い顔を見合わせて

「「やだね」」

はっきりと、決別の意思表示をした。

一方通行「世界征服なンて今時流行らねェぞ三下くンよォ」

垣根「笑わせんなよクソ野郎。生憎俺は化物とはなれ合わない」

男「あくまで、拒否するというのか?」

一方通行「二度言わなきゃわかンねェか?」

男「死ね」

男がオルフェノクに変化し、二人目掛けて触手を飛ばす。

一方通行「うおっ!」

垣根「危ねえっ!」

間一髪、回転して攻撃をかわす。流石は第一位と第二位と言った所か。

一方通行「ざけンじゃねェぞ三下がァ!」

一方通行の色白い顔に、怪しい影が浮かび上がった。

一方通行「オオオオオオ!」

騎馬を模した怪人、ホースオルフェノクに変化し、剣を構えて切りかかる。

しかし、男だったモノ、烏賊の怪人スクイッドオルフェノクはそれを見切り、避けていく。

一方通行『クソがァ!』

力任せに剣を振り、払い、突くが、全く当たりはしない。

それとは対照的にスクイッドは、確実に一方通行にダメージを与えている。

オルフェノクのキャリアとでも言うのであろうか、学園都市第一位が、押されている。

一方通行『メルヘン野郎ォ!手を貸せ!』

こうなればなりふり構っていられない。すかさず後方に控える垣根に援護を求める。

垣根「あのー。あれだ。俺を怪人パーティーに巻き込むな!」

一方通行『何故見てるンですかァ?!オマエも似たようなモンだろうがァ!』

しかし、いつの間にか垣根はドアの後ろからこちらを見守っていた。

男『人間の心を捨て切れぬ者が、オルフェノクに勝てると思うな!』

強烈な一撃がホースオルフェノクに極まり、その勢いのまま、廃ビルの二階から落下した。

騎馬の怪人が、少年の姿に戻っていく。

今度は自分が標的になる可能性を考慮し、垣根もその場を離れ、一方通行の下へ駆け寄った。

そこへ、スクイッドも向かってくる。

状況は最悪。しかし、一方通行の紅い瞳は、諦めの色を感じさせなかった。

サイドバッシャーに駆け寄り、リアカーからトランクを引っ張り出した。

中のベルトを腰に巻き、スライド式の携帯型モジュール、カイザフォンを開き、コードを入力する。

    9、1、3

『standing by』

一切の迷いもなく入力し、右手のそれを顔の左側へ持って行く。

男『させん!』

焦ったような声音で一方通行へ詰め寄った。しかし

垣根『早くやれ第一位!俺の手を煩わせるな!』

スネークオルフェノクと化した垣根により、奇襲攻撃は阻まれた。

一方通行「……冷蔵庫もやりゃあ出来るじゃねェか」

スクイッドと組み合うスネークの後ろで、カイザフォンを持つ手首を裏返す。ミッションメモリーが見え、彼は叫んだ。

一方通行「変身!」

『Complete』

上条のファイズフォンより少し低い電子音声が鳴り、一方通行の体が黄色い光に包まれる。

次に現れたのは、ホースオルフェノクでも、一方通行でもない。

黒の戦士、仮面ライダーカイザ。

変身完了と同時に、ベルトからミッションメモリーを抜き、腰に装着されていたカイザブレイガンにセットする。

『Ready』

先程とは別の電子音声が鳴り、ブレイガンの銃口をスネークの背中に向けた。

一方通行『避けろ垣根ェ!』

叫んだ瞬間、ブレイガンから黄色い光弾が撃ち出される。

それらは垣根に当たる事なく、全弾スクイッドへヒットしていった。

男『ぐあぁ!』

今回はここまでで

ではお休みなさい

一方通行『ラァッ!』

『Blade Mode』の音声と共に、ブレイガンのグリップから黄色い刀身が現れた。

瞬く間に間合いを詰め、逆手に持った剣を振りかざした。

火花を散らし、スクイッドが圧倒されてゆく。

回し蹴りを食らわせ距離を取り、躊躇いなく腰のドライバーに装着されたカイザフォンを展開し、Enterキーを押す。

『Exceed Charge』

ベルトから眩い閃光がブレイガンに送られる。
コッキングレバーを引き、引き金を引くと、一発の黄色い光弾が発射され、スクイッドへ炸裂した。

しかし、ダメージは感じられない。何故なら、それはロックオン用の光なのだから。

網のような光の模様がスクイッドへ刻まれた。

ブレイガンを自身の後ろに構え、疾走する。

一方通行『くたばりやがれェェェ!』

カイザはたちまち光の矢に姿を変え、スクイッドを貫いた。

男『ぐあぁぁ!』

蒼炎に包まれ、スクイッドオルフェノクは無残に灰と化した。

風が吹き、スクイッドオルフェノクだったものが流される。

これが、異形の最期なのか。

俯きながら、カイザフォンを抜いてEnterキーを押した。

変身時と同様に全身に黄色い光が溢れ、カイザから一方通行へと姿を変えた。

どっと疲れに襲われ、近くに停めておいたサイドバッシャーに肩を預ける。

垣根「大丈夫か?」

垣根も、いつの間にか元の姿に戻っていた。

垣根「あれは何なんだ?てめぇ一体……」

一方通行「同じだ」

吐き捨てるように言う。

一方通行「同じ、化物だよ」

ファミレスの帰り、上条は見知った人物に呼び止められた。

白井黒子。治安維持組織、『ジャッジメント』の一員である。

上条としては、この状況は非常に喜ばしくなかった。

上条(……無免許問い詰められたらどうしよう?)

しかし、彼女が問い詰めたのは全く別の事だった。

上条「御坂が行方不明?」

黒子「ええ……昨日から寮に帰ってこず、連絡もないのですの。心当たりはありません?」

上条「他の人には聞いたのか?」

黒子「いいえ。これから聞く所ですの」

何故真っ先に自分に聞いたのか、上条は分からなかった。しかし、彼女は困っているのだ。放っておく訳には行かない。

上条「俺は知らないけど、探してみるよ。何か会ったら連絡する!」

黒子「感謝しますの。あぁ……お姉様………お姉様ぁぁぁぁぁ!」

若干暴走気味のまま、黒子は走り去った。

上条(滝壺さんに続いて御坂まで……何も無きゃ良いけど…)

上条は進路を変更し、御坂を探しに向かった。

その夜、雨が降った。

激しい水のカーテンは、一人の少女を包んでいる。

常盤台の制服を着た少女、御坂美琴を。

幸か不幸か、雨が御坂の顔の涙と共に流れ落ちる。

膝を抱えて泣きじゃくる姿に、いつもの気丈な彼女の面影はなかった。

「情けねェなァ。超電磁砲。」

顔を上げる。そこにあったのは、二人の男の姿。

御坂「………あんた達は……」

一方通行「……テメェと同じ、化物だ」

一方通行と垣根帝督が、そこにいた。

 open your eyes……for next Φ′s

  学校が長期休暇?

   行って来いよ。超電磁砲。

 何で俺の家に?

    待て待て誤解だって!

魔術と科学とベルトが交差するとき、物語は始まる!

という訳でニ話終了

次回浜面変身させようかな……?

三話投下

上条「学校が長期休暇?」

素っ頓狂な声を上げ、土御門にもう一度訪ねた。

土御門「ああ。学園都市全ての学校がな。一昨日から全ての能力者が能力の使用が出来なくなる異例の事態が起こっている」

答えたのは、いつになく真面目な口調の土御門だった。

土御門「上やんも気をつけろよ。何かあるのは間違いない」

忠告の後、土御門は上条の部屋から出て行った。

やはり、オルフェノクが絡んでいるのか?

一人の部屋で、トランクを見ながらこれからの予定を考えた。

やはり、二人を探すのが先決か。

上条「……その前に、朝飯か」

腹が減っては戦は出来ぬ。と誰かが言った。

簡単な料理を作り、皿に乗せる。

上条「いただきます」

一人での朝食が寂しく感じたのは、彼女の存在がここに深く固定されていたからか。

手早く箸を動かして口に運び、皿を平面にしていく。

上条「ごちそうさま」

立ち上がりヘルメットとトランクを持ち、部屋を後にした。

御坂が目覚めて最初に見たのは、自分の子供の頃の顔。

正確には、自分のクローン、打ち止めの顔だった。

可愛らしい寝顔に、御坂の頬が緩む。

垣根「お目覚めか。第三位」

そこへ現れた可愛いとは無縁の長身の男、垣根帝督。

垣根は御坂を一目見ると、

垣根「飯だ。早く来い」

とだけ言い残し、部屋を後にした。その後、

垣根「オラ起きろクソモヤシ!飯作ってやったぞ!」

一方通行「うるせェメルヘン野郎!何ですかァ?!冷蔵庫の次は目覚まし時計のつもりですかァ?!」

目覚まし時計には充分過ぎるレベルの、二人喧嘩だった。

四人「いただきま(ァ)す」

いつもとは違う面子での食事は、騒がしいものとなった。

一方通行「なにこれ無駄に旨ェ」

垣根「ほぉ。てめぇの舌は馬鹿じゃねぇらしいな」

一方通行「え?なンだテメェのかよ誉めて損したぜ」

垣根「殴るぞ」

騒がしいのは二人だけだが。

垣根「………ところで第三位。お前これからどうすんだ?ここに居るのか?」

打ち止め「ミサカはそれでもいいよってミサカはミサカはお姉様を歓迎してみる!」

御坂は俯き、黙り込んだ。今更寮には戻れない。

そもそもここへ来たのは、『彼』ではなかったからだ。

彼は、御坂にとって掛け替えのないヒーローだ。

だからこそ、こんな自分の姿を見せたくなかった。

知ってもらいたくなかった。

嫌われたくなかった。

一方通行「行って来いよ。超電磁砲」

突如、一方通行が口を開いた。

一方通行「どうせアイツの所だろォ?あのアホは確かにアホだが、オマエの思ってるよりずっとデケェ人間だ。オマエが何者でも関係ねェ筈だァ」

ふと、御坂は隣の打ち止めを見る。打ち止めは、彼の言葉を肯定するように、微笑んで頷いた。

御坂「ごちそうさま!」

勢い良く立ち上がり、足早に外出の準備をし始めた。

荷物をまとめ、靴を履く。

御坂「一方通行!」

玄関前で、一方通行の名を呼ぶ。

御坂「……ありがと」

一方通行「何だよ気持ち悪ィ。オラ行けェ」

鬱陶しそうに手を振ると、元気よく御坂はドアを開け、目的地へと駆けていった。

垣根「カッコイー!惚れちゃいそうだぜ一方通行!」

一方通行「…テメェは皿洗いだメルヘン。ここにいる分働けよォ」

ちょっとアンケート

浜面この回で変身させる?

1 変身しなさい!デルタになりなさい!

2 いけないなぁ……いきなり変身なんてしちゃ……
(デルタギアの話だけ)

3 今の浜面に……変身なんて眩し過ぎる……

>>146から>>173まで

ミス

>>168から>>173まで

またミス

>>149から>>156まで

16:30までに何もなかった場合は、こちらで選ばせてもらいます

2つ出てるので、2つ下に決めていただきます。

2か3でお選び下さい↓

3で行きたいと思います。

しばらくお待ち下さい

クサカァ!

オートバジンを駆り、学園都市を回った人捜しの結果は、さんさんたる物だった。

半ば苛立ちを覚えながらスーパーで買った食材を乗せ、帰路についた。

今は1月の中旬。バイクと共に寒風に晒され続けた体は、暖かい昼食を求めている。

駆け足で自分の部屋まで向かい、一刻も早く空腹を満たそうとする。しかし、昼食の時間は少しばかり延びることになった。

御坂「……お帰り」

今まで探していた内の一人、御坂美琴が自室のドアの前に立っていた。

「とりあえず家に入れ」と御坂を促した上条は、買ってきたパスタを茹でている。

日頃インデックスの腹を満たしてきた上条にとっては、料理は朝飯前だ。

あっという間にミートソーススパゲティが二皿出来上がり、それらをテーブルに運ぶ。

上条御坂「「いただきます」」

やはり食事は、一人より二人の方が良い。

そう思い向かいの御坂を見ると、突如彼女が口を開いた。

御坂「しばらく、泊めて欲しいんだけど」

上条の箸、もといフォークが止まった。

上条「……熱とかないよな?」

御坂「んなっ!?失礼ね!」

何故か軽く馬鹿にされた気がした。

御坂「実は…さっき灰色の化物に襲われて、何とかここまで逃げてきたのよ」

御坂「このまま帰るのも怖いし……黒子もいないし、だからしばらくここに居させて?」

家事手伝いもするから、とも付け加える。

次の瞬間、御坂は勢い良く両肩を掴まれた。驚きのあまり、一瞬体が硬直する。

上条「………怖かったろ?」

御坂「ふぇ?!あ、うん……」

上条「安心しろ。俺が絶対守るからな!」

心の中で、海原光貴との約束を思い出した。

そうだ。彼女はまだ中学生なのだ。オルフェノクを怖がるのは仕方がないだろう。ならば、ファイズの力で守るしかないではないか。

上条「だから、お前が良いなら、いくらでも居ろよ」

一方の御坂は、罪悪感に苛まれていた。

自分が怖れている筈の灰色の化物は、他ならぬ自分だ。

正に自作自演と言えるだろう。

いつまで、隠し通せるか。知ってしまったら、彼はやはり軽蔑するだろうか。

そんな事ばかりが、少女の頭の中を駆け巡っている。

上条「さてと、寝袋が役に立つ時が来たか」

御坂「?」

突如上条の口から出た言葉に、御坂が疑問符を投げ掛ける。

上条「いやさ、流石にこれ以上風呂場で寝たら身体が持たない訳で、なけなしのお金で寝袋買ったんですよ……次の日あいつイギリス帰りやがって……」

はあ、と自重気味に溜め息をつく。

「何なら私が寝袋でいいわよ」とも言おうとしたが、上条は必ず断るだろう。

そういう男なのだ。彼は。

兎に角、家事手伝いと食費の半額負担で、臨時のルームシェアが始まった?

浜面仕上は、相も変わらず滝壺理后を探して、道を歩いていた。

しかし、なかなか見つからない。

浜面「くそ……何で平日にこんな人が多いんだよ……」

愚痴りながら、行きつけのファミレスのドアを開ける。

自炊能力の無い彼は、店に行くか作ってもらわないと腹を満たせないのだ。

人混みを反映するかのように、店内も混雑しており、何分か待つように、と指示された。

しかし、この待ち時間が幸運だった。

自分と同じように待っている、ピンクのジャージ姿の少女と、その隣の茶髪の少女。

浜面「滝壺!絹旗!?」

探し者が、ようやく見つかった。

絹旗「っ!?」

茶髪の少女、絹旗最愛は、浜面を見るなり脱兎の勢いでファミレスを出て行った。

滝壺もそれを追おうとするが、浜面に腕を掴まれて不可能となった。

浜面「何があったんだ?話してくれよ」

滝壺の目を見つめ、問いかける。

そして、彼なら信用できると思ったのか、

滝壺「分かったよ、はまづら」

失踪の真実を語り始めた。

浜面「絹旗が……怪物?」

信じられない、といった声で再確認した。

滝壺「うん。灰色の兎さんだったよ」

しかし、彼女の口調は真剣なそれである。

滝壺「だから、きぬはたの気を紛らわす為に、二人で遊んでたの」

浜面「にしてもよ……連絡位くれても良かったんじゃねぇ?」

滝壺「それは本当にごめんなさい」

浜面「可愛いから許す」

昼間からバカップル振りを遺憾なく発揮する二人に、舌打ちが飛んだのは言うまでもない。

滝壺「とにかく、きぬはたを探さないと」

浜面「ああ。昼飯の時間が延びるけど大丈夫か?」

滝壺「うん。早く行こう?」

順番予約をキャンセルし、二人は三人になる為に走りだした。

_____________________

絹旗「………超どうしたらいいんでしょう」

ファミレスからそう遠くない公園のベンチに、絹旗は垣根帝督と座っていた。

過去の因縁など、今はどうでもいい。

ただ、自分の道を示して欲しかった。

垣根「じゃあよ、俺と一緒に人間捨てるか?」

ちょっと寝るわ。

続きはまた明日。お休みなさい。


垣根は本当良いキャラしてるな

絹旗は名前忘れたけど鳥みたいなオルフェノクがよかったかな
海道の事が好きな女

一時間後

垣根「んじゃ、手筈通り行くぞ!」

絹旗「はい!超やりましょう!」

二人が訪れたのは、ごく普通の公園。

そこに、一人の少女が砂場で遊んでいる。

垣根「いいか、あの女の子を脅かして、親が来たら二人纏めてやっちまうんだ、いいな?」

絹旗「……はい!」

絹旗は、戸惑っている。

もう、皆に会えないのか。

元々居た闇の世界の、更に奥へ消えてしまうのか。

垣根「迷いがあるなら、止めた方が良いぜ?」

そんな心情を悟ってか、垣根が言葉をかける。

冷酷非情な第二位を全く感じさせない、まるで絹旗の兄のような口ぶりで。

垣根「俺はこんな身体になっちまってから、平和な暮らしってのはとうに諦めてんだ。別にオルフェノクに仲間入りしたって構わねえよ」

半ば自嘲気味に、誰に向かってか呟いた。

絹旗「超大丈夫ですよ」

垣根「はぁ?」

絹旗「私もついていきますから、また闇にでも堕ちましょうよ」

垣根「……………」

絹旗「オルフェノクも、悪くないかもしれませんよ?」

垣根「………そうかもな」

垣根が口元に笑みを浮かべたのを確認すると、絹旗は砂場へ駆けていった。

絹旗の目が灰色に染まり、兎の姿のオルフェノクに変化する。

突如現れた怪物に、少女は恐れを言葉に含ませた。

「あなたは何者?!ってミサカはミサカは驚いてみたり!」

垣根「………は?」

遠目から見ていた垣根は、少女の風貌を再確認した。

青いワンピース、風に揺れる茶髪、そして特徴的な今の口調。

紛れもなく、打ち止め本人だ。

『何やってンだクソ蛇野郎ォォォォ!』

怒りのままに剣を振り回しこちらに走ってくるホースオルフェノクを想像し、慌てて垣根は変化して少女とオルフェノクの下へ向かう。

垣根『そいつは駄目だぁぁぁ!』

絹旗『は?!何超出てきてるんですか?まだ親は来てませんよ?』

垣根『むしろ来てくれない方が良い!』

目の前で揉める怪物二人を前にして、打ち止めは訳が分からずキョトンとしていた。

垣根『とりあえず、面倒なことになる前にとんずらしねえと……』

しかし、面倒なことは垣根を無視して起こる。

上条「オルフェノク!打ち止めに何してんだ!」

打ち止め「あ、ヒーローさんだ!ってミサカはミサカは手を振ってみたり!」

偶然通りかかった上条が、ベルトを装着し万全の体制でこちらへ向かってきた。

絹旗『ど、どうします第二位?!』

垣根『向こうが戦る気なら、やるしかねぇだろ!』

手を振るジェスチャーで、打ち止めを公園から逃がす。

青いワンピースが自分の視界から消えると、垣根は身構えて上条を促した。

垣根『来いよヒーロー。本気でな』

上条「行くぞ!」

右手に構えたファイズフォンに、変身コードの555、Enterを入力する。

『Standing By』

左手でファイズフォンを閉じ、空へ掲げて叫んだ。

上条「変身!」

『Complete』

ファイズフォンを上から下へベルトに装着すると、赤い閃光が上条を包む。

一瞬の内に、その姿はファイズへと変わった。

『Ready』

セットされたファイズフォンからミッションメモリーを抜き、右手のカメラ型パンチングユニット『ファイズショット』に挿入する。

その間にスネークは間合いを詰め、ファイズへ拳を振るう。

しかし、上条当麻の動体視力はそれを簡単に見切り、カウンターに右拳を腹部に叩き込んだ。

絹旗『超隙有りです!』

いつの間にか警戒していなかった背後を取られ、ラビットに羽交い締めを食らう。

好機とばかりに、スネークがさっきの仕返しのつもりか右ストレートを繰り出した。

突然の出来事に対応が遅れ、逆襲の右ストレートは腹に吸い込まれた。

上条『がっ……』

呻き声をあげた矢先、目の前のスネークがミドルキックを続けさまに繰り出す。

垣根『オラァ!』

上条『喰らうかっ!』

だが、絶妙のタイミングで放たれたファイズのミドルキックによって、二発目は阻止された。

間髪入れずにファイズは後ろのオルフェノクに肘鉄を極めて拘束を解き、上半身を捻ってそのままファイズショットの拳を左頬に入れた。

ファイズに圧されている二人のオルフェノクは、再び横並びの体制になった。

絹旗『どうするんですか!?あいつ超強いですよ!?』

垣根『こうなりゃ、隙を見て逃げ出すか?』

顔を見合わせて相談している二人に、ファイズは問いかけた。

上条『お前ら……何でさっき打ち止めを逃がしたんだ?お前ら、本当に悪い奴なのか?』

普通、あそこで打ち止めを襲うつもりなら、逃がしたりはしないだろう。

その事が、ずっと頭に疑問として残っていたのだ。

その問いを遮るように、灰色の兎が叫んだ。

絹旗『あなたには超関係無いでしょう?!そんな事聞く暇があるんですか?!』

その叫びは、ひどく悲痛に感じられた。

絹旗『うあああああ!』

今にも泣き出しそうな声をあげ、ファイズへと特攻していく。

ファイズは無言でベルトのファイズフォンを開き、Enterキーを押した。

『Exceed Charge』

身体の赤い線、フォトンストリームを伝い、赤の閃光が右拳へ送られる。

上条『うおおおお!』

浜面「絹旗ぁーーーっ!」

聞き慣れた声に、ファイズとラビットは身体を止める。

その隙に、スネークはファイズに蹴りを喰らわせ転ばす。

そして何故か、味方の筈のラビットを突き飛ばし、一人そそくさと逃げていった。

倒れた絹旗は変化を解き、垣根を追いかけようとした。しかし、

上条「待てよ」

彼女の腕は、同じように変身を解いた上条の右手に掴まれた。

上条「聞きたいことがある」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絹旗の話を、彼は聞くべきではなかったのかもしれない。

上条「オルフェノクは……死んだ人間?」

絹旗「はい。私は違いますが、この前オルフェノクが人を殺して、オルフェノクとして生き返らせる所を超見ました」

そこで、さっき滝壺と共に駆けつけた浜面が問う。

浜面「じゃあ、お前は何で……」

絹旗「知りませんよ。気付いたらこんな体になってました」

あくまで淡々とした姿勢を崩さない。そして、滝壺の質問。

滝壺「何で、きぬはたは悪くなろうとするの?」

絹旗「私が、怪物だからですよ」

滝壺「きぬはたは優しいでしょ?」

絹旗「見た目じゃ優しさは分かりませんよ!」

滝壺「でも、少なくともわたしとはまづらは知ってる」

絹旗「………っ!」

絹旗がラビットオルフェノクに変化し、滝壺の首を掴む。少し捻れば、簡単に折れてしまいそうだ。

浜面「滝壺!」

上条「やめろ絹旗!」

浜面が叫び、上条がファイズフォンを構える。

滝壺「大丈夫だよ。二人とも」

しかし、滝壺の声が二人を制止する。

滝壺「きぬはた、何でさっきのもう一人の人は、きぬはたを置いて行ったのかな?」

絹旗「そんなの……邪魔だったからじゃないんですか?」

滝壺「わたしはね、きぬはたに仲直りして欲しいからだったと思う」

二人の会話を、上条と浜面は黙って聞いている。

絹旗「そんな……」

滝壺「きぬはた。わたしにはきぬはたの気持ちは分からない」

滝壺「でも、心が分からなくても、人間でも、きぬはたはわたしと友達でいてくれる?」

絹旗の手が、滝壺の首から離れた。

浜面「絹旗」

浜面の方を見る。

いきなり、拳が飛んできた。

浜面「痛ってぇ…………」

しかしオルフェノク体の絹旗には、浜面のパンチなどダメージにもなりはしない。

あまりの痛さに、浜面は拳を抱えてうずくまった。

浜面「……大将の真似じゃねぇけどよ」

うずくまったまま、話し始める。

浜面「お前にはもう、仲間も友達もいるじゃねぇか。『アイテム』っていう仲間が」

浜面「だから、自分が一人だとか思ってるなら、その幻想をぶち殺してやるよ」

オルフェノクは、絹旗の姿に戻った。それから少しの間の後、

絹旗「良いこと言ってるのに、超締まらないです。やっぱり浜面は超浜面ですね」

滝壺「大丈夫。わたしはそんな締まらないはまづらを応援してる」

浜面「お前ら………」

三人の心は、いつもの日常に戻っていた。

そんな三人を見て、上条の口にも笑みが浮かんでくる。

「残念ですよ。絹旗最悪さん」

声のする方へ四人が顔を向けると、そこには一人の少年がいた。

上条「海原?!何でお前が……」

彼の名は、海原光貴。かつて上条と死闘を繰り広げ、御坂美琴を守り抜く約束をした少年だ。

海原「さて、『裏切り者は始末しろ』とのことですが……」

上条の質問には答えずに横流しに四人を見て、微笑んだ。

海原「全員纏めてやってしまいましょうか」

海原の身体が、見るからに奇怪なオルフェノクへと変わってゆく。

ムカデのオルフェノク、センチピードオルフェノクが現れた。

浜面「下がってろよ」

後ろの滝壺に言い、ポケットから鉄製のシャフトを取り出して、構える。

絹旗『誰が最悪なんです?』

絹旗も浜面と並び、オルフェノク体になる。

海原『僕なりのブラックジョークなんですが……』

最悪は、あながち間違いでもなかった。

彼は、この面妖な姿をえらく嫌っている。

この姿に変化させた償いは、とって貰わなければ。

軽口を叩きながら、ゆっくりと歩を進めていく。

しかし突然、視界から標的が消えた。

オリジナルのオルフェノクって殺されてなったオルフェノクより強い設定なんだっけ

自分が殴られたというのは、頬の痛みと共に実感できた。

自分を殴った男の声がこだまする。

上条『どういうことだ海原!』

海原『ファイズギア……三本のベルトの一つですか』

悠然と立ち上がり、ファイズと化した彼を見つめた。

例え仮面を付けていようと、彼の出す特有の感じは変わらない。

目の前の男は、かつて自分と約束を交わした上条当麻だ。

上条『うおおおお!』

右拳にファイズショットを構え、臆せず海原の元へ駆ける。

>>193

劇中では強いオルフェノクは大体オリジナルだった気がします。

右手主体のファイズのラッシュを、難なくセンチピードはいなしている。

繰り出された拳を受け止め、退屈そうに呟いた。

海原『貴方……前より弱くなりました?』

受け止めた拳を払い、顔面へ裏の拳を叩き込んだ。

上条はそのまま吹っ飛び、近くの木にぶつかった。

頼んでもいないのに赤い光が身体を包み、ファイズから上条当麻へと姿を戻していく。

格が違う。

この数十秒の応酬で、相手の力量を理解してしまった。
そもそも出会って最初の戦闘は、上条の『幻想殺し』があったからこその勝利であると言える。

しかし今は、幻想殺しの意味は無い状況で、完全にオルフェノクの力を使いこなした海原と、まだファイズの力を十分に発揮できない上条とでは上条の敗北は必死である。

倒れた上条に目もくれず、センチピードは浜面達の方へ歩いていく。

滝壺を守るように、ラビットオルフェノクと浜面が立ち塞がる。

海原『邪魔ですよ』

一緒で間合いを詰め、浜面を虫を払いのける様に左へ殴り飛ばす。

続いて向かってきたラビットの攻撃をかわし、ボディブローを一撃。

絹旗『……っ!』

海原『強さも最悪ですね』

うずくまるラビットを無理矢理立たせ、右へ弾き飛ばした。

最後の一人にも、腹部に一撃入れたら大人しくなった。

灰色の怪人を中心に、前方に滝壺、右方に絹旗、左方に浜面、後方に上条が倒れている。

この光景は、海原光貴、センチピードオルフェノクの強さを示威する決定的なものとなった。

海原『さて、誰がオルフェノクになりますかね……』

冗談混じりに倒れた滝壺に手を伸ばす。その時、

『やめなさい』

ふと、誰かの声がした。そちらを振り返り、センチピードは微笑んだ。

海原『その声、貴方でしたか。御坂さん』

そこには、鶴の姿のオルフェノクがこちらを睨みつけていた。

御坂『これ以上何かするってんなら……私が相手になるわよ?』

御坂美琴、クレインオルフェノクの挑発を、変化を解いた海原はやんわりと断った。

海原「やめておきなさい御坂さん。貴方は『ブラックリスト』に入っていない」

御坂『……どういう事?』

海原「人を、殺したでしょう?貴方」

御坂『っ!』

人間体の海原へ、無数の光の羽が降る。

しかし、まるで意にも介さず片手で振り払う。

海原「興が削がれました」

突如踵を返し、海原はその場を後にする。

御坂『逃げるの?』

その問いの後、歩みを止めた海原は答えた。

海原「勘違いしないで下さい。今は僕が『退いてあげる』んです」

彼の言葉には、余裕と、えも言えぬ恐怖が籠もっていた。

時刻は午後3時。

海原が何処かへ消えたのを確認すると、御坂は人間へ戻ってゆっくりと右へ顔を向けた。

御坂「アンタ何してんの?」

そこにいたのは、小さな木に大きな体を隠した垣根だった。

垣根「んだよ。俺がかくれんぼしてたらカッコ悪いかよ」

御坂「何でもいいわ。それより手伝ってよ」

御坂は倒れた四人に駆け寄った。

垣根「……へいへい」

垣根もしぶしぶそれに続く。

まずは、浜面と上条を揺り起こす。

浜面「痛ててて……って生きてる?」

上条「……悪運はいいんだな、俺」

御坂「全く!私が来なかったらどうなってたことか……」

浜面「あれ?あいつは?」

御坂「誰の事?私が来た頃にはあんたら四人が倒れてただけだけど」

浜面「ふーん。そうか」

きっと用事があったのだろう。と勝手に納得し、倒れている滝壺をおぶる。

垣根「俺も手伝ってやるよ」

こちらも面倒くさそうに絹旗をおぶる。

去ってゆく二人に、上条は言った。

上条「気をつけろよ。何かあるのは間違いない」

土御門に言われた忠告だ。

浜面は何も言わず、降った手で上条に了解の意を示した。

御坂「私達も、帰ろ?」

御坂が上条の顔を覗き込む。

上条「ああ、帰ろう。家に」

1月の日の入りは早い。

夜の帳に飲まれる前に、二人は足早に家へと歩んでいった。

午後4時

浜面達を家まで届けた垣根は、結局一方通行の家へと帰ってきた。

垣根「ただいまー」

当然の如く玄関を開けた垣根が見たのは、一方通行の顔だった。

垣根「何だよ待っててくれたのか?俺はお前の旦那かよ」

一方通行「……………」

どうやら、冗談は通じないようだ。重たい空気の中、次に言う言葉を考えている垣根に、一方通行の声が入ってきた。

一方通行「……さっき打ち止めが公園で見たって言う化物の特徴がどう聞いてもオマエなンですけどォ?」

垣根「あー……それは」

一方通行「冷蔵庫リターンの準備はOKェ?」

垣根「待て待て誤解だって!」

聞く耳持たず、ホースオルフェノクへと変化する。

一方通行『何やってンクソ蛇野郎ォォォォ!』

昼間見た未来が、現実のものとなった。

その夜、上条家の電話が鳴った。

タイミング的には夕食の途中だったので、心中いつものように「不幸だ」と呟きながら、上条は受話器を取った。

受話器から聞こえて来たのは、意外な声だった。

上条「ステイル?」

ステイル『あぁ、君か。突然だけど、あの子はもう少し預からせてもらう』

上条「どういう事だ?」

ステイル『心当たりは無いのかい?例えば学園都市をおかしな化物がうろついているとか』

上条「?!」

ステイル『図星みたいだね。とにかく上の命令だ。あの子との再開はしばらく待っていてくれ』

上条「分かった。……頼んだぞ」

ステイル『任せてくれ。絶対に僕が守ってみせる』

ガチャ、と電話が切れ、さっきの通話の内容を再確認した。

上条「大丈夫だよな……?インデックス……」

open your eyes……for the next Φ′s

  目標は三本のベルトですか…

 俺、怖いんだ……ファイズになって戦うのが

    体の調子はどうですか?

         変身!

科学と魔術とベルトが交差するとき、物語は始まる!

三話終了。

質問あったら聞きます。

四話

学園都市某所、『窓の無いビル』

普段は学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリーの居る場所に彼の姿はなく、そこに居るのは四人の若者達だった。

海原「目標は三本のベルトですか……」

その内の一人、海原光貴が呟いた。

「良かったじゃなぁい。怒られずに済んでぇ」

「ボクは裏切り者の始末の方が楽しいけどなぁ」

「………んで、ベルトは誰が持ってるんだよ」

他の三人が、口々に反応する。

最後の一人の質問に、相変わらずの丁寧な口調で海原が答えた。

海原「今の所確認できたのは、上条当麻がファイズのベルト、一方通行がカイザのベルトを所持している事です」

「確か一方」

すいません誤爆

四話

学園都市某所、『窓の無いビル』

普段は学園都市統括理事長、アレイスター・クロウリーの居る場所に彼 の姿はなく、そこに居るのは四人の若者達だった。

海原「目標は三本のベルトですか……」

その内の一人、海原光貴が呟いた。

「良かったじゃなぁい。怒られずに済んでぇ」

「ボクは裏切り者の始末の方が楽しいけどなぁ」

「………んで、ベルトは誰が持ってるんだよ」

他の三人が、口々に反応する。

最後の一人の質問に、相変わらずの丁寧な口調で海原が答えた。

海原「今の所確認できたのは、上条当麻がファイズのベルト、一方通行 がカイザのベルトを所持している事です」

「確か一方通行は、『ブラックリスト』入りもしてなかったぁ?」

「じゃあ、誰が一番早く一方通行を殺せるか、勝負せぇへん?」

その内の一人が、紙飛行機を作りながら言った。

ベルトを奪うのではなく、殺す。

主旨の変わった提案を、海原をはじめ他の二人も了承した。

「あぁー楽しみやわぁー」

感情の籠もらない声と、声の主の紙飛行機が飛び出したのは同時だった。

途端に、空へと放り出された紙飛行機は、真っ白な灰となって地に墜ちた。

海原「触れた物を灰にする能力……ですか」

「いやぁ、何でオルフェノクになる前に出なかったんやろかー」

あははは、と笑い、紙飛行機だった灰を手に取る。

灰は灰のまま、何も起こらなかった。

「最初は誰が行くぅ?」

その言葉を皮切りに、再び彼等は仕事の相談を始める。

彼等は、『ラッキークローバー』

選ばれし、四人のオルフェノク。

上条当麻は考えている。

御坂の作っている夕飯は何かとか、面白いテレビがやっているかとか、そういう類のものではない。

オルフェノクも、一つの命なのではないか。

あの時、上条は二人のオルフェノクを躊躇なく倒そうとした。

あれは、本当に正しかったのだろうか?

守るべきものがあったからと言って、灰にしてしまって良いのか?

ーオルフェノクにも、人間の心があったらどうする?ー

自問自答の後、傍のテーブルに御坂が料理を運んできた。

上条の顔を見つめた御坂は、上条に次の問いを与えた。

御坂「アンタ、一体どうしたの?」

上条「別に、何でもねぇよ。御坂」

目を逸らして、素っ気ない返事をする。

上条「それよりほら、早く食おうぜ?」

問いかけすら逸らして、皿の上の料理に箸を伸ばす。

上条(オルフェノクは……全て悪いのか?)

それから、いつものように時間が過ぎてゆく。

夜も更け、上条は逃げるように眠りについた。しかし、

『別に、何でもねぇよ。御坂』

御坂の中では、さっきの上条の台詞が渦を巻いたまま止まらなかった。

今更だけど垣根のモデルって海堂だけなの?

御坂妹「体の調子はどうですか?とミサカは何気なく一方通行に訪ねてみます」

一方通行「別に?何だよオレが自力で立てるのが嬉しいのかァ?」

御坂妹「かっ勘違いしないでよね!アンタが立てればミサカ達の演算の手間が省けるからよ!
とミサカはお姉さまのツンデレを真似てみます。」

一方通行「あァそうかい」

学園都市の商業施設が立ち並んだ道を、御坂美琴のクローンの一人、通称『御坂妹』と、そのクローンを一万人以上殺してしまった張本人、一方通行が歩いていた。

今更ながら、一方通行はオルフェノクに覚醒してから自らの足での移動を可能としている。
これは一方通行自身あまり把握していないが、オルフェノクの力の一端らしい。

右手をポケットに突っ込み、左手にコンビニのレジ袋をぶら下げながら自分の家まで歩く。

>>217
垣根のモデルは一応海堂しか決めていません。

酉変更

人が行き交う道を抜けて、住宅街へとさしかかった時だ。

背後に、嫌な気配を感じた。

一方通行「クソがっ!」

咄嗟に隣を御坂妹を抱えて右へ転がった。
彼がさっきまでいた筈の場所には一本の矢が刺さっており、それが自分に向けられた殺意の現れである事は明白だった。

「……しくじったか」

オルフェノクだ。

すかさずカイザフォンでサイドバッシャーを呼び、一緒に運ばれてきたトランクの中のベルトを装着する。

9、1、3、Enterの順にキーを入力して、

『Standingby』

一方通行「変身」

『Complete』

カイザに変身した。

はじめまして、光太郎と言うものです。
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377428345/)

トビウオの化身、フライングフィッシュオルフェノクの矢を、カイザはブレイガンで撃ち落としながら全身していく。

刀身の射程圏に入った瞬間、黄色の刃がオルフェノクを襲った。

袈裟切り、逆袈裟、横薙ぎと連続させて左で殴り飛ばす。
負けじとフライングフィッシュも銃身を振るって反撃するが、簡単にかわされ逆に胴体に斬撃を喰らう。

カイザ『くたばれ三下ァ』

『Exceed Charge』

死刑宣告代わりの低い電子音声が鳴り、光子の弾丸がオルフェノクに突き刺さった。

>>224
お前てつをとか言われない?

勝利を確信したカイザは、ブレイガンを構えて眼前の敵を貫こうとする。 

しかし、それは叶わなかった。

突如彼の腹部を痛みが襲い、後方へと吹き飛んだ。
オルフェノクは、一人では無い。
先程止めを刺そうとしたフライングフィッシュオルフェノクは逃げたらしく、今目の前にいるのは屈強な鰐の怪人、クロコダイルオルフェノクだった。

一方通行「っざけンなァ!」

ベルトが外れ、変身が解けた一方通行はホースオルフェノクに変化して戦いを挑む。

クロコダイル『根性ぉ!』

一方通行『ごはァ!』

クロコダイルが繰り出すパンチの、一撃一撃が重い。
召喚した剣で斬りかかるが、碌なダメージも与えられずに脳を揺さぶる強烈なアッパーを叩き込まれた。
それでも尚、あらゆる手段で攻撃を仕掛けるがこちらの傷が増えるばかりだ。

遂にオルフェノクの変化も解除され、力無く一方通行が横たわった。

一方通行「削板ァ……テメェもか……!」

クロコダイル『ん?バレてしまったか!まぁ隠すつもりもなかったんだがな!』

はっはっは!と高笑いをするオルフェノクの正体は、学園都市第七位、削板軍覇。

クロコダイル『いや実は、俺達ラッキークローバーの中で誰が一方通行を倒せるかの勝負をしていてな!
丁度お前がいたから戦おうとしたんだ!』

聞いていないにも関わらず、削板は説明を始める。
しかしこの状況はかなり不味い。
おそらく御坂妹には手を出さないだろうが、自分では奴に勝てない。

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