まる子「たまちゃん、友達料金って何なのさ……」(55)

ごめん、くそ話変わるけど、システムってキーボードで打とうとして、当然siかshiってうたなかんのに最初2つsyと打ってしまった自分に感動したw

たまえ「まるちゃん、知らないの?友達のレンタル制度がはじまったんだよ。」

まる子「なんだいそれは?」

たまえ「友達のいない子のために友達を貸すシステムのことだよ。」

たまえ「このまえIPS細胞をつかってクローンが作れるっていうニュースがあったでしょ?」

たまえ「それがさっそく実用化したんだよ。」

たまえ「このまえ筑波の研究所のIPS細胞を研究している博士がわたしの家にきて、わたしに被験者になってほしいとお願いに来られたんだよ。」

たまえ「で、さっそくまるちゃんに友達レンタルのモニターをやってもらいたいわけなんだよ。」

まる子「なんだかよくわからないけど、なんだか怖いねぇ。」

たまえ「あ、さっそくわたしのクローンが来たよ。」

たまえ2号「オハヨウ、マルチャン。」

たまえ3号「マルチャン、オトモダチニナリマショウ。」

たまえ4号「マルチャン・・・」

たまえ5号「マルチャン・・・」

たまえ6号「マルチャン・・・」

・・・

たまえ10032号「マルチャン・・・」

まる子「ひぇぇ!たまちゃんが一万人以上いるよ!こわいよ!」

クローンたまえ達「マルチャン・・・マルチャン・・」

マルチャン・・・マルチャン・・・マルチャン・・・

まる子「あたしゃ、もうこんな教室にいられないよ!」ダッ!

廊下

クローンたまえ達「マルチャン・・・マルチャン・・・マルチャン・・・」

まる子「ひぇぇ!廊下いっぱいにたまちゃんがいるよ!」ダッ

クローンたまえ達「マッテ、マルチャン、ワタシタチ、オトモダチ・・・オトモダチ」

クローンたまえ達「オトモダチ・・・オトモダチ・・・オトモダチ・・・」

まる子「ひぇぇ!追いかけてこないで!」

クローンたまえ達「ソンナコトイワナイデ・・・ワタシタチ・・・オトモダチ・・・デショウ・・・」

街中

クローンたまえ達「マルチャン・・・マルチャン・・・マルチャン・・・」

まる子「町中のひとがたまちゃんになってるよ!」

まる子「怖いよ!怖いよ!怖いよ!」

友蔵「どうしたんだい?まる子。そんなにあわてて。」

まる子「おじいちゃん、気付かないの?町中がたまちゃんであふれてるんだよ!」

友蔵「おお。それは大変じゃのう。どれ、まる子や、おじいちゃんと一緒に家に帰ろう。」

まる子「うん。」

さくら家

まる子「よかった。どうやら家のなかまでは追ってこないみたいだね。」

友蔵「よかったのう。」

まる子「ニュースでも見てみよう。」

ピッ

ニュースキャスター「現在、世界中が穂波たまえのクローンで溢れかえってる模様です。」

ニュースキャスター「現在確認されている穂波たまえの人数は三億四千万人以上。今後も増え続ける模様です。」

ニュースキャスター「つぎのニュースです。このまえ行われた巨人阪神戦では阪神に電撃移籍したイチローが全打席ホームランを打つなどの活躍を見せ・・・」

まる子「ひぇぇ。世界中にたまちゃんが増え続けているのかい。怖いねぇ。」

友蔵「これ、まる子や。おじいちゃんと一緒にお風呂に入ろう。」

まる子「ふぅ・・・お風呂に入ったらさっぱりしたよ。」

友蔵「まる子や大変だ。」

まる子「どうしたの?おじいちゃん。」

友蔵「どうやら友蔵2号が壊れちまったらしい。」

まる子「な~んだ。」

まる子「って、え?」

友蔵「だから友蔵2号が壊れちまったんだよ。」

まる子「ってことは・・・」

ひろし6号「よう、まる子。帰ってたのか。」

さきこ12号「まるこ、おじいちゃん、ご飯よ!」

すみれ4号「まったく早くきなさい!」

まる子「ひえええ!」

クローンたまえ達「マルチャン・・・」

クローンたまえ達「マルチャン・・・オトモダチリョウキン・・・」

クローンたまえ達「クローンタマエ・・・ヒトリ・・・センエン・・・」

クローンたまえ達「クローンタマエ・・・ニンズウ・・・ゴオクニン・・・」

クローンたまえ達「オトモダチリョウキン・・・ゴウケイ・・・ゴセンオクエン・・・」

クローンたまえ達「ハラッテ・・・」

まる子「ひぇぇ!そんなに払えないよ!」

まる子「助けて・・・」

まる子「助けて・・・助けてよ・・・」

まる子「お願い・・・」

・・・

まるちゃん、まるちゃん、目を覚まして・・・

まる子「ここは・・・」

たまえ「ここは筑波の研究所だよ?どうしたの。大丈夫?」

まる子「なんか悪い夢を見ていたようだよ・・・」

たまえ「なんかバーチャルリアリティーの装置に不備があるようだね。研究者に報告してくるよ。」

まる子「お願い。もうこんな体験はコリゴリだよ・・・」

たまえ「じゃあ、行ってくるね。」

まる子「いってらっしゃい。」

たまえ「まるちゃん、調子はどう?」

まる子「あれ?たまちゃん、やけに帰ってくるのが早いねぇ。」

たまえ「そりゃそうだよ。わたし、たまえ4号だもん。」

まる子「え?」

たまえ4号「だから、わたしはたまえ4号なんだって。」

まる子「そ、そんな。夢じゃなかったの?」

たまえ4号「夢?まるちゃんは自宅で倒れたあと、すぐにここに運ばれたんだよ。」

たまえ4号「そこで検査をうけて、身体に異常がなかったから、こんどは精神に異常がないか調べるためにバーチャルリアリティーを試したんだよ。」

まる子「ちょっと待って。どうしてバーチャルリアリティーなんかをわたしに試すの?」

たまえ4号「だって精神のインストールに問題があるばあいが多いんだよね。このまるちゃんもちょっと精神に異常がありそうだね。」

たまえ4号「こんどはこのバーチャルリアリティーを試そうか?まるちゃん。」

まる子「待ってよ。バーチャルリアリティーなんてやだよ。やめてよ。」

たまえ4号「こんどのものはさっきと違うよ。お母さんを探して旅をするバーチャルリアリティーだよ。」

まる子「そういう問題じゃないよ!」

まる子「やめて!」

バンッ!

たまえ4号「まるちゃん・・・」

たまえ4号「わかったよ。ごめんね。まるちゃん。」

たまえ4号「わたし、まるちゃんにひどいことをしようとしてたんだね・・・」

たまえ4号「まるちゃんの親友として恥ずかしいよ。」

たまえ4号「わかったよ。もうバーチャルリアリティーは試さなくていいよ。」

たまえ4号「それじゃあ、研究員に連絡しておくね。」

ピピピ

たまえ4号「もしもし、研究員さんですか・・・」

たまえ4号「そうなんですか?わかりました。ありがとうございます。」

たまえ4号「まるちゃん、新しいまるちゃんが代わりにバーチャルリアリティーを受けてくれるって。」

たまえ4号「よかったね。まるちゃん。」

まる子「新しいまるちゃんってどういうこと?」

たまえ4号「・・・」

まる子「答えてよ!」

たまえ4号「言ったとおりだよ。まるちゃん6号・・・」

まる子「6号?わたしが?」

たまえ4号「欠陥品は処分しなくちゃいけないね・・・」

たまえ4号「さあ、わたしと一緒に処分場に行こう・・・」

まる子「処分ってことは・・・」

まる子「やだよ!殺されるなんてやだよ!」

まる子「わたし、クローンなの?どうしてこんなことするの?答えてよ!たまちゃん!」

たまえ4号「人類はもう限界なんだよ・・・」

たまえ4号「カーテンを開けてごらん。」

まる子「・・・」

ガララ・・・

まる子「!」

たまえ4号「ごらん。」

たまえ4号「核戦争でもう人類はまともに地上で生活できないのさ・・・」

たまえ4号「そこで人類はIPS細胞を人に植めこむことによって荒廃した地上でも人間が生活できるようにしたのよ。」

たまえ4号「でも、IPS細胞の数には限界がある・・・」

たまえ4号「そこで政府は抽選により、IPS細胞で生き残る人間をえらんだ。」

たまえ4号「それで選ばれたのがわたしなんだよ。」

まる子「そんなことって・・・」

たまえ4号「そして何人かそうして生き残り、クローンを作りだすことによって人類の存亡をはかったのさ。」

まる子「・・・」

たまえ4号「わたしはどうしてもまるちゃんを救いたかった。それでわがままを言ってまるちゃんとその家族も生き残ってもらうことにしたんだよ・・・」

たまえ4号「でも、それってエゴだよね・・・」

たまえ4号「わたしはまるちゃんのクローンが失敗するたびに処分されるのを見てきたんだよ・・・」

たまえ4号「何度も。何度も。」

たまえ4号「正直、胸が痛かった。でもわたしはそれに耐えることができた。」

たまえ4号「それはなぜだかわかる?」

まる子「・・・」

たまえ4号「もうすぐまるちゃんのクローンの完全体が完成するんだ・・・」

たまえ4号「わたしとまるちゃんは永遠を生きられるんだよ?」

たまえ4号「それって素敵なことだと思わない?」

たまえ4号「だから不完全なまるちゃん6号には消えてもらわなくてはならない。」

たまえ4号「マルチャン・・・ネエ・・・マルチャン・・・」

おしまい

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