客「お会計お願いしまーす」


真矢「はい!ただいまー!」ﾀﾀﾀｯ

真矢「一騎君、一騎ケーキ一つ、紅茶セットで。私お会計行ってくるね」


一騎「わかった。頼む」

溝口「メニューの話は終わりな。－－どれ、お客様ご注文の品は俺が持って行こう」

一騎「……お願いします」





　客席

シェリル「あら、真矢ちゃんが来るとばかり思ってたのに」

溝口「俺じゃ不満ですかな？」

シェリル「ええ」

溝口「」ｼｭﾝ

　
シェリル「なんてね。冗談よ。……ただ、」ｸｽｯ

溝口「ただ？」

シェリル「ちょっとした報告があるの、あなただって知ってるでしょ？一騎君や真矢ちゃん……みんなと少し話せれば、なんて思ってただけ」

溝口「かしこまりました。そういうことならお任せを。少々お待ち下さい、銀河の妖精殿」

シェリル「……ふふっ。お願いね」





　数分後。
　客席


一騎「えっと、何か話があるとのことで」

シェリル「仕事中に呼んじゃって、ごめんなさいね」

一騎「いえ、大丈夫です。お客さんはシェリルさんだけですし」

真矢「さっきのお客さんで最後ですから、大丈夫です」

　
シェリル「そんなにかしこまらないでよ。今日はちょっとした報告があって、」

真矢「報告、ですか？」

シェリル「そう、報告。の前に。一騎ケーキ、美味しかったわ」

一騎「ありがとうございます」

シェリル「今度来る時は一騎カレーをご馳走になろうかしら。クォーターで食べたっきりだし」

一騎「……恥ずかしいメニュー名ですみません」

シェリル「覚えやすくていいと思うけど。おまけに解散したとはいえ、UXのメンバーにはあなたの料理のファン、沢山いるのよ？－－ね、真矢ちゃん」

真矢「……一騎君には言ってなかったけど、前に海動さんに呼び止められて、『あのカレー作ったの誰だ』って訊かれたんだ」

一騎「え、」

シェリル「何時か地獄のお二人さんがここに来るかもしれないわね」

一騎「いやいや、そんな……」

シェリル「他のお客さんに逃げられちゃうかもしれないけど。真上さんはともかく、海動はね」

一騎「そこまでは、………多分、無いかと」

シェリル「ふふっ、じゃあ……そろそろ本題」

　
シェリル「私の復活ライブの日取りが決まったの」

一騎「!!」
真矢「本当ですか!?」



　ｶﾞﾗｯ
　ｶﾗﾝｶﾗﾝ

操「シェリル歌うの!?」ﾀﾀﾀｯ

総士「お久しぶりです、シェリルさん」


一騎「総士、来栖」
真矢「いらっしゃい」


シェリル「操君、総士君、久しぶり。最後の戦い以来かしら。戻った後はみんなバタバタしてたから」

総士「そうですね。あれからもうすぐ二ヶ月になりますし」

操「総士は一騎の隣ね。俺はシェリルの隣に座るよ」

一騎「来栖、何度も言うけど、『さん付け』」

操「あ、っと。ごめんねシェリル、さん。総士みたいになりたいって言ったのに、俺まだ人間に馴染めてないんだぁ」

　
シェリル「いいのよ。操君は……そのままでいてほしいわ」ｸｽｯ

総士「そう言わないで下さい。戦いの時は皆流していましたが、」

真矢「森次さんを下の名前で呼び捨てにするの、桐山さんを除くともう来栖君だけかもだし」ｸｽｯ

操「玲二は構わないって言ってくれたよ？」

一騎「俺達はお前が年上を呼び捨てにする度に内心戦々恐々としていた」

シェリル「みんな、そう気にしてないと思うけど。私だって、アルちゃんって呼んでるし」

真矢「わかります。アルちゃ……アルさんだけはどうしても……年上なのはわかってるんですけど」

操「ねぇ一騎、アルはロリババァってジャンルだって聞いたけど、どういう意味？」ｺｿｯ

一騎「テーブルから身を乗り出してそう訊くのか。そして来栖、お前そんな単語をどこで知った」

操「剣司が言ってた」

一騎「……総士」

総士「わかった。後程殴りに行こう」


　ｺﾄｯ　ｺﾄｯ
溝口「さぁて、皆様お茶をどうぞ。－－あと、お客様。他の皆もすぐに集まりますよ」

シェリル「仕事が早いわね。褒めてあげるわ、溝口さん」

　
溝口「ありがたき幸せ。なんちゃって」


操「ねぇシェリル……さん、ライブってことは歌うんだよね!?俺、シェリルの歌好きだよ!」

操「バジュラの星で戦ってる時なんか、もう絶対負けないんだーって思えて。あ、ランカの歌も好き」

シェリル「ありがとう。そのランカちゃんもゲストで歌ってもらうわ。全世界フル中継でね」

溝口「もちろんこの島でも見れるぞ」

一騎真矢総士「!!」

シェリル「真壁司令に掛け合ったの。ようやく上手くいきそうな段階に入ったから、あなた達にも報告」

シェリル「……私の喉はバジュラの星で治ったけれど、あの日まで生きられたのはここで診てもらったおかげ」

シェリル「ま、薬を飲まなかった事については散々怒られたけどね」ｸｽｯ

シェリル「だから、この島に恩返ししたくて。－－まさか、私の歌での恩返しが嫌ってわけじゃないわよね」

一騎「いえ!!そんなことは!」
真矢「楽しみです、凄く」
総士「まさか、この島にも中継が繋がるなんて」

シェリル「この島にライブ機材を持ち込むわけにはいかないから。人手もいるし……そうそう外部の人間を入れるわけにもいかないし」

　
シェリル「……本当は招待したいんだけどね」

シェリル「島から出られない人もいるし。なにより、この島にも聞いてほしいから」

一騎総士「…………」
真矢「シェリルさん……」


　ｶﾞﾁｬ
　ｶﾗﾝｶﾗﾝ

カノン「シェリルさんが来ていると聞いた」
翔子「あ、シェリルさん。お久しぶりです」ﾍﾟｺｯ

咲良「ああもう、一人で歩けるから大丈夫だって!」
剣司「ならいいけどさー」
衛「甲洋にも伝えたよ、シェリルさん来てるって」

操「みんなー、いらっしゃーい」

シェリル「みんな、久しぶり。甲洋君の所にも顔を出さなきゃね」

カノン咲良剣司衛「お久しぶりです」

カノン「何か話があるとのことで」

操「シェリルがまた歌うんだ!」

シェリル「そうなの。私のライブ、ここでも中継繋がるから、必ず見なさいよ？」

翔子「わぁ!楽しみだね、カノン」
カノン「ああ、そうだな」

剣司「うわ、マジかよ最高!」
咲良「楽しみだね」
衛「広登達にも伝えなきゃ、喜ぶよ絶対」
シェリル「少しの間あなた達の空を借りるんだもの。借りる分に見合う……いいえ、見合う以上の物を見せるから。覚悟しなさい」

総士（……空？）

操「うわぁ、どうしよう俺楽しみだ。楽しみだよ!」


一騎「そうだ、剣司」
総士「……………」ｽｯ

剣司「？なんだ、一騎。総士とそろって席から立って」

一騎総士「「歯ぁ食いしばれ」」ｸﾞｯ

剣司「へ？」

　




　数日後。
　某所。


アスラン「お前とルナマリアにはこれから竜宮島に行ってもらう」

シン「一騎達の所？任務でか？」

アスラン「ああ。コレの護衛としてな」

シン「…………音響設備の護衛、か。……でも良いのか？明日はその時間、テロリストの鎮圧に行くんだろ？戦力は」

アスラン「俺だけで充分だ」

シン「……ここは素直に、ありがとうございます、って言っておくよ」

アスラン「楽しんでこい」

シン「了解」

　





　ライブ当日。
　朝。竜宮島。


一騎「アスカさん!」

シン「何だかんだで一カ月ぶりだな、久しぶり」

一騎「お久しぶりです。今日は……遊びに来たってわけじゃなさそうですけど」

シン「………まぁほとんど遊びにって言うか……その、……ルナ!」

ルナマリア「はいはい、秘密よね、秘密」

一騎「秘密？」

シン「秘密だ。いいから気にすんな!!」

シン「行くぞルナ、準備しないと。じゃあな一騎。夕暮れ時にまたみんなで会おうぜ」

一騎「は、はい……」

　


　昼。
　竜宮島。喫茶店。


総士「何か企んでるな」

真矢「企んでるって……そんな言い方しなくても」ｸｽｯ

一騎「秘密、って言ってたんだよな。シェリルさんのライブ関係だとは思うんだけど」

総士「中継用の機材にしては大きすぎる。それに、機材の護衛として派遣されたのがアスカさん達とするなら」

真矢「あの機材に何かあるってこと？」


　ｶﾞﾁｬ
　ｶﾗﾝｶﾗﾝ

操「………」

一騎「来栖？」

操「!!」ﾊﾞｯ

真矢「どうしたの？私達の顔見た途端両手で口を押さえて」

操「……………」

　
総士「まさか…………行ったのか、アスカさん達の所に」

操「…………」ｺｸｺｸ

総士「何か見たんだな？」

操「!」ﾋﾞｸｯ ﾌﾙﾌﾙ

一騎総士真矢「………………」ｼﾞｰ

操「」ﾌﾙﾌﾙﾌﾙﾌﾙ

一騎「……総士、遠見」

総士「…………」ﾕﾗﾘ
真矢「…………」ﾕﾗﾘ

操「!!」

一騎（おとなしくしろ、来栖）
総士（手荒にはしない）
真矢（何もしない、おとなしく吐けば）

操（わあああああ!!心読まなきゃ良かったあ!）

一騎総士真矢「」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

操（どどどどうしよう、近付いてくる!）

　
操（シンとルナマリアが秘密だって言った!秘密だって言ったから、言っちゃ駄目なのに!）

操（みんなを吃驚させたいからって、言ったのに!!）

操（とにかく、逃げないと!）

操「!!」ﾋﾞｸｯ
一騎総士真矢「捕まえた」ﾆﾔﾘ

操（うわあああああああああああ!!）

　ｳﾞｳﾞﾝ

一騎「待てって、消えるな、逃げるなよ来栖」
真矢「そんなに怯えた顔しなくても」ｸｽｯ
総士「冗談だ」

操「…………みんなちょっと本気だったくせに……」

一騎「秘密、って言われたのか？アスカさんに」

操「……うん。秘密、みんなを吃驚させたいからって。だから訊かないで。何を見たのか訊かないで!」

総士「吃驚、か。……そうだな、せっかくだ」

総士「詮索は止める。大人と何か企んでるみたいだが、この際吃驚することにしよう」

操「そうしようよ!みんな絶対吃驚して喜ぶよ!!あの時と同じになるから!!」

　
一騎「あの時？」

操「!!!」ﾊｯ

真矢「来栖君は隠し事が下手だね」

操「もう言わない!!俺もう喋らないから!!」ﾊﾞｯ

真矢「また口押さえたー」

一騎「俺達が秘密を知らないままでいられるか、賭けてみるか？」

総士「結局喋って知ってしまう、に－－」
操「むむむー!」

総士「冗談だ」ｸｽｯ

操「むー…………」ｼｭﾝ

一騎「本当に、冗談だって。無理しなくていいからな、来栖」

真矢「もし喋っても誰も怒らないよ。楽しみなのも変わらない」

総士「同意見だ。僕達も、もうこの話題には触れないようにする」

操「……無理は、しない。けど、」

操「絶対、言わないから。見ててね」

　

　夕暮れ。
　竜宮島。
　山岳地帯。頂上。


シン「お、来たなー」

ルナマリア「お茶とお菓子の準備は万全!あとはお喋りでもしながら始まるのを待つばかり!」

ルナマリア「さぁ、座って座って!総員寛ぎ体勢ー!」

一同「はい!」ｸｽｸｽｯ

マークフィアー「」ｶﾞｼｮｶﾞｼｮ

一同「!!?」

一騎「!!甲洋!いないと思ったらここにいたのか!」

シン「甲洋には手伝ってもらってたんだよ。おかげでバタバタせずに間に合った。ありがとな、甲洋」

マークフィアー「」ｺｸﾝ


翔子「じゃあみんなそろった、ってことだね」

カノン「そうだな。－－翔子、何か飲むなら取ってくるが」

　
翔子「ううん。一緒に行こう」ﾆｺｯ

カノン「……わかった」



芹「ブルーシートの上にゴザ敷いてるんですか？」

ルナマリア「シンがどうせならゴザが良いって騒いでね。そのまま敷くわけにもいかなかったから」

シン「ゴザ!いえす!日本!」ｷﾘｯ



衛「アスカさんってゴザが好－－」

広登「衛先輩!これ、持ってきちゃいました!」ﾀﾀﾀｯ ｺｹｯ ｶﾎﾟｯ

衛「ゴウバイイイイイン!!!」ｶｯ



里奈「何やってんのよ……」ﾊｧ

暉（……遠見先輩の隣に座りたいな……）

里奈「あんた、無謀なこと考えてないでしょうね」

暉「無謀ってなんだよ!つか人の心読むなよ、フェストゥムかよお前」

　
里奈「ばーか、双子なんだからわかるわよ。読まれたくなかったら少なくとも顔に出すなっての」

暉「……くそ、出てるのかよ俺……」



真矢「ホークさん、ケーキ持ってきました」

ルナマリア「一騎ケーキ？」

真矢「はい」

ルナマリア「ありがとう大好き!一騎君（ケーキ）大好き!」ｷﾗｷﾗ



一騎「……………」

剣司「ようよう、モテてるな一騎ー」ｹﾗｹﾗ
咲良「モテる男は辛いわねー」ｹﾗｹﾗ
シン「そうだそうだモテ男めー」ｹﾗｹﾗ


一騎「剣司うるさい、咲良も変な事言うなよ、って……アスカさんまで何言ってるんですか!!」

　

真矢「………モテ男」
翔子「……モテ男……」
カノン「モテ男か……」

一騎「!!!?」



　ｺｿｯ
操「シン、俺秘密守ったよ。言わなかった」

シン「そっか、偉いな、よくやった。褒美に菓子をやろう」箱ﾎﾟｯｷｰ

操「ありがとう!」ｶｶｶｶｶｶｶｶｶｶｯ

操「」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

総士（齧歯類のようだ……）

操「総士にもあげる」ﾎﾟｯｷｰ

総士「……ありがとう」ﾊﾟｷｯ

総士「」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

総士「……アスカさん、もうすぐ時間ですが」

シン「だな」

　
総士「映像を映せるような機材が見当たらないんですけど」

シン「設置したのはここじゃないからな」

総士「音響設備も、」

シン「無いな。設置したのは海岸だから」

シン「ファフナーの演習に使われる場所なら居住区とも離れてるし、それなりの爆音も許されるだろ、ってことでさ」

シン「一応、テレビは本当にライブ映像が映るようになってる。テレビじゃない方の告知もしてるだろうし、島の住人は皆知ってるよ」

シン「ここにいるお前等は除くけど、な」ｹﾗｹﾗ

総士「…………何が始まるかは、まだ秘密に？」

シン「始まればわかるだろ」

ルナマリア「シン!もうすぐよ!日が完全に落ちる!」

シン「せっかくの特等席だ、」


　海の空の狭間へと、オレンジ色の光は、

シン「楽しもうぜ」


　完全に、沈んだ。

　

　－－瞬間、爆音。

　正面に広がる暗い空と海に光が弾けた。

　眩しさに目を細め－－聞こえたのは、力強い声。


シェリル〈私の歌を聞けぇ!!!!!〉


操「始まったぁ!!!」


　爆音は演奏へと変わる。
　空と海も姿を一変し、巨大スクリーンとなってシェリル・ノームを映し出していた。
　それも、一面ではない。複数台のカメラで撮られているであろう映像が分割され、文字通り夜空に広がる。


一騎「－－－－」
総士「これ、は……」

シン「うわ……知ってたとはいえここまでとは……」


シェリル〈重力反比例　火山みたいに〉


総士「この歌声……」

　
　鮮明するぎる映像だけでは無い、演奏の時点で違和感はあった。
　音が、声が、クリアすぎるのだ。
　まるでシェリルがこの場、同じ空間で歌っているかのような。
　空気を震わし、身体に響くこの感覚には覚えがある。
　だが、あの現象は環境に起因する。前提条件が違うのだ。
　空すら越え宇宙に存在するフロンティアでのライブ。生の歌声が届くはずは無い。

総士「－－まさか、」


　－－いや、違う。生の歌声を届ける方法は存在する。
　希少な物だ。護衛に来た理由も頷ける。


総士「フォールドクォーツ……!!」

シン「正解」


　仕込んだのは音響設備の方か。
　ライブ会場にも存在するのだろう。

　想いを伝える石が、今、伝えるのは、


シン「シェリルさんは、この島の人達に見て、聞いてほしかったんだよ」


シン「完全に演出された最高の舞台での、最高の歌声を」

　



　宇宙。某所。


グラハム『乙女座生まれ!ふぁしっねぇぇええええ－－』ﾋﾞｭｰﾝ




ソルブレイヴス隊所属１「荒ぶってるなぁ……」

〃所属２『銀河妖精、シェリル・ノームの復活ライブ、始まってますもんねー』

〃所属３『何事も無く帰投出来れば後半は見れるな』

〃所属１「にしても、何で乙女座ーって叫ぶんですかね」

〃所属４『１曲目は射手座だったってことでしょう？あの人は乙女座の箇所だけは必ず口ずさむから』

〃所属１（口ずさむ……？）
〃所属１「……え、じゃあ何で今叫……口ずさんでたんですか？」

〃所属２『乙女座のタイミングだったからに決まってるじゃないですかー』

〃所属１「いやいやいや、ノリとか気分ってことじゃなく乙女座のタイミングって……何でわかるんですかおかしいですよ!」

　

グラハム『何故わかるか!その問いには『愛である』と答えよう!!』

グラハム『さぁ行くぞソルブレイヴス隊の諸君!!ランカ・リー氏のキラッ☆は是非とも皆でやろうじゃないか!!』


〃所属２「了解ー!」ﾋﾞｭｰﾝ
〃所属３「了解!」ﾋﾞｭｰﾝ
〃所属４「了解です」ﾋﾞｭｰﾝ

〃所属１「～～～!!」ﾔｹｸｿ

〃所属１「了解っ!!」ﾋﾞｭｰﾝ









　宇宙。某所。


　～～♪

アスラン「…………」

　

　ﾊﾞｼｭｩｩﾝ

シェリル〈とんでっけぇえええ!!!〉
キラ『とんでっけぇえええ!!!』ｽｰﾊﾟｰﾄﾞﾗｸﾞｰﾝ


　ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞ ﾄﾞｺﾞﾝ ｷﾞｬｰ


アスラン「…………、」


シェリル〈もってっけぇえええ!!!〉
キラ『もってっけぇえええ!!!』ﾄﾞﾗｸﾞｰﾝﾌﾙﾊﾞｰｽﾄ


　ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞ ﾄﾞｺﾞﾝ ﾄﾞｶﾝ ｷﾞｬｰ


アスラン「……キラ、」

キラ『なに？』

アスラン「きいていいか？」

キラ『……それは、僕がここで熱唱している理由？』

キラ『それとも、君に渡した石から歌声が聞こえる理由？』

　
アスラン「お前が突然手伝うと現れこの石を押し付けた経緯を訊きたい」

アスラン「熱唱しながら相手を戦闘不能に追い込んでいる現状には触れない事にする」

キラ『ま、石の正体についてはもうわかってるだろうし。そりゃあ、訊くとしたらそれだよね』

アスラン「フォールドクォーツなんて……まったく、こんなものどこで」

キラ『音響設備と映像システムを開発したアーカムシティのとある博士から貰った、と答えておくよ』

アスラン「……ウエスト博士……」

キラ『で、経緯だよね、』

キラ『始まりは……そうだな。シェリルさんの復活ライブをやる事を聞いたラクスが行きたいと言った事か』

キラ『僕も行きたかったし、先行ネット販売で勝負することにした』

アスラン「開始十秒も保たず完売したっていうアレをか……」

キラ『一番良い席は先行販売分だったからね。真面目にやらないと負けると思った』

キラ『端末に囲まれて、やれ目が死んでいるやれレ○プ目だ。洗脳か、辛い事でもあったのかとUXにいた頃やたら心配されたﾊﾞｼｭｩｩﾝ状態での参戦』

　
キラ『余談だけど、ラクスとこの状態でいるとやたら変態が寄ってくるんだよね。ゴミ虫を見るような目がイイんだって』

アスラン「……………、」

キラ『話を戻そうか。－－戦いには勝った。チケット４枚ゲット』

キラ『あと何枚か取れると思ったけど、世界中が敵だと辛いね』

キラ『まぁここまでは良かったんだけど、後日ラクスが行けないと判明。当日どうしても参加しなきゃならない会議があるんだって』

キラ『その日を会議に指定した人をドラグりたい』

キラ『悲報は続いて、その会議カガリも参加。……チケットは４枚だ、誰を誘う予定だったかは君ならわかるだろ？』

アスラン「…………」

キラ『もう一人はきっと、シンとルナマリアを竜宮島に送って、当日はお仕事って事になるんだろうな、って考えたら、当たりでね』

キラ『ちょっと散歩して来るって爽やかにフリーダムに乗って－－今に至るってわけだよ。経緯終わり』

アスラン「……わかった」

　

キラ『一応言うけどさ、暇だったとしても野郎二人でライブかーなんて考えてたからいいんだ』

アスラン「確かに、ちょっとな」ｸｽｯ

キラ『チケットはちょうど見かけた刹那と、存在が面白い博士に２枚ずつ譲渡済み』

キラ『博士、何だかんだ言ってシェリルさんからお礼受け取らなかったみたいで』

キラ『だから僕とフォールドクォーツで交換って話になったと。今頃会場で楽しんでると思うよ』

アスラン「…………竜宮島の皆は、ちゃんと楽しめているかな」

キラ『楽しんでるよ。そのために調整を頑張った人が沢山いるんじゃないか』

アスラン「そ

キラ『誰か!空虚な輪郭をぉおおお!!!』


アスラン「…………、」ﾊﾞｼｭｩｩﾝ


アスラン「仕事するかー……」

察しがつくと思うが先に白状すると種も種運命も見てない。ファフナーもまともに見てない。スパロボ知識と先入観とイメージのみで構成。一部乙姫ちゃんはそんなこと言わない!状態すまん。

　

　竜宮島。

操「シェリルかっこいいなぁ」ｶｶｶｶｶｶｯ

操「」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

一騎（齧歯類のようだ……）


剣司「お、おい見たか!?今一瞬エルザが映ったぞ!」

咲良「あれはカメラに映る事わかってたね。ものの見事にウエスト博士押しのけてたじゃん」ｹﾗｹﾗ

衛「すごく楽しそうだっ－－

広登「」ﾄﾞｷﾄﾞｷ ｶﾎﾟｯ

衛　－－ゴウバイイイイン!!」ｶｯ

広登「」ｳﾋｮｰ



芹「乙姫ちゃん見てる……？シェリルさん、凄く格好いいよ……!」



暉（遠見先輩の隣が空いている……これはチャンス!）

　
真矢「ねぇ、今のセイエイさんじゃないかな」
カノン「……う、ウエスト博士達の隣じゃないか……」


暉（……いける、カノン先輩は遠見先輩の左。空いた右の空間に自然に入り込めれば……!!お菓子どうぞとか、飲み物どうぞ的な感じで……!!）


　ｺﾞﾛﾝ
シン「刹那がいたのか？」


暉（なんでだよ!!なんで遠見先輩の所にわざわざ転がって来ちゃうんだよ!!おとなしく真壁先輩や皆城先輩達といろよ!!）


真矢「あ、はい。すっごい真顔でしたけど、多分あの人セイエイさんです」

シン「くそっ、見逃した。－－これだけ多画面になるとどこ見てたら良いかわからなくなるよな」

真矢「そうですよねー」ｸｽｯ


暉（和やかにお喋りかよ!ホークさんがいるくせに、アスカさんにはホークさんがいるくせにっ!!）


里奈「ホークさんの手すべすべですねー」ｻﾜｻﾜ
ルナマリア「あはは、くすぐったいよー」ｹﾗｹﾗ


暉（あっちはあっちで畜生!!）