QB「僕と契約して魔法ダンスィになってよ!」ほむら「?」 (614)

時間軸の移動が完了し、ゆっくりと目を開く

長いループの内に何時しかぼやけた視界の感覚の方に戸惑う様になっていたが、直ぐに視力を治し視界をクリアにする

ほむら(また、か)

また救えなかった

やり直せばいいとは言っても、救えなかったという事実は覆らない


不意に、何かに引かれる様にいつもの眼鏡を取ろうと机の上を見れば、そこには黒渕の眼鏡があった


ほむら(黒?まあいいわ)


眼鏡の色の差なんて些細なもの
この時のほむらはそう流していた

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367824282

転校初日

ほむらは一人暮らしの部屋に用意された制服を着用しようと、袋を開いた瞬間、顔をしかめた

ほむら(男物?)

何時ものスカートではなくズボン

一度も手に取った事のないそれは、不思議とほむらを酷くイライラさせた

ほむら(発注ミスにも程があるわ。後で苦情の電話を入れましょう)

「転校生を紹介します」

その声と共に、ほむらは教室の戸を開き中に入る

「暁美ほむらです。よろ……しく」

元々中性的な体型だったためか、ほむらはクラスメイトに性別男として認識された事に席についてから気付いた

そもそもそんな失敗をしたのは、ほむらを別のものが引き付けていたからだ

いつもの鹿目まどかの席に座っていたのは、鹿目まどかに雰囲気の良く似た男だった

朝のHRが終わると、直ぐ様ほむらは男女問わず囲まれた

「すっごい髪綺麗!」

一番言われたのはそれな気がする

他は、身の上の話
入院生活が長かったと伝えると、鹿目まどかに似た男が手を上げた

「それなら僕、保険委員だから保健室まで案内するよ」

人懐っこい笑みを浮かべた男の顔が、まどかとダブった

「僕、鹿目まどか。よろしくね、ほむらくん!」


名乗られて、ほむらは長いループで頭が壊れたのではないかと思った

救いたい気持ちが恋にでも昇華して、まどかを男と認識しているのではないか

「ほむらって名前カッコいいよね、燃え上がれって感じでさ。僕は男なのに、まどかなんて女の子みたいだし、少し憧れるんだ」

これは鹿目まどかだが、鹿目まどかではない
ほむらがそう認識するのに、大した時間は要らなかった

ほむらは、誘われるがまま、鹿目まどかと共に下校していた

まどかの隣に居る、高身長でいかにも悪戯っ子な表情を浮かべた短髪の男は、美樹恭介というらしい

「ハッ、まどかも転校生もちっちゃいし、女みたいだな」

「恭介くん!そんな風に言ったらほむらくんが可哀想だよ」

「何だ、自分は良いのか?」

「僕は……諦めたよ」

「悪い悪い、気にすんなって!その内伸びるさ!」

まどかに絡んでいる姿は、美樹さやかの様にも見えた

「悪い、CDショップ寄っていいか?」

決まり悪そうにそう言う美樹恭介
その姿さえも、美樹さやかと重なってみえる

「もちろん!ほむらくんもいいよね?」

「ああ、勿論」(ええ、勿論)


妙な違和感が、ほむらの胸を突く
だが、それも先行く二人を追うことで意識から離れていった

「何で、CDショップに行くんだ?」(どうして、CDショップに行くのかしら?)

一応、聞いておこうと思った
ほむらの中で既に予想は出来ていたが

「ああ、それは恭介くんの幼なじみの上条さんへのお見舞いだよ。ね?」

「ん、まあな」

「恭介は、その上条さんが好きなのか?」(恭介は、その上条さんが好きなの?)

「さ、さやかとはそんなんじゃねえよ!ただのお見舞いだ!」

照れ隠しする姿まで、一致していた

どうやら、異なるのは性別だけらしい
そこが最も大きな問題な気もするが

まどかは何時もの様に演歌を聞いていた

(趣味が渋すぎるのよ)

内心一人ゴチていたほむらの脳裏を、テレパシーの時に感じる電気の様なものが走る

『……けて』

ハッとまどかを見ると、不思議そうな顔で周囲を見渡していた

『助けて……まどか』

声に誘われるままに、まどかはふらりと行ってしまう

まさかインキュベーターがこのまどかを呼ぶとは思ってもいなかったほむらは反応が遅れる

「まどか?何処行くんだよ?転校生も行くぞ」

異変に気付いた恭介に言われてようやく意識が戻ってくる

「そうだな、行こう!」(そうね、行きましょう)

ほむらには最早自分自身の目で確かめる以外の選択肢は無かった

駆け付けると、まどかがインキュベーターを抱えて立ち尽くしていた

やって来た二人を見てまどかが口を開こうとした瞬間、唐突に結界が広がっていく

「なに、これ?」

「まどか、転校生、嫌な感じがするし早く行こう!」

慌てふためく二人を尻目に、ほむらは結界を観察していた

薔薇の結界は、優雅というよりは大雑把に広がり、纏まりを持っていない
酷く武骨で荒々しい気がした

「二人とも、俺から離れるな」(二人とも、私から離れないで)


ほむらはソウルジェムを翳し、変身していく

その姿は、正しく魔法少女の姿を取っていた


「ほ、ほむら……くん?」


男物の制服を着ていた時は分からなかったが、魔法少女となったほむらを見たまどかと恭介は、明らかにその認識を改める
暁美ほむらは女であると


「ど、どうしたんだよ転校生」

口を開いた恭介を、ほむらは片手で制する

「質問は後よ」

髪をサッと流し、蠢く使い魔を睨み付ける

「行くわ」

今はまだ小銃と簡易な爆弾しか無かったが、使い魔程度をあしらうのは容易い

戦っている途中で、二人が男だった事に気付きそれまで舞うようにスカートを翻していたのを控え目にする

チラリと見てみれば、二人は顔を真っ赤にして目を逸らしていた

ほむら(何だか私まで恥ずかしくなってきたわ)

妙な戦いづらさを感じてほむらの手が進まずに居ると、突然魔力の篭った銃弾が使い魔を殲滅していった

「お前らは……」

現れた男は、鮮やかな金髪に縁なしの眼鏡で、気難しそうに眉間に皺を寄せていた
美樹恭介と同じくらいの長身
そして何より目を引いたのは、西部劇のガンマンの様な格好だった


「それが見えてるらしいな。まあそれは分からないでもないが、そっちの女は、何者だ?」

「私は……」


警戒の中に、微かな困惑を感じ取る
どれを選ぶのが正解だろう
幾つもの考えが浮かんでは消えていく


「私は……魔法少女よ」

案の定男は微妙な顔をした
未だまどかの腕で眠るインキュベーターを睨んでる様にも見える


「それで、あなたは何者なの?」


ほむらの言葉に、男は更に渋い顔をした
言いたくないという事を表情が如実に表している

「……魔法……だ」

「なに?」

「魔法ダンスィ、だ!」

「魔法男子?」

「ああ、ああ!もうそれで構わん!」

自棄になった男はずれた眼鏡を直しながら、諦めた様子で適当な言葉を吐き出した

「あのーお二方?御取り込み中すみませんがどういうことか説明頂けマスか?」

「それに、この子の事も……」

男はまどかの腕の中にいる瀕死のインキュベーターに一瞥くれるも、特に何でもない風にほむらへと視線を戻す

「そいつは死んでもまた出てくる、所謂宇宙人だ。そこらにでも捨てておけ」

「それは酷いじゃないか」


まどかの腕の生き物が突然飛び出し、男の肩に乗る
まどかと恭介はその生き物に驚きを隠せずにいた

「こいつは……今言った通り宇宙人だ。人と言っていいかは分からんが、その方が理解しやすいだろう」

ふと、男がほむらを横目で見た
世間的に見れば、暗がりで男三人が少女を襲ってる風に見えるだろう

「どうかしましたか?」

まどかがおずおずと尋ねる
巴マミとは全く違い、あまり友好的ではないこの男に怯えるのも無理もないとほむらは思った

「いや、場所を変えよう。家に来い」


振り返り歩き出す男に、ほむらが声をかける

「あなたの名前は?」

「巴マオだ」

そう言って変身を解除した男は、同じく見滝原中の制服を着ていた

ほう

一旦ここで終了します

次の更新は23時頃に


自分でもかなりあれな内容だと思うのであまりにも不快に思う人が多数居たら止めようと思います

ほほう

とりあえず乙
全員男化は結構書かれてる気がしないでもないが、期待してるぞ

ホモじゃなければおk

ありがとうございます

ホモではないです

ほむらは女性?

>>24

ほむらは女性です

轟さんみたいなQB想像した

嫌なら見るなの精神でおk
俺は見る

たっくんが幼女とか…スゴくイイです

絢子さんがリーマンになるのか。アリだな


面白いから大丈夫

普通に性転換モノなのか
スレタイからしてもっとこう…小学生男子的なアレになるのかと

少し遅れましたが書いてきます

マオ宅

「……というのが、ざっとした説明だ。尤も、この怪しい生き物を信じるなら、だが」

「信用されてないなあ」

ほむら(こいつ……)

白々しい態度を取るインキュベーターに、ほむらの中で蜂の巣にしてやろうかという気持ちが沸き上がる

巴マオの話した魔法男子の契約内容は魔法少女と全く変わらなかった


ほむら(まあ、そんなリスクは犯せないわね。巴マオはこれが宇宙人という事を知ってるけど、裏目に出ることもある……)

「そんな訳だから、こいつとの契約は男の筈だ。だが、あんたは違う」

「そうだね、僕も契約した覚えはない」


ほむら(やはり来たわね)


「答えてもらおうか」


ほんの少しの思考の後、ほむらは口を開く

道中気付いたのだが、ほむらは魔法少女の格好でないと男の様な口調になってしまうため、今は魔法少女の姿をしていた

「私は、別の世界から意識のみ渡って来た……筈よ。この世界での私への意識の上書きね。ただ、この世界での私の扱いは男だから、実は違うのかも」


そう思うとこれまでの時間軸の渡る前が気になったが、今はいい


「続けるわ。そこではその生き物が契約する対象は少女で、私は契約した魔法少女。ある目的の為に世界を巡っている」


嘘はついてない
ここはほむらにとってはある種別の世界
再び時を遡るその時まで居るに過ぎない


「魔法ってのは、そんなにすげぇのか!」


美樹恭介が目を丸くして言う
この男は、少女の時と同様、魔法少女……魔法使いを正義の味方か何かだと思っているに違いないとほむらは思った

この場でリスクや隠された真実を言ってやりたかったが、それはそれで巴マオからの疑念が増えるに違いない

「へぇ……そうなんだー」

そして何よりまどかが話についてこれてないのは明らかだった

「……だから私はこの世界に長居する気はない。別に縄張りを奪ったりなんてしないわ」


マオの眉がピクリと動いた
マミと違って常にしかめっ面をしているが、何を考えているかは分かりやすい


「一月だけ、協力して貰えるかしら?」

迷っている
そう確信したほむらは、マオから次の材料を引き出そうとする

「ワルプルギスの夜、というのはここにも居るのかしら?」


怪訝な顔で、マオは頷いた

「伝説の存在だがな」


ほむらは喜べばいいのか嘆けばいいのか分からなかったが、表情をなるべく隠して口を開く

(……これで恐らくは協力関係にこぎ着ける筈)

「私の目的の一つはワルプルギスの夜の完全消滅なの。故に私はワルプルギスの夜が現れる一月程前にそこに転移する。尤も世界がこうもガラリと変わったのは初めてだけれど」


マオは明らかに困惑していた
伝説の存在は、やはり伝説
それが本当に在る事すら知らずにいたのだから無理もない


「それは本当なのか?」

「確定事項よ。私がそんな大袈裟な嘘をつく必要がある?実際に、この世界に魔法少女は居ないのだし、世界移動は信じて貰えたでしょうけど」

嘘だと思わせる前に矢継ぎ早に話し考える間を無くす
疑問に答えるのは相手に信じさせてからがベスト
長いループの中でほむらが学んだ事の一つ
尤も絶対上手くいくとは限らないが

「そうね。確かに信じられないかもしれない。でも、一月だけならそう長くもないし、来る事を前提として、一緒に準備してくれないかしら?それならあなたにリスクは無いでしょう?」

「いや、だが……」


巴マオはまだ疑っている

(男でも疑り深いのは一緒か。……男でも、ね)

ほむらは口角が上がるのを必死で隠さねばならなかった

「私の能力を見せてあげる」

部屋の端に移ったほむらは、時間停止して反対端に移る

「うえっ!?瞬間移動?」

「そうよ」

予想通りの美樹恭介の反応
そしてここで切札を使う

「それに、男のあなたなら仮に私があなたを殺そうとしても負けはしないでしょう?」

冷静になれば、半ば人外になったのだから力の差は才能位しかないと分かるだろう

しかしプライドの高かった巴マミと同じでマオもそうだったらしく、ここまで言われて引き下がってはいられなかった

「分かった。ただし怪しい動きを見せたら叩き出す。よく理解しておくことだ」

「ふふ、そうね。でも貴方と戦ったりしないから、忘れていいわね」

差し出された手を握る
マオはかなり力を込めてたが、ほむらも魔法少女
結局痛み分けに終わった

その後直ぐに追い出された三人は、夕暮れの街を並んで歩いていた

ほむらは変身を解き、男の姿で歩いている


「いやあ、まさかほむらが女だったとはなあ」

「ホント、ビックリしちゃったよ」


何というか、危機感の無い二人だ
世界の裏側を垣間見たというのに、男というのはこうも単純なのだろうかとほむらは疑問に思った

「二人とも、契約については考えてるのか?」(二人とも、契約については考えているの?)


少しは考えて貰わないと困る
そう思って聞いたが、二人は微妙な顔をした


「何だか慣れねえなぁ。その口調だと男にしか思えん」

「そ、そんな事言ったら失礼だよ!」

「怒るぞ?」(怒るわよ?)

ほむらの額に浮かぶ青筋を見て二人は態度を改める

「あー、そうだなあ、まどかは考えた?」

「僕はまだ、決めてないかな。やっぱ命懸けってなると、足が止まるっていうか」


まだ悩んでいるという段階
ならばとほむらは口を挟む


「そうだな、直ぐにワルプルギスの夜も来るんだから、それまで待ったらどうだ?いや、ならないならならない方が良いとは思うが」


ほむらの言葉に、二人は一応は頷いてみせた

帰宅後、直ぐにほむらは暁美ほむらの事を調べ挙げる

結果的に分かったのは、この世界の暁美ほむらはほむらが時間移動するまでは男として認識されていたと言うこと

発注ミスでも無ければ、クラスメートからすれば勘違いでもない

ここの軸では、暁美ほむらは男で居なければならないのだ


「はあ、これは厄介だな。口調を気にしないで良いのは楽だけど」(はあ、これは厄介ね。口調を気にしないで良いのは楽だけれど)

翌朝、事態を二人に説明すると始めは分かった分かったと快活そうに頷いてたのだが、暫くしてまどかが立ち止まる

「そ、その、言いにくいのだけど……」

「何だよ?」(何かしら?)

「トイレは、どうするの?」


それは考えても無かったと、ほむらは硬直する
顔を真っ赤にしたまどかはとてもあたふたしていた


「んー、まあ、あそこでいいんじゃね。少し遠いけど学校一番端のトイレで。あっこなら誰も使わないっしょ」

まさか恭介の言葉で解決するとは

意外そうな目で見る二人に恭介はポキポキと拳を鳴らした


「お前ら、そんなに意外だったか?」

「ああ、そうだな」(ええ、そうね)

「ほむらちゃ……くん!」


まどかが慌てて制止するも、恭介の怒りのボルテージは既に振り切っていた

しかしほむらにはほむらだけの回避技があった
まどかがその分犠牲になるのだろうと考えると少し気が引けたが


「恭介くん、殴るの?」


上目遣いで、瞳を少し潤ませて言う
意識をして言えば男口調にならずに言えるのだった


「くっ……まどかぁ!」


ゴンッ、とまどかの頭に二人分の怒りが落ちた

転校二日目は厄介だった

遠慮が無くなったのかほむらはあっちに引っ張られこっちに引っ張られで息つく間もなく、特に女子からの絡みが多かった

可愛い可愛いと、長い髪を弄られ、放課後にはすっかり疲れはてていた

「髪、切ろっかな」(髪、切った方がいいかしら)

まどかと恭介は何気ないその言葉にギョッとした

まどかが慌てて否定する


「折角長いんだし、勿体無いよ!」

「そっか、ならいいか」(そうかしら、ならいいわね)


ホッとした様に胸を撫で下ろす二人
実際のところは、もし切られでもして二人が止めなかったと知れたら非常に恐ろしい事になると思ったのが半分以上あった

「ああ、そう言えば、今日は行くところがあるんだ」(ああ、そう言えば、今日は行くところがあるのよ)

ふと思い出した様に、後ろを歩く二人を振り返りながら言う

「何処行くん?」

「ちょっと隣町まで」

「一人で?」

「ああ」(ええ)

「そっか、じゃあ気を付けてね」

「また明日なー」

二人は大きく手を振って帰っていく

確認しておく必要がある

隣町を縄張りにする赤毛の魔法少女の顔が浮かんだ

男勝りで粗暴だが、面倒見のいい、まるで姉の様な少女

(まあ多分そうなんだろうけど、一応見てみないと、ね)

一々面倒な世界に紛れたものだと、何度目か分からない溜め息を吐いた

隣町にある寂れた教会

もう随分と、信徒はおろか中を気にする者も現れず、辛うじて残った長椅子が幾つかある程度

もし信心深き者ならば神に見捨てられた地とでも言うのだろうか


中に入ると埃っぽかったがところどころにある足跡から人の出入りが窺える


ほむらは一番まともな長椅子に腰を下ろすと、ヒビの入ったステンドグラスをぼんやりと眺めた

それから暫く待っても、そこの主が現れる気配は一切ない

暖かな夕日に照らされる内に、学校での疲れもあったほむらはウトウトし始めていた


(少し位なら、いいわよね?)

長椅子に横になり、腕を枕に目を閉じる
スカートじゃないとこんなことも出来るのかとぼんやり考えている内に、無音の静寂はいとも容易くほむらを眠りへと誘った

その十数分後に、軋んだ音が教会内に響く

燃えるような赤髪を無造作に結んだ少年は、大きな紙袋を持って現れた
野性を思わせる鋭い視線が中を見渡す
立っている姿は、ほむらより少し大きい程度


「うおっ!?」


少年は何時もの席に座ろうと近づいて、そこで眠る少女に腰を抜かしそうになった

「こいつ、んなとこでなにしてんだ?」

ここは少女の居るべき場所ではないし、そもそも来る筈がない場所である事は自覚していた

だから言い訳するなら女が居る筈がないと思っていたし、そして何より無意識の行動だったのだ

少年は顔に掛かった髪を手でそっと分けてから、後悔した


夕日がその少女の顔を照らし出し、小さな声を洩らす

慌てて離れた少年は、紙袋を取り落としそうになった

「んん……あなたがここの人?」


寝ぼけ眼の少女が、無警戒で穏やかな微笑みを見せる
夕暮れ時の光を浴びて、長い髪を揺らすその姿を少年は素直に綺麗だと思った


「違うの?」

まだ寝惚けているらしく、小さく首を傾げる少女

それでようやく見とれていた事に気付いて、少年は顔を真っ赤にしながら目を逸らし何とか口を開いた


「家に、何か用かよ?」

少年の言葉で、意識がはっきりしていく

そうしてやっと、寝顔を見られた事に気付いたほむらは顔を真っ赤にして少年を睨み付けた

「見た?」

少し考えたがどちらが正解か分からなかったようで、少年は黙ってしまう

それを肯定と捉えたほむらは、何でもない風を装ってはみたが赤面するのを抑えられない

結局微妙な沈黙が場を支配していた

スレタイ見て
轟さん思い出したが違かったのか
とにかく期待。

「……で、何の用だよ?」

結局少年が切り出し、顔を確認すること以外考えて無かった事にほむらは気付く


「そう言えば、顔見に来ただけだな」(そう言えば、顔を見に来ただけね)

「はあっ?」

あまりにストレートな物言いに少年は声をあげる

「ッ……急に大きな声出すなよ」(急に大きな声出さないでよ)

「いやそれはお前が……」

「んなの知らんよ」(そんなの知らないわよ)


話してる内に、突然男の様な口調になったほむらに少年は違和感を覚えたらしい

「ところであんた、男?女?」

(良く見ればあのクソ眼鏡と同じガッコじゃねぇか)


「ああ、そいえばそうだな」(ああ、そう言えばそうね)

ほむらは今男口調だということを完全に忘れていた

「こちらに敵意はないの。だから、黙って見ていてくれるとありがたいわ」


懐からソウルジェムを取り出したほむらに、少年は身構える

「信用できないなら、先に変身して」

迷っている様子だが、少年は小さく頷いた

「いや、いい。襲いにきたならあんなとこで寝たりしないだろ」

ニヤリと笑った少年を叩きたくなったが、グッと堪えて変身する

魔法少女の姿になったほむらは、一回転して着地する

「私は魔法少女よ」


小さく微笑んでいたほむらは、少年が硬直している事に気付く

「どうかしたの?」


グッと下から覗き込むと、顔を真っ赤にして下がっていく

(なんだよ、なんなんだよ!)

グルグル回る頭の中、変身して一回転したほむらの姿が何度もリピートされる

それは荒廃した教会に舞い降りた天使のようで、舞った髪の一本一本が夕陽によって輝いていた


「それで、な、何の用だよ」


顔を見ない様に、紙袋の一番上に積んでいた林檎を手に取り弄ぶ


「?……まあいいわ。私は、そうね、こことは違う世界から来たのよ」


困惑した表情で少年が顔を上げたが直ぐに赤くなって林檎に戻す

説明をし続ける内にそれも収まったが、最後の説明を終えると少年は微妙そうな顔をしていた



「魔法少女も、ワルプルギスの夜も分かった。協力して欲しいって事も。でも、そもそも何で俺の事知ってんだ?」


(痛いとこを突くわね……)

今話した事柄から、知ってたと言うのは中々難しい
まだここに来て数日しか経ってないのだから


「私は、……そう!私の魔法で、近くに居る力のある人を探したのよ。世界を巡る上で協力者を得るのは大事だから、そういう魔法も得意なのよ」

「ふーん。そっか」


予想してた反応と違って、拍子抜けた
目の前の少年は、何かを考えてるらしい


「どうかしたの?」

「協力するんだから、条件付けてもいいよな?」

「まあ、それはある程度なら構わないわ」


うんうんと、少年は頷いている
妙に面倒そうな予感がした


「あんた、料理はできるか?」

「そりゃ、一人暮らしだし」

「よっしゃ!じゃああんた、俺に昼飯作ってくれよ!」


昔から、低血圧気味だったほむらは顔をしかめる
だが、背に腹は変えられないと、自分に鞭を打つ事にした


「分かったわ。ただ、学校があるからお弁当になるわよ?」

「それでいいそれでいい!」


白ら……槙島さんぽい織莉子か……
ありだな!


「はあ、ところでまだ名前を聞いてなかったわね」

「ん?そうだったか?まあいいや」


林檎を大きくかじり、ニッと笑う

「佐倉杏だ。アンズって書いてキョウな。よろしく、ほむら!」

「え、ええ、こちらこそ」


何やら突然楽に事が進み、ほむらは酷く困惑していた


(杏子も、ご飯で釣ればよかったのかしら)

 

スレタイでてっきりQBがギューン!ってしてバッ!となってポカーンするのかと思った

切りがいいので一旦ここで終了

次の更新は今日の23時頃予定
頑張って書き溜めます



スレタイはなんとなく魔法ダンスィって良い響きだなと思って本編を書き始めたのであまり意味はないです、すみません



ホモは無しっていったのに、オリキリ出したらどうなるんだ(真顔)

別に槙島さんみたいな白髪イケメンの織莉子と女の子ぽい見た目でもあるキリカならいける!(本気)

変わりたいって願いだし
別に女になっても問題ないな

続き書いてきます

朝、四時

二つの空の弁当箱を前にほむらは悩む

頑張って早起きしてみたものの、今まで昼食はコンビニ等で適当に済ましてきていた為、いざとなってみると何を作ればいいのか分からない

(取り敢えず卵焼きよね。ご飯は……ちゃんと炊けてる)

(どれ位食べるか分からないけど、とにかく下段はご飯いっぱい詰めれば良いわよね?)

(あ、後は……唐揚げよ唐揚げ。定番ね)

(うう……そうなると彩りが……プチトマト入れましょ)

結局、その後も様々なものを作り、弁当箱に入りきらない分はタッパーに入れる事にした

(翌日の分はある程度前日に冷凍しとこう。それが今回の教訓ね)

眠気と疲れでげっそりしていたが、そろそろ学校に行く時間で、作ったおかずの幾つかを口に放り込むと慌てて準備に向かった


(この軸じゃ頼れる人がいないっていうのは、困ったものね)


ほむらはお弁当のレシピ本を購入することにした

「おはよー!」

「おいすー」

「ああ、おはよ……」(ええ、おはよう……)

朝から元気そうな二人は、母の弁当持参なのだとふと思った

「二人とも、感謝した方がいい……」

「お、お疲れモードだね」

「どうしたんだ?」

苦労を知らない男二人は、訳がわからんと顔を見合わせた

重い瞼をなんとか開きながら、二限を乗り切ったほむらは、少し行ってくると駆けていく

流石に毎回個室を使うわけにも行かないし、そもそも先客が居たらどんな顔をすればいいのかも分からない

そうなると、やはりお手洗いは恭介の提案通りにするしか無かった

(はあ……10分て短いのよね。ん?)

手を洗いハンカチを取りだしていると、背後に人の気配
顔を上げれば、鏡には赤い髪の少年が写っていた

「ひゃっ!?」

小さな悲鳴の後、後ろによろけたほむらは、杏に受け止められる

「っとと、悪い、驚いた?」

決まり悪そうにほむらを支える杏
そりゃ驚くに決まってると、ほむらは下から睨み付けた

「当然よ!何考えてるの?」

かなり気が動転していた

笑って誤魔化す杏に、諦めたと溜め息をつくほむら

「まあ、いい。それよりどうしてここに居るんだよ」(まあ、いいわ。それよりどうしてここに居るのよ)

「昨日何処で待ってりゃいいか聞いてなかったからさー。探しててほむらの匂いがするなって、ここきた」


(あなたは犬か何かなの?)

そう考えて、不思議としっくりきた

わんこくんかww

「そうだな、屋上にでも居ろ。後から行くから」(そうね、屋上にでも居なさい。後から行くから)


「それどれくらい?」

「あと二時間位」

「ええー!ヤダよ。サボろうぜ」

やれやれと、ほむらは首を振る

「ダーメ。そんな事言うとご飯抜きよ。分かった?」

「お、おう」

「じゃあ、後でな」(じゃあ、後で)


赤面する杏を置いて、ほむらは走り去る
杏が小さくぼやいたが、誰の耳に届く事もなかった

>>81

気付くの早すぎや

お昼になって、クラスメートやまどかと恭介を何とか躱し、屋上に向かった

お弁当は細心の注意をはらったお陰か、誰にもバレずに持ち出せたようだ

「おーい!ほむらー!」

屋上の扉が開くと、杏は直ぐ様駆け付けてきた

(やっぱり犬ね)

「はい、お弁当」

「おお!サンキュー!」

「渡したからな」(渡したからね)

教室に戻ろうと踵を返したほむらの腕を、杏は咄嗟に掴み引き止める

「どうかしたか?」(どうかした?)

「あー、いや。その、何だ。一緒に食おうぜ?」

照れているのか、頬をポリポリと掻いている
そんな事かと、ほむらは微かな笑みを浮かべた

「仕方ないな」(仕方ないわね)

「ほむら、米が超圧縮されて、刺さるんだが」

ステーキの様に米を切り分け、フォークに刺して言う

ほむらは、それを見なかった事にした

「そんなことない。こっちはふわふわ」

「マジかよ。あ、そのおかずこっち入ってない」

「食べる?」

「おう!」

「じゃあ、はい」

杏は差し出されたおかずとそれを刺すほむらのフォークを見て、硬直する

(そう言えば、まどか達と食べさせあった軸もあったっけ……。ん、どうしたのかしら?)

「食べないのか?」

「いや。何というか、お前って無防備な」

「そんなこと無いと思うが」(そんなこと無いと思うけど)

「いただき!」

「あっ!」

「ほら、無防備だろ?」

得意気に笑う杏の耳は、かなり赤くなっていた

その後昼休憩が終わり教室に戻ると、何処にいたのか聞かれたが、うやむやにして放課後まで流していった

「ごめん、今日はマオとパトロールなんだ」(ごめんなさい、今日はマオとパトロールなのよ)

「そっか、なら仕方ないよね」

「むう、今度は付き合えよなー」

「分かった分かった。じゃあまたな」(はいはい。じゃあまたね)

「うーん、折角ほむら……くんと仲良くなったのに機会がないなあ」

「そうだなー。というか、あの口調だから忘れる時あるけどほむらって女なんだよな」

「まあ、言われれば気付くよね」

「おー、綺麗な顔してるしな。まあいいや。適当に遊ぼーぜ」

「はいはい、お供します」

「なあ、何か病院の雰囲気が変じゃないか?」

「あんまり来ないからいつもが分からないけど、確かに嫌な感じはするかも」

結局する事もなくなった二人はフルーツ片手に上条さやかのお見舞いにやって来ていた

病院の周囲には、何時もより人気がない気がした

「グリーフシードが、孵ろうとしてるんだよ」

ひょっこり現れた不思議生物に、飛び上がる二人

そんな二人を、感情の無い瞳が捉える

「……要するに、あそこで、魔物が産まれようとしてるんだよ」

「ホントかよ!?じゃあ、ほむら達に連絡しないと」

「もう電話してるよ!」

数コールで、ほむらが電話に出た

「今丁度向かっているところよ。マオが、先に行っちゃったから、出来れば引き止めて」

それだけ言って、ほむらは電話を切ってしまった

どういう事か分からずに困っていると、マオが空から降ってきた

手には銀の糸を持っていたが、腕を払うと消えていく

「お前たち、居たのか」

マオは意外な顔をしてみせたが、直ぐに気を取り直して結界へと向かおうとする

「あの!」

理由は分からないがほむらに引き止めろと言われたまどかは、マオに声をかける

「何だ?」

眼鏡の奥の目付きは鋭く、少し怯んだがほむらの言葉を思い出して堪える

「えーと、ですね、僕達はその、魔法男子?の候補じゃないですか?だから、その前に見学したいなって」

「おお、確かに見たい見たい」

「……まあいいだろう」

ほむらの言葉は、完全に裏目に出ていた

結界の内部は、甘ったるい匂いが広がっていた

「うげえ、甘いの苦手なんだよなあ」

恭介が鼻をつまんで愚痴ったが、マオが手を振ると匂いも消えた

「魔法の結界だ。使い魔程度なら寄せつけずにいられる」

「あ、ありがとうございます」

(意外と優しい人なのかな?)

最深部にそれは居た

お菓子を食べて回る小さな人形

メルヘンチックな光景とは裏腹に、お菓子を運ぶ使い魔の腕はやたらとムキムキで筋肉質だった

「あ、アンバランスだなぁ」

「ちょっと見ててイヤ、かも」

二人が黒光りする使い魔に目をとられる中、マオはサッと周囲の状況を確認する

広さ、罠の可能性、足場
一瞬でそれを判断して、マオは眼鏡を掛け直した


「行くぞ。お前らはじっとしていろ」

マオが腕を交差させて下に振り抜くと、その両手には中折れ式のダブルバレルショットガンが現れる

基本的に、マオは腕を振って魔法を使うらしい

それを見た使い魔も戦闘モードに切り替わったらしく、その太い腕で地面を掴みマオに向かって突撃する

「ふん」

小さく鼻を鳴らし、飛来する使い魔をショットガンで吹き飛ばしていく

マオは、ショットガンの弾が無くなると直ぐに薬局を排出し、宙に放り投げて素早くリロードする

無駄が多いが、隙と思われるリロード時には腰に差したリボルバーで正確に撃ち抜いていく

風貌も相まってマオは西部劇のガンマンにしか見えない

尤も、これは使い魔用の戦い方で、ウォームアップに過ぎなかったが

視認できる全ての使い魔を殲滅すると、ショットガンを放り投げる

変わりに取り出したのは、自身の身長よりも大きなリボルバー


規格外の大きさに、まどかも恭介も目を疑う


「とっとと終わらせるぞ」

跳躍したマオは、未だお菓子を食べ続ける人形を銃身部で横殴りにする

吹き飛んでいった方へ素早く先回りし、銃口近くを両手で掴んで吼える

「潰れろ!」


人形を殴り地面に叩き付けると、そこには小さなクレーターの様なものができた




「あれなら最初からハンマーでいいんじゃないかな……」

「だよなぁ」

巨大な銃を片手で振り回すマオに、二人は映画を見てる様な気分だった

渾身の一撃を見舞った後も、油断なく構える

魔物どもは狡猾で、どんな罠を張っているか分からない

故に結界が消滅するその時まで主からは目を離してはならない


ぐにゃりと、人形が歪んだ気がした


愛らしい人形の身体から、その本性が飛び出してくる
目に狂気を孕ませたそれの速度は圧倒的で、マオは回避行動を取れ無かったが、構えていた銃で易々と受け止める

衝撃と魔物の重量で、一瞬マオの足が完全に止まる

その隙を突いて、ケーキのクリームに隠れていた使い魔が飛び出してきた

「クソッ」

マオは歯を食い縛り、衝撃に備える

だが−−



「油断したわね」



ほむらはマオと使い魔の間に現れると、一瞬で使い魔を蜂の巣にする

振り返れば、仏頂面のマオが居た


「そっちは、手助けが必要?」


「要らん」


敵にか、はたまた救われた自分にか、怒りの籠った表情をしているマオ


「いい加減、離れろ!」


魔力で増強した膂力で魔物を弾き飛ばすと、ギラギラした目で睨み付ける

銀の糸で、転がる敵を拘束する

がんじがらめになったそれは、ボールの様に丸くなっていた


「お返しだ」


巨大リボルバーに籠められた弾丸を解放

銀の糸を引いて吹き飛ぶ敵の反対に回り込み、更に撃ち上げる

それをもう二度繰り返し、浮かび上がった魔物の真上に飛び上がり狙いをつける


「ティロ・フィナーレ」


銀色に輝く五つ目の弾丸は魔物を飲み込み、主を失った結界は崩壊していった

「マオさんもほむらちゃんもお疲れさま!」

「ほむらナイスタイミングだったなー」

戦闘が終わり、離れた位置にいた二人がほむらに駆け寄る

「……別に助けなんていらなかったがな」

「そう?でも、貸しは貸しよ」

「……」

渋い顔をするマオに、思わずほむらは吹き出してしまった

「冗談よ。でも、これで信用できるって分かったでしょう?」


イタズラっぽく笑うほむらに、マオは顔を赤くして背を向ける


「それは分かった。だが、借りはいつか返す」

「そうね、じゃあこれから四人で何処かご飯にしましょ。マオの奢りで、ね」

「!?」

「家に連絡しないとな」

「あ、僕も」

「……分かったがファミレスだぞ」

「ま、仕方ないわね。早く行くわよ」

のんびり歩いて行こうとしたマオを、ほむらが手を引いて走っていく

ほむらに振り回されるマオは、何時もの眉間の皺が薄れ、ほんの少しだけ笑っていた

切りがいいのでここで

次の更新は今日の23時から



やっぱ戦闘スタイルを考えるのと、戦闘描写は難しいですね
もっと研究します
マオさんは流石にリボンじゃあれだったので銀の糸に


それから、もし質問等あったら受け付けます

逆ハーか、それはそれでアリだ

なんだこのほむらは!?
乙女してるぞ!

コミュ障じゃないほむらって唯の乙女だったのか
元の相性がいいのかわんこくんはもうほむらの虜って感じだな
まどかにも頑張ってほしいところだけど
中沢さんも気になるところです

乙でした

マオさんマオマオ!

やっぱりほむほむは可愛いなあ

うわ…きもちわる…
不快なので書くのやめてください

そうか。同姓じゃなければこんなにもちょろい世界だったのか
もっとやってください

>>19
>自分でもかなりあれな内容だと思うのであまりにも不快に思う人が多数居たら止めようと思います
とても不快な気分になりました


色んなマドマギスレでのアンチ活動お疲れ様でーす

面白いです!

原作が好きな奴ほどSSを叩くものだ
それはアンチではない

じゃあこんな板くんなっていう
わざわざ嫌いなところに踏み入って文句垂れ流すとか荒らしかアンチ以外の何者でもないよね

不快に思う人がいたらやめますって>>1が言ってんだから外野が喚くなよ見苦しい

いき遅れの先生ってここだと男?
女のままなら憤死しそうだ。

男の先生が、アレやってたら見苦しいってレベルじゃねーぞ

かずみ…

逝き遅れ先生「生徒諸君!!卵に砂糖を入れるような女性とは付き合わないように!!!」

少し遅れましたが書いてきます

少し荒れてますが、読んでくれてる人もいるので書いてきます

感想は十人十色なのでどんなものでも人の感想にケチつけたりは自重してくださると助かります

多少の非難は覚悟してたので大丈夫です

数日後

その日の放課後、マオには悪いと思ったがほむらはパトロールをサボる事にした

「よし、ゲーセンなゲーセン!」

「僕は見てるだけなんだけどね」

心なしか普段より足の進みが早い二人

そしてそれに加えて更にもう一人


「今日は稽古が無くて良かったですよ」


志筑仁(ジン)
いつも上品な立ち振舞いをしている良家の子
その殆どを勉学や芸術、武芸に当てている為、放課後にこうしているのはかなり珍しかった

「暁美くんとは、学校でしか話したことなかったですしね」

「それは仕方ないんじゃないか?仁は忙しいから」

「そういう事じゃないのだよ、美樹くん。遊んで、不良に絡まれて、怪我作って、夕日に染まる土手を走る。そこに意味があるんです!」

「いや走らないぞ」(いえ走らないわよ)

「不良に絡まれるのはありなの?僕は遠慮したいなって」

「まどかは俺が守ってやるって。ウチのヒロインだからな」

「ヒロインじゃないよ!」

(ゲーセンね。ガヤガヤして煩いし杏子に連れられてあの踊るやつした位ね)

キョロキョロ中を見渡すほむらを余所に、三人はパンチングマシーンに興じていた

「お前なんか妙な技とか使うなよ」

「ふっふっふっ、技術とは使うためにあるのです」

「何してるんだ?」(何してるの?)

「あそこにパンチして強さを比べるってゲームだよ。ほむら……くんもやってみる?」

「そうだな」(そうね)

(えっと、流石に壊れちゃうだろうからちょっと強めくらいで……)

そんな考えとは裏腹に、腰の入ったかなり良い拳が的にめり込んでいく
店の騒音に負けない程の衝撃音と共に、勢いよく倒れたそれはほむらの拳を測定不能として、この機械が出せる最大の数字を表示した

「うっは、カンストとか初めて見たわ」

「暁美さん細いのに凄いですね。今度腕相撲しましょう!」

「まあ当然の結果だな」(まあ当然の結果ね)

三人は笑っていたが、まどかは酷くあたふたしていた

「ちょ、三人とも、凄く見られてるよ」

「ん?ならまー来たばっかだけど出るかー」

「あ、最後に一つだけやりたいことが」

志筑仁は、そう言って三人の背中をグイグイ押す
その先にあったのはあの写真を撮る機械

「野郎四人でプリクラぁ?」

「大丈夫ですよ。鹿目くんと暁美くんは見ようによっては女子です」

「僕は女子じゃないよ?!」

「たまにしか遊べないんですからワガママに付き合って下さい」

「早く撮ろう」(早く撮りましょ)

「ほらほら、暁美くんの言う通りですよ」

結局それからの仁のごり押しで、無駄に騒ぎながらもプリクラを撮ったのだった

翌朝

少し遅れてやってきたまどかを手荒く出迎えて、四人での登校

「昨日は楽しかったなー」

「また機会があれば行きたいですね」

清々しい笑みを見せる二人とは対照的に、寝坊したらしいまどかと最初程ではないがまだ弁当に慣れてないほむらは話に乗りきれてない


「そいえば、転校生来たって言ったら見たいって、さやかが言ってたんだよ。だからあのプリクラ見せていいか?」

「構わない」(構わないわ)

「じゃあ最近行ってなかったし今日は顔見に行くかな」


さやかの名前が出た時、仁の肩が少し上がったのに気付いた者はいなかった

四限の終業を告げるベルが鳴り、各自弁当を持って集まっていく

「ごめん、今日はマオとなんだ」(ごめんなさい、今日はマオとなの)

「りょーかいっ」

(今日は……杏と一緒にお昼食べる日ね)

最初の日以来、三日に一回は一緒に食べる事を約束させられていた
何となく悪い気がしたが、マオを理由にほむらは抜け出して屋上に向かう
屋上の階段を上がっていると、何かを言い合っている声がする事に気付いた

「杏、に……マオ?」

マオはほむらがやって来ることを知っていたのか、あまり驚いていなかった

「暁美……こいつと知り合いなのか?」

マオは杏を睨み付けながら、ほむらに問う

「ああ」(ええ)

良く分からない状況に戸惑いながらもほむらは頷き肯定する
ここでの二人の関係は分からなかったが、良好とは言い難い様子

「ほら、とっとと帰れよ。俺はほむらに用があって、あんたにはねーの」

「……今回は見逃してやる」


扉の横に立っていたほむらの方に向かってくるマオの眉間の皺は何時もより三割増しくらいで深かった


「……あまり心配させるな」

「え?」


すれ違い様、マオはそっと呟く

あまりに意外な言葉だったせいか、ほむらは聞き間違えたのかと思った

微妙な沈黙

何時もなら弁当を催促してくるのに、それもない

「ほら」

触れられたくない事もあるのだろうと、弁当を押し付ける

「今日の卵焼きは、上手くできたんだ」(今日の卵焼きは、上手くできたのよ)

ホッとした様に、杏が笑った

「そりゃ毎日入ってるんだから上手くなるだろ」

「そこは素直に期待してるって言えよ」(そこは素直に期待してるって言いなさいよ)

「期待してる!……からいただきます!」

放課後


「じゃあ、行ってくる!」


恭介はHRが終わると同時に、凄まじい速さで駆けていってしまった


「僕も稽古があるので」


暫く恭介を複雑な表情で見送っていた仁も、カバンを取り足早に帰っていった

「今日はまどかと−−」

二人
そう言おうとしたが、遮るようにピリピリとした感覚が飛んでくる

『話があるから屋上に来い』

マオからの一方的なテレパシー
話はやはり昼の事だろう

「ごめん。マオから話があるって」

「ううん、大丈夫だよ。また明日ね!」

屋上に上がると、マオは遠くを眺めていた

(何か……怒ってる?)

振り返ったマオは何時もより無表情だった

「……お前、あいつとどんな関係なんだ?」

「んと、マオと同じ……」

「アイツとも協力してると?」

「近い内に、話そうと思ってたんだけど……」

「……そうか」

「マオは……杏と何があったんだ?」(マオは……杏と何があったの?)

「……俺は知らん。アイツが昔俺に師事していた時に、突然襲ってきたから叩き潰した。それだけだ」

(良く分からないわね。でも、師事してたのはマミと杏子と同じだし……)

「話し合ってみたらどうだ?あっちにも、何かあるのかもしれない」(話し合ってみたら?あっちにも、何かあるのかもしれないし)


ほむらの言葉に、マオは露骨に顔をしかめた

同じ頃、恭介は上条さやかの病室に居た


「鹿目くんは分かってるし良いとして、この子、ホントに男の子なの?暁美くんだっけ」

「まあ可愛い顔してるし髪も長いしなー」

「それは私よりも?」

「さーな」

「バカ!」



————————————
一応注意
上条さやかは本編の美樹さやかとは何も関係ないです
上条恭介の女版を想像してください

「そだ、CD持ってきたんだよ」

「……そっか」


さやかの表情が、急速に曇っていく

その明らかな変わりように、普段鈍い恭介も流石に気付いた


「どうかしたのか?」


すぐには答えない
俯いたさやかは酷く傷ついた顔をしていた

「昨日ね、検査があったの」


暫しの沈黙の後、さやかは口を開く
その口調は無理に明るくしているようだった


「結果は、ダメだって」

「それって……」

「だから、もうCDはいいの」

「諦めなければって、前先生が−−」

「もうダメなの!」

瞳を潤ませたさやかは、堪えていた感情を爆発させるように吐き出していた


「もうヴァイオリンは弾けないんだよ。だから、弾けない音楽なんて要らないの」


涙を流し悲壮な笑みを浮かべるさやかに、恭介は決意の籠った眼差しを向ける


「治らない事なんて、ない」

「治らないって、言ってるでしょ!それこそ奇跡や魔法でもない限り!」

「……奇跡も魔法もあるんだ」

恭介はさやかを置いて病室を走り去る


「恭介……」


咄嗟に伸ばした動く方の手は空を掴んだ


「私は、恭介さえいれば……」


少女のささやかな願いは、届くことはなかった

「キュゥべぇ!」


走り続けた恭介は人気のない公園で疲れも忘れて叫ぶ
呼び掛けられたモノは、ほぼノータイムで姿を見せた


「契約、だね」

「そうだ」

「じゃあ、願いを」

「さやかの……上条さやかの怪我を治してくれ」

「君の願いはエントロピーを凌駕した。今日から君は、魔法ダンスィだ」

恭介が契約を果たした頃、鹿目まどかは何時もの帰路ではない道を歩いていた
久し振りに一人だからと、遠回りして帰宅していたまどかの視界に、志筑仁が映り込む

「あれは……」

見間違いかと思い追った先では、やはり仁が歩いていた

「仁くん?」

「んん?誰かと思えば鹿目くんじゃないですか」

「今日は、稽古は?」

「サボりました。そんなことより、一緒に良い所に行きませんか?」

明らかに、様子がおかしかった
まどかの知る志筑仁は、稽古をサボったりする人間ではない

「うん、分かったよ。一緒に行く」

もし危ない所に行くつもりなら殴ってでも連れ帰る
そう決意して、まどかは仁についていく事にした

志筑仁は、まどかの思った通り危ない場所に向かっているようだった

かなりボロボロな廃工場
中には大勢の人の気配があった

「待ってよ仁くん、危なッ!?」


仁の瞳には、生気が宿っていなかった
ただただ、工場へと歩いていく

驚いたまどかを置いて、仁は中に入ってしまう

まどかはビクつきながらも、仁を連れて帰るために続いていった


中に居た人達は、仁と同じく生気のない瞳で何かを呟いていた

何人もの人がハッキリと聞き取れない言葉で呟いていた為、まどかにはそれが何かの呪詛の様に聞こえた

「さあ、始まりますよ」

仁の視線の先にあったのは、大量の洗剤の容器と二つのバケツに注がれた液体

まどかの脳裏に、母の言葉が浮かんでくる

−−このマークと、こっちのマークがあるものを混ぜちゃいけないよ。そうすると、私達は大変な事になってしまうから

 


「やめろ!」

近くにあった棒を掴んで、バケツを手に取ろうとした人を突き飛ばす
そうして片方を蹴り倒し、残ったバケツを持って窓際まで駆け抜け、それを放り投げる

窓ガラスの割れる音が響き、まどかはホッと一息吐こうとした


だが、まどかを見る周囲の目に戦慄した


感情の無い瞳で見つめ、まどかを罵倒する言葉をぶつぶつと呟いている

「ナニヲすルンデスカ、マドかクン」


鈍い足取りで、周囲の人間がまどかを捕まえようとする

まどかは奥の扉に駆け込んだが、そこは物置で逃げ場などなかった

(怖いよ……どうしてこんな事に……)

まどかの後ろで、扉を叩く音が何度もした


(窓は、抜けられそうにない)

「僕、どうしたらいいのかな……」

「取り敢えずじっとしてればいいんじゃねえか?」

「でも、閉じ籠ってても状況は……って恭介くん?!」

「よー、元気そうじゃん。ちょっと待ってろよ、サクッと魔物倒して迎えに来るからさ」

「そ、それって!」

まどかの声は、既に結界に潜り込んでいた恭介には届かなかった


「まどかが取り込まれる前に来れたのはいいけど、変なやつだなあ。箱じゃんあれ」

結界に入った恭介は、軽装な騎士の格好をしていた
担いでいる剣は、身の丈程もある

観察していると、箱に何かが映りだした

暗闇に居るまどかが、何かに追われている構図
だが、肝心のまどかは何だか歪だった

「あれ、絵か何か?へったくそだなあ」

下手は禁句だったらしく、周囲を飛んでいた使い魔が表情を怒りに染めた


再び、箱の映像が変わっていく

そこには、ちょこんと一つピーマンが映っていた

「うえ、ピーマンは止めろよ。見るのもやなんだ」

箱の魔物は、気を取り直したらしく、ピーマンの入った料理を次々と映し出した

なーんだ
不快に思う人がいたら〜ってのはただのポーズだったわけか
構ってちゃんかよ


「マジでやめろって」

ピーマンの肉詰めが映る

「ホント」

ピーマンサラダ

「おい」

大量のピーマンが映ったとこで、恭介から何かが切れる音がした

「やめろっつってんだろ!」


巨大な剣を容易く扱う恭介は、素早く接近するとそのまま重量にものを言わせて振り下ろす

恭介自身の速さも相まって、箱の魔物は一刀両断された

薄れていく結界の中、拍子抜けといった表情で恭介は呟く


「ギャグかよ」


初戦にしてはかなり上出来な結果だが、何となく腑に落ちなかった

そうこうしていると、ほむらとマオが駆け付ける

「おう、遅かったじゃん」

「お前契約したのか」

恭介の格好に驚く二人
特にほむらは声も出ないようだった


「な、何だよー。倒したんだし、褒めても−−」

恭介の言葉は、ほむらに手を握られて止まる

「あなたが契約しない様に、もっと強く言っておくんだった……」

恭介もマオも、困惑した表情を浮かべる


「私が……ちゃんと話してれば……」


同じ魔法使いとなった恭介は、ほむらがただ強いだけではないという事に気付いた

手を握り震えるほむらは、何時もより小さく見えた

結界が消える頃には、ほむらの震えは治まっていた

「兎に角、なったからには、ありとあらゆる全てに覚悟しなさい。それから、ソウルジェムの濁りには特に気をつける事。これはマオもよ」


先程までの自分を隠そうとしているのか、ほんのり赤くなっているほむらは矢継ぎ早に告げていく

「何だ、照れ隠しかー?」

「違うわよ!」

頬を少し膨らませて、見上げるほむら

さっきまで震えてた時は泣きそうだったのか、潤んだ目が恭介を射抜いた


まどかの元に向かうと、まどかは半泣きで仁を揺すっていた


「皆!仁くんが起きないんだよ!」


マオがチラリと一瞥し、特に生死に関わる事はないと判断する


「問題ない。それより、警察を呼んだからさっさとここを出るぞ」


「そっか、良かったぁ……」


ホッと胸を撫で下ろしたまどかは、緊張が解けたのか膝から崩れていく

「……仕方ないな、乗れ」

マオはそう言って、まどかに背を向ける

「あ、ありがとうございます……」

「意外と優しいのね」

「ホントホント」

「意外は余計だ。早く行くぞ」

背負われているまどかだけが、マオの耳が赤いのに気付いた


工場から離れた公園で足を止める

「恭介くんは、魔法使いになったんだね」

「ん、そうだな」

先程のほむらの様子を考えると、あまり誇っては言えなかった

「……まどかは、絶対に契約しちゃだめよ」

「それは、どうして?」

「俺も気になるな。暁美は何を知ってるんだ?」


三人の視線を受けて、ほむらは黙ってしまう

(本当に言ってもいいの?)


正解のない疑問をぶつけられ、ほむらの思考は出口の無い迷宮に捕らわれる


「ごめんなさい、今はまだ……」

時間停止して、ほむらは去っていく


消えてしまったほむらに、残された三人は顔を見合わせるしかなかった

切りがいいのでここで

次の更新は23時予定ですが、書き溜めが不十分だったら翌日になるかもしれません

その場合も23時です


途中から書き溜め分尽きてしまったので、誤字脱字等のミスがあったかもしれません
申し訳ないです

ほむらが乙女過ぎてドキドキハァハァしてくる
それとこのさやかはとっても可愛いから幸せになるといいなって

今夜も期待してます
乙でした


さやかは仁に寝取られる訳か

乙です

マオ君がなんだかカワイイ

おう談義スレでステマすんのやめろや

なんだかみんなイイ奴らだな
魔法ダンスィ

ダンスィとか2chスラングを使ってること自体キモい
なんで男子にしないんだ?そもそもダンスィって小学生以下のやんちゃ坊主のことだぞ?

617 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/09(木) 03:48:02.72 ID:lEyEGt7AO
上条や中沢主人公なんて咲の京太郎スレみたいになるだけだなwwww
それより何かおすすめない?俺は魔法ダンスィスレが今一番熱いと思う

>>169>>171>>172
p2とauと専ブラ使って書き込みとか必死すぎだろ……

半端な自演判定はやめとけ

スレタイで蹴ってたけど良いなこれ

談義スレのAOの発言とかwwww
あいつ今までアイマミスレを執拗に持ち上げて周りから荒らし認定されたやんけ、新手のネガキャンとかうんたら


なんか新しい扉開いたわ。ありがとう

談義スレのAOが挙げるスレ=読者または作者の人格に問題があるスレ
という法則性を発見した

一番熱いとか言っておいて同じIDでキモい発言
要は自演荒らし

乙女ゲーだった

舞ってる

少し遅れましたが書いてきます

翌朝、ほむらは何もなかったかの様に朝の待ち合わせ場所に現れた

仁は、検査入院で休みとの連絡があったらしい


「なあ、昨日は……」


完全に無視の態度をとるほむら

昨晩の事について掘り返す事は許さないと背中が語っていた

お昼になると、ほむらは何も言わずに立ち去る


目指すは屋上
扉を開ければ、いつもと変わらない、何も悩みなどなさそうに笑う杏が居た


(悩んでるのがバカらしくなるわね)

「人の顔見て溜め息って失礼だな」

「何も悩みがなさそうでいいなと思ったんだよ」(何も悩みがなさそうでいいなと思ったのよ)

「……まあ確かにあんまりねぇけどさ、それはいくらなんでも」

「はい、弁当」

「よっしゃ!」

何処かのタイミングで、ソウルジェムの秘密を言わなければならない時がくる

その時には、杏も居た方がいいだろう

そう思って、ほむらは最初の問題を解決する事にした

「マオから、昔何があったか聞いたんだ」(マオから、昔何があったか聞いたの)

「そうかよ……」

杏は酷くばつの悪い顔をした

「次ヤる時は絶対負けねーよ」
「そんな話をしたいんじゃないんだが……」(そんな話をしたいんじゃないんだけど……)

「違うのか?」

「ああ」(ええ)

「何だ、次は勝ってねとかじゃねえのかよ」


よく分からないと首を傾げるほむらに、今度は杏が溜め息を吐く番だった

「や、いいや。言われたらどんな顔すりゃいいか分かんねえし」


「それで、どんな話だよ?」

「マオと仲直り出来ないのかって話」(マオと仲直り出来ないのかなって話よ)

「……ほむらが言うなら、してもいい。仲直り」

苦い顔をして言う杏
明らかにそうしたくはないという表情

「ホント?ありがとう、杏」

ホッとしたように笑うほむらに、杏はそれ以上何も言えなくなってしまった

その日の放課後、ほむらは完全に元通りになっていた

まだまだ問題はあったが、一つ荷が下りたのでかなり楽になった


「ほむらちゃん、元気になって良かったね」

「ん、そいえばそうだな」

「何の話?」(何の話なの?)

恭介を見上げるほむらが、この前の涙目だったほむらと被った

「ほむらは元気で居た方がいいなって話だよ」

あんまり見てたら赤くなりそうで恭介は隠す様にほむらの頭をポンポンと叩いたが、幼馴染み相手でないと思うと結局赤くなってしまった

「子ども扱いは止めろ」

ほむらは眉間に皺を寄せ、マオの声真似をして言ったが全く似てなくて

暫く顔を見合わせた三人は、その後堰を切ったように笑いだした

次の日の朝には、仁は復帰していた

「そう言えば病院で、上条さんと話しましたよ。何だか突然怪我が回復に向かい始めたみたいで、少しリハビリしたら学校に戻るらしいですね」


「そ、そうなのか、それは良かった!」

「聞いてないんですか?」

「お、おお」


恭介の挙動は明らかに怪しく、仁は不審の目を向けた

「上条さんと何かあったんですか?」

「さやかとは、何もねえよ!」


恭介は叫んでいる自分自身でもなにがなんだか分からずにいた

思考が纏まらない


「恭介?」

振り返れば、心配そうな顔のほむらがいた

「……悪い、先に行くから」

生まれて初めての感覚に、恭介はその場を走り去るしか出来なかった

魔男フラグか

教室に入ると、恭介はクラスメートと話していた

三人を少し見たが、それだけで話の輪に戻っていく


「どうしちゃったのかな、恭介くん」


心配してみても、何が原因かは分からない

恭介はその日三人を避け続けた

結局恭介はそれから数日、三人とあまり口をきかなかった

ギクシャクした関係が変わらない内に、上条さやかの登校日がやってきていた


「おはよー、久しぶり」


松葉杖をついて、ひょこひょこ歩くさやかの周りには直ぐに人が集まり、階段等は肩を借りて歩いていた


一人先に登校していた恭介は、前に病室で会って以来初めてさやかを見た

ピクリとも動かせなかった腕が、動いている

願いの結果を見た恭介は、ホッと息を吐いた
そんな恭介の元にさやかがやって来る

「や、久しぶり」

「おう、退院おめでとう」

「ありがと。……この前の事なんだけど」

「気にすんなって。治ったんだからいいだろ」

笑いかける恭介の笑顔は何処かぎこちなく、さやかには辛そうに見えた

「恭介?何か−−」


さやかの言葉は、教室にやってきた早乙女和也先生によって遮られた


「朝のHRを始めます」

仕方ないと、さやかは自分の席に着く

「よし、今日の連絡は二つ。上条さやかさんが退院したが、まだまだ歩くのには問題があるらしいので皆気にかけるように」

「はーい」


「そしてもう一つは、先生の話だ。諸君等は男だとか、女だとか、性別にとらわれて好きだと言った相手を愛せない様な人にはならない様に。そもそも、そんな奴は外見ばかりに拘って、中身を見ようとはしない。それは大変愚かな事で……」

早乙女先生の話は、一限の教師が来るまで続いた

ホモォ



「美樹くん、話があるんだ」


その日、休み時間になっては消えてを繰り返し、最後のHRの後早々に帰ろうとした恭介を仁は引き止める


「話って?」


「ここじゃ言えない。帰り道の公園で話そう」


「……分かった」

公園

「で、話って何だよ」

背を向けたままの仁に問い掛ける
肩がピクリと動いたが、振り向きはしなかった

「今日、上条さんが退院しましたね」

「ああ」

「だから、覚悟を決めました。僕は、……俺は上条さやかさんが好きだ。それを、明日伝える」

「お前ッ!?」


振り返った志筑仁の表情は、それが冗談ではない事を語っていた


「……好きにしろよ」


「美樹くんは……恭介はそれでいいのか?」


「それを止める権利は、俺にはない」


「……なら何も言わないよ。でも、明日俺は告白する。それだけは覚えていてくれ」


「分かった」


翌日、恭介は学校に行かなかった

自分よりも、ずっとずっと大人だった友人達を見て、どうしたら良いか分からなかった


(まどかは、臆病だけど、それを乗り越えて危険に飛び込める凄いやつ)

(仁は、迷いのない顔をしていた)


(そしてほむらは、小さい身体で何か大きな物を背負ってる)

(俺は?……流されるままに衝動で契約して、迷って、誰かを支えようとなんて思ってない。……自分の事ばかりだ)


夕暮れまで続いた自問自答は出口を見出だせず、突然の来訪者により中断させられる


「魔物が現れた。マオとほむらは別の場所に向かっていて行けないんだ」

「キュゥべぇ……まあいいか。丁度よかった」


その結界の中は、全てのモノは黒く染まっていた

「あれが本体か」

蠢く黒い触手
先は蛇のように揺れている


「悪いけど、今むしゃくしゃしてんだよ。簡単には、死んでくれるなよ」


迫りくる使い魔達を、生み出した大剣で切り払う


影の魔物は、恭介の望み通りの相手だった

「はっ、つええじゃん」


幾ら切ろうとも迫る触手
強敵だった


「もっと早く、速く……」

恭介は、戦闘の中で魔法の力を理解していく

大剣は小さく凝縮され、もう一本錬成された

溢れ出る戦意は恭介の意識からあらゆるモノを捨て去り、残ったのは敵を屠る意思のみ


吼えた恭介の足元に出現する魔方陣

爆発的な加速を見せたそれは、あらゆる触手に遮られようと止まらない

無論恭介にも多くの傷ができたが、高揚した恭介は痛覚を遮断していた


最早触手の再生が追い付かない程に加速した恭介は、最後に特大の魔方陣を造り出し跳ぶ

「消えろッ!!」

一筋の線となる程の速度で、遂に魔物本体を貫いた恭介は、最早消え去るのみとなった魔物に更に攻撃を加えていった


「おいおい、あれがほむらの仲間かよ」

恭介の様子を見ていた杏は、半ば引いていた


「一人だったらきっと無茶をするから、お願い」


ほむらの言葉を思い出して、やれやれと首を振る

「まあ、あいつの頼みじゃな……」

厄介なものを抱え込んだものだと思ったが、むしろ心地好いと思っている自分も確かにいた


「よう、新米にしてはやるじゃん」

「ん、誰だお前?」

「先輩だよ先輩。ほむらに言われて、来たんだ」

ピクリと眉が動いた

「ほむらに?何て?」

「心配だから見ててくれってさ。それより、ソウルジェム出せよ」

訳が分からなかったが、恭介は素直にソウルジェムを出す
掌の上のそれは、かなり濁っていた

「ほむらから言われなかったか?ソウルジェムの濁りには気を付けろってさ」


杏は拾い上げたグリーフシードで、恭介のソウルジェムを浄化する

恭介はそれを見て、自分が契約した時のほむらの姿と言葉がフラッシュバックした


「それが濁りきると、どうなるんだ?」

「察しがいいな、あんた。俺は知ってる。ほむらも多分、知ってんだろうな」

だが、と杏は口を止める



「お前にそれを知る覚悟はあるのか?」





「ありとあらゆる全てに覚悟しなさい」


ほむらの言葉だ


あの時は何とも思わなかったが、ほむらは荷を持って、更に恭介の事までも支えてくれようとしていたのだ


「……聞かせてくれ。聞いた上で、俺は−−」


−−あいつの荷を軽くしてやりたい−−


「……そうだな、先に俺の身の上話でもしよう」


そうして、杏は自身の経緯を話しだした


「俺の両親は、教会で教えを説いていた。主に母が前に出てたんだが、まあ、自分の親の事だが美人だったから、話を聞くやつも多かった。それが下心でもな。

まあそんなわけで、母さんと父さんと弟の四人で、そこそこ楽しく暮らしてたんだ。

それもある時までだが」


「ある時、俺がガッコの修学旅行から帰ってきたら、ウチの人間は皆死んでいた」


話の内容にか、淡々と言う杏にか、恭介は驚きのあまり声も出なかった


「何があったのかは、知らない。まあ想像出来ない事も無いが、知りたいとは思わない。

……まあ兎も角だ、荒れ果てて誰も居ない家に帰ってきて途方に暮れてた俺の前にあれは現れたのさ」


「キュゥべぇ……」


「そう。本名はインキュベーター。奇跡を片手に人間を騙す宇宙人だ」



「騙す?」

「まあ聞け。奴は俺に契約を持ち掛けてきた。奇跡と引き換えに。

ならばその代償は?個人差はあるがありとあらゆる願いを叶える代わりに戦ってくれなんて変だと思わないか?それだけの技術があるんだから自分でやればいいだろうに」


言われてみて、確かにそうだと思った


「全部無くなって、変に頭が冴えてた俺は、奴が隠している全ての事を聞いた。奴等が隠していたのは、ソウルジェムの二つの秘密だった」

「覚悟は出来たか?もう疲れたからサクッと言うぞ」

「なんだそれ。まあ、早く言えよ」


恭介は呆れたような顔をして笑った


「よし、じゃあいくぞ。ソウルジェムには俺達の魂が入ってて、それが濁りきると俺達は魔物になる。それが奴等の秘密だ」

「……あー、それは……考えてたのよりずっと最悪だな」


「何だよ、あんま応えてなさそうじゃん」

「いやまあ、ショックはショックだよ。でもさ、あんたもほむらも抱えてたんだろ?」

「多分な」

「なら俺一人挫ける訳にもいかねえし、それに、決めたことが一つあるんだ」


触れば折れてしまいそうで、震えていたあいつを、今度は俺が支えてやりたい



「そう言えばあんたさ、名前は何て言うんだよ?」

「佐倉杏」

「杏か。俺は美樹恭介……ってほむらから聞いてるか」

「ああ、だけどま、よろしくな」

「おう」


差し出された手を握ろうとした時、突然恭介のポケットの電話が鳴り出した


「あー」


「出ていいぞ」


「サンキュ」


携帯の表示は、上条さやか

話があるから公園まで来て

簡潔に書かれたそれは有無を言わせぬ感があった

「悪い、ちょっち行ってくるから」

「ん、また今度な」

「あ、いや、最後にもいっこだけ」

「何だ?」

「杏は何で知ってて契約したんだ?」

「……プライベートって奴だ。」

「んー、そうか、じゃあ聞かね。またな!」

「おう」


(迷いは失せた。後はもう、進むしかないんだ)


恭介は駆け足で待ち合わせ場所まで向かう


「さやか!」

さやかは、公園のベンチに座っていた

恭介を見ると、自分の隣をポンポンと叩いた


「座って」

「ん」

恭介が座るのを感じて、空を見詰めながら話し出す


「今日ね、志筑くんから告白されたんだ」


「ああ、知ってたよ」

「そっか」

少しの間、沈黙が支配する


「……私ね、恭介の事−−」

「待ってくれ」


さやかの言葉を遮って、恭介は立ち上がった


「俺、さやかの事が、ずっと好きなんだと思ってた」


さやかの体がピクリと震えたが、背を向ける恭介は気づかなかった


「一緒に居て楽しかったし、事故の時は寝らんなくなるくらい心配した」


「うん」


「入院中だって、何度も見舞いに行ったしな」


「……うん」


「でも、さやかへの想いは、親友とか、そういうのの好きなんだって、分かったんだ」


「まどかや仁と居たって楽しいし、あいつらが事故ったら寝られなくなるくらい心配するし、見舞いだって沢山する」


言葉が勝手に出てきて、恭介自身でもちゃんと言えてるか分からなかった


けれども、ただ一つ確かな思いがあった


「俺、一番隣で支えてやりたい奴が出来たんだ。そいつの事、命を懸けてでも守ってやりたいと思ってる。だから多分、この気持ちはそういう事なんだ」



「俺の話は、これで終わりだよ。ごめんな、さやかが話あるって言ってたのに」


空は既にかなり暗くなっていた

星空を見上げる恭介の背に、さやかは額をくっ付けた


「私達、さ。幼馴染みより上には、なれなかったのかな」

「……ああ」

「そっか」


直ぐにでも泣いてしまいそうだったさやかは、恭介の背中をそっと押した


「もう……行って、いいよ。でも、振り返らないで」

「……分かった」


走り去る恭介の背後で、崩れ落ちる様な、音がした


恭介は夜の街を変身して飛び回る

暫くは、少なくとも今日一日は罪悪感に包まれていそうで、その思いを置き去りにしようと疾走していた

だが、どんなにそう思ってはいけないと考えても、後ろめたさは拭いされなかった


遂に高層ビルの屋上で立ち止まり、空を仰ぎ見る


「恭……介?」


声に振り返ると、息を切らしているほむらの姿があった


「もう、少しで……見失うとこだったわ」

「なんで……」


身を震わせる恭介に、ほむらは息を整えながら近付いていく


「どうかしたの?」


そう言って震える恭介の手を握り、俯く恭介の顔を覗き込んだ


「え、ちょっと、何で泣いて−−」

涙目の恭介を見て驚き、離れようとしたほむらの手を握り締める

しゃがみこんで、ほむらの手の甲を額に当てた恭介は呟いた


「暫く、こうさせてくれ」


恭介には見えてなかったが、ほむらは小さく頷き、空いている手で頭をそっと撫でた

(情けないなあ。……また、支えられてる)


「……な、何か照れ臭いな」

少しして、涙の引いた恭介は顔を赤くして言った


「そうかしら?」

「はあ……だよな。ってこんな時間だし、今日はもう帰ろうぜ?」


「そうね。魔物も現れそうにないし」


「ん。それと、今日はありがとな」

「当然よ、仲間なんだから」

「仲間か。まあいいか、最初はそれで」

「最初?」

「分かんないならいいっての」

恭介は笑えた
笑えていた

今度は、こいつが泣きそうな時に笑えるようにしてやろう

そう決めた


翌日の放課後

上条さやかは、志筑仁を呼び出していた

「お待たせしました、上条さん」

緊張している様で、仁の表情は堅かった

そんな仁に、さやかは素早く頭を下げた

「ごめんなさい、私、志筑くんとは付き合えません」


仁が口を開こうとしたが、さやかは続けて伝える

「志筑くんから告白された後、恭介にフラれたの。守りたい人がいるって言ってた。ってこれは関係ないか」

「でも、自分の気持ちを伝えようと思ったのは、志筑くんが告白してくれたから」

「私は、志筑くんの告白を利用した、ズルい奴なんだよ」

「だから、私は志筑くんに好きになって貰う価値なんて、ない」


そう言って立ち去ろうとしたさやかを、仁は怪我をしなかった方の腕を掴み引き止めた


「価値とか、そんな話は関係ない」

「志筑……くん?」

「僕は今、フラれて傷心中の方に、その隙をついて心を射止めようとしてます」

「そんな僕だって、ズルい奴です」


「そんな事……ないよ」


「じゃあ上条さんだってズルくない」


「私は−−」


「僕は、貴女が好きです。ただなにもしないでこの気持ちを手離したくない。だから、何時か貴女が他に好きな人が出来るまで、僕にチャンスを下さい」


「志筑くんは……強いね」

「上条さんも強いです」

「ね、志筑くん」

「何ですか?」

「友達から、始めよう?幼馴染みの友達と、友達の幼馴染みじゃなくて」

「はい、友達から」




今はまだ、失った物が大きすぎて分からない


でも、目の前で微笑む“友人”を、いつかきっと好きになれる
……そんな気がした

切りがいいのでここで

次回更新は今日の23時予定



取り敢えず書いてて思ったことを一言

中学……生?



ところでさやかって名前は恋愛運が下がる呪いでもかかってるんですかねぇ?(困惑)

恭介ってのが人の心が解らないアホなんだろう
そして早乙女ってのは…

乙でした
今夜も待ってます

仁じゃなくてほむらが寝取りやがった(驚愕)

でも、『さやか』が恭介の女版で、『恭介』がさやかの男版だから
さやかは恭介を仁美にやってほむらに靡いたって展開な訳か

乙乙

どうせ最終的に逆ハーレム()になる

腐臭がする

腐臭じゃなくて夢厨の方が近いだろう
でもいいわーこれ


ほんとにさやかってば、さやかというだけで失恋しちゃうのね

つーか、最初から逆ハーレムものでしょう。

かなり遅れてすみません

今回更新予定分は推敲が不十分で、一応設定の核心部なので翌日に回させてもらいます

ただ短いですが本編とは無関係なエピソードがあるのでそれを投稿します

本当に申し訳ないです


その日、久し振りに三人揃っての昼食をとっていると、ほむらは一人の少女に呼び出された


「用って何だ?中沢さん」(用って何かしら?中沢さん)


漫研部の部室では、中沢さんが何かを描いていた

「これって……恭介とまどか?」

「おお、ほむら殿、来てたのですな!」


「あ、ああ」(え、ええ)


この時間軸では、元と比べると担任も含めてあれな人物が少数居る

中沢さんはその中の最たる人物でもあった


(絵は凄く上手ね。でも何でこの二人?)


「興味があるなら読んでみては」

ササッと棚から一冊の本を取り出し、ほむらに手渡す

表紙はやはりまどかと恭介だった


(絵はやっぱり凄く上手いわね)


最初の数ページは、カラーのイラストが載っていた


(あ、漫画なのね)


まどかと恭介が放課後の教室に二人だけで談笑している所から始まっていた


(え、な、何でこんな近く……、え、ええっ!?)


ページを進める内に、二人の距離がどんどん近付いていく

その漫画は二人がキスした所で終わっていた


ほむらは顔を真っ赤にして、漫画を突き返す


「おお、続きもありますがどうしますか?」

「え、遠慮しておく」(え、遠慮しておくわ)

(少しだけ気になる様な……。って何考えてるの?ダメよダメ。今のは忘れましょう)


「いやぁ、今のは我々の中では王道の恭介×まどかですな。他にもまどか×恭介や恭介×仁等色々ありますぞ」


(……暫く頭から離れそうにないわ。強烈すぎよ……)


咳払いを一つして、中沢さんの話を遮る

「それで、用ってのは?」(それで、用って?)

「忘れるとこでありました!実はほむら氏に、恭介氏とまどか氏、それから先輩の巴マオ氏の写真を撮ってきて貰いたいのですよ!」

「えと、それって」

「いやはや、三人がマオ氏とお知り合いだったとは!小生久し振りに創作意欲が大噴火しそうなのですよ!ひいては資料用に写真を一枚お願いしたいのです!」



「そ、そうか、分かったよ」(そ、そう、分かったわ)

あまりの熱意に、思わずOKを出してしまった


「おお、ありがたい!完成した暁には一冊進呈しますぞ!」


(べ、別にいらないけど、まあそんなに言うなら……どうかしてるわ、私)


自分を戒めながら、不意にある疑問が浮かんだ


「それ、何で俺に頼んだんだ?」(それ、何で私に頼んだの?)

「ああ、それですか。何となくではありますが小生、ほむら氏からは男装女子の様な気がしてるのですよ!まあそんな事ありえませんが。だからほむら氏は執筆対象外ですゆえ、依頼したのであります」


(……それ、当たってるわ)


中沢さんの底知れぬ恐ろしさに、ほむらは早々にそこを立ち去った

デジカメ片手に





後日、三人を写真に収めたデジカメを返した際に、勧められた漫画を拒むのに、自分の好奇心との大きな戦いがあったのは、また別の話

短いですが終了です

次回更新は11日の23時


全然更新できずすみません


取り敢えず中沢さんと早乙女先生のプロフィール書きます

中沢さん
漫研部部長
仲間内では神と呼ばれている
腐っている


早乙女先生
バイ
口癖は「愛に性別は関係ない」
女装癖があり、時折学校に女装してくる
フラれた後の話は長いが、暫く寂しさを埋めるためか手作りのクッキー(美味)を持ってきてくれる為生徒からの人気は高い
一度話が親に伝わってからは、話の締めには「クビになってしまうので両親には言わないように」と結ぶようにしている


こんな感じです

何という事でしょう…

男子キャラは女子になってるんだ

中沢ェ……

不快だった。

ああ成る程
ドリーム小説とかと同種の気持ち悪さだわこれ

そんなに嫌なら見なければいいのになんでずっと粘着してるのかな?

ID変えて連レスしてる人なんかに触れてはいけない

お前の書き込み以外は全部俺の自演だよ

書いてきます


恭介との仲が戻って数日、鹿目まどかは一つ決めたことがあった

(何だか最近皆とゆっくり話したり遊んだりしてないし、家に誘おう!)

「というわけで、今日皆で家に来ない?」

「何がというわけでなのか分からないけど、いいよ」(何がというわけでなのか分からないけど、いいわ)


取り敢えずその場にいたほむらを誘うことに成功した


恭介の場合

「わり、放課後は杏との特訓があんだよ」

「そっか、じゃあまた誘うね」

「おう!」


マオの場合

「あ、マオさん」

「ん、何だ鹿目か。どうしたこんなとこまで」

「あ、えと、その……ごめんなさい!」

「おい待て!……って聞こえてないか。……俺はそんなに恐がらせてるのか?」

マオは少し傷ついた様に伸ばした手を見つめた


「ごめんね、ほむらちゃん。皆来れないから、また今度にしよ」

放課後
二人での帰り道で、まどかは酷く落ち込んだ顔で歩いていた

「ほら、元気だせ」(ほら、元気だして)

ほむらはまどかの手をとって走り出す
よろめきながらも駆け出したまどかは、何とか体勢を立て直す

「ほむらちゃん?」

「皆で遊ぶのは今度、今日は二人で遊ぼう!」(皆で遊ぶのは今度、今日は二人で遊びましょ)

「……うん!」

明るい表情を取り戻したまどかに、ほむらも一緒に笑った


「おかえり、まどか。おや、そっちの子は?」

「ただいま、マ……母さん。暁美ほむらくんだよ」

「初めまして、こんにちは。何時もまどかくんには御世話になってます」

「初めまして、ほむらくん。いやいや、一瞬まどかが彼女を連れ込んで来たのかと焦ったよ」


「母さん!?」


「そうだ、私は知子というから、おばさんでも、知子でも、知ちゃんでも好きに読んでくれ」


「はい。よろしくお願いします、……知ちゃん?」


「ふふ、面白い子だね、まどか。じゃあ私は娘を迎えに行かなきゃいけないから、出てくるよ」


「分かった。いってらっしゃーい」


「ふう、何かごめんね?玄関でどたばたして」

「ううん、楽しいお母さんだな」(ううん、楽しいお母さんね)

「じゃあ、僕の部屋に行こ」

「分かった」


案内されたまどかの部屋は、流石に少女のまどかとは全然違った
ただ、性格からかきちんと整理整頓してあるのは一緒だった


「あ、それちょっと待っ、ああ……また負けた」


「ほむらちゃんにも苦手なものがあるんだね」

「ゲームとか、あんまりやったこと無くてな。でも結構面白い」(ゲームとか、あんまりやったこと無くて。でも結構面白いわね)

「そっかあ」

隣でコントローラーと一緒に身体を傾けるほむらを盗み見て小さく笑ってから、まどかはふと思い出した


(ほ、ほむらちゃんは女の子だよ!)


これまで、何故だか随分昔からの友達の様に感じていたまどかは、気付きだしたら二人きりである事を意識せざるを得なかった

長い黒髪、綺麗な瞳、そして柔らかそうな−−


「どうしたのか?」(どうかしたの?)


コントローラーを動かすのを忘れていたらしく、ほむらの使っていたキャラクターの勝鬨が耳に入った

目と目が合ったまま、まどかは引力でも働いているのかと思うくらい、顔を逸らす事ができなかった


見つめあったまま、少し経った

「まどか、顔が赤い」

そう言ったほむらの手が、まどかの額に触れる

グッと接近したほむらに、まどかは完全に硬直してしまったが、それは長くは続かなかった


「ただいま!」


妹の大きな声が、まどかの部屋まで響いた


どたばたと上がってくる音に、咄嗟に離れたまどか

ほむらが姿勢を戻すのとほぼ同時に扉が開いた

「にいちゃ!……と、ほえ??」

「お、おかえり。それからほえ、じゃなくて、ほむらくんだよ、たぁちゃん」

「ほむねぇちゃ?」

「ほむら・く・ん。この子は妹のタツミだよ」


「ほむねぇちゃ、……ほむねぇ!」


タツミは直ぐに気に入ったのか、ほむらの膝の上に座り込んだ

「やっぱたぁちゃんは誤魔化せないのかなぁ」

「はは、いいよ別に。なータツミちゃん?」(ふふ、いいわよ別に。ねータツミちゃん?)

「うん!」

元気そうに頷いたタツミは、気持ち良さそうにほむらに撫でられていた


「おやまあ、気に入られたみたいだね」


直ぐに、お菓子の乗った盆を持って知子が現れた


「ほら、タツミ、お兄ちゃん達の邪魔しちゃだめだよ」

「や!いっしょにいる!」


母親の手を無視してタツミはほむらにきつくしがみついた


「大丈夫ですよ、タツミちゃんが居ても」

「そうかい?じゃあよろしく頼むよ。タツミ、良い子にするのよ」

「はーい!」

知子はにこやかに去っていった

「ほら、たぁちゃんこっちおいで」

「や!ほむねぇと!」

「よしよし、いい子だな」(よしよし、いい子ね)


暫くそうして遊んでいたのだが、まどかはほむらを取られた気がして少しむくれていた


それに気がついたほむらは、イタズラっぽい笑みを浮かべた


「懐かしいな。前の時も、膨れっ面してたっけ」(懐かしいわね。前の時も、膨れっ面してたっけ)


「もう!……ってあれ?前って?」


「いや、こっちの話だ」(いや、こっちの話よ)


笑いながらまどかの頭をポンポンと叩くほむらに、まどかは容易く誤魔化された


途中寝てしまったタツミをまどかのベッドに移したり、ゲームをしたりしている内にすっかり日も暮れていた


「じゃあ、そろそろ帰るかな」(じゃあ、そろそろ帰るわね)

「うん、もう暗くなってきたしね」


階段を降りた二人を待っていたのは、まどかのパジャマを持った知子


「今日泊まっていきなさい。確か暁美くんは、一人暮らしだったろう?」

「え、ええ!?」

驚いたのはまどかの方だった
ほむらは、冷静にまどかのパジャマを受け取っていた

「それじゃあ、よろしくお願いします」

「ほむらくん!?」


まどかの部屋に戻ると、まどかが慌てた様子で口を開いた


「ほ、ほむらちゃんは、女の子なんだよ?」


「知子さんは知らないんだ。変に断ったら怪しまれるかもしれないじゃないか」(知子さんは知らないのよ。変に断ったら怪しまれるかもしれないじゃない)


「それに着替えだって……」


「一応盾の中に外泊用の着替えは入ってる」(一応盾の中に外泊用の着替えは入ってるわ)


「で、でも……」

「まどかが嫌なら、帰るよ」(まどかが嫌なら、帰るわ)

「嫌って訳じゃないけど」

「ならいいじゃん。ほら、さっきのゲームの続き!今度は勝つぞ」(ならいいじゃない。ほら、さっきのゲームの続き!今度は勝つわ)

「いや、でもなあ……」

結局、まどかはほむらを説得出来なかった


「ほむねえ、お泊まり?」

「そうだよ」(そうよ)

「やったぁ!」

目覚めたタツミは、ほむらの宿泊に喜んでいた

「ほむねえとおふろ!」

「はいはい、分かったよ」(はいはい、分かったわ)

「お風呂は不味いんじゃないかなぁ?」

「三歳だろ?分からないよ」(三歳でしょ?分からないわよ)


まどかが何と言おうと、ほむらは聞く耳を持たず、しかも何やら慣れた感じで過ごしていた為まどかは更に面食らった


「お風呂いただきました」

「でたのー!」

「いやはや、見れば見るほど美人だねえ」

「女に生まれてたら良かったですね」

「かもしれないね。まどか、ドライヤー持ってきてあげなさい」

「……あ、はーい」


「ほむねぇちゃとねる!」

「ダメだよ、タツミはまだお漏らししちゃうからね」

「また今度ね、タツミちゃん」

「うん……」

「じゃあ、明日も学校だから、早く寝るんだよ?」

「はい、おやすみなさい」

「おやすみ、ママ」

「ん、おやすみ二人とも」


ほむらがベッドを使うように勧めたのだが、頑として聞かなかった為にベッドは使わず、床に二枚布団を並べて寝る事になった


「電気消す……って言ってもまだ早いか。……聞いてる?」(電気消す……って言ってもまだ早いわね。……聞いてる?)

隣あって寝るのは、まどかにはかなりハードルが高かったらしく、それどころじゃなかった

「うん。…………ごめんね、聞いてなかったよ。何だって?」

「電気消すかって」

「小さいのだけ、つけとけばいいんじゃないかな」

「分かった」


もぞもぞと、ほむらが布団に入っていく

まどかは何を話せばいいのか分からず頭の中がぐるぐるしていたが、ほむらの方から口を開きだした


「今日ね、泊まったのは、こっちではあんまりまどかとゆっくり話してないなって、思ったのよ」

「こっち?」

「……そうね。まどかは、聞きたい?私のこれまでの話を」


暫く、ほむらはそれまでの時間軸の簡単な話をした

美樹さやかや、巴マミに佐倉杏子、そして鹿目まどかという少女達の話

「じゃあ、ほむらちゃんのとこでは、僕達皆女の子だったって事?」

「そう言うことよ。何度も巡ったけど、今回みたいのは初めてだったわ」

「そうなんだ」


「だから、初めてまどかを見たときはびっくりしたわ」

「そんな風には見えなかったけど」

「隠してたのよ」

その後も、それまでの時間軸での話をしていく

全ての時間軸の最後も


「私は、ワルプルギスの夜と戦った。でも、何度戦っても倒せずにいるのよ」

「そうだったんだ。……一つ疑問なんだけど、ほむらちゃんはどうして、その、世界を巡ってるの?」


真剣な眼差しのまどか
前の時間軸で、こうして話していた時も同じ目をしていた

(このまどかも、まどかなのね。違うけど同じ、同じだけど違う……)


「それを話すには、私達魔法少女……魔法使いの運命の話をしないといけない。非情で悲しい話。それでも?」


「……うん。聞きたいよ」


そこには覚悟を決めた目つきのまどかがいた

その目を見て、ほむらはソウルジェムの秘密を話し出した


そして、自分が本当は時間遡及者である事を


「それじゃあ、ほむらちゃんは同じ時間を繰り返しているって事?」

「そうよ」

「それは、何の為?」

「鹿目まどかの為」


まどかはその言葉に、目を丸くした
それは、とても残酷な事だと思った


「それは、何故?」

「まどかとの、約束。始めはただ彼女と共にワルプルギスの夜を越えようとした。でも、何度目かのループでソウルジェムの濁りきる直前の彼女と約束したのよ。まどかを魔法少女にはしないって。以来私は何度も遡及を繰り返している」


「そんなの、悲しいよ」


(また、同じ目をしてる)


全てを受け止めて、それでも自分には何も出来ない事を悔やみ、過去の自分を恨んだような目


(自分を恨む事なんてない。全ては私が決めた事だから。まどかを守るのが、私の使命だから)


そっと、優しくまどかの頬を撫でる


「もう、寝なさい。疲れたでしょう」


魔法にかかったように、まどかの意識が薄れていく





まどかは、最後に見た切なげな笑みを、忘れられそうになかった






−−こっちに来て−−




気がつけば、ぼんやりとして、ふわふわした感覚がまどかを包んでいた

宙に浮かんでいる様な不思議な感覚


(これは……夢だ)


そう意識すると、一気に視界が開けた



荒廃した見滝原の街
座り込んでいる自分
そして、その膝の上に頭を乗せたボロボロの暁美ほむら


(これは……鹿目まどかの夢だ)


何故かそうだと確信した


既にほむらは、ギリギリで意識を保っているくらいに追い込まれていた


目も霞み、音も聞こえてないみたいだったが、ひたすらにまどかの名前を呼んでいた


「私が、臆病だったから、ほむらちゃんを支えてあげられなかった」


横たわるほむらの頭を持ち上げ、ゆっくり地面に置くとまどかは立ち上がる


「私ね、ほむらちゃんの事が好き。大好き。でも、それを面と向かって言う勇気が無くて、気持ちを隠すために避けたりもした」


聞こえてないほむらに向けて、そっと告げていく


「私がこの気持ちを、怖がらずに言えてれば、もっと近くで、ほむらちゃんを支えられたのに。そしたら、皆だって今日ここに居れた筈なんだ」


キッと、漂うワルプルギスの夜に向き合う


「だからキュゥべぇ、私、契約するよ」


「願いはなんだい?」


「次のほむらちゃんが遡った先は、鹿目まどかが暁美ほむらを好きでいていい世界。そんな世界にして」


「……君の願いはエントロピーを凌駕した。……世界を作り替える、か。膨大な因果を持つ君だからこそ叶えられる願いだったよ」


被害を避けるためか、それだけ言ってインキュベーターは消えていく


そして、まどかの願いの影響でほむらの砂時計が反転する
魔法少女暁美ほむらは、この時間軸を去った


「……ごめんね、ほむらちゃん。もう一度だけ、我慢してね。きっと次の私が、ほむらちゃんを支えるから」


鹿目まどかは変身していく
最強の魔法少女は、その最後の輝きでワルプルギスの夜を滅ぼし、そして最強の魔女は生まれた






−−今度こそ、あなたがほむらちゃんを守って、鹿目まどか−−





鹿目まどかの最後を見て、まどかは飛び起きた
汗で服が張り付いている

−−あなたがほむらちゃんを守って−−

少女の最期の言葉が、頭のなかで何度も木霊する


横目で見たほむらは、既に眠っていた

穏やかな顔で眠る少女を見る目は、すっかり変わっていた


「ほむらちゃん、君が守りたいと思っていた人は、それと同じくらい君を守りたいと思ってたよ」


撫でようとして、躊躇った
今それをするのは、フェアでない気がした


「鹿目まどか、君の願いは叶ったけど、どうにか僕だけには、出来なかったのかな」


まどかは、目が覚めて眠れないと、この世界の成り立ちに対して考えてみていた


(多分、鹿目まどかの願いで彼女、つまり僕の性別が入れ替わった時、膨大な因果を持つ鹿目まどかに引っ張られて世界全体でも性別が入れ替わったんだ)

(そして、願いの例外の筈のほむらちゃんもその影響を逃れられず、魔法少女であるほむらちゃんの意識が飛んでくるその前は、女の子だったんだけど性格だけは男の子に……って流石にこっちは違う、かな?)



時計の針は既に二時を示していた

ほむらを起こさない様にそっと部屋を出てトイレに向かうと、丁度帰宅したばかりのまどかの父、鹿目詢平と出会した


「おかえりなさい、パパ」

「ただいま、まどか。起こしちゃったか?」

「ううん、さっき自然と起きちゃったんだ」

「そうかそうか。……何だかまどか、急に大人になったんじゃないか?」

「背伸びた?」

「そうじゃなくてだな、ああ、落ち込むなって。……何だか一端の男の顔をしてるぞ」

「そうかな?」

「おう。さては惚れた女でもできたか?」

「も、もう寝るから!」

階段を上がろうとして、本来の目的を思い出してトイレに駆け込んだ


トイレから出ると、父はその脇に座り込んでいた

「まどかも、そんな歳か」

「そうだよ」

「なら、一緒に酒飲むのも直ぐだなあ」

「かもね」

「……お前が産まれるときな、何故だか分からんが女の子が産まれる気がしてたんだ。だからまどかって決めてて、そのままつけちまった。今でもそん時考えてた事はよくわからん」

「……そうだったんだ。でも、僕は鹿目まどかで良かったと思うよ。心の底から」

「ん。……よし、もう寝ろ。お前明日も学校だろ?」

「うん。おやすみ、パパ」

「おやすみ、まどか」


部屋に戻ると、ほむらは目を覚ましていた


「大丈夫?」

「うん」

「そう、ならよかったわ」


柔らかく微笑むほむらに、まどかは自然と言葉を紡いでいた



「……僕は、ほむらちゃんの事が好きだよ。一人の女の子として」


 


ほむらはまどかの言葉を一瞬理解できずにいたが、その意味を咀嚼しきると一気に赤くなり小さくなっていった

まさかそんな反応されると思ってなかったまどかは、自分まで恥ずかしくなって布団を頭から被った


「おやすみ!」

「え?あ、お、おやすみ……なさい」


二人とも、寝れる気が全くしなかった


目覚ましの音で、ほむらは目を覚ます
結局昨日は何時に寝たのかも分からない

隣のまどかも同じ様で、眠そうに目を擦っていた

「お、おはよう」

「おはよう、ほむらちゃん」

まどかの反応はあまりに普通で、昨夜の事が夢だったのかと思いかけたが、まどかの言葉で事実だと知らされる


「昨日の夜の事は、本心だよ。でも、ほむらちゃんの気持ちが知りたいとかじゃなくて、ただ伝えたかったんだ。好きだって事」



「う、うん……」


異性からの初の告白を受けて、ほむらは目が回りそうだった


「それでね、お願いがあるんだ」

「お願い?」

「うん。僕の前でだけ、とは言わないけど、知っている皆の前では、女の子のほむらちゃんで居てほしいなって」

「わ、分かったわ」

「ありがとう」


早くなる胸の鼓動に、ほむらは心臓が破裂するんじゃないかと思った


タツミからの熱心な出送りを受けて、二人は待ち合わせ場所に向かう

そこには既に恭介が居た

「おー、二人一緒ってどしたん?」

「ほむらちゃん、家に泊まってったんだよ」

「はあ!?」

「ま、まどか?」

まどかの言葉に、恭介もほむらも驚いた


「ちょ、それってどうい……う……」

まどかの真剣な目に、恭介は口を閉ざす


(今までは、僕だけが戦えないと引け目を感じてた。でも……)


「お前も、なんだな」

「うん、そうだよ」

(僕は僕のままでもほむらちゃんを支えてみせる。それが、鹿目まどかの願いだったんだから)

まどかは、それまで見せたことの無いような、気迫の籠った表情を恭介にぶつける


(彼女の為に、そして僕自身の為に、この気持ちは絶対に譲らない!)



振り返ったまどかの笑みが、今までとは違ってあの少女と重ならず、ほむらにはまるでそこに二人の“まどか”がいるかのような気がした

切りがいいので終了


次の更新は今日の23時か明日の23時に

一応プロットはあるのですが、色々考えたいので明日の更新は出来ないかもしれないです


なんという三角関係

叩かれたくないならsage進行にでもすればいいじゃん
読者()の行儀が悪いからどうせageられるんだろうけど

sageれてなかったスマン

末尾AOだしなぁ…

やはり今日は更新できそうにないです
すみません

明日の23時には更新できるようにします


待ってます

書かなくていいです

いつまでも待つわー

遅くなりましたが書いてきます

待っていたぜ


同じ日の昼休み
何時もの様に杏との約束の為に屋上に向かったほむらは、現在の状況に困惑していた


「な、何でお前ら居るんだよ?てかそっちのちっこいのは誰だよ?」

「いやいや、屋上で密会とか許さんし」

「抜け駆けはいけないよ。あ、僕鹿目まどか、よろしくね」

「……俺は二人に誘われただけだ」


いがみ合っている四人に嫌気がさしたほむらは、一度大きく手を叩き口を開いた

「止めなさい四人とも。早くお昼にしましょ?時間には限りがあるのよ」

一瞬、四人が口を開いたまま固まった

そして皆が皆どうしたんだという顔でほむらを見やる


「ちょっと、他の皆はまだ分かるけど、約束させたまどかまでその反応はないんじゃないかしら」


よもやそんな反応をされると思ってなかったほむらは、拗ねた様な表情をしてみせた


「あ、あはは、ごめんね。何だかこの時間帯だとやっぱ慣れないなって」

「約束?あ、てかまどか泊まりって話詳しく聞かせろよ!」

「はあ!?ちょ、お前ほむらに何したんだよ?」

「……」

「もう!それ以上やってたら杏はお昼抜きだし、恭介は泣きついてきた事言うし、まどかの花柄パジャマも言うわよ!?」


三人は揃って固まって、既に言っている事を心の中でそっと突っ込んだ


「もう、マオだけね、大人なのは」

マオは事態についていけず硬直していただけだったが、ほむらに褒められて小さく鼻を鳴らした

「まあ、先輩だしな。暁美も頼ってくれて構わんぞ」

「そうするわ」

にこやかに笑うほむらに、マオは小さく頷いた


「はい、ストップストップ!」

何やらいい雰囲気の二人を妨害する様に恭介が割って入る
マオは顔をしかめたが、ほむらの手前何も言えない

「そうね。はい、今日のお弁当」

「おう、サンキュー」

「それマジだったのかよ。杏だけずりーぞ」


恭介の言葉に、他二名も小さくだが確かに頷いていた


「何がズルいのよ?」

「弁当だよ」

「そうそう。杏くん?……だけはズルいと思うよ」

「まあ、確かにそうだな」

「って言っても、五人分も作れないわ」

「日替わりで!」

「いや俺の弁当はどうなんだよ?」

またキョウ二人が中心になってガミガミやり始めると、ほむらは深い溜め息を吐いたが不意にある考えを思いついた


「じゃあ、今晩家に来て晩御飯にしましょ。それで皆分かってくれる?」

お腹も空いていたほむらは、早く終わらせて昼食にしたかった


(まあ、最近料理も上達したし、杏とは約束なんだし、この辺が妥当よね?)


結局、その日の昼は皆呆けた様子で話しかけても曖昧な返事しかせず、ほむらは終始困った顔をしていた


放課後

ほむらの家に向かう一行は、着くずっと前から、正確には学校を出てからソワソワしていた


(周りが落ち着かないから、、何だかこっちまで落ち着かないわね)


暫くこれといった会話もないまま歩き、遂には状況は変わらずにほむらの家に着いた

玄関の鍵を開けながら、ほむらはふと気付いた事があった


(そう言えば、皆男の子なのよね。……な、何もないわよね?)


自分が洗濯物やゴミなんかを放っておく質ではない事は分かっていたが、一度悪い事を考えてしまうと次々と浮かんでくるもので、ほむらは直ぐ様家に入ると四人を待たずに戸を閉めた

(って、ちゃんと説明しなきゃね)

そーっとドアを開け、顔だけを出して申し訳なさそうな表情をするほむら

「ごめんなさい、少しだけ待っててくれる?部屋を片付けるから」


不安げな顔をする少女に、四人は頷く事しか出来なかった


少しして、ほむらは四人を部屋に招き入れる
隠さねばならないものはなかった

四人はやはり落ち着かない様子だったが、内装を見て呆れた様な顔をする

「何というか……凄くシンプルだね」

「生活感ねぇなー」


リビングには大きなテーブルが一つに、二人掛けのソファが一つ
後は据え置きの電話機が乗る棚に、申し訳程度に花が飾ってあった

「べ、別にいいじゃない。家なんて寝食が出来ればいいのよ」

(テレビだって、同じのしかやらないし、仕方ないじゃない……)


「ソファ、二人掛けだから残った二人はこれを使って」

そう言ってほむらが持ってきたのはハート型のクッション
あまり表情が豊かでないほむらが持っていると何故だか浮いてみえた


「似合わねえなー」

「な、何よ。私だってそういうのが欲しくなる時だってあるのよ」

クッションを抱き締めながら、杏を睨み付けるほむら
杏は周りからの目線に冷や汗を流した


「デリカシーのないやつだな……」

「杏、怒らせたー」


「んな事ないだろ。なぁ?」


「そうね。ちょっと傷ついたから、杏はご飯抜きね」


「ちょっ、待っ!」

「冗談よ」

「杏くん焦りすぎだよー。ほむらちゃん優しいからそんな事しないよ」

「そんなの分かってたよ!」


「さて、人数も多いし、準備し始めるわね。七時位にご飯にするから、それまで待ってて。……余計なとこ漁ったりしたら、撃つからね」


杏と恭介が苦笑いしながら頷くのを見て溜め息を吐いたが、まあいいかとキッチンへと向かう

何から手をつけようかと考えていると、マオが後からやって来た


「俺も手伝おう。野菜を切るとか、混ぜたりとか、その位ならできる」

「そう?助かるわ」


「終わったぞ。次はどうする?」

「ホント?早いわね。もしかしてマオは料理できるの?」

「少しだけだがな。それにレシピ見ながらでないと作れないから、暁美の方が凄い」

「ふふ、ありがと」


穏やかな雰囲気のキッチン

着々と準備を進める中、何時も堅い表情のマオは少しだけ笑っていた


その頃リビングでは、イライラしてる二人を宥めるのにまどかが必死になっていた

「ああ、何してんだあいつら」

「気になるな。いっそ突撃しちまうか?」

「ダメだよ二人とも。邪魔したりしたら追い出されちゃうかもよ?」

「ぐぬぬ。……ってかまどか、だっけ?あんた泊まりがどうとか行ってなかったか?」

「あ、そーだよまどか。説明しろよな」


怒りの矛先を向けられたまどかは、嫌な予感しかしなかった


「……お前ら何をやってるんだ?」

手伝う事のなくなったマオがリビングに戻ると、恭介に拘束されたまどかが杏に擽られている所だった

「あ、マオさん」

恭介の腕が緩んだ隙に、まどかはマオの後ろまで駆け込む

「さあ、今度はマオさんの番だよ」

「よっしゃまどかそのまま押さえとけ!」

「くっくっく、マオ。お前の運も今日で尽きだ!何時かの屈辱晴らさせてもらうぞ!」

「なっ、お前ら本気で怒るぞ!?」



「……で、これは一体どういう状況なのか、説明してくれるかしら?」

敷いていたカーペットはずれて、ソファも倒れ、机も隅に避けられている
正座させられた四人は、仁王立ちするほむらを前に小さくなるしかなかった


「はぁ、まあいいわ。壊れてる物もないみたいだし、ちゃんと部屋を戻したらご飯よ」


四人はバラバラな返事の後、揃って動き出した


大きな机に所狭しと並べられた料理を前に、待っていた男四人は感嘆の息を洩らした
幾つか杏には見覚えのあるものがあったが、出来立てはやはり違って見えた


「おお、何かすげぇな」

「俺の母さんはここまでやらないな」

「作り過ぎちゃったかしら?どれくらい食べるか分からなかったから……」

「まあこのくらいなら食べられるだろう。なあ鹿目?」

「うう……頑張ります」


結局、ほむら、まどかの順にごちそうさますると、残りは三人がペロリと平らげてしまった

「……あれだけあったのに、なくなるものね」

「いや、でも、食い過ぎた……」

「まじお腹って膨らむんだな」

「な、何だお前ら、情けない。俺はまだまだ……ウプ……」

食べ過ぎで苦しんでいたが、ほむらの前でベルトを緩める訳にもいかず、三人は悶えていた


「でもまあ、これだけ綺麗になくなると気持ちいいわね」


お皿を下げようとほむらが立ち上がろうとしたが、まどかがそれを制して先に立ち上がった

「僕が片付けるから、ほむらちゃんは座ってて」

「そう?ありがとう、まどか」

ほむらはその後暫く、動けずにいる三人をからかって遊ぶ事に

まどかも合流する頃には、時計は二十時半を指していた


「何だかすっかり暗くなっちゃったわね」

「よっしゃ、んじゃそろそろ帰っか。ほむら、ごちそうさま」

「ああ、ごちそうさま。あと、その、美味かったぞ」

「お粗末様でした。またいつか招待するわね」

「おう!」


銘々別れの挨拶をして、四人が玄関を出るとそこには小さな少年が立っていた


「ん?誰だお前?」

「あ、えと……」

「どうかしたの?」


立ち止まる四人の間を割って入って、その小さな男の子を見たほむらは目を丸くする


(千歳……ゆま?)


まだ幼いせいか、男の子には明らかにあの少女の面影が残っていた


「あなたは、何故ここに……」

近付くと、微かな火薬の臭いを感じて、ほむらは直ちに変身すると時間を止める

千歳ゆまに似た少年の身体を調べると、背中に爆弾が巻き付けられていた

時限式の爆弾で、それは残り数分で爆発するところだった

取り付けは甘く、手早く爆弾を手にとると近くの川へと走る

時間の止まった世界といえど、こんなものを長くは手にしていたくなかった


ほむらが爆弾を川底に沈めて時間停止を解除すると、ほむらの家の玄関は軽いパニック状態だった

「ほむらちゃんが消えた?」

「って何でお前上裸なんだ?」

気付いた男の子は、涙目で硬直する

「ほ、ほら、恐くないぞー?」

ぎこちない笑みを浮かべたマオを見て、男の子は泣き出してしまった


ほむらが家に戻ると、男四人が困った様子で男の子を囲んでいた
服は既に着ていた


「もう、何泣かせてるのよ」


ほむらは男の子を抱き上げると、ポンポンと頭を撫であやす

そうして、落ち着いてきたのか男の子はスッと泣き止んでいった

「取り敢えず話聞かなきゃならないし、もう一回家に入って」

表では冷静さを保っていたが、その裏でただただ困惑がほむらを支配していた


「千歳ゆうまくん、ね?どうしてここに来たの?」

ゆうまと名乗った男の子を、ソファに座らせて、膝をついて話しかける

因みにマオが恐いようだったので、マオだけは部屋の隅に居た

「えと、白い男の人と黒い女の人にここに行けって。二十一時丁度にインターホンを押せって言われてたんだけど……」


(白い男と黒い女?)


脳裏に浮かぶのは、まどかを殺し、そして前の時間軸では皆を罠にかけ殺した二人の魔法少女


(この子の言うことが真実なら、明らかにあの二人……でも、女?)

そこだけが疑問だったが、それ以上考えても答えは出ないと首を振る

「あの二人に、何か白いのと何か契約……約束させられなかった?」

「ううん。見たけどそれだけ。何か男の人がもう知ってたかとかって。それで僕に変なのつけてさっきの命令を……」

その時の様子を思い出したのか、ゆうまは小さく震えだした
ほむらは、そっと抱き締めてゆっくり言い聞かせる

「大丈夫よ。もう恐い人は居ないから」



ほむらの家から少し離れたビルの屋上

給水タンクの影に二人は佇んでいた

「織莉、あんな事をしなくても良かったんじゃないかい?いや、寧ろ闇に紛れてた方が得策だったんじゃ?」

「何を言うんだい、キリカ。ああしたお陰で、面白いモノを見れたじゃないか」

「面白いモノ?」

「そうだよ。僕の見た未来では、彼女は消えたり現れたりを繰り返していた。でも、今宵の彼女は消えたと思ったらアレの服が脱がされて爆弾が消えていた」

そこで、織莉と呼ばれた男は勿体振る様に一呼吸置いた


「それが何だって言うのさ、織莉。早く教えておくれよ」


「ふふ。彼女、暁美ほむらは瞬間移動なんかではなく、時間を止めたのさ。時を司る魔法少女。それを知れただけでも今回のは僕の勝ちなんだよ」

「あれが爆発してたら?」

「それは救世の為に役立ったと、きっとあの子も喜ぶさ」

「ああ、それもそうだね。織莉、早く救世を成し遂げよう」

「そう、救世だ。僕は必ずや鹿目まどかを殺してみせよう」


月明かりに踊り出た白髪の男は、高らかに笑い出した
その目に明らかな狂気を宿らせて

切りがいいのでここで

次の更新は今日の23時に

腐向けかよ勘弁してくれ

追記

後半推敲出来てないので疑問点等あったら受け付けます

というか何時でも何でも受け付けます

キリカだけ何で女なのだ

>>350

多分明日に説明が入ります


まあ最大の理由は個人的にホモはちょっと……
という事です

期待してた方はすみません

なんでダンスィとかいうふざけたスレタイにしたの?
どういう層に向けて書いてるの?
>>19は本当にやめるつもりだったの?

>>352

上から順に

ただの思いつき
響きが気に入ったからです


特に誰に向けてとか考えてないです


>>19時点では評価が不明瞭でしたので

ぶっ叩かれる事覚悟で投稿し始めて、あまりにも多数の方から設定等を非難されたら見てくれる方の心証も悪くなると考えていたので、あまり書かない内に止めるという選択肢も視野に入れてました


現在は有難い事に応援してくれている方もいるので、その方達のためにも書いていきます

sage忘れた……

申し訳ないです

ほむがかわいい
支援


おりキリは男になっても安定してるな

ときどき誰の台詞か分かりにくい時があるから台詞の前に名前をつけてくれたら嬉しいなって。

ほむらちゃん逆ハーか……イイネ!

>>1
きめえ死ね

腐女子なんてジャンプにもいるものだから気にするな

腐女子じゃなくて夢厨だろ
百合豚とハーレム豚くらい違うぞ

腐女子じゃなくて夢厨だろ
百合豚とハーレム豚くらい違うぞ

電波不良書き込みミス、すまんな
なんだかんだ楽しんで読んでるから頑張って


きちんと練られていて面白い

>>361
つまり腐と同じくらい気持ち悪いってことか
なるほど

夢小説って名前とかないじゃん

ほむらかわいい

書いてきます


落ちてる間あまり書き溜めれなかったのであまり進みません
申し訳ないです

場所は戻ってほむら宅

緊張の糸がほどけたのか、寝てしまったゆうまをベッドに運んだほむらは、リビングに集まる四人の元に戻るとソファの向かい側に腰を下ろした


「それで、何だったんだ?」


隅で立っていたマオが、口を開く
何時も深い皺が更に際立っていた


「あの子の身体に、爆弾が巻き付けられていたのよ。私はそれを川に沈めに行っていたの」

四人の表情が驚愕に染まる


「私は、それをした奴に心当たりがあるわ」


ほむらの言葉に更に動揺する四人

魔法使いの話も別次元のものだったが、他者に爆弾を送り込まれ、そしてそれに心当たりがあるというのもかなり別次元の話だった


「……心当たりがあるという犯人は、何者だ?」


一人なんとか口を開けたマオが率直な疑問をぶつけた


ほむらは、現状の危機感を伝える為に自分の話を一部する事に決める


「私が、多くの世界を巡っているって話は覚えてるわね?」

反応は薄かったが、覚えてる前提で話を進める事にした


「そこで私は意識のみをこの世界の私に飛ばして移ってると言ったわ。この世界の私……考えてる通り、別の世界にもあなた達は居たわ。……少女だったけれど」


知らなかった三人は、女の自分をそのまま女装した自分で想像して、揃って微妙な顔をした


「そ、それで?ほむらちゃん、その先は?」


呆れた顔をするほむらに、まどかが先を話すよう促す

まどかにはこの犯人の話をしていなかった為、先が気になっているようだった


「ええ。……この前の世界でも私は今のあなた達と同じく、協力関係にあったわ。でも、ある二人の魔法少女が現れて状況は変わってしまった……」



「その二人は、ある世界では鹿目まどかを殺し、そして前の世界では私達を罠に嵌め、私とまどか以外の三人……あなた達が犠牲となった」


まさか違う世界の自分達が殺されたなどという話を聞かされた四人は、酷く困惑した様子だった

そもそもがぶっ飛んだ話なのだから、無理もない


ほむらは四人が落ち着くまで待つことにした


「……何か飲み物を持ってくるわ」



全員分の珈琲を用意した頃には、皆何とか理解したという顔をしていた

「じゃあ、話を続けるわね?……この二人の狙いは、鹿目まどかの殺害。これが絶対の目的よ。理由は……」


言葉を探すほむら

まどかが契約すると、強すぎる力にソウルジェムが一瞬で濁って魔物となり世界を滅ぼす

まだソウルジェムの秘密を話してないほむらには、今はそうとは言えなかった


「……まどかが契約する事によって、世界が滅びるという未来を見たのよ。白い方は、未来予知の能力を持っているから」



いまいちピンとこない三人だったが、まどかはあの夢の最後を思い出していた

紅蓮に染まる地平線
ありとあらゆるモノを破壊する鹿目まどかの魔女

自身の契約によってあれが生まれる事を思うと、その二人の考えも完全に否定する気にはなれなかった


「……もう良く分かんねーし、本題に入ろうぜ。そいつら二人をどうするんだ?」

思考を早々に放棄した杏がソファにもたれ掛かり言った
それに同調し、考えを巡らしていた二人もほむらに顔を向ける


「恐らく奴等は近い内にやってくるわ。その時は、確実に……殺す」



「私はあの二人を許す気は全くない。そして、前の二回の遭遇でもこの手で殺してきたわ」


内側で燃える激しい怒り
狂気すら感じるほむらの威圧感に、四人は圧倒された


「……ごめんなさい。そう、私は、人殺しなのよ。怖かったら、別にそれで構わないわ」


怒りを消し、泣きそうな顔で微笑むほむら

それを見た杏は、勢い良く立ち上がった


「それを言うなら……俺だって同じだ」



「こうなって暫くした時、そうだな、半年位か。どうしてもグリーフシードが手に入らない時があった」


キツく握り締めた拳から、血が滴っていた


「俺は、使い魔を一匹、見逃した。そいつが人間を食らい、成長して魔物になるまで待った。……食われた奴等は、俺が殺した様なもんだ。だから、俺だって……人殺しだ」

重たい沈黙
告げられた杏の過去は、契約者が何時しか出会う選択肢の一つ
そしてそれを皆忌むべきものだとも分かっていた


重たい空気を切り裂く様に、突然恭介が変身した

そして杏に近付いて、その手を治していく

完治したのを確認すると、今度はほむらの傍に座り込んだ


「気にするなよ。杏も、ほむらも……許す」


ポンポンと、ほむらの頭を撫でて恭介は続ける


「俺もキツい時支えて貰ったからな。今度は俺が支えてやるよ」


「なーにカッコつけてんだ!」
杏が後ろから恭介を羽交い締めにして言った

感謝すればいいのか、怒ればいいのか
それらが半分ずつ入り交じった表情をしていた


「大丈夫だよ、ほむらちゃん。皆、ほむらちゃんの味方だもの」

「ああ、そうだぞ。何時でも頼れと言っただろう」


「……ありがとう」


一筋涙を流しながらも明るく微笑むほむらに、四人は揃って頷いた


「……というか佐倉。お前さっき半年位とか言ってたな?もしかしてあの時襲ってきたのは……」

「そうだよ!本気でぶん殴ってもらいたかったんだよ!悪いか?ってか、あん時半分死にかけたから絶対やり返そうとは思ってたけどな」

「それは逆恨みにも程があるだろう」

「というか恭介くん、ほむらちゃんの頭撫でてたね」

「あ、いや、それは……」

「そいえばそうだな。恭介、動くなよ?これは天罰だ」

「ああ、そうだな。あれは絶対許されないな」


「……皆、馬鹿ね、ホントに。私もだけど」


突然騒がしくなった四人に驚きながらも、ほむらは声を上げて笑いだす
それに釣られて、四人も同じ様に笑った



「さて、それじゃあ対策に入るわ。奴等の魔法は未来予知と速度低下。そして、今更ながら言うけれど私の能力は瞬間移動じゃなくて時間停止よ」


「色々ぶっちゃけるなあ、まあいいけどさ」


「続けるわよ。前の世界で私は罠に嵌められた後、時間停止して奴等が避ける間なんてないくらいに周囲から銃弾を撃ち込んだわ。多分今回は蜂の巣になった未来を確認してると思うから、まず姿を見せてこないでしょう」


想像してから冷や汗をかいた
怒らせないようにしよう、四人揃ってそう思った


「多分近い内に、奴等は仕掛けてくる。奴等はまどかを殺したら勝ち、私達は誰かが奴等を発見したら勝ち。私達の方が有利ね。

作戦は……そうね、基本的に登下校は全員一緒。日中杏は屋上を張っていて。白髪の男と黒い女を見たら直ぐにテレパシーで知らせる。無理に戦ったりしない事。完全勝利以外、認めないんだから。

……私の家が割れていた事を考えるとまどかの家もバレてると考えていい。夜間はまどかの家の警護ね」

「……ごめんね。僕の為に」

落ち込んだ表情をするまどか
それを見たマオが、そっとまどかの肩に手を置く

「気にするな。お前が一般人であるというのは、俺達をそっち側に繋ぎ止めるのに一役買ってるんだ」

マオの言葉に、他の三人も首肯してみせた


「さてと、話は終了よ。何だか凄く遅くなっちゃったわね」

時計の針は十一時を指していた

「そうだな。今日は皆家に来い。佐倉の襲撃以来家には結界を張ってあるから、心配しなくとも大丈夫だ。それなら暁美も今夜は休めるだろう」

「助かるわ」

「俺の襲撃以来って何だよ」

「気にすんなって。それより眠いし、早く行こうぜ」

「じゃあほむらちゃん、また明日ね」

「ええ。道中襲われたら直ぐにテレパシーで知らせるのよ」



皆が帰って、一人になると急に眠気が襲ってきた

(ベッドには千歳ゆうまが居るし……もうソファでいいかしら?)

先に起きたら起こすようにと紙に書いて、ほむらはソファで丸くなる


(あの子達は……皆強いわ)


支えていると思っていたら、気が付くと彼等に支えられている

今まで常に支える側で戦っていたほむらは、不思議な安心感を感じていた

(支えられるのも……良いものね)


その思考を最後に深い眠りに落ちたほむらの顔は、今までにないくらい穏やかなものだった


切りがいいのでここで

次回更新は今日の23時です


乙!

不快に思われるって自覚あるのにsage進行にしないあたり構ってちゃん臭がする

乙!
続き楽しみにしてる!



おもしろい
続き楽しみにしてる



変な外野は気にしなくて良い

乙乙ー

作者age読者sageってのが普通だろ
というか専ブラユーザーからしたらageとかsageとかどうでもいいわ

書いていきます

今回もあまり進まないです……


朝になって、ほむらは自然と目が覚めた

時間的には、普段と何ら変わりはない


暫く朝の微睡みに身を委ねていたが、自分がソファで眠っていた原因を思い出すと伸びを一つして行動する事にした


(まだ早いし、行く前に起こせばいいわよね?)



朝食と弁当の支度をしていると、匂いに惹かれたのか千歳ゆうまは自然と起きてきた

「おはよう、もうできるからソファに座って待ってなさい」

「はい……」

千歳ゆうまはどうしたらいいのかという顔をしていたが、その後朝食を食べるとすっかり元気になっていた

「ごちそうさまでした、美味しかった……です」

「お粗末様でした。気を遣わなくていいから、自分の楽な話し方でいいわ」

「うん、……ありがとう」

明るく笑う千歳ゆうまを見て、ほむらはその頭を優しく撫でた


「さて、学校だから私は出るわ。お昼は冷蔵庫の中。千円置いとくから必要なものがあったら買いに行きなさい。鍵はここよ。それから電話横に連絡先、私と他の三人の携帯ね。何かあったら直ぐに電話。分かった?」

「……僕はここに居ていいの?」

「好きなだけ居なさい、とは言えないわ。多分、杏かマオ当たりがあなたの面倒見てくれるわ。何もなければ、私でも良かったんだけれど」


ほむらの言葉に、ゆうまは不思議そうな顔をした

「とにかく大丈夫って事よ。それじゃあ、行ってくるわね」


いつもの場所で待っていると、四人が走ってやってきた

「すまん、待ったか?馬鹿二人が起きなくてな」

息を切らしながら言うマオに、キョウ二人が後ろから抗議している


「おはよう、皆。時間通りだし、大丈夫よ」

「ほむらちゃんおはよう。えと、ところで、どうして魔法少女の格好なの?」


まどかの指摘通り、ほむらは魔法少女の姿で居た
そしてその意識は常に盾に向けれていた

「速度低下の魔法を掛けられた上で奇襲されたら、流石に何も出来ないわ。だから私は暫く学校を休む事にしたのよ」

「じゃあ俺も」

「恭介はダメよ。まどかの傍に居て。マオもよ?杏と私は交代で周囲の索敵、一方は屋上待機。じゃあ、私は隠れながら着いてくから」

淡々と指示だけして消えてしまったほむらに四人は顔を見合わせるしかなかった


「ほむらー、周囲に怪しい奴は居なかったぞ」

周辺の散策を終えた杏が、屋上で待機するほむらの所へ戻ってきて報告する

「そう、良かった。今からお昼だから皆来るって連絡があったわ」

「んだよあいつら来んのか」

「みたいね。まあ食事中は隙も多いし、四人で結界を張れば入っても来れないでしょう」

「まあそうだけどさ、二人だけで飯食いたかったんだよなー」

サラッと言った杏の言葉に、ほむらはツンと顔を逸らす

「ば、馬鹿ね。今は非常時なのよ。しっかりしなさい」

「へーい」

杏からは見えなかったが、杏に背を向けるほむらの頬は微かに朱に染まっていた


「ところで、暁美の時間停止は、その盾をどうにかするのか?今朝はずっと意識してた様だが」

皆が集まって一先ず落ち着いたといった表情のほむらに、マオが聞く

「ええ、そうよ。盾を、まあ正確には砂時計なのだけれど、その砂の流れを遮断して止めるわ」

そう言って盾に触れたほむらは、時間停止してマオの背後に移動してみせる

「美味しいわね、これ」

ちゃっかり卵焼きを盗んだほむらに、マオは小さく溜め息を吐いた


「欲しかったらそう言え。……何だか御機嫌だな」

マオの言葉にほむらは不思議そうな顔をしたが、他の三人は深く頷いていた

「確かに、ほむらちゃん何だか、楽しそう?」

「ああ、そんなんじゃ人の事言えねえぞ」

「そうかしら?……多分、皆と居るからね。よく分からないけど、こうして集まってると安心するのよ」


一人楽しげに笑うほむらに、四人は喜べばいいのか、嘆けばいいのか分からなかった


お昼を終え、戻る支度をしていた恭介が思い出した様に突然話し出した

「そいえばさ、普段の結界は学校全体とまどかの周りだけだろ?敵が張る前に侵入してたらどうするんだ?」

「それは大丈夫だ。俺の方に考えがある」

恭介の言葉に、マオがいち早く反応する

「考えって?」

「いや、暁美は気にするな」

「そう?なら信じるわ」


そう言ってから、ほむらはふと気付いた

(信じる……他人を信じられると思ったの、何時以来なのかしら)

何故だかくすぐったい感じがして、ほむらは自身の変化に戸惑いながらもそれを受け入れようとしていた

あまり更新できてないですがここで

次回更新は17日か18日の23時に

明日の更新可能性はかなり薄いですが、書き溜めできたら書きたいので一応



今回分ぶつ切り感が半端なくてすみません……


TS物か
まどかだとあんまり見ないけど、結構面白いな


斬新な試みだがマジに面白い

ひでー名前

>>37>>444>>32>>28>>92>>166>>332>>3>>292>>457>>258>>97>>171>>41>>427>>165>>207>>44>>491>>1>>100>>121
>>439>>217>>242>>379>>455>>334>>408>>275>>371>>351>>307>>398>>442>>472>>229>>444>>264>>185>>201
>>356>>242>>287>>21>>448>>330>>11>>449>>430>>131>>345>>368>>348>>87>>246>>303>>420>>154>>77>>290>>4
>>188>>446>>356>>416>>390>>119>>101>>91>>479>>457>>332>>265>>477>>280>>95>>488>>228>>24>>119>>73
>>467>>159>>138>>269>>79>>291>>346>>368>>295>>229>>56>>240>>85>>471>>130>>203>>72>>220>>181>>29>>51
>>6>>330>>41>>493>>58>>64>>112>>130>>456>>78>>289>>93>>346>>367>>384>>192>>234>>178>>420>>290>>418
>>261>>47>>207>>332>>267>>388>>361>>317>>333>>366>>147>>373>>359>>204>>437>>470>>333>>392>>47>>122
>>393>>488>>368>>84>>222>>46>>4>>11>>464>>8>>271>>11>>215>>102>>277>>102>>463>>93>>434>>328>>239
>>187>>443>>243>>156>>276>>135>>203>>397>>119>>96>>384>>487>>180>>105>>32>>183>>115>>495>>191>>385
>>406>>487>>282>>7>>449>>375>>441>>277>>113>>247>>464>>56>>489>>119>>331>>123>>322>>227>>242>>417
>>228>>96>>215>>260>>279>>329>>255>>470>>214>>260>>375>>200>>41>>381>>149>>415>>321>>426>>28>>68
>>83>>56>>8>>413>>179>>329>>140>>421>>246>>249>>148>>341>>463>>408>>120>>292>>162>>89>>5>>422>>464
>>462>>345>>353>>377>>165>>279>>404>>232>>167>>487>>288>>175>>400>>467>>3>>39>>388>>248>>287>>36
>>250>>443>>209>>42>>105>>298>>46>>26>>261>>250>>487>>105>>103>>364>>270>>381>>268>>2>>48>>254>>290
>>153>>257>>225>>191>>144>>473>>478>>179>>62>>228>>122>>270>>269>>226>>67>>315>>252>>328>>64>>239
>>167>>102>>201>>48>>369>>203>>96>>122>>492>>317>>275>>248>>42>>465>>392>>14>>443>>71>>75>>170>>192
>>439>>418>>411>>253>>169>>238>>317>>407>>170>>483>>8>>371>>31>>376>>73>>126>>498>>65>>443>>272

面白いんだけどマミさんの原型とどめてないのが残念
でももし単に悪役としておりキリ殺しちゃったらなんか安くなっちゃうかな

>>270>>401>>313>>306>>269>>413>>262>>138>>446>>354>>181>>447>>227>>168>>259>>428>>231>>250>>332
>>321>>315>>73>>399>>177>>20>>141>>54>>116>>388>>437>>386>>338>>300>>241>>157>>262>>52>>294>>258
>>25>>254>>182>>192>>63>>160>>423>>313>>41>>81>>184>>355>>153>>132>>82>>172>>272>>136>>288>>210
>>223>>97>>421>>14>>253>>233>>66>>97>>40>>21>>121>>294>>202>>313>>357>>362>>285>>219>>403>>366>>402
>>69>>84>>389>>240>>356>>75>>78>>115>>196>>301>>211>>167>>314>>14>>399>>379>>111>>439>>400>>231
>>151>>93>>189>>63>>377>>407>>15>>292>>359>>322>>360>>442>>261>>150>>347>>335>>228>>11>>81>>78>>222
>>392>>236>>196>>321>>346>>184>>270>>126>>16>>421>>219>>204>>33>>145>>161>>48>>437>>69>>370>>347
>>180>>47>>407>>65>>274>>417>>146>>352>>188>>393>>293>>423>>138>>164>>318>>321>>433>>444>>337>>403
>>90>>436>>357>>250>>33>>344>>319>>402>>241>>378>>132>>287>>334>>197>>111>>301>>342>>13>>39>>284
>>12>>421>>19>>330>>292>>1>>323>>178>>404>>85>>268>>389>>442>>67>>421>>335>>385>>373>>126>>313>>54
>>197>>250>>73>>47>>141>>86>>86>>425>>391>>97>>396>>409>>426>>237>>410>>299>>415>>363>>383>>232
>>374>>298>>272>>259>>233>>195>>385>>96>>248>>347>>292>>47>>420>>339>>188>>55>>424>>163>>445>>71
>>404>>46>>344>>363>>344>>309>>276>>277>>90>>127>>201>>388>>399>>10>>170>>143>>394>>266>>391>>290
>>438>>259>>446>>175>>313>>420>>338>>308>>40>>445>>261>>86>>339>>174>>430>>197>>449>>256>>286>>126
>>224>>75>>16>>394>>217>>409>>209>>157>>248>>316>>144>>57>>311>>319>>369>>281>>206>>227>>320>>201
>>406>>89>>211>>385>>286>>210>>190>>122>>335>>196>>345>>409>>211>>288>>176>>170>>46>>333>>418>>362
>>24>>222>>345>>393>>52>>101>>169>>372>>302>>206>>327>>391>>417>>261>>226>>176>>1>>348>>60>>197
>>19>>408>>80>>194>>127>>126>>77>>94>>37>>103>>117>>259>>447>>60>>310>>98>>228>>232>>400>>434>>109
>>400>>369>>116>>125>>370>>13>>185>>116>>255>>204>>74>>334>>398>>200>>9>>24>>294>>46>>126>>411>>304
>>20>>164>>221>>248>>395>>170>>231>>53>>59>>180>>422>>174>>305>>342>>187>>40>>7>>441>>243>>81>>324


今日はやはり更新できないです
すみません

明日18日の23時には更新します

報告おつ

遅くなりましたが投稿してきます

亀レスになります


結局、その日も次の日も美国織莉と呉キリカは姿を現さず、ワルプルギスの夜まで十日を切り、ほむらは僅かな焦りを感じ始めていた


そして、何よりほむらを心配させたのが、巴マオの疲労だった


「大丈夫?顔色が悪いわ」

「問題ない」

何もない風を装っていたが、マオは昨日の夜から全く睡眠を取らず、しかも変身を解いてもいなかった



「ねえ、流石に休まずにいるのは無茶だと思うわ」

ほむらは屋根の上から、登校中のまどかと恭介をチラリと見て言った

「そうも言ってられんだろう。……暁美は心配しないでいい」

「……分かったわ。でも、無茶はしないで」

マオが昨日の夜から何らかの魔法を維持している事は分かったが、ほむらにはそれがマオの言っていた考えなのだと察して、それ以上言わない事にした


「ああ、全員生きて、だからな」



学校に着くと、杏は既に屋上で待っていた

杏は変身しているマオを確認すると、その身に纏っていた空気が変わった様に見えた


「ほむら、昼になったら、話があるから恭介だけ呼んでくれ。まどかは教室から出ないように言ってだ」


「今じゃダメなの?」

「いや、今はちょっとな」

「そう。……じゃあ私は周りを見てくるわ」


何事もなく昼を向かえると、ほむらは恭介にまどかを置いて屋上に来る様に伝えた

多少不安ではあったが、三人で結界を張ると言うので渋々納得した


「それで、話って何なのよ?大事な事なの?」

「ん、ま、まあな」


姿を見せた恭介は、何やら落ち着かない様子だった


「何だかソワソワしてるわよ、恭介。まどかは大丈夫なんでしょ?何か気になる事でもあるの?」


迷子の子どもの様に周囲を窺う恭介に、ほむらはクスリと笑う



それは、細やかな変化だった




まどかは居なかったが、皆が集まった事に安堵したほむらの意識から、ほんの一瞬だったが砂時計が完全に外れた


ほんの僅かな、しかし絶対の隙


その瞬間、四人の速度が奪われ、呉キリカと美国織莉が屋上の扉から飛び出してくる


明快な殺意は、暁美ほむらただ一人に向けられていた

そして、ほむらの時間停止は間に合いそうもなかった



(私を狙いに来るなんてッ)


全ての攻撃が盾を起点とするほむらには、身を防ぐ手段は無かった

黒い女の絶対的な速さに、三人の顔に焦燥が浮かび上がる


低下した時間の中では、武器を出現させるので手一杯


−−暁美ほむらを殺せる

キリカと織莉が勝利を確信したその瞬間、一発の乾いた銃声が響いた


爪を振り上げた呉キリカが崩れ落ちる

そして、速度低下の魔法が切れた瞬間銀の糸が美国織莉と呉キリカを完全に拘束した


二人が身動きを取れなくなるのとほぼ同時に、ほむらの時間停止が発動する


「これは、なんなの……?」


だが、ほむらには何をすればいいのか、今の状況が全く理解できず、殆ど硬直した状態で時間停止を解除していた




流れる時の中で、美国織莉は首だけを屋上の扉に向け、感情を露にして叫ぶ

「何故だ、何故そこに居るんだ!」


取り乱す美国織莉は、幽霊でも見たような表情をしていた


「お前は視ていないぞ、鹿目まどかッ!」



そこには、マオの銃を持った鹿目まどかが居た

その表情は安堵に包まれている


「何故だ……僕は確かに暁美ほむらを殺し、困惑のうちに君たちを殲滅する未来を視た。だけれど……」

「鹿目まどかッ……」


深い憎悪に満ちた目で、二人はまどかを睨み付けていた

「ま、まどかの持ってるあれは、マオの、よね?」

「ああ、そうだ」

「どういう事なの?」

「今から、説明する」


マオはそう言ってチャッと眼鏡を押し上げた


「お前達が暁美を狙うのは分かっていた。いや、暁美ほむらが居るだけでお前達の目的が達成される可能性は無かった」


拘束した二人と、そして戸惑うほむらにマオが話し出す


「間違いなく暁美の力は対人に於いては最強だ。そこに制限はあれ、常に意識された状態では為す術は無い。

だが、暁美は俺達全員の前ではその警戒が緩んでいた。お前等の勝ち筋は、はっきり言ってそこしかない。気付いたのは、この前の昼の時だ。

その日から、俺は学校の周囲に結界を張り続けて待った。そして昨日の夜、お前達の侵入を察知した」


「そんな訳……私達は確かに結界をすり抜けた筈」

足の痛みを堪えていたキリカは、マオの話を信じられないと首を横に振った

「伊達に長く魔法使いをやってない。

お前達は確かに結界をすり抜けはした。だが、糸の方には気付かなかった。

結界を通り抜ける奴が居た場合、ほぼ不可視の糸が取り付く。お前達はそれに掛かった。尤も、それの維持でかなり力を使ったがな。

その後は、お前達を補足し続け、この時を待った」


「それなら……私に言えば良かったじゃない」

戸惑うほむら
マオが、皆が何を考えているのか全くわからなかった

「すまんな、最後まで聞いてくれ。訳は後で話す。

俺達は四人で集まった。まどかを置いて、と伝えてあったが、まどかは後からついて来ていた。この二人の後から、な」


驚愕に染まる二人と、まどかを危険に晒した事に怒り震えるほむら

それを確認したが、マオは構わず説明を続けた


「唯一懸念だったのが、未来予知の範囲だ。俺の網に掛かった時点で、お前達がこの未来を視てない事は半分決まった。

だが、一瞬先の未来を視る事も可能だったら?残り半分、罠だと分かっていて来たとしたら?

ありとあらゆる事を想定して対策を練っていたが、まあ、気苦労だったな」


「でも、万が一という事があるわ」


理解はしたが納得はしてない
そんな表情のほむらは、刺々しく言った



「ああ。俺は鹿目を危険に晒し、そして暁美、お前を囮にした。だが、お前はそうでもしなければこの二人を殺しただろう?俺達を守るために」


「何が……言いたいの……?」


「お前にこれ以上人殺しなどという罪を背負って欲しくない。これが俺達の総意だ。

ただ、信頼を利用する様な真似をしたのは悪かった。……すまない」


深々と頭を下げるマオ
その後ろで三人も申し訳なさそうにしていた


「ごめんね、ほむらちゃん。でも、僕は僕のせいでほむらちゃんが誰かを殺すなんて堪えられなかったんだ」

「ほら、ほむらを支えるって言っただろ?今回俺ほぼ何もしてないけどさ」

「それ言い出したら俺もそうなるだろうが。……黙ってて悪かったな。でも、きっと後悔すると思ったんだよ」


それぞれの言葉、そしてその表情に皆が自分の事をどれだけ考えてくれていたのか、ほむらは知った


(でも、納得はできない……。もしかしたら、皆死んでたかもしれないじゃない……)


「それで、この二人はどうするの?」

拘束され、何一つ出来ずに項垂れる二人を指す

「あのね、一つ聞きたい事があるんだ。えと、こっちの人に」

まどかはそう言って、美国織莉に近付く

殺したい相手が目の前に居るのに、何も出来ない美国織莉は、顔を酷く歪ませた

「何の用だ」

「未来を、視て欲しいんだ。僕が世界を滅ぼす、その時のを。もう一度」


「……分かった。でも、何も変わらない。お前の契約の先に、世界の終焉がある」


「大丈夫だよ。だって、あなた達の視た未来は、既に変わってるじゃないですか」

まどかの言葉に、織莉はピクリと顔をしかめた

何かを信じている目の前のまどかが、織莉には何を考えているのか分からなかった


「……始めよう」


スッと目を閉じ、未来予知の魔法を発動させる

見た目には、何の変化もない

皆が見守る中、暫くして、先を知った美国織莉が戻ってきた

つまんね


その表情は、驚きに満ちていた

「……未来が、変わった。世界は終わらない」


「なッ!?じゃあ、鹿目まどかは死んだのかい?」


「そうじゃない。鹿目まどかは、いや、誰も死んでいない」

「なら、ワルプルギスの夜は?」


ほむらのその問いに、織莉は答えていいのかとまどかを見やる

まどかは、笑みを浮かべて頷いていた

「ワルプルギスの夜は、滅びる。今言った通り、誰も死ぬこと無く。そして、戦いの場には……僕達も居た」


「共闘の結果、ということ?」

困惑を隠せぬ様子で、ほむらは聞き返す

織莉は戸惑いながら頷いた

織莉自身も、今視たものを信じられない様子だった

「……ありがとう、えと、美国さん、なのかな?」


「ほむらちゃん、美国さんが、この人達が、僕達と共に戦ってくれるって信じてくれないかな?」


悪ではない
決して悪い人達ではないのだと、まどかは思っていた
ただ、変えようとした手段が正反対だっただけなのだと


「……すみません、これを解いてもらえますか?ソウルジェムは、預けます」


美国織莉が、変身を解きながら言う
マオは織莉のソウルジェムを手に取ると、魔法を解除した


「ありがとう。……僕は、あの未来を、迎えたい。その為に必要なら、僕は君に跪こう」


美国織莉は膝を折り、深々と地に頭をつけた


ほむらは、今見ているものが信じられなかった

「織莉がそうするというなら、私もついてく」


キリカも、織莉と同じ様に、変身を解除して頭を下げた
その足からは、未だに血が流れ出ている


「も、もういいから、頭を上げて。恭介、彼女の足を治してくれる?」


「おう。任せとけ」



(私は、何をしているの?)

他人なんて信じない
信じられるのは自分のみ

そうやって生きてきたほむらは、自分が彼等を信じようと思っている事に戸惑っていた


(敵、なのよ?)


今すぐにでも、危険を排除したい

ただ、ほむらにはこの四人が、まどかは自分自身を危険に晒してまで選んだ選択を裏切れなかった



一気に力が抜けたように、膝から崩れ落ちたほむらのもとへ四人が駆け寄ってくる

「ごめんなさい。私は……大丈夫だから……」


心配そうに見つめてくる四人を見て、ほむらの目から涙が零れ落ちた


(私が皆を守りたいと思うのと同じくらい、皆も私の事を守りたいと思ってる。……今までの私は、独り善がりの子どもだった)


堪えていた思いを吐き出す様に、声をあげて泣き出したほむらに、周りはどうしていいか分からなかった




「み、みっともないとこ見せちゃったわね」

顔を真っ赤にし、そっぽ向いて言うほむらに、四人は笑い、織莉とキリカは戸惑っていた


「わ、忘れなさい!絶対よ?……お願いだから……」


一度蓋が外れたからか、ほむらは再び泣きそうな顔で頼んでいた

そんな顔をされてはお手上げだと言わんばかりに、皆はただただ頷いた


「何だかそうしていると、君は本当に予知で視た君と同一人物なのかと疑いたくなるよ」

「どんな予知よ?」

「最初に視たのは、全身に銃弾を浴びた僕達を見下ろす、氷の様な表情をした君だったよ」

「ま、まあ、私の考えはそれしかなかったわ」

「織莉、浮気は許さないよ」

「呉キリカ、そもそもあなたはなぜ女なのよ?」

ほむらの疑問に、四人が揃って頷いた


「私も元は男だったさ。でも、織莉に本気で惚れて、そこにあいつが現れたから、こう願ったのさ。織莉を好きでいい私にしてくれってさ」


まどかは、キリカの願いを聞いて目を丸くした
それは前の時間軸で鹿目まどかの祈った願いと同じ


「そうなの?相変わらず何でもありね、インキュベーターは」

「あいつ本当はそう言うのか?」

ほむらの言葉に、杏が聞き返した

「そうよ」

「んだよ、あいつらのネーミングセンスぶっ壊れすぎだろ。キュゥべえとか、魔法ダンスィとか」


今度はほむらが聞き返す番だった

「だ、ダンスィ?な、何よそれ」

あまりに不可解過ぎて、ツボに入ったのかほむらは笑いを堪えて言う

「お前、折角暁美には……こいつらには黙っていたというのに、話したな?」

鬼の形相で、マオが立ち上がり言う

「僕も、それは知りたくなかったなぁ」

「言わなくてもよかっただろ……」

まどかや恭介もユラユラと立ち上がり、座ったまま後退る杏を見下ろす


「お、俺のせいじゃないだろ!な、なあ、ほむらも、そっちの二人も笑ってないでなんか、や、やめろ!こっちに来るなあああああ!!」


「ふふ、まさかこうして君達と共に笑う日が来るとは思わなかったよ」

「それは私もよ。あの四人が居なかったら来ることもなかったわ」

「……織莉、浮気か?」


織莉とほむらを交互に見て、頬を膨らませたキリカが言った


「……あなた達、お似合いよ。だから結婚でも何でも、さっさとしなさい」

「じゃあほむらは誰と結婚すんだー?」

いつの間にか戻ってきた恭介が、ほむらに後ろからのし掛かってそう言った


「な、何言ってるのよ!?」

「そうだな、美樹、次はお前の番か」

「最近チョーシ乗ってるよな」

「恭介くん、僕流石にそれは許さないよ」

「ほ、ほむら、助けてくれ!」


「自業自得よ。やられてきなさい」


「仲がいいな、君達は」

織莉は恭介を袋叩きにする三人を見て言った

「べ、別にそんなんじゃないわよ?」

赤くなっているほむらに、キリカがニヤリと笑って肩を組んだ

「で、誰が本命なんだ?」

「そ、そんなの、分からないわよ……。その、良く知らないもの。恋とか愛とか、そんなの無縁だったし」

「何だよ何だよ、もしかして全員か?可愛い顔してやるなあ」

「もう、からかわないで」

きめえ


「……何だかあなた達馴染みすぎじゃない?」

「そうか?」

「まあ、そう見えるだろうね。でも、僕達が共闘する事が世界を救うというのなら、僕は全力でそうするよ」

「私は織莉についてくだけさ」


微塵の迷いもない瞳に、ほむらは溜め息を吐いた


「あなた達程、直ぐには割り切れないわ」


「私達の前であんなに大泣きしたのにかい?」


「……怒るわよ?」

「はいはい、分かったよ」


暫く話していて、ほむらはふと思ったことがあった

「あなた、本当に元男なの?何だか信じられないわ」

「んー、まあ本当なんだけど違うって言うかさ、魂ごと女になったって感じ。何もかもが変わったんだよ」

「ふぅん。……そう言えば、久しぶりに女の子と普通に会話したわね」

「あんた、あいつらとつるんでばっかなの?」

「この時間軸では私、男扱いなのよ。前の時間軸では皆女の子だったのに」

「え?それって織莉も?」

「そうよ。織莉子って名前」

「女の織莉……アリだな」

「あなたはその人なら何でもアリなんでしょ」

「ハハ、バレたか」


「というか、気になる話があったね。時間軸って言うのは?」

「ああ、私、この一ヶ月を繰り返してるのよ。鹿目まどかの契約を防ぐ為にね。あなた達と遭遇したのはこれで三度目。尤もこうして話したのは始めてだけど」

「なるほど。通りで僕達の能力を知ってたわけだ」

うんうんと頷く美国織莉
キリカは驚いた顔をしていた

「なあ、その話、してくれよ。俺達聞いてないぞ?」

いつの間にか戻ってきた皆を代表して杏が言った

「別に面白い話もないわよ?基本的に暗いし、絶望的だし……私、空回りしてばっかりだし」


「いいから話してくれよ。何だか気が抜けちまったしさー」

「俺も授業出る気しないしなあ」

「あなた達は何でもストレートね。……まあいいわ。そうね、まずは皆の名前。

鹿目まどか、美樹さやか、巴マミ、佐倉杏子、美国織莉子、呉キリカ。

こんな感じよ。」

「俺、さやかだったのか」

「何だか基本的に安易な感じだな。子取ったり、もじったり、変わらなかったり」

呆れた様子でマオはぼやいていた


「仕方ないよ。前の時間軸の、女の子のまどかの願いで変わったんだもん」

「な、何か暴露大会みたいになってきたわね。まどか、それってどういうこと?」

「夢でね、前の時間軸の最後を見たんだよ。それでまどかの願いも見たの」

「何て願ったの?まどかは」

「それはちょっと言えないかな。まどかちゃんの事だしね。それよりほむらちゃんの時間軸の話が聞きたいなって」

「……仕方ないわね」


ほむらの時間軸の話に、皆驚いていたが、信じてくれてもいた

今までの時間軸では無かった事に、気分が良くなったほむらはどんどん話し出し、遂にはさやかの魔女化の話までし出していた

(あ……皆にはまだ話してないじゃない……失敗したわ)

恐る恐る皆の表情を窺うと、別に何ともない様子で居て、ほむらは拍子抜けした


「み、皆知ってたの?ソウルジェムの事?」


ほむらの問い掛けに、マオ以外の皆が頷いた


「何だ、俺しか知らなかったのか」

マオは眉間に皺を寄せ、苦い顔をしていた

「ま、マオ?その、大丈夫?」

「問題ない、とは言わないが心配するな、暁美。俺一人折れるわけにもいかないだろう」

「あ、あなたは強いわね。ホントに巴マミと同じなのか疑わしいわ」

「いや、強くはない。ただ、強くあろうとしてるだけだ」

よく見れば、微かにその手は震えていた

>>456

マオの台詞
しか×

だけが○

間違えました
すみません


「無理はしちゃダメよ?」

ほむらはそう言ってマオの横に移動し、頭を撫でた

「マオ、今回頑張ってくれたんだし、ちゃんと労わないとね」

ほむらは言い訳する様に言ったが、事実そうだったので他の三人は何も言えなかった

「も、もういいだろう」

皆の目に耐えられなくなったマオが言う
表情を隠すためか、何度も眼鏡をかけ直していた


「そう?分かったわ」



ほむらが大体の話を終えると、キリカが真っ先に口を開いた

「なあ、じゃああんたはワルプルギスの夜の出現場所とか、分かってるのかい?」

「ええ、大まかにはだけれど。でも、それはあなた達も分かるんじゃ?」

「僕の魔法は万能じゃないからね。視ようと思っても、多分その先の結末にいってしまうよ」



「そうなの。……そうだ、これからワルプルギスの夜の対策を練りましょうか。準備もしなきゃならないし」

ほむらの提案に、織莉が立ち上がり言う

「なら僕の家に場所を変えよう。広さはあるからさ」

「じゃあ、行きましょうか」


まどかはマオが背負い、皆一斉に学校を飛び出していった

一番最後尾で、ほむらは魔法使いが七人居るという事を再度認識した


(……あの子の時間軸で、この光景が見られれば良かったと思うのは、いけないのに、どうしても考えてしまう)


思い悩むほむらに皆気付いていたが、知らないふりをして皆織莉についていった

切りがいいのでここで

次回更新は21日の23時に


捕縛のとこはもっと上手く書きたかったのですが、先に進める為断念……

分かりにくくてすみません


あとマミさんベテランなんだから、細かな魔法とかも得意だよなと決めてごり押ししてすみません

精進しますっ

きも

おつ
ぐっと話が進んだな

ネーミングセンスがアレ
ほどか()に近いものを感じる

乙でした


マミさん主人公格やっててもおかしくない硬さだな

乙乙ー

>>327>>232>>378>>381>>395>>16>>194>>75>>58>>200>>82>>474>>365>>270>>8>>97>>441>>53>>216>>418>>75
>>178>>476>>109>>485>>61>>4>>119>>281>>84>>445>>13>>461>>325>>407>>477>>19>>481>>34>>218>>63>>8>>83
>>16>>179>>273>>69>>395>>190>>143>>248>>367>>118>>357>>352>>178>>360>>470>>459>>444>>414>>471>>405
>>377>>381>>257>>358>>414>>474>>420>>421>>56>>252>>437>>235>>24>>5>>129>>213>>147>>377>>79>>264
>>430>>441>>93>>399>>400>>36>>312>>370>>441>>50>>246>>321>>306>>103>>235>>280>>23>>156>>336>>274
>>70>>297>>96>>199>>9>>242>>76>>88>>6>>309>>17>>447>>402>>416>>346>>438>>227>>215>>378>>277>>461
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>>235>>11>>144>>483>>424>>385>>464>>433>>355>>258>>145>>350>>181>>439>>169>>476>>181>>476>>386>>180
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>>456>>130>>8>>75>>448>>348>>216>>393>>317>>230>>229>>219>>152>>199>>244>>194>>275>>429>>459>>266
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>>334>>251>>55>>132>>238>>254>>51>>268>>81>>476>>2>>96>>133>>72>>311>>375>>115>>315>>6>>117>>412
>>381>>136>>437>>427>>170>>283>>21>>394>>152>>354>>145>>207>>486>>382>>461>>37>>150>>42>>12>>152
>>144>>223>>447>>19>>337>>262>>25>>454>>173>>243>>334>>309>>180>>260>>479>>463>>281>>373>>115>>134
>>321>>120>>399>>282>>156>>48>>323>>167>>199>>459>>311>>422>>405>>330>>259>>166>>355>>212>>339

↑この頃こうゆうのをよく見るけど、なんか意味あんの?

スルースキルを鍛えるための訓練

NGすれば解決

遅くなりましたが投稿してきます

書き溜めようと思ってたのですが忙しくあまり更新できてないです
すみません


「へえ、ホントに大きいわね」


織莉の家に着いての第一声

他の家とは一線を画する豪邸だったが、庭の雑草は伸び放題、家の中も掃除が行き届いてないように感じた


「すまないね。家にはもう家政婦だとかを雇う余裕はないから、こんなんなんだ」

「そう」


事情を説明する気はないのだろう
そう思ったほむらは、それについて何も言わない事にした


「適当に寛いでいてくれ。今何か飲み物を持ってくるから」


「私も手伝うよ」


二人はそう言って別の場所に行く
案内された部屋は会食用の部屋のようで、長机と十の席があった


「さて、準備くらいしとくわね」


ほむらは盾から紙束を取り出す

杏がそれを見て不思議そうに口を開いた


「それ、何なんだ?」

「ワルプルギスの夜の出現位置とか、私が仕掛けた兵器の位置とか、色々よ。一応常に持ち歩く事にしてるの」

「ふーん」


それぞれ目を通してる内に、織莉とキリカが戻ってくる

皆に紅茶を配ると、二人並んで座り紙を手に取った


「これは……見滝原の地図かな。見たところワルプルギスの夜の出現位置かな?」

「そうよ。呉キリカが持ってるのは兵器の設置位置ね」


見ていく内に、二人の顔がどんどん青ざめていった
そしてほむらの事を鬼か何かのようにチラチラと見た


「あなたは、戦争でもするつもりなのですか?」


織莉とキリカの反応に、先に見ていた四人が吹き出した


「やはり俺達と同じ反応か」

「まあ、仕方ないよね。映画でしか見たことないもん、こんなの」



「はっきり言っておくけど、これだけ用意してもワルプルギスの夜は倒せないわ。そもそもが通常兵器では無理なのでしょうね。本体の牽制と使い魔の迎撃が主よ」


これだけの装備でも倒せないのかと、皆の表情が変わる
真剣な顔付きを見て、ほむらは一度頷くと立ち上がり話し出した


「ワルプルギスの夜は、間違いなく長期戦になるわ。そもそもが大きい上に、使い魔の強さも桁違い。まあ、パレードしてるだけなのが大半だけど。……とにかく結界を必要としないのも頷けるわ。

まずは当日までの流れから。基本的にあなた達は魔物と戦って、上手く連携出来るようにして。私は当日は状況を見てアシストに回るから、参加しないわ。グリーフシードのストックもお願いね」


「グリーフシードなら僕達のストック分も提供しよう。以前の計画の進行中にかなり集まったんだ」

何処と無く後ろめたい表情をした織莉だったが、キリカが無言で慰めていた為皆触れない事にした


「ウチにも幾つかあるな」

「む、すまんな。俺のとこにはないぞ」

「気にしないでいいのよ。まあ、グリーフシードは大丈夫そうね。じゃあ、当日の話に移りましょうか」


「−−という事ね。何か質問は?」

基本的な作戦を説明したほむら
織莉とマオは頭の中で整理するのでいっぱいいっぱいなようだった


「前日にももう一度説明するから、ざっと覚えていてくれればいいわ」

ほむらがそう言うと、思考を放棄していた何人かが明らかにほっと胸を撫で下ろした

(重要な項目を紙に書く必要がありそうね)


やれやれと、ほむらは肩を落とすのだった

切りがいいのでここで

次回更新は23日の23時に



時間空いたわりにあまり更新できず申し訳ないです

乙ー

ほんと行儀悪いな
作者も読者も

乙でした。TSものなのか?

>>487
君は今まで何を読んできたのだね

>>1

GSの為、オリキリに狩られた人達涙目な同盟だよなコレ

本編がもともとそういう世界観だからねー

更新してきます

今回も短いです



織莉の家での作戦会議から数日後

ほむら不在の中、皆は魔物の結界の中にいた


「何か今までと違って目に優しい奴だなあ」

「少々面倒だがな」


青空の下に無数の糸が張り巡らされ、その上の方に魔物が居た
頭が無く、腕が四本の特攻服に身を包んでいる


「……なあ、あいつの足ってよく見たら手じゃねーか?」

杏の言葉に目を凝らした恭介が、少しして身を震わせた

「ムリムリ、あんなの。クモみたいじゃん」

「情けないね、男のくせに」

「都会っ子舐めんなよ。虫への耐性ゼロだぞ」

「威張ることか?というかそれ言ったら私も、ここに居る皆も都会っ子だろうが」

まーた上げてやがる
ちょっとは大人しくしてたら?


「無理なもんは無理。……なあ杏、お前ボードとか得意か?」

「おお、そこそこな」

「よし!ならば乗れい!」


大剣を産み出した恭介は、剣の腹を地面に向けて魔物へと切っ先を向ける

「乗るって、こうか?」


恐る恐るといった様子で、杏は剣に飛び乗る

よく見ればいい感じの窪みが幾つかあり、何気なくそこに足を嵌め込んだ


「準備はいいか?行くぞ!」


「は?何が?」


嫌な予感がして、杏は飛び降りようか迷ったが既に遅かった

「合体魔法!あーと、んー……兎に角行けい!」


恭介の魔法が発動し、刀身が凄まじい勢いで射出される

一気に加速した剣に、杏はしがみついて振り落とされない様にするので精一杯

しかも手を切らない様にしなければならない為、指が吊りそうだった


「後で覚えとけよぉぉおお!」


「アホ恭介、あいつマジでぶっ飛ばすッ」


高速で魔物に向かう剣の上で、覚悟を決めた杏は窪みにしっかり足をかけ立ち上がると、槍を手に取り接近する魔物に意識を集中する


「取り敢えずお前からだ!」


接触直前、槍を魔物の胸に突き刺し、剣の勢いのまま押し込んでいく

突然の事に魔物は抵抗も出来ず、槍が貫通するのにそう時間は掛からなかった


槍が貫通した事で、剣が腰辺りに突き刺さった


「キョーウ!飛び降りろー!」

下の方から、恭介がテレパシーでそう伝えてきた

意味が分からんと首を傾けたが、次の言葉で直ぐに理解した


「爆発すっから!」

「先に言えバカ!」


槍の一つでも投げてやりたかったが、光だした剣に杏は直ぐ様飛び降りる

その直後、剣の爆発による衝撃に煽られて、杏は凄まじい速度で落下した


「君達はやはり無茶するなあ」

「こいつらと一緒にしないでくれ。すまんが呉、あれを止めてもらえるか?」

「確かにあの速さじゃ無事着地ってのは難しいだろうね。仕方ない」


彗星の如く落下する杏に、キリカの速度低下が発動する

半分程度になった落下速度で、動けるようになった杏はクルリと反転して無事の帰還を果たした

奇跡的にも怪我らしきものは見当たらなかった


「死ぬかと思った……」


「いやあ、見事なコンビネーションでしたな」

軽口を叩く恭介に、表情の消えた杏がユラユラと近付いていく


「あれをコンビネーションとは言わねえだろうが。……まどか、手伝ってくれ」

「流石にあれは恭介くんが悪いしね、いいよ」

「ま、まどか!?」


いざとなれば逃げればいいと考えていた恭介を、後ろからまどかが羽交い締めにする

本格的にマズイと思ったときには、杏は既に懐に潜り込んでいた


「いざ連携、といっても、これだけ居ると普通の魔物相手じゃ直ぐ終わってしまうね」

「そうだな。……取り敢えず、一度それぞれ出来ることを並べてみるか。今みたいな馬鹿げてるのも、使わざるを得ないかもしれないからな」


遊んでる三人を後目に、纏め役二人が今後について話し合う

当日の作戦を覚えているのもマオと織莉だけだった為、ほむら不在では必然的にこの二人が頭を悩ませる事となった




「……むう」


大事な話というのも理解しているので邪魔できないと分かっているが、このところ微妙に放置されてる気がしてならないキリカは、一人離れた所で僅かに頬を膨らませた

今回はここまでです

次の更新は25日の23時に



一気にワルプルでも良かったんですが、それだと後半慌ただしいかな思いと話考え中
次の次の更新あたりからワルプル入りたいなと思ってます


今までざっと読んできた
恭介のさやかは親友として見てたって設定は本編から?

乙。ところでこのほむらが時間遡行したら、この世界には男のほむらが残るのか?
そう思うと男ほむらが可哀想なんだが

>>504

そうです

上条さやかは本編上条の女の子verですが、まあ本編さやかが男だったら恋とかよくわかってなさそうと思い矢印の向きは逆になりました

>>506

力量&説明不足です
すみません



前まどかの願いで「次の時間軸は鹿目まどかが暁美ほむらを好きでいい世界」になったので

まどか→男
ほむら→そのまま女

です


ほむらが男口調なのは願いの影響で引っ張られた結果です
性別は変わってないです



SSの中に気になった事があれば質問ください

後でSS内で書こうと思ってる事以外は回答します


勢いで始めた&SS二作目で突っ込みどころ沢山あると思うので……

スレタイで避けてたがまどほむなのか
読まざるをえなくなった

>>782>>471>>530>>276>>456>>20>>913>>150>>201>>390>>82>>773>>648>>783>>508>>738>>997>>994>>898>>216
>>861>>754>>126>>510>>106>>906>>657>>994>>33>>459>>776>>504>>988>>51>>959>>8>>963>>108>>208>>353
>>980>>1>>972>>488>>738>>968>>481>>636>>184>>926>>496>>937>>51>>6>>43>>957>>662>>36>>989>>121>>811
>>108>>862>>450>>115>>825>>558>>323>>178>>747>>303>>178>>719>>790>>916>>686>>270>>551>>869>>196>>47
>>247>>52>>848>>203>>714>>884>>192>>834>>695>>683>>941>>557>>133>>56>>381>>690>>379>>559>>437>>681
>>155>>471>>651>>841>>740>>202>>709>>936>>248>>515>>182>>299>>363>>384>>12>>246>>576>>846>>941>>258
>>497>>391>>842>>878>>81>>221>>436>>518>>902>>171>>672>>372>>822>>512>>112>>24>>221>>47>>271>>736
>>569>>98>>612>>581>>344>>187>>426>>284>>445>>212>>781>>836>>54>>658>>916>>275>>93>>434>>176>>264
>>547>>86>>617>>658>>109>>838>>705>>379>>573>>933>>948>>671>>545>>529>>14>>732>>955>>298>>176>>167
>>12>>220>>736>>928>>495>>829>>361>>670>>92>>465>>217>>177>>82>>875>>286>>919>>579>>665>>492>>512
>>162>>56>>141>>176>>787>>95>>474>>963>>261>>552>>974>>481>>288>>901>>975>>116>>261>>645>>207>>726
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>>13>>174>>207>>21>>517>>494>>162>>74>>398>>493>>162>>278>>77>>154>>352>>482>>290>>284>>286>>484
>>75>>527>>13>>52>>50>>72>>273>>5>>171>>242>>17>>344>>448>>38>>311>>391>>200>>385>>238>>142>>547
>>219>>150>>316>>150>>440>>50>>436>>373>>65>>510>>349>>77>>12>>399>>149>>284>>404>>320>>526>>420
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>>423>>472>>314>>21>>206>>167>>340>>181>>37>>454>>53>>494>>327>>316>>50>>35>>266>>298>>289>>181
>>143>>413>>279>>435>>144>>230>>1>>489>>140>>465>>362>>62>>229>>382>>268>>395>>172>>448>>431>>75

やはり発言が分かりにくい……
台詞の前に名前つけてほしいなぁ

キャラ名がいちいちキモい
織莉()
マオ()

いちいち言い訳がましくてそれがまたキモい



俺は好きだよ

男子化すると戦闘がスカッとして楽しい

>>507
恋心は性別変わっても残りそうだけどなあ
だから恭介さやかの下りはは読んでて違和感バリバリだった
言っちゃなんだがほむらで乙女ゲーやりたいんだけなんかなと

>>521

実際それも理由の一つですね


失恋慰めてたら、というパターンも考えてましたが一ヶ月じゃ無理だろと断念した結果がこれです

上条と志筑は本編でも明確な描写ではなかったので、まずは友達からとしました

追い付いた。

何故こうもマドカssは荒れるのか。

>>1ファイト

>>471>>381>>166>>446>>160>>194>>425>>176>>580>>64>>215>>297>>50>>271>>221>>245>>570>>60>>7>>225
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>>172>>136>>113>>144>>472>>459>>541>>384>>185>>402>>511>>208>>312>>307>>451>>467>>74>>154>>28>>64
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>>113>>9>>254>>455>>67>>204>>327>>56>>75>>306>>474>>251>>302>>202>>29>>167>>232>>189>>196>>128>>459
>>473>>261>>14>>545>>128>>550>>261>>247>>201>>374>>255>>454>>278>>322>>108>>55>>378>>182>>361>>302
>>112>>504>>462>>279>>185>>101>>475>>312>>9>>84>>235>>270>>98>>230>>397>>97>>490>>93>>298>>313

>>61>>245>>531>>265>>350>>311>>506>>478>>39>>535>>409>>75>>99>>9>>82>>12>>260>>380>>131>>9>>387
>>182>>496>>299>>254>>314>>493>>257>>275>>254>>318>>520>>234>>32>>319>>545>>538>>247>>34>>523>>106
>>72>>114>>190>>83>>374>>20>>214>>382>>406>>116>>14>>352>>414>>268>>115>>357>>525>>389>>60>>292
>>294>>323>>127>>288>>311>>374>>322>>283>>479>>430>>354>>43>>70>>437>>416>>90>>100>>248>>496>>216
>>297>>79>>529>>411>>435>>504>>250>>495>>245>>58>>238>>18>>184>>526>>328>>7>>298>>61>>486>>177>>415
>>247>>302>>394>>336>>402>>92>>282>>67>>353>>28>>146>>332>>438>>30>>285>>137>>525>>529>>194>>213
>>378>>189>>325>>385>>486>>386>>320>>113>>250>>297>>360>>1>>140>>146>>402>>232>>427>>469>>34>>454
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>>446>>487>>83>>240>>294>>336>>257>>48>>113>>121>>55>>34>>413>>219>>212>>100>>81>>161>>481>>201
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>>312>>237>>466>>491>>271>>544>>232>>427>>126>>7>>445>>476>>543>>12>>357>>141>>59>>439>>515>>68>>7
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>>395>>198>>297>>536>>257>>185>>500>>325>>192>>95>>161>>374>>39>>154>>376>>133>>67>>285>>113>>291

>>317>>365>>82>>123>>14>>347>>259>>171>>466>>99>>301>>175>>11>>95>>484>>400>>431>>82>>230>>382>>10
>>451>>428>>489>>165>>156>>359>>511>>299>>371>>277>>114>>452>>400>>127>>249>>108>>298>>164>>207>>48
>>217>>142>>272>>67>>23>>353>>297>>404>>363>>52>>305>>240>>541>>469>>396>>350>>429>>145>>170>>156
>>72>>5>>385>>321>>113>>132>>485>>320>>179>>273>>537>>321>>544>>53>>343>>347>>349>>197>>160>>401
>>400>>392>>420>>245>>191>>299>>390>>361>>455>>97>>432>>460>>482>>202>>23>>64>>137>>342>>242>>409
>>12>>403>>381>>355>>199>>179>>1>>358>>30>>502>>207>>422>>372>>452>>62>>121>>291>>422>>25>>388>>304
>>319>>506>>507>>382>>92>>298>>74>>500>>76>>86>>352>>456>>440>>1>>85>>441>>359>>114>>393>>16>>535
>>467>>47>>335>>208>>469>>359>>45>>223>>293>>364>>178>>250>>196>>270>>548>>269>>220>>73>>355>>22
>>245>>23>>62>>136>>381>>176>>528>>396>>161>>192>>313>>207>>526>>520>>125>>335>>14>>347>>78>>378
>>327>>23>>245>>324>>292>>464>>396>>96>>486>>374>>340>>508>>436>>475>>338>>61>>453>>183>>221>>94
>>428>>70>>465>>3>>404>>479>>350>>482>>306>>324>>258>>329>>19>>32>>70>>482>>428>>166>>418>>251>>505
>>137>>430>>163>>198>>333>>345>>419>>426>>290>>296>>496>>205>>298>>350>>133>>98>>281>>438>>421>>538
>>440>>20>>286>>372>>447>>451>>239>>148>>406>>63>>284>>286>>225>>482>>68>>20>>350>>494>>310>>96
>>514>>394>>238>>97>>491>>518>>534>>362>>506>>200>>251>>525>>485>>72>>422>>386>>310>>19>>241>>373
>>526>>48>>234>>44>>68>>34>>537>>378>>129>>426>>342>>522>>113>>438>>462>>81>>422>>274>>37>>72>>524
>>7>>46>>433>>392>>356>>452>>82>>178>>204>>58>>226>>438>>101>>294>>472>>87>>122>>50>>512>>463>>22
>>351>>484>>156>>223>>207>>192>>294>>181>>203>>300>>226>>86>>141>>31>>537>>223>>209>>191>>280>>435
>>380>>178>>550>>467>>299>>50>>429>>212>>72>>503>>13>>6>>109>>235>>212>>301>>529>>393>>504>>278>>68
>>419>>98>>26>>92>>307>>216>>371>>191>>295>>201>>368>>295>>117>>117>>345>>545>>329>>416>>498>>342
>>56>>27>>83>>356>>5>>475>>310>>283>>543>>348>>152>>90>>373>>243>>396>>39>>63>>36>>334>>264>>404
>>380>>521>>422>>375>>300>>288>>323>>91>>158>>379>>117>>241>>185>>122>>166>>494>>404>>158>>291>>5
>>114>>247>>93>>153>>310>>129>>486>>24>>533>>13>>403>>504>>435>>228>>253>>172>>1>>343>>330>>379
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>>100>>318>>504>>225>>519>>514>>353>>216>>376>>121>>152>>114>>87>>505>>101>>148>>81>>273>>38>>47
>>481>>109>>106>>231>>173>>455>>477>>365>>48>>267>>465>>366>>220>>140>>334>>184>>492>>550>>9>>62
>>123>>149>>106>>224>>296>>187>>497>>333>>233>>91>>264>>342>>197>>494>>514>>101>>420>>329>>148>>137
>>513>>357>>383>>297>>540>>324>>296>>549>>386>>447>>122>>534>>3>>345>>279>>189>>292>>62>>422>>383
>>213>>29>>268>>177>>130>>138>>506>>278>>275>>199>>241>>81>>31>>537>>71>>355>>283>>69>>190>>180
>>174>>182>>536>>453>>371>>277>>514>>243>>110>>289>>456>>138>>7>>82>>267>>145>>38>>544>>419>>236
>>499>>267>>221>>20>>72>>504>>88>>262>>133>>279>>435>>315>>264>>338>>135>>541>>301>>378>>100>>40
>>237>>47>>365>>504>>191>>402>>498>>60>>88>>182>>8>>354>>402>>27>>426>>355>>115>>137>>488>>394>>22
>>107>>359>>387>>98>>110>>214>>197>>149>>497>>434>>196>>311>>388>>386>>162>>335>>446>>249>>516>>453
>>368>>480>>478>>173>>45>>65>>111>>438>>86>>363>>545>>444>>199>>93>>4>>413>>289>>153>>359>>173>>348
>>11>>184>>281>>345>>79>>529>>311>>532>>32>>129>>462>>509>>301>>507>>23>>411>>394>>108>>223>>389>>2
>>481>>5>>285>>220>>157>>93>>393>>505>>212>>403>>138>>493>>198>>217>>471>>509>>198>>502>>87>>109
>>387>>65>>483>>248>>459>>41>>471>>298>>43>>342>>229>>48>>76>>448>>205>>169>>291>>159>>381>>143
>>323>>341>>513>>244>>299>>160>>196>>385>>269>>107>>222>>334>>40>>469>>243>>80>>389>>541>>123>>181
>>170>>256>>117>>374>>425>>407>>533>>256>>549>>279>>28>>339>>241>>272>>88>>401>>468>>472>>119>>24
>>453>>63>>62>>145>>143>>451>>136>>265>>81>>354>>435>>337>>470>>258>>211>>326>>241>>466>>325>>519
>>114>>209>>215>>201>>60>>132>>122>>178>>156>>265>>81>>218>>326>>226>>360>>226>>361>>74>>307>>164
>>93>>83>>216>>303>>409>>456>>219>>183>>425>>163>>296>>83>>377>>496>>142>>509>>68>>320>>114>>333
>>332>>108>>76>>141>>334>>436>>215>>90>>50>>172>>182>>133>>388>>485>>541>>294>>154>>173>>168>>316
>>251>>143>>415>>393>>102>>482>>162>>215>>264>>12>>546>>372>>88>>137>>156>>523>>351>>245>>23>>523
>>155>>360>>362>>145>>103>>515>>318>>271>>281>>236>>521>>423>>100>>363>>524>>32>>525>>189>>295>>536
>>117>>74>>321>>272>>47>>122>>517>>69>>94>>393>>223>>453>>205>>367>>6>>170>>134>>276>>450>>370>>247
>>469>>59>>297>>500>>33>>485>>245>>19>>120>>361>>92>>440>>82>>138>>11>>48>>206>>105>>441>>428>>7
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ああ…乙女ゲーがコンセプトなのか
すまんが急にどうでも良くなった

俺はこういうのもアリだと思う

いちいち自演臭くてかなわん

疑心暗鬼すぎるだろ

おもしろいじゃん乙

少し遅れましたが更新してきます

台本書きは申し訳ないですがしないです

後少しなので


そうして時間は流れ、ワルプルギスの夜前日

一行は最後の確認の為に美国織莉の家に集まっていた


「遂に明日、ね」


皆の前で、ほむらが呟く

全員の手元にはこの一週間でほむらが増やした兵器と作戦の資料


「この前も言ったけどもう一度。私の時間停止は戦闘の途中から使えなくなる。そうなったら私は最弱の魔法少女となる。だから、皆の力を貸して。私を、助けて」


皆の返事は分かっていた

それでも、自分から助けを求めた

皆の士気とか、そんなものではなく、ただそうするのが自然な気がしていた

(助けて、なんて言う日が来るとは思わなかった。この時間軸は、何だか立ち位置が違う気がするわ)


不思議そうな顔をするほむら

思考は、杏の笑い声で途切れる

「当たり前の事言ってんなよ。ほむらはドンと構えてな」


「そうだな。時間停止出来なくなったら、暁美を守るから、俺のとこに来い」

「んなのナシ!」

マオの言葉に恭介が直ぐに反応する


それからガミガミと言い合いだした三人に、ほむらは溜め息を吐いた


「騎士様が一杯いていいなあ、暁美ほむら」


キリカが後ろからほむらに抱き付いて、そう囁いた


「呉キリカ、最近あなたなんだかよく抱き付いてくるわね。どうかしたの?」

「織莉がさあ、あの眼鏡とばっか話してるんだ。だからこうしてたら妬かないかなって」


キリカの説明に、ほむらは呆れた顔をした


「あなたね、女の子同士なんだから妬いたりしないでしょ。それこそ他の皆と仲良くしたらいいじゃない」

「む、無理だよそんなの!は、恥ずかしいじゃないか……」


頬を朱に染めて照れるキリカ


(あなた、元男よね?)


何故だか、この緊張感からかけ離れた状況にほむらは落ち着いていた


「ほら、今は美国織莉は一人よ。行ってきなさい」


「ハッ、失念してたよ。ありがとう暁美ほむら」


ほむらから離れたキリカは、凄まじい速さで織莉の隣を陣取り、ベタベタと甘える

織莉も、キリカの頭に手を置いて穏やかな表情をしていた


「さて、と」


身軽になったほむらは、隅で一人佇んでいたまどかに笑いかける

まどかは、不安そうな表情をしていた


「ほむらちゃん。僕、居てもいいのかな?戦ったりする訳じゃないし……」

「当然よ。まどかも仲間なんだから」

「……ありがとう、ほむらちゃん。僕、信じて待ってるよ」

「ええ、分かったわ」



パンパン、と織莉が二度手を叩いた

それに気付き、皆が注目したところで織莉は口を開く


「今日は家に泊まって行ってくれ。ちゃんと部屋も用意したからさ」

「そうね。明日また集まるよりは、最初から行動してた方がいいし、お願いするわ」

「ほむらは私と同じ部屋な。男子禁制だぞ」


(……まあ、いいわ)



「織莉、塩取って」

「どうぞ」

「暁美、野菜切っとくぞ」

「お願い」




調理場で忙しなく動く三人を、他四人がジトッと見ていた

自分達の食事を用意していると分かっていても、やはりモヤモヤするのだった


「ああ、近い、近いよ織莉」



「というかキリカ、あんたは料理出来ないんかい」


ふと気になった恭介が訪ねると、キリカはばつの悪い顔をした


「いや、料理はちょっと、元男だし」


(ああ、そう言えばそうだっけ)


すっかり忘れていた事を再認識

男の名残が全くないキリカに、三人は微妙な顔をするしかなかった



「やっぱほむらの飯はうめえなあ!」


最後の一口を飲み込んだ杏の第一声

同意する様にキリカが頷いたが、若干悔しそうだった


「織莉のと同じくらい美味しかった……」

「それは言い過ぎだよキリカ。暁美さんのは分量もキッチリしてるし、僕では敵わないさ」

「まあ、爆弾の火薬量とか薬品とか間違えられないものを取り扱ってたから、それでかしらね」


サラッと恐ろしい事を言ったが、皆聞かなかった事にしてテキパキと片付けを始めた


「さて、どうしようかしら」


時刻は八時
寝るにもまだ早い


「ああ、お風呂が沸いてるよ。暁美さんから先に入ってきたらどうだい?」


「いいの?ならそうさせてもらうわ」

「私も一緒に入るよ!」

「な、何を言ってるの?」

「女同士なんだしいいだろう?」


何故だか一緒に入る事になったほむらは、膝を抱えて湯に浸かっていた

(元男……なのよね?)


見た目にはかつての時間軸の呉キリカと何ら変わりはない

何故だか元に戻ったというのがしっくりきた


「ほむらー、やっぱコンディショナーって使った方がいいのか?」

「それは、そうね」

(男の子は使わないのかしら、コンディショナーとか)



「ところで、何でお風呂一緒に?」


ほむらの質問に、キリカは固まった

ぎこちなく視線を逸らし、口元まで浸かりブクブクしている


「い、いやさ、織莉は他の皆と仲良くなってるし、私もほむらと、ってさ。裸の付き合いって言うだろ?」


「仲良く?私と?」


「そう。単なる協力者とかじゃなくて、えと、あー……もう!友達になろうって話だよ!」



勢い良く立ち上がり言ったキリカに、ほむらは酷く焦った


「ちょっと!ま、前を隠しなさい!」

「で、どうなんだよ?なるかならないか、だ」

「な、なる!なるから座りなさい!」


キリカを座らせ、ほむらはほっと胸を撫で下ろす


「友達って、脅してなるものなのね」

「私は結構強情なのさ」


風呂から上がって、髪を解かしあっている二人を見て、皆はポカンと口を開けた


「何か急に仲良くなったね、キリカ」

「んー。でも織莉が一番だぞ」


満足げに笑うキリカに織莉はほっとした様で、にこやかに笑い返していた

「ほむらは二番な!」

「あなたにそう言われると、友達の枠から飛び出してそうで怖いわ」

「何が?」

「こっちの話よ」


今回はここまで

次の更新は今日の23時に


あまり進まなくて申し訳ないです

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>>228>>506>>570>>205>>178>>352>>551>>242>>418>>241>>523>>338>>456>>256>>32>>297>>563>>315>>536>>290
>>57>>388>>314>>311>>115>>291>>362>>251>>333>>3>>478>>238>>572>>83>>416>>323>>34>>57>>140>>274>>580
>>129>>236>>509>>426>>199>>224>>362>>488>>282>>418>>276>>596>>128>>390>>287>>489>>40>>19>>492>>518
>>463>>1>>72>>185>>34>>129>>325>>308>>108>>203>>437>>344>>111>>262>>542>>334>>23>>430>>16>>441>>105
>>569>>494>>298>>457>>534>>317>>349>>452>>574>>211>>453>>46>>396>>486>>174>>121>>194>>282>>323>>30
>>433>>291>>567>>166>>314>>396>>182>>154>>500>>193>>122>>394>>490>>579>>328>>206>>327>>179>>180
>>31>>225>>333>>517>>399>>453>>110>>80>>175>>139>>105>>8>>430>>72>>173>>144>>467>>355>>298>>367
>>419>>160>>437>>398>>487>>43>>125>>66>>222>>63>>97>>446>>395>>13>>244>>248>>123>>324>>423>>261
>>430>>91>>500>>3>>234>>366>>357>>531>>132>>303>>350>>292>>139>>148>>179>>181>>273>>244>>403>>335
>>248>>130>>353>>492>>377>>475>>216>>199>>136>>44>>28>>226>>544>>30>>460>>310>>386>>391>>442>>89
>>133>>228>>288>>311>>409>>560>>555>>211>>294>>294>>459>>424>>46>>350>>200>>520>>566>>398>>56>>10
>>281>>553>>455>>140>>262>>241>>530>>103>>329>>70>>236>>556>>357>>546>>364>>317>>501>>575>>11>>194
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>>36>>392>>55>>400>>108>>555>>374>>119>>149>>207>>553>>388>>389>>585>>547>>536>>416>>161>>92>>72

ほむキリそういうものあるのか

更新してきます


その夜

キリカはほむらに質問攻めにしたりベタベタしたりしている内に、一人で先に眠っていた


「どれだけ自由なのよ」


呆れた表情のほむらは、乱れたキリカの毛布をかけ直してから部屋を出た


「何だか眠れないわね」


キリカのお陰か気負ってはいなかったが、代わりに目が覚めてしまった


何か飲もうと台所に向かうと、先客がいた


「まどか」

「あ、ほむらちゃん」

「どうしたの?」

「皆騒ぎ疲れて寝ちゃったんだけど、僕は何だか眠れなくて」

「こっちも一緒よ」

「そうなんだ。勝手に冷蔵庫開けていいのかな?」

「大丈夫よ。晩御飯の時好きにしてたんだから」



「ほら、気を付けて」

「やっぱり危なくない?」


「心配しすぎよ」


屋根に上がった二人は並んで座り、ぼんやりと空を眺める


「星、見えないね」

「明かりが多いからかしら」

「かな。今度皆で見に行きたいな」

「……そうね」


二人は暫く無言でいたが、不意にまどかから話し出した


「明日、もうすぐ今日だけど、皆が戦ってる中僕は信じて祈るしか出来ない。それは、とても辛いなって、そう思うよ」

「何言ってるの。美国織莉の魔法で未来は既に見えてるのだから、気楽でいなさい」

「でも、やっぱり怖いんだ。話でしか知らないけど、だからこそ……凄く怖い。僕も傍に居られたらって、何度も思う」


微かな月明かりに照らされたまどかの表情は苦悩に満ちていた

「まどか……」



ほむらの脳裏に、前の時間軸に於ける前夜の記憶が蘇ってくる

前の鹿目まどかも、同じ様に嘆いていた

傍に居れない事に、そして一人で戦わせる事に


「大丈夫。今度は皆居るわ」


目の前の鹿目まどかと重なった、少女の鹿目まどかに向けて、自然と言葉が出ていた

それに気がついたのか定かではないが、その言葉を聞いたまどかは悲しげな笑みを浮かべた



「そうだね。皆居るもんね」


立ち上がったまどかは、一人屋根を降りようと登った場所に歩く



「僕、眠くなってきたから先に降りるね」

「ええ、分かったわ」


ベランダに降りようと端に腰を下ろしたまどかは、もう一度ほむらを振り返った


「ねえ、ほむらちゃんは……」

「どうかしたの?」

「……ううん、何でもないよ。おやすみ、ほむらちゃん」

「そう……。おやすみなさい、まどか」


一人になったほむらは、再びぼんやりと空を眺めた


「……インキュベーター、居るんでしょう?」

「……まさか気付かれるとは思わなかったよ、暁美ほむら」

「ただの勘よ」


ひょっこりと姿を見せた、敵

相変わらず何を考えているのか分からない顔をしている


「いやはや、君がここまでの存在になるとは思わなかったよ。まさか五人もの魔法ダンスィを集めるとは」


抑揚のない声で言われるとおかしくて堪らず、ほむらは笑った


「や、やめなさい、そのダンスィって。それにキリカは女じゃない。元男ではあるけど」


「僕と契約した者は皆そうなるんだけどね。仕方ないから魔法使いと呼ばせてもらうよ」


「そうなさい」


ほむらは何故だか不思議と、余裕を持ってインキュベーターと話せていた


「あなたは、まどかとは契約出来ないわ。……私達は、ワルプルギスの夜を倒す」

「そう上手くいくと思うかい?」

「何を言っても無駄よ。私はあなたの言葉に惑わされない」

「まあいいさ。全ては今日分かるんだから。楽しみにしてるよ、暁美ほむら」


インキュベーターはそう言って再び暗闇に消えていった



「……楽しむ感情なんて、ないくせに」



今度こそ本当に一人になると、様々な考えが浮かんできた


(私は……)


揺れる気持ちを振り払う様に立ち上がったほむらを、そっと風が撫でる


(迷う必要なんてない)

(ただ、守りたいモノが増えた。それだけよ)


まどかの去り際の表情が浮かんできて、ほむらは何度も頭を振った




「今は、敵の事だけを考えるのよ。目の前の、敵を……」


ハッキリ言葉にしたが、意思とは裏腹に語尾は弱まり、ほむらは膝を抱え込んだ


(言葉に出しても、考えてしまう。全てが終わった後を)


一つ、二つと雫が落ちる

自然に流れ落ちたそれを、ほむらは拭う事なく見つめていた


(……近付きすぎた。私は、今までの皆と同じくらい、この時間軸の皆を大事に思ってる……)



(私は、どうしたらいいの、まどか?)


今回はここまで

次回更新は6月1日の23時に


次からワルプルギスの夜戦に入ります

おつおつ

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>>280>>2>>397>>143>>358>>230>>413>>140>>25>>549>>457>>319>>105>>13>>215>>430>>202>>448>>28>>114

>>5>>425>>366>>54>>128>>381>>316>>243>>250>>451>>478>>394>>142>>43>>269>>525>>383>>510>>438>>142
>>562>>268>>65>>574>>316>>287>>537>>598>>528>>471>>2>>352>>237>>56>>480>>18>>371>>122>>267>>222
>>60>>364>>42>>329>>288>>425>>239>>126>>566>>147>>87>>234>>212>>61>>549>>498>>598>>547>>426>>469
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>>105>>225>>261>>149>>40>>432>>158>>1>>90>>401>>173>>408>>593>>243>>123>>130>>139>>307>>216>>211
>>304>>340>>406>>166>>48>>5>>23>>533>>52>>238>>38>>277>>498>>186>>316>>330>>344>>317>>419>>145>>489
>>137>>132>>349>>267>>271>>56>>482>>481>>50>>185>>221>>455>>351>>269>>459>>373>>202>>511>>10>>239
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>>590>>532>>280>>449>>305>>481>>360>>314>>120>>547>>222>>544>>450>>458>>113>>69>>514>>426>>177>>195
>>416>>225>>391>>326>>310>>388>>116>>444>>570>>127>>434>>502>>407>>282>>206>>288>>41>>520>>407>>588
>>351>>437>>599>>463>>506>>512>>288>>82>>106>>563>>498>>331>>354>>223>>40>>141>>338>>483>>111>>465
>>12>>271>>598>>218>>558>>39>>137>>365>>26>>278>>115>>463>>277>>578>>368>>189>>266>>450>>295>>228
>>25>>581>>569>>64>>122>>307>>547>>232>>172>>263>>244>>443>>260>>461>>400>>298>>598>>165>>324>>276
>>187>>552>>257>>555>>141>>522>>404>>435>>150>>150>>460>>131>>119>>523>>252>>426>>469>>484>>597
>>127>>439>>391>>588>>239>>89>>585>>403>>413>>260>>82>>599>>212>>338>>553>>353>>260>>357>>187>>409
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>>259>>44>>147>>212>>396>>406>>568>>583>>215>>474>>29>>153>>499>>598>>343>>350>>435>>416>>197>>404
>>483>>163>>203>>407>>11>>375>>135>>271>>207>>544>>530>>250>>90>>141>>46>>496>>109>>29>>110>>583
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>>219>>591>>580>>40>>52>>149>>262>>65>>496>>340>>35>>53>>162>>384>>446>>20>>347>>186>>368>>566>>589

>>411>>517>>470>>141>>259>>59>>465>>522>>100>>324>>31>>18>>45>>581>>135>>173>>25>>293>>571>>64>>183
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>>22>>139>>55>>46>>431>>25>>110>>13>>420>>64>>392>>519>>46>>179>>330>>344>>93>>289>>453>>523>>117
>>11>>4>>215>>21>>591>>52>>61>>595>>534>>82>>133>>588>>128>>564>>13>>238>>577>>432>>302>>369>>351
>>548>>80>>91>>40>>368>>543>>562>>485>>45>>572>>489>>260>>593>>480>>311>>53>>475>>245>>135>>7>>232
>>571>>244>>501>>547>>76>>202>>315>>426>>548>>263>>506>>39>>302>>274>>581>>264>>158>>26>>235>>47
>>228>>526>>596>>280>>401>>240>>415>>407>>472>>78>>378>>115>>578>>325>>191>>180>>40>>17>>128>>302
>>166>>3>>196>>147>>266>>353>>172>>501>>400>>457>>128>>326>>452>>408>>126>>91>>223>>533>>563>>300
>>77>>278>>34>>268>>458>>73>>284>>586>>374>>206>>151>>377>>401>>298>>43>>153>>470>>544>>553>>326
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>>303>>263>>370>>345>>416>>239>>288>>368>>565>>359>>46>>142>>237>>449>>410>>338>>185>>39>>138>>230
>>217>>309>>320>>153>>461>>578>>74>>386>>440>>146>>88>>102>>516>>433>>518>>155>>120>>285>>119>>478
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>>268>>192>>578>>456>>375>>398>>497>>116>>184>>362>>534>>172>>330>>314>>493>>183>>284>>467>>579>>22
>>444>>241>>387>>547>>180>>77>>567>>86>>167>>483>>354>>359>>460>>210>>134>>258>>107>>249>>441

>>513>>76>>203>>84>>370>>310>>299>>166>>167>>442>>149>>462>>64>>8>>36>>292>>411>>167>>194>>514>>455
>>598>>38>>160>>345>>211>>364>>522>>389>>159>>435>>464>>361>>518>>234>>71>>217>>399>>237>>59>>548
>>122>>555>>135>>414>>365>>302>>7>>278>>156>>457>>275>>194>>17>>19>>405>>381>>541>>193>>539>>375
>>300>>293>>290>>370>>510>>89>>7>>569>>36>>106>>90>>590>>240>>504>>354>>541>>510>>32>>97>>367>>307
>>383>>325>>95>>163>>266>>287>>102>>41>>344>>401>>334>>33>>170>>243>>121>>177>>211>>157>>282>>301
>>521>>205>>500>>462>>114>>531>>558>>480>>237>>248>>263>>562>>342>>426>>227>>28>>527>>268>>372>>327
>>404>>497>>244>>525>>74>>455>>81>>355>>155>>226>>276>>359>>125>>137>>473>>56>>95>>353>>292>>342
>>253>>83>>440>>480>>111>>367>>147>>482>>94>>147>>286>>591>>390>>210>>64>>245>>291>>419>>400>>517
>>159>>41>>232>>31>>97>>326>>383>>388>>68>>398>>41>>150>>238>>520>>261>>4>>67>>143>>98>>214>>428
>>4>>38>>152>>248>>328>>571>>47>>244>>65>>205>>285>>296>>235>>381>>22>>18>>169>>89>>416>>209>>239
>>129>>500>>57>>195>>42>>154>>408>>469>>242>>412>>506>>393>>59>>234>>363>>105>>477>>428>>310>>161
>>545>>542>>146>>562>>110>>235>>378>>319>>473>>430>>447>>372>>487>>42>>414>>41>>450>>282>>282>>261
>>75>>319>>421>>438>>424>>298>>266>>133>>459>>389>>77>>400>>535>>39>>510>>169>>416>>228>>41>>246
>>413>>132>>115>>226>>172>>565>>508>>454>>225>>95>>529>>543>>516>>367>>367>>213>>32>>499>>71>>421
>>470>>355>>13>>380>>523>>428>>7>>564>>73>>81>>377>>205>>196>>3>>377>>160>>510>>231>>384>>5>>159
>>520>>525>>93>>132>>557>>591>>203>>377>>566>>73>>132>>578>>452>>54>>406>>458>>18>>479>>538>>394
>>134>>397>>460>>293>>306>>90>>76>>311>>249>>403>>230>>174>>495>>362>>130>>485>>564>>507>>451>>37
>>429>>488>>92>>235>>346>>109>>113>>283>>503>>197>>417>>299>>56>>109>>5>>146>>185>>315>>395>>587
>>568>>481>>306>>98>>366>>270>>4>>216>>306>>42>>45>>193>>133>>279>>538>>242>>391>>221>>145>>588>>37
>>44>>146>>448>>189>>330>>162>>583>>316>>106>>551>>197>>412>>48>>563>>81>>51>>179>>387>>93>>223
>>226>>501>>518>>467>>292>>138>>12>>279>>175>>455>>322>>321>>302>>511>>50>>464>>494>>366>>569>>444
>>380>>491>>525>>461>>542>>104>>247>>34>>326>>226>>260>>227>>143>>126>>518>>281>>138>>197>>456>>592
>>176>>293>>429>>226>>156>>322>>592>>125>>165>>554>>505>>55>>479>>365>>597>>583>>12>>31>>308>>238
>>534>>380>>416>>452>>61>>553>>48>>517>>544>>566>>93>>237>>394>>318>>392>>115>>310>>517>>279>>264

後半存在がなかったことになる仁美(仁)

あの子は本当に友達なのかしら

明日の更新難しそうなので今日にします


見滝原の空を、暗雲が包み込む

何時もは人で賑わっている筈の通りも、今日は人の気配すらない

普通誰かしら残ってそうなものだが、避難誘導をしただろう市の局員達は相当に優秀らしいと、ほむらはふと思った


(そんな事を考えられる余裕があるなんて、初めてかしら)


振り返れば、仲間達がいる

ほむらの顔が、自然と綻んだ


「……さあ、行くわよ」


使い魔のパレードを逆行する六人

その先に伝説と呼ばれるモノが居た

それは、ほむらの知るワルプルギスの夜と寸分違わぬ姿をしていた




皆が一斉に魔法使いへと変身する



予定通り、ほむらを残して散開
後押しする様に、皆ほむらの背中を叩いていった



「何度目かしらね……ワルプルギス」



「……いい加減、越えさせてもらうわ」




魔法使い達の舞台

その幕が、奇怪な笑い声と共に上がった


ほむらの集めた兵器は、ワルプルギスの夜本体には通用しない

ほむらが自身に課した役割は、ワルプルギスの夜を落とすことと牽制

近接組の多いこのメンバーでは、まずはそれをしない事には何もできない


「被害が大きくなるのは、仕方ないわね」


停止した時間の中で、ほむらは集めた兵器類の半分に火を点けて静かにぼやいた


迫撃砲や、対艦砲のごり押しで徐々に高度を下げさせる

だがやはり、ワルプルギスの夜にダメージは微塵も感じられない


「後は、これで……」


鉄塔に設置した爆弾を起爆
計算通り、それはワルプルギスの夜を巻き込みながら倒れていく


「次は任せたわ」


ほむらの視線の先、鉄塔の天辺から、三人の魔法使い達がワルプルギスの夜の歯車の上に降りて行った



「おいおい、こりゃちょっち居すぎじゃない?」

「ほむらの言った通り、歯車が本体みたいだな。恭介、怖じ気付いたなら降りてもいいんだぞ?」

「はあ……バカ言ってると歯に巻き込まれるよ、お二人さん」


軽口を言い合う三人の周りに、無数の黒い人形が集まっていく

それでも三人は、揃ってニヤリと笑った


キリカの速度低下が杏や恭介も巻き込んで発動し、キリカ以外の全ての動きが緩やかになる


「じゃあ、杏は歯車ぶっ壊してな。キリカ、何体倒したか勝負な!」

「負けないよ!」


恭介は魔方陣による強引な加速で、速度が低下する中でもキリカに負けない程の素早さを獲得していた


「……張り合うのはいいけど、ちゃんと俺の事も気にしろよな」


使い魔の間を駆ける二人に言ったが、杏の言葉は届いてそうに無かった


「は、速すぎッ」


加速に加速を重ねた恭介は、速度低下なんて掛かってないんじゃないかと思われる程に速い

自信を奪われたキリカは、半ば八つ当たりの様に使い魔の一体を切り裂いた


「でも、数じゃ負けないよ!」


加速した恭介は必然的に直線的な動きとなり、その動きでは一度に何体か撥ね飛ばすだけで、撃退数でいえば臨機応変に動くキリカよりも少し多い程度


「キリカッ!」

「りょーかいっと」


杏に接近した使い魔を倒してるのを見れば、仲間のためになってるのはキリカの方だった


「ったくバカ恭介。仕方無いとは言え、声聞こえるくらいにしろよな」


緩慢になった杏では、既に恭介の動きを追えない

しかも流石は本体といった所か歯車は硬く、杏は半ばイライラしていた


「ええい!クソッタレ!」


自身の槍を歯車の噛んでいる部分に突き立てる
それは直ぐに砕けたが、僅かに回転を止めた瞬間ワルプルギスの夜の身体が僅かに軋んだように感じた


「おお、なんか良い感じじゃんか。歯車だし、止めたら消えはしなくても弱くなるか?」


無数の槍を展開した杏は、歯車の隙間に槍を突き立てていく

次々に槍は折られたが、徐々にその本数は増えていき、やがて歯車を完全に停止させる程となった


「ん、どした?」


使い魔の動きも止まり、異変に気付いた恭介がようやく立ち止まる


「何かさ、揺れてないかい?」

キリカがそう言った瞬間、ワルプルギスの夜はその逆さまの身を反転させた


「は、ハアアアアアア!?」


落下する三人の絶叫

唐突に宙に投げ出され、真っ逆さまに落下する三人は訳が分からんと混乱していた


「……シャキッとしなさい、二人とも」


時間停止して、三人の元に現れたほむらはキリカを抱えながら言った

「おおっ、助かったよほむら!」



「んな事言ってもさあ」

「落下中じゃ、なあ?」


ぼやく二人に、ほむらは地上を指差す

その先には、ワルプルギスの夜に巨大な銃口を向けるマオと光の球を操る織莉が居た


「巻き込まれてもいいなら、好きになさい」


言うだけ言って、ほむらは時間停止して離脱

残された二人は慌てて近くの崩れかけたビルに向けて魔法で跳躍した


「あいつら……やっと退いたか」

「まあそう言わずに」


全員が安全圏に逃れるのを確認して、マオは銃に魔力を籠める


「全弾全力、というのは初めてだな」

「期待しているよ。露払いは、僕に任せてくれ」


織莉はそう言って、マオの軌道上に居る使い魔に向けて光の球を幾つも飛ばす

その数はキリカと恭介によって減ってはいたが、集まる魔力に驚異を抱いたのか新たに出現しだしていた


「後20秒で、開くよ」


迫り来る使い魔を捌きながら織莉が言う

マオは全てを信じきった表情で、ただ頷いた


空中にいる使い魔の数はかなり多い

本体である歯車をマオから隠そうとしているのか、その射線上に集中している

織莉の言った20秒が経つ直前、その群れに向けてほむらの大量の兵器が襲い掛かった



使い魔が爆炎に包まれる中、マオは抑えていた力を解放する


「ティロ・フィナーレッ!」


放たれた六つの銀弾は空中で交じりあい、一つの巨大な弾丸へと姿を変える


煙を一瞬で払い、ワルプルギスの夜の歯車へと吸い込まれる様に流れていく銀弾

着弾と同時に大きな衝撃を生み出したそれは、薄暗い見滝原全体を明るく照らし出す程の光を発した


今回はここまで

次回更新は6月2日23時に


日が空いたわりに短くて申し訳ないです

やたらとこのスレのスレタイを目にするからどんなもんかと思ったけどただの出オチだな
引き伸ばしすぎ


勝った後の展開を予想すると切ない

すみません、今日の更新できそうにないです

次の更新は6月4日23時に変更します


多分次で終わります

遅くなりましたが更新していきます


崩壊していくワルプルギスの夜

落下しながら塵へと化していくその光景に、ほむらはその場に座り込んだ


(終わった……の?)


自身のイメージが先行しすぎていたのか、あまりにアッサリし過ぎていて、ほむらはまだ混乱していた


「ほむらちゃん!」

「まどか?」


声に振り返れば、そこには皆と共にいるまどかの姿があった


「どうしてここに?」

「キュゥべえが教えてくれたんだよ。来ないのか聞いたら、次を探しに行くってどっか行っちゃった」

「インキュベーターが?」


それは意外な事だったが、あの生き物が隠し事はしても嘘を吐いた覚えがなく、ほむらは勝利を実感し始める

そして安堵と共に、ずっと先延ばしにしていた事と向き合わなければならない時が来た事に気付いた


(私は……決めなきゃいけない。戻るのか、それとも残るのか)

「……ずっと、悩んでいた事があるの」


皆は不思議そうに首を傾げたがまどかには分かっていた様で、辛そうな表情で口を開いた


「もう一度、時間を遡るかどうか。それが悩みなんだよね?」


まどかの問いに、ほむらは驚きながらも小さく頷いた


「分かってたの?」

「……うん。たまにだけど、ほむらちゃんが僕を通してあの子を見ている時があるって少し前に気付いてから、何となくそう思ったんだ」


切なそうに笑うまどかに、ほむらは言葉を失った


「気にしないで、ほむらちゃん。僕は大丈夫だから」

「そんな顔で言われても……無理よ」

「……別に、責めてる訳じゃないんだ。だから、謝ったりしないで」

「……分かったわ」


「……それで、暁美さんはどうしてまた戻ろうと思うんだい?」


黙り込む皆の代わりに、織莉が訊いた


「……元々、私はこの時間軸を、今までと全く違うこの世界を骨休め程度にしか考えてなかった。でも皆と接して、支えられて、いつしかここの事も大切になっていた」


ほむらは、いつもと変わったこの時間軸では今までのループよりも色々な事があった気がしていた

ここでの記憶は、魔法少女としての長いループの中でも大切な思い出になっていた


(それでも私は……)


「私が救いたいと願ったあの子と今目の前に居るまどかの、心が同じなのも何となく分かる。

皆は私の知る皆と、その魂は同じなんだとも思う。

でも、皆は私の知るあの子達よりずっと強くて、同じだと知っても違って見える。


私がずっと悩んでいたのは、あの子を救いに戻るか、それとも皆をあの子達と同じだと思って残るかの二択。

どっちを選んでも、きっと辛い……」


「なら、残ればいいじゃないか!」


キリカが叫ぶようにそう言った

目に涙を浮かべるキリカに、ほむらはつられて泣き出しそうになった


「キリカ……あなたの事も、考えるの。遡って、もし次に出会う時があればまた敵同士になってしまう。

ここのキリカと私の知る呉キリカは完全に同一人物。だから、敵対すれば私は凄く悲しむわ。きっと躊躇して、私は殺されてしまう」


「それでも……どんなにキリカや皆の事を思ってても、ループした先での事を考えても、最初のあの子を救いたいと思った気持ちと約束が私を揺らがせる。それくらい、私にとってあの子は……少女の鹿目まどかは大切な存在なの」

「バカだよ……ほむらは」

「かもしれないわね」

「私はイヤだよ、行っちゃうなんて!折角できた、友達なのに」


遂に堪えきれずに泣き出したキリカを、ほむらはそっと抱き寄せて頭を撫でた


(私は、この前までずっと行きたいと思ってた。でも、仲良くなった皆と別れるのが辛い。

それになにより、遡った後もう一度この結果を出せる保証もない。そうだわ。ループしたって、失敗する可能性もある。

……見た目を気にしなければ、全てが丸く治まる。皆を、あの子達と同じなのだと思えれば……)


ほむらが思考を巡らしていると、まどかが沈黙を切り裂いて口を開いた


「僕は、行った方が良いと思うよ」


一瞬、その場にいた皆は、まどかが何を言ったのか理解出来なかった

つまんね

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